JP2024051250A - 剪断力センサ素子アレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】生物・生命科学分野において、単一細胞の機械的特性を評価するための圧力センサは、10数μm程度の分解能が求められる。現行の圧力センサでは微小領域において圧力を検出できるものはなく、原子間力顕微鏡等の高精度な機器が利用されている。【解決手段】Si基板上に形成したイオンイメージセンサ表面に圧電性樹脂膜を形成し、さらに横方向の力(剪断力)を垂直方向の力に変換する外力を受けるための複数の弾性体を設けることで、微小な領域で剪断力を検出するセンサ素子アレイを実現する。【選択図】図1

Description

本発明は細胞レベルの微小な空間分解能で微小な剪断力及び垂直力を検出し、さらには検体のpHを同時に検出するセンサ素子アレイに関する。
CMOS型イオンイメージセンサ(非特許文献1)はpHもしくは水素イオン濃度の変化に伴うセンサ表面の電位の変化を検出することができ、エクステンデットゲートCMOS型では最表面にTa2O5感応膜が形成されている。当該感応膜上にさらに圧電性樹脂膜を備えた場合は物理的な力を検出することができる。検出する力の向きはセンサ表面に対して垂直方向である(非特許文献2)。
一方、生物・生命科学分野では細胞の機械的特性が注目されている。機械的特性とは、機械的な力を受けたときの細胞の変形能または変形に対する抵抗であり、その評価は、時間経過に伴う機械的な力に応じた細胞変形の特性評価となる。用途の一例として、変形能(硬さ)による癌細胞の特定診断が挙げられる。また、薬物スクリーニングでは、薬物投与による心筋細胞拍動による筋収縮の周期を評価することで安全性を確認できる。これらの事例では、センサ表面に対して水平方向の力(この明細書では剪断力と称することがある)も検出することが望ましい。
特開平5-26744号公報 特開2014-115282号公報
You-Na Lee, and et al., "High-density 2-um-picth pH image sensor with high-speed operation up to 1933 fps," IEEE Trans. on Biomedical Circuits aand Systems, vol.13, issue2, pp. 352-363, (2019). You-Na Lee, and et al., "Super spatial resolution pressure image sensor based on bonding technique of PVDF film on two micrometer pitch COMS potentiometric sensor array," The 20th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems, W3P.111, pp. 2158-2161, (2019).
特許文献1には、3軸方向の力を検出できるセンサが示されている。可撓性をもった円盤状基板の周囲部分はセンサ筐体に固定され、中心部分には作用体が接合されている。基板内の原点Oについて、XYZ-3次元座標系を定義し、X軸に沿って、4組の検出子が配置され、各検出子は圧電素子を上部電極と下部電極とで挟んだサンドイッチ構造となっている。加速度の作用により、作用体にX軸方向の力Fxが作用すると、円盤状基板が撓み、各電極に正または負の電荷が発生する。電荷の発生態様は、作用した力の方向に依存し、電荷の発生量は、作用した力の大きさに依存する。この電荷発生パターンに基づいて、作用した力の各軸方向成分を検出できる。
特許文献1に示される構成を用いて、微小な領域で剪断力を検出するセンサ構造を実現するためには、可撓性基板の支持が課題となる。ミクロンレベルの空間解像度を実現するためには半導体プレーナプロセスを利用する他なく、圧電素子を上下から電極で挟み込む構造は製造工程が複雑になる。
特許文献2には、複数の第1電極を備えた第1基板と、複数の第1電極それぞれに対応する複数の第2電極を備えた第2基板と、第1基板と第2基板との間に挿入される誘電体と、を含み、複数の第1電極のいずれか1つの電極に対して、これに対応する第2電極は一方向に離れて配置され、複数の第1電極のいずれか1つの電極に隣接する他の第1電極に対して、これに対応する第2電極は他方向に離れて配置されることを特徴とする触覚センサが開示されている。電極間の静電容量の変化から垂直抗力とせん断力を検出する構成である。
特許文献2に示される構造においても、半導体プレーナプロセスを用いることを前提とすると、第1基板と第2基板の間に挿入される誘電体層の支持手段が課題である。表面及び裏面に同一機能を持たせることは、半導体プレーナプロセスでは困難である。
特許文献1及び2は、可撓性材料や誘電体材料を基板として応力検出素子を形成している。微細加工に適した半導体プレーナプロセスを用いずに、機械的な力の検出に関して、空間解像度を向上させることは難しい。
微小な領域、例えば、単一細胞の機械的特性を評価するための圧力センサは、10数μm程度の分解能が求められる。現行の圧力センサでは微小領域において圧力を検出できるものはなく、原子間力顕微鏡(AFM)等の高精度な機器を利用している。AFMは10pN~10μN程度の広い範囲の力を検出できるが、計測のスループットに課題がある。
本願発明者らは、以上の事情を鑑み、Si基板上に形成したCMOS型イオンイメージセンサ表面に圧電性樹脂膜を形成し、さらに横方向の力(剪断力)を垂直方向の力に変換する外力を受けるための複数の弾性体を設けることで、微小な領域で剪断力を検出するセンサ素子アレイの実現に至った。
図1に示す弾性体の側面から剪断力を加えると剪断変形が発生する。弾性体の側面形状が長方形であれば、並行四辺形に変形する。弾性体の左手側から剪断力を加えると、右上がりの対角線に沿って引っ張り応力が働き、左下がりの対角線に沿って圧縮応力が働く。
前記のように剪断変形が発生する状態で弾性体の底面が別な層に密着していれば、弾性体の弾性により、当該層は剪断力を加えた始点で引っ張り応力を受け、終点では圧縮応力を受ける。下層が圧電性樹脂膜を含む構造であれば、圧電性樹脂膜は弾性体の始点に位置する部位に引っ張り応力を受け、終点に位置する部位には圧縮応力を受ける。圧電性樹脂膜の各部位の電位変化を検出することで、弾性体に加わる剪断力を特定できる。
ここで、弾性体の形状について考察する。半導体プレーナプロセスを用いることから、弾性体の高さは数μm程度であり、1μm~10μmが適切であるが、高さは高い方が望ましい。弾性体を上面または下面から見た形状は1μm×1μm~10μm×10μmが望ましい範囲であるが、剪断変形の度合いが大きいために弾性体の形状は小さい方が好都合である。
圧電膜に垂直方向に力Fを印加した際に発生する電荷量Qpは圧電性薄膜の圧電定数d33を用いて次式で表される。
Qp=d33×F (1)
次に電位検出ユニット1ユニット当たりの感応膜容量CSENSから垂直方向の力に対する出力電圧Voutの理論感度は次式で求まる。
Vout=Qp / CSENS (2)
感応膜容量CSENSを0.71fF、圧電定数はポリフッ化ビニルデン材料の標準的な値として18pC/Nとすると、出力電圧の理論感度は25.3mV/μNとなる。非特許文献1による電位検出ユニットの雑音レベルは約3mVであるので、0.1μN程度の力を検出することができる。
弾性体の水平方向から力が印加された場合、垂直方向への力はポアソン比で決定される。弾性体をエポキシ樹脂とすると、ポアソン比は0.3前後であり、水平方向の力に比して約1/3の力が加わり、水平方向の剪断力を垂直方向の力として検出できる。
この発明の第1の局面は、剪断力センサ素子アレイであって、Si基板上に表面電位に応じて電位井戸の深さを変化させるセンシング部と、当該センシング部上に層間絶縁膜が形成され、当該層間絶縁膜上に金属電極が形成され、当該金属電極は当該層間絶縁内に設けられた金属貫通孔を介してセンシング部と電気的に接続された、電位検出ユニットを有し、当該電位検出ユニットをアレイ化してなり、アレイを構成した前記センシングユニットの前記第1の金属電極の直上に感応膜(Ta2O5、Si3N4、その他の水素イオンを吸着する薄膜)から成る第1の感応膜が形成され、当該第1の感応膜の直上に圧電性を有する樹脂薄膜から成る第2の感応膜が形成され、前記第2の感応膜の直上に金属膜(防水膜)が形成され、当該金属膜上に外力を受けるための複数の弾性体が形成され、当該弾性体の直下には少なくとも2つ以上の電位検出ユニットが配置されていることを特徴とする。
この発明の第2の局面は、前記第1の局面において、前記弾性体が離間して配置され、前記弾性体間の空隙部に位置する前記第2の感応膜及び前記金属膜が除去され、前記第1の感応膜が露出していることを特徴とする。
この発明の第3の局面は、前記第1乃至は第2の局面において、前記弾性体を少なくとも4体有し、少なくとも当該弾性体2体が第1の直線上に配置され、少なくとも当該弾性体2体が当該第1の直線と直交方向に第2の直線上に配置されていることを特徴とする。
本願発明により、μmレベルの空間解像度で剪断力をイメージングでき、生物・生命科学分野で注目される細胞の硬さ、心筋細胞の拍動等を直接観測することができる。更には、pHイメージセンサを電位検出器アレイとしているので培養液中での細胞の機械的特性と併せてpH等の化学的特性を同時に検出することができる。
第1の実施形態に示す剪断力センサ素子アレイの概略断面図である。 第2の実施形態に示す剪断力センサ素子アレイの概略断面図である。 第3の実施形態に示す剪断力センサ素子アレイの剪断力検出部の配置例を示す概略斜視図である。 本実施形態による電位検出ユニットの構成を示す断面図である。 本実施形態による電位検出ユニットの動作を説明する電位分布図である。
本願発明による剪断力センサ素子アレイは、電位検出ユニットと圧電性樹脂膜は別々に作製し、貼り合わせた後の弾性体を形成する。圧電性樹脂膜の分極処理を行うためである。弾性体底面の対辺において各々電位を検出するために、各弾性体の下部には少なくとも2つの電位検出器が必要である。剪断力が加わる弾性体の寸法を数μm程度に設定しているために、電位検出器の素子間隔は1~2μm程度が望ましい。
(第1の実施形態)
本実施形態による剪断力センサ素子アレイ100の概略断面図を図1に示す。尚、図1の概略断面図では第1の実施形態の説明に不要な部分は省略してある。当該剪断力センサ素子アレイ100は、複数のCMOS拡張ゲート型電位検出ユニット1からなる電位検出器アレイ60及び剪断力検出部40から構成される。当該電位検出ユニット1は層間絶縁膜30, 33、層間絶縁膜30, 33の直上に金属電極35を備え、金属電極35を被覆する形状に水素イオン感応膜36が形成されている。金属電極35は層間絶縁膜30, 33内の金属貫通孔31, 34及び金属接続部32を介して電位検出ユニット1のセンシング領域規定電極13に電気的に接続される。
次に、剪断力検出部40について説明する。剪断力検出部40は電位検出器アレイ60上に形成され、圧電性樹脂膜42、金属薄膜41、弾性体43から構成されている。圧電性樹脂膜42は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂膜を用いた。PVDFは高耐性、高純度な熱可塑性フッ素重合体のひとつである。PVDFは強誘電性高分子であり、圧電性や焦電性を示すことから、圧力センサへの利用される。その他、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合体(VDF-TrFE)からなる樹脂またはフッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体(VDF-TeFE)を使用しても構わない。
細胞の機械的特性の評価は培養液等の水溶液中で行うことから、防水のために圧電性樹脂膜42上に金属薄膜41を形成することが望ましい。本実施形態ではAu膜をスパッタ法で形成した。
弾性体43は、微細な領域で選択的に形成する必要があることから、半導体プレーナプロセスを用いて形成できる材料が望ましい。本実施形態では厚膜レジストSU-8を用いた。SU-8はエポキシ樹脂であるEPON SU-8をベースにしたネガ型フォトレジストであり、スピンコート法で塗布できる。粘性が高く、高アスペクト比の弾性体43が形成できる。SU-8は生体適合性を有しており、細胞の評価には好適である。
剪断力検出部40の寸法諸元として、圧電性樹脂膜の厚さ1μm、Au薄膜の厚さ200nm、弾性体43の高さ5μm、弾性体パターン面積8μm×8μmと定めた。
分極処理工程として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材としてインジウムスズ酸化物(ITO)電極、PVDF膜を積層形成しておき、10kV程度の高電圧印加により分極処理を行う。分極処理後にITO電極を溶解することでPVDF膜をPETフィルムから剥離しておく。
転写工程として、剥離させたPVDF膜を電位検出器アレイ60上に貼り付ける。転写工程は純水等の液体中で実施することが簡便で、電位検出器アレイ60及びPVDF膜の表面はO2プラズマによる親水化処理を施しておくことが望ましい。
転写工程及びAu膜形成工程後、弾性体43形成工程を行う。厚膜フォトレジストSU-8を回転数3000rpmでスピンコート法で塗布する。塗布前処理として100℃程度の熱処理及び疎水化表面処理(例えば、HMDS処理)を施すことが望ましい。塗布後、95℃、2分のプリベークを行う。SU-8をフォトリソグラフィで加工し弾性体43を形成する。i線露光でリソグラフィを行い、露光後95℃、1分の熱処理を加えた。その後、SU-8専用現像液でi線が照射されなかった未架橋部分を溶解させ、イソプロピルアルコールでリンス処理する。
以上の工程により作製した剪断力センサ素子アレイ1は、弾性体43に加えた剪断力の始点側の圧電性樹脂膜42に引っ張り応力が加わり、剪断力の終点側の圧電性樹脂膜42には圧縮応力が加わる。圧電性樹脂膜42はそれぞれに受けた力に応じた電位を発生し、電位検出ユニット1の水素イオン感応膜36を介して、発生した電位変化は始点側及び終点側の直下に配置された電位検出ユニット1のセンシング領域6にそれぞれ伝達される。PVDF膜の場合、圧電係数が正であるので、検出される電位は始点側ではマイナス方向に変化し、終点側でプラス方向に変化する。
前述の検出結果に関して、始点側及び終点側の電位変化が同方向の場合は、主に垂直力が印加されていると判断できる。始点側及び終点側の電位変化が同方向でかつ検出される電位変化量が異なる場合は垂直方向から軸ズレが発生している場合である。この場合、弾性体43の底面の4角に対角線上に電位検出ユニット1を配置すれば、垂直方向からの軸ズレ角が特定できる。
(第2の実施形態)
本実施形態による剪断力センサ素子アレイ100の概略断面図を図2に示す。尚、図2の概略断面図では第2の実施形態の説明に不要な部分は省略してある。前記第1の実施形態を変形することで、pH検出部50を備えた第2の実施形態となる。前記第1の実施形態で前記弾性体43が形成されていない部分の金属膜及び圧電性薄膜42を除去することで、pHを特定する水素イオン感応膜36が露出される。金属膜41の除去工程として、Au膜の除去ではリソグラフィによる選択エッチングが可能な、I2+KI混合液等のヨウ素系エッチング液の利用が望ましい。または、フォトレジストによるリフトオフ法を用いてもパターニングは可能であり、予め金属膜による防水を施す領域を決定してもよい。
次に、PVDF膜の除去工程として、PVDF膜の加工はウェットプロセスではジメチルアセトアミド(DMA)溶液をエッチング液として用いて加工でき、ドライプロセスではO2プラズマによる反応性イオンエッチングにより加工できる。このようにして作製した第2の実施形態では剪断力とpHの同時検出が可能となる。
以上の工程により作製された剪断力センサ素子アレイ100では、前記第1の実施形態と同様に剪断力を検出できる。加えて、pH検出部50を備えており、pHを検出することができる。
癌細胞は変形能や癌細胞近傍のpHが正常細胞に比べて異なることが知られている。第2の実施形態による剪断力センサ素子アレイを用いて、癌細胞の変形能を剪断力センサ部で特定し、癌細胞近傍のpH変化を併せて特定することで、癌細胞の診断精度を向上させることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態による剪断力センサ素子アレイ100では心筋細胞の筋収縮や原核細胞の移動を評価することができる。ここで、非特許文献1による電位検出器アレイはフレーム速度が約2000fpsであり、約0.5mSecの時間分解能を有している。複数の剪断力検出部40が直線上に配置され、当該剪断力検出部40の配置間隔を0.1mmとすれば、0.2m/Sec(毎秒20cm)の移動速度まで検出できる。細胞運動を評価するには充分な速度である。本実施形態では、xy軸上の直交する2直線上に少なくとも各々2体以上の剪断力検出部40を配置しているので、xy平面上での移動方向と移動速度を検出できる。なお、第1及び第2の直線が直交関係を満たさなくても移動方向と移動速度は検出可能であるが、検出精度は低下する。
(電位検出ユニットの構成と動作)
本実施形態の剪断力センサ素子アレイ100を構成するCMOS拡張ゲート型電位検出ユニット1の原理的な構成を図5に示す。当該電位検出ユニット1は、シリコン基板2上に、第1の電荷排出(D1)領域4から電荷を転送する方向へ順にセンシング(Sen)領域6、第1の浮遊拡散(FD1)領域7、電荷転送(TG)領域10、第2の浮遊拡散(FD2)領域8、電荷転送制御(AG)領域11、電荷蓄積(FD)領域9、リセット(RG)領域12、第2の電荷排出(D2)領域5が区画される。
各領域の区画はシリコン基板2の表面におけるシリコン半導体の伝導型の違いにより規定される。電荷として電子を用いた場合、第1の電荷排出(D1)領域4、第1の浮遊拡散(FD1)領域7、第2の浮遊拡散(FD2)領域8、電荷蓄積(FD)領域9及び第2の電荷排出(D2)領域5はn+型の領域であり、センシング(Sen)領域6、電荷転送(TG)領域10、電荷転送制御(AG)領域11及びリセット(RG)領域12はp型の領域である。
シリコン基板2の表面には酸化シリコン絶縁膜3が積層されている。センシング(Sen)領域6上にセンシング領域規定電極13が形成される。更に、酸化シリコン層33と金属電極35が積層され、金属電極35の表面に第1の感応膜37として五酸化タンタル膜が積層される。第1の感応膜37表面の電位変化は酸化シリコン層30, 33内に埋設された金属貫通孔31, 34及び金属接続部32を介してセンシング領域規定電極13に伝達される。電荷転送(TG)領域10上に酸化シリコン絶縁膜3を介して電荷転送電極14が形成され、電荷転送制御(AG)領域11上に酸化シリコン絶縁膜3を介して電荷転送制御電極15が形成され、リセット(RG)領域12上に酸化シリコン絶縁膜3を介してリセット電極16が形成される。
第1の浮遊拡散(FD1)領域7はセンシング(Sen)領域6に近接して配置され、センシング(Sen)領域6の電位を反映した電荷量を蓄積する。電荷転送(TG)領域10の電位は充分な低電圧または充分な高電圧、例えば、接地電位(GND)または電源電圧(VDD)が適宜印加され、電荷転送(TG)領域10は第1の浮遊拡散(FD1)領域7と第2の浮遊拡散(FD2)領域8間で電荷転送を行う。
電荷転送制御(AG)領域11は第2の浮遊拡散(FD2)領域8と電荷蓄積(FD)領域9の間に近接して配置され、接地電位または、電源電圧とセンシング(Sen)領域6の電位との間の所定の電位が印加される。電荷転送制御(AG)領域11は第2の浮遊拡散(FD2)領域8から電荷蓄積(FD)領域9への電荷の転送量を制御する。
リセット(RG)領域12は電荷蓄積(FD)領域9と第2の電荷排出(D2)領域5の間に近接して配置され、接地電位または電源電圧が印加される。リセット(RG)領域12は電荷蓄積(FD)領域9から第2の電荷排出(D2)領域5への電荷転送を制御する。
図5を参照しながら電位検出ユニット1の動作を説明する。電位検出ユニット1の動作ステップは図5Aから図5Dの4ステップからなっている。電位の高さを矢印で示しており、下方が高電位となっている。ここでは、電荷を電子と仮定する。以下の説明では電荷として負電荷である電子を用いる。
第1の電荷排出(D1)領域4及び第2の電荷排出(D2)領域5は全ステップにわたって充分な高電圧、例えば、電源電圧が印加されており、常に電荷を排出する。
図5Aは初期状態である。リセット(RG)領域12の電位を電源電圧とすると、第2の電荷排出(D2)領域5と電荷蓄積(FD)領域9の電位は等しくなり、電荷蓄積(FD)領域9の電荷は排出される。尚、第1の浮遊拡散(FD1)領域7及び第2の浮遊拡散(FD2)領域8には不定量の電荷が残存している。このステップの終了時点では、リセット(RG)領域12の電位を接地電位とし、電荷蓄積(FD)領域9と第2の電荷排出(D2)領域5間の電荷移動を遮断しておく必要がある。
図5Bでは第2の浮遊拡散(FD2)領域8に電荷を注入する。電荷転送(TG)領域10と電荷転送制御(AG)領域11の電位を一旦接地電位とし、電荷注入回路20から電荷を注入する。第2の浮遊拡散(FD2)領域8に保持される電荷の最低電位は接地電位と等しい。本ステップの終了時には、電荷注入回路20からの電荷注入を終了する。
図5Cでは電荷転送(TG)領域10の電位を電源電圧とし、第2の浮遊拡散(FD2)領域8の電荷の一部を第1の浮遊拡散(FD1)領域7を介して第1の電荷排出(D1)領域4に転送する。第2の浮遊拡散(FD2)領域8に残余する電荷の最低電位はセンシング(Sen)領域6の電位に規定される。
図5Dでは電荷転送(TG)領域10の電位を接地電位とし、第1の浮遊拡散(FD1)領域7と第2の浮遊拡散(FD2)領域8間の電荷の移動を遮断する。このステップでは、第1の浮遊拡散(FD1)領域7に保持された電荷の最低電位はセンシング(Sen)領域6が検出する電位を保持しており、第2の浮遊拡散(FD2)領域8に保持された電荷の最低電位は電荷転送制御(AG)領域11の電位に保持される。この時、電荷転送制御(AG)領域11の電位をセンシング(Sen)領域6の電位よりも高くすることにより、その電位差に応じた電荷量が電荷蓄積(FD)領域9に転送される。
電荷蓄積(FD)領域9に蓄積された電荷量はセンシング(Sen)領域6の電位の高さを反映しているので、高い入力インピーダンスを持つバッファ回路21などで電位を計測すればよい。
本願発明は前記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載の趣旨を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
1、1A~1F 電位検出ユニット
2 シリコン基板
3 絶縁膜(酸化シリコン膜)
4 第1の電荷排出(D1)領域
5 第2の電荷排出(D2)領域
6 センシング(Sen)領域
7 第1の浮遊拡散(FD1)領域
8 第2の浮遊拡散(FD2)領域
9 電荷蓄積(FD)領域
10 電荷転送(TG)領域
11 電荷転送制御(AG)領域
12 リセット(RG)領域
13 センシング領域規定電極
14 電荷転送電極
15 電荷転送制御電極
16 リセット電極
20 電荷注入回路
21 出力電圧検出回路(バッファ回路)
30、33 層間絶縁膜(酸化シリコン膜)
31、34 金属貫通孔
32 金属接続部
35 金属電極
36 水素イオン感応膜
40、40A、40B 剪断力検出部
41 金属膜(防水用)
42 圧電性樹脂膜
43 弾性体
50 pH検出部
60 電位検出器アレイ
100 剪断力センサ素子アレイ
101 pH及び剪断力センサ素子アレイ

Claims (3)

  1. Si基板上に表面電位に応じて電位井戸の深さを変化させるセンシング部と、当該センシング部上に層間絶縁膜が形成され、当該層間絶縁膜上に金属電極が形成され、当該金属電極は当該層間絶縁内に設けられた金属貫通孔を介してセンシング部と電気的に接続された、電位検出ユニットを有し、当該電位検出ユニットをアレイ化してなり、
    アレイを構成した前記電位検出ユニットの前記金属電極の直上に感応膜(Ta2O5、Si3N4、その他の水素イオンを吸着する薄膜)から成る第1の感応膜が形成され、当該第1の感応膜の直上に圧電性を有する樹脂膜から成る第2の感応膜が形成され、
    前記第2の感応膜の直上に金属膜(防水膜)が形成され、
    当該金属膜上に外力を受けるための複数の弾性体が形成され、当該弾性体の直下には少なくとも2つ以上の電位検出ユニットが配置されていることを特徴とする剪断力センサ素子アレイ。
  2. 前記弾性体が離間して配置され、前記弾性体の空隙部に位置する前記第2の感応膜及び前記金属膜が除去され、前記第1の感応膜が露出していることを特徴とする請求項1記載の剪断力センサ素子アレイ。
  3. 前記剪断力センサ素子アレイの表面上に前記弾性体が少なくとも4体配置され、少なくとも当該弾性体2体が当該剪断力センサ素子アレイの表面上における第1の直線上に配置され、少なくとも当該弾性体2体が当該第1の直線と直交方向に第2の直線上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至は2記載の剪断力センサ素子アレイ。
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