JP2024050879A - 電気錠の操作ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】電動機構で施錠状態と解錠状態とを切り替えることが可能な電気錠を、一挙動の手動操作でも施錠状態と解錠状態とを切り替えることが可能な電気錠の操作ユニットを提供することである。【解決手段】ウィング式の扉5に取り付けられた電気錠1の室内側ユニット2であって、電気錠1のデッドボルト4側に動力を伝達する動力伝達機構部と、スライド操作部材7を有し、スライド操作部材7は、動力伝達機構部と係合していて往復直線移動が可能であり、電気錠1の解錠状態と施錠状態を切り替えることを可能にした。【選択図】図1
Description
本発明は、電気錠の解錠操作及び施錠操作を実施するための操作ユニットに関するものである。
従来、様々な形態の電気錠が発案されている。そして、これらの電気錠には、通電により駆動される動力部でデッドボルトを進退させるのみならず、様々な工夫が成されたものが存在する。例えば、通電が遮断された際においても解錠及び施錠できるように、電気錠のデッドボルトを進退させる手動の操作部材を備えた操作ユニットが設けられているものが存在する。操作部材としては、特許文献1に開示されているようなサムターンと称する回転式のものが主流である。
ところで、サムターンは、指で摘まみ、さらに回転させるという二つの動作が必要であり、手が塞がっているときには解錠操作及び施錠操作が非常に困難である。
そこで本発明は、電動機構で施錠状態と解錠状態とを切り替えることが可能な電気錠を、一挙動の手動操作でも施錠状態と解錠状態とを切り替えることが可能な電気錠の操作ユニットを提供することを課題としている。
そこで本発明は、電動機構で施錠状態と解錠状態とを切り替えることが可能な電気錠を、一挙動の手動操作でも施錠状態と解錠状態とを切り替えることが可能な電気錠の操作ユニットを提供することを課題としている。
上記課題を解決するための本発明の様相は、ウィング式の扉に取り付けられた電気錠の操作ユニットであって、前記電気錠のデッドボルト側に動力を伝達する動力伝達機構部と、手動で操作される操作部を有し、前記操作部は、前記動力伝達機構部と係合していて往復直線移動が可能であり、前記電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替えることが可能であることを特徴とする電気錠の操作ユニットである。
本様相によると、操作ユニットは、電気錠のデッドボルト側に動力を伝達する動力伝達機構部と手動で操作される操作部を有し、操作部は動力伝達機構部と係合していて往復直線移動が可能である。すなわち、操作部を押圧する、又は牽引すると、操作部は直線移動する。
そのため、操作部を押圧又は牽引することによって、電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替えることができる。よって、本様相の操作ユニットは、指で摘まむ必要がなく、操作部を押圧して押圧方向に操作部を移動させる、又は操作部を牽引して牽引方向に操作部を移動させるだけで電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替えることができる。
換言すると、操作部を直線的に移動させるだけで電気錠の施錠と解錠を実施することができる。
具体的には、手に荷物を持っており、操作部を摘まむことができない(指が使用できない)状態であっても、摺動式の操作部を押圧操作又は牽引操作(引っ張り操作)することができれば、電気錠を解錠及び施錠することができる。
そのため、操作部を押圧又は牽引することによって、電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替えることができる。よって、本様相の操作ユニットは、指で摘まむ必要がなく、操作部を押圧して押圧方向に操作部を移動させる、又は操作部を牽引して牽引方向に操作部を移動させるだけで電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替えることができる。
換言すると、操作部を直線的に移動させるだけで電気錠の施錠と解錠を実施することができる。
具体的には、手に荷物を持っており、操作部を摘まむことができない(指が使用できない)状態であっても、摺動式の操作部を押圧操作又は牽引操作(引っ張り操作)することができれば、電気錠を解錠及び施錠することができる。
前記動力伝達機構部を収容する筐体を有し、前記操作部は、前記筐体に沿って往復移動が可能であり、前記操作部は、前記筐体に対して着脱が可能であるのが好ましい。
この構成によれば、操作部と動力伝達機構部との係合位置を調整後、操作部を筐体に装着することができる。そのため、操作ユニットは、扉の左側に取り付けられる仕様の左開き電気錠と、扉の右側に取り付けられる仕様の右開き電気錠に適応することができる。すなわち、操作ユニットは、左開き及び右開きのウィング式の扉に対応してカスタマイズすることができる。また、筐体に対して、操作部を所定の二つの位置の間を往復移動させる場合、一方の位置にあるときに、電気錠を施錠状態に設定したり、解錠状態に設定することができ、対応して他方の位置にあるときに、電気錠を解錠状態に設定したり、施錠状態に設定することができる。
前記操作部は、本体部材と化粧部材を有し、前記本体部材と化粧部材が一体の状態では、前記筐体からの取外しが不能であり、前記操作部が、前記筐体に対して特定の位置にあるときに、本体部材から化粧部材の取り外しが可能になり、化粧部材が取り外された本体部材が、前記特定の位置とは相違する別の位置にあるときに、前記筐体から取外しが可能になるのが好ましい。
この構成によれば、操作部が不用意に筐体から外れたり、操作部が操作ユニット及び動力伝達機構部からむやみに取り外される事態を防止することができる。また、必要に応じて、操作部を筐体及び動力伝達機構部から取り外すことができる。
前記操作ユニットが扉の室内側に配置されており、前記扉の室外側には前記電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替える室外側操作ユニットが配置されており、両操作ユニットの少なくとも一方には、雌ねじを備えたボルト係合部材を複数設けてあり、前記ボルト係合部材同士の間隔を変更可能であるのが好ましい。
電気錠を備えた扉に取り付けられ、前記電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替える操作ユニットが、前記扉の室内側と室外側に配置されており、室内側の操作ユニットと室外側の操作ユニットのうちの少なくとも一方には、雌ねじを備えたボルト係合部材を複数設けてあり、前記ボルト係合部材同士の間隔を変更可能であることを特徴とする電気錠の操作ユニットである。
電気錠を備えた扉に取り付けられ、前記電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替える操作ユニットが、前記扉の室内側と室外側に配置されており、室内側の操作ユニットと室外側の操作ユニットのうちの少なくとも一方には、雌ねじを備えたボルト係合部材を複数設けてあり、前記ボルト係合部材同士の間隔を変更可能であることを特徴とする電気錠の操作ユニットである。
この構成よれば、ボルト係合部材の間隔を変更することにより、既設の電気錠のボルト挿通孔の間隔に対応することができる。すなわち、既設の電気錠に、本実施形態に係る操作ユニット及び室外側操作ユニットを容易に取り付けることができる。
本発明の電気錠の操作ユニットは、電気錠の施錠及び解錠の手動操作が容易である。
以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において、上下の向きは、図1に示す姿勢における上下を基準にしている。
図1に示すように扉5の内部に電気錠1が装着されている。扉5は、図示しないヒンジを中心に回動するウィング式の扉である。電気錠1は、デッドボルト4と、当該デッドボルト4を進退させる動力機構部(図示せず)を備えている。扉5には貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔が電気錠1と連通している。
図1に示すように扉5の内部に電気錠1が装着されている。扉5は、図示しないヒンジを中心に回動するウィング式の扉である。電気錠1は、デッドボルト4と、当該デッドボルト4を進退させる動力機構部(図示せず)を備えている。扉5には貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔が電気錠1と連通している。
図1に示すように、扉5の室内側には室内側ユニット2が取り付けられており、扉5の室外側には室外側ユニット3(室外側操作ユニット)が取り付けられている。室内側ユニット2と室外側ユニット3は、扉5を挟んでボルト(図示せず)で互いに締結されている。室内側ユニット2と室外側ユニット3は、共に電気錠1の解錠状態と施錠状態を切り替える機能を有する。
室外側ユニット3は、入室者が暗証番号を入力するための入力部(例えばテンキー)や、入室者が所有する認証用のデバイスと無線通信(Bluetoothや赤外線通信)を行う受信部と、入力部から入力された入力情報や、受信部が受信した認証信号が、正当なものであるか否かを判定し、正当であると判定した場合に、電気錠1を作動させる制御部を備えている。すなわち、制御部からの指令によって、電気錠1は動力機構部(図示せず)を作動させ、デッドボルト4を進退させる。
次に、本実施形態にかかる操作ユニットである室内側ユニット2について説明する。
図2~図6に示すように、室内側ユニット2は、筐体6とスライド操作部材7(操作部)と、動力伝達機構部8を有する。
図2~図6に示すように、室内側ユニット2は、筐体6とスライド操作部材7(操作部)と、動力伝達機構部8を有する。
筐体6は、室内側ユニット2の外郭を構成し、後述の動力伝達機構部8を収容する部材である。また、筐体6は、スライド操作部材7をスライド移動可能に係合させる部材である。図3、図4に示すように、筐体6は、扉5(図1)に固定される固定部6aと、固定部6aに着脱可能に一体化される蓋部6bを有する。筐体6は、略直方体形状を呈しており、内部にはバッテリ9(電源)を収容する領域と動力伝達機構部8を収容する領域が形成されている。バッテリ9は、バッテリケース6cで覆われている。バッテリケース6cは、固定部6a、蓋部6bの両方に固定しても、はいずれか一方のみに固定してもよい。本実施形態では、バッテリ9を収容する領域の下方に動力伝達機構部8を収容する領域が設けられている。
蓋部6bには、スライド操作部材7を配置する配置部10が設けられている。図5に示すように、配置部10は、蓋部6bの下方側に設けられた上下方向にのびる略U字形を呈する凹部である。略U字形の配置部10における互いに対向する部位に、上下にのびる突条部11が設けられている。突条部11は、配置部10の下端付近から配置部10の略中央付近の高さ位置までのびている。突条部11によって、配置部10の幅寸法が部分的に狭くなっている。すなわち、配置部10の幅寸法は、上方側が広く、下方側は狭くなっている。
配置部10の両側の、蓋部6bの下端部分は、固定部6aとは反対側に突出した突出部12を構成している。また、突出部12の上部には湾曲面12aが形成されている。湾曲面12aは、下に凸の曲面である。突出部12によって、蓋部6bにおける突出部12の突出方向の厚みは、下方へいくほど大きくなっている。
配置部10には、スライド操作部材7(操作部)が配置されている。図7(a)、図7(b)に示すように、スライド操作部材7は、U字形状の配置部10にちょうど嵌まり込む外形形状を呈している。図8(a)、図8(b)に示すように、スライド操作部材7は、本体部材14と化粧部材15を有する。
本体部材14は、正面部14aと、起立壁部14bを有する。
正面部14aは、正面視して略長方形の平板状の部位であり、本体部材14の正面壁を構成している。正面部14aの長手方向の一方側には、湾曲した曲面13が連続している。正面部14aの縁の周囲には、起立壁部14bが配されている。正面部14aの長辺部分が、起立壁部14bと連続しており、短辺部分は起立壁部14bと離間している。
正面部14aは、正面視して略長方形の平板状の部位であり、本体部材14の正面壁を構成している。正面部14aの長手方向の一方側には、湾曲した曲面13が連続している。正面部14aの縁の周囲には、起立壁部14bが配されている。正面部14aの長辺部分が、起立壁部14bと連続しており、短辺部分は起立壁部14bと離間している。
起立壁部14bは、正面部14aの縁の周囲に配されており、正面部14aと交差(直交)しており、本体部材14の側面壁を構成している。すなわち、正面部14aと起立壁部14bによって、空間32が形成されている。
起立壁部14bにおける外側の長手方向の途中の部位には、装着部16a、16bが設けられている。装着部16a、16bは、起立壁部14bにおける互いに対向する位置に設けられている。装着部16a、16bは、起立壁部14bの凹んだ部位である。装着部16a、16bには、それぞれねじ孔19a、19bが設けられている。
装着部16a、16bには、アダプタ部材17が装着される。アダプタ部材17は、板状の部材であり、基部側と先端側を有する。基部側には装着部16a又は16bに固定するためのねじ20a、20bを通す貫通孔(図示せず)が設けられている。また、先端側には切欠部17aが設けられている。すなわち、アダプタ部材17の先端側は、切欠部17aによって中央部分が凹んでおり、先端側の外形は、略コの字形を呈している。
アダプタ部材17は、装着部16a、16bのいずれか一方にネジ止め固定される。すなわち、アダプタ部材17を貫通したねじ20a、20bが、装着部16a(又は装着部16b)のねじ孔19a、19bに螺合し、装着部16a(又は装着部16b)にアダプタ部材17が固定される。そのため、アダプタ部材17は、装着部16a(又は装着部16b)に対して着脱が可能である。
起立壁部14bにおける、装着部16a、16bの隣には、当接部26が設けられている。
起立壁部14bにおける、装着部16a、16bの隣には、当接部26が設けられている。
起立壁部14bの長手方向の両側の短辺は、正面部14aとは離間している。そのため、起立壁部14bの長手方向の両側の短辺と、正面部14aとの間には空隙21a、21bが形成されている。
起立壁部14bの一方の短辺は、係合部31を構成している。係合部31は、後述の動力伝達機構部8側の部材と係合する部位である。また、係合部31における正面部14a側の端部には、係止部22(図10(a))が設けられている。係止部22は、起立壁部14bの当該短辺(係合部31)から正面部14a側(空隙21a側)に突出する部位である。また、起立壁部14bの対向する一対の長辺における、他方の短辺側の部位は、正面部14aの曲面13に沿って拡がる幅広部23を構成している。両幅広部23は、平板状の底壁14cで連結されている。
両幅広部23と底壁14cで囲まれた部位には、補強片14dが設けられている。補強片14dは、曲面13が湾曲して伸びる方向とは反対側へ伸びる略板状の部位であり、その基部は底壁14cに固定されており、両側が両幅広部23に固定されており、先端部分は開放されており、当該先端部分には段部18が形成されている。
図10(a)に示すように、補強片14dの正面部14a側の面は、傾斜面30を構成している。傾斜面30は、段部18に近い部位ほど正面部14a側に接近するように傾斜している。
段部18は、係合面18aと起立面18bを有する。係合面18aは、正面部14aと平行又は略平行な面である。起立面18bは、係合面18aと交差(直交)する壁面である。
また、図8(a)、図8(b)、図10(a)に示すように、補強片14dと、正面部14aの曲面13と、両幅広部23で囲われた部位には空隙21bが形成されている。空隙21bは、本体部材14を、正面部14aの法線方向に貫通する孔である。
一方、化粧部材15は、図8(a)に示すように、正面部15aと側面部15bを有する。正面部15aと側面部15bは、一体化されている。正面部15aは、略長方形の板状の部位であり、化粧部材15の正面壁を構成している。正面部15aの長手方向の一方側は、湾曲して曲面24を構成している。曲面24には、さらに突出壁25が連続している。突出壁25は、正面部15aの平面部分と平行であり、曲面24と屈曲して連続している。曲面24は、蓋部6bの湾曲面12aと同様の曲面である。
正面部15aにおける曲面24とは反対側の端部には、突出係合部28が設けられている。突出係合部28は、片持ち状であって、基部側が正面部15aに固定されており、自由端側に突条28aを備えている。図8(a)、図10(a)に示すように、突条28aは、正面部15aと平行であって、外側に突出している。
曲面24及び突出壁25の両側の縁には、側面部15bが設けられている。側面部15bは、正面部15a側から突出壁25側へ曲面24に沿って拡がっている。両側面部15bには、抱持部27が設けられている。抱持部27は、正面部15aと平行な係合面27aを有する。係合面27aは、図8(a)に示すように、正面部15aよりも正面部15aの肉厚分だけ背面側に設けられている。
また、突出壁25及び側面部15bは、底壁15cを介して連続している。底壁15cは、突出壁25及び側面部15bと交差している。図8(b)、図10(b)に示すように、突出壁25、両側面部15b、及び底壁15cで囲われた部位には、弾性係合部29が設けられている。弾性係合部29は板状であり、片持ち状に一端が突出壁25に固定されている。弾性係合部29の他端側は自由端であり、返し部29aが設けられている。返し部29aは、底壁15c側に突出した段を構成している。また、返し部29aの底壁15c側の面は、傾斜面29bを構成している。傾斜面29bは、返し部29aの段に近い部位ほど底壁15c側に張り出すように傾斜している。弾性係合部29は、基部を中心に若干の揺動が可能であり、返し部29aの位置を変動させることができる。
次に、本体部材14と化粧部材15の着脱の仕方について説明する。
図10(a)に示す本体部材14の空隙21aに化粧部材15の突出係合部28を挿入し、図10(b)に示すように、突条28aを本体部材14の係止部22に係合させる。この状態を外観すると、図9(a)、図9(b)に示すような状態となる。
図10(a)に示す本体部材14の空隙21aに化粧部材15の突出係合部28を挿入し、図10(b)に示すように、突条28aを本体部材14の係止部22に係合させる。この状態を外観すると、図9(a)、図9(b)に示すような状態となる。
本体部材14に対して化粧部材15を、突出係合部28を中心に揺動させ、弾性係合部29を本体部材14の空隙21b内に侵入させる。化粧部材15側の弾性係合部29の先端の傾斜面29bが、本体部材14側の補強片14dの傾斜面30に当接し、傾斜面29bが傾斜面30に押圧される。弾性係合部29が空隙21b内をさらに深く侵入すると、弾性係合部29が弾性変形し、返し部29aが正面部15a側に変位する。そして、傾斜面29bが傾斜面30を通過すると、弾性係合部29を弾性変形させていた押圧力が作用しなくなり、弾性係合部29は元の真っ直ぐな姿勢に戻り、返し部29aが係合面18aに係合する(図10(b))。返し部29aと係合面18aの係合は、弾性係合部29を弾性変形させない限り外れることがない。
その際、図7(a)、図7(b)に示すように、本体部材14の正面部14a、曲面13、両起立壁部14bの幅広部23、空隙21b、底壁14cに、化粧部材15の正面部15a、曲面24、両側面部15b、突出壁25、底壁15cが外嵌する。また、本体部材14側の両当接部26に、化粧部材15側の両抱持部27が当接して外嵌する。そのため、本体部材14に対して化粧部材15の横ずれが防止されている。さらに、図7(a)に示すように、本体部材14の正面部14aと、化粧部材15側の抱持部27の係合面27aは、近接しており、両者は略同一面上に配されている。
正面部14a(正面部15aに覆われていない部位)及び係合面27aと、正面部15aとの間には段が形成されている。また、本体部材14の装着部16a、16bは、化粧部材15に覆われておらず、露出している。すなわち、アダプタ部材17は、化粧部材15の有無に関係なく、本体部材14に対して着脱することができる。
次に、本体部材14から化粧部材15を取り外す手順について説明する。
図10(b)に示す補強片14dの段部18の起立面18b(起立壁)と、弾性係合部29の傾斜面29bの間に指を差し入れて傾斜面29bを押圧し、弾性係合部29を弾性変形させ、係合面18aから返し部29aを外す。その際、傾斜面29bを突出壁25側へ移動させ、傾斜面29bを傾斜面30に係合させる。その結果、傾斜面29bは、弾性係合部29の弾性力によって傾斜面30に沿って摺動し、弾性係合部29は空隙21b内から退避する。すなわち、本体部材14に対して化粧部材15の一方の係合が外れる。
その結果、化粧部材15は本体部材14に対して長手方向に移動することができるようになり、本体部材14の係止部22から化粧部材15の突条28aの係合を外し、本体部材14から化粧部材15を取り外すことができるようになる。
動力伝達機構部8について説明する。
動力伝達機構部8は、電気錠1のデッドボルト4(図1)に動力を伝達する機能を有する部材である。図3~図6に示すように、動力伝達機構部8は、ハブ35、手動側介在部材36、電動側介在部材37、モータ38、中間ギヤ39、クラッチ機構部42、蓋側支持部材43、固定部側支持部材44等を有する。
動力伝達機構部8は、電気錠1のデッドボルト4(図1)に動力を伝達する機能を有する部材である。図3~図6に示すように、動力伝達機構部8は、ハブ35、手動側介在部材36、電動側介在部材37、モータ38、中間ギヤ39、クラッチ機構部42、蓋側支持部材43、固定部側支持部材44等を有する。
ハブ35は、回転体であって、回転中心に軸部45が取り付けられている。軸部45の一端側は蓋側支持部材43によって支持されており、他端側は固定部側支持部材44によって支持されている。すなわち、軸部45は両端支持されている。図5、図6、図15、図19に示すように、ハブ35の外形は、略円形であって、外周上の四カ所に半径方向外方へ突出する突起46が設けられている。四つの突起46のうちの二つずつが一組となり、各組の突起46の間に係合凹部47が形成されている。係合凹部47は、細長い溝である。また、蓋側支持部材43は、図5に示すように、スライド操作部材7を当接させる当接面43aを有する。
手動側介在部材36は、図20(a)、図20(b)、図21に示すように、全体が短い略直方体形状を呈しており、ハブ側係合部48aと、スライド操作部材側係合部48bを有する。ハブ側係合部48aとスライド操作部材側係合部48bは、表裏の位置関係にあり、互いに反対方向を向いて突出している。ハブ側係合部48aは、円柱形状を呈しており、円柱の直径は、ハブ35の係合凹部47にちょうど嵌まる大きさである。
スライド操作部材側係合部48bは、板状の部位であり、高さ寸法は、スライド操作部材7のアダプタ部材17の切欠部17aにちょうど嵌まる大きさである。ハブ35とスライド操作部材7(アダプタ部材17)は、手動側介在部材36を介して動力伝達が可能に連結されている。その際、ハブ35の係合凹部47内で、手動側介在部材36のハブ側係合部48aは揺動する。
また、ハブ35の他方の係合凹部47には、電動側介在部材37が係合する。
電動側介在部材37は、比較的長い直方体形状を呈する部材である。図6に示すように、電動側介在部材37の下端付近には、ハブ35の係合凹部47に係合するハブ側係合部49aが設けられている。また、電動側介在部材37の上部には、後述のクラッチ機構部42と係合するクラッチ機構部側係合部49bが設けられている。ハブ側係合部49aとクラッチ機構部側係合部49bは、直方体形状の電動側介在部材37の同じ側に設けられている。
電動側介在部材37は、比較的長い直方体形状を呈する部材である。図6に示すように、電動側介在部材37の下端付近には、ハブ35の係合凹部47に係合するハブ側係合部49aが設けられている。また、電動側介在部材37の上部には、後述のクラッチ機構部42と係合するクラッチ機構部側係合部49bが設けられている。ハブ側係合部49aとクラッチ機構部側係合部49bは、直方体形状の電動側介在部材37の同じ側に設けられている。
ハブ側係合部49aは、円柱形状を呈しており、円柱の直径は、ハブ35の係合凹部47にちょうど嵌まる大きさである。また、クラッチ機構部側係合部49bは、環状構造を呈しており、水平方向に長い長孔を縁取った構造を有する。クラッチ機構部側係合部49bには、後述のクラッチ機構部42の円板部材41の円柱状の係合突起60が配置される。クラッチ機構部側係合部49bの短軸方向の直径は、円柱状の係合突起60をちょうど配置することができる大きさである。
ハブ35を基準に見ると、図15、図19に示すように、一方の係合凹部47には手動側介在部材36が係合し、他方の係合凹部47には電動側介在部材37が係合する。
電気錠1(図1)は、図5、図6に示すように、駆動源としてモータ38と、中間ギヤ39を有する。モータ38の出力軸38aには、緩い傾斜の斜歯歯車38bが設けられている。また、中間ギヤ39は、比較的大径のモータ側ギヤ部39aと、比較的小径のクラッチ側ギヤ部39bを備えている。モータ側ギヤ部39aとクラッチ側ギヤ部39bは、同芯である。図15、図19に示すように、モータ側ギヤ部39aは、モータ38の斜歯歯車38bと係合している。クラッチ側ギヤ部39bは、後述のクラッチ機構部42の大径ギヤ40と係合している。
中間ギヤ39の回転軸は、蓋側支持部材43と固定部側支持部材44に固定されている。すなわち、中間ギヤ39の回転軸は、両端支持されている。また、図3、図4に示すように、モータ38は、固定部側支持部材44に支持されている。
蓋側支持部材43と固定部側支持部材44は、筐体6内で一体化されており、動力伝達機構部8の各部材を支持している。また、蓋側支持部材43における蓋部6b側に面する当接面43aには、突出係合部51が設けられている。突出係合部51は、スライド操作部材7の本体部材14の空間32に収容できる大きさ及び形状を有する部材である。
蓋側支持部材43は、筐体6に対して一体化されており、筐体6内における突出係合部51の位置は固定されている。突出係合部51の正面側には、蓋部6bの配置部10が設けられている。図25に示すように、突出係合部51の先端と、蓋部6b側の突条部11は対向しており、同程度の高さ位置にある。
また、突出係合部51の正面部51aと突条部11は、対面した位置にはなく、正面視して突条部11は正面部51aの側方にあるが、正面部51aが属する仮想平面における突条部11と対向する部位と突条部11の間の距離は、スライド操作部材7の正面部14aの厚みと正面部15aの厚みの和よりは若干大きく、さらに起立壁部14bの起立高さ(正面部14aとの接続部分から自由端の縁までの長さ)よりは小さい。そのため、蓋部6b側の突条部11の間には、スライド操作部材7の正面部14a(本体部材14)と正面部15a(化粧部材15)を、ちょうど配置することができる。
クラッチ機構部42は、図5、図28(a)、図28(b)に示すように、大径ギヤ40と円板部材41を有する。大径ギヤ40は、外歯であって筒構造を有しており、筒の内壁側には半径方向内方へ突出する内向き突起55が、所定角度毎(本実施形態では、180度間隔)に設けられている。また、大径ギヤ40の軸方向の一方の端面には内向きフランジ部56が設けられている。内向きフランジ部56の中心には孔56aが設けられている。
一方、円板部材41は、直径及び肉厚が、大径ギヤ40の内周に配置可能な大きさを有する。円板部材41の中心には孔57が設けられている。円板部材41には、中心側から外周側に向かって圧縮バネで付勢される外向きの付勢突起58が設けられている。付勢突起58は、圧縮バネで付勢されて、円板部材41の外周面よりも若干外周側に突出した位置で停止している。付勢突起58を円板部材41の中心側へ押圧すると、付勢突起58は円板部材41の内部に退避することができる。付勢突起58は、円板部材41の所定角度毎(本実施形態では180度間隔)に設けられている。
さらに、円板部材41における大径ギヤ40の内向きフランジ部56とは反対側の面上に係合突起60が設けられている。図28(b)に示すように、係合突起60は、円板部材41と一体化されている。また、係合突起60は、付勢突起58に対して円板部材41の中心角90度の位置に配置されている。
大径ギヤ40の孔56aと、円板部材41の孔57には、共通の軸が挿通されている。また、当該共通の軸には孔56a及び孔57の位置に、それぞれ図示しないベアリングが設けられている。そのため、大径ギヤ40と円板部材41は、個々に回転可能である。大径ギヤ40と円板部材41が相対回転すると、特定の角度位置で大径ギヤ40側の内向き突起55と円板部材41側の付勢突起58が衝突(係合)する。回転力を増して両者を無理に相対回転させると、内向き突起55は、付勢突起58を円板部材41内に押し込めながら付勢突起58を通過することができる。
大径ギヤ40は、中間ギヤ39のクラッチ側ギヤ部39b(小ギヤ)と係合する。すなわち、モータ38の動力は、中間ギヤ39を介して大径ギヤ40に伝達される。また、円板部材41の係合突起60には、図5、図6に示す電動側介在部材37のクラッチ機構部側係合部49bが係合する。すなわち、モータ38の動力は、クラッチ機構部42を介して電動側介在部材37からハブ35に伝達される。
クラッチ機構部42は、上述のような構成を備えることにより、モータ38の動力をハブ35(電気錠1のデッドボルト4)側に伝えたり、後述のようにスライド操作部材7を手動操作してハブ35(電気錠1のデッドボルト4)を回転させる際には、モータ38側の動力系統を遮断することもできる。
動力伝達機構部8が、図11~図15に示す状態のとき、図1(b)に示すようにスライド操作部材7は下降しており、電気錠1は解錠状態となる。また、動力伝達機構部8が、図16~図19に示す状態のとき、図1(a)に示すようにスライド操作部材7は上昇しており、電気錠1は施錠状態となる。
次に、筐体6(蓋部6b)とスライド操作部材7の係合関係について説明する。
筐体6の蓋部6bは、蓋側支持部材43と一体化されており、両者の間には若干の空間が形成されている。この空間にスライド操作部材7が侵入し、固定される。すなわち、スライド操作部材7は、蓋側支持部材43の当接面43aと蓋部6bの突条部11の間に配置される。その際、スライド操作部材7の本体部材14の正面部14aの裏面側には、蓋側支持部材43側の突出係合部51が近接しており、正面部14aの正面側には、蓋部6b側の突条部11が近接している。
筐体6の蓋部6bは、蓋側支持部材43と一体化されており、両者の間には若干の空間が形成されている。この空間にスライド操作部材7が侵入し、固定される。すなわち、スライド操作部材7は、蓋側支持部材43の当接面43aと蓋部6bの突条部11の間に配置される。その際、スライド操作部材7の本体部材14の正面部14aの裏面側には、蓋側支持部材43側の突出係合部51が近接しており、正面部14aの正面側には、蓋部6b側の突条部11が近接している。
スライド操作部材7は、本体部材14の起立壁部14bの内側に、突出係合部51が当接するまで下降することができる。すなわち、スライド操作部材7は、突出係合部51を超えて下降することはできない。また、スライド操作部材7は、本体部材14の起立壁部14b(係合部31側)が蓋部6bの配置部10の上端縁10aに当接するまで上昇することができる。すなわち、スライド操作部材7は、上端縁10aを超えて上昇することはできない。よって、スライド操作部材7は、本体部材14が、上方の蓋部6b(上端縁10a)に当接する位置と、下方の突出係合部51に当接する位置の間で往復直線移動することができる。
次に、スライド操作部材7と動力伝達機構部8の係合関係について説明する。
スライド操作部材7は、アダプタ部材17を介して動力伝達機構部8のハブ35と係合する。図20~図23では、スライド操作部材7とハブ35が、蓋部6bの両側に配置されている状態を示している。図20~図23では、各部材の各部の形状を把握し易くするために敢えて、各部材を離間させて示している。
スライド操作部材7は、アダプタ部材17を介して動力伝達機構部8のハブ35と係合する。図20~図23では、スライド操作部材7とハブ35が、蓋部6bの両側に配置されている状態を示している。図20~図23では、各部材の各部の形状を把握し易くするために敢えて、各部材を離間させて示している。
スライド操作部材7と一体のアダプタ部材17の切欠部17aに手動側介在部材36のスライド操作部材側係合部48bが係合している。これにより、スライド操作部材7と手動側介在部材36は一体化している。さらに、手動側介在部材36のハブ側係合部48aが、ハブ35の一方の係合凹部47に嵌まっている。
図20(a)、図20(b)、図21では、スライド操作部材7が下降している状態で、仮想的にスライド操作部材7と手動側介在部材36を蓋部6bの両側に分離して示している。図22(a)に示すスライド操作部材7が下降した状態では、本体部材14の起立壁部14bの上端縁(係合部31)が、突出係合部51に当接している。すなわち、スライド操作部材7は、下端位置にある。
ここで、図23(a)、図23(b)に示すように、スライド操作部材7を上昇させると、スライド操作部材7は、手動側介在部材36を介してハブ35に回転力を付与し、ハブ35は軸部45を中心に回動する。このとき、スライド操作部材7は、本体部材14の起立壁部14bの係合部31が蓋部6bの配置部10の上端縁10aに当接している。すなわち、スライド操作部材7は、上端位置にある。
スライド操作部材7は、図22に示す位置と、図23に示す位置の間を蓋部6b(筐体6)の配置部10に沿って往復移動することができる。このときの動力伝達機構部8の動作を、図11~図19を参照しながら説明する。
図11~図15は、スライド操作部材7が下端位置にあるときの動力伝達機構部8の状態を示している。図11~図15に示すように、スライド操作部材7が下方に位置しているときのハブ35の回転位置は、ハブ35における手動側介在部材36が係合した係合凹部47が下方の位置にくる回転位置である。
このとき、ハブ35における電動側介在部材37が係合した係合凹部47は、上方の位置に配されている。電動側介在部材37は、クラッチ機構部42と係合しており、円板部材41の係合突起60を押し上げ、円板部材41のみが回転して電動側介在部材37が当該上方の位置に移動する。
図11~図15に示す状態から、スライド操作部材7を操作して上方に移動させると、ハブ35が図11で見て時計回りに回動し、図16~図19に示す上端位置で停止する。一方、電動側介在部材37は、ハブ35の回転に伴って下方に牽引され、下端位置で停止する。その際、クラッチ機構部42は、モータ38側の動力が遮断されて、円板部材41のみが空回りする。また、回転するハブ35の係合凹部47に対して、手動側介在部材36のハブ側係合部48aと、電動側介在部材37のハブ側係合部49aは、若干摺動しながら係合凹部47と共に上方又は下方へ移動する。
また、モータ38を駆動した場合には、出力軸38aから中間ギヤ39を介してクラッチ機構部42の大径ギヤ40に動力が伝達される。大径ギヤ40と円板部材41は、内向き突起55と付勢突起58が係合し、両者は一体に回転する。その結果、電動側介在部材37が上昇又は下降し、ハブ35を回転させる。そのため、手動側介在部材36もハブ35の回転に追従し、スライド操作部材7も下降又は上昇する。
以上の動力伝達機構部8の動作を図29(a)、図29(b)に示す。図29(a)、図29(b)は、動力伝達機構部8とスライド操作部材7の位置関係を簡略化して示したものである。図29(a)では、筐体6(蓋部6b)に対してスライド操作部材7が上昇位置にあり、図29(b)では、スライド操作部材7が下降位置にある。これに連動して、手動側介在部材36、ハブ35、電動側介在部材37、クラッチ機構部42(円板部材41)が円滑に動作する。
以上のように、動力伝達機構部8は動作し、ハブ35が回動する。そして、ハブ35の軸部45の回動に連動して、電気錠1のデッドボルト4が扉5(図1)に対して突出または退入する。
電気錠1の施錠時及び解錠時に、スライド操作部材7が上昇位置にあるか下降位置にあるかは、任意に設定することが可能であるが、本実施形態では、スライド操作部材7が上昇位置にあるときには、電気錠1は施錠状態となり、逆にスライド操作部材7が下降位置にあるときには、電気錠1は解錠状態になるように設定している。
また、扉5(図1)は左開きの扉であるが、本実施形態の室内側ユニット2では、扉5が、仮に右開きであっても、スライド操作部材7が上昇位置にあるときに、電気錠1を施錠状態と解錠状態のいずれにも任意に設定することができる。
次に、室内側ユニット2(筐体6)からスライド操作部材7を取り外す際の手順について説明する。
通常、スライド操作部材7は、筐体6の蓋部6bの配置部10内に配置されており、図1(a)、図1(b)に示すように、配置部10内を上下に往復移動し、電気錠1のデッドボルト4を扉5に対して進退させ、施錠状態と解錠状態とを切り換える。
通常、スライド操作部材7は、筐体6の蓋部6bの配置部10内に配置されており、図1(a)、図1(b)に示すように、配置部10内を上下に往復移動し、電気錠1のデッドボルト4を扉5に対して進退させ、施錠状態と解錠状態とを切り換える。
スライド操作部材7を下方へ移動させる際には、スライド操作部材7の化粧部材15の曲面24(図10(b))を指で下方に押し下げる。また、スライド操作部材7を上方へ移動させる際には、化粧部材15の底壁15c(図10(b))を押し上げる。
何らかの事情で、スライド操作部材7を取り外す際には、扉5を開いた状態で、図1(b)に示すように、スライド操作部材7を下降させ、電気錠1を解錠状態にする。スライド操作部材7が下降することによって、スライド操作部材7の下方の一部が、筐体6から露出する。そのため、スライド操作部材7の背面側に、人の指を差し入れ、弾性係合部29(図7(b)、図8(b)、図9(b))を押圧することができる。
このとき、図27に示すように、化粧部材15の抱持部27の係合面27aが、突条部11よりも下方に位置している。そのため、突条部11は、化粧部材15の係合面27aの正面側への移動に対して干渉しない。図27における拡大して描写した部分では、説明の都合上、突条部11を実線で描写している。
そして、弾性係合部29を指で押圧し、本体部材14の段部18の係合面18aと、化粧部材15の弾性係合部29の返し部29aの係合を外す。係合が外れると、化粧部材15が、先端部分の突条28aを中心に本体部材14に対して揺動可能になる。このとき、図10(a)に示すように、本体部材14側の補強片14dの傾斜面30上に、化粧部材15側の弾性係合部29の傾斜面29bが当接する。その結果、傾斜面29bが傾斜面30上を摺動して、図9(a)、図9(b)、図24(a)に示すように、化粧部材15が本体部材14に対して傾斜した状態となる。
本体部材14と化粧部材15の係合のうちの一方が外れたため、図24(b)に示すように、他方の係合(本体部材14の係止部22と化粧部材15の突条28aの係合)も容易に外れ、本体部材14から化粧部材15を取り外すことができるようになる。すなわち、スライド操作部材7を、下方の位置(特定の位置)に移動させると、本体部材14から化粧部材15を取り外すことができるようになる。
このとき、スライド操作部材7の本体部材14のみが筐体6に拘束されている。すなわち、本体部材14の空間32(図8(b)、図10(a))内にある突出係合部51が、本体部材14の係合部31(起立壁部14b)に当接又は近接しており、さらに、正面部14aの両側に蓋部6bの突条部11が当接又は近接している。すなわち、スライド操作部材7を、正面方向に移動させようとしても、図27に示すように、正面部14aに突条部11が対向しており、正面部14aが突条部11に当接して正面側に移動させることができない。また、スライド操作部材7を、下方に移動させて筐体6から外そうとしても、図7(b)、図10(a)、図25等に示す係合部31(起立壁部14b)が、突出係合部51に当接して筐体6(蓋部6b)から外すことができない。
そこで、図24(c)に示すように、一旦、本体部材14を上昇させ、筐体6内に収容する。このとき、本体部材14の正面部14aは、図26に示すように、突条部11と対向していない。そのため、本体部材14は、正面方向に移動することができる。すなわち、図24(d)に示すように、本体部材14を筐体6(蓋部6b)から外すことができる。
すなわち、本体部材14を上方の位置(下方の特定の位置とは別の位置)に移動させると、本体部材14を筐体6(蓋部6b)から外すことができる。本体部材14を上方へ移動させる際には、本体部材14の底壁14cを押し上げる。
以上説明したように、室内側ユニット2のスライド操作部材7は、まず、化粧部材15を取外し、その後本体部材14を外すことによって、室内側ユニット2の筐体6(蓋部6b)から取り外すことができる。
逆に、スライド操作部材7を筐体6に取り付ける際には、上述の操作を逆の手順で実施する。すなわち、まず、本体部材14を配置部10に嵌め込み(図24(c))、嵌め込んだ本体部材14を下方に移動させる(図24(b))。そして、本体部材14側の空隙21aに突出係合部28を差し込み、突条28aを係止部22に係合させる(図10(b)、図24(a))。
さらに、図24(a)の状態で化粧部材15を本体部材14側へ押圧すると、化粧部材15が突条28aを中心に揺動し、化粧部材15側の弾性係合部29が弾性変形しながら本体部材14側の補強片14dの傾斜面30上を移動し、返し部29aが傾斜面30を通過すると、弾性係合部29が自然状態に戻り、返し部29aが段部18の係合面18aに係合する(図10(b))。そして、本体部材14と化粧部材15が一体化し、スライド操作部材7が室内側ユニット2に取り付けられる。
本実施形態の電気錠1の室内側ユニット2は、室外側ユニット3と共に、既設の電気錠に取り付けることもできる。その際には、既設の電気錠のシリンダ及びサムターン等の操作部材を取り外す。そして、扉5(図1)に設けられた孔(図示せず)に電気錠を貫通するボルト70(図30、図31(a))を挿通し、両ユニットを一体化させて扉5に固定することができる。
両ユニットの取付構造について説明する。
図31に示すように、室内側ユニット2は、筐体6の固定部6aを有する。固定部6aには、ハブ35(図5)の軸部45を挿通する孔66が設けられている。孔66の左右両側には、ボルト挿通孔65が設けられている。ボルト挿通孔65は、ボルト70を挿通することができる長孔状の貫通孔である。両ボルト挿通孔65は、略ハの字形を呈するように設けられている。本実施形態では、ボルト70をボルト挿通孔65の長手方向の両側の部位に挿通することができるように構成している。すなわち、一旦ボルト70をボルト挿通孔65に挿通すると、ボルト挿通孔65内の長手方向に沿って移動することがなく、ボルト70と固定部6aが相対移動せず、ボルト70による固定部6a(筐体6)の支持が安定する。
図31に示すように、室内側ユニット2は、筐体6の固定部6aを有する。固定部6aには、ハブ35(図5)の軸部45を挿通する孔66が設けられている。孔66の左右両側には、ボルト挿通孔65が設けられている。ボルト挿通孔65は、ボルト70を挿通することができる長孔状の貫通孔である。両ボルト挿通孔65は、略ハの字形を呈するように設けられている。本実施形態では、ボルト70をボルト挿通孔65の長手方向の両側の部位に挿通することができるように構成している。すなわち、一旦ボルト70をボルト挿通孔65に挿通すると、ボルト挿通孔65内の長手方向に沿って移動することがなく、ボルト70と固定部6aが相対移動せず、ボルト70による固定部6a(筐体6)の支持が安定する。
一方、室外側ユニット3は、図32に示すように、本体部80、固定板81、取付機構部82、支持板83、裏板84を有する。
本体部80には、電気錠1の施錠操作及び解錠操作に必要な電装部材が内蔵されており、さらに固定板81を内蔵することができる。固定板81には、取付機構部82を固定する固定部81aを備えている。固定部81aは、取付機構部82を配置する矩形の貫通孔である。固定板81は肉厚があるため、固定部81aに配置された取付機構部82の姿勢が安定する。
本体部80には、電気錠1の施錠操作及び解錠操作に必要な電装部材が内蔵されており、さらに固定板81を内蔵することができる。固定板81には、取付機構部82を固定する固定部81aを備えている。固定部81aは、取付機構部82を配置する矩形の貫通孔である。固定板81は肉厚があるため、固定部81aに配置された取付機構部82の姿勢が安定する。
取付機構部82は、台座部82aと、雌ネジ部材85a、85b(ボルト係合部材)を有する。台座部82aは、雌ネジ部材85a、85bを載置する載置部86と、雌ネジ部材85a、85bの背面部分を支持する直線状の背面支持部87を備えている。背面支持部87は、板状であり、板の縁が正面側を向いている。すなわち、板の縁で構成された背面支持部87が雌ネジ部材85a、85bの背面を支持する。背面支持部87は、雌ネジ部材85a、85bの雌ネジの軸線から外れた上側の位置にある。すなわち、後述のボルト70は、螺合して雌ネジの途中で停止することも、雌ネジを超えて雌ネジ部材85a、85bを貫通することもできる。
雌ネジ部材85a、85bは、ボルト70と螺合する雌ねじを有するナットとして機能する部材である。雌ネジ部材85a、85bの正面側の上下の部位には、それぞれ段部88a、88bが設けられている。
雌ネジ部材85a、85bは、台座部82aの載置部86上に載置され、さらに雌ネジ部材85a、85bの背面側は直線状の背面支持部87によって支持されている。雌ネジ部材85a、85bの正面側は、支持板83によって支持されている。すなわち、支持板83には、開口83aが設けられており、開口83aの縁が雌ネジ部材85a、85bの段部88a、88bに当接する。換言すると、雌ネジ部材85a、85bは、ネジ部分の上下の部位が拘束されて、正面側及び背面側に移動不能に拘束されている。よって、雌ネジ部材85a、85bの正面側と背面側が移動不能に固定されている。
支持板83の正面側には、裏板84が装着されている。裏板84は、扉5に密着する部材である。裏板84には、支持板83の開口83aよりも大きな開口84aが設けられている。
室外側ユニット3の各部材を組み立てると、図31(a)に示すように、雌ネジ部材85a、85bが露出した状態で、室外側ユニット3に取り付けられる。また、図31(b)に示すように、雌ネジ部材85a、85bは、開口83aに沿って左右方向に移動させることができる。すなわち、雌ネジ部材85a、85bの間隔を変更することができる。これにより、既設の電気錠の取付孔の位置(間隔)に対応して雌ネジ部材85a、85bの間隔を任意に設定し、図30に示すように、室外側ユニット3と固定部6a(室内側ユニット2)をボルト70で締結することができる。
この構成よれば、雌ネジ部材85a、85b(ボルト係合部材)の間隔を変更することにより、扉5(図1)に既設の電気錠1のボルト挿通孔の間隔に対応することができる。すなわち、既設の電気錠1(扉5)に、室内側ユニット2及び室外側ユニット3を容易に取り付けることができる
前述のように、ボルト70は、雌ネジ部材85a、85bと螺合して雌ネジの途中で停止することも、雌ネジを超えて雌ネジ部材85a、85bを貫通することもできる。これにより、室内側ユニット2と室外側ユニット3の間隔を調整することができる。すなわち、ボルト70のねじ込みを加減することにより、扉5の厚みに対応することができる。
なお、本実施形態では、2本のボルト70以外にボルト71が使用されている。室外側ユニット3側には、ボルト71を受ける係合部(ネジ孔)が設けられている。2本のボルト70は、室内側ユニット2及び室外側ユニット3の比較的下方側の部位を連結しており、ボルト71は、室内側ユニット2及び室外側ユニット3の比較的上方側の部位を連結している。ボルト71は、固定部6a及び室外側ユニット3の中央部分を連結固定している。
両ユニット2、3の上方の部位を連結するボルト71の代わりに、ボルト70及び雌ネジ部材85a、85bと同様の部材を設けてもよい。すなわち、両ユニット2、3の複数の高さ位置を、ボルト70及び雌ネジ部材85a、85bと同様の部材で締結してもよい。
本実施形態に係る室内側ユニット2は、電気錠1に取り付けられた既設のサムターンを取外し、当該サムターンの代わりに設置することができる。また、室外側ユニット3は、既設のシリンダを取外し、当該シリンダの代わりに設置することができる。そのため、本発明の電気錠の室内側ユニット(操作ユニット)は、新設の扉に設置される電気錠のみならず、既設の扉に設置された電気錠にも採用することができ、汎用性が高い。
なお、図30~図32に示す室外側ユニット3と室内側ユニット2を結合する構造は、ウィング式の扉のみならず、スライド式の扉に採用することもできる。
電気錠を備えた扉に取り付けられ、前記電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替える操作ユニットが、前記扉の室内側と室外側に配置されており、室内側の操作ユニットと室外側の操作ユニットのうちの少なくとも一方には、雌ねじを備えたボルト係合部材を複数設けてあり、前記ボルト係合部材同士の間隔を変更可能であることを特徴とする電気錠の操作ユニットである。
1 電気錠
2 室内側ユニット(操作ユニット)
3 室外側ユニット(室外側操作ユニット)
4 デッドボルト
5 扉
6 筐体
7 スライド操作部材(操作部)
8 動力伝達機構部
14 本体部材
15 化粧部材
70 ボルト
85a、85b 雌ネジ部材(ボルト係合部材)
2 室内側ユニット(操作ユニット)
3 室外側ユニット(室外側操作ユニット)
4 デッドボルト
5 扉
6 筐体
7 スライド操作部材(操作部)
8 動力伝達機構部
14 本体部材
15 化粧部材
70 ボルト
85a、85b 雌ネジ部材(ボルト係合部材)
Claims (1)
- ウィング式の扉に取り付けられた電気錠の操作ユニットであって、
前記電気錠のデッドボルト側に動力を伝達する動力伝達機構部と、手動で操作される操作部を有し、
前記操作部は、前記動力伝達機構部と係合していて往復直線移動が可能であり、前記電気錠の解錠状態と施錠状態を切り替えることが可能であることを特徴とする電気錠の操作ユニット。
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JP2020085516A Division JP7441505B2 (ja) | 2020-05-14 | 2020-05-14 | 電気錠の操作ユニット |
Publications (2)
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ID=78511182
Family Applications (2)
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JP2020085516A Active JP7441505B2 (ja) | 2020-05-14 | 2020-05-14 | 電気錠の操作ユニット |
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JP2008150850A (ja) | 2006-12-18 | 2008-07-03 | Miwa Lock Co Ltd | 錠前の室内側操作機構 |
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