JP2024050354A - 作業機械の施工精度予測計算装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工対象面全体に亘る作業機械の施工精度を作業機械に特有の影響を考慮して予測可能な作業機械の施工精度予測計算装置を提供する。【解決手段】予測計算装置は、3次元情報の施工目標形状に設定した施工対象面と機体接地領域が異なる場合、施工目標形状の断面において作業装置のアンテナ上空遮蔽領域が最大のときの機体の位置を第1作業位置として設定し、第1作業位置から施工対象面への方向を作業方位として設定し、作業機械が第1作業位置及び作業方位である第1設定状態で、作業装置による施工対象面の施工を行ったときの作業装置のアンテナ上空遮蔽領域を演算し、演算結果のアンテナ上空遮蔽領域を基に選択した測位衛星群の測位信号を第1設定状態の作業機械のアンテナが受信して測位演算を行う場合の測位精度である予測測位精度を演算し、第1設定状態の作業機械の施工可能な施工対象面の区域の施工精度として予測測位精度を割り当てる。【選択図】 図24

Description

本発明は、作業機械の作業装置による施工を想定したときの施工精度を予測する作業機械の施工精度予測計算装置に係り、更に詳しくは、衛星測位システムを利用して取得した自己位置を基に施工時の制御が可能である作業機械の施工予測精度を演算する予測計算装置に関する。
油圧ショベルなどの作業機械の分野では、近年、建設施工に情報通信技術を適用することで施工の合理化を図る情報化施工の導入が進められている。油圧ショベルの中には、例えば、ブーム、アーム、バケットなどの複数のリンク部材を連結した多関節型の作業装置の位置や姿勢を表示装置に表示するマシンガイダンスや、作業装置が施工目標面に沿って動くように半自動的に制御するマシンコントロールなどのオペレータの操作を支援する機能を有するものがある。
マシンガイダンスやマシンコントロールなどの操作支援を行う場合、作業機械自身の位置情報を用いて作業装置の位置や姿勢を推定する。作業機械の中には、衛星測位システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)を利用して作業機械自身の位置情報を取得するものがある。GNSSは、複数の測位衛星からの測位信号(電波)をアンテナによって受信することで自身の3次元座標(緯度、経度、高度)を計測するものである。
GNSSを利用する測位(以下、衛星測位と称することがある)では、次の課題を抱えている。第1に、測位衛星とアンテナとの間に何らかの障害物が存在する場合、測位衛星からの測位信号(電波)が障害物を回折してアンテナに到達することで、測位衛星とアンテナとの距離が真の距離よりも長く計測されることがある。このような測位信号を用いて測位演算を行うと、測位精度が低下する懸念がある。第2に、GNSSによる衛星測位が実行可能な場合であっても、測位演算に利用可能な測位衛星が少ない場合や配置に偏りがある場合には、測位精度が低下する。
このような衛星測位の課題に対して、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。特許文献1に記載の技術は、GPSを用いて建設機械の位置を検出することで建設機械の運行管理を行うシステム(GPSを用いた運行管理システム)の適用性(高精度な位置座標を求めることが可能か否か)の事前調査を行うものである。特許文献1に記載の技術では、GPS衛星からの信号の受信位置として想定される施工現場の複数の地点における天空を撮影し、当該天空の撮影画像を基に施工現場の各地点の天空に対する障害物の割合を算出し、算出結果を基にGPSを用いた運行管理システムの適否を各地点について判定し、施工現場の各地点の判定結果(GPSを用いた運行管理システムの適否)を出力する。
特開2001-159137号
作業機械の施工時に衛星測位の結果(作業機械の自己位置)を用いて操作支援を行う場合には、衛星測位の精度が低下すると、それに応じて、作業機械の施工精度も低下する懸念がある。したがって、特許文献1に記載の技術のように高精度な衛星測位の実行の可否を施工現場の全体に亘って事前に評価することは、施工計画を立案するためには重要である。特許文献1に記載の技術を用いて施工現場の各地点において障害物により遮蔽される天空の領域(天空の遮蔽領域)を求め、求めた各地点の天空の遮蔽領域と測位衛星の配置の外部情報とを利用することで、衛星測位の精度を施工現場の全体に亘って予測することが可能である。
しかし、特許文献1に記載の技術においては、多関節型の作業装置を備えた作業機械の施工に特有の影響が考慮されていない。
第1に、作業機械の施工では、測位信号を受信するアンテナの位置と施工対象に直に接触する作業装置の先端部(例えば、バケット)の位置とが作業装置の姿勢によっては数メートル以上も離れることがある。つまり、施工対象の位置と測位対象の位置が乖離している場合がある。したがって、測位精度は、施工目標面の位置における天空の遮蔽領域ではなく、アンテナの位置における天空(アンテナの上空視界)の遮蔽領域を考慮して演算する必要がある。
第2に、作業機械の作業装置は上下方向に動作可能なので、作業装置自体が施工時にアンテナの上空視界を遮蔽する障害物になることがある。すなわち、作業装置自体の姿勢に応じてアンテナの上空視界に遮蔽領域(天空の遮蔽領域)が生じてしまう。
第3に、作業機械は、同一の施工箇所に対して、作業装置の姿勢を変えることで異なった位置や異なった方位からの作業が可能である。施工目標面に対する作業機械の位置や方位の違いによって、施工時におけるアンテナの位置や作業装置の姿勢が異なる。アンテナの位置や作業装置の姿勢の違いによって、アンテナの上空視界における作業装置の遮蔽領域の位置や大きさも変わってしまうことがある。アンテナ上空視界における遮蔽領域の位置や大きさが異なると、衛星測位の精度が異なることがある。
本発明は、上記の事柄に基づいてなされたもので、その目的は、施工対象の領域全体に亘る作業機械の施工精度を作業機械に特有の影響を考慮して予測することが可能な作業機械の施工精度予測計算装置を提供することである。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、機体に対して上下方向に動作可能に取り付けられた多関節型の作業装置及び前記機体に取り付けられ複数の測位衛星からの測位信号を受信するアンテナを備えた作業機械による施工の施工精度を予測し、前記施工精度の予測結果を出力する作業機械の施工精度予測計算装置であって、施工による目標の地形形状を示す施工目標形状の3次元情報を保持し、前記施工目標形状に対して、前記施工精度を予測する対象領域である施工対象面及び前記施工対象面の施工時に前記機体の接地される領域である機体接地領域を設定し、前記施工対象面及び前記機体接地領域を複数に区分するように複数の断面を設定し、前記施工対象面と前記機体接地領域が異なる領域に設定されている場合には、設定した前記複数の断面の各々の断面に対して、前記機体が前記機体接地領域に位置する状態で前記作業装置による前記施工対象面の施工を行ったときに、前記作業装置により遮蔽される前記アンテナの上空視界の領域が最大となる前記機体の位置を第1作業位置として設定し、前記第1作業位置から前記施工対象面への方向を作業方位として設定し、前記作業機械が前記第1作業位置にあると共に前記作業方位を向いている状態である第1設定状態で、前記作業装置による前記施工対象面の施工を行ったときに、前記アンテナの上空視界が前記作業装置により遮蔽される領域である第1アンテナ上空遮蔽領域を演算し、前記複数の測位衛星の予測軌道を示す衛星軌道情報及び前記第1アンテナ上空遮蔽領域を基に、前記複数の測位衛星の中から選択した測位衛星群の測位信号を前記第1設定状態にある前記作業機械の前記アンテナが受信して測位演算を行う場合の測位精度である第1予測測位精度を演算し、前記第1設定状態にある前記作業機械の前記作業装置が施工可能である前記施工対象面の一区域に対する施工精度として、前記第1予測測位精度を割り当てることで、前記施工精度の予測分布マップを生成することを特徴とする。
本発明によれば、機体が所定の条件により設定した位置及び方位である第1設定状態のときの作業機械に対する予測測位精度と第1設定状態の作業機械が施工可能な施工対象面の区域に対する施工精度とを関連付けることで、施工対象と測位対象の位置の乖離並びに作業機械の位置及び方位の違いによる測位精度の変化を考慮した施工精度の予測が可能となる。すなわち、施工対象の領域全体に亘る作業機械の施工精度を作業機械に特有の影響を考慮して予測することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の作業機械の施工精度予測計算装置の一実施の形態における施工主体として想定する作業機械の一例である油圧ショベルの外観図である。 本発明の作業機械の施工精度予測計算装置の一実施の形態のハード構成及び機能構成を示すブロック図である。 図2に示す予測計算装置の演算処理で用いる施工目標形状の3次元情報を示す平面図と断面図の組合せの図である。 図2に示す予測計算装置の機能部の1つである施工情報処理部における施工対象面及び機体接地領域の設定例を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の施工情報処理部における施工対象面及び機体接地領域の区分方法(施工目標形状に対する複数の断面の設定方法)の第1例を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の施工情報処理部における施工対象面及び機体接地領域の区分方法(施工目標形状に対する複数の断面の設定方法)の第2例を示す説明図である。 図1に示す油圧ショベルのフロント作業装置の姿勢の規定方法を示す説明図である。 GNSSアンテナの上空視界におけるフロント作業装置の遮蔽領域及びそれ以外の可視領域を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の機能部の1つである動作領域演算部におけるアンテナ上空の遮蔽領域が最大になるブームの姿勢の算出方法を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の動作領域演算部の演算結果であるフロント作業装置の上空最大遮蔽時動作領域を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の機能部の1つである作業位置決定部の作業位置の演算方法の一例(施工対象面と機体接地領域が異なる場合の例)を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の作業位置決定部の演算結果である作業位置を施工目標形状の平面図に示した図である。 図2に示す予測計算装置の作業位置決定部の作業位置の演算方法の別の一例(施工対象面と機体接地領域が同一である場合の例)を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の機能部の1つである上空遮蔽領域演算部の演算方法の一例(施工対象面と機体接地領域が異なる場合の例)を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の上空遮蔽領域演算部の演算方法の別の例(施工対象面と機体接地領域が同じ場合の例)を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の機能部の1つである衛星配置予測部の演算結果であるGNSSアンテナの上空視界における測位衛星の配置の一例を示す図である。 図2に示す予測計算装置の機能部の1つである利用衛星決定部において用いるGNSSアンテナの上空視界の遮蔽領域及び可視領域の一例を示す図である。 図2に示す予測計算装置の利用衛星決定部における測位衛星の決定方法の一例を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の機能部の1つである精度分布マップ生成部における予測測位精度の施工目標形状の平面図に対する関連付けの一例(施工対象面と機体接地領域が異なる場合の例)を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の精度分布マップ生成部における施工予測精度の分布データの生成の一例(施工対象面と機体接地領域が異なる場合の例)を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の精度分布マップ生成部における予測測位精度の施工目標形状の平面図に対する関連付けの別の例(施工対象面と機体接地領域が同一である場合の例)を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の精度分布マップ生成部における施工予測精度の分布データの生成の別の例(施工対象面と機体接地領域が同一である場合の例)を示す説明図である。 図2に示す予測計算装置の精度分布マップ生成部が生成する精度分布マップの第1例を示す図である。 図2に示す予測計算装置の精度分布マップ生成部が生成する精度分布マップの第2例を示す図である。 図2に示す予測計算装置の精度分布マップ生成部の一連の処理手順を示すフローチャートの一例である。 図2に示す予測計算装置の一連の処理結果である精度分布マップを異なる予測日時ごとに示した図である。
以下、本発明の作業機械の施工精度予測計算装置の実施の形態について図面を用いて説明する。本実施の形態では、施工主体として想定する作業機械の一例として、油圧ショベルを例に挙げて説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の作業機械の施工精度予測計算装置の一実施の形態が演算する施工予測精度の施工主体である作業機械の一例である油圧ショベルの構成について図1を用いて説明する。図1は本発明の作業機械の施工精度予測計算装置の一実施の形態における施工主体として想定する作業機械の一例である油圧ショベルの外観図である。本説明では、オペレータが着座したときの方向を用いている。図1中、符号Gは地面(油圧ショベルの接地面)を表している。
図1において、作業機械としての油圧ショベル100は、自走可能な下部走行体101と、下部走行体101上に旋回可能に搭載された上部旋回体102と、上部旋回体102の前部側に上下方向に動作可能に取り付けられたフロント作業装置103とを備えている。下部走行体101と上部旋回体102は、油圧ショベル100の機体を構成している。下部走行体101は、図示しない走行モータによって駆動するクローラ式の走行装置111を有している。上部旋回体102は、図示しない旋回モータによって下部走行体101に対して旋回軸線Zを中心に旋回駆動されるように構成されている。油圧ショベル100は、GNSSを利用して自身の位置情報を取得するように構成されている。
上部旋回体102は、オペレータが搭乗する運転室113、複数の測位衛星(以下、GNSS衛星群と称することがある)からの測位信号(電波)を受信する第1のGNSSアンテナ(以下、第1のアンテナと称する)114及び第2のGNSSアンテナ(以下、第2のアンテナと称する)115、第1のアンテナ114及び第2のアンテナ115により受信された測位信号を基に地理座標系の上部旋回体102の特定部の位置(アンテナ位置)及び上部旋回体102の方位角などの測位演算を実行するGNSS受信機116を備えている。第1のアンテナ114及び第2のアンテナ115のうち、一方は上部旋回体102自身の3次元位置を計測するためのものであり、他方は一方のアンテナからの基線ベクトルを規定して上部旋回体102(機体)の方位角を算出するためのものである。2つのアンテナ114、115は、上部旋回体102の位置及び方位の計測を実現可能な限りにおいて、設置位置を問わない。運転室113には、油圧ショベル100を操作するための操作装置(図示せず)や各種情報の表示や入力が可能なモニタ117が配置されている。上部旋回体102は、図示しない操作装置に入力された操作に応じて油圧ショベル100の動作を制御するコントローラ118を備えている。
フロント作業装置103は、複数のリンク部材を互いに垂直方向に回動可能に連結することで構成された多関節型の作業装置である。複数のリンク部材は、例えば、ブーム121、アーム122、作業具としてのバケット123とで構成されている。バケット123は爪先123aを有している。ブーム121の基端部は、上部旋回体102の前部に第1回動軸124を介して上下方向に回動可能に接続されている。ブーム121の先端部には、アーム122の基端部が第2回動軸125を介して回動可能に接続されている。アーム122の先端部には、バケット123が第3回動軸126を介して回動可能に接続されている。フロント作業装置103の3つの回動軸124、125、126は軸線が平行となるように構成されている。ブーム121、アーム122、バケット123はそれぞれ、油圧アクチュエータであるブームシリンダ127、アームシリンダ128、バケットシリンダ129によって駆動される。
油圧ショベル100は、上部旋回体102(機体)の姿勢に関する物理量(姿勢情報)を検出する第1姿勢検出装置である第1姿勢センサ131を備えている。第1姿勢センサ131は、例えば、上部旋回体102(機体)の姿勢に関する情報として、上部旋回体102の前後方向への傾き(ピッチ角度)、上部旋回体102の左右方向(幅方向)への傾き(ロール角度)、上部旋回体102の旋回角度を検出する。第1姿勢センサ131は、例えば、慣性計測装置(Inertial Measurement Unit:IMU)によって構成されており、上部旋回体102(機体)の角度、角速度、加速度を計測可能なものである。第1姿勢センサ131は、検出情報に応じた検出信号をコントローラ118へ出力する。
油圧ショベル100は、フロント作業装置103の姿勢に関する物理量(姿勢情報)を検出する第2姿勢検出装置が設置されている。第2姿勢検出装置は、フロント作業装置103の構成部材であるブーム121、アーム122、バケット123のそれぞれの姿勢に関する物理量(姿勢情報)を検出する複数の第2姿勢センサ132、133、134によって構成されている。各第2姿勢センサ132、133、134は、例えば、慣性計測装置(IMU)で構成されており、各構成部材121、122、123の角度、角速度、加速度を計測可能なものである。第2姿勢センサ132、133、134は、検出情報に応じた検出信号をコントローラ118へ出力する。なお、第2姿勢センサ132、133、134は、フロント作業装置103の姿勢情報を検出可能であればよく、角度センサやストロークセンサで構成することも可能である。
次に、本発明の作業機械の施工精度予測計算装置の一実施の形態のハード構成及び機能構成の概略について図2及び図3を用いて説明する。図2は本発明の作業機械の施工精度予測計算装置の一実施の形態のハード構成及び機能構成を示すブロック図である。図3は図2に示す予測計算装置の演算処理で用いる施工目標形状の3次元情報を示す平面図と断面図の組合せの図である。これ以降の予測計算装置の説明は、図1に示す油圧ショベルの施工を想定した場合について行う。
図2において、作業機械の施工精度予測計算装置1(以下、予測計算装置と称する)は、油圧ショベル100(図1参照)による施工の施工精度を予測し、施工精度の予測結果を出力するものである。予測計算装置1は、予測計算装置1の外部に位置する外部入力装置51及び外部サーバ52とネットワークを経由して接続されている。また、予測計算装置1は、記録媒体53とインターフェースを介して接続可能である。また、予測計算装置1は、表示装置54とインターフェースを介して接続可能である。
外部入力装置51は、油圧ショベル100の施工精度の予測を行いたい日時である精度予測日時を利用者の操作によって入力するものであり、入力された精度予測日時の情報を予測計算装置1へ送信する。また、外部入力装置51は、予測計算装置1の演算処理の実行時に必要な入力操作を予測計算装置1に対して行うように構成することも可能である。
外部サーバ52は、複数の測位衛星の予測軌道を示す衛星軌道情報を格納しており、格納している衛星軌道情報を予測計算装置1の要求に応じて予測計算装置1へ送信するものである。
記録媒体53は、油圧ショベル100の施工による目標の地形形状を示す施工目標形状の立体情報(3次元情報)及び油圧ショベル100の諸元情報を格納しており、格納している各種情報を予測計算装置1へ出力可能なものである。記録媒体53は、外部サーバ52が格納している衛星軌道情報を外部サーバ52に代わって格納するように構成することも可能である(図2に示す二点鎖線)。
施工目標形状の3次元情報(以下、施工情報と称することがある)は、経度・緯度・楕円体高からなる地理座標系上の位置として定められている。施工目標形状の3次元情報は、例えば図3に示すように、施工目標形状の平面図531と断面図532との組み合わせとして与えられている。施工目標形状の平面図531(以下、目標平面図と称することがある)は、例えば、予め設定された中心線531cの情報を含んでいる。施工目標形状の断面図532(以下、目標断面図と称することがある)は、例えば、目標平面図531の中心線531cに対する法線を含み目標平面図531に直交する面で切断した横断面図である。
油圧ショベル100の諸元情報は、例えば、フロント作業装置103の各構成部材(ブーム121、アーム122、バケット123)の寸法、フロント作業装置103の各回動軸124,125、126の相対位置、第1のアンテナ114及び第2のアンテナ115の寸法や相対位置など、油圧ショベル100の構造物の各種情報(例えば、設計情報)を含んでいる。また、上部旋回体102の旋回軸線Zと下部走行体101が接地する地面Gと想定される面との交点Oなど情報を含んでいる(図1を参照)。
予測計算装置1は、外部入力装置51から送信された精度予測日時、外部サーバ52から送信された衛星軌道情報、記録媒体53から読み込んだ施工目標形状の3次元情報及び油圧ショベル100の諸元情報などの各種の情報を基に、施工目標形状の或る領域を油圧ショベル100が施工する場合を想定したときの油圧ショベル100の衛星測位の精度を予測し、測位精度の予測結果を用いて施工対象の領域全体に亘る油圧ショベル100の施工精度の分布マップを生成するものである。予測計算装置1の特長は、油圧ショベル100のフロント作業装置103による施工に特有の影響を考慮した油圧ショベル100の施工精度の予測分布マップを生成することである。
予測計算装置1は、ハード構成として例えば、RAMやROM等からなる記憶装置2と、CPUまたはMPU等からなる処理装置3とを備えている。記憶装置2には、油圧ショベル100の施工精度の予測分布マップの生成に必要なプラグラムや各種情報が予め記憶されている。また、記憶装置2は、外部入力装置51、外部サーバ52、記録媒体53からの各種情報を記憶する。処理装置3は、記憶装置2からプログラムや各種情報を適宜読み込み、当該プログラムに従って処理を実行することで各種機能を実現する。
予測計算装置1は、記憶装置2の機能として、第1施工情報記憶部11及び第2施工情報記憶部12、諸元情報記憶部13、軌道情報記憶部14、予測日時記憶部15を備えている。予測計算装置1は、処理装置3が実行する機能として、施工情報処理部21、動作領域演算部22、作業方位決定部23、作業位置決定部24、アンテナ位置演算部25、上空遮蔽領域演算部26、衛星配置予測部27、利用衛星決定部28、測位精度予測部29、精度分布マップ生成部30を有している。
第1施工情報記憶部11は、記録媒体53から取り込んだ施工目標形状の3次元情報のうち、施工目標形状の平面図531を保持するものである。第2施工情報記憶部12は、記録媒体53から取り込んだ施工目標形状の3次元情報のうち、施工目標形状の断面図532を保持するものである。諸元情報記憶部13は、記録媒体53から取り込んだ油圧ショベル100の諸元情報を保持するものである。軌道情報記憶部14は、外部サーバ52から受信した衛星軌道情報を保持するものである。予測日時記憶部15は、外部入力装置51から受信した精度予測日時の情報を保持するものである。
軌道情報記憶部14により保持された衛星軌道情報の中には、情報が古いことなどの理由により、衛星測位の精度予測の演算の利用に適さないものがある。そこで、予測計算装置1は、受信した衛星軌道情報が利用不適格である場合に、外部サーバ52に対して適切な衛星軌道情報を送信するよう要求するように構成されている。なお、予測計算装置1は、軌道情報記憶部14に保持する衛星軌道情報が精度予測の演算に適さない旨の警告を表示装置54などへ出力するように構成することも可能である。
上述の機能部21~30を有する処理装置3の処理は、概略すると、3次元情報の施工目標形状を複数に区分するように設定した複数の断面の各々において所定の条件を想定したときの油圧ショベル100の位置及び方位を予測時の作業位置及び作業方位として設定し、当該作業位置及び作業方位にある油圧ショベル100の施工時にアンテナ114、115の上空視界がフロント作業装置103により遮蔽される領域(以下、アンテナ上空遮蔽領域と称することがある)を演算し、演算結果のアンテナ上空遮蔽領域を基に選択した測位衛星を利用することを想定したときの測位精度を予測し、予測結果の測位精度を当該作業位置及び作業方位にある油圧ショベル100の施工可能な領域の施工精度と対応づけることで、最終的に、施工対象面の全体に亘る施工精度の予測分布マップを生成するものである。これらの一連の処理は、測位対象の位置と施工対象面の位置の乖離や油圧ショベル100の作業位置及び作業方位の相違による測位精度の変化など、油圧ショベル100の施工に特有の影響を考慮したものとなっている。
なお、本実施の形態においては、油圧ショベル100の作業位置の設定条件として、例えば、衛星測位の精度に最も悪影響を与える状況を用いている。これは、油圧ショベル100の実際の施工時の施工精度が予測計算装置1の演算結果の施工予測精度よりも低くなることを回避するためである。つまり、予測計算装置1の演算は、油圧ショベル100の実際の施工時に確保可能な施工精度を提示可能とすることを意図したものである。
次に、本発明の作業機械の施工精度予測計算装置の一実施の形態における処理装置の各機能部の詳細について説明する。先ず、予測計算装置の施工情報処理部の機能について図3~図5Bを用いて説明する。図4は図2に示す予測計算装置の施工情報処理部における施工対象面及び機体接地領域の設定例を示す説明図である。図5Aは図2に示す予測計算装置の施工情報処理部における施工対象面及び機体接地領域の区分方法(施工目標形状に対する複数の断面の設定方法)の第1例を示す説明図である。図5Bは図2に示す予測計算装置の施工情報処理部における施工対象面及び機体接地領域の区分方法(施工目標形状に対する複数の断面の設定方法)の第2例を示す説明図である。
施工情報処理部21は、第2施工情報記憶部12に保持されている施工情報としての施工目標形状の断面図532(目標断面図)に対して、予測計算装置1の利用者による入力に応じて施工対象面及び機体接地領域を設定するものである。施工対象面は、施工目標形状の一部分の領域であり、油圧ショベル100の施工精度を予測する対象領域である。機体接地領域は、油圧ショベル100の施工対象面の施工時に油圧ショベル100の機体(下部走行体101)の接地が想定される領域である。施工情報処理部21は、さらに、目標断面図532に設定された施工対象面及び機体接地領域を施工目標形状の平面図531(目標平面図)に対しても設定する。
例えば、図3の下図に示す施工目標形状の断面図532において、利用者の入力に応じて、施工対象面として面A(傾斜面)を設定すると共に、機体接地領域として面Bを設定する。さらに、図3の上図に示す施工目標形状の平面図531に対して、断面図532の面Aに対応する面Aを施工対象面として設定すると共に、断面図532の面Bに対応する面Bを機体接地領域として設定する。施工情報処理部21は、設定した施工対象面及び機体接地領域の情報を第1施工情報記憶部11及び第2施工情報記憶部12に記憶させる。なお、予測計算装置1に対する入力は、外部入力装置51を介して行うことが可能である。
上述の例では、図3に示す断面図532における施工目標形状の面Bが機体接地領域として設定されている。しかし、機体接地領域として、施工前の面や施工途中で形成された現状の面など施工目標形状とは異なる任意の面を設定することが可能である。例えば、図4に示すように、施工目標形状の面Bを垂直方向の上側にオフセットし、面Bと並行な方向に施工目標形状の面Aまで延伸させた第1仮想面B1を機体接地領域として設定することが可能である。また、施工目標形状の面Bを垂直方向の下側にオフセットし、面Bと並行な方向に面Aの延伸面まで延伸させた第2仮想面B2を機体接地領域として設定することも可能である。
また、上述の例では、施工対象面と機体接地領域が図3に示す目標平面図531及び目標断面図532における面Aと面Bの異なる領域に設定されている。しかし、施工対象面と機体接地領域を図3に示す目標平面図531及び目標断面図532における同一の面Bに対して設定することも可能である。
施工情報処理部21は、さらに、予測計算装置1の利用者による入力に応じて、目標平面図531に設定された施工対象面及び機体接地領域を複数に区分するように複数の断面Fを設定する。施工情報処理部21は、設定した複数の断面Fの情報を第1施工情報記憶部11に記憶させる。予測計算装置1への入力は、外部入力装置51を介して行うことが可能である。
具体的には、例えば、施工対象面又は機体接地領域の区分数Nが入力される構成が可能である。この場合、目標平面図531における施工対象面である面A又は機体接地領域である面BをN個に区分する複数の断面F(x)を中心線531cに沿って配置する。Nは自然数であり、x=1~N+1となる。例えば、図5Aに示すように、N+1個の断面F(x)が中心線531cに対して直交すると共に中心線531cに沿って等間隔Iになるように配置される。すなわち、各断面F(x)は、施工対象面の面A又は機体接地領域の面Bを横切る施工目標形状の横断面となる。この場合、隣接する断面F(x)間の距離Iは、中心線531cの長さLcをN分割したものとなる。
また、施工対象面又は機体接地領域を複数に区分する断面F間の距離Dが入力される構成も可能である。隣り合う断面F間の距離Dを規定する基準点としては、目標断面図532における施工対象面の面Aの法肩上の点α及び法尻上の点β(図5Bの下図を参照)並びに目標平面図531における機体接地領域の面B上の中心線531cと断面F(x)との交点の3つのうちの何れか1つを選択することが考えられる。例えば、図5Bの上図に示すように、目標平面図531における面Aの法尻上の点β(x)と点β(x+1)との間の距離がDとなるように断面F(x)の位置が設定されている。この場合、施工対象面の区分数N及び断面Fの数(N+1)は入力される断面F間の距離Dに応じて決定されることになる。
次に、予測計算装置の動作領域演算部の機能について図6~図9を用いて説明する。図6は図1に示す油圧ショベルのフロント作業装置の姿勢の規定方法を示す説明図である。図7はGNSSアンテナの上空視界におけるフロント作業装置の遮蔽領域及びそれ以外の可視領域を示す説明図である。図8は図2に示す予測計算装置の動作領域演算部におけるアンテナ上空の遮蔽領域が最大になるブームの姿勢の算出方法を示す説明図である。図9は図2に示す予測計算装置の動作領域演算部の演算結果であるフロント作業装置の上空最大遮蔽時動作領域を示す説明図である。
動作領域演算部22は、諸元情報記憶部13が保持する油圧ショベル100の諸元情報を用いて、フロント作業装置103の上空最大遮蔽時動作領域103fを演算するものである。上空最大遮蔽時動作領域103fとは、フロント作業装置103により遮蔽されるアンテナ114、115の上空視界の領域(面積)が最大になるときのフロント作業装置103の姿勢からブーム121の姿勢を維持したままでブーム121以外の構成部材であるアーム122及びバケット123を動作させたときに、フロント作業装置103の先端であるバケット123の爪先123aの到達限界の軌跡よりもブーム121側に位置する領域である(図9参照)。
上空最大遮蔽時動作領域は、例えば、次のことを考慮して算出されるものである。図1に示す油圧ショベル100においては、フロント作業装置103の構成部材のうち、アンテナ114、115の上空視界への射影面積に最も大きな影響を及ぼすものは、ブーム121である。一方、アーム122及びバケット123のアンテナ114、115の上空視界への射影面積に及ぼす影響は、ブーム121に比べると僅かである。そこで、アンテナ114、115の上空視界の遮蔽領域が最大となるフロント作業装置103の姿勢を算出する手法として、演算の簡易化を図るために、影響の少ないアーム及びバケットの姿勢は固定状態とする一方、影響の大きなブームの姿勢のみを変化させたときに遮蔽領域が最大となる姿勢を採用することとしている。
具体的には、動作領域演算部22は、例えば次のようなに上空最大遮蔽時動作領域を算出する。
前提として、フロント作業装置103の姿勢を各構成部材(ブーム121、アーム122、バケット123)の相対角度として規定する。具体的には、図6に示すように、ブーム121の姿勢としてのブーム角度∠Bmを上部旋回体102の基準面102aに対する第1回動軸124と第2回動軸125とを結ぶ線分S1のなす角度として規定する。アーム122の姿勢としてのアーム角度∠Amを線分S1に対する第2回動軸125と第3回動軸126とを結ぶ線分S2のなす角度として規定する。バケット123の姿勢としてのバケット角度∠Bkを線分S2に対する第3回動軸126とバケット123の爪先123aとを結ぶ線分S3のなす角度として規定する。
フロント作業装置103の姿勢を上述のように規定したときに、ブーム121の線分S1をアンテナ114、115に最も接近させたときのブーム角度∠Bmを求める。このときのブーム角度を∠Bm(α)とする。すなわち、∠Bm(α)は、ブーム121によるアンテナ上空の遮蔽領域(面積)が最大となるブーム角度である。
次に、ブーム角度を∠Bm(α)に維持したままで第3回動軸126をアンテナ114、115に最も接近させたときのアーム角度∠Amを求める。このときのアーム角度を∠Am(α)とする。∠Am(α)は、ブーム角度が∠Bm(α)のときに、アーム122によるアンテナ上空の遮蔽領域(面積)が最大となるアーム角度となる。
次いで、ブーム角度及びアーム角度をそれぞれ∠Bm(α)及び∠Am(α)に維持したままでバケット123の爪先123aをアンテナ114、115に最も接近させたときのバケット角度∠Bkを求める。このときのバケット角度を∠Bk(α)とする。∠Bk(α)は、ブーム角度及びアーム角度がそれぞれ∠Bm(α)及び∠Am(α)のときに、バケット123によるアンテナ上空の遮蔽領域(面積)が最大となるバケット角度となる。
ここで、演算結果であるブーム角度∠Bm(α)、アーム角度∠Am(α)、バケット角度∠Bk(α)並びに記憶装置2に保持されている油圧ショベル100の諸元情報を用いることで、アンテナ114、115の上空視界がフロント作業装置103により遮蔽される領域及びアンテナ114、115の上空視界がフロント作業装置103により遮蔽されなることがない領域である可視領域を求める。例えば、図7に示すように、アンテナ114(115)の上空視界Rb(円内領域)に対して、フロント作業装置103の遮蔽領域Mf(斜線領域)及びそれ以外の可視領域V(ドット領域)が得られる。アンテナ114、115の上空視界Rbは、油圧ショベル100の機体基準座標系における仰角が動径座標に、機体基準座標における方位角が角度座標に設定された極座標として表されている。方位角に関しては、機体(上部旋回体102)の前方向(front)、機体の右方向(Right)、機体の後方(Rear)、機体の左方向(Left)を、例えば図7に示すように設定している。
続いて、図8に示すように、アーム角度及びバケット角度をそれぞれ∠Am(α)及び∠Bk(α)に維持したままでブーム角度∠Bmを変化させたときに、フロント作業装置103の遮蔽領域Mfが最大値となるブーム角度∠Bm(β)を求める。このブーム角度∠Bm(β)をフロント作業装置103によるアンテナ上空の遮蔽領域Mf(面積)を最大にするブーム121の姿勢とする。つまり、ブーム角度∠Bm(β)をフロント作業装置103の作業時に衛星測位の精度に最も悪影響を及ぼす姿勢とみなしている。
さらに、ブーム121がブーム角度∠Bm(β)を維持したままでブーム121以外のアーム122及びバケット123を動作させたときに、フロント作業装置103の先端であるバケット123の爪先123aの到達限界の軌跡よりもブーム121側に位置する領域を、フロント作業装置103の上空最大遮蔽時動作領域103fとして算出する。換言すると、上空最大遮蔽時動作領域103fは、ブーム121の姿勢を維持したままでアーム122及びバケット123を動作させたときのフロント作業装置103が占める動作領域である。
上空最大遮蔽時動作領域103fは、例えば図9に示すように、上部旋回体102の旋回軸線Zと下部走行体101(機体)の接地面Gとの交点Oを原点とし、油圧ショベル101(上部旋回体102)の矢状面を与える座標上に設定される。すなわち、上空最大遮蔽時動作領域103fとは、ブーム121のブーム角度∠Bmを一意(ここでは、∠Bm(β))に定めた状態のフロント作業装置103の先端(バケット123の爪先123a)の到達限界の軌跡(図9に示す破線)よりもブーム121側に位置する上部旋回体102)の矢状面内における領域(図9に示す斜線領域)である。
上述の上空最大遮蔽時動作領域103fの演算では、油圧ショベル100の諸元情報として少なくとも、フロント作業装置103の各構成部材121、122、123や各回動軸124、125、126の寸法や相対位置の情報(図6参照)、アンテナ114の寸法や相対位置の情報(図6参照)、交点Oの位置(座標の原点)の情報(図9参照)を必要とする。演算結果の上空最大遮蔽時動作領域103fは、例えば、諸元情報記憶部13に保持される。
次に、予測計算装置の作業方位決定部、作業位置決定部、アンテナ位置演算部の機能について図5A、図5B、図10~図12を用いて説明する。図10は図2に示す予測計算装置の作業位置決定部の作業位置の演算方法の一例(施工対象面と機体接地領域が異なる場合の例)を示す説明図である。図11は図2に示す予測計算装置の作業位置決定部の演算結果である作業位置を施工目標形状の平面図に示した図である。図12は図2に示す予測計算装置の作業位置決定部の作業位置の演算方法の別の一例(施工対象面と機体接地領域が同一である場合の例)を示す説明図である。また、図10などこれ以降の図中の断面図内に現れる油圧ショベルの各構成部材に対して、図1に示す油圧ショベルの各構成部材に対応した符号を付すことにする。
作業方位決定部23及び作業位置決定部24は、施工情報処理部21の処理結果である施工目標形状の平面図531及び断面図532、並びに、動作領域演算部22の演算結果である上空最大遮蔽時動作領域103fを用いて、三次元空間内における油圧ショベル100の作業方位及び作業位置を設定する。また、アンテナ位置演算25は、作業方位決定部23が設定した作業方位および作業位置決定部24が設定した作業位置、並びに、諸元情報記憶部13に保持されているアンテナ114、115を含む油圧ショベル100の諸元情報を用いて、三次元空間内における油圧ショベル100の施工時に想定されるアンテナ114、115の位置を演算する。つまり、作業方位決定部と作業位置決定部とアンテナ位置演算部の3つの機能部の処理により、油圧ショベル100の施工精度の予測時のアンテナ114、115の位置を一意に決定するものである。作業方位決定部23、作業位置決定部24、アンテナ位置演算25の具体的な処理は、以下のとおりである。
作業方位決定部23は、油圧ショベル100の施工対象面と機体接地領域が異なる領域に設定されている場合と同一の領域に設定されている場合とで、油圧ショベル100の作業方位の設定方法が異なる。
施工対象面と機体接地領域が異なる領域に設定されている場合、例えば、図3に示す面A及び面Bがそれぞれ施工対象面及び機体接地領域として設定されている場合には、作業方位決定部23は、施工情報処理部21の処理結果である図5A又は図5Bに示す施工目標形状の平面図531の各断面F(x)上において、各断面F(x)に平行な方向かつ面Bに沿って面Bから面Aに向かう方向を上部旋回体102(油圧ショベル100)の作業方位として設定する。すなわち、施工目標形状の断面図532の各断面F(x)において(図5Bの下図参照)、上部旋回体102が面Aに正対して施工することを想定したときの方位を上部旋回体102(油圧ショベル100)の作業方位として設定している。
また、施工対象面と機体接地領域が同一の領域に設定されている場合、例えば、図3に示す面Bが施工対象面および機体接地領域として設定されている場合には、作業方位決定部23は、油圧ショベル100の作業方位を一意に設定しない。すなわち、作業方位決定部23は、油圧ショベル100の作業方位の演算を実行しない。油圧ショベル100の施工対象面と機体接地領域が同一の領域である場合、油圧ショベル100の位置が確定しても、油圧ショベル100は360°の全範囲に亘って作業(任意の方向の作業)が可能である。そこで、油圧ショベル100の作業方位を一意に確定させずとも、作業位置決定部24及びアンテナ位置演算25の後述の演算によってアンテナ114(115)の位置の設定が可能となるように構成されている。
作業位置決定部24も、油圧ショベル100の施工対象面と機体接地領域が異なる領域に設定されている場合と同一の領域に設定されている場合とで、油圧ショベル100の作業位置の設定方法が異なる。
施工対象面と機体接地領域が異なる領域に設定されている場合、例えば、図3に示す面A及び面Bがそれぞれ施工対象面及び機体接地領域として設定されている場合には、作業位置決定部24は、動作領域演算部22の演算結果である上空最大遮蔽時動作領域103f、及び、施工情報処理部21の処理結果である施工目標形状の断面図532の各断面F(x)を用いて、油圧ショベル100の3次元空間の作業位置を設定する。
例えば、図9に示す作業フロント作業装置103の上空最大遮蔽時動作領域103fを図5Bの下図に示す断面図532の各断面F(x)に適用することで、図10に示すような上空最大遮蔽時動作領域103fと施工対象面である面Aとの位置関係(距離Df)を規定する。具体的には、図10に示す断面F(x)内において、下部走行体101(機体)が面B(機体接地領域)上に位置する制約条件の下で面A(施工対象面)に正対した状態で作業することを想定する。作業位置決定部24は、上空最大遮蔽時動作領域103fが面A(施工対象面)に重なることなく当該上空最大遮蔽時動作領域103fと面A(施工対象面)との距離Dfが最小になる下部走行体101(機体)の位置を油圧ショベル100の作業位置C(x)として算出する。油圧ショベル100の作業位置C(x)は、例えば、上部旋回体102の旋回軸線Zと下部走行体101の機体接地領域(面B)との交点Oの位置である。
なお、油圧ショベル100の作業位置C(x)を決定する当該距離Dfの最小値は、通常、0である。しかし、施工対象面の面Aと油圧ショベル100との間に障害物(例えば、溝など)が存在している場合には、油圧ショベル100の作業位置C(x)を決定する当該距離Dfの最小値が0にならないことがある。
作業位置決定部24は、施工目標形状の断面図532としての断面F(1)から断面F(N+1)までの各断面F(x)に対して油圧ショベル100の作業位置C(x)を設定する。作業位置決定部24は、断面図532の各断面F(x)上に設定された各作業位置C(x)を用いて、施工情報処理部21の処理結果である施工目標形状の平面図531における作業位置C(x)を設定する。すなわち、図11に示すように、平面図531において、断面図532の各断面F(x)上に設定された各作業位置C(x)に応じて断面F(1)から断面F(N+1)までの全ての断面F(x)上の作業位置C(x)が定まる。
このように、油圧ショベル100の作業位置C(x)は、油圧ショベル100が面B(機体接地領域)上に位置して面A(施工対象面)に正対したときに、油圧ショベル100の上空最大遮蔽時動作領域103fが面A(施工対象面)に重なることなく当該上空最大遮蔽時動作領域103fと面A(施工対象面)との距離Dfが最小になる油圧ショベル100の位置として設定される。このような油圧ショベル101の作業位置の設定は、下部走行体101が機体接地領域(面B)に位置する状態でフロント作業装置103が面A(施工対象面)に対して下方に侵入せずに施工することを想定したときに、フロント作業装置103により遮蔽されるアンテナ114(115)の上空視界の領域が最大となるときの下部走行体101の位置として設定することと同義である。したがって、当該作業位置C(x)は、衛星測位の精度が最も低下する懸念がある条件下で施工することを想定したときの下部走行体101(機体)の位置である。
また、作業位置決定部24は、施工対象面と機体接地領域が同一の領域に設定されている場合、例えば、図3に示す面Bが施工対象面および機体接地領域として設定されている場合には、図12に示すように、施工情報処理部21の処理結果である施工目標形状の平面図531における中心線531cと各断面F(x)との交点を油圧ショベル100(機体)の作業位置C(x)として設定する。施工対象面および機体接地領域が同一の面Bである場合、上空最大遮蔽時動作領域103fが面B(施工対象面)に重なることはない。また、当該上空最大遮蔽時動作領域103fと面B(施工対象面)との最小距離は、油圧ショベル100の任意の方位において略同じになる。そのため、上空最大遮蔽時動作領域103fを用いて油圧ショベル100の作業位置C(x)を設定することができない。また、油圧ショベル100(機体)の方位を360°の全範囲に設定が可能として、作業方位決定部23は油圧ショベル100(機体)の作業方位を一意に確定しない。これらのことから、施工目標形状の各断面F(x)において油圧ショベル100の作業方位がいずれの方向であってもフロント作業装置103による面B(施工対象面)の施工が可能となる油圧ショベル100の位置として中心線531c上の点を選択することで、油圧ショベル100の作業位置C(x)を設定している。
アンテナ位置演算25は、油圧ショベル100の施工対象面と機体接地領域が異なる領域に設定されている場合には、作業方位決定部23が設定した作業方位および作業位置決定部24が設定した作業位置C(x)、並びに、諸元情報記憶部13に保持されている油圧ショベル100の諸元情報を用いて、三次元空間内における油圧ショベル100のアンテナ114(115)の位置を演算する。油圧ショベル100の方位及び位置が定まると、油圧ショベル100の各構造物の相対的な位置関係(諸元情報記憶部13の情報)からアンテナ114(115)の三次元空間内の位置を算出すること可能である。
また、アンテナ位置演算25は、油圧ショベル100の施工対象面と機体接地領域が同一の領域に設定されている場合には、作業位置決定部24が設定した作業位置C(x)、及び、諸元情報記憶部13に保持されている油圧ショベル100の情報を用いて、三次元空間内における油圧ショベル100の施工時のアンテナ114(115)の平均位置Ap(x)を演算する。具体的には、アンテナ114(115)の平均位置Ap(x)は、油圧ショベル100が作業位置C(x)にあり、且つ、油圧ショベル100の方位が全範囲(360°)可能である場合を想定したときに、アンテナ114(115)の位置する地点の平均として算出される。すなわち、アンテナ114(115)の平均位置Ap(x)は、施工目標形状の断面図532における油圧ショベル100の作業位置C(x)を基準として、断面図532の面B(施工対象面及び機体接地領域)からの高さがアンテナ114(115)の高さと同じ位置となる(後述の図14参照)。
次に、予測計算装置の上空遮蔽領域演算部の機能について図13~図14を用いて説明する。図13は図2に示す予測計算装置の上空遮蔽領域演算部の演算方法の一例(施工対象面と機体接地領域が異なる場合の例)を示す説明図である。図14は図2に示す予測計算装置の上空遮蔽領域演算部の演算方法の別の例(施工対象面と機体接地領域が同じ場合の例)を示す説明図である。
上空遮蔽領域演算部26は、施工情報処理部21の処理結果である施工目標形状の断面図532、作業位置決定部24の演算結果である油圧ショベル100(機体)の作業位置C(x)、諸元情報記憶部13に保持されている油圧ショベル100の諸元情報を用いて、フロント作業装置103が施工対象面を施工すると想定したときに、アンテナ114、115の上空視界がフロント作業装置103により遮蔽される領域(以下、アンテナ上空の遮蔽領域と称することがある)を演算する。アンテナ上空の遮蔽領域は、油圧ショベル100の施工時に衛星測位の精度に影響を与えるものである。具体的には、上空遮蔽領域演算部26は以下の処理を実行する。
上空遮蔽領域演算部26は、施工目標形状の断面図532の各断面F(x)において、下部走行体101(機体)が作業位置C(x)に位置した状態にある油圧ショベル100のフロント作業装置103の先端(バケット123の爪先123a)を施工対象面上に沿って動作させる(施工対象面の位置となる状態を維持して移動させる)という条件下において、フロント作業装置103の取り得る多数又は全ての姿勢(以下、フロント姿勢群と称することがある)を演算する。さらに、フロント作業装置103が演算結果のフロント姿勢群の姿勢をとるときに、アンテナ114、115の上空視界がフロント作業装置103により遮蔽され得る領域をアンテナ上空の遮蔽領域Sb(x)として算出する。
施工対象面と機体接地領域が異なる領域に設定されている場合、例えば、図3に示す面A及び面Bがそれぞれ施工対象面及び機体接地領域として設定されている場合には、図13に示すように、施工目標形状の断面図532の断面F(x)において、油圧ショベル100が作業位置C(x)に位置した状態で施工対象面である面Aにバケット123の爪先123aが接するという条件を満たすフロント姿勢群(図13では、2つの姿勢のみを図示)を算出する。フロント姿勢群は、例えば、ブーム121のブーム角度、アーム122のアーム角度、バケット123のバケット角度の各範囲として算出する。さらに、アンテナ114(115)の上空視界が当該フロント姿勢群のときにフロント作業装置103により遮蔽され得る領域をアンテナ上空の遮蔽領域Sb(x)として算出する。
また、油圧ショベル100の施工対象面及び機体接地領域が同一の領域の面Bに設定されている場合には、図14に示すように、施工目標形状の断面図532の断面F(x)において、油圧ショベル100が作業位置C(x)に位置した状態で施工対象面である面Bにバケット123の爪先123aが接するという条件を満たすフロント姿勢群(図14では、1つの姿勢のみを図示)を算出する。さらに、アンテナ114、115の上空視界が当該フロント姿勢群のときにフロント作業装置103により遮蔽され得る領域をアンテナ上空の遮蔽領域Sb(x)として算出する。なお、施工対象面が機体接地領域と同一の領域の場合には、当該フロント姿勢群のときに遮蔽され得る領域が極めて狭いと想定される場合がある。この場合、アンテナ上空の遮蔽領域Sbの演算を省略することも可能である。
次に、予測計算装置の衛星配置予測部及び利用衛星決定部の機能について図15~図17を用いて説明する。図15は図2に示す予測計算装置の衛星配置予測部の演算結果であるGNSSアンテナの上空視界における測位衛星の配置の一例を示す図である。図16は図2に示す予測計算装置の機能部の1つである利用衛星決定部において用いるGNSSアンテナの上空視界の遮蔽領域及び可視領域の一例を示す図である。図17は図2に示す予測計算装置の利用衛星決定部における測位衛星の決定方法の一例を示す説明図である。
衛星配置予測部27は、軌道情報記憶部14からの衛星軌道情報、予測日時記憶部15からの予測日時情報、アンテナ位置演算部25の演算結果であるアンテナ114、115の3次元位置情報を用いて、アンテナ114、115の上空視界における複数の測位衛星の配置情報を演算する。具体的には、衛星配置予測部27は、衛星軌道情報及び予測日時情報を基に当該予測日時の複数の測位衛星(以下、GNSS衛星群と称することがある)の位置を算出し、アンテナ114、115の3次元位置情報を基にアンテナ114、115の上空視界を定め、当該上空視界におけるGNSS衛星群の配置を予測する。衛星配置予測部27の予測は、例えば、図15に示すような上空視界Rg1(x)内のGNSS衛星群の配置として表現可能である。図15に示す上空視界Rg1(x)は、例えば地平基準座標における仰角が動径座標に、方位角が角度座標に設定される極座標として表される。
利用衛星決定部28は、作業方位決定部24の設定、上空遮蔽領域演算部26の演算結果、衛星配置予測部27の予測結果を基に、油圧ショベル100の衛星測位の演算に用いるGNSS衛星を決定するものである。具体的には、利用衛星決定部28は以下の処理を実行する。
第1に、利用衛星決定部28は、上空遮蔽領域演算部26の演算結果である施工目標形状の断面図532の各断面F(x)におけるアンテナ上空の遮蔽領域Sb(x)及び作業方位決定部24により設定された油圧ショベル100の作業方位を基に、地平基準座標系上のアンテナ114、115の上空視界Rg2(x)におけるアンテナ上空遮蔽領域S(x)を算出する。このアンテナ上空遮蔽領域S(x)は、上部旋回体102(機体)が設定された作業位置C(x)にあると共に設定された作業方位を向くという状態にある油圧ショベル100がフロント作業装置103により施工対象面を施工することを想定したときに、アンテナ114、115の上空視界Rg2(x)がフロント作業装置103によって遮蔽される領域と同義である。さらに、地平基準座標系の上空視界Rg2(x)において、フロント作業装置103により遮蔽されることがないアンテナ上空遮蔽領域以外の可視領域V(x)を算出する。油圧ショベル100の施工対象面と機体接地領域が異なる領域に設定されている場合には、例えば、図16に示すような上空遮蔽領域S(x)及び可視領域V(x)となる上空視界Rg2(x)が得られる。図16に示す上空視界Rg2(x)は、地平基準座標における仰角が動径座標に、地平基準座標における方位角が角度座標に設定される極座標として表されている。
第2に、利用衛星決定部28は、演算結果のアンテナ上空遮蔽領域S(x)及び可視領域V(x)を含む上空視界Rg2(x)に対して衛星配置予測部27の予測結果の上空視界Rg1(x)におけるGNSS衛星群の配置を重ね合わせることで、予測日時において可視領域V(x)内に位置すると予測されるGNSS衛星群G(x)を算出する。例えば、図16に示すアンテナ上空遮蔽領域S(x)及び可視領域V(x)の上空視界Rg2(x)に対して図15に示す上空視界Rg1(x)の測位衛星群の配置を重ね合わせることで、図17に示すように、上空視界R(x)内に配置されているGNSS衛星群の中から、可視領域V(x)に位置するGNSS衛星群G(x)のみを測位精度の演算に利用する測位衛星として選択することが可能となる。
次に、予測計算装置の測位精度予測部及び精度分布マップ生成部の機能について図18~図23を用いて説明する。図18は図2に示す予測計算装置の機能部の精度分布マップ生成部における予測精度の分布データの生成の第1手順の一例(施工対象面と機体接地領域が異なる場合の例)を示す説明図である。図19は図2に示す予測計算装置の精度分布マップ生成部における予測精度の分布データの生成の第2手順の一例(施工対象面と機体接地領域が異なる場合の例)を示す説明図である。図20は図2に示す予測計算装置の精度分布マップ生成部における予測精度の分布データの生成の第1手順の別の例(施工対象面と機体接地領域が同じ場合の例)を示す説明図である。図21は図2に示す予測計算装置の精度分布マップ生成部における予測精度の分布データの生成の第2手順の別の例(施工対象面と機体接地領域が同じ場合の例)を示す説明図である。
測位精度予測部29は、利用衛星決定部28により決定された測位衛星群G(x)の利用を想定したときの測位精度を予測する。この測位精度予測部29の予測結果は、油圧ショベル100の施工対象面と機体接地領域が異なる場合には、上部旋回体102(機体)が設定された作業位置C(x)にあると共に設定された作業方位を向くという状態にある油圧ショベル100のアンテナ114、115が利用衛星決定部28により決定された測位衛星群G(x)からの測位信号を受信して測位演算を行うことを想定したときに得られる予測測位精度Q(x)である。また、当該施工対象面と機体接地領域が同一である場合には、上部旋回体102(機体)が設定された作業位置C(x)にあると共にアンテナ114、115が平均位置Ap(x)にあるという状態の油圧ショベル100のアンテナ114、115が利用衛星決定部28により決定された測位衛星群G(x)からの測位信号を受信して測位演算を行うことを想定したときに得られる予測測位精度Q(x)である。測位精度予測部29は、設定した作業位置C(x)の全て(x=1,2,…、N+1)に対して予測測位精度を演算する。
精度分布マップ生成部30は、測位精度予測部29の予測結果である予測測位精度Q(x)を当該作業位置及び作業方位にある油圧ショベル100の施工可能な施工対象面の一区域における施工精度と対応づけることで、施工対象領域全体に亘る施工予測精度を示す分布マップを生成するものである。具体的には、精度分布マップ生成部30は以下の処理を実行する。
第1に、精度分布マップ生成部30は、測位精度予測部29の演算結果の全てを施工目標形状の平面図531に関連付けることで、施工対象面の全体に亘る施工予測精度の分布データを生成する。具体的には、施工目標形状の平面図531の各断面F(x)上の作業位置C(x)に対して測位精度予測部29の演算結果の予測測位精度Q(x)を関連付ける。さらに、施工目標形状の平面図531における施工対象面を複数に区分し、施工対象面の各区域を施工可能な作業位置C(x)に対応する予測測位精度Q(x)を当該区域の施工予測精度として関連付ける。
例えば、施工目標形状の平面図531において、油圧ショベル100の施工対象面と機体接地領域が異なる場合、図18に示すように、法肩α(k)、法尻β(k)、作業位置C(k)を含む断面F(k)、及び、法肩α(k+1)、法尻β(k+1)、作業位置C(k+1)を含む断面F(k+1)を、測位精度予測部29の演算結果の予測測位精度Q(k)及び予測測位精度Q(k+1)と関連付ける。ここで、kは、1、2、…、Nのうちの任意の1つである。さらに、法肩α(k)と法肩α(k+1)の中点、法尻β(k)と法尻β(k+1)の中点、作業位置C(k)と作業位置C(k+1)の中点のうちの2点を結ぶ断面F(k)mを求める。さらに、施工目標形状の平面図531において、図19に示すように、断面F(k)と断面F(k)mとに囲まれた施工対象面の面A上の区域A(k)を設定し、設定した区域A(k)の施工予測精度として作業位置C(k)の予測測位精度Q(k)を関連付ける。また、断面F(k+1)と断面F(k)mとに囲まれた施工対象面の面A上の区域A(k+1)を設定し、設定した区域A(k+1)の施工予測精度として作業位置C(k+1)の予測測位精度Q(k+1)を関連付ける。施工目標形状の平面図531の各断面F(x)の全てに対して上述の処理を行うことで、施工対象面の面Aを複数に区分した各区域A(x)の全てに対して施工予測精度を関連づける。これにより、施工対象面の面A全体に亘る施工予測精度の分布データを生成される。これは、上部旋回体102(機体)が設定された作業位置C(x)にあると共に設定された作業方位を向くという状態にある油圧ショベル100のフロント作業装置103が施工可能である施工対象面の一区域A(x)に対する施工精度として測位精度予測部29の演算結果の予測測位精度Q(k)を割り当てることと同義である。
また、施工目標形状の平面図531において、油圧ショベル100の施工対象面と機体接地領域が同一である場合、図20に示すように、作業位置C(k-1)を含む断面F(k-1)、作業位置C(k)を含む断面F(k)、及び、作業位置C(k+1)を含む断面F(k+1)をそれぞれ測位精度予測部29の演算結果の予測測位精度Q(k-1)、予測測位精度Q(k)、予測測位精度Q(k+1)と関連付ける。さらに、作業位置C(k-1)と作業位置C(k)の中点を含む断面F(k-1)m及び作業位置C(k)と作業位置C(k+1)の中点を含む断面F(k)mを求める。さらに、施工目標形状の平面図531において、図21に示すように、断面F(k-1)mと断面F(k)mとに囲まれた施工対象面の面B上の区域B(k)を設定し、設定した区域B(k)を施工可能である作業位置C(w)を抽出する。抽出した作業位置C(w)が複数ある場合には、予測測位精度が最も低い作業位置を選択し、選択した作業位置Cの予測測位精度を施工対象面の区域B(k)の施工予測精度として関連付ける。例えば、区域B(k)を施工可能である作業位置がC(w)、C(w-1)、C(w+1)であり、これらの作業位置の予測測位精度の良し悪しの関係が以下の場合には、最も悪い予測測位精度Q(w-1)を区域B(k)の施工予測精度とする。なお、以下の大小関係にある予測測位精度Qとして、測位演算の分散値を用いることが考えられる。
Q(w-1)>Q(w)>Q(w+1)
施工目標形状の平面図531の各断面F(x)の全てに対して上述の処理を行うことで、施工対象面の面Bを複数に区分する区域B(x)の全てに対して施工予測精度を関連づける。これにより、施工対象面の面B全体に亘る施工予測精度の分布データが生成される。これは、上部旋回体102(機体)が作業位置C(x)にあると共にアンテナ114、115が平均位置Ap(x)にあるという状態にある油圧ショベル100のフロント作業装置103が施工可能である施工対象面の一区域B(x)に対する施工精度として測位精度予測部29の演算結果の予測測位精度Q(x)を割り当てることと同義である。
第2に、施工目標形状の平面図531における施工対象面(面A又は面B)の全体に亘る施工予測精度の分布データを視覚的に識別可能に施工目標形状の平面図531に対して関連付けた分布マップを生成し、生成した分布マップを表示するように表示装置54へ出力する。
例えば、図22に示すように、利用者が予め設定した許容最低精度QLを施工予測精度Q(x)が超えているか否かに応じて異なる色O1と色O2を施工目標形状の平面図531の施工対象面の各区域A(x)に割り当てる分布マップを生成する。すなわち、施工精度の分布マップは、施工目標形状の平面図531における施工対象面の各区域A(x)を施工予測精度の良し悪しに応じて二色に色分けしたものである。
また、図23に示すように、油圧ショベル100に搭載されるGNSS受信機116の性能から実現可能な測位精度QS及び許容最低精度QLに対してそれぞれ異なる色OSとOLを割り当て、精度QSの色OSと精度QLの色OLの間で無段階に変化するグラデーション配色に対して精度QSと精度QLとの間で施工予測精度Q(x)が内分する位置に対応した色O(x)を施工対象面の各区域A(x)に割り当てることで、精度分布マップを生成する。すなわち、施工精度の分布マップは、施工目標形状の平面図531における施工対象面の各区域A(x)を施工予測精度に応じたグラデーション配色の色O(x)に色分けしたものである。これは、図22に示す分布マップよりも施工予測精度の違いを明確に表したものとなっている。
次に、本発明の作業機械の施工予測精度の予測計算装置の一実施の形態における分布マップ生成の一連の処理手順の一例について図24を用いて説明する。図24は図2に示す予測計算装置の精度分布マップの生成の一連の処理手順を示すフローチャートの一例である。以下の説明において、演算処理の主体は予測計算装置1である。
予測計算装置1は、外部入力装置53からの入力に応じて、施工目標形状の断面図532における作業機械の施工対象面及び機体接地領域を設定する(図24に示すステップS10)。例えば、図3の下図に示す施工目標形状の断面図532において、施工対象面としての面Aが設定されると共に、機体接地領域として面Bが設定される。機体接地領域は、図4に示すように、外部入力装置53からの入力によって、第1仮想面B1や第2仮想面B2の選択も可能である。また、施工対象面及び機体接地領域として、図3の下図に示す施工目標形状の断面図532における同じ面Bを設定することも可能である。
予測計算装置1は、さらに、外部入力装置53からの入力に応じて、3次元情報の施工目標形状に対して施工対象面及び機体接地領域を複数に区分するように複数の断面を設定する(図24に示すステップS10)。例えば、図5A又は図5Bに示すように、施工目標形状の平面図531の中心線532cに直交すると共に、施工対象面及び機体接地領域をN個に区分するN+1個の断面F(x)を設定する。
次に、予測計算装置1は、設定された施工対象面と機体接地領域の位置関係及び油圧ショベル100の諸元情報を用いて、油圧ショベル100が当該機体接地領域に位置する場合にフロント作業装置103が当該施工対象面を施工(バケット123の爪先123aが当該施工対象面に到達すること)が可能であるか否かを判定する(図24に示すステップS20)。ステップS20においてNOの場合には、ステップS30に進み、油圧ショベル100の施工が不能である旨の通知を表示装置54などへ出力し、演算処理を終了する。判定がNOとなる状況としては、例えば、設定された施工対象面と機体接地領域との間に溝や流路などが存在する場合が想定される。
一方、ステップS20においてYESの場合には、ステップS40に進み、設定された施工対象面と機体接地領域とが異なる領域であるか否かを判定する。ステップS40において、YESの場合にはステップS100に進む一方、NOの場合にはステップS310に進む。
ステップS40においてYESの場合、すなわち、施工対象面と機体接地領域が異なる場合、予測計算装置1はフロント作業装置103の上空最大遮蔽時動作領域103fを算出する(ステップS100)。具体的には、アンテナ114(115)の上空視界のフロント作業装置103による遮蔽領域Mf(図7を参照)が最大となるブーム121の姿勢を算出する(図8を参照)。さらに、図9に示すように、算出した遮蔽領域Mfが最大となるブーム121の姿勢を維持したままで、アーム122及びバケット123を動作させたときのバケット123の爪先123aの到達限界の軌跡よりもブーム121側の領域(フロント作業装置103の動作領域)を上空最大遮蔽時動作領域103fとして設定する。
次に、予測計算装置1は、断面F(x)に対して規定している変数xをx=1に設定し(ステップS110)、3次元空間内における油圧ショベル100の作業位置C(x)及び作業方位を設定する(ステップS120)。ただし、ここでは、変数x=1ではなく、変数xを規定せずに説明する。
例えば、図5A又は図5Bに示す施工目標形状の平面図531において、施工対象面及び機体接地領域としてそれぞれ面A及び面Bが設定されると共に複数(例えば、N+1個)の断面Fが設定されている場合において、断面F(x)上に位置する油圧ショベル100における作業方位を断面F(x)に平行で面Bに沿って面Bから面Aに向かう方向として設定する。また、図10に示すように、施工目標形状の断面図532の断面F(x)及び演算結果の図9に示す上空最大遮蔽時動作領域103fを用いて油圧ショベル100の作業位置C(x)を設定する。具体的には、断面F(x)内において、油圧ショベル100が機体接地領域の面B上に位置して施工対象面の面Aに正対している場合に、フロント作業装置103の上空最大遮蔽時動作領域103fが面Aの下方に侵入せずに上空最大遮蔽時動作領域103fと面Aとの距離Dfが最小になる油圧ショベル100の位置を作業位置C(x)として設定する。断面図532の各断面F(x)において設定された作業位置C(x)は、図11に示す平面図531の複数の断面F(x)上に設定されたものとなる。
次いで、設定された作業位置C(x)及び作業方位並びに油圧ショベルの諸元情報を基に、3次元空間内における油圧ショベル100のアンテナ114、115の位置を演算する(ステップS130)。
続いて、予測計算装置1は、上部旋回体102(機体)が設定した作業位置C(x)にあると共に設定した作業方位を向くという第1設定状態にある油圧ショベル100がフロント作業装置103により施工対象面の面Aを施工することを想定したときに、アンテナ114、115の上空視界がフロント作業装置103により遮蔽される領域であるアンテナ上空遮蔽領域S(x)を算出する(ステップS140)。具体的には、図13に示すように、断面図532の断面(x)内において作業位置C(x)に位置する油圧ショベル100がバケット123の爪先123aを面Aに沿って動作させることを仮想したときのフロント作業装置103の取り得る姿勢(フロント姿勢群)を算出する。フロント作業装置103が算出されたフロント姿勢群のときにアンテナ114、115の上空視界が遮蔽され得る領域をアンテナ上空遮蔽領域S(x)として演算する。
さらに、予測計算装置1は、当該第1設定状態(設定された作業位置C(x)及び作業方位)にある油圧ショベル100がフロント作業装置103により施工対象面の面Aを施工することを想定したときに、アンテナ114、115の上空視界がフロント作業装置103により遮蔽されることがない領域である可視領域V(x)を算出する(ステップS150)。具体的には、図16に示すように、当該第1設定状態(設定された作業位置C(x)及び作業方位)にある油圧ショベル100のアンテナ114、115の上空視界Rg2(x)におけるフロント作業装置103のアンテナ上空遮蔽領域S(x)以外の領域を可視領域V(x)として算出する。
次に、予測計算装置1は、入力された予測日時において、当該第1設定状態(設定された作業位置C(x)及び作業方位)にある油圧ショベル10のアンテナ114、115の上空視界R(x)における可視領域V(x)内に位置するGNSS衛星群G(x)を予測する(ステップS160)。具体的には、図15に示すように、予測日時においてアンテナ114、115の上空視界Rg1(x)内に位置すると予測される測位衛星の配置を算出する。さらに、図17に示すように、予測日時の測位衛星の配置を含むアンテナ114、115の上空視界Rg1(x)と上空遮蔽領域S(x)及び可視領域V(x)を含む上空視界Rg2(x)とを重ね合わせることで、予測日時においてアンテナ114、115の上空視界R(x)の可視領域V(x)内に位置する測位衛星群G(x)を予測する。
次いで、予測計算装置1は、算出した測位衛星群G(x)の測位信号を用いて測位演算を行うことを想定したときに得られる測位精度を作業位置C(x)における予測測位精度Q(x)として算出する(ステップS170)。これらのステップS120~S170の一連の処理によって、施工目標形状の或る断面F(x)において油圧ショベル100の作業位置C(x)に対する予測測位精度Q(x)が算出される。
続いて、予測計算装置1は、変数xがN+1(断面Fの総数)であるか否かを判定する(ステップS180)。ステップS180において、YESの場合にはステップS200に進む一方、NOの場合にはステップS190に進む。
ステップS180においてNOの場合には、予測計算装置1は、変数xを1つ増加させ(ステップS190)、再びステップS120に戻り、ステップS120~S170の一連の処理を行う。すなわち、断面F(x)における予測測位精度Q(x)の演算から断面F(x+1)における予測測位精度Q(x+1)の演算に変更する。このように、ステップS120~S170の一連の処理を行う度に変数xを1、2、3、…、N、N+1と1つずつ増加させていくことで、断面F(1)における予測測位精度Q(1)の演算、断面F(2)における予測測位精度Q(2)の演算、断面F(3)における予測測位精度Q(3)の演算、…、断面F(N)における予測測位精度Q(N)の演算、断面F(N+1)における予測測位精度Q(N+1)の演算を実行する。
ステップS120~S170の一連の処理を繰り返し行うことで、ステップS180においてYES(x=N+1)と判定すると、各演算ループにて(変数xのときに)算出した全ての予測測位精度Q(x)を施工目標形状の平面図531に関連付けて施工対象の領域全体の施工予測精度の分布データを生成する(ステップS200)。具体的には、図18に示す平面図531における各断面F(x)の作業位置C(x)に対する算出結果である予測測位精度Q(x)を、図19に示すように、施工対象面の面Aを各断面F(x)に応じて複数に区分する各区分A(x)に対する施工予測精度として設定する。これにより、断面F(x)に応じた施工対象面の各区域A(x)に対して施工予測精度Q(x)が割り当てられる。
さらに、予測計算装置1は、施工対象面(面A)の各区域A(x)に対して作業位置C(x)の予測測位精度Q(x)を施工予測精度として割り当てることで生成した施工予測精度の分布データを基に、施工対象の領域全体(面A)の施工精度の分布マップを生成して表示装置54へ出力する(ステップS210)。施工精度の分布マップは、施工対象面(面A)の全ての区域A(x)の施工予測精度Q(x)を視覚的に識別可能にするように構成されている。
例えば、分布マップでは、図22に示すように、各区域A(x)の施工予測精度Q(x)が、油圧ショベル100が施工対象面(面A)を施工するときに許容される下限の施工精度(許容下限精度)を確保することができるか否かに応じて色分けされている。また、図23に示されるように、各区域A(x)の施工予測精度Q(x)が、精度の良し悪しに応じてグラデーション配色で変化するように色分けされている。
これにより、予測計算装置1の利用者は、表示装置54に表示された施工精度の予測分布マップを一瞥するだけで、施工対象の領域全体(面A)に亘る施工予測精度の分布を把握することができる。分布マップの施工予測精度は、上部旋回体102(機体)が設定された作業位置及び作業方位である第1設定状態のときの油圧ショベル100に対して予測される測位精度Q(x)と第1設定状態の油圧ショベル100が施工可能な施工対象面(面A)の区域A(x)に対する施工精度とを関連付けることで、施工対象と測位対象の位置の乖離並びに油圧ショベル100の位置及び方位の違いによる測位精度の変化を考慮した施工精度の予測が可能となっている。すなわち、分布マップの施工予測精度は、油圧ショベル100の施工に特有の影響を考慮したものとなっている。
また、ステップS40においてNOの場合、すなわち、施工対象面と機体接地領域が同じ領域である場合、予測計算装置1は、断面F(x)に対して規定している変数xをx=1に設定し(ステップS310)、3次元空間内における油圧ショベル100の作業位置C(x)を設定する(ステップS320)。ただし、ここでは、変数x=1ではなく、変数xを規定せずに説明する。
例えば、図12に示す施工目標形状の平面図531において、施工対象面及び機体接地領域として面Bが設定されると共に複数の断面F(x)が設定されている場合において、各断面F(x)と中心線531cとの交点を油圧ショベル100の作業位置C(x)として設定する。これにより、3次元空間内における作業位置C(x)が一意に確定する。なお、施工対象面が面Bの場合、作業方位を一意に設定することはしない。
次に、予測計算装置1は、3次元空間内における油圧ショベル100のアンテナ114、115の平均位置Ap(x)を演算する(ステップS330)。具体的には、アンテナ114(115)の位置として、油圧ショベル100が作業位置C(x)にあり、且つ、油圧ショベル100の方位が全範囲(360°)可能である場合を想定したときに、アンテナ114(115)の位置する地点の平均として算出される。例えば図14に示すように、断面図532における油圧ショベル100の作業位置C(x)を基準として面B(施工対象面及び機体接地領域)からの高さがアンテナ114(115)の高さと同じ位置となる。
次いで、予測計算装置1は、上部旋回体102(機体)が設定された作業位置にあると共にアンテナ114、115が平均位置Ap(x)である第2設定状態にある油圧ショベル100がフロント作業装置103により施工対象面(面B)を施工することを想定したときに、アンテナ114、115の上空視界がフロント作業装置103により遮蔽されることがない可視領域V(x)を算出する(ステップS350)。具体的には、図14に示す断面図532の断面(x)内において、作業位置C(x)に位置する油圧ショベル10がバケット123の爪先123aを施工対象面の面Bに沿って動作させることを想定したときにアンテナ114、115の上空視界が遮蔽されることがない領域を可視領域V(x)として算出する。
さらに、予測計算装置1は、予測日時において、平均位置Ap(x)に位置するアンテナ114、115の上空視界R(x)における可視領域V(x)内に位置すると予測される測位衛星群G(x)を算出する(ステップS360)。続いて、予測計算装置1は、算出した測位衛星群G(x)の測位信号を用いて測位演算を行うことを想定したときに得られる測位精度を作業位置C(x)における予測測位精度Q(x)として算出する(ステップS370)。これらのステップS320~S370の一連の処理によって、施工目標形状の或る断面F(x)において油圧ショベル100の作業位置C(x)に対する予測測位精度Q(x)が算出される。
続いて、予測計算装置1は、変数xがN+1(断面Fの総数)であるか否かを判定する(ステップS380)。ステップS380において、YESの場合にはステップS400に進む一方、NOの場合にはステップS390に進む。
ステップS380においてNOの場合には、予測計算装置1は、変数xを1つ増加させ(ステップS390)、再びステップS320に戻り、ステップS320~S370の一連の処理を行う。すなわち、断面F(x)における予測測位精度Q(x)の演算から断面F(x+1)における予測測位精度Q(x+1)の演算に変更する。このように、ステップS320~S370の一連の処理を行う度に変数xを1つずつ増加させていくことで、断面F(1)の予測測位精度Q(1)から断面F(N+1)の予測測位精度Q(N+1)までの演算を実行する。
ステップS320~S370の一連の処理を繰り返し行うことで、ステップS380においてYES(x=N+1)と判定すると、各演算ループにて算出した全ての予測測位精度Q(x)を施工目標形状の平面図531に関連付けて施工対象の領域全体の施工予測精度の分布データを生成する(ステップS400)。具体的には、図20に示すように、平面図531における各断面F(x)の作業位置C(x)に対して全ての算出結果の予測測位精度Q(x)が関連付けられている。この場合において、図21に示すように、施工対象面の面Bを各断面F(x)に応じて複数に区分する複数の区域B(x)を設定する。これにより、施工対象面の各区域B(x)に対して作業位置Cの予測測位精度Qを関連付ける。ただし、施工対象面と機体接地領域が同じ面Bの場合、油圧ショベル100は作業方位が360°の全範囲において施工可能であるので、施工対象面の或る区域B(x)を施工する場合、区域B(x)内の作業位置C(x)だけでなく、区域B(x)外の複数の作業位置C(k)から施工が可能な場合がある。そこで、区域B(x)を施工可能な複数の作業位置C(k)に関連付けられた予測測位精度Q(k)のうち、最も低い予測測位精度Q(k)を当該区域B(x)の施工予測精度として関連付ける。つまり、当該区域B(x)の施工予測精度は、作業位置C(x)の予測測位精度Q(x)である場合だけでなく、作業位置C(x+1)の予測測位精度Q(x+1)である場合や作業位置C(x-1)の予測測位精度Q(x-1)である場合もある。
最後に、予測計算装置1は、ステップS400で生成した施工予測精度の分布データを基に、施工対象の領域全体(面B)の施工精度の分布マップを生成して表示装置54へ出力する(ステップS210)。このように、施工対象面及び機体接地領域が同じ領域の場合であっても、施工対象の領域全体(面B)の施工精度の分布マップを生成することができる。
また、本実施の形態においては、利用者が施工精度の予測日時を変更することで、施工対象の領域全体の施工精度の予想マップを任意の日時について簡単に得ることができる。このため、利用者は、効率の良い施工計画を立案することができる。
図25は図2に示す予測計算装置の一連の処理結果である精度分布マップを異なる予測日時ごとに示した図である。例えば、施工精度を予想する時間帯をTstからTedまで指定して施工精度を予測する。その結果、時刻Tst、時刻T2、時刻Tedにおける施工予測精度の分布マップがそれぞれ図25に示す分布マップMst、分布マップM2、分布マップMedである場合、時刻Tstにおいては施工対象面(面A)の左側の施工精度が低く、時刻T2においては施工対象面(面A)の中央の施工精度が低く、時刻Tedにおいては施工対象面(面A)の右側の施工精度が低いことが理解できる。したがって、時刻Tstから時刻Tedまでの間に施工対象面(面A)の全てを施工しなければならない場合には、施工精度が悪くなる時間帯を避けて各領域を施工することで、施工精度を常に良好に保つことが可能となる。
上述したように、本発明の一実施の形態に係る作業機械の施工精度予測計算装置1は、上部旋回体102(機体)に対して上下方向に動作可能に取り付けられた多関節型のフロント作業装置103(作業装置)及び上部旋回体102(機体)に取り付けられ複数の測位衛星からの測位信号を受信する第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)を備えた油圧ショベル100(作業機械)による施工の施工精度を予測し、前記施工精度の予測結果を出力するものである。予測計算装置1は、施工による目標の地形形状を示す施工目標形状の3次元情報を保持し、施工目標形状に対して、施工精度を予測する対象領域である施工対象面(面A)及び施工対象面(面A)の施工時に下部走行体101(機体)の接地される領域である機体接地領域(面B)を設定し、施工対象面(面A)及び機体接地領域(面B)を複数に区分するように複数の断面F(x)を設定する。施工対象面(面A)と機体接地領域(面B)が異なる領域に設定されている場合には、予測計算装置1は、設定した複数の断面の各々の断面F(x)に対して、下部走行体101(機体)が機体接地領域に位置する状態でフロント作業装置103(作業装置)による施工対象面(面A)の施工を行ったときに、フロント作業装置103(作業装置)により遮蔽される第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の上空視界の領域が最大となる下部走行体101(機体)の位置を作業位置C(x)(第1作業位置)として設定し、作業位置C(x)(第1作業位置)から施工対象面(面A)への方向を作業方位として設定し、油圧ショベル100(作業機械)が作業位置C(x)(第1作業位置)にあると共に作業方位を向いている状態である第1設定状態で、フロント作業装置103(作業装置)による施工対象面(面A)の施工を行ったときに、第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の上空視界がフロント作業装置103(作業装置)により遮蔽される領域であるアンテナ上空遮蔽領域S(x)を演算し、複数の測位衛星の予測軌道を示す衛星軌道情報及び演算結果のアンテナ上空遮蔽領域S(x)を基に、複数の測位衛星の中から選択した測位衛星群の測位信号を第1設定状態にある油圧ショベル100(作業機械)の第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)が受信して測位演算を行う場合の測位精度である予測測位精度Q(x)を演算し、第1設定状態にある油圧ショベル100(作業機械)のフロント作業装置103(作業装置)が施工可能である施工対象面(面A)の一区域A(x)に対する施工精度として、予測測位精度Q(x)を割り当てることで、施工精度の予測分布マップを生成する。
この構成よれば、上部旋回体102(機体)が所定の条件により設定した位置及び方位である第1設定状態のときの油圧ショベル100(作業機械)に対する予測測位精度Q(x)と第1設定状態の油圧ショベル100(作業機械)が施工可能な施工対象面(面A)の区域A(x)に対する施工精度とを関連付けることで、施工対象と測位対象の位置の乖離や油圧ショベル100(作業機械)の位置や方位の違いによる測位精度の変化を考慮した施工精度の予測が可能となる。すなわち、施工対象の領域全体に亘る油圧ショベル100(作業機械)の施工精度を油圧ショベル100(作業機械)に特有の影響を考慮して予測することができる。
また、本実施の形態においては、フロント作業装置103(作業装置)が上部旋回体102(機体)に対して上下方向に回動可能に取り付けられたブーム121(第1リンク部材)を含む複数のリンク部材(アーム122、バケット123)が回動可能に連結された装置である。さらに、予測計算装置1の作業位置C(x)(第1作業位置)の設定は、フロント作業装置103(作業装置)により遮蔽される第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の上空視界の領域が最大になるときのブーム121(第1リンク部材)の姿勢を維持したままで複数のリンク部材(ブーム121、アーム122、バケット123)のうちブーム121(第1リンク部材)以外のアーム122及びバケット123(リンク部材)を動作させたときに、フロント作業装置103(作業装置)の爪先123a(先端)の到達限界の軌跡よりもブーム121(第1リンク部材)側に位置する上部旋回体102(機体)の矢状面内における領域である動作領域103fを算出し、断面F(x)内において下部走行体101(機体)が機体接地領域(面B)に位置するときに施工対象面(面A)と動作領域103fとの距離Dfが最小となる下部走行体101(機体)の位置を算出することで行われる。
この構成によれば、第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の上空視界の遮蔽領域が最大になるときのブーム121(第1リンク部材)の姿勢を基に動作領域103fが算出されるので、第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の上空視界の遮蔽領域が最大になるときの下部走行体101(機体)の位置を簡易な演算方法で算出することができる。
また、本実施の形態に係る予測計算装置1においては、アンテナ上空遮蔽領域S(x)の演算が、フロント作業装置103(作業装置)の爪先123a(先端)が施工対象面(面A)の位置となる状態を維持して移動するようにフロント作業装置103(作業装置)を動作させた時に、前記アンテナの上空視界が前記作業装置により遮蔽される領域を算出することで行われる。
この構成によれば、フロント作業装置103(作業装置)の施工対象面(面A)に対する実際の施工時の姿勢に則した状態に応じたアンテナ上空遮蔽領域S(x)を算出することができるので、測位精度を的確に予測することが可能である。
また、本実施の形態に係る予測計算装置1は、施工精度を予測すべき日時である予測日時が入力可能に構成されていると共に、第1設定状態にある油圧ショベル100(作業機械)の第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の上空視界における複数の測位衛星の任意の日時の位置を衛星軌道情報に基づき予測可能に構成されている。さらに、予測計算装置1は、予測日時が入力された場合、第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の上空視界における複数の測位衛星の予測日時の位置を予測することで予測日時における予測測位精度Q(x)を演算し、予測日時における予測測位精度Q(x)を予測日時における施工精度として割り当てることで、施工精度の予測日時における予測分布マップを生成する。
この構成によれば、任意の日時に対する施工精度の予測分布マップを必要に応じて生成することができるので、当該マップを用いることで効率的な施工計画を立案することが可能となる。
また、本実施の形態に係る予測計算装置1は、施工対象面と機体接地領域が同じ領域(面B)に設定されている場合には、設定した複数の断面の各々の断面F(x)に対して、下部走行体101(機体)が機体接地領域(面B)に位置する状態で上部旋回体102(機体)の方位がいずれの方向であってもフロント作業装置103(作業装置)による施工対象面(面B)の施工が可能となる下部走行体101(機体)の位置を作業位置C(x)(第2作業位置)として設定し、油圧ショベル100(作業機械)が作業位置C(x)(第2作業位置)にあり且つ上部旋回体102(機体)の方位が全範囲可能である場合の第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)が位置する地点の平均を第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の平均位置Ap(x)として算出する。さらに、上部旋回体102(機体)が作業位置C(x)(第2作業位置)にあると共に第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)が平均位置Ap(x)にある第2設定状態で、フロント作業装置103(作業装置)による施工対象面(面B)の施工を行ったときに、第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の上空視界がフロント作業装置103(作業装置)により遮蔽される領域であるアンテナ上空遮蔽領域S(x)を演算し、衛星軌道情報及び演算結果のアンテナ上空遮蔽領域S(x)を基に、複数の測位衛星の中から選択した測位衛星群G(x)の測位信号を第2設定状態にある油圧ショベル100(作業機械)の第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)が受信して測位演算を行う場合の予測測位精度Q(x)を演算し、第2設定状態にある油圧ショベル100(作業機械)のフロント作業装置103(作業装置)が施工可能である施工対象面(面B)の一区域に対する施工精度として、予測測位精度Q(x)を割り当てることで、施工精度の予測分布マップを生成する。
この構成によれば、上部旋回体102(機体)の方位を設定せずとも、第1及び第2のアンテナ114、115(アンテナ)の平均位置Ap(x)を設定することで測位精度Q(x)の演算を行うことができるので、油圧ショベル100(作業機械)の施工対象面と機体接地領域が同じ領域(面B)の場合であっても、施工対象面(面B)の全体に亘る施工精度の予測分布マップを生成することができる。
また、本実施の形態に係る演算装置1は、施工対象面(面B)における同一の或る区域に対して2以上の第2設定状態にある油圧ショベル100(作業機械)のフロント作業装置103(作業装置)が施工可能である場合には、当該或る区域に対する施工精度として、それらの第2設定状態に応じて算出された予測測位精度Q(x)のうち最も低い予測測位精度を割り当てるように構成されている。
この構成によれば、施工対象面(面B)の当該区域に対して想定され得る最悪の施工精度を対応付けることで、実際の施工時の施工精度が予測精度より低くなることを避けることができる。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は本実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上述の実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。本実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
例えば、上述の実施の形態においては、予測計算装置1の利用者の入力によって、施工目標形状の平面図531に設定された施工対象面を複数に区分する断面Fを設定する構成の例を示した。しかし、施工目標形状の平面図531の施工対象面を複数に区分する断面Fの設定は、利用者の入力によらずに、予測計算装置1が任意に設定する構成も可能である。例えば、施工対象面の大きさや作業機械のサイズなどの諸元情報から施工対象面の適切な区分数を演算するように構成することができる。
1…予測計算装置、 100…油圧ショベル(作業機械)、101…下部走行体(機体)、 102…上部旋回体(機体)、 103…フロント作業装置(作業装置)、 114、115…第1のGNSSアンテナ、第2のGNSSアンテナ(アンテナ)、 121…ブーム(第1リンク部材)、 122…アーム(リンク部材)、 123…バケット(リンク部材)、 531…平面図(施工目標形状の3次元情報)、 532…断面図(施工目標形状の3次元情報)、 F(x)…断面、 C(x)…作業位置(第1作業位置、第2作業位置)、 S(x)…アンテナ上空遮蔽領域、 Q(x)…予測測位精度

Claims (6)

  1. 機体に対して上下方向に動作可能に取り付けられた多関節型の作業装置及び前記機体に取り付けられ複数の測位衛星からの測位信号を受信するアンテナを備えた作業機械による施工の施工精度を予測し、前記施工精度の予測結果を出力する作業機械の施工精度予測計算装置であって、
    施工による目標の地形形状を示す施工目標形状の3次元情報を保持し、
    前記施工目標形状に対して、前記施工精度を予測する対象領域である施工対象面及び前記施工対象面の施工時に前記機体の接地される領域である機体接地領域を設定し、
    前記施工対象面及び前記機体接地領域を複数に区分するように複数の断面を設定し、
    前記施工対象面と前記機体接地領域が異なる領域に設定されている場合には、
    設定した前記複数の断面の各々の断面に対して、前記機体が前記機体接地領域に位置する状態で前記作業装置による前記施工対象面の施工を行ったときに、前記作業装置により遮蔽される前記アンテナの上空視界の領域が最大となる前記機体の位置を第1作業位置として設定し、
    前記第1作業位置から前記施工対象面への方向を作業方位として設定し、
    前記作業機械が前記第1作業位置にあると共に前記作業方位を向いている状態である第1設定状態で、前記作業装置による前記施工対象面の施工を行ったときに、前記アンテナの上空視界が前記作業装置により遮蔽される領域である第1アンテナ上空遮蔽領域を演算し、
    前記複数の測位衛星の予測軌道を示す衛星軌道情報及び前記第1アンテナ上空遮蔽領域を基に、前記複数の測位衛星の中から選択した測位衛星群の測位信号を前記第1設定状態にある前記作業機械の前記アンテナが受信して測位演算を行う場合の測位精度である第1予測測位精度を演算し、
    前記第1設定状態にある前記作業機械の前記作業装置が施工可能である前記施工対象面の一区域に対する施工精度として、前記第1予測測位精度を割り当てることで、前記施工精度の予測分布マップを生成する
    ことを特徴とする作業機械の施工精度予測計算装置。
  2. 請求項1に記載の作業機械の施工精度予測計算装置において、
    前記作業装置は、前記機体に対して上下方向に回動可能に取り付けられた第1リンク部材を含む複数のリンク部材が回動可能に連結された装置であり、
    前記第1作業位置の設定は、
    前記作業装置により遮蔽される前記アンテナの上空視界の領域が最大になるときの前記第1リンク部材の姿勢を維持したままで前記複数のリンク部材のうち前記第1リンク部材以外のリンク部材を動作させたときに、前記作業装置の先端の到達限界の軌跡よりも前記第1リンク部材側に位置する前記機体の矢状面内における領域である動作領域を算出し、
    前記断面内において前記機体が前記機体接地領域に位置するときに前記施工対象面と前記動作領域との距離が最小となる前記機体の位置を算出することで行われる
    ことを特徴とする作業機械の施工精度予測計算装置。
  3. 請求項1に記載の作業機械の施工精度予測計算装置において、
    前記第1アンテナ上空遮蔽領域の演算は、前記作業装置の先端が前記施工対象面の位置となる状態を維持して移動するように前記作業装置を動作させた時に、前記アンテナの上空視界が前記作業装置により遮蔽される領域を算出することで行われる
    ことを特徴とする作業機械の施工精度予測計算装置。
  4. 請求項1に記載の作業機械の施工精度予測計算装置において、
    前記施工精度を予測すべき日時である予測日時が入力可能に構成されていると共に、前記第1設定状態にある前記作業機械の前記アンテナの上空視界における前記複数の測位衛星の任意の日時の位置を前記衛星軌道情報に基づき予測可能に構成されており、
    前記予測日時が入力された場合、前記アンテナの上空視界における前記複数の測位衛星の前記予測日時の位置を予測することで、前記予測日時における前記第1予測測位精度を演算し、
    前記予測日時における前記第1予測測位精度を前記予測日時における施工精度として割り当てることで、前記施工精度の前記予測日時における予測分布マップを生成する
    ことを特徴とする作業機械の施工精度予測計算装置。
  5. 請求項1に記載の作業機械の施工精度予測計算装置において、
    前記施工対象面と前記機体接地領域が同じ領域に設定されている場合には、
    設定した前記複数の断面の各々の断面に対して、前記機体が前記機体接地領域に位置する状態で前記機体の方位がいずれの方向であっても前記作業装置による前記施工対象面の施工が可能となる前記機体の位置を第2作業位置として設定し、
    前記作業機械が前記第2作業位置にあり且つ前記機体の方位が全範囲可能である場合の前記アンテナが位置する地点の平均を前記アンテナの平均位置として算出し、
    前記機体が前記第2作業位置にあると共に前記アンテナが前記平均位置にある第2設定状態で、前記作業装置による前記施工対象面の施工を行ったときに、前記アンテナの上空視界が前記作業装置により遮蔽される領域である第2アンテナ上空遮蔽領域を演算し、
    前記衛星軌道情報及び前記第2アンテナ上空遮蔽領域を基に、前記複数の測位衛星の中から選択した測位衛星群の測位信号を前記第2設定状態にある前記作業機械の前記アンテナが受信して測位演算を行う場合の測位精度である第2予測測位精度を演算し、
    前記第2設定状態にある前記作業機械の前記作業装置が施工可能である前記施工対象面の一区域に対する施工精度として、前記第2予測測位精度を割り当てることで、前記施工精度の予測分布マップを生成する
    ことを特徴とする作業機械の施工精度予測計算装置。
  6. 請求項5に記載の作業機械の施工精度予測計算装置において、
    前記施工対象面における同一の或る区域に対して2以上の第2設定状態にある前記作業機械の前記作業装置が施工可能である場合には、前記或る区域に対する施工精度として、それらの第2設定状態に応じて算出された第2予測測位精度のうち最も低い第2予測測位精度を割り当てる
    ことを特徴とする作業機械の施工精度予測計算装置。
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