JP2024048994A - 光学フィルム、偏光板、並びに、切断された光学フィルム及び偏光板の製造方法 - Google Patents

光学フィルム、偏光板、並びに、切断された光学フィルム及び偏光板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環状オレフィン重合体を含む樹脂からなる光学フィルムであって、レーザー光を照射して切断した場合に、切断面の傾斜が大きいフィルムを得ることができる光学フィルム【解決手段】環状オレフィン重合体及びシリカ粒子を含む樹脂からなり、全光線透過率が90%以上であり、波長9.34μmにおける吸光度が0.5%以上である、光学フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム、偏光板、並びに、切断された光学フィルム及び偏光板の製造方法に関する。
ポリエチレン及びシリカ粒子を含む材料により形成されたフィルムを、波長10.5μmのレーザー光を発する炭酸ガスレーザー装置を用いて切断する方法が知られている(特許文献1参照)。
特表2018-505266号公報
環状オレフィン単量体を重合して得られる構造を有する重合体及びその水素化物である環状オレフィン重合体は、透明性が高く、環状オレフィン重合体を含む樹脂からなるフィルムは、光学フィルムとして好適である。
しかし、環状オレフィン重合体を含む樹脂からなる光学フィルムをレーザー光で切断すると、切断面の傾斜が小さく、緩やかとなる場合があった。
切断面の傾斜が小さく、緩やかであると、光学フィルムの正面方向から入射した光が、切断面により反射されて、光学フィルムの正面方向から反射光が輝線として視認される場合がある。したがって、切断面の傾斜は、大きく急峻であることが好ましい。
しかし、環状オレフィン重合体を含む樹脂からなり、レーザー光を照射して切断した場合に、切断面の傾斜が大きくなるような光学フィルムは、従来知られていなかった。
したがって、環状オレフィン重合体を含む樹脂からなる光学フィルムであって、レーザー光を照射して切断した場合に、切断面の傾斜が大きいフィルムを得ることができる光学フィルム;当該光学フィルムと偏光子とを含む偏光板;切断面の傾斜が大きいフィルムを得ることができる、切断された光学フィルムの製造方法;当該光学フィルムと偏光子とを含む、切断された偏光板の製造方法;が求められる。
本発明者は、前記課題を解決するべく、鋭意検討した。その結果、特定の樹脂からなる光学フィルムであって、全光線透過率及び波長9.34μmにおける吸光度が所定の範囲である光学フィルムにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
[1] 環状オレフィン重合体及びシリカ粒子を含む樹脂からなり、
全光線透過率が90%以上であり、
波長9.34μmにおける吸光度が0.5%以上である、光学フィルム。
[2] 内部ヘイズが2%以下である、[1]に記載の光学フィルム。
[3] 前記シリカ粒子の平均粒子径が、50μm以下である、[1]又は[2]に記載の光学フィルム。
[4] 前記光学フィルム中の前記シリカ粒子の含有率が、7重量%以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の光学フィルム。
[5] [1]~[4]のいずれか一項に記載の光学フィルムと、偏光子とを含む、偏光板。
[6] [1]~[4]のいずれか一項に記載の光学フィルムに、炭酸ガスレーザー光を照射して前記光学フィルムを切断する工程を含む、切断された光学フィルムの製造方法。
[7] 前記炭酸ガスレーザー光の波長が、9.3μm以上9.6μm以下である、[6]に記載の切断された光学フィルムの製造方法。
[8] [5]に記載の偏光板に、炭酸ガスレーザー光を照射して前記偏光板を切断する工程を含む、切断された偏光板の製造方法。
[9] 前記炭酸ガスレーザー光の波長が、9.3μm以上9.6μm以下である、[8]に記載の切断された偏光板の製造方法。
本発明によれば、環状オレフィン重合体を含む樹脂からなる光学フィルムであって、レーザー光を照射して切断した場合に、切断面の傾斜が大きいフィルムを得ることができる光学フィルム;当該光学フィルムと偏光子とを含む偏光板;切断面の傾斜が大きいフィルムを得ることができる、切断された光学フィルムの製造方法;当該光学フィルムと偏光子とを含む、切断された偏光板の製造方法;を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態の製造方法に係る切断光学フィルムを、模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態の製造方法に係る切断偏光板を、模式的に示す断面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。以下に示す実施形態の構成要素は、適宜組み合わせうる。また、図において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。フィルムの長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
以下の説明において、要素の方向が「平行」、「垂直」及び「直交」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±3°、±2°又は±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
以下の説明において、偏光板などの「板」とは、別に断らない限り、剛直な部材だけでなく、例えば樹脂製のフィルムのように可撓性を有する部材も含む。
[1.光学フィルム]
[1.1.光学フィルムの概要]
本発明の一実施形態に係る光学フィルムは、
環状オレフィン重合体及びシリカ粒子を含む樹脂からなり、
全光線透過率が90%以上であり、
波長9.34μmにおける吸光度が0.5%以上である。
本実施形態の光学フィルムは、炭酸ガスレーザー光の照射により切断した際の切断面の傾斜が大きい。そのため、光学フィルムの正面方向から入射した光が、切断面により反射されても、光学フィルムの正面方向からは視認されにくく、切断面が輝線として認識されにくい。したがって、本実施形態の光学フィルムは、炭酸ガスレーザー光より切断して光学要素として用いるために好適である。
以下、本実施形態に係る、環状オレフィン重合体及びシリカ粒子を含む樹脂を、樹脂(A)ともいう。
[1.2.光学フィルムを形成する樹脂(A)]
光学フィルムは、樹脂(A)からなり、樹脂(A)から形成されている。光学フィルムは、通常樹脂(A)を含み、好ましくは樹脂(A)のみを含む。
樹脂(A)は環状オレフィン重合体を含む。
環状オレフィン重合体は、環状オレフィン単量体を重合して得られる構造を有する重合体及びその水素化物を意味する。
環状オレフィン単量体は、炭素原子で形成される環構造を有し、かつ該環構造中に重合性の炭素-炭素二重結合を有する化合物である。重合性の炭素-炭素二重結合の例としては、開環重合等の重合が可能な炭素-炭素二重結合が挙げられる。また、環状オレフィン単量体の環構造の例としては、単環、多環、縮合多環、橋かけ環及びこれらを組み合わせた多環等が挙げられる。中でも、得られる重合体の誘電特性及び耐熱性等の特性を高度にバランスさせる観点から、多環の環状オレフィン単量体が好ましい。
環状オレフィン重合体は、通常その構造単位が脂環式構造を含有する。
環状オレフィン重合体は、主鎖に脂環式構造を有する重合体、側鎖に脂環式構造を有する重合体、主鎖及び側鎖に脂環式構造を有する重合体、並びに、これらの2以上の任意の比率の混合物でありうる。中でも、機械的強度及び耐熱性の観点から、主鎖に脂環式構造を有する環状オレフィン重合体が好ましい。
脂環式構造の例としては、飽和脂環式炭化水素(シクロアルカン)構造、及び不飽和脂環式炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造が挙げられる。中でも、機械的強度及び耐熱性の観点から、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が特に好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、一つの脂環式構造あたり、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下である。脂環式構造を構成する炭素原子数がこの範囲であると、樹脂(A)の機械的強度、耐熱性及び成形性が高度にバランスされる。
環状オレフィン重合体において、脂環式構造を有する構造単位の割合は、切断された光学フィルムの使用目的に応じて選択しうる。環状オレフィン重合体における脂環式構造を有する構造単位の割合は、好ましくは55重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。環状オレフィン重合体における脂環式構造を有する構造単位の割合がこの範囲にあると、樹脂(A)の透明性及び耐熱性が良好となる。
環状オレフィン重合体の中でも好ましいものとしては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、及び、これらの水素化物等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体は、成形性が良好なため、特に好適である。
ノルボルネン系重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体及びその水素化物;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体及びその水素化物が挙げられる。また、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の開環単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の開環共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体とこれと共重合しうる任意の単量体との開環共重合体が挙げられる。更に、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の付加単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の付加共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体とこれと共重合しうる任意の単量体との付加共重合体が挙げられる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の水素化物は、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、特に好適である。
ノルボルネン構造を有する単量体の例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、5-フェニル-2-ノルボルネン、5-(4-メチルフェニル)-2-ノルボルネン、5-(1-ナフチル)-2-ノルボルネン、9-(2-ノルボルネン-5-イル)-カルバゾール、1,4-メタノ-1,4,4a,4b,5,8,8a,9a-オクタヒドロフルオレン、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロジベンゾフラン、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロカルバゾール、1,4-メタノ-1,4,4a,9,9a,10-ヘキサヒドロアントラセン、1,4-メタノ-1,4,4a,9,10,10a-ヘキサヒドロフェナンスレン;並びに、これらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの);などが挙げられる。
置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;アルキリデン基;アルケニル基;極性基;などが挙げられる。極性基としては、例えば、ヘテロ原子、又はヘテロ原子を有する原子団などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられる。極性基の具体例としては、フルオロ基、クロル基、ブロモ基、ヨード基等のハロゲン基;カルボキシル基;カルボニルオキシカルボニル基;エポキシ基;ヒドロキシ基;オキシ基;アルコキシ基;エステル基;シラノール基;シリル基;アミノ基;ニトリル基;スルホン基;シアノ基;アミド基;イミド基;などが挙げられる。置換基の数は、1でもよく、2以上でもよい。また、2以上の置換基の種類は、同じでもよく、異なっていてもよい。ただし、飽和吸水率が低く耐湿性に優れる光学フィルムを得る観点では、ノルボルネン構造を有する単量体は、極性基の量が少ないことが好ましく、極性基を有さないことがより好ましい。
環状オレフィン重合体の例を商品名で挙げると、日本ゼオン社製「ZEONEX」;JSR社製「アートン」;三井化学社製「アペル」;ポリプラスチックス社製「TOPAS」;などが挙げられる。
樹脂(A)は、環状オレフィン重合体に加えて、環状オレフィン重合体以外の任意の重合体を含みうる。環状オレフィン重合体以外の任意の重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
樹脂(A)に含まれる重合体の合計を100重量%とすると、環状オレフィン重合体の割合は、理想的には100重量%であり、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、特に好ましくは99重量%以上である。環状オレフィン重合体の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などに優れた樹脂(A)とすることができる。
樹脂(A)は、通常シリカ粒子を含む。樹脂(A)がシリカ粒子を含むことによって、光学フィルムの炭酸ガスレーザー光による切断面の傾斜を、大きくしうる。さらに、シリカ粒子は、有機吸収剤と異なり光学フィルムからブリードアウトしない又はブリードアウトしにくい。
シリカ粒子の数平均粒子径は、好ましくは50μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは0.5μm以下であり、通常0nmより大きく、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは1nm以上である。数平均粒子径が、前記上限値以下であることにより、光学フィルムの内部ヘイズを低下させうる。また樹脂(A)の溶融物をポリマーフィルターに通した場合に、ポリマーフィルターの目詰まりを低減できる。そのため、光学フィルムの生産性の低下を抑制できる。
シリカ粒子の数平均粒子径は、粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法により測定して得られうる。
シリカ粒子として、市販品を用いてもよい。市販品の例を挙げると、日本触媒社製の、エポスターMX-050W(平均粒子径80nm)、シーホスターKE-W10(平均粒子径110nm)、エポスターMX-100W(平均粒子径150nm~200nm);日産化学社製のスノーテックスMP-2040(平均粒子径150nm~200nm);アドマテックス社製の、アドマファインSO-C1(平均粒子径0.3μm)、「アドマナノYC100C」(平均粒子径0.1μm);信越化学工業社製「QSG」シリーズ;などが挙げられる。
光学フィルム中のシリカ粒子の含有率は、通常光学フィルムを形成する樹脂(A)中のシリカ粒子の含有率と同じである。
光学フィルム中のシリカ粒子の含有率は、内部ヘイズをより小さくする観点から、好ましくは10重量%以下、より好ましくは7.5重量%未満、更に好ましくは7.4重量%以下、更に好ましくは7重量%以下であり、光学フィルムの切断面の傾斜をより大きくする観点から、通常0重量%より大きく、0.1重量%以上であってもよく、好ましくは1重量%以上、より好ましくは1重量%超、更に好ましくは3重量%以上である。
樹脂(A)は、環状オレフィン重合体及びシリカ粒子以外に、任意の成分を含みうる。任意の成分としては、顔料、染料等の着色剤;蛍光増白剤;分散剤;可塑剤;熱安定剤;光安定剤;帯電防止剤;酸化防止剤;シリカ粒子以外の微粒子;界面活性剤等の添加剤が挙げられる。
[1.3.光学フィルムの物性など]
光学フィルムは、通常、波長9.34μmにおける吸光度が0.5%以上である。光学フィルムは、光学フィルムの切断面の傾斜をより大きくする観点から、波長9.34μmにおける吸光度が、好ましくは0.5%以上、より好ましくは0.7%以上、更に好ましくは1%以上であり、内部ヘイズをより小さくする観点から、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下である。
光学フィルムの吸光度は、フーリエ変換赤外分光(FT-IR)測定装置を使用し、透過モードにより測定しうる。
光学フィルムは、内部ヘイズが、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下であり、通常0%以上であり、低いほど好ましいが、例えば0.1%以上であってもよい。
本実施形態の光学フィルムは、レーザー光による切断面の傾斜が大きく、かつ内部ヘイズが好ましくは3%以下であって小さい。したがって、本実施形態の光学フィルムを切断して得られるフィルムを、光学要素として好適に用いることができる。
光学フィルムの内部ヘイズは、臭化亜鉛水溶液(屈折率1.53)を入れた石英セル中に光学フィルムを入れた状態で、ヘイズメーターを使用し、JIS K7136の測定方法に準じて測定されたヘイズとしうる。
光学フィルムの全光線透過率は、通常90%以上、好ましくは90.5%以上、より好ましくは91%以上であり、通常100%以下であり、高いほど好ましいが、93%以下であってもよい。
光学フィルムの全光線透過率は、ヘイズメーターを使用し、JIS K7361-1の測定方法に準じて測定しうる。
光学フィルムは、延伸処理が施されていてもよい。延伸処理が施された光学フィルムは、通常、フィルム中の環状オレフィン重合体分子が配向し、光学異方性を有することができる。よって、レターデーション等の光学特性を所望の範囲に調整することができる。
光学フィルムの厚みは、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上であり、また、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、特に好ましくは100μm以下である。光学フィルムの厚みが前記範囲の下限値以上である場合、ハンドリングが容易になる。また、上限値以下である場合、レーザー光での切断が容易になる。
光学フィルムは、1層のみを備える単層構造のフィルムであってもよく、2以上の層を備える複層構造のフィルムであってもよい。例えば、光学フィルムは、異なる組成の樹脂(A)からなる複層フィルムであってもよい。異なる組成の樹脂(A)の例としては、含まれる環状オレフィン重合体の種類が互いに異なる樹脂、含まれるシリカ粒子の含有率が互いに異なる樹脂、含まれる任意成分(例えば、紫外線吸収剤)の含有率が互いに異なる樹脂が挙げられる。
光学フィルムは、長尺のフィルムであってもよいし、枚葉のフィルムであってもよく、好ましくは長尺のフィルムである。
光学フィルムは、任意の要素と組み合わされうる。例えば、光学フィルムは、位相差層、偏光子、偏光子保護層、接着層、マスキング層、反射層などの任意の層と組み合わされうる。光学フィルムを任意の要素と組み合わせて積層体とする場合、光学フィルムが最も外側に配置されていることが好ましい。
[2.偏光板]
前記の光学フィルムは、偏光子と組み合わせうる。光学フィルムと偏光子とを含む偏光板の一実施形態について以下説明する。
本発明の一実施形態に係る偏光板は、前記の光学フィルムと、偏光子とを含む。
偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール、部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の適切なビニルアルコール系重合体のフィルムに、ヨウ素及び二色性染料等の二色性物質による染色処理、延伸処理、架橋処理等の適切な処理を適切な順序及び方式で施したフィルムが挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール樹脂フィルムからなる偏光子が好ましい。このような偏光子は、自然光を入射させると直線偏光を透過させうるものであり、特に、光透過率及び偏光度に優れるものが好ましい。偏光子層の厚さは、5μm~80μmが一般的であるが、これに限定されない。
さらに、偏光板は、偏光子以外にも、接着層、偏光子保護層などの任意の層を備えていてもよい。
本実施形態の偏光板は、前記の光学フィルムを備えているので、炭酸ガスレーザー光により良好に切断されて、切断面の傾斜が大きい偏光板を得ることができる。
[3.切断された光学フィルムの製造方法]
本実施形態の切断された光学フィルムの製造方法は、前記の光学フィルムに、炭酸ガスレーザー光を照射して前記光学フィルムを切断する工程を含む。以下、切断された光学フィルムを、切断光学フィルムともいう。
通常は、レーザー発振器からレーザー光を出力させ、そのレーザー光を光学フィルムの切断したい部分に照射して、切断を行う。
炭酸ガスレーザー光は、炭酸ガスを媒質とするレーザー発振器により出力されるレーザー光である。炭酸ガスレーザー発振器としては、例えば、9.2μm~10.8μmから発振波長を選択しうるものを用いうる。
光学フィルムに照射する炭酸ガスレーザー光は、好ましくは波長9.2μm以上、より好ましくは9.3μm以上であり、好ましくは9.8μm以下であり、より好ましくは9.6μm以下である。
レーザー光は、パルスレーザー光であることが好ましい。
また、このパルスレーザー光の繰り返し周波数は、好ましくは1kHz以上、より好ましくは10kHz以上、更に好ましくは30kHz以上である。このように繰り返し周波数が大きいパルスレーザー光を用いることにより、光学フィルムの切断を更に良好に行いうる。さらには、繰り返し周波数が大きいと、通常、特に精密な切断加工が可能である。繰り返し周波数の上限は、例えば100kHz以下であるが、繰り返し周波数100kHz超のパルスレーザー光を用いてもよい。
レーザー光の平均出力(出力強度)は、好ましくは0.01W以上、より好ましくは0.1W以上、更に好ましくは1W以上であり、好ましくは1kW以下、より好ましくは200W以下、更に好ましくは100W以下である。レーザー光の出力強度が前記範囲の下限値以上である場合、光学フィルムを速やかに切断できる。また、上限値以下である場合、切断光学フィルムの切断面の傾斜を効果的に大きくしうる。
レーザー光の走査速度は、光学フィルムの厚み、レーザー光の出力強度などの要素に応じて適切に設定しうるが、好ましくは10mm/秒以上、より好ましくは100mm/秒以上、更に好ましくは300mm/秒以上であり、好ましくは100m/秒以下、より好ましくは50m/秒以下、更に好ましくは10m/秒以下である。
レーザー光の照射回数は、1回でもよく、複数回でもよい。例えば、光学フィルムのある地点にパルスレーザー光を複数回照射して、当該地点で光学フィルムを切断してもよい。また、例えば、光学フィルムの同一線上を繰り返し走査するようにレーザー光を照射して、その線で光学フィルムを切断してもよい。具体的な照射回数は、光学フィルムの厚み、レーザー光の出力強度等の要素に応じて、適切に設定しうる。
光学フィルムと他の任意の層との積層体をレーザー光で切断する場合は、レーザー発振器側に光学フィルムが向くように積層体を設置して、レーザー光により光学フィルムを含む積層体を切断することが好ましい。これにより、光学フィルムの切断面の傾斜を効果的に大きくすることができる。
[4.切断された偏光板の製造方法]
本発明の一実施形態に係る切断された偏光板の製造方法は、前記の光学フィルムと偏光子とを含む偏光板に、炭酸ガスレーザー光を照射して前記偏光板を切断する工程を含む。以下切断された偏光板を、切断偏光板ともいう。
前記のとおり、本実施形態に係る偏光板は、前記の光学フィルムを含んでいるので、炭酸ガスレーザー光によって良好に切断されて、光学フィルムにおける切断面の傾斜が大きい、切断偏光板を製造することができる。
本実施形態の切断偏光板の製造方法は、前記の切断光学フィルムの製造方法と同様の条件で行ってよい。例えば、用いうる炭酸ガスレーザー発振器、偏光板に照射する炭酸ガスレーザー光の好ましい波長範囲、パルスレーザー光の好ましい繰り返し周波数の範囲、レーザー光の平均出力の好ましい範囲、レーザー光の走査速度の好ましい範囲は、前記の切断光学フィルムの製造方法と同様としてよい。
さらに、偏光板を切断する場合は、レーザー発振器側に光学フィルムが向くように偏光板を設置して、レーザー光により光学フィルムを含む偏光板を切断することが好ましい。これにより、光学フィルムの切断面の傾斜を効果的に大きくすることができる。
[5.製造される切断された光学フィルム、切断された偏光板]
本実施形態の製造方法により、切断光学フィルムを得ることができる。本実施形態の製造方法により得られる切断光学フィルムは、光学フィルムを切断して得られるフィルムであるので、切断前の光学フィルムと同じ組成の樹脂(A)からなり、ヘイズなどの物性、厚みは通常切断前の光学フィルムと同じである。
本実施形態の製造方法により製造された、切断光学フィルムは、レーザー光の照射による切断面の傾斜が、大きい。
以下、図1を用いて切断光学フィルムの切断面の傾斜について説明する。
図1は、本発明の一実施形態の製造方法に係る切断光学フィルムを、模式的に示す断面図である。図1は、レーザー光が光学フィルムの表面を走査した線に垂直な平面による、切断光学フィルムの断面を示す。
図1に示すように、切断光学フィルム100は、主面100U及び主面100Dを有する。切断光学フィルム100の主面100U側が、切断の際にレーザー発振器に向いていた側である。切断光学フィルム100は、レーザー光による切断面101を有する。この切断面101は、切断光学フィルム100の、主面100D(すなわち、切断の際にレーザー発振器に向いていた主面100Uとは反対側の主面)と、角度θをなしている。切断面101の傾斜が大きいことは、切断面101と主面100D(切断の際にレーザー発振器に向いていた主面100Uとは反対側の主面)とのなす角度θが大きいことを意味する。ここで、主面100Uをレーザー発振器に向けて光学フィルムの切断を行った場合、通常角度θは、90°以下である。
また、本実施形態の製造方法により製造された、切断偏光板は、レーザー光の照射による、光学フィルムにおける切断面の傾斜が、大きい。
以下、図2を用いて、切断偏光板における、光学フィルムの切断面の傾斜について説明する。図2は、本発明の一実施形態の製造方法に係る切断偏光板を、模式的に示す断面図である。図2は、レーザー光が光学フィルムの表面を走査した線に垂直な平面による、切断偏光板の断面を示す。
図2に示すように、切断偏光板200は、切断光学フィルム100と、切断された偏光子210とを備える。以下、切断された偏光子210を切断偏光子ともいう。切断光学フィルム100の主面100U側が、切断の際にレーザー発振器に向いていた側である。切断偏光板が備える切断光学フィルム100は、レーザー光による切断面201を有する。この切断面201は、切断光学フィルム100の主面100Dと、角度θをなしている。切断偏光板200が備える切断光学フィルム100の切断面201の傾斜が大きいことは、切断面201と主面100Dとのなす角度θが大きいことを意味する。ここで、主面100Uをレーザー発振器に向けて光学フィルムの切断を行った場合、通常角度θは、90°以下である。
光学フィルムにおける切断面の傾斜が大きいとは、角度θが、好ましくは40°以上、より好ましくは50°以上、更に好ましくは60°以上であることを意味する。角度θは、通常90°以下であり、90°に近いことが好ましく、90°であってもよい。
切断光学フィルムは、切断面又は切断面近傍における、盛り上がりやめくれなどの変形が存在しないか、または変形の程度が小さいことが好ましい。切断光学フィルムに盛り上がり、めくれなどの変形の程度が小さいと、切断光学フィルムを他の光学部材に貼合する際に、切断光学フィルムの端部が光学部材から剥がれることを抑制し、また、切断光学フィルムと光学部材との間に気泡を巻き込むことが少ない。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温(20℃±15℃)及び常圧(1atm)の条件において行った。
[評価方法]
(吸光度の測定)
FT-IR測定装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「Nicolet is5」)を使用し、透過モードにより光学フィルムの波長9.34μmにおける吸光度を測定した。
(全光線透過率の測定)
ヘイズメーター(日本電色社製「NDH7000」)を使用し、JIS K7361-1の測定方法に準じて光学フィルムの全光線透過率を測定した。
(内部ヘイズの測定)
臭化亜鉛水溶液(屈折率1.53)を入れた石英セル中に光学フィルムを入れた状態で、ヘイズメーター(日本電色社製「NDH7000」)を使用し、JIS K7136の測定方法に準じてヘイズを測定することにより、光学フィルムの内部ヘイズを測定した。
(数平均粒子径の測定)
シリカ粒子の数平均粒子径を、以下の方法により測定した。
シリカ粒子濃度が2重量%の水スラリーを作製し、セイシン企業株式会社製「LMS-3000」を用い、レーザー回折・散乱法により測定した。
(フィルム厚み)
フィルムの厚みを、接触式定圧厚さ計(テクロック社製「PG-02J」)を使用して測定した。
(光学フィルム切断面の評価)
レーザー光が光学フィルムの表面を走査した線に垂直に、剃刀を使用して切断光学フィルム又は切断偏光板からサンプルを切り出し、サンプルの断面形状を、レーザー顕微鏡を使用して観察した。レーザー光による切断面と、レーザー光による切断の際に、レーザー発振器に向いていた光学フィルムの主面とは反対側の光学フィルムの主面とがなす角度θを測定した。
下記基準により、切断面の傾斜の大きさを評価した。θが大きいほど切断面の傾斜が大きく好ましい。
良好:40°≦θ≦90°
不良:0°<θ<40°
切断面の端部が大きく盛り上がっているもの、切断光学フィルムが、偏光子からはがれめくれあがっているものは、測定不能と評価した。
[実施例及び比較例の光学フィルムの製造に用いられた材料]
(シクロオレフィン重合体)
シクロオレフィン重合体として、ノルボルネン系重合体の水素化物(日本ゼオン社製「ZEONOR1215」(ガラス転移温度125℃))のペレットを用いた。以下、当該ペレットをペレット(A1)という。
(シリカ粒子)
シリカ粒子として、信越化学工業社製「QSG-10」(数平均粒子径13nm)を用いた。
[実施例1、2、比較例2]
(1-1.樹脂の用意)
前記のシクロオレフィン重合体のペレット(A1)を95重量部と前記のシリカ粒子を5重量部とを、同方向回転二軸混練機(パーカーコーポレーション製「HK-25D」、Φ=25mm,L/D=41)に供給し、230℃で混練して、シクロオレフィン重合体及びシリカ粒子の混合物のペレット(B1)を調整した。
ペレット(A1)とペレット(B1)とを、混合し、ペレット混合物とした。ペレット(A1)とペレット(B1)との混合割合は、得られるペレット混合物を100重量%として、シリカ粒子が表に示す重量割合となるような割合とした。次いでペレット混合物を90℃で5時間乾燥した。
(1-2.フィルム成形)
乾燥したペレット(A1)とペレット(B1)とのペレット混合物を押出機に供給し、230℃で溶融してTダイより温度100℃の冷却ドラム上にフィルム状に押出し、シリカ粒子を表に示す重量割合で含む樹脂からなり、表に示す厚みの光学フィルムを製造した。
(1-3.フィルムの切断)
光学フィルムを、レーザー加工機(武井電機興行社製「TLSM-301」、レーザー光の中心波長9.34μm)を使用して切断した。レーザー加工の条件は、下記のとおりとした。
平均出力:50W
周波数:30kHz
走査速度:350mm/sec
切断面を、前記の方法により評価した。
[実施例3]
前記のシクロオレフィン重合体のペレット(A1)を93重量部と前記のシリカ粒子を7重量部とを、同方向回転二軸混練機(パーカーコーポレーション製「HK-25D」、Φ=25mm,L/D=41)に供給し、230℃で混練して、シクロオレフィン重合体及びシリカ粒子の混合物のペレット(B2)を調整した。ペレット(B2)を90℃で5時間乾燥した。
乾燥したペレット(A1)とペレット(B1)とのペレット混合物の代わりに、前記乾燥したペレット(B2)を用いた以外は、前記(1-2)と同様に操作して、シリカ粒子を表に示す重量割合で含む樹脂からなる光学フィルムを製造し、(1-3)と同様に光学フィルムを切断し、切断面を評価した。
[実施例4]
前記のシクロオレフィン重合体のペレット(A1)を90重量部と前記のシリカ粒子を10重量部とを、同方向回転二軸混練機(パーカーコーポレーション製「HK-25D」、Φ=25mm,L/D=41)に供給し、230℃で混練して、シクロオレフィン重合体及びシリカ粒子の混合物のペレット(B3)を調整した。ペレット(B3)を90℃で5時間乾燥した。
乾燥したペレット(A1)とペレット(B1)とのペレット混合物の代わりに、前記乾燥したペレット(B3)を用いた以外は、前記(1-2)と同様に操作して、シリカ粒子を表に示す重量割合で含む樹脂からなる光学フィルムを製造し、(1-3)と同様に光学フィルムを切断し、切断面を評価した。
[比較例1]
ペレット(A1)を90℃で5時間乾燥した。
乾燥したペレット(A1)とペレット(B1)とのペレット混合物の代わりに、前記乾燥したペレット(A1)を用いた以外は、前記(1-2)と同様に操作して、シリカ粒子を含まない樹脂からなる光学フィルムを製造し、(1-3)と同様に光学フィルムを切断し、切断面を評価した。
[実施例5]
(5-1.偏光フィルムの製造)
ポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製「ポバール」)を長手方向に搬送しながら、ヨウ化カリウムを含む溶液中で染色した。次いで、ホウ酸水溶液中で処理し、ホウ酸水溶液中の処理と同時に、延伸倍率5.8倍で搬送方向への一軸延伸を行った。次いで、延伸されたフィルムを65℃で1分間乾燥し、厚さ25μmの偏光フィルム(偏光子)を得た。
(5-2.保護膜の貼合)
保護膜として、表面を鹸化処理したトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚さ40μm)を用意した。
偏光フィルムの片面に、変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製「ゴーセネックスZ-200」)の4重量%水溶液を用いて前記のTACフィルムを貼合して中間積層体を得た。次いで中間積層体を65℃で2分間乾燥し、保護膜付き偏光フィルムである、中間積層体を得た。
(5-3.偏光板の製造)
実施例1で得られた光学フィルムの表面に、コロナ放電処理を行った。
中間積層体の、TACフィルムの面とは反対側の面に、変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製「ゴーセネックスZ-200」)の4重量%水溶液を用いて、コロナ放電処理をした光学フィルムを貼合して積層体を得た。次いで積層体を65℃で2分間乾燥し、光学フィルム/偏光フィルム/TACフィルムの層構成を有する、偏光板としての積層フィルムを得た。
(5-4.積層フィルムの切断)
積層フィルムを、レーザー加工機(武井電機興行社製「TLSM-301」、レーザー光の中心波長9.34μm)を使用して切断した。光学フィルムがレーザー発振器側に向くように積層フィルムを設置して、積層フィルムの光学フィルムの面側から、レーザー光が入射するようにして切断した。
レーザー加工の条件は、前記(1-3)と同様とした。
切断面を、前記の方法により評価した。
[実施例6]
(5-3)において、実施例1で得られた光学フィルムの代わりに、実施例2で得られた光学フィルムを用いた。
以上の事項以外は実施例5と同様に操作して、積層フィルムを得て、積層フィルムを切断し、切断面を評価した。
[実施例7]
(5-3)において、実施例1で得られた光学フィルムの代わりに、実施例3で得られた光学フィルムを用いた。
以上の事項以外は実施例5と同様に操作して、積層フィルムを得て、積層フィルムを切断し、切断面を評価した。
[比較例3]
(5-3)において、実施例1で得られた光学フィルムの代わりに、比較例1で得られた光学フィルムを用いた。
以上の事項以外は実施例5と同様に操作して、積層フィルムを得て、積層フィルムを切断し、切断面を評価した。
光学フィルムがめくれ上がり、更に光学フィルムに盛り上がりが認められ、θを測定不能であった。
[比較例4]
(5-3)において、実施例1で得られた光学フィルムの代わりに、比較例2で得られた光学フィルムを用いた。
以上の事項以外は実施例5と同様に操作して、積層フィルムを得て、積層フィルムを切断し、切断面を評価した。光学フィルムに盛り上がりが認められ、θを測定不能であった。
[結果]
結果を下表に示す。
下表における略号は、以下の意味を表す。
「F1」:光学フィルム
「F1/P/TAC」:光学フィルム/偏光フィルム/TACフィルムの層構成を有する偏光板
表中の吸光度の値は、光学フィルムについて測定された波長9.34μmにおける吸光度の値を示す。
光学フィルムの厚みは、測定誤差を含む。
Figure 2024048994000002
Figure 2024048994000003
Figure 2024048994000004
以上の結果から、以下の事項が分かる。
光学フィルムを形成する樹脂が、環状オレフィン重合体及びシリカ粒子を含み、全光線透過率が90%以上であり、吸光度が0.5%以上である光学フィルム又は光学フィルムを含む偏光板を切断した実施例1-7は、光学フィルムの切断面の傾斜が大きく、光学フィルムのめくれ、盛り上がりもない。
一方、比較例1、3の結果が示すように、シリカ粒子を含まない樹脂から形成された光学フィルム又は光学フィルムを含む偏光板を切断すると、光学フィルムの切断面の傾斜が小さく、または光学フィルムのめくれ、盛り上がりが生じており切断面の傾斜を評価できない。
また、比較例2、4の結果が示すように、シリカ粒子を含む樹脂から形成されているが吸光度が0.5%未満である光学フィルム又は光学フィルムを含む偏光板を切断すると、切断面の傾斜が小さく、または光学フィルムの盛り上がりが生じて切断面の傾斜を評価できない。
100 切断光学フィルム
100U,100D 主面
101 切断面
200 切断偏光板
210 偏光子
201 切断面

Claims (9)

  1. 環状オレフィン重合体及びシリカ粒子を含む樹脂からなり、
    全光線透過率が90%以上であり、
    波長9.34μmにおける吸光度が0.5%以上である、光学フィルム。
  2. 内部ヘイズが2%以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記シリカ粒子の平均粒子径が、50μm以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
  4. 前記光学フィルム中の前記シリカ粒子の含有率が、7重量%以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の光学フィルムと、偏光子とを含む、偏光板。
  6. 請求項1~4のいずれか一項に記載の光学フィルムに、炭酸ガスレーザー光を照射して前記光学フィルムを切断する工程を含む、切断された光学フィルムの製造方法。
  7. 前記炭酸ガスレーザー光の波長が、9.3μm以上9.6μm以下である、請求項6に記載の切断された光学フィルムの製造方法。
  8. 請求項5に記載の偏光板に、炭酸ガスレーザー光を照射して前記偏光板を切断する工程を含む、切断された偏光板の製造方法。
  9. 前記炭酸ガスレーザー光の波長が、9.3μm以上9.6μm以下である、請求項8に記載の切断された偏光板の製造方法。
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