JP2024048886A - ワークピースの膜厚測定の異常を検出する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェーハなどのワークピースの膜厚測定の異常を検出する技術を提供する。【解決手段】本方法は、ワークピースの研磨中の所定期間に亘ってワークピース上の複数の測定点からの反射光の複数のスペクトルを生成し、複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って第1グループおよび第2グループを少なくとも含む複数のグループに分類し、少なくとも第1グループに含まれるスペクトルの数に基づいてモニタリング指標値を決定し、モニタリング指標値としきい値との比較に基づいて少なくとも1枚のワークピースの膜厚測定の異常を検出する。【選択図】図10
Description
本発明は、ウェーハ、配線基板、角基板などの、表面に配線構造を有するワークピースの研磨に関し、特にワークピースからの反射光の複数のスペクトルに基づいてワークピースの膜厚測定の異常を検出する技術に関する。
半導体デバイスの製造工程では、シリコンウェーハ上に種々の材料が繰り返し形成され、積層構造を形成する。この積層構造を形成するためには、最上層の表面を平坦にする技術が重要となっている。このような平坦化の一手段として、化学機械研磨(CMP)が使用されている。
化学機械研磨(CMP)は研磨装置によって実行される。この種の研磨装置は、一般に、研磨パッドを支持する研磨テーブルと、膜を有するウェーハを保持する研磨ヘッドと、研磨液(例えばスラリー)を研磨パッド上に供給する研磨液供給ノズルとを備える。研磨装置は、研磨ヘッドと研磨テーブルをそれぞれ回転させながら、研磨液供給ノズルから研磨液を研磨パッド上に供給する。研磨ヘッドは、ウェーハの表面を研磨パッドに押し付けることにより、ウェーハと研磨パッドとの間に研磨液が存在した状態で、ウェーハの表面を構成する膜を研磨する。
絶縁膜やシリコン層などの非金属膜の厚さ(以下、単に膜厚と称する)を測定するために、研磨装置は、一般に、光学式膜厚測定装置を備える。この光学式膜厚測定装置は、光源により発せられた光をウェーハの表面に導き、ウェーハからの反射光のスペクトルを解析することで、ウェーハの膜厚を決定するように構成される。
半導体デバイス構造の微細化に伴い、光学式膜厚測定装置に要求される性能はますます高くなっている。光学式膜厚測定装置は、その機能を調節するための複数のパラメータを有しており、これらパラメータの調整や設定が正しく行われていないと、光学式膜厚測定装置はウェーハの膜厚を正しく測定することができない。また、光学式膜厚測定装置自体に不具合がある場合も、光学式膜厚測定装置はウェーハの膜厚を正しく測定することができない。
光学式膜厚測定装置の上記パラメータはウェーハの表面構造に基づいて予め調整される。しかしながら、測定されるウェーハのタイプが異なると、その表面構造が異なり、結果として、光学式膜厚測定装置はウェーハの膜厚を正しく測定することができない。
このようにウェーハの膜厚測定に異常があると、研磨装置はウェーハを正しく研磨することができない。そこで、本発明は、ウェーハなどのワークピースの膜厚測定の異常を検出する技術を提供する。
一態様では、ワークピースの膜厚測定の異常を検出する方法であって、少なくとも1枚のワークピースの研磨中の所定期間に亘って、前記少なくとも1枚のワークピース上の複数の測定点からの反射光の複数のスペクトルを光学式膜厚測定装置により生成し、前記複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って第1グループおよび第2グループを少なくとも含む複数のグループに分類し、少なくとも前記第1グループに含まれるスペクトルの数に基づいてモニタリング指標値を決定し、前記モニタリング指標値としきい値との比較に基づいて前記少なくとも1枚のワークピースの膜厚測定の異常を検出する、方法が提供される。
一態様では、前記第1グループに含まれるスペクトルは、前記少なくとも1枚のワークピースの表面に形成されている配線パターン領域からの反射光のスペクトル、およびノイズスペクトルのいずれか一方であり、前記第2グループに含まれるスペクトルは、前記配線パターン領域からの反射光のスペクトルおよび前記ノイズスペクトルのうちの他方である。
一態様では、前記方法は、前記少なくとも1枚のワークピースと同じ表面構造を有するサンプルを研磨しながら、前記サンプルの複数の測定点からの反射光の複数のサンプルスペクトルを生成し、前記複数のサンプルスペクトルに対してクラスタリングを実行して、前記複数のサンプルスペクトルを複数のサンプルグループに分類し、前記複数のサンプルグループに分類された前記複数のサンプルスペクトルの特徴量に基づいて、スペクトル分類器を作成する工程をさらに含み、前記スペクトル分類器は、新規なスペクトルを、その特徴量に従って、第1サンプルグループおよび第2サンプルグループを少なくとも含む複数のサンプルグループのうちのいずれかに分類するように構成され、少なくとも前記第1サンプルグループに含まれるサンプルスペクトルの数に基づいて前記しきい値を決定することをさらに含む。
一態様では、前記方法は、前記複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って前記第1グループおよび前記第2グループを少なくとも含む複数のグループに分類する工程は、前記複数のスペクトルを、前記スペクトル分類器により、前記第1グループおよび前記第2グループを少なくとも含む複数のグループに分類する工程である。
一態様では、前記方法は、前記少なくとも1枚のワークピースと同じ表面構造を有するサンプルを研磨しながら、前記サンプルの複数の測定点からの反射光の複数のサンプルスペクトルを生成し、前記複数のサンプルスペクトルに対してクラスタリングを実行して、前記複数のサンプルスペクトルを複数のサンプルグループに分類し、前記複数のサンプルグループに分類された前記複数のサンプルスペクトルの特徴量に基づいて、スペクトル分類器を作成する工程をさらに含み、前記スペクトル分類器は、新規なスペクトルを、その特徴量に従って、第1サンプルグループおよび第2サンプルグループを少なくとも含む複数のサンプルグループのうちのいずれかに分類するように構成され、少なくとも前記第1サンプルグループに含まれるサンプルスペクトルの数に基づいて前記しきい値を決定することをさらに含む。
一態様では、前記方法は、前記複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って前記第1グループおよび前記第2グループを少なくとも含む複数のグループに分類する工程は、前記複数のスペクトルを、前記スペクトル分類器により、前記第1グループおよび前記第2グループを少なくとも含む複数のグループに分類する工程である。
一態様では、前記モニタリング指標値は、前記第1グループに含まれるスペクトルの数、前記第2グループに含まれるスペクトルの数に対する前記第1グループに含まれるスペクトルの数の割合、前記第1グループに含まれるスペクトルの数に対する前記第2グループに含まれるスペクトルの数の割合、前記所定期間に亘って生成された前記複数のスペクトルの総数に対する前記第1グループに含まれるスペクトルの数の割合のいずれかである。
一態様では、前記少なくとも1枚のワークピースの研磨中の前記所定期間は、1枚のワークピースの研磨開始から研磨終了までの全期間または前記全期間の一部である。
一態様では、前記少なくとも1枚のワークピースの研磨中の前記所定期間は、複数枚のワークピースの研磨の全期間である。
一態様では、前記しきい値は、前記少なくとも1枚のワークピースの研磨中に変化する。
一態様では、前記少なくとも1枚のワークピースの研磨中の前記所定期間は、1枚のワークピースの研磨開始から研磨終了までの全期間または前記全期間の一部である。
一態様では、前記少なくとも1枚のワークピースの研磨中の前記所定期間は、複数枚のワークピースの研磨の全期間である。
一態様では、前記しきい値は、前記少なくとも1枚のワークピースの研磨中に変化する。
スペクトルは、ワークピースの表面構造に依存して変化する。例えば、ワークピースの表面上の配線パターン領域からの反射光のスペクトルと、ワークピースの表面上のスクライブラインからの反射光のスペクトルは、異なる形状を有する。反射光の複数のスペクトルは、各スペクトルの特徴量(例えばスペクトルの形状、またはスペクトルに示される反射光の強度データ)に基づいて複数のグループに分類される。
ワークピースの研磨中、ワークピースの表面構造自体は変化しない。したがって、クラスタリングによって分類された第1グループに含まれる複数のスペクトルの数は、ワークピースの研磨中、概ね一定である。しかしながら、光学式膜厚測定装置に不具合が発生すると、生成されるスペクトルが変化し、結果として第1グループに含まれる複数のスペクトルの数が変わる。研磨されているワークピースが、想定されている表面構造と異なる表面構造を有している場合も、同様に、第1グループに含まれる複数のスペクトルの数が変わる。
したがって、少なくとも第1グループに含まれる複数のスペクトルの数に基づいて決定されるモニタリング指標値は、膜厚測定の異常を判定する指標に使用できる。本発明によれば、モニタリング指標値としきい値との比較に基づいて、膜厚測定の異常を正確に検出することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、研磨装置の一実施形態を示す模式図である。図1に示すように、研磨装置は、研磨パッド2を支持する研磨テーブル3と、ワークピースWを研磨パッド2に押し付ける研磨ヘッド1と、研磨テーブル3を回転させるテーブルモータ6と、研磨パッド2上にスラリーなどの研磨液を供給するための研磨液供給ノズル5と、研磨装置の動作を制御するための動作制御部9を備えている。研磨パッド2の上面は、ワークピースWを研磨する研磨面2aを構成する。ワークピースWは、その表面に、配線構造を構成する膜を有している。ワークピースWの例としては、半導体デバイスの製造に使用されるウェーハ、配線基板、角基板などが挙げられる。
研磨ヘッド1はヘッドシャフト10に連結されており、ヘッドシャフト10は図示しない研磨ヘッドモータに連結されている。研磨ヘッドモータは、研磨ヘッド1をヘッドシャフト10とともに矢印で示す方向に回転させるように構成されている。研磨テーブル3はテーブルモータ6に連結されており、テーブルモータ6は研磨テーブル3および研磨パッド2を矢印で示す方向に回転させるように構成されている。研磨ヘッド1、研磨ヘッドモータ、およびテーブルモータ6は動作制御部9に接続されている。
ワークピースWは次のようにして研磨される。研磨テーブル3および研磨ヘッド1を図1の矢印で示す方向に回転させながら、研磨液供給ノズル5から研磨液が研磨テーブル3上の研磨パッド2の研磨面2aに供給される。ワークピースWは研磨ヘッド1によって回転されながら、研磨パッド2上に研磨液が存在した状態でワークピースWは研磨ヘッド1によって研磨パッド2の研磨面2aに押し付けられる。ワークピースWの表面は、研磨液の化学的作用と、研磨液に含まれる砥粒および研磨パッド2の機械的作用により研磨される。
動作制御部9は、プログラムが格納された記憶装置9aと、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する演算装置9bを備えている。動作制御部9は、少なくとも1台のコンピュータから構成される。記憶装置9aは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの主記憶装置と、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの補助記憶装置を備えている。演算装置9bの例としては、CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)が挙げられる。ただし、動作制御部9の具体的構成はこれらの例に限定されない。
研磨装置は、ワークピースWの膜の厚さを測定する光学式膜厚測定装置20を備えている。光学式膜厚測定装置20は、光を発する光源22と、光源22の光をワークピースWに照射し、ワークピースWからの反射光を受ける光学センサヘッド25と、光学センサヘッド25に連結された分光器27と、ワークピースWからの反射光のスペクトルに基づいてワークピースWの膜の厚さを決定する処理システム30を備えている。光学センサヘッド25は、研磨テーブル3内に配置されており、研磨テーブル3とともに回転する。
処理システム30は、プログラムが格納された記憶装置30aと、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する演算装置30bを備えている。処理システム30は、少なくとも1台のコンピュータから構成される。記憶装置30aは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの主記憶装置と、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの補助記憶装置を備えている。演算装置30bの例としては、CPU(中央処理装置)、GPU(グラフィックプロセッシングユニット)が挙げられる。ただし、処理システム30の具体的構成はこれらの例に限定されない。
動作制御部9および処理システム30のそれぞれは、複数のコンピュータから構成されてもよい。例えば、動作制御部9および処理システム30のそれぞれは、エッジサーバおよびクラウドサーバの組み合わせから構成されてもよい。一実施形態では、動作制御部9および処理システム30は、1台のコンピュータから構成されてもよい。
図2は、光学式膜厚測定装置20の詳細な構成を示す断面図である。光学式膜厚測定装置20は、光源22に連結された投光光ファイバーケーブル31と、分光器27に連結された受光光ファイバーケーブル32を備えている。投光光ファイバーケーブル31の先端31aおよび受光光ファイバーケーブル32の先端32aは、光学センサヘッド25を構成している。すなわち、投光光ファイバーケーブル31は、光源22によって発せられた光を研磨パッド2上のワークピースWに導き、受光光ファイバーケーブル32はワークピースWからの反射光を受け、分光器27に伝達する。
分光器27は処理システム30に接続されている。投光光ファイバーケーブル31、受光光ファイバーケーブル32、光源22、および分光器27は研磨テーブル3に取り付けられており、研磨テーブル3および研磨パッド2とともに一体に回転する。投光光ファイバーケーブル31の先端31aおよび受光光ファイバーケーブル32の先端32aから構成される光学センサヘッド25は、研磨パッド2上のワークピースWの表面に対向して配置されている。光学センサヘッド25の位置は、研磨テーブル3および研磨パッド2が一回転するたびに研磨パッド2上のワークピースWの表面を横切る位置である。研磨パッド2は、光学センサヘッド25の上方に位置した通孔2bを有している。光学センサヘッド25は、研磨テーブル3が一回転するたびに光を通孔2bを通じてワークピースWに照射し、かつワークピースWからの反射光を通孔2bを通じて受ける。
光源22は、短い時間間隔で繰り返し発光するフラッシュ光源である。光源22の例としては、キセノンフラッシュランプが挙げられる。光源22は、動作制御部9に電気的に接続されており、動作制御部9から送られるトリガー信号を受けて発光する。より具体的には、光学センサヘッド25が研磨パッド2上のワークピースWの表面を横切る間、光源22は複数のトリガー信号を受けて複数回発光する。したがって、研磨テーブル3が一回転するたびに、ワークピースW上の複数の測定点に光が照射される。
光源22によって発せられた光は、光学センサヘッド25に伝達される。すなわち、光は、投光光ファイバーケーブル31を通って光学センサヘッド25に伝達され、光学センサヘッド25から放射される。光は、研磨パッド2の通孔2bを通って研磨パッド2上のワークピースWに入射する。ワークピースWから反射した光は、研磨パッド2の通孔2bを再び通過し、光学センサヘッド25によって受けられる。ワークピースWからの反射光は、受光光ファイバーケーブル32を通って分光器27に伝達される。
分光器27は、反射光を波長に従って分解し、各波長での反射光の強度を所定の波長範囲に亘って測定するように構成される。すなわち、分光器27は、ワークピースWからの反射光を波長に従って分解し、各波長での反射光の強度を所定の波長範囲に亘って測定して、光強度測定データを生成する。各波長での反射光の強度は、反射率または相対反射率などの相対値として表わすこともできる。光強度測定データは、処理システム30に送られる。
処理システム30は、光強度測定データから、図3に示すようなスペクトルを生成する。ワークピースWからの反射光のスペクトルは、ワークピースWの膜厚の情報を含む。言い換えれば、反射光のスペクトルは、ワークピースWの膜厚に依存して変化する。処理システム30は、反射光のスペクトルに基づいてワークピースWの膜厚を決定するように構成される。
スペクトルに基づいてワークピースWの膜厚を決定する方法には、公知の技術が用いられる。例えば、処理システム30は、スペクトルに最も形状が近い参照スペクトルを参照スペクトルライブラリの中から決定し、この決定された参照スペクトルに関連付けられた膜厚を決定する。他の例では、処理システム30は、スペクトルに対してフーリエ変換を実行し、得られた周波数スペクトルから膜厚を決定する。
処理システム30は、ワークピースWの膜厚測定の異常を検出する機能を有している。膜厚測定の異常は、様々な原因に起因して起こりうる。例えば、光学式膜厚測定装置20の動作を決定するパラメータの調整や設定が正しく行われていない場合、光学式膜厚測定装置20の光学系に不具合がある場合、あるいは想定されていた表面構造とは異なるタイプのワークピースWの膜厚を測定する場合では、光学式膜厚測定装置20は膜厚を正しく測定することができない。
そこで、処理システム30は、上述のようにワークピースWからの反射光のスペクトルに基づいて膜厚を測定しながら、以下のようにして、ワークピースWの膜厚測定の異常を検出する。
処理システム30は、ワークピースWの研磨中の所定期間に亘って、ワークピースW上の複数の測定点からの反射光の複数のスペクトルを生成する。ワークピースWの研磨中の所定期間の例としては、研磨テーブル3がN回転する期間(Nは自然数)、ワークピースWの研磨開始から研磨終了までの全期間、ワークピースWの研磨開始から研磨終了までの全期間の一部が挙げられる。処理システム30は、ワークピースWの研磨中の各時点で生成された反射光のスペクトルに基づいてワークピースWの膜厚を決定する。
一実施形態では、複数枚のワークピースを研磨し、これらワークピースの研磨の全期間内に生成された反射光の複数のスペクトルが使用されてもよい。
処理システム30は、上記所定期間内に生成された複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って複数のグループに分類する。各スペクトルの特徴量の例としては、スペクトルの形状、またはスペクトルに示される反射光の強度データが挙げられる。本実施形態では、処理システム30は、後述するスペクトル分類器を備えており、このスペクトル分類器により、複数のスペクトルを複数のグループに分類するように構成される。
図4は、ワークピースWの研磨中の所定期間内に生成された複数のスペクトルを示すグラフである。図4において、縦軸はワークピースWからの反射光の強度を表し、横軸は反射光の波長を表している。反射光の強度は、反射率または相対反射率などの相対値として表わされてもよい。一般に、スペクトルは、ワークピースWの膜厚の変化に伴って変化する。その一方で、スペクトルは、ワークピースWの表面構造によっても変わる。すなわち、ワークピースWの研磨中には、光はワークピースWの表面上の複数の測定点に照射され、これら複数の測定点からの反射光のスペクトルが生成される。複数の測定点は、ワークピースWの全体を横切るように分布する。
図5は、ワークピースWの表面の一部の一例を示す模式図である。ワークピースWの表面は、配線パターンが形成された複数の配線パターン領域100(セルとも呼ばれる)と、配線パターン領域100間に存在するスクライブライン101を有する。配線パターン領域100内の測定点MP1からの反射光のスペクトルは、スクライブライン101内の測定点MP2からの反射光のスペクトルと異なる形状を有する。したがって、ワークピースWの研磨中の所定期間内に生成された複数のスペクトルは、それらの測定点の位置に依存して変わる。
さらに、ワークピースWの研磨中の所定期間内に生成された複数のスペクトルは、ノイズスペクトルも含む。ノイズスペクトルは、種々の原因で生じるノイズであり、各ノイズスペクトルは膜厚を正しく反映していない。このノイズスペクトルは、配線パターン領域100からの反射光のスペクトルと、スクライブライン101からの反射光のスペクトルのどちらとも異なる形状を有する。
したがって、図4に示す複数のスペクトルは、配線パターン領域100からの反射光のスペクトルと、スクライブライン101からの反射光のスペクトルと、ノイズスペクトルを含む。処理システム30は、ワークピースWの研磨中の所定期間内に生成された複数のスペクトルを、それらの特徴量に従って、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。本実施形態では、グループG1は、配線パターン領域100からの反射光のスペクトルのグループであり、グループG2は、スクライブライン101からの反射光のスペクトルのグループであり、グループG3は、ノイズスペクトルのグループである。
図6は、図4に示す複数のスペクトルをグループG1、グループG2、およびグループG3に分類した図である。処理システム30は、各スペクトルの特徴量(例えばスペクトルの形状、またはスペクトルに示される反射光の強度データ)に基づいて、複数のスペクトルを、図6に示すように、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。ただし、ワークピースWの表面構造によっては、複数のスペクトルは2つのグループ、または4つ以上のグループに分類されることもある。
処理システム30は、さらにグループG1、グループG2、およびグループG3のそれぞれに含まれるスペクトルの数を計数する。図7は、グループG1、グループG2、およびグループG3内のそれぞれのスペクトルの数の一例を示すグラフである。図7において、縦軸はスペクトルの数を表し、横軸は研磨時間を表している。ワークピースWの研磨中、ワークピースWの膜厚は変化するが、ワークピースWの表面構造自体は変化しない。したがって、グループG1、グループG2、グループG3に含まれる複数のスペクトルの数の比は、ワークピースWの表面構造に依存して決まる。
しかしながら、光学式膜厚測定装置20に不具合(例えば、光ファイバーケーブルの不具合)などが発生すると、生成されるスペクトルが変化し、結果としてグループG1に含まれる複数のスペクトルの数が変わる。研磨されているワークピースWが、想定されている表面構造と異なる表面構造を有している場合も、同様に、グループG1に含まれる複数のスペクトルの数が変わる。
図8は、光学式膜厚測定装置20に不具合が起きたときのグループG1、グループG2、およびグループG3内のそれぞれのスペクトルの数の一例を示すグラフである。図8に示すように、光学式膜厚測定装置20の不具合に起因して、グループG1内のスペクトルの数が減少し、その一方でグループG3内のノイズスペクトルの数が上昇する。このように、光学式膜厚測定装置20の不具合が起こると、正常時に比べて、グループG1内のスペクトルの数およびグループG3内のスペクトルの数が変化する。結果として、光学式膜厚測定装置20は、ワークピースWの膜厚を正しく測定することができない。光学式膜厚測定装置20の動作を決定するパラメータの調整や設定が正しく行われていない場合や、想定されていた表面構造とは異なるタイプのワークピースWの膜厚を測定する場合でも、同様の現象が起こる。
そこで、処理システム30は、少なくともグループG1に含まれるスペクトルの数に基づいてモニタリング指標値を決定し、モニタリング指標値としきい値との比較に基づいてワークピースWの膜厚測定の異常を検出する。しきい値は、後述するように、予め定められた数値である。図8の例では、グループG1に含まれるスペクトルの数は、正常時に比べて増加している。したがって、グループG1に含まれる複数のスペクトルの数に基づいて決定されるモニタリング指標値は、膜厚測定の異常を判定する指標に使用できる。
モニタリング指標値は、グループG1に含まれるスペクトルの数の変化を反映する数値である。モニタリング指標値の具体例としては、グループG1に含まれるスペクトルの数、グループG3に含まれるスペクトルの数に対するグループG1に含まれるスペクトルの数の割合、グループG1に含まれるスペクトルの数に対するグループG3に含まれるスペクトルの数の割合、上記所定期間に亘って生成された複数のスペクトルの総数に対するグループG1に含まれるスペクトルの数の割合が挙げられる。
一実施形態では、後述するように、モニタリング指標値は、少なくともグループG3に含まれる複数のスペクトルの数に基づいて決定されてもよい。この場合は、モニタリング指標値の具体例としては、グループG3に含まれるスペクトルの数、グループG1に含まれるスペクトルの数に対するグループG3に含まれるスペクトルの数の割合、グループG3に含まれるスペクトルの数に対するグループG1に含まれるスペクトルの数の割合、上記所定期間に亘って生成された複数のスペクトルの総数に対するグループG3に含まれるスペクトルの数の割合が挙げられる。
処理システム30は、モニタリング指標値としきい値との比較に基づいて、膜厚測定の異常を検出するように構成される。より具体的には、処理システム30は、モニタリング指標値がしきい値を下回ったとき、またはモニタリング指標値がしきい値を上回ったときに、膜厚測定の異常が発生していることを決定する。
次に、モニタリング指標値と比較されるしきい値を決定する方法の一実施形態について図9のフローチャートを参照して説明する。
ステップ101では、ワークピースWと同じ表面構造を有するサンプルが研磨される。1枚のサンプルが研磨されてもよいが、膜厚測定の異常検出の精度を高めるために、複数のサンプルが研磨されてもよい。
ステップ101では、ワークピースWと同じ表面構造を有するサンプルが研磨される。1枚のサンプルが研磨されてもよいが、膜厚測定の異常検出の精度を高めるために、複数のサンプルが研磨されてもよい。
ステップ102では、処理システム30は、サンプルの研磨中に生成された複数のサンプルスペクトルに対してクラスタリングを実行して、複数のサンプルスペクトルをサンプルグループS1、サンプルグループS2、およびサンプルグループS3に分類する。クラスタリングは、複数のサンプルスペクトルをそれらの特徴量に従って分類する教師なし機械学習であり、クラスター分析またはデータ分類法とも呼ばれる。
ステップ103では、処理システム30は、サンプルグループS1、サンプルグループS2、およびサンプルグループS3に分類された上記複数のサンプルスペクトルの特徴量に基づいて、スペクトル分類器を作成する。このスペクトル分類器は、新規なスペクトルを、その特徴量に従って、サンプルグループS1、サンプルグループS2、およびサンプルグループS3のいずれかに分類する(振り分ける)ように構成される。スペクトル分類器は、処理システム30の記憶装置30a内に格納される。
スペクトル分類器は、処理システム30内に仮想的に構築された装置であり、上述した機能を実行することができる限りにおいて、その具体的構成(アルゴリズム)は特に限定されない。一例では、処理システム30は、サンプルグループS1に属する複数のサンプルスペクトルの特徴量(例えば形状)を含む第1範囲を決定し、サンプルグループS2に属する複数のサンプルスペクトルの特徴量(例えば形状)を含む第2範囲を決定し、サンプルグループS3に属する複数のサンプルスペクトルの特徴量(例えば形状)を含む第3範囲を決定し、新規なスペクトルの特徴量が、第1範囲、第2範囲、第3範囲のいずれに含まれるかを判定するスペクトル分類器を作成する。
一実施形態では、スペクトル分類器は、機械学習により構築された学習済みモデルであってもよい。例えば、処理システム30は、サンプルグループS1、サンプルグループS2、およびサンプルグループS3に分類された上記複数のサンプルスペクトルを訓練データとして用いて機械学習を実行し、学習済みモデルであるスペクトル分類機を作成してもよい。
ステップ104では、処理システム30は、上記ステップ101のサンプルの研磨中に得られた上記複数の複数のサンプルスペクトルを、上記スペクトル分類器によりサンプルグループS1’、サンプルグループS2’、およびサンプルグループS3’に分類する。具体的には、上記複数のサンプルスペクトルのそれぞれを、スペクトル分類器によりサンプルグループS1’、サンプルグループS2’、またはサンプルグループS3’のいずれかに振り分ける。サンプルグループS1’は、サンプルの配線パターン領域からの反射光のスペクトルを含み、サンプルグループS2’は、スクライブラインからの反射光のスペクトルを含み、サンプルグループS3’は、ノイズスペクトルを含む。処理システム30は、スペクトル分類器を用いた分類結果に基づいて、図7を参照して説明したような、スペクトルスペクトルの数と研磨時間との関係を示すグラフを作成してもよい。
ステップ105では、スペクトル分類器を用いた分類結果に基づいて、モニタリング指標値の算定(決定)の仕方を決定する。一実施形態では、モニタリング指標値は、少なくともサンプルグループS1’に含まれるサンプルスペクトルの数に基づいて決定(算定)される。モニタリング指標値の算定(決定)の仕方の具体例としては、サンプルグループS1’に含まれるサンプルスペクトルの数、サンプルグループS3’に含まれるサンプルスペクトルの数に対するサンプルグループS1’に含まれるサンプルスペクトルの数の割合、サンプルグループS1’に含まれるサンプルスペクトルの数に対するサンプルグループS3’に含まれるサンプルスペクトルの数の割合、上記所定期間に亘って生成された複数のサンプルスペクトルの総数に対するサンプルグループS1’に含まれるサンプルスペクトルの数の割合が挙げられる。
他の実施形態では、モニタリング指標値は、少なくともサンプルグループS3’に含まれるサンプルスペクトルの数に基づいて決定(算定)されてもよい。図7および図8に示すように、光学式膜厚測定装置20の不具合などが起こると、正常時に比べて、グループG3内のノイズスペクトルの数が変化する。したがって、処理システム30は、ノイズスペクトルの数に基づいて決定されたモニタリング指標値としきい値との比較に基づいてワークピースWの膜厚測定の異常を検出してもよい。この場合、モニタリング指標値の算定(決定)の仕方の例としては、サンプルグループS3’に含まれるサンプルスペクトルの数、サンプルグループS1’に含まれるサンプルスペクトルの数に対するサンプルグループS3’に含まれるサンプルスペクトルの数の割合、サンプルグループS3’に含まれるサンプルスペクトルの数に対するサンプルグループS1’に含まれるサンプルスペクトルの数の割合、上記所定期間に亘って生成された複数のサンプルススペクトルの総数に対するサンプルグループS3’に含まれるサンプルスペクトルの数の割合が挙げられる。
ステップ106では、処理システム30は、サンプルグループS1’,S2’,S3’のうちの少なくとも1つを用いて、上記ステップ105により決定された算定(決定)の仕方に従ってモニタリング指標値を算定(決定)し、得られたモニタリング指標値に基づいてしきい値を決定する。しきい値は、算定(決定)されたモニタリング指標値と同じ数値であってもよく、またはモニタリング指標値よりも所定の許容幅だけ大きい、または小さい数値であってもよい。このようにして決定されたしきい値は、処理システム30の記憶装置30a内に格納される。処理システム30は、ワークピースWの研磨中または研磨後にモニタリング指標値を算定し、モニタリング指標値がしきい値を下回ったとき、またはモニタリング指標値がしきい値を上回ったときに、膜厚測定の異常が発生していることを決定する。
図10は、処理システム30が膜厚測定の異常を検出する一実施形態を説明するフローチャートである。
ステップ201では、図1および図2に示す研磨装置により、ワークピースWの研磨が開始される。
ステップ202では、処理システム30は、ワークピースWの研磨中の所定期間内に生成された複数のスペクトルを、スペクトル分類器を用いて、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。本実施形態では、処理システム30のスペクトル分類器は、複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。図10に示す実施形態では、所定期間は、研磨テーブルが一回転する時間である。
ステップ201では、図1および図2に示す研磨装置により、ワークピースWの研磨が開始される。
ステップ202では、処理システム30は、ワークピースWの研磨中の所定期間内に生成された複数のスペクトルを、スペクトル分類器を用いて、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。本実施形態では、処理システム30のスペクトル分類器は、複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。図10に示す実施形態では、所定期間は、研磨テーブルが一回転する時間である。
ステップ203では、処理システム30は、少なくともグループG1(またはG3)に含まれるスペクトルの数に基づいてモニタリング指標値を算定(決定)する。モニタリング指標値は、上記ステップ105により決定された算定(決定)の仕方に従って算定(決定)される。
ステップ204では、処理システム30は、モニタリング指標値がしきい値を下回ったか(あるいは上回ったか)否かを判定する。
ステップ205では、処理システム30は、モニタリング指標値がしきい値を下回った(あるいは上回った)場合には、膜厚測定の異常を知らせる警報信号を生成する。
ステップ204では、処理システム30は、モニタリング指標値がしきい値を下回ったか(あるいは上回ったか)否かを判定する。
ステップ205では、処理システム30は、モニタリング指標値がしきい値を下回った(あるいは上回った)場合には、膜厚測定の異常を知らせる警報信号を生成する。
モニタリング指標値がしきい値を下回っていない(あるいは上回っていない)場合には、ステップ206にて、処理システム30はワークピースWの研磨終点に達したか否かを判定する。ワークピースWの研磨終点は、例えば、ワークピースWの膜厚が目標膜厚に達した時点である。ワークピースWの研磨終点に達した場合には、処理システム30は研磨終点信号を動作制御部9に送り、動作制御部9は研磨装置によるワークピースWの研磨を終了させる。ワークピースWの研磨終点に達していなければ、処理システム30は、上記ステップ202を再度実行する。
図11は、処理システム30が膜厚測定の異常を検出する他の実施形態を説明するフローチャートである。
ステップ301では、図1および図2に示す研磨装置により、ワークピースWが研磨される。
ステップ302では、処理システム30は、ワークピースWの研磨後、ワークピースWの研磨中の所定期間内に生成された複数のスペクトルを、スペクトル分類器を用いて、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。本実施形態では、処理システム30のスペクトル分類器は、複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。図11に示す実施形態では、所定期間は、ワークピースWの研磨開始から研磨終点までの全期間である。
ステップ301では、図1および図2に示す研磨装置により、ワークピースWが研磨される。
ステップ302では、処理システム30は、ワークピースWの研磨後、ワークピースWの研磨中の所定期間内に生成された複数のスペクトルを、スペクトル分類器を用いて、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。本実施形態では、処理システム30のスペクトル分類器は、複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って、グループG1、グループG2、およびグループG3に分類する。図11に示す実施形態では、所定期間は、ワークピースWの研磨開始から研磨終点までの全期間である。
ステップ303では、処理システム30は、少なくともグループG1(またはG3)に含まれるスペクトルの数に基づいてモニタリング指標値を算定(決定)する。モニタリング指標値は、上記ステップ105により決定された算定(決定)の仕方に従って算定(決定)される。
ステップ304では、処理システム30は、モニタリング指標値がしきい値を下回ったか(あるいは上回ったか)否かを判定する。
ステップ305では、処理システム30は、モニタリング指標値がしきい値を下回った(あるいは上回った)場合には、膜厚測定の異常を知らせる警報信号を生成する。モニタリング指標値がしきい値を下回っていない(あるいは上回っていない)場合には、処理システム30は、膜厚測定の異常検出の動作を終了する。
ステップ304では、処理システム30は、モニタリング指標値がしきい値を下回ったか(あるいは上回ったか)否かを判定する。
ステップ305では、処理システム30は、モニタリング指標値がしきい値を下回った(あるいは上回った)場合には、膜厚測定の異常を知らせる警報信号を生成する。モニタリング指標値がしきい値を下回っていない(あるいは上回っていない)場合には、処理システム30は、膜厚測定の異常検出の動作を終了する。
上述した実施形態では、複数のスペクトルは、グループG1、グループG2、およびグループG3の3つのグループに分類されるが、ワークピースWの表面構造によっては、複数のスペクトルは2つのグループ、または4つ以上のグループに分類されることもある。
図10を参照して説明した実施形態では、ワークピースWを研磨しながら、モニタリング指標値はしきい値と比較される。ワークピースWの研磨中、しきい値は一定である。ワークピースWの研磨とともに、ワークピースWの膜厚は減少する。膜厚の減少は、グループG1に含まれるスペクトルの数、および/またはグループG3に含まれるノイズスペクトルの数に影響を与えることもありうる。そこで、そのような影響を排除するために、一実施形態では、処理システム30は、ワークピースWの研磨中に、しきい値を変化させてもよい。例えば、処理システム30は、ワークピースWの研磨時間または膜厚の変化に従って、しきい値を変化させてもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 研磨ヘッド
2 研磨パッド
2a 研磨面
3 研磨テーブル
5 研磨液供給ノズル
6 テーブルモータ
9 動作制御部
10 ヘッドシャフト
20 光学式膜厚測定装置
22 光源
25 光学センサヘッド
27 分光器
30 処理システム
31 投光光ファイバーケーブル
32 受光光ファイバーケーブル
W ワークピース
2 研磨パッド
2a 研磨面
3 研磨テーブル
5 研磨液供給ノズル
6 テーブルモータ
9 動作制御部
10 ヘッドシャフト
20 光学式膜厚測定装置
22 光源
25 光学センサヘッド
27 分光器
30 処理システム
31 投光光ファイバーケーブル
32 受光光ファイバーケーブル
W ワークピース
Claims (8)
- ワークピースの膜厚測定の異常を検出する方法であって、
少なくとも1枚のワークピースの研磨中の所定期間に亘って、前記少なくとも1枚のワークピース上の複数の測定点からの反射光の複数のスペクトルを光学式膜厚測定装置により生成し、
前記複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って第1グループおよび第2グループを少なくとも含む複数のグループに分類し、
少なくとも前記第1グループに含まれるスペクトルの数に基づいてモニタリング指標値を決定し、
前記モニタリング指標値としきい値との比較に基づいて前記少なくとも1枚のワークピースの膜厚測定の異常を検出する、方法。 - 前記第1グループに含まれるスペクトルは、前記少なくとも1枚のワークピースの表面に形成されている配線パターン領域からの反射光のスペクトル、およびノイズスペクトルのいずれか一方であり、前記第2グループに含まれるスペクトルは、前記配線パターン領域からの反射光のスペクトルおよび前記ノイズスペクトルのうちの他方である、請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1枚のワークピースと同じ表面構造を有するサンプルを研磨しながら、前記サンプルの複数の測定点からの反射光の複数のサンプルスペクトルを生成し、
前記複数のサンプルスペクトルに対してクラスタリングを実行して、前記複数のサンプルスペクトルを複数のサンプルグループに分類し、
前記複数のサンプルグループに分類された前記複数のサンプルスペクトルの特徴量に基づいて、スペクトル分類器を作成する工程をさらに含み、
前記スペクトル分類器は、新規なスペクトルを、その特徴量に従って、第1サンプルグループおよび第2サンプルグループを少なくとも含む複数のサンプルグループのうちのいずれかに分類するように構成され、
少なくとも前記第1サンプルグループに含まれるサンプルスペクトルの数に基づいて前記しきい値を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。 - 前記複数のスペクトルを、各スペクトルの特徴量に従って前記第1グループおよび前記第2グループを少なくとも含む複数のグループに分類する工程は、前記複数のスペクトルを、前記スペクトル分類器により、前記第1グループおよび前記第2グループを少なくとも含む複数のグループに分類する工程である、請求項3に記載の方法。
- 前記モニタリング指標値は、前記第1グループに含まれるスペクトルの数、前記第2グループに含まれるスペクトルの数に対する前記第1グループに含まれるスペクトルの数の割合、前記第1グループに含まれるスペクトルの数に対する前記第2グループに含まれるスペクトルの数の割合、前記所定期間に亘って生成された前記複数のスペクトルの総数に対する前記第1グループに含まれるスペクトルの数の割合のいずれかである、請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1枚のワークピースの研磨中の前記所定期間は、1枚のワークピースの研磨開始から研磨終了までの全期間または前記全期間の一部である、請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1枚のワークピースの研磨中の前記所定期間は、複数枚のワークピースの研磨の全期間である、請求項1に記載の方法。
- 前記しきい値は、前記少なくとも1枚のワークピースの研磨中に変化する、請求項1に記載の方法。
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