JP2024048185A - 軟カプセル剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性成分の吸収を制御し、活性成分の血中濃度を長期間維持するのに有用な溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤を提供する。【解決手段】2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(化合物A)、若しくは2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}酢酸(化合物B)、又はそれらの薬学的に許容できる塩を含み、更に薬学的に許容できる溶媒を含む、胃腸吸収用溶液及び溶液を含む軟カプセル剤とする。【選択図】なし

Description

本発明は、2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(以下、「化合物A」と称する)、若しくは2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}酢酸(以下、「化合物B」と称する)、又はそれらの薬学的に許容できる塩、及びグリコール誘導体を含む、胃腸吸収用溶液に関する。本発明は、前記溶液が内部溶液であり、カプセル剤の外殻が内部溶液を封入している二層の軟カプセル剤、又は内部溶液と外殻の間に中間層を有する三層の軟カプセル剤にも関する。さらに、本発明は、機能性フィルム層により被覆された前記軟カプセル剤に関する。本発明は、この溶液、この軟カプセル剤、及びこの機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤の使用に関する。
セレキシバグ、2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(化合物A)は、優れたプロスタグランジンI(以下「PGI」と称する)受容体アゴニスト作用を有し、様々な薬効、例えば血小板凝集阻害作用、血管拡張作用、気管支平滑筋拡張作用、脂質沈着阻害作用、及び白血球活性化阻害作用を示す(例えば、特許文献1~特許文献6を参照のこと)ことが公知である。現在、化合物Aを活性成分として含む製剤が、通常の錠剤の形態で肺動脈性肺高血圧症の治療剤として使用されている(特許文献7)。
化合物A及び水溶性ポリマーを含む放出制御組成物が報告されている(特許文献14及び特許文献15)。さらに、化合物Aは、アセトニトリル、酢酸、エタノール、メタノールなどの溶媒及び水溶液の両方で溶解性が低い(非特許文献1)。
国際公開第2002/088084号 国際公開第2009/157396号 国際公開第2009/107736号 国際公開第2009/154246号 国際公開第2009/157397号 国際公開第2009/157398号 国際公開第2017/098998号 国際公開第2010/150865号 米国特許出願公開第2014/0221397号明細書 米国特許出願公開第2011/0178103号明細書 米国特許出願公開第2011/0015211号明細書 米国特許出願公開第2011/0118254号明細書 米国特許出願公開第2011/0105518号明細書 国際公開第2019/098300号 国際公開第2021/153716号
Uptravi Tablets 0.2mg,Uptravi Tablets 0.4mg,医薬品インタビューフォーム,2021年8月改訂(第8版),5頁 Hepatology,2007,Vol.45,No.1,pp.159-169 PubMed:Nihon Yakurigaku Zasshi,2001,Feb,117(2),pp.123-130,要約 International Angiology,29,Suppl.1 to No.2,pp.49-54,2010 Japanese Journal of Clinical Immunology,Vol.16,No.5,pp.409-414,1993 Japanese Journal of Thrombosis and Hemostasis,Vol.1,No.2,pp.94-105,1990,要約 The Journal of Rheumatology,Vol.36,No.10,pp.2244-2249,2009 The Japanese Journal of Pharmacology,Vol.43,No.1,pp.81-90,1987 British Heart Journal,Vol.53,No.2,pp.173-179,1985 The Lancet,1,4880,pt1,pp.569-572,1981 European Journal of Pharmacology,449,pp.167-176,2002 The Journal of Clinical Investigation,117,pp.464-72,2007 American Journal of Physiology Lung Cellular and Molecular Physiology,296:L648-L656,2009
本発明の目的は、活性成分の吸収を制御し、活性成分の血中濃度を長期間維持するのに有用な溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤を提供することである。
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明者らは、セレキシバグ及び水溶性ポリマーを含む放出制御組成物は、化合物Aの血中濃度を経口投与後4時間しか維持できないという課題があることを見出した。
本発明者らは、化合物A及びグリコール誘導体を含む溶液が軟カプセル剤の内部溶液に好適であり、機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤が活性成分の吸収を制御し、活性成分の血中濃度を長期間維持するのに有用であることも見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、活性成分の吸収を制御し、活性成分の血中濃度を長期間維持するのに有用な溶液、軟カプセル剤、及び本発明の機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]
活性成分として、2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(化合物A)、若しくは2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}酢酸(化合物B)、又はそれらの薬学的に許容できる塩を含み、
更に薬学的に許容できる溶媒を含む、胃腸吸収用溶液。
[2]
薬学的に許容できる溶媒が、化合物A及び/又は化合物Bを溶解することができる、[1]に記載の溶液。
[3]
内部溶液及び外殻を含み、前記内部溶液が[1]若しくは[2]に記載の溶液からなり、前記外殻が前記内部溶液を封入している、二層の軟カプセル剤、又は前記二層の軟カプセル剤の前記内部溶液と前記外殻の間に中間層を更に含む、三層の軟カプセル剤。
[4]
前記中間層が、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1つを含み、前記カプセル剤の前記外殻がゼラチンを含む、[3]に記載の軟カプセル剤。
[5]
前記中間層において、中鎖脂肪酸トリグリセリドと、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル又はグリセリン脂肪酸エステルとの質量比が15:85である、[3]又は[4]に記載の軟カプセル剤。
[6]
前記外殻において、ゼラチンと、濃グリセリンと、D-ソルビトールとの質量比が100:10:10である、[3]~[5]のいずれか1つに記載の軟カプセル剤。
[7]
前記外殻が機能性フィルム層により被覆されている、[3]~[6]のいずれか1つに記載の軟カプセル剤。
[8]
前記機能性フィルム層の質量が、前記カプセル剤の質量の10%~100%である、[7]に記載の軟カプセル剤。
[9]
前記機能性フィルム層が、pH依存性ポリマー及び水不溶性ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つを含む、[8]に記載の軟カプセル剤。
[10]
前記pH依存性ポリマーと前記水不溶性ポリマーとの質量比が100:0~30:70である、[8]又は[9]に記載の軟カプセル剤。
[11]
前記機能性フィルム層が、可塑剤及び付着防止剤をさらに含む、[8]~[10]のいずれか1つに記載の軟カプセル剤。
[12]
化合物A及び/又は化合物Bを結腸に送達するために使用される、[3]~[11]のいずれか1つに記載の軟カプセル剤。
[13]
pH1.2の試験溶液(JP1)を使用した溶出試験法の条件下で、化合物A及び/又は化合物Bの2時間後の放出率が10%以下である、[3]~[12]のいずれか1つに記載の軟カプセル剤。
[14]
pH7.5の試験溶液(薄めたMcIlvaine緩衝液)を使用した溶出試験法の条件下で、化合物A及び/又は化合物Bの放出率が2~24時間後に50%以上である、[3]~[13]のいずれか1つに記載の軟カプセル剤。
[15]
[3]~[14]のいずれか1つに記載の軟カプセル剤を含む、肺動脈性肺高血圧症の治療用経口医薬組成物。
[16]
タダラフィル及び/又はマシテンタンと組み合わせて使用するための、[15]に記載の経口医薬組成物。
[1]~[16]の主題は、単独で又は組み合わせて使用され得る。
本発明は、(1)活性成分、例えば2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(化合物A)、若しくは2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}酢酸(化合物B)、又はそれらの薬学的に許容できる塩、及び(2)薬学的に許容できる溶媒を含む、胃腸吸収用溶液に関する。本発明は、前記溶液が(1)内部溶液であり、(3)カプセル剤の外殻が内部溶液を封入している二層の軟カプセル剤、又は(2)内部溶液と外殻の間に中間層を有する三層の軟カプセル剤にも関する。さらに、本発明は、(1)pH依存性ポリマー、(2)水不溶性ポリマー、及び任意選択で(3)添加剤を含む機能性フィルム層により被覆された前記軟カプセル剤に関する。本発明は、この溶液、この軟カプセル剤、及びこの機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤の使用に関する。
1.溶液
本発明の一実施形態は、(1)活性成分及び(2)グリコール誘導体、並びに(3)任意選択で抗酸化剤を含む、胃腸吸収用溶液である。
本明細書で使用される「胃腸吸収」という用語は、胃腸管、例えば小腸、大腸、及び結腸からの薬物の吸収を指す。
本発明の一実施形態では、(1)活性成分と(2)グリコール誘導体との質量比は、特に限定されないが、例えば溶液中.0.01:2.0~0.1:1.0である。
(1)活性成分
本発明の一実施形態では、活性成分は、2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(化合物A)、2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}酢酸(化合物B)、並びに化合物A及び化合物Bの薬学的に許容できる塩などである。
本発明の一実施形態では、化合物Aは、その光学異性体、その薬学的に許容できる塩、その非晶質形態(国際公開第2017/029594号、国際公開第2017/042731号、国際公開第2018/015975号などを参照のこと)、若しくはその結晶形態、又はそれらの混合物であってもよい。
Figure 2024048185000001
本発明の一実施形態では、化合物Bは、その光学異性体、その薬学的に許容できる塩、その非晶質形態(国際公開第2017/029594号、国際公開第2017/042731号、国際公開第2018/015975号などを参照のこと)、若しくはその結晶形態、又はそれらの混合物であってもよい。
Figure 2024048185000002
本発明の一実施形態では、化合物A及び化合物Bの薬学的に許容できる塩は、その光学異性体、その薬学的に許容できる塩、その非晶質形態(国際公開第2017/029594号、国際公開第2017/042731号、国際公開第2018/015975号、国際公開第2021/033702号などを参照のこと)、若しくはその結晶形態、又はそれらの混合物であってもよい。
本発明の一実施形態では、追加の活性成分は、
(1)マシテンタン、ボセンタン、及びアンブリセンタンなどのエンドセリン受容体アンタゴニストと、
(2)エポプロステノール、ベラプロスト、トレプロスチニル、及びイロプロストなどのプロスタグランジン剤(又はプロスタサイクリン受容体アゴニスト)と、
(3)シルデナフィル及びタダラフィルなどのホスホジエステラーゼ-5阻害剤と、
(4)リオシグアトなどの可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬と、
(5)ニフェジピン、ジルチアゼム、及びアムロジピンなどのカルシウムチャネル遮断薬と、
(6)ファスジルなどのRhoキナーゼ阻害剤と、
(7)イマチニブ及びソラフェニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤と、
(8)ワルファリン及びアスピリンなどの抗凝固薬と、
(9)フロセミド及びスピロノラクトンなどの利尿薬と、
(10)ドーパミン及びジゴキシンなどの強心剤とからなる群から選択される肺動脈性肺高血圧症の治療のための少なくとも1つの医薬から選択され得る。
本発明の一実施形態では、本発明の溶液の活性成分である化合物A、化合物B、及び薬学的に許容できる塩の含有量は、特に限定されないが、好ましくは、溶液の総重量に対して0.05wt%~2.0wt%の範囲内である。
本発明の一実施形態では、本発明の溶液中の追加の活性成分、及びその薬学的に許容できる塩は、特に限定されないが、薬学的に許容できる量であり得る。
(2)薬学的に許容できる溶媒
本発明の一実施形態では、薬学的に許容できる溶媒は限定されないが、当技術分野で使用され得るものであり、特に活性成分を溶解することができ、単独で又は組み合わせて使用され得るものである。
本出願の一実施形態では、溶媒への活性成分の溶解性は、活性成分を溶解することができれば特に限定されず、例えば0.25wt%以上、好ましくは0.5wt%以上、より好ましくは1.0wt%以上であり、上限は、例えば、溶液の総重量に対して2wt%、5wt%、又は10wt%であり、下限は、例えば、溶液に対して0.25wt%、1wt%、又は0.5wt%である。上限及び下限は、例えば、溶液の総重量に対して0.25wt%~10wt%の範囲内で組み合わせて使用され得る。溶解性は、溶媒に活性成分を添加し、超音波処理し、一晩撹拌し、溶媒中に不溶性残留物がないことを目視で確認することにより決定される。
本出願の一実施形態では、薬学的に許容できる溶媒のHLB値は、活性成分を溶解することができれば特に限定されず、例えば1~20、特に5~20である。
本出願の一実施形態では、薬学的に許容できる溶媒は、中鎖トリグリセリド、オレイン酸、大豆油、ジカプリル酸プロピレングリコール、中鎖モノ/ジグリセリド、モノカプリル酸プロピレングリコール、カプリロカプロイルポリオキシルグリセリド、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリソルベート80、マクロゴール400など、又はそれらの混合物、好ましくはモノカプリル酸プロピレングリコール、カプリロカプロイルポリオキシルグリセリド、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリソルベート80、マクロゴール400など、又はそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本発明の一実施形態では、薬学的に許容できる溶媒は、グリコール誘導体であり、ここでそれはグリコール単位を有する化合物であってもよい。
本発明の一実施形態では、グリコール誘導体は、NIKKOL Sefsol-218などのモノカプリル酸プロピレングリコール、ラブラソール(Labrasol)(登録商標)などのカプリロカプロイルポリオキシルグリセリド、コリフォー(Kolliphor)(登録商標)ELなどのポリオキシル35ヒマシ油、NIKKOL TO-10MVなどのポリソルベート80、化学用マクロゴール400(ナカライテスク株式会社)などのマクロゴール400を含むが、これらに限定されない。
本発明の一実施形態では、グリコール誘導体は、モノカプリル酸プロピレングリコール、カプリロカプロイルポリオキシルグリセリド、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリソルベート80、及びマクロゴール400からなる群から選択される少なくとも1つであり、好ましくはモノカプリル酸プロピレングリコールである。
(3)抗酸化剤
本発明の一実施形態では、溶液に抗酸化剤が添加され得る。抗酸化剤は、ビタミンE、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)を含むが、これらに限定されない。
2.軟カプセル剤
本発明の一実施形態は、胃腸吸収、例えば小腸吸収及び/又は大腸吸収、好ましくは結腸吸収のための溶液を含む軟カプセル剤である。
本発明の一実施形態では、軟カプセル剤は、二層又は三層の軟カプセル剤である。
本発明の一実施形態では、軟カプセル剤は、上記の胃腸吸収のための溶液が(1)内部溶液であり、(3)軟カプセル剤の外殻が内部溶液を封入している二層の軟カプセル剤であってもよい。
本発明の一実施形態では、軟カプセル剤は、上記の胃腸吸収のための溶液が(1)内部溶液であり、(3)軟カプセル剤の外殻が内部溶液を封入しており、(2)内部溶液と外殻の間に中間層を有する三層の軟カプセル剤であってもよい。
本発明の一実施形態では、(1)内部溶液と、(2)中間層と、(3)外殻との質量比は、特に限定されないが、二層又は三層の軟カプセル剤を形成する範囲であり得る。
(1)内部溶液
本発明の一実施形態では、軟カプセル剤の内部溶液は、上記の胃腸吸収のための溶液である。
(2)中間層
本発明の一実施形態では、軟カプセル剤の中間層は、内部溶液と外殻が互いに接触するのを防ぐことができ、限定されるものではないが、(i)中鎖脂肪酸トリグリセリド、例えばミグリオール(Miglyol)(登録商標)810などのカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、硬化油、部分硬化油、植物油、合成油など、又はそれらの混合物、(ii)ショ糖酢酸イソ酪酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノラウレートなどのグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油など、又はそれらの混合物、並びに任意選択で(iii)ビタミンE、BHT、及びBHAなどの抗酸化剤を含む。
本発明の一実施形態では、(i)中鎖脂肪酸トリグリセリドと、(ii)ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルとの質量比は、特に限定されないが、内部溶液と外殻が互いに接触するのを防ぐ範囲、例えば19:1~1:1、好ましくは9:1~7:3であり得る。
(3)外層
本発明の一実施形態では、軟カプセル剤の外層は、(i)ゼラチン、(ii)グリセリン、及び(iii)D-ソルビトールを含むが、これらに限定されない。
本発明の一実施形態では、(i)ゼラチンと、(ii)グリセリンと、(iii)D-ソルビトールとの質量比は、特に限定されないが、二層又は三層の軟カプセル剤を形成する範囲であり得る。
本発明の一実施形態では、本発明の軟カプセル剤の活性成分である化合物A、化合物B、及び薬学的に許容できる塩は、特に限定されないが、軟カプセル剤の総重量に対して好ましくは0.02wt%~1.2wt%の範囲内である。
3.機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤
本発明の一実施形態は、外殻が機能性フィルム層によりさらに被覆された軟カプセル剤である。機能性フィルム層は、軟カプセル剤からの活性成分のpH依存性放出の特性を有する軟カプセル剤を提供することができ、特に活性成分の放出率をpH5.0では24時間で40%以下、pH7.5では2~24時間で50%以上とすることができる。
本発明の一実施形態では、機能性フィルム層は、胃腸管、例えば小腸及び/又は大腸、好ましくは結腸などの大腸で分解可能である。
本発明の一実施形態では、機能性フィルム層は、(1)pH依存性ポリマー、(2)水不溶性ポリマー、及び任意選択で(3)添加剤を含む。
本発明の一実施形態では、機能性フィルム層において、(1)pH依存性ポリマーと(2)水不溶性ポリマーとの質量比は、100:0~30:70である。
本発明の一実施形態では、機能性フィルム層において、(1)pH依存性ポリマー及び(2)水不溶性ポリマーの合計と、(3)添加剤との質量比は、100:10~100:100である。
(1)pH依存性ポリマー
本発明の一実施形態では、pH依存性ポリマーは、pH5.5以上で溶解することができる。
本発明の一実施形態では、pH依存性ポリマーは、メタクリル酸とメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とメチルメタクリレートの共重合体、メタクリル酸とエチルアクリレートの共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体、セルロースアセテートフタレート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、セルロースアセテートスクシネート(CAS)、好ましくはメタクリル酸とメタクリレートの共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、より好ましくは、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、例えばオイドラギット(登録商標)L100-55、オイドラギット(登録商標)L100、オイドラギット(登録商標)S100など、又はそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
(2)水不溶性ポリマー
本発明の一実施形態では、水不溶性ポリマーは実質的に不溶性、又は第十八改正日本薬局方で定義される不溶性である。
本発明の一実施形態では、水不溶性ポリマーは、エトセル(ETHOCEL)(登録商標)STD7Pなどのエチルセルロース、並びにオイドラギット(登録商標)RSPO及びオイドラギット(登録商標)RLPOqなどのアンモニオアルキルメタクリレートコポリマーを含むが、これらに限定されない。
(3)添加剤
本発明の一実施形態では、機能性フィルム層において、添加剤が任意選択で使用され得る。添加剤は、例えば、(i)可塑剤及び(ii)付着防止剤を含み得る。
本発明の一実施形態では、機能性フィルム層において、(1)pH依存性ポリマー及び(2)水不溶性ポリマーの合計と、(i)可塑剤との質量比は、100:5~100:50である。
本発明の一実施形態では、機能性フィルム層において、(1)pH依存性ポリマー及び(2)水不溶性ポリマーの合計と、(ii)付着防止剤との質量比は、100:5~100:50である。
本発明の一実施形態では、可塑剤は、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、及びPEG6000を含むが、これらに限定されない。
本発明の一実施形態では、付着防止剤は、タルク、グリセリン脂肪酸エステルを含むが、これらに限定されない。
<機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤からの活性成分の放出率>
本発明の一実施形態では、機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤は、酸性域ではなくアルカリ性域で化合物A及び/又は化合物Bを放出することができる。
本発明の一実施形態では、pH1.2の試験溶液(JP1)を使用した溶出試験法の条件での、機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤の化合物A及び/又は化合物Bの2時間後の放出率は10%以下である。
本発明の一実施形態では、pH5.0の試験溶液(薄めたMcIlvaine緩衝液)を使用した溶出試験法の条件下での、機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤の化合物A及び/又は化合物Bの24時間後の放出率は40%以下である。
本発明の一実施形態では、pH7.5の試験溶液(薄めたMcIlvaine緩衝液)を使用した溶出試験法の条件下での、機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤の化合物A及び/又は化合物Bの放出率は2~24時間後に50%以上である。
本発明の一実施形態では、本発明の機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤の活性成分である化合物A、化合物B、及び薬学的に許容できる塩の含有量は、特に限定されないが、機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤の総重量に対して好ましくは0.01wt%~1.0wt%の範囲内である。
4.本発明の薬物送達
本発明の一実施形態は、活性成分、例えば化合物A、化合物B、及び薬学的に許容できる塩を、胃腸管、例えば小腸、大腸、及び結腸、好ましくは結腸へ送達するための薬物送達システムである。
本発明の一実施形態は、活性成分、例えば化合物A、化合物B、及び薬学的に許容できる塩の血中濃度を長期間維持するための薬物送達システムである。
本発明の一実施形態では、薬物送達システムは、上記の溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤それぞれ単独、又はこれらの組合せである。
本発明の一実施形態では、薬物送達システムは、活性成分、例えば化合物A、化合物B、及び薬学的に許容できる塩の吸収及び/又は血中濃度を、経口投与後24時間、特に16時間維持することができる。
5.本発明の医学的使用
化合物A、化合物B、及びその薬学的に許容できる塩は、優れたPGI受容体アゴニスト作用を有し、様々な薬効、例えば血小板凝集阻害作用、血管拡張作用、気管支平滑筋拡張作用、脂質沈着阻害作用、及び白血球活性化阻害作用を示す(例えば、特許文献1~特許文献6を参照のこと)。
本発明の一実施形態では、本発明の溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤は、一過性脳虚血発作(TIA)、糖尿病性神経障害(例えば、非特許文献2を参照のこと)、糖尿病性壊疽(例えば、非特許文献2を参照のこと)、末梢循環障害[例えば、慢性動脈閉塞症(例えば、非特許文献3を参照のこと)、間欠性跛行(例えば、非特許文献4を参照のこと)、末梢動脈塞栓症、振動病、又はレイノー病](例えば、非特許文献5及び非特許文献6を参照のこと)、膠原病[例えば、全身性エリテマトーデス、強皮症(例えば、特許文献9及び非特許文献7を参照のこと)、混合性結合組織病、又は血管炎症候群]、経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の再閉塞/再狭窄、動脈硬化症、血栓症(例えば、急性期脳血栓症又は肺塞栓症)(例えば、非特許文献6及び非特許文献8を参照のこと)、高血圧症、肺高血圧症、虚血性疾患[例えば、脳梗塞又は心筋梗塞(例えば、非特許文献9を参照のこと)]、狭心症(例えば、安定狭心症又は不安定狭心症)(例えば、非特許文献10を参照のこと)、糸球体腎炎(例えば、非特許文献11を参照のこと)、糖尿病性腎症(例えば、非特許文献2を参照のこと)、慢性腎不全(例えば、特許文献10を参照のこと)、アレルギー、気管支喘息(例えば、非特許文献12を参照のこと)、潰瘍、蓐瘡(床ずれ)、アテレクトミー及びステント留置などの冠動脈インターベンション後の再狭窄、透析による血小板減少症、臓器又は組織の線維化が関与する疾患[例えば、腎臓疾患{例えば、尿細管間質性腎炎(例えば、特許文献11を参照のこと)}、呼吸器疾患{例えば、間質性肺炎(肺線維症)(例えば、特許文献11を参照のこと)、慢性閉塞性肺疾患(例えば、非特許文献13を参照のこと)、消化器疾患(例えば、肝硬変、ウイルス性肝炎、慢性膵炎、又はスキルス胃癌)、心血管疾患(例えば、心筋線維症)、骨・関節疾患(例えば、骨髄線維症又は関節リウマチ)、皮膚疾患(例えば、手術後の瘢痕、熱傷性瘢痕、ケロイド、又は肥厚性瘢痕)、産科疾患(例えば、子宮筋腫)、泌尿器疾患(例えば、前立腺肥大症)、他の疾患(例えば、アルツハイマー病、硬化性腹膜炎、I型糖尿病、及び、手術後臓器癒着)]、勃起不全(例えば、糖尿病性勃起不全、心因性勃起不全、精神病性勃起不全、慢性腎不全による勃起不全、前立腺摘出のための骨盤内手術後の勃起不全、又は加齢や動脈硬化症に伴う血管性勃起不全)、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸結核、虚血性大腸炎、又はベーチェット病に伴う腸潰瘍)(例えば、特許文献12を参照のこと)、胃炎、胃潰瘍、虚血性眼疾患(例えば、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、又は虚血性視神経症)、突発性難聴、無血管性骨壊死、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)(例えば、ジクロフェナク、メロキシカム、オキサプロジン、ナブメトン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、又はセレコキシブ)の投与に伴う腸管障害(例えば、十二指腸、小腸、又は大腸で生じる障害である限り特に限定されないが、例えば、十二指腸、小腸、又は大腸で生じるびらん等の粘膜障害や潰瘍)、又は脊柱管狭窄症(例えば、頸部脊柱管狭窄症、胸部脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、広範脊柱管狭窄症、又は仙骨脊柱症(sacral spinal stenosis))に伴う症状(例えば、麻痺、知覚鈍麻、疼痛、しびれ、又は、歩行能力の低下)(特許文献13を参照のこと)の予防剤又は治療剤として使用され得る。
さらに、本発明の溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤は、遺伝子治療若しくは血管新生療法、例えば自家骨髄移植の促進剤、又は末梢動脈の修復若しくは血管新生療法における血管新生の促進剤としても有用である。
特に、本発明の溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤は、糖尿病性神経障害、糖尿病性壊疽、末梢循環障害、慢性動脈閉塞症、間欠性跛行、強皮症、血栓症、肺高血圧症、心筋梗塞、狭心症、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、慢性腎不全、気管支喘息、間質性肺炎(肺線維症)、慢性閉塞性肺疾患、尿細管間質性腎炎、炎症性腸疾患、又は脊柱管狭窄症に伴う症状の治療又は予防のための医薬として有用である。
6.本発明の投与レジメン
本発明の一実施形態では、本発明の効果を阻害しない限り、本発明の溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤の用量は、投与される対象の症状、年齢、性別などを考慮して決定され得るが、経口投与の場合、成人1人1日あたり、通常、化合物A、化合物B、及びその薬学的に許容できる塩およそ0.05mg~5.0mgであり、用量は1回又は2~4回に分けて投与され得、好ましくは1日に1回である。
本発明の一実施形態では、本発明の効果を阻害しない限り、本発明の溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤の用量は、経口投与の場合、成人1人1日あたりの肺動脈性肺高血圧症の治療のための医薬と一緒に投与される対象の症状、年齢、性別などを考慮して決定することができ、用量は1回又は2~4回に分けて投与することができ、好ましくは1日に1回である。
本発明の一実施形態では、本発明の効果を阻害しない限り、本発明の溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤は、上記の治療若しくは予防のための追加の活性成分又は治験用新規活性成分と組み合わせて使用され得る。
本発明の一実施形態は、本発明の溶液、軟カプセル剤、又は機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤を含む、肺動脈性肺高血圧症の治療に使用するための経口医薬組成物である。
本発明の一実施形態は、上記の肺動脈性肺高血圧症の治療のための少なくとも1つの医薬と組み合わせて肺動脈性肺高血圧症の治療に使用するための、本発明の溶液、軟カプセル剤、又は機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤を含む経口医薬組成物である。
本発明の一実施形態は、エンドセリン受容体アンタゴニスト及び/又はホスホジエステラーゼ-5阻害剤、特にタダラフィル及び/又はマシテンタンなどの肺動脈性肺高血圧症の治療のための少なくとも1つの医薬と組み合わせて肺動脈性肺高血圧症の治療に使用するための、本発明の溶液、軟カプセル剤、又は機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤を含む経口医薬組成物である。
本発明の一実施形態は、本発明の溶液、軟カプセル剤、又は機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤をそれを必要とする対象に投与することにより肺動脈性肺高血圧症を治療する方法である。
本発明の一実施形態は、本発明の溶液、軟カプセル剤、又は機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤を、エンドセリン受容体アンタゴニスト及び/又はホスホジエステラーゼ-5阻害剤、特にタダラフィル及び/又はマシテンタンなどの上記の肺動脈性肺高血圧症の治療のための少なくとも1つの医薬と組み合わせて、それを必要とする対象に投与することにより肺動脈性肺高血圧症を治療する方法である。
以下、実施例及び比較例を参照して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例の範囲に限定されない。
試験例1:溶液中の化合物Aの安定性
化合物A0.5質量部を各溶媒99.5質量部に溶解させることにより溶液を得た。この溶液をガラス瓶に入れ、40℃で1ヶ月間保存した。その後、化合物Aの量をHPLCにより測定した。
Figure 2024048185000003
化合物A0.1質量部を各溶媒99.9質量部に溶解させることにより溶液を得た。この溶液をガラス瓶に入れ、40℃で1ヶ月間保存した。その後、化合物Aの量をHPLCにより測定した。
Figure 2024048185000004
試験例2:イヌにおける化合物Aの結腸吸収
<イヌにおけるインビボ試験>
0.4質量部の化合物Aを100質量部のNIKKOL Sefsol-218に溶解させることにより化合物Aの溶液を得た。試験カプセル(4号ゼラチンカプセル、クオリカプス株式会社)に化合物Aの溶液100.4mgを充填した。
28時間絶食させた雄ビーグル犬(n=6)に、肛門から約30cm挿入したカテーテルを通して、0.4mg/100mg Sefsol-218溶液/カプセル剤/体の用量レベルで試験カプセル剤を投与した。スチール棒を使用してカプセル剤をカテーテルから押し出した。投与0.25、0.5、1、2、4、6、8、10、12、及び24時間後に橈側皮静脈から血液試料(0.6mL)を得て、ヘパリン処理したチューブに入れ、試料を直ちに氷上で冷却した。チューブを遠心分離(3000rpm、4℃、10分)し、血漿を試料チューブに移し、解析まで-25℃~-64.5℃で保存した。血漿試料中の化合物Aの濃度をLC-MS/MS法により決定した。
薬物動態解析
血漿濃度を、体重10kgの場合の血漿濃度にExcel2016を用いて換算した。
薬物動態パラメーターは、Phoenix WinNonlin version 8.3.3.33(Certara Inc.、Princeton、NJ)を用いて計算した。
Figure 2024048185000005
試験例3:軟カプセル剤の調製
(a)内部溶液用の溶液
0.4質量部の化合物Aを99.6質量部のNIKKOL Sefsol 218に分散させることにより内部溶液用の溶液を調製した。
(b)中間層用の溶液
85質量部のショ糖酢酸イソ酪酸エステル(SAIB)と15質量部のミグリオール(登録商標)810を混合することにより中間層用の溶液を調製した。
(c)外殻用の溶液
ゼラチンRSB100質量部と、濃グリセリン10質量部と、70%D-(-)-ソルビトール水溶液14.9質量部と、精製水356質量部とを混合することにより溶液を調製した。
軟カプセル剤は、同心三重ノズルの内側のノズルから内部溶液用の溶液を、外側の中間ノズルから中間層溶液を、及び最も外側のノズルから外殻溶液用の溶液を冷却した流動油中に同時に滴下することにより調製した。得られた軟カプセル剤を、20℃で20時間風乾した。
軟カプセル剤中の内容物の比(理論値):
内部溶液:中間層:外殻は、10mg:3.7mg:5.7mgであり、カプセル剤の大きさは、約3mmであり、質量は、19.4mgであった。
上記で得られた軟カプセル剤を、下記の組成の被覆用分散液を使用することにより、1カプセル剤あたり4mgの機能性フィルム層で被覆し、機能性フィルム層で被覆した軟カプセル剤を得た。錠剤コーティング装置DRC-200(株式会社パウレック製)を、給気温度25~30℃、噴霧速度3~6g/分、及びドラム回転速度20rpmで被覆工程に使用した。
Figure 2024048185000006
Figure 2024048185000007
試験例4:インビトロでの化合物Aの放出プロファイル
<溶出試験法>
(1)機能性フィルム層で被覆した軟カプセル剤10個を第十七改正日本薬局方(以下、「JP」と称する)のバスケットの中に入れ、JP溶出試験法1(バスケット法)にしたがって溶出試験法を実施した。
(2)溶出試験法のために、薄めたMcIlvaine緩衝液(pH7.5又はpH5.0)又は溶出試験第1液(pH1.2、第十七改正日本薬局方)900mLを使用して、回転速度200rpmで溶出試験法を実施した。
(3)この試験は液体温度37℃で実施した。
(4)化合物Aの放出率を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
Figure 2024048185000008
試験例5:化合物Aのインビボでの薬物動態(イヌ)
<イヌのインビボ試験>
28時間絶食させた雄ビーグル犬(n=6)に、化合物A1.6mg/体の用量レベルで水50mlと共に試験カプセル剤を経口投与した。
投与前、投与1、2、4、6、8、10、12、16、20及び24時間後に橈側皮静脈から血液試料(0.6mL)を得て、ヘパリン処理したチューブに入れ、試料を直ちに氷上で冷却した。チューブを遠心分離(3000rpm、4℃、10分)し、血漿を試料チューブに移し、解析まで-25℃~-64.5℃で保存した。
血漿試料中の化合物Aの濃度をLC-MS/MS法により決定した。
薬物動態解析
血漿濃度を、体重10kgの場合の血漿濃度にExcel2016を用いて換算した。
薬物動態パラメーターは、Phoenix WinNonlin version 8.3.3.33(Certara Inc.、Princeton、NJ)を用いて計算した。
Figure 2024048185000009
このように、本発明の溶液、軟カプセル剤、及び機能性フィルム層により被覆された軟カプセル剤は、活性成分の吸収を制御し、活性成分の血中濃度を長期間維持するのに有用である。

Claims (13)

  1. 活性成分として、2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(化合物A)、若しくは2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}酢酸(化合物B)、又はそれらの薬学的に許容できる塩を含み、
    更に薬学的に許容できる溶媒を含む、胃腸吸収用溶液。
  2. 薬学的に許容できる溶媒が、化合物A及び/又は化合物Bを溶解することができる、請求項1に記載の溶液。
  3. 内部溶液及び外殻を含み、
    前記内部溶液が請求項1又は2に記載の溶液からなり、前記外殻が前記内部溶液を封入している、軟カプセル剤。
  4. 前記内部溶液と前記外殻の間に中間層を更に含む、請求項3に記載の軟カプセル剤。
  5. 前記外殻が機能性フィルム層により被覆されており、前記機能性フィルム層は、前記軟カプセル剤からの前記活性成分の放出率をpH5.0では24時間で40%以下、pH7.5では2~24時間で50%以上とすることができる、請求項3又は4に記載の軟カプセル剤。
  6. 前記機能性フィルム層が、pH依存性ポリマー及び水不溶性ポリマーからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項5に記載の軟カプセル剤。
  7. 前記pH依存性ポリマーと前記水不溶性ポリマーとの質量比が100:0~30:70である、請求項6に記載の軟カプセル剤。
  8. 前記機能性フィルム層が、可塑剤及び付着防止剤を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の軟カプセル剤。
  9. 化合物A及び/又は化合物Bを結腸に送達するために使用される、請求項3~8のいずれか一項に記載の軟カプセル剤。
  10. pH1.2の試験溶液(JP1)を使用した溶出試験法の条件下で、化合物A及び/又は化合物Bの2時間後の放出率が10%以下である、請求項3~9のいずれか一項に記載の軟カプセル剤。
  11. pH7.5の試験溶液(薄めたMcIlvaine緩衝液)を使用した溶出試験法の条件下で、化合物A及び/又は化合物Bの放出率が2~24時間後に50%以上である、請求項3~10のいずれか一項に記載の軟カプセル剤。
  12. 請求項3~11のいずれか一項に記載の軟カプセル剤を含む、肺動脈性肺高血圧症の治療用経口医薬組成物。
  13. エンドセリン受容体アンタゴニスト及び/又はホスホジエステラーゼ-5阻害剤と組み合わせて使用するための、請求項12に記載の経口医薬組成物。

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