JP2024047829A - 止水窓部を備えたサッシ及びサッシの改修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】建造物外部の水位が建造物の窓部にまで達した場合でも、水の浸入を防止できる止水窓部を備えたサッシ、及びサッシ枠をそのまま利用しながら、開閉窓部を止水窓部に交換する方法の提供。【解決手段】サッシ枠2及び開閉窓部4を含むサッシ1であって、固定され開閉しない止水窓部5を、開閉窓部4より下部に設置し、この止水窓部5には、高水圧に耐えられる採光材を配置する。サッシの改修方法は、サッシ枠及び窓部を含むサッシの改修方法であって、サッシ枠から窓枠を取り外す工程、止水窓部の窓枠を構成するアタッチメントに採光材を取り付け、前記アタッチメントと前記採光材との間にシーリングを施す工程、前記止水窓部の窓枠を構成するアタッチメントを、前記サッシ枠に対して水密に接合する工程、を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、開閉窓を含むサッシにおいて、一部が止水性を備える固定窓(FIX窓)である窓構造、及び既存のサッシ枠を利用して開閉窓を止水窓部に交換するための改修方法に関する。
雨水等の浸入を有効に防ぐため、サッシ枠を用いた窓の改修において、既設枠の内側に新設枠及び機密防水テープを設けて水密性を向上させるもの(特許文献1)、また、樹脂製外枠を備える複合サッシにおいて、樹脂製外枠に水密ゴム嵌入用凹部を設けて、これに水密ゴムを嵌入することで、樹脂製外枠と金属製内枠との間から雨水等が屋内側へ浸水することを防止するもの(特許文献2)等の技術が開示されている。
また、サッシ枠を用いた既設の窓の防水性を向上させる改修方法として、外壁部との間にアタッチメントが介在する構造のサッシ枠(フィン付き)において、既存のサッシ枠を新設のサッシ枠に交換し、その際に、アタッチメントとサッシ枠のフィンとの間に、サッシ枠の全周に渡って止水部材を新設配置し、この止水部材がサッシ枠により圧縮されるようにして防水性を向上させる技術が開示されている(特許文献3)。
また、サッシ枠を用いた既設の窓の防水性を向上させる改修方法として、外壁部との間にアタッチメントが介在する構造のサッシ枠(フィン付き)において、既存のサッシ枠を新設のサッシ枠に交換し、その際に、アタッチメントとサッシ枠のフィンとの間に、サッシ枠の全周に渡って止水部材を新設配置し、この止水部材がサッシ枠により圧縮されるようにして防水性を向上させる技術が開示されている(特許文献3)。
特許文献1から3に開示の技術は、いずれもサッシからの雨水の浸入を防止するためには有効である。しかし、例えば、集中豪雨による建造物周辺の増水や河川の氾濫による洪水の発生等により、水位が建造物の窓にまで達した場合には、窓の構造上、特許文献1から3の技術では、引違い窓や開き窓からの水の浸入を防止するのは困難である。そればかりか、水圧に耐えられず窓ガラスが破壊され、水が建造物内に流れ込んでしまう事態も予測される。この場合、既存のサッシ枠を利用して止水窓部が設置できれば好都合である。
本発明は、上記の点に鑑み、建造物外部の水位が建造物の窓部にまで達した場合でも、水の浸入を防止できる止水窓部を備えたサッシ、及びサッシ枠をそのまま利用しながら、開閉窓部を止水窓部に交換する方法を提供することを目的とする。
(構成1)
サッシ枠及び開閉窓部を含むサッシであって、固定され開閉しない止水窓部を、開閉窓部を除く窓下部に設置し、前記止水窓部には、高水圧に耐えられる透光性材料からなる採光材を配置した、サッシ。
(構成2)
前記開閉窓部は、引違い窓、開き窓又は滑り出し窓である、構成1のサッシ。
(構成3)
前記採光材は、強化ガラス、アクリルガラス又は合わせガラスである、構成1又は2のサッシ。
(構成4)
サッシ枠及び窓部を含むサッシの改修方法であって、
サッシ枠から窓枠を取り外す工程、
止水窓部の窓枠を構成するアタッチメントに採光材を取り付け、前記アタッチメントと前記採光材との間にシーリングを施す工程、
前記アタッチメントを、前記サッシ枠に対して水密に接合する工程、
を含む、サッシの改修方法。
上記の場合、前記アタッチメントに採光材を取り付けた後、このアタッチメントをサッシ枠に接合するか、または、アタッチメントをサッシ枠に接合した後、採光材をこのアタッチメントに取り付けるか、どちらの方法でもよい。
(構成5)
サッシ枠及び窓部を含むサッシの改修方法であって、
サッシ枠から窓枠を取り外す工程、
開閉窓部と、この開閉窓部の下方の止水窓部とを画する中間アタッチメント、及び止水窓部の左右縦枠及び下部枠に対し接合される端部アタッチメントにより構成される止水窓部の窓枠に採光材を取り付け、前記中間アタッチメント及び前記端部アタッチメントと前記採光材との間にシーリングを施す工程、
前記左右縦枠及び下部枠に対し、前記端部アタッチメントを水密に接合して、止水窓部を形成する工程、
前記開閉窓部に開閉窓を設置する工程、
を含む、サッシの改修方法。
上記の場合、前記中間アタッチメント及び前記端部アタッチメントからなる止水窓部の窓枠に採光材を取り付けた後、端部アタッチメントを左右縦枠及び下部枠に対し接合するか、または、端部アタッチメントを前記左右縦枠及び下部枠に対し接合した後、採光材を中間アタッチメント及び端部アタッチメントから構成される止水窓部の窓枠に取り付けるか、どちらの方法でもよい。
(構成6)
前記開閉窓部は、引違い窓、開き窓又は滑り出し窓である、構成4から6の何れかに記載のサッシの改修方法。
(構成7)
前記採光材は、強化ガラス、アクリルガラス又は合わせガラスである、構成4又は5に記載のサッシの改修方法。
サッシ枠及び開閉窓部を含むサッシであって、固定され開閉しない止水窓部を、開閉窓部を除く窓下部に設置し、前記止水窓部には、高水圧に耐えられる透光性材料からなる採光材を配置した、サッシ。
(構成2)
前記開閉窓部は、引違い窓、開き窓又は滑り出し窓である、構成1のサッシ。
(構成3)
前記採光材は、強化ガラス、アクリルガラス又は合わせガラスである、構成1又は2のサッシ。
(構成4)
サッシ枠及び窓部を含むサッシの改修方法であって、
サッシ枠から窓枠を取り外す工程、
止水窓部の窓枠を構成するアタッチメントに採光材を取り付け、前記アタッチメントと前記採光材との間にシーリングを施す工程、
前記アタッチメントを、前記サッシ枠に対して水密に接合する工程、
を含む、サッシの改修方法。
上記の場合、前記アタッチメントに採光材を取り付けた後、このアタッチメントをサッシ枠に接合するか、または、アタッチメントをサッシ枠に接合した後、採光材をこのアタッチメントに取り付けるか、どちらの方法でもよい。
(構成5)
サッシ枠及び窓部を含むサッシの改修方法であって、
サッシ枠から窓枠を取り外す工程、
開閉窓部と、この開閉窓部の下方の止水窓部とを画する中間アタッチメント、及び止水窓部の左右縦枠及び下部枠に対し接合される端部アタッチメントにより構成される止水窓部の窓枠に採光材を取り付け、前記中間アタッチメント及び前記端部アタッチメントと前記採光材との間にシーリングを施す工程、
前記左右縦枠及び下部枠に対し、前記端部アタッチメントを水密に接合して、止水窓部を形成する工程、
前記開閉窓部に開閉窓を設置する工程、
を含む、サッシの改修方法。
上記の場合、前記中間アタッチメント及び前記端部アタッチメントからなる止水窓部の窓枠に採光材を取り付けた後、端部アタッチメントを左右縦枠及び下部枠に対し接合するか、または、端部アタッチメントを前記左右縦枠及び下部枠に対し接合した後、採光材を中間アタッチメント及び端部アタッチメントから構成される止水窓部の窓枠に取り付けるか、どちらの方法でもよい。
(構成6)
前記開閉窓部は、引違い窓、開き窓又は滑り出し窓である、構成4から6の何れかに記載のサッシの改修方法。
(構成7)
前記採光材は、強化ガラス、アクリルガラス又は合わせガラスである、構成4又は5に記載のサッシの改修方法。
本発明のサッシによれば、窓の下部が止水窓部であるため、建物の周囲の増水に備えて事前に止水板等を取付ける作業が不要で、浸水対策が容易に行える。また、窓の採光部分が失われず室内の明るさを維持できる。
また、本発明のサッシの改修方法によれば、既存のサッシ枠を利用して、開閉窓部の全部又は一部を、後付けの止水窓部に改修することが可能であり、住宅等の浸水対策を容易に実施できる利点がある。
さらに、既存のサッシ枠を利用して、窓の上部を通常の開閉窓とすることが可能である。
また、本発明のサッシの改修方法によれば、既存のサッシ枠を利用して、開閉窓部の全部又は一部を、後付けの止水窓部に改修することが可能であり、住宅等の浸水対策を容易に実施できる利点がある。
さらに、既存のサッシ枠を利用して、窓の上部を通常の開閉窓とすることが可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
図1は、本発明に係る止水窓部を備えたサッシの概略図である。建造物の開口部に設けられるサッシ1は、サッシ枠2を構成する上枠2a、下枠2b、左縦枠2c及び右縦枠2dを備える。この開口部は下端の下枠2bが、地面より高い位置となっている。
サッシ枠2は、左右縦枠2c、2dの間に水平方向に設置した中間アタッチメントMにより、上部の開閉窓部4と下部の止水窓部5に分割されている。開閉窓部4には、引き違い窓6を構成する外障子6aと内障子6bが配置されている。これら外障子6aと内障子6bの桟の内側にはガラス8が嵌め込まれ、通常の開閉可能なガラス窓となっている。
なお、開閉窓部4は引き違い窓とされているが、これを開き窓又は滑り出し窓等、開閉窓を構成する他のタイプの窓としてもよい。
なお、開閉窓部4は引き違い窓とされているが、これを開き窓又は滑り出し窓等、開閉窓を構成する他のタイプの窓としてもよい。
一方、止水窓部5は、固定窓(FIX窓)とされ、窓枠9内には、採光材としての強化ガラス10が取り付けられている。この強化ガラス10は、窓枠9の内側面に沿って形成された孔部(図示せず)内に上下左右端部が嵌め込まれて固定されるものである。強化ガラス10を使用することにより、水が窓の下端部を超える高さまで達した場合であっても、水圧に耐えられるものとなる。なお、強化ガラス10の他、水圧に耐え得る強度であれば、アクリルガラスや合わせガラス等、強化ガラス以外のものを用いることができる。また、高水圧に対する耐久性を向上させるために、複数枚の透明アクリル板を積層して形成したものを使用してもよい。さらに、窓枠9についても、必要に応じて水圧を考慮した耐久性の高いものを使用する。図2はサッシの一部拡大図である。窓枠9において、強化ガラス10が嵌入された孔部と強化ガラス10との間には、水密性を確保するためのシーリング材として、止水ゴム11が介在している。
上記のように、止水窓部には透光性材料からなる採光可能なものを使用すれば、通常の窓としての機能が失われることはない。
このサッシによれば、止水板の設置等、何らの作業を要することなく、窓部(止水窓部5のある高さまで)の浸水対策を行うことができるので、作業が困難な高齢者等が居住する住宅や、人が不在になる頻度が高い建造物等の浸水対策、また短時間の急激な増水に対する対策等として有効である。
このサッシによれば、止水板の設置等、何らの作業を要することなく、窓部(止水窓部5のある高さまで)の浸水対策を行うことができるので、作業が困難な高齢者等が居住する住宅や、人が不在になる頻度が高い建造物等の浸水対策、また短時間の急激な増水に対する対策等として有効である。
次に、既存のサッシ枠に対して取り付け可能な止水窓ユニットを利用して、開閉窓部を止水窓部に交換する方法について、図3から図12を参照して説明する。
(実施態様1)
この方法は、サッシ枠及び窓部を含むサッシの改修方法であって、既存のサッシ枠が設置されている開口部に、いわゆる後付けで止水窓部を取り付けるものである。この実施態様1の方法では、開閉窓部の全部を止水窓部に交換する改修を行う。当該改修は、サッシ枠に対して止水可能に取り付けられる止水窓枠アタッチメントと、当該止水窓枠アタッチメントに対して水密に取り付けられ、高水圧に耐え得る透光性材料からなる採光材と、を備える止水窓ユニットを用いて行われる。
図3は、開閉窓部を止水窓部に交換する前のサッシの概略図、図4は、その断面図である。建造物の開口部に設けられるサッシ101は、サッシ枠102を構成する上枠102a、下枠102b、左縦枠102c及び右縦枠102dを備えている。開閉窓部104には、引き違い窓を構成する外障子106aと内障子106bが設置されている。このサッシ101は、下枠102bが地面より高い位置にある。
(実施態様1)
この方法は、サッシ枠及び窓部を含むサッシの改修方法であって、既存のサッシ枠が設置されている開口部に、いわゆる後付けで止水窓部を取り付けるものである。この実施態様1の方法では、開閉窓部の全部を止水窓部に交換する改修を行う。当該改修は、サッシ枠に対して止水可能に取り付けられる止水窓枠アタッチメントと、当該止水窓枠アタッチメントに対して水密に取り付けられ、高水圧に耐え得る透光性材料からなる採光材と、を備える止水窓ユニットを用いて行われる。
図3は、開閉窓部を止水窓部に交換する前のサッシの概略図、図4は、その断面図である。建造物の開口部に設けられるサッシ101は、サッシ枠102を構成する上枠102a、下枠102b、左縦枠102c及び右縦枠102dを備えている。開閉窓部104には、引き違い窓を構成する外障子106aと内障子106bが設置されている。このサッシ101は、下枠102bが地面より高い位置にある。
この実施態様1では、最初に、サッシ枠102から外障子106aと内障子106bを取り外す。このとき、上枠102aと下枠102bに、それぞれ形成された上部レール105a及び下部レール105b(図4)は、そのまま残される。また、左縦枠102c及び右縦枠102dの内側に形成され、外障子106a及び内障子106bの端部がそれぞれ接する突出した戸当たり103(図5)も、そのまま残される。
次に、図6に示すように、上枠102a、下枠102b、左縦枠102c及び右縦枠102dのそれぞれに、止水窓部の窓枠を構成する上部アタッチメント110a、下部アタッチメント110b、左側アタッチメント110c及び右側アタッチメント110dを接合させる。図6は、外障子と内障子を取り外して、サッシ枠102に対して、上部アタッチメント110a、下部アタッチメント110b、左側アタッチメント110c及び右側アタッチメント110dを接合した状態を示す概略図である。
次に、図6に示すように、上枠102a、下枠102b、左縦枠102c及び右縦枠102dのそれぞれに、止水窓部の窓枠を構成する上部アタッチメント110a、下部アタッチメント110b、左側アタッチメント110c及び右側アタッチメント110dを接合させる。図6は、外障子と内障子を取り外して、サッシ枠102に対して、上部アタッチメント110a、下部アタッチメント110b、左側アタッチメント110c及び右側アタッチメント110dを接合した状態を示す概略図である。
前記上部アタッチメント110aは、図9に示すように、断面が略コ字形である基部116を備える。この基部116の開口側には、接合部材111が配置されている。この接合部材111は、水平な平面部112、及びこの平面部112から垂直に延びる立ち上がり部113が形成されている。この上部アタッチメント110aの断面形状は、立ち上がり部113を含み、また、接合部材111が設けられた側と反対側の面には、採光材としての強化ガラス108を嵌入する孔部115が形成されている。
また、下部アタッチメント110bは、前記上部アタッチメント110aと同様の構造であって、図10に示すように、基部116、接合部材111、平面部112、立ち上がり部113、及び孔部115を備えている。
また、下部アタッチメント110bは、前記上部アタッチメント110aと同様の構造であって、図10に示すように、基部116、接合部材111、平面部112、立ち上がり部113、及び孔部115を備えている。
一方、左側アタッチメント110c及び右側アタッチメント110dは、図11に示すように、断面が略コ字形である基部156を備え、この基部156の開口側には、接合部材151が配置されている。この接合部材151は、水平な平面部152、及びこの平面部152から垂直に延びる立ち上がり部153が形成されている。また、接合部材151が設けられた側と反対側の面には、採光材としての強化ガラス108を嵌入する孔部115が形成されている。
次に、上枠102aに対する上部アタッチメント110aの接合について説明する。
図7は、開閉窓部の全部を止水窓部としたサッシの概略を示す縦断面図、図8は、その横断面図である。
図7に示すように、上部アタッチメント110aを上枠102aに対し、接合部材111を配置した側を上部レール105aに向けるように接合させ、突出した上部レール105aと立ち上がり部113が、互い違いに並列するように設置する。
一方、下枠102bと下部アタッチメント110bの接合は、上枠102aに対する上部アタッチメント110aの接合と同様である。すなわち、接合部材111を配置した側を下部レール105bに向けるように接合させ、突出した下部レール105bと立ち上がり部113が、互い違いに並列するように設置される。
図7は、開閉窓部の全部を止水窓部としたサッシの概略を示す縦断面図、図8は、その横断面図である。
図7に示すように、上部アタッチメント110aを上枠102aに対し、接合部材111を配置した側を上部レール105aに向けるように接合させ、突出した上部レール105aと立ち上がり部113が、互い違いに並列するように設置する。
一方、下枠102bと下部アタッチメント110bの接合は、上枠102aに対する上部アタッチメント110aの接合と同様である。すなわち、接合部材111を配置した側を下部レール105bに向けるように接合させ、突出した下部レール105bと立ち上がり部113が、互い違いに並列するように設置される。
そして、上枠105a及び上部アタッチメント110aに囲まれた空間117a内、及び下枠105b及び下部アタッチメント110bに囲まれた空間117b内のそれぞれに、シリコーン系やアクリルウレタン系などのシーリング材114を充填する。また、シーリング材として、EPDM(エチレンプロピレンゴム)を用い、上枠105a、下枠105b及び接合部材111a、111bのそれぞれに充填したEPDM同士を接着し、これらを一体として水密性を確保してもよい。
なお、下部アタッチメント110bの構造は、アタッチメント110aと基本的に同一であるが、下枠102bの形状に合わせ、接合部材111の位置等について若干の変更を施し、縦方向の長さ等を調整してもよい。
一方、図8及び図10に示すように、左側アタッチメント110cは、左縦枠102cに対し、接合部材151を配置した側を戸当たり103に向けて接合させ、突出した戸当たり103と立ち上がり部153が、互い違いに並列するように設置される。
右縦枠102d及び右側アタッチメント110dは、左縦枠102cに対する左側アタッチメント110cの接合と同様に接合される。すなわち、右側アタッチメント110dは、接合部材151を配置した側を戸当たり103に向けて接合させ、戸当たり103と立ち上がり部153が、互い違いに並列するように設置される。
その後、左縦枠102c及び左側アタッチメント110cに囲まれた空間141a内、及び右縦枠102d及び左側アタッチメント110dに囲まれた空間141b内のそれぞれにシーリング材142を充填する。なお、シーリング材としてEPDM(エチレンプロピレンゴム)を使用してもよい。
右縦枠102d及び右側アタッチメント110dは、左縦枠102cに対する左側アタッチメント110cの接合と同様に接合される。すなわち、右側アタッチメント110dは、接合部材151を配置した側を戸当たり103に向けて接合させ、戸当たり103と立ち上がり部153が、互い違いに並列するように設置される。
その後、左縦枠102c及び左側アタッチメント110cに囲まれた空間141a内、及び右縦枠102d及び左側アタッチメント110dに囲まれた空間141b内のそれぞれにシーリング材142を充填する。なお、シーリング材としてEPDM(エチレンプロピレンゴム)を使用してもよい。
図12は、開閉窓部の全部が止水窓部に交換された後の状態を示すサッシの概略図である。前記強化ガラス108は、その上下及び左右端部が、各アタッチメントの孔部115に嵌め込まれて固定される。通常のガラスではなく強化ガラス108を使用することで、止水窓部130は、外部の水が窓の下端部を超える高さまで達した場合でも水圧に耐えられるものとなる。なお、強化ガラスの替わりに、アクリルガラスや合わせガラス等、水圧に耐え得る所定の強度が得られるものを用いることができる。また、耐圧性をさらに向上させるために、複数枚の透明アクリル板を積層して形成したもの等を使用してもよい。
このような構造の止水窓部130の窓枠140において、前述のように強化ガラス108が孔部115に嵌入されるが、この孔部115と強化ガラス108との間には、水密性を確保するため止水ゴム120が介在している。なお、止水ゴムの替わりに、各種のシール材を使用することも可能である。
なお、引き違い窓のような障子用のレールや戸当たりが形成されていない窓(開き窓、滑り出し窓、回転窓等)を改修する場合において、これらの上枠、下枠、左縦枠及び右縦枠のそれぞれにアタッチメントを接合する場合は、ガラスが嵌め込まれた窓枠を含む可動部を撤去した後、直接、これらに対してアタッチメントを接合する。すなわち、シール材を介してアタッチメントを水密に接合すればよい。これらのアタッチメントには、強化ガラスを嵌入固定する孔部が設けられ、強化ガラスが取り付けられる。
なお、引き違い窓のような障子用のレールや戸当たりが形成されていない窓(開き窓、滑り出し窓、回転窓等)を改修する場合において、これらの上枠、下枠、左縦枠及び右縦枠のそれぞれにアタッチメントを接合する場合は、ガラスが嵌め込まれた窓枠を含む可動部を撤去した後、直接、これらに対してアタッチメントを接合する。すなわち、シール材を介してアタッチメントを水密に接合すればよい。これらのアタッチメントには、強化ガラスを嵌入固定する孔部が設けられ、強化ガラスが取り付けられる。
実施態様1は、窓の下部分が床まである掃き出し窓の改修例であるが、このような窓の下部が地面に近い窓に対して適用するのが効果的である。実施態様1の方法によれば、窓は開閉できなくなるものの、外部の氾濫水の水位が大きく上昇するような事態への簡易な対策として有効である。
(実施態様2)
実施態様2における改修方法では、実施態様1と同様に、既存のサッシ枠が設置されている開口部において後付けで止水窓部を取付けるが、開閉窓部の全部ではなく、その一部を止水窓部に交換するものである。本実施形態では、サッシ枠に対して止水可能に取り付けられる止水窓枠アタッチメントと、当該止水窓枠アタッチメントに対して水密に取り付けられ高水圧に耐え得る透光性材料からなる採光材と、止水窓枠アタッチメントの上部に設けられる上部開閉窓部と、を備える止水窓ユニットが用いられる。前記止水窓枠アタッチメントは、下部アタッチメント、左側アタッチメント、右側アタッチメントからなる端部アタッチメント及び中間アタッチメントを備える。中間アタッチメントは、前記止水窓枠の上枠を構成し、同時に前記開閉窓部の下枠も構成する。なお、実施形態1と同様の構成については、実施形態1と同一の符号を使用し、ここでの説明を簡略化若しくは省略する。
実施態様2における改修方法では、実施態様1と同様に、既存のサッシ枠が設置されている開口部において後付けで止水窓部を取付けるが、開閉窓部の全部ではなく、その一部を止水窓部に交換するものである。本実施形態では、サッシ枠に対して止水可能に取り付けられる止水窓枠アタッチメントと、当該止水窓枠アタッチメントに対して水密に取り付けられ高水圧に耐え得る透光性材料からなる採光材と、止水窓枠アタッチメントの上部に設けられる上部開閉窓部と、を備える止水窓ユニットが用いられる。前記止水窓枠アタッチメントは、下部アタッチメント、左側アタッチメント、右側アタッチメントからなる端部アタッチメント及び中間アタッチメントを備える。中間アタッチメントは、前記止水窓枠の上枠を構成し、同時に前記開閉窓部の下枠も構成する。なお、実施形態1と同様の構成については、実施形態1と同一の符号を使用し、ここでの説明を簡略化若しくは省略する。
実施態様2を図13から図15を参照して説明する。図13(a)はサッシの改修前の状態を示しているが、この開閉窓部を備えたサッシ101は、図4及び図5に示すものと同一である。このサッシ101は建造物の開口部に設けられ、サッシ枠102を構成する上枠102a、下枠102b、左縦枠102c及び右縦枠102dを備える。このサッシが設けられた開口部は、開口の下端が地面より高い位置となっている。
以下、実施態様2の改修方法の工程を説明する。
図13(a)に示されるサッシの改修では、先ず、引き違い窓を構成する外障子106aと内障子106bが取り外される。このとき、上枠102a及び下枠102bは、そのまま残される。また、左縦枠102c及び右縦枠102dの内側に形成され、外障子106a及び内障子106bの端部がそれぞれ接する突出した戸当たり103(図5)も、そのまま残される。
続いて、図14に示すように、サッシ枠102の下部の止水窓部205(図15)を取り付ける部分には、左縦枠102c及び右縦枠102dに、左側アタッチメント210c及び右側アタッチメント210dをそれぞれ接合させる。また、図13(b)に示すように、下部アタッチメント210bを、下枠105bに対して接合する。この下部アタッチメント210bは、下枠105bに対し、接合部材211を備える側を下部レール105bに向けて接合され、突出した下部レール105bと立ち上がり部213が、互い違いに並列するように設置される。
図13(a)に示されるサッシの改修では、先ず、引き違い窓を構成する外障子106aと内障子106bが取り外される。このとき、上枠102a及び下枠102bは、そのまま残される。また、左縦枠102c及び右縦枠102dの内側に形成され、外障子106a及び内障子106bの端部がそれぞれ接する突出した戸当たり103(図5)も、そのまま残される。
続いて、図14に示すように、サッシ枠102の下部の止水窓部205(図15)を取り付ける部分には、左縦枠102c及び右縦枠102dに、左側アタッチメント210c及び右側アタッチメント210dをそれぞれ接合させる。また、図13(b)に示すように、下部アタッチメント210bを、下枠105bに対して接合する。この下部アタッチメント210bは、下枠105bに対し、接合部材211を備える側を下部レール105bに向けて接合され、突出した下部レール105bと立ち上がり部213が、互い違いに並列するように設置される。
次に、図14に示すように、左右縦枠102c、102d間を横断する中間アタッチメントMを、開閉窓部204と止水窓部205とを画するように設置する。この中間アタッチメントMは、図13(b)のように、その上面に引き違い窓の障子用のレール205bを備える。さらに、中間アタッチメントMには、下部レール205bを備える面と反対側の面(下面)に、強化ガラス208を嵌入する孔部215が形成される。さらに、下枠105b及び接合部材211で囲まれた空間225内には、シーリング材224が充填される。
その後、上枠102aと中間アタッチメントM、及び左右縦枠102cと102dで囲まれた開閉窓部204には、この開閉窓部204に合致する外障子206a及び内障子206bが新しく取付けられる。これら外障子206aと内障子206bの桟の内側には、ガラスが嵌め込まれ、通常の開閉可能なガラス窓となっている。
一方、止水窓部205の前記中間アタッチメントM、左側アタッチメント210c、右側アタッチメント210d及び下枠102bにそれぞれ形成された孔部215には、強化ガラス208の端部を嵌入させる。この強化ガラス208の周囲には止水ゴム220を配し、止水窓部205の水密性を確保する。
図13(b)は、開閉窓部の一部を止水窓部に交換したサッシの概略断面図、図15は、その概略図である。
図13(b)は、開閉窓部の一部を止水窓部に交換したサッシの概略断面図、図15は、その概略図である。
実施態様2の方法によれば、開閉窓部が必要なサッシについては、窓の開閉機能を維持しながら窓の一部を止水窓部に改修することができ、住宅等の浸水対策を簡易に実施することが可能となる。
また、実施態様1及び2の方法によれば、既存の窓のサッシ枠を利用して開閉窓部の全部又は一部を止水窓部に改修でき、改修後は、止水板の設置等、何らの作業を必要としないので、短時間の急激な増水に対する有効な対策となる。
また、実施態様1及び2の方法によれば、既存の窓のサッシ枠を利用して開閉窓部の全部又は一部を止水窓部に改修でき、改修後は、止水板の設置等、何らの作業を必要としないので、短時間の急激な増水に対する有効な対策となる。
1...サッシ
2...サッシ枠
2a...上枠
2b...下枠
2c...左縦枠
2d...右縦枠
M...中間アタッチメント
4...開閉窓部
5、130、205...止水窓部
6...引き違い窓
6a、106a、206a...外障子
6b、106b、206a...内障子
8...ガラス
9、140...窓枠
10、108、208...強化ガラス
11...止水ゴム
101...サッシ
102...サッシ枠
102a...上枠
102b...下枠
102c...左縦枠
102d...右縦枠
103...戸当たり
104... 開閉窓部
105a...上部レール
105b、205b...下部レール
110a、210a...上部アタッチメント
110b、210b...下部アタッチメント
110c、210c...左側アタッチメント
110d、210d...右側アタッチメント
111、211...接合部材
112、152...平面部
113、213...立ち上がり部
114、142、224...シーリング材
115、215...孔部
116、156...基部
117、141a、141b、225...空間
120、220...止水ゴム
2...サッシ枠
2a...上枠
2b...下枠
2c...左縦枠
2d...右縦枠
M...中間アタッチメント
4...開閉窓部
5、130、205...止水窓部
6...引き違い窓
6a、106a、206a...外障子
6b、106b、206a...内障子
8...ガラス
9、140...窓枠
10、108、208...強化ガラス
11...止水ゴム
101...サッシ
102...サッシ枠
102a...上枠
102b...下枠
102c...左縦枠
102d...右縦枠
103...戸当たり
104... 開閉窓部
105a...上部レール
105b、205b...下部レール
110a、210a...上部アタッチメント
110b、210b...下部アタッチメント
110c、210c...左側アタッチメント
110d、210d...右側アタッチメント
111、211...接合部材
112、152...平面部
113、213...立ち上がり部
114、142、224...シーリング材
115、215...孔部
116、156...基部
117、141a、141b、225...空間
120、220...止水ゴム
Claims (7)
- サッシ枠及び開閉窓部を含むサッシであって、固定され開閉しない止水窓部を、開閉窓より下部に設置し、前記止水窓部には、高水圧に耐えられる採光材を配置した、サッシ。
- 前記開閉窓部は、引違い窓、開き窓又は滑り出し窓である、請求項1に記載のサッシ。
- 前記採光材は、強化ガラス、アクリルガラス又は合わせガラスである、請求項1又は2に記載のサッシ。
- サッシ枠及び窓部を含むサッシの改修方法であって、
サッシ枠から窓枠を取り外す工程、
止水窓部の窓枠を構成するアタッチメントに採光材を取り付け、前記アタッチメントと前記採光材との間にシーリングを施す工程、
前記止水窓部の窓枠を構成するアタッチメントを、前記サッシ枠に対して水密に接合する工程、
を含む、サッシの改修方法。 - サッシ枠及び窓部を含むサッシの改修方法であって、
サッシ枠から窓枠を取り外す工程、
開閉窓部と、この開閉窓部の下方の止水窓部とを画する中間アタッチメント、及び止水窓部の左右縦枠及び下部枠に対し接合される端部アタッチメントにより構成される止水窓部の窓枠に採光材を取り付け、前記中間アタッチメント及び前記端部アタッチメントと前記採光材との間にシーリングを施す工程、
前記左右縦枠及び下部枠に対して前記端部アタッチメントを水密に接合し、止水窓部を形成する工程、
前記開閉窓部に開閉窓を設置する工程、
を含む、サッシの改修方法。 - 前記開閉窓部は、引違い窓、開き窓又は滑り出し窓である、請求項4又は5に記載のサッシの改修方法。
- 前記採光材は、強化ガラス、アクリルガラス又は合わせガラスである、請求項4又は5に記載のサッシの改修方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022153539A JP2024047829A (ja) | 2022-09-27 | 2022-09-27 | 止水窓部を備えたサッシ及びサッシの改修方法 |
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---|---|---|---|
JP2022153539A JP2024047829A (ja) | 2022-09-27 | 2022-09-27 | 止水窓部を備えたサッシ及びサッシの改修方法 |
Publications (1)
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---|---|
JP2024047829A true JP2024047829A (ja) | 2024-04-08 |
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ID=90606550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022153539A Pending JP2024047829A (ja) | 2022-09-27 | 2022-09-27 | 止水窓部を備えたサッシ及びサッシの改修方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2024047829A (ja) |
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2022
- 2022-09-27 JP JP2022153539A patent/JP2024047829A/ja active Pending
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