JP2024046114A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】双方向スイッチに応用できる窒化物半導体素子を含む半導体装置を提供する。【解決手段】実施形態の半導体装置は、導電性のマウントベッドと、その上に形成された半導体基板と、第1窒化物半導体層と、第2窒化物半導体層と、第1主電極と、第2主電極と、第1ゲート電極と、第2ゲート電極と、を含む窒化物半導体素子と、前記マウントベッドに電気的に接続された第1アノード電極と、前記第1主電極に電気的に接続された第1カソード電極と、を含む第1ダイオードと、前記マウントベッドに電気的に接続された第2アノード電極と、前記第2主電極に電気的に接続された第2カソード電極と、を含む第2ダイオードと、を備える。【選択図】図1
Description
実施形態は、半導体装置に関する。
ヘテロ接合を有するGaN等の窒化物半導体を用いた窒化物半導体装置は、Siを用いた半導体装置に比べ、高耐圧、低オン抵抗、高速動作を実現することができる。
但し、ソース・ドレイン・ゲートが同一面上に形成される横型窒化物半導体装置は、双方向に電流を流せる利点があるが、ドレイン-ソース間に高電圧が印加されると、出力できるドレイン電流が変動し、オン抵抗が上昇するなどの特性低下を引き起こす電流コラプス現象を生じることが知られている。
電流コラプス現象を回避するために、また、信頼性を確保するために、窒化物半導体装置の裏面をソース電位と同電位にすることが一般的であるが、チャネルが形成される窒化物半導体層を高電圧が印加されるドレイン電極に印加される電圧よりも低い電圧に維持する必要がある。このような制約の下では、窒化物半導体装置を双方向スイッチに応用することが困難である。
実施形態の目的は、双方向スイッチに応用できる窒化物半導体素子を含む半導体装置を提供することである。
実施形態に係る半導体装置は、導電性のマウントベッドと、前記マウントベッド上に形成された半導体基板と、前記半導体基板上に形成された第1窒化物半導体層と、前記第1窒化物半導体層上に設けられた第2窒化物半導体層と、前記第2窒化物半導体層上に設けられた第1主電極と、前記第2窒化物半導体層上に設けられ、前記第1主電極から離隔して設けられた第2主電極と、前記第2窒化物半導体層上で、前記第1主電極と前記第2主電極との間に設けられた第1ゲート電極と、前記第2窒化物半導体層上で、前記第1ゲート電極と前記第2主電極との間に設けられた第2ゲート電極と、を含む窒化物半導体素子と、前記マウントベッドに電気的に接続された第1アノード電極と、前記第1主電極に電気的に接続された第1カソード電極と、を含む第1ダイオードと、前記マウントベッドに電気的に接続された第2アノード電極と、前記第2主電極に電気的に接続された第2カソード電極と、を含む第2ダイオードと、を備える。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置100は、窒化物半導体素子10と、第1ダイオード30aと、第2ダイオード30bと、第1半導体素子40aと、第2半導体素子40bと、を備える。
図1では、窒化物半導体素子10の構成を説明するために、模式的な断面図を示している。また、図1では、窒化物半導体素子10、第1ダイオード30a、第2ダイオード30b、第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bの相互の電気的な接続関係を示している。
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置100は、窒化物半導体素子10と、第1ダイオード30aと、第2ダイオード30bと、第1半導体素子40aと、第2半導体素子40bと、を備える。
図1では、窒化物半導体素子10の構成を説明するために、模式的な断面図を示している。また、図1では、窒化物半導体素子10、第1ダイオード30a、第2ダイオード30b、第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bの相互の電気的な接続関係を示している。
窒化物半導体素子10は、基板11と、第1窒化物半導体層12と、第2窒化物半導体層13と、第1SD電極(第1主電極)15aと、第2SD電極(第2主電極)15bと、第1ゲート電極17aと、第2ゲート電極17bと、を含む。第1窒化物半導体層12は、基板11上に設けられている。基板11は、導電性を有する。基板11は、この例では、低抵抗のSi基板である。第2窒化物半導体層13は、第1窒化物半導体層12上に設けられている。基板11は、導電性の第1マウントベッド(マウントベッド)20上に形成されている。
第1窒化物半導体層12および第2窒化物半導体層13は、ヘテロ接合を介して積層されている。第1窒化物半導体層12および第2窒化物半導体層13は、異なる格子定数を有する。第2窒化物半導体層13の窒化物半導体のバンドギャップは、第1窒化物半導体層12の窒化物半導体のバンドギャップよりも広い。そのため、第1窒化物半導体層12のヘテロ接合の近傍には、2次元電子ガスが誘起される。2次元電子ガスは、窒化物半導体素子10の高い移動度を有する電子のチャネルとして機能する。第1窒化物半導体層12は、たとえばアンドープのGaN層である。第2窒化物半導体層13は、たとえば、AlGaN層である。なお、AlGaN層の下層にAlN層を形成する場合もある。
第1SD電極15aおよび第2SD電極15bは、第1窒化物半導体層12上に設けられる。第1SD電極15aおよび第2SD電極15bは、第1窒化物半導体層12上で離隔して設けられている。第1SD電極15aおよび第2SD電極15bは、第1窒化物半導体層12と接続されている。
第1SD電極15aおよび第2SD電極15bは、第2窒化物半導体層13とも接続されている。この例では、第1SD電極15aと第2窒化物半導体層13との接続は、第1SD電極15aの側面と第2窒化物半導体層13の側面との接合により実現される。第2SD電極15bと第2窒化物半導体層13との接続は、第2SD電極15aの側面と第2窒化物半導体層13の側面との接合により実現される。
第1ゲート電極17aおよび第2ゲート電極17bは、第2窒化物半導体層13上に設けられた絶縁膜14上に設けられている。第1ゲート電極17aおよび第2ゲート電極17bは、絶縁膜14上で離隔して設けられている。第1ゲート電極17aおよび第2ゲート電極17bは、第1SD電極15aと第2SD電極15bとの間に設けられている。また、第1ゲート電極17aは、第2ゲート電極17bと第1SD電極15aとの間に設けられている。第2ゲート電極17bは、第2SD電極15bと第1ゲート電極17aとの間に設けられている。
第1SD電極15aと第1ゲート電極17aの間の距離は、第2SD電極15bと第2ゲート電極17bとの間の距離とほぼ同じである。第1ゲート電極17aと第2ゲート電極17bとの間の距離は、第1SD電極15aと第1ゲート電極17aの間の距離よりも長い。第1ゲート電極17aと第2ゲート電極17bとの間の距離は、第2SD電極15bと第2ゲート電極17bとの間の距離よりも長い。
窒化物半導体素子10は、ノーマリーオン形のHEMTである。第1窒化物半導体層12に形成される2次元電子ガスによるチャネルは、第1ゲート電極17aと第1SD電極15aとの間に第1しきい値電圧よりも低い電圧を印加することによって、遮断される。
第1しきい値電圧は、第1SD電極15aに印加される電圧を基準にした場合に、第1ゲート電極17aに印加される電圧として定義される。第1しきい値電圧は、第1SD電極15aに印加される電圧に対して負の電圧値である。
また、2次元電子ガスによるチャネルは、第2ゲート電極17bと第2SD電極15bとの間に第2しきい値電圧よりも低い電圧を印加することによって、遮断される。第2しきい値電圧は、第2SD電極15bに印加される電圧を基準にした場合に、第2ゲート電極17bに印加される電圧として定義される。第2しきい値電圧は、第2SD電極15bに印加される電圧に対して負の電圧値である。第2しきい値電圧は、第1しきい値電圧とほぼ等しい。
窒化物半導体素子10は、第1ゲート電極17aと第1SD電極15aとの間に第1しきい値電圧以上の電圧を印加し、かつ、第2ゲート電極17bと第2SD電極15bとの間に第2しきい値電圧以上の電圧を印加することによって、オン状態となる。窒化物半導体素子10のオン状態は、第1SD電極15aから第2SD電極15bに向かって電流が流れる状態、または、第2SD電極15bから第1SD電極15aに向かって電流が流れる状態である。
本実施形態に係る半導体装置100では、第1ダイオード30aのアノード電極31aを第1マウントベッド20を介して基板11に電気的に接続し、カソード電極32aを第1SD電極15aに電気的に接続する。また、半導体装置100では、第2ダイオード30bのアノード電極31bを第1マウントベッド20を介して基板11に電気的に接続し、カソード電極32bを第2SD電極に電気的に接続する。このようにすることによって、第2半導体素子40bがオン状態で、第1SD電極15aに印加される電圧が第2SD電極15bに印加される電圧よりも高い場合には、第2ダイオード30bがオンし、第1ダイオード30aがオフとなり、基板11と第2SD電極15bがほぼ同電位となる。この場合、第1SD電極15aから第2SD電極15b方向に電流が流れる低オン抵抗で高耐圧なスイッチデバイスとして機能する。また、第1半導体素子40aがオン状態で、第2SD電極15bに印加される電圧が第1SD電極15aに印加される電圧よりも高い場合には、第1ダイオード30aがオンし、第2ダイオード30bがオフとなり、基板11と第1SD電極15aがほぼ同電位となる。この場合、第2SD電極15bから第1SD電極15a方向に電流が流れる低オン抵抗で高耐圧なスイッチデバイスとして機能する。つまり、本実施形態に係る半導体装置100は、低いオン抵抗で高耐圧な双方向スイッチデバイスとして機能させることができる。
窒化物半導体素子10は、第1ゲート電極17aと第1SD電極15aとの間に第1しきい値電圧よりも低い電圧を印加し、または、第2ゲート電極17bと第2SD電極15bとの間に第2しきい値電圧よりも低い電圧を印加することによって、オフ状態となる。窒化物半導体素子10のオフ状態は、第1SD電極15aと第2SD電極15bとの間に流れる電流がオン状態で流れる電流に比べて十分小さく、遮断された状態である。
窒化物半導体素子10は、第1マウントベッド20上に設けられている。第1マウントベッド20は、Cu等の金属材料を含む高導電性の板状の部材である。基板11は、第1マウントベッド20とオーミック接続されている。
窒化物半導体素子10は、第1電源端子16a、第2電源端子16b、第1制御端子18aおよび第2制御端子18bを含む。第1電源端子16aは、第1SD電極15aに電気的に接続されている。第2電源端子16bは、第2SD電極15bに電気的に接続されている。第1制御端子18aは、第1ゲート電極17aに電気的に接続されている。第2制御端子18bは、第2ゲート電極17bに電気的に接続されている。第1SD電極15a、第2SD電極15b、第1ゲート電極17aおよび第2ゲート電極17bは、第1電源端子16a、第2電源端子16b、第1制御端子18aおよび第2制御端子18bをそれぞれ介して外部回路に電気的に接続される。
第1ダイオード30aのアノード電極(第1アノード電極)31aは、第1マウントベッド20と電気的に接続されている。第1ダイオード30aのカソード電極(第1カソード電極)32aは、第1半導体素子40aのドレイン電極(第1ドレイン電極)41aに電気的に接続されている。第2ダイオード30bのアノード電極(第2アノード電極)31bは、第1マウントベッド20と電気的に接続されている。第2ダイオード30bのカソード電極(第2カソード電極)32bは、第2半導体素子40bのドレイン電極(第2ドレイン電極)41bに電気的に接続されている。第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bは、たとえばSiダイオードである。第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bは、カソード-アノード間の耐圧が、窒化物半導体素子10の第1SD電極15aと第2SD電極15bとの間の耐圧以上であれば、Siダイオードに限らず、他の半導体材料で形成されたダイオードやショットキバリアダイオードであってもよい。
第1半導体素子40aのソース電極42aは、第1SD電極15aに電気的に接続されている。第1半導体素子40aのゲート電極は、ゲート端子43aに電気的に接続されている。第2半導体素子40bのソース電極42bは、第2SD電極15bに電気的に接続されている。第2半導体素子40bにゲート電極は、ゲート端子43bに電気的に接続されている。第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bは、pチャネルのノーマリーオフ形のスイッチ素子である。第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bは、たとえば、Siで形成されたpチャネルのMOSFETである。
第1半導体素子40aは、負のしきい値電圧を有する。pチャネルのMOSFETにおいて、負のしきい値電圧は、ゲート電極に印加される電圧がソース電極に印加される電圧に対して負の電圧である。第2半導体素子40bも第1半導体素子40aと同様に、pチャネルのMOSFETであり、負のしきい値電圧を有する。pチャネルのMOSFETは、ゲート電極とソース電極との間に、しきい値電圧よりも低い電圧を印加することによって、オンする。pチャネルのMOSFETは、ゲート電極とソース電極との間に、しきい値電圧以上の電圧を印加することによって、オフする。第1半導体素子40aのしきい値電圧と、第2半導体素子40bのしきい値電圧とは、ほぼ等しいことが好ましい。後述する使用方法によれば、これらのしきい値の絶対値は、図4に示す電源電圧VDDよりも十分に小さければ、等しくなくてもよい。
第1ダイオード30aのカソード電極32aおよび第1半導体素子40aのドレイン電極41aは、電気的に第1出力端子70aに接続されている。第2ダイオード30bのカソード電極32bおよび第2半導体素子40bのドレイン電極41bは、第2出力端子70bに電気的に接続されている。
図2は、第1の実施形態に係る半導体装置を例示する平面図である。
図3は、第1の実施形態に係る半導体装置を例示する側面図である。
本実施形態に係る半導体装置100の構成を説明するに際して、XYZ座標軸を用いることがある。XYZ座標軸は、以下のように定義される。図2および図3に示すように、第1マウントベッド20は、ほぼ長方形の板状の部材である。第1マウントベッド20は、面21aを有する。窒化物半導体素子10は、面21a上に設けられている。XY平面は、面21aに平行な面である。X軸は、第1マウントベッド20の長辺に平行な軸である。Y軸は、第1マウントベッド20の短辺に平行な軸である。Z軸は、X軸およびY軸に垂直な軸である。Z軸は、面21aの反対側の面から面21aに向かう方向を正方向とする。なお、Z軸の正方向から見ることを、平面視または上面視ということがある。図3は、YZ平面に対向し、X軸の正方向に向かって見た側面図である。
図3は、第1の実施形態に係る半導体装置を例示する側面図である。
本実施形態に係る半導体装置100の構成を説明するに際して、XYZ座標軸を用いることがある。XYZ座標軸は、以下のように定義される。図2および図3に示すように、第1マウントベッド20は、ほぼ長方形の板状の部材である。第1マウントベッド20は、面21aを有する。窒化物半導体素子10は、面21a上に設けられている。XY平面は、面21aに平行な面である。X軸は、第1マウントベッド20の長辺に平行な軸である。Y軸は、第1マウントベッド20の短辺に平行な軸である。Z軸は、X軸およびY軸に垂直な軸である。Z軸は、面21aの反対側の面から面21aに向かう方向を正方向とする。なお、Z軸の正方向から見ることを、平面視または上面視ということがある。図3は、YZ平面に対向し、X軸の正方向に向かって見た側面図である。
図2に示すように、この例では、窒化物半導体素子10の平面視での外周は、ほぼ長方形の形状を有する。窒化物半導体素子10の平面視での外周の形状は、長方形に限らず、正方形であってもよい。窒化物半導体素子10の平面視での外周は、X軸にほぼ平行な長辺を有する。窒化物半導体素子10の平面視での外周は、Y軸にほぼ平行な短辺を有する。
第1SD電極15aは、第1電極15a1と第2電極15a2とを含む。第1電極15a1は、Y軸方向にほぼ平行な長辺を有するほぼ長方形の形状を有する。この例では、3個の第1電極15a1が設けられている。3個の第1電極15a1のそれぞれは、Y軸にほぼ平行な長辺を有する。3個の第1電極15a1は、X軸方向に離隔してほぼ等間隔で配置されている。
第2電極15a2は、X軸方向に平行な長辺を有する長方形の形状を有する。第2電極15a2は、窒化物半導体素子10の外周であって、一方の長辺の側に設けられている。3個の第1電極15a1は、Y軸方向の一方の端部で第2電極15a2に接続されている。第2電極15a2は、3個の第1電極15a1を並列に接続する接続部材としての機能を有する。
第2SD電極15bは、第3電極15b1と第4電極15b2とを含む。第3電極15b1は、Y軸方向にほぼ平行な長辺を有するほぼ長方形の形状を有する。この例では、2個の第3電極15b1が設けられている。2個の第3電極15b1のそれぞれは、Y軸に平行な長辺を有する。2個の第3電極15b1の1つは、2つの隣り合う第1電極15a1の間に設けられている。2個の第3電極15b1の他の1つは、他の2つの隣り合う第1電極15a1の間に設けられている。第3電極(第2部分)15b1は、隣り合う2つの第1電極(第1部分)15a1の間のほぼ1/2の距離に位置している。なお、この場合において、電極間の距離とは、第1電極15a1および第3電極15b1において、Y軸方向に延びる中心線間の距離を言うものとする。
第4電極15b2は、X軸方向に平行な長辺を有するほぼ長方形の形状を有する。第4電極15b2は、窒化物半導体素子10の外周であって、第2電極15a2が配置された長辺に対向する位置の他方の長辺の側に設けられている。
2個の第3電極15b1は、Y軸方向の一方の端部で第4電極15b2に接続されている。第4電極15b2は、2個の第3電極15b1を並列に接続する接続部材としての機能を有する。
第2電極15a2および第4電極15b2は、接続パッドとしての機能をそれぞれ有する。この例では、図2および図3に示すように、第2電極15a2には、3本のボンディングワイヤMW1aのそれぞれの一方の端部が接続されている。3本のボンディングワイヤMW1aのそれぞれの他方の端部は、第1半導体素子40aのソース電極42aに接続されている。第4電極15b2には、3本のボンディングワイヤMW1bのそれぞれの一方の端部が接続されている。3本のボンディングワイヤMW1bのそれぞれの他方の端部は、第2半導体素子40bのソース電極42bに接続されている。
第1ゲート電極17aは、第5電極17a1と第6電極17a2とを含む。第5電極17a1は、Y軸方向にほぼ平行な長辺を有するほぼ長方形の形状を有する。この例では、4個の第5電極17a1が設けられている。4個の第5電極17a1のそれぞれは、Y軸にほぼ平行な長辺を有する。4個の第5電極17a1は、X軸方向に離隔して配置されている。
第6電極17a2は、X軸方向にほぼ平行な長辺を有するほぼ長方形の形状を有する。第6電極17a2は、第2電極15a2の隣りに設けられている。4個の第5電極17a1は、Y軸方向の一方の端部で第6電極17a2に接続されている。第6電極17a2は、4個の第5電極17a1を並列に接続する接続部材としての機能を有する。
第2ゲート電極17bは、第7電極17b1と第8電極17b2とを含む。第7電極17b1は、Y軸方向にほぼ平行な長辺を有するほぼ長方形の形状を有する。この例では、4個の第7電極17b1が設けられている。4個の第7電極17b1のそれぞれは、Y軸にほぼ平行な長辺を有する。4個の第7電極17b1は、X軸方向に離隔して配置されている。
第8電極17b2は、X軸方向にほぼ平行な長辺を有するほぼ長方形の形状を有する。第8電極17b2は、第4電極15b2の隣りに設けられている。第6電極17a2および第8電極17b2は、互いに対向する位置に配置されている。また、第6電極17a2および第8電極17b2は、この例では、第2電極15a2と第4電極15b2との間に設けられている。
第8電極17b2は、4個の第7電極15b1の一方の端部で、4個の第7電極17b1を電気的に接続する。第8電極17b2は、4個の第8電極17b1を並列に接続する接続部材としての機能を有する。
第6電極17a2および第8電極17b2は、接続パッドとしての機能をそれぞれ有する。第6電極17a2には、ボンディングワイヤMW2aの一方の端部が接続されている。ボンディングワイヤMW2aの他方の端部は、第1電源端子16aに接続されている。第8電極17b2には、ボンディングワイヤMW2bの一方の端部が接続されている。ボンディングワイヤMW2bの他方の端部は、第2電源端子16bに接続されている。
隣り合う第5電極17a1および第7電極17b1は、隣り合う第1電極15a1と第3電極15b1との間に設けられている。この場合において、第1電極15a1と第5電極17a1との間隔は、第3電極15b1と第7電極17b2との間隔とほぼ等しい。第5電極17a1と第7電極17b1との間隔は、第1電極15a1と第3電極15b1との間に印加される電圧に応じて決定される。第5電極17a1と第7電極17b1との間隔は、第1電極15a1と第3電極15b1との間に印加される電圧が高いほど広い。第5電極17a1と第7電極17b1との間隔は、第1電極15a1と第3電極15b1との間隔よりも広い。
この例では、第1電極15a1、第5電極17a1、第7電極17b1および第3電極15b1の組に、第3電極15b1、第7電極17b1、第5電極17a1および第1電極15a1の組が、第3電極15b1を共通にして、X軸の正方向に向かって順に配置されている。また、第3電極15b1、第7電極17b1、第5電極17a1および第1電極15a1の組に、第1電極15a1、第5電極17a1、第7電極17b1および第3電極15b1の組が、第1電極15a1を共通にして、X軸の正方向に向かって順に配置されている。また、第1電極15a1、第5電極17a1、第7電極17b1および第3電極15b1の組に、第3電極15b1、第7電極17b1、第5電極17a1および第1電極15a1の組が第3電極15b1を共通にして、X軸の正方向に向かって順に配置されている。
この例のように、ゲート電極である第5電極17a1および第7電極17b1を複数本設け、並列に接続することによって、十分な長さのゲート幅を得ることができる。SD電極である第1電極15a1および第3電極15b1は、ゲート電極の本数に応じて複数本設けられ、並列に接続されている。
第2マウントベッド60aおよび第3マウントベッド60bのそれぞれの平面視での外周は、X軸に平行な長辺を有するほぼ長方形の形状を有する。第2マウントベッド60aは、第2マウントベッド60aの長辺が、第1マウントベッド20の一方の長辺の隣りに設けられている。第3マウントベッド60bは、第3マウントベッド60bの長辺が、第1マウントベッド20の他方の長辺の隣りに設けられている。図3に示すように。第2マウントベッド60aは、第2マウントベッド60aのZ軸の正方向側の面61aが、第1マウントベッド20の面21aとほぼ同一平面内となるように配置されている。第3マウントベッド60bは、第3マウントベッド60bのZ軸の正方向側の面61bが、第1マウントベッド20の面21aとほぼ同一平面内となるように配置されている。
第2マウントベッド60aおよび第3マウントベッド60bは、Cu等の金属材料を含む高導電性の板状の部材である。たとえば、第2マウントベッド60aおよび第3マウントベッド60bは、第1マウントベッド20と同じ金属材料で形成される。
第1半導体素子40aは、第2マウントベッド60a上に設けられている。第1半導体素子40aのドレイン電極41aは、第2マウントベッド60aに接続されている。第2半導体素子40bは、第3マウントベッド60b上に設けられている。第2半導体素子40bは、第3マウントベッド60bに接続されている。
この例では、第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bは、いずれも縦型半導体素子である。第1半導体素子40aのドレイン電極41aおよび第2半導体素子40bのドレイン電極41bは、半導体素子の裏面に形成されている。ドレイン電極41aを第2マウントベッド60aにオーミック接続することによって、ドレイン電極41aは、第2マウントベッド60aに電気的に接続される。ドレイン電極41bを第3マウントベッド60bにオーミック接続することによって、ドレイン電極41bは、第3マウントベッド60bに電気的に接続される。
なお、図3には図示しないが、第1半導体素子40aのゲート電極は、ボンディングワイヤを介して、図2に示した第1ゲート端子43aに電気的に接続される。また、第2半導体素子40bのゲート電極は、ボンディングワイヤを介して、図2に示した第2ゲート端子43bに電気的に接続される。
この例では、図2および図3に示すように、第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bは、第1マウントベッド20上に設けられる。第1ダイオード30aのアノード電極31aは、第1マウントベッド20に接続されている。第2ダイオード30bのアノード電極31bは、第1マウントベッド20に接続されている。第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bは、いずれも縦型半導体素子であり、アノード電極31a、31bは、ダイオードの裏面に形成されている。アノード電極31a、31bは、第1マウントベッド20にオーミック接続することによって、アノード電極31a、31bは、第1マウントベッド20にそれぞれ電気的に接続される。
第1ダイオード30aのカソード電極32aには、ボンディングワイヤMW3aの一方の端部が接続されている。ボンディングワイヤMW3aの他方の端部は、第2マウントベッド60aに接続されている。第2マウントベッド60aは、第1半導体素子40aのドレイン電極41aに接続されているので、第1ダイオード30aのカソード電極32aおよび第1半導体素子40aのドレイン電極41aはボンディングワイヤMW3aおよび第2マウントベッド60aを介して、電気的に接続される。
第2ダイオード30bのカソード電極32bには、ボンディングワイヤMW3bの一方の端部が接続されている。ボンディングワイヤMW3bの他方の端部は、第3マウントベッド60bに接続されている。第3マウントベッド60bは、第2半導体素子40bのドレイン電極41bに接続されているので、第2ダイオード30bのカソード電極32bおよび第2半導体素子40bのドレイン電極41bはボンディングワイヤMW3bおよび第3マウントベッド60bを介して、電気的に接続される。
第2マウントベッド60aは、ボンディングワイヤMW4aを介して、第1出力端子70aに接続されている。第2マウントベッド60aは、第1ダイオード30aのアノード電極31aおよび第1半導体素子40aのドレイン電極41aに接続されいる。そのため、第1出力端子70aは、ボンディングワイヤMW4aおよび第2マウントベッド60aを介して、第1ダイオード30aのアノード電極31aおよび第1半導体素子40aのドレイン電極41aに電気的に接続される。
第3マウントベッド60bは、ボンディングワイヤMW4bを介して、第2出力端子70bに接続されている。第3マウントベッド60bは、第2ダイオード30bのアノード電極31bおよび第2半導体素子40bのドレイン電極41bに接続されいる。そのため、第2出力端子70bは、ボンディングワイヤMW4bおよび第3マウントベッド60bを介して、第2ダイオード30aのアノード電極31bおよび第2半導体素子40bのドレイン電極41bに電気的に接続される。
この例では、第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bを縦型半導体素子とすることにより、窒化物半導体素子10と同じ第1マウントベッド20上に搭載することが可能になる。また、これにより、これらダイオードのアノード電極31aおよび第2ダイオード30bを窒化物半導体素子10とオーミック接続を介して電気的に接続することが可能になるので、ボンディングワイヤ等による配線を省略することができる。なお、第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bのそれぞれのアノード電極がダイオードの表面に形成されている場合は、第1ダイオード30aは第2マウントベッド60a上に設けられ、第2ダイオード30bは第3マウントベッド60b上に設けられ、それぞれのアノード電極と第1マウントベッド20がボンディングワイヤで接続される構造となる。
この例では、第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bを縦型半導体素子としている。これにより、第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bを第2マウントベッド60aおよび第3マウントベッド60bにそれぞれ搭載し、オーミック接続することが可能になる。第2マウントベッド60aおよび第3マウントベッド60bは、第1マウントベッド20と同一材料から形成することができ、各半導体素子および各端子とともに樹脂等により封止することにより、半導体装置100として、容易に単一のパッケージングとすることができる。
本実施形態に係る半導体装置100の動作について説明する。
具体的な駆動方法を含む使用方法については後述する。
図1に示した半導体装置100は、双方向スイッチとして動作する。第1出力端子70aおよび第2出力端子70bには外部回路が接続される。半導体装置100は、外部回路の動作等に応じて、第1動作モードまたは第2動作モードのいずれかで動作する。
具体的な駆動方法を含む使用方法については後述する。
図1に示した半導体装置100は、双方向スイッチとして動作する。第1出力端子70aおよび第2出力端子70bには外部回路が接続される。半導体装置100は、外部回路の動作等に応じて、第1動作モードまたは第2動作モードのいずれかで動作する。
第1動作モードは、第1出力端子70aに印加される電圧が、第2出力端子70bに印加される電圧よりも高くなる動作モードである。第2動作モードは、第2出力端子70bに印加される電圧が、第1出力端子70aに印加される電圧よりも高くなる動作モードである。
窒化物半導体素子10は、第1半導体素子40aに直列接続され、第2半導体素子40bにも直列接続されている。第1動作モードおよび第2動作モードのいずれにおいても、第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bは、オンしているものとする。この状態において、窒化物半導体素子10はオン、オフする。第1動作モードにおいて窒化物半導体素子10がオンすると、第1出力端子70aに電流が流入し、第2出力端子70bから電流が流出する。第2動作モードにおいて窒化物半導体素子10がオンすると、第2出力端子70bに電流が流入し、第1出力端子70aから電流が流出する。
第1動作モードでは、第2出力端子70bに印加される電圧は、第1出力端子70aに印加される電圧よりも十分に低い。そのため第2ダイオード30bは順バイアスとなり、第1ダイオード30aは逆バイアスとなる。第2ダイオード30bが順バイアスになることによって、基板11および第2SD電極15bの電圧は、第2出力端子70bの電圧にほぼ等しい。
第1制御端子18aと第1電源端子16aとの間に第1しきい値電圧を超える電圧を印加する。第1ゲート電極17a下には、2次元電子ガスによるチャネルが形成される。
この状態で、第2制御端子18bと第2電源端子16bとの間に第2しきい値電圧を超える電圧を印加すると、第2ゲート電極17b下にチャネルが形成されて、窒化物半導体素子10がオンする。
なお、第1動作モードで半導体装置100をオフするには、第2制御端子18bと第2電源端子16bとの間に印加する電圧を、第2しきい値電圧よりも低くする。
第2動作モードでは、第1出力端子70aに印加される電圧は、第2出力端子70bに印加される電圧よりも十分に低い。そのため第1ダイオード30aは順バイアスとなり、第2ダイオード30bは逆バイアスとなる。第1ダイオード30aが順バイアスになることによって、基板11および第1SD電極15aの電圧は、第1出力端子70aの電圧にほぼ等しい。
第2制御端子18bと第2電源端子16bとの間に第2しきい値電圧を超える電圧を印加する。第2ゲート電極17a下には、2次元電子ガスによるチャネルが形成される。
この状態で、第1制御端子18aと第1電源端子16aとの間に第1しきい値電圧を超える電圧を印加すると、第1ゲート電極17a下にチャネルが形成されて、窒化物半導体素子10がオンする。
なお、第2動作モードで半導体装置100をオフするには、第1制御端子18aと第1電源端子16aとの間に印加する電圧を、第1しきい値電圧よりも低くする。
このように、第1動作モードであっても、第2動作モードであっても、窒化物半導体素子10のバックゲートとなる基板11は、低電圧側のSD電極に印加された電圧にほぼ等しい電圧が印加されることとなる。そのため、高電圧側のSD電極との間の電界を緩和することができ、電流コラプス現象を生じにくくすることができる。
本実施形態に係る半導体装置100の使用方法について説明する。
以下では、半導体装置100の使用方法として、半導体装置100の駆動方法の具体例を説明する。
図4は、第1の実施形態に係る半導体装置の使用方法を説明するための回路図の例である。
図4には、第2動作モードにおける窒化物半導体素子10および第1半導体素子40aが示されている。図4では、煩雑さを避けるため、窒化物半導体素子10の第2ゲート電極17bおよび第2半導体素子40bの表示を省略している。なお、第1動作モードにおける半導体装置100の使用方法については、以下説明する内容において、第1出力端子70aおよび第2出力端子70bを入れ替え、第1半導体素子40aを第2半導体素子40bに置き換えることで同様に説明することができるので、詳細な説明を省略する。また、第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bの動作については上述したとおりであり、説明を省略する。
以下では、半導体装置100の使用方法として、半導体装置100の駆動方法の具体例を説明する。
図4は、第1の実施形態に係る半導体装置の使用方法を説明するための回路図の例である。
図4には、第2動作モードにおける窒化物半導体素子10および第1半導体素子40aが示されている。図4では、煩雑さを避けるため、窒化物半導体素子10の第2ゲート電極17bおよび第2半導体素子40bの表示を省略している。なお、第1動作モードにおける半導体装置100の使用方法については、以下説明する内容において、第1出力端子70aおよび第2出力端子70bを入れ替え、第1半導体素子40aを第2半導体素子40bに置き換えることで同様に説明することができるので、詳細な説明を省略する。また、第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bの動作については上述したとおりであり、説明を省略する。
窒化物半導体素子10の第1SD電極15aは、第1半導体素子40aのソース電極42aに接続されている。第1半導体素子40aのドレイン電極41aは、第1出力端子70aに接続されている。
本実施形態に係る半導体装置100の使用に当たっては、駆動回路110、120が用いられる。駆動回路110には、端子114、115を介して直流電源1が接続される。直流電源1の低電圧側および端子115に接地2が接続される。直流電源1は、直流の電源電圧VDDを出力する。電源電圧VDDは、接地2に印加される電圧に対して正の電圧値を有する。電源電圧VDDは、第1ゲート電極17aと第1SD電極15aとの間の第1しきい値電圧の絶対値よりも十分高い直流電圧である。電源電圧VDDは、たとえば15Vである。以下では、特に断らない限り、接地2に印加される電圧を基準とするものとし、基準の電圧を0Vであるものとする。たとえば電源電圧VDDは、0Vを基準とした電圧値である。
駆動回路110の信号入力端子111には、たとえば、パルス信号またはステップ信号が入力される。信号入力端子111に入力される信号は、たとえば、5Vの振幅のパルス信号またはステップ信号であり、ハイレベル電圧が5V、ローレベル電圧が0Vである。駆動回路110は、信号入力端子111に入力された信号をレベル変換して出力する。また駆動回路110は、窒化物半導体素子10のミラー容量を含む寄生容量を十分な速度で充電し、放電できる電流能力を有する。駆動回路110は、たとえば、ハイレベル電圧が15V、ローレベル電圧が0Vのパルス信号またはステップ信号を出力する。
この例では、駆動回路110の出力回路は、オン出力用とオフ出力とで出力端子が分離されている。出力端子117はオン出力用の出力端子であり、出力端子116はオフ出力用の出力端子である。駆動回路110がハイレベル電圧を出力するときには、出力端子117を介して出力信号を出力する。また、駆動回路110がローレベル電圧を出力するときには、出力端子116を介して出力信号を出力する。この例では、出力端子116と第1制御端子18aとの間に、ダイオード112が接続されている。出力端子117と第1制御端子18aとの間に接続されている抵抗器113は、窒化物半導体素子10の寄生容量を充電する電流を設定して、窒化物半導体素子10のターンオン時間を調整するために設けられている。窒化物半導体素子10のターンオフのときには、ダイオード112を介して、低インピーダンスで窒化物半導体素子10の寄生容量を放電する。
なお、第1制御端子18aと第1電源端子16aとの間に接続されたダイオード132は、ツェナーダイオードである。ダイオード132は、第1ゲート電極17aに過大な逆電圧が印加されないようにするために設けられている。また、第1制御端子18aと第1出力端子70aとの間に接続されたダイオード131は、第1ゲート電極17aの電圧が第1出力端子70aの電圧よりも高くなることを防止するために設けられている。
駆動回路120には、端子121、122を介して直流電源1が接続される。端子122には、接地2が接続される。駆動回路120の出力端子123は、第1電源端子16aに接続される。駆動回路120の出力端子124は、第1制御端子18aに接続される。
駆動回路120は、直流電源1から供給される電源電圧VDDを入力し、出力端子123を介して、第1電源端子16aに電源電圧VDDを印加する。駆動回路120は、直流電源1から供給される電源電圧VDDを入力し、出力端子124を介して、第1半導体素子40aのゲート端子43aに0Vを印加する。電源電圧VDDは、第1半導体素子40aのしきい値電圧の絶対値よりも十分に高いので、第1半導体素子40aは、駆動回路120の出力によりオンする。
駆動回路120は、好ましくは、低電圧ロックアウト機能を有する。直流電源1の起動時等において、直流電源1が出力する電源電圧が所定値よりも低い場合には、駆動回路120は、出力端子124を介して、第1半導体素子40aのしきい値の絶対値よりも低い電圧をゲート端子43aに出力する。第1半導体素子40aのゲート端子43aとソース電極42aとの間には、しきい値電圧の絶対値よりも低い電圧が印加されるので、第1半導体素子40aはオフである。
直流電源1が出力する電源電圧が所定値以上となった場合には、駆動回路120は、出力端子124を介して0Vをゲート端子43aに出力する。第1半導体素子40aのゲート端子43aとソース電極42aとの間には、しきい値電圧の絶対値以上の電圧が印加されるので、第1半導体素子40aはオンする。低電圧ロックアウトを解除する電源電圧の所定値である低電圧ロックアウト解除電圧は、たとえば、VDD×0.9である。VDD=15Vの場合には、低電圧ロックアウト解除電圧は、13.5Vである。出力端子124は、13.5Vをゲート端子に出力する。低電圧ロックアウト解除電圧は、第1半導体素子40aのしきい値電圧よりも十分に高い。
駆動回路110、120を用いた場合の窒化物半導体素子10および第1半導体素子40aの動作について説明する。
駆動回路110、120には、直流電源1により電源電圧VDDが供給される。直流電源1は、起動時には0Vから立ち上がる。駆動回路120は、直流電源1が出力する直流電圧が低電圧ロックアウト解除電圧よりも低い場合には、出力端子124は、直流電源1が出力する直流電圧とほぼ等しい電圧を出力する。そのため、第1半導体素子40aのゲート電極17aとソース電極42aとの間に印加される電圧は、しきい値電圧よりも低く、第1半導体素子40aは、オフである。
このとき、駆動回路110の信号入力端子111に信号が入力されていない場合には、駆動回路110は、ローレベル電圧を出力する。ローレベル電圧は、接地2の電圧であり、たとえば、0Vである。そのため、第1電源端子16aには、第1制御端子18aに印加される電圧よりも、直流電源1が出力する電源電圧だけ低い電圧が印加される。第1制御端子18aと第1電源端子16aとの間に印加される電圧が、第1しきい値電圧の絶対値よりも小さい場合には、窒化物半導体素子10はオンしている。つまり、直流電源1が起動中で、直流電源1が出力する直流電圧が低電圧ロックアウト解除電圧に達しない状態では、ノーマリーオン形のHEMTである窒化物半導体素子10はオン状態であり、第1半導体素子40aはオフである。そのため、半導体装置100は全体としてオフ状態とされる。
直流電源1が出力する直流電圧が低電圧ロックアウト解除電圧以上となると、駆動回路120は、出力端子123、124を介して、第1半導体素子40aのゲート端子43aとソース電極42aとの間に低電圧ロックアウト解除電圧以上の電源電圧を印加する。たとえば、低電圧ロックアウト解除電圧は、13.5Vであり、第1半導体素子40aのゲート端子43aには、ソース電極42aよりも13.5Vだけ低い電圧が印加される。第1半導体素子40aのしきい値電圧の絶対値は、たとえば2V~3V程度であり、第1半導体素子40aはオンする。
第1半導体素子40aがオンすることによって、第1電源端子16aの電圧は、0Vよりも低電圧ロックアウト解除電圧だけ高くなる。一方、駆動回路110は、接地2の電圧を出力している。そのため、第1制御端子18aには、第1電源端子16aよりも低電圧ロックアウト解除電圧だけ低い電圧が印加される。低電圧ロックアウト解除電圧は、窒化物半導体素子10の第1しきい値電圧の絶対値よりも高く設定されている。そのため、窒化物半導体素子10はオフ状態となる。
以降、図1を用いて説明したように、第1出力端子70aと第2出力端子70bとの間の電圧の極性に応じて、第1ゲート電極17aと第1SD電極15aとの間に印加する電圧を制御し、第2ゲート電極17bと第2SD電極15bとの間に印加する電圧を制御することによって、双方向に流れる電流を制御することができる。
直流電源1が低電圧ロックアウト解除電圧よりも低い電圧を出力しているときに、窒化物半導体素子10がオンしているので、第1半導体素子40aのドレイン-ソース間には、第1出力端子70aと第2出力端子70bとの間の電圧が印加される。直流電源1が低電圧ロックアウト解除電圧よりも低い電圧を出力しているときに、第1出力端子70aと第2出力端子70bとの間に印加される電圧を十分低くなるように設定しておくことにより、第1半導体素子40aのドレイン-ソース間の耐圧を低く設定することができる。第2半導体素子40bについても同様であり、第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bには、低耐圧で低オン抵抗の小型のpチャネルのMOSFETを利用することが可能である。
本実施形態に係る半導体装置100の効果について説明する。
本実施形態に係る半導体装置100は、窒化物半導体素子10と、第1ダイオード30aと、第2ダイオード30bと、を備えている。窒化物半導体素子10は、第1窒化物半導体層12と、第2窒化物半導体層12と、第1SD電極15aと、第2SD電極15bと、第1ゲート電極17aと、第2ゲート電極17bと、を有する。第2窒化物半導体層12は、第1窒化物半導体層12上に設けられている。第1窒化物半導体層12および第2窒化物半導体層12は、ヘテロ接合により接合されている。第1SD電極15a、第2SD電極15b、第1ゲート電極17aおよび第2ゲート電極17bは、第2窒化物半導体層12上に設けられている。第1ダイオード30aのアノード電極31aは、第1マウントベッド20とオーミック接続されており、これを介して基板11にオーミック接続されている。第2ダイオード30bのアノード電極31bは、第1マウントベッド20とオーミック接続されており、これを介して基板11にオーミック接続されている。第1ダイオード30aのカソード電極32aは、第1SD電極15aに電気的に接続される。第2ダイオード30bのカソード電極32bは、第2SD電極15bに電気的に接続される。
本実施形態に係る半導体装置100は、窒化物半導体素子10と、第1ダイオード30aと、第2ダイオード30bと、を備えている。窒化物半導体素子10は、第1窒化物半導体層12と、第2窒化物半導体層12と、第1SD電極15aと、第2SD電極15bと、第1ゲート電極17aと、第2ゲート電極17bと、を有する。第2窒化物半導体層12は、第1窒化物半導体層12上に設けられている。第1窒化物半導体層12および第2窒化物半導体層12は、ヘテロ接合により接合されている。第1SD電極15a、第2SD電極15b、第1ゲート電極17aおよび第2ゲート電極17bは、第2窒化物半導体層12上に設けられている。第1ダイオード30aのアノード電極31aは、第1マウントベッド20とオーミック接続されており、これを介して基板11にオーミック接続されている。第2ダイオード30bのアノード電極31bは、第1マウントベッド20とオーミック接続されており、これを介して基板11にオーミック接続されている。第1ダイオード30aのカソード電極32aは、第1SD電極15aに電気的に接続される。第2ダイオード30bのカソード電極32bは、第2SD電極15bに電気的に接続される。
これらにより、第1SD電極15aに印加される電圧が、第2SD電極15bに印加される電圧よりも高い場合には、第1ダイオード30aは逆バイアスされ、第2ダイオード30bは順バイアスされる。そのため、バックゲートである基板11が第2SD電極15bに印加される電圧とほぼ等しくなる。第2SD電極15bは、窒化物半導体素子10のソース電極として機能し、第1SD電極15aは、窒化物半導体素子10のドレイン電極として機能する。そのため、第1SD電極15aに印加される電圧が第2SD電極15bに印加される電圧よりも十分に高い場合であっても、電流コラプス現象を生じにくくすることができ、窒化物半導体素子10は、低オン抵抗のスイッチ素子として機能する。
第2SD電極15bに印加される電圧が、第1SD電極15aに印加される電圧よりも高い場合には、第2ダイオード30bは逆バイアスされ、第1ダイオード30aは順バイアスされる。そのため、バックゲートである基板11が第1SD電極15aに印加される電圧とほぼ等しくなるので、第1SD電極15aは、窒化物半導体素子10のソース電極として機能し、第2SD電極15bは窒化物半導体素子10のドレイン電極として機能する。そのため、第2SD電極に印加される電圧が第1SD電極15aに印加される電圧よりも十分に高い場合であっても、電流コラプス現象を生じにくくすることができ、窒化物半導体素子10は、低オン抵抗のスイッチ素子として機能する。
窒化物半導体素子10のバックゲートである基板11は、第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bによって、より低い電圧が印加されるSD端子に自動的に切り替えて接続される。そのため、本実施形態に係る半導体装置100では、何らの切替回路を設けることなく、高耐圧で低オン抵抗の双方向スイッチデバイスを実現することができる。
太陽光発電所に電力平準化等のために、蓄電設備を設置する例が増えてきている。このような蓄電設備には、蓄電池を適切に充電し、充填した蓄電池から適切に放電するための電力変換装置を設ける必要がある。このような用途の電力変換装置では、双方向に流れる電流を制御する必要があり、高耐圧かつ低損失な双方向スイッチデバイスが求められている。
GaN等の窒化物半導体を用いた横型スイッチング素子は、バンドギャップが広いことから高温動作が可能で高耐圧化が容易であり、さらに2次元電子ガスによる低オン抵抗化が可能であることから、上述のような双方スイッチデバイスへの応用が期待されている。
一方で、GaN等の窒化物半導体を用いたスイッチング素子では、電流コラプス現象による特性の低下が指摘されている。これに対して、バックゲートをソース電極に接続して、最低電位に固定し、さらには、ソース電極等によるフィールドプレートを構成する等により、電流コラプス現象の改善に効果を上げている。
ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極を有する通常のGaNを用いたHEMTを2個用いて、ドレイン電極同士を接続し、バックゲートをいずれかの低電位端子に接続すれば、電流コラプス現象を改善した双方向スイッチを実現できる。しかしながら、この場合には、2個のGaNを用いたHEMTを直列に接続することから、オン抵抗を所望の値まで下げるためには、GaNを用いたHEMTを並列に接続する必要が生じる。そのため、双方向スイッチのためのコストが上昇し、実装スペースが拡大してしまうとの問題が生じる。
本実施形態に係る半導体装置100では、上述したように、窒化物半導体素子10のバックゲートである基板11、第1マウントベッド20およびダイオードを介して、低電圧側のSD電極に電気的に接続することができる。これにより、低電圧側のSD電極は、GaNを用いたHEMTのソース電極として機能し、高電圧側のSD電極はHEMTのドレイン電極として機能する。したがって、2個のHEMTを直列に接続することなく、1個の半導体装置100で双方向スイッチを実現することができる。
基板11とSD電極間に接続するダイオードは、基板11の電位をSD電極の電位に維持するために設けられている。そのため、これら2個のダイオードには、電流がほとんど流れない。そのため、小容量のダイオードを利用することができるので、コスト上昇やスペースの増大を招くことがない。
本実施形態に係る半導体装置100では、それぞれのSD電極にpチャネルのMOSFETのソース電極を接続する。pチャネルのMOSFETをオンさせるように直流電源1を接続することによって、窒化物半導体素子10のゲート電極とSD電極との間にしきい値以下の電圧を印加する回路を容易に構成することができる。このように回路構成することによって、ノーマリーオン形のHEMTである窒化物半導体素子10の駆動回路に負電圧を出力する電源回路を追加する必要が生じない。そのため、実装スペースの削減、コスト上昇の抑制に寄与することができる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図5に示すように、本実施形態に係る半導体装置200は、窒化物半導体素子210と、第1ダイオード30aと、第2ダイオード30bと、を備える。本実施形態に係る半導体装置200では、窒化物半導体素子210の構成が第1の実施形態に係る半導体装置100の場合と相異する。また、本実施形態に係る半導体装置200では、pチャネルのMOSFETである第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bを有していない点でも、第1の実施形態に係る半導体装置100と相異する。同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図5は、第2の実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図5に示すように、本実施形態に係る半導体装置200は、窒化物半導体素子210と、第1ダイオード30aと、第2ダイオード30bと、を備える。本実施形態に係る半導体装置200では、窒化物半導体素子210の構成が第1の実施形態に係る半導体装置100の場合と相異する。また、本実施形態に係る半導体装置200では、pチャネルのMOSFETである第1半導体素子40aおよび第2半導体素子40bを有していない点でも、第1の実施形態に係る半導体装置100と相異する。同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
窒化物半導体素子210は、基板11と、第1窒化物半導体層12と、第2窒化物半導体層213と、酸化膜214と、第1SD電極15aと、第2SD電極15bと、第1ゲート電極17aと、第2ゲート電極17bと、を含む。第2窒化物半導体層213は、第1窒化物半導体層12上に設けられている。第1の実施形態に係る半導体装置100の場合と同様に、第1窒化物半導体層12は、たとえばアンドープのGaN層である。また、第2窒化物半導体層213は、たとえば、AlGaN層である。
第2窒化物半導体層213は、酸化膜214を設ける面に凹部213a、213bを有している。凹部213a、213bは、たとえば、溝であり、第2窒化物半導体層213の面上に形成されている。凹部213a、213bは、第1SD電極15aと第2SD電極15bとの間に設けられている。凹部213aは、第1SD電極15aと凹部213bとの間に設けられている。凹部213bは、第2SD電極15bと凹部213aとの間に設けられている。凹部213aは、第1SD電極15aの近傍に設けられ、凹部213bは、第2SD電極15bの近傍に設けられている。
酸化膜214は、第2窒化物半導体層213上に設けられており、凹部214a、214bを含む。凹部214aは、第2窒化物半導体層213の凹部213a上に設けられ、凹部214bは、第2窒化物半導体層213の凹部213b上に設けられている。たとえば、凹部213aの側壁と凹部214aの側壁との間には、酸化膜214が設けられている。凹部213aの底部と凹部214aの底部との間には、酸化膜214が設けられている。酸化膜214は、たとえば、SiO2により形成される。酸化膜214は、SiO2と他の絶縁膜との積層膜であってもよい。
第1ゲート電極217aは、凹部214aを埋め込んで設けられている。第2ゲート電極217bは、凹部214bを埋め込んで設けられている。
本実施形態では、第2窒化物半導体層213上に酸化膜214を介して第1ゲート電極217aおよび第2ゲート電極217bを設けることによって、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)形構造の窒化物半導体素子210とすることができる。窒化物半導体素子210では、第2窒化物半導体層213および酸化膜214に凹部を設け、凹部を埋め込むように第1ゲート電極217aおよび第2ゲート電極217bを設けることによって、安定して、ノーマリーオフ形のHEMTとすることができる。
本実施形態に係る半導体装置200では、窒化物半導体素子210をノーマリーオフ形のHEMTとすることによって、窒化物半導体素子210のオン・オフ制御のための負電源を設けることなく、双方向スイッチデバイスを実現することができる。
窒化物半導体素子210は、第1マウントベッド20上に設けられ、第1窒化物半導体層12は、基板11を介して、第1マウントベッド20に接続されている。第1ダイオード30aのアノード電極31aは、第1マウントベッド20に接続され、第1ダイオード30aのカソード電極32aは、第1SD電極15aに接続されている。第1出力端子70aは、第1SD電極15aおよび第1ダイオード30aのカソード電極32aに接続されている。
第2ダイオード30bのアノード電極31bは、第1マウントベッド20に接続され、第2ダイオード30bのカソード電極32bは、第2SD電極15bに接続されている。第2出力端子70bは、第2SD電極15bおよび第2ダイオード30bのカソード電極32bに接続されている。
第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bは、縦型半導体素子とすることができる。これにより、第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bを第1マウントベッド20上でそれぞれのアノード電極をオーミック接続してもよいことは、第1の実施形態に係る半導体装置100と同様である。
窒化物半導体素子210は、ノーマリーオフ形のHEMTである。第1窒化物半導体層12に形成される2次元電子ガスのよるチャネルは、第1ゲート電極217aと第1SD電極との間に第3しきい値電圧よりも低い電圧を印加することによって遮断される。2次元電子ガスのよるチャネルは、第1ゲート電極217aと第1SD電極との間に第3しきい値電圧以上の電圧を印加することによって形成される。
第3しきい値電圧は、第1SD電極15aに印加される電圧を基準にした場合に、第1ゲート電極217aに印加される電圧として定義される。第3しきい値電圧は、第1SD電極15aに印加される電圧に対して正の電圧値である。
2次元電子ガスによるチャネルは、第2ゲート電極217bと第2SD電極15bとの間に第4しきい値電圧よりも低い電圧を印加することによって、遮断される。2次元電子ガスによるチャネルは、第2ゲート電極217bと第2SD電極15bとの間に第4しきい値電圧以上の電圧を印加することによって、形成される。第4しきい値電圧は、第2SD電極15bに印加される電圧を基準にした場合に、第2ゲート電極217bに印加される電圧として定義される。第4しきい値電圧は、第2SD電極15bに印加される電圧に対して正の電圧値である。第2しきい値電圧は、第1しきい値電圧とほぼ等しい。
本実施形態に係る半導体装置200の動作について説明する。
図5に示した半導体装置200は、双方向スイッチとして動作する。第1出力端子70aおよび第2出力端子70bには外部回路が接続される。半導体装置200は、外部回路の動作や状態等に応じて、第1動作モードまたは第2動作モードのいずれかで動作する。
図5に示した半導体装置200は、双方向スイッチとして動作する。第1出力端子70aおよび第2出力端子70bには外部回路が接続される。半導体装置200は、外部回路の動作や状態等に応じて、第1動作モードまたは第2動作モードのいずれかで動作する。
第1動作モードおよび第2動作モードは、第1の実施形態に係る半導体装置100の場合と同じである。すなわち、第1動作モードは、第1出力端子70aに印加される電圧が、第2出力端子70bに印加される電圧よりも高くなる動作モードである。また、第2動作モードは、第2出力端子70bに印加される電圧が、第1出力端子70aに印加される電圧よりも高くなる動作モードである。
第1動作モードでは、窒化物半導体素子10、第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bは、以下のように動作する。第1出力端子70aには、第2出力端子70bに印加される電圧よりも高い電圧が印加される。
第1制御端子18aと第1電源端子16aとの間にしきい値を超える電圧を印加した状態で第1ゲート電極217a下にチャネルを形成しておく。
第2制御端子18bと第2電源端子16bとの間にしきい値以下の電圧を印加し、半導体装置100をオフ状態とする。
この状態で、第1出力端子70aに、第2出力端子70bよりも高い電圧を印加すると(第1動作モード)、基板11の電位が上昇する。基板11は、第1マウントベッド20を介して第2ダイオード30bのアノード電極31bに接続されており、第2ダイオード30bのカソード電極32bは、第2出力端子70bに接続されている。そのため、第2ダイオード30bは順バイアスとなり、基板11の電圧は、第2出力端子70bの電圧とほぼ等しくなるので、基板11の電位が窒化物半導体素子10のソース電極機能となる第2電源端子16bとほぼ同電位になる。第1ダイオード30aは、逆バイアスされている。
この状態で、第2制御端子18bと第2電源端子16bとの間にしきい値を超える電圧を印加すると、第2ゲート電極217b下にチャネルが形成されて、窒化物半導体素子210がオンする。
第2動作モードでは、窒化物半導体素子210、第1ダイオード30aおよび第2ダイオード30bは、以下のように動作する。第2出力端子70bには、第1出力端子70aに印加される電圧よりも高い電圧が印加される。
第2制御端子18bと第2電源端子16bとの間にしきい値を超える電圧を印加した状態で第2ゲート電極217b下にチャネルを形成しておく。
第2制御端子18bと第2電源端子16bとの間にしきい値以下の電圧を印加し、半導体装置100をオフ状態とする。
この状態で、第2出力端子70bに、第1出力端子70aよりも高い電圧を印加すると(第2動作モード)、基板11の電位が上昇する。基板11は、第1マウントベッド20を介して第1ダイオード30aのアノード電極31aに接続されており、第1ダイオード30aのカソード電極32aは、第1出力端子70aに接続されている。そのため、第1ダイオード30aは順バイアスとなり、基板11の電圧は、第1出力端子70aの電圧とほぼ等しくなるので、基板11の電位が窒化物半導体素子10のソース電極機能となる第1電源端子16aとほぼ同電位になる。第2ダイオード30bは、逆バイアスされている。
この状態で、第1制御端子18aと第1電源端子16aとの間にしきい値を超える電圧を印加すると、第1ゲート電極217a下にチャネルが形成されて、窒化物半導体素子10がオンする。
以上説明した実施形態によれば、双方向スイッチに応用できる窒化物半導体素子を含む半導体装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
10、210…窒化物半導体素子、11…基板、12…第1窒化物半導体層、13、213…第2窒化物半導体層、15a…第1SD電極、15b…第2SD電極、17a、217a…第1ゲート電極、17b、217b…第2ゲート電極、20…第1マウントベッド、30a…第1ダイオード、30b…第2ダイオード、40a…第1半導体素子、40b…第2半導体素子、70a…第1出力端子、70b…第2出力端子、100、200…半導体装置、214…酸化膜
Claims (9)
- 導電性のマウントベッドと、
前記マウントベッド上に形成された半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1窒化物半導体層と、
前記第1窒化物半導体層上に設けられた第2窒化物半導体層と、
前記第2窒化物半導体層上に設けられた第1主電極と、
前記第2窒化物半導体層上に設けられ、前記第1主電極から離隔して設けられた第2主電極と、
前記第2窒化物半導体層上で、前記第1主電極と前記第2主電極との間に設けられた第1ゲート電極と、
前記第2窒化物半導体層上で、前記第1ゲート電極と前記第2主電極との間に設けられた第2ゲート電極と、
を含む窒化物半導体素子と、
前記マウントベッドに電気的に接続された第1アノード電極と、
前記第1主電極に電気的に接続された第1カソード電極と、
を含む第1ダイオードと、
前記マウントベッドに電気的に接続された第2アノード電極と、
前記第2主電極に電気的に接続された第2カソード電極と、
を含む第2ダイオードと、
を備えた半導体装置。 - 前記マウントベッドは、前記半導体基板と電気的に接続された請求項1記載の半導体装置。
- 前記第1主電極と前記第1カソード電極との間に接続されたp形の第1半導体素子と、
前記第2主電極と前記第2カソード電極との間に接続されたp形の第2半導体素子と、
をさらに備えた請求項1記載の半導体装置。 - 前記第1半導体素子は、導電性を有する第1基板上に設けられ、
前記第1半導体素子の第1ドレイン電極は、前記第1基板に接続され、
前記第2半導体素子は、導電性を有する第2基板上に設けられ、
前記第2半導体素子の第2ドレイン電極は、前記第2基板に接続された請求項3記載の半導体装置。 - 前記第1主電極は、平行して配置された複数の第1部分を含み、
前記第2主電極は、前記複数の第1部分のうち隣り合う2つの第1部分の間に配置された第2部分を有し、
前記第2部分は、前記2つの第1部分の間の距離の1/2の距離となる位置に配置された請求項1記載の半導体装置。 - 前記第2窒化物半導体層は、前記第1窒化物半導体層とヘテロ接合を介して設けられた請求項1記載の半導体装置。
- 前記窒化物半導体素子は、ノーマリーオン形のHEMTである請求項1~6のいずれか1つに記載の半導体装置。
- 前記窒化物半導体素子は、前記第2窒化物半導体層上に設けられた酸化膜をさらに含み、
前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極は、前記酸化膜を介して前記第2窒化物半導体層上に設けられた請求項1または2に記載の半導体装置。 - 導電性のマウントベッドと、
前記マウントベッド上に形成された半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1窒化物半導体層と、
前記第1窒化物半導体層上に設けられた第2窒化物半導体層と、
前記第2窒化物半導体層上に設けられた第1主電極と、
前記第2窒化物半導体層上に設けられ、前記第1主電極から離隔して設けられた第2主電極と、
前記第2窒化物半導体層上で、前記第1主電極と前記第2主電極との間に設けられた第1ゲート電極と、
前記第2窒化物半導体層上で、前記第1ゲート電極と前記第2主電極との間に設けられた第2ゲート電極と、
を含む窒化物半導体素子
を備え、
前記第1主電極に印加された電圧が前記第2主電極に印加された電圧よりも高い場合には、前記半導体基板の電圧は、前記第2主電極に印加された電圧に等しく、
前記第2主電極に印加された電圧が前記第1主電極に印加された電圧よりも高い場合には、前記半導体基板の電圧は、前記第1主電極に印加された電圧に等しい半導体装置。
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- 2023-02-28 CN CN202310175536.6A patent/CN117747655A/zh active Pending
- 2023-03-09 US US18/181,084 patent/US20240105563A1/en active Pending
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US20240105563A1 (en) | 2024-03-28 |
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