JP2024045017A - 制御装置及び振動呈示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作機器の振動を開始した後に振動減衰期間を調整するに際して高調波の発生を抑制すること。【解決手段】制御装置は、弾性支持部により弾性振動可能に支持された操作機器をその振動方向の一方向に駆動して振動させる電磁アクチュエーターを制御する制御装置であって、電磁アクチュエーターのコイルに対し、主駆動信号を印加して、操作機器に対する接触操作に応じた操作機器の振動を開始した後、副駆動信号を印加して、振動の減衰期間を調整する回路を有し、副駆動信号は、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧を中心値として変動する可変電圧を有し、可変電圧の変動を示す波形が正弦関数的曲線又は余弦関数的曲線である。【選択図】図16

Description

本発明は、電磁アクチュエーターを駆動する制御装置及び振動呈示装置に関する。
従来、操作機器であるタッチパネルの操作の際に、タッチパネルに表示された表示画面に接触した操作者の指腹等に対し、接触操作感(接触して操作する感覚)として、電磁アクチュエーターにより振動を付与する構成が知られている。
例えば、特許文献1には、タッチパネル、弾性支持部として機能するバイアス要素、電磁アクチュエーター等を有する触覚インタフェース装置が示されている。特許文献1において、電磁アクチュエーターを制御する制御装置は、電磁アクチュエーターを駆動する電圧として、振動を始動する主駆動パルスの印加後に、キックインパルスやブレーキパルスを印加して、振動減衰期間を延ばしたり、短くしたりしている。
特開2010-287232号公報
特許文献1に示すような触覚インタフェース装置では、主駆動パルスの印加後に、矩形波のキックインパルスやブレーキパルスを電磁アクチュエーターのコイルに印加して、振動減衰期間を延ばしたり、短くしたりしている。しかしながら、矩形波のパルスを印加する場合、例えば、その印加時や停止時にコイルを流れる電流の変動に起因して、振動の加速度波形に高調波が重畳することがある(後述の図14、図15を参照)。振動の加速度波形に高調波が重畳すると、振動による接触操作感が不快なものになったり、異音が生じたりする。そのため、このような高調波の発生を抑制することが望まれている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、操作機器の振動を開始した後に振動減衰期間を調整するに際して高調波の発生を抑制可能な制御装置及び振動呈示装置を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、
弾性支持部により弾性振動可能に支持された操作機器をその振動方向の一方向に駆動して振動させる電磁アクチュエーターを制御する制御装置であって、
前記電磁アクチュエーターのコイルに対し、主駆動信号を印加して、前記操作機器に対する接触操作に応じた前記操作機器の振動を開始した後、副駆動信号を印加して、前記振動の減衰期間を調整する回路を有し、
前記副駆動信号は、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧を中心値として変動する可変電圧を有し、前記可変電圧の変動を示す波形が正弦関数的曲線又は余弦関数的曲線である。
本発明の振動呈示装置は、
弾性支持部により弾性振動可能に支持された操作機器をその振動方向の一方向に駆動して振動させる電磁アクチュエーターと、
上記の制御装置と、
を備える。
本発明によれば、操作機器の振動を開始した後に振動減衰期間を調整するに際して高調波の発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る制御装置を有する振動呈示装置を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置が駆動制御する一例としての電磁アクチュエーターの表面側外観斜視図である。 同電磁アクチュエーターの裏面側外観斜視図である。 同電磁アクチュエーターの平面図である。 図4のA―A線矢視断面図である。 同電磁アクチュエーターの分解斜視図である。 同電磁アクチュエーターにセンサを設けた状態を示す断面図である。 同電磁アクチュエーターの磁気回路構成を示す図である。 同電磁アクチュエーターの動作を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置を説明する図である。 図10に示した制御装置での駆動信号の生成を説明する図である。 初期位相が0の正弦波を示すグラフである。 初期位相が3/2πの正弦波を示すグラフである。 初期位相がπの余弦波を示すグラフである。 奇数番目の周期の正弦波からなる波列と、偶数番目の周期の正弦波からなる波列と、の合成を説明するグラフである。 矩形波の副駆動信号(減衰追加信号)を制御装置から印加する場合に発生する高調波を説明するグラフである。 矩形波の副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置から印加する場合に発生する高調波を説明するグラフである。 正弦波の副駆動信号(減衰追加信号)を制御装置から印加する場合を説明するグラフである。 正弦波の副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置から印加する場合を説明するグラフである。 本発明の実施の形態の変形例1として、図16及び図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。 本発明の実施の形態の変形例2として、図16及び図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。 本発明の実施の形態の変形例3として、図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置から印加する場合を説明するグラフである。 本発明の実施の形態の変形例4として、図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置から印加する場合を説明するグラフである。 本発明の実施の形態の変形例5として、図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置から印加する場合を説明するグラフである。 本発明の実施の形態の変形例6として、更に、図19に示した主駆動信号とは異なる主駆動信号を示すグラフである。 本発明の実施の形態の変形例7として、更に、図23に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。 本発明の実施の形態の変形例8として、更に、図19に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。 本発明の実施の形態の変形例9として、更に、図25に示した主駆動信号とは異なる主駆動信号を示すグラフである。 本発明の実施の形態の変形例10として、更に、図26に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。 本発明の実施の形態の変形例11として、更に、図26に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態では、直交座標系(X,Y,Z)を使用して説明する。後述する図においても共通の直交座標系(X,Y,Z)で示している。以下において、制御装置1を有する振動呈示装置200の幅、奥行き、高さは、それぞれ、X方向、Y方向、Z方向の長さであり、電磁アクチュエーター10の幅、奥行き、高さもそれぞれ対応して、X方向、Y方向、Z方向の長さとする。また、Z方向プラス側は、操作者に振動フィードバックを付与する方向であり、「上側」とし、Z方向マイナス側は、操作者が操作する際に押圧する方向であり、「下側」として説明する。
(制御装置1を用いた振動呈示装置200の基本構成)
図1に示す振動呈示装置200は、制御装置1、制御装置1が駆動制御する電磁アクチュエーター10、操作者が接触操作する操作機器(タッチパネル2)等を有する。振動呈示装置200では、操作者の操作機器への接触操作に対応して、操作機器に振動を付与する。つまり、操作機器を介して、操作機器を接触して操作する操作者に接触操作感(「触感」ともいう)を付与する。
本実施の形態では、操作機器は、画像を画面に表示し、画面に接触することにより操作されるタッチパネル2である。タッチパネル2は、静電式、抵抗膜式、光学式等のタッチパネルである。タッチパネル2は、操作者の接触位置を検知する。タッチパネル2は、制御装置1により制御される。制御装置1は、図示しないタッチパネル制御部を介して、操作者のタッチ位置の情報を得ることができる。また、タッチパネル2の画面は、液晶方式、有機EL方式、電子ペーパー方式、プラズマ方式等の表示部により構成され、制御装置1により制御されてもよい。制御装置1は、図示しない表示情報制御部を制御し、操作者に対して、呈示される振動の種類に対応する画像を画面に表示する。
なお、ここでは、制御装置1が、操作者のタッチ位置の情報取得、呈示される振動の種類に対応する画像表示等を行っているが、制御装置1とは別の制御装置となるマイコンを設け、マイコンが制御装置1とタッチパネル2との間を接続するようにしてもよい。この場合、マイコンが、タッチパネル制御部を介して、操作者のタッチ位置の情報を取得したり、表示情報制御部を制御して、操作者に対して、呈示される振動の種類に対応する画像を画面に表示したりする。また、マイコンが、取得された操作者のタッチ位置の情報に応じた振動に関する情報(波形データ等)を制御装置1へ出力したり、後述の図11で説明するトリガー信号を制御装置1へ出力したりしてもよい。なお、マイコンは、マイクロコンピュータのことであり、例えば、半導体チップから構成される。
振動呈示装置200は、例えば、電子機器として、カーナビゲーションシステムのタッチパネル装置として用いられる。振動呈示装置200は、タッチパネル2の画面2aに接触して操作する操作者に振動を呈示する装置として機能する。このとき、振動呈示装置200としては、振動対象に接触する操作者に対して振動を呈示することにより操作者に触感を付与する電子機器であれば、どのようなものでもよい。例えば、振動呈示装置200は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、テレビ等の画像表示装置、タッチパネル付きゲーム機或いはタッチパネル付きゲームコントローラ等であってもよい。
本実施の形態では、振動呈示装置200において、タッチパネル2の画面2aに操作者の指腹等が接触されて操作される際に、これに対応して、制御装置1が電磁アクチュエーター10を駆動して振動させる。この振動により、操作者には触感が付与される。本実施の形態の制御装置1は、操作者が操作する表示画像に対応して様々な種類の触感を付与する。制御装置1は、例えば、タクタイルスイッチ、オルタネイト型スイッチ、モーメンタリスイッチ、トグルスイッチ、スライドスイッチ、ロータリースイッチ、DIPスイッチ、ロッカースイッチ等の機械式スイッチとしての触感を付与する。また、プッシュ式のスイッチにおいては、押し込み度合いが異なるスイッチの触感も付与できる。
なお、振動呈示装置200では、操作機器としてのタッチパネル2に変えて、表示機能がなく、単に操作者が触れて操作可能な操作機器としてもよい。
図1に示す振動呈示装置200では、電磁アクチュエーター10は、タッチパネル2と、タッチパネル2の裏面側に配置される装置裏面部としての基台3と、の間に配置される。制御装置1は、電磁アクチュエーター10自体に設けられてもよく、基台3に設けられてもよい。
タッチパネル2は、裏面側で、電磁アクチュエーター10の可動体40(図2参照)の面部固定部44に固定されている。また、基台3は、タッチパネル2と対向して配置されており、電磁アクチュエーター10の固定体30(図2参照)は、支柱部3aを介して基台3に固定されている。このように、電磁アクチュエーター10は、タッチパネル2と基台3の中央部のそれぞれの間で、互いを接続するように配置されている。
タッチパネル2自体は、電磁アクチュエーター10の可動体40と一体に駆動する。操作者がタッチパネル2の画面を押圧して操作を行う際に、操作者の指等が画面に接触する方向、例えば、タッチパネル2の画面に対して垂直に押圧する方向は、電磁アクチュエーター10における可動体40の振動方向であるZ方向と同じ方向である。
制御装置1、タッチパネル2、電磁アクチュエーター10を実装した振動呈示装置200によれば、タッチパネル2を直接動作させる、つまり、可動体40と共にタッチパネル2を指の接触方向と同方向で駆動させるため、タッチパネル2を直接振動できる。
よって、タッチパネル2に表示される機械式スイッチ等の画像に接触して操作する際に、可動体40を可動して、画像に応じた操作感、例えば、実際の機械式スイッチを操作する際の操作感と同様の接触操作感となる振動を付与できる。これにより、使い心地の良い操作を表現することができる。
<電磁アクチュエーター10の全体構成>
図2は、本発明の実施の形態に係る制御装置1が駆動制御する一例としての電磁アクチュエーター10の表面側外観斜視図であり、図3は、電磁アクチュエーター10の裏面側外観斜視図であり、図4は、電磁アクチュエーターの平面図である。また、図5は、図4のA―A線矢視断面図であり、図6は、本発明の実施の形態に係る制御装置1の電磁アクチュエーター10の分解斜視図である。また、図7は、電磁アクチュエーター10にセンサを設けた状態を示す断面図である。
図2~図7に示す電磁アクチュエーター10は、本実施の形態では、制御装置1を適用した電子機器に実装されて、操作機器の一例であるタッチパネル2(図1参照)の振動発生源として機能する。
電磁アクチュエーター10は、詳細は後述するが、コイル22を含む電磁石と磁性体からなるヨークと含む可動体40とを有する。電磁アクチュエーター10は、コイル22を用いて、可動体40を一方向に駆動させ、付勢力を発生する部材(板状弾性部50)の付勢力により可動体40を一方向とは逆方向に移動させることで、可動体40を直線往復移動(振動)させる。このように、電磁アクチュエーター10は、振動アクチュエーターとして機能する。
タッチパネル2の画面2a上における操作者による接触操作に対応して、振動を操作者に伝達して体感させることで、タッチパネル2を触れた操作者に直感的な操作を可能とする。なお、タッチパネル2は、タッチパネル2上における操作者による接触操作を受け付けて、その接触位置を出力する接触位置出力部を有する。接触位置出力部により出力される接触位置情報及び駆動タイミングに基づいて、制御装置1は、接触操作に対応する振動が発生するように、アクチュエーター駆動信号(以降、駆動信号と呼ぶ)を生成する。そして、制御装置1は、電磁アクチュエーター10のコイル22を含む回路に、生成された駆動信号を印加して、コイル22に駆動電流を供給する。
駆動電流がコイル22に供給された電磁アクチュエーター10は、タッチパネル2から出力された接触位置に対応した振動を発生し、タッチパネル2に伝達して、タッチパネル2を直接振動させる。このように、タッチパネル2で受けた操作者の操作を受け付けて、それに対応して電磁アクチュエーター10は駆動する。
電磁アクチュエーター10は、駆動電流がコイル22に供給されることにより、付勢力に抗して、一方向(例えば、Z方向マイナス側)に可動体40を移動させる。また、電磁アクチュエーター10は、コイル22への駆動電流の供給が停止されることにより、付勢力を開放し、当該付勢力により他方向側(Z方向プラス側)に可動体40を移動させる。電磁アクチュエーター10は、コイル22への駆動電流の供給と停止により可動体40及び操作機器を振動させる。電磁アクチュエーター10は、マグネットを用いずに可動体40を駆動して、操作機器を振動させている。
駆動信号は、本実施の形態では、後述する図10で説明するように、駆動信号生成部130から駆動部140へ出力して、コイル22を含む回路に印加する電圧信号である。コイル22を含む回路である駆動部140に駆動信号を印加すると、駆動部140で駆動電流が生成されて、コイル22に供給される。
また、駆動信号は、本実施の形態では、後述する図11で説明するように、主駆動信号と副駆動信号とからなり、主駆動信号及び副駆動信号にそれぞれ対応する駆動電流が、可動体40を駆動する駆動電流としてコイル22に供給される。そして、主駆動信号に対応する主駆動電流がコイル22に供給されると、可動体40が一方向に移動して主な振動が始まる。その後、副駆動信号に対応する副駆動電流がコイル22に供給されると、副駆動信号の供給タイミングに応じて、振動の減衰期間が調整されて、当該期間が延びたり、短くなったりする。
電磁アクチュエーター10の構成について説明する。電磁アクチュエーター10は、コイル22、コア24を有するコア組立体20、ベース部32を有する固定体30、ヨーク41を有する可動体40、板状弾性部(弾性支持部)50(50-1、50-2)等を有する。板状弾性部50は、固定体30に対して可動体40を振動方向に移動可能に弾性支持する。
電磁アクチュエーター10は、板状弾性部50で移動可能に支持される可動体40を、固定体30に対して、一方向に移動するように駆動する。一方向に移動された可動体40に対し、一方向とは逆方向への移動は、板状弾性部50の付勢力により行われる。
具体的には、電磁アクチュエーター10は、コア組立体20により、可動体40のヨーク41を振動させる。具体的には、通電されるコイル22及び通電されるコイル22により励磁されるコア24の吸引力と、板状弾性部50(50-1、50-2)による付勢力とにより、可動体40を振動させる。
電磁アクチュエーター10は、Z方向を厚み方向とした扁平形状に構成される。電磁アクチュエーター10は、固定体30に対して、Z方向、つまり、厚み方向を振動方向として可動体40を振動させ、電磁アクチュエーター10において厚み方向で離れて配置される表裏面のうちの一方の面を他方の面に対してZ方向に接近、離間させる。
電磁アクチュエーター10は、本実施の形態では、コア24の吸引力により、一方向としてのZ方向マイナス側に可動体40を移動し、板状弾性部50(50-1、50-2)の付勢力により、一方向とは逆方向としてのZ方向プラス側に可動体40を移動する。
本実施の形態の電磁アクチュエーター10では、可動体40は、可動体40の可動中心に対して点対称の位置で、Z方向と直交する方向に沿って複数配置された板状弾性部50(50-1、50-2)により弾性支持されているが、この構成に限らない。
板状弾性部50は、可動体40と固定体30との間に固定され、少なくともコア24の両端部(磁極部242、244;図5を参照)のうちの一方の端部と対向する方向で、固定体30に対して可動体40を移動自在に弾性支持する構成である。板状弾性部50は、このような構成であれば、どのように設けられてもよい。
例えば、板状弾性部50は、固定体30(コア組立体20)に対して可動体40を、コア24の一方の端部(磁極部242或いは磁極部244)と対向する方向で移動自在に弾性支持するようにしてもよい。また、板状弾性部50-1、50-2は、可動体40の中心に対し、線対称で配置されてもよく、2つ以上の複数の板状弾性部50を用いてもよい。それぞれの板状弾性部50-1、50-2は、一端側で固定体30に固定され、他端側で可動体40に固定され、可動体40を固定体30に対して振動方向(Z方向であり、ここでは上下方向)に移動可能に支持している。
<固定体30>
固定体30は、図5から図9に示すように、コイル22及びコア24を有するコア組立体20と、ベース部32とを有する。
ベース部32は、コア組立体20が固定され、板状弾性部50(50-1、50-2)を介して可動体40を振動方向に可動自在に支持する。ベース部32は、扁平形状の部材であり、電磁アクチュエーター10の底面を形成する。ベース部32は、コア組立体20を挟むように、板状弾性部50(50-1、50-2)の一端部が固定される取付部32aを有する。取付部32aは、それぞれコア組立体20から同じ間隔を空けて配置される。なお、この間隔は板状弾性部50(50-1、50-2)の変形領域となる間隔である。
取付部32aは、板状弾性部50(50-1、50-2)を固定する固定孔321と、ベース部32を、基台3(図1参照)に固定するための固定孔322とを有する。固定孔322は、固定孔321を挟むように、取付部32aの両端部に設けられている。これにより、ベース部32は、基台3(図1参照)に対して全面的に安定して固定される。
ベース部32は、本実施の形態では、板金を加工して、取付部32aである一辺部と他辺部とが底面部32bを挟み、奥行き方向で離れて位置するよう構成されている。取付部32a間には、取付部32aよりも高さの低い底面部32bを有する凹状部が設けられている。凹状部内、つまり、底面部32bの表面側の空間は、板状弾性部50(50-1、50-2)の弾性変形領域を確保するものであり、板状弾性部50(50-1、50-2)により支持される可動体40の可動領域を確保するための空間である。
底面部32bは矩形状であり、その中央部には、開口部36が形成され、この開口部36内にコア組立体20が配置されている。
開口部36は、コア組立体20の形状に対応した形状である。開口部36は、本実施の形態では、正方形状に形成されている。これにより、コア組立体20と可動体40とを電磁アクチュエーター10の中央部に配置させて、電磁アクチュエーター10全体を平面視して略正方形状にすることができる。なお、開口部36は、矩形状(正方形状を含む)であってもよい。
開口部36内には、コア組立体20の下側のボビン26の分割体26b及びコイル22の下側部分が挿入され、側面視して底面部32b上にコア24が位置するように固定される。これにより、底面部32b上にコア組立体20が取り付けられる構成と比較して、Z方向の長さ(厚み)が薄くなっている。また、コア組立体20の一部、ここでは底面側の一部が開口部36内に嵌まり込んだ状態で固定されるので、コア組立体20は底面部32bから外れにくい状態で強固に固定される。
<コア組立体20>
コア組立体20は、コア24の外周にボビン26を介してコイル22が巻回されることにより構成されている。
コア組立体20は、コイル22に通電されると、板状弾性部50(50-1、50-2)との協働により、可動体40のヨーク41を振動(Z方向に往復直線移動)させる。
コア組立体20は、本実施の形態では、矩形板状に形成されている。コア組立体20には、矩形板状の長手方向(X方向)で離間する両辺部分に磁極部242、244が配置されている。
これら磁極部242、244は、X方向でギャップをあけて可動体40の被吸引面部46、47と対向可能に配置されている。本実施の形態では、上面である対向面(対向面部)20a、20bが、可動体40の振動方向(Z方向)で、ヨーク41の被吸引面部46、47の下面とはす向かいで近接する。
図2に示すように、ベース部32において離間する取付部32a同士の対向方向(振動方向と直交するX方向)に、コイル22の巻回軸を向けて、コア組立体20はベース部32に固定されている。コア組立体20は、本実施の形態では、ベース部32の中央部、具体的には、底面部32bの中央部に配置されている。コア組立体20は、図3~図9に示すように、コア24が底面部32bと平行に、底面上に開口部36を跨いで位置するように、底面部32bに固定されている。コア組立体20は、コイル22及びコイル22に巻回される部位(コア本体241)をベース部32の開口部36内に位置させた状態で、固定されている。
具体的には、コア組立体20は、底面部32bに対して、コイル22を開口部36内に配置した状態で、ねじ68を固定孔28と底面部32bの止着孔33(図6参照)とを通して締結することで固定されている。コア組立体20と底面部32bとは、Y方向で離間する開口部36の両辺部と磁極部242、244とでコイル22を挟むように、止着部材であるねじ68により、コイル22の軸心上の二箇所で接合された状態となっている。
コイル22は、電磁アクチュエーター10の駆動時に通電されて、磁界を発生するソレノイドである。コイル22は、コア24及び可動体40と共に、可動体40を吸い寄せて移動させる磁気回路(磁路)を構成する。詳細は後述する図10を参照して説明するが、制御装置1で生成される駆動信号がコイル22を含む回路に印加されて、コイル22に駆動電流が供給されることで、電磁アクチュエーター10が駆動する。
コア24は、コイル22が巻回されるコア本体241と、コア本体241の両端部に設けられ、コイル22を通電することにより励磁する磁極部242、244とを有する。コア24は、コイル22の通電により両端部が磁極部242、244となる長さを有する構造であれば、どのような構造でもよい。例えば、ストレート型(I型)平板状に形成されてもよいが、本実施の形態のコア24は、平面視H型の平板状に形成されている。
I型のコアとした場合、I型コアの両端部(磁極部)において、エアギャップGを空けて対向する被吸引面部46、47側の面(エアギャップ側面)の面積が狭くなる。これにより、磁気回路における磁気抵抗が高まり、変換効率が低下する恐れがある。また、コアにボビンを取り付ける際に、コアの長手方向におけるボビンの位置決めが無くなる、又は、小さくなるので、別途設ける必要が生じる。
これに対し、コア24は、H型であるので、コア本体241の両端部でエアギャップ側面を、コイル22が巻回されるコア本体241の幅よりも長く前後方向(Y方向)に拡大することができ、磁気抵抗を低下させて、磁気回路の効率の改善を図ることができる。また、磁極部242、244においてコア本体241から張り出した部位の間に、ボビン26を嵌め込むだけでコイル22の位置決めを行うことができ、コア24に対するボビン26の位置決め部材を別途設ける必要が無い。
コア24は、コイル22が巻回される板状のコア本体241の両端部のそれぞれに、磁極部242、244が、コイル22の巻回軸と直交する方向に突出して設けられている。
コア24は、軟磁性材料等からなる磁性体であり、例えば、ケイ素鋼板、パーマロイ、フェライト等により形成される。また、コア24は、電磁ステンレス、焼結材、MIM(メタルインジェクションモールド)材、積層鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)等により構成されてもよい。
磁極部242、244は、コイル22への通電により励磁されて、振動方向(Z方向)で離間する可動体40のヨーク41を吸引し、移動する。具体的には、磁極部242、244は、発生する磁束により、ギャップGを介して対向配置された可動体40の被吸引面部46、47を吸引する。
磁極部242、244は、本実施の形態では、X方向に延在するコア本体241に対して垂直方向であるY方向に延在する板状体である。磁極部242、244は、Y方向に長いため、コア本体241の両端部に形成される構成よりも、ヨーク41に対向する対向面20a、20bの面積が広い。
ボビン26は、コア24のコア本体241の長手方向の周りを囲むように配置されている。ボビン26は、例えば、樹脂材料により形成される。これにより、金属製の他の部材(例えば、コア24)との電気的絶縁を確保することができるので、電気回路としての信頼性が向上する。樹脂材料には、高流動の樹脂を用いることにより成形性が良くなり、ボビン26の強度を確保しつつ肉厚を薄くすることができる。なお、ボビン26は、コア本体241を挟むように分割体26a、26bを組み付けることにより、コア本体241の周囲を覆う筒状体に形成されている。ボビン26には、筒状体の両端部にフランジが設けられ、コイル22がコア本体241の外周上に位置するように規定している。
<可動体40>
可動体40は、コア組立体20に対して、振動方向(Z方向)と直交する方向でギャップを空けて、対向するように配置される。可動体40は、コア組立体20に対して、振動方向に往復移動自在に設けられている。
可動体40は、ヨーク41を有し、ヨーク41に固定される板状弾性部50-1、50-2の可動体側固定部54を含む。
可動体40は、板状弾性部50(50-1、50-2)を介して、底面部32bに対して、接離方向(Z方向)に移動可能に、略平行に離間して吊られた状態(基準常態位置)で配置されている。
ヨーク41は、コイル22に通電した際に発生する磁束の磁路であり、電磁ステンレス、焼結材、MIM(メタルインジェクションモールド)材、積層鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板(SECC)等の磁性体から構成される板状体である。ヨーク41は本実施の形態では、SECC板を加工して形成されている。
ヨーク41は、X方向で離間する被吸引面部46、47のそれぞれに固定される板状弾性部50(50-1、50-2)により、コア組立体20に対して、振動方向(Z方向)にギャップG(図7参照)を空けて対向するように吊設されている。
ヨーク41は、操作機器(図1に示すタッチパネル2参照)を取り付ける面部固定部44と、磁極部242、244に対向配置される被吸引面部46、47とを有する。
ヨーク41は、中央部に開口部48を有する矩形枠状に形成され、開口部48を囲む面部固定部44と被吸引面部46、47を有する。
開口部48は、コイル22と対向する。本実施の形態では、開口部48は、コイル22の真上に位置し、開口部48の開口形状は、ヨーク41が底面部32b側に移動した際に、コア組立体20のコイル22部分が挿入可能な形状に形成されている。
ヨーク41は開口部48を有する構成にすることより、開口部48が無い場合と比較して、電磁アクチュエーター全体の厚みを薄くできる。
また、開口部48内に、コア組立体20を位置させるため、コイル22近傍にヨーク41が配置されることがなく、コイル22から漏れる漏えい磁束による変換効率の低下を抑制でき、高出力を図ることができる。
面部固定部44は、操作機器の一例であるタッチパネル2を面接触して固定する固定面44aを有する。固定面44aは平面視台形状をなしており、面部固定孔42に挿入されるねじ等の止着部材を介して面部固定部44に固定されるタッチパネル2と面接触する。
被吸引面部46、47には、それぞれ、板状弾性部50-1、50-2の可動体側固定部54が積層された状態で固定される。被吸引面部46、47には、底面部32b側に移動した際に、コア組立体20のねじ64の頭部を逃げる切欠部49が設けられている。
これにより、可動体40が底面部32b側に移動して、被吸引面部46、47が磁極部242、244に接近しても、磁極部242、244を底面部32bに固定するねじ68に接触することがなく、その分のZ方向のヨーク41の可動領域を確保できる。
<板状弾性部50(50-1、50-2)>
板状弾性部50(50-1、50-2)は、固定体30に対して可動体40を可動自在に支持する。板状弾性部50(50-1、50-2)は、可動体40の上面を、コア組立体20の上面と同じ高さ、もしくは、固定体30の上面(本実施の形態では、コア組立体20の上面)よりも下面側で、互いに平行となるように支持する。なお、板状弾性部50-1、50-2は、可動体40の中心に対して対称の形状を有し、本実施の形態では、同様に形成された部材である。
板状弾性部50は、ヨーク41を、コア組立体20のコア24の磁極部242、244に対してギャップGを空けて対向するように、略平行に配置される。板状弾性部50は、可動体40の下面をコア組立体20の上面の高さレベルと略同じレベルよりも、底面部32b側の位置で、振動方向に移動自在に支持する。
板状弾性部50は、板バネであり、固定体側固定部52、可動体側固定部54、固定体側固定部52と可動体側固定部54とを連絡する蛇行形状の弾性アーム部56を有する。
板状弾性部50は、取付部32aの表面に固定体側固定部52を取り付け、ヨーク41の被吸引面部46、47の表面に、可動体側固定部54を取り付けて、弾性アーム部56を底面部32bと平行にして、可動体40を取り付ける。
固定体側固定部52は、取付部32aに面接触してねじ62により接合して固定され、可動体側固定部54は、被吸引面部46、47に面接触してねじ64により接合して固定されている。
弾性アーム部56は、弾性変形する蛇行形状部を有するアーム部である。弾性アーム部56は、本実施の形態では、固定体側固定部52と可動体側固定部54との対向方向に伸びて折り返された形状を有する。弾性アーム部56において、固定体側固定部52と可動体側固定部54とにそれぞれ接合される端部は、Y方向でずれた位置に形成されている。弾性アーム部56は、可動体40の中心に対して、点対称或いは線対称の位置に配置されている。
これにより、可動体40は、蛇行形状のばねを有する弾性アーム部56により両側方で支持されるため、弾性変形する際の応力分散が可能となる。すなわち、板状弾性部50は、可動体40を、コア組立体20に対して傾斜することなく、振動方向(Z方向)に移動させることができ、振動状態の信頼性の向上を図ることができる。
板状弾性部50は、それぞれ、少なくとも2つ以上の弾性アーム部56を有している。これにより、板状弾性部50は、弾性アーム部をそれぞれ一つずつ有する場合と比較して、弾性変形する際の応力が分散され、信頼性の向上を図ることができると共に、可動体40に対する支持のバランスが良くなり、安定性の改善を図ることができる。
板状弾性部50は、本実施の形態では、磁性体からなる。また、板状弾性部50の可動体側固定部54は、コアの両端部(磁極部242、244)とのコイル巻回軸方向で対向する位置ないしその上側に配置され、磁路となる。
本実施の形態では、可動体側固定部54は被吸引面部46、47の上側に積層した状態で固定されている。これによりコア組立体の磁極部242、244に対向する被吸引面部46、47の厚み(Z方向、振動方向の長さ)H(図7参照)を磁性体の厚みとして大きくできる。板状弾性部50の厚みと、ヨーク41の厚みとが同じであるので、磁極部242、244に対向する磁性体の部位の断面積を2倍にできる。これにより、板ばねが非磁性の場合と比較して、磁気回路の磁路を拡張して、磁気回路における磁気飽和による特性の低下を緩和し、出力向上を図ることができる。
なお、本実施の形態の電磁アクチュエーター10では、面部固定部44に固定される操作機器が操作された際の可動体40の押し込み量や押し込みに関連する量を検出する検出部を設けてもよい。本実施の形態では、例えば、図6から図7に示すように、押し込みに関連する量の検出部として、板状弾性部50の歪みを検出する歪み検出センサ70を設けていてもよい。
歪み検出センサ70は、面部固定部44が、底面部32b側に押し込まれた際に変形する板状弾性部50の歪みを検出する。検出された歪みは、検出信号として制御装置1に出力される。制御装置1は、後述の図11で説明するように、検出信号に基づいて、駆動信号(副駆動信号)を生成して、コイル22を含む回路に印加する。これにより、コイル22は、通電され、ヨーク41を吸引して、可動体40を移動(振動)させる。
このように、歪み検出センサ70を用いて、操作者の接触操作、つまり、可動体40の押し込みに関連する量を検出するセンサの検出結果に基づいて、可動体40(操作機器)の振動周期を制御装置1が調整するようにしてもよい。また、歪み検出センサ70とは別に、操作機器で検知した操作者の接触位置の表示形態に連動して、その表示形態に対応する振動を発生させる操作信号を制御装置1に出力し、それに応じて、可動体40の振動周期を制御装置1が制御するようにしてもよい。
本実施の形態では、制御装置1は、操作される操作機器の変位量(例えば、押し込み量)を判定しなくても、操作機器への操作者の接触が検出できれば、接触に対する振動フィードバックは実現できる。加えて、制御装置1は、実際の操作機器の変位量を判定できれば、例えば、当該変位量に対応する量として、板状弾性部50に対する押し込み量を検出できれば、この検出結果を用いて、より自然な感触の表現を実現できる。
ここでは、歪み検出センサ70は、板状弾性部50の弾性アーム部56において、歪みの大きい付け根付近に取り付けられており、また、他部材の邪魔にならない領域である、所謂、デッドスペースに配置されている。
なお、歪み検出センサ70は、1箇所に限らず、複数箇所に取り付けてもよい。この場合、歪み検出センサ70は、操作機器の操作面の中心に対して、放射状に等間隔で囲むように、少なくとも3箇所以上に配置されることが好ましい。例えば、図6を参照して一例を説明すると、歪み検出センサ70は、板状弾性部50-1、50-2の弾性アーム部56にそれぞれ配置され、合計4箇所配置される。これにより、電磁アクチュエーター10は、操作機器が操作された際の操作機器の変位を面で受けることになり、歪み検出センサ70は、変位に伴う板状弾性部50の歪みを精度よく検出することができる。
また、ここでは、電磁アクチュエーター10は、固定体30側に固定されたコア組立体20が、板状弾性部50を介して固定体30に支持された可動体40(ヨーク41)を振動させるヨーク振動型の構成である。これに代えて、板状弾性部を介して固定体に支持された可動体がコア組立体を有し、固定体に対して可動体自体が振動するコア振動型の構成の電磁アクチュエーターでもよい。このような構成の場合、操作機器が操作された際の押し込みに関連する量(歪み)を検出する歪み検出センサを、板状弾性部に取り付けてもよいし、また、可動体側の部材(例えば、操作機器と可動体とを接続するフレーム等)に取り付けてもよい。
また、歪み検出センサ70に代えて、板状弾性部50の下方で、板状弾性部50の変形部分と対向する底面部32b上に、押し込まれて変位する板状弾性部50との間の距離を測定する静電容量センサ等の押し込み量検出用の検出部を配置してもよい。
図8は、電磁アクチュエーター10の磁気回路を示す図である。なお、図8は、図4のA-A線で切断した電磁アクチュエーター10の斜視図であり、磁気回路は、図示しない部分も図示された部分と同様の磁束の流れMを有する。また、図9は、磁気回路による可動体の移動を模式的に示す断面図である。詳細には、図9Aは板状弾性部50により、可動体40が、コア組立体20から離間した位置に保持されている状態の図であり、図9Bは、磁気回路による起磁力によりコア組立体20側に吸引されて移動した可動体40を示す。
具体的には、コイル22を通電すると、コア24が励磁されて磁場が発生し、コア24の両端部が磁極となる。例えば、図8では、コア24において、磁極部242がN極となり、磁極部244がS極となっている。すると、コア組立体20とヨーク41との間には、磁束の流れMで示す磁気回路が形成される。この磁気回路における磁束の流れMは、磁極部242から対向するヨーク41の被吸引面部46に流れ、ヨーク41の面部固定部44を通り、被吸引面部47から、被吸引面部47に対向する磁極部244に至る。本実施の形態では、板状弾性部50も磁性体である。よって、被吸引面部46に流れた磁束(磁束の流れMで示す)は、ヨーク41の被吸引面部46及び可動体側固定部54を通り、被吸引面部46の両端から、面部固定部44を介して被吸引面部46及び、板状弾性部50-2の可動体側固定部54の両端に至る。
これにより、電磁ソレノイドの原理により、コア組立体20の磁極部242、244は、ヨーク41の被吸引面部46、47を吸引する吸引力Fを発生する。すると、ヨーク41の被吸引面部46、47は、コア組立体20の磁極部242、244の双方で引き寄せられる。これにより、ヨーク41の開口部48内に、コイル22が挿入されて、ヨーク41を含む可動体40は、板状弾性部50の付勢力に抗して、F方向に移動する(図9A及び図9B参照)。
また、コイル22への通電を解除すると、磁界は消滅し、コア組立体20による可動体40の吸引力Fは無くなり、板状弾性部50の付勢力により、元の位置に移動(-F方向に移動)する。
これを繰り返すことで、電磁アクチュエーター10は、可動体40を往復直線移動して振動方向(Z方向)の振動を発生することができる。
可動体40を往復直線移動させることにより、可動体40が固定される操作機器であるタッチパネル2も、可動体40に追従してZ方向に変位する。本実施の形態では、駆動による可動体40の変位、つまり、タッチパネル2の変位量G1(図1参照)は、0.03mm~0.3mmの範囲としている。この変位量の範囲は、操作機器であるタッチパネル2の画面2aにおいて、操作者が押圧した表示に対応する振動を付与できる範囲である。
例えば、画面2aにおいて操作者の押圧対象となる表示が、機械式のボタン或いは各種スイッチである場合、これら機械式のボタン或いは各種スイッチを実際に押圧した際と同じ触感を付与できる振幅の範囲である。この範囲は、可動体40の振幅の変位が小さいと触感が不十分となったり、また、大きいと不快に感じたりする。
電磁アクチュエーター10では、コア組立体20の磁極部242、244に、ヨーク41の被吸引面部46、47を近接設置することで、磁気回路効率を上げ、高出力を図ることができる。また、電磁アクチュエーター10では、マグネットを用いることがないので、低コストの構造となる。板状弾性部50(50-1、50-2)である蛇行形状のばねにより、応力分散が可能となり、信頼性の向上を図ることができる。特に、複数の板状弾性部50(50-1、50-2)により可動体40を支持しているため、より効果的に応力分散を可能にしている。このように、電磁アクチュエーター10は、上下方向駆動により上下方向で画面2aに接触する操作者に対してダイレクトな感触を提供できる。
コイル22が巻回されるコア24を有するコア組立体20が固定体30に固定され、このコア組立体20は、板状弾性部50により固定体30に対してZ方向に可動自在に支持された可動体40のヨーク41の開口部48内に配置されている。これにより、磁気を発生してZ方向に可動体を駆動させるために固定体及び可動体のそれぞれに設ける部材をZ方向で重ねて設ける(例えば、コイルとマグネットをZ方向で対向して配置)必要がないので、電磁アクチュエーターとしてZ方向の厚みを薄くできる。また、マグネットを用いることなく、可動体40を往復直線移動させることで、操作機器に、触覚フィーリングとしての振動を付与できる。このように、支持構造が単純であるため設計がシンプルになり、省スペース化を図ることができ、電磁アクチュエーター10の薄型化を図ることができる。また、マグネットを用いたアクチュエーターではないので、マグネットを用いる構成と比較してコストの低廉化を図ることができる。
以下に、電磁アクチュエーター10の駆動原理について簡単に説明する。電磁アクチュエーター10は、下記の運動方程式及び回路方程式を用いて共振現象を発生させて駆動することもできる。なお、動作としては共振駆動ではなく、操作機器としてのタッチパネル2に表示される機械式スイッチの操作感を表現するものであり、本実施の形態では、制御装置1を介してコイル22に駆動電流を供給することにより駆動する。機械式スイッチとしては、例えば、タクタイルスイッチ、オルタネイト型スイッチ、モーメンタリスイッチ、トグルスイッチ、スライドスイッチ、ロータリースイッチ、DIPスイッチ、ロッカースイッチが挙げられる。
なお、電磁アクチュエーター10における可動体40は、式(1)、(2)に基づいて往復運動を行う。
Figure 2024045017000002
Figure 2024045017000003
すなわち、電磁アクチュエーター10における質量m[Kg]、変位x(t)[m]、推力定数K[N/A]、電流i(t)[A]、ばね定数Ksp[N/m]、減衰係数D[N/(m/s)]等は、式(1)を満たす範囲内で適宜変更できる。また、電圧e(t)[V]、抵抗R[Ω]、インダクタンスL[H]、逆起電力定数K[V/(rad/s)]は、式(2)を満たす範囲内で適宜変更できる。
このように、電磁アクチュエーター10における可動体40の往復運動は、基本的には、可動体40の質量mと、板状弾性部50としての金属ばね(弾性体、本実施の形態では板ばね)のばね定数Kspにより決まる。
また、電磁アクチュエーター10では、ベース部32と板状弾性部50との固定、及び、板状弾性部50と可動体40との固定には、ねじ62、64が用いられている。これにより、可動体40が駆動するために、固定体30及び可動体40に対して強固に固定する必要がある板状弾性部50を、リワークを可能とした状態で機械的に強固に固定することができる。
なお、板状弾性部50は、可動体40の中心に対して対称な位置に複数固定されていることが好ましいが、上述したように、一つの板状弾性部50で、可動体40を固定体30に対して振動可能に支持するようにしてもよい。板状弾性部50は、可動体40と固定体30とを連結し、且つ、弾性アーム部56を有するアーム部を少なくとも2つ以上備えてもよい。板状弾性部50は、磁性体で構成されてもよい。この場合、板状弾性部50の可動体側固定部54は、コア24の両端部に対して、それぞれコイル22の巻回軸方向、又は、巻回軸方向と直交する方向に配置され、コイル22に通電された際に、コア24と共に磁路を構成する。
また、電磁アクチュエーター10の構成において、ベース部32と板状弾性部50との固定、及び、板状弾性部50と可動体40との固定に用いたねじ62、64、68に変えて、リベットを用いてもよい。リベットは、それぞれ頭部とねじ部のない胴部からなり、穴を空けた部材に差し込み、反対側の端部をかしめて塑性変形させることで穴を空けた部材同士を接合する。かしめは、例えば、プレス加工機や専用の工具等を用いておこなってもよい。
<制御装置1>
制御装置1(本発明における回路)は、弾性振動可能に支持された操作機器(図1ではタッチパネル2)をその振動方向の一方向に駆動する電磁アクチュエーター10を制御する。
制御装置1は、操作機器の接触操作に応じて、電磁アクチュエーター10のコイル22に駆動電流を供給して、磁界を発生させ、固定体30に対して、可動体40を一方向に(ここでは、Z方向マイナス側に)移動させて、弾性振動させる。これにより、制御装置1は、操作者に操作機器に接触した際に、振動を触感として付与する。なお、接触操作は、例えば、タッチパネル2から入力される接触状態を示す信号であってもよいし、歪み検出センサ70で検出した信号であってもよい。
制御装置1は、本実施の形態では、駆動信号を生成し、電磁アクチュエーター10のコイル22を含む回路に、生成された駆動信号を印加して、コイル22に駆動電流を供給する。
制御装置1は、駆動信号を印加して駆動電流をコイル22に供給することにより、可動体40は、板状弾性部50の付勢力に抗して、磁気吸引力により、コイル22側、つまり、Z方向マイナス側に引き込まれて変位する。これに追従して、タッチパネル2も、固定体30が固定される基台3に対してZ方向マイナス側に移動する。
また、コイル22への駆動電流の供給を停止することにより、付勢力は開放されて、可動体40は、基準位置に対するZ方向マイナス側での位置での保持状態が解除される。これにより、可動体40は、板状弾性部50の付勢力により、Z方向マイナス側での最大変位位置から、引き込まれた方向(Z方向マイナス側)と逆方向(Z方向プラス側)に付勢されて移動し、振動をフィードバックする。
駆動信号は、主駆動信号と副駆動信号とからなる。主駆動信号は、接触操作に応じた主な振動を発生させる。副駆動信号は、主駆動信号により発生した振動の減衰期間を調整する。
主駆動信号は、操作者が操作機器(図1ではタッチパネル2の画面2a)に接触したときに制御装置1で生成される。生成された主駆動信号がコイル22を含む回路に印加されると、主駆動信号に対応する主駆動電流がコイル22に供給されて、電磁アクチュエーター10を駆動する。主駆動信号に応じて、電磁アクチュエーター10を駆動することにより、接触操作に応じて操作者にフィードバックする主な振動を発生させる。
副駆動信号は、主駆動信号の印加後に制御装置1で生成される。生成された副駆動信号がコイル22を含む回路に印加されると、副駆動信号に対応する副駆動電流がコイル22に供給されて、電磁アクチュエーター10を駆動する。副駆動信号に応じて、電磁アクチュエーター10を駆動することにより、主駆動信号により発生した振動の減衰期間の振動、つまり、接触操作に応じて操作者にフィードバックされた主な振動の残りの減衰期間の振動を形成する。
このように、制御装置1は、電磁アクチュエーター10のコイル22に対し、主駆動信号を印加して、操作機器に対する接触操作に応じた操作機器の振動を開始し、その後、副駆動信号を印加して、振動の減衰期間を調整する。
主駆動信号は、接触操作した操作者に、フィードバックされる主な振動を構成するものであれば、どのような大きさの振動を発生させてもよく、また、複数のパルス(パルス列)により形成されてもよい。
副駆動信号は、主駆動信号の印加後に印加される電圧信号であって、後述する波形(例えば、正弦波等)を有する電圧信号であり、1つの波形又は複数の波形(波列)からなる電圧信号により形成される。
副駆動信号は、本実施の形態では、主駆動信号によるフィードバック振動後の減衰する振動(振動の減衰期間)を短くするためのブレーキ信号と、当該減衰期間を継続するための減衰追加信号とを有する。なお、副駆動信号は、ブレーキ信号と、減衰追加信号のうちの少なくとも一方を有していればよい。
制御装置1は、主駆動信号及び副駆動信号について、それぞれの振幅、それぞれの波長、それぞれの供給タイミング等により、様々な種類の振動形態を生成し、駆動信号として電磁アクチュエーター10側へ出力する。このような駆動信号により、制御装置1は、様々な種類の振動形態を操作者に体感として付与する。
図10は、本発明の実施の形態に係る制御装置1を説明する図である。また、図11は、図10に示した制御装置1での駆動信号の生成を説明する図である。
制御装置1は、図10に示すように、電源部110、検出信号処理部120、駆動信号生成部130及び駆動部140を有する。
電源部110は、電力供給線等の図示は省略しているが、検出信号処理部120、駆動信号生成部130及び駆動部140に電力を供給する。なお、駆動部140においては、外部電源から供給された電力により、電磁アクチュエーター10の電源電圧Vactが供給される。
検出信号処理部120には、電磁アクチュエーター10に設けられた歪み検出センサ70で検出された検出信号が入力される。歪み検出センサ70は、接触操作に伴う可動体40の押し込み量や振動に伴う可動体40の変位量に関連する板状弾性部50の歪みを検出し、検出信号として、検出信号処理部120に入力する。
検出信号処理部120は、入力された検出信号の処理を行う。検出信号処理部120は、HPF(High Pass Filter)121、LPF(Low Pass Filter)122等を有しており、歪み検出センサ70で検出された検出信号にオフセット除去処理やノイズ除去処理を行って、駆動信号生成部130へ入力する。
なお、ここでは、歪み検出センサ70で検出された検出信号を検出信号処理部120に入力しているが、可動体40の押し込み力や加速度、変位量を検出できれば、歪み検出センサ70以外の検出部で検出された検出信号を検出信号処理部120に入力してもよい。
駆動信号生成部130は、詳細は図11を参照して後述するが、電磁アクチュエーター10を駆動して振動を始動する主駆動信号と、主駆動信号の印加後に印加する副駆動信号を生成する。
駆動部140は、ゲートドライバ141、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)142、SBD(Schottky Barrier Diodes:ショットキーバリアダイオード)143を有する。
ゲートドライバ141は、MOSFET142の駆動制御を行うための回路である。ゲートドライバ141は、駆動信号生成部130からの駆動信号を増幅して出力して、MOSFET142のゲートGの電圧を制御することで、MOSFET142を駆動する。
MOSFET142は、ゲートGとソースSとの間に電圧が印加されると、ソースSとドレインDとの間を導通状態として電流を流して、コイル22に供給する電流のスイッチングや増幅を行う。SBD143は、整流素子であり、コイル22に発生するフライバック電圧を防止する。
駆動部140では、駆動信号生成部130は、ゲートドライバ141を介して、MOSFET142のゲートGへ接続される。また、SBD143はコイル22と並列に接続され、並列に接続されたSBD143及びコイル22の一端側に電源電圧Vactが供給され、他端側にMOSFET142のドレインDが接続される。MOSFET142のソースSはグランドGNDへ接続される。
制御装置1での駆動信号の生成について、図11を参照して説明する。
操作者がタッチパネル2の接触操作を行うと、接触操作のトリガー信号が制御装置1に入力される。トリガー信号は、接触操作されたタッチパネル2から入力される信号でもよいし、タッチパネル2の接触操作に伴って歪み検出センサ70で検出された信号でもよい。また、上述したように、制御装置1とは別の制御装置であるマイコンから、接触操作のトリガー信号を制御装置1に入力するようにしてもよい。
タッチパネル2等から入力されたトリガー信号は、駆動信号生成部130の主駆動信号生成部B21へ入力される。主駆動信号生成部B21は、トリガー信号が入力されると、電磁アクチュエーター10を駆動して可動体40の振動を始動する主駆動信号を生成する。生成された主駆動信号は、出力部B25へ入力され、出力部B25を介して、駆動部140のゲートドライバ141へ入力される。
主駆動信号は、例えば、後述の図16~図22等に示すように、矩形波である。矩形波のパルス幅やピーク電圧値は、制御装置1の記憶部に予めパラメータとして入力されている。主駆動信号生成部B21は、トリガー信号が入力されると、記憶部にパラメータとして入力された矩形波のパルス幅やピーク電圧値を参照して、主駆動信号を生成する。振動呈示装置200が、上述したように、制御装置1とは別の制御装置であるマイコンを有する場合には、マイコン側に矩形波のパルス幅やピーク電圧値を予め設定しておき、制御装置1の記憶部にパラメータとして入力するようにしてもよい。
駆動信号生成部130から駆動部140へ主駆動信号が入力されると、駆動部140は、ゲートドライバ141、MOSFET142を用いて、コイル22に主駆動電流を供給して、可動体40の振動を始動する、
可動体40の振動が始動すると、可動体40の振動に伴う板状弾性部50の歪みを歪み検出センサ70で検出し、検出された検出信号が検出信号処理部120に入力される。板状弾性部50の歪みは、可動体40が板状弾性部50に加える力に起因し、可動体40の加速度に相関する。
検出信号処理部120は、入力された検出信号を適切な波形に整形する処理を行っている。検出信号処理部120は、上述したように、HPF121、LPF122等を有し、検出信号に対し、HPF121のHPF部B11によりオフセット除去処理を行い、LPF122のLPF部B12によりノイズ除去処理を行っている。検出信号処理部120は、以上のようなフィルタリング処理等を行った後、処理後の検出信号を駆動信号生成部130のタイミング検出部B22へ入力する。
駆動信号生成部130は、上述した主駆動信号生成部B21、出力部B25に加えて、タイミング検出部B22、振幅設定部B23、副駆動信号生成部B24等を有する。
タイミング検出部B22は、検出信号処理部120から入力された検出信号の波形から、検出信号のピークタイミング、ボトムタイミングを検出する。ピークタイミング、ボトムタイミングに代えて、又は、ピークタイミング、ボトムタイミングに加えて、検出信号のゼロクロスタイミングを検出してもよい。
タイミング検出部B22で、検出信号のピークタイミング、ボトムタイミング、ゼロクロスタイミングを検出することで、後述する副駆動信号を適切な供給タイミングで供給することができる。供給タイミングの違いにより、副駆動信号は、振動の減衰期間を短くするためのブレーキ信号、又は、減衰期間を継続するための減衰追加信号となる。供給タイミングについては、図16、図17を参照して後述する。
タイミング検出部B22は、検出された上記のタイミングを、振幅設定部B23を介して(又は、直接)、副駆動信号生成部B24へ入力する。
振幅設定部B23は、タイミング検出部B22から入力された検出信号のピークタイミング、ボトムタイミング、ゼロクロスタイミングに基づいて、副駆動信号の振幅を設定する。振幅設定部B23は、例えば、制御装置1の記憶部に記憶されたデータテーブルを参照して、副駆動信号の振幅を設定してもよい。振幅設定部B23は、設定された振幅を副駆動信号生成部B24へ入力する。
副駆動信号の振幅は、電磁アクチュエーター10の構成によっては、大きくしても、所定のブレーキング力以上にブレーキング力が大きくならなかったり、加速度波形が歪んだりする場合がある。このような場合は、電源電圧Vactを基準にして、副駆動信号の振幅の上限値を設定してもよい。例えば、副駆動信号の振幅の上限値を電源電圧Vactの20%等と設定する。これにより、副駆動信号によるブレーキングや減衰追加を効率よく行うことができる。
副駆動信号生成部B24は、タイミング検出部B22から入力された上記のタイミングや振幅設定部B23で設定された振幅等に基づいて、副駆動信号を生成する。
副駆動信号生成部B24は、周期カウント部B241、第1副駆動信号生成部B242(本発明における第1波形生成部)、第2副駆動信号生成部B243(本発明における第2波形生成部)、合成部B244等を有する。
周期カウント部B241は、タイミング検出部B22から入力された上記のタイミングに基づいて、副駆動信号の周期をカウントする。そして、周期カウント部B241は、例えば、奇数番目の周期の場合、第1副駆動信号生成部B242に副駆動信号を生成させ、偶数番目の周期の場合、第2副駆動信号生成部B243に副駆動信号を生成させる。
1つの第1副駆動信号生成部B242を用いて、奇数番目の周期の副駆動信号と、偶数番目の周期の副駆動信号と、を生成する場合、先行する副駆動信号から次の副駆動信号への切り換えが難しい。例えば、切り換え時に、副駆動信号が途切れたり、急激な変動が起こったりする可能性がある。
そこで、本実施の形態では、副駆動信号生成部B24は、2つの第1副駆動信号生成部B242、第2副駆動信号生成部B243及び合成部B244を有している。詳細は図13を参照して説明するが、2つの第1副駆動信号生成部B242、第2副駆動信号生成部B243でそれぞれ生成された奇数番目と偶数番目の周期の副駆動信号は、合成部B244で合成される。このようにして、奇数番目と偶数番目の周期の副駆動信号を合成することで、先行する副駆動信号と次の副駆動信号とが重なる期間があっても、先行する副駆動信号から次の副駆動信号への切り換えがスムーズな変化となる。例えば、可動体40の振動の周期をTとすると、副駆動信号の周期を1Tより大きくする場合に、以下に説明する合成により、先行する副駆動信号から次の副駆動信号への切り換えをスムーズな変化とすることができる。
また、本実施の形態では、2つの第1副駆動信号生成部B242、第2副駆動信号生成部B243は、共に、正弦波ジェネレーターである。第1副駆動信号生成部B242及び第2副駆動信号生成部B243は、副駆動信号として正弦波(サイン波)を生成する。
なお、正弦波は副駆動信号の一例であり、正弦波に準じる波形、例えば、余弦波(コサイン波)等の波形でもよい。このような副駆動信号としては、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧を中心値として変動する可変電圧を有し、可変電圧の変動を示す波形が曲線的であること、例えば、当該波形が正弦関数的曲線又は余弦関数的曲線であることが望ましい。更に、副駆動信号は、極性が変化しない範囲で可変電圧が変動するものが望ましい。
詳細は後述の図16~図27を参照して説明するが、本実施の形態で示す例では、副駆動信号は、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧を中心値とし、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波又は余弦波としている。
このように、副駆動信号は、オフセット電圧を中心値として、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動するので、当該副駆動信号に対応する副駆動電流も曲線的に変動してコイル22に流れる。このように、副駆動電流に不連続な変動は存在しない。そのため、振動周期の全ての期間において、コイル22による吸引力(駆動力)が所定値以上で曲線的に変動することになる。このように、吸引力が所定値以上で曲線的に変動するので、吸引力の不連続な変動に起因する高調波振動の発生やそれに伴う異音の発生を抑制することができる。ここで、「不連続な変動」とは、副駆動電流や吸引力において、電流や力が途切れたり、三角波状に変動したりすることである。
合成部B244は、上述したように、2つの第1副駆動信号生成部B242、第2副駆動信号生成部B243でそれぞれ生成された奇数番目と偶数番目の周期の副駆動信号を合成し、副駆動信号の波列を生成して、出力部B25へ入力する。
ここで、本実施の形態において、第1副駆動信号生成部B242及び第2副駆動信号生成部B243で生成する正弦波、余弦波について、図12A~図12Cを参照して説明する。図12Aは、初期位相が0の正弦波を示すグラフである。また、図12Bは、初期位相が3/2πの正弦波を示すグラフである。また、図12Cは、初期位相がπの余弦波を示すグラフである。
本実施の形態では、第1副駆動信号生成部B242及び第2副駆動信号生成部B243は、副駆動信号を構成する基本波形として、図12Aに太線で示す初期位相が0の1周期分の正弦波を生成する。そして、第1副駆動信号生成部B242が奇数番目の周期の正弦波の波列を生成し、第2副駆動信号生成部B243が偶数番目の周期の正弦波の波列を生成する。合成部B244は、第1副駆動信号生成部B242で生成された奇数番目の周期の正弦波の波列と、第2副駆動信号生成部B243で生成された偶数番目の周期の正弦波の波列と、を合成して、後述する図16、図17に示すような副駆動信号の波列を生成する。上記の基本波形は、図12Aに示す初期位相が0の1周期分の正弦波に代えて、これと同等な波形でもよい。例えば、電圧が2階微分で負となる波形(例:図12Aでの0~πの期間)と、これと逆に、電圧が2階微分で正となる波形(例:図12Aでのπ~2πの期間)と、を両方含む波形でもよい。
また、第1副駆動信号生成部B242及び第2副駆動信号生成部B243は、副駆動信号を構成する基本波形として、図12Bに太線で示す初期位相が3/2πの1周期分の正弦波を生成してもよい。つまり、正弦波の谷から谷までを、基本波形としてもよい。そして、第1副駆動信号生成部B242が奇数番目の周期の正弦波の波列を生成し、第2副駆動信号生成部B243が偶数番目の周期の正弦波の波列を生成する。合成部B244は、第1副駆動信号生成部B242で生成された奇数番目の周期の正弦波の波列と、第2副駆動信号生成部B243で生成された偶数番目の周期の正弦波の波列と、を合成して、以下に説明する図13に示すような副駆動信号の波列を生成する。上記の基本波形は、図12Bに示す初期位相が3/2πの1周期分の正弦波に代えて、これと同等な波形でもよい。例えば、電圧が2階微分で負となる波形(例:図12Bでの2π~3πの期間)と、これと逆に、電圧が2階微分で正となる波形(例:図12Bでの3/2π~2πの期間と3π~7/2πの期間)と、を両方含む波形でもよい。
なお、第1副駆動信号生成部B242及び第2副駆動信号生成部B243は、副駆動信号を構成する基本波形として、図12Bに示す初期位相3/2πの1周期分の正弦波に代えて、図12Cに太線で示す初期位相がπの1周期分の余弦波を生成してもよい。つまり、余弦波の谷から谷までを、基本波形としてもよい。この場合の基本波形は、図12Cに示す初期位相がπの1周期分の余弦波に代えて、これと同等な波形でもよい。例えば、電圧が2階微分で負となる波形(例:図12Cでの3/2π~5/2πの期間)と、これと逆に、電圧が2階微分で正となる波形(例:図12Cでのπ~3/2πの期間と5/2π~3πの期間)と、を両方含む波形でもよい。
図13を参照して、2つの第1副駆動信号生成部B242、第2副駆動信号生成部B243でそれぞれ生成された奇数番目と偶数番目の周期の正弦波の波列の合成を説明する。図13は、奇数番目の周期の正弦波からなる波列と、偶数番目の周期の正弦波からなる波列と、の合成を説明するグラフである。ここでは、第1副駆動信号生成部B242及び第2副駆動信号生成部B243で生成する副駆動信号の基本波形は、図12Bに示す初期位相3/2πの1周期分の正弦波とする。
図13において、グラフ中段は第1副駆動信号生成部B242で生成された奇数番目の周期の正弦波からなる波列(第1副駆動信号)を示すグラフである。グラフ下段は第2副駆動信号生成部B243で生成された偶数番目の周期の正弦波からなる波列(第2副駆動信号)を示すグラフである。
第1副駆動信号生成部B242は奇数番目の周期の正弦波からなる波列を生成し、第2副駆動信号生成部B243は偶数番目の周期の正弦波からなる波列を生成する。そして、合成部B244は、第1副駆動信号生成部B242で生成された奇数番目の周期の正弦波からなる波列と、第2副駆動信号生成部B243で生成された偶数番目の周期の正弦波からなる波列と、を合成して、グラフ上段に示す副駆動信号の波列を生成する。合成部B244は、奇数番目の周期の正弦波からなる波列と偶数番目の周期の正弦波からなる波列とを重ね合わせる。これにより、奇数番目の周期の正弦波から偶数番目の周期の正弦波に切り替わる部分や偶数番目の周期の正弦波から奇数番目の周期の正弦波に切り替わる部分(図13中の円の部分)を滑らかな波形とすることができる。
出力部B25は、駆動信号となる主駆動信号及び副駆動信号を駆動部140へ出力する。出力部B25は、PWM(Pulse Width Modulation)回路を含み、主駆動信号を出力する場合は、設定された振幅となるよう矩形波のデュ-ティ比を制御する。そして、出力部B25は、振幅やパルス幅が設定された主駆動信号を駆動部140へ出力する。一方、出力部B25は、副駆動信号を出力する場合は、副駆動信号生成部B24で生成された副駆動信号を駆動部140へ出力する。
制御装置1は、以上の構成により、操作機器(タッチパネル2)の接触操作に応じて、操作機器を駆動する駆動信号を生成し、駆動信号に対応する駆動電流を電磁アクチュエーター10のコイル22に供給する。
なお、制御装置1において、駆動信号生成部130は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、記憶部等を備えてもよい。CPUは、ROMから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して、主駆動信号及び副駆動信号の生成を行う。
記憶部は、例えば、不揮発性の半導体メモリ(所謂、フラッシュメモリ)等で構成してもよく、CPUは、記憶部に格納されている各種データを参照して、主駆動信号、副駆動信号を生成してもよい。各種データは、上述した、副駆動信号の振幅の設定に用いるデータテーブル等を含み、また、後述の図16~図27に示すような副駆動信号の波形データを含んでもよい。
また、ROMは、主駆動信号及び副駆動信号の生成用のプログラムだけでなく、電磁アクチュエーター10を駆動して振動を呈示する振動呈示装置としての振動呈示プログラム等の各種プログラムが格納されている。
振動呈示プログラムは、タッチパネル2や歪み検出センサ70から接触操作の接触状態を示す接触情報が入力された際に、接触情報に対応する振動を発生する駆動信号を生成し、駆動部140を介して、電磁アクチュエーター10に出力するプログラムを含む。例えば、当該プログラムに従って、接触情報に対応する主駆動信号のパルス幅やピーク電圧値等や副駆動信号のタイミングや振幅等が設定される。そして、これらの設定により生成された主駆動信号、副駆動信号が駆動部140を介して、電磁アクチュエーター10に出力される。
<制御装置1による振動動作>
制御装置1は、主駆動信号に対応する主駆動電流をコイル22に供給して可動体40を振動方向の一方向に駆動する。主駆動電流をコイル22に供給すると、コイル22による吸引力が発生し、この吸引力により、可動体40は、板状弾性部50の付勢力に抗して、振動方向の一方向に変位する。主駆動電流を供給し続けると、可動体40は、振動方向の一方向へ変位し続けようとするが、コイル22による吸引力より板状弾性部50の付勢力が大きくなると、当該付勢力により、上記一方向と逆方向に変位しようとする。このタイミングで、主駆動電流の供給を停止することにより、上記一方向へ変位させる吸引力は解放され、可動体40は、付勢力により、逆方向に変位する。これにより、主駆動電流による主な振動が可動体40に発生する。
本実施の形態において、一例として、主駆動信号は矩形波であり、対応する主駆動電流の供給停止は、当該駆動電流を生成する主駆動信号の電圧がオフになったタイミング、つまり、主駆動信号の矩形波が立ち下がったタイミングを意味する。電圧がオフになった時点では、駆動電流は完全にオフではなく減衰している状態である。可動体40は、引き込み方向(Z方向マイナス側)の最大変位可能位置で蓄積された板状弾性部50の付勢力により、振動方向のうちの他方向(Z方向プラス側)へ移動して変位する。操作機器側である他方向側へ移動した可動体40を介して操作機器に強い振動が伝播され、操作者に触感が付与される。
操作者がタッチパネル2の画面2aに接触して操作すると、操作者による画面2aへの接触に応じて、例えば、上述したマイコンがトリガー信号を生成して、制御装置1に入力する。制御装置1は、トリガー信号の入力により、最初に、主駆動信号に対応する主駆動電流をコイル22に供給し、その後、副駆動信号(ブレーキ信号、減衰追加信号)に対応する副駆動電流をコイル22に供給する。制御装置1は、主駆動信号に対応する主駆動電流をコイル22に供給し、加えて、主駆動電流を供給した後に供給する副駆動信号に対応する副駆動電流によって、主駆動電流の供給の停止後も残って継続する可動体40の振動、所謂、振動減衰期間を調整する。
<主駆動信号に対応する主駆動電流の供給>
上述したように、操作者がタッチパネル2の画面2aに接触して操作すると、操作者の画面2aへ接触に応じて、例えば、マイコンがトリガー信号を生成して、制御装置1に入力する。制御装置1は、トリガー信号の入力により、主駆動信号に対応する主駆動電流をコイル22に供給する。これにより、可動体40は、主駆動電流に応じて駆動し、振動して、振動減衰期間が発生する。制御装置1は、主駆動信号により、振動減衰期間における強弱、振動減衰期間の長さ、或いは、振動減衰期間の有無等を調整することにより、操作者が操作機器に接触した際に様々な種類の触感を付与する。
ここで、可動部分である可動体40(タッチパネル2も含むが、ここでは、便宜上、可動体40で説明する)の質量をm、可動体40を弾性支持する板状弾性部50である板ばねのばね定数をKspとする。電磁アクチュエーター10における振動周期Tは、下記式(3)で示される。
Figure 2024045017000004
振動周期Tは、本実施の形態では、負側の最大変位のタイミングから次の負側の最大変位のタイミングまでの時間の間隔である。
<副駆動信号に対応する副駆動電流の供給>
制御装置1は、主駆動信号に対応する主駆動電流をコイル22に供給した後、所定の供給タイミングで、副駆動信号(ブレーキ信号、減衰追加信号)に対応する副駆動電流をコイル22に供給する。言い換えれば、制御装置1は、弾性振動を始動可能な主駆動電流をコイル22に供給した後、弾性振動の減衰期間を調整可能な副駆動電流をコイル22に供給する。所定の供給タイミングについては後述する。
副駆動電流をコイル22に供給することにより、主駆動電流による振動の減衰期間を調整する。すなわち、副駆動信号に対応する副駆動電流は、主駆動信号に対応する主駆動電流による主となる振動後に続く、振動の大きさ、長さを調整する。
主駆動電流による主な振動の減衰期間における振動の振動周期Tは、固有角周波数をω、減衰比をζとすると、下記式(4)で示される。
Figure 2024045017000005
振動周期Tは、上述した振動周期Tより大きくなる。そして、副駆動信号としてブレーキ信号を印加する場合には、実質的に減衰比ζが大きくなり、振動周期Tは更に大きくなる。そのため、その振動周期Tに合うように、副駆動信号による振動周期Tを振動周期Tより大きくする。例えば、T=nTとすると、nを1より大きくする。
一方、副駆動信号として減衰追加信号を印加する場合には、実質的に減衰比ζが小さくなり、振動周期Tは振動周期Tより小さくなる。そのため、その振動周期Tに合うように、副駆動信号による振動周期Tを振動周期Tより小さくする。例えば、T=nTとすると、nを1より小さくする。
ここで、副駆動信号として矩形波を用いる場合について、図14、図15を参照して説明を行う。図14は、矩形波の副駆動信号(減衰追加信号)を制御装置1から印加する場合に発生する高調波を説明するグラフである。また、図15は、矩形波の副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置1から印加する場合に発生する高調波を説明するグラフである。
図14は、制御装置1から、接触操作に対応する主駆動信号を矩形波として印加し、減衰追加信号となる副駆動信号も矩形波として印加したとき、コイル22を流れる電流と可動体40の加速度とを示すグラフである。副駆動信号は、振動の減衰期間を継続する減衰追加信号となる供給タイミングで供給される。また、可動体40の加速度は、歪み検出センサ70で検出された検出信号から算出される。
図14に示すように、矩形波の主駆動信号が制御装置1から印加されると、矩形波の主駆動信号に対応する主駆動電流がコイル22に流れて、可動体40に主な振動が発生する。可動体40の振動に伴い、その加速度も図14のように変化する。
そして、図14中の楕円内に示すように、減衰追加信号となる矩形波の副駆動信号が制御装置1から印加されると、矩形波の副駆動信号に対応する副駆動電流がコイル22に流れる。このとき、矩形波の副駆動信号の印加時や停止時にコイル22を流れる電流が不連続に変動し、電流の不連続な変動に起因して、可動体40の振動の加速度波形に高調波が重畳する。このような高調波が振動の加速度波形に重畳すると、不快な触感や異音の原因となる。
副駆動信号としてブレーキ信号を印加する場合も同様である。図15は、制御装置1から、接触操作に対応する主駆動信号を矩形波として印加し、ブレーキ信号となる副駆動信号も矩形波として印加したとき、コイル22を流れる電流と可動体40の加速度とを示すグラフである。副駆動信号は、振動の減衰期間を短くするブレーキ信号となる供給タイミングで供給される。
図15に示すように、矩形波の主駆動信号が制御装置1から印加されると、矩形波の主駆動信号に対応する主駆動電流がコイル22に流れて、可動体40に主な振動が発生する。可動体40の振動に伴い、その加速度も図15のように変化する。
そして、図15中の楕円内に示すように、ブレーキ信号となる矩形波の副駆動信号が制御装置1から印加されると、矩形波の副駆動信号に対応する副駆動電流がコイル22に流れる。このとき、矩形波の副駆動信号の印加時や停止時にコイル22を流れる電流が変動し、この電流変動に起因して、可動体40の振動の加速度波形に高調波が重畳する。このような高調波が振動の加速度波形に重畳すると、不快な触感や異音の原因となる。
このように、副駆動信号として矩形波を用いると、高調波が発生し、振動の加速度波形に高調波が重畳して、不快な触感や異音の原因となる。
副駆動信号として矩形波を用いる場合、減衰追加信号やブレーキ信号として機能させるためには、可動体40の振動の周期をTとすると、そのパルス幅は0.5T以下である。そして、0.5T以下の範囲内でパルス幅を広くしたり、狭くしたりしても、高調波の発生は抑制できなかった。
高調波の発生の抑制に関し、本発明者等の検討の結果、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧を中心値として曲線的な波形で変動する可変電圧を有する副駆動信号、例えば、正弦波の副駆動信号を用いることで、高調波の発生を抑制できることが分かった。
図16は、正弦波の副駆動信号(減衰追加信号)を制御装置1から印加する場合を説明するグラフである。また、図17は、正弦波の副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置1から印加する場合を説明するグラフである。以降では、オフセット電圧を中心値として曲線的な波形で変動する可変電圧を有する副駆動信号として、正弦波又は余弦波の副駆動信号を例にとって説明を行う。
図16は、制御装置1から、接触操作に対応する主駆動信号として矩形波を印加し、減衰追加信号となる副駆動信号として正弦波の波列を印加したとき、コイル22を流れる電流と可動体40の加速度とを示すグラフである。
副駆動信号は、振動の減衰期間を継続する減衰追加信号となる供給タイミングで供給される。供給タイミングとしては、副駆動信号の1周期内の波形の最大値(山側のピーク値)の位置が、可動体40の振動時における加速度の負のピーク位置(可動体40がコイル22から最も遠ざかる位置)と同時となるようにする(図16中の一点鎖線の矢印を参照)。また、これらの位置は、同時に限らず、略同時でもよい。制御装置1は、このような供給タイミングとなるように、副駆動信号を制御する。
本実施の形態では、可動体40がコイル22から遠ざかる方向を正としている。加速度は速度の微分であり、速度は位置の微分であり、加速度は位置の逆位相となるので、加速度の負のピーク位置のタイミングは、可動体40がコイル22から最も遠ざかる位置のタイミングと一致する。逆に、後述する加速度の正のピーク位置のタイミングは、可動体40がコイル22に最も近づく位置のタイミングと一致する。
負荷(コイル22)のインダクタンスが大きい場合、副駆動信号(電圧)と副駆動信号に対応する副駆動電流との位相差は大きい(約90°)。そのため、副駆動信号は上述した供給タイミングでよい。一方、負荷のインダクタンスが小さい場合、副駆動信号と副駆動電流との位相差は小さくなる。そのため、副駆動信号によりコイル22に流れる副駆動電流又は電磁アクチュエーター10(コア組立体20)に生じる磁気吸引力の1周期内の最大値の位置が、速度の負のピーク位置と同時又は略同時となるように、副駆動信号を制御する。いずれにしても、副駆動信号によりコイル22に流れる副駆動電流又は電磁アクチュエーター10に生じる磁気吸引力の1周期内の最大値の位置が、速度の負のピーク位置と同時又は略同時となるように、副駆動信号を制御することが望ましい。
また、副駆動信号は、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧V1を中心値とする正弦波の波列であり、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波の波列であり、その基本波形は初期位相0の1周期分の正弦波である(図12Aを参照)。ここでは、各周期の副駆動信号の振幅を同じ振幅としている。また、オフセット電圧V1は、主駆動信号と副駆動信号との間の期間も印加されている。
図16に示すように、矩形波の主駆動信号が制御装置1から印加されると、矩形波の主駆動信号に対応する主駆動電流がコイル22に流れて、可動体40に主な振動が発生する。可動体40の振動に伴い、その加速度も図16のように変化する。
そして、図16中の楕円内に示すように、減衰追加信号となる正弦波の副駆動信号が制御装置1から印加されると、正弦波の副駆動信号に対応する副駆動電流がコイル22に流れる。
コイル22に流れる副駆動電流は、正弦波の副駆動信号における可変電圧の変動に応じて、オフセット電圧V1に対応するオフセット電流I1を中心値として変化する可変電流となり、可変電流の変化を示す波形は曲線的であり、不連続な変動はない。実際、図16に示す副駆動電流は、図14に示す副駆動電流とは異なり、可変電流の変化を示す波形に不連続な変動は存在しない。
このような副駆動電流がコイル22に流れると、可動体40には、振動周期の全期間に渡って、所定値以上で曲線的に変動する吸引力が働く。このように、吸引力が所定値以上で曲線的に変動するので、つまり、吸引力の不連続な変動が生じないようにしているので、吸引力の不連続な変動に起因する高調波の発生を抑制することができる。このような吸引力は、例えば、正弦的関数で表されるものでよい。そして、図16では、可動体40の振動の加速度波形に重畳する高調波は表れておらず、高調波の発生を抑制できることが分かる。
可動体40の振動には、上述した副駆動電流により、振動周期の全期間に渡って所定値上の吸引力が働いている。言い換えると、可動体40が振動周期の全期間に渡ってコイル22側に吸引された状態であり、この場合の振動中心は、可動体40が自由振動する場合の振動中心からコイル22側にシフトした状態である。
そして、ここでは、このような状態において、オフセット電圧V1を中心値とする正弦波の副駆動信号を、1周期内の最大値の位置が可動体40の振動時における加速度の負のピーク位置と同時又は略同時となるように、コイル22に印加している。つまり、振動を開始した可動体40がコイル22へ向かう方向に変位しているときに、オフセット電圧V1より高い副駆動信号の電圧をコイル22に印加している。そのため、コイル22は、コイル22へ向かう方向に変位している可動体40を吸引し、可動体40の変位を加速して、振動減衰期間を延ばすことができる。
なお、コイル22のインダクタンスを考慮し、副駆動信号によりコイル22に流れる副駆動電流又は電磁アクチュエーター10に生じる磁気吸引力の1周期内の最大値の位置が、速度の負のピーク位置と同時又は略同時となるように、副駆動信号を制御してもよい。
副駆動信号としてブレーキ信号を印加する場合も同様である。図17は、制御装置1から、接触操作に対応する主駆動信号として矩形波を印加し、ブレーキ信号となる副駆動信号として正弦波の波列を印加したとき、コイル22を流れる電流と可動体40の加速度とを示すグラフである。
副駆動信号は、振動の減衰期間を短くするブレーキ信号となる供給タイミングで供給される。供給タイミングとしては、副駆動信号の1周期内の波形の最大値(山側のピーク値)の位置が、可動体40の振動時における加速度の正のピーク位置(可動体40がコイル22に最も近づく位置)と同時となるようにする(図17中の一点鎖線の矢印を参照)。また、これらの位置は、同時に限らず、略同時でもよい。制御装置1は、このような供給タイミングとなるように、副駆動信号を制御する。
なお、コイル22のインダクタンスを考慮し、副駆動信号によりコイル22に流れる副駆動電流又は電磁アクチュエーター10に生じる磁気吸引力の1周期内の最大値の位置が、速度の正のピーク位置と同時又は略同時となるように、副駆動信号を制御してもよい。
また、副駆動信号は、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧V1を中心値とする正弦波の波列であり、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波の波列であり、その基本波形は初期位相0の1周期分の正弦波である(図12Aを参照)。ここでは、各周期の副駆動信号の振幅を徐々に小さくしている。また、オフセット電圧V1は、主駆動信号と副駆動信号との間の期間も印加されている。
図17に示すように、矩形波の主駆動信号が制御装置1から印加されると、矩形波の主駆動信号に対応する主駆動電流がコイル22に流れて、可動体40に主な振動が発生する。可動体40の振動に伴い、その加速度も図17のように変化する。
そして、図17中の楕円内に示すように、ブレーキ信号となる正弦波の副駆動信号が制御装置1から印加されると、正弦波の副駆動信号に対応する副駆動電流がコイル22に流れる。
コイル22に流れる副駆動電流は、正弦波の副駆動信号の可変電圧の変動に応じて、オフセット電圧V1に対応するオフセット電流I1を中心値として変化する可変電流となり、可変電流の変化を示す波形は曲線的であり、不連続な変動はない。実際、図17に示す副駆動電流は、図14に示す副駆動電流とは異なり、可変電流の変化を示す波形に不連続な変動は存在しない。
このような副駆動電流がコイル22に流れると、可動体40には、振動周期の全期間に渡って、所定値以上で曲線的に変動する吸引力が働く。このように、吸引力が所定値以上で曲線的に変動するので、つまり、吸引力の不連続な変動が生じないようにしているので、吸引力の不連続な変動に起因する高調波の発生を抑制することができる。図17では、可動体40の振動の加速度波形に重畳する高調波は表れておらず、高調波の発生を抑制できることが分かる。
ここでも、可動体40の振動中心は、上述したように、可動体40が自由振動する場合の振動中心からコイル22側にシフトした状態である。
そして、ここでは、このような状態において、オフセット電圧V1を中心値とする正弦波の副駆動信号を、1周期内の最大値の位置が可動体40の振動時における加速度の正のピーク位置と同時又は略同時となるように、コイル22に印加している。つまり、振動を開始した可動体40がコイル22から離れる方向に変位しているときに、オフセット電圧V1より高い副駆動信号の電圧をコイル22に印加している。そのため、コイル22は、コイル22から離れる方向に変位している可動体40を吸引し、可動体40の変位にブレーキをかけて、振動減衰期間を短くすることができる。
なお、コイル22のインダクタンスを考慮し、副駆動信号によりコイル22に流れる副駆動電流又は電磁アクチュエーター10に生じる磁気吸引力の1周期内の最大値の位置が、速度の正のピーク位置と同時又は略同時となるように、副駆動信号を制御してもよい。
また、本実施の形態の場合、副駆動信号がゼロ電圧からオフセットした電圧V1を中心値とする正弦波であるので、矩形波の場合よりも、1周期分の副駆動信号を印加する期間を長くすることができる。例えば、本実施の形態において、可動体40の振動周期をTとすると、副駆動信号の1周期分を、0.7T以上かつ1.3T以下とすることができる。言い換えると、1周期分の副駆動信号を印加する期間を、0.7T以上かつ1.3T以下の範囲内の期間とすることができる。副駆動信号が矩形波である場合は、0.5T以下の範囲内の期間に限られたが、オフセットした正弦波である場合は、副駆動信号を印加可能な範囲が広くなるので、振動の減衰期間の調整の自由度が広がる。
以上説明したように、本実施の形態において、制御装置1は、電磁アクチュエーター10のコイル22に対し、主駆動信号を印加した後に、オフセット電圧V1を中心値として曲線的な波形で変動する可変電圧を有する、正弦波等の副駆動信号を印加する。
このように構成した本実施の形態によれば、振動周期の全期間に渡って、所定値以上で曲線的に変動する吸引力が働くので、吸引力が不連続に変動することはなく、吸引力の不連続な変動に起因する高調波の発生を抑制することができる。このようにして、振動の加速度波形に重畳する高調波を抑制するので、不快な触感や異音の発生を抑制することができる。
なお、電磁アクチュエーターには、コイルとマグネットとを有し、正弦波の駆動信号をコイルに供給し、マグネットとの協働により、共振周波数でリニアに可動体を往復駆動させるLRA(Linear Resonant Actuator;リニア共振アクチュエーター)がある。本実施の形態において、制御装置1が駆動する電磁アクチュエーター10は、LRAとは異なり、マグネットを有していない。しかしながら、制御装置1は、LRAと同様に、正弦波等の副駆動信号を電磁アクチュエーター10側に印加するので、LRAと同等の加速特性を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、電磁アクチュエーター10がマグネット等を用いていないので、コストの低廉化を図ることができ、装置全体の低コスト化を図りつつ、様々な接触操作感の振動を表現することができる。また、本実施の形態によれば、効率的な駆動により小型な製品でも出力増加を図ることができる。そして、装置の低コスト化を図りつつ、操作機器を操作する操作者への触感に好適な可動体40の推力を効率良く発生できる。
また、本実施の形態では、様々な接触操作感となる振動を、ゴム等の減衰材で調整していないため、減衰材のように、単一な振動減衰期間となることがなく、振動減衰期間のバリエーションが乏しく表現する操作感の種類が限定されることもない。また、減衰材の個体差による共振周波数の変化もなく、その特性が製品毎に異なることもない。
なお、上述した例では、制御装置1は、副駆動信号として、ブレーキ信号又は減衰追加信号を用いているが、ブレーキ信号と減衰追加信号とを組み合わせて用いるようにしてもよい。この場合、ブレーキ信号と減衰追加信号の順番や回数等は、接触操作に応じて、様々なパターンの組み合わせが可能である。更に、主駆動信号も含めて、ブレーキ信号及び減衰追加信号の振幅や印加時間等も、接触操作に応じて変更してもよく、これらも含めて、様々なパターンの組み合わせが可能である。
[変形例1]
図18は、上記実施の形態の変形例1として、図16及び図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。
図18に示す例において、主駆動信号は、図16及び図17に示した主駆動信号と同様の矩形波である。
図18に示す例において、副駆動信号は、基本的には、図17に示した副駆動信号と同様の正弦波の波列である。具体的には、副駆動信号は、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧V1を中心値とする正弦波の波列であり、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波の波列であり、その基本波形は初期位相0の1周期分の正弦波である(図12Aを参照)。
また、図18では、副駆動信号は、図17に示した副駆動信号と同様に、各周期の副駆動信号の振幅を徐々に小さくしているが、副駆動信号を印加しない期間において、オフセット電圧V1を印加しないようにしている。
図16及び図17においては、副駆動信号を印加しない期間、例えば、主駆動信号と副駆動信号との間の期間もオフセット電圧V1が印加されている。このようなオフセット電圧V1が印加されると、その期間は、対応するオフセット電流I1がコイル22に流れることになり、消費電力が増え、コイル22の発熱が大きくなる。
本変形例では、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えるため、制御装置1は、副駆動信号を印加しない期間、例えば、主駆動信号と副駆動信号との間の期間や副駆動信号同士の間の期間は、オフセット電圧V1の印加を停止するようにしている。
制御装置1は、上記実施の形態で説明した通りの構成でよいが(図10、図11を参照)、本変形例では、制御装置1は、上述したように、副駆動信号を印加しない期間は、オフセット電圧V1の印加を停止するようにしている。
このように、本変形例では、制御装置1は、副駆動信号を印加しない期間中、オフセット電圧の印加を停止するので、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えることができる。
また、本変形例においても、主駆動信号を印加した後に、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧V1を中心値として変動する可変電圧を有する正弦波の波列を副駆動信号として印加している。
本変形例では、図18に示すように、1周期目の副駆動信号と2周期目の副駆動信号との間の期間は、オフセット電圧V1の印加を停止している。この期間において、コイル22を流れる電流は、1周期目の副駆動信号の印加により生成された副駆動電流から徐々に減少している状態であり、ゼロではない。また、本変形例における副駆動電流においても、その可変電流の変化を示す波形に不連続な変動は存在しない。
このような副駆動電流がコイル22に流れると、可動体40には、振動周期の全期間に渡って、所定値以上で曲線的に変動する吸引力が働く。このように、吸引力が所定値以上で曲線的に変動するので、つまり、吸引力の不連続な変動が生じないようにしているので、吸引力の不連続な変動に起因する高調波の発生を抑制することができる。従って、上記実施の形態と同様に、可動体40の振動の加速度波形に重畳する高調波の発生を抑制できる。このように、本変形例も、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本変形例の場合、副駆動信号を印加しない期間中、オフセット電圧の印加を停止するので、可動体40の振動周期をTとすると、副駆動信号の1周期分を0.5Tより大きく、かつ、1.0T未満とする。もし、仮に、副駆動信号の1周期分を0.5T以下とすると、副駆動信号の印加により生成された副駆動電流は、徐々に減少し、次の副駆動信号が印加されるまでにゼロになる可能性がある。そのため、副駆動信号の1周期分を、0.5Tより大きく、かつ、1.0T未満とすることが望ましく、更には、0.7T以上、かつ、1.0T未満とすることが望ましい。
[変形例2]
図19は、上記実施の形態の変形例2として、図16及び図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。
図19に示す例において、主駆動信号は、図16及び図17に示した主駆動信号と同様の矩形波である。
図19に示す例において、副駆動信号は、図17に示した副駆動信号とは位相等が異なる正弦波の波列である。具体的には、副駆動信号は、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧V1を中心値とする正弦波の波列であり、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波の波列である。一方、本変形例において、副駆動信号の基本波形は初期位相3/2πの1周期分の正弦波である(図12Bを参照)。
また、図19では、副駆動信号は、図17に示した副駆動信号と同様に、各周期の副駆動信号の振幅を徐々に小さくしているが、副駆動信号を印加しない期間において、オフセット電圧V1を印加しないようにしている。
このように、本変形例でも、変形例1と同様に、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えるため、制御装置1は、副駆動信号を印加しない期間は、オフセット電圧V1を印加しないようにしている。
制御装置1は、上記実施の形態で説明した通りの構成でよいが(図10、図11を参照)、本変形例でも、制御装置1は、上述したように、副駆動信号を印加しない期間は、オフセット電圧V1の印加を停止するようにしている。
そして、本変形例でも、制御装置1は、副駆動信号を印加しない期間中、例えば、主駆動信号と副駆動信号との間の期間や副駆動信号同士の間の期間は、オフセット電圧の印加を停止するので、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えることができる。
また、本変形例においても、主駆動信号を印加した後に、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧V1を中心値として変動する可変電圧を有する正弦波の波列を副駆動信号として印加している。
本変形例でも、図19に示すように、1周期目の副駆動信号と2周期目の副駆動信号との間の期間は、オフセット電圧V1の印加を停止している。この期間において、コイル22を流れる電流は、1周期目の副駆動信号の印加により生成された副駆動電流から徐々に減少している状態であり、ゼロではない。また、本変形例における副駆動電流においても、その可変電流の変化を示す波形に不連続な変動は存在しない。
このような副駆動電流がコイル22に流れると、可動体40には、振動周期の全期間に渡って、所定値以上で曲線的に変動する吸引力が働く。このように、吸引力が所定値以上で曲線的に変動するので、つまり、吸引力の不連続な変動が生じないようにしているので、吸引力の不連続な変動に起因する高調波の発生を抑制することができる。従って、上記実施の形態と同様に、可動体40の振動の加速度波形に重畳する高調波の発生を抑制できる。このように、本変形例も、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本変形例の場合も、上記の変形例1と同様に、可動体40の振動周期をTとすると、副駆動信号の1周期分を、0.5Tより大きく、かつ、1.0T未満とすることが望ましく、更には、0.7T以上、かつ、1.0T未満とすることが望ましい。
[変形例3]
図20は、上記実施の形態の変形例3として、図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置1から印加する場合を説明するグラフである。
図20に示す例において、主駆動信号は、図17に示した主駆動信号と同様の矩形波である。
図20に示す例において、副駆動信号は、基本的には、図17に示した副駆動信号と同様の正弦波の波列である。具体的には、副駆動信号は、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波の波列であり、その基本波形は初期位相0の1周期分の正弦波である(図12Aを参照)。一方、本変形例において、副駆動信号は、各周期で異なるオフセット電圧V1~V4を中心値とする正弦波の波列である。
また、図20では、副駆動信号は、図17に示した副駆動信号と同様に、各周期の副駆動信号の振幅を徐々に小さくしている。
制御装置1は、基本的には、上記実施の形態で説明した通りの構成でよい(図10、図11を参照)。一方、本変形例において、駆動信号生成部130の第1副駆動信号生成部B242及び第2副駆動信号生成部B243は、上記実施の形態とは異なり、それぞれ、オフセット電圧が周期毎に変わる正弦波の波列を形成するようにしている。
図20に示す例では、第1副駆動信号生成部B242が、奇数番目の周期の正弦波(本発明における第1波形)の波列を、当該正弦波のオフセット電圧をV1→V3と周期毎に変えながら生成している。また、第2副駆動信号生成部B243が、偶数番目の周期の正弦波(本発明における第2波形)の波列を、当該正弦波のオフセット電圧をV2→V4と周期毎に変えながら生成している。そして、合成部B244は、第1副駆動信号生成部B242で生成された奇数番目の周期の正弦波の波列と、第2副駆動信号生成部B243で生成された偶数番目の周期の正弦波の波列と、を合成して、図20に示すような副駆動信号の波列を生成している。
このように、本変形例では、制御装置1は、第1副駆動信号生成部B242、第2副駆動信号生成部B243及び合成部B244により、オフセット電圧が周期毎に変わる副駆動信号の波列を生成している。これは、以下に説明する変形例4、変形例5でも同様である。
本変形例でも、変形例1、2と同様に、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えるようにしているが、そのために、本変形例では、上述したように、オフセット電圧を副駆動信号の周期毎に下げるようにしている。
具体的には、図20に示す例では、主駆動信号から1周期目の副駆動信号までのオフセット電圧をV1としている。また、1周期目の副駆動信号から2周期目の副駆動信号までのオフセット電圧を、V1より低い電圧V2としている。また、2周期目の副駆動信号から3周期目の副駆動信号までのオフセット電圧を、V2より低い電圧V3としている。また、3周期目の副駆動信号から4周期目の副駆動信号までのオフセット電圧を、V3より低い電圧V4としている。
このように、制御装置1は、V1>V2>V3>V4となるように、副駆動信号の周期毎にオフセット電圧を下げながら、正弦波の波列の副駆動信号をコイル22側へ印加する。制御装置1は、例えば、オフセット電圧が最終的にゼロになるように、オフセット電圧を段階的に下げてもよい。
周期毎に副駆動信号のオフセット電圧を下げることにより、オフセット電圧に対応するオフセット電流も、図20に示すように、I1>I2>I3>I4と徐々に下がることになる。
このように、本変形例では、制御装置1は、副駆動信号の周期毎にオフセット電圧を下げるので、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えることができる。
本変形例は、副駆動信号がブレーキ信号である場合に好適である。そのため、制御装置1は、供給タイミングとして、副駆動信号の1周期内の波形の最大値(山側のピーク値)の位置が、可動体40の振動時における加速度の正のピーク位置と同時又は略同時となるようにしている(図20中の一点鎖線の矢印を参照)。
なお、コイル22のインダクタンスを考慮し、副駆動信号によりコイル22に流れる副駆動電流又は電磁アクチュエーター10に生じる磁気吸引力の1周期内の最大値の位置が、速度の正のピーク位置と同時又は略同時となるように、副駆動信号を制御してもよい。
また、本変形例においても、主駆動信号を印加した後に、それぞれのオフセット電圧V1~V4を中心値として変動する可変電圧を有する正弦波の波列を副駆動信号として印加している。
そのため、図20に示すように、コイル22に流れる副駆動電流は、正弦波の副駆動信号における可変電圧の変動に応じて、それぞれのオフセット電圧V1~V4に対応するオフセット電流I1~I4を中心値として変化する可変電流となる。図20において、この可変電流の変化を示す波形は曲線的であり、不連続な変動はない。実際、図20に示す副駆動電流は、図14に示す副駆動電流とは異なり、可変電流の変化を示す波形に不連続な変動は存在しない。
このように、オフセット電流I1~I4を中心値として変化する可変電流を有する副駆動電流がコイル22に流れると、可動体40には、振動周期の全期間に渡って、所定値以上で曲線的に変動する吸引力が働く。このように、吸引力が所定値以上で曲線的に変動するので、つまり、吸引力の不連続な変動が生じないようにしているので、吸引力の不連続な変動に起因する高調波の発生を抑制することができる。図20では、可動体40の振動の加速度波形に重畳する高調波は表れておらず、高調波の発生を抑制できる。このように、本変形例も、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例4]
図21は、上記実施の形態の変形例4として、図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置1から印加する場合を説明するグラフである。
図21に示す例において、主駆動信号は、図17に示した主駆動信号と同様の矩形波である。
図21に示す例において、副駆動信号は、基本的には、図17に示した副駆動信号と同様の正弦波である。具体的には、副駆動信号は、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波の波列であり、その基本波形は初期位相0の1周期分の正弦波である(図12Aを参照)。一方、本変形例において、副駆動信号は、各周期で異なるオフセット電圧V1~V4を中心値とする正弦波の波列である。
また、図21では、副駆動信号は、図17に示した副駆動信号と同様に、各周期の副駆動信号の振幅を徐々に小さくしているが、副駆動信号を印加しない期間において、オフセット電圧を印加しないようにしている。
制御装置1は、基本的には、上記実施の形態で説明した通りの構成でよい(図10、図11を参照)。そして、本変形例でも、制御装置1は、上記変形例3と同様に、第1副駆動信号生成部B242、第2副駆動信号生成部B243及び合成部B244により、オフセット電圧が周期毎に変わる(下がる)副駆動信号の波列を生成している。
更に、本変形例では、制御装置1は、副駆動信号を印加しない期間、例えば、主駆動信号と副駆動信号との間の期間や副駆動信号同士の間の期間は、オフセット電圧を印加しないようにしている。
このように、本変形例では、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えるようにするため、制御装置1は、オフセット電圧を副駆動信号の周期毎に下げ、更に、所定期間はオフセット電圧を印加しないようにしている。
具体的には、図21に示す例では、主駆動信号と1周期目の副駆動信号との間の期間のオフセット電圧の印加を停止し、1周期目の副駆動信号のオフセット電圧をV1としている。また、1周期目の副駆動信号と2周期目の副駆動信号との間の期間のオフセット電圧の印加を停止し、2周期目の副駆動信号のオフセット電圧を、V1より低い電圧V2としている。また、2周期目の副駆動信号と3周期目の副駆動信号との間の期間のオフセット電圧の印加を停止し、3周期目の副駆動信号のオフセット電圧を、V2より低い電圧V3としている。また、3周期目の副駆動信号と4周期目の副駆動信号との間の期間のオフセット電圧の印加を停止し、4周期目の副駆動信号のオフセット電圧を、V3より低い電圧V4としている。
このように、制御装置1は、副駆動信号を印加しない期間のオフセット電圧の印加を停止すると共に、V1>V2>V3>V4となるように、副駆動信号の周期毎にオフセット電圧を下げながら、正弦波の波列の副駆動信号をコイル22側へ印加する。制御装置1は、例えば、オフセット電圧が最終的にゼロになるように、オフセット電圧を段階的に下げてもよい。
周期毎に副駆動信号のオフセット電圧を下げることにより、オフセット電圧に対応するオフセット電流も、図21に示すように、I1>I2>I3>I4と徐々に下がることになる。
加えて、制御装置1は、副駆動信号を印加しない期間、例えば、主駆動信号と副駆動信号との間の期間や副駆動信号同士の間の期間は、オフセット電圧を印加していない。
このように、本変形例では、制御装置1は、副駆動信号の周期毎にオフセット電圧を下げ、かつ、副駆動信号を印加しない期間中、オフセット電圧の印加を停止するので、更に、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えることができる。
本変形例は、副駆動信号がブレーキ信号である場合に好適である。そのため、制御装置1は、供給タイミングとして、副駆動信号の1周期内の波形の最大値(山側のピーク値)の位置が、可動体40の振動時における加速度の正のピーク位置と同時又は略同時となるようにしている(図21中の一点鎖線の矢印を参照)。
なお、コイル22のインダクタンスを考慮し、副駆動信号によりコイル22に流れる副駆動電流又は電磁アクチュエーター10に生じる磁気吸引力の1周期内の最大値の位置が、速度の正のピーク位置と同時又は略同時となるように、副駆動信号を制御してもよい。
また、本変形例においても、主駆動信号を印加した後に、周期毎に異なるオフセット電圧を中心値として変動する可変電圧を有する正弦波の波列を副駆動信号として印加している。
本変形例でも、図21に示すように、主駆動信号と1周期目の副駆動信号との間の期間や副駆動信号同士の間の期間は、オフセット電圧の印加を停止している。この期間において、コイル22を流れる電流は、主駆動信号、副駆動信号の印加により生成された副駆動電流から徐々に減少している状態であり、ゼロではない。また、本変形例における副駆動電流においても、その可変電流の変化を示す波形に不連続な変動は存在しない。
このような副駆動電流がコイル22に流れると、可動体40には、振動周期の全期間に渡って、所定値以上で曲線的に変動する吸引力が働く。このように、吸引力が所定値以上で曲線的に変動するので、つまり、吸引力の不連続な変動が生じないようにしているので、吸引力の不連続な変動に起因する高調波の発生を抑制することができる。従って、上記実施の形態と同様に、可動体40の振動の加速度波形に重畳する高調波の発生を抑制できる。このように、本変形例も、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例5]
図22は、上記実施の形態の変形例5として、図17に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号(ブレーキ信号)を制御装置1から印加する場合を説明するグラフである。
図22に示す例において、主駆動信号は、図17に示した主駆動信号と同様の矩形波である。
図22に示す例において、副駆動信号は、図17に示した副駆動信号とは位相等が異なる正弦波である。具体的には、副駆動信号は、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波の波列である。一方、本変形例において、副駆動信号は、各周期で異なるオフセット電圧V1~V4を中心値とする正弦波の波列であり、その基本波形は初期位相3/2πの1周期分の正弦波である(図12Bを参照)。
また、図22では、副駆動信号は、図17に示した副駆動信号と同様に、各周期の副駆動信号の振幅を徐々に小さくしているが、副駆動信号を印加しない期間において、オフセット電圧を印加しないようにしている。
制御装置1は、基本的には、上記実施の形態で説明した通りの構成でよい(図10、図11を参照)。そして、本変形例でも、制御装置1は、上記変形例3と同様に、第1副駆動信号生成部B242、第2副駆動信号生成部B243及び合成部B244により、オフセット電圧が周期毎に変わる(下がる)副駆動信号の波列を生成している。
また、本変形例の場合、制御装置1は、副駆動信号の基本波形として、初期位相3/2πの1周期分の正弦波を用いて、副駆動信号の波列を生成する。そのため、図13で説明したように、奇数番目の周期の正弦波から偶数番目の周期の正弦波に切り替わる部分や偶数番目の周期の正弦波から奇数番目の周期の正弦波に切り替わる部分を滑らかな波形とすることができる(図13を参照)。
本変形例でも、変形例4と同様に、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えるようにするため、制御装置1は、オフセット電圧を副駆動信号の周期毎に下げ、更に、所定期間はオフセット電圧を印加しないようにしている。
具体的には、図22に示す例では、主駆動信号と1周期目の副駆動信号との間の期間のオフセット電圧の印加を停止し、1周期目の副駆動信号のオフセット電圧をV1としている。また、2周期目の副駆動信号のオフセット電圧を、V1より低い電圧V2としている。また、3周期目の副駆動信号のオフセット電圧を、V2より低い電圧V3としている。また、4周期目の副駆動信号のオフセット電圧を、V3より低い電圧V4としている。
このように、制御装置1は、副駆動信号を印加しない期間のオフセット電圧の印加を停止すると共に、V1>V2>V3>V4となるように、副駆動信号の周期毎にオフセット電圧を下げながら、正弦波の波列の副駆動信号をコイル22側へ印加する。制御装置1は、例えば、オフセット電圧が最終的にゼロになるように、オフセット電圧を段階的に下げてもよい。
副駆動信号の周期毎にオフセット電圧を下げることにより、オフセット電圧に対応するオフセット電流も、図22に示すように、I1>I2>I3>I4と徐々に下がることになる。
加えて、制御装置1は、副駆動信号を印加しない期間、例えば、主駆動信号と副駆動信号との間の期間は、オフセット電圧を印加していない。
このように、本変形例では、制御装置1は、副駆動信号の周期毎にオフセット電圧を下げ、かつ、副駆動信号を印加しない期間中、オフセット電圧の印加を停止するので、更に、消費電力を減らし、コイル22の発熱を抑えることができる。
本変形例は、副駆動信号がブレーキ信号である場合に好適である。そのため、制御装置1は、供給タイミングとして、副駆動信号の1周期内の波形の最大値(山側のピーク値)の位置が、可動体40の振動時における加速度の正のピーク位置と同時又は略同時となるようにしている(図22中の一点鎖線の矢印を参照)。
なお、コイル22のインダクタンスを考慮し、副駆動信号によりコイル22に流れる副駆動電流又は電磁アクチュエーター10に生じる磁気吸引力の1周期内の最大値の位置が、速度の正のピーク位置と同時又は略同時となるように、副駆動信号を制御してもよい。
また、本変形例においても、主駆動信号を印加した後に、周期毎に異なるオフセット電圧を中心値として変動する可変電圧を有する正弦波の波列を副駆動信号として印加している。
本変形例では、図13で説明したように、初期位相3/2πの1周期分の正弦波を用いて、副駆動信号の波列を生成するので、図22に示すように、副駆動信号同士の間の電圧はゼロ又は略ゼロとなる。このように、副駆動信号同士の間の電圧がゼロ又は略ゼロになっても、コイル22を流れる電流は、副駆動信号の印加により生成された副駆動電流から徐々に減少している状態であり、ゼロではない。また、本変形例における副駆動電流においても、その可変電流の変化を示す波形に不連続な変動は存在しない。
このような副駆動電流がコイル22に流れると、可動体40には、振動周期の全期間に渡って、所定値以上で曲線的に変動する吸引力が働く。このように、吸引力が所定値以上で曲線的に変動するので、つまり、吸引力の不連続な変動が生じないようにしているので、吸引力の不連続な変動に起因する高調波の発生を抑制することができる。従って、上記実施の形態と同様に、可動体40の振動の加速度波形に重畳する高調波の発生を抑制できる。このように、本変形例も、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例6]
図23は、上記実施の形態の変形例6として、図19に示した主駆動信号とは異なる主駆動信号を示すグラフである。
図23に示す例において、副駆動信号は、図19に示した副駆動信号と同様の正弦波(又は余弦波)である。本変形例の副駆動信号は、図19で説明した通りであるので、ここでは、重複する説明は省略する。一方、図23に示す例において、主駆動信号は、矩形波ではなく、正弦波(又は余弦波)である。
このように、本変形例も、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号を用いているので、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、正弦波(又は余弦波)である主駆動信号と、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号と、を組み合わせているので、制御装置1は、振動呈示装置200を用いて、よりなめらかな触感を操作者付与することができる。
なお、本変形例において、主駆動信号は、正弦波や余弦波に限らず、三角波やのノコギリ波でもよい。
[変形例7]
図24は、上記実施の形態の変形例7として、図23に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。
図24に示す例において、主駆動信号は、矩形波ではなく、図23と同様に、正弦波(又は余弦波)である。一方、図24に示す例において、副駆動信号は、正弦波(又は余弦波)であるが、図20に示した副駆動信号と同様に、各周期で異なるオフセット電圧V1、V2を中心値とする正弦波(又は余弦波)の波列である。また、本変形例の副駆動信号は、図20に示した副駆動信号と同様に、各周期の振幅を徐々に小さくしている。本変形例の副駆動信号は、図20で説明した通りであるので、ここでは、重複する説明は省略する。
このように、本変形例も、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号を用いているので、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、正弦波(又は余弦波)である主駆動信号と、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号と、を組み合わせているので、制御装置1は、振動呈示装置200を用いて、よりなめらかな触感を操作者付与することができる。
なお、本変形例においても、主駆動信号は、正弦波や余弦波に限らず、三角波やのノコギリ波でもよい。
[変形例8]
図25は、上記実施の形態の変形例8として、図19に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。
図25に示す例において、主駆動信号は、図16及び図17に示した主駆動信号と同様の矩形波である。一方、図25に示す例において、副駆動信号は、正弦波であるが、各周期で異なる振幅であり、周波数が1/2(初期位相0から始まり、位相πまでの半周期分)の半波正弦波となる波列である。周波数が1/2の半波正弦波は、オフセットした余弦波の1周期に相当し、オフセットした1周期の余弦波に代えて、周波数が1/2の半波正弦波を使用可能である。
本変形例の副駆動信号も、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波(又は余弦波)の波列である。また、本変形例の副駆動信号も、各周期での振幅を徐々に小さくすると共に、副駆動信号を印加しない期間において、オフセット電圧を印加しないようにしている。このような本変形例の副駆動信号は、実質的には、図22に示した副駆動信号と同様である。
このように、本変形例も、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号を用いているので、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[変形例9]
図26は、上記実施の形態の変形例9として、図25に示した主駆動信号とは異なる主駆動信号を示すグラフである。
図26に示す例において、副駆動信号は、図25に示した副駆動信号と同様の正弦波(又は余弦波)である。一方、図26に示す例において、主駆動信号は、矩形波ではなく、正弦波(又は余弦波)である。
このように、本変形例も、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号を用いているので、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、正弦波(又は余弦波)である主駆動信号と、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号と、を組み合わせているので、制御装置1は、振動呈示装置200を用いて、よりなめらかな触感を操作者付与することができる。
なお、本変形例においても、主駆動信号は、正弦波や余弦波に限らず、三角波やのノコギリ波でもよい。
[変形例10]
図27は、上記実施の形態の変形例10として、図26に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。
図27に示す例において、主駆動信号は、矩形波ではなく、図26と同様に、正弦波(又は余弦波)である。一方、図27に示す例において、副駆動信号は、図26と同様に、正弦波(又は余弦波)であるが、図26に示す例では、主駆動信号と同じ符号の電圧(正の電圧)であるのに対し、図27に示す例では、主駆動信号と異なる符号の電圧(負の電圧)である。
本変形例の副駆動信号は、電圧の正負は逆であるが、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波(又は余弦波)の波列である。また、本変形例の副駆動信号も、各周期での振幅を徐々に小さくすると共に、副駆動信号を印加しない期間において、オフセット電圧を印加しないようにしている。このように、本変形例の副駆動信号は、電圧の正負は逆であるが、実質的には、図22に示した副駆動信号と同様である。
このように、本変形例も、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号を用いているので、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、正弦波(又は余弦波)である主駆動信号と、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号と、を組み合わせているので、制御装置1は、振動呈示装置200を用いて、よりなめらかな触感を操作者付与することができる。
なお、本変形例においても、主駆動信号は、正弦波や余弦波に限らず、三角波やのノコギリ波でもよい。
[変形例11]
図28は、上記実施の形態の変形例11として、図26に示した副駆動信号とは異なる副駆動信号を示すグラフである。
図28に示す例において、主駆動信号は、矩形波ではなく、図26と同様に、正弦波(又は余弦波)である。また、図28に示す例において、副駆動信号は、図26と同様に、正弦波(又は余弦波)である。しかしながら、副駆動信号は、図26に示す例では、主駆動信号と同じ符号の電圧(正の電圧)であるのに対し、図28に示す例では、主駆動信号と同じ符号の電圧(正の電圧)の信号と異なる符号の電圧(負の電圧)の信号とを組み合わせている。本変形例において、副駆動信号は、図28に例示するように、周期毎に正負の順に交互に電圧が変更されてもよいし、負正の順に交互に電圧が変更されてもよいし、電圧の符号がランダムに変更されてもよい。
本変形例の副駆動信号は、各周期で電圧の正負が異なるが、1周期内においては、極性が変化しない範囲で可変電圧が曲線的に変動する正弦波(又は余弦波)の波列である。また、本変形例の副駆動信号も、各周期での振幅の絶対値を徐々に小さくすると共に、副駆動信号を印加しない期間において、オフセット電圧を印加しないようにしている。このように、本変形例の副駆動信号は、電圧の正負が異なるが、磁気吸引力は電圧(電流)の絶対値に相関するので、実質的には、図22に示した副駆動信号と同様である。
このように、本変形例も、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号を用いているので、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、正弦波(又は余弦波)である主駆動信号と、正弦波(又は余弦波)である副駆動信号と、を組み合わせているので、制御装置1は、振動呈示装置200を用いて、よりなめらかな触感を操作者付与することができる。
なお、本変形例においても、主駆動信号は、正弦波や余弦波に限らず、三角波やのノコギリ波でもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
本実施の形態において制御装置1により駆動制御される電磁アクチュエーターの駆動方向はZ方向とした。これに限らず、操作者の接触面と平行の方向、具体的には、X方向ないしY方向においても、上述した効率的な駆動や振動の強化等の効果を得ることができる。
本発明に係る電磁アクチュエーターは、様々な接触操作感の振動を表現可能であるという効果を有する。例えば、車載製品や産業機器において、画面上の画像に指等を接触させることにより操作を入力する操作機器に有用なものである。特に、例えば、画像に表示した機械式スイッチ等の様々な画像に触れた際の操作感と同様の操作感をフィードバックできるタッチパネル装置が搭載されるタッチディスプレイ装置等の操作機器に有用なものである。
1 制御装置
10 電磁アクチュエーター
20 コア組立体
20a、20b 対向面(対向面部)
22 コイル
24 コア
26 ボビン
30 固定体
32 ベース部
32a 取付部
32b 底面部
33 止着孔
36 開口部
40 可動体
41 ヨーク
42 面部固定孔
44 面部固定部
44a 固定面
46、47 被吸引面部
48 開口部
49 切欠部
50 板状弾性部(弾性支持部)
52 固定体側固定部
54 可動体側固定部
56 弾性アーム部
70 歪み検出センサ
82 スイッチング素子
84 信号発生部
110 電源部
120 検出信号処理部
121 HPF
122 LPF
130 駆動信号生成部
140 駆動部
141 ゲートドライバ
142 MOSFET
143 SBD
200 振動呈示装置
241 コア本体
242、244 磁極部
321、322 固定孔
B21 主駆動信号生成部
B22 タイミング検出部
B23 振幅設定部
B24 副駆動信号設定部
B241 周期カウント部
B242 第1副駆動信号設定部
B243 第2副駆動信号設定部
B244 合成部
B25 出力部

Claims (11)

  1. 弾性支持部により弾性振動可能に支持された操作機器をその振動方向の一方向に駆動して振動させる電磁アクチュエーターを制御する制御装置であって、
    前記電磁アクチュエーターのコイルに対し、主駆動信号を印加して、前記操作機器に対する接触操作に応じた前記操作機器の振動を開始した後、副駆動信号を印加して、前記振動の減衰期間を調整する回路を有し、
    前記副駆動信号は、ゼロ電圧からオフセットしたオフセット電圧を中心値として変動する可変電圧を有し、前記可変電圧の変動を示す波形が正弦関数的曲線又は余弦関数的曲線である、
    制御装置。
  2. 前記回路は、前記副駆動信号を印加することにより副駆動電流を前記コイルに供給し、
    前記副駆動電流は、前記可変電圧の変動に応じて変化する可変電流であり、前記可変電流の変化を示す波形が正弦関数的曲線又は余弦関数的曲線である、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記回路は、前記主駆動信号と前記副駆動信号との間の期間及び複数の前記副駆動信号同士の間の期間の少なくとも一方において、前記オフセット電圧の印加を停止する、
    請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記副駆動信号は、極性が変化しない範囲で前記可変電圧が変動する正弦波又は余弦波である、
    請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記副駆動信号の1周期は、前記操作機器の振動周期の0.7倍以上、かつ、1.3倍以下である、
    請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記副駆動信号により前記コイルに流れる副駆動電流又は前記電磁アクチュエーターに生じる磁気吸引力の1周期における最大値の位置と、前記操作機器の振動時における速度の正のピーク位置とは、同時又は略同時である、
    請求項4に記載の制御装置。
  7. 前記副駆動信号により前記コイルに流れる副駆動電流又は前記電磁アクチュエーターに生じる磁気吸引力の1周期における最大値の位置と、前記操作機器の振動時における速度の負のピーク位置とは、同時又は略同時である、
    請求項4に記載の制御装置。
  8. 前記副駆動信号は、初期位相3/2πから始まる正弦波又は初期位相πから始まる余弦波である、
    請求項4に記載の制御装置。
  9. 前記副駆動信号は、初期位相0から始まり、πまでの半波正弦波である、
    請求項4に記載の制御装置。
  10. 弾性支持部により弾性振動可能に支持された操作機器をその振動方向の一方向に駆動して振動させる電磁アクチュエーターと、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置と、
    を備える振動呈示装置。
  11. 前記電磁アクチュエーターは、前記コイルを含む電磁石と磁性体からなるヨークとを含み、前記コイルへの駆動信号の印加により生じる前記電磁石と前記ヨークとの磁気吸引により前記操作機器を前記一方向に駆動する、
    請求項10に記載の振動呈示装置。
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