JP2024044700A - 測定装置、情報端末、及び情報端末の作動プログラム - Google Patents

測定装置、情報端末、及び情報端末の作動プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ペアリングを容易且つ安全に行うことのできる測定装置、情報端末、及び情報端末の作動プログラムを提供する。【解決手段】血圧計10のプロセッサ11は、測定開始ボタン14Aの短押しを検出した場合に、第1時間を含む第1情報を通信部12から送信する第1制御(ステップS5)を行い、第1時間を表示部15に表示させてこれを減少させる第2制御(ステップS6)を行い、表示部15に第1時間が表示されてから、表示部15に表示される時間が所定値に達するまでの期間に、測定開始ボタン14Aの短押しを検出した場合に、近距離無線通信で暗号通信を行うための暗号化情報を情報端末と共有する処理を実行可能なペアリングモードに移行する。【選択図】図2

Description

本発明は、測定装置、情報端末、及び情報端末の作動プログラムに関する。
本明細書に記載する測定装置は、体重、体組成、血圧、脈拍、心拍、体温、血糖、又は血中酸素飽和度等の生体情報を測定する生体情報測定装置と、歩数、歩行距離、又は消費カロリー等の活動量を測定する活動量測定装置と、を含む。測定装置には、測定対象量を測定するための測定用センサが含まれる。測定用センサの測定対象量には、測定装置に応じて、体重、体脂肪率、血圧値、脈拍数、心拍数、体温、血糖値、又は血中酸素飽和度等の生体情報や、歩数、走行距離、又は消費カロリー等の活動量が含まれる。こういった測定装置の測定結果を、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、及びデスクトップパソコン等の情報端末で記録及び分析することが行われている。
このような測定結果の記録及び分析を行う場合には、測定結果を、情報端末に都度ユーザが入力するのではなく、測定装置と情報端末とを通信可能に接続し、情報端末が自動的に測定結果を取得できるようになっていることが望ましい。具体的には、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によって、測定装置からの測定結果を情報端末が受信する方法等が考えられる。
特許文献1には、患者に装着されるセンサであって、前記患者の生体情報を取得する情報取得部と、自身を特定するセンサ識別情報を含むアドバタイジング信号を発信する無線通信部と、前記無線通信部が携帯情報端末から通信認証の要求を受信すると、当該携帯情報端末へ当該通信認証を成立させる確認信号を当該無線通信部に送信させ、当該通信認証の成立後、前記生体情報に対応するセンサ信号を前記無線通信部に送信させる制御部と、を備えるセンサが記載されている。
特許文献2には、外部装置と通信する通信手段と、前記外部装置を撮影した画像から前記外部装置の種別を特定するための所定の情報を読み取る第1の読み取り手段と、前記所定の情報から特定した前記外部装置の種別に応じた接続情報を設定するための操作手順を提示する提示手段と、前記外部装置に応じた接続情報の表示形態に基づき、前記外部装置を撮影した画像から接続情報を読み取る第2の読み取り手段と、前記第2の読み取り手段により得られた接続情報を用いて前記通信手段により前記外部装置と接続する制御手段と、を有する通信装置が記載されている。
特許文献3には、アプリケーション情報の送受信を行う複数の通信端末と、前記通信端末の管理・認証を行う管理サーバーと、これらを互いに通信可能に接続するネットワークと、により構成され、第1の通信端末からの要求に応じて第2の通信端末の登録認証を行う通信端末登録認証システムが記載されている。
特許文献4には、第1通信プロトコルにより外部端末と無線通信する第1通信モジュールと、第2通信プロトコルにより外部端末と無線通信する第2通信モジュールと、接続を要求する接続要求と前記外部端末を特定する端末特定情報とを、前記第1通信モジュールが前記第1通信プロトコルによって前記外部端末から受信した場合に、前記端末特定情報に基づいて、前記第2通信プロトコルによるネットワークを識別するネットワーク識別子を生成し、前記第2通信モジュールに対して、前記ネットワーク識別子を使用して前記外部端末との間で通信の論理リンクを確立した上で、当該ネットワーク識別子に基づく前記ネットワークを、当該通信の論理リンクを確立する層より上位層により前記外部端末と通信可能な状態に起動させる生成部とを備える無線通信端末が記載されている。
特開2019-115377号公報 特開2020-120295号公報 特開2019-32646号公報 国際公開第2016/189613号
測定装置と情報端末との間でセキュアな近距離無線通信を行うためには、測定装置と情報端末とをペアリングする処理が必要である。ペアリングは、近距離無線通信に用いる暗号化の情報を測定装置と情報端末の間で共有する処理を言う。測定装置が情報端末とのペアリングを可能になる状態が長い期間にわたって維持されると、意図しない情報端末との間でペアリングされる可能性があり、安全性に懸念が生じる。
本発明の目的は、ペアリングを容易且つ安全に行うことのできる測定装置、情報端末、及び情報端末の作動プログラムを提供することにある。
上記課題は以下の構成によって解決可能である。なお、括弧内には、以降の実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
(1)
近距離無線通信部(通信部12)と、表示部(表示部15)と、プロセッサ(プロセッサ11)とを有する測定装置(血圧計10)であって、
前記プロセッサは、
第1操作(測定開始ボタン14Aの短押し)を検出した場合に、第1時間(20秒又は0秒)を含む第1情報を前記近距離無線通信部から送信する第1制御(ステップS5)を行い、
前記第1時間を前記表示部に表示させて、前記表示部に表示する前記第1時間を、時間経過とともに変化させる第2制御(ステップS6)を行い、
前記表示部に前記第1時間が表示されてから、前記表示部に表示される時間が所定値(0秒又は20秒)に達するまでの期間に、第2操作(測定開始ボタン14Aの短押し)を検出した場合に、近距離無線通信で暗号通信を行うための暗号化情報を情報端末と共有する処理を実行可能なペアリングモードに移行する、測定装置。
(1)のように構成すると、ユーザは、第1操作と第2操作を行うだけで、測定装置をペアリングモードに移行させることができるため、情報端末との間での暗号化情報の共有を容易に行うことが可能となる。また、表示部に表示される時間が所定値に達するまでの間に第2操作を行うことでペアリングモードに移行できるため、測定装置が常時、ペアリングモードになることはなく、意図しない情報端末との間で暗号化情報の共有がなされるのを防いで安全性を高めることができる。また、第1操作だけではペアリングモードに移行しないため、誤操作によってペアリングモードに移行してしまうのを防ぐことができる。
(2)
(1)に記載の測定装置であって、
測定用センサを備え、
前記第1操作は、前記測定用センサの作動を開始させる操作であり、
前記プロセッサは、前記第1操作によって作動した前記測定用センサによる測定対象量(血圧情報)の測定が不能な場合に、前記第1制御と前記第2制御を行う、測定装置。
(2)のように構成すると、第1操作を行って測定結果が正常に得られる場合には、第1制御と第2制御は行われないため、第1制御と第2制御を適切に実行することができ、省電力化等を図ることができる。また、ペアリングモードに移行させるための操作を、通常の測定時に行う操作と同じにできるため、迷うことなくペアリングモードに移行させることができる。
(3)
(1)又は(2)に記載の測定装置であって、
前記第2操作は、前記第1操作と同じである、測定装置。
(3)のように構成すると、同じ操作を2回行うだけでペアリングモードに移行させることができ、情報端末との間での暗号化情報の共有をより容易に行うことが可能となる。第1操作と第2操作を、それぞれ、測定装置には必須の操作とすることで、既存の測定装置においても容易に第1制御と第2制御を行うよう変更が可能となり、ファームウェアアップデート等で容易に機能改善を図ることができる。
(4)
(1)から(3)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記プロセッサは、前記処理を実行済みであり且つ前記第1操作を検出した場合には、前記第1制御及び前記第2制御を非実行とする、測定装置。
(5)
(1)から(4)のいずれかに記載の測定装置であって、
前記プロセッサは、前記第1情報をブロードキャストする、測定装置。
(5)のように構成すると、情報端末との間で通信が確立されていない状態でも、情報端末に対して第1情報を送信でき、例えば、情報端末において、第1情報に含まれる第1時間を表示させることが可能になる。ユーザは、測定装置に表示される時間と、情報端末に表示される時間の関係によって、暗号化情報の共有を行うペアを認識できるため、意図しない情報端末との間で通信の接続が確立されたり、暗号化情報の共有が行われたりするのを防ぐことができる。
(6)
近距離無線通信部(通信部22)と、表示部(表示部25)と、プロセッサ(プロセッサ21)とを有する情報端末(スマートフォン20)であって、
前記プロセッサは、
測定装置(血圧計10)に対して第1操作(測定開始ボタン14Aの短押し)を行うことを指示する情報を前記表示部に表示させる第3制御(ステップS11)を行い、
前記第3制御を行った状態で、測定装置から送信されてきた第1時間(20秒又は0秒)を含む第1情報を取得し、前記第1時間を前記表示部に表示させて、前記表示部に表示する前記第1時間を時間経過とともに変化させ、且つ、測定装置に対して第2操作(測定開始ボタン14Aの短押し)を行うことを指示する情報を前記表示部に表示させる第4制御(ステップS12)を行い、
前記表示部に前記第1時間が表示されてから、前記表示部に表示される時間が所定値(0秒又は20秒)に達するまでの期間にブロードキャスト信号を送信した測定装置と、近距離無線通信で暗号通信を行うための暗号化情報を共有する処理(ステップS31)を行う、情報端末。
(6)のように構成すると、ユーザは、表示部に表示される情報にしたがって測定装置に対して第1操作と第2操作を行うだけで、測定装置と情報端末との間での暗号化情報の共有を行うことが可能となる。また、表示部に表示される時間が所定値に達するまでの間にブロードキャスト信号を送信した測定装置との間で暗号化情報の共有を行うため、意図しない測定装置との間で暗号化情報の共有がなされるのを防いで安全性を高めることができる。
(7)
(6)に記載の情報端末であって、
前記第1操作は、前記測定装置の測定用センサの作動を開始させる操作である、情報端末。
(7)のように構成すると、表示部に表示される情報にしたがって、測定装置に対して通常の測定時に行う操作を行うことで、測定装置との間で暗号化情報の共有が可能になる。このため、測定装置と情報端末の間での暗号化情報の共有を容易に行うことが可能となる。
(8)
(6)又は(7)に記載の情報端末であって、
前記第2操作は、前記第1操作と同じである、情報端末。
(8)のように構成すると、表示部に表示される情報にしたがって、測定装置に対して通常の測定時に行う操作を2回行うことで、測定装置との間で暗号化情報の共有が可能になる。このため、測定装置と情報端末の間での暗号化情報の共有を容易に行うことが可能となる。
(9)
近距離無線通信部(通信部22)と、表示部(表示部25)と、プロセッサ(プロセッサ21)とを有する情報端末(スマートフォン20)の作動プログラムであって、
測定装置に対して第1操作を行うことを指示する情報を前記表示部に表示させる第3制御を行い、
前記第3制御を行った後に測定装置から送信されてきた第1時間を含む第1情報を取得し、前記第1時間を前記表示部に表示させて、前記表示部に表示する前記第1時間を時間経過とともに変化させ、且つ、測定装置に対して第2操作を行うことを指示する情報を前記表示部に表示させる第4制御を行い、
前記表示部に前記第1時間が表示されてから、前記表示部に表示される時間が所定値に達するまでの期間にブロードキャスト信号を送信した測定装置と、近距離無線通信で暗号通信を行うための暗号化情報を共有する処理を行う、ステップをプロセッサ(プロセッサ21)に実行させる情報端末の作動プログラム。
本発明によれば、情報端末と測定装置のペアリングを容易且つ安全に行うことができる。
管理システム100の概略構成を示す模式図である。 血圧計10とスマートフォン20をペアリングする際の処理の手順を示すシーケンスチャートである。
(本形態の測定装置及び情報端末を含む管理システムの概要)
情報端末のプロセッサは、測定装置に対して第1操作を行うことを指示する情報を表示させる第3制御を行う。この第3制御によって表示された情報に従って、ユーザが測定装置に対して第1操作を行うと、測定装置のプロセッサは、第1時間を含む第1情報を送信する第1制御を行い、この第1時間を表示させて、その第1時間を時間経過とともに変化させる第2制御を行う。情報端末のプロセッサは、測定装置から送信された第1情報を取得すると、第1情報に含まれる第1時間を表示させて、その第1時間を時間経過とともに変化させ、且つ、測定装置に対して第2操作を行うことを指示する情報を表示させる第4制御を行う。この第4制御によって表示された情報に従って、ユーザが測定装置に対して第2操作を行うと、測定装置のプロセッサは、暗号通信を行うための暗号化情報を情報端末と共有する処理を実行可能なペアリングモードに移行する。ペアリングモードに移行すると、測定装置がブロードキャスト信号を送信し、そのブロードキャスト信号を受信した情報端末が、測定装置との通信の接続を確立して、測定装置との間で暗号化情報の共有を行う。
以上の方法により、測定装置と情報端末との間で容易かつ安全にペアリングが可能となる。
以下、本形態の測定装置及び情報端末を含む管理システム100の構成例について説明する。
(システム構成)
図1は、管理システム100の概略構成を示す模式図である。管理システム100は、測定装置の一例である血圧計10と、情報端末の一例であるスマートフォン20と、を備え、血圧計10の測定データやプログラム等をスマートフォン20で管理するためのシステムである。血圧計10とスマートフォン20は近距離無線通信によって通信可能な構成となっている。近距離無線通信の方式は特に限定されないが、例えば、Wi-Fi、ANT、Bluetooth(登録商標)、又は赤外線通信等の方法を採用することができる。以下では、近距離無線通信の方式をBluetooth(登録商標)として説明する。血圧計10とスマートフォン20を共に所有する所有者のことを以下ではユーザと記載する。
(測定装置)
血圧計10は、プロセッサ11と、通信部12と、記憶部13と、操作部14と、表示部15と、センサ部16と、を備える。
センサ部16は、血圧計10のカフ部分に配置される圧力センサを測定用センサとして備えており、この圧力センサにより、適正なカフ圧下でユーザの血管から脈波を検出する。血圧計10では、センサ部16が検出する脈波に基づいて、最高血圧と最低血圧と脈拍を含む血圧情報を算出可能である。
通信部12は、近距離無線通信を行うための通信インタフェースであり、通信用アンテナと各種回路とを含む。
記憶部13は、RAM(Random Access Memory)等のワークメモリの他、例えばフラッシュメモリ等の非一時的な記憶媒体を含んで構成される。この記憶媒体には、測定された血圧情報等の各種の情報が記憶される。
操作部14は、ユーザからの入力を受け付けるボタン又はタッチパネル等の入力手段であり、ユーザから、電源のON/OFF、血圧情報の測定の開始、及び項目の選択等の各種操作を受け付ける。操作部14には、血圧情報の測定開始を指示するための測定開始ボタン14Aと、通信部12を作動させる(近距離無線通信を有効とする)ための通信ボタン14Bと、が含まれる。測定開始ボタン14Aと通信ボタン14Bは、ハードウエアのボタンであってもよいし、タッチパネルが搭載された表示部15に表示されるソフトウエアのボタンであってもよい。
表示部15は、例えば有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ又は液晶ディスプレイ等のディスプレイによって構成され、測定された血圧情報等を表示する。
プロセッサ11は、血圧計10の各部を統括制御する。プロセッサ11は、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種機能を果たす汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等である。プロセッサ11は、1つのプロセッサで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。例えば、プロセッサ11は、通信部12を用いた通信を制御するプロセッサと、この通信を除く各種の制御を行うプロセッサとを含む構成であってもよい。プロセッサ11のハードウエア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
プロセッサ11は、操作部14に含まれる測定開始ボタン14Aの押圧を検出すると、測定開始の指示を受け付け、カフに空気を供給し、適切なカフ圧下で、センサ部16が検出した脈波に基づいて血圧情報を算出する。そして、プロセッサ11は、算出した血圧情報を表示部15に表示させる。プロセッサ11は、操作部14を介して行われたユーザの操作に応じた処理を実行するように、血圧計10の各構成要素を制御する。測定開始ボタン14Aを押圧する行為は、センサ部16の作動を開始させる操作を構成する。測定開始ボタン14Aは、所定時間にわたって押圧し続ける(いわゆる長押し操作を行う)のではなく、短時間で1度押圧する(いわゆる短押し操作を行う)だけで、測定開始の指示をプロセッサ11に入力可能である。
プロセッサ11は、操作部14に含まれる通信ボタン14Bの押圧を検出すると、通信部12を起動させる。通信部12の起動に必要な通信ボタン14Bの押圧操作は、例えば長押し操作である。
図1では、測定装置の一例として血圧計10を例示しているが、血圧計10は、体重計、体組成計、脈拍計、心拍計、体温計、血糖計、パルスオキシメータ、又は活動量計等に置換可能である。これらのいずれの測定装置においても、センサ部16には、測定対象の物理量を測定するための各種の測定用センサ(圧力センサ、脈波センサ、血糖センサ、光電センサ、温度センサ、又は加速度センサ等)が含まれる。測定装置が生体情報測定装置である場合には、プロセッサ11は、操作部14に含まれる測定開始ボタン14Aの押圧を検出すると、センサ部16に含まれる測定用センサ(圧力センサ、脈波センサ、血糖センサ、光電センサ、又は温度センサ等)を作動させて、生体情報を測定する。測定装置が活動量測定装置である場合には、プロセッサ11は、測定開始ボタン14Aの代わりに、装置の電源を投入するための電源ボタンが押圧された場合に、センサ部16に含まれる測定用センサ(加速度センサ又は角速度センサ等)を作動させて、活動量を測定する。
(情報端末)
スマートフォン20は、プロセッサ21と、通信部22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、を備える。
通信部22は、近距離無線通信を行うための通信インタフェースであり、通信用アンテナと各種回路とを含む。
記憶部23は、RAM等のワークメモリの他、例えばフラッシュメモリ等の非一時的な記憶媒体を含んで構成される。この記憶媒体には、アプリケーションプログラム(情報端末の作動プログラム、後述する管理アプリ)を含む各種の情報が記憶される。
操作部24は、ユーザからの入力を受け付けるボタン又はタッチパネル等の入力手段であり、ユーザからの各種操作を受け付ける。
表示部25は、例えば有機ELディスプレイ又は液晶ディスプレイ等のディスプレイによって構成される。
プロセッサ21は、スマートフォン20の各部を統括制御する。プロセッサ21は、プロセッサ11と同様に、1つ又は複数のプロセッサで構成される。プロセッサ21は、記憶部23に記憶された各種プログラムを実行することにより、これらプログラムに応じた処理を行う。
(血圧計とスマートフォンのペアリング方法)
次に、血圧計10とスマートフォン20のペアリング方法について説明する。図2は、血圧計10とスマートフォン20をペアリングする際の処理の手順を示すシーケンスチャートである。図2の右端には、スマートフォン20の表示部25に表示されるメッセージの例が示されている。スマートフォン20の記憶部23には、血圧情報を管理するための管理アプリが事前にインストールされて記憶されているものとする。
ユーザは、スマートフォン20を操作して管理アプリを起動する。管理アプリが起動すると、スマートフォン20のプロセッサ21は、機器登録画面を表示部25に表示させる(ステップS11)。また、プロセッサ21は、通信部22によるスキャンを開始させる。スキャンとは、通信部22が受信状態になり、周りにいる機器の情報を取得することを言う。ステップS11において、スマートフォン20のプロセッサ21は、血圧計10に対して第1操作を行うことを指示する情報を機器登録画面に含めて、表示部25に表示させる。第1操作は、例えば、血圧計10に含まれるセンサ部16の作動を開始させる操作であり、具体的には、“測定開始ボタン14Aの押圧”である。
ステップS11で表示される機器登録画面には、図2に示したように、例えば「血圧計の測定開始ボタンを押してください」といったメッセージが含まれる。ユーザは、このメッセージを確認すると、スマートフォン20とペアリングさせたい血圧計10を用意し、血圧計10の電源をONしたうえで、血圧計10の操作部14に含まれる測定開始ボタン14Aを押圧する。なお、ここでは、ユーザは、カフを腕又は手首に巻き付けてから測定開始ボタン14Aを押圧するといった通常の血圧情報の測定時における作業を行うのではなく、カフを腕又は手首に巻き付けていない状態で、測定開始ボタン14Aを押圧する。
血圧計10のプロセッサ11は、測定開始ボタン14Aの押圧を検出する(ステップS1)と、血圧情報の測定制御を実行する(ステップS2)。この測定制御は、カフに対する空気の供排出制御と、圧力センサによるカフ圧の検出と、圧力センサにより検出した圧力情報に基づいて血圧情報を導出する処理とが含まれる。カフが腕又は手首に巻き付けられていない状態で測定開始ボタン14Aが押圧された場合には、圧力センサの出力が、カフが腕又は手首に巻き付けられている状態とはかけ離れた値となる。そのため、スマートフォン20のプロセッサ21は、測定制御の実行中に、圧力センサの出力が異常値を示した場合には、血圧情報が測定不能であると判定し(ステップS3)、測定エラーであることを示す情報を表示部25に表示させる。
血圧計10のプロセッサ11は、ステップS3において血圧情報が測定不能と判定すると、ペアリングモードへの移行を待機する待機モードに移行する(ステップS4)。ペアリングモードとは、近距離無線通信で暗号通信を行うための暗号化情報を情報端末と共有する処理を実行可能なモードである。なお、血圧計10のプロセッサ11は、血圧情報が測定可能と判定した場合には、導出した血圧情報を記憶部13に記憶し、表示部15に表示させて、処理を終了する。すなわち、血圧計10のプロセッサ11は、測定開始ボタン14Aの押圧を検出後、血圧情報が測定不能と判定した場合にのみ、待機モードへと移行する。
血圧計10のプロセッサ11は、待機モードにおいては、通信部12を起動して、通信部12によるアドバタイズを開始させる(ステップS5)。アドバタイズとは、各種情報を含むパケットをブロードキャストすることを言う。以下では、アドバタイズにより送信される信号のことをブロードキャスト信号とも記載する。ステップS5においては、待機モードで動作中であることを示すモード情報と、その待機モードを継続する時間である第1時間とを含む第1情報を含むパケットが、定期的にブロードキャストされる。また、血圧計10のプロセッサ11は、上記第1時間とモード情報を表示部15に表示させて、表示部15に表示する上記第1時間を、時間経過とともに減少させる制御(ステップS6)を行う。第1時間は、任意に決められた時間であり、一例として20秒である。したがって、ステップS6では、血圧計10の表示部15に、待機モードであることを示す画像と“20秒”の文字とが表示され、1秒経過する毎に、表示中の秒数の文字が1秒減少されて時間表示が更新されて、時間のカウントダウンが行われる。
スマートフォン20のプロセッサ21は、ステップS5の処理によって血圧計10からブロードキャストされた第1情報を、通信部22を介して取得すると、その第1情報に含まれる第1時間及びモード情報を表示部25に表示させて、表示部25に表示する上記第1時間を、時間経過とともに減少させ、且つ、血圧計10に対して第2操作を行うことを指示する情報を表示部25に表示させる制御(ステップS12)を行う。この時、スマートフォン20のプロセッサ21は、複数の機器から第1情報がブロードキャストされている場合には、ブロードキャスト信号の電波強度が最大の機器を選択し、選択した機器から第1情報を取得して、第1時間及びモード情報を表示部25に表示させることが好ましい。第2操作は、第1操作と同じ操作(測定開始ボタン14Aの押圧)であることが好ましいが、第1操作と異なる操作(例えば、通信ボタン14Bの短押し等)であってもよい。
ステップS12の処理により、表示部25には、図2に示すように、“表示時間内に血圧計の測定開始ボタンを押してください[ 2 0 秒 ]”といったメッセージが表示され、1秒経過する毎に、表示中の秒数の文字が1秒減少されて時間表示が更新されて、時間のカウントダウンが行われる。
血圧計10におけるステップS6の処理と、スマートフォン20におけるステップS12の処理は、ほぼ時間差なく行われる。このため、血圧計10の表示部15に表示される時間と、スマートフォン20の表示部25に表示される時間は、“20秒”を初期値として、ここから、同タイミングで更新されて減少していくことになる。血圧計10の表示部15に表示される時間と、スマートフォン20の表示部25に表示される時間が同期することで、ユーザは、操作すべき血圧計10を明確に認識できるようになる。
ユーザは、ステップS12の処理でスマートフォン20に表示されたメッセージを確認すると、表示される秒数が0秒になるまでの間に、血圧計10に対して第2操作(ここでは、測定開始ボタン14Aの押圧とする)を行う。待機モードで動作中の血圧計10のプロセッサ11は、測定開始ボタン14Aの押圧を検出する(ステップS7)と、血圧情報の測定制御を実行せずに、ペアリングモードに移行する(ステップS8)。ペアリングモードに移行すると、血圧計10のプロセッサ11は、通信部12によるアドバタイズを開始させる(ステップS9)。ステップS9では、近距離無線通信による通信接続の確立のために必要な情報(例えば血圧計10の個体識別情報等)を含むパケットが定期的にブロードキャストされる。
スマートフォン20のプロセッサ21は、ステップS9の処理で血圧計10から送信されてきたブロードキャスト信号を取得すると、通信部22を介して、血圧計10に対する接続要求を行う。血圧計10のプロセッサ11が、通信部12を介してこの接続要求に応答すると、血圧計10とスマートフォン20との間で近距離無線通信による通信接続が確立される(ステップS30)。
スマートフォン20が接続要求を行う相手を特定する方法は特に限定されない。例えば、スマートフォン20のプロセッサ21は、ブロードキャスト信号の電波強度が最大の装置を接続相手として特定したり、接続先候補一覧を表示し、その中からユーザにより選択された装置を接続相手として特定したりすればよい。
スマートフォン20と血圧計10との通信接続が確立されると、所定の方法によって、スマートフォン20と血圧計10の相互認証が行われ、相互認証が完了すると、スマートフォン20と血圧計10の間で、近距離無線通信で暗号通信を行うための暗号化情報(例えば暗号鍵等)の共有が行われる(ステップS31)。暗号化情報の共有とは、血圧計10のプロセッサ11が暗号化情報を生成し、その暗号化情報を記憶部13に記憶すると共にスマートフォン20に送信し、スマートフォン20がその暗号化情報を記憶部23に記憶することをいう。なお、スマートフォン20のプロセッサ21が暗号化情報を生成し、その暗号化情報を記憶部23に記憶すると共に血圧計10に送信し、血圧計10がその暗号化情報を記憶部13に記憶することで、暗号化情報の共有がなされてもよい。
ステップS31の後、スマートフォン20のプロセッサ21は、例えば、表示部25に、「血圧計の登録を完了しました」といった、ペアリングが完了したことを示すメッセージを表示させる。スマートフォン20のプロセッサ21は、その後、血圧計10との通信接続を切断する。以降は、スマートフォン20と血圧計10の間で、暗号化情報を用いたセキュアな通信が可能となる。例えば、カフが腕又は手首に巻き付けられた状態で測定開始ボタン14Aが押圧されると、血圧情報が導出されて記憶部13に記憶される。そして、血圧計10のプロセッサ11は、通信部12を起動して、暗号化情報を共有済みのスマートフォン20との接続を確立し、血圧情報を暗号化してそのスマートフォン20に送信する。
以上のように、管理システム100によれば、ユーザは、スマートフォン20に表示される情報にしたがって、血圧計10に対して第1操作と第2操作を順次行うだけで、血圧計10をペアリングモードに移行させることができる。ペアリングモードに移行後は、血圧計10とスマートフォン20の間で、これまでと同様の処理によって暗号化情報の共有がなされる。特定のボタンの長押し操作や、機器の底面等の操作しにくい箇所に設置されたボタンの操作等によって、血圧計10をペアリングモードに移行させることのできる構成と比較すると、管理システム100では、単純な操作である第1操作と第2操作によって血圧計10をペアリングモードに移行させることができる。このため、血圧計10とスマートフォン20のペアリングを容易に行うことが可能となる。また、表示部15及び表示部25に表示される時間が所定値(上記の例では“0秒”)に達するまでの間(つまり、待機モードの継続期間)に第2操作を行うことでペアリングモードに移行できるため、血圧計10が常時、ペアリングモードになることはなく、意図しない情報端末との間で暗号化情報の共有がなされるのを防いで安全性を高めることができる。
また、血圧計10のプロセッサ11は、第1操作が行われただけではペアリングモードに移行しないため、誤操作によってペアリングモードに移行してしまうのを防ぐことができる。また、血圧計10のプロセッサ11は、第1操作がなされた場合に無条件に待機モードに移行するのではなく、血圧情報が測定不能と判定した場合に待機モードに移行する。このため、通常の血圧測定時には、待機モード及びペアリングモードに移行することはなく、必要な時にだけ、待機モード及びペアリングモードでプロセッサ11を作動させることができる。なお、血圧計10のプロセッサ11は、暗号化情報の共有を行う処理を実行済みの場合には、第1操作がなされた場合であっても、待機モードへは移行しないようにしてもよい。つまり、プロセッサ11は、暗号化情報の共有を行う処理を実行済みであり、且つ、第1操作を検出した場合(図2のステップS31の処理の後に第1操作を検出した場合)には、待機モード及びペアリングモードへ移行する制御を非実行として、血圧測定処理を開始してもよい。このようにすることで、誤って第1操作がなされた場合に待機モード及びペアリングモードに移行するのを防いで、省電力化等を図ることができる。
管理システム100では、第1操作と第2操作を同じにすることで、血圧計10に搭載される操作部14に含まれる操作子(ボタン等)の個数に制限がある場合であっても、ペアリングを容易且つ安全に行うことができる。特に、第1操作と第2操作を、それぞれ、血圧計10に必須の操作(血圧情報の測定の開始操作)とすることで、既存の多くの血圧計10において、図2に示す処理を実行させることが可能となり、血圧計10のハードウエアの改修を不要として、管理システム100の構築コストを低減できる。
以上の説明では、第1操作は、測定開始ボタン14Aの押圧としているが、通信ボタン14Bの押圧(短押し)を第1操作としたり、図示省略の電源ボタン(血圧計10の電源を投入するためのボタン)の押圧を第1操作としたりしてもよい。つまり、ステップS11において、測定開始ボタン14Aの代わりに、通信ボタン14B(又は電源ボタン)の操作を指示し、ステップS1において、通信ボタン14B(又は電源ボタン)の押圧を検出した場合に、ステップS4からステップS6の処理が行われるようにしてもよい。この場合には、ステップS2及びステップS3の処理は省略され、ステップS12において通信ボタン14B(又は測定開始ボタン14A)の操作を指示する情報を表示部25に表示し、ステップS7において通信ボタン14B(又は測定開始ボタン14A)の押圧を検出した場合に、ペアリングモードに移行する動作に変更すればよい。
また、以上の説明では、ステップS6とステップS12において、第1時間を表示させてから、この第1時間を減らしていくものとしたが、第1時間を表示させてから、この第1時間を増やしていく構成としてもよい。例えば、第1時間を“0秒”とし、ステップS6とステップS12では、1秒経過する毎に、表示される秒数を“1”ずつ増やす制御を行ってもよい。この場合は、例えば、「表示される秒数が20秒になるまでの間に、血圧計10の測定開始ボタンを押してください。[ 0 秒]」といったメッセージが表示部15と表示部25に表示されることになる。
10 血圧計
11,21 プロセッサ
12,22 通信部
13,23 記憶部
14A 測定開始ボタン
14B 通信ボタン
14,24 操作部
15,25 表示部
16 センサ部
20 スマートフォン
100 管理システム

Claims (9)

  1. 近距離無線通信部と、表示部と、プロセッサとを有する測定装置であって、
    前記プロセッサは、
    第1操作を検出した場合に、第1時間を含む第1情報を前記近距離無線通信部から送信する第1制御を行い、
    前記第1時間を前記表示部に表示させて、前記表示部に表示する前記第1時間を、時間経過とともに変化させる第2制御を行い、
    前記表示部に前記第1時間が表示されてから、前記表示部に表示される時間が所定値に達するまでの期間に、第2操作を検出した場合に、近距離無線通信で暗号通信を行うための暗号化情報を情報端末と共有する処理を実行可能なペアリングモードに移行する、測定装置。
  2. 請求項1に記載の測定装置であって、
    測定用センサを備え、
    前記第1操作は、前記測定用センサの作動を開始させる操作であり、
    前記プロセッサは、前記第1操作によって作動した前記測定用センサによる測定対象量の測定が不能な場合に、前記第1制御と前記第2制御を行う、測定装置。
  3. 請求項2に記載の測定装置であって、
    前記第2操作は、前記第1操作と同じである、測定装置。
  4. 請求項1に記載の測定装置であって、
    前記プロセッサは、前記処理を実行済みであり且つ前記第1操作を検出した場合には、前記第1制御及び前記第2制御を非実行とする、測定装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の測定装置であって、
    前記プロセッサは、前記第1情報をブロードキャストする、測定装置。
  6. 近距離無線通信部と、表示部と、プロセッサとを有する情報端末であって、
    前記プロセッサは、
    測定装置に対して第1操作を行うことを指示する情報を前記表示部に表示させる第3制御を行い、
    前記第3制御を行った状態で、測定装置から送信されてきた第1時間を含む第1情報を取得し、前記第1時間を前記表示部に表示させて、前記表示部に表示する前記第1時間を時間経過とともに変化させ、且つ、測定装置に対して第2操作を行うことを指示する情報を前記表示部に表示させる第4制御を行い、
    前記表示部に前記第1時間が表示されてから、前記表示部に表示される時間が所定値に達するまでの期間にブロードキャスト信号を送信した測定装置と、近距離無線通信で暗号通信を行うための暗号化情報を共有する処理を行う、情報端末。
  7. 請求項6に記載の情報端末であって、
    前記第1操作は、前記測定装置の測定用センサの作動を開始させる操作である、情報端末。
  8. 請求項6又は7に記載の情報端末であって、
    前記第2操作は、前記第1操作と同じである、情報端末。
  9. 近距離無線通信部と、表示部と、プロセッサとを有する情報端末の作動プログラムであって、
    測定装置に対して第1操作を行うことを指示する情報を前記表示部に表示させる第3制御を行い、
    前記第3制御を行った後に測定装置から送信されてきた第1時間を含む第1情報を取得し、前記第1時間を前記表示部に表示させて、前記表示部に表示する前記第1時間を時間経過とともに変化させ、且つ、測定装置に対して第2操作を行うことを指示する情報を前記表示部に表示させる第4制御を行い、
    前記表示部に前記第1時間が表示されてから、前記表示部に表示される時間が所定値に達するまでの期間にブロードキャスト信号を送信した測定装置と、近距離無線通信で暗号通信を行うための暗号化情報を共有する処理を行う、ステップをプロセッサに実行させる情報端末の作動プログラム。
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