JP2024044647A - 空中浮遊映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より好適な空中浮遊映像表示装置を提供すること。本発明によれば、持続可能な開発目標の「3すべての人に健康と福祉を」、「9産業と技術革新の基盤をつくろう」、「11住み続けられるまちづくりを」に貢献する。【解決手段】空中浮遊映像表示装置は、映像表示装置1と、偏光分離部材101と、λ/4板21と再帰反射部材2とを有する再帰反射モジュール200と、それらを保持する筐体1190とを備える。偏光分離部材101に対し映像表示装置1が為す第1の角度(A)と、偏光分離部材101に対し再帰反射モジュール200が為す第2の角度(B’)との関係において、第1の角度に対し第2の角度が異なる。【選択図】図15A

Description

本発明は、空中浮遊映像表示装置に関する。
空中浮遊情報表示技術については、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2019-128722号公報
しかしながら、特許文献1の開示では、空中浮遊映像の実用的な明るさや品位を得るための構成や、ユーザが空中浮遊映像をより楽しく視認するための構成などについての考慮は十分ではなかった。
本発明の目的は、より好適な空中浮遊映像表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば以下のとおりである。実施の形態の空中浮遊映像表示装置は、空中浮遊映像を表示する空中浮遊映像表示装置であって、映像表示装置と、映像表示装置からの特定偏波の映像光を反射し他方の偏波の映像光を透過する偏光分離部材と、偏光分離部材からの特定偏波による反射映像光を再帰反射して他方の偏波の映像光に変換する、λ/4板と再帰反射部材とを有する再帰反射モジュールと、映像表示装置、偏光分離部材、および再帰反射モジュールを保持する筐体と、を備え、再帰反射モジュールからの他方の偏波の映像光を偏光分離部材で透過して、筐体の外の所定の位置に実像である空中浮遊映像を形成し、偏光分離部材に対し映像表示装置が為す第1の角度と、偏光分離部材に対し再帰反射モジュールが為す第2の角度との関係において、第1の角度に対し第2の角度が異なる。
本発明によれば、より好適な空中浮遊映像表示装置を実現できる。これ以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明において明らかにされる。
本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の使用形態の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の主要部構成と再帰反射部構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の主要部構成と再帰反射部構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の主要部構成と再帰反射部構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施例に係る光源装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る光源装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る光源装置の具体的な構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の主要部を示す配置図である。 本発明の一実施例に係る表示装置の構成を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る表示装置の構成を示す断面図である。 本発明の一実施例に係る映像表示装置の光源拡散特性を説明するための説明図である。 本発明の一実施例に係る映像表示装置の拡散特性を説明するための説明図である。 本発明の一実施例に係る再帰反射モジュールの非正規映像光の課題についての説明図である。 本発明の一実施例に係る再帰反射モジュールの非正規映像光の課題についての説明図である。 本発明の一実施例に係る解決手段の原理についての説明図である。 本発明の一実施例に係る解決手段の原理についての説明図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の非正規映像光の課題についての説明図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の非正規映像光の課題についての説明図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例1A)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例1B)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例1C)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例1D)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例2A)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例2B)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例2C)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例2D)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例3A)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例3B)を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例4A)における保持ユニットの構成を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例4A)における保持部材の構成を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例4A)における保持ユニットの保持部材の配置の角度についての説明図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例4A)における保持ユニットの一方の保持部材に再帰反射モジュールが配置された状態を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例4A)における保持ユニットの他方の保持部材に再帰反射モジュールが配置された状態を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例4A)における保持ユニットのねじ穴の構成を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例4B)における保持ユニットの構成を示す図である。 本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成の一例(実施例4Bの変形例)における保持ユニットの構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は実施例の説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものには、同一の符号を付与し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
以下の実施例は、映像発光源からの映像光による映像を、ガラス等の空間を仕切る透明な部材を介して透過して、前記透明な部材の外部に空間浮遊映像として表示することが可能な映像表示装置に関する。なお、以下の実施例の説明において、空間に浮遊する映像を「空間浮遊映像」という用語で表現している。この用語の代わりに、「空中像」、「空間像」、「空中浮遊映像」、「表示映像の空間浮遊光学像」、「表示映像の空中浮遊光学像」などと表現してもかまわない。実施例の説明で主として用いる「空間浮遊映像」との用語は、これらの用語の代表例として用いている。
以下の実施例によれば、例えば、銀行のATMや駅の券売機やデジタルサイネージ等において好適な映像表示装置を実現できる。例えば、現状、銀行のATMや駅の券売機等では、通常、タッチパネルが用いられているが、透明なガラス面や光透過性の板材を用いて、このガラス面や光透過性の板材上に高解像度な映像情報を空間浮遊した状態で表示可能となる。この時、出射する映像光の発散角を小さく、即ち鋭角とし、さらに特定の偏波に揃えることで、再帰反射板に対して正規の反射光だけを効率良く反射させるため、光の利用効率が高く、従来の再帰反射方式での課題となっていた主空間浮遊像の他に発生するゴースト像を抑えることができ、鮮明な空間浮遊映像を得ることができる。また、本実施例の光源を含む装置により、消費電力を大幅に低減することが可能な、新規で利用性に優れた空間浮遊映像表示装置(空間浮遊映像表示システム)を提供することができる。また、例えば、車両において車両内部および/または外部において視認可能である、いわゆる、一方向性の空間浮遊映像表示が可能な車両用空間浮遊映像表示装置を提供することができる。
<実施例1>
<空間浮遊映像表示装置の使用形態の一例>
図1は、本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の使用形態の一例を示す図であり、本実施例に係る空間浮遊映像表示装置の全体構成を示す図である。空間浮遊映像表示装置の具体的な構成については、図2等を用いて詳述するが、映像表示装置1から挟角な指向特性でかつ特定偏波の光が、映像光束として出射し、空間浮遊映像表示装置内の光学系での反射等を経て再帰反射板2に一旦入射し、再帰反射して透明な部材100(ガラス等)を透過して、ガラス面の外側に、実像である空中像(空間浮遊映像3)を形成する。なお、以下の実施例においては、再帰反射部材の例として再帰反射板2(再帰性反射板)を用いて説明する。しかしながら、本発明の再帰反射板2は平面形状のプレートに限られず、平面または非平面の部材に貼り付けるシート状の再帰反射部材や、平面または非平面の、樹脂またはガラスなどの部材にシート状の再帰反射部材を貼り付けたアセンブリ全体を含む概念の例として用いている。
また、店舗等においては、ガラス等の透光性の部材であるショーウィンド(「ウィンドガラス」とも言う)105により空間が仕切られている。本実施例の空間浮遊映像表示装置によれば、かかる透明な部材を透過して、浮遊映像を店舗(空間)の外部および/または内部に対して一方向に表示することが可能である。
図1では、ウィンドガラス105の内側(店舗内)を奥行方向にしてその外側(例えば、歩道)が手前になるように示している。他方、ウィンドガラス105に特定偏波を反射する手段を設けることで反射させ、店内の所望の位置に空中像を形成することもできる。
<空間浮遊映像表示装置の光学システムの構成例>
図2Aは、本発明の一実施例に係る空間浮遊映像表示装置の光学システムの構成の一例を示す図である。図2Aを用いて、空間浮遊映像表示装置の構成をより具体的に説明する。図2A(1)に示すように、ガラス等の透明な部材100の斜め方向には、特定偏波の映像光を挟角に発散させる表示装置1を備える。表示装置1は、液晶表示パネル11と、挟角な拡散特性を有する特定偏波の光を生成する光源装置13とを備えている。
表示装置1からの特定偏波の映像光は、透明な部材100に設けた特定偏波の映像光を選択的に反射する膜を有する偏光分離部材101(図中は偏光分離部材101をシート状に形成して透明な部材100に粘着している)で反射され、再帰反射板2に入射する。再帰反射板2の映像光入射面にはλ/4板21を設ける。映像光は、再帰反射板2への入射のときと出射のときの2回、λ/4板21を通過させられることで、特定偏波から他方の偏波へ偏光変換される。ここで、特定偏波の映像光を選択的に反射する偏光分離部材101は偏光変換された他方の偏波の偏光は透過する性質を有するので、偏光変換後の特定偏波の映像光は、偏光分離部材101を透過する。偏光分離部材101を透過した映像光が、透明な部材100の外側に、実像である空間浮遊映像3を形成する。
ここで、図2Aの光学システムにおける偏光設計の第1の例を説明する。例えば、表示装置1からS偏光の映像光が偏光分離部材101へ射出される構成とし、偏光分離部材101がS偏光を反射しP偏光を透過する特性を有する構成としても良い。この場合、表示装置1から偏光分離部材101へ到達したS偏光の映像光は、偏光分離部材101により反射され、再帰反射板2へ向かう。当該映像光が再帰反射板2で反射される際に、再帰反射板2の入射面に設けられたλ/4板21を2回通過するので、当該映像光はS偏光からP偏光へ変換される。P偏光へ変換された映像光は再び偏光分離部材101へ向かう。ここで、偏光分離部材101は、S偏光を反射しP偏光を透過する特性を有するので、P偏光の映像光は偏光分離部材101を透過し、透明な部材100を透過する。透明な部材100を透過した映像光は、再帰反射板2により生成された光であるため、偏光分離部材101に対して表示装置1の表示映像と鏡面関係にある位置に、表示装置1の表示映像の光学像である空間浮遊映像3を形成する。このような偏光設計により好適に空間浮遊映像3を形成することができる。
次に、図2Aの光学システムにおける偏光設計の第2の例を説明する。例えば、表示装置1からP偏光の映像光が偏光分離部材101へ射出される構成とし、偏光分離部材101がP偏光を反射しS偏光を透過する特性を有する構成としても良い。この場合、表示装置1から偏光分離部材101へ到達したP偏光の映像光は、偏光分離部材101により反射され、再帰反射板2へ向かう。当該映像光が再帰反射板2で反射される際に、再帰反射板2の入射面に設けられたλ/4板21を2回通過するので、当該映像光はP偏光からS偏光へ変換される。S偏光へ変換された映像光は再び偏光分離部材101へ向かう。ここで、偏光分離部材101は、P偏光を反射しS偏光を透過する特性を有するので、S偏光の映像光は偏光分離部材101を透過し、透明な部材100を透過する。透明な部材100を透過した映像光は、再帰反射板2により生成された光であるため、偏光分離部材101に対して表示装置1の表示映像と鏡面関係にある位置に、表示装置1の表示映像の光学像である空間浮遊映像3を形成する。このような偏光設計により好適に空間浮遊映像3を形成することができる。
なお、空間浮遊映像3を形成する光は再帰反射板2から空間浮遊映像3の光学像へ収束する光線の集合であり、これらの光線は、空間浮遊映像3の光学像を通過後も直進する。よって、空間浮遊映像3は、一般的なプロジェクタなどでスクリーン上に形成される拡散映像光とは異なり、高い指向性を有する映像である。よって、図2Aの構成では、矢印Aの方向からユーザが視認する場合は、空間浮遊映像3は明るい映像として視認される。しかし、矢印Bの方向から他の人物が視認する場合は、空間浮遊映像3は映像として一切視認することはできない。この特性は、高いセキュリティが求められる映像や、ユーザに正対する人物には秘匿したい秘匿性の高い映像を表示するシステムに採用する場合に非常に好適である。
なお、再帰反射板2の性能によっては、反射後の映像光の偏光軸が不揃いになることがある。また、反射角度も不揃いになることがある。このような不揃いの光は、設計上想定された偏光状態および進行角度を保たないことが有る。例えば、このような設計想定外の偏光状態および進行角度の光が、再帰反射板2の位置から偏光分離部材を介さずに直接液晶表示パネル11の映像表示面側へ再入射してしまうこともある。このような設計想定外の偏光状態および進行角度の光が、空間浮遊映像表示装置内の部品で反射したのち、液晶表示パネル11の映像表示面側へ再入射してしまうこともある。このような液晶表示パネル11の映像表示面側へ再入射した光が、表示装置1を構成する液晶表示パネル11の映像表示面で再反射し、ゴースト像を発生させ空間浮遊像の画質を低下させる可能性がある。そこで、本実施例では表示装置1の映像表示面に吸収型偏光板12を設けてもよい。表示装置1から出射する映像光は吸収型偏光板12を透過させ、偏光分離部材101から戻ってくる反射光は吸収型偏光板12で吸収させることで、上記再反射を抑制できる。これにより、空間浮遊像のゴースト像による画質低下を防止することができる。具体的には、表示装置1からS偏光の映像光が偏光分離部材101へ射出される構成であれば、吸収型偏光板12はP偏光を吸収する偏光板とすればよい。また、表示装置1からP偏光の映像光が偏光分離部材101へ射出される構成であれば、吸収型偏光板12はS偏光を吸収する偏光板とすればよい。
上述した偏光分離部材101は、例えば反射型偏光板や特定偏波を反射させる金属多層膜などで形成すればよい。
次に、図2A(2)に、代表的な再帰反射板2として、今回の検討に用いた日本カーバイド工業株式会社製の再帰反射板の表面形状を示す。規則的に配列された6角柱の内部に入射した光線は、6角柱の壁面と底面で反射され再帰反射光として入射光に対応した方向に出射し、表示装置1に表示した映像に基づき実像である空間浮遊映像を表示する。
この空間浮遊像の解像度は、液晶表示パネル11の解像度の他に、図2A(2)で示す再帰反射板2の再帰反射部の外形DとピッチPに大きく依存する。例えば、7インチのWUXGA(1920×1200画素)液晶表示パネルを用いる場合には、1画素(1トリプレット)が約80μmであっても、例えば再帰反射部の直径Dが240μmでピッチが300μmであれば、空間浮遊像の1画素は300μm相当となる。このため、空間浮遊映像の実効的な解像度は1/3程度に低下する。
そこで、空間浮遊映像の解像度を表示装置1の解像度と同等にするためには、再帰反射部の直径とピッチを液晶表示パネルの1画素に近づけることが望まれる。他方、再帰反射板と液晶表示パネルの画素によるモアレの発生を抑えるため、それぞれのピッチ比を1画素の整数倍から外して設計すると良い。また、形状は、再帰反射部のいずれの一辺も液晶表示パネルの1画素のいずれの一辺と重ならないように配置すると良い。
なお、本実施例に係る再帰反射板の表面形状は上述の例に限られない。再帰性反射を実現するさまざまな表面形状を有してよい。具体的には、三角錐プリズム、六角錐プリズム、その他多角形プリズムまたはこれらの組み合わせを周期的に配置した再帰反射素子を、本実施例の再帰反射板の表面に備えても良い。または、これらのプリズムを周期的に配置してキューブコーナーを形成する再帰反射素子を、本実施例の再帰反射板の表面に備えても良い。または、ガラスビーズを周期的に配置したカプセルレンズ型再帰反射素子を、本実施例の再帰反射板の表面に備えても良い。これらの再帰反射素子の詳細な構成は、既存の技術を用いれば良いので、詳細な説明は省略する。具体的には、特開2001-33609号公報、特開2001-264525号公報、特開2005-181555号公報、特開2008-70898号公報、特開2009-229942号公報などに開示される技術を用いればよい。
<空間浮遊映像表示装置の光学システムの他の構成例1>
空間浮遊映像表示装置の光学システムの他の構成例について、図2Bを用いて説明する。なお、図2Bにおいて、図2Aと同一の符号を付している構成は、図2Aと同一の機能、構成を有するものする。このような構成については、説明を単純化するために繰り返しの説明は省略する。
図2Bの光学システムでは、図2Aと同様に、表示装置1から特定偏波の映像光が出力される。表示装置1から出力された特定偏波の映像光は、偏光分離部材101Bに入力される。偏光分離部材101Bは、特定偏波の映像光を選択的に透過する部材である。偏光分離部材101Bは、図2Aの偏光分離部材101とは異なり、透明な部材100とは一体ではなく、独立して板状の形状をしている。よって、偏光分離部材101Bは、偏光分離板と表現してもよい。偏光分離部材101Bは、例えば、透明部材に偏光分離シートを貼り付けて構成して構成する反射型偏光板として構成してもよい。または、透明部材に特定偏波を選択的に透過させ、他の特定偏波の偏波を反射する金属多層膜などで形成すればよい。図2Bでは、偏光分離部材101Bは、表示装置1から出力された特定偏波の映像光を透過するように構成されている。
偏光分離部材101Bを透過した映像光は、再帰反射板2に入射する。再帰反射板の映像光入射面にはλ/4板21を設ける。映像光は、再帰反射板への入射のときと出射のときの2回において、λ/4板21を通過させられることで特定偏波から他方の偏波へ偏光変換される。ここで、偏光分離部材101Bは、λ/4板21で偏光変換された他方の偏波の偏光は反射する性質を有するので、偏光変換後の映像光は、偏光分離部材101Bで反射される。偏光分離部材101Bで反射した映像光は、透明な部材100を透過し、透明な部材100の外側に実像である空間浮遊映像3を形成する。
ここで、図2Bの光学システムにおける偏光設計の第1の例を説明する。例えば、表示装置1からP偏光の映像光が偏光分離部材101Bへ射出される構成とし、偏光分離部材101BがS偏光を反射しP偏光を透過する特性を有する構成としても良い。この場合、表示装置1から偏光分離部材101Bへ到達したP偏光の映像光は、偏光分離部材101Bを透過し、再帰反射板2へ向かう。当該映像光が再帰反射板2で反射される際に、再帰反射板2の入射面に設けられたλ/4板21を2回通過するので、当該映像光はP偏光からS偏光へ変換される。S偏光へ変換された映像光は再び偏光分離部材101Bへ向かう。ここで、偏光分離部材101Bは、S偏光を反射しP偏光を透過する特性を有するので、S偏光の映像光は偏光分離部材101で反射され、透明な部材100を透過する。透明な部材100を透過した映像光は、再帰反射板2により生成された光であるため、偏光分離部材101Bに対して表示装置1の表示映像と鏡面関係にある位置に、表示装置1の表示映像の光学像である空間浮遊映像3を形成する。このような偏光設計により好適に空間浮遊映像3を形成することができる。
次に、図2Bの光学システムにおける偏光設計の第2の例を説明する。例えば、表示装置1からS偏光の映像光が偏光分離部材101Bへ射出される構成とし、偏光分離部材101BがP偏光を反射しS偏光を透過する特性を有する構成としても良い。この場合、表示装置1から偏光分離部材101Bへ到達したS偏光の映像光は、偏光分離部材101Bを透過し、再帰反射板2へ向かう。当該映像光が再帰反射板2で反射される際に、再帰反射板2の入射面に設けられたλ/4板21を2回通過するので、当該映像光はS偏光からP偏光へ変換される。P偏光へ変換された映像光は再び偏光分離部材101Bへ向かう。ここで、偏光分離部材101Bは、P偏光を反射しS偏光を透過する特性を有するので、P偏光の映像光は偏光分離部材101で反射され、透明な部材100を透過する。透明な部材100を透過した映像光は、再帰反射板2により生成された光であるため、偏光分離部材101Bに対して表示装置1の表示映像と鏡面関係にある位置に、表示装置1の表示映像の光学像である空間浮遊映像3を形成する。このような偏光設計により、好適に空間浮遊映像3を形成することができる。
なお、図2Bにおいては、表示装置1の映像表示面と、再帰反射板2の面は平行に配置されている。偏光分離部材101Bは、表示装置1の映像表示面および再帰反射板2の面に対して、角度α(例えば30°)だけ傾いて配置されている。すると、偏光分離部材101Bの反射においては、再帰反射板2から入射される映像光の進行方向(当該映像光の主光線の方向)に対して、偏光分離部材101Bで反射された映像光の進行方向(当該映像光の主光線の方向)は、角度β(例えば60°)だけ異なる方向となる。このように構成することにより、図2Bの光学システムでは、透明な部材100の外側に向けて図示される所定の角度で映像光が出力され、実像である空間浮遊映像3を形成する。図2Bの構成では、矢印Aの方向からユーザが視認する場合は、空間浮遊映像3は明るい映像として視認される。しかし、矢印Bの方向から他の人物が視認する場合は、空間浮遊映像3は映像として一切視認することはできない。この特性は、高いセキュリティが求められる映像や、ユーザに正対する人物には秘匿したい秘匿性の高い映像を表示するシステムに採用する場合に非常に好適である。
以上説明したように、図2Bの光学システムでは、図2Aの光学システムとは異なる構成の光学システムでありながら、図2Aの光学システムと同様に、好適な空間浮遊映像を形成することができる。
なお、透明な部材100の偏光分離部材101B側の面に吸収型偏光板を設けても良い。当該吸収型偏光板は、偏光分離部材101Bからの映像光の偏波を透過し、偏光分離部材101Bからの映像光の偏波と位相が90°異なる偏波を吸収する吸収型偏光板とすればよい。このようにすれば、空間浮遊映像3を形成するための映像光は充分透過させながら、透明な部材100の空間浮遊映像3側から入射する外光を約50%低減することができる。これにより、透明な部材100の空間浮遊映像3側から入射する外光にもとづく図2Bの光学システム内の迷光を低減することができる。
<空間浮遊映像表示装置の光学システムの他の構成例2>
空間浮遊映像表示装置の光学システムの他の構成例について、図2Cを用いて説明する。なお、図2Cにおいて、図2Bと同一の符号を付している構成は、図2Bと同一の機能、構成を有するものする。このような構成については、説明を単純化するために繰り返しの説明はしない。
図2Bの光学システムに対する図2Cの光学システムの相違点は、表示装置1の映像表示面および再帰反射板2の面に対する、偏光分離部材101Bの配置角度のみである。その他の構成はいずれも、図2Bの光学システムと同様であるので繰り返しの説明は省略する。図2Cの光学システムの偏光設計も、図2Bの光学システムの偏光設計と同様であるため、繰り返しの説明は省略する。
図2Cの光学システムでは、偏光分離部材101Bは、表示装置1の映像表示面および再帰反射板2の面に対して、角度αだけ傾いて配置されている。図2Cにおいて、その角度αは45°である。このように構成すると、偏光分離部材101Bの反射においては、再帰反射板2から入射される映像光の進行方向(当該映像光の主光線の方向)に対する、偏光分離部材101Bで反射された映像光の進行方向(当該映像光の主光線の方向)のなす角度βは90°となる。このように構成すると、表示装置1の映像表示面および再帰反射板2の面と、偏光分離部材101Bで反射された映像光の進行方向とが直角の関係になり、光学システムを構成する面の角度関係をシンプルにすることができる。透明な部材100の面を偏光分離部材101Bで反射された映像光の進行方向に対して直交するように配置すれば、さらに光学システムを構成する面の角度関係をシンプルにすることができる。図2Cの構成では、矢印Aの方向からユーザが視認する場合は、空間浮遊映像3は明るい映像として視認される。しかし、矢印Bの方向から他の人物が視認する場合は、空間浮遊映像3は映像として一切視認することはできない。この特性は、高いセキュリティが求められる映像や、ユーザに正対する人物には秘匿したい秘匿性の高い映像を表示するシステムに採用する場合に非常に好適である。
以上説明したように、図2Cの光学システムでは、図2Aおよび図2Bの光学システムとは異なる構成の光学システムでありながら、図2Aおよび図2Bの光学システムと同様に、好適な空間浮遊映像を形成することができる。また、光学システムを構成する面の角度をよりシンプルにすることができる。
なお、透明な部材100の偏光分離部材101B側の面に吸収型偏光板を設けても良い。当該吸収型偏光板は、偏光分離部材101Bからの映像光の偏波を透過し、偏光分離部材101Bからの映像光の偏波と位相が90°異なる偏波を吸収する吸収型偏光板とすればよい。このようにすれば、空間浮遊映像3を形成するための映像光は充分透過させながら、透明な部材100の空間浮遊映像3側から入射する外光を約50%低減することができる。これにより、透明な部材100の空間浮遊映像3側から入射する外光にもとづく図2Cの光学システム内の迷光を低減することができる。
以上説明した、図2A、図2B,図2Cの光学システムによれば、より明るく、より高品位な空間浮遊映像を提供することができる。
<<空間浮遊映像表示装置の内部構成のブロック図>>
次に、空間浮遊映像表示装置1000の内部構成のブロック図について説明する。図3は、空間浮遊映像表示装置1000の内部構成の一例を示すブロック図である。
空間浮遊映像表示装置1000は、再帰反射部1101、映像表示部1102、導光体1104、光源1105、電源1106、外部電源入力インタフェース1111、操作入力部1107、不揮発性メモリ1108、メモリ1109、制御部1110、映像信号入力部1131、音声信号入力部1133、通信部1132、空中操作検出センサ1351、空中操作検出部1350、音声出力部1140、映像制御部1160、ストレージ部1170、撮像部1180等を備えている。なお、リムーバブルメディアインタフェース1134、姿勢センサ1113、透過型自発光映像表示装置1650、第2の表示装置1680、または二次電池1112などを備えても良い。
空間浮遊映像表示装置1000の各構成要素は、筐体1190に配置されている。なお、図3に示す撮像部1180および空中操作検出センサ1351は、筐体1190の外側に設けられてもよい。
図3の再帰反射部1101は、図2A、図2B、図2Cの再帰反射板2に対応している。再帰反射部1101は、映像表示部1102により変調された光を再帰性反射する。再帰反射部1101からの反射光のうち、空間浮遊映像表示装置1000の外部に出力された光により空間浮遊映像3が形成される。
図3の映像表示部1102は、図2A、図2B、図2Cの液晶表示パネル11に対応している。図3の光源1105は、図2A、図2B、図2Cの光源装置13と対応している。そして、図3の映像表示部1102、導光体1104、および光源1105は、図2A、図2B、図2Cの表示装置1に対応している。
映像表示部1102は、後述する映像制御部1160による制御により入力される映像信号に基づいて、透過する光を変調して映像を生成する表示部である。映像表示部1102は、図2A、図2B、図2Cの液晶表示パネル11に対応している。映像表示部1102として、例えば透過型液晶パネルが用いられる。また、映像表示部1102として、例えば反射する光を変調する方式の反射型液晶パネルやDMD(Digital Micromirror Device:登録商標)パネル等が用いられてもよい。
光源1105は、映像表示部1102用の光を発生するもので、LED光源、レーザ光源等の固体光源である。電源1106は、外部から外部電源入力インタフェース1111介して入力されるAC電流をDC電流に変換し、光源1105に電力を供給する。また、電源1106は、空間浮遊映像表示装置1000内の各部に、それぞれ必要なDC電流を供給する。二次電池1112は、電源1106から供給される電力を蓄電する。また、二次電池1112は、外部電源入力インタフェース1111を介して、外部から電力が供給されない場合に、光源1105およびその他電力を必要とする構成に対して電力を供給する。すなわち、空間浮遊映像表示装置1000が二次電池1112を備える場合は、外部から電力が供給されない場合でもユーザは空間浮遊映像表示装置1000を使用することが可能となる。
導光体1104は、光源1105で発生した光を導光し、映像表示部1102に照射させる。導光体1104と光源1105とを組み合わせたものを、映像表示部1102のバックライトと称することもできる。導光体1104は、主にガラスを用いた構成にしてもよい。導光体1104は、主にプラスチックを用いた構成にしてもよい。導光体1104は、ミラーを用いた構成にしてもよい。導光体1104と光源1105との組み合わせには、さまざまな方式が考えられる。導光体1104と光源1105との組み合わせについての具体的な構成例については、後で詳しく説明する。
空中操作検出センサ1351は、ユーザ230の指による空間浮遊映像3の操作を検出するセンサである。空中操作検出センサ1351は、例えば空間浮遊映像3の表示範囲の全部と重畳する範囲をセンシングする。なお、空中操作検出センサ1351は、空間浮遊映像3の表示範囲の少なくとも一部と重畳する範囲のみをセンシングしてもよい。
空中操作検出センサ1351の具体例としては、赤外線などの非可視光、非可視光レーザ、超音波等を用いた距離センサが挙げられる。また、空中操作検出センサ1351は、複数のセンサを複数組み合わせ、2次元平面の座標を検出できるように構成されたものでもよい。また、空中操作検出センサ1351は、ToF(Time of Flight)方式のLiDAR(Light Detection and Ranging)や、画像センサで構成されてもよい。
空中操作検出センサ1351は、ユーザが指で空間浮遊映像3として表示されるオブジェクトに対するタッチ操作等を検出するためのセンシングができればよい。このようなセンシングは、既存の技術を用いて行うことができる。
空中操作検出部1350は、空中操作検出センサ1351からセンシング信号を取得し、センシング信号に基づいてユーザ230の指による空間浮遊映像3のオブジェクトに対する接触の有無や、ユーザ230の指とオブジェクトとが接触した位置(接触位置)の算出等を行う。空中操作検出部1350は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路で構成される。また、空中操作検出部1350の一部の機能は、例えば制御部1110で実行される空間操作検出用プログラムによりソフトウェアで実現されてもよい。
空中操作検出センサ1351および空中操作検出部1350は、空間浮遊映像表示装置1000に内蔵された構成としてもよいが、空間浮遊映像表示装置1000とは別体で外部に設けられてもよい。空間浮遊映像表示装置1000と別体で設ける場合、空中操作検出センサ1351および空中操作検出部1350は、有線または無線の通信接続路や映像信号伝送路を介して空間浮遊映像表示装置1000に情報や信号を伝達できるように構成される。
また、空中操作検出センサ1351および空中操作検出部1350が別体で設けられてもよい。これにより、空中操作検出機能の無い空間浮遊映像表示装置1000を本体として、空中操作検出機能のみをオプションで追加できるようなシステムを構築することが可能である。また、空中操作検出センサ1351のみを別体とし、空中操作検出部1350が空間浮遊映像表示装置1000に内蔵された構成でもよい。空間浮遊映像表示装置1000の設置位置に対して空中操作検出センサ1351をより自由に配置したい場合等には、空中操作検出センサ1351のみを別体とする構成に利点がある。
撮像部1180は、イメージセンサを有するカメラであり、空間浮遊映像3付近の空間、および/またはユーザ230の顔、腕、指などを撮像する。撮像部1180は、複数設けられてもよい。複数の撮像部1180を用いることで、あるいは深度センサ付きの撮像部を用いることで、ユーザ230による空間浮遊映像3のタッチ操作の検出処理の際、空中操作検出部1350を補助することができる。撮像部1180は、空間浮遊映像表示装置1000と別体で設けられてもよい。撮像部1180を空間浮遊映像表示装置1000と別体で設ける場合、有線または無線の通信接続路などを介して空間浮遊映像表示装置1000に撮像信号を伝達できるように構成すればよい。
例えば、空中操作検出センサ1351が、空間浮遊映像3の表示面を含む平面(侵入検出平面)を対象として、この侵入検出平面内への物体の侵入の有無を検出する物体侵入センサとして構成された場合、侵入検出平面内に侵入していない物体(例えば、ユーザの指)が侵入検出平面からどれだけ離れているのか、あるいは物体が侵入検出平面にどれだけ近いのかといった情報を、空中操作検出センサ1351では検出できない場合がある。
このような場合、複数の撮像部1180の撮像画像に基づく物体の深度算出情報や深度センサによる物体の深度情報等の情報を用いることにより、物体と侵入検出平面との距離を算出することができる。そして、これらの情報や、物体と侵入検出平面との距離等の各種情報は、空間浮遊映像3に対する各種表示制御に用いられる。
また、空中操作検出センサ1351を用いずに、撮像部1180の撮像画像に基づき、空中操作検出部1350がユーザ230による空間浮遊映像3のタッチ操作を検出するようにしてもよい。
また、撮像部1180が空間浮遊映像3を操作するユーザ230の顔を撮像し、制御部1110がユーザ230の識別処理を行うようにしてもよい。また、空間浮遊映像3を操作するユーザ230の周辺や背後に他人が立っており、他人が空間浮遊映像3に対するユーザ230の操作を覗き見ていないか等を判別するため、撮像部1180は、空間浮遊映像3を操作するユーザ230と、ユーザ230の周辺領域とを含めた範囲を撮像するようにしてもよい。
操作入力部1107は、例えば操作ボタンや、リモートコントローラ等の信号受信部または赤外光受光部であり、ユーザ230による空中操作(タッチ操作)とは異なる操作についての信号を入力する。空間浮遊映像3をタッチ操作する前述のユーザ230とは別に、操作入力部1107は、例えば管理者が空間浮遊映像表示装置1000を操作するために用いられてもよい。
映像信号入力部1131は、外部の映像出力装置を接続して映像データを入力する。映像信号入力部1131は、さまざまなデジタル映像入力インタフェースが考えられる。例えば、HDMI(登録商標)(High―Definition Multimedia Interface)規格の映像入力インタフェース、DVI(Digital Visual Interface)規格の映像入力インタフェース、またはDisplayPort規格の映像入力インタフェースなどで構成すればよい。または、アナログRGBや、コンポジットビデオなどのアナログ映像入力インタフェースを設けてもよい。音声信号入力部1133は、外部の音声出力装置を接続して音声データを入力する。音声信号入力部1133は、HDMI規格の音声入力インタフェース、光デジタル端子インタフェース、または、同軸デジタル端子インタフェース、などで構成すればよい。HDMI規格のインタフェースの場合は、映像信号入力部1131と音声信号入力部1133とは、端子およびケーブルが一体化したインタフェースとして構成されてもよい。音声出力部1140は、音声信号入力部1133に入力された音声データに基づいた音声を出力することが可能である。音声出力部1140は、スピーカーで構成してもよい。また、音声出力部1140は、内蔵の操作音やエラー警告音を出力してもよい。または、HDMI規格に規定されるAudio Return Channel機能のように、外部機器にデジタル信号として出力する構成を音声出力部1140としてもよい。
不揮発性メモリ1108は、空間浮遊映像表示装置1000で用いる各種データを格納する。不揮発性メモリ1108に格納されるデータには、例えば、空間浮遊映像3に表示する各種操作用のデータ、表示アイコン、ユーザの操作が操作するためのオブジェクトのデータやレイアウト情報等が含まれる。メモリ1109は、空間浮遊映像3として表示する映像データや装置の制御用データ等を記憶する。
制御部1110は、接続される各部の動作を制御する。また、制御部1110は、メモリ1109に記憶されるプログラムと協働して、空間浮遊映像表示装置1000内の各部から取得した情報に基づく演算処理を行ってもよい。
通信部1132は、有線または無線の通信インタフェースを介して、外部機器や外部のサーバ等と通信を行う。通信部1132が有線の通信インタフェースを有する場合は、当該有線の通信インタフェースは、例えば、イーサネット規格のLANインタフェースなどで構成すればよい。通信部1132が無線の通信インタフェースを有する場合は、例えば、Wi―Fi方式の通信インタフェース、Bluetooth方式の通信インタフェース、4G、5Gなどの移動体通信インタフェースなどで構成すればよい。通信部1132を介した通信により、映像データ、画像データ、音声データ等の各種データが送受信される。
また、リムーバブルメディアインタフェース1134は、着脱可能な記録媒体(リムーバブルメディア)を接続するインタフェースである。着脱可能な記録媒体(リムーバブルメディア)は、ソリッドステートドライブ(SSD)などの半導体素子メモリ、ハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記録媒体記録装置、または光ディスクなどの光学記録メディアなどで構成してもよい。リムーバブルメディアインタフェース1134は着脱可能な記録媒体記録されている、映像データ、画像データ、音声データ等の各種データなどの各種情報を読み出すことが可能である。着脱可能な記録媒体に記録された映像データ、画像データ等は、映像表示部1102と再帰反射部1101とを介して空間浮遊映像3として出力される。
ストレージ部1170は、映像データ、画像データ、音声データ等の各種データなどの各種情報を記録する記憶装置である。ストレージ部1170は、ハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記録媒体記録装置や、ソリッドステートドライブ(SSD)などの半導体素子メモリで構成してもよい。ストレージ部1170には、例えば、製品出荷時に予め映像データ、画像データ、音声データ等の各種データ等の各種情報が記録されていてもよい。また、ストレージ部1170は、通信部1132を介して外部機器や外部のサーバ等から取得した映像データ、画像データ、音声データ等の各種データ等の各種情報を記録してもよい。
ストレージ部1170に記録された映像データ、画像データ等は、映像表示部1102と再帰反射部1101とを介して空間浮遊映像3として出力される。空間浮遊映像3として表示される、表示アイコンやユーザが操作するためのオブジェクト等の映像データ、画像データ等も、ストレージ部1170に記録される。
空間浮遊映像3として表示される表示アイコンやオブジェクト等のレイアウト情報や、オブジェクトに関する各種メタデータの情報等もストレージ部1170に記録される。ストレージ部1170に記録された音声データは、例えば音声出力部1140から音声として出力される。
映像制御部1160は、映像表示部1102に入力する映像信号に関する各種制御を行う。映像制御部1160は、映像処理回路と称してもよく、例えば、ASIC、FPGA、映像用プロセッサなどのハードウェアで構成されてもよい。なお、映像制御部1160は、映像処理部、画像処理部と称してもよい。映像制御部1160は、例えば、メモリ1109に記憶させる映像信号と、映像信号入力部1131に入力された映像信号(映像データ)等のうち、どの映像信号を映像表示部1102に入力するかといった映像切り替えの制御等を行う。
また、映像制御部1160は、メモリ1109に記憶させる映像信号と、映像信号入力部1131から入力された映像信号とを重畳した重畳映像信号を生成し、重畳映像信号を映像表示部1102に入力することで、合成映像を空間浮遊映像3として形成する制御を行ってもよい。
また、映像制御部1160は、映像信号入力部1131から入力された映像信号やメモリ1109に記憶させる映像信号等に対して画像処理を行う制御を行ってもよい。画像処理としては、例えば、画像の拡大、縮小、変形等を行うスケーリング処理、輝度を変更するブライト調整処理、画像のコントラストカーブを変更するコントラスト調整処理、画像を光の成分に分解して成分ごとの重みづけを変更するレティネックス処理等がある。
また、映像制御部1160は、映像表示部1102に入力する映像信号に対して、ユーザ230の空中操作(タッチ操作)を補助するための特殊効果映像処理等を行ってもよい。特殊効果映像処理は、例えば、空中操作検出部1350によるユーザ230のタッチ操作の検出結果や、撮像部1180によるユーザ230の撮像画像に基づいて行われる。
姿勢センサ1113は、重力センサまたは加速度センサ、またはこれらの組み合わせにより構成されるセンサであり、空間浮遊映像表示装置1000が設置されている姿勢を検出することができる。姿勢センサ1113の姿勢検出結果に基づいて、制御部1110が、接続される各部の動作を制御してもよい。例えば、ユーザの使用状態としての好ましくない姿勢を検出した場合に、映像表示部1102の表示していた映像の表示を中止し、ユーザにエラーメッセージを表示するような制御を行ってもよい。または、姿勢センサ1113により空間浮遊映像表示装置1000の設置姿勢が変化したことを検出した場合に、映像表示部1102の表示していた映像の表示の向きを回転させる制御を行ってもよい。
ここまで説明したように、空間浮遊映像表示装置1000には、さまざまな機能が搭載されている。ただし、空間浮遊映像表示装置1000は、これらのすべての機能を備える必要はなく、空間浮遊映像3を形成する機能があればどのような構成でもよい。
<空間浮遊映像表示装置の構成例>
次に、空間浮遊映像表示装置の構成例について説明する。本実施例に係る空間浮遊映像表示装置の構成要素のレイアウトは、使用形態に応じて様々なレイアウトがあり得る。以下、図4A~図4Mのそれぞれのレイアウトについて説明する。なお、図4A~図4Mのいずれの例においても、空間浮遊映像表示装置1000を囲む太い線は空間浮遊映像表示装置1000の筐体構造の一例を示している。
図4Aは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Aに示す空間浮遊映像表示装置1000は、図2Aの光学システムに対応する光学システムを搭載するものである。図4Aに示す空間浮遊映像表示装置1000では、空間浮遊映像3が形成される側の面が上方を向くように、横置きにして設置される。すなわち、図4Aでは、空間浮遊映像表示装置1000は、透明な部材100が装置上面に設置される。空間浮遊映像3が、空間浮遊映像表示装置1000の透明な部材100の面に対して上方に形成される。空間浮遊映像3の光は、斜め上方向に進行する。空中操作検出センサ1351を図のように設けた場合は、ユーザ230の指による空間浮遊映像3の操作を検出することができる。なお、x方向がユーザから見て左右方向、y方向がユーザから見て前後方向(奥行方向)、z方向が上下方向(鉛直方向)である。以下、図4の各図においてx方向、y方向、z方向の定義は同じであるので、繰り返しの説明は省略する。
図4Bは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Bに示す空間浮遊映像表示装置1000は、図2Aの光学システムに対応する光学システムを搭載するものである。図4Bに示す空間浮遊映像表示装置1000は、空間浮遊映像3が形成される側の面が、空間浮遊映像表示装置1000の正面(ユーザ230の方向)を向くように、縦置きにして設置される。すなわち、図4Bでは、空間浮遊映像表示装置は、透明な部材100が装置の正面(ユーザ230の方向)に設置される。空間浮遊映像3が、空間浮遊映像表示装置1000の透明な部材100の面に対してユーザ230側に形成される。空間浮遊映像3の光は、斜め上方向に進行する。空中操作検出センサ1351を図のように設けた場合は、ユーザ230の指による空間浮遊映像3の操作を検出することができる。ここで、図4Bに示すように、空中操作検出センサ1351は、ユーザ230の指を上側からセンシングすることで、ユーザの爪によるセンシング光の反射を、タッチ検出に利用することができる。一般的に、爪は指の腹よりも反射率が高いため、このように構成することによりタッチ検出の精度を上げることができる。
図4Cは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Cに示す空間浮遊映像表示装置1000は、図2Bの光学システムに対応する光学システムを搭載するものである。図4Cに示す空間浮遊映像表示装置1000では、空間浮遊映像3が形成される側の面が上方を向くように、横置きにして設置される。すなわち、図4Cでは、空間浮遊映像表示装置1000は、透明な部材100が装置上面に設置される。空間浮遊映像3が、空間浮遊映像表示装置1000の透明な部材100の面に対して上方に形成される。空間浮遊映像3の光は、斜め上方向に進行する。空中操作検出センサ1351を図のように設けた場合は、ユーザ230の指による空間浮遊映像3の操作を検出することができる。
図4Dは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Dに示す空間浮遊映像表示装置1000は、図2Bの光学システムに対応する光学システムを搭載するものである。図4Dに示す空間浮遊映像表示装置1000は、空間浮遊映像3が形成される側の面が、空間浮遊映像表示装置1000の正面(ユーザ230の方向)を向くように、縦置きにして設置される。すなわち、図4Dでは、空間浮遊映像表示装置1000は、透明な部材100が装置の正面(ユーザ230の方向)に設置される。空間浮遊映像3が、空間浮遊映像表示装置1000の透明な部材100の面に対してユーザ230側に形成される。空間浮遊映像3の光は、斜め上方向に進行する。空中操作検出センサ1351を図のように設けた場合は、ユーザ230の指による空間浮遊映像3の操作を検出することができる。ここで、図4Dに示すように、空中操作検出センサ1351は、ユーザ230の指を上側からセンシングすることで、ユーザの爪によるセンシング光の反射を、タッチ検出に利用することができる。一般的に、爪は指の腹よりも反射率が高いため、このように構成することによりタッチ検出の精度を上げることができる。
図4Eは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Eに示す空間浮遊映像表示装置1000は、図2Cの光学システムに対応する光学システムを搭載するものである。図4Eに示す空間浮遊映像表示装置1000では、空間浮遊映像3が形成される側の面が上方を向くように、横置きにして設置される。すなわち、図4Eでは、空間浮遊映像表示装置1000は、透明な部材100が装置上面に設置される。空間浮遊映像3が、空間浮遊映像表示装置1000の透明な部材100の面に対して上方に形成される。空間浮遊映像3の光は、真上方向に進行する。空中操作検出センサ1351を図のように設けた場合は、ユーザ230の指による空間浮遊映像3の操作を検出することができる。
図4Fは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Fに示す空間浮遊映像表示装置1000は、図2Cの光学システムに対応する光学システムを搭載するものである。図4Fに示す空間浮遊映像表示装置1000は、空間浮遊映像3が形成される側の面が、空間浮遊映像表示装置1000の正面(ユーザ230の方向)を向くように、縦置きにして設置される。すなわち、図4Fでは、空間浮遊映像表示装置1000は、透明な部材100が装置の正面(ユーザ230の方向)に設置される。空間浮遊映像3が、空間浮遊映像表示装置1000の透明な部材100の面に対してユーザ230側に形成される。空間浮遊映像3の光は、ユーザ手前方向に進行する。空中操作検出センサ1351を図のように設けた場合は、ユーザ230の指による空間浮遊映像3の操作を検出することができる。
図4Gは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Gに示す空間浮遊映像表示装置1000は、図2Cの光学システムに対応する光学システムを搭載するものである。図4Aから図4Fまでの空間浮遊映像表示装置の光学システムにおいては、表示装置1から発せられる映像光の中心の光路はyz平面上にあった。すなわち、図4Aから図4Fまでの空間浮遊映像表示装置の光学システム内においては、映像光はユーザから見て前後方向、上下方向に進行した。これに対し、図4Gに示す空間浮遊映像表示装置の光学システムにおいては、表示装置1から発せられる映像光の中心の光路はxy平面上にある。すなわち、図4Gに示す空間浮遊映像表示装置の光学システム内においては、映像光はユーザから見て左右方向および前後方向に進行する。図4Gに示す空間浮遊映像表示装置1000では、空間浮遊映像3が形成される側の面が、装置の正面(ユーザ230の方向)を向くように設置される。すなわち、図4Gでは、空間浮遊映像表示装置1000は、透明な部材100が装置正面(ユーザ230の方向)に設置される。空間浮遊映像3が、空間浮遊映像表示装置1000の透明な部材100の面に対してユーザ側に形成される。空間浮遊映像3の光は、ユーザ手前方向に進行する。空中操作検出センサ1351を図のように設けた場合は、ユーザ230の指による空間浮遊映像3の操作を検出することができる。
図4Hは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Hの空間浮遊映像表示装置1000は、装置背面(ユーザ230が空間浮遊映像3を視認する位置の反対側、すなわち、ユーザ230にむかう空間浮遊映像3の映像光の進行方向の反対側)にガラスやプラスチックなどの透明板100Bを有する窓を有する点で、図4Gの空間浮遊映像表示装置と相違する。その他の構成については、図4Gの空間浮遊映像表示装置と同じ構成であるため、繰り返しの説明を省略する。図4Hの空間浮遊映像表示装置1000は、空間浮遊映像3に対して、空間浮遊映像3の映像光の進行方向の反対側の位置に、透明板100Bを有する窓を備えている。よって、ユーザ230が空間浮遊映像3を視認する場合に、空間浮遊映像3の背景として、空間浮遊映像表示装置1000の後ろ側の景色を認識することができる。よって、ユーザ230は、空間浮遊映像3が空間浮遊映像表示装置1000の後ろ側の景色の前面の空中に浮遊しているように認識することができる。これにより、空間浮遊映像3の空中浮遊感をより強調することができる。
なお、表示装置1から出力される映像光の偏光分布および偏光分離部材101Bの性能によっては、表示装置1から出力される映像光の一部が偏光分離部材101Bで反射され、透明板100Bへ向かう可能性がある。透明板100Bの表面のコート性能によっては、この光が透明板100Bの表面で再び反射され迷光としてユーザに視認される可能性がある。よって、当該迷光を防止するために、空間浮遊映像表示装置1000装置の背面の前記窓に、透明板100Bを設けない構成としてもよい。
図4Iは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Iの空間浮遊映像表示装置1000は、装置背面(ユーザ230が空間浮遊映像3を視認する位置の反対側)に配置される透明板100Bの窓に、遮光のための開閉ドア1410を設けている点で、図4Hの空間浮遊映像表示装置と相違する。その他の構成については、図4Hの空間浮遊映像表示装置と同じ構成であるため、繰り返しの説明を省略する。図4Iの空間浮遊映像表示装置1000の開閉ドア1410は、例えば、遮光板を有し、遮光板を移動(スライド)する機構、回転する機構または着脱する機構を備えることで、空間浮遊映像表示装置1000の奥側に位置する透明板100Bの窓(背面側窓)について、開口状態と遮光状態を切り替えることができる。開閉ドア1410による遮光板の移動(スライド)や回転は、図示しないモータの駆動による電動式としてもよい。当該モータは図3の制御部1110が制御してもよい。なお、図4Iの例では、開閉ドア1410の遮光板の枚数は2枚の例を開示している。これに対し、開閉ドア1410の遮光板の枚数は1枚でもよい。
例えば、空間浮遊映像表示装置1000の透明板100Bの窓の奥に見える景色が屋外の場合は、天気によって太陽光の明るさが可変する。屋外の太陽光が強い場合、空間浮遊映像3の背景が明るくなりすぎて、ユーザ230が空間浮遊映像3の視認性が下がる場合もある。このような場合に、開閉ドア1410の遮光板の移動(スライド)、回転または装着により、背面側窓を遮光状態にすれば、空間浮遊映像3の背景は暗くなるので、相対的に空間浮遊映像3の視認性を上げることができる。このような開閉ドア1410の遮光板による遮蔽動作は、ユーザ230の手の力により直接的に行われても良い。図3の操作入力部1107を介した操作入力に応じて、制御部1110が図示しないモータを制御して開閉ドア1410の遮光板による遮蔽動作を行ってもよい。
なお、背面側窓近傍など、空間浮遊映像表示装置1000の背面側(ユーザ230の反対側)に照度センサを設けて、背面側窓の先の空間の明るさを測定してもよい。この場合、当該照度センサの検出結果に応じて、図3の制御部1110が図示しないモータを制御して開閉ドア1410の遮光板による開閉動作を行ってもよい。このように開閉ドア1410の遮光板による開閉動作を制御することにより、ユーザ230が手動で開閉ドア1410の遮光板の開閉動作をしなくとも、空間浮遊映像3の視認性をより好適に維持することが可能となる。
また、開閉ドア1410による遮光板を、手動による着脱式としてもよい。空間浮遊映像表示装置1000の使用用途、設置環境に応じて、背面側窓を開口状態とするか、遮光状態とするかをユーザが選択することができる。長期間にわたって背面側窓を遮光状態のまま使用する予定であれば、着脱式の遮光板を遮光状態のまま固定すればよい。また、長期間にわたって背面側窓を開口状態のまま使用する予定であれば、着脱式の遮光板を外した状態のまま使用すればよい。遮光板の着脱はネジを用いてもよく、引掛け構造を用いてもよく、嵌め込み構造を用いてもよい。
なお、図4Iの空間浮遊映像表示装置1000の例でも、表示装置1から出力される映像光の偏光分布および偏光分離部材101Bの性能によっては、表示装置1から出力される映像光の一部が偏光分離部材101Bで反射され、透明板100Bへ向かう可能性がある。透明板100Bの表面のコート性能によっては、この光が透明板100Bの表面で再び反射され迷光としてユーザに視認される可能性がある。よって、当該迷光を防止するために、空間浮遊映像表示装置1000装置の背面の前記窓に、透明板100Bを設けない構成としてもよい。透明板100Bを有しない窓に、上述の開閉ドア1410を備えるようにすればよい。当該迷光を防止するため上述の開閉ドア1410の遮光板の筐体内側の面は光反射率の低いコートまたは素材を有することが望ましい。
図4Jは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Jの空間浮遊映像表示装置1000は、図4Hの空間浮遊映像表示装置の背面側窓に、ガラスやプラスチックである透明板100Bを配置する代わりに、電子制御透過率可変装置1620を配置する点で相違する。その他の構成については、図4Hの空間浮遊映像表示装置と同じ構成であるため、繰り返しの説明を省略する。電子制御透過率可変装置1620の例は、液晶シャッターなどである。すなわち、液晶シャッターは2つの偏光板に挟まれた液晶素子を電圧制御することにより、光の透過光を制御することができる。よって、液晶シャッターを制御して透過率を大きくすれば、空間浮遊映像3の背景は、背面側窓越しの景色が透けて見える状態となる。また、液晶シャッターを制御して透過率を大きくすれば、空間浮遊映像3の背景として背面側窓越しの景色は見えない状態とすることができる。また、液晶シャッターは中間長の制御が可能であるので、透過率50%などの状態にもすることができる。例えば、図3の操作入力部1107を介した操作入力に応じて、制御部1110が、電子制御透過率可変装置1620の透過率を制御すればよい。このように構成すれば、空間浮遊映像3の背景として背面側窓越しの景色を見たいものの、背景である背面側窓越しの景色が明る過ぎて空間浮遊映像3の視認性が下がってしまう場合などに、電子制御透過率可変装置1620の透過率を調整することにより、空間浮遊映像3の視認性を調整することが可能となる。
なお、背面側窓近傍など、空間浮遊映像表示装置1000の背面側(ユーザ230の反対側)に照度センサを設けて、背面側窓の先の空間の明るさを測定してもよい。この場合、当該照度センサの検出結果に応じて、図3の制御部1110が、電子制御透過率可変装置1620の透過率を制御すればよい。このようにすれば、ユーザ230が図3の操作入力部1107を介した操作入力を行わなくとも、背面側窓の先の空間の明るさに応じて電子制御透過率可変装置1620の透過率を調整することができるので、空間浮遊映像3の視認性をより好適に維持することが可能となる。
また、上述の例では、電子制御透過率可変装置1620として液晶シャッターの例を説明した。これに対し、電子制御透過率可変装置1620の別の例として、電子ペーパーを用いてもよい。電子ペーパーを用いても、上述と同様の効果を得ることができる。そのうえ、電子ペーパーは中間調状態を維持するための消費電力が非常に小さい。よって、液晶シャッターを採用した場合に比べて、低消費電力の空間浮遊映像表示装置を実現することができる。
図4Kは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Kの空間浮遊映像表示装置1000は、透明な部材100の代わりに、透過型自発光映像表示装置1650を有する点で、図4Gの空間浮遊映像表示装置と相違する。その他の構成については、図4Gの空間浮遊映像表示装置と同じ構成であるため、繰り返しの説明を省略する。
図4Kの空間浮遊映像表示装置1000では、透過型自発光映像表示装置1650の表示面を、映像光束が透過したのち、空間浮遊映像表示装置1000の外部に空間浮遊映像3を形成する。すなわち、2次元平面ディスプレイである透過型自発光映像表示装置1650で映像を表示しているときに、透過型自発光映像表示装置1650の映像のさらにユーザ手前側に、空間浮遊映像3を飛び出す映像として表示することができる。このときユーザ230は奥行位置の異なる2つの映像を同時に視認することができる。透過型自発光映像表示装置1650は、例えば、特開2014-216761号公報などに開示される、透過型有機ELパネルなどの既存の技術を用いて構成すればよい。なお、透過型自発光映像表示装置1650は、図3に図示されていないが、図3の空間浮遊映像表示装置1000の一構成部として、制御部1110などの他の処理部と接続されるように構成すればよい。
ここで、透過型自発光映像表示装置1650に、背景とキャラクターなどのオブジェクトの両者を表示したあとに、キャラクターなどのオブジェクトだけ手前側の空間浮遊映像3に移動してくる、などの演出を行えば、ユーザ230により効果的なサプライズ演出での映像体験を提供することができる。
また、空間浮遊映像表示装置1000の内部を遮光状態にしておけば、透過型自発光映像表示装置1650の背景は十分暗くなる。よって、表示装置1に映像を表示せず、または表示装置1の光源を不点灯とし、透過型自発光映像表示装置1650だけに映像を表示している場合、ユーザ230には、透過型自発光映像表示装置1650は透過型ディスプレイではなく通常の2次元平面ディスプレイであるように見える(本発明の実施例における空間浮遊映像3はスクリーンのない空間に実像の光学像として表示するため、表示装置1の光源を不点灯とすれば、空間浮遊映像3の表示予定位置は何もない空間になる。)。よって、透過型自発光映像表示装置1650を、あたかも一般的な2次元平面ディスプレイとして使用して映像を表示しているときに、キャラクターやオブジェクトなどを突然、空間浮遊映像3として空中に表示することでユーザ230により効果的なサプライズ演出での映像体験を提供することができる。
なお、空間浮遊映像表示装置1000の内部をより暗くすればするほど、透過型自発光映像表示装置1650は2次元平面ディスプレイのように見える。よって、透過型自発光映像表示装置1650の空間浮遊映像表示装置1000の内部側の面(偏光分離部材101Bで反射した映像光の透過型自発光映像表示装置1650への入射面、すなわち、透過型自発光映像表示装置1650の空間浮遊映像3と反対側の面)に、偏光分離部材101Bで反射した映像光の偏波を透過し当該偏波と90°位相が異なる偏波を吸収する吸収型偏光板(図示せず)を設けてもよい。このようにすれば、空間浮遊映像3を形成する映像光への影響はさほど大きくないが、外部から透過型自発光映像表示装置1650を介して、空間浮遊映像表示装置1000の内部へ入射する光を大幅に低減することができ、空間浮遊映像表示装置1000の内部をより暗くすることができ、好適である。
図4Lは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Lの空間浮遊映像表示装置1000は、図4Kの空間浮遊映像表示装置の変形例である。空間浮遊映像表示装置1000における構成の配置の向きが図4Kの空間浮遊映像表示装置と異なり、図4Fの空間浮遊映像表示装置に近い配置となっている。各構成の機能、動作などについては、図4Kの空間浮遊映像表示装置と同じ構成であるため、繰り返しの説明を省略する。
図4Lの空間浮遊映像表示装置でも、透過型自発光映像表示装置1650を映像光の光束が透過したのち、透過型自発光映像表示装置1650よりもユーザ230側に空間浮遊映像3を形成する。
図4Kの空間浮遊映像表示装置の例でも、図4Lの空間浮遊映像表示装置の例でも、ユーザ230からは、透過型自発光映像表示装置1650の映像の手前に、空間浮遊映像3が重なって表示される。ここで、空間浮遊映像3の位置と透過型自発光映像表示装置1650の映像の位置は、奥行方向に差があるように構成している。よって、ユーザが頭(視点の位置)を動かすと視差により2つの映像の奥行を認識することができる。よって、奥行位置の異なる2枚の映像を表示することで、立体視眼鏡などを必要とせず裸眼で、3次元的な映像体験をより好適にユーザに提供することができる。
図4Mは、空間浮遊映像表示装置の構成の一例を示す図である。図4Mの空間浮遊映像表示装置は、図4Gの空間浮遊映像表示装置の偏光分離部材101Bに対してユーザから見て奥側に、第2の表示装置1680を設ける。その他の構成については、図4Gの空間浮遊映像表示装置と同じ構成であるため、繰り返しの説明を省略する。
図4Mに示す構成例では、第2の表示装置1680が空間浮遊映像3の表示位置の奥側に設けられており、映像表示面が空間浮遊映像3に向けられている。かかる構成により、ユーザ230からみると、第2の表示装置1680の映像と、空間浮遊映像3との、2つの奥行の異なる位置に表示される映像を重ねて視認することができる。すなわち、第2の表示装置1680は、空間浮遊映像3を視認するユーザ230側の方向に映像を表示する向きに配置されている、といえる。なお、第2の表示装置1680は、図3に図示されていないが、図3の空間浮遊映像表示装置1000の一構成部として、制御部1110などの他の処理部と接続されるように構成すればよい。
なお、図4Mの空間浮遊映像表示装置1000の第2の表示装置1680の映像光は、偏光分離部材101Bを透過したのち、ユーザ230に視認される。したがて、第2の表示装置1680の映像光がより好適に偏光分離部材101Bを透過するためには、第2の表示装置1680から出力される映像光は、偏光分離部材101Bがより好適に透過する振動方向の偏波の偏光であることが望ましい。すなわち、表示装置1から出力される映像光の偏波と同じ振動方向の偏波の偏光であることが望ましい。例えば、表示装置1から出力される映像光がS偏光である場合は、第2の表示装置1680から出力される映像光もS偏光とすることが望ましい。また、表示装置1から出力される映像光がP偏光である場合は、第2の表示装置1680から出力される映像光もP偏光とすることが望ましい。
図4Mの空間浮遊映像表示装置の例も、空間浮遊映像3の奥に第2の映像を表示するという点で、図4Kの空間浮遊映像表示装置の例および図4Lの空間浮遊映像表示装置の例と同様の効果を有する。ただし、図4Kの空間浮遊映像表示装置の例および図4Lの空間浮遊映像表示装置の例と異なり、図4Mの空間浮遊映像表示装置の例では、空間浮遊映像3を形成するための映像光の光束が第2の表示装置1680を通過することはない。よって、第2の表示装置1680は、透過型自発光映像表示装置である必要はなく、2次元平面ディスプレイである液晶ディスプレイでよい。第2の表示装置1680は、有機ELディスプレイでもよい。よって、図4Mの空間浮遊映像表示装置の例では、図4Kの空間浮遊映像表示装置の例および図4Lの空間浮遊映像表示装置の例よりも、空間浮遊映像表示装置1000をより低コストで実現することが可能である。
ここで、表示装置1から出力される映像光の偏光分布および偏光分離部材101Bの性能によっては、表示装置1から出力される映像光の一部が偏光分離部材101Bで反射され、第2の表示装置1680へ向かう可能性がある。この光(映像光の一部)は、第2の表示装置1680の表面で再び反射され迷光としてユーザに視認される可能性がある。
よって、当該迷光を防止するために、第2の表示装置1680の表面に吸収型偏光板を設けてもよい。この場合、当該吸収型偏光板は、第2の表示装置1680から出力される映像光の偏波を透過し、第2の表示装置1680から出力される映像光の偏波と位相が90°異なる偏波を吸収する吸収型偏光板とすればよい。なお、第2の表示装置1680が液晶ディスプレイである場合は、当該液晶ディスプレイ内部の映像出射側にも吸収型偏光板が存在する。しかしながら、当該液晶ディスプレイ内部の映像出射側の吸収型偏光板のさらに出射面にカバーガラス(映像表示面側のカバーガラス)が有る場合は、液晶ディスプレイ外部からの光により当該カバーガラスの反射で生じる迷光を防ぐことができない。よって、上述の吸収型偏光板を当該カバーガラスの表面に別途設ける必要がある。
なお、2次元平面ディスプレイである第2の表示装置1680で映像を表示しているときに、第2の表示装置1680の映像のさらにユーザ手前側に、空間浮遊映像3を映像として表示することができる。このときユーザ230は、奥行位置の異なる2つの映像を同時に視認することができる。空間浮遊映像3にキャラクターを表示して、第2の表示装置1680に背景を表示することにより、ユーザ230があたかもキャラクターが存在する空間を立体的に視認しているような効果を提供することができる。
また、第2の表示装置1680に、背景とキャラクターなどのオブジェクトの両者を表示したあとに、キャラクターなどのオブジェクトだけ手前側の空間浮遊映像3に移動してくる、などの演出を行えば、ユーザ230により効果的なサプライズ演出での映像体験を提供することができる。
<表示装置>
次に、本実施例の表示装置1について、図を用いて説明する。本実施例の表示装置1は、映像表示素子11(液晶表示パネル)と共に、その光源を構成する光源装置13を備えており、図5では、光源装置13を液晶表示パネルと共に展開斜視図として示している。
この液晶表示パネル(映像表示素子11)は、図5に矢印30で示すように、バックライト装置である光源装置13から、挟角な拡散特性を有する、即ち、指向性(直進性)が強く、かつ、偏光面を一方向に揃えたレーザ光に似た特性の照明光束を受光する。液晶表示パネル(映像表示素子11)は、入力される映像信号に応じて受光した照明光束を変調する。変調された映像光は、再帰反射板2により反射し、透明な部材100を透過して、実像である空間浮遊像を形成する(図1参照)。
また、図5では、表示装置1を構成する液晶表示パネル11と、更に、光源装置13からの出射光束の指向特性を制御する光方向変換パネル54、および、必要に応じ挟角拡散板(図示せず)を備えて構成されている。即ち、液晶表示パネル11の両面には偏光板が設けられ、特定の偏波の映像光が映像信号により光の強度を変調して出射する(図5の矢印30を参照)構成となっている。これにより、所望の映像を指向性(直進性)の高い特定偏波の光として、光方向変換パネル54を介して、再帰反射板2に向けて投写し、再帰反射板2で反射後、店舗(空間)の外部の監視者の眼に向けて透過して空間浮遊映像3を形成する。なお、上述した光方向変換パネル54の表面には保護カバー50(図6、図7を参照)を設けてよい。
<表示装置の例1>
図6には、表示装置1の具体的な構成の一例を示す。図6では、図5の光源装置13の上に液晶表示パネル11と光方向変換パネル54を配置している。この光源装置13は、図5に示したケース上に、例えば、プラスチックなどにより形成され、その内部にLED素子201、導光体203を収納して構成されており、導光体203の端面には、図5等にも示したように、それぞれのLED素子201からの発散光を略平行光束に変換するために、受光部に対して対面に向かって徐々に断面積が大きくなる形状を有し、内部を伝搬する際に複数回全反射することで発散角が徐々に小さくなるような作用を有するレンズ形状を設けている。表示装置1における上面には、かかる表示装置1を構成する液晶表示パネル11が取り付けられている。また、光源装置13のケースのひとつの側面(本例では左側の端面)には、半導体光源であるLED(Light Emitting Diode)素子201や、その制御回路を実装したLED基板202が取り付けられる。LED基板202の外側面には、LED素子および制御回路で発生する熱を冷却するための部材であるヒートシンクが取り付けられてもよい。
また、光源装置13のケースの上面に取り付けられる液晶表示パネルのフレーム(図示せず)には、当該フレームに取り付けられた液晶表示パネル11と、更に、当該液晶表示パネル11に電気的に接続されたFPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブル配線基板)(図示せず)などが取り付けられて構成される。即ち、映像表示素子である液晶表示パネル11は、固体光源であるLED素子201と共に、電子装置を構成する制御回路(図3の映像制御部1160)からの制御信号に基づいて、透過光の強度を変調することによって表示映像を生成する。この時、生成される映像光は拡散角度が狭く特定の偏波成分のみとなるため、映像信号により駆動された面発光レーザ映像源に近い、従来にない新しい映像表示装置が得られることとなる。なお、現状では、レーザ装置により、上述した表示装置1で得られる画像と同等のサイズのレーザ光束を得ることは、技術的にも安全上からも不可能である。そこで、本実施例では、例えば、LED素子を備えた一般的な光源からの光束から、上述した面発光レーザ映像光に近い光を得る。
続いて、光源装置13のケース内に収納されている光学系の構成について、図6と共に、図7を参照しながら詳細に説明する。
図6および図7は断面図であるため、光源を構成する複数のLED素子201が1つだけ示されており、これらは導光体203の受光端面203aの形状により略コリメート光に変換される。このため、導光体端面の受光部とLED素子は、所定の位置関係を保って取り付けられている。
なお、この導光体203は、各々、例えば、アクリル等の透光性の樹脂により形成されている。そして、この導光体203の端部のLED受光面は、例えば、放物断面を回転して得られる円錐凸形状の外周面を有し、その頂部では、その中央部に凸部(即ち、凸レンズ面)を形成した凹部を有し、その平面部の中央部には、外側に突出した凸レンズ面(あるいは、内側に凹んだ凹レンズ面でも良い)を有するものである(図示せず)。なお、LED素子201を取り付ける導光体の受光部外形形状は、円錐形状の外周面を形成する放物面形状をなし、LED素子から周辺方向に出射する光をその内部で全反射することが可能な角度の範囲内において設定され、あるいは、反射面が形成されている。
他方、LED素子201は、その回路基板である、LED基板202の表面上の所定の位置にそれぞれ配置されている。このLED基板202は、LEDコリメータ(受光端面203a)に対して、その表面上のLED素子201が、それぞれ、前述した凹部の中央部に位置するように配置されて固定される。
かかる構成によれば、導光体203の受光端面203aの形状によって、LED素子201から放射される光は略平行光として取り出すことが可能となり、発生した光の利用効率を向上することが可能となる。
以上述べたように、光源装置13は、導光体203の端面に設けた受光部である受光端面203aに光源であるLED素子201を複数並べた光源ユニットを取り付けて構成され、LED素子201からの発散光束を導光体端面の受光端面203aのレンズ形状によって略平行光として、矢印で示すように、導光体203内部を導光し(図面に平行な方向)、光束方向変換手段204によって、導光体203に対して略平行に配置された液晶表示パネル11に向かって(図面から手前に垂直な方向に)出射する。導光体内部または表面の形状によって、この光束方向変換手段204の分布(密度)を最適化することで、液晶表示パネル11に入射する光束の均一性を制御することができる。
上述した光束方向変換手段204は、導光体表面の形状により、あるいは導光体内部に例えば屈折率の異なる部分を設けることで、導光体内を伝搬した光束を、導光体203に対して略平行に配置された液晶表示パネル11に向かって(図面から手前に垂直な方向に)出射する。この時、液晶表示パネル11を画面中央に正対し画面対角寸法と同じ位置に視点を置いた状態で画面中央と画面周辺部の輝度を比較した場合の相対輝度比が20%以上あれば実用上問題なく、30%を超えていれば更に優れた特性となる。
なお、図6は上述した導光体203とLED素子201を含む光源装置13において、偏光変換する本実施例の光源の構成とその作用を説明するための断面配置図である。図6において、光源装置13は、例えば、プラスチックなどにより形成される表面または内部に光束方向変換手段204を設けた導光体203、光源としてのLED素子201、反射シート205、位相差板206、レンチキュラーレンズなどから構成されており、その上面には、光源光入射面と映像光出射面に偏光板を備える液晶表示パネル11が取り付けられている。
また、光源装置13に対応した液晶表示パネル11の光源光入射面(図の下面)にはフィルムまたはシート状の反射型偏光板49を設けており、LED素子201から出射した自然光束210のうち片側の偏波(例えばP波)212を選択的に反射させる。反射光は、導光体203の一方(図の下方)の面に設けた反射シート205で再度、反射して、液晶表示パネル11に向かうようにする。そこで、反射シート205と導光体203の間もしくは導光体203と反射型偏光板49の間に位相差板(λ/4板)を設けて反射シート205で反射させ、2回通過させることで反射光束をP偏光からS偏光に変換し、映像光としての光源光の利用効率を向上する。液晶表示パネル11で映像信号により光強度を変調された映像光束は(図6の矢印213)、再帰反射板2に入射する。再帰反射板2で反射した後に実像である空間浮遊像を得ることができる。
図7は、図6と同様に、導光体203とLED素子201を含む光源装置13において、偏光変換する本実施例の光源の構成と作用を説明するための断面配置図である。光源装置13も、同様に、例えばプラスチックなどにより形成される表面または内部に光束方向変換手段204を設けた導光体203、光源としてのLED素子201、反射シート205、位相差板206、レンチキュラーレンズなどから構成されている。光源装置13における上面には、映像表示素子として、光源光入射面と映像光出射面に偏光板を備える液晶表示パネル11が取り付けられている。
また、光源装置13に対応した液晶表示パネル11の光源光入射面(図の下面)にはフィルムまたはシート状の反射型偏光板49を設け、LED素子201から出射した自然光束210うち片側の偏波(例えばS波)211を選択的に反射させる。すなわち、図7の例では、反射型偏光板49の選択反射特性が図7と異なる。反射光は、導光体203の一方(図の下方)の面に設けた反射シート205で反射して、再度液晶表示パネル11に向かう。反射シート205と導光体203の間もしくは導光体203と反射型偏光板49の間に位相差板(λ/4板)を設けて反射シート205で反射させ、2回通過させることで反射光束をS偏光からP偏光に変換し、映像光として光源光の利用効率を向上する。液晶表示パネル11で映像信号により光強度変調された映像光束は(図7の矢印214)、再帰反射板2に入射する。再帰反射板2で反射した後に実像である空間浮遊像を得ることができる。
図6および図7に示す光源装置においては、対応する液晶表示パネル11の光入射面に設けた偏光板の作用の他に、反射型偏光板で片側の偏光成分を反射するため、理論上得られるコントラスト比は、反射型偏光板のクロス透過率の逆数と液晶表示パネルに付帯した2枚の偏光板により得られるクロス透過率の逆数を乗じたものとなる。これにより、高いコントラスト性能が得られる。実際には、表示画像のコントラスト性能が10倍以上向上することを実験により確認した。この結果、自発光型の有機ELに比較しても遜色ない高品位な映像が得られた。
<表示装置の例2>
図8には、表示装置1の具体的な構成の他の一例を示す。この光源装置13は、例えばプラスチックなどのケース内にLED、コリメータ、合成拡散ブロック、導光体等を収納して構成されており、その上面には液晶表示パネル11が取り付けられている。また、光源装置13のケースのひとつの側面には、半導体光源であるLED(Light Emitting Diode)素子14a、14bや、その制御回路を実装したLED基板が取り付けられると共に、LED基板の外側面には、LED素子および制御回路で発生する熱を冷却するための部材であるヒートシンク103が取り付けられている。
また、ケースの上面に取り付けられた液晶表示パネルフレームには、当該フレームに取り付けられた液晶表示パネル11と、更に、液晶表示パネル11に電気的に接続されたFPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブル配線基板)403などが取り付けられて構成されている。即ち、液晶表示素子である液晶表示パネル11は、固体光源であるLED素子14a,14bと共に、電子装置を構成する制御回路(ここでは図示せず)からの制御信号に基づいて、透過光の強度を変調することによって、表示映像を生成する。
<表示装置の例3>
続いて、図9を用いて、表示装置1の具体的な構成の他の例(表示装置の例3)を説明する。この表示装置1の光源装置は、LEDからの光(P偏光とS偏光が混在)の発散光束をコリメータ18により略平行光束に変換し、反射型導光体304の反射面により液晶表示パネル11に向け反射する。反射された光は、液晶表示パネル11と反射型導光体304の間に配置された反射型偏光板49に入射する。反射型偏光板49は、特定の偏波の光(例えばP偏光)を透過させ、透過した偏波光を液晶表示パネル11に入射させる。ここで、特定の偏波以外の他の偏波(例えばS偏光)は、反射型偏光板49で反射されて、再び反射型導光体304へ向かう。
反射型偏光板49は、反射型導光体304の反射面からの光の主光線に対して垂直とならないように、液晶表示パネル11に対して傾きを以て設置されている。そして、反射型偏光板49で反射された光の主光線は、反射型導光体304の透過面に入射する。反射型導光体304の透過面に入射した光は、反射型導光体304の背面を透過し、位相差板であるλ/4板270を透過し、反射板271で反射される。反射板271で反射された光は、再びλ/4板270を透過し、反射型導光体304の透過面を透過する。反射型導光体304の透過面を透過した光は、再び反射型偏光板49に入射する。
このとき、反射型偏光板49に再度入射する光は、λ/4板270を2回通過しているため、反射型偏光板49を透過する偏波(例えば、P偏光)へ偏光が変換されている。よって、偏光が変換されている光は反射型偏光板49を透過し、液晶表示パネル11に入射する。なお、偏光変換に係る偏光設計について、上述の説明から偏波を逆に構成(S偏光とP偏光を逆にする)してもかまわない。
この結果、LEDからの光は特定の偏波(例えばP偏光)に揃えられ、液晶表示パネル11に入射し、映像信号に合わせて輝度変調されパネル面に映像を表示する。上述の例と同様に光源を構成する複数のLEDが示されており(ただし、縦断面のため図9では1個のみ図示している)、これらはコリメータ18に対して所定の位置に取り付けられている。
なお、コリメータ18は、各々、例えばアクリル等の透光性の樹脂またはガラスにより形成されている。そして、このコリメータ18は、放物断面を回転して得られる円錐凸形状の外周面を有してもよい。また、コリメータ18の頂部(LED基板102に対向する側)における中央部に、凸部(即ち、凸レンズ面)を形成した凹部を有してもよい。また、コリメータ18の平面部(上記の頂部とは逆の側)の中央部には、外側に突出した凸レンズ面(あるいは、内側に凹んだ凹レンズ面でも良い)を有している。なお、コリメータ18の円錐形状の外周面を形成する放物面は、LEDから周辺方向に出射する光をその内部で全反射することが可能な角度の範囲内において設定され、あるいは、反射面が形成されている。
なお、LEDは、その回路基板である、LED基板102の表面上の所定の位置にそれぞれ配置されている。このLED基板102は、コリメータ18に対して、その表面上のLEDが、それぞれ、円錐凸形状の頂部の中央部(頂部に凹部が有る場合はその凹部)に位置するように配置されて固定される。
かかる構成によれば、コリメータ18によって、LEDから放射される光のうち、特に、その中央部分から放射される光は、コリメータ18の外形を形成する凸レンズ面により集光されて平行光となる。また、その他の部分から周辺方向に向かって出射される光は、コリメータ18の円錐形状の外周面を形成する放物面によって反射され、同様に、集光されて平行光となる。換言すれば、その中央部に凸レンズを構成すると共に、その周辺部に放物面を形成したコリメータ18によれば、LEDにより発生された光のほぼ全てを平行光として取り出すことが可能となり、発生した光の利用効率を向上することが可能となる。
さらに、図9に示したコリメータ18により略平行光に変換された光は、反射型導光体304で反射される。当該光のうち、反射型偏光板49の作用により特定の偏波の光は反射型偏光板49透過し、反射型偏光板49の作用により反射された他方の偏波の光は再度導光体304を透過する。当該光は、反射型導光体304に対して、液晶表示パネル11とは逆の位置にある反射板271で反射する。このとき、当該光は位相差板であるλ/4板270を2度通過することで偏光変換される。反射板271で反射した光は、再び導光体304を透過して、反対面に設けた反射型偏光板49に入射する。当該入射光は、偏光変換がなされているので、反射型偏光板49を透過して、偏光方向を揃えて液晶表示パネル11に入射される。この結果、光源の光を全て利用できるので光の幾何光学的な利用効率が2倍になる。また、反射型偏光板の偏光度(消光比)もシステム全体の消光比に乗せられるので、本実施例の光源装置を用いることで表示装置全体としてのコントラスト比が大幅に向上する。なお、反射型導光体304の反射面の面粗さおよび反射板271の面粗さを調整することで、それぞれの反射面での光の反射拡散角を調整することができる。液晶表示パネル11に入射する光の均一性がより好適になるように、設計毎に、反射型導光体304の反射面の面粗さおよび反射板271の面粗さを調整すればよい。
なお、図9の位相差板であるλ/4板270は、必ずしもλ/4板270へ垂直に入射した偏光に対する位相差がλ/4である必要はない。図9の構成において、偏光が2回通過することで、位相が90°(λ/2)変わる位相差板であればよい。位相差板の厚さは、偏光の入射角度分布に応じて調整すればよい。
<表示装置の例4>
さらに、表示装置の光源装置等の光学系の構成についての他の例(表示装置の例4)を、図10を用いて説明する。表示装置の例3の光源装置において、反射型導光体304の代わりに拡散シートを用いる場合の構成例である。具体的には、コリメータ18の光の出射側には図面の垂直方向と水平方向(図の前後方向で図示せず)の拡散特性を変換する光学シートを2枚用い(光学シート207Aおよび光学シート207B)、コリメータ18からの光を2枚の光学シート(拡散シート)の間に入射させる。
なお、上記の光学シートは、2枚構成ではなく1枚としても良い。1枚構成とする場合には、1枚の光学シートの表面と裏面の微細形状で垂直と水平の拡散特性を調整する。また、拡散シートを複数枚使用して作用を分担しても良い。ここで、図10の例では、光学シート207Aと光学シート207Bの表面形状と裏面形状による反射拡散特性について、液晶表示パネル11から出射する光束の面密度が均一になるように、LEDの数量とLED基板(光学素子)102からの発散角およびコリメータ18の光学仕様を設計パラメータとして最適設計すると良い。つまり、導光体の代わりに複数の拡散シートの表面形状により拡散特性を調整する。
図10の例では、偏光変換は、上述した表示装置の例3と同様の方法で行われる。すなわち、図10の例において、反射型偏光板49は、S偏光を反射(P偏光は透過)させる特性を有するように構成すればよい。その場合、光源であるLEDから発した光のうちP偏光を透過して、透過した光は液晶表示パネル11に入射する。光源であるLEDから発した光のうちS偏光を反射し、反射した光は、図10に示した位相差板270を通過する。位相差板270を通過した光は、反射板271で反射される。反射板271で反射した光は、再び位相差板270を通過することでP偏光に変換される。偏光変換された光は、反射型偏光板49を透過し、液晶表示パネル11に入射する。
なお、図10の位相差板であるλ/4板270は、必ずしもλ/4板270へ垂直に入射した偏光に対する位相差がλ/4である必要はない。図10の構成において、偏光が2回通過することで、位相が90°(λ/2)変わる位相差板であればよい。位相差板の厚さは、偏光の入射角度分布に応じて調整すればよい。なお、図10においても、偏光変換に係る偏光設計について、上述の説明から偏波を逆に構成(S偏光とP偏光を逆にする)してもかまわない。
液晶表示パネル11からの出射光は、一般的なTV用途の装置では画面水平方向(図12(a)X軸で表示)と画面垂直方向(図12(b)Y軸で表示)ともに同様な拡散特性を持っている。これに対して、本実施例の液晶表示パネルからの出射光束の拡散特性は、例えば図12の例1に示すように輝度が正面視(角度0度)の50%になる視野角が13度とすることで、一般的なTV用途の装置の62度に対して1/5となる。同様に、垂直方向の視野角は、上下不均等として上側の視野角を下側の視野角に対して1/3程度に抑えるように反射型導光体の反射角度と反射面の面積等を最適化する。この結果、従来の液晶TVに比べ、監視方向に向かう映像光量が大幅に向上し、輝度は50倍以上となる。
更に、図12の例2に示す視野角特性とすれば、輝度が正面視(角度0度)の50%になる視野角が5度とすることで、一般的なTV用途の装置の62度に対して1/12となる。同様に、垂直方向の視野角は、上下均等として視野角を一般的なTV用途の装置に対して1/12程度に抑えるように、反射型導光体の反射角度と反射面の面積等を最適化する。この結果、従来の液晶TVに比べ、監視方向に向かう映像光量が大幅に向上し、輝度は100倍以上となる。
以上述べたように、視野角を挟角とすることで、監視方向に向かう光束量を集中できるので、光の利用効率が大幅に向上する。この結果、一般的なTV用途の液晶表示パネルを使用しても、光源装置の光拡散特性を制御することで、同様な消費電力で大幅な輝度向上が実現可能で、明るい屋外に向けての情報表示システムに対応した映像表示装置とすることができる。
大型の液晶表示パネルを使用する場合には、画面周辺の光は画面中央を監視者が正対した場合に監視者の方向に向かうように内側に向けることで、画面明るさの全面性が向上する。図11は、監視者のパネルからの距離Lと、パネルサイズ(画面比16:10)とをパラメータとしたときのパネル長辺と短辺の収斂角度を求めたものである。画面を縦長として監視する場合には、短辺に合わせて収斂角度を設定すればよく、例えば22“パネルの縦使いで監視距離が0.8mの場合には、収斂角度を10度とすれば、画面4コーナからの映像光を有効に監視者に向けることができる。
同様に、15”パネルの縦使いで監視する場合には、監視距離が0.8mの場合には、収斂角度を7度とすれば、画面4コーナからの映像光を有効に監視者に向けることができる。以上述べたように、液晶表示パネルのサイズ及び縦使いか横使いかによって、画面周辺の映像光を、画面中央を監視するのに最適な位置にいる監視者に向けることで、画面明るさの全面性を向上できる。
基本構成としては、図9に示すように、光源装置により挟角な指向特性の光束を液晶表示パネル11に入射させ、映像信号に合わせて輝度変調することで、液晶表示パネル11の画面上に表示した映像情報を、再帰反射板で反射させ得られた空間浮遊映像を、透明な部材100を介して室外または室内に表示する。
以上説明した、本発明の一実施例に係る表示装置や光源装置を用いれば、光の利用効率がより高い空間浮遊映像表示装置を実現することが可能となる。
<実施例の空中浮遊映像表示装置>
次に、実施例の空中浮遊映像表示装置について説明する。以下の実施例は、再帰反射部材のλ/4板に起因して発生するゴースト像の影響を低減できる構成を示す。本実施例の空中浮遊映像表示装置は、液晶表示パネルと光源装置を含む映像表示装置と、映像表示装置からの特定偏波の映像光を反射し他方の偏波の映像光を透過する偏光分離部材と、偏光分離部材からの特定偏波による反射映像光を再帰反射して他方の偏波の映像光に変換する、λ/4板と再帰反射部材とを有する再帰反射モジュールと、映像表示装置、偏光分離部材、および再帰反射モジュールを保持する筐体と、を備え、再帰反射モジュールからの他方の偏波の映像光を偏光分離部材で透過して、筐体の外の所定の位置に実像である空中浮遊映像を形成する。また、偏光分離部材に対し映像表示装置が為す第1の角度と、偏光分離部材に対し再帰反射モジュールが為す第2の角度との関係において、第1の角度に対し第2の角度が異なる。例えば、第2の角度は、第1の角度よりも大きく、または、第2の角度は、第1の角度よりも小さい。
<λ/4板に起因して発生するゴースト像の課題>
図13A等を用いて、再帰反射部材のλ/4板に起因して発生するゴースト像の課題について説明する。図13Aは、再帰反射部材のλ/4板に起因して発生するゴースト像の課題についての説明図である。図13Aでは、再帰反射部材2とその再帰反射面(表面)に設けられたλ/4板21とを有する再帰反射モジュール200についての模式断面図(3次元形状を2次元にした模式図)を示す。再帰反射部材2の再帰反射面2Aは、表面形状として、図示のように例えば三角形状を有している。再帰反射部材2の再帰反射面2Aに対し、封止樹脂22を介して、λ/4板21が接着・固定されている。再帰反射面2Aに対し、前述の偏光分離部材101からの入射光13A1は、再帰反射面2Aの表面形状によって、逆向きの方向に、再帰反射光13A2として出射する。
ここで、再帰反射部材2の再帰反射面2Aに入射した光のうちの一部(入射光13A3)は、λ/4板21の表面などによって、正反射されて、正反射光つまり、非正規映像光13A4として出射される。λ/4板21の表面のみならず、再帰反射モジュール200における封止樹脂22とλ/4板21との界面などによっても、同様に正反射光が生じる場合がある。
このλ/4板21を起因として生じる正反射光13A4は、空中浮遊映像3を形成する再帰反射光13A2を正規映像光とすると、その正規映像光に対してのゴースト像を形成する非正規映像光である。この非正規映像光13A4は、ユーザが空中浮遊映像3を視認する際にゴースト像となり、視認性を低下させる。そのため、このような非正規映像光13A4の低減が課題である。
図13Bは、図13Aの非正規映像光(正反射光)13A4によるゴースト像の発生についての模式説明図である。λ/4板21を含む再帰反射モジュール200で生じた非正規映像光13A4は、空中浮遊映像3に対するゴースト像13B1となる。このゴースト像13B1は、空中浮遊映像3側(対応するユーザ側)から見て、再帰反射部材2の奥側に、虚像として結像する。
図13Cは、図13Bのような課題に対し、解決手段として、液晶表示パネル11および偏光分離部材101に対する再帰反射モジュール200の配置の傾きを変更した構成を示す模式説明図である。図13Cでは、再帰反射モジュール200を、図13Bの配置状態に対し、液晶表示パネル11の出射光線の光軸13C1、つまり、対応する偏光分離部材101からの反射光の光軸、再帰反射光13A2の光軸13C2を回転中心として所定の角度(θ)で回転させた配置とする。この回転させた際の角度をθとする。この配置では、非正規映像光13A4によるゴースト像13B1の光軸13C3は、空中浮遊映像3を形成する再帰反射光13A2の光軸13C2に対し、角度2θ分だけ傾く。これにより、ゴースト像13B1は、ユーザが空中浮遊映像3を見る方向の視野から外れることとなり、ゴースト像13B1による空中浮遊映像3の視認性の低下が軽減される。
図13Dは、図13Cの配置の角度θ、および各構成要素が為す角度に関する説明図である。図13Dでは、非正規映像光13A4によるゴースト像13B1が強く視認される配置状態(図13B)における、各部品の配置角度を、角度A,B,Cで示している。角度Aは、液晶表示パネル11(特に映像光出射面)を含む映像表示装置1と偏光分離部材101(特に反射面)とが為す角度である。角度Bは、偏光分離部材101(特に反射面)と再帰反射モジュール200(特にλ/4板21の表面)とが為す角度である。角度Cは、液晶表示パネル11(特に映像光出射面)を含む映像表示装置1と再帰反射モジュール200(特にλ/4板21の表面)とが為す角度である。角度Cは例えば90度程度であり、角度A,Bはそれぞれ45度程度である。
それに対し、再帰反射モジュール200を角度θで回転させた配置状態(図13C)では、図示のように、角度Bは角度B’に、角度Cは角度C’に変化する。角度Bと角度B’との関係、および角度Cと角度C’との関係は、以下の通りとなる。すなわち、角度B’は角度Bから角度θ分増加しており、角度C’は角度Cから角度θ分減少している。
式1: B’=B+θ
式2: C’=C-θ
<横置き筐体でのゴースト像>
図14Aは、前述の図4Aの実施例のような横置き筐体における、図13A等のような非正規映像光13A4に起因するゴースト像13B1の発生の課題を示す模式説明図である。図14Aでは、液晶表示パネル11を含む映像表示装置1と、偏光分離部材101と、再帰反射モジュール200との3つの構成要素は、図13Dと同様に、角度A,B,Cを為して配置されている。この構成では、角度Aと角度Bとは略等しい。
図14Aの構成のように、液晶表示パネル11、偏光分離部材101、およびλ/4板21を含む再帰反射モジュール200の3つの構成要素が為す角度(A,B,C)の関係において、角度Aと角度Bとが略等しい場合、λ/4板21の正反射光による非正規映像光13A4が、空中浮遊像3を形成する正規映像光13A2に重なってしまう。これにより、ユーザ230の視点から空中浮遊映像3を見る方向で、空中浮遊映像3に対し反対側、再帰反射モジュール200の奥側には、図13Bでも示したように、非正規映像光13A4によるゴースト像13B1が生じてしまう。このようなゴースト像13B1が空中浮遊映像3に重なることで、ユーザ230から見た空中浮遊映像3の視認性を低下させる原因となる。
<縦置き筐体でのゴースト像>
同様に、図14Bは、前述の図4Bの実施例のような縦置き筐体における、図13A等のような非正規映像光13A4に起因するゴースト像13B1の発生の課題を示す模式説明図である。図14Bでも、3つの構成要素は、図13Dと同様に、角度A,B,Cを為して配置されている。この構成では、角度Aと角度Bとは略等しい。この構成の場合でも、λ/4板21の正反射光による非正規映像光13A4が、空中浮遊像3を形成する正規映像光13A2に重なってしまう。これにより、ユーザ230の視点から空中浮遊映像3を見る方向で、空中浮遊映像3に対し反対側、再帰反射モジュール200の奥側には、図13Bでも示したように、非正規映像光13A4によるゴースト像13B1が生じてしまう。このようなゴースト像13B1が空中浮遊映像3に重なることで、ユーザ230から見た空中浮遊映像3の視認性を低下させる原因となる。
<横置き筐体でのゴースト像を低減する実施例1A>
図15Aは、横置き筐体でのゴースト像を低減する第1の実施例として、実施例1Aの空中浮遊映像表示装置の構成を示す。この実施例1Aは、前述の図4Aと同様に、横置きの筐体1190において、液晶表示パネル11を含む映像表示装置1、偏光分離部材101、およびλ/4板21を含む再帰反射モジュール200が配置されている構成である。そして、この構成では、再帰反射モジュール200が偏光分離部材101に対して為す角度B(B’)が、液晶表示パネル11が偏光分離部材101に対して為す角度Aよりも大きくなるように(B’>A)、再帰反射モジュール200が角度θで傾けて配置されている。角度A’への変更に伴い、角度Cも角度C’に変更されている(A+B’+C’=180度)。
再帰反射モジュール200の非正規映像光13A4は、空中浮遊像3を形成する正規映像光13A2よりも下(図示のZ方向で下側)の光路を通過する。これにより、非正規映像光13A4は、ユーザ230の視界、つまり、正規映像光13A2の光軸から外れ、非正規映像光13A4によるゴースト像13B1は、前述の図13Cのように、空中浮遊像3の光軸13C2に対し角度2θで傾いた光軸13C3上に外れる。そのため、ユーザ230から見て、空中浮遊像3に対するゴースト像13B1の重なりが低減されるので、空中浮遊像3の視認性を向上できる。
再帰反射モジュール200の角度θの回転に対し、再帰反射モジュール200からの再帰反射光による正規映像光13A2の方向は、再帰反射モジュール200の特性によって、入射時と出射時とで変わらない。それに対し、非正規映像光13A4の方向は、角度2θ分変わっている。そのため、正規映像光13A2の方向に対し、非正規映像光13A4の方向を異ならせることができる。
なお、角度θの回転の回転軸J1は、λ/4板21の表面における、正規映像光13A2の光軸に対応した位置にあり、X方向に延在している。
なお、図15Aの構成では、λ/4板21からの非正規映像光13A4は、偏光分離部材101および透明部材100を通過して、筐体1190の外に出射する。この非正規映像光13A4(その光軸)は、光路を外に進むにつれて、正規映像光13A2(その光軸)から離れる。
実施例1Aの空中浮遊映像表示装置によれば、原理図(図13C)でも示したように、再帰反射モジュール200の配置の角度B’を角度Aに対し異ならせた構成によって、再帰反射モジュール200からの非正規映像光13A4は、正規映像光13A2の方向に対し、ずらした方向に進む。よって、ユーザ230の視点から見ると、正規映像光13A2による空中浮遊映像3に対し、非正規映像光13A4によるゴースト像13B1は、ずれた位置に形成されるので、ゴースト像13B1の視認を低減できる。言い換えると、ユーザ230から見て、空中浮遊映像3に対するゴースト像13B1の重なりを低減でき、空中浮遊映像3の視認性を高めることができる。
<横置き筐体でのゴースト像を低減する実施例1B>
図15Bは、横置き筐体でのゴースト像を低減する第2の実施例として、実施例1Bの空中浮遊映像表示装置の構成を示す。図15Bの構成は、図15Aの構成に対し、異なる点としては、再帰反射モジュール200が偏光分離部材101に対して為す角度B(B’)が、液晶表示パネル11が偏光分離部材101に対して為す角度Aよりも小さくなるように(B’<A)、再帰反射モジュール200が角度θ(図15Aでは+θとすると、図15Bでは-θ)で傾けて配置されている。
図15Bの構成では、図15Aの構成とは反対に、再帰反射モジュール200の非正規反射光13A4は、空中浮遊像3を形成する正規映像光13A2よりも上(図示のZ方向で上側)の光路を通過する。これにより、非正規映像光13A4は、ユーザ230の視界、つまり、正規映像光13A2の光軸から外れ、非正規映像光13A4によるゴースト像13B1は、前述の図13Cで角度θの回転の向きを正負逆にした場合のように、空中浮遊像3の光軸13C2に対し角度2θで傾いた光軸13C3上に外れる。そのため、ユーザ230から見て、空中浮遊像3に対するゴースト像13B1の重なりが低減されるので、空中浮遊像3の視認性を向上できる。
<縦置き筐体でのゴースト像を低減する実施例1C>
図15Cは、縦置き筐体でのゴースト像を低減する第3の実施例として、実施例1Cの空中浮遊映像表示装置の構成を示す。この実施例1Cは、前述の図4Bと同様に、縦置きの筐体1190において、液晶表示パネル11を含む映像表示装置1、偏光分離部材101、およびλ/4板21を含む再帰反射モジュール200が配置されている構成である。そして、この構成では、再帰反射モジュール200が偏光分離部材101に対して為す角度B(B’)が、液晶表示パネル11が偏光分離部材101に対して為す角度Aよりも小さくなるように(B’<A)、再帰反射モジュール200が角度θで傾けて配置されている。
この構成では、再帰反射モジュール200の非正規映像光13A4は、空中浮遊像3を形成する正規映像光13A2よりも下(図示のZ方向で下側)の光路を通過する。これにより、非正規映像光13A4は、ユーザ230の視界、つまり、正規映像光13A2の光軸から外れ、非正規映像光13A4によるゴースト像13B1は、前述の図13Cのように、空中浮遊像3の光軸13C2に対し角度2θで傾いた光軸13C3上に外れる。そのため、ユーザ230から見て、空中浮遊像3に対するゴースト像13B1の重なりが低減されるので、空中浮遊像3の視認性を向上できる。
<縦置き筐体でのゴースト像を低減する実施例1D>
図15Dは、縦置き筐体でのゴースト像を低減する第4の実施例として、実施例1Dの空中浮遊映像表示装置の構成を示す。この実施例1Dは、図15Cの構成に対し、異なる点としては、再帰反射モジュール200が偏光分離部材101に対して為す角度B(B’)が、液晶表示パネル11が偏光分離部材101に対して為す角度Aよりも大きくなるように(B’>A)、再帰反射モジュール200が角度θ(図15Cでは+θとすると、図15Dでは-θ)で傾けて配置されている。
図15Dの構成では、図15Cの構成とは反対に、再帰反射モジュール200の非正規反射光13A4は、空中浮遊像3を形成する正規映像光13A2よりも上(図示のZ方向で上側)の光路を通過する。これにより、非正規映像光13A4は、ユーザ230の視界(正規映像光13A2の光軸)から外れ、非正規映像光13A4によるゴースト像13B1は、前述の図3Cで角度θの回転の向きを正負逆にした場合のように、空中浮遊像3の光軸13C2に対し角度2θで傾いた光軸13C3上に外れる。そのため、ユーザ230から見て、空中浮遊像3に対するゴースト像13B1の重なりが低減されるので、空中浮遊像3の視認性を向上できる。
<非正規映像光に関する遮光部を設けた実施例>
次に、上記実施例1A~1Dをベースとして、さらなる工夫として、上記非正規映像光13A4(ゴースト像13B1)に関する遮光部を設けた実施例について説明する。
<遮光部を設けた実施例2A>
図16Aは、横置き筐体において遮光部を設けた第1の実施例として、実施例2Aの空中浮遊映像表示装置の構成を示す。図16Aの実施例2Aの構成は、図15Aの実施例1Aの構成をベースとしており、共通の構成要素を有する。図16Aの構成は、図15Aの構成に対し、異なる点としては、筐体1190の一部に、遮光部161Aが設けられている。図15Aの構成では、筐体1190の上面において、偏光分離部材101および透明部材100が配置されている領域を有し、この領域を正規映像光13A2が外に透過している。また、非正規映像光13A4(その光軸)もこの領域を外に透過している。それに対し、図16Aの構成では、筐体1190の上面において、偏光分離部材101および透明部材100が配置されている領域は、遮光部161Aが設けられることで、狭められている。正規映像光13A2はこの領域を外に透過するが、非正規映像光13A4(その光軸)は、この領域の遮光部161Aによって遮られ、外に透過しない。つまり、遮光部161Aは、ゴースト像を形成する非正規映像光13A4を遮光して、空中浮遊映像を形成するための正規映像光13A2は遮光しない領域に設けられる。
言い換えると、この実施例2Aでは、筐体1190の上面において、再帰反射モジュール200からの再帰反射光による正規映像光13A2の光束が通過する範囲は、透過性部材、つまり、偏光分離部材101および透明部材100による開口とし、非正規映像光13A4のみを遮るように、筐体1190の一部が遮光部161Aとして構成されている。これにより、非正規映像光13A4の光束がユーザ230の視界に入る度合いが低減されるので、この実施例2Aは、実施例1Aに比べて、さらにゴースト像13B1による視認性低下を低減することができる。つまり、筐体は、偏光分離部材が配置された領域に対応させて透明部材が設けられ、再帰反射モジュールの面垂直方向の軸が通る領域で空中浮遊映像を形成するための映像光を遮らない領域に遮光部材が設けられている。後述する遮光部においても同様である。
なお、空中操作検出センサ1351は、筐体1190の遮光部161Aに遮られずに、空中浮遊像3の面のセンシングを前述と同様に行う。
<遮光部を設けた実施例2B>
図16Bは、横置き筐体において遮光部を設けた第2の実施例として、実施例2Bの空中浮遊映像表示装置の構成を示す。図16Bの実施例2Bの構成は、図15Bの実施例1Bの構成をベースとしており、共通の構成要素を有する。図16Bの構成は、図15Bの構成に対し、異なる点としては、筐体1190の一部に、遮光部161Bが設けられている。図15Bの構成では、筐体1190の上面において、偏光分離部材101および透明部材100が配置されている領域を有し、この領域を正規映像光13A2が外に透過している。また、非正規映像光13A4(その光軸)もこの領域を外に透過している。それに対し、図16Bの構成では、筐体1190の上面162において、偏光分離部材101が配置されている領域を有し、この領域では、正規映像光13A2および非正規映像光13A4(その光軸)がともに外に通過する。図16Bの構成では、筐体1190は、上面162よりもさらに上側の高さH1の位置に、空間164を空けて、第2の上面としての上面163が設けられている。また、上面162と上面163とをつなぐように、斜面に、透明部材100が配置されている。
この構成では、上面162における偏光分離部材101が配置されている領域では、非正規映像光13A4を遮光するための遮光部を設けると、正規映像光13A2の光束も遮ってしまうため、より上側の位置にある上面163において、筐体1190の一部としての遮光部161Bを設けている。この遮光部161Bは、図示のように、正規映像光13A2の光束を遮らずに、非正規映像光13A4(その光軸)を遮る。正規映像光13A2の光束は、偏光分離部材101および透明部材100を透過して外に出射する。非正規映像光13A4は、偏光分離部材101を透過した後、遮光部161Bで遮光される。これにより、非正規映像光13A4の光束がユーザ230の視界に入る度合いが低減されるので、この実施例2Bは、実施例1Bに比べて、さらにゴースト像13B1による視認性低下を低減することができる。つまり、筐体は、第1筐体面、つまり上面162に透明部材が設けられ、第1筐体面から外側に所定の距離を有する第2筐体面、つまり上面163に遮光部が設けられている。
なお、上面162と上面163との間に設けられた空間164は、他の部材を配置する等、任意の用途に利用可能である。例えば、この空間164に空中操作検出センサ1351を配置した形態としてもよい。
<遮光部を設けた実施例2C>
図16Cは、縦置き筐体において遮光部を設けた第3の実施例として、実施例2Cの構成を示す。図16Cは、図15Dの構成に対し、異なる点として、筐体1190の前面の一部に、遮光部161Cが設けられている。この遮光部161Cは、非正規映像光13A4(その光軸)が通過する位置に設けられており、正規映像光13A2の光束を遮らずに、非正規映像光13A4(その光軸)を遮る。これにより、非正規映像光13A4の光束がユーザ230の視界に入る度合いが低減されるので、この実施例2Cは、実施例1Dに比べて、さらにゴースト像13B1による視認性低下を低減することができる。
<遮光部を設けた実施例2D>
図16Dは、縦置き筐体において遮光部を設けた第4の実施例として、実施例2Dの構成を示す。実施例2Dは、実施例2Bと同様の遮光部を縦置き筐体に適用した例である。図16Dは、図15Cの構成に対し、異なる点として、筐体1190の前面166において、偏光分離部材101が配置されている領域を有し、この領域では、正規映像光13A2および非正規映像光13A4(その光軸)がともに外に通過する。図16Dの構成では、筐体1190は、前面166よりもさらに前側の距離D1の位置に、空間168を空けて、第2の前面としての前面167が設けられている。また、前面166と前面167とをつなぐように、斜面に、透明部材100が配置されている。
この構成では、前面166における偏光分離部材101が配置されている領域では、非正規映像光13A4を遮光するための遮光部を設けると、正規映像光13A2の光束も遮ってしまうため、より前側の位置にある前面167において、筐体1190の一部としての遮光部161Dを設けている。この遮光部161Dは、図示のように、正規映像光13A2の光束を遮らずに、非正規映像光13A4(その光軸)を遮る。正規映像光13A2の光束は、偏光分離部材101および透明部材100を透過して外に出射する。非正規映像光13A4は、偏光分離部材101を透過した後、遮光部161Dで遮光される。これにより、非正規映像光13A4の光束がユーザ230の視界に入る度合いが低減されるので、この実施例2Dは、実施例1Cに比べて、さらにゴースト像13B1による視認性低下を低減することができる。
なお、前面166と前面167との間に設けられた空間168は、他の部材を配置する等、任意の用途に利用可能である。例えば、この空間168に空中操作検出センサ1351を配置した形態としてもよい。
<保持ユニットを設けた実施例>
次に、上記実施例の空中浮遊映像表示装置の筐体1190に、映像表示装置1、偏光分離部材101、および再帰反射モジュール200を取り付けて保持するための保持ユニットを設けた実施例について説明する。
<保持ユニットを設けた実施例3A>
図17Aは、例えば横置き筐体である筐体1190の場合(図15Aの実施例1A等)において、所定の保持ユニット2000を設けた実施例として、実施例3Aの空中浮遊映像表示装置の構成を示す。この実施例3Aでは、前述の映像表示装置1、偏光分離部材101、および、λ/4板21を含む再帰反射モジュール200のそれぞれの構成要素を、保持ユニット2000によって、所定の位置関係で保持する。その保持ユニット2000が筐体1190に保持されるように取り付けられる。所定の位置関係は前述の角度の関係を含む。
図17Aでは、保持ユニット2000の形状の概要を破線で図示しており、詳細は後述する。図示のy-z面では、保持ユニット2000の第1面に対し映像表示装置1が保持され、保持ユニット2000の第2面に対し偏光分離部材101が保持され、保持ユニット2000の第3面に対し再帰反射モジュール200が保持されている。保持ユニット2000の第2面は、筐体1190の上面の透明部材100の面に平行に配置されている。前述(例えば図15Aの実施例1A)と同様に、偏光分離部材101の面に対し液晶表示パネル11の面が角度Aを為すように保持されており、偏光分離部材101の面に対し再帰反射モジュール200のλ/4板21の面が角度B’(例えばB’>A)を為すように保持されている。このような保持ユニット2000により、所定の角度の関係を保って3つの構成要素を安定的に保持できる。
<保持ユニットを設けた実施例3B>
図17Bは、例えば縦置き筐体である筐体1190の場合(図15Cの実施例1C等)において、所定の保持ユニット2000を設けた実施例として、実施例3Bの空中浮遊映像表示装置の構成を示す。この実施例3Bでは、実施例3Aと同様に、前述の3つの構成要素を、保持ユニット2000によって、所定の位置関係で保持する。その保持ユニット2000が筐体1190に保持されるように取り付けられる。図示のy-z面では、保持ユニット2000の第1面に対し映像表示装置1が保持され、保持ユニット2000の第2面に対し偏光分離部材101が保持され、保持ユニット2000の第3面に対し再帰反射モジュール200が保持されている。保持ユニット2000の第2面は、筐体1190の前面の透明部材100の面に平行に配置されている。前述(例えば図15Cの実施例1C)と同様に、偏光分離部材101の面に対し液晶表示パネル11の面が角度Aを為すように保持されており、偏光分離部材101の面に対し再帰反射モジュール200のλ/4板21の面が角度B’(例えばB’<A)を為すように保持されている。このような保持ユニット2000により、所定の角度の関係を保って3つの構成要素を安定的に保持できる。
<保持ユニットの構造例:実施例4A>
図18Aは、実施例4Aとして、図17Aや図17Bの保持ユニット2000の詳細な構造例を示す斜視図である。図18Aでは、保持ユニット2000に映像表示装置1のみが取り付けられた状態を示している。この保持ユニット2000は、前述の3つの構成要素、すなわち、映像表示装置1、偏光分離部材101、および再帰反射モジュール200を保持するための第1面、第2面、および第3面と、側面部として例えば図17Aでの筐体1190のy-z面に配置される側面部2001、言い換えると側面カバーとを有する。側面部2001の概略三角形の面における3辺は、第1面、第2面、および第3面の各面の対応する辺に隣接している。保持ユニット2000の第1面には、映像表示装置1が固定されている。保持ユニット2000の第2面には、前述の偏光分離部材101が固定される。保持ユニット2000の第3面には、保持部材2002を用いて、再帰反射モジュール200が固定される。保持ユニットは、第1面、第2面、および第3面を保持する側面部を有し、側面部に、再帰反射モジュールを第2角度、つまり偏光分離部材に対し再帰反射モジュールが為す角度となるように取り付けるための保持部材を有する。
保持ユニット2000は、x方向で前後の位置に配置されているそれぞれの側面部2001において、保持部材2002が固定されている。保持部材2002は、再帰反射モジュール200を取り付けて保持するための部材である。それぞれの側面部2001には、2個の保持部材2002が固定されている。例えば、一方の側面部2001(図18Aでの左側)において、内側に、第1の保持部材2002A1と第2の保持部材2002B1とを有し、他方の側面部2001(図18Aでの右側)において、内側に、第1の保持部材2002A2と第2の保持部材2002B2とを有する。言い換えると、側面部に、再帰反射モジュールを第1の角度、つまり偏光分離部材に対し映像表示装置が為す角度よりも大きい第2の角度、つまり偏光分離部材に対し再帰反射モジュールが為す角度となるように取り付けるための第1の保持部材と、再帰反射モジュールを第1の角度、つまり偏光分離部材に対し映像表示装置が為す角度よりも小さい第2の角度、つまり偏光分離部材に対し再帰反射モジュールが為す角度となるように取り付けるための第2の保持部材と、を有する。また、第1の保持部材と第2の保持部材とが同じ形状および構造を有する部品である。
各保持部材2002は、側面部2001(そのねじ穴等)に対し、例えばねじ止めによって固定されている。また、それぞれの側面部2001には、保持ユニット2000を筐体1190に取り付けるための取り付け部2003も有している。側面部は、再帰反射モジュールを第1の角度、つまり偏光分離部材に対し映像表示装置が為す角度よりも大きい第2の角度、つまり偏光分離部材に対し再帰反射モジュールが為す角度となるように取り付けるための保持部材を有している場合と、再帰反射モジュールを第1の角度、つまり偏光分離部材に対し映像表示装置が為す角度よりも小さい第2の角度、つまり偏光分離部材に対し再帰反射モジュールが為す角度となるように取り付けるための保持部材を有している場合がある。
この実施例4Aでは、保持ユニット2000は、再帰反射モジュール200を2種類の角度(前述の角度B’)から選択した角度で配置できるように、複数の保持部材2002が設けられている。例えば、再帰反射モジュール200を第1種類の角度(例えば図15Aの実施例1Aでの角度B’)で配置する場合には、保持部材2002A1および保持部材2002A2が選択され、再帰反射モジュール200を第2種類の角度(例えば図15Bの実施例1B)で配置する場合には、保持部材2002B1および保持部材2002B2が選択される。なお、前述のように、角度B’に応じて角度C’も定まる。
図18Bは、1個の保持部材2002(例えば保持部材2002A1)の構造の概要を示す模式図である。それぞれの保持部材2002は、一対の構造物から成る。例えば、保持部材2002A1は、保持構造物2004aと保持構造物2004bとから成る。上側の保持構造物2004a、および下側の保持構造物2004bは、それぞれ概略的に板状の構造物であり、それぞれ側面部2001に対しねじ止めによって固定される。下側の保持構造物2004bは、奥側(第1面に近い側)に止め部を有する。上側の保持構造物2004aと、下側の保持構造物2004bとの間には、所定の距離での空間、溝が設けられている。
保持部材2002に対し再帰反射モジュール200が取り付けられる際には、保持部材2002の保持構造物2004a,2004bによって形成されている溝に、図示の矢印の方向から再帰反射モジュール200の端部が挿入される。挿入に応じて、再帰反射モジュール200の端部が、保持部材2002の奥側の保持構造物2004bの止め部に突き当たる。上側の保持構造物2004aと下側の保持構造物2004bとの間に挿入された再帰反射モジュール200の部分は、上下から挟まれてそれらの板バネによって押圧されることで保持される構造となっている。
それぞれの側面部2001で同様に保持部材2002に対し再帰反射モジュール200の一方の部分が挿入された後、再帰反射モジュール200の他方の部分(第2面に近い側)については、当該モジュールが主面方向に移動しないように、例えばクッション材と蓋によって固定される。これにより、再帰反射モジュール200が、選択された角度で、第3面に近い保持部材2002に対し固定される。
4個のそれぞれの保持部材2002(例えば保持部材2002A1,2002B1,2002A2,2002B2)は、同じ形状等を有する同じ部品として構成されており、どの位置に取り付けられる場合でも同じ部品が適用できる。
図18Cは、上記保持ユニット2000の断面図(y-z面)において、2種類の角度について示す。なお、図18Cでは、図18Aの2つの側面部2001の保持部材2002のうち、一方の側面部2001の保持部材2002A1,2002B1を示すが、他方の側面部2001の保持部材2002A2,2002B2も対応する同じ位置に配置されている。図18Cでは、保持ユニット2000における偏光分離部材101が固定されている第2面SF2に対し、映像表示装置1の第1面SF1が為す角度Aと、偏光分離部材101の第2面SF2に対し、保持部材2002A1(特に面SF3A)が為す角度BAと、映像表示装置1の第1面SF1と保持部材2002A1(面SF3A)とが為す角度CAと、偏光分離部材101の第2面SF2に対し、保持部材2002B1(特に面SF3B)が為す角度BBと、映像表示装置1の第1面SF1と保持部材2002B1(面SF3A)とが為す角度CBとを示している。
偏光分離部材101の第2面SF2に対し、映像表示装置1が為す角度Aと、保持部材2002A1が為す角度BAと、保持部材2002B1が為す角度BBとは、それぞれ異なり(A≠BA≠BB)、角度BAは角度Aよりも大きく(BA>A)、角度BBは角度Aよりも小さい(BB<A)。
2種類の保持部材2002に対する再帰反射モジュール200の配置として、角度BAおよび角度CAとなる方の保持部材2002A1を選択する場合、前述の図15Aの実施例1A等の配置(角度B’>A)に対応する。角度BBおよび角度CBとなる方の保持部材2002B1を選択する場合、前述の図15Bの実施例1B等の配置(角度B’<A)に対応する。
図18Dは、図18Cの保持ユニット2000における2種類の保持部材2002のうち、角度BAに対応する保持部材2002A1,2002A2の方に再帰反射モジュール200を挿入して取り付けた場合の状態を示す。保持部材2002A1に対応した面SF3Aに沿って再帰反射モジュール200のλ/4板21が配置されている。再帰反射モジュール200が角度BAで配置されており、非正規映像光13A4は、正規映像光13A2に対し、前述の角度2θで下側にある光路から出射する。
図18Eは、図18Cの保持ユニット2000における2種類の保持部材2002のうち、角度BBに対応する保持部材2002B1,2002B2の方に再帰反射モジュール200を挿入して取り付けた場合の状態を示す。保持部材2002B1に対応した面SF3Bに沿って再帰反射モジュール200のλ/4板21が配置されている。再帰反射モジュール200が角度BBで配置されており、非正規映像光13A4は、正規映像光13A2に対し、前述の角度2θで上側にある光路から出射する。
上述のように、実施例4Aでは、空中浮遊映像表示装置の実装形態に応じて、保持ユニット2000の2種類の保持部材2002から2種類の角度のうち所望の角度となる方を選択して、再帰反射モジュール200を取り付けることができる。実施例4Aでは、同じ1つの保持ユニット2000によって、2種類の角度の実装形態に対応することができる。
図18Fは、保持ユニット2000の側面部2001に設けられている取り付け穴(ねじ穴)2005についての説明図である。それぞれの側面部2001には、所定の位置に、上記2種類の保持部材2002を取り付けるための取り付け穴(例えばねじ止めが可能なねじ穴)2005として、取り付け穴2005a,2005b,2005c,2005dが設けられている。保持ユニット2000は、これらの取り付け穴2005を利用して、上記2種類の保持部材2002が固定されたユニットとしてもよいし、いずれか一方の種類の保持部材2002が固定されたユニットとしてもよく、それらの各場合に対応可能である。取り付け穴2005に対し、2種類の角度の保持部材2002は、同じ形状・構造の部品とすることができるので、複数の保持部品2002を1種類の部品として製造および管理することができる。
他の実施例としては、上記保持ユニット2000に1種類の角度の保持部材2002のみを取り付けた構成も可能である。
<保持ユニットの構造例:実施例4B>
図19Aは、実施例4Bとして、保持ユニット2000の構成を示す。実施例4Bでの保持ユニット2000は、再帰反射モジュール200を所定の角度で配置するための構造として、実施例4Aでの保持ユニット2000の構造とは異なる、回転機構を含む構造を備える。図19Aでは、保持ユニット2000は、側面部2001の間、再帰反射モジュール200が配置される第3面SF3の付近に、回転機構190が設けられている。回転機構190は、回転軸190Jを中心として、保持される再帰反射モジュール200を回転させることができる機構である。回転軸190Jは、x方向に延在する軸である。回転機構190の回転軸190Jは、空中浮遊像3(それに対応する正規映像光13A2)の光軸AX2の位置に対し略一致する位置に設けられている。光軸AX2は、液晶表示パネル11からの映像光の光軸AX1に対し、偏光分離部材101による反射光の光軸と対応している。保持ユニットは、上述した第1面、第2面、および第3面を保持する側面部を有し、側面部に、再帰反射モジュールを第2の角度、つまり偏光分離部材に対し再帰反射モジュールが為す角度となるように取り付けるための回転機構を有する。回転機構は、偏光分離部材からの反射映像光の光軸の位置に対応させた位置に回転軸を有する。
回転機構190に固定される再帰反射モジュール200は、回転軸190Jの周りに回転させられることで、破線で示すように、少なくとも前述の2種類の角度(BA,BB)から選択した角度での配置状態にすることができる。また、回転機構190は、2種類の角度(BA,BB)に限定されず、それらの角度の範囲内で設定された角度での配置状態にできる機構としてもよい。
図19Bは、実施例4Bの変形例を示す。回転機構190について、再帰反射モジュール200の中央付近位置として光軸AX2に対応する位置に回転軸190Jを設ける構成に限らずに、それ以外の位置に回転軸190Jを設ける構成としてもよい。図19Bの構成例では、再帰反射モジュール200における一方の端部として、第3面SF3の偏光分離部材101側に近い方の端部の付近に、回転軸190Jが設けられている。この変形例でも、再帰反射モジュール200の配置の角度を、前述の2種類の角度に設定可能である。
なお、回転機構190に関して、実施例4Bのように、光軸AX2に対応した位置に回転軸190Jを設ける構成とした場合、再帰反射モジュール200の標準状態に対し角度±θで回転した状態とした場合に、偏光分離部材101と再帰反射モジュール200との間で偏光分離部材101からの反射映像光が入射する光軸上の距離が一定に保たれる。そのため、変形例よりも実施例4Bの方が、設計上、光学性能の管理がしやすい利点がある。
以上説明したように、各実施例の空間浮遊映像表示装置によれば、ユーザ230は空間浮遊映像3をより好適に視認できる。
<再帰反射モジュールの配置の角度について>
上述した実施例1A等における、再帰反射モジュール200の配置の角度B’について補足する。前述のように、実施例1A等における基本的な特徴は、従来の角度B=角度Aの構成に対し、角度B’が角度Aに対し異なる構成である。再帰反射モジュール200の配置の角度について、図14A等のように角度B=角度Aの構成を標準状態とする。この標準状態では、再帰反射モジュール200の主面であるλ/4板21の表面は、偏光分離部材101からの反射映像光の光軸に対し、垂直となる状態である。これに対し、実施例1A等では、前述のように再帰反射モジュール200を角度θで前後に傾けた配置状態とすることで、角度B’が角度Aに対し異なる構成としている。言い換えると、前述の図13D、式1、式2等に示したような、角度A,B’,C’の関係としている。
角度B’の値については、例えば以下のような実装とすることができる。標準状態では、角度A=Bが例えば45度である。この角度A=Bは、勿論45度に限らずに可能である。実施例1A等では、角度B’は、角度A=45度に対し、±X度で異ならせた角度とする。一例では、X=11度とすると、角度B’=45度+11度=56度である。角度Xは、勿論これに限らずに可能であり、所定の範囲内の角度(Xmin≦X≦Xmax)とすればよい。
本実施例に係る技術では、高解像度かつ高輝度な映像を空間浮遊した状態で表示することにより、例えば、ユーザは感染症の接触感染に対する不安を感じることなく操作することを可能にする。不特定多数のユーザが使用するシステムに本実施例に係る技術を用いれば、感染症の接触感染のリスクを低減し、不安を感じることなく使用できる非接触ユーザインタフェースを提供することを可能にする。これにより、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「3すべての人に健康と福祉を」に貢献する。
また、本実施例に係る技術では、出射する映像光の発散角を小さく、さらに特定の偏波に揃えることで、再帰反射板に対して正規の反射光だけを効率良く反射させるため、光の利用効率が高く、明るく鮮明な空間浮遊映像を得ることを可能にする。本実施例に係る技術によれば、消費電力を大幅に低減することが可能な、利用性に優れた非接触ユーザインタフェースを提供することができる。これにより、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9産業と技術革新の基盤をつくろう」および「11住み続けられるまちづくりを」に貢献する。
以上、種々の実施例について詳述したが、しかしながら、本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するためにシステム全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…表示装置(映像表示装置)、2…再帰反射板(再帰性反射板、再帰反射部材)、3…空間像(空間浮遊映像)、100…透明部材、101…偏光分離部材、11…液晶表示パネル、12…吸収型偏光板、13…光源装置、21…λ/4板、200…再帰反射モジュール、230…ユーザ、1190…筐体、1351…空中操作検出センサ、13A2…正規映像光、13A4…非正規映像光。

Claims (14)

  1. 空中浮遊映像を表示する空中浮遊映像表示装置であって、
    映像表示装置と、
    前記映像表示装置からの特定偏波の映像光を反射し他方の偏波の映像光を透過する偏光分離部材と、
    前記偏光分離部材からの特定偏波による反射映像光を再帰反射して他方の偏波の映像光に変換する、λ/4板と再帰反射部材とを有する再帰反射モジュールと、
    前記映像表示装置、前記偏光分離部材、および前記再帰反射モジュールを保持する筐体と、を備え、
    前記再帰反射モジュールからの前記他方の偏波の映像光を前記偏光分離部材で透過して、前記筐体の外の所定の位置に実像である前記空中浮遊映像を形成し、
    前記偏光分離部材に対し前記映像表示装置が為す第1の角度と、前記偏光分離部材に対し前記再帰反射モジュールが為す第2の角度との関係において、前記第1の角度に対し前記第2の角度が異なる、
    空中浮遊映像表示装置。
  2. 請求項1記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記第2の角度は、前記第1の角度よりも大きい、
    空中浮遊映像表示装置。
  3. 請求項1記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記第2の角度は、前記第1の角度よりも小さい、
    空中浮遊映像表示装置。
  4. 請求項1記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記筐体は、前記偏光分離部材が配置された領域に対応させて透明部材が設けられ、前記再帰反射モジュールの面垂直方向の軸が通る領域で前記空中浮遊映像を形成するための映像光を遮らない領域に遮光部が設けられている、
    空中浮遊映像表示装置。
  5. 請求項4記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記筐体は、第1筐体面に前記透明部材が設けられ、前記第1筐体面から外側に所定の距離を有する第2筐体面に前記遮光部が設けられている、
    空中浮遊映像表示装置。
  6. 請求項1記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記関係を満たすように前記映像表示装置、前記偏光分離部材、および前記再帰反射モジュールを保持し、前記筐体に固定される保持ユニットを備える、
    空中浮遊映像表示装置。
  7. 請求項6記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記保持ユニットは、第1面に対し前記映像表示装置が取り付けられ、第2面に対し前記偏光分離部材が取り付けられ、第3面に対し前記再帰反射モジュールが取り付けられる、
    空中浮遊映像表示装置。
  8. 請求項7記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記保持ユニットは、前記第1面、前記第2面、および前記第3面を保持する側面部を有し、
    前記側面部に、前記再帰反射モジュールを前記第2の角度となるように取り付けるための保持部材を有する、
    空中浮遊映像表示装置。
  9. 請求項8記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記側面部に、前記保持部材として、前記再帰反射モジュールを前記第1の角度よりも大きい前記第2の角度となるように取り付けるための保持部材を有する、
    空中浮遊映像表示装置。
  10. 請求項8記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記側面部に、前記保持部材として、前記再帰反射モジュールを前記第1の角度よりも小さい前記第2の角度となるように取り付けるための保持部材を有する、
    空中浮遊映像表示装置。
  11. 請求項8記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記側面部に、前記保持部材として、前記再帰反射モジュールを前記第1の角度よりも大きい前記第2の角度となるように取り付けるための第1の保持部材と、前記再帰反射モジュールを前記第1の角度よりも小さい前記第2の角度となるように取り付けるための第2の保持部材と、を有する、
    空中浮遊映像表示装置。
  12. 請求項11記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記第1の保持部材と前記第2の保持部材とが同じ形状および構造を有する部品である、
    空中浮遊映像表示装置。
  13. 請求項7記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記保持ユニットは、前記第1面、前記第2面、および前記第3面を保持する側面部を有し、
    前記側面部に、前記再帰反射モジュールを前記第2の角度となるように取り付けるための回転機構を有する、
    空中浮遊映像表示装置。
  14. 請求項13記載の空中浮遊映像表示装置において、
    前記回転機構は、前記偏光分離部材からの反射映像光の光軸の位置に対応させた位置に回転軸を有する、
    空中浮遊映像表示装置。
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