JP2024043204A - コアードワイヤ、コアードワイヤの製造方法、及び、溶融金属に対する添加剤の添加方法 - Google Patents

コアードワイヤ、コアードワイヤの製造方法、及び、溶融金属に対する添加剤の添加方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤ内部における添加剤粒子の移動や不均一化を防止し、単位長さ当たりの添加剤粒子の量を均一に保つことが可能なコアードワイヤを開示する。【解決手段】本開示のコアードワイヤは、溶融金属に対して添加剤を添加するために用いられるものであって、コアと金属シースとを有し、前記コアが、前記添加剤としての複数の粒子を含み、前記金属シースが、複数の第1部分と、前記第1部分の間の第2部分とを有し、前記第1部分における開口面積A1が、前記第2部分における開口面積A2よりも小さい。【選択図】図1

Description

本願は、コアードワイヤ、コアードワイヤの製造方法、及び、溶融金属に対する添加剤の添加方法を開示する。
溶融金属に対して各種の添加剤(脱酸剤、脱硫剤、合金化成分等)を添加して、溶融金属の組成の調整や介在物の処理を行う際、コアードワイヤが用いられる場合がある。特許文献1~3に開示されているように、コアードワイヤは、コアと金属シースとを有する。コアは、添加剤としての複数の粒子を含む。金属シースは、中空状である。コアードワイヤにおいては、コアが金属シースによって被覆され、金属シースの内側にコアが保持される。このようなコアードワイヤが溶融金属に対して連続的又は断続的に供給されることで、添加剤が溶融金属に対して連続的又は断続的に供給されることとなる。
特表2010-527410号公報 特表2008-528802号公報 特開2022-022062号公報
本発明者の新たな知見によると、溶融金属に対してコアードワイヤを供給する際、金属シースの内部のコア(添加剤の粒子)が粉体流動や自由落下等によって移動し、ワイヤ長手方向におけるコアの量が不均一化し易い。場合によってはワイヤからコアが零れ落ちることもある。そのため、溶融金属に対してコアードワイヤを供給する場合、溶融金属に供給される添加剤の量を正確に制御することが難しいという課題がある。
本願は上記課題を解決するための手段として以下の複数の態様を開示する。
(態様1)
溶融金属に対して添加剤を添加するために用いられるコアードワイヤであって、
コアと金属シースとを有し、
前記コアが、前記添加剤としての複数の粒子を含み、
前記金属シースが、複数の第1部分と、前記第1部分の間の第2部分とを有し、
前記第1部分における開口面積A1が、前記第2部分における開口面積A2よりも小さい、
コアードワイヤ。
(態様2)
一の前記第1部分と他の前記第1部分との間隔Iが、500mm以下である、
態様1のコアードワイヤ。
(態様3)
前記第1部分における内径D1が、0mm以上10mm以下である、
態様1又は2のコアードワイヤ。
(態様4)
前記第2部分における内径D2が、5mm以上30mm以下である、
態様1~3のいずれかのコアードワイヤ。
(態様5)
前記粒子の平均粒子径Dpが、10μm以上5000μm以下である、
態様1~4のいずれかのコアードワイヤ。
(態様6)
前記第1部分における内径D1と、一の前記第1部分及び他の前記第1部分の間隔Iとの比D1/Iが、0以上0.20以下である、
態様1~5のいずれかのコアードワイヤ。
(態様7)
前記第1部分における内径D1と、前記第2部分における内径D2との比D1/D2が、0以上0.6以下である、
態様1~6のいずれかのコアードワイヤ。
(態様8)
前記第1部分における内径D1と、前記粒子の平均粒子径Dpとの比D1/Dpが、0以上200以下である、
態様1~7のいずれかのコアードワイヤ。
(態様9)
前記溶融金属が、溶鋼である、
態様1~8のいずれかのコアードワイヤ。
(態様10)
溶融金属に対して添加剤を添加するために用いられるコアードワイヤの製造方法であって、
コアを構成する前記添加剤としての複数の粒子を金属シースで被覆してワイヤを得ること、及び
前記ワイヤに対して圧縮加工を施すことで、前記金属シースに対して複数の第1部分と、前記第1部分の間の第2部分とを設けること、を含み、
前記第1部分における開口面積A1を、前記第2部分における開口面積A2よりも小さくする、
製造方法。
(態様11)
溶融金属に対して添加剤を添加する方法であって、
前記溶融金属に対して、態様1~9のいずれかのコアードワイヤを連続的又は断続的に供給すること、
を含む、方法。
(態様12)
前記溶融金属に対して、前記コアードワイヤを一定の速度で連続的に供給する、
態様11の方法。
本開示の技術によれば、ワイヤ長手方向におけるコアの量が不均一化し難く、また、ワイヤからコアが零れ落ち難い。そのため、溶融金属に対してコアードワイヤを供給する場合に、溶融金属に供給される添加剤の量を正確に制御し易い。
コアードワイヤの外形を概略的に示している。 図1におけるIIA-IIA矢視断面の構成を概略的に示している。 図1におけるIIB-IIB矢視断面の構成を概略的に示している。 第1部分近傍の形態の一例を概略的に示している。 第1部分近傍の形態の一例を概略的に示している。 コアードワイヤの製造方法の流れの一例を概略的に示している。 コアードワイヤの製造方法の流れの一例を概略的に示している。 コアードワイヤを用いて溶融金属に対して添加剤を添加する方法の流れの一例を概略的に示している。
以下、図面を参照しつつ、実施形態に係るコアードワイヤについて説明するが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。
1.コアードワイヤ
図1、2A及び2Bに、一実施形態に係るコアードワイヤ100の外形及び断面形状を概略的に示す。コア―ドワイヤ100は、溶融金属に対して添加剤を添加するために用いられるものである。図示されるように、コアードワイヤ100は、コア10と金属シース20とを有する。コア10は、添加剤としての複数の粒子11を含む。金属シース20は、複数の第1部分21と、第1部分21の間の第2部分22とを有する。ここで、第1部分21における開口面積A1は、第2部分22における開口面積A2よりも小さい。
1.1 コア
コア10は、添加剤としての複数の粒子11を含む。添加剤としての粒子11が溶融金属に添加されることで、例えば、溶融金属の組成が調整され、或いは、溶融金属における介在物が制御され得る。
1.1.1 コアの成分
コア10を構成する粒子11は、単体からなるものであってもよいし、合金からなるものであってもよいし、化合物からなるものであってもよい。粒子11に含まれる成分は、目的に応じて適切なものが選択され得る。例えば、粒子11は、溶融金属と合金化する成分を含むものであってもよい。この場合、粒子11は、C、Al、Ni、Cu、Sn、Ti、Zr及びCrのうちの少なくとも1つの元素を含むものであってもよい。或いは、粒子11は、脱酸剤や脱硫剤等のように、溶融金属に含まれる所定の元素を除去したり、溶融金属に含まれる介在物を制御したりする成分を含むものであってもよい。この場合、粒子11は、Ca、Mg及びREMのうちの少なくとも1つの元素を含むものであってもよい。
1.1.2 コアの形状・大きさ
コア10を構成する複数の粒子11の各々の形状や大きさは特に限定されるものではない。例えば、コア10を構成する複数の粒子11の平均粒子径Dpは、10μm以上、50μm以上又は100μm以上であってもよく、5000μm以下、3000μm以下、1000μm以下、500μm以下又は200μm以下であってもよい。ここで、粒子11の「平均粒子径Dp」とは、レーザー回折・散乱法によって求めた体積基準の粒度分布における積算値50%での粒子径(メジアン径)である。
1.1.3 コアの充填率
コア10は、金属シース20の内側に配置される。金属シース20の内側において、コア10は密に充填されていてもよいし、空隙を有して充填されていてもよい。ワイヤの長手方向において、コア10の充填状態は特に限定されるものではなく、概ね均一に充填されていればよい。金属シース20の内側におけるコア10の充填率は、例えば、50%以上、60%以上又は70%以上であってもよく、99%以下、95%以下又は90%以下であってもよい。「金属シース20の内側におけるコア10の充填率」とは、金属シース20の内側の空間の体積(中空部の体積)に占める粒子11の体積の割合である。
1.2 金属シース
金属シース20は、コア10を被覆しつつ保持する。図1に示されるように、金属シース20は、ワイヤ長手方向において、複数の第1部分21を有する。また、一の第1部分21と他の第1部分21との間に、第2部分22を有する。図2A及びBに示されるように、第1部分21の開口面積A1は、第2部分22の開口面積A2よりも小さい。
1.2.1 金属シースの材質
金属シース20は、金属製のシース(外皮)である。金属シース20の材質は、ワイヤが供給される溶融金属の種類に応じて適切なものが選択され得る。金属シース20は、例えば、鉄製、鋼製、アルミニウム製又は銅製であってもよい。
1.2.2 金属シースの形状・大きさ
図1、2A及び2Bに示されるように、金属シース20は、全体として管状又は筒状である。すなわち、金属シース20は、中空部を有し、当該中空部に上記のコア10が充填され得る。また、金属シース20は、相対的に開口面積の小さい第1部分21と、相対的に開口面積の大きい第2部分22とを有する。金属シース20が第2部分22を有することで、金属シース20の内側に十分な量の粒子11が保持されるとともに、第1部分21を有することで、粒子11の粉体流動や自由落下等を抑えることができる。すなわち、第1部分21を介して一の第2部分22から他の第2部分22へと粒子11が移動するようなこと等が生じ難く、ワイヤの長手方向において粒子11の量が不均一化し難い。
1.2.3 第1部分の開口形状
第1部分21における開口形状は、例えば、図2Aに示されるような円形状であってもよいし、楕円形状であってもよいし、角形状であってもよいし、これら以外の形状であってもよい。第1部分21における開口径(内径)D1は、0mm以上であり、1mm以上、2mm以上又は3mm以上であってもよく、10mm以下、8mm以下、6mm以下又は4mm以下であってもよい。また、第1部分21における内径D1と、上述の粒子11の平均粒子径Dpとの比D1/Dpは、0以上であり、0.1以上、1以上又は10以上であってもよく、200以下、150以下、100以下又は50以下であってもよい。第1部分21における開口径(内径)D1が小さいほど、第1部分21を介して一の第2部分22から他の第2部分22へと粒子11が移動するようなことが生じ難く、ワイヤの長手方向において粒子11の量が不均一化し難い。また、ワイヤから粒子11が零れ落ち難い。尚、第1部分21における開口形状が円形以外の形状である場合、「第1部分21における開口径(内径)」とは、第1部分21の開口形状についての面積円相当直径をいう。
1.2.4 第1部分の長手形状
第1部分21は、図3Aに示されるように、ワイヤの長手方向に沿って長さを有していなくてもよいし、図3Bに示されるように、ワイヤの長手方向に沿って一定の長さを有していてもよい。
1.2.5 第1部分の間隔
図1に示されるように、一の第1部分21と他の第1部分21との間(一の第1部分21から他の第1部分21に至るまでの間)には所定の間隔Iが存在し得る。この場合、間隔Iは、例えば、500mm以下、400mm以下、300mm以下、200mm以下又は100mm以下であってもよい。間隔Iの下限は特に限定されるものではなく、0mm超であり、100mm以上又は500mm以上であってもよい。また、上述の第1部分21における内径D1と、間隔Iとの比D1/Iは、0以上であり、0.05以上、0.08以上又は0.10以上であってもよく、0.20以下、0.18以下、0.15以下又は0.12以下であってもよい。間隔Iが短いほど、ワイヤの長手方向において粒子11の量が不均一化し難い。一方で、間隔Iが長いほど、ワイヤに多くの粒子11が保持され得る。後述するように、第1部分21の間隔Iは、溶融金属へのコアードワイヤ100の供給条件(例えば、後述する鉛直部の長さ)を考慮して決定されてもよい。
1.2.6 第2部分の開口形状
第2部分22における開口形状は、例えば、図2Bに示されるような円形状であってもよいし、楕円形状であってもよいし、角形状であってもよいし、これら以外の形状であってもよい。第2部分22における開口径(内径)D2は、例えば、5mm以上、8mm以上、12mm以上又は16mm以上であってもよく、30mm以下、26mm以下、22mm以下又は18mm以下であってもよい。また、上述の第1部分21における内径D1と、第2部分22における内径D2との比D1/D2は、0以上であり、0.1以上、0.2以上又は0.3以上であってもよく、0.6以下、0.5以下又は0.4以下であってもよい。さらに、第2部分22における内径D2と、上述の粒子11の平均粒子径Dpとの比D2/Dpは、5以上、10以上、50以上又は100以上であってもよく、5000以下、3000以下、1000以下又は800以下であってもよい。第2部分22における開口径(内径)D2が大きいほど、第2部分22おいて多くの粒子11を保持し易い。尚、第2部分22における開口形状が円形以外の形状である場合、「第2部分22における開口径(内径)」とは、第2部分22の開口形状についての面積円相当直径をいう。
1.2.7 第2部分の長手形状
第2部分22は、図1に示されるように、ワイヤの長手方向に沿って一定の長さを有していてもよい。後述するように、第2部分22は、ワイヤにおいて圧縮加工等が施されずに、ワイヤ本来の径が維持された部分であってもよい。第2部分22は、ワイヤの長手方向において一定の内径を有する部分(内径の変化を実質的に伴わない部分)であってもよい。第2部分22のワイヤ長手方向における長さは、例えば、500mm以下、400mm以下、300mm以下、200mm以下又は100mm以下であってもよい。
1.2.8 第1部分及び第2部分以外の部分
図3A及び3Bに示されるように、金属シース20は、第1部分21と第2部分22との間に第3部分23を有していてもよい。第3部分23においては、例えば、第2部分22から第1部分21に向かうにつれて開口面積が減少し得る。ワイヤ長手方向における第3部分23の長さは、特に限定されるものではない。
1.2.9 金属シースの厚み
金属シース20は、所定の厚み(肉厚)を有し得る。金属シース20の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1mm以上、0.2mm以上又は0.5mm以上であってもよく、1mm以下、0.8mm以下又は0.6mm以下であってもよい。金属シース20の厚みは、第1部分21及び第2部分22において、同じであっても異なっていてもよい。後述するように、圧縮加工によって第1部分21が形成された場合、第1部分21における厚みは、第2部分22における厚み以下になり易い。
1.2.10 金属シースの長さ
金属シース20の長さは、コアードワイヤ100の長さと実質的に一致する。金属シース20の長さは、特に限定されるものではないが、例えば、10m以上、30m以上、50m以上又は70m以上であってもよく、500m以下、200m以下又は100m以下であってもよい。
1.3 その他
上述の通り、コアードワイヤ100は、溶融金属に対して添加剤を添加するために用いられるものである。溶融金属の種類に特に制限はなく、添加剤の添加が必要となるような種々の溶融金属であってよい。例えば、溶融金属は溶鋼であってもよい。
2.コアードワイヤの製造方法
図4A及びBに一実施形態に係るコアードワイヤの製造方法の流れを示す。本開示の製造方法は、溶融金属に対して添加剤を添加するために用いられるコアードワイヤ100の製造方法であって、
コア10を構成する添加剤としての複数の粒子11を金属シース20で被覆してワイヤ50を得ること(図4A)、及び
前記ワイヤ50に対して圧縮加工を施すことで、前記金属シース20に対して複数の第1部分21と、前記第1部分21の間の第2部分22とを設けること(図4B)、を含み、
前記第1部分21における開口面積A1を、前記第2部分22における開口面積A2よりも小さくすることを特徴とする。
2.1 被覆
本開示の製造方法においては、まず、コア10を構成する添加剤としての複数の粒子11を金属シース20で被覆してワイヤ50を得る。例えば、図4Aに示されるように、幅、長さ及び厚みを有する板状の金属シース20の上に複数の粒子11を載せ、複数の粒子11を包み込むように金属シース20を変形させることによって、ワイヤ50を得ることができる。ここで、板状の金属シース20の上に複数の粒子11を載せる前に、板状の金属シースをU字状に曲げてもよい。金属シース20によって複数の粒子11を包み込む際は、金属シース20の幅方向端部同士を突き合せるようにしてもよい。その後、突き合わされた金属シース20の端部同士を熱処理によって接合してもよい。
2.2 圧縮加工
本開示の製造方法においては、上述のようにして得られたワイヤ50に対して、圧縮加工を施すことで、金属シース20に対して複数の第1部分21と、前記第1部分21の間の第2部分22とを設ける。例えば、図1及び4Bに示されるように、ワイヤ50の長手方向において一定の間隔Iで圧縮加工を施すことで、圧縮加工が施された部分において金属シース20の開口面積を小さくする。これにより、圧縮加工を施した部分に第1部分21が形成され、圧縮加工を施さなかった部分に第2部分22が形成される。
圧縮加工は、金属シース20の開口面積を小さくすることが可能なものであればよく、例えば、加締め加工、ねじり加工、曲げ加工等が挙げられる。特に加締め加工が好ましい。圧縮加工を施す間隔Iは、溶融金属へのコアードワイヤ100の供給条件(例えば、後述する鉛直部の長さ)を考慮して決定されてもよい。圧縮加工は、溶融金属へとコアードワイヤ100を供給する前に行われてもよいし、溶融金属へとコアードワイヤ100を供給するために、コアードワイヤ100を一定速度で送り出している最中、且つ、コアードワイヤ100が後述する鉛直部に至る前に行われてもよい。
3.溶融金属に対して添加剤を添加する方法
本開示の技術は、溶融金属に対して添加剤を添加する方法としての側面も有する。図5に示されるように、本開示の方法は、前記溶融金属200に対して、上記本開示のコアードワイヤ100を連続的又は断続的に供給すること、を含む。
溶融金属200に対してコアードワイヤ100を供給するタイミングとしては、様々なタイミングが挙げられる。例えば、溶融金属200(特に溶鋼)の連続鋳造時のように、一定の速度で流入・流出する溶融金属200に対してコアードワイヤ100を一定の速度で連続的に供給してもよい。例えば、タンディッシュ内の溶融金属200に対してコアードワイヤ100が連続的に供給され得る。
本開示の方法は、溶融金属200に対して、コアードワイヤ100を一定の速度で連続的に供給する場合に特に高い効果が期待できる。すなわち、上述したように、本開示のコアードワイヤ100は、その長手方向における添加剤(粒子11)の量の不均一化が抑制され得ることから、溶融金属200に対してコアードワイヤ100を一定の速度で連続的に供給することで、溶融金属200に対して添加剤を一定の速度で供給できる。例えば、一定の速度で流入・流出する溶融金属200に対して、一定の速度で添加剤を供給することができ、溶融金属200における添加剤の濃度変動を抑えることができる。
或いは、本開示の方法は、溶融金属200の精錬時のように、流入や流出を伴わずに容器内に保持された溶融金属200に対してコアードワイヤ100を供給するものであってもよい。例えば、取鍋内の溶融金属200に対してコアードワイヤ100が供給され得る。上述したように、本開示のコアードワイヤ100は、その長手方向における添加剤(粒子11)の量の不均一化が抑制され得ることから、溶融金属200に対してコアードワイヤ100を一定の速度で連続的に供給することで、溶融金属200に対して添加剤を一定の速度で供給できる。すなわち、溶融金属200に対してコアードワイヤ100を一定の速度で連続的に供給することで、溶融金属200における添加剤の濃度上昇速度を一定に維持し易い。仮に溶融金属200に対する添加剤の供給速度が急激に変動して、溶融金属200における添加剤の濃度が急激に上昇した場合、溶融金属200と添加剤とが急激に反応して粗大な介在物等が生成する場合があるが、本開示の方法によればこのような問題を回避することもできる。
図5に示されるように、溶融金属200に対してコアードワイヤ100を供給する際は、ワイヤの長手方向が溶融金属200の湯面と直交するようにしてもよい。すなわち、コアードワイヤ100は、溶融金属200の湯面の上方の所定の高さから溶融金属200の湯面に至るまで、その長手方向が鉛直方向に実質的に沿った状態(鉛直部)となっていてもよい。例えば、コアードワイヤ100は、溶融金属200の湯面から1000mm以上、3000mm以上又は5000mm以上、10000mm以下、7000mm以下又は5000mm以下の高さまで、その長手方向が鉛直方向に沿った状態となっていてもよい。
溶融金属200に対してコアードワイヤ100を供給する手段は、特に限定されるものではない。例えば、コアードワイヤ100を連続的又は断続的に送り出すことが可能な公知の供給装置を用いて、溶融金属200に対してコアードワイヤ100を連続的又は断続的に供給することができる。コアードワイヤ100の供給速度は、特に限定されるものではなく、溶融金属200の量や流動状態(例えば流速)や溶融金属200に供給されるべき添加剤の量や速度等に応じて、最適な供給速度が決定され得る。
4.作用・効果
以上の通り、本開示のコアードワイヤ100によれば、ワイヤ長手方向におけるコア10の量(添加剤としての粒子11の量)が不均一化し難く、また、ワイヤ100からコア10が零れ落ち難い。そのため、溶融金属200に対してコアードワイヤ100を供給する場合に、溶融金属200に供給される添加剤の量を正確に制御し易い。その結果、溶融金属200の組成が適切に調整され、或いは、溶融金属200における介在物が適切に制御され、溶融金属200の質が適切に改善され得る。本開示のコアードワイヤ100を用いることで、溶融金属200の量や流速によらず、溶融金属200における添加剤の濃度を短時間で目標の値に到達させることが可能であり、溶融金属200を目標の組成に保つことも可能である。
以下、実施例を示しつつ本開示の技術による効果等について、より詳細に説明するが、本開示の技術は以下の実施例に限定されるものではない。
1.コアードワイヤの作製
1.1 比較例1
粉末状の添加剤(構成元素としてNiを含有、平均粒子径Dp:20μm)を鉄皮(幅:38mm、長さ:20m、厚み:0.3mm)で巻き付けたうえで、鉄皮の端部同士を接合することで、円管状(円筒状)の鉄皮の内側に添加剤が充填されたコアードワイヤ(内径:12mm、長さ:20m)を得た。
1.2 実施例1
比較例1に係るコアードワイヤに対して一定の間隔Iで加締め加工を複数施し、加締め加工を施さなかった部分よりも開口面積を小さくした。間隔Iは200mmとした。加締め加工を施した部分におけるワイヤの内径は3mmであった。
1.3 実施例2
間隔Iを500mmとしたこと以外は、実施例1と同様にして加締め加工を施し、コアードワイヤを得た。
2.コアードワイヤの評価
比較例1に係るコアードワイヤは、鉄皮の内側における添加剤の移動を防止することが困難であり、ワイヤ内部において添加剤の不均一化が生じ易かった。これに対し、実施例1、2に係るコアードワイヤは、比較例1に係るコアードワイヤと比べて、ワイヤ内部における添加剤の移動、不均一化を防ぐことができ、単位長さ当たりの添加剤量を均一に保つことが可能であった。実施例1、2に係るコアードワイヤによる効果を確かめるため、以下の実験を行った。
試験連鋳機においてタンディッシュ中の溶鋼にNi添加剤を添加した。溶鋼の流入及び流出量は3kg/sとした。溶鋼中のNiの濃度が1質量%に保たれるように、コアードワイヤの供給速度を3m/minに維持した。1分ごとに溶鋼中の添加剤の濃度を分析した。結果を下記表1に示す。
表1に示される結果から明らかなように、比較例1に係るコアードワイヤを用いた場合は、目標濃度に対して誤差が±0.03質量%を超えたのに対し、実施例1、2に係るコアードワイヤを用いた場合は、誤差を±0.02質量%以下に抑えることができ、特に、実施例1に係るコアードワイヤを用いた場合は、誤差を±0.01質量%以下に抑えることができた。
上記の実験では、一定の速度で流入・流出する溶融金属に対して一定の速度でコアードワイヤを供給して、溶融金属における添加剤の濃度を一定に維持することを模擬した。これに対し、実質的に流入・流出を伴わない溶融金属に対して一定の速度でコアードワイヤを供給した場合にも、実施例1、2に係るコアードワイヤを用いることで、比較例1に係るコアードワイヤを用いる場合と比較して有利な効果が奏されるものと考えられる。例えば、実質的に流入・流出を伴わない溶融金属に対して実施例1、2に係るコアードワイヤを一定の速度で連続的に供給することで、溶融金属に対して添加剤を一定の速度で供給できる。すなわち、溶融金属における添加剤の濃度上昇速度を一定に維持できるものと考えられる。仮に溶融金属に対する添加剤の供給速度が急激に変動して、溶融金属における添加剤の濃度が急激に上昇した場合、溶融金属と添加剤とが急激に反応して粗大な介在物等が生成するものと考えられる。実施例1、2に係るコアードワイヤを用いることで、このような問題を回避することができるものと考えられる。以下、このことについて実験により確かめた。
以下の実験では、実施例1、2及び比較例1に係るコアードワイヤにおいてNi添加剤に替えてCa添加剤(構成元素としてCaを含有、平均粒子径Dp:500μm)を充填したものを用い、取鍋内の溶鋼に対して、Ca添加剤を一定の速度で添加することを模擬した。具体的には、300tの溶鋼中にコアードワイヤを一定速度で供給した場合における溶鋼に生成する介在物の平均粒子径を計算した。溶鋼中のCaの濃度上昇速度を一定に保つように、コアードワイヤの供給速度を10m/minに維持した。溶鋼に対してコアードワイヤを2分供給した後、溶鋼をサンプリングして、試料の断面について光学顕微鏡で1mm以上の介在物の個数をカウントし、その平均粒径を求めた。平均粒子径は、比較例1の平均粒子径を100として、相対値を求めた。結果を下記表2に示す。
表2に示される結果から明らかなように、比較例1に係るコアードワイヤを用いた場合は、介在物が粗大化したのに対し、実施例1、2に係るコアードワイヤを用いた場合は、介在物の粗大化を抑えることができた。
3.補足
尚、上記の実験では、溶鋼に対してコアードワイヤを供給する形態を例示したが、溶鋼以外の溶融金属に対してコアードワイヤを供給する場合にも、実施例1、2に係るコアードワイヤを用いることで、添加剤の添加量を正確に制御することができ、溶融金属の質を適切に改善することができるものと考えられる。金属シースの形状や大きさ、添加剤の形状や種類についても、上記の実験で例示されたものに限定されない。
4.まとめ
以上の結果から、以下の(1)~(4)を満たすコアードワイヤは、ワイヤ長手方向におけるコアの量が不均一化し難く、また、ワイヤからコアが零れ落ち難いものといえる。そのため、溶融金属に対してコアードワイヤを供給する場合に、溶融金属に供給される添加剤の量を正確に制御し易いものといえる。
(1)コアードワイヤが、コアと金属シースとを有する。
(2)前記コアが、前記添加剤としての複数の粒子を含む。
(3)前記金属シースが、複数の第1部分と、前記第1部分の間の第2部分とを有する。
(4)前記第1部分における開口面積A1が、前記第2部分における開口面積A2よりも小さい。
10 コア
11 粒子
20 金属シース
21 第1部分
22 第2部分
100 コアードワイヤ
200 溶融金属

Claims (12)

  1. 溶融金属に対して添加剤を添加するために用いられるコアードワイヤであって、
    コアと金属シースとを有し、
    前記コアが、前記添加剤としての複数の粒子を含み、
    前記金属シースが、複数の第1部分と、前記第1部分の間の第2部分とを有し、
    前記第1部分における開口面積A1が、前記第2部分における開口面積A2よりも小さい、
    コアードワイヤ。
  2. 一の前記第1部分と他の前記第1部分との間隔Iが、500mm以下である、
    請求項1に記載のコアードワイヤ。
  3. 前記第1部分における内径D1が、0mm以上10mm以下である、
    請求項1に記載のコアードワイヤ。
  4. 前記第2部分における内径D2が、5mm以上30mm以下である、
    請求項1に記載のコアードワイヤ。
  5. 前記粒子の平均粒子径Dpが、10μm以上5000μm以下である、
    請求項1に記載のコアードワイヤ。
  6. 前記第1部分における内径D1と、一の前記第1部分及び他の前記第1部分の間隔Iとの比D1/Iが、0以上0.20以下である、
    請求項1に記載のコアードワイヤ。
  7. 前記第1部分における内径D1と、前記第2部分における内径D2との比D1/D2が、0以上0.6以下である、
    請求項1に記載のコアードワイヤ。
  8. 前記第1部分における内径D1と、前記粒子の平均粒子径Dpとの比D1/Dpが、0以上200以下である、
    請求項1に記載のコアードワイヤ。
  9. 前記溶融金属が、溶鋼である、
    請求項1に記載のコアードワイヤ。
  10. 溶融金属に対して添加剤を添加するために用いられるコアードワイヤの製造方法であって、
    コアを構成する前記添加剤としての複数の粒子を金属シースで被覆してワイヤを得ること、及び
    前記ワイヤに対して圧縮加工を施すことで、前記金属シースに対して複数の第1部分と、前記第1部分の間の第2部分とを設けること、を含み、
    前記第1部分における開口面積A1を、前記第2部分における開口面積A2よりも小さくする、
    製造方法。
  11. 溶融金属に対して添加剤を添加する方法であって、
    前記溶融金属に対して、請求項1~9のいずれか1項に記載のコアードワイヤを連続的又は断続的に供給すること、
    を含む、方法。
  12. 前記溶融金属に対して、前記コアードワイヤを一定の速度で連続的に供給する、
    請求項11に記載の方法。
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