JP2024043192A - 車両用の温調システムおよび温調方法 - Google Patents

車両用の温調システムおよび温調方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱媒体回路を備える車両用温調システムの除霜運転の改善。【解決手段】車両用の温調システムの熱媒体回路は、高圧側熱交換器と、低圧側熱交換器と、低圧側バイパス経路と、室外熱交換器と、室外バイパス経路と、温調機器とを含む。温調システムは、第1回路と第2回路とが形成されるヒートポンプモードと、高圧側熱交換器、温調機器、低圧側熱交換器、および室外バイパス経路を熱媒体が循環する第1連続流路が形成される圧縮機熱源モードと、高圧側熱交換器、温調機器、低圧側熱交換器と低圧側バイパス経路との少なくとも一方、および室外熱交換器を熱媒体が循環する第2連続流路が形成される蓄熱利用除霜モードとを備える。車両の走行または走行停止の状態に関する切替情報が所定の切替条件に該当すると、ヒートポンプモードまたは圧縮機熱源モードから、蓄熱利用除霜モードへと運転モードを切り替える。【選択図】図4

Description

本開示は、車両に装備される温調システム、およびそれを用いる温調方法に関する。
電気自動車や、エンジンおよび電動機から車両走行用の駆動力を得る所謂ハイブリッド自動車等の車両においては、熱源が不足しがちな中、冷暖房、除湿、換気等の車両に要求される空調機能の他、バッテリー等の車載機器の熱管理や排熱利用が要求される。そうした要求に対して、従来、ヒートポンプシステムに加え、バッテリーを冷却するチラーやバッテリーを加温するヒータを含むシステム、あるいは、ラジエーターの排熱により加温された水をポンプで室内空調ユニットに搬送するシステム等の複数のシステムが用いられてきた。
車両用熱管理システムとしては、冷媒が冷凍サイクルに従って循環する一次ループと、熱媒体(水等)をポンプにより室内空調ユニットに搬送する二次ループとを備えたシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の冷凍サイクル装置は、冷媒回路の蒸発器およびラジエーターが配置される第1熱媒体回路と、冷媒回路の凝縮器、電気ヒータ、および車室空調ユニットのヒータコアが配置される第2熱媒体回路とを備えている。
第1熱媒体回路と第2熱媒体回路とが連通されていない非連通モードのとき、電気ヒータおよび凝縮器により加熱された熱媒体をヒータコアに導入することで、車室の暖房が行われる。
特許文献1では、車両の走行速度や低温側の熱媒体の温度、冷媒の低圧側の圧力等に基づき、ラジエーターに霜が付着したか否かの判定が行われる。霜が付着したと判定されると、第1熱媒体回路と第2熱媒体回路とは、連通流路により連通される。
この連通モードのとき、熱媒体は、連通流路に設けられたポンプにより、凝縮器とヒータコアとを並列に流れるとともに、蒸発器とラジエーターとを並列に流れる。連通モードのとき、電気ヒータおよび凝縮器により加熱された熱媒体をラジエーターに導入することで、ラジエーターの除霜が行われる。
除霜運転の開始にあたり、ラジエーターに導入される熱媒体の温度が、除霜に必要な温度よりも低い場合には、例えば圧縮機の回転数を増加させることで、高温側の熱媒体の温度を上昇させる。
特開2015-007491号公報
特許文献1では、電気ヒータを使用し、圧縮機の回転数を増加させてでも、熱媒体を除霜に十分な温度まで上昇させることで、ラジエーターを確実に除霜することを指向する。それが必要なのは、車両の走行速度にかかわらず、強制的に除霜が行われるためである。車両が高速で走行中に除霜が行われても、熱媒体の熱が外気との熱交換に使用されるため、霜を融解させることは難しい上、暖房効率は低下する。
本開示は、熱媒体回路を備える車両用温調システムの除霜運転の改善を目的とする。
本開示に係る温調システムは、圧縮機、高圧側熱交換器、減圧部、および低圧側熱交換器を含み、冷凍サイクルに従って冷媒が循環可能に構成される冷媒回路と、冷媒に対して熱を授受する熱媒体が循環可能に構成される熱媒体回路と、を備える。
熱媒体回路は、冷媒と熱媒体とを熱交換させる高圧側熱交換器と、冷媒と熱媒体とを熱交換させる低圧側熱交換器と、低圧側熱交換器から熱媒体を迂回させる低圧側バイパス経路と、熱媒体を圧送可能に構成される第1ポンプおよび第2ポンプと、外気と熱媒体とを熱交換させる室外熱交換器と、室外熱交換器から熱媒体を迂回させる室外バイパス経路と、熱媒体により加熱または冷却される、または温調対象の加熱または冷却に用いられる温調機器と、を含む。
温調システムは、運転モードとして、低圧側熱交換器および室外熱交換器を熱媒体が第1ポンプにより循環する第1回路と、高圧側熱交換器および温調機器を熱媒体が第2ポンプにより循環する第2回路とが形成されるヒートポンプモードと、高圧側熱交換器、温調機器、低圧側熱交換器、および室外バイパス経路を熱媒体が第1ポンプおよび第2ポンプの少なくとも一方により循環する第1連続流路が形成される圧縮機熱源モードと、高圧側熱交換器、温調機器、低圧側熱交換器と低圧側バイパス経路との少なくとも一方、および室外熱交換器を熱媒体が第1ポンプおよび第2ポンプの少なくとも一方により循環する第2連続流路が形成される蓄熱利用除霜モードと、を備えるとともに、温調システムが装備される車両の走行または走行停止の状態に関する切替情報が所定の切替条件に該当すると、ヒートポンプモードまたは圧縮機熱源モードから、蓄熱利用除霜モードへと運転モードを切り替えるように構成される制御装置を備える。
本開示は、車両用温調方法にも展開することができる。
本開示によれば、車両の走行または走行停止の状態に関する切替情報が所定の切替条件に該当した場合には、ヒートポンプモードまたは圧縮機熱源モードから蓄熱利用除霜モードへと運転モードを切り替えることにより、除霜の効率に車両走行が与える影響を抑えつつ、モード切替前に熱媒体に蓄えられた熱を利用して室外熱交換器の霜を効率よく除去することができる。
また、蓄熱利用除霜モードによれば、圧縮機が停止している場合を除き、室外熱交換器に熱媒体を供給しつつ、圧縮機を熱源として運転することで、必要な加熱能力を担保することができる。
本開示の実施形態に係る車両用温調システムを示す回路図である(ヒートポンプモード)。 (a)は、制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。(b)は、制御装置のコンピュータ・プログラムのモジュールを示すブロック図である。 図1に記載のシステムのヒータモードによる運転状態を示す図である。 図1に記載のシステムの蓄熱利用除霜モードによる運転状態を示す図である。 本開示の変形例に係る車両用温調システムを示す回路図である(蓄熱利用除霜モード)。
以下、添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について説明する。
[実施形態]
図1に示す車両用の温調システム1は、例えば、エンジンを備えておらず走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る電気自動車、あるいは、エンジンおよび電動機から車両走行用の駆動力を得る所謂ハイブリッド自動車等の図示しない車両に装備されている。温調システム1は、乗員が搭乗する車室8の冷暖房、除湿、換気等の空調の他、車両に搭載されているバッテリー装置6(電源装置)、走行用モータ、発熱する電子機器等の車載装置の熱管理、排熱回収等を担う。適切な温度や湿度に空調したり、車載装置を適温に管理したりすることを「熱管理」と総称するものとする。
温調システム1、および車載装置に備わる電動機器や電子機器には、車載のバッテリー装置6に蓄えられた電力が供給される。車載のバッテリー装置6は、車両停止時に外部電源から充電される。
〔全体構成〕
温調システム1は、冷媒が循環可能に構成される冷媒回路10と、冷媒に対して熱を授受する熱媒体が循環可能に構成される熱媒体回路20と、温調システム1を所定の運転モードに設定し、運転モードに応じて温調システム1の運転状態を制御する制御装置5とを備えている。
また、温調システム1は、例えば、外気温を検知する外気温センサ61、熱媒体の温度を検知する温度センサ62、冷媒の温度を検知する温度センサ63、および冷媒の圧力を検知する圧力センサ64等のセンサを含む。
温調システム1は、乗員によりあるいは制御装置5により選択される複数の運転モードを備えている。本実施形態は、温調システム1の運転モードとして、ヒートポンプモードHP(図1)、ヒータモードHT(図3)、および蓄熱利用除霜モードHS(図4)を例示する。
〔冷媒回路の構成〕
冷媒回路10は、図1に構成の一例を示すように、圧縮機11と、凝縮器12と、膨張弁13と、蒸発器14とを備えている。冷媒回路10には、冷凍サイクルに従って冷媒が循環する。
冷媒回路10に封入される冷媒としては、公知の適宜な単一冷媒あるいは混合冷媒を用いることができる。例えば、本実施形態の冷媒として、R410A、R32等のHFC(Hydro Fluoro Carbon)冷媒や、R1234ze、R1234yf等のHFO(Hydro Fluoro Olefin)冷媒、あるいは、プロパン、イソブタン等の炭化水素(HC)系冷媒を用いることが可能である。特に、本実施形態の冷媒としてR1234yfを用いることが好ましい。
上記に列挙したフロン系または炭化水素系の冷媒を用いる場合は、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルが構成される。
冷媒として二酸化炭素(CO)を用いる場合は、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超える遷臨界冷凍サイクルが構成される。その場合でも、本実施形態の凝縮器12と同様に高圧側熱交換器により冷媒が放熱し、本実施形態の蒸発器14と同様に低圧側熱交換器により冷媒が吸熱する作用が得られるから、二酸化炭素冷媒のように遷臨界冷凍サイクルを構成する冷媒も冷媒回路10に採用することができる。
圧縮機11は、図示しないモータを備えた電動圧縮機に相当する。圧縮機11は、図示しないハウジング内に吸入される冷媒を圧縮機構により断熱圧縮して吐出する。
凝縮器12は、圧縮機11から吐出された冷媒ガスを熱媒体と熱交換させる。
膨張弁13(減圧部)は、凝縮器12から流出した冷媒を減圧させることで断熱膨張させる。膨張弁13としては、制御装置5からの指令に基づき開度を制御可能な電子膨張弁の他、温度式膨張弁を採用することができる。あるいは、膨張弁13の代わりにキャピラリーチューブを採用することができる。
蒸発器14は、膨張弁13から流出した冷媒を熱媒体と熱交換させる。蒸発器14により蒸発した冷媒は、圧縮機11により吸入される。
蒸発器14と圧縮機11との間には、図示しないアキュムレータ(気液分離器)を設けることができる。
凝縮器12には相対的に高い冷媒圧力(高圧)が与えられ、蒸発器14には相対的に低い冷媒圧力(低圧)が与えられる。冷媒は、高圧と低圧との圧力差に基づき冷媒回路10を循環する。
図1において、低圧側の冷媒の流れは太い実線により示され、高圧側の冷媒の流れは太い破線により示されている。他の図も同様である。
〔熱媒体回路の構成〕
熱媒体回路20は、凝縮器12および蒸発器14により冷媒と熱を授受可能な熱媒体が循環可能に構成されている。熱媒体は、少なくとも1つの温調対象の冷却または加熱に用いられる。本実施形態における温調対象は、車室8内の空気、およびバッテリー装置6に相当する。
熱媒体回路20に封入される熱媒体は、液相の状態を維持して熱媒体回路20を循環する水やブライン等の液体である。ブラインとしては、例えば、水およびプロピレングリコールの混合液、あるいは、水およびエチレングリコールの混合液を例示することができる。
熱媒体回路20は、図1に構成の一例を示すように、凝縮器12と、蒸発器14と、第1ポンプ21および第2ポンプ22と、室外熱交換器23と、室外バイパス経路24と、いずれも室内熱交換器としての第1室内熱交換器25-1および第2室内熱交換器25-2と、バッテリー装置6と、複数の流路切替弁としての第1切替弁31、第2切替弁32、および第3切替弁33とを備えている。
図1、図3、および図4に示す例では、凝縮器流量調整弁12Vによる流量調整により、第1切替弁31から凝縮器12に向けて流れる熱媒体の全量が、凝縮器バイパス経路12Aへは流入せずに凝縮器12へと流入する。
また、図1および図3に示す例では、蒸発器流量調整弁14Vによる流量調整により、第1切替弁31から蒸発器14に向けて流れる熱媒体の全量が、蒸発器バイパス経路14Aへは流入せずに蒸発器14へと流入する。
第1ポンプ21および第2ポンプ22はいずれも、図示しないモータにより駆動される電動のポンプに相当する。第1ポンプ21は、蒸発器14および蒸発器バイパス経路14Aの少なくとも一方から流出した熱媒体を吸入して吐出することで熱媒体を圧送する。第2ポンプ22は、凝縮器12および凝縮器バイパス経路12Aの少なくとも一方から流出した熱媒体を吸入して吐出することで熱媒体を圧送する。
第1ポンプ21および第2ポンプ22は、モータに駆動電流を印加する駆動回路部により、熱媒体を圧送する機構の回転数が可変に構成されることが好ましい。
室外熱交換器23は、車室8の外側の外気と、熱媒体とを熱交換させる。室外熱交換器23は、例えば、車両の空気導入口の付近に配置されるラジエーターに相当する。車両の走行と、室外送風機23Aの作動とによって室外熱交換器23に供給される外気は、外気と熱媒体との温度差に基づいて、放熱または吸熱する。
室外バイパス経路24は、室外熱交換器23から熱媒体を迂回させる。室外熱交換器23は、後述するヒータモードHT時に使用される。
第1、第2室内熱交換器25-1,25-2は、室内送風機25Aにより送られる空気と熱媒体とを熱交換させることで車室8内に空調空気を与える。
室内送風機25Aは、モータにより駆動され、車室8内の空気(内気)または外気、あるいは内気と外気との混合気体を室内熱交換器25に向けて吹き付ける。
温調システム1は、図示しない除湿暖房モードを行うために、室内送風機25Aにより送られる空気の流れに関して直列に配置される2つの室内熱交換器25-1,25-2を備えている。第1室内熱交換器25-1は空気流の上流に配置され、第2室内熱交換器25-2は空気流の下流に配置されている。
除湿暖房モード時、第1室内熱交換器25-1には蒸発器14から流出した相対的に低温の熱媒体が供給され、第2室内熱交換器25-2には凝縮器12から流出した相対的に高温の熱媒体が供給される。
HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)ユニットUは、第1、第2室内熱交換器25-1,25-2と、室内送風機25Aと、室内送風機25Aにより送られる空気が流れる図示しないダクトと、第2室内熱交換器25-2に流入させる空気流量を調整する図示しないダンパーとを含んで構成されている。
バッテリー装置6は、具体的な図示を省略するが、蓄電池であるバッテリー本体と、必要に応じてバッテリー本体に設けられるバッテリー用熱交換器や放熱部材とを備えている。
熱媒体回路20は、バッテリー装置6と熱媒体とが直接的にまたは空気等を介して間接的に熱交換可能に構成される熱交換経路414,415と、熱交換経路414,415にそれぞれ対応し、開路/閉路を切り替える四方弁としてのバッテリー用切替弁34,35とを備えている。
熱媒体回路20は、室内熱交換器25から熱媒体を迂回させる室内バイパス経路26を備えることが好ましい。
温調システム1は、車室8内の空調を行わないとき、室内バイパス経路26を通じて室内熱交換器25から迂回させた熱媒体をバッテリー装置6に供給することができる。
〔制御装置の構成〕
制御装置5は、図2(a)に示すように、メモリ501、演算部502、記憶部503、および入出力部504を含むコンピュータに相当する。「コンピュータ」には、プログラマブルロジックコントローラ(PLC;programmable logic controller)も含まれる。制御装置5は、記憶部503から読み出されて実行されるコンピュータ・プログラムに従って動作する。
圧縮機11を作動させる各運転モードにおいて、制御装置5は、圧縮機11の駆動制御を行い、冷媒の循環流量を増減させることで、冷房能力または暖房能力をそれぞれ増減させることができる。
制御装置5は、コンピュータ・プログラムの処理モジュールとして、図2(b)に示すように、モード切替部51と、除霜要否判定部52と、停車地情報処理部53と、履歴情報処理部54と、ポンプ回転数設定部55と、除霜終了処理部56とを備えている。制御装置5は、モード切替部51に加え、処理モジュール52~56から任意に選択される1つ以上を備えていると好ましい。
制御装置5は、例えばECU(Electronic Control Unit)等、温調システム1が装備される車両の主たる制御系にデータの授受が可能に接続されることが好ましい。
モード切替部51は、車両の走行または走行停止の状態に関する切替情報Aが所定の切替条件Bに該当すると、ヒートポンプモードHPまたはヒータモードHTから蓄熱利用除霜モードHSへと運転モードを切り替える。
ここで、切替情報Aおよび切替条件Bは、例えば、次の組み合わせA1,B1等の1つ以上であってよい。切替条件Bは、記憶部503に記憶されていてもよい。
切替情報A1:室外熱交換器23の風路を通過する外気の風速v
切替条件B1:風速vが所定の風速vw0に対して低いこと
風速vは、車両の走行速度と、室外送風機23Aによる送風空気の流量とに関する。風速vは、例えば、風速vに相関するデータを車両の主制御系から取得し、演算部502により演算することで導くことができる。あるいは、風路に配置される風速センサを用いて風速vを取得することができる。
切替条件B1としての風速vw0は、例えば、車両が徐行中、あるいは、道路渋滞のため徐行に準じる速度で走行中の風速に設定することができる。
切替情報A2:車両の走行速度v
切替条件B2:走行速度vが所定の風速vr0に対して低いこと
走行速度vは、例えば、車両の主制御系から取得することができる。走行速度vは、例えば、徐行中の走行速度(直ちに停車可能な速度)、あるいは徐行に準じる走行速度に設定することができる。
切替情報A3:車両の主制御系の電源の状態s
切替条件B3:電源の状態sとして主電源オフが選択されること
ここで、電源の状態sは、いわゆるイグニッション装置の操作による電源オン、電源オフ等に相当する。車両の走行停止に伴い、電源の状態sとして主電源オフが選択されると、圧縮機11の作動は停止する。但し、主電源オフでも、駐車中の外部電源によるバッテリー装置6の充電中は、外部電源が主電源に代わるので、圧縮機11を作動させることが可能である。
電源の状態sは、車両の主制御系から取得することができる。
除霜要否判定部52は、室外熱交換器23に付着した霜の除去(除霜)の要否を判定する。室外熱交換器23への着霜の進行により、外気が通り抜ける室外熱交換器23の風路は狭くなる。着霜により風路が一定以上に塞がれると、外気の流量減少により熱交換の効率は大幅に低下する。
除霜の要否は、例えば、蒸発器14における冷媒の圧力(低圧p)と外気温Tとから演算される着霜度合に閾値を適用することで判定することができる。低圧pは圧力センサ64により検知され、外気温Tは外気温センサ61により検知される。低圧pと外気温Tとに代えて、圧縮機11に吸入される冷媒の温度Tと、外気温Tとを用いることも可能である。圧縮機11に吸入される冷媒の温度Tは、温度センサ63により検知される。
停車地情報処理部53は、停止時の車両の現在位置に関する停車地情報Dsとして1以上の登録地Drを登録可能であるとともに、停車地情報Dsが登録地Drに該当するか否かを判定可能である。停車地情報処理部53は、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用することができる。
登録地Drは、例えば、自宅や勤務地の駐車場に相当する。登録地Drは、記憶部503に記憶されていてもよい。
履歴情報処理部54は、車両の主制御系に電源が投入されて以降、温調システム1の運転モードの推移を記憶部503等に保持する。履歴情報処理部54により、ヒートポンプモードHPからヒータモードHTに移行したことの履歴情報Dhを取得することが可能である。
ポンプ回転数設定部55は、運転モードに応じて、第1ポンプ21および第2ポンプ22のそれぞれに適宜な標準回転数Nを与える。
標準回転数Nは、例えば、次のように運転モード毎に決められている。第2回転数Nは、第1回転数Nよりも大きい。
冷房モード :第1回転数N
ヒートポンプモードHP:第1回転数N
ヒータモードHT :第2回転数N
蓄熱利用除霜モードHS:第2回転数N
除霜終了処理部56は、蓄熱利用除霜モードHS時に、室外熱交換器23の除霜の可否に関する終了情報aが所定の終了条件bに該当すると、熱媒体の循環を停止させる。
終了情報aおよび終了条件bは、例えば、次の組み合わせa1,b1等の1つ以上であってよい。終了条件bは、記憶部503に記憶されていてもよい。
終了情報a1:熱媒体の温度T
終了条件b1:熱媒体の温度Tが所定温度Tに対して低いこと
熱媒体の温度Tは、例えば、蒸発器14の熱媒体の出口付近で熱媒体の温度を検知する温度センサ62により取得することができる。所定温度Tは、例えば、0℃である。
終了情報a2:蓄熱利用除霜モードHSの開始時からの時間t
終了条件b2: 時間tが所定時間tを経過すること
時間tは、図示しないタイマー等により取得することができる。
また、除霜終了処理部56は、蓄熱利用除霜モードHS時に熱媒体の循環を停止させると、室外送風機23Aの回転数を増加させることが好ましい。
〔運転モードの説明〕
次に、温調システム1の各運転モードの作用とともに、運転モードの切り替えの作用を説明する。
ヒートポンプモードHP(図1):
ヒートポンプモードHPは、熱源としての外気から、外気温よりも温度が高い熱媒体に熱を汲み上げて車室8まで搬送することで、車室8内を暖房する。
ヒートポンプモードHPのとき、蒸発器14および室外熱交換器23を熱媒体が第1ポンプ21により循環する第1回路C1と、凝縮器12および第2室内熱交換器25-2を熱媒体が第2ポンプ22により循環する第2回路C2とが形成される。
図1には、蒸発器14から流出した相対的に低温の熱媒体の流れが実線で示され、凝縮器12から流出した相対的に高温の熱媒体の流れが一点鎖線で示されている。低温熱媒体および高温熱媒体のいずれも圧送されていない経路(不使用の経路)は、破線で示されている。破線の意味は、他の図でも同様である。
蒸発器14により冷媒へ放熱した熱媒体は、室外熱交換器23により外気から吸熱し、第1切替弁31を経由して蒸発器14へと戻る。必要に応じて、第1切替弁31および第1バッテリー用切替弁34を経由して第1熱交換経路414に熱媒体を供給することで、バッテリー装置6を冷却することができる。
一方、凝縮器12により冷媒から吸熱した熱媒体は、第2室内熱交換器25-2により車室8内の暖房に供された後、第1切替弁31を経由して凝縮器12へと戻る。
ヒートポンプモードHPは、外気を熱源の一部として利用することにより、圧縮機11やポンプ21,22等の動力増加を抑えつつ、暖房能力を担保することができる。
ヒータモードHT(図3):
ヒータモードHTは、外気温が氷点よりも大幅に低い場合(例えば、外気温が-20℃以下)の暖房運転に適する。ヒータモードHTは圧縮機11を熱源として運転される。
乗員の操作により又は温調システム1により暖房運転が選択される場合、制御装置5は、例えば、外気温センサ61により検知された外気温に閾値を適用することで、外気温が高い場合には上述のヒートポンプモードHPを選択し、低い場合はヒータモードHTを選択することができる。
ヒータモードHTのとき、単一の連続した第1連続流路CC1が形成される。このとき、熱媒体は第1ポンプ21および第2ポンプ22により、凝縮器12、室内熱交換器25、蒸発器14、および室外バイパス経路24をこの順に循環する。熱媒体の流れに関して、蒸発器14と凝縮器12とは直列に配置されている。必要に応じて、第1切替弁31および第2バッテリー用切替弁35を経由して第2熱交換経路415に熱媒体を供給することで、バッテリー装置6を冷却することができる。
ヒータモードHTのとき、第1ポンプ21および第2ポンプ22の一方を停止させることができるが、本実施形態では、第1ポンプ21および第2ポンプ22の両方を作動させる。これは、蓄熱利用除霜モードHSでも同様である。
図3においても、相対的に低温の熱媒体が実線で示され、相対的に高温の熱媒体が一点鎖線により示されている。但し、第1回路C1および第2回路C2が形成される場合とは異なり、蒸発器14から流出し、凝縮器12に流入するまでの熱媒体の流れが実線で示され、凝縮器12から流出し、蒸発器14に流入するまでの熱媒体の流れが一点鎖線で示されている。これは、熱媒体が蒸発器14に流入すると、冷媒への放熱により熱媒体の温度が低下することを表し、熱媒体が凝縮器12に流入すると、冷媒からの吸熱により熱媒体の温度が上昇することを表している。
凝縮器12から流出した熱媒体は、第2室内熱交換器25-2により車室8の暖房に供されると、第1切替弁31を経由し、蒸発器14および蒸発器バイパス経路14Aのうち少なくとも蒸発器14に流入する。蒸発器14により冷媒に放熱した熱媒体は、第2切替弁32から室外バイパス経路24を流れ、さらに、凝縮器12および凝縮器バイパス経路12Aのうち少なくとも凝縮器12に流入することで、冷媒から吸熱する。
ヒータモードHTは、室外バイパス経路24を通じて室外熱交換器23から熱媒体を迂回させることで熱媒体から外気への放熱を避けつつ、圧縮機11の動力に相応の熱量を熱媒体により車室8に搬送する。第1連続流路CC1によれば、凝縮器12および第2室内熱交換器25-2を経た熱媒体が蒸発器14により冷媒に放熱される作用により、冷媒回路10の低圧が上昇する。そうすると、圧縮機11に吸入される冷媒の密度が増加して冷媒の循環量が増加するので、外気温が非常に低くても暖房能力を担保することができる。
蓄熱利用除霜モードHS(図4):
蓄熱利用除霜モードHSは、ヒートポンプモードHPまたはヒータモードHTが行われることで熱媒体に蓄えられる熱を室外熱交換器23の除霜に利用する。
蓄熱利用除霜モードHSのとき、単一の連続した第2連続流路CC2が形成される。このとき、熱媒体は第1ポンプ21および第2ポンプ22により、凝縮器12、室内熱交換器25、蒸発器14と蒸発器バイパス経路14Aとの少なくとも一方、および室外熱交換器23をこの順に循環する。熱媒体の流れに関して、蒸発器14と凝縮器12とは直列に配置されている。
蓄熱利用除霜モードHSのとき、熱媒体から冷媒への放熱を防いで熱媒体の蓄熱量を維持するため、蒸発器バイパス経路14Aを通じて蒸発器14から熱媒体を迂回させることが好ましい。
図4においても、相対的に低温の熱媒体が実線で示され、相対的に高温の熱媒体が一点鎖線により示されている。但し、凝縮器12から流出し、蒸発器バイパス経路14Aを流れて室外熱交換器23に流入するまでの熱媒体の流れが一点鎖線で示され、室外熱交換器23から流出し、凝縮器12に流入するまでの熱媒体の流れが実線で示されている。
図4に示す例は、車両の走行停止時の電源操作部の操作により、電源の状態sが主電源オフとなり、それに伴い圧縮機11が停止した状態を示している。このとき冷媒回路10は、作動していないため、破線で示される。車両が走行中で温調システム1が運転中のとき、圧縮機11は典型的には作動している。
車両の主制御系の主電源がオフでも、副電源によりポンプ21,22を作動させる。
図4に示す例では、室外送風機23Aおよび室内送風機25Aを作動させているが、その限りではない。室外送風機23Aおよび室内送風機25Aの一方または両方を停止させてもよい。
ヒートポンプモードHPから蓄熱利用除霜モードHSへの切り替え:
外気温が氷点以下で、ヒートポンプモードHPによる運転時には、室外熱交換器23に着霜が発生する。着霜の進行により暖房能力が低下するのを避けるため、ヒートポンプモードHPのときに第2回路C2に存在する高温熱媒体を用いて室外熱交換器23を除霜することができる。
但し、車両が通常の速度で走行中に高温熱媒体を室外熱交換器23に供給しても、外気と高温熱媒体とが熱交換されてしまい、高温熱媒体の熱エネルギーは室外熱交換器23に付着した霜の融解には殆ど使用されない。
そこで、モード切替部51は、ヒートポンプモードHPの運転中、上述したように、車両の走行、走行停止の状態に関する切替情報Aが切替条件Bに該当する場合は、ヒートポンプモードHPから蓄熱利用除霜モードHSへと運転モードを切り替える。
例えば、室外熱交換器23の風路を通過する外気の風速vが所定の風速vw0に対して低い場合である(切替情報A1および切替条件B1)。車両の走行速度が減少すると、また、室外熱交換器23の着霜が進行すると、風速vは減少する。
ヒートポンプモードHPから蓄熱利用除霜モードHSへの切り替えは、次の場合に行われても良い。
車両の走行速度vが所定の走行速度r0に対して低い場合(切替情報A2および切替条件B2)。
車両の主制御系の電源状態sとして主電源オフが選択される場合(切替情報A3および切替条件B3)。この場合は、バッテリー装置6が充電のために外部電源に接続されていなければ、圧縮機11が停止している。
上記3つのパターンの切り替えのいずれであっても、車両の走行速度が十分に低いか、車両が停止した状態のときに、ヒートポンプモードHPから蓄熱利用除霜モードHSへと運転モードが切り替えられる。そのため、除霜の効率に車両走行が与える影響を抑えつつ、モード切替前に熱媒体に蓄えられた熱を室外熱交換器23に供給することで、室外熱交換器23の霜を効率よく除去することができる。
また、蓄熱利用除霜モードHSによれば、室外熱交換器23に熱媒体を供給しつつ、圧縮機11を熱源として運転することで、必要な暖房能力を担保することができる。
停車時に必ずしも車室8内の暖房は必要ないが、バッテリー装置6が外部電源に接続される場合は、圧縮機11を作動させて車室8内の暖房を行うことができる。暖房を行わない場合は、室内送風機25Aの作動を停止させることで、熱媒体の蓄熱量を維持することが好ましい。
ヒートポンプモードHPにおける第2回路C2は、室外側から室内熱交換器25まで取り回される配管を含むので、第1回路C1と比べて経路長が長い。そのため、第2回路C2は、第1回路C1と比べて多くの量の熱媒体を保持している。外気温と同等である第1回路C1の熱媒体の温度に対し、第2回路C2の熱媒体の温度は十分に高い。
第2回路C2の高温熱媒体を室外熱交換器23の除霜に無駄なく利用するため、除霜終了処理部56は、運転モードがヒートポンプモードHPから蓄熱利用除霜モードHSに切り替えられた後、終了情報a2および終了条件b2に基づき、第2回路C2の容積と、ポンプ21,22の吐出流量とから算出した所定の時間tだけポンプ21,22を作動させることが好ましい。つまり、除霜終了処理部56は、蓄熱利用除霜モードHSの開始時からの時間tが所定時間tを経過すると、熱媒体の循環を停止させる。
除霜終了処理部56は、熱媒体の循環停止に伴い、室外送風機23Aの回転数を増加させることが好ましい。そうすることで、霜の融解により室外熱交換器23に付着している水が室外熱交換器23から吹き飛ばされるので、室外熱交換器23への再着霜を防ぐことができる。
上記のように、蓄熱利用除霜モードHS時にポンプ21,22を作動させる時間を一定時間に制限することによれば、ヒートポンプモードHP時に蓄熱した所定容量の高温熱媒体が室外熱交換器23を流通した時点で熱媒体の循環を終えることにより、低温の熱媒体が室外熱交換器23を流通することによる室外熱交換器23の再冷却を防ぐことができる。
併せて、ポンプ回転数設定部55により、ポンプ21,22の回転数NをヒートポンプモードHP時の第1回転数Nに対して第2回転数Nに増加させると良い。そうすることで、ポンプ21,22の動力の損失としてポンプ21,22から熱媒体に伝わる熱量が増加するので、室外熱交換器23に供給される熱媒体の温度を高く維持することができる。
モード切替部51により運転モードを蓄熱利用除霜モードHSに切り替えるに先立ち、除霜要否判定部52により室外熱交換器23の除霜の要否を判定してもよい。この場合、モード切替部51は、除霜要否の判定結果が「要」であって、かつ、切替情報A(A1等)が切替条件B(B1等)に該当すると、蓄熱利用除霜モードHSを実施する。
ヒータモードHTから蓄熱利用除霜モードHSへの切り替え:
モード切替部51は、ヒータモードHTの運転中、切替情報A(A1等)が切替条件B(B1等)に該当する場合は、ヒータモードHTから蓄熱利用除霜モードHSに切り替える。
ヒータモードHTは、ヒートポンプモードHPとは異なり、室外バイパス経路24を通じて室外熱交換器23から熱媒体を迂回させているので、室外熱交換器23の着霜は進行しない。そのため、モード切替部51は、外気温が低いためヒートポンプモードHPからヒータモードHTに移行したことの履歴情報Dhが履歴情報処理部54により取得される場合であって、切替情報Aが切替条件Bに該当する場合には、蓄熱利用除霜モードHSを実施するとよい。
あるいは、除霜要否判定部52による除霜要否の判定結果が「要」であって、かつ、切替情報Aが切替条件Bに該当する場合には蓄熱利用除霜モードHSを実施するとよい。
切替情報Aおよび切替条件Bについては、ヒートポンプモードHP時と同様に考えることができるため、説明を省略する。切替情報Aおよび切替条件Bにより、除霜の効率に車両走行が与える影響を抑えつつ、モード切替前に熱媒体に蓄えられた熱を室外熱交換器23に供給することで、室外熱交換器23の霜を効率よく除去することができる。
また、蓄熱利用除霜モードHSによれば、圧縮機11が停止している場合を除き、室外熱交換器23に熱媒体を供給しつつ、圧縮機11を熱源として運転することで、必要な暖房能力を担保することができる。
ヒータモードHTのとき、外気と熱交換されないで第1連続流路CC1を流れる熱媒体の平均温度は、ヒートポンプモードHPの第1回路C1を流れる熱媒体と第2回路C2を流れる熱媒体との平均温度よりも高い。ヒータモードHTの高温区間(一点鎖線)を流れる熱媒体の温度が、ヒートポンプモードHPの第1回路C1を流れる熱媒体の温度と同等であるとしても、ヒータモードHTの低温区間(実線)を流れる熱媒体の温度は、ヒートポンプモードHPの第2回路C2を流れる熱媒体の温度(例えば-5℃)と比べると十分に高い。
運転モードがヒータモードHTから蓄熱利用除霜モードHSに切り替えられた後、第2連続流路CC2を循環する熱媒体により室外熱交換器23の除霜が進行する。蓄熱利用除霜モードHSの運転中は、ポンプ回転数設定部55により、ポンプ21,22の回転数NをヒートポンプモードHP時の第1回転数Nと比べて大きい第2回転数Nに増加させると良い。そうすることで、ポンプ21,22の動力の損失としてポンプ21,22から熱媒体に伝わる熱量が増加するので、室外熱交換器23に供給される熱媒体の温度を高く維持することができる。
除霜終了処理部56は、蓄熱利用除霜モードHSの開始時から、終了情報a1および終了条件b1に基づき、熱媒体の温度Tが所定温度T(例えば、0℃)に対して低い条件に該当すると、除霜を停止するため、ポンプ21,22の作動を停止させて、熱媒体の循環を停止するとよい。
除霜終了処理部56は、熱媒体の循環停止に伴い、室外送風機23Aの回転数を増加させることが好ましい。そうすることで、室外熱交換器23に付着している水が室外熱交換器23から吹き飛ばされるので、再着霜を防ぐことができる。
以下は、ヒートポンプモードHPから蓄熱利用除霜モードHSへの切り替え時、ヒータモードHTから蓄熱利用除霜モードHSへの切り替え時のいずれにも適用可能である。
蓄熱利用除霜モードHSは、駐車時間が長いと想定される場合に、駐車直後から実施されることが好ましい。
「駐車時間が長いと想定される場合」は、停車地情報処理部53により、車両の現在位置に関する停車地情報Dsが登録地Drに該当するか否かに応じて判定することができる。登録地Drには、例えば、自宅等、長時間に亘り車両が駐車される場所をユーザーが予め登録することができる。停車地情報処理部53により停車地情報Dsが登録地Drに該当すると判定されると、モード切替部51は、必要に応じて除霜要否等の判定を経て、蓄熱利用除霜モードHSを速やかに開始することができる。
かかる制御によれば、停車地情報Dsが登録地Drに該当しない場合は、切替情報Aが切替条件Bに該当するとしても、蓄熱利用除霜モードHSが実施されないので、短時間の駐車時にヒートポンプモードHPまたはヒータモードHTから蓄熱利用除霜モードHSに移行することを避けることができる。かかる制御を行わないで、一旦蓄熱利用除霜モードHSに移行すると、熱媒体の温度が低下するので、熱媒体の温度を上昇させてヒートポンプモードHPまたはヒータモードHTの定常状態に復帰するまでに時間を要する。
登録地Drに代えて、あるいは登録地Drと併せて、ユーザーは除霜実行時間帯Dtを登録することができる。除霜実行時間帯Dtは、例えば夜間の時間帯である。除霜実行時間帯Dtに車両を停止した場合は、蓄熱利用除霜モードHSにより、停車直後から、熱媒体に蓄えられた熱による除霜を自動的に行うことができる。
また、制御装置5は、必ずしも登録地Drや除霜実行時間帯Dtの登録を前提としないで、車両の位置と時間に関する車両使用履歴のデータに基づいて蓄熱利用除霜モードHSを実施することができる。つまり、制御装置5は、車両使用履歴のデータから、現在の停車位置への駐車時間が長いと推定した場合には、蓄熱利用除霜モードHSを自動的に実施することができる。
[変形例]
図5に示すように、蓄熱利用除霜モードHSのとき、蒸発器14に熱媒体を流入させてもよい。この場合、ヒートポンプモードHPから蓄熱利用除霜モードHSへの切り替え時を想定すると、蒸発器14における熱媒体の冷媒への放熱により、蒸発器14から流出した熱媒体の温度が、上記実施形態の蓄熱利用除霜モードHS(図4)で蒸発器14から流出した熱媒体の温度よりも低くなる。その熱媒体の熱が除霜に使われると、室外熱交換器23から流出した熱媒体(太い実線で示す)の温度も上記実施形態と比べて低い。そのため、除霜の効率としては、蒸発器バイパス経路14Aを通じて凝縮器12から熱媒体を迂回させている上記実施形態が有利である。
一方、ヒータモードHTから蓄熱利用除霜モードHSへの切り替え時を想定すると、蒸発器温度が0℃を上回るため、上記実施形態の蓄熱利用除霜モードHS(図4)にて一定時間運転後の熱媒体温度低下時には、蒸発器14に熱媒体を流入させるとよい。そうすることで熱媒体の温度を上昇させ、除霜を継続することができる。
上記以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
[付記]
〔1〕車両用の温調システムであって、
圧縮機(11)、高圧側熱交換器(12)、減圧部(13)、および低圧側熱交換器(14)を含み、冷凍サイクルに従って冷媒が循環可能に構成される冷媒回路(10)と、
前記冷媒に対して熱を授受する熱媒体が循環可能に構成される熱媒体回路(20)と、を備え、
前記熱媒体回路(20)は、
前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる前記高圧側熱交換器(12)と、
前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる前記低圧側熱交換器(14)と、
前記低圧側熱交換器(14)から前記熱媒体を迂回させる低圧側バイパス経路(14A)と、
前記熱媒体を圧送可能に構成される第1ポンプ(21)および第2ポンプ(22)と、
外気と前記熱媒体とを熱交換させる室外熱交換器(23)と、
前記室外熱交換器(23)から前記熱媒体を迂回させる室外バイパス経路(24)と、
前記熱媒体により加熱または冷却される、または温調対象の加熱または冷却に用いられる温調機器(6,25-2)と、を含み、
前記温調システムは、運転モードとして、
前記低圧側熱交換器(14)および前記室外熱交換器(23)を前記熱媒体が前記第1ポンプ(21)により循環する第1回路(C1)と、前記高圧側熱交換器(12)および前記温調機器(6,25-2)を前記熱媒体が前記第2ポンプ(22)により循環する第2回路(C2)とが形成されるヒートポンプモード(HP)と、
前記高圧側熱交換器(12)、前記温調機器(6,25-2)、前記低圧側熱交換器(14)、および前記室外バイパス経路(24)を前記熱媒体が前記第1ポンプ(21)および前記第2ポンプ(22)の少なくとも一方により循環する第1連続流路(CC1)が形成される圧縮機熱源モード(HT)と、
前記高圧側熱交換器(12)、前記温調機器(6,25-2)、前記低圧側熱交換器(14)と前記低圧側バイパス経路(14A)との少なくとも一方、および前記室外熱交換器(23)を前記熱媒体が前記第1ポンプ(21)および前記第2ポンプ(22)の少なくとも一方により循環する第2連続流路(CC2)が形成される蓄熱利用除霜モード(HS)と、を備えるとともに、
前記温調システムが装備される車両の走行または走行停止の状態に関する切替情報が所定の切替条件に該当すると、前記ヒートポンプモード(HP)または前記圧縮機熱源モード(HT)から、前記蓄熱利用除霜モード(HS)へと前記運転モードを切り替えるように構成される制御装置(5)を備える、
車両用温調システム。
〔2〕前記蓄熱利用除霜モード(HS)では、前記蓄熱利用除霜モード(HS)への切替前に前記熱媒体に蓄えられた熱が前記室外熱交換器(23)の除霜に利用される、
〔1〕項に記載の車両用温調システム。
〔3〕前記切替情報は、前記室外熱交換器(23)を通過する空気の風速に相当し、
前記切替条件は、前記風速が所定の風速に対して低いことに相当する、
〔1〕または〔2〕項に記載の車両用温調システム。
〔4〕前記切替情報は、前記車両の走行速度に相当し、
前記切替条件は、前記走行速度が所定の走行速度に対して低いことに相当する、
〔1〕または〔2〕項に記載の車両用温調システム。
〔5〕前記切替情報は、前記車両の電源の状態に相当し、
前記切替条件は、前記電源の状態として主電源オフが選択されることに相当する、
〔1〕または〔2〕項に記載の車両用温調システム。
〔6〕前記制御装置(5)は、
停車時の前記車両の現在位置に関する停車地情報が所定の登録地に該当し、かつ、前記電源の状態が前記切替条件に該当すると、前記蓄熱利用除霜モード(HS)を実施するように構成される、
〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の車両用温調システム。
〔7〕前記制御装置(5)は、
前記車両の電源が投入されて以降、前記ヒートポンプモード(HP)から前記圧縮機熱源モード(HT)に移行したことの履歴情報が存在し、かつ、前記切替情報が前記切替条件に該当すると、前記蓄熱利用除霜モード(HS)を実施するように構成される、
〔1〕項に記載の車両用温調システム。
〔8〕前記制御装置(5)は、
前記室外熱交換器(23)の除霜の要否を判定した結果が要であって、かつ、前記切替情報が前記切替条件に該当すると、前記蓄熱利用除霜モード(HS)を実施するように構成される、
〔1〕から〔7〕のいずれか一項に記載の車両用温調システム。
〔9〕前記制御装置(5)は、
前記蓄熱利用除霜モード(HS)時には、前記ヒートポンプモード(HP)時に設定される第1回転数よりも大きい第2回転数を前記第1ポンプ(21)および前記第2ポンプ(22)の少なくとも一方に与えるように構成される、
〔1〕から〔8〕のいずれか一項に記載の車両用温調システム。
〔10〕前記蓄熱利用除霜モード(HS)では、
前記低圧側熱交換器(14)、前記室外熱交換器(23)、前記高圧側熱交換器(12)、および前記温調機器(25-2)の順に前記熱媒体が前記第2連続流路(CC2)を循環する、
〔1〕から〔9〕のいずれか一項に記載の車両用温調システム。
〔11〕前記制御装置(5)は、
前記蓄熱利用除霜モード(HS)時に、前記室外熱交換器(23)の除霜の可否に関する終了情報が所定の終了条件に該当すると、前記熱媒体の循環を停止させるように構成される、
〔1〕から〔10〕のいずれか一項に記載の車両用温調システム。
〔12〕前記終了情報は、前記熱媒体の温度に相当し、
前記終了条件は、前記熱媒体の温度が所定温度に対して低いことに相当する、
〔11〕項に記載の車両用温調システム。
〔12〕前記終了情報は、前記蓄熱利用除霜モード(HS)の開始時からの時間に相当し、
前記終了条件は、前記時間が所定時間を経過することに相当する、
〔11〕項に記載の車両用温調システム。
〔13〕前記制御装置(5)は、
前記蓄熱利用除霜モード(HS)時に、前記熱媒体の循環を停止させると、前記室外熱交換器(23)に送風する室外送風機の回転数を増加させるように構成される、
〔11〕項に記載の車両用温調システム。
〔15〕車両用の温調システムを用いる温調方法であって、
前記温調システムは、
圧縮機(11)、高圧側熱交換器(12)、減圧部(13)、および低圧側熱交換器(14)を含み、冷凍サイクルに従って冷媒が循環可能に構成される冷媒回路(10)と、
前記冷媒に対して熱を授受する熱媒体が循環可能に構成される熱媒体回路(20)と、を備え、
前記熱媒体回路(20)は、
前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる前記高圧側熱交換器(12)と、
前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる前記低圧側熱交換器(14)と、
前記低圧側熱交換器(14)から前記熱媒体を迂回させる低圧側バイパス経路(14A)と、
前記熱媒体を圧送可能に構成される第1ポンプ(21)および第2ポンプ(22)と、
外気と前記熱媒体とを熱交換させる室外熱交換器(23)と、
前記室外熱交換器(23)から前記熱媒体を迂回させる室外バイパス経路(24)と、
前記熱媒体により加熱または冷却される、または温調対象の加熱または冷却に用いられる温調機器(6,25-2)と、を含み、
前記温調システムは、運転モードとして、
前記低圧側熱交換器(14)および前記室外熱交換器(23)を前記熱媒体が前記第1ポンプ(21)により循環する第1回路(C1)と、前記高圧側熱交換器(12)および前記温調機器(6,25-2)を前記熱媒体が前記第2ポンプ(22)により循環する第2回路(C2)とが形成されるヒートポンプモード(HP)と、
前記高圧側熱交換器(12)、前記温調機器(6,25-2)、前記低圧側熱交換器(14)、および前記室外バイパス経路(24)を前記熱媒体が前記第1ポンプ(21)および前記第2ポンプ(22)の少なくとも一方により循環する第1連続流路(CC1)が形成される圧縮機熱源モード(HT)と、
前記高圧側熱交換器(12)、前記温調機器(6,25-2)、前記低圧側熱交換器(14)と前記低圧側バイパス経路(14A)との少なくとも一方、および前記室外熱交換器(23)を前記熱媒体が前記第1ポンプ(21)および前記第2ポンプ(22)の少なくとも一方により循環する第2連続流路(CC2)が形成される蓄熱利用除霜モード(HS)と、を備え、
前記温調方法は、
前記温調システムが装備される車両の走行または走行停止の状態に関する切替情報が所定の切替条件に該当すると、前記ヒートポンプモード(HP)または前記圧縮機熱源モード(HT)から、前記蓄熱利用除霜モード(HS)へと前記運転モードを切り替えることで、
前記蓄熱利用除霜モードへの切替前に前記熱媒体に蓄えられた熱を前記室外熱交換器の除霜に利用する、
車両用温調方法。
1 温調システム(車両用温調システム)
5 制御装置
6 バッテリー装置(温調機器)
8 車室
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 凝縮器(高圧側熱交換器)
12A 凝縮器バイパス経路
12V 凝縮器流量調整弁
13 膨張弁(減圧部)
14 蒸発器(低圧側熱交換器)
14A 蒸発器バイパス経路(低圧側バイパス経路)
14V 蒸発器流量調整弁
20 熱媒体回路
21 第1ポンプ
22 第2ポンプ
23 室外熱交換器
23A 室外送風機
24 室外バイパス経路
25-1 第1室内熱交換器
25-2 第2室内熱交換器(温調機器)
25A 室内送風機
26 室内バイパス経路
31 第1切替弁
32 第2切替弁
33 第3切替弁
34 第1バッテリー用切替換弁
35 第2バッテリー用切替弁
51 モード切替部
52 除霜要否判定部
53 停車地情報処理部
54 履歴情報処理部
55 ポンプ回転数設定部
56 除霜終了処理部
61 外気温センサ
62,63 温度センサ
64 圧力センサ
414 第1熱交換経路
415 第2熱交換経路
501 メモリ
502 演算部
503 記憶部
504 入出力部
C1 第1回路
C2 第2回路
CC1 第1連続流路
CC2 第2連続流路
HP ヒートポンプモード
HS 蓄熱利用除霜モード
HT ヒータモード(圧縮機熱源モード)
U HVACユニット

Claims (15)

  1. 車両用の温調システムであって、
    圧縮機、高圧側熱交換器、減圧部、および低圧側熱交換器を含み、冷凍サイクルに従って冷媒が循環可能に構成される冷媒回路と、
    前記冷媒に対して熱を授受する熱媒体が循環可能に構成される熱媒体回路と、を備え、
    前記熱媒体回路は、
    前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる前記高圧側熱交換器と、
    前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる前記低圧側熱交換器と、
    前記低圧側熱交換器から前記熱媒体を迂回させる低圧側バイパス経路と、
    前記熱媒体を圧送可能に構成される第1ポンプおよび第2ポンプと、
    外気と前記熱媒体とを熱交換させる室外熱交換器と、
    前記室外熱交換器から前記熱媒体を迂回させる室外バイパス経路と、
    前記熱媒体により加熱または冷却される、または温調対象の加熱または冷却に用いられる温調機器と、を含み、
    前記温調システムは、運転モードとして、
    前記低圧側熱交換器および前記室外熱交換器を前記熱媒体が前記第1ポンプにより循環する第1回路と、前記高圧側熱交換器および前記温調機器を前記熱媒体が前記第2ポンプにより循環する第2回路とが形成されるヒートポンプモードと、
    前記高圧側熱交換器、前記温調機器、前記低圧側熱交換器、および前記室外バイパス経路を前記熱媒体が前記第1ポンプおよび前記第2ポンプの少なくとも一方により循環する第1連続流路が形成される圧縮機熱源モードと、
    前記高圧側熱交換器、前記温調機器、前記低圧側熱交換器と前記低圧側バイパス経路との少なくとも一方、および前記室外熱交換器を前記熱媒体が前記第1ポンプおよび前記第2ポンプの少なくとも一方により循環する第2連続流路が形成される蓄熱利用除霜モードと、を備えるとともに、
    前記温調システムが装備される車両の走行または走行停止の状態に関する切替情報が所定の切替条件に該当すると、前記ヒートポンプモードまたは前記圧縮機熱源モードから、前記蓄熱利用除霜モードへと前記運転モードを切り替えるように構成される制御装置を備える、
    車両用温調システム。
  2. 前記蓄熱利用除霜モードでは、前記蓄熱利用除霜モードへの切替前に前記熱媒体に蓄えられた熱が前記室外熱交換器の除霜に利用される、
    請求項1に記載の車両用温調システム。
  3. 前記切替情報は、前記室外熱交換器を通過する空気の風速に相当し、
    前記切替条件は、前記風速が所定の風速に対して低いことに相当する、
    請求項1に記載の車両用温調システム。
  4. 前記切替情報は、前記車両の走行速度に相当し、
    前記切替条件は、前記走行速度が所定の走行速度に対して低いことに相当する、
    請求項1に記載の車両用温調システム。
  5. 前記切替情報は、前記車両の電源の状態に相当し、
    前記切替条件は、前記電源の状態として主電源オフが選択されることに相当する、
    請求項1に記載の車両用温調システム。
  6. 前記制御装置は、
    停車時の前記車両の現在位置に関する停車地情報が所定の登録地に該当し、かつ、前記車両の電源の状態が前記切替条件に該当すると、前記蓄熱利用除霜モードを実施するように構成される、
    請求項1に記載の車両用温調システム。
  7. 前記制御装置は、
    前記車両の電源が投入されて以降、前記ヒートポンプモードから前記圧縮機熱源モードに移行したことの履歴情報が存在し、かつ、前記切替情報が前記切替条件に該当すると、前記蓄熱利用除霜モードを実施するように構成される、
    請求項1に記載の車両用温調システム。
  8. 前記制御装置は、
    前記室外熱交換器の除霜の要否を判定した結果が要であって、かつ、前記切替情報が前記切替条件に該当すると、前記蓄熱利用除霜モードを実施するように構成される、
    請求項1に記載の車両用温調システム。
  9. 前記制御装置は、
    前記蓄熱利用除霜モード時には、前記ヒートポンプモード時に設定される第1回転数よりも大きい第2回転数を前記第1ポンプおよび前記第2ポンプの少なくとも一方に与えるように構成される、
    請求項1に記載の車両用温調システム。
  10. 前記蓄熱利用除霜モードでは、
    前記低圧側熱交換器、前記室外熱交換器、前記高圧側熱交換器、および前記温調機器の順に前記熱媒体が前記第2連続流路を循環する、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用温調システム。
  11. 前記制御装置は、
    前記蓄熱利用除霜モード時に、前記室外熱交換器の除霜の可否に関する終了情報が所定の終了条件に該当すると、前記熱媒体の循環を停止させるように構成される、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の車両用温調システム。
  12. 前記終了情報は、前記熱媒体の温度に相当し、
    前記終了条件は、前記熱媒体の温度が所定温度に対して低いことに相当する、
    請求項11に記載の車両用温調システム。
  13. 前記終了情報は、前記蓄熱利用除霜モードの開始時からの時間に相当し、
    前記終了条件は、前記時間が所定時間を経過することに相当する、
    請求項11に記載の車両用温調システム。
  14. 前記制御装置は、
    前記蓄熱利用除霜モード時に、前記熱媒体の循環を停止させると、前記室外熱交換器に送風する室外送風機の回転数を増加させるように構成される、
    請求項11に記載の車両用温調システム。
  15. 車両用の温調システムを用いる温調方法であって、
    前記温調システムは、
    圧縮機、高圧側熱交換器、減圧部、および低圧側熱交換器を含み、冷凍サイクルに従って冷媒が循環可能に構成される冷媒回路と、
    前記冷媒に対して熱を授受する熱媒体が循環可能に構成される熱媒体回路と、を備え、
    前記熱媒体回路は、
    前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる前記高圧側熱交換器と、
    前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる前記低圧側熱交換器と、
    前記低圧側熱交換器から前記熱媒体を迂回させる低圧側バイパス経路と、
    前記熱媒体を圧送可能に構成される第1ポンプおよび第2ポンプと、
    外気と前記熱媒体とを熱交換させる室外熱交換器と、
    前記室外熱交換器から前記熱媒体を迂回させる室外バイパス経路と、
    前記熱媒体により加熱または冷却される、または温調対象の加熱または冷却に用いられる温調機器と、を含み、
    前記温調システムは、運転モードとして、
    前記低圧側熱交換器および前記室外熱交換器を前記熱媒体が前記第1ポンプにより循環する第1回路と、前記高圧側熱交換器および前記温調機器を前記熱媒体が前記第2ポンプにより循環する第2回路とが形成されるヒートポンプモードと、
    前記高圧側熱交換器、前記温調機器、前記低圧側熱交換器、および前記室外バイパス経路を前記熱媒体が前記第1ポンプおよび前記第2ポンプの少なくとも一方により循環する第1連続流路が形成される圧縮機熱源モードと、
    前記高圧側熱交換器、前記温調機器、前記低圧側熱交換器と前記低圧側バイパス経路との少なくとも一方、および前記室外熱交換器を前記熱媒体が前記第1ポンプおよび前記第2ポンプの少なくとも一方により循環する第2連続流路が形成される蓄熱利用除霜モードと、を備え、
    前記温調方法は、
    前記温調システムが装備される車両の走行または走行停止の状態に関する切替情報が所定の切替条件に該当すると、前記ヒートポンプモードまたは前記圧縮機熱源モードから、前記蓄熱利用除霜モードへと前記運転モードを切り替えることで、
    前記蓄熱利用除霜モードへの切替前に前記熱媒体に蓄えられた熱を前記室外熱交換器の除霜に利用する、
    車両用温調方法。
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