JP2024042863A - 積込機械及び管制装置 - Google Patents

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Teppei Saito
匡士 小谷
Tadashi Kotani
理優 成川
Ryu Narikawa
英史 石本
Hidefumi Ishimoto
英明 伊東
Hideaki Ito
慧 佐藤
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Abstract

Figure 2024042863000001
【課題】積込作業の完了後に運搬車両を速やかに発進させ、現場の生産性を向上させる。
【解決手段】車体と、前記車体に取り付けた作業装置と、運搬車両と直接又は管制装置を介して通信する通信装置と、前記運搬車両への運搬物の積込完了を判定し、前記通信装置を介して前記運搬車両に発進指令を出力するコントローラとを備えた積込機械において、前記コントローラは、前記運搬車両の運搬動作に関する特性を示す情報を含む型式データに基づき、前記運搬車両が発進準備を開始してから発進可能な状態になるまでの所要発進準備時間を推定し、前記積込機械の稼働状態データに基づき、現在時刻から前記運搬車両への運搬物の積込完了までに要する残り積込時間を推定し、前記残り積込時間と前記所要発進準備時間との差分時間を演算し、前記差分時間が予め設定した設定値を下回った段階で、前記通信装置を介して前記運搬車両に発進準備指令を出力する積込機械を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、運搬車両に運搬物を積み込む油圧ショベル等の積込機械及び管制装置に関する。
近年、油圧ショベルの自動化、半自動化が進められている。油圧ショベルの動作を一部自動化することにより、オペレータの負担が軽減される。油圧ショベルには、掘削した土砂等の運搬物をダンプトラック等の運搬車両に積み込む積込機械としての側面がある。鉱山等では無人の運搬車両が運用される場合があり、この場合には、油圧ショベルと運搬車両との連携機能が必要になる。
油圧ショベルと運搬車両との連携機能として、運搬車両に対する運搬物の積載量に基づいて積込作業の進捗を判定し、積込作業が完了したら運搬車両に発進を指令する油圧ショベルが知られている(特許文献1)。
特開2020-20156号公報
しかし、運搬車両は、原動機の回転数を所定回転数まで上げたりパーキングブレーキを解除したりするための発進準備時間を要し、指令を受けてから実際に発進できる状態になるまでに時間を要する。特許文献1に記載された技術においても、油圧ショベルによる積込作業の完了後に、運搬車両の発進準備に伴う無駄時間が発生する。この無駄時間は現場の機械稼働率を低下させ、ひいては生産性を低下させる。
本発明の目的は、積込作業の完了後に運搬車両を速やかに発進させ、現場の生産性を向上させることができる積込機械及び管制装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、車体と、前記車体に取り付けられて運搬車両へ運搬物の積込作業を行う作業装置と、運搬車両と直接又は管制装置を介して通信する通信装置と、前記運搬車両への運搬物の積込完了を判定し、前記通信装置を介して前記運搬車両に発進指令を出力するコントローラとを備えた積込機械において、前記コントローラは、前記運搬車両の運搬動作に関する特性を示す情報が含まれた型式データを記憶又は受信し、前記型式データに基づき、前記運搬車両が発進準備を開始してから発進可能な状態になるまでの所要発進準備時間を推定し、前記積込機械の稼働状態データである積込機械側稼働状態データに基づき、現在時刻から前記運搬車両への運搬物の積込完了までに要する残り積込時間を推定し、前記推定した残り積込時間と前記所要発進準備時間との差分時間を演算し、前記演算した差分時間が予め設定した設定値を下回った段階で、前記通信装置を介して前記運搬車両に発進準備指令を出力する積込機械を提供する。
本発明によれば、積込作業の完了後に運搬車両を速やかに発進させ、現場の生産性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る積込機械の一例である油圧ショベルの模式図 本発明の第1実施形態に係る積込機械が稼働する作業現場の一例を表す模式図 本発明の第1実施形態に係る積込機械に備わったコントローラの主要な機能を表すブロック図 本発明の第1実施形態に係る積込機械に備わったコントローラによる発進指令出力の処理手順を表すフローチャートの一例 本発明の第1実施形態に係る積込機械と連携する運搬車両の動作を示すタイミングチャートの一例 本発明の第1実施形態に係る積込機械に備わったコントローラからの表示指令により運搬車両の表示装置に表示される画面の一例 本発明の第2実施形態に係る積込機械に備わったコントローラの主要な機能を表すブロック図 本発明の第2実施形態に係る積込機械に備わったコントローラによる所要発進準備時間の更新手順を表すフローチャートの一例 本発明の第3実施形態に係る管制装置の主要な機能を表すブロック図
以下、積込機械の例として自動運転可能な大型の油圧ショベルに発明を適用した実施形態を説明する。但し、本発明は、運搬車両と連携する積込機械全般に適用可能であり、例えば大型の油圧ショベルよりも車格の小さな中型以下の油圧ショベルの他、クレーン車やブルドーザ、ホイールローダ等といった油圧ショベルの以外の積込機械にも適用可能である。また、運搬車両としては、ダンプトラックの他、キャリアクローラ等のクローラ式の車両も適用され得る。
(第1実施形態)
(1)積込機械
図1は本発明の第1実施形態に係る積込機械の一例である油圧ショベルの模式図である。同図に示した油圧ショベル1は、車体10及びフロント作業機20を含んで構成されている。車体10は、走行体11及び旋回体12を含んで構成されている。
走行体11には、遊動輪であるアイドラ13と、駆動輪であるドライブタンブラ14と、アイドラ13及びドライブタンブラ14に掛け回された無限軌道履帯15とを有する左右のクローラ(走行装置)16が備わっている。左右の走行モータ(不図示)によりドライブタンブラ14が駆動され、アイドラ13とドライブタンブラ14との間で無限軌道履帯15が周回することにより、油圧ショベル1が走行する。走行モータには、例えば油圧モータが用いられる。
旋回体12は、走行体11の上部に旋回装置(不図示)を介して左右に旋回可能に設けられている。旋回体12を走行体11に対して連結する旋回装置には、旋回モータ(不図示)が含まれており、旋回モータを駆動することによって走行体11に対して旋回体12が左回り又は右回りに旋回する。旋回モータには例えば油圧モータが用いられる。旋回体12の前部(本実施形態では前部左側)には、オペレータが搭乗する運転室18が設けられている。また、旋回体12には、原動機や油圧システム等が搭載される。
フロント作業機20は、土砂の掘削等の作業を行うための多関節アーム型の作業装置であり、旋回体12の前部(本実施形態では運転室18の右側)に取り付けられている。フロント作業機20は、運搬車両への運搬物の積込作業に用いられる。このフロント作業機20は、ブーム21、アーム22及びバケット23を含んで構成されている。なお、運搬物は、油圧ショベル1等の積込機械により運搬車両に積み込まれる物体であり、土砂や瓦礫の他、建築物その他の解体物、鉱石、木材チップ等、様々なものが含まれ得るが、これ以降の実施形態の説明において、運搬物を土砂で代表する。
ブーム21は、旋回フレームと呼ばれる旋回体12のベースフレームに回動自在に連結されており、ブームシリンダ24によって駆動されて旋回体12に対して上下に回動する。ブームシリンダ24の両端は、ブーム21及び旋回体12に回動自在に連結されている。アーム22は、ブーム21の先端に回動自在に連結されており、アームシリンダ25によって駆動されてブーム21に対して前後に回動する。アームシリンダ25の両端は、アーム22及びブーム21に回動自在に連結されている。バケット23は、アーム22の先端に回動自在に連結されており、バケットシリンダ26によって駆動されてアーム22に対して上下に回動する。バケットシリンダ26の両端は、ブーム21及びバケット23に回動自在に連結されている。
油圧ショベル1には、駆動システム31、姿勢センサ32(図3)、積込量センサ33(図3)、測位センサ34(図3)、通信装置35、コントローラ40が備わっている。
駆動システム31は、フロント作業機20や走行体11,旋回体12等の油圧ショベル1の駆動部品を駆動するためのシステムである。駆動システム31は、油圧ポンプ等の油圧機器やこれら油圧機器を制御する電気機器、油圧配管、信号線等で構成される。
姿勢センサ32は、油圧ショベル1の稼働状態データ(積込機械側稼働状態データ)の1つとして、フロント作業機20の姿勢を検出するセンサである。姿勢センサ32としては、例えば旋回体12に対するブーム21の角度を検出する角度センサ、ブーム21に対するアーム22の角度を検出する角度センサ、アーム22に対するバケット23の角度を検出する角度センサを用いることができる。その他、重力方向を基準とする加速度計(例えばIMU)をブーム21、アーム22、バケット23にそれぞれ設け、これら加速度計を姿勢センサ32として用いることもできる。姿勢センサ32の出力に基づき、フロント作業機20の姿勢、具体的にはブーム21、アーム22、バケット23の各角度やバケット23の位置等が、コントローラ40により演算される。
積込量センサ33は、油圧ショベル1の稼働状態データの1つとして、バケット23に掬い込まれた土砂等、フロント作業機20に積載されて運搬車両101(図2)に積み込まれる土砂の重量である積込重量を検出するセンサである。積込量センサ33としては、例えばブームシリンダ24のシリンダ室の圧力を測定する圧力計を用いることもがきる。姿勢センサ32の出力から求めたバケット23の位置と共に積込量センサ33の出力を基礎とすることにより、バケット23に掬い込んだ積込重量が、コントローラ40により演算される。
測位センサ34は、車体10の位置を検出するセンサである。測位センサ34は、例えばRTK-GNSS(Real Time Kinematic - Global Navigation Satellite System)といった測位装置である。車体10に設置したアンテナ(不図示)のグローバル座標系の位置データが測位センサ34で取得される。アンテナを2本設置することで、2本のアンテナの位置データから車体10(旋回体12)の方位データもコントローラ40で演算できる。測位センサ34で取得される車体10の位置は、厳密には車体10に設置されたアンテナの位置であるが、車体10の既知の寸法データを用いて車体10の特定位置(例えば車体10の旋回中心位置)に自在に変換可能である。特に図示していないが、基準局GNSS(不図示)からの補正データを受信する無線機が油圧ショベル1に搭載される場合もある。この無線機が用いられる場合は、無線機で受信した補正データを用いて車体10の位置データが補正される。
通信装置35は、運搬車両の通信装置135(図2)や基地局BSの管制装置200(図2)と適宜無線接続されており、運搬車両の通信装置135や管制装置200との間で、指令、通知、表示等に係る各種データや機体の稼働状態データを双方向通信する。通信装置35は、必要に応じて中継器(不図示)を介して運搬車両の通信装置135や管制装置200と接続される場合もある。
コントローラ40は、油圧ショベル1に搭載された車載コンピュータであり、オペレータの操作によらず駆動システム31に指令信号を出力し、油圧ショベル1を自動運転する機能を備えている。コントローラ40は、信号線を介して駆動システム31及び通信装置35に接続されており、駆動システム31に制御信号を出力したり、通信装置35を介して運搬車両の通信装置135との間でデータを授受したりすることができる。
コントローラ40には、運搬車両101への土砂の積込完了を判定し、積込完了に伴って運搬車両101に発進指令を出力する機能と、積込完了後に運搬車両101が速やかに発進できるように発進指令に先行して発進準備指令を出力する機能が備わっている。発進指令や発進準備指令は、通信装置35を介して油圧ショベル1のコントローラ40から直接運搬車両101に伝達されるが、コントローラ40から管制装置200(図2)に出力され、管制装置200を介して運搬車両101に送信されるようにしても良い。また、運搬車両101への発進指令は、運搬車両101の強制発進を指令する信号には限定されない。土砂の積込完了に伴う発進許可通知、例えば運搬車両101の走行が管制装置200による管制に従うことを前提とする場合において管制装置200からの発進の許可とアンド条件で運搬車両101の発進指令をなす通知も、発進指令に含まれるものとする。この点は、運搬車両のプログラムによる。油圧ショベル1のコントローラ40の機能や処理手順については後述する。
(2)作業現場
図2は本発明の第1実施形態に係る積込機械が稼働する作業現場の一例を表す模式図である。図2に示す作業現場において、油圧ショベル1の土砂Sの掘削場所の付近に運搬車両101,102が停車している。運搬車両101は、油圧ショベル1により土砂Sが積み込まれている最中の車両であり、油圧ショベル1のフロント作業機20の旋回半径の内側に荷台が位置するように停車している。運搬車両102は、運搬車両101に対する土砂S積込が完了するのを待つ待機車両であり、運搬車両101と同様の構成である。
運搬車両101,102には、車載コンピュータであるコントローラ110や通信装置135、測位センサ(GNSS)が備わっている。油圧ショベル1及び運搬車両101,102の互いのコントローラ110は、通信装置35,135を介して相互に無線通信可能であり、双方向にダイレクトにデータ通信することができる。但し、油圧ショベル1と運搬車両101,102が直接的にデータ通信する構成に限らず、前述した通り基地局BSに設置された管制装置200を介してデータ通信する構成であっても良い。
図2に示した作業現場において、例えば、油圧ショベル1はフロント作業機20を駆動して運搬物である土砂Sを掘削し、掘削した土砂Sを運搬車両101に積み込む。油圧ショベル1は、運搬車両101が満積載になるまで掘削及び積込の動作を数回繰り返す。運搬車両101が満積載状態になったとコントローラ40で判定すると、油圧ショベル1は通信装置35を介して運搬車両101に発進指令を出力する。通信装置135を介して発進指令を受信すると、運搬車両101は発進し油圧ショベル1による土砂Sの積込場所から離脱する。その後、油圧ショベル1の近くで待機している運搬車両102が移動して油圧ショベル1の付近に停車し、油圧ショベル1は掘削した土砂Sを運搬車両102に積み込む。その間、次の運搬車両が待機場所に到着する。作業現場では、こうした一連の工程が繰り返し行われる。
(3)コントローラ
図3は本発明の第1実施形態に係る積込機械に備わったコントローラ40の主要な機能を表すブロック図である。
コントローラ40は、信号線を介して通信装置35と接続されており、通信装置35を介し、運搬車両の型式データ、稼働状態データ(運搬車両側稼働状態データ)、位置データを運搬車両101から運搬車両情報として受信する。
型式データは、運搬車両101の機種や型式など、運搬車両101の運搬動作に関する特性(例えば仕様)を特定するための情報が含まれたデータであり、例えば運搬車両101のコントローラ110に登録、記憶又は受信されたデータである。例えば、型式データは、運搬車両101の機種名、型式コード、動力源や各種機器の仕様、走行加速度や走行速度に関する仕様、積載可能な運搬物の重量、などが含まれる。
運搬車両側稼働状態データには、原動機停止中、原動機アイドリング回転中、走行中、放土中といった状態の他、原動機回転数、パーキングブレーキのオンオフといった、運搬車両101の現在の稼動状態に関する各種データ(情報)が含まれる。これら運搬車両側稼働状態データは、運搬車両101の原動機やアクチュエータ、油圧ポンプ等の動作に応じて変動する状態量を運搬車両に搭載されたセンサ(回転センサ、圧力センサ、ポテンショメータ等)で検出して得られる。
位置データは、運搬車両101の現在の位置や姿勢(方位)のデータであり、運搬車両101の測位センサで取得される。
また、コントローラ40には、姿勢センサ32、積込量センサ33、測位センサ34、及び駆動システム31が、信号線を介して接続されている。コントローラ40は、姿勢センサ32、積込量センサ33、及び測位センサ34の出力から、油圧ショベル1のフロント作業機20の姿勢や位置、バケット23に掬い込んだ土砂Sの重量、旋回体12の位置や方位を、積込機械情報として入力又は演算する。
ここで、前述した通り、コントローラ40には、運搬車両101への土砂Sの積込完了に伴って運搬車両101に発進指令を出力する機能と、積込完了後に運搬車両101が速やかに発進できるように発進指令に先行して発進準備指令を出力する機能が備わっている。これら機能の詳細として、コントローラ40には、発進準備指令タイミング演算40a、発進準備指令出力40b、積込完了判定40c、干渉防止制御40d、及び発進指令出力40eの各機能が備わっている。以下、これら機能について説明する。
(3.1)発進準備指令タイミング演算40a
発進準備指令タイミング演算40aは、運搬車両101への土砂Sの積込完了にタイミングを合わせて運搬車両101の発進準備が完了するように、油圧ショベル1が運搬車両101に対する発進準備指令を出力するタイミングを算出する機能である。発進準備指令タイミング演算40aには、発進準備時間推定40a1、残り積込時間推定40a2、及び差分時間演算40a3の機能が含まれる。
(3.1.1)発進準備時間推定40a1
発進準備時間推定40a1は、運搬車両101の型式データに基づき、運搬車両101が発進準備を開始してから発進可能な状態になるまでの所要発進準備時間T1を推定する機能である。所要発進準備時間T1は、例えば運搬車両の原動機回転数の上昇やブレーキ解除等に要する時間である。コントローラ40に備わった又は接続された記憶装置(例えば図7の記憶装置40f)には、運搬車両の各型式データに対応する所要発進準備時間T1が、運搬車両の稼働状態毎に予め規定値として設定されたテーブルが記憶されている。運搬車両の稼働状態は、運搬車両の原動機停止中、原動機アイドリング回転中、パーキングブレーキのオン/オフ等である。毎に予め規定値として設定されたテーブルが記憶されている。コントローラ40は、発進準備時間推定40a1の機能を実行する際、記憶装置からこのテーブルを読み出し、受信した運搬車両101の型式データ及び稼働状態データに基づき所要発進準備時間T1の推定値を設定する。
この他、運搬車両の型式データ、運搬車両側稼働状態データ、所要発進準備時間T1の関係を規定したテーブルを参照して所要発進準備時間T1を推定する方法に代え、運搬車両側稼働状態データを基に所要発進準備時間T1を見積演算する方法を採用しても良い。例えば、運搬車両101の原動機回転数やブレーキのオンオフ等の稼働状態データを基に所要発進準備時間T1を演算するようにコントローラ40をプログラムする。この場合、コントローラ40は、通信装置35を介して受信した運搬車両101の型式データ及び稼働状態データを入力し、プログラムに従って、運搬車両101の型式データ及び稼働状態データに基づき、所要発進準備時間T1の推定値を演算する。
(3.1.2)残り積込時間推定40a2
残り積込時間推定40a2は、積込機械側稼働状態データである油圧ショベル1の稼働状態データに基づき、現在時刻から運搬車両101への土砂Sの積込完了までに要する残り積込時間T0を推定する機能である。前述した通り、コントローラ40には、姿勢センサ32で検出されたフロント作業機20の姿勢データ、及び積込量センサ33で検出された積込重量が、油圧ショベル1の稼働状態データとして入力される。コントローラ40は、残り積込時間推定40a2の機能を実行するに当たり、例えば、まず通信装置を介して受信した運搬車両101の位置データに基づき、運搬車両101の車体10との相対位置を演算する。そして、コントローラ40は、運搬車両101の相対位置、フロント作業機20の姿勢データ、及び積込重量に基づき、残り積込時間T0を演算する。
例えば、1回の掘削積込動作で運搬車両101に積み込んだ積込量は、姿勢データから求めた車体10に対するバケット23の距離と積込量センサ33の出力とに基づき演算することができる。これに伴い、運搬車両101への土砂Sの積込量の積算値と運搬車両101の満積載量(規定値)との差分から、満積載までの残り積込量を演算することができる。残り積載量が演算されたら、バケット23の容積(規定値)に基づき、現在から運搬車両101が満積載状態になるまでに要する土砂Sの掘削積込動作の回数Nが特定される。また、運搬車両101と車体10との相対位置が特定されることで、1回当たりの掘削積込動作のフロント作業機20(例えばバケット23)の軌道及びその距離D1を演算することができる。距離D1と回数Nに基づき、現在から運搬車両101が満積載状態になるまでのフロント作業機20の合計軌道とその総距離D2が求められる。そして、旋回速度や掘削速度(規定値又は実測値)から総距離D2だけフロント作業機20が動作するのに要する時間を、残り積込時間T0として求めることができる。このとき、積込量センサ33により計測される土砂Sの積込量(重量)に基づき、油圧ショベル1の旋回動作時の慣性モーメントを算出することができ、旋回動作の加減速を加味して残り積込時間T0を正確に演算することができる。
コントローラ40は、運搬車両101が満積載状態になるまで、本実施形態では残り積込時間T0が予め設定した閾値Ts2を下回るまで、残り積込時間T0に係る一連の演算を逐次演算し、カウントダウンする。閾値Ts2は、短時間(例えば1s程度)を規定する正の実数である。
(3.1.3)差分時間演算40a3
差分時間演算40a3は、残り積込時間推定40a2の機能で推定した残り積込時間T0と、発進準備時間推定40a1の機能で推定した所要発進準備時間T1との差分時間Tdを演算する機能である。例えば、差分時間Tdは次式で算出することができる。
Td=T0-T1…(式1)
本実施形態では、運搬車両101への土砂Sの積込完了の推定時刻よりも所要発進準備時間T1だけ遡った時刻に発進準備指令を出力することを意図するため、差分時間Tdは現在時刻から発進準備指令を出するタイミングまでの残り時間と言える。
(3.2)発進準備指令出力40b
発進準備指令出力40bは、差分時間演算40a3の機能で演算した差分時間Tdが予め設定した設定値Ts1を下回ったかを判定し、差分時間Tdが設定値Ts1を下回った段階で、通信装置35を介して運搬車両101に発進準備指令を出力する機能である。設定値Ts1は、短時間(例えば1s程度)を規定する正の実数である。発進準備指令を受信した運搬車両101は、土砂Sの積込完了に先行して速やかに発進準備を開始し、例えば原動機回転数を上昇させたりパーキングブレーキを解除したりする。
(3.3)積込完了判定40c
積込完了判定40cは、運搬車両101が満積載状態になり運搬車両101に対する土砂Sの積込が完了したかを判定する機能である。本実施形態において、コントローラ40は、積込完了判定40cの機能を実行するに当たり、残り積込時間T0が予め設定した閾値Ts2を下回ったかどうかを判定する。
(3.4)干渉防止制御40d
干渉防止制御40dは、運搬車両101が発進する際に油圧ショベル1のフロント作業機20と運搬車両101との接触を回避すべく、駆動システム31に指令信号を出力してフロント作業機20を駆動する機能である。例えば、コントローラ40は、運搬車両101の車体10との相対位置及びフロント作業機20の姿勢データに基づき、運搬車両101に対するフロント作業機20(例えばバケット23)の位置を演算する。コントローラ40は、演算したフロント作業機20の位置と運搬車両101の位置とに基づき、運搬車両101が発進するとフロント作業機20が発進する運搬車両101と干渉する位置にあるかを判定する。コントローラ40は、発進指令を出力する際に、フロント作業機20が運搬車両101と干渉する位置にある場合、駆動システム31に指令信号を出力し、運搬車両101に干渉しない位置にフロント作業機20を移動させる。
(3.5)発進指令出力40e
発進指令出力40eは、通信装置35を介して運搬車両101に発進指令信号を出力する機能である。コントローラ40は、積込完了判定40cの結果、運搬車両101が満積載状態になったと判定したら(例えば残り積込時間T0が予め設定した閾値Ts2を下回った段階で)、発進指令出力40eの機能を実行する。発進準備の完了に伴って発進指令を受信した運搬車両101は、発進して油圧ショベル1による土砂Sの積込場所から離脱する。
(4)フローチャート
図4は本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1に備わったコントローラ40による運搬車両101への発進指令出力の処理手順を表すフローチャートの一例である。コントローラ40は、油圧ショベル1による土砂Sの積込位置に新たに運搬車両が到着する度に、図4のフローを実行する。
ステップS101
コントローラ40は、運搬車両101又は管制装置200から油圧ショベル1による積込位置に運搬車両101が到着し停車したことを認識すると、図4のフローを開始する。フローを開始すると、コントローラ40は、駆動システム31に指令信号を出力して掘削積込動作を実行し、土砂Sを掘削し、掘削した土砂Sを運搬車両101に積み込む(ステップS101)。
ステップS102
掘削積込動作の開始に伴い、コントローラ40は、通信装置35を介して運搬車両101の型式データや稼働状態データを受信し、運搬車両101の発進準備に要する所要発進準備時間T1を推定する(ステップS102)。所要発進準備時間T1の演算手順は、発進準備時間推定40a1(図3)の機能として前述した通りである。
ステップS103
また、掘削積込動作中、コントローラ40は、現在時刻から運搬車両101が満積載になるまでに要する時間として残り積込時間T0を逐次演算し推定する(ステップ103)。残り積込時間T0の演算手順は、残り積込時間推定40a2(図3)の機能として前述した通りである。
ステップS104
残り積込時間T0を演算したら、コントローラ40は、所要発進準備時間T1と残り積込時間T0との差分時間Tdを演算し、発進準備開始指令を出力する適正なタイミングまでの現在時刻からの残り時間を演算する(ステップS104)。差分時間Tdの演算手順は、差分時間演算40a3(図3)の機能として前述した通りである。
ステップS105
差分時間Tdを演算したら、コントローラ40は、差分時間Tdを設定値Ts1と比較し、設定値Ts1よりも差分時間Tdが小さくなったかを判定する(ステップS105)。コントローラ40は、差分時間Tdが設定値Ts1以上であると判定すればステップS103に手順を戻し、差分時間Tdが設定値Ts1より小さくなるまでステップS103-S105の手順を繰り返す。
ステップS106
コントローラ40は、差分時間Tdが設定値Ts1より小さいと判定した場合、通信装置35を介して運搬車両101への発進準備指令信号を出力する(ステップS106)。これに伴い、運搬車両101は通信装置135を介して発進準備指令信号を受信し、発進準備指令信号に応じて発進準備(原動機回転数の上昇、パーキングブレーキの解除等)を開始する。ステップS105,S106の手順は、発進準備指令出力40b(図3)の機能に該当する。
ステップS107
発進準備指令信号の出力後、コントローラ40は、発進準備指令信号の出力時からの経過時間を基に残り積込時間T0をカウントダウンしつつ、残り積込時間T0が閾値Ts2よりも小さくなったかを判定する(ステップS107)。コントローラ40は、残り積込時間T0が閾値Ts2以上であると判定すればステップS107の手順を繰り返す。ステップS107の手順は、積込完了判定40c(図3)の機能に該当する。
ステップS108
残り積込時間T0が閾値Ts2を下回ったと判定したら、コントローラ40は、前述した干渉防止制御40d(図3)の機能を実行し、必要に応じて駆動システム31に指令してフロント作業機20を駆動する(ステップS108)。
ステップS109
残り積込時間T0が閾値Ts2を下回り、運搬車両101とフロント作業機20との干渉の懸念もない場合、通信装置35を介して運搬車両101への発進指令信号を出力し(ステップS109)、運搬車両101について図4のフローを終了する。これに伴い、運搬車両101は通信装置135を介して発進指令信号を発進準備が完了するタイミングで受信し、発進指令信号に応じて発進する。ステップS109の手順は、発進指令出力40e(図3)の機能に該当する。
(5)タイミングチャート
図5は本発明の第1実施形態に係る油圧ショベル1と連携する運搬車両101の動作を示すタイミングチャートの一例である。この図において、現在時刻t1に残り積込時間T0が演算され、現在時刻t1から残り積込時間T0が経過する時刻t3に油圧ショベル1による運搬車両101への土砂Sの積込作業が完了する場合を説明する。この場合、現在時刻t1の時点で既に演算されている所要発進準備時間T1だけ時刻t3から遡った時刻t2が、油圧ショベル1のコントローラ40が運搬車両101への発進準備指令を出力する適正なタイミングとなる。現在時刻t1から時刻t2までの時間が前述した差分時間Td、すなわち発進準備指令の適正な出力タイミングまでの残り時間となる。コントローラ40から、この後、時刻t2に発進準備指令が出力され、発進準備指令を受信した運搬車両101が発進準備を開始する。例えば時刻t2から時刻t3にかけて運搬車両101の原動機回転数が上昇し、また時刻t2から時刻t3までの所定のタイミング、例えば時刻t3にパーキングブレーキが解除され、土砂Sの積込作業が完了する時刻t3に運搬車両101の発進準備も完了する。また、時刻t3に油圧ショベル1のコントローラ40から運搬車両101に発進指令が出力される。発進指令を受信した運搬車両101は発進し、車両速度を上昇させて油圧ショベル1による土砂Sの積込場所から離脱する。
(6)運搬車両が有人車両の場合
図6は本発明の第1実施形態に係る積込機械に備わったコントローラからの表示指令により運搬車両101の表示装置に表示される画面の一例である。運搬車両101は、有人車両であっても無人車両であっても良い。運搬車両101が有人運転の場合、運搬車両101の運転室(例えば運転席の前方)に配置された表示装置105に、図6に例示するような発進準備開始のタイミングを運搬車両101のオペレータに通知する表示画面が表示されるようにすることが望ましい。例えば、ステップS104,S106の差分時間Tdの演算に伴い、発進準備指令を出力するタイミングを表示する表示画面(図6)のデータが差分時間Tdを基に生成され、通信装置35を介して運搬車両101に出力されるように、コントローラ40を構成する。図6は、油圧ショベル1から発進準備指令が出力されるまでの残り時間、及び発進指令が出力されるまでの残り時間が、カウントダウン表示される表示画面の例を表している。
この表示に従い、運搬車両101のオペレータは、発進予定時刻(積込完了時刻)までに、原動機回転数を上昇させたり、パーキングブレーキを解除したり、発進準備に必要な操作を行っておく。
(7)運搬車両が無人車両の場合
運搬車両101が、コントローラ110(図2)、つまり車載コンピュータにより自動運転される無人車両であるとする。この場合、運搬車両101が油圧ショベル1のコントローラ40から出力される発進準備指令を受信すると、発進準備指令に応じてコントローラ110の制御により発進準備が開始される。その後、油圧ショベル1のコントローラ40から出力される発進指令を受信すると、発進指令に応じてコントローラ110の制御により運搬車両101が発進する。
但し、発進準備指令に応じて開始した発進準備が完了するタイミングで土砂Sの積込が完了する前提の下、運搬車両101が、油圧ショベル1からの発進指令を待たずに発進準備完了後に自動的に発進するように、運搬車両101を構成することも可能である。
(8)効果
(8.1)生産性の向上
例えば、図2に示す作業現場において、満積載になった運搬車両101の発進が遅れると、待機している運搬車両102が油圧ショベル1に近付けない。運搬車両101の発進の遅れが無駄時間となり、運搬車両102への積込作業開始が遅れる。
それに対し、本実施形態では、図5に示す通り、油圧ショベル1による掘削積込動作の進捗に、積込完了とタイミングを合わせて運搬車両101の発進準備が完了するように、積込完了に先行して運搬車両101への発進準備指令が油圧ショベル1から出力される。これにより、油圧ショベル1による土砂Sの積込完了に先行して運搬車両101の発進準備が開始され、積込完了にタイミングを合わせて運搬車両101の発進準備が完了し、積込完了後速やかに運搬車両101を発進させることができる。こうして運搬車両101の発進の遅れによる無駄時間を短縮することができる。また、運搬車両101への発進準備指令は、オペレータの指示によらず油圧ショベル1から自動的に出力される。油圧ショベル1による運搬車両への土砂Sの積込は1日に多数繰り返されるため、積込作業1回当たりの運搬車両の発進遅れ時間が殆どなくなる又は大幅に短縮されることにより、現場の生産性を向上させることができる。
(8.2)コストの低減
また、単に運搬車両101の発進の遅れ時間を短縮するだけであれば、所要発進準備時間T1よりも長く見積もった時間だけ積込完了予定時刻よりも前に発進準備指令を出力することとしても良い。しかし、この場合には、運搬車両101の発進準備完了から発進までの時間が延び、運搬車両101は停車中であるにもかかわらず原動機回転数が不必要に高い状態を維持しなければならず、燃料の浪費等の問題が発生する。
それに対し、本実施形態によれば、積込完了に合わせて発進準備が完了するタイミングで発進準備指令が出力されるため、燃料の浪費を抑制することができ、生産性を向上させつつ作業現場の運用コストを抑えることができる。
(8.3)積込作業の効率化
干渉防止制御40d(図3)の機能により、仮に積込完了時にフロント作業機20が運搬車両101に干渉する位置にきても、干渉防止制御40dの機能により、発進する運搬車両101とフロント作業機20との干渉を自動的に回避することができる。そのため、例えば積込完了時に運搬車両101に干渉する位置でフロント作業機20が停止しないように、積込作業時のバケット23の軌道を運搬車両101に対して必要以上に高く設定する必要がない。掘削作業時のフロント作業機20の軌道を必要以上に大回りにする必要がないので、油圧ショベル1の動作の無駄を低減することができ、油圧ショベル1の燃費悪化抑制の効果や作業速度向上の効果が期待できる。
(8.4)有人車両への対応
運搬車両101が無人車両である場合、運搬車両101の自動制御機能と連携して発進準備指令の出力により運搬車両101の発進準備を開始させることができるが、運搬車両101が自動制御機能を持たない有人車両である場合も想定される。この場合でも、図8に例示したように発進準備指令を出力するタイミングを運搬車両101の表示装置105を介して運搬車両101のオペレータに通知することにより、オペレータに適切なタイミングで発進準備の走査を促すことができる。これにより、積込完了後速やかに運搬車両101を発進させることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、運搬車両101について型式データや稼働状態データに対応する所要発進準備時間T1が既知であることを前提とする。つまり、作業現場に運用例がない未知の機種の運搬車両が導入される場面で、未知の運搬車両について型式や仕様のデータがテーブルに規定されていない場合には、所要発進準備時間T1を推定することができない。また、既知の運搬車両であっても、テーブルに規定された所要発進準備時間T1と現実の適正値との差が大きい場合もあり得る。第2実施形態は、これらの点に対応する例である。
図7は本発明の第2実施形態に係る油圧ショベル1のコントローラ40の主要な機能を表すブロック図であり、第1実施形態の図3に対応する図である。図7において、第1実施形態と同一の又は対応する要素については既出図面と同符号を付して説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と相違する点は、発進準備時間推定40a1の機能に、実績をフィードバックしてテーブルを更新する機能が含まれる点である。
コントローラ40に備わった又は接続された記憶装置40fには、第1実施形態で触れた通り、運搬車両の各型式データに対応する所要発進準備時間T1が、運搬車両の稼働状態(原動機停止中等)毎に予め規定値として設定されたテーブルが記憶される。また、通信装置35を介して受信した運搬車両101の型式データが未知である場合、コントローラ40は、記憶装置40fに受信した型式データに係るテーブルを新たに作成し記録する。新たに作成するテーブルにおいて、運搬車両101の稼働状態毎の所要発進準備時間T1のデータについては、不明であるため最初は予め用意された規定値が登録される。
コントローラ40は、通信装置35を介して運搬車両101の稼働状態データとして、運搬車両101の原動機回転数やパーキングブレーキのオンオフ等のデータを逐次受信する。コントローラ40は、第1実施形態と同じく、受信した運搬車両101の型式データ等から所要発進準備時間T1を演算し、掘削積込作業の進捗に伴い、発進準備指令、発進指令を順次出力する。
本実施形態において、コントローラ40は、発進準備指令を出力した後、逐次受信する運搬車両101の稼働状態データを基に、運搬車両101に対する発進準備指令を出力してから当該運搬車両101が発進準備に実際に要した実績発進準備時間T1rを演算する。実績発進準備時間T1rとしては、例えば発進準備指令を出力してから、運搬車両101の原動機回転数が一定値以上で、かつパーキングブレーキが解除された状態となるまでの時間を演算することができる。
実績発進準備時間T1rを演算したら、コントローラ40は、発進準備指令の出力の基礎とした所要発進準備時間T1と実績発進準備時間T1rとの差(絶対値)を求め、この差が予め設定した基準値dsよりも小さいかを判定する。基準値dsは、短時間(例えば1s程度)を規定する正の実数である。所要発進準備時間T1と実績発進準備時間T1rとの差の大きさが予め設定した基準値dsよりも小さい場合、テーブルに規定された所要発進準備時間T1が妥当であることを意味する。この場合、コントローラ40は、記憶装置40fに記憶された運搬車両101に係るテーブルについて、所要発進準備時間T1の値を維持する。反対に、所要発進準備時間T1と実績発進準備時間T1rとの差の大きさが予め設定した基準値ds以上である場合、テーブルに規定された所要発進準備時間T1に過不足があることを意味する。この場合、コントローラ40は、記憶装置40fに記憶された運搬車両101に係るテーブルについて、所要発進準備時間T1を実績発進準備時間T1rに基づき更新する。
図8は本発明の第2実施形態における油圧ショベル1のコントローラ40による所要発進準備時間T1の更新手順を表すフローチャートの一例である。図8のフローチャートで表される所要発進準備時間T1の更新手順は、発進準備時間推定40a1の機能に含まれる。
ステップS102
コントローラ40は、運搬車両101が油圧ショベル1の積込位置に停車したことを認識すると、第1実施形態と同じく図4のフローを実行し、運搬車両101について所要発進準備時間T1を推定する(ステップS102)。運搬車両101の型式データが既知であれば、第1実施形態と同じように、記憶装置40fに既に記憶されているテーブルに従って所要発進準備時間T1が演算される。運搬車両101の型式データが未知であれば、コントローラ40により、所要発進準備時間T1を規定値とする新規のテーブルが当該型式データについて作成されて記憶装置40fに記録され、新規のテーブルに従って所要発進準備時間T1が演算される。
ステップS102a
所要発進準備時間T1を演算したら、コントローラ40は、図4のステップS103以降の処理を実行しつつ、運搬車両101への発進準備指令の出力(ステップS106)に伴い、発進準備指令出力時刻taを記憶装置40fに記録する(ステップS102a)。
ステップS102b
発進準備指令の出力後(発進準備指令出力時刻taの記録後)、コントローラ40は、実時間の運搬車両101の稼働状態データを基に、発進準備指令の出力後に運搬車両101の発進準備が実際に完了した発進準備完了時刻tbを算出する(ステップS102b)。
ステップS102c
発進準備完了時刻tbを算出したら、コントローラ40は、発進準備指令出力時刻taから発進準備完了時刻tbまでの時間、つまり実績発進準備時間T1r(=tb-ta)を演算する(ステップS102c)。
ステップS102d
実績発進準備時間T1rを算出したら、コントローラ40は、ステップS102で推定した所要発進準備時間T1と実績発進準備時間T1rとの差(|T1r-T1|)を演算し、その差が基準値dsより小さいかを判定する(ステップS102d)。所要発進準備時間T1と実績発進準備時間T1rとの差の大きさが基準値dsより小さいと判定すれば、コントローラ40は、運搬車両101について規定したテーブルの所要発進準備時間T1を変更することなく、図8のフローを終了する。
ステップS102e
所要発進準備時間T1と実績発進準備時間T1rとの差の大きさが基準値ds以上である場合、コントローラ40は、運搬車両101について規定したテーブルの所要発進準備時間T1を補正し更新して図8のフローを終了する(ステップS102e)。本例では、次式で補正値ΔTを演算し、補正値ΔTにより所要発進準備時間T1を補正する。
ΔT=T1r-T1-ds…(式2)
補正値ΔTが正の値である場合、ステップS102で推定された所要発進準備時間T1よりも実績発進準備時間T1rが長いことを意味する。この場合、コントローラ40は、運搬車両101について規定されたテーブルの所要発進準備時間T1からΔTの値を減算し、所要発進準備時間T1を減算後の値に更新する。一方で、補正値ΔTが負の値である場合、ステップS102で推定された所要発進準備時間T1よりも実績発進準備時間T1rが短いことを意味する。この場合、コントローラ40は、運搬車両101について規定されたテーブルの所要発進準備時間T1にΔTの値の絶対値を加算し、所要発進準備時間T1を加算後の値に更新する。
その他の点について、本実施形態は第1実施形態と同様である。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、型式が未知の運搬車両についての所要発進準備時間T1を演算し、発進準備指令を出力して運搬車両の発進の遅れ時間を抑制することができるメリットがある。また、運搬車両の型式に紐づけられた所要発進準備時間T1の値が妥当性を欠く場合には、実績値のフィードバックにより所要発進準備時間T1の値が更新され、所要発進準備時間T1の妥当性が実績の蓄積に伴って向上する。これにより、作業現場における実績の蓄積に伴って、所要発進準備時間T1の推定精度が向上し生産性が改善され得る。
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態では、油圧ショベル1に搭載されたコントローラ40により発進準備指令が出力される場合を例に挙げて説明したが、目的とする効果を得る上では、このような構成には必ずしも限定されない。例えば管制装置200(図2)等、油圧ショベル1や運搬車両101から離れた場所に設置されたコンピュータにより、発進準備指令や発進指令のタイミングが演算され、これら指令が運搬車両101に出力される構成とすることもできる。
図9は本発明の第3実施形態に係る管制装置の主要な機能を表すブロック図であり、第1実施形態の図3に対応する図である。図9において、第1実施形態又は第2実施形態と同一の又は対応する要素については既出図面と同符号を付して説明を省略する。
図9に示した管制装置200は、油圧ショベル1及び運搬車両101の各コントローラ40,110と、通信装置35,135を介して通信可能である。管制装置200は、運搬車両101から逐次送信される運搬車両101の型式データや稼働状態データ、位置データ等の各種データを受信する。また、管制装置200は、油圧ショベル1から逐次送信される油圧ショベル1の型式データや稼働状態データ、位置データ等の各種データも受信する。そして、管制装置200には、第1実施形態及び第2実施形態では油圧ショベル1のコントローラ40に備わっていた、発進準備指令タイミング演算40a、発進準備指令出力40b、積込完了判定40c、及び発進指令出力40eの各機能が備わっている。これら機能は第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
これにより、本実施形態においては、管制装置200において、油圧ショベルから受信した油圧ショベル1の稼働状態データに基づき、現在時刻から運搬車両101への運搬物の積込完了までに要する残り積込時間T0が推定される。また、管制装置200において、運搬車両101の型式データに基づき、運搬車両101が発進準備を開始してから発進可能な状態になるまでの所要発進準備時間T1が推定される。そして、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、差分時間Tdをカウントダウンしつつ、運搬車両101に対する発進準備指令や発進指令のタイミングの演算や出力を実行する。発進準備指令のタイミングの表示(図6)の機能も管制装置200に持たせることができる。干渉防止制御40d(図3)の機能は、管制装置200に持たせることもできるが、本例では油圧ショベル1のコントローラ40に持たせ、管制装置200から積込完了判定を受信してコントローラ40が実行する構成を例示している。その他、第2実施形態の所要発進準備時間T1の更新機能を管制装置200に備えることもできる。
その他の点について本実施形態は第1実施形態又は第2実施形態と同様であり、第1実施形態又は第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
1…油圧ショベル(積込機械)、10…車体、20…フロント作業機(作業装置)、32…姿勢センサ、33…積込量センサ、34…測位センサ、35…通信装置、40…コントローラ、40a1…発進準備時間推定機能、40a2…残り積込時間推定機能、40a3…差分時間演算機能、40b…発進準備指令出力機能、40d…干渉防止制御機能、101,102…運搬車両、135…通信装置、200…管制装置、105…表示装置、ds…基準値、t1…現在時刻、T0…残り積込時間、T1…所要発進準備時間、T1r…実績発進準備時間、Td…差分時間、Ts1…設定値、Ts2…閾値

Claims (9)

  1. 車体と、前記車体に取り付けられて運搬車両へ運搬物の積込作業を行う作業装置と、前記運搬車両と直接又は管制装置を介して通信する通信装置と、前記運搬車両への運搬物の積込完了を判定し、前記通信装置を介して前記運搬車両に発進指令を出力するコントローラとを備えた積込機械において、
    前記コントローラは、
    前記運搬車両の運搬動作に関する特性を示す情報が含まれた型式データを記憶又は受信し、前記型式データに基づき、前記運搬車両が発進準備を開始してから発進可能な状態になるまでの所要発進準備時間を推定し、
    前記積込機械の稼働状態データである積込機械側稼働状態データに基づき、現在時刻から前記運搬車両への運搬物の積込完了までに要する残り積込時間を推定し、
    前記推定した残り積込時間と前記所要発進準備時間との差分時間を演算し、
    前記演算した差分時間が予め設定した設定値を下回った段階で、前記通信装置を介して前記運搬車両に発進準備指令を出力する
    ことを特徴とする積込機械。
  2. 請求項1に記載の積込機械において、
    前記コントローラは、
    前記通信装置を介して、前記運搬車両の稼働状態に関する情報が含まれた稼働状態データである運搬車両側稼働状態データを受信し、
    前記型式データ及び前記運搬車両側稼働状態データに基づき、前記所要発進準備時間を推定する
    ことを特徴とする積込機械。
  3. 請求項1に記載の積込機械において、
    前記コントローラは、
    前記型式データ、前記運搬車両の稼働状態に関する情報が含まれた稼働状態データである運搬車両側稼働状態データ、前記所要発進準備時間の関係を規定したテーブルを記憶しており、
    前記通信装置を介して受信した前記型式データ及び前記運搬車両側稼働状態データを入力し、
    前記テーブルを参照し、前記型式データ及び前記運搬車両側稼働状態データに基づき、前記所要発進準備時間を推定する
    ことを特徴とする積込機械。
  4. 請求項3に記載の積込機械において、
    前記コントローラは、
    前記通信装置を介して前記運搬車両側稼働状態データを受信し、
    受信した前記運搬車両側稼働状態データに基づき、前記発進準備指令を出力してから前記運搬車両が発進準備に実際に要した実績発進準備時間を演算し、
    前記所要発進準備時間と前記実績発進準備時間との差が予め設定した基準値以上である場合、前記実績発進準備時間に基づき前記テーブルを更新する
    ことを特徴とする積込機械。
  5. 請求項1に記載の積込機械において、
    前記作業装置の姿勢を検出する姿勢センサと、
    前記作業装置に積載されて前記運搬車両に積み込まれる運搬物の重量である積込重量を検出する積込量センサと、
    前記車体の位置を検出する測位センサとを備え、
    前記コントローラは、
    前記姿勢センサで検出された前記作業装置の姿勢データ、及び前記積込量センサで検出された積込重量を、前記積込機械側稼働状態データとして入力し、
    前記通信装置を介して受信した前記運搬車両の位置データに基づき、前記運搬車両の前記車体との相対位置を演算し、
    前記運搬車両の相対位置、前記姿勢データ、及び前記積込重量に基づき、前記残り積込時間を推定する
    ことを特徴とする積込機械。
  6. 請求項5に記載の積込機械において、
    前記コントローラは、
    前記運搬車両の相対位置及び前記姿勢データに基づき、前記運搬車両に対する前記作業装置の位置を演算し、
    前記発進指令を出力する際に前記作業装置が前記運搬車両と干渉する位置にある場合、前記運搬車両に干渉しない位置に前記作業装置を移動させる
    ことを特徴とする積込機械。
  7. 請求項1に記載の積込機械において、
    前記コントローラは、前記残り積込時間が予め設定した閾値を下回った段階で、前記発進指令を出力することを特徴とする積込機械。
  8. 請求項1に記載の積込機械において、
    前記コントローラは、前記差分時間の演算に伴い、前記差分時間に基づき前記発進準備指令を出力するタイミングを表示する表示画面データを生成し、前記通信装置を介して前記表示画面データを前記運搬車両に出力することを特徴とする積込機械。
  9. 車体及び前記車体に連結した作業装置を備えた積込機械、及び前記積込機械に運搬物を積み込まれる運搬車両と、通信可能な管制装置において、
    前記積込機械から前記積込機械の稼働状態データである積込機械側稼働状態データを受信し、前記積込機械側稼働状態データに基づき、現在時刻から前記運搬車両への運搬物の積込完了までに要する残り積込時間を推定し、
    前記運搬車両の運搬動作に関する特性を示す情報が含まれた型式データを記憶又は受信し、前記型式データに基づき、前記運搬車両が発進準備を開始してから発進可能な状態になるまでの所要発進準備時間を推定し、
    前記推定した残り積込時間と前記所要発進準備時間との差分時間を演算し、
    前記演算した差分時間が予め設定した設定値を下回った段階で、前記運搬車両に発進準備指令を出力する
    ことを特徴とする管制装置。
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