JP2024042787A - 汚染水の放射性炭素除去方法および除去システム - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性物質を含んだ汚染水から放射性炭素(C14)を除去する放射性炭素除去方法を提供する。【解決手段】放射性炭素を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去方法であって、前記汚染水にアルカリ剤を添加して、前記汚染水のpHを9以上に調整して放射性炭素を炭酸イオン化するアルカリ剤添加工程と、前記アルカリ剤添加工程でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水に対して、水溶性のアルカリおよび/またはアルカリ土類の金属化合物を添加して、水不溶性または難溶性炭酸塩を生成させる金属化合物添加工程と、前記アルカリ剤添加工程でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水を分離膜に通水する分離膜通水工程と、前記金属化合物添加工程または分離膜通水工程で生成した不溶物を前記汚染水から分離する不溶物分離工程と、を有することを特徴とする放射性炭素除去方法。【選択図】図4

Description

本発明は、主に原子力施設から発生する放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する、放射性炭素除去方法および除去システムに関する。
放射性物質を含んだ汚染水を処理装置にて浄化しても、処理した水が放射性炭素を含んでいることがある。放射性炭素は、低濃度ではあるものの、できるだけ低減することが望ましい。
放射性炭素は炭酸イオンや重炭酸イオンの形態で存在していると推定されている。そのため、汚染水を酸性にすることで、放射性炭素を二酸化炭素としてガス化させて、アミン吸収法もしくは物理吸着法、膜分離法等既存の技術を使って、ガス化した放射性炭素を空気中から分離・濃縮・除去する方法がある。
しかし、上記の技術は、火力発電所等排ガス中二酸化炭素を対象に大掛かりな実証実験が進められており、理論的には適用可能と思われるが、放射性炭素をガス化させることは、万一の漏洩事故が起きた際に作業員の内部被爆リスクが高い。また、放射性炭素を含んだガスを環境中に拡散させないためには、本装置に特化した密閉構造設備等の安全用付帯設備が必要になる。
加えて、Global CCS Instituteの2021年の報告によれば、石炭火力排ガス(二酸化炭素濃度14%程度)の処理コストに対し、天然ガス火力排ガス(4%程度)の処理コストは、25~60%程度割高になるので、処理水(液中二酸化炭素濃度は0.04%(C14+C12)相当)への適用については、技術的にも困難、かつ、かなりの高コストになると予想される。しかも、DAC(Direct Air Capture)相当の濃度で(実際には気化の工程も必要)、まだまだ基礎研究レベルである。
低濃度の二酸化炭素水溶液を処理する方法として、原水を、「H塔」「脱炭酸塔」「OH塔」の順で処理する2床3塔方式の純水製造装置で「OH塔」でのアニオン交換樹脂の負荷を低減する方法として、H塔での陽イオン交換により原水が酸性となり、原水中の炭酸イオン、重炭酸イオンが二酸化炭素の形態に変化するので、ここに大量の空気を吹き込むことで、大部分の二酸化炭素を水中から放出させる方法が知られている。しかしながら、当該方法も放射性炭素をガス化させることとなるため、万一の漏洩事故が起きた際に作業員の内部被爆リスクが高い。また、放射性炭素を含んだガスを環境中に拡散させないためには、やはり本装置に特化した密閉構造設備等の安全用付帯設備が、追加で必要となる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、放射性物質を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去方法および除去システムを提供することを課題とする。
上記の課題に対し、本発明者らは、放射性炭素(C14)を含んだ汚染水(以下、「汚染水」と省略することがある。)をアルカリ性にして放射性炭素を炭酸イオンの形態で処理する方法に着目した。
その場合、処理の方法は、以下の3パターンが適用可能である。
(a)イオン交換樹脂で吸着除去する。
(b)アルカリ土類金属を添加して沈澱除去する。
汚染水→NaOH/CaCl添加→ろ過装置→CaCO沈澱(回収)
(c)逆浸透(RO)膜もしくはナノろ過(NF)膜で炭酸イオンを濃縮した後、アルカリ土類金属を添加して沈澱除去する。
汚染水→NaOH添加→濃縮装置→凝縮水→CaCl添加→ろ過装置→CaCO沈澱(回収)
いずれも、放射性炭素(C14)は水中に保持されるため、安全対策は従来の水処理設備を使用することができる。しかし、(a)法はその他の陰イオンも吸着してしまい効率が悪く、また廃棄物も増えてしまうという課題がある。そこで、(b)法および(c)法について検証試験を行った結果、いずれも、放射性炭素(C14)を充分除去することが可能であることがわかった。
(1)すなわち、本発明は、放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去方法であって、
前記汚染水にアルカリ剤を添加して、前記汚染水のpHを9以上に調整して放射性炭素を炭酸イオン化するアルカリ剤添加工程と、前記アルカリ剤添加工程でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水に対して、水溶性のアルカリおよび/またはアルカリ土類の金属化合物を添加して、水不溶性または難溶性炭酸塩を生成させる金属化合物添加工程と、前記金属化合物添加工程で生成した不溶物を前記汚染水から分離する不溶物分離工程と、を有することを特徴とする放射性炭素除去方法を提供する。
(2)また、本発明は、放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去方法であって、
前記汚染水にアルカリ剤を添加して、前記汚染水のpHを9以上に調整して放射性炭素を炭酸イオン化するアルカリ剤添加工程と、前記アルカリ剤添加工程でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水を分離膜に通水する分離膜通水工程と、前記分離膜に通水させ濃縮した汚染水に対して、水溶性のアルカリおよび/またはアルカリ土類の金属化合物を添加して、水不溶性または難溶性炭酸塩を生成させる金属化合物添加工程と、前記金属化合物添加工程で生成した不溶物を前記汚染水から分離する不溶物分離工程と、を有することを特徴とする放射性炭素除去方法を提供する。
(3)さらに、本発明は、放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去システムであって、
前記汚染水にアルカリ剤を添加して、前記汚染水のpHを9以上に調整して放射性炭素を炭酸イオン化するアルカリ剤添加部と、前記アルカリ剤添加工程でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水に対して、水溶性のアルカリおよび/またはアルカリ土類の金属化合物を添加して水不溶性または難溶性炭酸塩を生成させる金属化合物添加部と、前記金属化合物添加部で生成した不溶物を前記汚染水から分離する不溶物分離部と、を有することを特徴とする放射性炭素除去システムを提供する。
(4)またさらに、本発明は、放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去システムであって、
前記汚染水にアルカリ剤を添加して、前記汚染水のpHを9以上に調整して放射性炭素を炭酸イオン化するアルカリ剤添加部と、前記アルカリ剤添加部でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水を分離膜に通水する分離膜通水部と、前記分離膜に通水させ濃縮した汚染水に対して、水溶性のアルカリおよび/またはアルカリ土類の金属化合物を添加して水不溶性または難溶性炭酸塩を生成させる金属化合物添加部と、前記金属化合物添加部で生成した不溶物を前記汚染水から分離する不溶物分離部と、を有することを特徴とする放射性炭素除去システムを提供する。
放射性炭素を含んだ汚染水に、本発明の放射性炭素除去方法および除去システムを適用することにより、汚染水中の放射性炭素濃度を95%以上低減することが可能と見込まれる。特に分離膜を工程に組込むことにより、ろ液中の微細不溶物の除去および汚染水量の削減が可能になるため、分離膜通水工程を有しない方法に比べて、除染係数(汚染水の放射性炭素濃度を処理液の放射性炭素濃度で除した値)を高くすることができる。告示濃度比総和1未満の基準を安定してクリアできる可能性がある。
また、本発明の放射性炭素除去方法および除去システムは、放射性炭素を固体として回収可能であるため、気体が発生する技術や液体が発生する技術と比較して、漏洩時のリスクが低く、管理が容易である。
炭酸のpHによる存在形態の変化を示す図である。 請求項1に係る放射性炭素除去方法の一例を示す工程図である。 請求項2に係る放射性炭素除去方法の一例を示す工程図である。 分離膜を用いる放射性炭素除去システムの構成例を示す図である。
本発明の放射性炭素除去方法および除去システムは、放射性炭素を含んだ汚染水にアルカリ剤を添加し、前記汚染水をアルカリ性にすることにより、汚染水に含まれる放射性炭素を炭酸イオンとして濃縮し、水不溶性または難溶性炭酸塩として除去することで、汚染水中の放射性炭素濃度を低減させる方法およびシステムである。
本発明の放射性炭素除去方法および除去システムは、気体が発生しないため漏洩時のリスクが低い、膜処理後の処理水として汚染水の50%~87%程度の浄化が速やかに完了する等の利点がある。また、RO膜処理やNF膜処理は技術的に確立された方法であるため、環境面および技術面での安全性が高い。例えば、工業排水処理、海水の淡水化処理、食用の有価成分や色素等の精製・濃縮処理用として商用化された技術である。これらの技術に対して、本発明の特徴は、イオンや塩類等水以外の不純物は透過しない性質を生かして、炭酸イオンや重炭酸イオンの形態で存在していると推定されているC14をアルカリ性にすることで、確実にイオンの形態にとどめて濃縮するという点にある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の請求項1の放射性炭素除去方法(以下、「直接沈澱法」と称する)は、アルカリ剤添加工程、金属化合物添加工程および不溶物分離工程を有する。工程図の一例を図2に示す。
また、本発明の請求項2の放射性炭素除去方法(以下、「濃縮沈澱法」と称する)は、アルカリ剤添加工程の後流に、分離膜通水工程を有する。工程図の一例を図3に示す。システム構成例を図4に示す。
(アルカリ剤添加工程)
一般的に炭酸は、液pHが高くなると解離して重炭酸イオンと炭酸イオンを生成し、さらに液pHが高くなると炭酸イオンの比率が高くなることが知られている(図1参照)。本発明では、放射性炭素を含んだ汚染水に、アルカリ剤を添加し、前記汚染水をアルカリ性(pH9以上)にして、汚染水中の放射性炭素を重炭酸イオン(HCO )および炭酸イオン(CO 2-)の形態にする。
放射性炭素を含んだ汚染水にアルカリ剤を添加する場合、汚染水のpHが9未満であると、放射性炭素が炭酸イオンに解離し難くなることで、炭酸イオン生成量が減少する。そのため、後流のアルカリ土類金属添加工程において水不溶物が生成し難くなることで、汚染水に含まれる放射性炭素を低減させる(すなわち、除染係数を向上させる)ことが困難になる。
ここで、除染係数(DF:Decontamination Factor)は、汚染水の処理前濃度を、処理液濃度で除した値で表され、DFが大きいほど、除去率が高いことを意味する。
アルカリ剤としては、特に制限はないが、炭酸イオン生成量を多くすることができる点より、強塩基が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を好適に用いることができる。
アルカリ剤添加後の汚染水のpHは、除染係数を出来るだけ高める観点より、11以上にすることがより好ましい。より好ましくはpH12にすることが望ましい。また、pH12.5以上で全て炭酸イオン(CO 2-)の形態となるため、薬剤の使用量を必要以上に増やさないという観点および、装置や配管の腐食防止の観点より、pHの上限は12.5とすることが好ましい。
アルカリ剤を添加する汚染水の液温は、特に制限されず、一般的には0~40℃の範囲であれば問題ない。但し、低温域ではRO膜やNF膜の通水に、高い通水圧力が必要となり、高温域では膜の濃縮率が低下する恐れがあるため、10~30℃の範囲が望ましい。
(金属化合物添加工程)
アルカリ剤を添加し汚染水のpHが安定したことを確認した後、汚染水に、水溶性アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物(以下、これらを「金属化合物」と称することがある。)を添加し、汚染水中の炭酸イオンを炭酸塩として不溶化し沈澱させる。本工程では、炭酸イオンが、アルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属イオン(カルシウムイオン等)と反応して、主に水不溶性または難溶性の炭酸塩(CaCO等)が生成する。その他、硫酸塩が生成する。
アルカリ土類金属化合物としては、特に制限はないが、汚染水中の炭酸イオンや硫酸イオン等沈殿を生成するイオンの濃度に対して十分な量を溶解できる溶解度の塩で、かつ、炭酸塩の形態となった場合には溶解度が極力小さく沈殿回収率を高くできるという観点より、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化マンガンが挙げられ、また、アルカリ金属化合物としては、塩化リチウム、水酸化リチウムが挙げられる。取扱性および汚染水への溶解性に優れる点からは、塩化カルシウムや塩化マグネシウムが好ましい。これらの金属化合物は、粉状、粒状等を使用することができ、形態、純度等は特に制限されず、回収品等を使用することもできる。
上記の金属化合物は、後述する理論量以上を添加することが望ましい。これより少なくなると、沈殿物が十分に生成しない、沈殿物生成速度が遅い等の不都合が生じることがある。また、金属化合物の添加量が少ないと、沈澱物の生成および沈殿物生成速度が遅くなるため、廃水処理時の作業容易性、経済性等の点より、理論量の2~20倍量であることがより好ましい。金属化合物の添加量が多くなり過ぎると、その後の処理等の点で経済性が劣るため、理論量の5~10倍量であることが特に好ましい。
沈殿物が生成しない場合、あるいは、沈澱物生成速度が遅い場合等は、必要により、公知の沈澱助剤、凝集沈殿剤等を添加することができる。沈澱助剤および凝集沈殿剤の添加量は特に限定されず、従来公知の量範囲で使用することができる。
(不溶物分離工程)
不溶物分離工程では、金属化合物添加工程で生成した、水不溶物(主に炭酸カルシウム)を液分離する。金属化合物添加工程では、炭酸塩(炭酸カルシウム)の他に、硫酸塩(硫酸カルシウム)等が生成するので、これらをスラッジとして回収する。
なお、汚染水中の硫酸イオン濃度が1500ppm以下の場合、直接沈澱法では、硫酸カルシウムは生成するものの溶解度以下なので、沈殿として生成することはほとんどない。一方、後述する濃縮沈澱法では、炭酸イオン濃度と共に、硫酸イオン濃度も高くなるので、硫酸カルシウムが沈澱として生成する場合がある。
分離装置としては、公知のスラッジ分離装置、例えば、布製フィルター、フレコン、遠心分離機、デカンター装置等を用いることができる。得られたスラッジについては、さらにフィルタープレス、ベルトプレス、スクリュープレス等の処理を行い、スラッジを加圧しながら脱水して減容化する方法等を任意に採用してもよく、公知の脱水補助剤を併用してもよい。スラッジ保管容器は水素ベント機能を有することが望ましい。
スラッジ排水は、公知の方法によりを中和して浄化する。
本工程により、主として炭酸カルシウムを回収できると共に、ろ過水を浄化できる。ただし、炭酸カルシウム溶解度(25℃水)が15mg/Lであることを考慮すると、ろ過水中には炭酸カルシウムが溶存することがあるので、必要に応じて、ろ過水に公知の沈澱助剤、凝集沈澱剤等を添加して廃水処理を行うことが好ましい。
(分離膜通水工程)
本工程では、放射性炭素を炭酸イオン化した汚染水を分離膜に通水する。すなわち、本工程を、アルカリ剤添加工程と、金属化合物添加工程と、の間に有することにより、アルカリ剤添加により生成した炭酸イオンを含んだ汚染水を減容化することができる。また、分離膜の種類を選定することにより、汚染水の減容化、汚染水中の微細な不溶物の除去、炭酸イオン等の2価イオンに特化した膜透過阻止率の向上等が可能となる。
本発明の放射性炭素除去方法は、放射性炭素を含んだ汚染水に、アルカリ剤を添加することにより、汚染水をアルカリ性(pH9以上)にして、放射性炭素を重炭酸イオン(HCO )および炭酸イオン(CO 2-)の形態にする。本工程に供給する汚染水のpHは、分離膜の耐久性、耐アルカリ性等考慮すると、11以上であることがより好ましく、12.5以下であることが特に好ましい。
なお、放射性炭素含んだ汚染水を炭酸イオンにしない状態で濃縮工程に供給した場合、炭酸(HCO)は、CO+HO⇔HCOの平衡状態にあり、ほぼ溶存COの形で存在し、この形態でRO膜やNF膜を通過してしまうため、除染係数が低くなる不都合がある。
分離膜としては、水中のイオンや塩の濃縮に利用可能な“水処理用膜”であれば、特に制限なく使用することができる。例えば、水処理用膜としては、逆浸透(RO)膜(高圧RO膜、中圧RO膜、低圧RO膜、耐熱RO膜、低ファウリングRO膜)、ナノろ過(NF)膜(ルーズRO膜)、半透膜等が挙げられ、これらの分離膜から、目的に応じて、いずれか1以上を選択し使用する。また、分離膜の閉塞防止の目的で、微粉末等微細な不純物を除去することが可能な精密ろ過膜、限外ろ過膜等を前段に併用してもよい。
分離膜としては、汚染水量を減少し放射性炭素を高濃度で回収できる点、および、除去目的成分である炭酸イオンの透過を効果的に阻止することができる点で、逆浸透(RO)膜およびナノろ過(NF)膜が好ましい。特に、細孔による分離(サイズ分離)と膜表面の荷電による静電気的な分離効果が組み合わさり、2価イオンである炭酸イオンの分離性能を発揮することが可能なナノろ過膜は、本工程の最初に配置することが効果的である。具体的には、細孔の大きさが約1~50nmのナノろ過膜を用いることが好ましい。
また、汚染水容量を削減(減容化)する目的では、逆浸透膜を用いることが好ましい。逆浸透膜は液量を迅速に半減することが可能であり、高濃度の炭酸液を効率よく沈澱処理するのに適している。逆浸透膜を多段配置し、多段処理する(モジュール化する)ことにより、さらに効率的に汚染水容量を削減することが可能となる。汚染水の減容化とC14の濃縮を効率よく達成するためには、前記ナノろ過膜に通水する工程を行った後、逆浸透膜に通水する工程を行うことが好ましい。
分離膜の材質としては、例えば、ポリアミド系、スルホン化ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、シリカ系(有機無機ハイブリッドシリカ系、ゼオライト系)、酢酸セルロース系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリエチレン系、ポリテトラフルオロエチレン、および、それらを複合化したものが挙げられる。
膜の形状は特に限定されず、スパイラル型、中空糸型、円管型、平板型等が挙げられる。これらのうち、大きな膜面積が確保できるスパイラル型や、分離精度が高い中空糸型が好適と考えられる。
膜の厚さは特に限定されず、透水性、耐久性等の点から、1~500μmが好ましく、より好ましくは50~200μmである。
通水速度、通水量は、特に限定されず、スパイラル型、中空糸型、円管型、平板型等の膜の形状や、膜の面積によって任意に変えることができるので、汚染水の処理量として適切な値になるよう、膜モジュールの数等によって、適宜調整することができる。通水方式としては、全量ろ過方式とクロスフローろ過方式が知られており、大量の汚染水を迅速に処理するという点では、目詰まりが少ないクロスフローろ過方式が好適である。通水圧としては、特に限定されず、汚染水中の全てのイオン濃度を基に必要な圧を決定すればよい。0.3MPa~20MPa程度の超低圧から超高圧のRO膜等が知られているが、処理時間やC14の回収率等の点から、通常0.75MPaから10MPaが好適である。低圧すぎると十分な濃縮ができず、高圧すぎると、高い濃縮率が期待できる一方で、処理水側へのC14の漏洩量が多くなるという欠点がある。
本工程を採用することにより、汚染水中の炭酸イオン濃度を高め、処理が必要な汚染水の液量を大幅に減らすことができるので、汚染水の全量を酸性にした後ガス化してCOとして回収する方法に比べて、処理時間を短縮することができる。
また、分離膜通水工程により炭酸イオン濃度を高めた汚染水を酸性にした後、ガス化してCOとして回収する方法に供することも可能である。汚染水の炭酸イオン濃度が高くなることで、ガス化の設備費および処理費を削減することができる。また、直接沈澱法で除去する方法に比して、汚染水の全量を対象に沈殿処理を行う必要がないので、沈殿物のろ過に要する時間を短縮することができる。
得られた炭酸イオン濃縮水については、塩化カルシウム等を添加した後、前述の不溶物分離工程で説明したのと同様の方法により、沈殿物として回収し、放射性廃棄物として処理する。あるいは、酸で中和した後、放射性廃棄物として処理する、酸で中和した後COの回収に用いることもできる。
図4は、本発明の濃縮沈殿法による放射性炭素除去システムの構成例を示す図である。放射性炭素除去システム100は、複数の分離膜モジュールを備えている。NF膜モジュール110、RO膜モジュール120を含む。膜モジュールは、この順番で汚染水を処理するように接続されている。NF膜モジュールおよびRO膜モジュールは、複数の膜エレメントを有しているが、膜エレメントを1つのみ有していてもよい。NF膜モジュール110の供給圧力は、RO膜モジュール120の供給圧力よりも低い。101はアルカリ剤添加部、102は分離膜通水部、103は金属化合物添加部、104は不溶物分離部である。130は撹拌・沈殿装置、140はろ過装置(フィルタープレス)である。前記撹拌・沈澱装置130により、金属化合物を添加した際に、撹拌および滞留時間を設けることができるので、効率よく沈澱が生成する。撹拌条件および滞留時間は特に限定されない。
NF膜モジュール110には、流路を通じて、アルカリ剤aが添加された汚染水が導入され、NF膜モジュール110において汚染水が濃縮される。RO膜モジュール120には、流路を通じて、NF膜モジュール110で濃縮された濃縮水cが導入される。RO膜モジュール120は、NF膜モジュール110で濃縮された汚染水をさらに濃縮する。RO膜モジュール120には、液循環路121が設けられているので、処理水dが循環されて濃縮された濃縮水eが得られる。図示していないが、NF膜モジュール110にも、RO膜と同様、液循環路が設けられていてもよい。液循環路はいずれも必須ではないが、液循環路を設けることにより処理する汚染水の濃縮率を高めることができる。
放射性炭素除去システム100は、さらに、ろ過装置(フィルタープレス)140を備えている。濃縮水eは、系内に導入された塩化カルシウムfと反応して、沈澱物h(炭酸カルシウム、硫酸カルシウム)を生成する。生成した沈澱物hは、ろ過装置140において除去される。
NF膜モジュール110の処理水(b)、RO膜モジュール120の処理水(b)、およびろ過装置のろ液gは、中和された後、系外に排出される。
汚染水処理システム100の各流路には、必要に応じて、ポンプ、弁、センサなどが配置されている。
分離膜通水工程を採用する放射性炭素除去方法(濃縮沈澱法)およびシステムでは、直接沈澱法に比べ、炭酸イオン濃度を高くできるため、炭酸塩の沈殿効率を高くすることができる。一方、汚染水中に含まれるその他のイオンも濃縮して高濃度となるため、硫酸イオン等、アルカリ土類金属化合物と塩を形成するイオンが、その塩の溶解度以上に濃縮される可能性があり、その場合、直接沈澱法での当該塩に比べて、回収される沈殿物の量が多くなる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(模擬液の調製)
放射性炭素が炭酸イオン(以下、COイオンあるいはCO 2-と記載することがある)や重炭酸イオンの形態で存在していると推定される汚染水の模擬液は、汚染水中のCO、Cl、SO、Na、Kイオン濃度を測定し、NaCO、NaCl、KSOを用いて、これらの塩が全て解離すると想定して、汚染水のイオン濃度に合わせた量を添加して調製した。模擬液組成および模擬液中のイオン濃度を表1、表2に示す。
(炭酸イオン化)
汚染水の模擬液に、NaOHを添加してpH9以上(pH9~12)にすることで、前記汚染水中の炭酸を炭酸イオン化する工程を実施した。模擬液のpHにあっては、添加したNaCOは一部NaHCOに変化する。
(RO膜による濃縮)
必要な浸透圧をπ=nRT(n:物質量[mol/dm3]、R:気体定数0.082[atm・dm3/K・mol]、T:絶対温度[K])より計算で求めた。
浸透圧は[0.21×0.082×(273+25)]≒5(atm)=0.5MPa
一般的にRO膜には浸透圧の2倍程度以上の圧力をかけるため、必要な浸透圧を約1MPaと想定した。
(汚染水の濃縮率)
模擬液と濃縮水中の炭酸イオン濃度比(または無機炭素濃度比)で評価した。
(沈澱回収率)
濃縮水およびろ過水中の炭酸イオン濃度比で評価した。
(CaCO量測定)
生成した沈澱(主に炭酸カルシウムと硫酸カルシウムと推定)を110℃で乾燥し恒量測定して沈殿回収量を求めた(COイオンのDF確認用)。乾燥重量測定後、SEM-EDSにて、CaとSの比率を測定し、差分からCaCO量を推定した。
[実施例1](塩化カルシウム添加による沈澱試験)
図2に示す工程図にしたがって試験した。図2において、10は放射性炭素除去方法、11はアルカリ剤添加工程、12は金属化合物添加工程、13は不溶物分離工程を示す。
模擬液に対し水酸化ナトリウムを、pH12になるように添加し、その118mLを容器に入れ(容器ほぼ満水状態)、さらに、粉状または粒状の塩化カルシウムを、規定量(無添加、理論量の1倍量、5倍量、10倍量、20倍量)添加し、直ちに蓋をした。
得られた模擬液を500rpm30分間室温でマグネチックスターラーで撹拌した後、1時間静置(10倍量条件のみ1時間静置条件に加えて2時間静置条件も実施)した。
その後、孔径0.5μmのΦ47mmPTFEメンブレンフィルター(アドバンテック社製H050A047A)で常温ろ過し、生成した沈澱を回収した。容器に付着した沈澱回収のための洗浄には、ろ液を用いた。
沈澱物および、ろ液を分析するとともに、沈殿物重量から炭酸イオンの沈澱回収量を求め、ろ液のイオンクロマトグラフ(IC分析)から炭酸イオンの除染係数(DF:Decontamination Factor)を確認した。なお、炭酸ガスの蒸散または溶解を防止するため、可能な限り密閉系にて試験し、迅速に分析した。
DFは、放射性物質を含んだ汚染水の処理において、処理(除染)前後の放射性物質の濃度比を表わす値であり、DF=(元液のCOイオン濃度/ろ液のCOイオン濃度)で求める。DFが大きいほど高い除染効果が得られたと判断できる。
ろ液は、重量測定後、直ちにイオンクロマトグラフ(IC)分析(COイオンのDF確認用)を実施し、ろ液中の炭酸イオンの量を求めた。塩化カルシウム10倍量添加試験での分析結果を表3-1に示す。
(イオン分析方法)
ろ液中の炭酸イオン濃度と硫酸イオン濃度を測定した。イオン濃度の測定は、イオンクロマトグラフにより、炭酸イオンと硫酸イオンの保持時間で検出されるピーク面積を、イオンクロマトグラフ付属のChromeleon7.2.10を用い自動分析することで行った。
イオンクロマトグラフ;型番Integrion RFIC(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
カラム:Dionex IonPac ICE-AS1
溶離液:0.1mM ヘプタフルオロ酪酸
一方、対照例のろ液のIC分析結果(ろ液116mL中、COイオン:1055ppm、SOイオン:683ppm)に基づいた沈澱量の予測値を表3-2に示す。
塩化カルシウムを添加したサンプルのろ液は、いずれもCOイオンが検出限界(10ppm)以下であったことから、塩化カルシウム添加によるCOイオンのDF(DF=元液濃度/ろ液濃度)は、100程度(1074/10=107.4)が見込める可能性がある。一方、塩化カルシウム無添加(対照例)は、元液、ろ液とも、CO濃度がほぼ変化しなかった。これより、当該試験方法で炭酸イオンが、二酸化炭素として蒸散することはなく、かつ空気中の二酸化炭素の混入がないことを確認できた。
また、表3-2に示すように、対照例のろ液116mL中のCOイオン濃度が1055ppmであったことから、前記ろ液から生成するCaCO(分子量100)量は204mgと推定された。CaCOの水への溶解度が1.5mg/100mLであるため、116mL中のCaCO溶解量(1.7mg)を差し引くと、CaCOの沈澱量は202mgと推定された。これに対し、試験後の沈澱量は、表3-1に示すように、213~217mgであり、沈澱量はほぼ理論量であった。
さらに、模擬液にはKSOが含まれているため、CaSOが生成している可能性があった。CaSOの水への溶解度が240mg/100mLであるため、116mL中のCaSO溶解量(278mg)を差し引くと、CaSOの沈澱量は0mgとなった。
[実施例2](塩化カルシウム添加による沈澱試験)
実施例1と同じ模擬液(pH12に調整)250mLを用いて沈澱試験を実施した。模擬液に対する塩化カルシウム量および模擬液温度は、理論量の1倍量(模擬液温度:室温)、5倍量(室温)、10倍量(室温)、20倍量(室温)、10倍量(80℃)、10倍量(40℃)に変化させた。試験方法は、実施例1に準じた。各条件下での沈澱量を求めた結果を表4に示す。
表4より、塩化カルシウム添加量1倍量で理論量の8割(CaCOとして)の沈殿が生成した。塩化カルシウム添加量10倍量のとき沈澱量が最も多くなり、理論量のほぼ全量を回収できた。温度条件による差はなかった。
10倍量(室温)添加条件で生じた沈澱について、SEM-EDS分析を行った結果、CaとSの濃度(実測値)から推計される、沈澱した炭酸イオンの量は0.238gであり、ろ液中には溶解している炭酸イオンが約50ppm残存すると推定した。10倍量での実験結果から、95%の炭酸を回収できる可能性があることがわかった。
[実施例3]
(分離膜1Pass通水試験)
図3に示す工程図にしたがって試験した。図3において、20は放射性炭素除去方法、21はアルカリ剤添加工程、22は分離膜通水工程、23は金属化合物添加工程、24は不溶物分離工程を示す。
本試験では、模擬液中の炭酸を、pH11~12にて2価の炭酸イオン化(CO 2-)し、逆浸透膜装置で出来る限り濃縮することにより、CaCO回収効率を向上させることを検討した。2価イオンは水和して存在しているため1価イオンよりイオン半径が大きい。そのため、逆浸透膜を通過しにくく、1価イオンより濃縮されやすいことを期待した。低圧逆浸透膜やナノろ過膜はその傾向が強い。
逆浸透(RO)膜として下記のものを使用した。模擬液濃縮倍率としては1.4倍を予想し、炭酸イオンはさらに濃縮されることを期待した。
(低圧RO膜)
30cmRO膜(ポリアミド系複合膜;フィルムテック社製 ROメンブレンフィルターMRM50、φ44.5mm×297mm)を使用した。
・最高使用圧力:0.7~1.0MPa
・最高使用温度:45℃
・処理水量:190L/day
・イオン除去率:95~98%
上記RO膜を用い、処理水と濃縮水の通水量比=1:3で、1パス通水を実施した。COイオン濃度1059ppmの模擬液(pH=11.0)20Lを、0.8MPaでRO膜へ通水した。通水量は11.48Lで処理時間は30分とした。
処理水の流速は89mL/minで、回収量は2.1L、濃縮水の流速は260mL/minで回収量は6.0Lであった。
RO膜通水(8分、16分、24分)後のサンプルを満水保管し、イオン分析を実施した。各サンプリングの平均値を表3に示す。表3からわかるように、陰イオンCO 2-、Cl、SO 2-の濃縮率は、いずれも約1.4倍、陽イオンNa、Kの濃縮率はいずれも約1.2倍であった。 なお、処理水側へのCO 2-のリーク濃度は、52ppm程度であり、初期濃度(1059ppm)の4.9%に低減した。
[実施例4]
(3Pass通水試験)
実施例2で使用した30cmRO膜を用い、処理水と濃縮水の通水量比=1:3で、3パス通水試験を実施した。
1回目の濃縮液を用いて2回目、さらに2回目の濃縮液を用いて3回目の通水試験を実施した。模擬液(pH=11.0、CO 2-濃度=1018ppm)50.4Lを、実施例3と同様の条件(0.8MPa)でRO膜へ通水した。
RO膜通水(1パス、2パス、3パス)後のサンプルを満水保管し、イオン分析を実施した結果を表6に示す。
模擬液50.4LをRO膜へ通水した1パス目では、処理水の回収量は12.18L、濃縮水1の回収量は38.22Lであった。濃縮水1(38.22L)のうち、14.98Lを用いて、RO膜へ2回目の通水を行った。回収された処理水は4.28L、濃縮水2は10.70Lであった。濃縮水2(10.70L)のうち、6.07Lを用いて、RO膜へ3回目の通水を行い、処理水1.06L、濃縮水5.01を回収した。
表6からわかるように、陰イオンCO 2-、Cl、SO 2-の濃縮率は、1回目が1.3~1.4倍、2回目が1.3~1.5倍で、積算で1.8~1.9倍、3回目が1.2倍程度で、積算で約2倍となった。コンタミ防止のための洗浄分および装置残留分等のロスが無いと仮定し、得られた濃縮水全量を次工程に供した場合を想定して算出すると、CO 2-濃度1018ppm、50.4Lの模擬液を、2170ppm、約22.5L((38.22/14.98*10.7)/6.07*5.01=22.53)に濃縮した計算となった。
また、処理水側へのCO 2-のリーク濃度は1回目が14ppmに対し、2回目が28ppm、3回目が42ppmと増加していく傾向があった。
[実施例5]
(1Pass通水試験)
1mRO膜(ポリアミド系複合膜CSM;Toray Advanced Materials Korea社製 型番:RE2540-SHF、φ44.5mm×1000mm)を使用した。
上記のRO膜を用い、処理水と濃縮水の通水量比=1:3、1:2、1:1に変化させながら、1Pass通水を実施した。
模擬液(pH=11.0、CO 2-濃度1184ppm)60Lを1.2MPaでRO膜へ通水した。通水量は54.51Lで処理時間は35分であった。処理水の流速は330~630mL/minで総回収量は20.09L、濃縮水の流速は900~630mL/minで、総回収量は34.42Lであった。
RO膜通水後のサンプルを満水保管し、イオン分析を実施した結果を表7に示す。
表7からわかるように、CO 2-イオンの濃縮率は1.2~1.4倍であった。その他の陰イオンCl、SO 2-の濃縮率は1.5~1.8倍、また陽イオンNa、Kの濃縮率は1.4~2.1倍であった。
[実施例6]
(4Pass通水試験)
実施例5で使用した1mRO膜を用い、模擬液(pH=11.0、CO 2-濃度1184ppm)60Lを1.2MPaでRO膜へ通水した。処理水と濃縮水の通水量比=1:1で、4パス通水試験を実施した。1回目の濃縮液を用いて2回目、2回目の濃縮液を用いて3回目、さらに3回目の濃縮液を用いて4回目の通水試験を実施した。
RO膜通水(1パス、2パス、3パス、4パス)後のサンプル(RO濃縮水)を満水保管し、イオン分析を実施した結果を表8に示す。
表8からわかるように、CO 2-の濃縮率は1回目が1.4倍、2回目が1.9倍、3回目が1.7倍、4回目が1.4倍程度で、積算で5.8倍となった。コンタミ防止のための洗浄分および装置残留分等のロスが無いと仮定すると、CO 2-濃度1184ppm、54.5Lの模擬液を、6874ppm、6.0Lに濃縮した計算となった。
なお、処理水側へのCO 2-のリーク濃度は1回目がN.D.に対し、2回目以降、3ppm、11ppm、30ppmと増加していく傾向があった。
[実施例7]
(NF膜通水試験)
NF膜(KOCH社製MPS-34)の平膜を用いてクロスフロー通水試験(濃縮液循環)を実施した。模擬液(pH=11.0)20Lを2.5MPaの通水圧で、NF膜へ6時間通水した。得られた処理水(3.97L)と濃縮水(16.03L)は、それぞれ、予めpH12以上になるように粒状NaOHを添加済みの瓶を用いて満水密閉状態で採取し、密閉保管し、翌日もしくは翌々日に無機炭素分析、イオン濃度分析を実施した。分析結果を表9、表10に示す。
表9より、模擬液中の無機炭素濃度は、調製時想定180mg/Lに対し、130mg/Lであったことから、試験中および測定までの期間の炭酸ガスの減少量は少なく、試験手順は妥当と判断した。得られた濃縮水のCO 2-濃縮率は約3倍であった。
表10より、得られた濃縮水のCO 2-濃縮率は同様に約3倍、その他イオンでは、2価イオンSO 2-の濃縮率が3.4倍、1価イオンClの濃縮率が2.9倍であった。このことから、イオン価数による濃縮率の差は少ないものの、炭酸濃縮処理が可能であることがわかった。
[実施例8]
(30cmRO膜濃縮水の沈澱試験)
満水密閉状態で保管した30cmRO膜通水試験(実施例4)の1Passから3Passまでの各濃縮水1,2,3の、それぞれ250mLを用いて、塩化カルシウムによる沈澱試験を実施した。試験液のpHを12に調製した後、CO 2-イオン濃度およびSO 2-イオン濃度(アルカリ土類金属と不溶性の塩を形成するイオン濃度)の10倍量相当の粒状塩化カルシウムを添加し(すなわち、CO 2-イオン濃度(mg/L)が1000の場合、10倍量の塩化カルシウム(19g/L)を添加)、直ちに蓋をし、500rpm30分間室温で撹拌後、1時間静置した。その後、アドバンテック社製Φ47mmPTFEメンブレンフィルターH050A047A(孔径0.5μm)で沈殿をろ過した。容器に付着した沈澱の回収には、ろ液を使用した。ろ過残渣を40℃で恒量になるまで乾燥し、重量測定およびSEM-EDS測定を実施した。
試験の結果、ろ液中の炭酸量14.1~16.9ppm、各濃縮水の炭酸イオン濃度に対するDF(元液濃度/ろ液濃度)は83~132、模擬液中の炭酸イオン量(1018ppm)に対するDFは60~72であった(表11)。
[実施例9]
(1mRO膜濃縮水の沈澱試験)
満水密閉状態で保管した1mRO膜通水試験(実施例6)の各濃縮水を用いた以外は、実施例8と同様に、塩化カルシウムによる沈澱試験を実施した。
試験の結果、液中の炭酸量は7.4~16.4ppm、各濃縮水の炭酸イオン濃度に対するDF(元液濃度/ろ液濃度)は207~420、模擬液中の炭酸イオン量(1184ppm)に対するDFは72~161であった(表12)。
[実施例10]
(NF膜濃縮水の沈澱試験)
満水密閉状態で保管したNF膜通水試験(実施例7)の濃縮水を用いた以外は、実施例8と同様に、塩化カルシウムによる沈澱試験を実施した。
試験の結果、ろ液中の炭酸イオン量は20ppm、濃縮水の炭酸イオン濃度に対するDF(元液濃度/ろ液濃度)は148、模擬液に対するDFは52であった(表13)。
実施例3~実施例10の結果より、RO膜に通水すると、濃縮水中の炭酸濃度は1.4倍(1Pass)~2.1倍(3Pass/30cm膜)~5.8倍(4Pass/1m膜)に濃縮でき、また、NF膜への循環通水では、炭酸濃度が3.0倍に濃縮でき、いずれの方法でも炭酸イオンの濃縮が可能であることを確認できた。
したがって、放射性炭素を含んだ汚染水(炭酸イオン濃度約1000ppm)に適用すると、処理水の炭酸イオン濃度は約3~75ppmとなり、DFは約12~333程度になると推定される。
放射性炭素を含んだ汚染水を、そのまま沈殿処理(理論比10倍量の塩化カルシウム添加)すると、ろ液中の炭酸イオン濃度は50ppm以下程度となり、約95%の除去率が得られた。DFは20~100程度になると推定される。
RO膜濃縮後に沈殿処理した場合は、濃縮水の炭酸イオン濃度1400~6900ppmに対し、ろ液中の炭酸イオン濃度は7.4~16.9ppmとなり、炭酸イオン除去率は向上した。濃縮前の模擬液をベースとしたDFは60~160程度と推定される。
[実施例11]
RO膜とNF膜との組合せ検討を机上計算にて実施した。模擬液および濃縮水の組成を表14に示す。なお、RO膜はイオン種に関わらず1回の通水で2倍濃縮されるものとし、イオンの膜透過阻止率は100%として計算した。NF膜は1回の通水で1.4倍濃縮され、2価イオンの膜透過阻止率が99%、1価イオンの膜透過阻止率が55%として計算した。多段処理または循環処理を想定した。
表14より、RO膜のみの場合、濃縮を繰り返すことでイオン濃度が高くなるが、イオンの濃度比率は変化しない。6MPa通水での濃縮限界の総イオン濃度は6%程度で、液中の炭酸イオン濃度は0.8%程度である。他の夾雑イオンが多く存在するため、金属化合物(塩化カルシウム等)を添加して沈澱物を回収した後のろ液の塩濃度が高くなる。
一方、RO膜による濃縮と、NF膜の多段使用あるいは循環使用とを組合せることにより、原理上、炭酸イオン濃度を3%程度にできる可能性がある。夾雑イオンとして、主に硫酸イオンが増加するので、金属化合物(塩化カルシウム等)を添加して沈澱物を回収した後のろ液の塩濃度は、RO膜のみで濃縮した場合よりも低くすることができる。
[実施例12]
汚染水1000m中に、炭酸イオン(CO 2-)が1000ppm、C14由来の放射能が200Bq/L、夾雑イオンとして硫酸イオンが703ppm存在し、RO膜による濃縮時の処理水への炭酸イオン濃度を3.8ppm(1MPa通水試験時の実測値)、NF膜による濃縮時の処理水への炭酸イオン濃度を77ppm(2.5MPa通水試験時の実測値)と仮定したときの、炭酸イオンの濃縮限界、夾雑イオンを含めた濃度比率、およびC14回収率を、除去方法別にシミュレーションした。
(1)直接沈殿法
a)炭酸カルシウム生成量(1000×(100/60))=1667kg)のうち、ろ液に溶解する量(15kg)を除くと、沈殿する炭酸カルシウムの量は1652kgで、回収率は99.10%となる。フィルタープレス残渣水分率60%と仮定すると、沈殿の量は1652/0.4=4130kg、C14由来放射能は4.80万Bq/kgとなる。
一方、硫酸カルシウムの生成量は996kgであるが、硫酸カルシムの溶解度が240mg/100mL(998mのろ液に溶解する量は2395kg)であることから、全量ろ液に溶解しており沈殿として回収されない。
b)ろ液(998m)中に溶解している炭酸カルシウムは15kgなので、CO 2-=9.0ppm、ろ液のC14由来放射能は1.8Bq/Lとなる。
(2)RO膜濃縮法
a)濃縮水(125m、CO 2-=7973ppm、SO 2-=5624ppm)を沈澱処理したとき、ろ液中に溶解する炭酸カルシウムおよび硫酸カルシウム(計算値)を除くと、沈殿量(固体)は2.35t(含CaSO
a-1)フィルタープレス残渣水分率60%として、フィルタープレス後の沈殿の量は
5.88t、C14由来放射能は3.39万Bq/kg
濃縮水中のC14回収率99.89%
a-2)ろ液(121m)中に溶解している炭酸カルシウムは1.8kgなので、C
2-=9.3ppm、ろ液のC14由来放射能は1.9Bq/L
b)処理水(875m)中のCO 2-=3.8ppm、C14由来放射能は0.8Bq/L
(3)NF膜濃縮法
a)濃縮水(56m、CO 2-=16559ppm、SO 2-=11373ppm)を沈澱処理したとき、ろ液に溶解する炭酸カルシウムおよび硫酸カルシウム(計算値)を除くと、沈澱量(固体)は2.33t(含CaSO
a-1)フィルタープレス残渣水分率60%として、フィルタープレス後の沈殿の量は
5.83t、C14由来放射能は3.18万Bq/kg
濃縮水中のC14回収率99.95%
a-2)ろ液(52m)中に溶解する炭酸カルシウムは0.9kgなので、CO
=9.6ppm、ろ液のC14由来放射能は1.9Bq/L
b)処理水(944m);CO=77ppm、C14由来放射能は15.4Bq/L
(4)NF膜濃縮後にRO膜濃縮
a)濃縮水(28m、CO 2-=32937ppm、SO 2-=22746ppm)を沈澱処理したとき、ろ液に溶解する炭酸カルシウムおよび硫酸カルシウム(計算値)を除くと、沈澱量(固体)は2.40t(含CaSO
a-1)フィルタープレス残渣水分率60%として、フィルタープレス後の沈殿の量は
5.99t、3.09万Bq/kg
濃縮水中のC14回収率99.97%
a-2)ろ液(24m)中に溶解する炭酸カルシウムは、0.4kgなので、CO
2-=10.3ppm、C14由来放射能は2.1Bq/L
b)処理水(28m);CO 2-=80ppm、C14由来放射能は16.0Bq/L
以上説明した通り、放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する方法として、前記汚染水にアルカリ剤を添加して放射性炭素を炭酸イオン化した後、水不溶性または難溶性の炭酸塩を生成する水溶性金属化合物を添加して炭酸塩を生成させ、生成した不溶物を分離する方法(直接沈殿法)と、汚染水中の放射性炭素を炭酸イオン化した後、前記汚染水を分離膜(例えば、RO膜/NF膜)に通水した後、水不溶性または難溶性の炭酸塩を生成する水溶性金属化合物を添加して炭酸塩を生成させ、生成した不溶物を分離する方法(濃縮沈澱法)と、がある。いずれの方法も、処理中に放射性炭素をガス化させる危険が無く、放射性炭素を固体として回収し、安全に保管することができる。
特に濃縮沈澱法は、汚染水の量を、沈殿処理よりも処理速度が速い膜処理にて、迅速に約1割程度に濃縮・減容化できるため、汚染水保管スペースを減少することができ、また、放射性炭素の回収率を高めることができる点で有利な方法である。その効果は、RO膜処理<NF膜処理<NF膜・RO膜併用処理の順で高くなる。
そして、直接沈殿法に比べて、汚染水の全量を対象に沈殿処理を行う必要がないので、アルカリ土類金属化合物の添加と撹拌ならびに沈殿物のろ過に要する時間を短縮することができる。
直接沈殿法は、処理水(ろ過水)へのC14漏出率を低く抑えることができる点、硫酸カルシウムが沈殿として回収されないので固形物回収量を少なくできる点、で有利な方法である。そして、濃縮沈殿法に比べて、透過膜のコストを付加する必要がないので経済的に有利である。
本発明は、汚染水中の放射性炭素除去方法として有用である。
10 放射性炭素除去方法(直接沈澱法)
11 アルカリ剤添加工程
12 金属化合物添加工程
13 不溶物分離工程
20 放射性炭素除去方法(濃縮沈澱法)
21 アルカリ剤添加工程
22 分離膜通水工程
23 金属化合物添加工程
24 不溶物分離工程
100 放射性炭素除去システム
101 アルカリ剤添加部
102 分離膜通水部
103 金属化合物添加部
104 不溶物分離部
110 NF膜モジュール
120 RO膜モジュール
121 液循環路
130 撹拌・沈澱装置
140 ろ過装置(フィルタープレス)
a アルカリ剤
処理水
処理水
c 濃縮水
d 処理水
e 濃縮水
f 塩化カルシウム
g ろ液
h 沈澱物

Claims (10)

  1. 放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去方法であって、
    前記汚染水にアルカリ剤を添加して、前記汚染水のpHを9以上に調整して放射性炭素を炭酸イオン化するアルカリ剤添加工程と、
    前記アルカリ剤添加工程でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水に対して、水溶性のアルカリおよび/またはアルカリ土類の金属化合物を添加して、水不溶性または難溶性炭酸塩を生成させる金属化合物添加工程と、
    前記金属化合物添加工程で生成した不溶物を前記汚染水から分離する不溶物分離工程と、を有する
    ことを特徴とする放射性炭素除去方法。
  2. 放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去方法であって、
    前記汚染水にアルカリ剤を添加して、前記汚染水のpHを9以上に調整して放射性炭素を炭酸イオン化するアルカリ剤添加工程と、
    前記アルカリ剤添加工程でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水を分離膜に通水する分離膜通水工程と、
    前記分離膜に通水させ濃縮した汚染水に対して、水溶性のアルカリおよび/またはアルカリ土類の金属化合物を添加して、水不溶性または難溶性炭酸塩を生成させる金属化合物添加工程と、
    前記金属化合物添加工程で生成した不溶物を前記汚染水から分離する不溶物分離工程と、を有する
    ことを特徴とする放射性炭素除去方法。
  3. 前記アルカリ剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのうち、いずれか1つ以上である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の放射性炭素除去方法。
  4. 前記金属化合物は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化リチウム、水酸化リチウムのうち、いずれか1つ以上である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の放射性炭素除去方法。
  5. 前記金属化合物の添加量は、少なくとも汚染水中の炭酸イオンの全量を水不溶性または難溶性の塩に変換するに必要な理論量の1倍量である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射性炭素除去方法。
  6. 前記金属化合物の添加量は、少なくとも分離膜通水工程を通過して濃縮した汚染水中の炭酸イオンの全量を水不溶性または難溶性の塩に変換するに必要な理論量の1倍量である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の放射性炭素除去方法。
  7. 前記分離膜通水工程において、
    前記分離膜は、逆浸透膜、ナノろ過膜のうち、いずれか1つ以上である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の放射性炭素除去方法。
  8. 前記ナノろ過膜に通水する工程を行った後、逆浸透膜に通水する工程を行う、
    ことを特徴とする請求項7に記載の放射性炭素除去方法。
  9. 放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去システムであって、
    前記汚染水にアルカリ剤を添加して、前記汚染水のpHを9以上に調整して放射性炭素を炭酸イオン化するアルカリ剤添加部と、
    前記アルカリ剤添加工程でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水に対して、水溶性のアルカリおよび/またはアルカリ土類の金属化合物を添加して水不溶性または難溶性炭酸塩を生成させる金属化合物添加部と、
    前記金属化合物添加部で生成した不溶物を前記汚染水から分離する不溶物分離部と、を有する
    ことを特徴とする放射性炭素除去システム。
  10. 放射性炭素(C14)を含んだ汚染水から放射性炭素を除去する放射性炭素除去システムであって、
    前記汚染水にアルカリ剤を添加して、前記汚染水のpHを9以上に調整して放射性炭素を炭酸イオン化するアルカリ剤添加部と、
    前記アルカリ剤添加部でのアルカリ剤の添加によりpHが9以上となった前記汚染水を分離膜に通水する分離膜通水部と、
    前記分離膜に通水させ濃縮した汚染水に対して、水溶性のアルカリおよび/またはアルカリ土類の金属化合物を添加して水不溶性または難溶性炭酸塩を生成させる金属化合物添加部と、
    前記金属化合物添加部で生成した不溶物を前記汚染水から分離する不溶物分離部と、を有する
    ことを特徴とする放射性炭素除去システム。
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