JP2024042609A - 放射線画像処理装置、その作動方法、及び放射線画像処理プログラム - Google Patents

放射線画像処理装置、その作動方法、及び放射線画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】放射線画像における同一人物のセット撮影において、合計のエネルギーサブトラクション処理の時間短縮と、筋肉と脂肪の割合を求める精度の向上及び安定化をさせる放射線画像処理装置、その作動方法、及び放射線画像処理プログラムを提供する。【解決手段】本発明の放射線画像処理装置12は、同一の被写体Hに対して、複数の互いに異なる放射線エネルギーをそれぞれ使用した少なくとも2枚の放射線画像を取得し、2枚の放射線画像に対するサブトラクション処理により、被写体の軟部組織に占める脂肪率Rfを算出し、脂肪率Rfを、異なるタイミングで被写体Hを撮影した放射線画像である別画像に対するサブトラクション処理に適用する。【選択図】図14

Description

本発明は、エネルギーサブトラクション機能を提供する放射線画像処理装置、その作動方法、及び放射線画像処理プログラムに関する。
医療分野においては、X線等の放射線を用いて被写体を撮影する放射線撮影の際に、同じ撮影部位からX線エネルギーが異なる2枚の画像を取得し、骨部と軟部のX線エネルギー特性の違いを利用してその差分を算出するエネルギーサブトラクション処理を実行し、骨部画像及び軟部画像を生成することができる。これにより、例えば、作成した骨部画像の画素値から骨量を反映した値を求めることができる。
骨粗鬆症等の骨系疾患において、骨密度の診断に用いられる代表的な骨塩定量方法の1つにDXA法(Dual X-ray Absorptiometry)が知られている。DXA法は、人体に入射し透過する放射線が、人体を構成する物質(例えば骨)に依存する減弱係数μ(cm/g)とその密度(g/cm)および厚さt(cm)によって特徴付けされる減弱を受けることを利用し、2種類のエネルギーの放射線で撮影して得られた放射線画像のピクセル値から、骨密度を算出する手法である。また、被写体を撮影することにより取得された放射線画像を用いて、骨密度を評価するための各種手法が知られている。
具体的には、特許文献1では被写体を透過したそれぞれエネルギー分布が異なる放射線により取得された複数の放射線画像から、被写体の骨部を抽出した骨部画像を生成し、放射線画像における骨がない領域の濃度を、脂肪量を表す補正値として算出し、骨部画像の画素値を補正値により補正する。これによって、より精度よく骨部領域の濃度、さらには骨密度を算出する手法が提案されている。
特開2015-019789号公報
しかし、特許文献1ではエネルギーサブトラクション処理に通常の画像処理より長い時間を要するため、次の撮影には、エネルギーサブトラクション処理が終わるのを待つ必要がある。また、正面、側面、斜位など複数方向のセット撮影をすることが多く、技師は、患者のポジショニングを変えて、患者を待たせることなく次々と撮影したい。
本発明は、同一人物のセット撮影において、合計のエネルギーサブトラクション処理の時間短縮と、筋肉と脂肪の割合を求める精度の向上及び安定化ができる放射線画像処理装置、その作動方法、及び放射線画像処理プログラムを提供することを目的とする。
本発明の放射線画像処理装置は、プロセッサを備え、プロセッサは、同一の被写体に対して、複数の互いに異なる放射線エネルギーをそれぞれ使用した少なくとも2枚の放射線画像を取得し、2枚の放射線画像に対するサブトラクション処理により、被写体の軟部組織に占める脂肪率を算出し、脂肪率を、放射線画像とは異なるタイミングで被写体を撮影した放射線画像である別画像に対するサブトラクション処理に適用する。
サブトラクション処理を行う画像に対して、画素毎に、体厚分布に応じた散乱線を推定して除去することが好ましい。
放射線画像とは異なる方向から被写体を撮影した別方向画像を、別画像として取得することが好ましい。
脂肪率を用いて、サブトラクション処理により抽出した放射線画像の骨部画像から算出した、被写体の骨密度を補正することが好ましい。
脂肪率を、標準軟部体厚に変換し、標準軟部体厚から被写体の骨密度算出における補正係数を算出することが好ましい。
放射線画像の画像全体から脂肪率を算出することが好ましい。
サブトラクション処理により前射線画像における軟部画像を抽出し、軟部画像から被写体の筋肉厚及び脂肪厚を導出し、脂肪厚及び筋肉厚に基づいて脂肪率を算出することが好ましい。
連続撮影した放射線画像のうち、最初に撮影した放射線画像の脂肪率を導出し、脂肪率を、その後に撮影した放射線画像に対するサブトラクション処理に適用することが好ましい。
脂肪率を、放射線動画に対するサブトラクション処理に適用することが好ましい。
被写体を異なるタイミングで撮影した放射線画像から算出した、2つ以上の脂肪率の平均である脂肪率平均を、放射線画像に対するサブトラクション処理に適用することが好ましい。
正面像、側面像、及び斜位像のうちいずれか2種類の互いに異なる方向で撮影した放射線画像の脂肪率から脂肪率平均を算出することが好ましい。
正面像、2種類の側面像、及び複数の斜位像のうち、3種類以上のそれぞれ異なる方向で撮影した放射線画像の脂肪率から脂肪率平均を算出することが好ましい。
脂肪率に代えて、被写体の軟部組織に占める筋肉率を用いることが好ましい。
本発明の放射線画像処理装置の作動方法は、同一の被写体に対して、複数の互いに異なる放射線エネルギーをそれぞれ使用した少なくとも2枚の放射線画像を取得するステップと、2枚の放射線画像に対するサブトラクション処理により、被写体の軟部組織に占める脂肪率を算出するステップと、脂肪率を、放射線画像とは異なるタイミングで被写体を撮影した放射線画像である別画像に対するサブトラクション処理に適用するステップとを有する。
本発明の放射線画像処理プログラムは、同一の被写体に対して、複数の互いに異なる放射線エネルギーをそれぞれ使用した少なくとも2枚の放射線画像を取得する機能と、2枚の放射線画像に対するサブトラクション処理により、被写体の軟部組織に占める脂肪率を算出する機能と、脂肪率を、放射線画像とは異なるタイミングで被写体を撮影した放射線画像である別画像に対するサブトラクション処理に適用する機能をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、同一人物セット撮影において、合計のサブトラクション処理の時間の短縮と、筋肉と脂肪の割合を求める精度の向上及び安定化ができる。
放射線画像処理システムの概略を示す説明図である。 放射線撮影装置及び放射線画像処理装置の機能を示すブロック図である。 互いに異なる放射線エネルギーで撮影された2つの放射線画像の説明図である。 放射線画像処理装置における画像処理部が実現する機能を示すブロック図である。 骨部画像を抽出する第1強調処理と、骨部画像を用いて軟部画像を抽出する第2強調処理の説明図である。 骨部画像と軟部画像の抽出を、ES処理である第1及び第2強調処理により行う説明図である。 ディスプレイ33に表示する被写体の胸部における骨部画像の概略図と、軟部画像の概略図である。 同一の被写体における骨部と軟部のコントラストが、被写体の体厚と、放射線源の管電圧により変動する旨を示す説明図である。 体厚が一定である場合における、放射線の減弱係数と被写体の脂肪率の関係を示す説明図である。 脂肪率が一定である場合における、放射線の減弱係数と被写体の体厚の関係を示す説明図である。 脂肪率に基づいて被写体の体厚を、標準軟部の体厚に変換する体厚変換係数を導出する第1ルックアップテーブルの説明図である。 脂肪率が一定である標準軟部の体厚に基づいて骨密度の補正係数を導出する第2ルックアップテーブルの説明図である。 放射線画像処理装置における脂肪率適用部が実現する機能を示すブロック図である。 エネルギーサブトラクション処理により算出した脂肪率を、同一の被写体の別画像へ適用する旨を示す説明図である。 本発明の一連の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態で実現される連続撮影画像に脂肪率を適用する機能の説明図である。 第3実施形態で実現される同一の被写体における異なる複数の放射線画像から脂肪率平均を算出する機能の説明図である。
[第1実施形態]
本発明の基本的な構成の一例について説明する。本発明の放射線画像処理装置は、所定の機能を実現するためのアプリケーションプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ、又はワークステーション等のコンピュータである。コンピュータには、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、メモリ、及びストレージ等が備えられ、ストレージに記憶されたプログラム等により、各種機能を実現する。以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
図1は、放射線画像撮影装置11(図2参照)及び放射線画像処理装置12を含む放射線画像処理システム10における概略を示す図である。本実施形態の放射線画像処理システム10は、放射線画像撮影装置11及び放射線画像処理装置12を有する。放射線画像撮影装置11と、放射線画像処理装置12は、電気的に接続し、データの送受信が可能である。
放射線画像撮影装置11は、放射線源14と放射線撮影パネル15、及びコンソール19とを備え、放射線源14及び放射線撮影パネル15は、コンソール19と電気的に接続される。放射線撮影パネル15は、放射線源14に近い側から順に、第1放射線検出器16、銅板等からなる放射線エネルギー変換フィルタ17、および第2放射線検出器18を配置する。
放射線画像撮影装置11は、放射線源14を駆動させることにより発せられ、被写体Hを透過したX線等の放射線Raを、放射線撮影パネル15における第1放射線検出器16および第2放射線検出器18に照射する。放射線エネルギー変換フィルタ17により放射線Raの低エネルギー成分が吸収されるため、放射線Raは、第1放射線検出器16を透過した後、第2放射線検出器18に到達するまでにエネルギーが変化する。第1放射線検出器16および第2放射線検出器18には異なるエネルギーが照射されるため、放射線画像撮影装置11は、1回の撮影で放射線Raのエネルギーが異なる2枚の放射線画像を取得する、いわゆる1ショット法によるエネルギーサブトラクションを行うための撮影装置である。なお、第1および第2放射線検出器16、18と放射線エネルギー変換フィルタ17とは密着されている。
第1放射線検出器16により、いわゆる軟線も含む低エネルギーの放射線による被写体Hの第1放射線画像G1が取得される。また、第2放射線検出器18により、軟線が除かれた高エネルギーの放射線による被写体Hの第2放射線画像G2が取得される。第1および第2放射線画像G1、G2は、放射線画像処理装置12に入力される。
第1および第2放射線検出器16、18は、放射線画像の記録および読み出しを繰り返して行うことができるものであり、放射線Raの照射を直接受けて電荷を発生する、いわゆる直接型の放射線検出器を用いてもよいし、放射線Raを一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(thin film transistor)スイッチをオン・オフさせることによって放射線画像信号が読み出される、いわゆるTFT読出方式のもの、または読取り光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることが望ましいが、これに限らずその他のものを用いるようにしてもよい。
図2は本実施形態における放射線画像処理システム10の機能的な構成を示すブロック図である。コンソール19は、ディスプレイ20、操作部21、及び通信部22を備える。本発明の放射線画像処理装置12は、画像取得部30と、画像処理部31と、出力制御部32と、ディスプレイ33と、入力受付部34と、保存メモリ35とを備える。
放射線画像撮影装置11は、エネルギーサブトラクション撮影により、互いに異なる2種類の放射線エネルギーをそれぞれ使用して、同一の被写体Hにおける少なくとも2枚の放射線画像を取得する。放射線Raのエネルギー分布(以下エネルギー)が異なる放射線画像は、2枚の放射線画像のうち、エネルギーが低い画像、及びエネルギーが高い画像として区別する。エネルギーが低い放射線画像は、骨と軟部組織のコントラストが明瞭であるため、エネルギーサブトラクション処理において、後述する骨部画像Gbの抽出は、エネルギーが低い放射線画像から行うことが好ましい。撮影条件は、操作者による操作部21からの入力により設定すればよい。なお、同一の被写体Hとは、撮影した2枚の放射線画像G1、G2において同一人物かつ撮影部位が共通する被写体を意味する。
互いに異なる2種類の放射線エネルギーを用いた撮影は、放射線画像の形成又は放射線Raの検出を少なくとも2回行う際に実質的に放射線Raの線質(エネルギー)がそれぞれ異なることを意味し、第1放射線検出器16で検出する放射線Raと、放射線エネルギー変換フィルタ17を介して第2放射線検出器18で検出する放射線Raの線質は、互いに異なる2種類の放射線エネルギーとなる。これにより、得られる2枚の放射線画像は互いに異なる放射線エネルギーを用いた放射線画像となる。
第1放射線検出器16から取得した第1放射線画像G1は、第2放射線検出器18から取得した第2放射線画像G2よりも、放射線画像生成のために用いたエネルギーが低いものとなる。なお、同一の被写体を互いに異なる3種類以上の複数の放射線エネルギーをそれぞれ使用して撮影した不放射線画像を取得する場合は、互いに異なる3枚以上の複数の放射線画像のうちの2枚の放射線画像を選別し、エネルギーの低い放射線画像を第1放射線画像G1とし、もう一方を第2放射線画像G2とする。
図3に示すように、撮影した第1及び第2放射線画像G1、G2はコンソール19のディスプレイ20で確認できる。第1及び第2放射線画像G1、G2は被写体Hの胸部の正面像を撮影した放射線画像である。撮影者は、ディスプレイ20の表示内容を確認し、問題なければ操作部21を操作し、通信部22から放射線画像処理装置12に、放射線画像G1、G2を送信する。なお、撮影の撮り直しや複数回撮影をする場合は、操作者が操作部21から指示を入力すればよい。
放射線画像処理装置12において、CPUは、放射線画像処理プログラムを実行することにより、画像取得部30、画像処理部31、出力制御部32、入力受付部34、として機能する。画像取得部30は、放射線画像撮影装置11から第1放射線画像G1及び第2放射線画像G2を取得する。画像処理部31は、第1放射線画像G1及び第2放射線画像G2から骨部画像や軟部画像の抽出、脂肪率の導出、脂肪率を用いた骨密度の導出などを行う。出力制御部32は、取得した各画像及び導出したデータの、ディスプレイ33への表示や、保存メモリ35又は外部サーバへの送信等を制御する。
ディスプレイ33は、放射線画像処理装置12が取得した放射線画像を表示する表示デバイスである。入力受付部34は、キーボードやマウス等の入力デバイスによる放射線画像処理装置12への入力を受け付ける。ディスプレイ33や入力デバイスの接続は、放射線画像処理装置12に備え付けや、直接接続するものに限らず、各種のネットワークを介した接続であってもよい。したがって、放射線画像処理装置12において、ディスプレイ33や入力デバイスは、放射線画像処理装置12を構成するコンピュータと離れた位置にあってもよい。保存メモリ35は画像処理などに用いるデータの一時保存や、取得した画像や値の保存を行う。
画像取得部30は、放射線画像撮影装置11から放射線画像G1、G2を取得する。取得する2枚の放射線画像G1、G2は、いわゆる原画像(画像処理等を施していない画像)であることが好ましい。
取得する第1放射線画像G1および第2放射線画像G2は、撮影線量(mAs値)、線質、管電圧、放射線源14と、第1および第2放射線検出器16、18の表面との距離であるSID(Source Image receptor Distance)、放射線源14と被写体Hの表面との距離であるSOD(Source Object Distance)、並びに散乱線除去グリッドの有無等の撮影条件の設定が画像情報として紐づけられる。SODおよびSIDは、体厚分布の算出に用いられる。SODについては、例えば、TOF(Time Of Flight)カメラで取得することが好ましい。SIDについては、例えば、ポテンショメーター、超音波距離計およびレーザー距離計等で取得することが好ましい。
体厚分布は、SIDからSODを減算することにより求めることが好ましい。体厚分布は、第1及び第2放射線画像G1、G2に対応して画素毎に算出する。また、第1及び第2放射線画像G1、G2の少なくともいずれかから体厚分布を算出する方法や、後述する被写体Hの軟部画像から、体厚分布を算出する方法を用いてもよい。後述する散乱線除去処理により、散乱線成分の影響を除いた体厚分布が得られる。
図4は、放射線画像処理装置12の画像処理部31における機能的な構成を示す図である。画像処理部31は、更に散乱線除去部40、画像抽出部41、第1導出部42、変換部43、第2導出部44、脂肪率適用部45の機能を実現する。散乱線除去部40は、推定又は計測した体厚分布に基づいて、第1及び第2放射線画像G1、G2の散乱線を除去する。画像抽出部41は、散乱線を除去した第1及び第2放射線画像G1、G2から、骨部画像及び軟部画像を抽出する。第1導出部42は被写体Hの脂肪率Rfを導出する。変換部43は、被写体Hの脂肪率Rf及び体厚Tを、標準軟部における体厚T1に変換する。第2導出部44は、脂肪率Rfに応じた補正を行って被写体Hの骨密度を算出する。脂肪率適用部45は、導出した被写体Hの脂肪率Rfを、同じ被写体Hにおける別の放射線画像に適用する。
散乱線除去部40は、画像取得部30が取得した第1放射線画像G1および第2放射線画像G2に含まれる散乱線成分を除去する散乱線除去処理を行う。散乱線除去処理は、推定又は計測した被写体の厚さである体厚に応じて散乱線成分を放射線画像の画素毎に推定して除去する。以下に第1放射線画像G1における散乱線除去処理を説明する。なお、第2放射線画像G2に対しても、上記第1の放射線画像G1と同様に散乱線除去処理を行う。以降の説明において、散乱線成分が除去された第1放射線画像および第2放射線画像についても参照符号としてG1、G2を用いる。
まず、散乱線除去部40は、推定又は計測した体厚として、初期体厚分布Ts(x,y)を取得する。初期体厚分布Ts(x,y)は、例えば被写体Hの仮想モデルなどから推定できる。仮想モデルは、初期体厚分布Ts(x,y)に従った体厚が、第1放射線画像G1の各画素の座標位置に対応付けられた、被写体Hを仮想的に表すデータである。なお、初期体厚分布Ts(x,y)を有する被写体Hの仮想モデルは、保存メモリ35に予め記憶されているものとするが、仮想モデルを外部のサーバから取得するようにしてもよい。なお、x及びyは画像における各画素の座標である。
仮想モデルを用いる場合、散乱線除去部40は、仮想モデルの撮影により得られる一次線画像を推定した推定一次線画像、及び仮想モデルの撮影により得られる散乱線画像を推定した推定散乱線画像を導出し、第1放射線画像G1を推定した推定画像を合成する。
次に、散乱線除去部40は、推定画像と第1放射線画像G1との違いに基づいて散乱線成分Is(x,y)の導出、及び体厚分布T(x,y)の更新を行う。詳細な方法については、公知の方法を用いればよい。散乱線除去部40は、導出される散乱線成分(x,y)を第1放射線画像G1から減算する。これにより、第1放射線画像G1に含まれる散乱線成分が除去される。また、散乱線成分の除去に伴う更新後の体厚分布T(x,y)が得られ、被写体Hの体厚Tとして用いることができる。
散乱線成分を除去した第1および第2放射線画像G1,G2を用いて後述するエネルギーサブトラクション処理を行うことにより、より精度よく骨密度を導出することができる。
画像抽出部41は、散乱線成分が除去された第1放射線画像G1および第2放射線画像G2から、骨部画像及び軟部画像を抽出する。第1強調処理と第2強調処理の2回の強調処理を行い、放射線画像から軟部領域を取り除き、骨部が強調された骨部画像と、放射線画像から骨部領域を取り除き、軟部が強調された軟部画像が得られる。強調処理は、画像処理により、放射線画像が含む構造物、エッジ等を強調する処理であり、特定の構造物、ノイズ等を放射線画像から消去する減算処理やエネルギーサブトラクション処理である。また、散乱線除去処理で算出した差異に得られた値ではなく、散乱線が除去された放射線画像又は抽出した軟部画像Gsから被写体Hの体厚Tを計測してもよい。
図5に示すように、例えば、画像抽出部41において、第1強調処理により第1放射線画像G1及び第2放射線画像G2から骨部画像Gbを抽出し、第2強調処理により骨部画像Gbを用いて第1放射線画像G1又は第2放射線画像G2から軟部画像Gsを抽出する。第2強調処理における軟部画像Gsの抽出元とする放射線画像は、第1放射線画像G1と、第2放射線画像G2のどちらでも良い。
第1強調処理は、エネルギーサブトラクション処理(以下、ES(Energy Subtraction)処理)であることが好ましい。本実施形態では、2枚の放射線画像である第1放射線画像G1と第2放射線画像G2とに対し、演算式によるES処理を行う。ES処理では、2枚の放射線画像のうちの一方の画像を、他方の画像に対して重み付けをして差し引く重み付け演算により、重み付けの係数であるパラメータに応じて、演算処理等の処理画像において骨部又は軟部といった特定の組織による信号を低減することができる。
第1強調処理としてES処理により骨部画像Gbを抽出する。なお、ES処理により生成した画像を、ES画像という。骨部画像は、ES画像である。ES処理では、第1放射線画像G1と第2放射線画像G2との2枚の放射線画像を用いた下記式(1)による処理として骨部画像Gbの抽出を行う。なお、α1は重み付け係数である。
Gb(x,y)=G1(x,y)-α1×G2(x,y) ・・・(1)
第2強調処理は減算処理により軟部画像Gsを抽出することが好ましい。軟部画像Gsの抽出には、第1強調処理で抽出した骨部画像Gbを用いて第1放射線画像G1から骨部領域を取り除く処理(式(2)参照)、又は骨部画像Gbを用いて第2放射線画像G2から骨部領域を取り除く処理(式(3)参照)を実行する。β1及びβ2は重み係数であり、式(1)の重み係数α1も含めて、互いに独立した値である。
Gs(x,y)=G1(x,y)-β1×Gb(x,y) ・・・(2)
Gs(x,y)=G2(x,y)-β2×Gb(x,y) ・・・(3)
また、ES処理である第1強調処理で軟部画像Gsを抽出し、第2強調処理で軟部画像Gsを用いて骨部画像Gbを抽出してもよい。その場合、式(1)に代えて、下記の式(4)により、第1および第2放射線画像G1、G2から、被写体Hの軟部が抽出された軟部画像Gsを生成する。第2強調処理による骨部画像Gbの抽出においては、式(2)から(3)における骨部画像Gbと軟部画像Gsの関係は逆にした式を用いる。その場合、重み付け係数も異なる値になる。α2は重み係数である。
Gs(x,y)=G1(x,y)-α2×G2(x,y) ・・・(4)
図6に示すように、第1強調処理の第2強調処理の両方でES処理を実行し、放射線画像G1及び放射線画像G2を用いて、第1強調処理により骨部画像Gbを、第2強調処理により軟部画像Gsを、独立して抽出する方法を用いてもよい。その場合、上記式(1)及び式(4)を個別に用いる。なお、この場合第1強調処理と第2強調処理は順番に行う必要が無く、同時進行で進行や、一方の強調処理を中断してもう一方の強調処理の実行をしてもよい。
図7に示すように、第1強調処理及び第2強調処理により抽出した骨部画像Gb及び軟部画像Gsは、ディスプレイ33に表示することが好ましい。撮影者(又は操作者)は、抽出した骨部画像Gb及び軟部画像Gsを確認できる。表示は第2強調処理終了時に同時に骨部画像Gb及び軟部画像Gsを表示しても良いし、第1強調処理の終了時に、抽出した画像を先に表示してもよい。なお、確認結果に応じてES処理をやり直してもよい。やり直す場合は、抽出における設定や方法を変更することが好ましい。
本実施形態では、ES処理により抽出した骨部画像Gbに基づいて、被写体Hの骨部領域における骨密度を算出する。ただし、骨部画像Gbの画素値(x,y)はビームハードニングの影響を受け、ビームハードニングの影響は、被写体Hの体厚が大きいほど大きくなる。また、同じ体厚であっても被写体Hの軟部領域における脂肪率Rfが大きいほど、ビームハードニングの影響は大きくなる。
図8に示すように、管電圧が高いほどコントラスト(すなわち画素値の差)は小さくなる。図8は、80kV、90kVおよび100kVの3つの管電圧における、被写体Hの体厚に対する骨部領域と軟部領域とのコントラストの関係を示す図である。放射線源14における管電圧(kV値)が高く、照射される放射線Raが高エネルギーであるほど、放射線Raの照射時に、放射線Raの低エネルギー成分が被写体Hに吸収される。そのため、検出される放射線Raが高エネルギー化し、放射線画像の軟部領域と骨部領域とのコントラストが小さくなる。
また、被写体Hの体厚Tがある値を超えると、体厚Tの値が大きいほどコントラストは低くなる。一方、骨部領域と軟部領域のコントラストは、脂肪率Rfが大きいほど透過した放射線エネルギーは相対的に低エネルギーの放射線Raの割合が大きくなるため、より明瞭になる。
図9に示すように、ES処理に利用する放射線Raの減弱係数は、体厚が一定の場合、脂肪率Rfの増加により単調減少する。また、図10に示すように、脂肪率が一定の場合、体厚Tが増大するほど放射線Raの減弱係数は減少する。したがって被写体Hの軟部組織の減弱係数は、被写体Hにおける脂肪率Rf及び体厚Tに依存し、脂肪率Rf及び体厚Tに応じて放射線Raのビームハードニングの影響が変化する。そのため、脂肪率Rfを用いて、脂肪率Rfが高いほど抽出した骨部画像の画素値Gb(x,y)を小さくする補正係数を導出し、骨密度の補正を行う。
また、骨密度はファントムを用いて被写体の体厚Tに対応する値に補正して導出される。ファントムにおける軟部組織に相当する物質の脂肪率Rfは一定値である。このため、骨部画像Gbの画素値Gb(x,y)を体厚Tに応じた補正のみの場合、算出した本来の脂肪率Rfの大小により実際の骨密度とは異なる骨密度が導出されてしまう。
しかしながら、脂肪率に応じた補正と、体厚に応じた補正を行って骨密度を算出することは、演算の負荷が大きくなる原因となる。そのため、脂肪率Rfを直接使用せずに被写体Hの体厚T及び脂肪率Rfの影響を補正した骨密度を導出する。被写体Hの脂肪率Rfと体厚Tを、変換部43で脂肪率が一定である標準軟部の体厚T1に変換し、第2導出部44で標準軟部の体厚T1を用いて補正した被写体Hの骨密度を導出する。
標準軟部とは、人体の標準的な軟部に相当する減弱係数および脂肪率または筋肉率を有する軟部である。標準軟部としては人体の標準的な軟部に相当する物質を含む、人体を模擬したファントムを適用することができる。人体の標準的な軟部に相当する物質は、アクリルまたはウレタン等を適用することができる。なお、骨部画像Gbの画素値Gb(x,y)を骨密度に補正するための補正係数は、標準軟部に相当する物質から得られ、各種厚さを有するファントムの放射線画像を用いて導出することができる。ファントムにおける放射線の減弱係数および脂肪率Rfは、軟部組織に相当する物質に応じた予め定められた値となる。
第1導出部42は、画像全体における脂肪率Rf、すなわち軟部画像Gsの各画素の平均的な脂肪率Rfを求める。脂肪率Rfとは、人体の軟部組織に占める脂肪の割合を意味する。各画素(x,y)の脂肪率を算出した場合は、ノイズなどによって局所バラつきが生じるため、下記の式(5)に示すように、被写体Hの体厚Tに占める脂肪厚tf(x,y)を用いて、画像全体で平均的な脂肪率Rfを算出する。画素ごとの脂肪厚tf(x,y)は、対応する画素の被写体Hの体厚分布T(x、y)及び脂肪率rf(x、y)から算出し、画素ごとの筋肉厚tm(x,y)は、対応する画素の被写体Hの体厚分布T(x、y)及び筋肉率Rm(x、y)から算出する。なお、体厚Tは、脂肪厚tfと筋肉厚tmの合計として扱うことができる。
Rf=Σ(tf(x,y))/Σ(tm(x,y)+tf(x,y)) ・・・(5)
本実施形態では、筋肉組織を非脂肪組織と近似して導出する。人体の軟部組織は、筋肉組織、脂肪組織、内臓、血液および水分を含む。筋肉組織、内臓、血液および水分は、放射線の吸収特性が近いため、筋肉組織に内臓、血液および水分も含めた非脂肪組織を筋肉組織として扱うことができる。すなわち、画素ごとの脂肪率Rf(x、y)又は筋肉率Rm(x、y)は、一方が導出できれば、もう一方も導出できる。そのため、軟部組織における筋肉と脂肪の割合とは、脂肪率又は筋肉率を指す。
変換部43は、第1ルックアップテーブルLUT1を参照して、第1導出部42で導出した画像全体の脂肪率Rfに対応する体厚変換係数Kを取得する。取得した体厚変換係数Kを用いて、被写体Hの画像全体の脂肪率Rf及び体厚Tを、放射線Raの透過線量が等しく、脂肪率が一定である標準軟部の体厚T1に変換する。変換した標準軟部の体厚T1は、第2導出部44に送信する。
図11に示すように、第1ルックアップテーブルLUT1を用いて軟部画像Gsにおける脂肪率Rfに応じた、被写体Hの体厚Tを脂肪率が一定である標準軟部の体厚T1に変換する体厚変換係数Kを取得する。脂肪率Rfが低くなるほど、体厚変換係数Kは小さい値となる。第1ルックアップテーブルLUT1は、予め保存メモリ35に保存しておき、変換部43が第1導出部42からの脂肪率Rfの取得に応じて参照する。
被写体の体厚が大きいほど、減弱係数は小さくなるため骨部領域と軟部領域とのコントラストは小さくなる。実際の骨密度が同一であっても、被写体の体厚Tが大きいほど放射線画像から導出される骨密度は小さい値となる。第2ルックアップテーブルLUT2は、予め各種厚さを有するファントムを撮影して取得した放射線画像から、体厚T1に応じた骨部領域の画素値Gb(x,y)を導出し、導出した画素値が同一の骨密度となるように、体厚T1に応じた補正係数を導出する。また、補正係数を各種管電圧に応じて導出する。
第2導出部44は、第2ルックアップテーブルLUT2を参照して、変換部43で変換した標準軟部の体厚T1に対応する、骨密度の補正係数Cを算出する。補正係数Cを用いて、被写体Hの脂肪率Rf及び体厚Tについて補正した骨密度を骨部画像Gbから導出する。導出した被写体Hの骨密度は、保存メモリ35への保存や、骨部画像Gbと共にディスプレイ33に表示する。
図12に示すように、第2ルックアップテーブルLUT2は、骨部画像Gbにおける、撮影時の管電圧に応じたコントラストの相違、およびビームハードニングの影響によるコントラストの低下を補正するための補正係数Cを取得する。第2ルックアップテーブルLUT2は、管電圧の設定値を含む撮影条件に応じた画素毎の骨密度Bの補正係数Cと標準軟部の体厚T1の関係を保持する。管電圧が大きいほど、かつ被写体の体厚が大きいほど、補正係数Cは大きい値となる。第2ルックアップテーブルLUT2は、予め保存メモリ35に保存しておき、第2導出部44が変換部43から標準軟部の体厚T1の取得に応じて参照する。
図12では、管電圧80kv、90kV及び100kVに設定した場合の体厚と補正係数の関係を表しており、基準撮影条件として、管電圧が90kVで体厚が0の場合に、補正係数が1となっている。また、第2ルックアップテーブルLUT2を2次元で示しているが、補正係数Cは骨部領域の画素値に応じて異なる。このため、第2ルックアップテーブルLUT2は、実際には骨部領域の画素値を表す軸が加わった3次元のテーブルとなる。された
第2導出部44は、導出した補正係数Cと、生成した骨部画像Gbに基づいて、被写体Hの骨部領域における骨密度Bを導出する。下記の式(6)に示すように、骨部画像Gbにおける骨部領域の各画素値Gb(x,y)に対して、補正係数Cを乗算することにより、骨部画像Gbの画素毎の骨密度B(x,y)を導出する。これにより、骨密度B(x,y)を画素値とする骨密度画像が導出される。骨密度B(x,y)は、ビームハードニングの影響が除去放射線画像に含まれる骨部領域の骨部の画素値となる。なお、本実施形態においては骨密度の単位はg/cm2であるものとする。算出した骨密度は、骨部画像Gbや放射線画像に紐づけて保存することが好ましい。
B(x,y)=C×Gb(x,y) ・・・(6)
第2導出部44において、対象とする部位の骨密度の代表値を導出し、導出した骨密度の代表値を表示するようにしてもよい。代表値としては、骨密度の平均値、中央値、最大値および最小値等を用いることができる。よって、脂肪率を用いる上記実施形態と同様に、導出した体厚T1(x,y)に対応する補正係数Cを導出し、上記式(6)により骨密度B(x,y)を導出することができる。
また、本実施形態においては、骨部画像Gbと脂肪率Rfとに基づいて骨密度を導出しているが、脂肪率Rfに代えて、筋肉率Rmを用いて骨密度の補正を行ってもよい。非脂肪組織を筋肉組織と近似して導出するため、式(7)により導出した脂肪率Rf(x,y)から下記の式(7)により筋肉率Rm(x,y)を導出することができる。筋肉率Rm(x,y)が本開示の筋肉率分布の一例である。
Rm(x,y)=1-Rf(x,y) ・・・(7)
なお、体厚Tが一定の場合、筋肉率Rmと減弱係数との関係は、単調増加するものとなる。このため、筋肉率Rmと体厚変換係数との関係も、単調増加するものとなる。したがって、筋肉率Rmと体厚変換係数との関係を導出して保存メモリ35に保存しておき、この関係を参照して筋肉率Rmに応じた体厚変換係数を導出し、導出した体厚変換係数Kを用いて被写体Hの体厚Tを、標準軟部の体厚T1に変換することができる。
脂肪率適用部45は、ES処理により算出した放射線画像の画像全体の脂肪率Rfを、同一の被写体Hを撮影した別の放射線画像に提供する。同一人物の脂肪率は同じであるため、正面像で求めた脂肪率を、同一の被写体Hの放射線画像の別画像に適用することができる。放射線画像の別画像は、異なるタイミングで撮影した正面像の放射線画像でも良いが、正面像に対して別方向である、側面像や斜位像で被写体Hを撮影した放射線画像を含む。
図13に示すように、脂肪率適用部45は、脂肪率保存部46と、被写体判定部47と、脂肪率提供部48の機能を備える。別の放射線画像に脂肪率Rfを適用することで、サブトラクション処理の際の脂肪率Rfの算出における演算およびその時間を短縮することができる。なお、正面像に限らず、側面像や斜位像から脂肪率Rfを算出してもよい。
脂肪率保存部46は、導出した放射線画像の脂肪率を、被写体Hの情報と共に保存する。脂肪率保存部46に記憶領域を備えさせ、保存させてもよいし、保存メモリ35に対するデータの書き出しと読み込みを行う機能を実現させてもよい。
被写体判定部47は、取得した放射線画像における被写体Hが、保存した被写体Hの脂肪率と同一であるか否かを判定する。判定は、放射線画像撮影の際に入力された患者情報や撮影条件の比較、放射線画像の相関関係の算出により行う。判定には、被写体Hの撮影の向きは含めない。保存した脂肪率と同一の被写体Hを撮影した放射線画像であると判定された場合、脂肪率提供部48に脂肪率提供指示を送る。
脂肪率提供部48は、受信した脂肪率提供指示に応じて、保存した脂肪率を、取得した放射線画像に適用する。脂肪率は第1導出部42に送信し、脂肪率算出前の軟部画像Gsに適用する。脂肪率を適用した放射線画像は、適用した脂肪率を用いて標準軟部の体厚への変換や、骨密度の導出を行う。なお、脂肪率提供指示は、被写体判定部47からに限らず、ユーザが手動で行ってもよい。
図14に示すように、例えば、特定の被写体Hが同一であると判定された2つの放射線画像において、脂肪率導出元の放射線画像が正面像で、脂肪率提供先の放射線画像が側面像であっても脂肪率Rfを適用できる。また、異なるタイミングで撮影した、被写体Hの同方向の放射線画像間で、脂肪率Rfを適用してもよい。放射線画像間で被写体Hが異なる方向から撮影されていても、被写体Hが同一であると判定されれば、撮影の向きの組み合わせは特に限定されない。
正面像や側面像の放射線画像に対してそれぞれで脂肪率Rfを求めるより、1枚の放射線画像の脂肪率Rfを別方向画像に適用することにより、脂肪率Rfの精度向上、安定化させることができる。例えば、正面像が側面像より厚みが小さい場合、正面像が比較的誤差が小さいため、脂肪率Rfの精度を向上することができる。正面像と側面像それぞれで脂肪率Rfを求めると、それぞれの異なる誤差が発生するため、同じ脂肪率Rfを適用することで安定化させることができる。
出力制御部32は、第2導出部44が推定した骨密度Bを、例えば骨部画像Gbと共にディスプレイ33に表示させる。又は、ディスプレイ33には、導出した骨密度に基づいて、被写体Hの放射線画像における骨密度分布を表す骨密度画像(図示しない)を表示する。骨密度画像においては導出された骨密度の大きさに応じて骨部領域に模様を付与してもよい。
このように、本実施形態においては、被写体Hの骨部画像および脂肪率分布に基づいて被写体の骨部領域における骨密度を導出するようにした。このため、導出された骨密度は脂肪率Rfを考慮したものとなることから、本実施形態によれば、骨密度を精度よく導出することができる。
また、本実施形態では、図1に示すように被写体Hに放射線Raを照射して、被写体Hの透過像である2次元画像を取得する撮影方法(以下、単純撮影とする)により取得された放射線画像を用いるため、簡易に骨密度を導出することができる。このため、本実施形態による放射線画像処理装置12を、健康診断あるいは治療経過観察のような継続使用に適用することができる。
また、本実施形態においては、放射線画像撮影装置11及び放射線画像処理装置12を有する放射線画像処理システム10について、放射線画像撮影の内容を含めて説明したが、放射線画像処理装置12は放射線画像撮影装置11からではなく、外部サーバなどの外部記憶装置から放射線画像を取得する形態であってもよい。その場合、外部記憶装置から撮影条件等のデータと共に、ES処理が可能な同一の被写体Hを撮影した放射線画像を取得し、脂肪率を創出し、脂肪率を別方向の同一の被写体Hを撮影した放射線画像に適用する画像処理を行う。
外部記憶装置から放射線画像を取得する場合、画像取得部30は、2枚の放射線画像を取得する際に、いわゆる原画像に代えて、散乱線補正処理又はその他の画像処理等の各種処理を施した放射線画像を取得してもよい。また、画像取得部30を、取得する2枚の放射線画像のうち少なくとも1枚を、散乱線補正処理等を施した放射線画像にすることができるように構成してもよい。
次に、図15に示すフローチャートを用いて、本発明の放射線画像処理装置12による処理の流れの一例を説明する。放射線画像処理装置12は、互いに異なる2種類の放射線エネルギーをそれぞれ使用して、正面像における同一の被写体Hが撮影された、第1放射線画像G1及び第2放射線画像G2を取得する(ステップST110)。あらかじめ計測又は推定した体厚分布T(x,y)を用いて、取得した第1放射線画像G1及び第2放射線画像G2から散乱線成分を除去する(ステップST120)。散乱線成分が除去された第1放射線画像G1及び第2放射線画像G2に対するES処理を行い、被写体Hの骨部が抽出された骨部画像Gbと、被写体Hの軟部が抽出された軟部画像Gsを抽出する(ステップST130)。抽出した軟部画像Gsから、画像全体の被写体Hの脂肪率Rfを導出する(ステップST140)。第1ルックアップテーブルLUT1を用いて、脂肪率Rfに応じた体厚変換係数Kを導出し、体厚変換係数Kを用いて、被写体Hの体厚Tと脂肪率Rfを標準軟部の体厚T1に変換する(ステップST150)。第2ルックアップテーブルLUT2を用いて、標準軟部の体厚T1に応じた補正係数Cを取得し、被写体Hの骨密度を導出する(ステップST160)。骨部画像Gb、軟部画像Gsなどの画像や、脂肪率Rfや骨密度などの算出した値を保存する(ステップST170)。被写体Hを別方向で撮影した放射線画像に対する画像処理が無い(ステップST180でN)場合は、放射線画像処理装置12の処理を終了する。
互いに異なる2種類の放射線エネルギーをそれぞれ使用し、同一の被写体Hを正面像とは別方向で撮影した画像がある(ステップST180でY)場合は、保存した脂肪率Rfを別方向画像のES処理に適用し、脂肪率Rfの導出は省略する(ステップST190)。適用した脂肪率Rfを用いて、別方向画像における体厚変換及び骨密度算出を行う(ステップST200)。骨部画像Gb、軟部画像Gsなどの画像や、脂肪率Rfや骨密度などの算出した値を保存する(ステップST210)。更に同一の被写体Hの別方向を撮影した放射線画像がある場合(ステップST220でY)は、更にES処理を行う(ステップST190)際に、脂肪率Rfを適用し、骨密度の算出を行う。
被写体Hを別方向で撮影した放射線画像に対する画像処理が無い(ステップST220でN)場合は、放射線画像処理装置12の処理を終了する。保存した脂肪率Rfを適用することでES処理における処理時間を短縮でき、同じ脂肪率Rfを用いることで骨密度などの算出結果の安定化ができる。
本実施形態においては、同一の被写体Hとして、胸部を撮影した放射線画像に対して脂肪率Rfを別方向画像に適用しているが、同一人物の同じ部位を撮影した放射線画像であればこれに限定されるものではない。例えば、骨盤や股関節を捉えた腰部、大腿骨の関節周辺や、膝を撮影した放射線画像であってもよい。
また、本実施形態においては、骨密度を導出するためのエネルギーサブトラクション処理を行うに際し、1ショット法により第1および第2放射線画像G1、G2を取得しているが、これに限定されるものではない。1つの放射線検出器のみ用いて撮影を2回行う、いわゆる2ショット法により第1および第2放射線画像G1、G2を取得してもよい。2ショット法の場合、被写体Hの体動により、第1放射線画像G1および第2放射線画像G2に含まれる被写体Hの位置がずれる可能性がある。このため、第1放射線画像G1および第2放射線画像G2において、被写体の位置合わせを行った上で、本実施形態の処理を行うことが好ましい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、放射線画像にES処理を実行して画像全体の脂肪率を取得し、同一の被写体Hを別方向から撮影した放射線画像に脂肪率Rfを適用する形態である。それに対して第2実施形態では、連続して撮影した放射線画像のうち、最初に撮影した放射線画像を用いて算出した脂肪率Rfを、その後に撮影した放射線画像に対するES処理に適用する。なお、上記実施形態と共通する内容に関しては説明を省略する。連続して撮影した放射線画像は、同一方向から撮影した画像であることが好ましい。
連続して撮影した放射線画像である連続撮影画像に対して、実施例1のように1枚の画像の脂肪率Rfを求めたあと、その後に続く放射線画像に、同じ脂肪率Rfを適用する。連続撮影した放射線画像に脂肪率Rfを適用することで、処理時間短縮、安定化ができる。なお、連続撮影画像における連続での撮影は、同日撮影程度であればよい。また、連続撮影画像は、放射線動画を含む。放射線動画に対しても、フレームごとに脂肪率Rfを導出し、連続撮影画像と同様に1つの脂肪率Rfを、後に撮影した各フレームに適用してもよい。
図16に示すように、同一の被写体Hの正面像に対して、N回の放射線画像撮影を連続して行う場合、撮影1回目で取得した第1及び第2放射線画像G1、G2から脂肪率Rfを導出し、保存メモリ35に記憶する。保存した脂肪率Rfを撮影2回目の放射線画像、撮影3回目の放射線画像、と適用していき、撮影N回目の放射線画像まで行う。連続かつ同じ向きで特定の被写体Hを撮影するため、被写体判定部47における被写体Hが同一であるかの判定は省略してもよい。その場合、放射線画像の撮影開始時に脂肪率適用指示を発することが好ましい。
[第3実施形態]
上記第1実施形態及び第2実施形態では、一方向から撮影した放射線画像におけるES処理から取得した、画像全体の脂肪率Rfを、同一の被写体Hを撮影した放射線画像に適用する形態である。それに対して第3実施形態では、複数の方向から被写体Hを撮影した放射線画像の脂肪率Rfの平均値を保存し、特定の被写体Hが同一であると判定された放射線画像に適用する。なお、上記第1実施形態及び第2実施形態と共通する内容に関しては説明を省略する。
第3実施形態では、複数の方向から特定の被写体Hを撮影した各放射線画像における脂肪率Rfをそれぞれ導出し、導出した脂肪率Rfの平均値を算出する。脂肪率平均Rfaは、異なるタイミングで撮影した放射線画像から導出した2つ以上の脂肪率Rfから算出する。脂肪率平均Rfaは、2種類以上の方向で撮影した放射線画像の脂肪率を用いることが好ましい。脂肪率平均Rfaの算出において、脂肪率適用部45に、脂肪率平均算出部(図示しない)の機能が実現する。
図17に示すように、例えば、2つの脂肪率Rfから脂肪率平均Rfaを求める場合、
1つ目の脂肪率Rf1を、特定の被写体Hが正面像の放射線画像から導出して脂肪率適用部45に一時保存する。同様に、2つ目の脂肪率Rf2を、特定の被写体Hが側面像の放射線画像から導出し、一時保存する。一時保存した脂肪率Rf1及びRf2から脂肪率平均Rfaを算出し、保存する。以降に取得した同一の被写体Hの放射線画像にたいして、脂肪率平均Rfaを適用し、骨密度算出当を行う。
脂肪率平均Rfaの算出に用いる放射線画像の撮影方向は、正面像と側面像の組み合わせ以外にも、斜位像を含めた、いずれか2つの組み合わせや、正面像、側面像、及び斜位像の3種類以上を用いたパターンなどがある。また、斜位像同士であっても角度の異なる画像であれば、別の撮影方向の放射線画像として扱う。撮影方向がそれぞれ異なるn回の放射線画像の撮影を行った場合、脂肪率平均算出部において脂肪率平均Rfaは、n個の脂肪率の合計をnで割ることで算出する。複数方向の被写体Hの脂肪率を用いた脂肪率平均Rfaを適用することで、脂肪率の精度の向上ができる。
また、撮影方向に関して、側面像は、右側面の撮影をした右側面像、及び左側面を撮影した左側面像と区別してもよく、斜位像は任意の角度で複数の撮影方向で撮像してもよい。斜位像の区別には、例えば、右側面像に近い角度から順に第1斜位像、第2斜位像、第3斜位像、という区別してもよい。
上記実施形態において、放射線画像処理装置12における、中央制御部、画像取得部30,画像処理部31、出力制御部32、入力受付部34といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array) などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。また、記憶部のハードウェア的な構造はHDD(hard disc drive)やSSD(solid state drive)等の記憶装置である。
10 放射線画像処理システム
11 放射線画像撮影装置
12 放射線画像処理装置
14 放射線源
15 放射線撮影パネル
16 第1放射線検出器
17 放射線エネルギー変換フィルタ
18 第2放射線検出器
19 コンソール
20 ディスプレイ
21 操作部
22 通信部
30 画像取得部
31 画像処理部
32 出力制御部
33 ディスプレイ
34 入力受付部
35 保存メモリ
40 散乱線除去部
41 画像抽出部
42 第1導出部
43 変換部
44 第2導出部
45 脂肪率適用部
46 脂肪率保存部
47 被写体判定部
48 脂肪率提供部
C 補正係数
G1 第1放射線画像
G2 第2放射線画像
Gb 骨部画像
Gs 軟部画像
H 被写体
K 体厚変換係数
LUT1 第1ルックアップテーブル
LUT2 第2ルックアップテーブル
Ra 放射線
Rf 脂肪率
Rf1 脂肪率
Rf2 脂肪率
Rfa 脂肪率平均
T 体厚
T1 体厚

Claims (15)

  1. プロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    同一の被写体に対して、複数の互いに異なる放射線エネルギーをそれぞれ使用した少なくとも2枚の放射線画像を取得し、
    2枚の前記放射線画像に対するサブトラクション処理により、前記被写体の軟部組織に占める脂肪率を算出し、
    前記脂肪率を、前記放射線画像とは異なるタイミングで前記被写体を撮影した放射線画像である、別画像に対する前記サブトラクション処理に適用する放射線画像処理装置。
  2. 前記プロセッサは、
    前記サブトラクション処理を行う前記放射線画像に対して、画素毎に、体厚分布に応じた散乱線を推定して除去する請求項1記載の放射線画像処理装置。
  3. 前記プロセッサは、
    前記放射線画像とは異なる方向から前記被写体を撮影した別方向画像を、前記別画像として取得する請求項1記載の放射線画像処理装置。
  4. 前記プロセッサは、
    前記脂肪率を用いて、前記サブトラクション処理により抽出した前記放射線画像の骨部画像から算出した、前記被写体の骨密度を補正する請求項1記載の放射線画像処理装置。
  5. 前記プロセッサは、
    前記脂肪率を、標準軟部体厚に変換し、
    前記標準軟部体厚から前記被写体の骨密度算出における補正係数を算出する請求項4記載の放射線画像処理装置。
  6. 前記プロセッサは、
    前記放射線画像の画像全体から前記脂肪率を算出する請求項1記載の放射線画像処理装置。
  7. 前記プロセッサは、
    前記サブトラクション処理により前記放射線画像における軟部画像を抽出し、
    前記軟部画像から前記被写体の筋肉厚及び脂肪厚を導出し、
    前記脂肪厚及び前記筋肉厚に基づいて前記脂肪率を算出する請求項6記載の放射線画像処理装置。
  8. 前記プロセッサは、
    連続して撮影した前記放射線画像のうち、最初に撮影した前記放射線画像を用いて算出した前記脂肪率を、その後に撮影した前記放射線画像に対する前記サブトラクション処理に適用する請求項1記載の放射線画像処理装置。
  9. 前記プロセッサは、
    前記脂肪率を、放射線動画に対する前記サブトラクション処理に適用する請求項8記載の放射線画像処理装置。
  10. 前記プロセッサは、
    前記被写体を異なるタイミングで撮影した前記放射線画像から算出した、2つ以上の前記脂肪率の平均である脂肪率平均を、前記放射線画像に対する前記サブトラクション処理に適用する請求項1記載の放射線画像処理装置。
  11. 前記プロセッサは、
    正面像、側面像、及び斜位像のうちいずれか2種類の互いに異なる方向で撮影した前記放射線画像の前記脂肪率から前記脂肪率平均を算出する請求項10記載の放射線画像処理装置。
  12. 前記プロセッサは、
    正面像、2種類の側面像、及び複数の斜位像のうち、3種類以上のそれぞれ異なる方向で撮影した前記放射線画像の前記脂肪率から前記脂肪率平均を算出する請求項10記載の放射線画像処理装置。
  13. 前記プロセッサは、
    前記脂肪率に代えて、前記被写体の軟部組織に占める筋肉率を用いる請求項1ないし12いずれか1項記載の放射線画像処理装置。
  14. 同一の被写体に対して、複数の互いに異なる放射線エネルギーをそれぞれ使用した少なくとも2枚の放射線画像を取得するステップと、
    2枚の前記放射線画像に対するサブトラクション処理により、前記被写体の軟部組織に占める脂肪率を算出するステップと、
    前記脂肪率を、前記放射線画像とは異なるタイミングで前記被写体を撮影した放射線画像である別画像に対する前記サブトラクション処理に適用するステップとを有する放射線画像処理装置の作動方法。
  15. 同一の被写体に対して、複数の互いに異なる放射線エネルギーをそれぞれ使用した少なくとも2枚の放射線画像を取得する機能と、
    2枚の前記放射線画像に対するサブトラクション処理により、前記被写体の軟部組織に占める脂肪率を算出する機能と、
    前記脂肪率を、前記放射線画像とは異なるタイミングで前記被写体を撮影した放射線画像である別画像に対する前記サブトラクション処理に適用する機能をコンピュータに実行させる放射線画像処理プログラム。
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