JP2024041118A - レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ溶接の過程で母材の外表面に生じる微小な凹欠を適切に埋めて外表面を平滑化する。【解決手段】第一母材31の内面に第二母材32を当接ないし近接させたものに対し、第一母材31の外面側からレーザ光を照射し、かつレーザ光の光軸を両母材に対し相対的に変位させる走査を行い、両母材を溶接する装置であり、溶け込み深さが第一母材31の厚みよりも深くなるような出力のレーザ光を照射する本溶接に続いて、母材にレーザ光を殆どまたは全く照射しない冷却期間を設け、その冷却期間を経た後、溶け込み深さが第一母材31の厚みよりも浅くなるような出力のレーザ光を、前記本溶接における第一母材31の外面上のレーザ光の走査の軌跡に隣接する箇所に照射する後処理を実行するレーザ溶接装置を構成した。【選択図】図5

Description

本発明は、二つの母材をレーザ溶接する装置及び方法に関する。
ある母材と他の母材とを溶接するにあたり、溶接箇所にレーザ光を照射して母材を加熱、溶融させて溶接を実行するレーザ溶接技術が公知である(下記特許文献を参照)。
特開2021-194658号公報
レーザ溶接の用途の具体例として、リチウムイオン二次電池の電池缶(電池用外装缶、電池ケース)の電極端子(タブ)と、その電池缶の内面に当接ないし近接する電極板との溶接処理を挙げることができる。
電池缶は、鉄製若しくは鉄を含む合金製であり、その外表には予め防錆用のめっき、典型的にはニッケルめっきが施されている。電池缶の負極端子の内面側に配される電極板は、ジェリーロールから突出する複数の負極リードを相互に接続する銅製若しくは銅を含む合金製である。これら電池缶及び電極板を、電池缶の負極端子の外面側からレーザ光を照射することにより溶接するのである。
レーザ溶接では、直接にレーザ光の照射を受ける母材、上掲の例で言えば電池缶の材料が蒸発してスパッタが発生する。その帰結として、母材の外表面にクラックやピンホール等の微小な凹欠が生じ得る。凹欠の箇所は、防錆用のめっきが存在せず、鉄若しくは鉄合金が剥き出しになった状態となる。この凹欠に水が浸透した場合、錆が発生するおそれがある。
本発明は、レーザ溶接の過程で母材の外表面に生じる微小な凹欠を適切に埋めて外表面を平滑化することを所期の目的とする。
本発明では、第一母材の内面に第二母材を当接ないし近接させたものに対し、第一母材の外面側からレーザ光を照射し、かつレーザ光の光軸を両母材に対し相対的に変位させる走査を行い、両母材を溶接する装置であり、溶け込み深さが第一母材の厚みよりも深くなるような出力のレーザ光を照射する本溶接に続いて、母材にレーザ光を殆どまたは全く照射しない冷却期間を設け、その冷却期間を経た後、溶け込み深さが第一母材の厚みよりも浅くなるような出力のレーザ光を、前記本溶接における第一母材の外面上のレーザ光の走査の軌跡に隣接する箇所に照射する後処理を実行するレーザ溶接装置を構成した。
前記後処理においては、レーザ光を、前記本溶接における第一母材の外面上のレーザ光の走査の軌跡と重なる箇所、当該軌跡の内側に隣接する箇所、及び当該軌跡の外側に隣接する箇所に照射することが好ましい。
前記本溶接に先んじて、前記本溶接における第一母材の外面上のレーザ光の走査の軌跡と重なる箇所に、本溶接及び前記後処理よりも弱い出力のレーザ光を照射する予熱処理を実行することも考えられる。
前記本溶接及び前記後処理では、第一母材の外面上のレーザ光の照射位置が環状の軌跡を描くようにレーザ光の光軸を操作する。
第一母材は、例えば、その外表に防塵のためのめっきが予め施されているものである。
本発明に係るレーザ溶接方法は、第一母材の内面に第二母材を当接ないし近接させたものに対し、第一母材の側からその外面に向けてレーザ光を照射し、かつレーザ光の光軸を両母材に対し相対的に変位させる走査を行い、両母材を溶接する方法であって、溶け込み深さが第一母材の厚みよりも深くなるような出力のレーザ光を照射する本溶接に続いて、母材にレーザ光を照射しない冷却期間を設け、その冷却期間を経た後、溶け込み深さが第一母材の厚みよりも浅くなるような出力のレーザ光を、前記本溶接における第一母材の外面上のレーザ光の走査の軌跡に隣接する箇所に照射する後処理を実行することを特徴とする。
本発明によれば、レーザ溶接の過程で母材の外表面に生じる微小な凹欠を適切に埋めて外表面を平滑化することができる。
本発明の一実施形態のレーザ溶接装置の構成を示す図。 同レーザ溶接装置が備えるガルバノスキャナを示す斜視図。 同レーザ溶接装置によるレーザ溶接中の予熱処理及び本溶接並びに冷却期間におけるレーザ光の照射位置の変位の軌跡を示す、第一母材の外面を法線方向から見た平面図。 同レーザ溶接装置によるレーザ溶接中の後処理におけるレーザ光の照射位置の変位の軌跡を示す、第一母材の外面を法線方向から見た平面図。 同レーザ溶接装置によるレーザ溶接中の後処理におけるレーザ光の照射位置の変位の軌跡を示す、第一母材の外面を法線方向から見た平面図。 同レーザ溶接装置によるレーザ溶接中の後処理におけるレーザ光の照射位置の変位の軌跡を示す、第一母材の外面を法線方向から見た平面図。 同レーザ溶接装置によるレーザ溶接中のレーザ光の出力の推移を示すタイミング図。 同レーザ溶接装置によるレーザ溶接の結果を模式的に示す、溶接対象の母材の側断面図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態のレーザ溶接装置は、金属薄板材である第一母材31の内面に、同じく金属薄板材である第二母材32を重ね合わせるようにして当接ないし近接させ、第一母材31の外面側からその外面に向けてレーザ光Lを照射することにより、第一母材31と第二母材32とを溶接するものである。
本実施形態では、リチウムイオン二次電池の負極の溶接作業を想定している。図1に示すように、第一母材31は電池缶である。電池缶31は、鉄製若しくは鉄を含む合金製の部材である。電池缶31の外表には予め、防錆用のめっき、典型的にはニッケルめっきが施されている。電池缶31の負極端子の部位の厚みは、例えば約0.2mmないし0.3mm程度である。
第二母材32は、電池缶31の負極端子の内面側に配される電極板である。電極板32は、ジェリーロール33から突出する複数の負極リード331を相互に接続する集電体である。電極板32は、複数枚(例えば、二枚ないし三枚)の銅製若しくは銅を含む合金製の薄板321を積層してなる。その一枚一枚の厚みはそれぞれ、例えば約0.1mm以下である。
本レーザ溶接装置は、第一母材たる電池缶31の負極端子の外面側からレーザ光Lを照射して、電池缶31の負極端子とその内の第二母材たる電極板32とを溶接し、同時に電極板32を構成する複数枚の薄板321同士をも溶接する。
図1及び図2に示すように、本レーザ溶接装置は、レーザ光源(発振器)1から供給されるレーザ光Lを加工ノズル26から第一母材31の外面に向けて出射し、以て両母材31、32をレーザ溶接する。レーザ光源1は、母材31、32に吸収されやすく、両母材31、32の溶接に適した波長帯のレーザ光L、例えば波長1064nmないし1080nm程度の近赤外レーザ光Lを発振するファイバレーザとする。レーザ光Lは、連続波レーザでもよく、パルスレーザでもよい。
レーザ光源1と、母材31、32に対面する加工ノズル26との間には、レーザ光源1から加工ノズル26までレーザ光Lを伝搬させる光学系が介在する。この光学系は、光ファイバ、ミラー、レンズ、フィルタ等の既知の光学要素を用いて構築できる。
本レーザ溶接装置の光学系は、第一母材31の外面上でのレーザ光Lの照射位置を任意に変位させるための変位機構2として、ガルバノスキャナを備えている。ガルバノスキャナ2は、レーザ光Lを反射するミラー22、24と、そのミラー22、24の角度(姿勢)を高速かつ高精度で回動させるサーボモータまたはステッピングモータ21、23とからなる。ガルバノスキャナ2のミラー22、24の角度が変化すると、レーザ光軸の向きが変化し、第一母材31の外面とレーザ光Lの光軸とが交わる位置、即ち母材31、32に対してレーザ光Lを照射する位置が、X軸及びY軸に沿って二次元的に変位する。加工ノズル26には、fθレンズまたはテレセントリックレンズ25を内蔵しており、母材31、32に対するレーザ光Lの照射位置如何によらず、レーザ光Lが常に適切に集光されるようにしている。
本レーザ溶接装置にあって、レーザ光源1及びガルバノスキャナ2等を制御する制御部0は、プロセッサ、主記憶メモリ、補助記憶デバイス(フラッシュメモリであることがある)、入出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステム、パーソナルコンピュータ若しくはワークステーションまたはプログラマブルコントローラである。制御部0は、予め補助記憶デバイスに格納されているプログラムを主記憶メモリに読み込み、プロセッサにおいて解読して、レーザ光源1から供給するレーザ光Lの出力や、ガルバノスキャナ2が操作するレーザ光Lの光軸の向き等を制御する。
以降、本レーザ溶接装置が実行するレーザ溶接に関して詳記する。本レーザ溶接装置によるレーザ溶接方法は、予熱処理、本溶接、本溶接後の冷却期間、及び後処理を含む。これら予熱処理、本溶接、冷却期間、後処理の各ステップでは、レーザ光Lが第一母材31の外面上で円環を複数周回描くように、いわば一筆書きの如く、ガルバノスキャナ2を介してレーザ光Lの光軸を操作する。並びに、それと同期して、レーザ光源1から供給するレーザ光Lの出力を適時増減させる。
予熱処理は、本溶接に先んじて溶接対象の母材31、32、特に第一母材31を予熱するステップである。図3Aに示すように、予熱処理では、レーザ光Lにより第一母材31の外面上で真円または楕円M1を描くように、母材31、32に対する照射位置を連続的に変化させる走査を行う。その環状の軌跡M1の直径は、本溶接におけるそれに対応し、例えば約1.6mmとする。レーザ光Lの走査速度、即ちレーザ光Lの照射位置の母材31、32に対する相対変位の速度は、例えば約80mm/秒とする。
図4に示すように、予熱処理の期間T10におけるレーザ光Lの出力は、本溶接の期間T11におけるレーザ光Lの出力よりも弱く抑え、例えば約60Wとする。その上で、レーザ光Lにより第一母材31の外面上で環状の軌跡M1を複数周回、例えば三周描くように光軸を操作し、第一母材31にレーザ光Lを照射する。この予熱処理でも、第一母材31が幾分溶解することがあるが、その溶解の幅は細い。なお、図4に示しているように、予熱処理の期間T10の終期には、レーザ光Lの出力を、本溶接に必要な大きさまで徐々に増大させる。
本溶接は、文字通り、第一母材31と第二母材32とを確実に溶接し、かつ第二母材32を構成する複数枚の薄板321同士を確実に溶接するステップである。図3Aに示しているように、本溶接では、予熱処理と同じく、レーザ光Lにより第一母材31の外面上で環状の軌跡M1を描くように、母材31、32に対する照射位置を連続的に変化させる走査を行う。その軌跡M1の直径は、例えば約1.6mmとする。レーザ光Lの走査速度は、例えば約80mm/秒とする。これらは何れも、予熱処理時のそれに等しい。
図4に示しているように、本溶接の期間T11におけるレーザ光Lの出力は、例えば約240Wまで増強する。その上で、レーザ光Lにより第一母材31の外面上で環状の軌跡M1を少なくとも一周描くように光軸を操作し、第一母材31にレーザ光Lを照射する。この本溶接では、レーザ溶接による溶け込み深さが第一母材31の厚みよりも深くなり、第一母材31を貫通して第二母材32(の最下層の薄板321)まで達する。本溶接時の第一母材31の溶解幅は、予熱処理時の溶解幅よりも太くなる。なお、本溶接の完了後、冷却期間に移行するべく、レーザ光Lの出力を0または0に近い極小値まで徐々に低減させる。
冷却期間は、本溶接を通じて高温化した母材31、32、特に第一母材31を冷却するステップである。図3Aに示しているように、本溶接後の冷却期間においても、予熱処理及び本溶接と同じく、レーザ光Lにより第一母材31の外面上で環状の軌跡M1を描くように、母材31、32に対する照射位置を連続的に変化させる走査を継続する。その軌跡M1の直径は、例えば約1.6mmとする。レーザ光Lの走査速度は、例えば約80mm/秒とする。これらは何れも、本溶接時のそれに等しい。
図4に示しているように、冷却期間T12におけるレーザ光Lの出力は、0または0に近い極小値とする。要するに、冷却期間T12中は、母材31、32に対してレーザ光Lを殆どまたは全く照射しない。尤も、冷却期間T12中も、ガルバノスキャナ2は、レーザ光Lにより第一母材31の外面上で環状の軌跡M1を複数周回、例えば六周描くように、光軸を操作し続ける。
後処理は、本溶接によって第一母材31の外面に発生する微細なクラックやピンホール等の凹欠を埋めるためのステップである。後処理では、第一母材31を再度溶かすが、第二母材32は溶かさない。後処理は、
[i]本溶接における第一母材31の外面上のレーザ光Lの走査の軌跡の内周側にレーザ光Lを照射する処理
[ii]本溶接における第一母材31の外面上のレーザ光Lの走査の軌跡に重ねてレーザ光Lを照射する処理
[iii]本溶接における第一母材31の外面上のレーザ光Lの走査の軌跡の外周側にレーザ光Lを照射する処理
の三段階に分かたれる。
後処理[i]では、図3Bに示すように、ガルバノスキャナ2を介して、冷却期間中も走査を継続していたレーザ光Lの光軸を、第一母材31の外面上の本溶接の軌跡M1よりも内方に遷移させる。そして、レーザ光Lにより本溶接の軌跡M1の内周側に隣接する真円または楕円M2を描くように、母材31、32に対する照射位置を連続的に変化させる走査を行う。その環状の軌跡M2の直径は、本溶接におけるそれM1によりも少しく縮小した、例えば約1.3mmとする。レーザ光Lの走査速度は、本溶接時と同等の、例えば約80mm/秒とする。
図4に示しているように、後処理[i]の期間T2におけるレーザ光Lの出力は、例えば約90Wまで増強する。これは、予熱期間T10における出力に比して大きいが、本溶接期間T11における出力に比して小さい。なお、冷却期間から後処理[i]に遷移するときには、レーザ光Lの出力をステップ的に急増させて構わない。その上で、レーザ光Lにより第一母材31の外面上で環状の軌跡M2を少なくとも一周描くように光軸を操作し、第一母材31にレーザ光Lを照射する。後処理[i]では、レーザ溶接による溶け込み深さが第一母材31の厚みよりも浅い。即ち、第一母材31と第二母材32との境界面まで第一母材31が溶解することはなく、あくまでも第一母材31の外表層が溶解するに止まる。後処理[i]時の第一母材31の溶解幅は、本溶接時の溶解幅よりも細くなる。
後処理[i]に続く後処理[ii]では、図3Cに示すように、ガルバノスキャナ2を介して、レーザ光Lの光軸を、第一母材31の外面上の本溶接の軌跡M1の直上まで外方に遷移させる。そして、レーザ光Lにより本溶接の軌跡M1に重なる真円または楕円M3を描くように、母材31、32に対する照射位置を連続的に変化させる走査を行う。その軌跡M3の直径は、例えば約1.6mmとする。レーザ光Lの走査速度は、例えば約80mm/秒とする。これらは何れも、本溶接時のそれに等しい。
図4に示しているように、後処理[ii]の期間T3におけるレーザ光Lの出力は、後処理[i]の期間T2と同等の、例えば約90Wに維持する。その上で、レーザ光Lにより第一母材31の外面上で環状の軌跡M3を少なくとも一周描くように光軸を操作し、第一母材31にレーザ光Lを照射する。後処理[ii]でも、レーザ溶接による溶け込み深さは第一母材31の厚みよりも浅い。後処理[ii]時の第一母材31の溶解幅は、本溶接時の溶解幅よりも細くなる。
後処理[ii]に続く後処理[iii]では、図3Dに示すように、ガルバノスキャナ2を介して、レーザ光Lの光軸を、第一母材31の外面上の本溶接の軌跡M1及び後処理[ii]の軌跡M3よりも外方に遷移させる。そして、レーザ光Lにより上記の軌跡M1、M3の外周側に隣接する真円または楕円M4を描くように、母材31、32に対する照射位置を連続的に変化させる走査を行う。その環状の軌跡M4の直径は、本溶接におけるそれM1によりも少しく拡大した、例えば約1.9mmとする。レーザ光Lの走査速度は、本溶接時と同等の、例えば約80mm/秒とする。
図4に示しているように、後処理[iii]の期間T4におけるレーザ光Lの出力は、後処理[ii]の期間T3と同等の、例えば約90Wに維持する。その上で、レーザ光Lにより第一母材31の外面上で環状の軌跡M4を少なくとも一周描くように光軸を操作し、第一母材31にレーザ光Lを照射する。後処理[iii]でも、レーザ溶接による溶け込み深さは第一母材31の厚みよりも浅い。後処理[iii]時の第一母材31の溶解幅は、本溶接時の溶解幅よりも細くなる。
総じて、図5に模式的に示すように、予熱処理及び本溶接により、第一母材31を貫通し第二母材32へと達する深い溝状の溶融痕S1が得られ、第一母材31と第二母材32とを強固に接合する継手が形成される。
しかして、本溶接から冷却期間をおいた後の後処理により、第一母材31の外表層に、先の溶接痕S1を覆うような浅い(第一母材31と第二母材32との境界面まで達しない)溶融痕S2、S3、S4が得られる。後処理[i]、[ii]、[iii]による溶接深さ、即ち溶融痕S2、S3、S4の深さは、第一母材31の厚みの半分以下で構わない。後処理[i]による溶融痕S2と、後処理[ii]による溶融痕S3とは互いに隣接し、少なくとも一部が重なり合う。並びに、後処理[ii]による溶融痕S3と、後処理[iii]による溶融痕S4とは互いに隣接し、少なくとも一部が重なり合う。このような後処理を通じて、本溶接の際に第一母材31の外表層に生じた微細なクラックやピンホール等の凹欠が確実に埋められ、第一母材31の外表面が平滑化する。
本実施形態によれば、レーザ溶接の過程で第一母材31の外表面に生じる微小な凹欠を溶かして埋め、外表面を平滑化することができる。ひいては、凹欠に水が浸透して錆を発生させる問題を有効に回避できる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
0…制御部
1…レーザ光源
2…変位機構(ガルバノスキャナ)
31…第一母材
32…第二母材
L…レーザ光
M1、M2、M3、M4…レーザ光による走査の軌跡
T10…予熱処理の期間
T11…本溶接の期間
T12…冷却期間
T2、T3、T4…後処理の期間

Claims (6)

  1. 第一母材の内面に第二母材を当接ないし近接させたものに対し、第一母材の外面側からレーザ光を照射し、かつレーザ光の光軸を両母材に対し相対的に変位させる走査を行い、両母材を溶接する装置であり、
    溶け込み深さが第一母材の厚みよりも深くなるような出力のレーザ光を照射する本溶接に続いて、
    母材にレーザ光を殆どまたは全く照射しない冷却期間を設け、
    その冷却期間を経た後、溶け込み深さが第一母材の厚みよりも浅くなるような出力のレーザ光を、前記本溶接における第一母材の外面上のレーザ光の走査の軌跡に隣接する箇所に照射する後処理を実行するレーザ溶接装置。
  2. 前記後処理において、レーザ光を、前記本溶接における第一母材の外面上のレーザ光の走査の軌跡と重なる箇所、当該軌跡の内側に隣接する箇所、及び当該軌跡の外側に隣接する箇所に照射する請求項1記載のレーザ溶接装置。
  3. 前記本溶接に先んじて、前記本溶接における第一母材の外面上のレーザ光の走査の軌跡と重なる箇所に、本溶接及び前記後処理よりも弱い出力のレーザ光を照射する予熱処理を実行する請求項1記載のレーザ溶接装置。
  4. 前記本溶接及び前記後処理の各々において、第一母材の外面上のレーザ光の照射位置が環状の軌跡を描くようにレーザ光の光軸を操作する請求項1記載のレーザ溶接装置。
  5. 第一母材は、その外表に防塵のためのめっきが予め施されているものである請求項1記載のレーザ溶接装置。
  6. 第一母材の内面に第二母材を当接ないし近接させたものに対し、第一母材の側からその外面に向けてレーザ光を照射し、かつレーザ光の光軸を両母材に対し相対的に変位させる走査を行い、両母材を溶接する方法であり、
    溶け込み深さが第一母材の厚みよりも深くなるような出力のレーザ光を照射する本溶接に続いて、
    母材にレーザ光を照射しない冷却期間を設け、
    その冷却期間を経た後、溶け込み深さが第一母材の厚みよりも浅くなるような出力のレーザ光を、前記本溶接における第一母材の外面上のレーザ光の走査の軌跡に隣接する箇所に照射する後処理を実行するレーザ溶接方法。
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