JP2024036164A - 空中表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表示品質を向上させることが可能な空中表示装置を提供する。
【解決手段】 空中表示装置は、表示素子20と、光分割素子30と、光学素子40とを含む。表示素子20は、画像を表示し、複数の第1要素画素及び複数の第2要素画素を有する。複数の第1要素画素は、第1方向に並び、それぞれが第1方向に直交する第2方向に延びる。複数の第2要素画素は、第1方向に並び、それぞれが第2方向に延びる。複数の第1要素画素及び複数の第2要素画素は、交互に配置される。光分割素子30は、表示素子20から出射された光を受けるように配置され、複数の第1要素画素から出射された光の一部を右斜め方向に出射し、複数の第2要素画素から出射された光の一部を左斜め方向に出射する。光学素子40は、光分割素子30から出射された光を受けるように配置され、光分割素子30から出射された光を、光分割素子30と反対側に反射し、空中に空中像を結像する。
【選択図】 図1
【解決手段】 空中表示装置は、表示素子20と、光分割素子30と、光学素子40とを含む。表示素子20は、画像を表示し、複数の第1要素画素及び複数の第2要素画素を有する。複数の第1要素画素は、第1方向に並び、それぞれが第1方向に直交する第2方向に延びる。複数の第2要素画素は、第1方向に並び、それぞれが第2方向に延びる。複数の第1要素画素及び複数の第2要素画素は、交互に配置される。光分割素子30は、表示素子20から出射された光を受けるように配置され、複数の第1要素画素から出射された光の一部を右斜め方向に出射し、複数の第2要素画素から出射された光の一部を左斜め方向に出射する。光学素子40は、光分割素子30から出射された光を受けるように配置され、光分割素子30から出射された光を、光分割素子30と反対側に反射し、空中に空中像を結像する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、空中表示装置に関する。
画像や動画などを空中像として表示可能な空中表示装置が研究され、新しいヒューマン・マシン・インターフェースとして期待されている。空中表示装置は、例えば、2面コーナーリフレクタがアレイ状に配列された2面コーナーリフレクタアレイを備え、表示素子の表示面から出射される光を反射し、空中に実像を結像する。2面コーナーリフレクタアレイによる表示方法は、収差が無く、面対称位置に実像(空中像)を表示することができる。
特許文献1は、透明平板の表面から突出した透明な四角柱を2面コーナーリフレクタとして使用し、複数の四角柱を平面上にアレイ状に配置した光学素子を開示している。また、特許文献2は、第1及び第2光制御パネルの各々を、透明平板の内部に垂直に多数かつ帯状の平面光反射部を一定のピッチで並べて形成し、第1及び第2光制御パネルを、互いの平面光反射部が直交するように配置した光学素子を開示している。特許文献1、2の光学素子は、表示素子から出射された光を直交する反射面で2回反射させ、空中像を生成している。
特許文献1、2の光学素子を利用した表示装置は、光学素子の斜方向から観察することで空中像を認識できるものであり、光学素子の法線方向からの観察では良好な空中像を認識することは難しい。
本発明は、表示品質を向上させることが可能な空中表示装置を提供する。
本発明の第1態様によると、画像を表示し、複数の第1要素画素及び複数の第2要素画素を有し、前記複数の第1要素画素は、第1方向に並び、それぞれが前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記複数の第2要素画素は、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向に延び、前記複数の第1要素画素及び前記複数の第2要素画素は、交互に配置される、表示素子と、前記表示素子から出射された光を受けるように配置され、前記複数の第1要素画素から出射された光の一部を右斜め方向に出射し、前記複数の第2要素画素から出射された光の一部を左斜め方向に出射する光分割素子と、前記光分割素子から出射された光を受けるように配置され、前記光分割素子から出射された光を、前記光分割素子と反対側に反射し、空中に空中像を結像する光学素子とを具備する空中表示装置が提供される。
本発明の第2態様によると、前記光分割素子は、複数の透過領域及び複数の遮光領域を有し、前記複数の透過領域は、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向に延び、前記複数の遮光領域は、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向に延び、前記複数の透過領域及び前記複数の遮光領域は、交互に配置される、第1態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第3態様によると、前記光分割素子は、平面状の透明部材と、前記透明部材上に設けられた複数の遮光層とを含み、複数の遮光層は、前記第1方向に間隔を空けて並び、それぞれが前記第2方向に延びる、第2態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第4態様によると、前記第1方向における前記第1要素画素及び前記第2要素画素の合計の長さは、前記第1方向における前記透過領域及び前記遮光領域の合計の長さと同じである、第2態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第5態様によると、前記第1要素画素と前記第2要素画素との境界の位置は、前記透過領域の中心の位置と同じである、第2態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第6態様によると、前記光学素子は、前記光分割素子から斜め方向に入射した光を、面内に直交する法線方向に反射する、第1態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第7態様によると、前記光学素子は、平面状の基材と、前記基材の下に設けられ、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向に延びる複数の光学要素とを含み、前記複数の光学要素の各々は、前記法線方向に対してそれぞれが傾き、互いに接する第1反射面及び第2反射面を有する、第6態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第8態様によると、前記表示素子、前記光分割素子、及び前記光学素子は、互いに平行に配置される、第1態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明の第9態様によると、光を発光する照明素子をさらに具備し、前記表示素子は、前記照明素子からの光を受けるように配置され、液晶表示素子で構成される、第1態様に係る空中表示装置が提供される。
本発明によれば、表示品質を向上させることが可能な空中表示装置を提供することができる。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[1] 第1実施形態
[1-1] 空中表示装置1の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る空中表示装置1の斜視図である。図1において、X方向は、空中表示装置1のある1辺に沿った方向であり、Y方向は、水平面内においてX方向に直交する方向であり、Z方向は、XY面に直交する方向(法線方向ともいう)である。図2は、図1に示した空中表示装置1のXZ面における側面図である。図2の矢印は、大まかな光路を表している。
[1-1] 空中表示装置1の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る空中表示装置1の斜視図である。図1において、X方向は、空中表示装置1のある1辺に沿った方向であり、Y方向は、水平面内においてX方向に直交する方向であり、Z方向は、XY面に直交する方向(法線方向ともいう)である。図2は、図1に示した空中表示装置1のXZ面における側面図である。図2の矢印は、大まかな光路を表している。
空中表示装置1は、画像(動画を含む)を表示する装置である。空中表示装置1は、自身の光出射面の上方の空中に、空中像を表示する。空中表示装置1の光出射面とは、空中表示装置1を構成する複数の部材のうち最上層に配置された部材の上面を意味する。空中像とは、空中に結像する実像である。
空中表示装置1は、照明素子(バックライトともいう)10、表示素子20、光分割素子30、及び光学素子40を備える。照明素子10、表示素子20、光分割素子30、及び光学素子40は、この順にZ方向に沿って配置され、互いに平行に配置される。照明素子10、表示素子20、光分割素子30、及び光学素子40は、互いに所望の間隔を空けるようにして、図示せぬ固定部材で所望の位置に固定される。
照明素子10は、照明光を発光し、この照明光を表示素子20に向けて出射する。照明素子10は、光源部11、導光板12、及び反射シート13を備える。照明素子10は、例えばサイドライト型の照明素子である。
光源部11は、導光板12の側面に向き合うように配置される。光源部11は、導光板12の側面に向けて光を発光する。光源部11は、例えば白色LED(Light Emitting Diode)からなる複数の発光素子を含む。導光板12は、光源部11からの照明光を導光し、照明光を自身の上面から出射する。反射シート13は、導光板12の底面から出射された照明光を、再び導光板12に向けて反射する。照明素子10は、導光板12の上面に、光学特性を向上させる部材(プリズムシート、及び拡散シートを含む)を備えていてもよい。
表示素子20は、透過型の表示素子である。表示素子20は、例えば液晶表示素子で構成される。表示素子20の駆動モードについては特に限定されず、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、又はホモジニアスモードなどを用いることができる。表示素子20は、照明素子10から出射された照明光を受ける。表示素子20は、照明素子10からの照明光を透過して光変調を行う。そして、表示素子20は、自身の表示面に所望の画像を表示する。
光分割素子30は、表示素子20から出射された光を、第1空中像を表示するための第1光成分と、第2空中像を表示するための第2光成分とに分割する機能を有する。光分割素子30の詳細な構成については後述する。
光学素子40は、底面側から入射した光を上面側に反射する。また、光学素子40は、底面側から面内に直交する法線方向に対して斜め方向に入射した入射光を、例えば正面方向(法線方向)に反射する。光学素子40は、空中表示装置1の正面の空中に空中像2を結像する。光学素子40の詳細な構成については後述する。空中像2は、光学素子40の素子面に平行であり、2次元の画像である。素子面とは、光学素子40が面内方向に広がる仮想的な平面を言う。素子面は、面内と同じ意味である。その他の素子の素子面についても同じ意味である。光学素子40の正面にいる観察者3は、空中像2を視認することができる。
[1-1-1] 表示素子20の構成
図3は、図1に示した表示素子20の模式的な平面図である。
図3は、図1に示した表示素子20の模式的な平面図である。
表示素子20は、それぞれがY方向に延び、X方向に並んだ複数の要素画素EPを備える。複数の要素画素EPの各々は、Y方向に一列に並んだ複数の画素PXを備える。
複数の画素PXの各々は、表示素子20が表示する画像の色情報の最小単位である。画素PXは、例えば、光の三原色である赤(R)、緑(G)、及び青(B)にそれぞれ対応する赤サブ画素R、緑サブ画素G、及び青サブ画素Bで構成される。図3では、3行分の画素アレイを赤、緑、及び青のハッチングで示している。3行分以外の画素についても同じ構成である。
赤サブ画素R、緑サブ画素G、及び青サブ画素Bの各々は、長手方向がY方向である長方形を有する。赤サブ画素R、緑サブ画素G、及び青サブ画素Bは、X方向に並ぶように配置される。赤サブ画素R、緑サブ画素G、及び青サブ画素Bは、全体として正方形に構成される。
複数の要素画素EPは、便宜上、交互に並んだ左側の要素画素EP_L及び右側の要素画素EP_Rとして定義される。要素画素EP_Lと要素画素EP_Rとの物理的な構造は同じである。要素画素EP_Lと要素画素EP_Rとを区別しない場合は、要素画素EPと表記する。
要素画素EPの左右の関係は、光分割素子30との位置関係で決まる内容であり、詳細は後述する。
[1-1-2] 光分割素子30の構成
図4は、図1に示した光分割素子30の斜視図である。光分割素子30は、透明部材31、及び複数の遮光層32を備える。
図4は、図1に示した光分割素子30の斜視図である。光分割素子30は、透明部材31、及び複数の遮光層32を備える。
透明部材31は、XY面において平面状に構成され、直方体を有する。透明部材31は、透明材料で構成され、例えば、ガラス、又は透明な樹脂(アクリル樹脂を含む)で構成される。
透明部材31上には、複数の遮光層32が設けられる。複数の遮光層32は、それぞれがY方向に延び、X方向に並んで配置される。複数の遮光層32は、同じ幅を有し、所定の間隔を空けるようにして互いに等間隔で配置される。複数の遮光層32は、光を遮光する機能を有する。遮光層32は、例えば、クロム(Cr)、クロム化合物、若しくは黒色の染料又は顔料を含む樹脂で構成される。
光分割素子30は、複数の透過領域33と、複数の遮光領域34とを有する。複数の透過領域33と複数の遮光領域34とは、交互に配置される。透過領域33は、遮光層32が設けられていない領域であり、遮光領域34は、遮光層32が設けられている領域である。
図5は、光分割素子30のパラメータを説明するXZ面の側面図である。
光分割素子30は、表示素子20上に設けられる。図5では、光分割素子30が表示素子20に接するように配置される場合を一例として示している。
光分割素子30は、表示素子20上に設けられる。図5では、光分割素子30が表示素子20に接するように配置される場合を一例として示している。
前述したように、表示素子20は、交互に配置された複数の要素画素EP_L及び複数の要素画素EP_Rを備える。透過領域33の中心線を基準にして、左側の要素画素がEP_Lであり、右側の要素画素がEP_Rである。要素画素EP_Lと要素画素EP_Rとの境界は、透過領域33の中心線に設定される。要素画素EP_Lから出射される光を実線矢印で示し、要素画素EP_Rから出射される光を破線矢印で示している。
表示素子20の要素画素EPと、光分割素子30の透過領域33及び遮光領域34との長さの関係は、以下の式(1)で表される。
Bp=Bd+Bs=2Dp ・・・(1)
Dp:要素画素EPのX方向の長さ
Bs:透過領域33のX方向の長さ
Bd:遮光領域34のX方向の長さ
Bp:透過領域33と遮光領域34との合計のX方向の長さ
Bp=Bd+Bs=2Dp ・・・(1)
Dp:要素画素EPのX方向の長さ
Bs:透過領域33のX方向の長さ
Bd:遮光領域34のX方向の長さ
Bp:透過領域33と遮光領域34との合計のX方向の長さ
要素画素EPのX方向の長さDpは、要素画素EPのピッチともいう。透過領域33と遮光領域34との合計のX方向の長さBpは、光分割素子30のピッチともいう。光分割素子30のピッチは、同じ要素の繰り返し単位であり、換言すると、遮光領域34を挟んで並んだ2個の透過領域33の中心線間の距離である。
式(1)から、要素画素EPの長さDpが決まると、長さBpが算出される。光分割素子30は、透過領域33の中心線が要素画素EP_Lと要素画素EP_Rとの境界を通るように構成される。
なお、X方向における透過領域33と遮光領域34との合計の長さは、X方向における要素画素EP_Lと要素画素EP_Rとの合計の長さと完全に一致していなくてもよく、これらの長さ関係は、製造上の誤差、及び合わせずれによる誤差を含む。
要素画素EP及び光分割素子30の光出射角は、以下の式(2)、(3)で表される。
θ1=sin-1((n2/n1)*sinθ2) ・・・(2)
θ1´=sin-1((n2/n1)*sinθ2´) ・・・(3)
θ1:要素画素EP_Lの中心から出射される光の出射角
θ1´:要素画素EP_Rの中心から出射される光の出射角
θ2:要素画素EP_Lからの光が光分割素子30から出射される際の出射角
θ2´:要素画素EP_Rからの光が光分割素子30から出射される際の出射角
n1:光分割素子30の透明部材31の屈折率
n2:光分割素子30上の媒質の屈折率
θ1=sin-1((n2/n1)*sinθ2) ・・・(2)
θ1´=sin-1((n2/n1)*sinθ2´) ・・・(3)
θ1:要素画素EP_Lの中心から出射される光の出射角
θ1´:要素画素EP_Rの中心から出射される光の出射角
θ2:要素画素EP_Lからの光が光分割素子30から出射される際の出射角
θ2´:要素画素EP_Rからの光が光分割素子30から出射される際の出射角
n1:光分割素子30の透明部材31の屈折率
n2:光分割素子30上の媒質の屈折率
本実施形態では、屈折率n2は、空気とし、その値を1とする。なお、要素画素EPは、法線方向を中心として放射状に光を出射する。図5に示した矢印は、要素画素EPから出射された光のうち表示に使用される光成分を模式的に示している。図5に示した矢印は、表示に使用される光成分の中心の光路を意味する。
出射角θ2は、10度以上40度以下に設定される。出射角θ2´は、10度以上40度以下に設定される。式(2)、(3)から、出射角θ1、及び出射角θ1´の角度範囲が算出される。
表示素子20の上面から遮光層32までの距離をZbとする。距離Zbが短くなると、出射角θ2及び出射角θ2´が大きくなり、距離Zbが長くなると、出射角θ2及び出射角θ2´が小さくなる。距離Zbは、表示素子20と光分割素子30とを接するように配置した場合は、透明部材31の厚さに対応し、表示素子20と光分割素子30とを間隔を空けて配置した場合は、透明部材31の厚さと表示素子20及び光分割素子30の間隔との合計の距離に対応する。
図5では、表示素子20と光分割素子30とが接している例を示しているが、表示素子20と光分割素子30とを間隔を空けて配置した場合は、光分割素子30の底面での屈折角を考慮して、出射角θ1、及び出射角θ1´が設定される。
[1-1-3] 光学素子40の構成
図6は、図1に示した光学素子40の斜視図である。なお、図6には、光学素子40の一部を拡大した拡大図も図示している。図6の拡大図は、XZ面における側面図である。
図6は、図1に示した光学素子40の斜視図である。なお、図6には、光学素子40の一部を拡大した拡大図も図示している。図6の拡大図は、XZ面における側面図である。
光学素子40は、基材41、及び複数の光学要素42を備える。基材41は、XY面において平面状に構成され、直方体を有する。
基材41の底面には、複数の光学要素42が設けられる。複数の光学要素42の各々は、三角柱で構成される。光学要素42は、三角柱の3個の側面がXY面と平行になるように配置され、1つの側面が基材41に接する。複数の光学要素42は、それぞれがY方向に延び、X方向に並んで配置される。換言すると、複数の光学要素42は、XZ面において鋸歯状を有する。
複数の光学要素42の各々は、第1反射面43及び第2反射面44を有する。Y方向から見て、左側の側面が第1反射面43であり、右側の側面が第2反射面44である。第1反射面43は、要素画素EP_Rから出射された光を、光学要素42の内部で反射する面である。第2反射面44は、要素画素EP_Lから出射された光を、光学要素42の内部で反射する面である。基材41の法線方向に対する第1反射面43の角度と第2反射面44の角度は、例えば同じ角度に設定される。
基材41及び光学要素42は、透明材料で構成される。光学要素42は、例えば、基材41と同じ透明材料によって基材41と一体的に形成される。基材41と光学要素42とを個別に形成し、透明な接着材を用いて基材41に光学要素42を接着してもよい。基材41及び光学要素42を構成する透明材料としては、例えば、ガラス、又は透明な樹脂(アクリル樹脂を含む)が用いられる。
このように構成された光学素子40は、入射光を内部で反射して、空中に実像を結像する。また、光学素子40は、素子面の正面の位置に、空中像2を結像する。
光学要素42のX方向の長さは任意に設定可能である。光学要素42のX方向の長さを、光学素子40のピッチともいう。光学素子40のピッチを小さくすると、空中表示装置1の解像度(表示画像の緻密さ)が高くなり、光学素子40のピッチを大きくすると、空中表示装置1の解像度が低くなる。
[1-1-4] 空中表示装置1のブロック構成
図7は、空中表示装置1のブロック図である。空中表示装置1は、制御部50、記憶部51、入出力インターフェース(入出力IF)52、表示部53、及び入力部54を備える。制御部50、記憶部51、及び入出力インターフェース52は、バス55を介して互いに接続される。
図7は、空中表示装置1のブロック図である。空中表示装置1は、制御部50、記憶部51、入出力インターフェース(入出力IF)52、表示部53、及び入力部54を備える。制御部50、記憶部51、及び入出力インターフェース52は、バス55を介して互いに接続される。
入出力インターフェース52は、表示部53、及び入力部54に接続される。入出力インターフェース52は、表示部53、及び入力部54のそれぞれに対して、所定の規格に応じたインターフェース処理を行う。
表示部53は、照明素子10、及び表示素子20を備える。表示部53は、画像を表示する。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の1つ以上のプロセッサにより構成される。制御部50は、記憶部51に格納されたプログラムを実行することで各種機能を実現する。制御部50は、表示処理部50A、及び情報処理部50Bを備える。
表示処理部50Aは、表示部53(具体的には、照明素子10、及び表示素子20)の動作を制御する。表示処理部50Aは、照明素子10のオン及びオフを制御する。表示処理部50Aは、表示素子20に画像信号を送信し、表示素子20に画像を表示させる。
情報処理部50Bは、空中表示装置1が表示する画像を生成する。情報処理部50Bは、記憶部51に格納された画像データを用いることが可能である。情報処理部50Bは、図示せぬ通信機能を用いて外部から画像データを取得してもよい。
記憶部51は、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)等の不揮発性記憶装置と、RAM(Random Access Memory)、及びレジスタ等の揮発性記憶装置とを含む。記憶部51は、制御部50が実行するプログラムを格納する。記憶部51は、制御部50の制御に必要な各種データを格納する。記憶部51は、空中表示装置1が表示する画像のデータを格納する。
入力部54は、タッチパネルやボタンなどを含み、ユーザが入力した情報を受け付ける。情報処理部50Bは、入力部54が受け付けた情報に基づいて、表示部53に表示する画像を選択することが可能である。
[1-2] 空中表示装置1の動作
次に、上記のように構成された空中表示装置1の動作について説明する。
次に、上記のように構成された空中表示装置1の動作について説明する。
図8は、表示素子20及び光分割素子30の動作を説明する図である。図8には、表示素子20及び光分割素子30の側面図と、表示素子20の平面図とを示している。
要素画素EP_Lから放射状に出射された光のうち右斜め方向に進む光成分は、透過領域33における遮光層32の隙間を通過する。要素画素EP_Lから出射された光のうち法線方向およびそれより左斜め方向に進む光成分は、遮光層32で遮光される。
要素画素EP_Rから放射状に出射された光のうち左斜め方向に進む光成分は、透過領域33における遮光層32の隙間を通過する。要素画素EP_Rから出射された光のうち法線方向およびそれより右斜め方向に進む光成分は、遮光層32で遮光される。
このように、光分割素子30は、複数の要素画素EP_Lから出射された光を右斜め方向に配向して出射し、複数の要素画素EP_Rから出射された光を左斜め方向に配向して出射することができる。また、光分割素子30は、複数の要素画素EP_Lから出射された光と、複数の要素画素EP_Rから出射された光とを分割することができる。
図9は、表示素子20及び光分割素子30の配光特性を説明するグラフである。図9の横軸がX方向に沿って観察者が光分割素子30を見る角度(度)を表しており、縦軸が光の出力比(%)を表している。角度0度は、光分割素子30を法線方向(正面)から見た場合に対応する。図9の実線のグラフは、要素画素EP_Lから出射された光を表しており、破線のグラフは、要素画素EP_Rから出射された光を表している。
図9から理解できるように、光分割素子30は、光分割素子30を見る角度に応じて、要素画素EP_Lから出射された光と、要素画素EP_Rから出射された光とを分割することができている。光分割素子30は、要素画素EP_Lから出射された光のうち、角度30度付近をピークとする光成分を出射することができる。また、光分割素子30は、要素画素EP_Rから出射された光のうち、角度-30度付近をピークとする光成分を出射することができる。
図10は、光学素子40における光の反射の様子を説明する斜視図である。図11は、光学素子40における光の反射の様子を説明するXZ面の側面図である。図11は、観察者3の両目(すなわち、両目を結ぶ線)がX方向に平行な状態で光学素子40を見た図である。図12は、光学素子40における光の反射の様子を説明するYZ面の側面図である。図12は、観察者3の両目がY方向に平行な状態で光学素子40を見た図である。
図10乃至図12は、光分割素子30の任意の点“o”から出射した光の様子を示している。また、図10乃至図12は、光分割素子30から右斜め方向に出射した光成分の一部(図8の実線矢印の光成分の一部)の様子を示している。光分割素子30から左斜め方向に出射した光成分の動作は、光学素子40の点“o”を通るYZ面に対して図10乃至図12の光成分と面対称の光成分の動作に対応する。以下では、光分割素子30から右斜め方向に出射した光成分の動作について説明する。
光分割素子30の任意の点“o”から出射された光は、光学素子40の第1反射面43に入射し、第2反射面44に到達する。第2反射面44の法線方向に対して臨界角よりも大きい角度で到達した光は、第2反射面44で全反射され、光学素子40の光学要素42が形成されている側の反対側の平面から出射される。臨界角とは、その入射角を超えると全反射する最少の入射角である。臨界角は、入射面の垂線に対する角度である。
図11のXZ面では、点“o”から出射された光は、光学要素42の第2反射面44で全反射され、その光は空中で結像して空中像を生成する。
図12のYZ面では、点“o”から出射された光は、光学要素42の第2反射面44で反射されず、その光は空中で結像することがないため空中像の生成に寄与しない。
すなわち、観察者3が空中像を認識できる条件は、観察者3の両眼がX方向に平行、又はそれに近い状態(例えばX方向に対して±10度)である。また、観察者3の両眼がX方向に平行、又はそれに近い状態でY方向に沿って視点を移動した場合、空中像を常に認識することができる。
図13は、光学素子40における第1反射面43及び第2反射面44の角度条件を説明する図である。
Z方向(素子面に垂直な方向)に対する第1反射面43の角度をθ3、Z方向に対する第2反射面44の角度をθ4、第1反射面43と第2反射面44とのなす角度をθpとする。角度をθpは、以下の式(4)で表される。
θp=θ3+θ4 ・・・(4)
θp=θ3+θ4 ・・・(4)
光分割素子30から角度θ2で出射された光は、第1反射面43に入射する。光学素子40の材料の屈折率をnp、空気の屈折率を1とする。第1反射面43における入射角をθ5、屈折角をθ6とする。第2反射面44における入射角をθ7、反射角をθ8(=θ7)とする。光学素子40の上面における入射角をθ9、屈折角をθ10とする。屈折角θ10が出射角である。出射角θ10は、以下の式(5)で表される。
θ10=sin-1(np*sin(sin-1((1/np)*sin(90°-(θ2+θ3)))+θ3+2θ4-90°)) ・・・(5)
θ10=sin-1(np*sin(sin-1((1/np)*sin(90°-(θ2+θ3)))+θ3+2θ4-90°)) ・・・(5)
第2反射面44における臨界角は、以下の式(6)で表される。
臨界角<θ7(=θ8)
臨界角=sin-1(1/np) ・・・(6)
臨界角<θ7(=θ8)
臨界角=sin-1(1/np) ・・・(6)
すなわち、第2反射面44における入射角θ7は、第2反射面44における臨界角より大きく設定される。換言すると、第2反射面44の角度θ4は、第2反射面44に入射する光の入射角が臨界角より大きくなるように設定される。
また、第1反射面43に入射した光は、第1反射面43で全反射されないように設定される。すなわち、第1反射面43の角度θ3は、第1反射面43に入射する光の入射角が臨界角より小さくなるように設定される。
光学素子40の素子面と空中像2の面との角度、及び光学素子40の素子面と空中像2の面との距離は、光学素子40に入射する光の角度、光学素子40の屈折率、光学素子40の第1反射面43の角度、光学素子40の第2反射面44の角度を最適に設定することで調整が可能である。
図14は、空中表示装置1の光線追跡図である。
表示素子20の表示面における任意の点“o´”から、法線方向を中心として放射状に光が出射される。光分割素子30は、表示素子20から入射した光を分割し、角度θ2を中心とした角度範囲の光成分を出射する。図14から理解できるように、光分割素子30からは、法線方向より右側に傾いた方向の光成分が出射している。
表示素子20の表示面における任意の点“o´”から、法線方向を中心として放射状に光が出射される。光分割素子30は、表示素子20から入射した光を分割し、角度θ2を中心とした角度範囲の光成分を出射する。図14から理解できるように、光分割素子30からは、法線方向より右側に傾いた方向の光成分が出射している。
光分割素子30から光学素子40に斜めに入射した光は、光学素子40によって正面方向に反射される。そして、光学素子40によって反射された光は、点“o´´”で結像する。点“o´´”の位置は、空中像2が表示される位置である。
(空中表示装置1のより詳細な表示動作)
次に、空中表示装置1のより詳細な表示動作について説明する。
図15は、空中表示装置1の表示動作を説明する図である。図15では、光学素子40のピッチが光分割素子30のピッチと同じである場合を一例として示している。図15の例では、光学素子40における光学要素42の頂点の位置は、光分割素子30における透過領域33の中心の位置と同じである。
次に、空中表示装置1のより詳細な表示動作について説明する。
図15は、空中表示装置1の表示動作を説明する図である。図15では、光学素子40のピッチが光分割素子30のピッチと同じである場合を一例として示している。図15の例では、光学素子40における光学要素42の頂点の位置は、光分割素子30における透過領域33の中心の位置と同じである。
表示素子20の複数の要素画素EP_Lから放射状に出射された光の一部は、光分割素子30から右斜め方向に出射する。表示素子20の複数の要素画素EP_Lから出射された光は、実線矢印で示している。光分割素子30から右斜め方向に出射した光は、光学素子40の第1反射面43に入射し、第2反射面44で反射される。光学素子40の第2反射面44で反射された光は、光学素子40の上面からおおよそ法線方向に出射され、空中像を生成する。
表示素子20の複数の要素画素EP_Rから放射状に出射された光の一部は、光分割素子30から左斜め方向に出射する。表示素子20の複数の要素画素EP_Rから出射された光は、破線矢印で示している。光分割素子30から左斜め方向に出射した光は、光学素子40の第2反射面44に入射し、第1反射面43で反射される。光学素子40の第1反射面43で反射された光は、光学素子40の上面からおおよそ法線方向に出射され、空中像を生成する。
空中表示装置1をZ方向から見た場合において、3つの領域DA1~DA3を定義する。領域DA1は、X方向において中央の領域であり、要素画素EP_Lからの光と要素画素EP_Rからの光とが重なる領域である。領域DA2は、X方向において右側の領域であり、要素画素EP_Lからの光のみが出射する領域である。領域DA3は、X方向において左側の領域であり、要素画素EP_Rからの光のみが出射する領域である。
図16は、空中表示装置1が表示する空中像2を説明する図である。空中像2として、“1”~“9”、“/”、“*”、“-”、“+”の表示ボタンを一例として示している。空中像2は、領域DA1~DA3に表示される。“2”、“4”、“9”の表示ボタンは、赤である。“1”、“6”、“8”の表示ボタンは、緑である。“3”、“5”、“7”の表示ボタンは、青である。“/”、“*”、“-”、“+”の表示ボタンは、グレーである。
図17は、表示素子20の複数の要素画素EP_Lが表示する空中像を説明する図である。図18は、表示素子20の複数の要素画素EP_Rが表示する空中像を説明する図である。
表示素子20の複数の要素画素EP_Lは、“2”、“3”、“5”、“6”、“8”、“9”、“/”、“*”、“-”、“+”の表示ボタンを表示する。“2”、“3”、“5”、“6”、“8”、“9”、“/”、“*”、“-”、“+”の表示ボタンは、領域DA1、DA2に表示される。表示素子20の複数の要素画素EP_Rは、“1”、“4”、“7”の表示ボタンを表示する。“1”、“4”、“7”の表示ボタンは、領域DA1、DA3に表示される。
図17に示した複数の要素画素EP_Lが表示する空中像と、図18に示した複数の要素画素EP_Rが表示する空中像とが重なることで、図16に示した空中像が表示される。
図19は、表示素子20の画面に表示される画像を説明する図である。複数の要素画素EP_Lは、“2”、“3”、“5”、“6”、“8”、“9”、“/”、“*”、“-”、“+”の表示ボタンを表示する。複数の要素画素EP_Rは、“1”、“4”、“7”の表示ボタンを表示する。表示素子20の左側の領域では、“2”、“5”、“8”の表示ボタンと、“1”、“4”、“7”の表示ボタンとが重なるように表示される。図19では、便宜上、“1”、“4”、“7”の表示ボタンは、破線で示している。図19の画像の光が光分割素子30によって分割されることで、図16の空中像が空中に表示される。
[1-3] 光分割素子30の製造方法
次に、光分割素子30の製造方法について説明する。図20乃至図23は、光分割素子30の製造方法を説明する断面図である。
次に、光分割素子30の製造方法について説明する。図20乃至図23は、光分割素子30の製造方法を説明する断面図である。
図20に示すように、光分割素子30用の透明部材31を準備する。透明部材31は、透明材料で構成され、例えば、ガラス、又は透明な樹脂(アクリル樹脂を含む)で構成される。
続いて、透明部材31上に、遮光層32を成膜する。遮光層32は、クロム(Cr)、クロム化合物、若しくは黒色の染料又は顔料を含む樹脂で構成される。
続いて、図21に示すように、遮光層32上に、感光性樹脂(レジスト)60を成膜する。続いて、レジスト60を露光及び現像する。レジスト60としてポジ型レジストを用いた場合、露光により感光した部分が現像で除去される。
続いて、図22に示すように、レジスト60をマスクとして、遮光層32をエッチングする。
続いて、図23に示すように、レジスト60を除去する。以上の製造工程により、透明部材31及び遮光層32を備えた光分割素子30が製造される。
[1-5] 第1実施形態の効果
第1実施形態によれば、表示素子20から出射された光を光学素子40で反射させることで、空中に空中像2を表示することができる。また、空中表示装置1の正面方向において、空中像2を表示することができる。また、表示品質を向上させることが可能な空中表示装置1を実現できる。
第1実施形態によれば、表示素子20から出射された光を光学素子40で反射させることで、空中に空中像2を表示することができる。また、空中表示装置1の正面方向において、空中像2を表示することができる。また、表示品質を向上させることが可能な空中表示装置1を実現できる。
また、表示素子20は、交互に配置された複数の要素画素EP_L及び複数の要素画素EP_Rを備える。光分割素子30は、複数の要素画素EP_Lから出射された光の一部を右斜め方向に出射し、複数の要素画素EP_Rから出射された光の一部を左斜め方向に出射する。これにより、X方向において、表示素子20の長さより長い空中像2を表示することができる。結果として、表示素子20のサイズより大きい空中像2を表示することができる。
また、複数の要素画素EP_L及び複数の要素画素EP_Rから出射された光のうち空中像2の表示に寄与しない光成分を、光分割素子30の遮光層32で遮光することができる。これにより、空中像2の表示品質をより向上させることができる。
また、観察者3の両眼がX方向(すなわち、複数の光学要素42が並ぶ方向)に平行、又はそれに近い状態で光学素子40を見た場合に、観察者3は、空中像2を視認することができる。また、観察者3の両眼がX方向に平行、又はそれに近い状態でY方向に沿って視点を移動した場合、空中像2を常に視認することができる。また、観察者3の両眼がX方向に平行、又はそれに近い状態において、より広い視野角を実現できる。
また、空中表示装置1を構成する複数の素子を平行に配置することができる。これにより、Z方向に小型化が可能な空中表示装置1を実現できる。
[2] 第2実施形態
第2実施形態は、光分割素子30の透過領域33と遮光領域34との長さを可変するようにしている。
第2実施形態は、光分割素子30の透過領域33と遮光領域34との長さを可変するようにしている。
図24は、本発明の第2実施形態に係る表示素子20及び光分割素子30の模式的な平面図である。図25は、表示素子20及び光分割素子30のXZ面の側面図である。
表示素子20の構成は、第1実施形態と同じである。表示素子20は、X方向に沿って交互に配置された複数の要素画素EP_Lと複数の要素画素EP_Rとを備える。図25の要素画素の上の領域には、透明基板、及び偏光板などの透明部材が配置される。
光分割素子30は、電気的に透過状態及び遮光状態に設定可能な光変調素子で構成される。光分割素子30は、白黒表示が可能な透過型液晶表示装置、又はエレクトロクロッミック表示装置などで構成される。液晶表示装置は、パッシブマトリクス方式でもよいし、アクティブマトリクス方式でもよい。液晶表示装置において、白表示が透過状態に対応し、黒表示が遮光状態に対応する。エレクトロクロッミック表示装置は、エレクトロクロミック材料を電気化学的に酸化還元することで光透過率を変化させることが可能な表示装置である。
光分割素子30は、それぞれがY方向に延び、X方向に並んだ複数の要素画素を備える。複数の要素画素の各々は、電気的に透過状態及び遮光状態に設定可能である。また、光分割素子30は、X方向に沿って交互に配置された複数の透過領域33と複数の遮光領域34とを備える。複数の透過領域33の各々は、Y方向に延びる。透過領域33は、1個又は複数の要素画素で構成される。複数の遮光領域34の各々は、Y方向に延びる。遮光領域34は、1個又は複数の要素画素で構成される。光分割素子30の要素画素のX方向の長さは、表示素子20の要素画素EPのX方向の長さより短く設定される。
図26は、空中表示装置1のブロック図である。空中表示装置1は、図7の構成に加えて、電気的に制御可能な光分割素子30をさらに備える。制御部50は、図7の構成に加えて、領域設定部50Cをさらに備える。
光分割素子30は、入出力インターフェース52に接続される。入出力インターフェース52は、光分割素子30に対して、所定の規格に応じたインターフェース処理を行う。
領域設定部50Cは、光分割素子30の動作を制御する。領域設定部50Cは、光分割素子30に含まれる複数の要素画素のそれぞれに対して、透過状態及び遮光状態のいずれかに設定する。そして、領域設定部50Cは、光分割素子30における透過領域33のX方向の長さと遮光領域34のX方向の長さとを変化させるとともに、透過領域33のX方向の長さと遮光領域34のX方向の長さとを所望の長さに設定する。
上記のように構成された空中表示装置1において、表示素子20の要素画素EPのX方向の長さに応じて、光分割素子30における透過領域33のX方向の長さと遮光領域34のX方向の長さとを最適に設定できる。従って、第2実施形態によれば、空中像2の表示品質をより向上させることができる。
[3] 第3実施形態
第3実施形態は、表示素子20の他の構成例である。第3実施形態は、第1実施形態の図3から画素PXを90度回転させて画素アレイを構成するようにしている。
第3実施形態は、表示素子20の他の構成例である。第3実施形態は、第1実施形態の図3から画素PXを90度回転させて画素アレイを構成するようにしている。
図27は、本発明の第3実施形態に係る表示素子20の模式的な平面図である。図27では、3行分の画素アレイを赤、緑、及び青のハッチングで示している。3行分以外の画素についても同じ構成である。
画素PXは、例えば、光の三原色である赤(R)、緑(G)、及び青(B)にそれぞれ対応する赤サブ画素R、緑サブ画素G、及び青サブ画素Bで構成される。赤サブ画素R、緑サブ画素G、及び青サブ画素Bの各々は、長手方向がX方向である長方形を有する。赤サブ画素R、緑サブ画素G、及び青サブ画素Bは、Y方向に並ぶように配置される。赤サブ画素R、緑サブ画素G、及び青サブ画素Bは、全体として正方形に構成される。
第3実施形態によれば、要素画素の色分解能をより向上させることができる。また、空中像2の表示品質をより向上させることができる。
上記各実施形態では、表示素子20として液晶表示素子を例に挙げて説明しているが、これに限定されるものではなく、様々な種類の表示素子を用いることが可能である。表示素子20は、例えば、自発光型である有機EL(electroluminescence)表示素子、又はマイクロLED(Light Emitting Diode)表示素子などを用いることが可能である。マイクロLED表示素子は、画素を構成するR(赤)、G(緑)、B(青)をそれぞれLEDで発光させる表示素子である。自発光型の表示素子20を用いる場合、照明素子10は不要である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…空中表示装置、2…空中像、3…観察者、10…照明素子、11…光源部、12…導光板、13…反射シート、20…表示素子、30…光分割素子、31…透明部材、32…遮光層、33…透過領域、34…遮光領域、40…光学素子、41…基材、42…光学要素、43…第1反射面、44…第2反射面、50…制御部、50A…表示処理部、50B…情報処理部、50C…領域設定部、51…記憶部、52…入出力インターフェース、53…表示部、54…入力部、55…バス、60…レジスト。
Claims (9)
- 画像を表示し、複数の第1要素画素及び複数の第2要素画素を有し、前記複数の第1要素画素は、第1方向に並び、それぞれが前記第1方向に直交する第2方向に延び、前記複数の第2要素画素は、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向に延び、前記複数の第1要素画素及び前記複数の第2要素画素は、交互に配置される、表示素子と、
前記表示素子から出射された光を受けるように配置され、前記複数の第1要素画素から出射された光の一部を右斜め方向に出射し、前記複数の第2要素画素から出射された光の一部を左斜め方向に出射する光分割素子と、
前記光分割素子から出射された光を受けるように配置され、前記光分割素子から出射された光を、前記光分割素子と反対側に反射し、空中に空中像を結像する光学素子と、
を具備する空中表示装置。 - 前記光分割素子は、複数の透過領域及び複数の遮光領域を有し、
前記複数の透過領域は、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向に延び、
前記複数の遮光領域は、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向に延び、
前記複数の透過領域及び前記複数の遮光領域は、交互に配置される
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記光分割素子は、平面状の透明部材と、前記透明部材上に設けられた複数の遮光層とを含み、
複数の遮光層は、前記第1方向に間隔を空けて並び、それぞれが前記第2方向に延びる
請求項2に記載の空中表示装置。 - 前記第1方向における前記第1要素画素及び前記第2要素画素の合計の長さは、前記第1方向における前記透過領域及び前記遮光領域の合計の長さと同じである
請求項2に記載の空中表示装置。 - 前記第1要素画素と前記第2要素画素との境界の位置は、前記透過領域の中心の位置と同じである
請求項2に記載の空中表示装置。 - 前記光学素子は、前記光分割素子から斜め方向に入射した光を、面内に直交する法線方向に反射する
請求項1に記載の空中表示装置。 - 前記光学素子は、平面状の基材と、前記基材の下に設けられ、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向に延びる複数の光学要素とを含み、
前記複数の光学要素の各々は、前記法線方向に対してそれぞれが傾き、互いに接する第1反射面及び第2反射面を有する
請求項6に記載の空中表示装置。 - 前記表示素子、前記光分割素子、及び前記光学素子は、互いに平行に配置される
請求項1に記載の空中表示装置。 - 光を発光する照明素子をさらに具備し、
前記表示素子は、前記照明素子からの光を受けるように配置され、液晶表示素子で構成される
請求項1に記載の空中表示装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022140923A JP2024036164A (ja) | 2022-09-05 | 2022-09-05 | 空中表示装置 |
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