JP2024036033A - アンテナ装置 - Google Patents

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Shota Kunikata
健治 松下
Kenji Matsushita
裕哉 金子
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Abstract

【課題】簡易的に電波の指向性を切り替えるアンテナ装置を提供する。【解決手段】アンテナ装置1は、アンテナ素子10aを配置したアンテナ基板10と、アンテナ基板10に対して非接触でかつ平行に配置された反射板11と、アンテナ基板10と反射板11との各々の重心を通る軸AXを回転中心として反射板11を回転させる回転機構12とを備える。アンテナ基板10及び反射板11の各々の平面形状は、いずれかの方向を長手方向とする形状に設定される。反射板11は、複数の金属部11aと、各々の金属部11aをアンテナ基板10と対向する表面に配置する非金属部11bとで構成される。複数の金属部11aは、それぞれ反射板11の長手方向に沿って延伸する直線状であり、かつ、1/4波長以下の所定の間隔Dで並ぶ。【選択図】図1B

Description

本発明は、アンテナ装置に関する。
近年、従来のマイクロ波帯よりも高周波帯の準ミリ波・ミリ波を利用した移動体通信規格が普及しつつあり、一方では、マイクロ波を利用した無線給電技術の開発なども進んでいる。これらいずれの技術においても、通信対象は移動体に限られるものではなく、M2M(Machine to Machine)のように複数の特定の固定された通信先に対して通信を行う場合もあり得る。
通信先が固定されている場合、放射電波の指向性を連続的に変化させるのではなく、特定の放射パターンに適宜切り替えることができるような構成が望ましい。特許文献1は、給電素子の周囲に配された複数の無給電素子の各々をスイッチング素子により反射器又は導波器として動作するように切り替えて指向性を制御するアンテナに関する技術を開示している。複数の無給電素子のうちの一部は、給電素子を中心として回転する。
特開2003-198246号公報
特許文献1に開示されているアンテナでは、指向性を切り替えるに際してスイッチング素子が用いられるため、スイッチング素子自体及び当該スイッチング素子を駆動させるための制御回路を要することから、コスト又は設計工数の増加が懸念される。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、簡易的に電波の指向性を切り替えるアンテナ装置を提供することにある。
本発明の態様に係るアンテナ装置は、アンテナ素子を配置したアンテナ基板と、アンテナ基板に対して非接触でかつ平行に配置された反射板と、アンテナ基板と反射板との各々の重心を通る軸を回転中心として反射板を回転させる回転機構と、を備え、アンテナ基板及び反射板の各々の平面形状は、いずれかの方向を長手方向とする形状に設定され、反射板は、複数の金属部と、各々の金属部をアンテナ基板と対向する表面に配置する非金属部とで構成され、複数の金属部は、それぞれ反射板の長手方向に沿って延伸する直線状であり、かつ、1/4波長以下の所定の間隔で並ぶ。
本発明によれば、簡易的に電波の指向性を切り替えるアンテナ装置を提供することができる。
反射板が第1状態での第1実施形態に係るアンテナ装置の図である。 反射板が第2状態での第1実施形態に係るアンテナ装置の図である。 図1Aの拡大部IIに対応した、反射板の一部拡大図である。 第1比較例での反射板が第1状態にある場合を説明する概念図である。 第1比較例での反射板が第2状態にある場合を説明する概念図である。 図3Aと図3Bとの場合で比較した指向性を示す図である。 第1実施形態での反射板が第1状態にある場合を説明する概念図である。 第1実施形態での反射板が第2状態にある場合を説明する概念図である。 図5Aと図5Bとの場合で比較した指向性を示す図である。 図1Aと図1Bとの場合で比較した指向性を示す図である。 各反射板が第1状態での第2実施形態に係るアンテナ装置の図である。 第2反射板が第2状態での第2実施形態に係るアンテナ装置の図である。 第1反射板が第2状態での第2実施形態に係るアンテナ装置の図である。 比較例での各反射板が第1状態にある場合を説明する概念図である。 比較例での第2反射板が第1状態にある場合を説明する概念図である。 比較例での第1反射板が第1状態にある場合を説明する概念図である。 図9A~図9Cの場合で比較した指向性を示す図である。 第1及び第2反射板が第1状態にある場合を説明する概念図である。 第2反射板が第1状態にある場合を説明する概念図である。 第1反射板が第1状態にある場合を説明する概念図である。 図11A~図11Cの場合で比較した指向性を示す図である。 図8A~図8Cの場合で比較した指向性を示す図である。
以下、図面を用いて各実施形態に係るアンテナ装置について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1A及び図1Bは、第1実施形態に係るアンテナ装置1を示す斜視図である。図1Aは、反射板11が第1状態にある場合のアンテナ装置1の図である。図1Bは、反射板11が第2状態にある場合のアンテナ装置1の図である。
アンテナ装置1は、基地局アンテナ又は中継局アンテナ、室内アンテナ、又は、車載アンテナなど、様々な用途で用いられ得る。例えば、アンテナ装置1は、第5世代移動体通信規格(5G)に採用される準ミリ波・ミリ波等の高周波帯の電波、又は、無線給電技術に採用されるマイクロ波の電波に対応する。このように、アンテナ装置1は、通信対象を特に限定するものではなく、特定の固定された通信先に対して通信を行う場合にも適用され得るし、移動体通信にも適用され得る。
アンテナ装置1は、アンテナ基板10と、反射板11と、回転機構12と、制御部13とを備える。ここで、以下の説明では、一例として、アンテナ基板10と反射板11とが対向する方向をZ方向とし、Z方向に対して垂直となる平面をXY平面とする。なお、Z方向は、鉛直方向に沿った方向であってもよい。
アンテナ基板10は、本実施形態では、誘電体基板に複数のアンテナ素子10aを長手方向に沿って配置した長板状の平面アンテナである。具体的には、アンテナ基板10は、アンテナ素子10aをダイポールアンテナとした、水平偏波を主偏波とする平面ダイポールアンテナである。更に、アンテナ基板10は、5G用途としての必要性に合わせて、4つのアンテナ素子10aを長手方向に沿って配置した4素子アレーアンテナである。また、アンテナ基板10は、全体としてXY平面に対して平行となる姿勢で設置されるものとする。以下、アンテナ基板10の長辺側の端部を長端部10cと表記し、短辺側の端部を短端部10dと表記する。
なお、アンテナ基板10は、上記例示に限定されるものではなく、アンテナの種別又は素子数などは、適宜設定されてよい。また、図1A及び図1Bでは、アンテナ基板10に接続される配線類は、不図示である。
反射板11は、アンテナ基板10に対して非接触でかつ平行に配置される。反射板11の平面サイズは、アンテナ基板10の平面サイズ以上が望ましい。本実施形態では、一例として、反射板11の平面形状は、アンテナ基板10の平面形状と同等である。以下、反射板11の長辺側の端部を長端部11cと表記し、短辺側の端部を短端部11dと表記する。なお、アンテナ基板10及び反射板11の各々の平面形状は、いずれかの方向を長手方向とする形状に設定されればよく、本実施形態のような矩形状に限定されない。また、本実施形態では、アンテナ基板10と反射板11との間の距離Lは、λ/4(1/4波長)に設定される。
図2は、図1A中に示す拡大部IIに対応した、反射板11の一部拡大図である。反射板11は、複数の金属部11aと、非金属部11bとで構成される。
非金属部11bは、反射板11の全体としての平面サイズに合わせた平板状である。非金属部11bの材質は、非金属であれば特に限定されるものではない。以下で例示するように、反射板11がプリント基板から製造される場合には、非金属部11bは、紙基材又はガラス布に各種樹脂を含浸させたものなどであってもよい。又は、非金属部11bは、単なる樹脂材で構成されてもよい。
複数の金属部11aは、非金属部11bの表面のうちアンテナ基板10と対向する表面に配置される。各々の金属部11aは、それぞれ、反射板11の長手方向に沿って延伸する直線状である。また、各々の金属部11aは、λ/4(1/4波長)以下の所定の間隔Dで並ぶ。つまり、複数の金属部11aは、反射板11の全体としては、ストライプ状となる。金属部11aの材質は、利得の低下を抑えるために、金、銅又はアルミ等、一般に電気伝導度が高い金属であることが望ましい。また、互いに隣り合う金属部11a同士の所定の間隔Dは、図2に示すように、各々の金属部11aの中心間距離に相当する。
このような構成を有する反射板11は、例えば、プリント基板に対してエッチング加工を施すことによって製造されてもよい。なお、反射板11は、必ずしも本実施形態のような長板状のものに限られない。例えば、反射板11に代わる反射板は、レドーム又はアンテナケース等の既存の部材を非金属部として、直接、非金属部上に金属メッキ又は金属をプリントすることによって金属部が形成されてもよい。
ここで、1つの金属部11aについて、反射板11の短端部11dと平行に切断した場合の金属部11aの断面である横断面の形状は、おおよそ矩形である。このうち、金属部11aの幅Wは、特に限定されるものではないが、反射板11の全体として見た場合、幅Wがより小さい方が、交差偏波抑制効果が大きい。この点、製造上の制約を考慮すると、上記例示のように反射板11がエッチング加工により製造される場合には、幅Wが0.2[mm]程度であることが望ましい。また、金属部11aの厚みTは、使用する電波の周波数によって規定される表皮深さよりも厚い方が望ましい。
また、図1Aに示すように、アンテナ基板10の長手方向に対して反射板11の長手方向が一致するときの反射板11の状態を「第1状態」と定義する。図1Aの例示では、アンテナ基板10及び反射板11の各々の長手方向は、Y方向に沿っている。
回転機構12は、アンテナ基板10と反射板11との各々の重心を通る軸AXを回転中心として反射板11を回転させる。本実施形態における例示では、軸AXは、Z方向に沿って延伸し、反射板11は、XY平面内で回転することになる。回転機構12は、例えばモーターである。回転機構12の回転軸12aは、軸AXと同軸に配置され、回転軸12aの先端は、反射板11に接続されている。回転機構12が駆動すると、反射板11は、軸AXを回転中心として回転し、第1状態から回転角θ分、位置を変化させる。ここで、図1Bに示すように、回転角θが90°となる位置まで反射板11が回転したときの反射板11の状態を「第2状態」と定義する。図1Bの例示では、反射板11が第2状態にあるとき、反射板11の長手方向は、X方向に沿っている。なお、図1Aに示すように、反射板11が第1状態にあるときは、回転角θは0°である。
制御部13は、指定された指向性に合わせて回転機構12の動作を制御する。つまり、制御部13は、特定のアルゴリズムに従って回転機構12を動作させることにより反射板11の回転角θを調整させることで、電波の指向性を制御することができる。ここで、特定のアルゴリズムとは、特定の通信規格に限定されるものではなく、適用される通信規格の必要要件を満たすものであればよい。なお、制御部13には、必要に応じて、パイロット信号等を受信する受信回路が備わっていてもよい。
次に、アンテナ装置1の作用及び効果について説明する。
アンテナ装置1は、アンテナ素子10aを配置したアンテナ基板10と、アンテナ基板10に対して非接触でかつ平行に配置された反射板11とを備える。また、アンテナ装置1は、アンテナ基板10と反射板11との各々の重心を通る軸AXを回転中心として反射板11を回転させる回転機構12を備える。アンテナ基板10及び反射板11の各々の平面形状は、いずれかの方向を長手方向とする形状に設定される。反射板11は、複数の金属部11aと、各々の金属部11aをアンテナ基板10と対向する表面に配置する非金属部11bとで構成される。複数の金属部11aは、それぞれ反射板11の長手方向に沿って延伸する直線状であり、かつ、1/4波長以下の所定の間隔Dで並ぶ。
このアンテナ装置1によれば、反射板11を構成する各部のうち、複数の金属部11aで構成される金属部分は、いわゆるストライプ状となる。そのため、反射板11は、長手方向と同一方向に振動する偏波に対しては、実質的に反射板として機能するが、長手方向と直角に振動する偏波に対しては、実質的には反射板として機能しない。
ここで、上記のような反射板11を備えるアンテナ装置1の有効性を示すためのシミュレーション結果について説明する。
図3A及び図3Bは、シミュレーションに用いられた比較例としてのアンテナ装置モデル(以下「第1比較モデル」と表記する)を示す概念図である。第1比較モデルでは、本実施形態におけるアンテナ基板10とみなし得るアンテナ基板100と、本実施形態における反射板11の代わりとなる反射板とみなし得る反射板210とが設定される。
アンテナ基板100は、アンテナ基板10に合わせて、誘電体基板に複数のアンテナ素子100aを長手方向に沿って配置した長板状の平面アンテナである。以下、アンテナ基板100の長辺側の端部を長端部100cと表記し、短辺側の端部を短端部100dと表記する。また、長端部100cの長さを第1長辺長さL11と表記し、短端部100dの長さを第1短辺長さL12と表記する。
反射板210は、反射板11とは異なり、単に金属板で構成されている。なお、反射板210を構成する金属板の材質は、反射板11の金属部11aの材質と同一である。以下、反射板210の長辺側の端部を長端部210cと表記し、短辺側の端部を短端部210dと表記する。また、長端部210cの長さを第2長辺長さL21と表記し、短端部210dの長さを第2短辺長さL22と表記する。
なお、シミュレーションでは、より簡易的なモデルとするために、第1長辺長さL11の値が第1短辺長さL12の値に近くなるように、かつ、第2長辺長さL21の値が第2短辺長さL22の値に近くなるように、各々設定されている。
そして、図3Aでは、反射板210が本実施形態でいう第1状態にあるときの第1比較モデルが示されている。図3Bでは、反射板210が本実施形態でいう第2状態にあるときの第1比較モデルが示されている。
図4は、第1比較モデルにおいて、図3Aに示す場合と図3Bに示す場合とで比較した指向性を示す図である。図4に示される指向性は、アンテナ基板100のY方向に沿った長手方向の中心位置における、XZ平面と平行な断面を観測面として得られたものである。また、図4中、実線で示される範囲が、反射板210が第1状態にあるときの放射パターンである。図4中、破線で示される範囲が、反射板210が第2状態にあるときの放射パターンである。
図4に示すように、反射板210が単に金属板で構成される場合、反射板210が第1状態にあるときと第2状態にあるときとでは、各々の放射パターンに大きな変化はない。
図5A及び図5Bは、シミュレーションに用いられた本実施形態に係るアンテナ装置1に対応したアンテナ装置モデル(以下「第1モデル」と表記する)を示す概念図である。第1モデルでは、第1比較モデルで採用されたものと同一のアンテナ基板100と、本実施形態における反射板11とみなし得る反射板110とが設定される。
反射板110は、反射板11に合わせて、複数の金属部110aと、各々の金属部110aをアンテナ基板100と対向する表面に配置する非金属部110bとで構成される。以下、反射板110の長辺側の端部を長端部110cと表記し、短辺側の端部を短端部110dと表記する。なお、第1比較モデルとの結果の比較のために、長端部110cの長さは、図3Aに示す第2長辺長さL21と同一であり、短端部110dの長さは、図3Aに示す第2短辺長さL22と同一である。
そして、図5Aでは、反射板110が本実施形態でいう第1状態にあるときの第1モデルが示されている。図5Bでは、反射板110が本実施形態でいう第2状態にあるときの第1モデルが示されている。
図6は、第1モデルにおいて、図5Aに示す場合と図5Bに示す場合とで比較した指向性を示す図である。図6に示される指向性は、アンテナ基板100のY方向に沿った長手方向の中心位置における、XZ平面と平行な断面を観測面として得られたものである。また、図6中、実線で示される範囲が、反射板110が第1状態にあるときの放射パターンである。図6中、破線で示される範囲が、反射板110が第2状態にあるときの放射パターンである。
図6に示すように、反射板110がストライプ状の金属部分を有する場合、反射板110が第1状態にあるときには、主偏波の水平偏波に対して実質的に反射板として機能するため、おおよそ仰角45度方向を指向する放射パターンが得られる。このとき、反射板110は、交差偏波の垂直偏波に対しては、実質的には反射板として機能しない。
これに対して、反射板110が第1状態から回転角θ=90°まで回転されて第2状態になると、主偏波の水平偏波が反射板110の長手方向と直角になることで、実質的に反射板として機能しなくなる。つまり、反射板110が第1状態にあるときの放射パターンとは異なり、アンテナ基板100固有の方向を指向する放射パターンが得られる。
このように、第1モデルの場合、第1比較モデルの場合とは異なり、ストライプ状の金属部分を有する反射板110を90°回転させてアンテナ基板100に対する位置を変更させることで、放射パターンを大きく切り替えることができることがわかる。
図7は、本実施形態において、図1Aに示す場合と図1Bに示す場合とで比較した指向性を示す図である。図7に示される指向性は、アンテナ基板10のY方向に沿った長手方向の中心位置における、XZ平面と平行な断面を観測面として得られたものである。また、図7中、実線で示される範囲が、反射板11が第1状態にあるときの放射パターンである。図7中、破線で示される範囲が、反射板11が第2状態にあるときの放射パターンである。
回転機構12が反射板11を回転角θ=0°から回転角θ=90°となるように回転させると、上記原理に基づいて、図7に示すように、仰角45度方向の放射パターンから仰角0度方向の放射パターンに切り替わる。つまり、アンテナ装置1によれば、電波の指向性をスイッチのように制御することができる。そして、アンテナ装置1によれば、反射板11を回転させる回転機構12のみで電波の指向性を制御することができるので、装置全体としての設計難易度を低下させ、スイッチング素子等の別部品を要することもないため、低コストとなり得る。特に、アンテナ装置1において、アンテナ基板10の他に必要となる設計工数は、反射板11の設計に関する部分のみであるため、設計工数を抑えることができる。
以上のように、本実施形態によれば、簡易的に電波の指向性を切り替えるアンテナ装置1を提供することができる。
なお、上記説明では、反射板11を回転させるに際しての回転角θの例として、反射板11が第2状態となる回転角θ=90°を示した。これに対して、所望の放射パターンが得られるならば、回転角θ=0°から回転した後、すなわち放射パターンが切り替わった後の回転角θは、第2状態となる回転角θ=90°に代えて、例えば回転角θ=85°等の異なる角度に設定されてもよい。
また、アンテナ装置1は、指定された指向性に合わせて回転機構12の動作を制御する制御部13を備えてもよい。
このアンテナ装置1によれば、例えば、5G用途に合わせたアルゴリズムに従って電波の指向性を自動で制御させることができる。
また、アンテナ装置1では、制御部13は、反射板11の状態が、反射板11の回転角θが0°となる第1状態と、回転角θが90°となる第2状態とのいずれかとなるように、回転機構12に回転角θを切り替えさせてもよい。
このアンテナ装置1によれば、アンテナ基板10の主偏波及び交差偏波の特性に合わせて反射板11の長手方向の位置が規定されるので、反射板11を実質的に反射板として機能させるか又は機能させないかの作用がより効率的に発揮され得る。また、制御部13による回転角θの切り替え制御をより簡易的なものとすることができる。
更に、アンテナ装置1では、アンテナ基板10は、複数のアンテナ素子10aを長手方向に沿って配置した長板状の平面アンテナであってもよい。
このアンテナ装置1によれば、例えば、準ミリ波・ミリ波の高周波帯の電波が適用される5G用途に採用されるに際して、簡易かつ小型とするのに有利となり得る。
(第2実施形態)
第1実施形態に係るアンテナ装置1では、1つの反射板11を回転させることで電波の指向性を切り替える。これに対して、第2実施形態に係るアンテナ装置2では、アンテナ基板10を挟んで対峙する2つの反射板のうちのいずれかを回転させることで電波の指向性を切り替える。
図8A、図8B及び図8Cは、アンテナ装置2を示す斜視図である。図8Aは、第1反射板11及び第2反射板31の双方が第1状態にある場合のアンテナ装置2の図である。図8Bは、第2反射板31のみが第2状態にある場合のアンテナ装置2の図である。図8Cは、第1反射板11のみが第2状態にある場合のアンテナ装置2の図である。以下、アンテナ装置2において、第1実施形態に係るアンテナ装置1における構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
アンテナ装置2は、第1反射板11と、第2反射板31とを備える。
第1反射板11は、アンテナ基板10の第1主平面10eと対向する反射板であり、アンテナ装置1における反射板11と同一である。そこで、本実施形態では、第1反射板11の符号は、アンテナ装置1における反射板11の符号と同一とする。
第2反射板31は、アンテナ基板10の第2主平面10fと対向する反射板である。第2主平面10fは、アンテナ基板10において第1主平面10eの反対側にある。第2反射板31は、第1反射板11と同様に、アンテナ基板10に対して非接触でかつ平行に配置される。また、本実施形態では、第2反射板31の平面サイズは、第1反射板11の平面サイズと同一である。以下、第2反射板31の長辺側の端部を長端部31cと表記し、短辺側の端部を短端部31dと表記する。
また、第2反射板31は、第1反射板11と同様に、複数の金属部31aと、非金属部31bとで構成される。金属部31aは、第1反射板11の金属部11aに対応する。なお、図8A、図8B及び図8Cでは、各々の金属部31aは、第2反射板31の裏面側に位置し、直接的には視認されないため、便宜上破線で示されている。非金属部31bは、第1反射板11の非金属部11bに対応する。第2反射板31においても、複数の金属部31aは、非金属部31bの表面のうちアンテナ基板10と対向する表面に配置される。
更に、図8Aに示すように、アンテナ基板10の長手方向に対して第2反射板31の長手方向が一致するときの第2反射板31の状態も「第1状態」と定義する。図8Aの例示では、第2反射板31の各々の長手方向は、Y方向に沿っている。
また、本実施形態では、アンテナ基板10と第1反射板11との間の距離L1、及び、アンテナ基板10と第2反射板31との間の距離L2の双方とも、λ/4(1/4波長)に設定される。
アンテナ装置2は、第1回転機構12と、第2回転機構22とを備える。
第1回転機構12は、第1反射板11を回転させる回転機構であり、アンテナ装置1における回転機構12と同一である。そこで、本実施形態では、第1回転機構12の符号は、アンテナ装置1における回転機構12の符号と同一とする。
第2回転機構22は、第2反射板31を回転させる回転機構である。第2回転機構22は、アンテナ基板10と第2反射板31との各々の重心を通る軸AXを回転中心として第2反射板31を回転させる。本実施形態における例示でも、軸AXは、Z方向に沿って延伸し、第2反射板31がXY平面内で回転することになる。第2回転機構22の回転軸22aは、軸AXと同軸に配置され、回転軸22aの先端は、第2反射板31に接続されている。第2回転機構22が駆動すると、第2反射板31は、軸AXを回転中心として回転し、第1状態から回転角θ分、位置を変化させる。ここで、図8Bに示すように、回転角θが90°となる位置まで第2反射板31が回転したときの第2反射板31の状態も「第2状態」と定義する。図8Bの例示では、第2反射板31が第2状態にあるとき、第2反射板31の長手方向は、X方向に沿っている。なお、図8Aに示すように、第2反射板31が第1状態にあるときは、回転角θは0°である。
また、本実施形態では、制御部13は、特定のアルゴリズムに従って第2回転機構22を動作させることにより第2反射板31の回転角θを調整させることで、電波の指向性を制御することができる。
次に、アンテナ装置2の作用及び効果について説明する。
アンテナ装置2では、反射板は、アンテナ基板10の第1主平面10eと対向する第1反射板11と、アンテナ基板10の第1主平面10eとは反対側の第2主平面10fと対向する第2反射板31とであってもよい。回転機構は、第1反射板11を回転させる第1回転機構12と、第2反射板31を回転させる第2回転機構22とであってもよい。
このアンテナ装置2によれば、第1反射板11及び第2反射板31ともに、複数の金属部11a又は複数の金属部31aで構成される金属部分は、ストライプ状となる。そのため、第1反射板11及び第2反射板31ともに、長手方向と同一方向に振動する偏波に対しては、実質的に反射板として機能するが、長手方向と直角に振動する偏波に対しては、実質的には反射板として機能しない。
ここで、上記のような第1反射板11及び第2反射板31を備えるアンテナ装置2の有効性を示すためのシミュレーション結果について説明する。
図9A、図9B及び図9Bは、シミュレーションに用いられた比較例としてのアンテナ装置モデル(以下「第2比較モデル」と表記する)を示す概念図である。以下、第2比較モデルにおいて、第1実施形態において例示した第1比較モデルにおける構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。つまり、第2比較モデルでは、アンテナ基板100の他に、本実施形態における第1反射板11の代わりとなる反射板とみなし得る第1反射板210と、本実施形態における第2反射板31の代わりとなる反射板とみなし得る第2反射板220とが設定される。第2反射板220の形状、大きさ及び材質等は、第1反射板210のそれらと同一である。以下、第2反射板220の長辺側の端部を長端部220cと表記し、短辺側の端部を短端部220dと表記する。
そして、図9Aでは、第1反射板210及び第2反射板220の双方が本実施形態でいう第1状態にあるときの第2比較モデルが示されている。図9Bでは、第2反射板220のみが本実施形態でいう第2状態にあるときの第2比較モデルが示されている。図9Cでは、第1反射板210のみが本実施形態でいう第2状態にあるときの第2比較モデルが示されている。
図10は、第2比較モデルにおいて、図9A、図9B及び図9Cのそれぞれに示す場合で比較した指向性を示す図である。図10に示される指向性は、アンテナ基板100のY方向に沿った長手方向の中心位置における、XZ平面と平行な断面を観測面として得られたものである。また、図10中、実線で示される範囲が、第1反射板210及び第2反射板220の双方が第1状態にあるときの放射パターンである。図10中、破線で示される範囲が、第2反射板220のみが第2状態にあるときの放射パターンである。図10中、一点鎖線で示される範囲が、第1反射板210のみが第2状態にあるときの放射パターンである。
図10に示すように、第1反射板210及び第2反射板220が単に金属板で構成される場合、第1反射板210及び第2反射板220のいずれも第1状態にあるときと第2状態にあるときとでは、各々の放射パターンに大きな変化はない。
図11A、図11B及び図11Cは、シミュレーションに用いられた本実施形態に係るアンテナ装置2に対応したアンテナ装置モデル(以下「第2モデル」と表記する)を示す概念図である。第2モデルでは、第2比較モデルで採用されたものと同一のアンテナ基板100と、本実施形態における第1反射板11とみなし得る第1反射板110と、本実施形態における第2反射板31とみなし得る第2反射板120とが設定される。第2反射板120の構造、形状、大きさ及び材質等は、第1反射板110のそれらと同一である。以下、第2反射板120の長辺側の端部を長端部120cと表記し、短辺側の端部を短端部120dと表記する。
そして、図11Aでは、第1反射板110及び第2反射板120の双方が本実施形態でいう第1状態にあるときの第2モデルが示されている。図11Bでは、第2反射板120のみが本実施形態でいう第2状態にあるときの第2モデルが示されている。図11Cでは、第1反射板110のみが本実施形態でいう第2状態にあるときの第2モデルが示されている。
図12は、第2モデルにおいて、図11A、図11B及び図11Cのそれぞれの場合で比較した指向性を示す図である。図12に示される指向性は、アンテナ基板100のY方向に沿った長手方向の中心位置における、XZ平面と平行な断面を観測面として得られたものである。また、図12中、実線で示される範囲が、第1反射板110及び第2反射板120の双方が第1状態にあるときの放射パターンである。図12中、破線で示される範囲が、第2反射板120のみが第2状態にあるときの放射パターンである。図12中、一点鎖線で示される範囲が、第1反射板110のみが第2状態にあるときの放射パターンである。
図12に示すように、第1反射板110及び第2反射板120の双方がストライプ状の金属部分を有する場合、第1反射板110及び第2反射板120の双方が第1状態にあるときには、主偏波の水平偏波に対して実質的に反射板として機能する。そのため、おおよそ仰角0度方向を指向する放射パターンが得られる。このとき、第1反射板110及び第2反射板120は、それぞれ、交差偏波の垂直偏波に対しては、実質的には反射板として機能しない。
これに対して、第1反射板110のみが第1状態から回転角θ=90°まで回転されて第2状態になると、主偏波の水平偏波が第1反射板110の長手方向と直角になることで、実質的に反射板として機能しなくなる。同様に、第2反射板120のみが第1状態から回転角θ=90°まで回転されて第2状態になっても、主偏波の水平偏波が第2反射板120の長手方向と直角になることで、実質的に反射板として機能しなくなる。つまり、第1反射板110及び第2反射板120の双方が第1状態にあるときの放射パターンとは異なり、各々異なる方向を指向する放射パターンが得られる。
このように、第2モデルの場合、第2比較モデルの場合とは異なり、ストライプ状の金属部分を有する第1反射板110を90°回転させてアンテナ基板100に対する位置を変更させることで、放射パターンを大きく切り替えることができることがわかる。また、第1反射板110に代えて、同じくストライプ状の金属部分を有する第2反射板120を90°回転させてアンテナ基板100に対する位置を変更させることで、放射パターンを大きく切り替えることができることもわかる。
図13は、本実施形態において、図8A、図8B及び図8Cのそれぞれの場合で比較した指向性を示す図である。図13に示される指向性は、アンテナ基板10のY方向に沿った長手方向の中心位置における、XZ平面と平行な断面を観測面として得られたものである。また、図13中、実線で示される範囲が、第1反射板11及び第2反射板31の双方が第1状態にあるときの放射パターンである。図13中、破線で示される範囲が、第2反射板31のみが第2状態にあるときの放射パターンである。図13中、一点鎖線で示される範囲が、第1反射板11のみが第2状態にあるときの放射パターンである。
まず、第1回転機構12が第1反射板11を回転角θ=0°から回転角θ=90°となるように回転させると、上記原理に基づいて、図13に示すように、仰角0度方向の放射パターンから仰角-45度方向の放射パターンに切り替わる。一方、第2回転機構22が第2反射板31を回転角θ=0°から回転角θ=90°となるように回転させると、上記原理に基づいて、図13に示すように、仰角0度方向の放射パターンから仰角45度方向の放射パターンに切り替わる。つまり、アンテナ装置2によっても、電波の指向性をスイッチのように制御することができる。そして、アンテナ装置2によれば、アンテナ基板10を挟んで第1反射板11と第2反射板31との2つの反射板を配置することで、電波の指向性の選択範囲をより拡大させることができる。
なお、上記説明では、アンテナ基板10に対して反射板11等の反射板が回転する構成を例示した。これに対して、アンテナ基板10に関して、例えば、給電のための配線の取り回しに影響を及ぼさない範囲において、アンテナ基板10自体も反射板11等と同様に回転する構成もあり得る。
以上、各実施形態を説明したが、実施形態はこれらに限定されるものではなく、各実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1,2 アンテナ装置
10 アンテナ基板
10a アンテナ素子
10e 第1主平面
10f 第2主平面
11 反射板(第1反射板)
11a,31a 金属部
11b,31b 非金属部
12 回転機構(第1回転機構)
13 制御部
22 第2回転機構
31 第2反射板
AX 回転中心となる軸
D 金属部同士の間隔
θ 回転角

Claims (5)

  1. アンテナ素子を配置したアンテナ基板と、
    前記アンテナ基板に対して非接触でかつ平行に配置された反射板と、
    前記アンテナ基板と前記反射板との各々の重心を通る軸を回転中心として前記反射板を回転させる回転機構と、を備え、
    前記アンテナ基板及び前記反射板の各々の平面形状は、いずれかの方向を長手方向とする形状に設定され、
    前記反射板は、複数の金属部と、各々の前記金属部を前記アンテナ基板と対向する表面に配置する非金属部とで構成され、
    複数の前記金属部は、それぞれ前記反射板の前記長手方向に沿って延伸する直線状であり、かつ、1/4波長以下の所定の間隔で並ぶ、アンテナ装置。
  2. 指定された指向性に合わせて前記回転機構の動作を制御する制御部を備える、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記制御部は、前記反射板の状態が、前記反射板の回転角が0°となる第1状態と、前記回転角が90°となる第2状態とのいずれかとなるように、前記回転機構に前記回転角を切り替えさせる、請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記反射板は、
    前記アンテナ基板の第1主平面と対向する第1反射板と、
    前記アンテナ基板の前記第1主平面とは反対側の第2主平面と対向する第2反射板と、であり、
    前記回転機構は、
    前記第1反射板を回転させる第1回転機構と、
    前記第2反射板を回転させる第2回転機構と、である、請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  5. 前記アンテナ基板は、複数の前記アンテナ素子を前記長手方向に沿って配置した長板状の平面アンテナである、請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
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