JP2024034752A - 検眼装置 - Google Patents

検眼装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024034752A
JP2024034752A JP2022139217A JP2022139217A JP2024034752A JP 2024034752 A JP2024034752 A JP 2024034752A JP 2022139217 A JP2022139217 A JP 2022139217A JP 2022139217 A JP2022139217 A JP 2022139217A JP 2024034752 A JP2024034752 A JP 2024034752A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
eye
light
optical system
index
detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022139217A
Other languages
English (en)
Inventor
卓哉 杉村
規二 河合
和樹 平松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidek Co Ltd
Original Assignee
Nidek Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidek Co Ltd filed Critical Nidek Co Ltd
Priority to JP2022139217A priority Critical patent/JP2024034752A/ja
Publication of JP2024034752A publication Critical patent/JP2024034752A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】 アライメント状態の判断を適切に行えるようにする。【解決手段】 被検眼に対する検査手段のアライメント状態を検出するアライメント検出手段と、検眼装置の動作を制御する制御手段と、を備え、アライメント検出手段は、被検眼に対して左右・上下・前後の内の少なくとも一つの方向の第1方向に検査手段をアライメントするための第1指標を被検眼に投影する第1指標投影手段と、被検眼に投影された第1指標を検出する第1検出器と、被検眼に対して左右・上下・前後の内の少なくとも一つの方向であって、第1方向とは異なる方向である第2方向に検査手段をアライメントするための第2指標を投影する第2指標投影手段と、被検眼に投影された第2指標を検出する第2検出器と、を有し、制御手段は、第1検出器及び第2検出器の各露光時間をフレーム間隔より短い時間で、且つそれぞれの露光時間のタイミングが重ならないように制御する。【選択図】 図7

Description

本開示は、被検眼を検査する検眼装置に関する。
被検眼の光学特性等の検査は、被検眼に対して検査手段を所定の位置関係にアライメントした上で行われる。被検眼に対する検査手段のアライメント状態を検出する手段としては、例えば、被検眼に対する左右・上下方向のアライメント状態を検出するための指標を被検眼に投影し、また、被検眼に対する前後方向(作動距離方向)のアライメント状態を検出するための指標を被検眼に投影し、それぞれ投影された指標を別々の検出器で検出する方式のアライメント検出手段を備えた装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2022―38942号公報
しかし、特許文献1のアライメント検出手段では、例えば、左右・上下方向のアライメント状態を検出するための検出器に、左右・上下方向のアライメント状態を検出するための指標のみならず、前後方向のアライメント状態を検出するための指標が入り込み、アライメント状態の判断が適切に行えない場合があった。
本開示は、上記従来技術に鑑み、アライメント状態の判断を適切に行える検眼装置を提供することを技術課題とする。また、本開示は、検査実行のタイミング判断が遅れることなく、アライメント完了をタイミング良く判断できる検眼装置を提供することを技術課題とする。
本開示の態様に係る検眼装置は、被検眼を検査する検査手段を備える検眼装置であって、被検眼に対する前記検査手段のアライメント状態を検出するアライメント検出手段と、前記検眼装置の動作を制御する制御手段と、を備え、前記アライメント検出手段は、被検眼に対して左右・上下・前後の内の少なくとも一つの方向の第1方向に前記検査手段をアライメントするための第1指標を被検眼に投影する第1指標投影手段と、被検眼に投影された前記第1指標を検出する第1検出器と、被検眼に対して左右・上下・前後の内の少なくとも一つの方向であって、前記第1方向とは異なる方向である第2方向に前記検査手段をアライメントするための第2指標を投影する第2指標投影手段と、被検眼に投影された前記第2指標を検出する第2検出器と、を有し、前記制御手段は、前記第1検出器及び前記第2検出器の各露光時間をフレーム間隔より短い時間で、且つそれぞれの露光時間のタイミングが重ならないように制御することを特徴とする。
検眼装置の外観の概略構成を示す図である。 測定部に配置される光学系を示す図である。 検眼装置の内部を正面方向から見た概略構成図である。 検眼装置の内部を側面方向から見た概略構成図である。 検眼装置の内部を上面方向から見た概略構成図である。 検眼装置の制御系を示す図である。 各撮像素子の露光時間のタイミングと、各光源の点灯のタイミングと、の制御の例を説明する図である。 XY方向のアライメント指標を検出する撮像素子に撮像された画像の例を示す図である。 Z方向のアライメント指標を検出する撮像素子に撮像された画像の例を示す図である。
[概要]
以下、典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用されうる。
本実施形態における検眼装置(例えば、検眼装置1)は、検査手段(例えば、測定部7)と、アライメント検出手段(例えば、アライメント検出光学系50A)と、制御手段(例えば、制御部70)と、を備える。例えば、検査手段は、被検眼を検査するために使用される。例えば、アライメント検出手段は、被検眼に対する検査手段のアライメント状態を検出するために使用される。例えば、制御手段は、検眼装置の動作を制御する。例えば、検眼装置は、導光光学系(例えば、導光光学系80)を備えていてもよい。
<検査手段>
例えば、検査手段は、検査光学系(例えば、他覚式測定光学系10)を備える。例えば、検査光学系は、被検眼に検査光を投光する検査光源(例えば、光源11)と、被検眼からの検査光の戻り光を受光する検査受光素子(例えば、撮像素子22)と、を備える。例えば、検査手段は、検査光学系として被検眼の眼屈折力を測定する他覚式測定光学系(例えば、他覚式測定光学系10)を備えていてもよい。また、検査手段は、自覚式測定光学系(例えば、自覚式測定光学系25)を備えていてよい。例えば、自覚式測定光学系は、視標投光光学系(例えば、視標投光光学系30)と、矯正光学系(例えば、矯正光学系60)と、を備えていてもよい。
<アライメント検出手段>
例えば、アライメント検出手段は、第1指標投影手段(例えば、第1指標投影光学系55)と、第1検出器(例えば、撮像素子52)と、第2指標投影手段(例えば、第2指標投影光学系40a)と、第2検出器(例えば、撮像素子48)と、を備える。
例えば、第1指標投影手段は、被検眼に対して左右(X方向)・上下(Y方向)・前後(Z方向)の内の少なくとも一つの方向の第1方向に検査手段をアライメントするための第1指標(例えば、指標56I)を被検眼に投影する。例えば、第1方向は、被検眼に対する左右(X方向)・上下(Y方向)とされる。例えば、第1指標投影手段は、指標を投影するための光源(例えば、光源56)を持つ。
例えば、第1検出器は、被検眼に投影された第1指標を検出する。例えば、第1検出器は、被検眼に投影された第1指標を検出するための第1検出光学系(例えば、観察光学系50)に備えられている。例えば、第1検出器は、エリアセンサである二次元受光素子の撮像素子、ラインセンサである一次元受光素子の少なくとも一つが使用される。例えば、第1検出器からの出力信号に基づいて第1方向における検査手段のアライメント状態が検出される。
例えば、第2指標投影手段は、被検眼に対して左右・上下・前後の内の少なくとも一つの方向であって、第1方向とは異なる方向である第2方向に検査手段をアライメントするための第2指標(例えば、指標41I)を投影する。例えば、第2指標は第1指標とは異なる指標とされる。例えば、第2方向は、被検眼に対する前後(Z方向、作動距離方向)とされる。例えば、第2指標投影手段は、指標を投影するための光源(例えば、光源41)を持つ。例えば、第2指標の光源の波長は、第1指標の光源の波長と少なくとも一部が被っていてもよい。
例えば、第2検出器は、被検眼に投影された第2指標を検出する。例えば、第2検出器は、被検眼に投影された第2指標を検出するための第2検出光学系(例えば、第2指標投影光学系40a)に備えられている。例えば、第2検出器は、エリアセンサである二次元受光素子の撮像素子、ラインセンサである一次元受光素子の少なくとも一つが使用される。例えば、第2検出器からの出力信号に基づいて第2方向における検査手段のアライメント状態が検出される。
<制御手段>
例えば、制御手段は、第1検出器及び第2検出器を制御する。例えば、制御手段は、第1検出器の露光時間(例えば、露光時間Eta)と第2検出器の露光時間(例えば、露光時間Etb)とのタイミングが重ならないように制御する。例えば、制御手段は、第1検出器の露光時間と第2検出器の露光時間とがタイミング的に重ならないように、第1検出器及び第2検出器の各露光の開始と終了のタイミングを制御する。これにより、アライメント状態の判断を適切に行える。
例えば、制御手段は、第1検出器及び第2検出器の各露光時間を所定のフレームレート(例えば、30fps(1秒間のフレーム数))のフレーム間隔より短い時間で制御する。これにより、アライメント状態の判断が適切に行われる。例えば、第1検出器による第1指標の検出と、第2検出器による第2指標の検出と、の両方が所定のフレームレート(例えば、30fps)で行われる。このため、例えば、第1検出器と第2検出器を使用した左右・上下・前後方向のアライメント状態の検出でありながら、1つの検出器のフレームレートでのアライメント検出の場合と同じフレームレート内で、第1指標及び第2指標の検出結果が得られる。これにより、アライメント完了をタイミング良く判断でき、検査手段による検査のタイミング判断に遅れを生じさせることなく、タイミング良く検査が行える。また、これにより、検査結果の精度を落とすことなく、信頼性の高い検査結果が得られる。
なお、露光時間は、検出器が光を取り込む時間とされる。また、フレーム間隔は、検出器の所定のフレームレートにおける1フレームの時間とされる。
例えば、制御手段は、第1検出器の露光時間をフレーム間隔の半分の時間で制御し、第2検出器の露光時間をフレーム間隔の半分の時間で制御する。第1検出器及び第2検出器の露光時間はこれに限られず、例えば、フレーム間隔内における第1検出器の露光時間と第2検出器の露光時間との合計時間がフレーム間隔の時間内となればよい。例えば、第1検出器の露光時間がフレーム間隔の2/3の時間で、第2検出器の露光時間がフレーム間隔の1/3の時間であってもよい。
また、例えば、制御手段は、第1検出器及び第2検出器の各露光時間のフレーム位相の関係を調整してもよい。例えば、制御手段は、第1検出器のフレーム位相に対する第2検出器のフレーム位相の関係を、第2検出器の露光時間分だけずらしてもよい。これにより、アライメント状態の判断をより適切に行える。また、フレーム位相をずらすことで第1検出器と第2検出器からのフレーム信号が同時に出力されずに、順番に出力されることにより、各フレーム信号の画像解析のための処理が効率的に行える。
例えば、制御手段は、第1指標投影手段及び第2指標投影手段を制御する。例えば、制御手段は、第1検出器の露光時間内に第2指標が被検眼に投影されず、且つ、第2検出器の露光時間内に第1指標が被検眼に投影されないように、第1指標投影手段及び前記第2指標投影手段を制御する。この場合、例えば、制御手段は、第1検出器及び第2検出器の各露光時間のタイミングに対応させて、第1指標投影手段の光源及び第2指標投影手段の光源の点灯を制御する。あるいは、第1指標投影手段及び第2指標投影手段の指標投影の光路に機械的又は電子的なシャッターを設け、制御手段が第1検出器及び第2検出器の各露光時間に対応させて、各光路に設けられたシャッターの開閉を制御することでもよい。これにより、左右(X方向)・上下(Y方向)・前後(Z方向)の方向におけるしれじれのアライメント状態の判断をより適切に行える。
<検査光学系とアライメント検出の波長制限手段>
例えば、検査光学系は、第1波長制限手段(例えば、ダイクロイックミラー29)を備え、アライメント検出手段は、第2波長制限手段(例えば、ダイクロイックミラー29、レンズ46)を備えていてもよい。例えば、第1波長制限手段は、アライメントに使用される第1指標及び第2指標の被検眼からの戻り光の波長が検査光学系の検査受光素子に入射することを制限するために使用される。例えば、第2波長制限手段は、検査光の被検眼からの戻り光の波長が第1検出器及び第2検出器に入射することを制限するために使用される。これにより、被検眼に投影された第1指標及び第2指標に影響されることなく、検査手段による被検眼の光学特性等の検査が適切に行われると共に、検査光に影響されることなく、被検眼に投影された第1指標及び第2指標に基づくアライメント状態の検出が適切に行われる。
例えば、第1波長制限手段は検査光学系の光路に配置された波長選択特性の第1光学部材(例えば、ダイクロイックミラー29)を有する。例えば、その波長選択特性の第1光学部材は、検査光の波長を通過させるが、第1指標及び第2指標の波長を遮断することで、検査受光素子が配置された光路への第1指標及び第2指標の波長入射を制限する。
例えば、第2波長制限手段は、第1検出器が備えられた第1検出光学系の光路に配置された波長選択特性の第2光学部材(例えば、ダイクロイックミラー29)を有する。例えば、その第2光学部材は、第1指標の波長を通過させるが、検査光の波長を遮断することで、第1検出器が配置された光路への検査光の入射を制限する。また、第2波長制限手段は、第2検出器が備えられた第2検出光学系の光路に配置された波長選択特性の第3光学部材(例えば、レンズ46)を有する。例えば、その第3光学部材は、第2指標の波長を通過させるが、検査光の波長を遮断することで、第2検出器が配置された光路への検査光の入射を制限する。
なお、例えば、第1指標の波長と第2指標の波長との少なくとも一部が被る構成の場合、第1検出器には第1指標の光の他に、第2指標の光が入射し、また、第2検出器には第2指標の光の他に、第1指標の光が入射する。この場合であっても、制御手段による第1検出器及び第2検出器の各露光時間のタイミングの制御により、アライメント状態の判断が適切に行われる。
<導光光学系>
例えば、導光光学系は、第1指標及び第2指標の指標光を被検眼に導光し、被検眼からの指標光の戻り光を第1検出器及び第2検出器に導光する。また、導光光学系は、測定光学系からの測定光を被検眼に導光し、被検眼からの測定光の戻り光を測定光学系に導光する。例えば、導光光学系は、アライメント完了時に検査手段の光学系が光学的に被検者の眼前の所定の作動距離に配置されたことと等価とするための導光光学部材(例えば、凹面ミラー85)を備える。例えば、この導光光学系によって、検眼装置は、被検者の眼前に検査手段を配置することなく、被検者の眼前を開放状態でアライメント及び測定が行われる構成とされている。これにより、被検者眼の測定を、より自然な状態で行える。
なお、本開示では、この導光光学系を採用したことにより、被検眼に対する検査手段のアライメントに使用される指標投影手段は、指標光束が導光光学系の導光光学部材(例えば、凹面ミラー85)を通過できる角度からしか指標を投影できない。この場合、被検眼に対する検査手段の前後方向のアライメント状態を実用的な分解能で検出するためには、左右・上下方向のアライメント状態を検出するための検出器(例えば、第1検出器)を使用できない。そのため、左右・上下方向のアライメント状態を検出する検出器とは別に、前後方向のアライメント状態を検出するための検出器(例えば、第2検出器)が設けられている。例えば、被検眼の正面方向に位置する検査手段の光軸に対し、第2指標投影手段の光軸及び第2検出器を持つ指標検出手段の光軸の角度は、指標投影光及び被検眼からの戻り光が導光光学系を通過できる角度に設定されている。
[実施例]
本実施形態に係る検眼装置の一実施例について説明する。図1は、検眼装置1の外観の概略構成を示す図である。検眼装置1は、被検眼を検査する検査手段を備える検眼装置であればよく、例えば、被検眼の光学特性を測定する測定装置の他、被検眼の前眼部を撮影する装置、被検眼の眼底を撮影する装置、被検眼の眼底の断層像を撮影するOCT装置、等であってもよい。本実施例においては、検眼装置1は、被検眼の光学特性(例えば、眼屈折力)を他覚的に測定する他覚式測定部と、被検眼の光学特性(例えば、眼屈折力)を自覚的に測定する自覚式測定部と、を備えている装置を例にして説明する。以下の説明における「測定」の用語は、「検査」に読み替えることができるものとする。
なお、図1において、被検者側から見て左右方向(水平方向)をX方向、上下方向(鉛直方向)をY方向、前後方向(作動距離方向)をZ方向として説明する。
例えば、検眼装置1は、筐体2、呈示窓3、額当て4、顎台5、コントローラ6、検査手段の例である測定部7、撮像部90、前眼部照明部92、等を備える。
呈示窓3は、被検眼に視標を呈示するために用いられる。被検者の額を当てる額当て4は、被検眼と検眼装置1との距離を一定に保つために用いられる。被検者の顎を載せる顎台5は、被検眼と検眼装置1との距離を一定に保つために用いられる。なお、顎台5は、必ずしも設けられていなくてもよい。
操作部の例であるコントローラ6は、表示手段の例であるディスプレイ6a、スイッチ部6b、等を備える。ディスプレイ6aは、各種の情報(例えば、被検眼の測定結果、等)を表示する。ディスプレイ6aは、タッチパネルの機能を有し、ディスプレイ6aがスイッチ部6bの機能を兼ねている。スイッチ部6bは、各種の設定(例えば、各所の操作信号の入力、等)を行うために用いられていてもよい。コントローラ6からの操作指示に応じた信号は、ケーブル等を介した有線通信と、赤外線等を介した無線通信と、の少なくとも一方により、後述する制御部70(図6参照)へ出力される。
撮像部90は、図示なき撮像光学系を備える。例えば、撮像光学系は、被検者の顔を撮像するために用いられる。例えば、撮像光学系は、撮像素子とレンズにより構成されてもよい。前眼部照明部92は、内部に赤外照明光源(図示を略す)が配置され、後述する観察光学系50(図2参照)によって被検眼の前眼部を撮像するための照明光を左右の被検眼に向けて発する。
<測定部>
測定部7は、左眼用測定部7Lと右眼用測定部7Rを備える。本実施例において、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、は同一の部材で構成される。もちろん、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、はその少なくとも一部が異なる部材で構成されてもよい。測定部7は、後述する左右一対の視標投光光学系と、後述する左右一対の自覚式測定部と、後述する左右一対の他覚式測定部と、を有する。測定部7からのアライメント光、視標光束及び測定光束は、呈示窓3を介して被検眼に導光される。
図2は、測定部7に配置される光学系を示す図である。図2では、測定部7として、左眼用測定部7Lを例に挙げる。右眼用測定部7Rは、左眼用測定部7Lと同様の構成であるため省略する。例えば、左眼用測定部7Lは、視標投光光学系30、自覚式測定光学系25、他覚式測定光学系10、観察光学系50、アライメント検出光学系50A、等を備える。自覚式測定光学系25、他覚式測定光学系10は、検査光学系の例である。
<視標投光光学系>
視標投光光学系30は、視標光束を被検眼に投影する。例えば、視標投光光学系30は、ディスプレイ31、投光レンズ33、投光レンズ34、反射ミラー36、対物レンズ37、ダイクロイックミラー35、ダイクロイックミラー29、等を備える。
ディスプレイ31には、視標(固視標、検査視標、等)が表示される。ディスプレイ31から出射した視標光束は、投光レンズ33からダイクロイックミラー29までの光学部材を順に経由して、左の被検眼Eに投影される。ダイクロイックミラー35は、他覚式測定光学系10の光路と、自覚式測定光学系25の光路と、を共通光路にする。すなわち、ダイクロイックミラー35は、他覚式測定光学系10の光軸L1と、自覚式測定光学系25の光軸L2と、を同軸にする。ダイクロイックミラー29は、光路分岐部材である。ダイクロイックミラー29は、視標投光光学系30による視標光束と、後述の投影光学系10aによる測定光束と、を反射して被検眼Eに導く。
<自覚式測定光学系>
自覚式測定光学系25は、被検眼Eの光学特性を自覚的に測定する自覚式測定部の構成の一部として用いられる。本実施例では、被検眼Eの光学特性として、被検眼Eの眼屈折力を測定する自覚式測定部を例に挙げる。なお、被検眼Eの光学特性は、眼屈折力の他、コントラスト感度、両眼視機能(例えば、斜位量、立体視機能、等)、等であってもよい。例えば、自覚式測定光学系25は、前述した視標投光光学系30と、矯正光学系60と、で構成される。
<矯正光学系>
矯正光学系60は、視標投光光学系30の光路中に配置される。また、矯正光学系60は、ディスプレイ31からの視標光束の光学特性を変化させる。これにより、例えば、矯正光学系60は、被検眼に付与する屈折力(球面屈折力、乱視屈折力)の矯正量を変化させる。例えば、矯正光学系60は、乱視矯正光学系63、球面矯正光学系として利用される駆動機構39、等を備える。
乱視矯正光学系63は、被検眼Eの乱視度数(円柱度数)や乱視軸角度を矯正するために用いられる。本実施例では、乱視矯正光学系63は、投光レンズ33と投光レンズ34との間に配置される。乱視矯正光学系63は、焦点距離の等しい、2枚の正の円柱レンズ61a,61bで構成される。円柱レンズ61aと円柱レンズ61bは、回転機構62aと回転機構62bの駆動によって、光軸L2を中心として、各々が独立に回転する。
なお、本実施例では、乱視矯正光学系63として、円柱レンズ61aと円柱レンズ61bを用いる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。乱視矯正光学系63は、円柱度数、乱視軸角度、等を矯正できる構成であればよい。一例としては、視標投光光学系30の光路に、矯正レンズを出し入れしてもよい。
本実施例において、視標投光光学系30が備えるディスプレイ31は、駆動機構39によって視標投光光学系30の光軸L2方向へ移動される。例えば、駆動機構39は、モータ及びスライド機構により構成される。例えば、自覚測定時において、ディスプレイ31が移動されることで、被検眼に対する視標の呈示位置(呈示距離)が光学的に変えられ、被検眼の球面屈折力が矯正される。すなわち、本実施例ではディスプレイ31の移動により、球面度数の矯正光学系が構成される。そして、ディスプレイ31の移動により、基準位置に対する検査視標の光学的距離に基づいて球面度数が測定される。
なお、球面度数の矯正光学系としては、これに限定されない。例えば、球面度数の矯正光学系は、多数の光学素子を有し、光路中に光学素子が配置されることによって矯正を行う構成であってもよい。また、例えば、光路中に配置されたレンズを光軸方向に移動させる構成であってもよい。
<他覚式測定光学系>
検査光学系の例である他覚式測定光学系10は、被検眼Eの光学特性を他覚的に測定する他覚式測定部の構成の一部として用いられる。本実施例では、被検眼Eの光学特性として、被検眼Eの眼屈折力を測定する他覚式測定部を例に挙げて説明する。例えば、他覚式測定光学系10は、投影光学系10aと、受光光学系10bと、で構成される。
投影光学系10aは、被検眼Eの瞳孔中心部を介して、被検眼Eの眼底にスポット状の測定指標を投影する。例えば、投影光学系10aは、光源11、リレーレンズ12、ホールミラー13、プリズム15、対物レンズ14、ダイクロイックミラー35、ダイクロイックミラー29、等を備える。例えば、ダイクロイックミラー35は、750nm未満の光波長を透過し、750nm以上の光波長を反射する。例えば、ダイクロイックミラー29は、910nm未満の光波長を反射し、910nm以上の光波長を透過する。
光源11は、例えば、波長880nmに中心を持つ波長の測定光束を出射するSLD(スーパールミネッセントダイオード)が使用される。光源11は、被検眼Eの眼底と共役な関係となっている。ホールミラー13のホール部は、被検眼Eの瞳孔と共役な関係となっている。プリズム15は、光束偏向部材である。プリズム15は、被検眼Eの瞳孔と共役な位置から外れた位置に配置され、プリズム15を通過する測定光束を光軸L1に対して偏心させる。プリズム15は、光軸L1を中心として、駆動部(例えば、モータ)23により回転駆動される。
受光光学系10bは、被検眼Eの眼底で反射された眼底反射光束を、被検眼Eの瞳孔周辺部を介してリング状に取り出す。例えば、受光光学系10bは、ダイクロイックミラー29、ダイクロイックミラー35、対物レンズ14、プリズム15、ホールミラー13、リレーレンズ16、ミラー17、受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、検査受光素子の例である撮像素子22、等を備える。
リングレンズ20は、リング状に形成されたレンズ部と、レンズ部以外の領域に遮光用のコーティングを施した遮光部と、から構成される。リングレンズ20は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置関係となっている。受光絞り18と撮像素子22は、被検眼Eの眼底と共役な関係となっている。撮像素子22からの出力は、制御部70に入力される。
上記の構成において、光源11から出射された測定光束は、リレーレンズ12、ホールミラー13、及びプリズム15からダイクロイックミラー29までの光学部材を順に経由して、被検眼Eの眼底上にスポット状の点光源像を形成する。このとき、光軸周りに回転するプリズム15によって、ホールミラー13におけるホール部の瞳投影像(瞳上での投影光束)は、高速に偏心回転される。眼底に投影された点光源像は、反射・散乱されて被検眼Eからの戻り光として射出すると、ダイクロイックミラー29とダイクロイックミラー35に反射され、対物レンズ102によって集光し、高速回転するプリズム15、ホールミラー13、リレーレンズ16、及びミラー17を介して、受光絞り18に再び集光する。その後、被検眼Eからの戻り光は、コリメータレンズ19とリングレンズ20により、リング状の像として撮像素子22に結像する。
なお、ダイクロイックミラー29は、例えば、波長910nm未満の光を反射し、波長910nm以上の光を透過する波長選択特性を持つ。これにより、ダイクロイックミラー29は、後述するアライメント光学系50Aのアライメント光(例えば、波長940nm)を透過し、測定光の波長光880nmを反射する。すなわち、ダイクロイックミラー29は、アライメントに使用される光源56、光源41の被検眼からの戻り光の波長が撮像素子22に入射することを制限する波長制限部材として機能する。また、図1に示された前眼部照明部92も、アライメント光と同じく、波長940nm付近の近赤外光を発するため、この照明光もダイクロイックミラー29によって撮像素子22への入射が制限される。言い換えれば、ダイクロイックミラー29は、測定光の波長を通過(ここでは反射)させるが、アライメント光(光源56、光源41の指標)の波長を遮断することで、撮像素子22が配置された光路へのアライメント光の入射を制限する。
なお、本実施例において、プリズム15は、投影光学系10aと受光光学系10bの共通光軸に配置されている。例えば、投影光学系10aからの測定光束はプリズム15を通過して被検眼Eに入射し、被検眼Eの眼底で反射した眼底反射光束は同じプリズム15を通過するため、それ以降の光学系では、あたかも瞳孔上における投影光束・眼底反射光束(受光光束)の偏心がなかったかのように逆走査される。
なお、他覚式測定光学系10の例である眼屈折力測定光学系は、眼屈折力が得られる構成であれば上記に限られない。例えば、シャックハルトマンセンサーを備えた構成であってもよい。これらの詳細については、例えば、特開2018-47049号公報を参考されたい。
また、投影光学系10aが備える光源11及びリレーレンズ12と、受光光学系10bが備える受光絞り18、コリメータレンズ19、リングレンズ20、及び撮像素子22は、光軸方向へ一体的に移動可能となっている。本実施例では、これらは、ディスプレイ31を移動させる駆動機構39により駆動ユニット95として同期して一体的に移動される。駆動機構39が移動させた駆動ユニット95の移動位置は、図示なき検出器によって検出される。もちろん、これらは、それぞれが駆動される構成としてもよい。
駆動ユニット95が光軸方向へ移動されることで、被検眼Eの眼底に対し、光源11、受光絞り18、及び撮像素子22が光学的に共役となるように配置される。なお、駆動ユニット95の移動にかかわらず、ホールミラー13とリングレンズ20は、被検眼Eの瞳と一定の倍率で共役になるように配置されている。このため、投影光学系10aの測定光束が反射された眼底反射光束は、常に平行光束として受光光学系10bのリングレンズ20に入射し、被検眼Eの眼屈折力に関わらず、リングレンズ20と同一の大きさのリング状光束が、ピントの合った状態で、撮像素子22に撮像される。
<観察光学系>
観察光学系(撮像光学系)50は、ダイクロイックミラー29、対物レンズ53、撮像レンズ51、撮像素子52、等を備える。ダイクロイックミラー29は、前眼部観察光及びアライメント光を透過する。撮像素子52は、被検眼Eの前眼部と共役な位置に配置された撮像面を持つ。撮像素子52はエリアセンサが使用される。撮像素子52からの出力は、制御部70に入力される。これによって、被検眼Eの前眼部画像は撮像素子52により撮像され、ディスプレイ6a上に表示される。
ここで、ダイクロイックミラー29は、前述の波長透過特性により、被検眼からの測定光の戻り光が撮像素子52に入射することを制限する波長制限部材として機能する。言い換えれば、ダイクロイックミラー29は、アライメント光の波長を通過(ここでは透過)させるが、測定光の波長を遮断することで、撮像素子52が配置された光路への測定光の入射を制限する部材として兼用される。
<アライメント検出光学系>
アライメント検出光学系50Aは、被検眼E(図2では左眼EL)に対する測定部7(図2では左眼用測定部7L)のアライメント状態を検出するために使用される。アライメント検出光学系50Aは、第1指標投影光学系55、第1検出光学系として兼用する観察光学系50、第2指標投影光学系40a、第2検出光学系40bを備える。
第1指標投影光学系55は、被検眼Eに対して測定部7をXY方向にアライメントするための第1指標を投影する。第1指標投影光学系55は、近赤外光(例えば、波長940nm)を発する光源56、コリメータレンズ57、ハーフミラー58、を備える。光源56を出射した光は、コリメータレンズ57により略平行光束とされ、ハーフミラー58で反射されることで観察光学系50の光軸L3と同軸にされる。その後、光源56からの光は、ダイクロイックミラー29を透過し、被検眼Eの正面方向から被検眼Eに投光される。
観察光学系50は、被検眼Eに投影された第1指標を検出する第1検出光学系として兼用される。すなわち、第1指標投影光学系55の光源56からの光が被検眼Eの角膜で反射されることで、光源56の虚像である指標(角膜反射輝点)が形成され、その指標の被検眼Eからの戻り光は、ダイクロイックミラー29を透過し、ハーフミラー58、対物レンズ53、撮像レンズ51を介して検出器の例である撮像素子52に受光される。そして、撮像素子52の出力信号に基づき、制御部70によって指標の位置が解析されることで、被検眼EのXY方向におけるアライメント状態が検出される。
第2指標投影光学系40aは、近赤外光(例えば、波長940nm)を発する光源41及びコリメータレンズ42を備え、被検眼Eの角膜に向けて斜め方向から指標を投影する。光源41が発する近赤外光の波長は、第1指標投影光学系55の光源56が発する光の波長に対して、少なくとも一部が被っている。
第2検出光学系40bは、第2指標投影光学系40aによって被検眼Eに投影された指標を検出する。第2検出光学系40bは、レンズ46、集光レンズ47、検出器の例である撮像素子48を備える。例えば、撮像素子48はエリアセンサが使用される。光源41からの光は、被検眼Eの角膜で反射されることで光源41の虚像である指標(角膜反射輝点)を形成する。その指標の光は、レンズ46及び集光レンズ47を介して撮像素子48に入射する。撮像素子48上の指標の位置は、Z方向における被検眼Eの位置に応じて変化する。撮像素子48の出力信号は制御部70に出力され、制御部70によってZ方向における被検眼Eのアライメント状態が検出される。
ここで、レンズ46(又は集光レンズ47であってもよい)は、ダイクロイックミラー29と同じく、波長910nm未満の光を反射し、波長910nm以上の光を透過する特性を持つ。これにより、光源41による指標の被検眼からの戻り光はレンズ46を通過して撮像素子48に入射できる。一方、アライメント検出のノイズ光となる、光源11による測定光の被検眼からの戻り光及び可視光は、レンズ46の波長選択特性によって撮像素子48への入射が制限される。すなわち、波長選択特性を持つレンズ46は、測定光の被検眼からの戻り光が撮像素子48に入射することを制限する波長制限部材として機能する。言い換えれば、レンズ46は、光源41のアライメント指標の波長を通過させるが、測定光の波長を遮断することで、撮像素子48が配置された光路への測定光の入射を制限する。
なお、第2検出光学系40bの光軸は、観察光学系50の光軸L3(光軸L3に同軸とされた測定光学系10の光軸L2でもある)に関して第2指標投影光学系40aの光軸と対称的に配置されている。光軸L3に対する第2指標投影光学系40a及び第2検出光学系40bの光軸の角度αは、光源41からの指標投影光及び被検眼Eからの戻り光が、後述する導光光学系80の凹面ミラー85を通過できる角度に設定されている。例えば、角度αは10度以下であり、本開示では角度αは6度にされている。第2検出光学系40bの撮像素子48は、このような狭い角度αの投影光軸及び検出光軸であっても、必要な精度でZ方向のアライメント状態を検出できる。
<検眼装置の内部構成及び導光光学系>
検眼装置1の内部構成について説明する。図3は、検眼装置1の内部を正面方向から見た概略構成図である。図4は、検眼装置1の内部を側面方向から見た概略構成図である。図5は、検眼装置1の内部を上面方向から見た概略構成図である。なお、図4及び図5では、説明の便宜上、左眼用測定部7Lの光軸のみを示している。
検眼装置1は、検眼装置1は測定部7からの視標光束の像を被検眼に導光する導光光学系80を備える。本実施例の導光光学系80は、光偏向部材の例である偏向ミラー81、反射ミラー84、凹面ミラー85、等を備える。また、検眼装置1は、導光光学系80に関連した構成として駆動機構82、駆動部83を備える。
凹面ミラー85は、測定部7の光学系(アライメント検出光学系50A、他覚式測定光学系10、等)が、アライメント完了時に光学的に眼前の所定の作動距離に配置されたことと等価とする。検眼装置1は、導光光学系80は、導光光学部材の凹面ミラー85により、被検者の眼前に測定部7の光学系を配置することなく、被検者の眼前を開放状態でアライメント及び測定が行われる構成とされている。また、導光光学系80は、自覚測定時には、矯正光学系60を介した視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検眼に導光する。
なお、導光光学系80は、この構成に限定されない。例えば、導光光学系80は、反射ミラー84を有しない構成であってもよい。この場合には、測定部7からの視標光束が、偏向ミラー81を介した後に凹面ミラー85の光軸Lに対して斜め方向から照射されてもよい。また、例えば、導光光学系80はハーフミラーを有する構成であってもよい。この場合には、測定部7からの視標光束を、ハーフミラーを介して凹面ミラー85の光軸Lに対して斜め方向に照射し、その反射光束を被検眼Eに導光してもよい。
検眼装置1は、左眼用駆動部9Lと、右眼用駆動部9Rと、を有し、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、をそれぞれX方向(水平方向)に移動させることができる。例えば、左眼用測定部7L及び右眼用測定部7RをX方向に移動させることによって、測定部7と、後述の偏向ミラー81と、の間の距離が変化し、測定部7からの視標光束のZ方向(被検者に対する前後方向)における呈示位置が変更される。これによって、被検眼Eに、矯正光学系60で矯正された視標光束を導光し、被検眼Eの眼底に矯正光学系60で矯正された視標光束の像が形成されるように、測定部7がZ方向に調整される。
例えば、偏向ミラー81は、左右一対にそれぞれ設けられた右眼用偏向ミラー81Rと左眼用偏向ミラー81Lとを有する。例えば、偏向ミラー81は、測定部7と被検眼Eとの間に配置される。本実施例では、偏向ミラー81Rが測定部7Rと被検眼ERとの間に配置され、偏向ミラー81Lが測定部7Lと被検眼ELとの間に配置されている。すなわち、偏向ミラー81は、測定部7の他覚式光学系10及び視標投光光学系30の共用光路に配置されている。また、偏向ミラー81は、自覚式測定光学系25の光路にも配置されていることにもなる。なお、偏向ミラー81は、瞳共役位置に配置されることが好ましい。
例えば、左眼用偏向ミラー81Lは、左眼用測定部7Lから投影される光束を反射して、左眼ELに導光する。また、例えば、左眼用偏向ミラー81Lは、左眼ELからの眼底反射光束を反射して、左眼用測定部7Lに導光する。例えば、右眼用偏向ミラー81Rは、右眼用測定部7Rから投影される光束を反射して、右眼ERに導光する。また、例えば、右眼用偏向ミラー81Rは、右眼ERからの眼底反射光束を反射して、右眼用測定部7Rに導光する。なお、本実施例では、被検眼Eに測定部7から投影された光束を反射させて導光する偏向部材として、偏向ミラー81を用いる構成を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。偏向部材は、被検眼Eに測定部7から投影された光束を反射して導光することができればよく、例えば、プリズム、レンズ、等であってもよい。
例えば、駆動機構82は、モータ(駆動部)等からなる。例えば、駆動機構82は、左眼用偏向ミラー81Lを駆動するための駆動機構82Lと、右眼用偏向ミラー81Rを駆動するための駆動機構82Rと、を有する。例えば、駆動機構82の駆動によって、偏向ミラー81は回転移動する。例えば、駆動機構82は、水平方向(X方向)の回転軸、及び鉛直方向(Y方向)の回転軸に対して偏向ミラー81を回転させる。すなわち、駆動機構82は偏向ミラー81をXY方向に回転させる。なお、偏向ミラー81の回転は、水平方向又は鉛直方向の一方であってもよい。
例えば、駆動部83は、モータ等からなる。例えば、駆動部83は、左眼用偏向ミラー81Lを駆動するための駆動部83Lと、右眼用偏向ミラー81Rを駆動するための駆動部83Rと、を有する。例えば、駆動部83の駆動によって、偏向ミラー81はX方向に移動する。例えば、左眼用偏向ミラー81L及び右眼用偏向ミラー81Rが移動されることによって、左眼用偏向ミラー81L及び右眼用偏向ミラー81Rとの間の距離が変更され、被検眼Eの瞳孔間距離にあわせて、左眼用光路と右眼用光路との間のX方向における距離を変更することができる。
なお、例えば、偏向ミラー81は、左眼用光路と右眼用光路とのそれぞれにおいて複数設けられてもよい。例えば、左眼用光路と右眼用光路とのそれぞれに、2つの偏向ミラーを設ける構成(例えば、左眼用光路に2つの偏向ミラーを設ける構成、等)が挙げられる。この場合、一方の偏向ミラーがX方向に回転され、他方の偏向ミラーがY方向に回転されてもよい。例えば、偏向ミラー81が回転移動されることによって、視標光束の像を被検眼Eの眼前に形成するためのみかけの光束を偏向させ、視標光束の像の形成位置を光学的に補正することができる。
例えば、凹面ミラー85は、左眼用測定部7Lと、右眼用測定部7Rと、で共有される。例えば、凹面ミラー85は、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、で共有される。すなわち、凹面ミラー85は、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、を共に通過する位置に配置されている。もちろん、凹面ミラー85は、左眼用光路と右眼用光路とで共有される構成でなくてもよい。例えば、左眼用矯正光学系を含む左眼用光路と、右眼用矯正光学系を含む右眼用光路と、のそれぞれに凹面ミラーが設けられる構成であってもよい。例えば、凹面ミラー85は、矯正光学系60で矯正された視標光束を光学的に所定の検査距離となるように被検眼Eに導光する。すなわち、凹面ミラー85を含む導光光学系80により、被検者の眼前に矯正光学系60を配置することなく、被検者の眼前が開放状態にされる。
例えば、凹面ミラー85は、自覚式測定部と、他覚式測定部と、で兼用される。例えば、自覚測定光学系25から投影された視標光束は、凹面ミラー85を介して、被検眼に投影される。また、例えば、他覚測定光学系10から投影された測定光は、凹面ミラー85を介して、被検眼に投影される。また、例えば、他覚測定光学系10から投影された測定光の反射光は、凹面ミラー85を介して、他覚測定光学系10の受光光学系10bに導光される。なお、本実施例においては、他覚測定光学系10による測定光の反射光は、凹面ミラー85を介して、他覚測定光学系10の受光光学系10bに導光される構成を例に挙げているが、これに限定されない。他覚測定光学系10による測定光の反射光は、凹面ミラー85を介さない構成であってもよい。
<自覚式測定部の光路>
自覚式測定部の光路について説明する。自覚式測定部は、矯正光学系60を通過した視標光束を凹面ミラー85によって、被検眼方向に反射することで被検眼Eに視標光束を導光し、矯正光学系60を通過した視標光束の像を光学的に所定の検査距離となるように被検者の眼前に形成する。すなわち、凹面ミラー85は、視標光束を略平行光束にするように反射する。このため、被検者から見た視標像は、被検眼Eからディスプレイ31までの実際の距離よりも遠方にあるように見える。すなわち、凹面ミラー85を用いることで、所定の検査距離の位置に視標光束の像が見えるように、被検者に視標像を呈示することができる。
より詳細に説明する。なお、以下の説明においては、左眼用光路を例に挙げて説明する。右眼用光路においても、左眼用光路と同様の構成となっている。例えば、左眼用の自覚測定において、左眼用測定部7Lのディスプレイ13から投影された視標光束は、投光レンズ33を介して、乱視矯正光学系63に入射する。乱視矯正光学系63を通過した視標光束は、反射ミラー36、ダイクロイックミラー35、ダイクロイックミラー29を経由して、左眼用測定部7Lから左眼用の偏向ミラー81Lに向けて投影される。左眼用測定部7Lから出射されて左眼用の偏向ミラー81で反射された視標光束は、反射ミラー84によって凹面ミラー85に向けて反射される。凹面ミラーによって反射された視標光束は、左眼ELに到達する。
これによって、被検者の左眼ELの眼鏡装用位置(例えば、角膜頂点から12mm程度)を基準として矯正光学系60によって矯正された視標像が左眼ELの眼底上に形成される。従って、乱視矯正光学系63があたかも眼前に配置されたこと、及び、球面度数の矯正光学系(本実施例においては、駆動機構39の駆動)による球面度数の調整が眼前で行われたこと、と等価になっており、被検者は凹面ミラー85を介して自然な開放状態で視標の像を視準することができる。なお、右眼用光路においても、左眼用光路と同様の構成であり、左右の被検眼Eの眼鏡装用位置(例えば、角膜頂点から12mm程度)を基準として、左右一対の矯正光学系60によって矯正された視標像が両被検眼の眼底上に形成されるようになっている。このようにして、被検者は自然視の状態で視標を直視しつつ検者に対する応答を行い、検査視標が適正に見えるまで矯正光学系60による矯正を図り、その矯正値に基づいて自覚的に被検眼の光学特性の測定が行われる。
<他覚式測定部の光路>
他覚式測定部の光路について説明する。なお、以下の説明においては左眼用光路を例に挙げて説明するが、右眼用光路においても左眼用光路と同様の構成となっている。例えば、左眼用の他覚式測定部において、他覚式測定光学系10における投影光学系10aの光源11から出射された測定光は、リレーレンズ12からダイクロイックミラー29を経由し、左眼用測定部7Lから左眼用の偏向ミラー81Lに向けて投影される。左眼用測定部7Lから出射されて左眼用の偏向ミラー81で反射された測定光は、反射ミラー84によって凹面ミラー85に向けて反射される。凹面ミラーによって反射された測定光は、左眼ELに到達し、左眼ELの眼底上にスポット状の点光源像を形成する。このとき、光軸周りに回転するプリズム15によって、ホールミラー13のホール部の瞳投影像(瞳上での投影光束)は高速に偏心回転される。
左眼ELの眼底上に形成された点光源像の光は、反射・散乱されて被検眼Eを射出し、測定光が通過した光路を経由して対物レンズ14により集光され、プリズム15、ホールミラー13、リレーレンズ16、ミラー17に達する。ミラー17で反射された光は、受光絞り18の開口上で再び集光され、コリメータレンズ19にて略平行光束(正視眼の場合)とされ、リングレンズ20によってリング状光束として取り出され、リング像として撮像素子22に受光される。受光したリング像を解析することによって、他覚的に被検眼Eの光学特性を測定することができる。
<制御部>
図6は、検眼装置1の制御系を示す図である。例えば、制御部70には、撮像部90、前眼部照明部92、コントローラ6のディスプレイ6a、スイッチ部6b、測定部7が備える光源11、撮像素子22、ディスプレイ31、撮像素子52、駆動機構39、回転機構62a、回転機構62b、第1指標投影光学系55の光源56、第2指標投影光学系40aの光源41及び撮像素子48、導光光学系80の駆動機構82、駆動部83、等の各電気要素が接続されている。また、制御部70には、記憶手段の例であるメモリ75(例えば、不揮発性メモリ)、プリンタ77が接続されている。例えば、メモリ75は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、メモリ75としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、USBメモリ、等を使用することができる。プリンタ77からは測定結果が印字出力される。
例えば、制御部70は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM、等を備える。例えば、CPUは、検眼装置1における各部材の制御を司る。例えば、RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。例えば、ROMには、検眼装置1の動作を制御するための各種プログラム、視標、初期値、等が記憶されている。制御部70は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。また、制御部70は、FPGA(field-programmable gate array)70aを備えていてもよい。FPGA70aにより、装置の設計者が制御構成を自由に設定できる
なお、制御部70は、ディスプレイ6aの表示、ディスプレイ31の表示を制御する表示制御手段としても機能する。また、制御部70は、矯正光学系60の駆動系(駆動機構39、回転機構62a、回転機構62b)の駆動を制御する測定制御手段としても機能する。また、制御部70は、導光光学系80の駆動機構82、駆動部83の駆動を制御するアライメント制御手段としても機能する。
<動作>
以上のような構成を備える検眼装置1の動作を説明する。被検者は額当て4に額を当て、呈示窓3を観察する。被検者の検査態勢が整ったら、検者はコントローラ6のディスプレイ6aのタッチパネル(又はスイッチ部6b)を操作し、被検眼Eを固視させるための視標(固視標)の選択信号を入力する。制御部70は、左眼用測定部7L及び右眼用測定部7Rの各々に設けられたディスプレイ31に、視標の選択信号に基づく同一の視標を表示させる。左右の被検眼E(左眼ELと右眼ER)にはそれぞれ視標が呈示されるが、同一の視標が呈示されることで、被検者は両眼で一つの視標として認識する。なお、片眼測定の場合は、測定眼側のディスプレイ31のみに視標が表示される。
<被検眼に対する測定部のアライメント>
続いて、検者は、被検者の左眼EL及び右眼ERに、左眼用測定部7L及び右眼用測定部7Rをそれぞれアライメントするためのスタート信号をディスプレイ6aのタッチパネル(又はスイッチ部6b)によって入力する。左眼EL及び右眼ERにはそれぞれ第1指標投影光学系55による指標及び第2指標投影光学系40aによる指標が投影される。これにより、被検眼Eに対して他覚式測定光学系10等を含む測定部7を三次元的に所定の位置関係にアライメントする自動アライメント手段が動作される。以下、自動アライメント手段の動作を説明する。
第1指標投影光学系55によって被検眼に投影された光源56による指標は撮像素子52により受光され、撮像素子52からの出力信号に基づいてXY方向における測定部7のアライメント状態が検出される。また、第2指標投影光学系40aによって被検眼に投影された光源41による指標は撮像素子48に受光され、撮像素子48の出力信号に基づいてZ方向における測定部7のアライメント状態が検出される。
ここで、撮像素子52及び撮像素子48による撮像を通常の処理で行うと、撮像素子52には光源56による指標(角膜反射輝点)の他、光源41による指標(角膜反射輝点)が入射する。このため、制御部70は、光源56による指標のみを判別してXY方向のアライメント状態を適切に検出することが難しい。また、撮像素子48には、光源41による指標の他、光源56による指標、前眼部照明部92による照明光が入る。この場合も、制御部70は、光源41による指標のみを判別してZ方向のアライメント状態を適切に検出することが難しい。
そこで、本開示の制御部70は、撮像素子52の露光時間と撮像素子48の露光時間とがタイミング的に重ならないように、撮像素子52及び撮像素子48の各露光時間のタイミングを制御する。例えば、制御部70は、撮像素子52及び撮像素子48の各露光のスタートのタイミングを制御する。そして、より好ましくは、制御部70は、所定のフレームレートのフレーム間隔(1フレームの時間)より短い時間で、撮像素子52及び撮像素子48の各露光時間を制御する。さらに好ましくは、制御部70は、撮像素子52及び撮像素子48の各露光時間のフレーム位相の関係を調整する。また、制御部70は、撮像素子52及び撮像素子48の各露光時間に対応させて、光源56及び光源41の点灯を制御する。前眼部照明部92を用いている場合は、制御部70は撮像素子52及び撮像素子48の各露光時間に対応させて前眼部照明部92の点灯も制御する。
図7は、撮像素子52及び撮像素子48の露光時間のタイミング(露光の開始と終了のタイミング)と、各光源(光源56、光源41、前眼部照明部92)の点灯のタイミング(点灯の開始と終了のタイミング)と、の制御の例を説明する図である。図7において、図形G52は、撮像素子52のフレーム間隔FR(1フレームの時間)とフレーム出力Fo(露光されたフレームの出力)の時系列的なタイミングを示す。例えば、撮像素子52のフレームレートは30fps(1秒間のフレーム数)であり、そのフレーム間隔FRは約33ms(ミリ秒)である。図形G48は、撮像素子48のフレーム間隔FRとフレーム出力Foの時系列的なタイミングを示す。例えば、撮像素子48のフレームレートは、撮像素子52と同じく、30fpsであり、そのフレーム間隔FRは約33msである。
図7において、図形G52ETは、図形G52のフレーム間隔FRに対する撮像素子52の露光時間Etaのタイミングを示す。撮像素子52の露光時間Etaは、フレーム間隔FRより短く、制御部70のFPGA70aによってフレーム間隔FRの半分(約16.6ms)に制御される。また、図7において、図形G48ETは、図形G48のフレーム間隔FRに対する撮像素子48の露光時間Etbのタイミングを示す。撮像素子48の露光時間Etbも、フレーム間隔FRより短く、FPGA70aによってフレーム間隔FRの半分(約16.6ms)に制御される。そして、撮像素子52の露光時間Etaと撮像素子48の露光時間Etbとがタイミング的に重ならないように、FPGA70aによって、撮像素子52のフレーム位相に対する撮像素子48のフレーム位相のずれ量Phが露光時間Etb分だけとされる。
また、XY方向のアライメントに使用される光源56の点灯時間G56ONが、撮像素子52の露光時間Etaと同期するように制御される。言い換えれば、撮像素子48の露光時間Etbの間は、第1指標投影光学系55(光源56)による指標が被検眼に投影されないように制御される。同様に、前眼部観察に使用される前眼部照明部92の点灯時間G92ONも、撮像素子52の露光時間Etaと同期するように制御される。言い換えれば、撮像素子48の露光時間Etbの間は、被検眼が前眼部照明部92によって照明されないように制御される。一方、Z方向のアライメントに使用される光源41の点灯時間G41ONが、撮像素子48の露光時間Etbと同期するように制御される。言い換えれば、撮像素子52の露光時間Etaの間は、第2指標投影光学系40a(光源41)による指標が被検眼に投影されないように制御される。
以上のような撮像素子52及び撮像素子48の露光時間の制御と、光源56及び光源41の点灯制御と、により、撮像素子52には、XY方向のアライメントに使用される光源56による指標が入射するが、Z方向のアライメントに使用される光源41による指標が入射しない。このため、制御部70により、図8に示すように、撮像素子52に撮像された指標56Iの位置が解析されることで、被検眼に対する測定部7のXY方向のアライメント状態が適切に検出される。図8は、撮像素子52に撮像されたの画像52Iの例であり、画像52Iには、前眼部照明部92に照明された被検眼Eの前眼部像EFI内に、被検眼角膜の反射によって形成される指標56Iが撮像されている。
また、撮像素子48には、Z方向のアライメントに使用される光源41による指標が入射するが、光源56による指標及び前眼部照明部95による照明光が入射しない。このため、図9に示すように、制御部70により、撮像素子48に撮像された指標41Iの位置が解析されることで、被検眼に対する測定部7のZ方向のアライメント状態が適切に検出される。図9は、撮像素子48に撮像された画像48Iの例であり、撮像素子48の露光時間中は前眼部照明部92が消灯されているため、図8のように被検眼Eの前眼部像は撮像されず、暗い背景の中に被検眼角膜の反射によって形成される指標56Iが撮像される。
また、撮像素子52のフレーム位相に対する撮像素子48のフレーム位相がずらされていることにより、撮像素子52及び撮像素子48に撮像された各画像が同時に出力されず、順番に出力されるため、各画像の解析が効率的に行われる。
制御部70は、撮像素子52に撮像された指標56Iの検出結果に基づき、駆動機構82(82L、82R)、駆動部83(83L、83R)の駆動を制御し、XY方向におけるアライメントを自動的に調整する。また、制御部70は、撮像素子48に撮像された指標56Iの検出結果に基づき、駆動部9(9L、9R)の駆動を制御し、Z方向におけるアライメントを自動的に調整する。指標56Iの位置が撮像素子52上におけるXY方向の基準位置に対して所定の許容範囲に入り、また、指標56Iの位置が撮像素子48上におけるZ方向の基準位置に対して所定の許容範囲に入ると、制御部70は、被検眼Eに対する測定部7のアライメントが完了したと判断する。そして、制御部70は、被検眼Eに対するアライメントが完了すると、他覚眼屈折力測定(他覚測定)を開始するためのトリガ信号を発し、他覚式測定光学系10による眼屈折力測定を自動的に実行する(オートショットを実行する)。
制御部70は、他覚式測定光学系10から測定光束を出射する。この場合、各測定光束は、偏向ミラー81R、81Lを介して凹面ミラー85によって反射された後、被検眼の眼底に投影される。眼底から反射された測定光は、凹面ミラー85を介して、偏向ミラー81R、81Lを経て、左右の測定部7の撮像素子22によって測定画像が撮像される。
例えば、他覚眼屈折力の測定においては、初めに眼屈折力の予備測定が行われ、予備測定の結果に基づいてディスプレイ31が光軸L2方向に移動されることにより、被検眼Eに対して雲霧がかけられてもよい。その後、雲霧がかけられた被検眼に対して眼屈折力の本測定が行われてもよい。本測定では、測定画像は撮像素子22に撮像され、撮像素子22からの出力信号は、メモリ75に画像データ(測定画像)として記憶される。その後、制御部70は、メモリ75に記憶されたリング像を画像解析して各経線方向の屈折力の値を求める。制御部70は、この屈折力に所定の処理を施すことによって遠用時での被検眼のS(球面度数)、C(乱視度数)、A(乱視軸角度)の他覚眼屈折力(他覚値)を得る。得られた遠用時での他覚値はメモリ75に記憶される。なお、被検眼の他覚眼屈折力の測定は、左右の被検眼で同時に行われてもよいし、左右の被検眼で別々に行われてもよい。
他覚眼屈折力の測定は、左右の被検眼でそれぞれ複数回(例えば、3回)が実行される。この複数回の測定の実行に当たり、制御部70は、XYZ方向のアライメント調整を完了した後も、被検眼が動くことによって、そのアライメント状態が所定の許容範囲を外れた場合には、アライメント状態が再び所定の許容範囲に入るように、駆動部9、駆動機構82、駆動部83の駆動を制御する。すなわち、アライメントの自動追尾(自動トラッキング)が実行される。
以上のようなアライメント完了の判断及びアライメントの自動追尾に当たり、撮像素子52と撮像素子48の両方の露光がフレーム間隔(例えば、33ms)内で行われることにより、撮像素子52による指標検出と、撮像素子48による指標検出と、の両方が所定のフレームレート(例えば、30fps)で行われる。このため、撮像素子52と撮像素子48を使用したXYZ方向のアライメント状態の検出でありながら、1つの撮像素子52のフレームレートでのアライメント検出の場合と同じフレームレート内で、光源56による指標及び光源41による指標の検出結果が得られる。これにより、アライメント状態の検出の判断が遅れることなく、適切にアライメント完了の判断を行える。
ここで、仮に、光源56及び光源41をフレーム間隔FRで交互に点灯し、撮像素子52及び撮像素子48の露光時間を通常と同じくフレーム間隔FRのままとした場合、撮像素子52に撮像される光源56の指標の検出、及び撮像素子48に撮像される光源41の指標の検出は、それぞれ所定のフレームレートの半分(例えば、15fps)のタイミングとなる。この場合、被検眼の眼振や瞬き等により、アライメント完了の判断が遅れることになり、結果的に、測定のタイミング判断も遅れることになり、測定値が不正確認なる等、測定結果に影響しやすい。これに対して、本開示では、前述のように、撮像素子52に撮像される光源56の指標の検出、及び撮像素子48に撮像される光源41の指標の検出は、それぞれ所定のフレームレート(例えば、30fps)で行われるため、アライメント完了をタイミング良く判断でき、測定実行のタイミング判断が遅れることなく、測定が実行される。これにより、測定結果の精度を落とすことなく、信頼性の高い測定結果を得ることができる。
なお、本実施例においては、駆動機構82及び駆動部83による偏向ミラー81の駆動と、駆動部9L及び駆動部9Rによる測定部7の移動と、によってXYZ方向のアライメントを調整する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。被検眼と測定部7との位置関係を調整できる構成であればよい。例えば、顎台6に対して、測定部7が配置された筐体2をXYZ方向に移動可能な構成を設けて、筐体2を移動させる構成であってもよい。この場合、左眼用偏向ミラー81L及び右眼用偏向ミラー81RをそれぞれX方向に移動する構成が設けられているとよい。これにより、被検者の瞳孔間距離に合わせて、測定部7L及び測定部7Rのそれぞれの光軸の左右方向を調整することができる。また、例えば、偏向ミラー81のみによってXYZ方向の調整を行える構成としてもよい。この場合、例えば、偏向ミラー81は、回転駆動するとともに、測定部7との間の距離が変更するように、偏向ミラー81がZ方向に移動する構成が挙げられる。
<変容例>
以上、本開示の典型的な実施例を説明したが、本開示は前述した実施例に限られず、種々の変容が可能である。
例えば、前述の図7の説明では、撮像素子52の露光時間Eta及び撮像素子48の露光時間Etbは、それぞれフレーム間隔FRの半分としたが、これに限られず、露光時間Eta及びEtbはフレーム間隔FRより短く、露光時間Etaと露光時間Etbの合計時間がフレーム間隔FR以下であればよい。例えば、撮像素子52に撮像される指標56I(光源56による指標)の輝度が撮像素子48に撮像される指標41I(光源41による指標)より低く、画像解析による指標56Iの検出精度が低下する場合、指標41Iの輝度が増すように、撮像素子52の露光時間Etaを撮像素子48の露光時間Etbより長くする。例えば、露光時間Etaをフレーム間隔FRの2/3の時間(例えば、約22.2ms)とし、露光時間Etbをフレーム間隔FRの1/3の時間(例えば、約11.1ms)としてもよい。また、撮像素子48のフレーム位相のずれ量Phは、露光時間Etbと同じ時間とする。そして、光源56の点灯時間G56ON及び前眼部照明部92の点灯時間G92ONも、撮像素子52の露光時間Etaと同期するように制御されると共に、光源41の点灯時間G41ONが、撮像素子48の露光時間Etbと同期するように制御される。これにより、指標56Iが増加され、アライメント状態の検出がより適切に行われる。
また、前述の図7の説明では、フレーム間隔FRに対する撮像素子52の露光時間Eta及び撮像素子48の露光時間Etbのタイミングは、それぞれフレーム出力Foの直前とされているが、これに限られない。例えば、撮像素子52及び48のフレーム間隔FR内における露光時間のタイミングを任意に変更できる制御が構築できれば、撮像素子52及と撮像素子48のフレーム位相の関係をずらさなくてもよい。例えば、撮像素子52の露光時間Etaをフレーム間隔FRの前半のタイミングに設定し、撮像素子48の露光時間Etbをフレーム間隔FRの後半のタイミングに設定することでもよい。
また、前述の図2の説明では、第2検出光学系40bの検出器はエリアセンサの撮像素子48としたが、前後方向(Z方向)の一つの方向の検出であるので、第2検出光学系40bの検出器はラインセンサであってもよい。ラインセンサが使用される場合であっても、その露光時間は、図7で示された撮像素子48の露光時間Etbと同じで制御すればよい。ラインセンサはエリアセンサである撮像素子48の水平ラインの内の一つと扱える。このため、ラインセンサの露光時間を撮像素子48の露光時間Etbと同じとすることで、撮像素子48による指標の検出と同じ輝度の指標を検出ができ、アライメント状態の判断をより適切に行える。
なお、ラインセンサを使用する場合、第2検出光学系40bの集光レンズ47に代えてシリンダーレンズを配置するとよい。シリンダーレンズのシリンダー軸は、ライン状に集光する指標光束がラインセンサの長手方向に直交するように配置すればよい。これにより、被検眼のXY方向のアライメントにずれがあっても、Z方向に変位する指標光束がラインセンサに入射できる。
また、前述の実施例の説明では、光源56及び光源41の点灯制御により、撮像素子52の露光時間内に光源41による指標41Iが被検眼に投影されず、撮像素子48の露光時間内に指標56Iが被検眼に投影されないようにしたが、これに限られない。例えば、光源41の指標投影の光路及び光源56の指標投影の光路にそれぞれ機械的又は電子的なシャッターを設け、各シャッターの開閉が制御されることで、撮像素子52の露光時間内にノイズとなる指標41Iが投影されず、撮像素子48の露光時間にノイズとなる指標56Iが投影されないようにしてもよい。また、同様に、前眼部照明部92の照明光路に機械的又は電子的なシャッターが設けられていてよい。
1 検眼装置
10 他覚式測定光学系
11 光源
22 撮像素子
29 ダイクロイックミラー
40a 第2指標投影光学系
48 撮像素子
50 観察光学系
50A アライメント検出光学系
52 撮像素子
55 第1指標投影光学系 70 制御部
80 導光光学系
85 凹面ミラー

Claims (6)

  1. 被検眼を検査する検査手段を備える検眼装置であって、
    被検眼に対する前記検査手段のアライメント状態を検出するアライメント検出手段と、
    前記検眼装置の動作を制御する制御手段と、を備え、
    前記アライメント検出手段は、
    被検眼に対して左右・上下・前後の内の少なくとも一つの方向の第1方向に前記検査手段をアライメントするための第1指標を被検眼に投影する第1指標投影手段と、
    被検眼に投影された前記第1指標を検出する第1検出器と、
    被検眼に対して左右・上下・前後の内の少なくとも一つの方向であって、前記第1方向とは異なる方向である第2方向に前記検査手段をアライメントするための第2指標を投影する第2指標投影手段と、
    被検眼に投影された前記第2指標を検出する第2検出器と、を有し、
    前記制御手段は、前記第1検出器及び前記第2検出器の各露光時間をフレーム間隔より短い時間で、且つそれぞれの露光時間のタイミングが重ならないように制御することを特徴とする検眼装置。
  2. 請求項1の検眼装置において、
    前記制御手段は、前記第1検出器の露光時間内に前記第2指標が被検眼に投影されず、且つ、前記第2検出器の露光時間内に前記第1指標が被検眼に投影されないように、前記第1指標投影手段及び前記第2指標投影手段を制御することを特徴とする検眼装置。
  3. 請求項1又は2の検眼装置において、
    前記制御手段は、前記第1検出器及び前記第2検出器の各露光時間のタイミングが重ならないように前記第1検出器と前記第2検出器のフレーム位相の関係を調整することを特徴とする検眼装置。
  4. 請求項1~3の何れかの検眼装置において、
    前記制御手段は、フレーム間隔内における前記第1検出器の露光時間と前記第2検出器の露光時間との合計時間がフレーム間隔の時間内となるように制御することを特徴とする検眼装置。
  5. 請求項1~4の何れかの検眼装置において、
    前記検査手段は、被検眼に検査光を投光する検査光源と、被検眼からの前記検査光の戻り光を受光する検査受光素子と、を有する検査光学系を備え、
    前記検査光学系は、アライメントに使用される前記第1指標及び第2指標の被検眼からの戻り光の波長が前記検査受光素子に入射することを制限する第1波長制限手段を備え、
    前記アライメント検出手段は、前記検査光の被検眼からの戻り光の波長が前記第1検出器及び前記第2検出器に入射することを制限する第2波長制限手段を備えることを特徴とする検眼装置。
  6. 請求項1~4の何れかの検眼装置において、
    前記検査手段は、被検眼に検査光を投光する検査光源と、被検眼からの前記検査光の戻り光を受光する検査受光素子と、を有する検査光学系を備え、
    前記検眼装置は、前記第1指標及び前記第2指標の指標光を被検眼に導光し、被検眼からの前記指標光の戻り光を前記第1検出器及び前記第2検出器に導光する導光光学系であって、前記検査光学系からの前記検査光を被検眼に導光し、前記検査光の被検眼からの戻り光を前記検査光学系に導光する導光光学系を有し、
    前記導光光学系によって被検者の眼前を開放状態でアライメント及び検査が行われる構成としたことを特徴とする検眼装置。

JP2022139217A 2022-09-01 2022-09-01 検眼装置 Pending JP2024034752A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022139217A JP2024034752A (ja) 2022-09-01 2022-09-01 検眼装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022139217A JP2024034752A (ja) 2022-09-01 2022-09-01 検眼装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024034752A true JP2024034752A (ja) 2024-03-13

Family

ID=90193578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022139217A Pending JP2024034752A (ja) 2022-09-01 2022-09-01 検眼装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024034752A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2942321B2 (ja) 徹照像撮影装置
CN106963335B (zh) 主观式检眼装置
US11330978B2 (en) Subjective optometry apparatus, subjective optometry method, and recording medium storing subjective optometry program
JP5248926B2 (ja) 眼屈折力測定装置
US10470658B2 (en) Optometry apparatus and optometry program
JP2005185523A (ja) 眼屈折力測定装置
JP2017086652A (ja) 自覚式検眼装置
JP6853496B2 (ja) 検眼装置及び検眼プログラム
JP2018047049A (ja) 自覚式検眼装置、及び自覚式検眼プログラム
JP6922338B2 (ja) 自覚式検眼装置
JP2019063265A (ja) 自覚式検眼装置
JP7143577B2 (ja) 眼科装置
JP7098880B2 (ja) 自覚式検眼装置及び自覚式検眼プログラム
JP6853495B2 (ja) 自覚式検眼装置及び自覚式検眼プログラム
JP2018171140A (ja) 自覚式検眼装置及び自覚式検眼プログラム
JP2018143553A (ja) 自覚式検眼装置
CN107788946B (zh) 主观式验光装置及主观式验光程序
JP2024034752A (ja) 検眼装置
JP2018143554A (ja) 自覚式検眼装置
JP2020137915A (ja) 自覚式検眼装置及び自覚式検眼プログラム
JP7078187B2 (ja) 自覚式検眼装置及び自覚式検眼プログラム
JP7331530B2 (ja) 眼科測定装置
JP7298134B2 (ja) 検眼システム
JP7279349B2 (ja) 眼科装置
WO2023145638A1 (ja) 眼科装置及び眼科プログラム