JP2024034724A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池抵抗の低減。【解決手段】全固体電池は、電極層を含む。電極層は、第1層と第2層と第3層とを含む。第2層は、第1層と第3層との間に介在している。電極層は、多孔質基材と活物質と固体電解質とを含む。多孔質基材は、第2層の骨格を形成している。活物質は、第1層および第3層の各々に含まれている。固体電解質は、第1層、第2層および第3層の各々に含まれている。第2層において、固体電解質は、多孔質基材に充填されている。多孔質基材は、21μm以上の平均細孔径を有する。かつ固体電解質は、3μm未満のD50を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、全固体電池に関する。
特開2020-188026号公報(特許文献1)は、固体電解質が担持された不織布を含む、セパレータを開示する。
特開2020-188026号公報
本開示は、電池抵抗の低減を目的とする。
1.本開示の一局面において、全固体電池は、電極層を含む。電極層は、第1層と第2層と第3層とを含む。第2層は、第1層と第3層との間に介在している。電極層は、多孔質基材と活物質と固体電解質とを含む。多孔質基材は、第2層の骨格を形成している。活物質は、第1層および第3層の各々に含まれている。固体電解質は、第1層、第2層および第3層の各々に含まれている。第2層において、固体電解質は、多孔質基材に充填されている。多孔質基材は、21μm以上の平均細孔径を有する。かつ固体電解質は、3μm未満のD50を有する。
以下「全固体電池」が「電池」と略記され得る。また「固体電解質(Solid Electrolyte)」が「SE」と略記され得る。例えば、硫化物固体電解質は、「硫化物SE」と略記され得る。
従来、電極層は、金属箔(集電体)に、電極スラリーが塗工されることにより形成されている。電極層は、活物質とSEとを含む。SEは、電極層中にイオン伝導パスを形成し得る。
本開示の電極層は、新規構造を有する。電極層は、3層構造を有する。表層(第1層、第3層)は、活物質とSEとを含む。基層(第2層)は、多孔質基材を含む。多孔質基材は、基層の骨格を形成する。多孔質基材にSEが充填されている。
一般に活物質は、充放電に伴って膨張し、収縮し得る。活物質の体積変化は、電極層の体積変化を引き起こす。電極層の体積変化により、電極層内にクラックが発生することがある。電極層内のクラックは、イオン伝導の効率を低下させ得る。本開示の3層構造においては、多孔質基材が電極層の体積変化を緩和し得る。したがって、クラックの発生が低減され得る。クラックの低減により、電池抵抗の低減が期待される。
クラックをより一層低減するため、電極層を第2層のみから構成することも考えられる。しかし第1層および第3層が存在しない場合、電極層の表面に多孔質基材の一部が露出し得る。電極層は、セパレータ層、集電体等と接触する。多孔質基材の一部が電極層の表面に露出することにより、例えば、セパレータ層(または集電体)と、電極層との間の界面抵抗が増大し得る。その結果、電池抵抗が却って増大する可能性がある。
また、多孔質基材の平均細孔径は21μm以上であり、SEのD50は3μm未満である。該条件が満たされない場合も、電池抵抗が却って増加する可能性がある。第2層において、イオン伝導の効率が低下するためと考えられる。
2.上記「1」に記載の全固体電池において、活物質は、例えば負極活物質であってもよい。
すなわち、電極層は、負極層であってもよい。負極活物質は、充放電に伴う体積変化が大きい傾向がある。本開示の3層構造は、負極層に特に有効であると考えられる。
3.上記「1」または「2」に記載の全固体電池において、多孔質基材は、例えば、絶縁材料により形成されていてもよい。
本開示の新知見によると、多孔質基材が導電材料(例えば金属等)により形成されている場合、キャリアイオンが金属となって析出しやすい傾向がある。多孔質基材が絶縁材料により形成されていることにより、金属の析出が低減し得る。
4.上記「1」~「3」のいずれか1項に記載の全固体電池において、活物質は、第1層、第2層および第3層の各々に含まれていてもよい。第2層において、活物質および固体電解質の両方が、多孔質基材に充填されていてもよい。
SEに加えて、活物質も多孔質基材に充填されていてもよい。活物質およびSEの両方が多孔質基材に充填されていることにより、電池抵抗が低減する可能性もある。
5.本開示の一局面において、全固体電池は、正極層とセパレータ層と負極層とを含む。セパレータ層は、正極層と負極層との間に介在している。負極層は、第1層と第2層と第3層とを含む。第2層は、第1層と第3層との間に介在している。第1層および第3層の少なくとも一方は、セパレータ層と接触している。負極層は、多孔質基材と負極活物質と固体電解質とを含む。多孔質基材は、第2層の骨格を形成している。多孔質基材は、絶縁材料により形成されている。負極活物質および固体電解質の両方が、第1層、第2層および第3層の各々に含まれている。第2層において、負極活物質および固体電解質の両方が、多孔質基材に充填されている。多孔質基材は、21~97μmの平均細孔径を有する。かつ固体電解質は、0.3~1.2μmのD50を有する。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と略記され得る。)、および本開示の実施例(以下「本実施例」と略記され得る。)が説明される。ただし、本実施形態および本実施例は、本開示の技術的範囲を限定しない。本実施形態および本実施例は、全ての点で例示である。本実施形態および本実施例は、非制限的である。本開示の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内における全ての変更を包含する。例えば、本実施形態および本実施例から、任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも当初から予定されている。
「備える」、「含む」、「有する」、および、これらの変形(例えば「から構成される」等)の記載は、オープンエンド形式である。オープンエンド形式は必須要素に加えて、追加要素をさらに含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。「からなる」との記載はクローズド形式である。ただしクローズド形式であっても、通常において付随する不純物であったり、本開示技術に無関係であったりする付加的な要素は排除されない。「実質的に…からなる」との記載はセミクローズド形式である。セミクローズド形式においては、本開示技術の基本的かつ新規な特性に実質的に影響しない要素の付加が許容される。
図1は、本実施形態における全固体電池の概念図である。 図2は、本実施形態における電極層の概念図である。
<全固体電池>
図1は、本実施形態における全固体電池の概念図である。図1には、電池100の厚さ方向と平行な断面が概念的に示されている。電池100は、発電要素50を含む。電池100は、例えば、外装体(不図示)を含んでいてもよい。外装体が、発電要素50を収納していてもよい。外装体は、例えば、金属箔ラミネートフィルム製のパウチ等であってもよいし、金属製のケース等であってもよい。電池100は、1個の発電要素50を単独で含んでいてもよいし、複数個の発電要素50を含んでいてもよい。複数個の発電要素50は、例えば、直列回路を形成していてもよいし、並列回路を形成していてもよい。
発電要素50は、第1電極層10とセパレータ層30と第2電極層20とを含む。発電要素50は、第1電極層10、セパレータ層30および第2電極層20を、それぞれ複数含んでいてもよい。一例として図1の発電要素50は、第1電極層10、セパレータ層30および第2電極層20を、それぞれ2層ずつ含んでいる。セパレータ層30は、第1電極層10と第2電極層20との間に介在している。セパレータ層30は、第1電極層10を第2電極層20から分離している。セパレータ層30は、例えば硫化物SE等を含んでいてもよい。セパレータ層30は、例えば1~100μmの厚さを有していてもよい。
第2電極層20は、第1電極層10と異なる極性を有する。例えば第1電極層10が正極層である時、第2電極層20は負極層である。発電要素50は、第1集電体11と第2集電体21とをさらに含んでいてもよい。第1集電体11は、第1電極層10と接触している。第2集電体21は、第2電極層20と接触している。例えば、第1電極層10が正極層である時、第1集電体11は正極集電体である。例えば、第2電極層20が負極層である時、第2集電体21は負極集電体である。第1集電体11および第2集電体21は、それぞれ独立に、例えば、5~50μmの厚さを有していてもよい。第1集電体11および第2集電体21は、それぞれ独立に、例えば、Al箔、Al合金箔、Cu箔、Ni箔、ステンレス鋼箔等を含んでいてもよい。
《電極層》
第1電極層10および第2電極層20は、「電極層」と総称される。第1電極層10および第2電極層20の少なくとも一方は、3層構造を有する。電極層は、自立層であり得る。「自立層」は、それ自身で形状を維持している層を示す。従来、電極層は、単層構造を有し、かつ非自立層である。「非自立層」は、支持体(例えば集電体等)に支持されており、それ自身では形状を維持できない層を示す。
図2は、本実施形態における電極層の概念図である。図2には、電極層の厚さ方向と平行な断面が概念的に示されている。電極層は、第1層1と第2層2と第3層3とを含む。第2層2は、第1層1と第3層3との間に介在している。
電極層は、例えば、1~1000μm、5~500μm、または10~100μmの厚さを有していてもよい。第1層1は、第1厚さT1を有する。第2層2は、第2厚さT2を有する。第3層3は、第3厚さT3を有する。例えば、下記式(1)の関係が満たされていてもよい。
0.1≦T2/(T1+T2+T3)≦0.9 …(1)
「T2/(T1+T2+T3)」は、例えば、0.2~0.8、0.3~0.7、または0.4~0.6であってもよい。例えば、「T1=T3」または「T1≠T3」の関係が満たされていてもよい。例えば、「T2≧T1」、「T2≧T3」等の関係が満たされていてもよい。
《第2層》
第2層2は、電極層の基層である。第2層2は、多孔質基材とSEとを含む。多孔質基材は、第2層2の骨格を形成する。多孔質基材の厚さは、第2厚さT2に等しい。SEは、多孔質基材に充填されている。すなわち、SEは、多孔質基材内の空隙の少なくとも一部を埋めている。第2層2は、活物質、導電材、バインダ等をさらに含んでいてもよい。SEに加えて、活物質、導電材およびバインダも多孔質基材に充填されていてもよい。
多孔質基材は、例えば、シート状であってもよい。多孔質基材は、任意の構造を有し得る。多孔質基材は、例えば、不織布、発泡体、三次元網目構造体等を含んでいてもよい。多孔質基材は、例えば、導電材料、半導体材料、または絶縁材料によって形成されていてもよい。多孔質基材は、例えば、金属、樹脂、およびセラミックスからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。「導電材料」は、1×10-3Ω・cm以下の体積抵抗率を有する。「半導体材料」は、1×10-3~1×105Ω・cmの体積抵抗率を有する。「絶縁材料」は、1×105Ω・cm以上の体積抵抗率を有する。絶縁材料は、例えば、1×1010Ω・cm以上、または1×1015Ω・cm以上の体積抵抗率を有していてもよい。
多孔質基材は、例えば、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。多孔質基材が熱可塑性樹脂を含むことにより、例えば、電池の発熱時、多孔質基材が融解することにより、電池抵抗が増加し、急激な温度上昇が緩和されることが期待される。多孔質基材は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。多孔質基材は、例えば、90~180℃、100~150℃、または110~130℃の融点を有していてもよい。「融点」は、DSC(Differential Scanning Calorimetry)曲線における融解ピーク(吸熱ピーク)のピークトップ温度を示す。DSC曲線は、「JIS K 7121」に準拠して測定され得る。
多孔質基材は、21μm以上の平均細孔径を有する。平均細孔径が21μm未満であると、電池抵抗が増加する可能性がある。多孔質基材は、例えば、21~97μmの平均細孔径を有していてもよい。平均細孔径は、例えば、21~57μm、または57~97μmであってもよい。「平均細孔径」は、次の手順で測定される。多孔質基材の表面がSEM(Scanning Electron Microscope)で撮像されることにより、SEM画像が取得される。SEM画像が、画像処理ソフトウエア「ImageJ」により解析される。SEM画像内から、無作為に抽出された50個の細孔(開口部)において、最大フェレ径が測定される。50個の最大フェレ径の算術平均が、平均細孔径とみなされる。
多孔質基材は、例えば、50%以上の空孔率を有していてもよい。多孔質基材は、例えば、50~89%の空孔率を有していてもよい。多孔質基材は、例えば、50~67%または67~89%の空孔率を有していてもよい。「空孔率」は、次の手順で測定される。多孔質基材から、正方形状の試料が切り出される。試料は、50mm×50mmの平面サイズを有する。試料の質量と厚さとが測定される。下記式(2)により空孔率が求まる。
P=(1-ρ/ρ0)×100 …(2)
P:空孔率[%]
ρ:見かけ密度(試料の質量、厚さ、面積から求まる密度)
ρ0:真密度(多孔質基材の構成材料の密度)
《第1層、第3層》
第1層1および第3層3は、電極層の表層である。第1層1および第3層3は、それぞれ、第2層2の表面を被覆している。第1層1および第3層3の少なくとも一方は、セパレータ層と接触している。例えば、第1層1または第3層3が、セパレータ層と接触していてもよい。例えば、第1層1または第3層3が、集電体と接触していてもよい。第1層1および第3層3は、それぞれ独立に、活物質およびSEを含む。第1層1および第3層3は、それぞれ独立に、導電材、バインダ等をさらに含んでいてもよい。
《固体電解質》
SEは、電極層内にイオン伝導パスを形成し得る。SEの配合量は、100質量部の活物質に対して、例えば、1~30質量部であってもよい。SEは、粒子状である。SEは、3μm未満のD50を有する。SEのD50が3μm以上であると、電池抵抗が増加する可能性がある。多孔質基材への充填性が低下するためと考えられる。SEは、例えば、2.5μm以下、2μm以下、1.2μm以下、または0.7μm以下のD50を有していてもよい。SEは、例えば、0.1μm以上、0.3μm以上、または0.5μm以上のD50を有していてもよい。SEは、例えば、0.3~1.2μmのD50を有していてもよい。「D50」は、体積基準の粒度分布において、粒子径が小さい方からの頻度の累積が50%に達する粒子径を示す。D50は、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定され得る。
SEは、例えば、5m2/gを超える比表面積を有していてもよい。SEは、例えば、10~21m2/g、10~18m2/g、または18~21m2/gの比表面積を有していてもよい。「比表面積」は、次の手順で測定される。3gの測定試料(粉末)が、測定用試験管に入れられる。測定用試験管が、比表面積測定装置にセットされる。比表面積測定装置において、窒素ガス吸着試験が実施されることにより、吸着等温線が取得される。窒素ガス吸着試験において、吸着温度は77Kであり、吸着相対圧の上限は0.99(P/P0)である。BET1点法によって、吸着等温線の直線領域が解析されることにより、比表面積が求まる。解析ソフトウエアにより、吸着等温線が解析されてもよい。
電極層は、例えば、硫化物SE、酸化物SE、およびフッ化物SEからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。硫化物SEは、高いイオン伝導性を示し得る。硫化物SEは、例えば、Li、P、およびSを含んでいてもよい。硫化物SEは、例えば、O、Ge、Si等をさらに含んでいてもよい。硫化物SEは、例えばハロゲン等をさらに含んでいてもよい。硫化物SEは、例えばI、Br等をさらに含んでいてもよい。硫化物SEは、例えばガラスセラミックス型であってもよいし、アルジロダイト型であってもよい。硫化物SEは、例えば、LiI-LiBr-Li3PS4、Li2S-SiS2、LiI-Li2S-SiS2、LiI-Li2S-P25、LiI-Li2O-Li2S-P25、LiI-Li2S-P25、LiI-Li3PO4-P25、Li2S-GeS2-P25、Li2S-P25、Li426、Li7311、およびLi3PS4からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
例えば、「LiI-LiBr-Li3PS4」は、LiIとLiBrとLi3PS4とが任意のモル比(物質量比)で混合されることにより生成された硫化物SEを示す。硫化物SEは、任意の方法により合成され得る。硫化物SEは、例えば、気相法、固相法または液相法により合成されてもよい。「Li2S-P25」はLi3PS4を含む。Li3PS4は、例えばLi2SとP25とが「Li2S/P25=75/25(モル比)」で混合されることにより生成され得る。
《活物質》
活物質は、電極反応を生起する。活物質は、例えば、粒子状であってもよい。活物質は、例えば、0.1~30μmのD50を有していてもよい。活物質は、例えば、3μm未満のD50を有していてもよい。活物質が3μm未満のD50を有することにより、多孔質部材への活物質の充填性が向上することが期待される。活物質は、例えば、2.5μm以下、2μm以下、1.2μm以下、または0.8μm以下のD50を有していてもよい。SEは、例えば、0.1μm以上、0.3μm以上、または0.5μm以上のD50を有していてもよい。活物質は、例えば、0.5~1.2μmのD50を有していてもよい。
活物質は、例えば、3m2/gを超える比表面積を有していてもよい。活物質は、例えば、8~14m2/g、8~12m2/g、または12~14m2/gの比表面積を有していてもよい。
活物質は、例えば、負極活物質であってもよい。負極活物質は、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、Si、SiOx(0<x<2)、Si基合金、Sn、SnOx(0<x<2)、Li、Li基合金、およびLi4Ti512からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
活物質は、例えば、正極活物質であってもよい。正極活物質は、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、Li(NiCoMn)O2、Li(NiCoAl)O2、Li(NiCoMnAl)O2、およびLiFePO4からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。例えば「Li(NiCoMn)O2」における「(NiCoMn)」は、括弧内の組成比の合計が1であることを示す。
《その他の成分》
電極層は、例えば、導電材を含んでいてもよい。導電材は、電極層中に電子伝導パスを形成し得る。導電材の配合量は、100質量部の活物質に対して、例えば、0.1~10質量部であってもよい。導電材は、例えば、アセチレンブラック(AB)、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)およびグラフェンフレーク(GF)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
電極層は、例えば、バインダを含んでいてもよい。バインダは、固体材料同士を結合し得る。バインダの配合量は、100質量部の活物質に対して、例えば、0.1~10質量部であってもよい。バインダは、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、およびフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF-HFP)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
電極層は、例えば、0~10質量部の導電材と、0.1~10質量部のバインダと、1~30質量部のSEと、残部の活物質とを含んでいてもよい。
<No.1>
《硫化物SEの合成》
Li2S、P25が秤量されることにより、原料粉末が準備された。原料粉末におけるLi2S、P25の混合比は、「Li2S/P25=75/25(モル比)」であった。ガラス製の容器に、原料粉末と、テトラヒドロフラン(THF)とが投入された。原料とTHFとの混合比は、「原料粉末/THF=1/20(質量比)」であった。25℃において、原料粉末とTHFとが72時間攪拌された。攪拌後、沈殿物(粉末)が回収された。沈殿物は、硫化物SEの前駆体である。前駆体が、アルゴン雰囲気下、25℃で乾燥されることにより、乾燥物が形成された。乾燥物が、大気圧下(開放系)、100℃で1時間焼成されることにより、第1焼成物が形成された。第1焼成物が石英管に真空封入された。石英管がマッフル炉内で、140℃で12時間焼成されることにより、第2焼成物が形成された。第2焼成物が粉砕されることにより、粒子サイズが調整された。粉砕後、第2焼成物が、200℃で1時間以上焼成されることにより、硫化物SEが得られた。以下、当該硫化物SEが「LPS」とも記される。
《負極層の形成》
混練装置として、ホソカワミクロン社製の「フィルミックス(登録商標)」が準備された。フィルミックスにおいて、18.6質量部の負極活物質(Si)と、8.69質量部の硫化物SE(LPS)と、2.4質量部の導電材(VGCF)と、バインダ分散液(SBR分散液、濃度 5%)と、分散媒(ジイソブチルケトン)とが混合されることにより、負極スラリーが形成された。負極スラリーの固形分率は、43%(質量分率)であった。混練中、フィルミックスの周速は、5~30m/sの範囲内で調整された。ブレード式のアプリケータにより、負極スラリーが多孔質基材(不織布、厚さ 10μm)の両面に塗工されることにより、負極層が形成された。不織布は、PET繊維により形成されていた。負極層が100℃で30分間乾燥された。負極層(自立層)は、第1層、第2層、および第3層を含む。負極層は、全体として、15μmの厚さを有していた。第1層および第3層は、それぞれ、負極活物質、SE、導電材、およびバインダを含む。第2層は、多孔質基材、負極活物質、SE、導電材、およびバインダを含む。第2層において、多孔質基材に、負極活物質、SE、導電材、およびバインダが充填されている。
《セパレータ層の形成》
50質量部の硫化物SE(LPS)と、バインダ分散液(SBR分散液、濃度 5%)と、分散媒(ジイソブチルケトン)とが混合されることにより、セパレータスラリーが形成された。セパレータスラリーの固形分率は、49%(質量分率)であった。セパレータスラリーが基材の表面に塗工されることにより、セパレータ層が形成された。
《正極層の形成》
フィルミックスの混合容器内に、80質量部の正極活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/32)と、9.51質量部の硫化物SE(LPS)と、2質量部の導電材(VGCF)とが投入された。その後、バインダ分散液(SBR分散液、濃度 5%)と、32.21質量部の分散媒(テトラリン)とが混合容器に投入された。固形分率は69%(質量分率)であった。混合物が混練されることにより、正極スラリーが形成された。混練中、フィルミックスの周速は、5~30m/sの範囲内で調整された。ブレード式のアプリケータにより、正極スラリーが正極集電体(Al箔)の片面に塗工されることにより、正極層が形成された。正極層が100℃で30分間乾燥された。
《組み立て》
20kNのプレス加工により、負極集電体(Ni箔)の両面に負極層が圧着された。次いで、20kNのプレス加工により、負極層にセパレータ層が圧着された。さらに、20kNのプレス加工により、セパレータ層に正極層が圧着された。これにより発電要素が形成された。発電要素にロールプレス加工が施されることにより、発電要素が緻密化された。ロール線圧は、4tоn/cmであり、ロールギャップは100μmであった。正極層に正極集電体(Al箔)が接着された。外装体として、Alラミネートフィルム製のパウチが準備された。発電要素が外装体に封入された。発電要素に5MPaの圧力が加わるように、外装体の外側に拘束部材が取り付けされた。以上より試験電池が製造された。
《初回充放電》
CCCV充放電(充電上限電圧 4.55V、放電下限電圧 2.5V)が実施された。セルの設計容量は、0.3Ahであった。CC充電またはCC放電時の時間率は0.1Cであった。1Cの時間率では、設計容量が1時間で放電される。
<No.2~16>
負極活物質および硫化物SEの粉体物性、ならびに多孔質基材の細孔特性が変更されることを除いては、No.1と同様に試験電池が製造された(下記表1参照)。
<No.17>
No.17においては、単層構造の負極層が形成された。すなわち、次の手順で試験電池が製造された。負極スラリーが負極集電体(Ni箔)の両面に塗工されることにより、負極層(非自立層)が形成された。次いで、20kNのプレス加工により、負極層にセパレータ層が圧着された。さらに、20kNのプレス加工により、セパレータ層に正極層が圧着された。これにより発電要素が形成された。発電要素にロールプレス加工が施されることにより、発電要素が緻密化された。ロール線圧は、4tоn/cmであり、ロールギャップは100μmであった。正極層に正極集電体(Al箔)が接着された。外装体として、Alラミネートフィルム製のパウチが準備された。発電要素が外装体に封入された。発電要素に5MPaの圧力が加わるように、外装体の外側に拘束部材が取り付けされた。
<評価>
20%のSOC(State Of Charge)において、試験電池の放電抵抗が測定された。
Figure 2024034724000002
<結果>
No.1~12の負極層は、3層構造を有する。No.17の負極層は、単層構造を有する。No.1~12の試験電池は、No.17の試験電池に比して、電池抵抗(放電抵抗)が低減している。
No.13~15の負極層も、3層構造を有する。しかし、No.13~15の試験電池は、No.17の試験電池に比して、電池抵抗が増加している。No.13~15においては、硫化物SEのD50が3μm以上である。No.13~15においては、第2層の充填率が低下している。
No.16の負極層も、3層構造を有する。しかし、No.16の試験電池は、No.17の試験電池に比して、電池抵抗が増加している。No.16においては、多孔質基材の平均細孔径が21μm未満である。
1 第1層、2 第2層、3 第3層、10 第1電極層、11 第1集電体、20 第2電極層、21 第2集電体、30 セパレータ層、50 発電要素、100 全固体電池、T1 第1厚さ、T2 第2厚さ、T3 第3厚さ。

Claims (5)

  1. 電極層を含み、
    前記電極層は、第1層と第2層と第3層とを含み、
    前記第2層は、前記第1層と前記第3層との間に介在しており、
    前記電極層は、多孔質基材と活物質と固体電解質とを含み、
    前記多孔質基材は、前記第2層の骨格を形成しており、
    前記活物質は、前記第1層および前記第3層の各々に含まれており、
    前記固体電解質は、前記第1層、前記第2層および前記第3層の各々に含まれており、
    前記第2層において、前記固体電解質は、前記多孔質基材に充填されており、
    前記多孔質基材は、21μm以上の平均細孔径を有し、かつ
    前記固体電解質は、3μm未満のD50を有する、
    全固体電池。
  2. 前記活物質は、負極活物質である、
    請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記多孔質基材は、絶縁材料により形成されている、
    請求項1に記載の全固体電池。
  4. 前記活物質は、前記第1層、前記第2層および前記第3層の各々に含まれており、かつ
    前記第2層において、前記活物質および前記固体電解質の両方が、前記多孔質基材に充填されている、
    請求項1に記載の全固体電池。
  5. 正極層とセパレータ層と負極層とを含み、
    前記セパレータ層は、前記正極層と前記負極層との間に介在しており、
    前記負極層は、第1層と第2層と第3層とを含み、
    前記第2層は、前記第1層と前記第3層との間に介在しており、
    前記第1層および前記第3層の少なくとも一方は、前記セパレータ層と接触しており、
    前記負極層は、多孔質基材と負極活物質と硫化物固体電解質とを含み、
    前記多孔質基材は、前記第2層の骨格を形成しており、
    前記多孔質基材は、絶縁材料により形成されており、
    前記負極活物質および前記硫化物固体電解質の両方が、前記第1層、前記第2層および前記第3層の各々に含まれており、
    前記第2層において、前記負極活物質および前記硫化物固体電解質の両方が、前記多孔質基材に充填されており、
    前記多孔質基材は、21~97μmの平均細孔径を有し、かつ
    前記硫化物固体電解質は、0.3~1.2μmのD50を有する、
    全固体電池。
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