JP2024033929A - ガスタービンの性能評価方法、この方法をコンピュータに実行させるプログラム、及びこの方法を実行する装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を備える。前記タービンは、軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータの外周を覆うタービンケーシングと、前記タービンケーシングの内周側に設けられている複数の静翼列と、前記タービンケーシングから排気された燃焼ガスである排気ガスが流通可能な排気ダクトと、を有する。複数の静翼列は、前記軸線が延びる軸線方向に互に間隔をあけて並ぶ。前記複数の静翼列は、いずれも、前記軸線に対する周方向に並ぶ複数の静翼を有する。前記静翼は、前記軸線に対する径方向に垂直な断面形状が翼形を成し、前記径方向に延びている翼体と、前記翼体の径方向内側に設けられている内側シュラウドと、前記翼体の径方向外側に設けられている外側シュラウドと、を有する。前記ロータは、前記軸線を中心として前記軸線方向に延びるロータ軸と、前記ロータ軸に取り付けられている複数の動翼列と、を有する。前記複数の動翼列のそれぞれは、前記複数の静翼列のうち、いずれの一の静翼列に対して前記軸線方向における軸線上流側と軸線下流側とのうちで前記軸線下流側に配置されている。前記複数の動翼列は、いずれも、前記周方向に並ぶ複数の動翼を有する。
以上のガスタービンの性能評価方法では、前記ガスタービンが静定しているか否かを判定するための少なくとも一の静定判定用データを取得すると共に、前記ガスタービンの性能評価に用いる評価指標値を得るための指標値用データを取得するデータ取得工程と、前記データ取得工程で取得したデータを時系列に記憶するデータ記憶工程と、前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて、前記ガスタービンが静定状態か否かを判定する静定判定工程と、前記静定判定工程で前記ガスタービンが静定状態であると判定された判定時における前記指標値用データを用いて、前記評価指標値を求める評価指標値算出工程と、を実行する。前記少なくとも一の静定判定用データは、前記複数の動翼列のうちで最も前記軸線下流側の動翼列である最終段動翼列を通過した排気ガスの温度である第一排気ガス温度と前記排気ガスの温度であって前記第一排気ガス温度が測定される位置よりも前記最終段動翼列から離れた位置における排気ガスの温度である第二排気ガス温度との差である排気ガス温度差、又は、前記静翼の前記内側シュラウドと前記ロータ軸との間のキャビティ温度である。
このガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を備える。前記タービンは、軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータの外周を覆うタービンケーシングと、前記タービンケーシングの内周側に設けられている複数の静翼列と、前記タービンケーシングから排気された燃焼ガスである排気ガスが流通可能な排気ダクトと、を有する。複数の静翼列は、前記軸線が延びる軸線方向に互に間隔をあけて並ぶ。前記複数の静翼列は、いずれも、前記軸線に対する周方向に並ぶ複数の静翼を有する。前記静翼は、前記軸線に対する径方向に垂直な断面形状が翼形を成し、前記径方向に延びている翼体と、前記翼体の径方向内側に設けられている内側シュラウドと、前記翼体の径方向外側に設けられている外側シュラウドと、を有する。前記ロータは、前記軸線を中心として前記軸線方向に延びるロータ軸と、前記ロータ軸に取り付けられている複数の動翼列と、を有する。前記複数の動翼列のそれぞれは、前記複数の静翼列のうち、いずれの一の静翼列に対して前記軸線方向における軸線上流側と軸線下流側とのうちで前記軸線下流側に配置されている。前記複数の動翼列は、いずれも、前記周方向に並ぶ複数の動翼を有する。
このガスタービンの性能評価プログラムは、前記ガスタービンが静定しているか否かを判定するための少なくとも一の静定判定用データを取得すると共に、前記ガスタービンの性能評価に用いる評価指標値を得るための指標値用データを取得するデータ取得工程と、前記データ取得工程で取得したデータを時系列に記憶するデータ記憶工程と、前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて、前記ガスタービンが静定状態か否かを判定する静定判定工程と、前記静定判定工程で前記ガスタービンが静定状態であると判定された判定時における前記指標値用データを用いて、前記評価指標値を求める評価指標値算出工程と、をコンピュータに実行させる。前記少なくとも一の静定判定用データは、前記複数の動翼列のうちで最も前記軸線下流側の動翼列である最終段動翼列を通過した排気ガスの温度である第一排気ガス温度と前記排気ガスの温度であって前記第一排気ガス温度が測定される位置よりも前記最終段動翼列から離れた位置における排気ガスの温度である第二排気ガス温度との差である排気ガス温度差、又は、前記静翼の前記内側シュラウドと前記ロータ軸との間のキャビティ温度である。
このガスタービンは、空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を備える。前記タービンは、軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータの外周を覆うタービンケーシングと、前記タービンケーシングの内周側に設けられている複数の静翼列と、前記タービンケーシングから排気された燃焼ガスである排気ガスが流通可能な排気ダクトと、を有する。複数の静翼列は、前記軸線が延びる軸線方向に互に間隔をあけて並ぶ。前記複数の静翼列は、いずれも、前記軸線に対する周方向に並ぶ複数の静翼を有する。前記静翼は、前記軸線に対する径方向に垂直な断面形状が翼形を成し、前記径方向に延びている翼体と、前記翼体の径方向内側に設けられている内側シュラウドと、前記翼体の径方向外側に設けられている外側シュラウドと、を有する。前記ロータは、前記軸線を中心として前記軸線方向に延びるロータ軸と、前記ロータ軸に取り付けられている複数の動翼列と、を有する。前記複数の動翼列のそれぞれは、前記複数の静翼列のうち、いずれの一の静翼列に対して前記軸線方向における軸線上流側と軸線下流側とのうちで前記軸線下流側に配置されている。前記複数の動翼列は、いずれも、前記周方向に並ぶ複数の動翼を有する。
このガスタービンの性能評価装置は、前記ガスタービンが静定しているか否かを判定するための少なくとも一の静定判定用データを取得すると共に、前記ガスタービンの性能評価に用いる評価指標値を得るための指標値用データを取得可能なデータ取得部と、前記データ取得部で取得したデータを時系列に記憶するデータ記憶部と、前記データ記憶部が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部を含み、該データ判定部による判定結果に応じて、前記ガスタービンが静定状態か否かを判定する静定判定部と、前記静定判定部で前記ガスタービンが静定状態であると判定された判定時における前記指標値用データを用いて、前記評価指標値を求める評価指標値算出部と、を備える。前記少なくとも一の静定判定用データは、前記複数の動翼列のうちで最も前記軸線下流側の動翼列である最終段動翼列を通過した排気ガスの温度である第一排気ガス温度と前記排気ガスの温度であって前記第一排気ガス温度が測定される位置よりも前記最終段動翼列から離れた位置における排気ガスの温度である第二排気ガス温度との差である排気ガス温度差、又は、前記静翼の前記内側シュラウドと前記ロータ軸との間のキャビティ温度である。
ガスタービンの性能評価方法、この方法を実行するためのプログラム、及びこの方法を実行する性能評価装置の実施形態を説明する前に、ガスタービンを含むガスタービン設備について説明する。
以下、以上で説明したガスタービンの性能評価方法、この方法を実行するためのプログラム、及びこの方法を実行する性能評価装置の実施形態について、主として、図3~図7を参照して説明する。
SMAtj={Xtj+X(tj-1)+X(tj-2) …+X(tj-(n-2))+X(tj-(n-1))}/n
EMAtj = EMA(tj-1)×(1-α)+Xtj×α
= EMA(tj-1)+α×(Xtj-EMA(tj-1))
※定数αは、サンプル数に応じて変わる1未満の値
EMAt52 = EMA(t51)+α×(X(t52)-EMA(t51))
また、判定時(tj)がt53のときの指数移動平均(EMAt53)は、以下のように表すことができる。
EMAt53 = EMA(t52)+α×(X(t53)-EMA(t52))
ηc=(Tc-Ti)/(Tcr-Ti)
なお、判定時tjにおける理想吐出空気温度Tcrは、判定時tjにおける吸気温度Tiの空気を、判定時tjにおける圧縮機10の圧力比まで断熱圧縮したときの温度である。判定時tjにおける圧縮機10の圧力比は、判定時tjに吸気圧力計43で測定された吸気圧力Piと判定時tjに吐出圧力計45で測定された吐出圧力Pcとの比(Pc/Pi)である。よって、圧縮機効率ηcは、吸気温度Ti、吸気圧力Pi、吐出空気温度Tc、及び吐出圧力Pcを用いて求められる。
PWc=Q×ca×(Tc-Ti)
なお、判定時tjにおける吸気流量Qは、以下のように求められる。吸気流量Qと吸気温度Ti及び吸気圧力Piとの関係は、圧縮機10それぞれにおいて予め定まっている。そこで、この関係を用いて、判定時tjに吸気温度計42で測定された吸気温度Ti及び判定時tjに吸気圧力計43で測定された吸気圧力Piに対応する吸気流量Qが求められる。
PWt=PW+PWc
PWt=(Q+Fr)×cg×(Ttin-T2)
なお、吸気流量Qは、前述したように、吸気温度Ti及び吸気圧力Piで求められる。また、タービン出力PWtは、発電機出力PW、吸気温度Ti、及び吐出空気温度Tcで求められる。このため、判定時tjにおけるタービン入口温度Ttinは、判定時tjにおける吸気温度Ti、判定時tjにおける吸気圧力Pi、判定時tjにおける吐出空気温度Tc、判定時tjに燃料流量計46で測定された燃料流量Fr、及び、判定時tjに第二排気ガス温度計48で測定された第二排気ガス温度Te2を用いて求められる。また、タービン30を構成する部品のうちで、高温の燃焼ガスに接する動翼や静翼を冷却するため、圧縮機10で圧縮された空気の一部を用いる場合、タービン入口温度Ttinを求める際には、この空気の温度及び流量も考慮される。
ηt=(Ttin-T2)/(Ttin-Te2r)
なお、判定時tjにおける理想排ガス温度Te2rは、判定時tjにおけるタービン入口温度Ttinの燃焼ガスを、判定時tjにおけるタービン30の膨張比で断熱膨張したときの温度である。判定時tjにおけるタービン30の膨張比は、判定時tjに吸気圧力計43で測定された吸気圧力Piと、判定時tjに吐出圧力計45で測定された吐出圧力Pcから燃焼器の圧力損失分だけ低い圧力Ptinと、の比(Ptin/Pi)である。よって、タービン効率ηtは、タービン入口温度Ttin、第二排気ガス温度Te2、吸気圧力Pi、及び吐出圧力Pcを用いて求められる。なお、タービン30を構成する部品のうちで、高温の燃焼ガスに接する動翼や静翼を冷却するため、圧縮機10で圧縮された空気の一部を用いる場合には、この空気の温度及び流量も考慮される。
図8及び図9を用いて、以上で説明した短期静定判定部の変形例について説明する。
以上の実施形態及び変形例における第一期間T1は、複数種類の静定判定用データに対して共通する期間である。また、以上の実施形態及び変形例における第二期間T2、及び第三期間T3も、複数種類の静定判定用データに対して共通する期間である。しかしながら、複数種類の静定判定用データ毎に、第一期間T1、第二期間T2、第三期間T3を定めてもよい。但し、この場合も、第二期間T2は第一期間T1より長い期間であり、第三期間T3は第一期間T1より短い期間である必要がある。
以上の実施形態及び変形例におけるガスタービン1の性能評価方法は、例えば、以下のように把握される。
このガスタービン1は、空気Aを圧縮して圧縮空気Acomを生成できる圧縮機10と、前記圧縮空気Acom中で燃料Fを燃焼させて燃焼ガスGを生成できる燃焼器20と、前記燃焼ガスGにより駆動可能なタービン30と、を備える。前記タービン30は、軸線Arを中心として回転可能なロータ31と、前記ロータ31の外周を覆うタービンケーシング35と、前記タービンケーシング35の内周側に設けられている複数の静翼列36と、前記タービンケーシング35から排気された燃焼ガスGである排気ガスEGが流通可能な排気ダクト7と、を有する。複数の静翼列36は、前記軸線Arが延びる軸線方向Daに互に間隔をあけて並ぶ。前記複数の静翼列36は、いずれも、前記軸線Arに対する周方向Dcに並ぶ複数の静翼37を有する。前記静翼37は、前記軸線Arに対する径方向Drに垂直な断面形状が翼形を成し、前記径方向Drに延びている翼体37aと、前記翼体37aの径方向内側Driに設けられている内側シュラウド37cと、前記翼体37aの径方向外側Droに設けられている外側シュラウド37bと、を有する。前記ロータ31は、前記軸線Arを中心として前記軸線方向Daに延びるロータ軸32と、前記ロータ軸32に取り付けられている複数の動翼列33と、を有する。前記複数の動翼列33のそれぞれは、前記複数の静翼列36のうち、いずれの一の静翼列36に対して前記軸線方向Daにおける軸線上流側Dauと軸線下流側Dadとのうちで前記軸線下流側Dadに配置されている。前記複数の動翼列33は、いずれも、前記周方向Dcに並ぶ複数の動翼34を有する。
このガスタービン1の性能評価方法では、前記ガスタービン1が静定しているか否かを判定するための少なくとも一の静定判定用データを取得すると共に、前記ガスタービン1の性能評価に用いる評価指標値を得るための指標値用データを取得するデータ取得工程S10と、前記データ取得工程S10で取得したデータを時系列に記憶するデータ記憶工程S15と、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S23,S26,S53を行い、該データ判定工程S23,S26,S53の結果に応じて、前記ガスタービン1が静定状態か否かを判定する静定判定工程S20と、前記静定判定工程S20で前記ガスタービン1が静定状態であると判定された判定時における前記指標値用データを用いて、前記評価指標値を求める評価指標値算出工程S30と、を実行する。前記少なくとも一の静定判定用データは、前記複数の動翼列33のうちで最も前記軸線下流側Dadの動翼列33である最終段動翼列を通過した排気ガスEGの温度である第一排気ガス温度Te1と前記排気ガスEGの温度であって前記第一排気ガス温度Te1が測定される位置よりも前記最終段動翼列から離れた位置における排気ガスEGの温度である第二排気ガス温度Te2との差である排気ガス温度差Td、又は、前記静翼37の前記内側シュラウド37cと前記ロータ軸32との間のキャビティ温度Trである。
前記第一態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記静定判定工程S20は、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間T1における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S23,S53を行い、該データ判定工程S23,S53の結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間T1で静定しているか否かを判定する短期静定判定工程S22,S50と、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間T1よりも長い第二期間T2における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S26を行い、該データ判定工程S26の結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間T2で静定しているか否かを判定する長期静定判定工程S25と、前記静定判定用データが前記第一期間T1及び前記第二期間T2で静定していると判定されたことを条件にして、前記ガスタービン1が静定状態であると判定するタービン静定判定工程S29と、を含む。
前記第一態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記データ取得工程S10では、前記少なくとも一の静定判定用データとして、前記排気ガス温度差Tdと前記キャビティ温度Trとを含む複数種類の静定判定用データを取得する。前記静定判定工程S20は、前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが前記複数種類の静定判定用データ毎に予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S23,S26,S53を行い、該データ判定工程S23,S26,S53の結果に応じて、前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが静定しているか否かを判定するデータ種別判定工程S21と、前記データ種別判定工程S21で前記排気ガス温度差Tdと前記キャビティ温度Trとが静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービン1が静定状態であると判定するタービン静定判定工程S29と、を含む。
前記第三態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記データ種別判定工程S21は、前記複数種類の静定判定用データ毎に実行する、短期静定判定工程S22,S50、及び長期静定判定工程S25を含む。前記短期静定判定工程S22,S50では、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間T1における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S23,S53を行い、該データ判定工程S23,S53の結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間T1で静定しているか否かを判定する。前記長期静定判定工程S25では、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間T1よりも長い第二期間T2における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S26を行い、該データ判定工程S26の結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間T2で静定しているか否かを判定する。前記タービン静定判定工程S29では、前記複数種類の静定判定用データのいずれもが前記第一期間T1及び前記第二期間T2で静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービン1が静定状態であると判定する。
前記第三態様又は前記第四態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記データ取得工程S10では、複数種類の静定判定用データとして、さらに、前記ガスタービン1の出力PWと前記圧縮機10が吸い込む空気の温度Tiとのうち、少なくとも一方を取得する。
前記第一態様から前記第五態様のうちのいずれか一態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記データ判定工程S23,S26は、期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データを平滑化する平滑化工程S24a,S27aと、前記平滑化工程S24a,S27aで平滑化された前記静定判定用データと前記判定時の前記静定判定用データとの差の絶対値が予め定められた値未満の場合に、前記期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する前記変動幅の範囲内に収まっていると判定する判定工程S24b,S27bと、を含む。
前記第二態様又は前記第四態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記短期静定判定工程S50は、判定前処理工程S51と、第一期間判定工程S53とを含む。前記判定前処理工程S51は、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定前処理時から過去の期間であって前記第一期間T1より短い第三期間T3における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データを平滑化する平滑化工程S52aと、前記複数の時刻毎の前記静定判定用データのうちで最新の静定判定用データと該平滑化工程S52aで平滑化された前記静定判定用データとの差の絶対値を求める差演算工程S52bと、を含む。判定時から過去の前記第一期間T1内で、前記判定前処理工程S51を複数回実行する。前記第一期間判定工程S53は、前記第一期間T1内で実行された複数回の前記判定前処理工程S51で得られた各差の絶対値を平滑化する平滑化工程S54aと、該平滑化工程S54aで平滑化された差の絶対値が予め定められた値に未満の場合に、前記静定判定用データが静定していると判定する判定工程S54bと、を含む。
前記第六態様又は前記第七態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記平滑化工程S24a,S27a,S52a,S54aでは、対象の複数のデータの指数移動平均値を求め、該指数移動平均値を、対象の複数のデータを平滑化したデータとする。
前記第一態様から前記第八態様のうちのいずれか一態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記データ取得工程S10では、前記指標値用データとして、前記圧縮機10が吸い込む吸気の温度である吸気温度Ti、前記吸気の圧力である吸気圧力Pi、前記圧縮機10が吐出した圧縮空気の温度である吐出空気温度Tc、前記圧縮空気の圧力である吐出圧力Pc、前記燃焼器20に流入する燃料流量Fr、前記第二排気ガス温度Te2、前記ガスタービン1の出力PWを取得する。前記評価指標値算出工程S30では、前記静定判定工程S20で前記ガスタービン1が静定状態であると判定された判定時における前記吸気温度Ti、前記吸気圧力Pi、前記吐出空気温度Tc、前記吐出圧力Pc、前記燃料流量Fr、前記第二排気ガス温度Te2、及び前記ガスタービン1の出力PWを用いて、前記燃焼器20からの燃焼ガスが流入する前記タービン30の入口における燃焼ガスの温度であるタービン入口温度Ttinを求める。
前記第一態様から前記第九態様のうちのいずれか一態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記データ取得工程S10では、前記指標値用データとして、前記圧縮機10が吸い込む吸気の温度である吸気温度Ti、前記吸気の圧力である吸気圧力Pi、前記圧縮機10が吐出した圧縮空気の温度である吐出空気温度Tc、前記圧縮空気の圧力である吐出圧力Pc、前記燃焼器20に流入する燃料流量、前記第二排気ガス温度Te2、前記ガスタービン1の出力PWを取得する。前記評価指標値算出工程S30では、前記静定判定工程S20で前記ガスタービン1が静定状態であると判定された判定時における前記吸気温度Ti、前記吸気圧力Pi、前記吐出空気温度Tc、前記吐出圧力Pc、前記燃料流量、前記第二排気ガス温度Te2、及び前記ガスタービン1の出力PWを用いて、前記タービン30の効率ηtを求める。
前記第一態様から前記第十態様のうちのいずれか一態様におけるガスタービンの性能評価方法において、前記データ取得工程S10では、前記指標値用データとして、前記圧縮機10が吸い込む吸気の温度である吸気温度Ti、前記吸気の圧力である吸気圧力Pi、前記圧縮機10が吐出した圧縮空気の温度である吐出空気温度Tc、及び前記圧縮空気の圧力である吐出圧力Pcを取得する。前記評価指標値算出工程S30では、前記静定判定工程S20で前記ガスタービン1が静定状態であると判定された判定時における前記吸気温度Ti、前記吸気圧力Pi、前記吐出空気温度Tc、前記吐出圧力Pcを用いて、前記評価指標値の一種である前記圧縮機10の効率ηcを求める。
このガスタービン1は、空気Aを圧縮して圧縮空気Acomを生成できる圧縮機10と、前記圧縮空気Acom中で燃料Fを燃焼させて燃焼ガスGを生成できる燃焼器20と、前記燃焼ガスGにより駆動可能なタービン30と、を備える。前記タービン30は、軸線Arを中心として回転可能なロータ31と、前記ロータ31の外周を覆うタービンケーシング35と、前記タービンケーシング35の内周側に設けられている複数の静翼列36と、前記タービンケーシング35から排気された燃焼ガスGである排気ガスEGが流通可能な排気ダクト7と、を有する。複数の静翼列36は、前記軸線Arが延びる軸線方向Daに互に間隔をあけて並ぶ。前記複数の静翼列36は、いずれも、前記軸線Arに対する周方向Dcに並ぶ複数の静翼37を有する。前記静翼37は、前記軸線Arに対する径方向Drに垂直な断面形状が翼形を成し、前記径方向Drに延びている翼体37aと、前記翼体37aの径方向内側Driに設けられている内側シュラウド37cと、前記翼体37aの径方向外側Droに設けられている外側シュラウド37bと、を有する。前記ロータ31は、前記軸線Arを中心として前記軸線方向Daに延びるロータ軸32と、前記ロータ軸32に取り付けられている複数の動翼列33と、を有する。前記複数の動翼列33のそれぞれは、前記複数の静翼列36のうち、いずれの一の静翼列36に対して前記軸線方向Daにおける軸線上流側Dauと軸線下流側Dadとのうちで前記軸線下流側Dadに配置されている。前記複数の動翼列33は、いずれも、前記周方向Dcに並ぶ複数の動翼34を有する。
このガスタービン1の性能評価プログラムは、前記ガスタービン1が静定しているか否かを判定するための少なくとも一の静定判定用データを取得すると共に、前記ガスタービン1の性能評価に用いる評価指標値を得るための指標値用データを取得するデータ取得工程S10と、前記データ取得工程S10で取得したデータを時系列に記憶するデータ記憶工程S15と、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S23,S26,S53を行い、該データ判定工程S23,S26,S53の結果に応じて、前記ガスタービン1が静定状態か否かを判定する静定判定工程S20と、前記静定判定工程S20で前記ガスタービン1が静定状態であると判定された判定時における前記指標値用データを用いて、前記評価指標値を求める評価指標値算出工程S30と、をコンピュータに実行させる。前記少なくとも一の静定判定用データは、前記複数の動翼列33のうちで最も前記軸線下流側Dadの動翼列33である最終段動翼列を通過した排気ガスEGの温度である第一排気ガス温度Te1と前記排気ガスEGの温度であって前記第一排気ガス温度Te1が測定される位置よりも前記最終段動翼列から離れた位置における排気ガスEGの温度である第二排気ガス温度Te2との差である排気ガス温度差Td、又は、前記静翼37の前記内側シュラウド37cと前記ロータ軸32との間のキャビティ温度Trである。
前記第十二態様におけるガスタービンの性能評価プログラムにおいて、前記静定判定工程S20は、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間T1における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S23,S53を行い、該データ判定工程S23,S53の結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間T1で静定しているか否かを判定する短期静定判定工程S22,S50と、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間T1よりも長い第二期間T2における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S26を行い、該データ判定工程S26の結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間T2で静定しているか否かを判定する長期静定判定工程S25と、前記静定判定用データが前記第一期間T1及び前記第二期間T2で静定していると判定されたことを条件にして、前記ガスタービン1が静定状態であると判定するタービン静定判定工程S29と、を含む。
前記第十二態様におけるガスタービンの性能評価プログラムにおいて、前記データ取得工程S10では、前記少なくとも一の静定判定用データとして、前記排気ガス温度差Tdと前記キャビティ温度Trとを含む複数種類の静定判定用データを取得する。前記静定判定工程S20は、前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが前記複数種類の静定判定用データ毎に予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S23,S26,S53を行い、該データ判定工程S23,S26,S53の結果に応じて、前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが静定しているか否かを判定するデータ種別判定工程S21と、前記データ種別判定工程S21で前記複数種類の静定判定用データの全てが静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービン1が静定状態であると判定するタービン静定判定工程S29と、を含む。
前記第十四態様におけるガスタービンの性能評価プログラムにおいて、前記データ種別判定工程S21は、前記複数種類の静定判定用データ毎に実行する、短期静定判定工程S22,S50、及び長期静定判定工程S25を含む。前記短期静定判定工程S22,S50では、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間T1における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S23,S53を行い、該データ判定工程S23,S53の結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間T1で静定しているか否かを判定する。前記長期静定判定工程S25では、前記データ記憶工程S15で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間T1よりも長い第二期間T2における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程S26を行い、該データ判定工程S26の結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間T2で静定しているか否かを判定する。前記タービン静定判定工程S29では、前記複数種類の静定判定用データのいずれもが前記第一期間T1及び前記第二期間T2で静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービン1が静定状態であると判定する。
前記第十四態様又は前記第十五態様におけるガスタービンの性能評価プログラムにおいて、前記データ取得工程S10では、複数種類の静定判定用データとして、さらに、前記ガスタービン1の出力PWと前記圧縮機10が吸い込む空気の温度Tiとのうち、少なくとも一方を取得する。
前記第十二態様から前記第十六態様のうちのいずれか一態様におけるガスタービンの性能評価プログラムにおいて、前記データ判定工程S23,S26は、期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データを平滑化する平滑化工程S24a,S27aと、前記平滑化工程S24a,S27aで平滑化された前記静定判定用データと前記判定時の前記静定判定用データとの差の絶対値が予め定められた値未満の場合に、前記期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する前記変動幅の範囲内に収まっていると判定する判定工程S24b,S27bと、を含む。
前記第十七態様におけるガスタービンの性能評価プログラムにおいて、前記平滑化工程S24a,S27aでは、対象の複数のデータの指数移動平均値を求め、該指数移動平均値を、対象の複数のデータを平滑化したデータとする。
このガスタービン1は、空気Aを圧縮して圧縮空気Acomを生成できる圧縮機10と、前記圧縮空気Acom中で燃料Fを燃焼させて燃焼ガスGを生成できる燃焼器20と、前記燃焼ガスGにより駆動可能なタービン30と、を備える。前記タービン30は、軸線Arを中心として回転可能なロータ31と、前記ロータ31の外周を覆うタービンケーシング35と、前記タービンケーシング35の内周側に設けられている複数の静翼列36と、前記タービンケーシング35から排気された燃焼ガスGである排気ガスEGが流通可能な排気ダクト7と、を有する。複数の静翼列36は、前記軸線Arが延びる軸線方向Daに互に間隔をあけて並ぶ。前記複数の静翼列36は、いずれも、前記軸線Arに対する周方向Dcに並ぶ複数の静翼37を有する。前記静翼37は、前記軸線Arに対する径方向Drに垂直な断面形状が翼形を成し、前記径方向Drに延びている翼体37aと、前記翼体37aの径方向内側Driに設けられている内側シュラウド37cと、前記翼体37aの径方向外側Droに設けられている外側シュラウド37bと、を有する。前記ロータ31は、前記軸線Arを中心として前記軸線方向Daに延びるロータ軸32と、前記ロータ軸32に取り付けられている複数の動翼列33と、を有する。前記複数の動翼列33のそれぞれは、前記複数の静翼列36のうち、いずれの一の静翼列36に対して前記軸線方向Daにおける軸線上流側Dauと軸線下流側Dadとのうちで前記軸線下流側Dadに配置されている。前記複数の動翼列33は、いずれも、前記周方向Dcに並ぶ複数の動翼34を有する。
ガスタービン1の性能評価装置は、前記ガスタービン1が静定しているか否かを判定するための少なくとも一の静定判定用データを取得すると共に、前記ガスタービン1の性能評価に用いる評価指標値を得るための指標値用データを取得可能なデータ取得部110と、前記データ取得部110で取得したデータを時系列に記憶するデータ記憶部115と、前記データ記憶部115が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部123,126,153を含み、該データ判定部123,126,153による判定結果に応じて、前記ガスタービン1が静定状態か否かを判定する静定判定部120と、前記静定判定部120で前記ガスタービン1が静定状態であると判定された判定時における前記指標値用データを用いて、前記評価指標値を求める評価指標値算出部130と、を備える。前記少なくとも一の静定判定用データは、前記複数の動翼列33のうちで最も前記軸線下流側Dadの動翼列33である最終段動翼列を通過した排気ガスEGの温度である第一排気ガス温度Te1と前記排気ガスEGの温度であって前記第一排気ガス温度Te1が測定される位置よりも前記最終段動翼列から離れた位置における排気ガスEGの温度である第二排気ガス温度Te2との差である排気ガス温度差Td、又は、前記静翼37の前記内側シュラウド37cと前記ロータ軸32との間のキャビティ温度Trである。
前記第十九態様におけるガスタービンの性能評価装置において、前記静定判定部120は、前記データ記憶部115が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間T1における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部123,153を含み、該データ判定部123,153による判定結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間T1で静定しているか否かを判定する短期静定判定部122,150と、前記データ記憶部115が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間T1よりも長い第二期間T2における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部126を含み、該データ判定部126による判定結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間T2で静定しているか否かを判定する長期静定判定部125と、前記静定判定用データが前記第一期間T1及び前記第二期間T2で静定していると判定されたことを条件にして、前記ガスタービン1が静定状態であると判定するタービン静定判定部129と、を有する。
前記第十九態様におけるガスタービンの性能評価装置において、前記データ取得部110は、前記少なくとも一の静定判定用データとして、前記排気ガス温度差Tdと前記キャビティ温度Trとを含む複数種類の静定判定用データを取得可能である。前記静定判定部120は、前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが前記複数種類の静定判定用データ毎に予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部123,126,153を含み、該データ判定部123,126,153による判定結果に応じて、前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが静定しているか否かを判定するデータ種別判定部121と、前記データ種別判定部121で前記排気ガス温度差Tdと前記キャビティ温度Trとが静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービン1が静定状態であると判定するタービン静定判定部129と、を有する。
前記第二十一態様におけるガスタービンの性能評価装置において、前記データ種別判定部121は、前記複数種類の静定判定用データ毎に判定を実行する、短期静定判定部122,150、及び長期静定判定部125を含む。前記短期静定判定部122,150は、前記データ記憶部115が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間T1における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部123,153を含み、該データ判定部123,153による判定結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間T1で静定しているか否かを判定する。前記長期静定判定部125は、前記データ記憶部115が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間T1よりも長い第二期間T2における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部126を含み、該データ判定部126による判定結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間T2で静定しているか否かを判定する。前記タービン静定判定部129は、前記複数種類の静定判定用データのいずれもが前記第一期間T1及び前記第二期間T2で静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービン1が静定状態であると判定する。
前記第十九態様から前記第二十二態様のうちのいずれか一態様におけるガスタービンの性能評価装置において、前記データ判定部123,126は、期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データを平滑化する平滑化部124a,127aと、前記平滑化部124a,127aで平滑化された前記静定判定用データと前記判定時の前記静定判定用データとの差の絶対値が予め定められた値未満の場合に、前記期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する前記変動幅の範囲内に収まっていると判定する判定部124b、127bと、を含む。
前記第二十三態様におけるガスタービンの性能評価装置において、前記平滑化部124a,127aは、対象の複数のデータの指数移動平均値を求め、該指数移動平均値を、対象の複数のデータを平滑化したデータとする。
2:ガスタービンロータ
5:ガスタービンケーシング
6:中間ケーシング
7:排気ダクト
8:燃料ライン
8v:燃料弁
9:発電機
10:圧縮機
11:圧縮機ロータ
12:ロータ軸
13:動翼列
14:IGV
15:圧縮機ケーシング
16:静翼列
20:燃焼器
21:バーナ
22:尾筒(又は燃焼筒)
30:タービン
31:タービンロータ
32:ロータ軸
33:動翼列
34:動翼
34a:翼体
34c:プラットフォーム
35:タービンケーシング
36:静翼列
37:静翼
37a:翼体
37b:外側シュラウド
37c:内側シュラウド
37d:シール保持部
37e:シール
39:燃焼ガス流路
40:回転数計
41:出力計
42:吸気温度計
43:吸気圧力計
44:吐出空気温度計
45:吐出圧力計
46:燃料流量計
47:第一排気ガス温度計
48:第二排気ガス温度計
49:キャビティ温度計
50:制御装置
100:性能評価装置
101:コンピュータ本体
102:CPU
103:主記憶装置
104:補助記憶装置
104a:固有データ
104b:性能評価プログラム
105:記憶・再生装置
106:入出力インタフェース
107:設備インタフェース
108:通信インタフェース
109a:入力装置
109b:表示装置
110:データ取得部
111:データ受付部
112:演算部
115:データ記憶部
120:静定判定部
121:データ種別判定部
122:短期静定判定部
123:データ判定部
124a:第一期間の平滑化部
124b:第一期間の判定部
125:長期静定判定部
126:データ判定部
127a:第二期間の平滑化部
127b:第二期間の判定部
128:判定完了判定部
129:タービン静定判定部
130:評価指標値算出部
140:出力部
150:短期静定判定部
151:判定前処理部
152a:第三期間の平滑化部
152b:差演算部
153:第一期間データ判定部
154a:第一期間の平滑化部
154b:第一期間の判定部
Claims (24)
- 空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を備え、
前記タービンは、軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータの外周を覆うタービンケーシングと、前記タービンケーシングの内周側に設けられている複数の静翼列と、前記タービンケーシングから排気された燃焼ガスである排気ガスが流通可能な排気ダクトと、を有し、
複数の静翼列は、前記軸線が延びる軸線方向に互に間隔をあけて並び、
前記複数の静翼列は、いずれも、前記軸線に対する周方向に並ぶ複数の静翼を有し、
前記静翼は、前記軸線に対する径方向に垂直な断面形状が翼形を成し、前記径方向に延びている翼体と、前記翼体の径方向内側に設けられている内側シュラウドと、前記翼体の径方向外側に設けられている外側シュラウドと、を有し、
前記ロータは、前記軸線を中心として前記軸線方向に延びるロータ軸と、前記ロータ軸に取り付けられている複数の動翼列と、を有し、
前記複数の動翼列のそれぞれは、前記複数の静翼列のうち、いずれの一の静翼列に対して前記軸線方向における軸線上流側と軸線下流側とのうちで前記軸線下流側に配置され、
前記複数の動翼列は、いずれも、前記周方向に並ぶ複数の動翼を有する、
ガスタービンの性能評価方法において、
前記ガスタービンが静定しているか否かを判定するための少なくとも一の静定判定用データを取得すると共に、前記ガスタービンの性能評価に用いる評価指標値を得るための指標値用データを取得するデータ取得工程と、
前記データ取得工程で取得したデータを時系列に記憶するデータ記憶工程と、
前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて、前記ガスタービンが静定状態か否かを判定する静定判定工程と、
前記静定判定工程で前記ガスタービンが静定状態であると判定された判定時における前記指標値用データを用いて、前記評価指標値を求める評価指標値算出工程と、
を実行し、
前記少なくとも一の静定判定用データは、前記複数の動翼列のうちで最も前記軸線下流側の動翼列である最終段動翼列を通過した排気ガスの温度である第一排気ガス温度と前記排気ガスの温度であって前記第一排気ガス温度が測定される位置よりも前記最終段動翼列から離れた位置における排気ガスの温度である第二排気ガス温度との差である排気ガス温度差、又は、前記静翼の前記内側シュラウドと前記ロータ軸との間のキャビティ温度である、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項1に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記静定判定工程は、
前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間で静定しているか否かを判定する短期静定判定工程と、
前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間よりも長い第二期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間で静定しているか否かを判定する長期静定判定工程と、
前記静定判定用データが前記第一期間及び前記第二期間で静定していると判定されたことを条件にして、前記ガスタービンが静定状態であると判定するタービン静定判定工程と、
を含む、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項1に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記データ取得工程では、前記少なくとも一の静定判定用データとして、前記排気ガス温度差と前記キャビティ温度とを含む複数種類の静定判定用データを取得し、
前記静定判定工程は、
前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが前記複数種類の静定判定用データ毎に予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて、前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが静定しているか否かを判定するデータ種別判定工程と、
前記データ種別判定工程で前記排気ガス温度差と前記キャビティ温度とが静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービンが静定状態であると判定するタービン静定判定工程と、
を含む、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項3に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記データ種別判定工程は、前記複数種類の静定判定用データ毎に実行する、短期静定判定工程、及び長期静定判定工程を含み、
前記短期静定判定工程では、前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間で静定しているか否かを判定し、
前記長期静定判定工程では、前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間よりも長い第二期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間で静定しているか否かを判定し、
前記タービン静定判定工程では、前記複数種類の静定判定用データのいずれもが前記第一期間及び前記第二期間で静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービンが静定状態であると判定する、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項3又は4に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記データ取得工程では、複数種類の静定判定用データとして、さらに、前記ガスタービンの出力と前記圧縮機が吸い込む空気の温度とのうち、少なくとも一方を取得する、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記データ判定工程は、期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データを平滑化する平滑化工程と、前記平滑化工程で平滑化された前記静定判定用データと前記判定時の前記静定判定用データとの差の絶対値が予め定められた値未満の場合に、前記期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する前記変動幅の範囲内に収まっていると判定する判定工程と、を含む、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項2又は4に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記短期静定判定工程は、判定前処理工程と、第一期間判定工程とを含み、
前記判定前処理工程は、前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定前処理時から過去の期間であって前記第一期間より短い第三期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データを平滑化する平滑化工程と、前記複数の時刻毎の前記静定判定用データのうちで最新の静定判定用データと該平滑化工程で平滑化された前記静定判定用データとの差の絶対値を求める差演算工程と、を含み、
判定時から過去の前記第一期間内で、前記判定前処理工程を複数回実行し、
前記第一期間判定工程は、前記第一期間内で実行された複数回の前記判定前処理工程で得られた各差の絶対値を平滑化する平滑化工程と、該平滑化工程で平滑化された差の絶対値が予め定められた値に未満の場合に、前記静定判定用データが静定していると判定する判定工程と、を含む、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項6に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記平滑化工程では、対象の複数のデータの指数移動平均値を求め、該指数移動平均値を、対象の複数のデータを平滑化したデータとする、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記データ取得工程では、前記指標値用データとして、前記圧縮機が吸い込む吸気の温度である吸気温度、前記吸気の圧力である吸気圧力、前記圧縮機が吐出した圧縮空気の温度である吐出空気温度、前記圧縮空気の圧力である吐出圧力、前記燃焼器に流入する燃料流量、前記第二排気ガス温度、前記ガスタービンの出力を取得し、
前記評価指標値算出工程では、前記静定判定工程で前記ガスタービンが静定状態であると判定された判定時における前記吸気温度、前記吸気圧力、前記吐出空気温度、前記吐出圧力、前記燃料流量、前記第二排気ガス温度、及び前記ガスタービンの出力を用いて、前記燃焼器からの燃焼ガスが流入する前記タービンの入口における燃焼ガスの温度であるタービン入口温度を求める、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記データ取得工程では、前記指標値用データとして、前記圧縮機が吸い込む吸気の温度である吸気温度、前記吸気の圧力である吸気圧力、前記圧縮機が吐出した圧縮空気の温度である吐出空気温度、前記圧縮空気の圧力である吐出圧力、前記燃焼器に流入する燃料流量、前記第二排気ガス温度、前記ガスタービンの出力を取得し、
前記評価指標値算出工程では、前記静定判定工程で前記ガスタービンが静定状態であると判定された判定時における前記吸気温度、前記吸気圧力、前記吐出空気温度、前記吐出圧力、前記燃料流量、前記第二排気ガス温度、及び前記ガスタービンの出力を用いて、前記タービンの効率を求める、
ガスタービンの性能評価方法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のガスタービンの性能評価方法において、
前記データ取得工程では、前記指標値用データとして、前記圧縮機が吸い込む吸気の温度である吸気温度、前記吸気の圧力である吸気圧力、前記圧縮機が吐出した圧縮空気の温度である吐出空気温度、及び前記圧縮空気の圧力である吐出圧力を取得し、
前記評価指標値算出工程では、前記静定判定工程で前記ガスタービンが静定状態であると判定された判定時における前記吸気温度、前記吸気圧力、前記吐出空気温度、前記吐出圧力を用いて、前記評価指標値の一種である前記圧縮機の効率を求める、
ガスタービンの性能評価方法。 - 空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を備え、
前記タービンは、軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータの外周を覆うタービンケーシングと、前記タービンケーシングの内周側に設けられている複数の静翼列と、前記タービンケーシングから排気された燃焼ガスである排気ガスが流通可能な排気ダクトと、を有し、
複数の静翼列は、前記軸線が延びる軸線方向に互に間隔をあけて並び、
前記複数の静翼列は、いずれも、前記軸線に対する周方向に並ぶ複数の静翼を有し、
前記静翼は、前記軸線に対する径方向に垂直な断面形状が翼形を成し、前記径方向に延びている翼体と、前記翼体の径方向内側に設けられている内側シュラウドと、前記翼体の径方向外側に設けられている外側シュラウドと、を有し、
前記ロータは、前記軸線を中心として前記軸線方向に延びるロータ軸と、前記ロータ軸に取り付けられている複数の動翼列と、を有し、
前記複数の動翼列のそれぞれは、前記複数の静翼列のうち、いずれの一の静翼列に対して前記軸線方向における軸線上流側と軸線下流側とのうちで前記軸線下流側に配置され、
前記複数の動翼列は、いずれも、前記周方向に並ぶ複数の動翼を有する、
ガスタービンの性能評価プログラムにおいて、
前記ガスタービンが静定しているか否かを判定するための少なくとも一の静定判定用データを取得すると共に、前記ガスタービンの性能評価に用いる評価指標値を得るための指標値用データを取得するデータ取得工程と、
前記データ取得工程で取得したデータを時系列に記憶するデータ記憶工程と、
前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて、前記ガスタービンが静定状態か否かを判定する静定判定工程と、
前記静定判定工程で前記ガスタービンが静定状態であると判定された判定時における前記指標値用データを用いて、前記評価指標値を求める評価指標値算出工程と、
をコンピュータに実行させ、
前記少なくとも一の静定判定用データは、前記複数の動翼列のうちで最も前記軸線下流側の動翼列である最終段動翼列を通過した排気ガスの温度である第一排気ガス温度と前記排気ガスの温度であって前記第一排気ガス温度が測定される位置よりも前記最終段動翼列から離れた位置における排気ガスの温度である第二排気ガス温度との差である排気ガス温度差、又は、前記静翼の前記内側シュラウドと前記ロータ軸との間のキャビティ温度である、
ガスタービンの性能評価プログラム。 - 請求項12に記載のガスタービンの性能評価プログラムにおいて、
前記静定判定工程は、
前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間で静定しているか否かを判定する短期静定判定工程と、
前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間よりも長い第二期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間で静定しているか否かを判定する長期静定判定工程と、
前記静定判定用データが前記第一期間及び前記第二期間で静定していると判定されたことを条件にして、前記ガスタービンが静定状態であると判定するタービン静定判定工程と、
を含む、
ガスタービンの性能評価プログラム。 - 請求項12に記載のガスタービンの性能評価プログラムにおいて、
前記データ取得工程では、前記少なくとも一の静定判定用データとして、前記排気ガス温度差と前記キャビティ温度とを含む複数種類の静定判定用データを取得し、
前記静定判定工程は、
前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが前記複数種類の静定判定用データ毎に予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて、前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが静定しているか否かを判定するデータ種別判定工程と、
前記データ種別判定工程で前記複数種類の静定判定用データの全てが静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービンが静定状態であると判定するタービン静定判定工程と、
を含む、
ガスタービンの性能評価プログラム。 - 請求項14に記載のガスタービンの性能評価プログラムにおいて、
前記データ種別判定工程は、前記複数種類の静定判定用データ毎に実行する、短期静定判定工程、及び長期静定判定工程を含み、
前記短期静定判定工程では、前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間で静定しているか否かを判定し、
前記長期静定判定工程では、前記データ記憶工程で記憶した複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間よりも長い第二期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定工程を行い、該データ判定工程の結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間で静定しているか否かを判定し、
前記タービン静定判定工程では、前記複数種類の静定判定用データのいずれもが前記第一期間及び前記第二期間で静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービンが静定状態であると判定する、
ガスタービンの性能評価プログラム。 - 請求項14又は15に記載のガスタービンの性能評価プログラムにおいて、
前記データ取得工程では、複数種類の静定判定用データとして、さらに、前記ガスタービンの出力と前記圧縮機が吸い込む空気の温度とのうち、少なくとも一方を取得する、
ガスタービンの性能評価プログラム。 - 請求項12から15のいずれか一項に記載のガスタービンの性能評価プログラムにおいて、
前記データ判定工程は、期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データを平滑化する平滑化工程と、前記平滑化工程で平滑化された前記静定判定用データと前記判定時の前記静定判定用データとの差の絶対値が予め定められた値未満の場合に、前記期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する前記変動幅の範囲内に収まっていると判定する判定工程と、を含む、
ガスタービンの性能評価プログラム。 - 請求項17に記載のガスタービンの性能評価プログラムにおいて、
前記平滑化工程では、対象の複数のデータの指数移動平均値を求め、該指数移動平均値を、対象の複数のデータを平滑化したデータとする、
ガスタービンの性能評価プログラム。 - 空気を圧縮して圧縮空気を生成できる圧縮機と、前記圧縮空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成できる燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動可能なタービンと、を備え、
前記タービンは、軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータの外周を覆うタービンケーシングと、前記タービンケーシングの内周側に設けられている複数の静翼列と、前記タービンケーシングから排気された燃焼ガスである排気ガスが流通可能な排気ダクトと、を有し、
複数の静翼列は、前記軸線が延びる軸線方向に互に間隔をあけて並び、
前記複数の静翼列は、いずれも、前記軸線に対する周方向に並ぶ複数の静翼を有し、
前記静翼は、前記軸線に対する径方向に垂直な断面形状が翼形を成し、前記径方向に延びている翼体と、前記翼体の径方向内側に設けられている内側シュラウドと、前記翼体の径方向外側に設けられている外側シュラウドと、を有し、
前記ロータは、前記軸線を中心として前記軸線方向に延びるロータ軸と、前記ロータ軸に取り付けられている複数の動翼列と、を有し、
前記複数の動翼列のそれぞれは、前記複数の静翼列のうち、いずれの一の静翼列に対して前記軸線方向における軸線上流側と軸線下流側とのうちで前記軸線下流側に配置され、
前記複数の動翼列は、いずれも、前記周方向に並ぶ複数の動翼を有する、
ガスタービンの性能評価装置において、
前記ガスタービンが静定しているか否かを判定するための少なくとも一の静定判定用データを取得すると共に、前記ガスタービンの性能評価に用いる評価指標値を得るための指標値用データを取得可能なデータ取得部と、
前記データ取得部で取得したデータを時系列に記憶するデータ記憶部と、
前記データ記憶部が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部を含み、該データ判定部による判定結果に応じて、前記ガスタービンが静定状態か否かを判定する静定判定部と、
前記静定判定部で前記ガスタービンが静定状態であると判定された判定時における前記指標値用データを用いて、前記評価指標値を求める評価指標値算出部と、
を備え、
前記少なくとも一の静定判定用データは、前記複数の動翼列のうちで最も前記軸線下流側の動翼列である最終段動翼列を通過した排気ガスの温度である第一排気ガス温度と前記排気ガスの温度であって前記第一排気ガス温度が測定される位置よりも前記最終段動翼列から離れた位置における排気ガスの温度である第二排気ガス温度との差である排気ガス温度差、又は、前記静翼の前記内側シュラウドと前記ロータ軸との間のキャビティ温度である、
ガスタービンの性能評価装置。 - 請求項19に記載のガスタービンの性能評価装置において、
前記静定判定部は、
前記データ記憶部が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部を含み、該データ判定部による判定結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間で静定しているか否かを判定する短期静定判定部と、
前記データ記憶部が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間よりも長い第二期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部を含み、該データ判定部による判定結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間で静定しているか否かを判定する長期静定判定部と、
前記静定判定用データが前記第一期間及び前記第二期間で静定していると判定されたことを条件にして、前記ガスタービンが静定状態であると判定するタービン静定判定部と、
を有する、
ガスタービンの性能評価装置。 - 請求項19に記載のガスタービンの性能評価装置において、
前記データ取得部は、前記少なくとも一の静定判定用データとして、前記排気ガス温度差と前記キャビティ温度とを含む複数種類の静定判定用データを取得可能であり、
前記静定判定部は、
前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが前記複数種類の静定判定用データ毎に予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部を含み、該データ判定部による判定結果に応じて、前記複数種類の静定判定用データのそれぞれが静定しているか否かを判定するデータ種別判定部と、
前記データ種別判定部で前記排気ガス温度差と前記キャビティ温度とが静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービンが静定状態であると判定するタービン静定判定部と、
を有する、
ガスタービンの性能評価装置。 - 請求項21に記載のガスタービンの性能評価装置において、
前記データ種別判定部は、前記複数種類の静定判定用データ毎に判定を実行する、短期静定判定部、及び長期静定判定部を含み、
前記短期静定判定部は、前記データ記憶部が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の第一期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部を含み、該データ判定部による判定結果に応じて前記静定判定用データが前記第一期間で静定しているか否かを判定し、
前記長期静定判定部は、前記データ記憶部が記憶している複数の時刻毎における前記静定判定用データのうちから、判定時から予め定められた過去の期間であって前記第一期間よりも長い第二期間における複数の時刻毎の前記静定判定用データを抽出し、抽出した複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する予め定められた変動幅の範囲内に収まっているか否かを判定するデータ判定部を含み、該データ判定部による判定結果に応じて前記静定判定用データが前記第二期間で静定しているか否かを判定し、
前記タービン静定判定部は、前記複数種類の静定判定用データのいずれもが前記第一期間及び前記第二期間で静定していると判定されることを条件として、前記ガスタービンが静定状態であると判定する、
ガスタービンの性能評価装置。 - 請求項19から22のいずれか一項に記載のガスタービンの性能評価装置において、
前記データ判定部は、期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データを平滑化する平滑化部と、前記平滑化部で平滑化された前記静定判定用データと前記判定時の前記静定判定用データとの差の絶対値が予め定められた値未満の場合に、前記期間中の複数の時刻毎の前記静定判定用データが前記静定判定用データに対する前記変動幅の範囲内に収まっていると判定する判定部と、を含む、
ガスタービンの性能評価装置。 - 請求項23に記載のガスタービンの性能評価装置において、
前記平滑化部は、対象の複数のデータの指数移動平均値を求め、該指数移動平均値を、対象の複数のデータを平滑化したデータとする、
ガスタービンの性能評価装置。
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