JP2024033371A - 洗浄装置及び、自動洗浄システム - Google Patents

洗浄装置及び、自動洗浄システム Download PDF

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真理緒 藤本
Mario Fujimoto
茂雄 塚田
Shigeo Tsukada
順也 濱本
Junya Hamamoto
誠朗 川村
Masao Kawamura
智之 福田
Tomoyuki Fukuda
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Abstract

【課題】洗浄効率を効果的に向上する。【解決手段】トンネルT内を少なくともトンネル軸方向に向けて移動可能な移動装置11A,11Bと、移動装置11A,11Bの上部に配されており、移動装置11A,11Bの前後方向と直交する方向に延びるとともに、前後方向の軸心周りに回転自在なアーム部材32A~32Cを有するアーム装置30と、アーム部材32Cの先端部に設けられており、トンネルTの壁面Wに向けて高圧流体を噴射可能なノズル44を含む高圧洗浄機40と、を備え、アーム装置30は、アーム部材32A~32Cを軸心周りに回転させることにより、ノズル44をトンネル周方向に旋回可能に構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、洗浄装置及び、自動洗浄システムに関し、特に、トンネル壁面等の洗浄に好適な技術に関するものである。
一般に、トンネルの新規工事やリニューアル工事においては、高圧洗浄機を用いてトンネル壁面をはつる下地処理等の洗浄作業が行われる。このような洗浄作業を作業員の人力により行うと、高圧洗浄機の吐出ノズルから噴射される高圧洗浄水の噴霧や、トンネル壁面から除去される異物等の飛散に伴い、作業員の視界が遮られることになる。その結果、作業員が作業中に洗浄箇所を見失うことにより、洗浄が不均一になるいわゆる洗浄ムラを生じるといった課題がある。また、狭隘なトンネル等においては、作業員に無理な姿勢を強いることになり、作業員の負担を増大させるといった課題もある。
トンネル壁面の洗浄を自動的に行う装置として、例えば、特許文献1,2には、トンネル内を走行可能な台車に複数本のアーム等を設け、アームの先端に高圧洗浄機の吐出ノズルを取り付けた装置が開示されている。
実開昭61-58300号公報 特開昭61-266800号公報
特許文献1記載の装置は、台車に支柱を立設するとともに、支柱に複数本のアームを上下方向に所定間隔で配設し、各アームの先端に吐出ノズルを取り付けている。しかしながら、複数本のアームは支柱から同一方向に並行に延びており、各アームを大きく回転させると、上下に隣接するアーム同士が互いに干渉することになる。すなわち、各アームの可動範囲が制限されている。このため、特許文献1記載の装置では、トンネル壁面を周方向に一度に洗浄することができず、洗浄範囲を一方の壁面から他方の壁面に遷移させる場合には、支柱又は台車の何れか一方を反転させる必要があり、作業効率の低下を招く課題がある。
また、特許文献1記載の装置は、トンネル壁面と吐出ノズルとの距離を計測するために、先端部をトンネル壁面に当接させる接触式のセンサを用いている。このため、センサによってトンネル壁面を損傷させる可能性がある。また、センサがトンネル壁面に設けられた電気盤等の既設物に引っ掛かった場合には、洗浄作業を一時的に中断しなければならない課題もある。
特許文献2記載の装置は、台車にスタンドを立設するとともに、スタンドに複数本のシリンダを設け、シリンダの先端に吐出ノズルを移動させるための案内レールを取り付けている。すなわち、吐出ノズルが案内レールに沿った移動しかできない構造になっている。このため、特許文献2記載の装置では、トンネル壁面に電気盤や照明機器等の既設物が存在する場合には、吐出ノズルとの干渉を防止するために、それら既設物を予め取り外す事前作業が必要となり、作業効率の低下を招くといった課題がある。また、案内レールは、トンネルの壁面に沿った形状にする必要があり、種々のトンネル断面形状に対応できない課題もある。
本開示の技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡素な構成でトンネル壁面の洗浄作業効率を効果的に向上することができる技術を提供することを目的とする。
本開示の洗浄装置は、
トンネル内を少なくともトンネル軸方向に向けて移動可能な移動装置と、
前記移動装置の上部に配されており、前記移動装置の前後方向と直交する方向に延びるとともに、前記前後方向の軸心周りに回転自在なアーム部材を有するアーム装置と、
前記アーム部材の先端部に設けられており、前記トンネルの壁面に向けて高圧流体を噴射可能なノズルを含む高圧洗浄機と、を備え、
前記アーム装置は、前記アーム部材を前記軸心周りに回転させることにより、前記ノズルをトンネル周方向に旋回可能に構成されていることを特徴とする。
本開示の他の態様において、
前記アーム装置は、前記アーム部材を複数備えるとともに、複数の前記アーム部材が関節部を介して順に連結されたロボットアーム装置であってもよい。
本開示の他の態様において、
前記アーム装置は、前記アーム部材を複数備えるとともに、複数の前記アーム部材のうち、少なくとも一つのアーム部材が他のアーム部材にアーム軸方向に進退自在に設けられた伸縮アーム装置であってもよい。
本開示の他の態様において、
前記洗浄装置は、
前記移動装置の上部に設けられており、前記アーム装置を前記移動装置に対して前記前後方向に相対移動可能に支持するスライダを有するスライド装置をさらに備えてもよい。
本開示の自動洗浄システムは、前記洗浄装置を備える自動洗浄システムであって、
前記移動装置、前記スライド装置及び、前記アーム装置の作動を制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記トンネルをトンネル軸方向に複数の区間に分割するとともに、1区間分のトンネル軸方向長さを前記スライダの前後方向への移動可能量よりも短い長さに設定し、
前記ノズルから前記壁面に向けて前記高圧流体を噴射しながら、前記スライド装置及び、前記アーム装置を作動させることにより前記1区間分の前記壁面を洗浄する洗浄工程と、前記1区間分の洗浄終了後に前記移動装置を作動させて前記洗浄装置を次の区間に移動させる移動工程と、を交互に繰り返すバッチ処理モードにより前記複数の区間の前記壁面を自動洗浄することを特徴とする。
本開示の他の態様において、
前記自動洗浄システムは、
前記洗浄装置と前記壁面との距離を取得する距離取得装置をさらに備え、
前記制御装置は、
設定した目標制御量に基づいて、前記洗浄工程における前記スライド装置と前記アーム装置との作動及び、前記移動工程における前記移動装置の作動を制御するとともに、洗浄を開始する区間である洗浄対象区間に前記移動装置を移動させた後、当該洗浄対象区間の洗浄を開始するよりも前に前記距離取得装置により取得される前記距離に基づいて、前記洗浄対象区間の前記洗浄工程に用いる目標制御量を補正することが好ましい。
本開示の自動洗浄システムは、前記洗浄装置を備える自動洗浄システムであって、
前記移動装置及び、前記アーム装置の作動を制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記ノズルから前記壁面に向けて前記高圧流体を噴射しながら、前記アーム装置を作動させ、前記ノズルをトンネル周方向に旋回させることにより、前記壁面をトンネル周方向に洗浄する周方向洗浄工程と、前記ノズルから前記壁面に向けて前記高圧流体を噴射しながら、前記移動装置を作動させ、前記ノズルをトンネル軸方向に移動させることにより、前記壁面をトンネル軸方向に洗浄する軸方向洗浄工程と、を交互に繰り返す連続処理モードにより前記壁面を自動洗浄することを特徴とする。
本開示の他の態様において、
前記自動洗浄システムは、
前記洗浄装置と前記壁面との距離を取得する距離取得装置をさらに備え、
前記制御装置は、
設定した目標制御量に基づいて、前記周方向洗浄工程における前記アーム装置の作動及び、前記軸方向洗浄工程における前記移動装置の作動を制御するとともに、前記軸方向洗浄工程により前記移動装置を移動させた後、前記周方向洗浄工程を開始するよりも前に前記距離取得装置により取得される前記距離に基づいて、当該周方向洗浄工程の目標制御量及び、次の軸方向洗浄工程の目標制御量を補正することが好ましい。
本開示の洗浄装置及び、自動洗浄システムによれば、簡素な構成でトンネル壁面の洗浄作業効率を効果的に向上することができる。
本実施形態に係る自動洗浄システムのハードウェア構成を示す模式的な全体構成図である。 本実施形態に係る自動洗浄システムの模式的な正面図である。 第1レーダセンサ及び、第2レーダセンサの検知範囲を説明する模式図である。 本実施形態に係る自動洗浄システムのソフトウェア構成の一例を示す模式図である。 バッチ処理モードの一例を説明する模式図である。 バッチ処理モードの他の一例を説明する模式図である。 連続処理モードの一例を説明する模式図である。 補正制御の処理を説明するための模式図である。 バッチ処理モードのルーチンを説明するフローチャートである。 連続処理モードのルーチンを説明するフローチャートである。 他の本実施形態に係る自動洗浄システムの模式的な側面図である。
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る洗浄装置及び、自動洗浄システムについて説明する。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る自動洗浄システム1のハードウェア構成を示す模式的な全体構成図である。図2は、本実施形態に係る自動洗浄システム1の模式的な正面図である。
図1に示すように、自動洗浄システム1は、洗浄装置本体10と、端末装置90とを備えている。図中に符号Tで示すトンネルは、自動洗浄システム1の洗浄対象の一例である。トンネルTは、例えば、内空断面が比較的小さい狭隘なトンネルである。なお、トンネルTは、洗浄装置本体10によって洗浄可能であれば、内空断面が比較的大きいトンネルであってもよい。
洗浄装置本体10は、トンネルTの坑内にて、トンネルTのコンクリート壁面(以下、「トンネル壁面W」と称する)を洗浄する装置である。具体的には、洗浄装置本体10は、第1走行台車11Aと、第2走行台車11Bと、スライド装置20と、アーム装置30と、高圧洗浄機40と、第1レーダセンサ50Aと、第2レーダセンサ50Bと、制御ユニット70とを備えている。
第1走行台車11A及び、第2走行台車11Bは、本開示の移動装置の一例である。以下では、第1走行台車11A及び、第2走行台車11Bは、これらを区別する必要がない場合、単に「走行台車11A,11B」とも称する。
走行台車11A,11Bは、クローラ式の下部走行体12A,12Bと、ベース部15A,15Bとを備えている。下部走行体12A,12Bは、駆動装置14A,14Bを有しており、駆動装置14A,14Bからクローラに回転動力を伝達することによりトンネルTの床面を走行する。駆動装置14A,14Bは、特に限定されないが、一例として電動モータを用いることができる。駆動装置14A,14Bを電動モータとする場合、電力は走行台車11A,11Bに搭載した不図示のバッテリから供給してもよく、或は、不図示の電源装置からケーブル等を介して供給してもよい。駆動装置14A,14Bの駆動は、制御ユニット70からの指令に応じて制御される。
なお、下部走行体12A,12Bは、図示例のクローラ式に限定されず、トンネルTの床面に接地して回転する複数の車輪を備える構成であってもよい。或は、下部走行体12A,12Bは、トンネルTの床面にトンネル軸方向に敷設された軌道レールに沿って走行するレール式走行台車であってもよい。また、第2走行台車11Bは、必ずしも駆動装置14Bを備える必要はなく、第1走行台車11Aが第2走行台車11Bを牽引する構成であってもよい。
ベース部15A,15Bは、上面視で略矩形状をなしており、下部走行体12A,12Bの上部に固定されている。第1走行台車11Aのベース部15Aには、スライド装置20、アーム装置30、第1レーダセンサ50A及び、第2レーダセンサ50Bが搭載される。第2走行台車11Bのベース部15Bには、高圧洗浄機40及び、制御ユニット70が搭載される。なお、第1走行台車11Aのベース部15Aに十分なスペースを確保できる場合、高圧洗浄機40及び、制御ユニット70は、ベース部15Aに搭載してもよい。高圧洗浄機40及び、制御ユニット70をベース部15Aに搭載する場合、第2走行台車11Bは省略すればよい。
なお、以下の説明では、走行台車11A,11Bの進行方向を「前後方向」といい、走行台車11A,11Bの前後方向及び上下方向に直交する方向を「左右方向」という。
図1及び、図2に示すように、スライド装置20は、ベース部15Aの上面に設けられている。具体的には、スライド装置20は、ベース部15Aの上面を前後方向に延びるガイドレール21と、ガイドレール21に沿って移動可能なスライダ22と、スライダ22に推進力を付与するスライド用アクチュエータM1(図1にのみ示す)とを備えている。
ガイドレール21は、好ましくは、ベース部15Aの前端から後端の全長に亘って設けられている。スライド用アクチュエータM1は、特に限定されないが、一例として回転力を直線運動に変換する機構を備えた電動モータを用いることができる。スライド用アクチュエータM1を電動モータとする場合、電力は第1走行台車11A又は第2走行台車11Bに搭載した不図示のバッテリから供給してもよく、或は、不図示の電源装置からケーブルを介して供給してもよい。スライド用アクチュエータM1の駆動は、制御ユニット70からの指令に応じて制御される。スライド用アクチュエータM1を駆動させると、スライダ22はベース部15Aの上面をガイドレール21に沿って前後方向にスライド移動する。なお、以下では、スライダ22がガイドレール21に沿ってスライド移動できる最大距離(移動可能量)をスライダ22の「最大ストローク量Sm」と称する。
スライド装置20は、スライダ22のスライド移動量Sを取得する移動量取得装置23(図1にのみ示す)を備える。移動量取得装置23は、特に限定されないが、スライド用アクチュエータM1が電動モータの場合、電動モータが備えるエンコーダを用いることができる。移動量取得装置23によって取得されるスライダ22のスライド移動量Sは、制御ユニット70に所定周期で送信される。
図1及び、図2に示すように、アーム装置30は、基台31と、複数本のアーム部材32A~32C(図示例では、基台31側から順に、第1アーム部材32A、第2アーム部材32B、第3アーム部材32C)と、複数の関節部33A~33C(図示例では、基台31側から順に、第1関節部33A、第2関節部33B、第3関節部33C)とを備えるいわゆる多関節ロボットアーム装置である。
基台31は、スライダ22の上面に固定されており、スライダ22と一体に前後方向に移動する。基台31には、第1関節部33Aを介して第1アーム部材32Aの基端部が連結されている。第1関節部33Aは、第1アーム部材32Aを前後方向の軸心周りに回転可能に支持する。第1関節部33Aには、第1アーム部材32Aに回転力を付与する第1回転用アクチュエータM2(図1にのみ示す)が設けられている。
第1アーム部材32Aの先端部には、第2関節部33Bを介して第2アーム部材32Bの基端部が連結されている。第2関節部33Bは、第2アーム部材32Bを前後方向の軸心周りに回転可能に支持する。第2関節部33Bには、第2アーム部材32Bに回転力を付与する第2回転用アクチュエータM3(図1にのみ示す)が設けられている。第2アーム部材32Bの先端部には、第3関節部33Cを介して第3アーム部材32Cの基端部が連結されている。第3関節部33Cは、第3アーム部材32Cを前後方向の軸心周りに回転可能に支持する。第3関節部33Cには、第3アーム部材32Cに回転力を付与する第3回転用アクチュエータM4(図1にのみ示す)が設けられている。
なお、アーム装置30が備えるアーム部材の本数は、図示例の3本に限定されず、2本又は4本以上であってもよい。以下では、第1アーム部材32A、第2アーム部材32B及び、第3アーム部材32Cは、これらを区別する必要がない場合、単に「アーム部材32A~32C」とも称する。また、第1回転用アクチュエータM2、第2回転用アクチュエータM3及び、第3回転用アクチュエータM4は、これらを区別する必要がない場合、単に「回転用アクチュエータM2~M4」とも称する。また、スライド用アクチュエータM1及び、回転用アクチュエータM2~M4は、これらをまとめて「アクチュエータM1~M4」と称する場合もある。
回転用アクチュエータM2~M4は、特に限定されないが、一例として電動モータを用いることができる。回転用アクチュエータM2~M4を電動モータとする場合、電力は第1走行台車11A又は第2走行台車11Bに搭載した不図示のバッテリから供給してもよく、或は、不図示の電源装置からケーブルを介して供給してもよい。回転用アクチュエータM2~M4の駆動は、制御ユニット70からの指令に応じて制御される。
アーム装置30は、アーム部材32A~32Cの回転量Rをそれぞれ取得する回転量取得装置34A~34C(図1にのみ示す)を備える。回転量取得装置34A~34Cは、特に限定されないが、回転用アクチュエータM2~M4が電動モータの場合、電動モータが備えるエンコーダを用いることができる。回転量取得装置34A~34Cによって取得される各アーム部材32A~32Cの回転量Rは、制御ユニット70に所定周期で送信される。
図1に示すように、高圧洗浄機40は、洗浄水を貯留するタンク41と、タンク41から洗浄水を汲み上げて圧送するポンプ42と、ポンプ42から圧送される高圧洗浄水を流通させる耐圧ホース43と、耐圧ホース43の先端に接続された吐出ノズル44とを備えている。ポンプ42の種類は特に限定されないが、一例として電動ポンプを用いることができる。ポンプ42を電動ポンプとする場合、電力は第2走行台車11Bに搭載した不図示のバッテリから供給してもよく、或は、不図示の電源装置からケーブルを介して供給してもよい。ポンプ42を駆動させると、タンク41内の洗浄水が耐圧ホース43を介して吐出ノズル44に圧送され、吐出ノズル44から高圧洗浄水が噴射される。
高圧洗浄機40は、吐出ノズル44から噴射する高圧洗浄水の圧力Pを取得する圧力取得装置45を備える。圧力取得装置45は、特に限定されないが、ポンプ42よりも下流側に設けられた圧力計を用いてもよい。或は、圧力取得装置45は、ポンプ42の駆動量と吐出ノズル44の噴口径との関係式等から圧力Pを演算により取得してもよい。圧力取得装置45によって取得される高圧洗浄水の圧力Pは、制御ユニット70に所定周期で送信される。
吐出ノズル44は、アーム装置30の第3アーム部材32Cの先端部に取り付けられている。回転用アクチュエータM2~M4を駆動して、各アーム部材32A~32Cの回転量Rを適宜に制御することにより、吐出ノズル44の先端(噴口)とトンネル壁面Wとの距離を洗浄に適した所望距離に調整することができる。また、回転用アクチュエータM2~M4を駆動して、各アーム部材32A~32Cを回転させることにより、吐出ノズル44をトンネル周方向に旋回することができる。
すなわち、アーム装置30の作動により、吐出ノズル44とトンネル壁面Wとの距離を所望距離に維持しつつ、吐出ノズル44から高圧洗浄水を噴射しながら、吐出ノズル44をトンネル周方向に旋回させることにより、トンネル壁面Wをトンネル周方向に自動洗浄できるように構成されている。また、アーム装置30の作動により、吐出ノズル44とトンネル壁面Wとの距離を所望距離に維持しつつ、吐出ノズル44から高圧洗浄水を噴射しながら、スライド装置20及び、又は走行台車11A,11Bを作動させることにより、トンネル壁面Wをトンネル軸方向に自動洗浄できるように構成されている。自動洗浄の処理の詳細については後述する。
第1レーダセンサ50A及び、第2レーダセンサ50Bは、本開示の距離取得装置の一例であって、洗浄装置本体10(第1走行台車11A)の周囲に存在する物標を検知するセンサである。ここで、周囲の物標としては、例えば、トンネル壁面W、トンネル壁面Wに設けられた照明装置や電気盤、配管等の既設物が挙げられる。なお、以下では、第1レーダセンサ50A及び、第2レーダセンサ50Bは、これらを区別する必要がない場合、単に「レーダセンサ50A,50B」とも称する。
レーダセンサ50A,50Bには、3次元ライダ及び、ミリ波レーダ等が含まれる。レーダセンサ50A,50Bは、3次元ライダ及び、ミリ波レーダの両方を備える必要はなく、例えば、3次元ライダのみ、又は、ミリ波レーダのみを含んでもよい。3次元ライダは、短波長のパルス状のレーザ光を複数の方向に向けて順次走査し、物標によって反射される反射光を受光することにより、第1走行台車11Aの周囲に検知された物標の形状、第1走行台車11Aと物標との距離等の物標情報を取得する。ミリ波レーダは、ミリ波帯の電波を放射し、放射範囲内に存在する物標によって反射されたミリ波(反射波)を受信する。ミリ波レーダは、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、反射波の減衰レベル及び、ミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間等に基づいて、第1走行台車11Aと物標との距離等を取得する。レーダセンサ50A,50Bによって取得される第1走行台車11Aの周囲の物標情報は制御ユニット70に所定周期で送信される。
図3は、第1レーダセンサ50A及び、第2レーダセンサ50Bの検知範囲を説明する模式図である。第1レーダセンサ50Aは、第1走行台車11Aの前端に設けられており、第1走行台車11Aの前端から右方、左方、前方、後方、上方及び、下方の範囲に存在する物標を検知する。第2レーダセンサ50Bは、第1走行台車11Aの後端の左右方向中心に設けられており、第1走行台車11Aの後端から右方、左方、後方、前方、上方及び、下方の範囲に存在する物標を検知する。
すなわち、第1走行台車11の全周囲が、2つのレーダセンサ50A,50Bの検出範囲に含まれるように構成されている。なお、レーダセンサ50A,50Bは、必ずしも全周囲に存在する物標を検知する必要はなく、少なくとも右方、左方及び、上方の範囲に存在する物標を検知できればよい。また、センサの個数は2つである必要はなく、一つのセンサによって右方、左方及び、上方の物標を検知できる場合は一つのセンサでもよい。また、物標を検知するセンサは、レーダセンサ50A,50Bに限定されず、カメラセンサや超音波センサ等を用いることも可能である。カメラセンサを用いる場合、周囲に検知された物標の種類は、パターンマッチング等の機械学習によって認識することができる。
再び図1を参照し、制御ユニット70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びインターフェース装置IF等を備えるいわゆるマイクロコンピュータであって、洗浄装置本体10の各種制御を行う中枢となる装置である。CPUは、ROMに格納されている各種プログラムを実行する。ROMは、不揮発性メモリであって、CPUが各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAMは、揮発性メモリであって、各種プログラムがCPUによって実行される際に展開される作業領域を提供する。インターフェース装置IFは、外部装置と通信するための通信デバイスである。制御ユニット70には、駆動装置14A,14B、アクチュエータM1~M4、ポンプ42、レーダセンサ50A,50B、移動量取得装置23、回転量取得装置34A~34C、圧力取得装置45等が通信可能に接続されている。
端末装置90は、例えば、管理事務所等に設置されるパーソナルコンピュータであって、CPU、ROM、RAM及び、インターフェース装置等を備えている。端末装置90は、制御ユニット70と無線通信又は有線通信を介して通信可能に接続されている。また、端末装置90は、ディスプレイ等の表示装置91及び、キーボードやマウス等の操作装置92を備えている。現場の作業員は、表示装置91を視ながら、操作装置92を操作することにより、洗浄装置本体10に対する入力指示や設定操作を行うことができる。なお、端末装置90は、現場の作業員が携帯するスマートフォンやタブレット等の携帯端末であってもよい。
[ソフトウェア構成]
図4は、自動洗浄システム1(制御ユニット70)のソフトウェア構成の一例を示す模式図である。
図4に示すように、自動洗浄システム1の制御ユニット70は、位置情報取得制御部100、位置情報記憶部110、目標制御量設定部120、目標制御量記憶部130、自動洗浄制御部140、補正制御部150及び、基準姿勢記憶部160を備えている。これら機能要素は、制御ユニット70に含まれるものとして説明するが、これらの何れか一部又は全部を端末装置90又は、制御ユニット70と通信可能な他の情報処理装置に設けることも可能である。
位置情報取得制御部100は、自動洗浄を行う前に、洗浄装置本体10をトンネルT内にて、例えば遠隔操作により手動走行させ、レーダセンサ50A,50Bを用いてトンネル壁面Wの位置情報やトンネルT内に存在する既設物の位置情報を取得する位置情報取得制御を実行する。ここで、トンネルT内の既設物としては、例えば、トンネル壁面Wに設けられた照明装置や電気盤、配管等の非洗浄対象物が挙げられる。これら既設物(非洗浄対象物)の種類は、予め登録しておけばよい。位置状態取得制御部100は、作業員からの開始要求を受け付けると、駆動装置14A,14Bを駆動させることにより、位置情報取得制御を開始する。開始要求は、例えば、作業員が端末装置90の操作装置92を操作することにより入力すればよい。
なお、位置情報取得制御は、必ずしも第1走行台車11A及び、第2走行台車11Bの両方を走行させる必要はなく、第2走行台車11Bに搭載された制御ユニット70が第1走行台車11Aに搭載されたレーダセンサ50A,50Bの検出結果を、無線通信を通じて受信できる場合には、第1走行台車11Aのみを走行さてもよい。
洗浄装置本体10がトンネルT内をトンネル軸方向に向けて走行する間、位置情報取得制御部100は、所定時間が経過するたびに、レーダセンサ50A,50Bの検出結果(即ち、レーザ光やミリ波が反射された反射点の位置)を受信し、受信した反射点の位置情報を三次元マップにプロットする。この三次元マップは、例えば、第1走行台車11Aの所定の基準位置を原点とし、第1走行台車11Aの前後方向(すなわち進行方向)をX軸、前後方向と直交する左右方向をY軸、前後方向及び左右方向と直交する上下方向をZ軸とした三次元マップである。第1走行台車11Aの基準位置としては、例えば、ガイドレール21の後端が挙げられる。なお、基準位置は、ガイドレール21の前端や前後方向の中心等、第1走行台車11Aの他の任意の位置に設定してもよい。
位置情報取得制御部100は、三次元マップ上における反射点の一群がなす立体物の形状に基づき、立体物がトンネル壁面Wであるか、又は、照明装置や配管等の既設物であるかを特定する。また、位置情報取得制御部100は、特定したトンネル壁面W及び、既設物の位置情報(三次元座標)を位置情報記憶部110に格納する。
目標制御量設定部120は、位置情報記憶部110に格納されたトンネル壁面Wや既設物の位置情報に基づき、トンネル壁面Wの自動洗浄を行う際の走行台車11A,11B、スライド装置20、アーム装置30及び、ポンプ42の目標制御量を設定する。
本実施形態において、自動洗浄は、「バッチ処理モード」又は、「連続処理モード」の何れかのモードを選択できるように構成されている。バッチ処理モードは、トンネルTを複数の区間に分割し、トンネル壁面Wを区間ごとに順に洗浄するモードである。連続処理モードは、トンネル壁面Wを周方向に洗浄しながらトンネル軸方向に逐次洗浄を進めるモードである。モードの選択は、例えば、作業員が端末装置90の操作装置92を操作することにより選択すればよい。以下、各モードの目標制御量の詳細について説明する。
[バッチ処理モードの目標制御量]
目標制御量設定部120は、バッチ処理モードが選択されると、トンネルTをトンネル軸方向に複数の区間に分割する。図5は、バッチ処理モードにより分割された1区間分のトンネルTを示す模式図である。1区間のトンネル軸方向の長さLは、特に制限されないが、スライダ22の最大ストローク量Smよりも短い長さで設定される。
目標制御量設定部120は、まず、吐出ノズル44の先端とトンネル壁面Wとの適正距離Dtを設定する。この適正距離Dtは、例えば、吐出ノズル44から噴射される高圧洗浄水が、トンネル壁面Wの下地処理(すなわち、コンクリートのはつり)に適した水圧となる距離を基準に設定される。適正距離Dtの設定方法は特に限定されないが、ポンプ42の性能、吐出ノズル44の噴口径、トンネル壁面Wの状態等に基づいて適宜に設定すればよい。適正距離Dtを設定すると、目標制御量設定部120は、吐出ノズル44から噴射されてトンネル壁面Wに当たる高圧洗浄水の幅である洗浄幅CWを設定する。洗浄幅CWは、例えば、圧力取得装置45により取得される高圧洗浄水の圧力Pと適正距離Dtとの関係式等から求めればよい。
目標制御量設定部120は、適正距離Dt及び、洗浄幅CWを設定すると、吐出ノズル44をトンネル壁面Wに沿って移動させるバッチ処理モードの目標軌道Rtを設定する。この目標軌道Rtは、吐出ノズル44の先端とトンネル壁面Wとの距離を適正距離Dtに維持しつつ、吐出ノズル44をトンネル軸方向に1区間の長さLだけ移動させる軸方向軌道Ra1,Ra2と、吐出ノズル44の先端とトンネル壁面Wとの距離を適正距離Dtに維持しつつ、吐出ノズル44をトンネル周方向に所定のピッチ幅Pだけ移動させる周方向軌道Rb1,Rb2とを組み合わせることにより生成される。
図5には、トンネル壁面Wの右壁面WRを洗浄する際のバッチ処理モードの目標軌道Rtの一例が示されている。右壁面WRの目標軌道Rtは、(1)吐出ノズル44をトンネルTの一端側から他端側(図5の紙面手前側から奥側)に向けてスライドさせる第1軸方向軌道Ra1、(2)吐出ノズル44を第1軸方向軌道Ra1の他端からピッチ幅Pだけトンネル周方向に上昇させる第1周方向軌道Rb1、(3)吐出ノズル44を第1周方向軌道Rb1の上端部からトンネルTの一端側に向けてスライドさせる第2軸方向軌道Ra2及び、(4)吐出ノズル44を第2軸方向軌道Ra2の一端からピッチ幅Pだけトンネル周方向に上昇させる第2周方向軌道Rb2を1サイクルとし、該サイクルを右壁面WRの下端から上端に亘って繰り返すことにより設定される。
周方向軌道Rb1,Rb2のピッチ幅Pは、特に制限されないが、好ましくは、洗浄幅CWよりも小さい値で設定される。ピッチ幅Pを洗浄幅CWよりも小さく設定することにより、第1軸方向軌道Ra1と第2軸方向軌道Ra2とで、右壁面WRに当てられる高圧洗浄水が所定量オーバラップするようになり、洗浄が行われない非洗浄箇所の発生を効果的に防止することが可能になる。
なお、右壁面WRの上端に達する最後のサイクルは、必ずしも1サイクル分にならない場合もある。この場合、最後のサイクルは、周方向軌道Rb1,Rb2が右壁面WRの上端に到達した地点で終了すればよい。上壁面WUの目標軌道Rtは、右壁面WRの周方向軌道Rb1,Rb2を終了した地点から設定を開始すればよい。上壁面WU及び、左壁面WLの目標軌道Rtの設定は、基本的には右壁面WRと同じ設定手法となるため、それらの説明は省略する。
目標制御量設定部120は、目標軌道Rtを設定すると、目標軌道Rtが位置情報記憶部110に格納されている既設物の位置情報と交差するか否かを判定する。目標制御量設定部120は、目標軌道Rtが既設物の位置情報と交差する場合、吐出ノズル44が既設物を回避するように目標軌道Rtを設定する。図5には、既設物の一例として右壁面WRから坑内に所定量突出する電気盤Eが示されている。目標制御量設定部120は、吐出ノズル44の先端が電気盤Eを回避する回避起動Ravを求め、回避起動Ravを目標軌道Rtに組み込むことにより、最終的な目標軌道Rtを設定する。吐出ノズル44が回避起動Ravに沿って移動する間、高圧洗浄水の噴射は中断、すなわち、ポンプ42の駆動を停止させる。
目標制御量設定部120は、吐出ノズル44を最終的な目標軌道Rtに沿って移動させるのに必要なスライダ22の目標スライド移動量St及び、アーム部材32A~32Cの目標回転量Rtをそれぞれ演算する。また、目標制御量設定部120は、演算した目標スライド移動量St及び、目標回転量Rtを1区間分の目標制御量として目標制御量記憶部130に格納する。
目標制御量設定部120は、1区間分の目標制御量を設定すると、洗浄装置本体10をトンネル軸方向に隣接する次の区間に移動させるのに必要な走行台車11A,11Bの目標走行移動量Xtを設定する。目標走行移動量Xtは、1区間の長さLと同じでもよく、或いは、1区間の長さLよりも短い移動量で設定してもよい。目標走行移動量Xtを1区間の長さLよりも短くすれば、次の区間の洗浄開始位置が前の区間の洗浄範囲にオーバラップするようになり、非洗浄箇所の発生を効果的に防止することが可能になる。目標制御量設定部120は、設定した目標走行移動量Xtを走行台車11A,11Bの目標制御量として目標制御量記憶部130に格納する。
目標制御量設定部120は、走行台車11A,11Bの目標制御量を設定すると、次の区間におけるスライダ22の目標スライド移動量St及び、アーム部材32A~32Cの目標回転量Rtを設定する。次の区間の目標制御量の設定は、前の区間と同様の処理となるため、説明は省略する。目標制御量設定部120は、全ての区間につき、スライダ22及び、アーム部材32A~32Cの目標制御量を設定するとともに、各区間の間を移動する走行台車11A,11Bの目標制御量を設定すると、それらをバッチ処理モード用の目標制御量として目標制御量記憶部130に格納する。
なお、各区間の目標軌道Rtは、図5の例に限定されず、図6に示すような目標軌道Rtを設定することも可能である。具体的には、(1)吐出ノズル44をトンネルTの右下端から左下端に向けてトンネル周方向に移動させる第1周方向軌道Rb1、(2)吐出ノズル44をピッチ幅Pだけトンネル軸方向にスライドさせる第1軸方向軌道Ra1、(3)吐出ノズル44をトンネルTの左下端から右下端に向けてトンネル周方向に移動させる第2周方向軌道Rb2及び、(4)吐出ノズル44をピッチ幅Pだけトンネル軸方向にスライドさせる第2軸方向軌道Ra2を繰り返すことにより、1区間分の目標軌道Rtを設定してもよい。
[連続処理モードの目標制御量]
目標制御量設定部120は、連続処理モードが選択されると、適正距離Dt及び、洗浄幅CWに基づき、連続処理モードの目標軌道Rtを設定する。適正距離Dt及び、洗浄幅CWの設定手順は、前述のバッチ処理モードと同様のため、説明は省略する。連続処理モードの目標軌道Rtは、吐出ノズル44の先端とトンネル壁面Wとの距離を適正距離Dtに維持しつつ、吐出ノズル44をトンネル周方向に移動させる周方向軌道Rb1,Rb2と、吐出ノズル44の先端とトンネル壁面Wとの距離を適正距離Dtに維持しつつ、吐出ノズル44をトンネル軸方向にピッチ幅Pだけ移動させる軸方向軌道Ra1,Rb1とを組み合わせることにより生成される。
図7には、トンネル壁面Wを連続処理モードにより洗浄する際の目標軌道Rtの一例が示されている。連続処理モードの目標軌道Rtは、(1)吐出ノズル44をトンネルTの右下端側から左下端側に向けて周方向に移動させる第1周方向軌道Rb1、(2)吐出ノズル44を第1周方向軌道Rb1の左下端からピッチ幅Pだけトンネル軸方向に移動させる第1軸方向軌道Ra1、(3)吐出ノズル44を第1軸方向軌道Ra1の先端部からトンネルTの右下端側に向けて周方向に移動させる第2周方向軌道Rb2及び、(4)吐出ノズル44を第2周方向軌道Rb2の右下端からピッチ幅Pだけトンネル軸方向に移動させる第2軸方向軌道Ra2を順に繰り返すことにより設定される。
目標制御量設定部120は、前述のバッチ処理モードと同様、連続処理モードの目標軌道Rtが既設物(例えば、電気盤E)の位置情報と交差する場合、吐出ノズル44の先端が電気盤Eを回避する回避起動Ravを求め、回避起動Ravを目標軌道Rtに組み込むことにより、最終的な目標軌道Rtを設定する。
目標制御量設定部120は、吐出ノズル44を最終的な目標軌道Rtに沿って移動させるのに必要なアーム部材32A~32Cの目標回転量Rt及び、走行台車11A,11Bの目標走行移動量Xtをそれぞれ演算する。アーム部材32A~32Cの目標回転量Rtは、吐出ノズル44を第1周方向軌道Rb1及び、第2周方向軌道Rb2に沿って移動させための目標制御量である。走行台車11A,11Bの目標走行移動量Xtは、吐出ノズル44を第1軸方向軌道Ra1及び、第2軸方向軌道Ra2に沿って移動させるための目標制御量であり、基本的にはピッチ幅Pで設定される。目標制御量設定部120は、演算した目標回転量Rt及び、目標走行移動量Xtを連続処理モード用の目標制御量として目標制御量記憶部130に格納する。
なお、走行台車11A,11B、スライド装置20及び、アーム装置30の目標制御量は、作業員や現場の管理者等がトンネルTの図面等を確認しながら、端末装置90の操作装置92を操作することより、マニュアルで設定する構成を採用することも可能である。この場合、目標制御量記憶部130には、マニュアルにより作成された目標制御量が格納される。
[自動洗浄制御]
自動洗浄制御部140は、目標制御量記憶部130に格納された目標制御量に基づき、走行台車11A,11B、スライド装置20及び、アーム装置30の作動を制御する自動洗浄制御を実行する。自動洗浄制御部140は、バッチ処理モードが選択されると、目標制御量記憶部130に格納されたバッチ処理モード用の目標制御量に基づき、走行台車11A,11B、スライド装置20及び、アーム装置30の作動を制御することにより、バッチ処理モードの自動洗浄制御を実行する。また、自動洗浄制御部140は、連続処理モードが選択されると、目標制御量記憶部130に格納された連続処理モード用の目標制御量に基づき、走行台車11A,11B及び、アーム装置30の作動を制御することにより、連続処理モードの自動洗浄制御を実行する。
自動洗浄制御は、例えば、スライダ22の目標スライド移動量Stと実際のスライド移動量Sとの偏差、アーム部材32A~32Cの目標回転量Rtと実際の回転量Rとの偏差、走行台車11A,11Bの目標走行移動量Xtと実際の走行移動量Xとの偏差に基づき、アクチュエータM1~M4や駆動装置14A,14Bの作動をフィードバック制御することにより実行すればよい。スライダ22のスライド移動量Sは、移動量取得装置23の検出結果に基づいて取得すればよい。アーム部材32A~32Cの回転量Rは、回転量取得装置34A~34Cの検出結果に基づいて取得すればよい。走行台車11A,11Bの走行移動量Xは、例えば、駆動装置14A,14Bが電動モータ等の場合、電動モータが備えるエンコーダの計測値等からオドメトリにより算出すればよい。
[補正制御]
補正制御部150は、自動洗浄制御部140による自動洗浄制御の実行時に目標制御量(主に、アーム部材32A~32Cの目標回転量Rt)を補正する補正制御を実行する。図8は、補正制御の処理を説明するための模式図である。図8(A)は、自動洗浄制御の前に実行される位置情報取得制御時にトンネルT内を走行する第1走行台車11Aの姿勢の一例を示す模式的な上視図である。図8(B)は、トンネルT内の図8(A)と同じ位置における自動洗浄制御時の第1走行台車11Aの姿勢の一例を示す模式的な上視図である。
図8(A)及び、(B)に示すように、位置情報取得制御時と自動洗浄制御時とでは、トンネル床面の凹凸や第1走行台車11Aの走行精度の影響を受けることにより、第1走行台車11Aの姿勢は必ずしも一致しない場合がある。図8に示す例では、トンネル壁面Wに対する第1走行台車11Aの前後方向は、図8(A)に示す位置情報取得制御時よりも、図8(B)に示す自動洗浄制御時の方が大きく傾いている。このような状態で、自動洗浄制御を予め設定した目標制御量に基づいて行うと、吐出ノズル44とトンネル壁面Wとの距離を適正距離Dtに維持することができず、連続洗浄を継続して実行できなくなる可能性が生じる。
補正制御部150は、位置情報取得制御部100による位置情報取得制御の実行中に、第1レーダセンサ50Aが取得した第1走行台車11Aの前端とトンネル壁面Wとの距離を前側基準距離Df0として基準姿勢記憶部160に格納する。また、補正制御部150は、位置情報取得制御部100による位置情報取得制御の実行中に、第2レーダセンサ50Bが取得した第1走行台車11Aの後端とトンネル壁面Wとの距離を後側基準距離Dr0として基準姿勢記憶部160に格納する。また、補正制御部150は、前側基準距離Df0と後側基準距離Dr0とに基づき、トンネル壁面Wと第1走行台車11Aの前後方向とがなす角度を演算するとともに、演算した角度を基準傾き角度θ0として基準姿勢記憶部160に格納する。
補正制御部150は、自動洗浄制御部140による自動洗浄制御の実行中に、第1レーダセンサ50Aにより第1走行台車11Aの前端とトンネル壁面Wとの距離(以下、前側距離Df1)を取得するとともに、第2レーダセンサ50Bにより第1走行台車11Aの後端とトンネル壁面Wとの距離(以下、後側距離Dr1)を取得する。また、補正制御部150は、取得した前側距離Df1と後側距離Dr1とに基づき、トンネル壁面Wと第1走行台車11Aの前後方向とがなす角度(以下、傾き角度θ1)を演算する。傾き角度θ1の演算は、バッチ処理モードでは、第1走行台車11Aが次の区間に移動を完了したタイミング(最初の区間では自動洗浄を開始するよりも前のタイミング)で行なえばよく、連続処理モードでは、第1走行台車11Aが軸方向軌道Ra1,Ra2に沿った移動を完了するたびに行えばよい。
補正制御部150は、傾き角度θ1を演算すると、基準姿勢記憶部160に格納されている基準傾き角度θ0と比較する。そして、補正制御部150は、傾き角度θ1と基準傾き角度θ0との差分Δθ(絶対値)が所定の閾値角度θth以上の場合、自動洗浄制御に用いる目標制御量(主に、アーム部材32A~32Cの目標回転量Rt)を補正する補正制御を実行する。補正制御、例えば、前側基準距離Df0と前側距離Df1との距離差及び、後側基準距離Dr0と後側距離Dr1との距離差に基づき、吐出ノズル44とトンネル壁面Wとの距離を適正距離Dtに維持することができる補正量を求め、求めた補正量を目標制御量に加算又は減算することにより行えばよい。
このような補正制御を行うことにより、第1走行台車11Aの姿勢が位置情報取得制御時と自動洗浄制御時とで一致しない場合であっても、自動洗浄制御時に吐出ノズル44とトンネル壁面Wとの距離を適正距離Dtに確実に維持できるようになる。適正距離Dtを維持できることで、吐出ノズル44がトンネル壁面Wに当たる等、自動洗浄を途中で中断しなければならない事態を回避できるようになり、自動洗浄を確実に完結することが可能になる。
[バッチ処理モードのルーチン]
次に、図9に示すフローに基づき、本実施形態に係る制御ユニット70が実施するバッチ処理モードのルーチンを説明する。本ルーチンは、作業員が端末装置90の操作装置92を操作することにより、バッチ処理モードを選択すると開始される。
ステップS100では、制御ユニット70は、洗浄装置本体10がトンネルT内の洗浄対象区間に到達したか否かを判定する。洗浄装置本体10が洗浄対象区間に到達したか否かは、走行台車11A,11Bの走行移動量Xが目標走行移動量Xtに達したか否かで判定すればよい。走行移動量Xは、例えば、エンコーダの計測値等からオドメトリにより算出すればよい。洗浄装置本体10が洗浄対象区間に到達した場合(Yes)、制御ユニット70は、ステップS110の処理に進む。一方、洗浄装置本体10が洗浄対象区間に到達していない場合(No)、制御ユニット70は、ステップS100の判定を繰り返す。
ステップS110では、制御ユニット70は、目標制御量を補正する補正制御が必要か否かを判定する。補正制御が必要か否かは、位置情報取得制御時の基準傾き角度θ0と、自動洗浄制御時(現在)の傾き角度θ1との差分Δθの絶対値が所定の閾値角度θth以上であるか否かに基づいて判定すればよい。補正制御が必要な場合(Yes)、すなわち、差分Δθが閾値角度θth以上の場合、制御ユニット70は、ステップS120の処理に進む。一方、補正制御が必要でない場合(No)、すなわち、差分Δθが閾値角度θth未満の場合、制御ユニット70は、ステップS130の処理に進む。
ステップS120では、制御ユニット70は、前側基準距離Df0と前側距離Df1との距離差及び、後側基準距離Dr0と後側距離Dr1との距離差に基づき、目標制御量(主に、アーム部材32A~32Cの目標回転量Rt)を補正する補正制御を実行する。
テップS130では、制御ユニット70は、目標制御量(ステップS120を経由した場合は補正後の目標制御量)に基づいてスライド装置20及び、アーム装置30の作動を制御することにより、洗浄対象区間の洗浄を実行する。
テップS140では、制御ユニット70は、洗浄対象区間の洗浄を終了したか否かを判定する。洗浄対象区間の洗浄を終了した場合(Yes)、制御ユニット70は、ステップS150の処理に進む。一方、洗浄対象区間の洗浄を終了していない場合(No)、制御ユニット70は、ステップS130の処理に戻る。すなわち、洗浄対象区間の洗浄を継続する。
ステップS150では、制御ユニット70は、次の洗浄対象区間が設定されているか否かを判定する。次の洗浄対象区間が設定されている場合(Yes)、制御ユニット70は、駆動装置14A,14Bを駆動し、走行台車11A,11Bを走行させることにより、次の洗浄対象区間への移動を開始してステップS100の処理に戻る。一方、次の洗浄対象区間が設定されていない場合(No)、制御ユニット70は、本ルーチンを終了する。
[連続処理モードのルーチン]
次に、図10に示すフローに基づき、本実施形態に係る制御ユニット70が実施する連続処理モードのルーチンを説明する。本ルーチンは、作業員が端末装置90の操作装置92を操作することにより、連続処理モードを選択すると開始される。
ステップS200では、制御ユニット70は、洗浄装置本体10がトンネルT内の開始位置に到達したか否かを判定する。洗浄装置本体10が開始位置に到達した場合(Yes)、制御ユニット70は、ステップS210の処理に進む。一方、洗浄装置本体10が開始位置に到達していない場合(No)、制御ユニット70は、ステップS200の判定を繰り返す。
ステップS210では、制御ユニット70は、目標制御量を補正する補正制御が必要か否かを判定する。補正制御が必要か否かは、位置情報取得制御時の基準傾き角度θ0と、自動洗浄制御時(現在)の傾き角度θ1との差分Δθの絶対値が所定の閾値角度θth以上であるか否かに基づいて判定すればよい。補正制御が必要な場合(Yes)、すなわち、差分Δθが閾値角度θth以上の場合、制御ユニット70は、ステップS220の処理に進む。一方、補正制御が必要でない場合(No)、すなわち、差分Δθが閾値角度θth未満の場合、制御ユニット70は、ステップS230の処理に進む。
ステップS220では、制御ユニット70は、前側基準距離Df0と前側距離Df1との距離差及び、後側基準距離Dr0と後側距離Dr1との距離差に基づき、目標制御量(主に、アーム部材32A~32Cの目標回転量Rt)を補正する補正制御を実行する。
テップS230では、制御ユニット70は、目標制御量(ステップS220を経由した場合は補正後の目標制御量)に基づいてアーム装置30の作動を制御することにより、吐出ノズル44をトンネル周方向に移動させながらトンネル壁面Wを洗浄する周方向洗浄工程を実行する。次いで、ステップS240では、制御ユニット70は、目標制御量(ステップS220を経由した場合は補正後の目標制御量)に基づいて走行台車11A,11Bの作動を制御することにより、吐出ノズル44をトンネル軸方向に移動させながらトンネル壁面Wを洗浄する軸方向洗浄工程を実行する。
ステップS250では、制御ユニット70は、洗浄装置本体10がトンネルT内の自動洗浄を終了する地点に到達したか否かを判定する。洗浄装置本体10が終了地点に到達した場合(Yes)、制御ユニット70は、本ルーチンを終了する。一方、浄装置本体10が終了地点に到達していない場合(No)、制御ユニット70は、ステップS210の処理に戻る。
以上説明したように、本実施形態の自動洗浄システム1によれば、洗浄装置本体10は、トンネルT内を走行可能な走行台車11A,11Bと、走行台車11A,11Bの上部に設けられており、走行台車11A,11Bの前後方向に相対移動可能なスライダ22を有するスライド装置20と、スライダ22に一体移動可能に設けられており、前後方向の軸心回りに回転自在なアーム部材32A~32Cを有するアーム装置30と、アーム部材32Cの先端部に設けられた吐出ノズル44を含む高圧洗浄機40とを備える。洗浄装置本体10は、アーム装置30を作動させ、アーム部材32A~32Cを前後方向の軸心回りに回転させることにより、吐出ノズル44をトンネル周方向に旋回させることができ、スライド装置20及び、又は走行台車11A,11Bを作動させることにより、吐出ノズル44をトンネル軸方向にスライド移動させることができる。すなわち、トンネル壁面Wをトンネル周方向及びトンネル軸方向に連続的に洗浄できるように構成されている。これにより、簡素な構成でトンネル壁面Wの洗浄作業効率を効果的に向上することが可能になる。
また、本実施形態によれば、洗浄装置本体10とトンネル壁面Wとの距離を計測するセンサには、トンネル壁面Wに接触しない非接触式のレーダセンサ50A,50Bが用いられている。これにより、接触式のセンサを用いる従来構成で発生し得る、トンネル壁面Wの損傷や既設物との干渉を効果的に防止することが可能になる。また、洗浄開始前に既設物を取り外す作業も不要となり、作業時間を確実に短縮することも可能になる。
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
[変形例]
例えば、アーム装置30は、多関節ロボットアーム装置を一例に説明したが、他の機構を用いることも可能である。
図11は、変形例のアーム装置30を説明する模式的な側面図である。なお、アーム装置30以外の構成については上記実施形態と同様のため、説明は省略する。
図11に示すように、変形例のアーム装置30は、支柱35と、旋回装置36と、伸縮アーム37とを備える。支柱35は、スライダ22の上面に固定されており、スライダ22の上面から上方に向けて延びる。旋回装置36は、支柱35の上端に設けられている。旋回装置36は、支柱35の後面よりも後方に突出する回転軸36Aを有する。旋回装置36は、回転軸36Aの軸心が前後方向となるように支柱35の上端部に固定されている。
旋回装置36には、回転軸36Aに回転力を付与する旋回用アクチュエータM5が設けられている。旋回用アクチュエータM5は、特に限定されないが、一例として電動モータを用いることができる。旋回用アクチュエータM5の駆動は、制御ユニット70(図示省略)からの指令に応じて制御される。旋回用アクチュエータM5を駆動させると、回転軸36Aが前後方向の軸心周りに回転する。
旋回装置36は、回転軸36Aの回転量Rを取得する回転量取得装置38を備える。回転量取得装置38は、特に限定されないが、旋回用アクチュエータM6が電動モータの場合、電動モータが備えるエンコーダを用いることができる。回転量取得装置38より取得される回転軸36Aの回転量Rは、制御ユニット70(図示省略)に所定周期で送信される。
伸縮アーム37は、第1アーム部37Aと、第2アーム部37Bと、伸縮用アクチュエータM6とを備えている。第1アーム部37Aは、基端部を旋回装置36の回転軸36Aに一体回転可能に固定されており、回転軸36Aの軸心と直交する方向に延びる。第2アーム部37Bは、第1アーム部37Aの先端側に、第1アーム部37Aの長手方向に進退自在に設けられている。伸縮用アクチュエータM6は、特に限定されないが、一例として回転力を直線運動に変換する機構を備えた電動モータを用いることができる。伸縮用アクチュエータM6の駆動は、制御ユニット70(図示省略)からの指令に応じて制御される。伸縮用アクチュエータM6を駆動させると、第2アーム部37Bが第1アーム部37Aに対して進退方向に移動することにより、伸縮アーム37全体が伸縮するように構成されている。
旋回装置36を作動させると、伸縮アーム37は、第1アーム部37Aの基端部を支点に回転軸36Aの軸心周りに回転する。伸縮アーム37は、スライダ22がガイドレール21の後端まで移動すると、ベース部15Aの後端よりも後方に突出する。この場合、伸縮アーム37は、ベース部15Aに干渉することなく360°回転することができる。すなわち、トンネルTの床面も洗浄することができる。
伸縮アーム37は、第2アーム部37Bの第1アーム部37Aに対する進退量、すなわち伸縮アーム37の伸縮量Eを取得する伸縮量取得装置39を備える。伸縮量取得装置39は、特に限定されないが、伸縮用アクチュエータM6が電動モータの場合、電動モータが備えるエンコーダを用いることができる。伸縮量取得装置39により取得される伸縮アーム37の伸縮量Eは、制御ユニット70(図示省略)に所定周期で送信される。
吐出ノズル44は、伸縮アーム37の第2アーム37Bの先端に取り付けられている。伸縮用アクチュエータM6を駆動して、伸縮アーム37を伸縮させことにより、吐出ノズル44の先端(噴口)とトンネル壁面Wとの距離を所望距離に調整することができる。また、旋回用アクチュエータM5を駆動して、伸縮アーム37を回転させることにより、吐出ノズル44をトンネル周方向に旋回することができる。
すなわち、変形例の自動洗浄システム1によれば、伸縮アーム37の作動により、吐出ノズル44とトンネル壁面Wとの距離を所望距離に維持しつつ、吐出ノズル44から高圧洗浄水を噴射しながら旋回装置36を作動させ、吐出ノズル44をトンネル周方向に旋回させることにより、トンネル壁面Wをトンネル周方向に自動洗浄できるように構成されている。また、伸縮アーム37の作動により、吐出ノズル44とトンネル壁面Wとの距離を所望距離に維持しつつ、吐出ノズル44から高圧洗浄水を噴射しながら、スライド装置20及び、又は走行台車11A,11Bを作動させることにより、トンネル壁面Wをトンネル軸方向に自動洗浄できるように構成されている。これにより、上記実施形態と同様、簡素な構成でトンネル壁面Wの洗浄作業効率を効果的に向上することができる。また、アクチュエータの個数等を確実に削減することができ、装置のコストも抑えることができる。
[その他]
変形例において、アーム装置30は、伸縮アーム37を備えるものとして説明したが、例えば、トンネルTの内空断面形状が円形であり、走行台車11A,11Bがレール式走行台車の場合、アーム装置30は、旋回装置36と、伸縮しない1本のアーム部材とにより構成することも可能である。また、走行台車11A,11Bの走行は、遠隔操作による手動走行に限定されず、予め設定した目標制御量に基づいて駆動装置14A,14Bを駆動させる自律走行であってもよい。
また、本開示の適用は、トンネル壁面Wの洗浄に限定されず、高圧洗浄水による洗浄に適した構造物であれば、ダムの通廊等、他のコンクリート構造物の洗浄作業にも適用することが可能である。また、高圧洗浄機40は、洗浄対象物の種類に応じて、気体など、高圧洗浄水以外の他の高圧流体を噴射するものであってもよい。
1…自動洗浄システム,10…洗浄装置本体,11A,11B…走行台車,12A,12B…下部走行体,14A,14B…駆動装置,15A,15B…ベース部,20…スライド装置,21…ガイドレール,22…スライダ,30…アーム装置,31…基台,32A~32C…アーム部材,33A~33C…関節部,40…高圧洗浄機,41…タンク,42…ポンプ,43…耐圧ホース,44…吐出ノズル,50A,50B…レーダセンサ,70…制御ユニット,90…端末装置,100…位置情報取得制御部,110…位置情報記憶部,120…目標制御量設定部,130…目標制御量記憶部,140…自動洗浄制御部,150…補正制御部,160…基準姿勢記憶部

Claims (8)

  1. トンネル内を少なくともトンネル軸方向に向けて移動可能な移動装置と、
    前記移動装置の上部に配されており、前記移動装置の前後方向と直交する方向に延びるとともに、前記前後方向の軸心周りに回転自在なアーム部材を有するアーム装置と、
    前記アーム部材の先端部に設けられており、前記トンネルの壁面に向けて高圧流体を噴射可能なノズルを含む高圧洗浄機と、を備え、
    前記アーム装置は、前記アーム部材を前記軸心周りに回転させることにより、前記ノズルをトンネル周方向に旋回可能に構成されている
    ことを特徴とする洗浄装置。
  2. 請求項1に記載の洗浄装置であって、
    前記アーム装置は、前記アーム部材を複数備えるとともに、複数の前記アーム部材が関節部を介して順に連結されたロボットアーム装置である
    洗浄装置。
  3. 請求項1に記載の洗浄装置であって、
    前記アーム装置は、前記アーム部材を複数備えるとともに、複数の前記アーム部材のうち、少なくとも一つのアーム部材が他のアーム部材にアーム軸方向に進退自在に設けられた伸縮アーム装置である
    洗浄装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の洗浄装置であって、
    前記移動装置の上部に設けられており、前記アーム装置を前記移動装置に対して前記前後方向に相対移動可能に支持するスライダを有するスライド装置をさらに備える
    洗浄装置。
  5. 請求項4に記載の洗浄装置を備える自動洗浄システムであって、
    前記移動装置、前記スライド装置及び、前記アーム装置の作動を制御する制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記トンネルをトンネル軸方向に複数の区間に分割するとともに、1区間分のトンネル軸方向長さを前記スライダの前後方向への移動可能量よりも短い長さに設定し、
    前記ノズルから前記壁面に向けて前記高圧流体を噴射しながら、前記スライド装置及び、前記アーム装置を作動させることにより前記1区間分の前記壁面を洗浄する洗浄工程と、前記1区間分の洗浄終了後に前記移動装置を作動させて前記洗浄装置を次の区間に移動させる移動工程と、を交互に繰り返すバッチ処理モードにより前記複数の区間の前記壁面を自動洗浄する
    ことを特徴とする自動洗浄システム。
  6. 請求項5に記載の自動洗浄システムであって、
    前記洗浄装置と前記壁面との距離を取得する距離取得装置をさらに備え、
    前記制御装置は、
    設定した目標制御量に基づいて、前記洗浄工程における前記スライド装置と前記アーム装置との作動及び、前記移動工程における前記移動装置の作動を制御するとともに、洗浄を開始する区間である洗浄対象区間に前記移動装置を移動させた後、当該洗浄対象区間の洗浄を開始するよりも前に前記距離取得装置により取得される前記距離に基づいて、前記洗浄対象区間の前記洗浄工程に用いる目標制御量を補正する
    自動洗浄システム。
  7. 請求項1から3の何れか一項に記載の洗浄装置を備える自動洗浄システムであって、
    前記移動装置及び、前記アーム装置の作動を制御する制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記ノズルから前記壁面に向けて前記高圧流体を噴射しながら、前記アーム装置を作動させ、前記ノズルをトンネル周方向に旋回させることにより、前記壁面をトンネル周方向に洗浄する周方向洗浄工程と、前記ノズルから前記壁面に向けて前記高圧流体を噴射しながら、前記移動装置を作動させ、前記ノズルをトンネル軸方向に移動させることにより、前記壁面をトンネル軸方向に洗浄する軸方向洗浄工程と、を交互に繰り返す連続処理モードにより前記壁面を自動洗浄する
    ことを特徴とする自動洗浄システム。
  8. 請求項7に記載の自動洗浄システムであって、
    前記洗浄装置と前記壁面との距離を取得する距離取得装置をさらに備え、
    前記制御装置は、
    設定した目標制御量に基づいて、前記周方向洗浄工程における前記アーム装置の作動及び、前記軸方向洗浄工程における前記移動装置の作動を制御するとともに、前記軸方向洗浄工程により前記移動装置を移動させた後、前記周方向洗浄工程を開始するよりも前に前記距離取得装置により取得される前記距離に基づいて、当該周方向洗浄工程の目標制御量及び、次の軸方向洗浄工程の目標制御量を補正する
    自動洗浄システム。
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