JP2024032424A - 木質外層構造、及び木質面材の製造方法 - Google Patents

木質外層構造、及び木質面材の製造方法 Download PDF

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亮太 中村
Ryota Nakamura
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Taketoshi Koko
匠 岩崎
Takumi Iwasaki
圭介 岡本
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Abstract

【課題】本発明は、繊維方向を構造部材の材軸方向として配置され、構造部材の幅方向に間隔を空けて配置された複数の支持部材に支持される木質面材の繊維方向に沿ったひび割れを抑制することを目的とする。【解決手段】木質外層構造は、木質心部12と、木質心部12の周囲に、木質心部12の幅方向に間隔を空けて配置される複数の木材14Aと、外側木質板部材22及び内側木質板部材24が各々の繊維方向が交差するように積層接合された二層構造とされ、外側木質板部材22の繊維方向を木質心部12の材軸方向として配置され、隣り合う木材14Aに支持される木質耐火被覆面材20と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、木質外層構造、及び木質面材の製造方法に関する。
薬剤処理木材又は無処理木材を、各々の繊維方向が直交するように積層接着した5層の木質耐火被覆材が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、木材で構成された荷重支持部と、荷重支持部の外側に配置された燃止層と、燃止層の外側に配置され、木材で構成された燃え代層とを備える木質構造材が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2015-025245号公報 特開2012-052325号公報
ところで、柱や梁等の構造部材の外層材として、木質面材を用いることが考えられる。木質面材は、意匠性等の観点から、その繊維方向を構造部材の材軸方向として配置される。この木質面材は、構造部材の周囲に配置された複数の下地材等の支持部材に支持される。複数の支持部材は、例えば、構造部材の幅方向に間隔を空けて配置される。
この場合、乾燥等によって木質面材が繊維方向と交差する方向(繊維交差方向)に収縮すると、隣り合う支持部材の間において、木質面材に繊維方向に沿ったひび割れが発生し易くなる。
本発明は、上記の事実を考慮し、繊維方向を構造部材の材軸方向として配置され、構造部材の幅方向に間隔を空けて配置された複数の支持部材に支持される木質面材の繊維方向に沿ったひび割れを抑制することを目的とする。
請求項1に記載の木質外層構造は、構造部材と、構造部材の周囲に、該構造部材の幅方向に間隔を空けて配置される複数の支持部材と、外側木質板部材及び内側木質板部材が各々の繊維方向が交差するように積層接合された二層構造とされ、前記外側木質板部材の繊維方向を前記構造部材の材軸方向として配置され、隣り合う前記支持部材に支持される木質面材と、を備える。
請求項1に係る木質外層構造によれば、構造部材の周囲には、複数の支持部材が配置される。複数の支持部材は、構造部材の幅方向に間隔を空けて配置される。これらの支持部材によって、木質面材が支持される。
木質面材は、外側木質板部材及び内側木質板部材が各々の繊維方向が交差するように積層接合された二層構造とされる。この木質面材は、外側木質板部材の繊維方向を構造部材の材軸方向として配置され、構造部材の幅方向に隣り合う支持部材に支持される。
このように外側木質板部材の繊維方向を構造部材の材軸方向として配置することにより、意匠性が向上する。
ここで、隣り合う支持部材に外側木質板部材を支持させる場合、乾燥等によって、外側木質板部材が繊維交差方向に収縮すると、隣り合う支持部材の間において、外側木質板部材に繊維方向に沿ったひび割れが発生し易くなる。
これに対して本発明では、前述したように、木質面材の外側木質板部材及び内側木質板部材が、各々の繊維方向が交差するように積層接合される。これにより、乾燥等によって繊維交差方向に収縮する外側木質板部材の収縮が、内側木質板部材によって抑制される。したがって、外側木質板部材の繊維方向に沿ったひび割れが抑制される。
請求項2に記載の木質外層構造は、請求項1に記載の木質外層構造において、前記構造部材は、木質心部とされ、前記支持部材は、前記木質心部の外面に、該木質心部の材軸方向に沿って配置される木材とされ、隣り合う前記木材の間には、該木材と共に前記木質心部を被覆する燃え止まり層を構成する難燃材が設けられる。
請求項2に係る木質外層構造によれば、構造部材は、木質心部とされる。また、支持部材は、木質心部の外面に、当該木質心部の材軸方向に沿って配置される木材とされる。
ここで、隣り合う木材の間には、これらの木材と共に木質心部を被覆する燃え止まり層を構成する難燃材が設けられる。
このように木質面材の内側に難燃材が存在する場合は、木質面材の外面及び内面の収縮量の差が大きくなり、木質面材に反りが発生し易くなる。
これに対して本発明では、木質面材が隣り合う木材が支持されるため、木質面材の反りが抑制される。特に、本発明では、木質面材の内側木質板部材の繊維方向が木材と交差しており、木質面材の内側木質板部材が隣り合う木材に梁状に架け渡されている。したがって、木質面材の反りがさらに抑制される。
請求項3に記載の木質外層構造は、請求項1に記載の木質外層構造において、前記構造部材は、鉄骨部材とされ、前記支持部材は、前記鉄骨部材の材軸方向に沿って配置される下地材とされる。
請求項3に係る木質外層構造によれば、構造部材は、鉄骨部材とされる。また、支持部材は、鉄骨部材の材軸方向に沿って配置される下地材とされる。これらの下地材に木質面材が支持される。これにより、木質面材によって鉄骨部材が覆い隠されるため、鉄骨部材の意匠性が向上する。
また、隣り合う下地材に木質面材を支持させることにより、木質面材の反りが抑制される。特に、本発明では、木質面材の内側木質板部材の繊維方向が下地材と交差しており、木質面材の内側木質板部材が隣り合う下地材に梁状に架け渡されている。したがって、木質面材の反りがさらに抑制される。
請求項4に記載の木質面材の製造方法は、第一木質板部材と、木質板部材を繊維方向に分割した複数の第二木質板部材と、を各々の繊維方向が交差するように積層して接合する。
請求項4に係る木質面材の製造方法によれば、第一木質板部材と、木質板部材を繊維方向に分割した複数の第二木質板部材と、を各々の繊維方向が交差するように積層して接合する。
これにより、第一木質板部材及び第二木質板部材が各々の繊維方向が交差するように積層接合された複層構造の木質面材を容易に製造することができる。
以上説明したように、本発明によれば、繊維方向を構造部材の材軸方向として配置され、構造部材の幅方向に間隔を空けて配置された複数の支持部材に支持される木質面材の繊維方向に沿ったひび割れを抑制することができる。
第一実施形態に係る木質外層構造が適用された木質柱を示す平断面図である。 図1に示される木質耐火被覆面材の分解斜視図である。 図1に示される木質耐火被覆面材の製造方法を示す斜視図である。 (A)~(C)は、図3に示される内側木質板部材の製造方法を示す斜視図である。 図1に示される木質耐火被覆面材を厚み方向から見て正面図である。 第一実施形態に係る木質外層構造が適用されたコンクリート充填鋼管柱を示す平断面図である。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について説明する。
(木質柱)
図1には、第一実施形態に係る木質外層構造が適用された木質柱10が示されている。木質柱10は、一例として、断面矩形状に形成されている。この木質柱10には、耐火構造が適用されている。具体的には、木質柱10は、荷重を支持する木質心部(荷重支持部)12と、木質心部12を耐火被覆する燃え止まり層14と、燃え止まり層14を耐火被覆する木質耐火被覆面材20とを有している。
なお、木質心部12は、木質柱、及び構造部材の一例である。また、木質耐火被覆面材20は、木質面材の一例である。
木質心部12は、例えば、集成材によって形成されている。また、木質心部12は、木質柱10の材軸方向(図2の矢印Z方向)に延びるとともに、断面形状が矩形状とされている。また、木質心部12は、木質柱10が負担する荷重(長期荷重及び短期荷重)を負担可能(支持可能)に形成されている。この木質心部12の外側には、燃え止まり層14が設けられている。
燃え止まり層14は、断面矩形の筒状に形成されている。また、燃え止まり層14は、木質心部12の外周に沿って配置されており、木質心部12の外面を全面に亘って被覆している。この燃え止まり層14は、火災時における木質耐火被覆面材20の燃焼を停止(自然鎮火)させ、木質心部12の燃焼を抑制する層とされる。
燃え止まり層14は、木質心部12よりも燃焼し難い難燃層とされている。この燃え止まり層14は、木質心部12の外面に交互に配列された木材14A及び硬化体14Bを有している。木材14A及び硬化体14Bは、木質柱10の材軸方向に沿って配置されている。
なお、木材14Aは、支持部材の一例である。また、硬化体14Bは、難燃材の一例である。
複数の木材14Aは、断面矩形状の集成材等によって形成されている。これらの木材14Aは、木質心部12の幅方向(矢印W1,W2方向、周方向)に間隔を空けて配置されており、木質心部12の外面に接着剤やビス等によって接合されている。
一方、硬化体14Bは、例えば、モルタル、グラウト、コンクリート、又は石こうを硬化させることにより形成されており、木材14Aよりも燃焼し難く、かつ、熱容量が大きくなっている。この木材14Aと硬化体14Bとを交互に配置することにより、燃え止まり層14全体が、木質心部12及び木質耐火被覆面材20よりも燃焼し難く、かつ、熱容量が大きくなっている。この燃え止まり層14の外側には、木質耐火被覆面材20が設けられている。
なお、硬化体14Bは、例えば、工場等において予め棒状に硬化(プレキャスト化)させておき、木質心部12の外面に接着剤等によって接合される。若しくは、硬化体14Bは、木質心部12の外面に複数の木材14Aを介して後述する木質耐火被覆面材20を取り付けた状態で、木質心部12、木質耐火被覆面材20、及び木材14Aによって囲まれた空間に、液状のモルタル等を充填して硬化させることにより形成される。
(木質耐火被覆面材)
複数の木質耐火被覆面材20は、燃え止まり層14の外周に沿って配置されており、燃え止まり層14の外面を全面に亘って被覆している。この木質耐火被覆面材20は、耐火被覆材として機能する。具体的には、木質耐火被覆面材20は、火災時に燃焼して炭化層(断熱層)を形成することにより、木質心部12への火災熱の浸入を抑制する燃え代層として機能する。
ここで、図2に示されるように、木質耐火被覆面材20は、外側木質板部材22及び内側木質板部材24が積層された二層構造とされている。外側木質板部材22及び内側木質板部材24は、集成材によって形成されており、各々の繊維方向(矢印F1,F2方向)が交差するように積層接合される。
なお、外側木質板部材22は、第一木質板部材の一例であり、内側木質板部材24は、第二木質板部材の一例である。
具体的には、外側木質板部材22は、木質心部12(図1参照)の幅方向(矢印W1,W2方向)に一列で配列された複数のラミナ22Aを有する集成材によって形成されている。複数のラミナ22Aは、繊維方向(矢印F1方向)を長手方向とした断面矩形状の木材とされており、各々の側面同士が接着(圧着)されている。
一方、内側木質板部材24は、木質心部12(図1参照)の材軸方向(矢印Z方向)に一列で配列された複数のラミナ24Aを有する集成材によって形成されている。ラミナ24Aは、繊維方向(矢印F2方向)を長手方向とした断面矩形状の木材とされており、各々の側面同士が接着(圧着)されている。
外側木質板部材22と内側木質板部材24とは、各々のラミナ22A,24Aの長手方向が交差(本実施形態では、略直交)するように積層されており、例えば、外側木質板部材22の内面と内側木質板部材24の外面とが、接着剤により接合(接着)されている。
また、図1に示されるように、内側木質板部材24は、その繊維方向(矢印W1,W2方向)が燃え止まり層14の木材14Aと交差(本実施形態では略直交)するように配置されている。この内側木質板部材24は、隣り合う木材14Aに亘って配置されており、これらの木材14Aの外面に接着剤によって接合(接着)されている。つまり、内側木質板部材24を構成するラミナ24Aは、隣り合う木材14Aに梁状に架け渡されている。
なお、木質耐火被覆面材20は、接着剤に限らず、例えば、ビス等によって燃え止まり層14の木材14Aに固定されても良い。
(木質面材の製造方法)
次に、本実施形態に係る木質面材の製造方法の一例について説明する。
図3に示されるように、本実施形態に係る木質面材の製造方法では、外側木質板部材22及び内側木質板部材24を、各々の厚み方向(矢印T方向)に積層接合することにより、木質面材としての木質耐火被覆面材20を形成する。
外側木質板部材22は、長方形、かつ、板状の集成材によって形成されている。集成材は、当該集成材の短手方向(矢印W1,W2方向)に一列で配列された複数のラミナ22Aを有している。複数のラミナ22Aは、外側木質板部材22の長手方向(矢印Z方向)に沿って配置されている。つまり、外側木質板部材22は、繊維方向(矢印F1方向)が長手方向とされている。
一方、図4(A)、図4(B)、及び図4(C)に示されるように、内側木質板部材24は、木質板部材30を繊維方向に複数の内側木質板部材(分割片)32に分割し、分割した複数の内側木質板部材32をそれぞれ90度回転させ、各々の繊維方向(矢印F2方向)を90度回転させた状態で再接合することにより形成する。
具体的には、図4(A)に示されるように、木質板部材30は、外側木質板部材22(図3参照)と同様の大きさ及び形状の集成材とされている。この木質板部材30は、当該木質板部材30の短手方向(矢印W1,W2方向)に一列で配列された複数のラミナ24Aを有している。複数のラミナ24Aは、木質板部材30の長手方向に沿って配置されている。つまり、木質板部材30は、繊維方向(矢印F2方向)が長手方向とされている。
そして、内側木質板部材24を形成する際には、先ず、分割工程において、図4(A)に二点鎖線で示されるように、切断機(図示省略)によって、木質板部材30を繊維方向(矢印F2方向)と交差する方向(矢印W1,W2方向、繊維交差方向)に沿って切断し、木質板部材30を複数の内側木質板部材32に分割する。この際、内側木質板部材32の繊維方向の長さL2が、外側木質板部材22の短手方向(繊維交差方向)の長さL1(図3参照)と同じになるように、木質板部材30を分割する。
なお、内側木質板部材32の繊維方向の長さL2は、外側木質板部材22の短手方向の長さL1と同じに限らず、適宜変更可能である。
次に、図4(B)に示されるように、再接合工程において、分割された複数の内側木質板部材32を、各々の厚み方向を回転軸として90度回転させ、各々の繊維方向(矢印F2方向)を90度回転させた状態で、隣り合う内側木質板部材32の端面同士を接着剤によって接合(接着)する。この際、隣り合う内側木質板部材32の端面同士を圧着しても良い。これにより、図4(C)に示されるように、繊維方向(矢印F2方向)が短手方向とされた1枚の内側木質板部材24を形成する。
次に、図3に示されるように、積層接合工程において、外側木質板部材22及び内側木質板部材24を、各々の繊維方向(矢印F1,F2方向)が交差するように積層し、外側木質板部材22の内面と内側木質板部材24の外面とを接着剤によって接合(接着)する。この際、外側木質板部材22及び内側木質板部材24を圧着しても良い。これにより、木質面材としての木質耐火被覆面材20を形成する。
このように本実施形態では、外側木質板部材22と、木質板部材30を繊維方向に分割した複数の内側木質板部材32と、を各々の繊維方向(矢印F1,F2方向)が交差するように積層して接合する。これにより、外側木質板部材22及び内側木質板部材32の繊維方向が交差するように積層接合された二層構造の木質耐火被覆面材20を容易に製造することができる。
また、本実施形態では、分割工程において、内側木質板部材24の繊維方向の長さL2(図4(A)参照)が、外側木質板部材22の短手方向(繊維交差方向)の長さL1(図3参照)と同じになるように、木質板部材30を分割する。これにより、外側木質板部材22及び内側木質板部材24を各々の厚み方向に積層し易くなるため、木質耐火被覆面材20をさらに容易に製造することができる。
さらに、本実施形態では、再接合工程において、分割された複数の内側木質板部材32を、各々の厚み方向を回転軸として90度回転させた状態で、隣り合う内側木質板部材32の端面同士を接着剤によって接合(接着)し、1枚の内側木質板部材24を形成する。これにより、木質耐火被覆面材20の強度を高めることができる。
なお、本実施形態では、外側木質板部材22の内面と内側木質板部材24の外面とを接着剤によって接合したが、外側木質板部材22と内側木質板部材24とはビス等によって接合しても良い。
また、本実施形態では、再接合工程において、隣り合う内側木質板部材32の端面同士を接着剤によって接合した。しかし、例えば、隣り合う内側木質板部材32の端面同士を接合せずに、複数の内側木質板部材32を、外側木質板部材22の内面にそれぞれ積層接合することも可能である。
また、本実施形態では、木質板部材30が集成材によって形成されている。しかし、木質板部材30は、集成材に限らず、例えば、製材、合板又は単板積層材(LVL)等によって形成されても良い。
(作用)
次に、第一実施形態の作用について説明する。
図1及び図2に示されるように、本実施形態によれば、木質心部12の周囲には、燃え止まり層14を構成する複数の木材14Aが配置されている。複数の木材14Aは、木質心部12の幅方向(矢印W1,W2方向)に間隔を空けて配置されている。これらの木材14Aによって、木質耐火被覆面材20が支持されている。
木質耐火被覆面材20は、外側木質板部材22及び内側木質板部材24が各々の繊維方向(矢印F1,F2方向)が交差するように積層接合された二層構造とされている。この木質耐火被覆面材20は、外側木質板部材22の繊維方向(矢印F1方向)を木質心部12の材軸方向(矢印Z方向)として配置され、木質心部12の幅方向に隣り合う木材14Aに支持されている。
このように外側木質板部材22の繊維方向を木質心部12の材軸方向として配置することにより、木質柱10の意匠性が向上する。換言すると、本実施形態では、外側木質板部材22を化粧材と兼用することができる。
また、外側木質板部材22を集成材によって形成することにより、木質柱10の意匠性をさらに高めることができる。
ここで、図5に示されるように、隣り合う木材14A(図1参照)に外側木質板部材22を支持させる場合、乾燥等によって、外側木質板部材22が繊維交差方向(矢印S1,S2方向)に収縮すると、隣り合う木材14Aの間において、外側木質板部材22に繊維方向に沿ったひび割れVが発生し易くなる。
これに対して本実施形態では、前述したように、木質耐火被覆面材20の外側木質板部材22及び内側木質板部材24が、各々の繊維方向(矢印F1,F2方向)が交差するように積層接合されている。これにより、乾燥等によって繊維交差方向(矢印F2方向)に収縮する外側木質板部材22の収縮が、内側木質板部材24によって抑制される。したがって、外側木質板部材22の繊維方向(矢印F1方向)に沿ったひび割れVが抑制される。
一方、外側木質板部材22及び内側木質板部材24を、各々の繊維方向が交差するように積層接合すると、外側木質板部材22及び内側木質板部材24を、各々の繊維方向を平行するように積層接合した場合と比較して、木質耐火被覆面材20に反りが発生し易くなる。
さらに、本実施形態では、隣り合う木材14Aの間に、当該木材14Aと共に燃え止まり層14を構成する硬化体14Bが設けられている。このように木質耐火被覆面材20の内側に、熱容量が大きい硬化体14Bが存在する場合は、木質耐火被覆面材20の外面側及び内面側の温湿度の差が大きくなる。この結果、木質耐火被覆面材20の外面側及び内面側の収縮量の差が大きくなり、木質耐火被覆面材20に反りが発生し易くなる。
特に、木質心部12、木質耐火被覆面材20、及び木材14Aによって囲まれた空間に、液状のモルタル等を充填して硬化させることにより硬化体14Bを形成する場合は、木質耐火被覆面材20の外面側及び内面側の温湿度の差が大きくなるため、木質耐火被覆面材20に反りが発生し易くなる。
これに対して本実施形態では、木質耐火被覆面材20が隣り合う木材14Aが支持されるため、木質耐火被覆面材20の反りが抑制される。特に、本実施形態では、木質耐火被覆面材20の内側木質板部材24の繊維方向が木材14Aと交差しており、当該内側木質板部材24が、隣り合う木材14Aに梁状に架け渡されている。したがって、木質耐火被覆面材20の反りがさらに抑制される。
さらに、本実施形態では、木質耐火被覆面材20の内側木質板部材24が集成材によって形成されている。したがって、本実施形態では、内側木質板部材24を合板等で形成した場合と比較して、木質耐火被覆面材20の反りがさらに抑制される。
なお、本実施形態では、難燃材が、硬化体14Bとされている。しかし、難燃材は、硬化体14Bに限らず、例えば、難燃薬剤を注入した木材でも良いし、けい酸カルシウム板やグラスウール等の断熱材等でも良い。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同じ構成の部材等には、同符号を付して説明を適宜省略する。
図6には、第二実施形態に係る木質外層構造が適用されたコンクリート充填鋼管柱(以下、「CFT柱」という)40が示されている。CFT柱40は、鋼管柱42と、鋼管柱42の内部に充填されたコンクリート44とを備えている。
鋼管柱42は、一例として、角形鋼管とされている。この鋼管柱42の周囲には、複数の下地材50が配置されている。なお、鋼管柱42は、角形鋼管に限らず、丸形鋼管でも良い。また、鋼管柱42は、鉄骨部材の一例である。
複数の下地材50は、例えば、L形鋼によって形成されている。また、複数の下地材50は、鋼管柱42の材軸方向に沿って配置されており、鋼管柱42の柱脚部から柱頭部に亘っている。さらに、複数の下地材50は、鋼管柱42の幅方向(矢印W1,W2方向、周方向)に間隔を空けて配置されており、鋼管柱42の外面(外側面)に溶接等によって接合されている。これらの下地材50に、木質耐火被覆面材20が支持されている。
(木質耐火被覆面材)
複数の木質耐火被覆面材20は、鋼管柱42を取り囲むように配置されている。より具体的には、複数の木質耐火被覆面材20は、鋼管柱42の材軸方向から見て、鋼管柱42を取り囲む矩形枠状に配置されており、鋼管柱42を被覆している。
木質耐火被覆面材20は、耐火被覆材として機能する。具体的には、木質耐火被覆面材20は、火災時に燃焼して炭化層(断熱層)を形成することにより、鋼管柱42側への火災熱の浸入を抑制する燃え代層として機能する。
木質耐火被覆面材20は、第一実施形態と同様に、外側木質板部材22及び内側木質板部材24が積層された二層構造とされている。この木質耐火被覆面材20は、外側木質板部材22の繊維方向を、鋼管柱42の材軸方向として配置されている。
また、木質耐火被覆面材20は、内側木質板部材24の繊維方向が、隣り合う下地材50と交差するように配置されている。この木質耐火被覆面材20は、隣り合う下地材50に亘って配置されており、ビス52によって下地材50に固定されている。つまり、内側木質板部材24を構成するラミナ24Aは、隣り合う下地材50に梁状に架け渡されている。
(作用)
次に、第二実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば、鋼管柱42の周囲には、複数の下地材50が配置されている。複数の下地材50は、鋼管柱42の材軸方向に沿って配置されている。これらの下地材50によって、木質耐火被覆面材20が支持されている。この木質耐火被覆面材20によって、鋼管柱42を耐火被覆することにより、鋼管柱42の耐火性能が向上する。
また、木質耐火被覆面材20によって鋼管柱42が覆い隠されるため、鋼管柱42の意匠性が向上する。
さらに、隣り合う下地材に木質耐火被覆面材20を支持させることにより、木質耐火被覆面材20の反りが抑制される。特に、本実施形態では、木質耐火被覆面材20の内側木質板部材24の繊維方向が下地材50と交差しており、木質耐火被覆面材20の内側木質板部材24が隣り合う下地材50に梁状に架け渡されている。したがって、木質耐火被覆面材20の反りがさらに抑制される。
なお、本実施形態では、下地材50が、L形鋼によって形成されている。しかし、下地材は、L形鋼に限らず、例えば、鋼管柱42の外面に取り付けられるブラケット等でも良い。また、下地材は、鋼管柱42の周囲に配置され、ランナー等によって支持される断面C字形状や断面矩形状のスタット等でも良い。
(変形例)
次に、上記第一実施形態及び第二実施形態の変形例について説明する。なお、以下では、上記第一実施形態を例に各種の変形例について説明するが、これらの変形例は、上記第二実施形態にも適宜適用可能である。
上記第一実施形態では、木質耐火被覆面材20の外側木質板部材22及び内側木質板部材24が、各々の繊維方向が略直交するように積層接合されている。しかし、外側木質板部材22及び内側木質板部材24の繊維方向は、略直交に限らず、交差させても良い。
また、上記第一実施形態では、内側木質板部材24が、集成材によって形成されている。しかし、内側木質板部材24は、集成材に限らず、例えば、製材、合板又は単板積層材(LVL)等によって形成されても良い。
このように意匠性が高い集成材によって外側木質板部材22を形成する一方、集成材と比較して安価な製材、合板又は単板積層材によって内側木質板部材24を形成することにより、木質耐火被覆面材20の意匠性を確保しつつ、コスト削減を図ることができる。
また、上記実施形態では、木質面材が、木質耐火被覆面材20とされている。しかし、木質面材は、木質耐火被覆面材20に限らず、例えば、耐候材(耐候面材)や、化粧材(化粧面材)等でも良い。
また、上記実施形態では、構造部材が、耐火構造が適用された木質柱10の木質心部12とされている。しかし、構造部材は、木質心部12に限らず、例えば、無耐火構造の木質柱や木質梁、鉄骨柱、鉄骨梁等でも良い。また、構造部材は、柱及び梁に限らず、壁でも良い。つまり、木質面材は、壁の耐火被覆材や、耐候材(耐候面材)、化粧材(化粧面材)でも良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
12 木質心部(構造部材)
14 燃え止まり層
14A 木材(支持部材)
14B 硬化体(難燃材)
20 木質耐火被覆面材
22 外側木質板部材
24 内側木質板部材
30 木質板部材
32 内側木質板部材
42 鋼管柱(鉄骨部材)
50 下地材
F1 外側木質板部材の繊維方向
F2 内側木質板部材の繊維方向

Claims (4)

  1. 構造部材と、
    構造部材の周囲に、該構造部材の幅方向に間隔を空けて配置される複数の支持部材と、
    外側木質板部材及び内側木質板部材が各々の繊維方向が交差するように積層接合された二層構造とされ、前記外側木質板部材の繊維方向を前記構造部材の材軸方向として配置され、隣り合う前記支持部材に支持される木質面材と、
    を備える木質外層構造。
  2. 前記構造部材は、木質心部とされ、
    前記支持部材は、前記木質心部の外面に、該木質心部の材軸方向に沿って配置される木材とされ、
    隣り合う前記木材の間には、該木材と共に前記木質心部を被覆する燃え止まり層を構成する難燃材が設けられる、
    請求項1に記載の木質外層構造。
  3. 前記構造部材は、鉄骨部材とされ、
    前記支持部材は、前記鉄骨部材の材軸方向に沿って配置される下地材とされる、
    請求項1に記載の木質外層構造。
  4. 第一木質板部材と、木質板部材を繊維方向に分割した複数の第二木質板部材と、を各々の繊維方向が交差するように積層して接合する、
    木質面材の製造方法。
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