JP2024031464A - 段付き歯車およびその製造方法 - Google Patents

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太一 中村
優友 宮元
啓義 岩村
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Abstract

【課題】第1および第2歯車を含む段付き歯車の軸長を短縮化すると共に第1歯車の第1外歯および第2歯車の第2外歯へのスパッタの付着を抑制する。【解決手段】本開示の段付き歯車において、第1歯車は、複数の第1外歯を含む歯部と、当該歯部から軸方向に延出された軸部とを有し、第2歯車は、複数の第2外歯と、当該複数の第2外歯が複数の第1外歯と軸方向に隣り合うように第1歯車の軸部が同軸に嵌合される孔部とを有し、第1歯車の軸部の外径は、第1外歯の歯底円の直径以下であり、第2外歯の歯先円は、第1外歯の歯先円よりも大径であり、第2外歯の歯底円は、第1外歯の歯底円よりも大径であり、第2歯車の第1外歯側とは反対側の第1端面から当該第1外歯側の第2端面までの範囲に、第1歯車の軸部と第2歯車の孔部との合わせ面に沿って第1端面を溶接開始点とする軸部と第2歯車との溶接部が形成される。【選択図】図1

Description

本開示は、複数の第1外歯を有する第1歯車と、当該複数の第1外歯と軸方向に隣り合う複数の第2外歯を有する第2歯車とを含む段付き歯車およびその製造方法に関する。
従来、軸方向に対して互いに逆向きに傾斜する歯部を有する右歯車および左歯車が回転軸上に軸方向に並んで配置されたやまば歯車が知られている(例えば、特許文献1参照)。このやまば歯車において、右歯車は、外周部に歯部(複数の外歯)が一体成形され、かつ回転軸が嵌合される環状部を含み、当該環状部の軸方向における両端部は、当該回転軸に溶接される。すなわち、右歯車の環状部の左歯車とは反対側の右端部には、当該環状部の内周部と回転軸とを軸方向における右側から溶接することにより第1溶接部が形成されている。また、右歯車の歯部と左歯車の歯部との軸方向における隙間には、環状部の左歯車側の端部と回転軸とを径方向外側から溶接することにより第2溶接部が形成されている。これにより、第1および第2溶接部で生じる引張残留応力が軸方向両側で相殺され、歯面精度の低下が抑制される。
特開2019-066004号公報
しかしながら、上記従来のやまば歯車では、右歯車の歯部と左歯車の歯部との軸方向における隙間に第2溶接部が形成されることから、軸長の短縮化を図ることが困難になる。また、上記従来のやまば歯車では、第1および第2溶接部の形成に際して、左歯車および右歯車の歯部の歯面等にスパッタが付着してしまうおそれがある。
そこで、本開示は、複数の第1外歯を有する第1歯車と、当該複数の第1外歯と軸方向に隣り合う複数の第2外歯を有する第2歯車とを含む段付き歯車の軸長の短縮化を図ると共に、第1および第2外歯へのスパッタの付着を抑制することを主目的とする。
本開示の段付き歯車は、複数の第1外歯を含む歯部と、前記歯部から軸方向に延出された軸部とを有する第1歯車と、複数の第2外歯と、前記複数の第2外歯が前記複数の第1外歯と軸方向に隣り合うように前記第1歯車の前記軸部が同軸に嵌合される孔部とを有する第2歯車とを含む段付き歯車において、前記第1歯車の前記軸部の外径は、前記第1外歯の歯底円の直径以下であり、前記第2外歯の歯先円は、前記第1外歯の歯先円よりも大径であり、前記第2外歯の歯底円は、前記第1外歯の前記歯底円よりも大径であり、前記第2歯車の前記第1外歯側とは反対側の第1端面から前記第1外歯側の第2端面までの範囲に、前記第1歯車の前記軸部と前記第2歯車の前記孔部との合わせ面に沿って前記第1端面を溶接開始点とする前記軸部と前記第2歯車との溶接部が形成されているものである。
本開示の段付き歯車では、第2歯車の第1外歯側とは反対側の第1端面から第1外歯側の第2端面までの範囲に、第1歯車の軸部と第2歯車の孔部との合わせ面に沿って第1端面を溶接開始点とする軸部と第2歯車との溶接部が形成される。これにより、当該溶接部の形成すなわち第1歯車の軸部と第2歯車との溶接に際して第1歯車の各第1外歯にスパッタが付着するのを良好に抑制すると共に、軸部と第2歯車との接合強度を十分に確保しつつ、第1歯車と第2歯車との軸方向における接合部を1箇所にして段付き歯車の軸長を短縮化することができる。また、第1歯車の軸部の外径は、第1外歯の歯底円の直径以下に定められる。更に、第2歯車の第2外歯の歯先円は、第1外歯の歯先円よりも大径であり、第2外歯の歯底円は、第1外歯の歯底円よりも大径である。これにより、第2歯車の各第2外歯を軸部と第2歯車の孔部との合わせ面から径方向に十分に離間させることが可能になるので、溶接部の形成に際して、スパッタが各第2外歯に付着するのを良好に抑制することができる。この結果、本開示の段付き歯車では、軸長の短縮化を図ると共に、第1および第2外歯へのスパッタの付着を良好に抑制することが可能になる。なお、溶接部は、軸部と第2歯車の孔部との合わせ面の全周に沿って形成されてもよく、当該合わせ面に沿って周方向に間隔をおいて形成されてもよい。
本開示の段付き歯車の製造方法は、複数の第1外歯を含む歯部と、前記歯部から軸方向に延出された軸部とを有する第1歯車と、複数の第2外歯と、前記複数の第2外歯が前記複数の第1外歯と軸方向に隣り合うように前記第1歯車の前記軸部が同軸に嵌合される孔部とを有する第2歯車とを含む段付き歯車の製造方法において、前記第1歯車の前記軸部の外径を前記第1外歯の歯底円の直径以下にし、前記第2外歯の歯先円を前記第1外歯の歯先円よりも大径にし、かつ前記第2外歯の歯底円を前記第1外歯の前記歯底円よりも大径にし、前記第2歯車の前記孔部に前記第1歯車の前記軸部を同軸に嵌合し、前記第2歯車の前記第1外歯側とは反対側の端面側から前記第1歯車の前記軸部と前記第2歯車の前記孔部との合わせ面に沿って高密度エネルギーを照射し、前記軸部と前記第2歯車とを溶接するものである。
本開示の段付き歯車の製造方法によれば、複数の第1外歯を有する第1歯車と、当該複数の第1外歯と軸方向に隣り合う複数の第2外歯を有する第2歯車とを含む段付き歯車の軸長の短縮化を図ると共に、第1および第2外歯へのスパッタの付着を良好に抑制することが可能になる。
本開示の段付き歯車を示す概略構成図である。 本開示の段付き歯車の製造工程を示す説明図である。 本開示の他の段付き歯車を示す部分断面図である。 本開示の更に他の段付き歯車を示す部分断面図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示の段付き歯車1を示す概略構成図である。同図に示す段付き歯車1は、例えば図示しないピニオンシャフトを介して遊星歯車のキャリヤ(図示省略)により支持されるピニオンギヤであり、第1歯車10と第2歯車20とを互いに同軸に接合することにより形成される。
第1歯車10は、複数の第1外歯11を含む環状の歯部12と、当該歯部12と一体に形成された円筒状の軸部15とを含む金属製の筒体である。第1歯車10すなわち歯部12および軸部15内には、上記ピニオンシャフトが挿通される。複数の第1外歯11は、鍛造成形あるいは切削加工により形成される。第1外歯11は、平歯であってもよく、はす歯であってもよい。軸部15は、鍛造成形あるいは切削加工により歯部12から軸方向における一側(図1における右側)に当該歯部12と同軸に延出される。本実施形態において、軸部15は、第2歯車20と概ね同一の軸長を有し、第1歯車10の軸部15の外径dは、第1外歯11の歯底円RC1の直径よりも小さく定められている。ただし、軸部15の外径dは、第1外歯11の歯底円RC1の直径と同一であってもよい。
第2歯車20は、複数の第2外歯21と孔部25とを含む金属製の環状部材である。複数の第2外歯21も、鍛造成形あるいは切削加工により形成される。図1に示すように、第2外歯21の歯先円TC2は、第1外歯11の歯先円TC1よりも大径に定められている。また、第2外歯21の歯底円RC2は、第1外歯11の歯底円RC1および歯先円TC1よりも大径に定められている。第2歯車20の第2外歯21も、平歯であってもよく、はす歯であってもよい。また、第1および第2外歯11,21がはす歯である場合、両者の歯すじは、同方向に延在してもよく、逆方向に延在してもよい。第2歯車20の孔部25は、第1歯車10の軸部15の外径dよりも小さい内径を有する円孔(貫通孔)である。
続いて、図2を参照しながら、段付き歯車1の製造手順について説明する。
段付き歯車1の製造に際しては、図2に示すように、軸部15の外径dが第1外歯11の歯底円RC1の直径以下に定められた第1歯車10と、第2外歯21の歯先円TC1が第1外歯11の歯先円TC1よりも大径に定められ、かつ第2外歯21の歯底円RC2が第1外歯11の歯底円RC1よりも大径に定められた第2歯車20とを個別に用意(製造)する。次いで、歯部12の軸部15側の端面12sと、第2歯車20の第1歯車10(第1外歯11)側の端面(第2端面)23とが互いに当接するように、第2歯車20の孔部25に第1歯車10の軸部15を同軸に嵌合する。本実施形態において、第1歯車10の軸部15は、第2歯車20の孔部25に圧入される。
軸部15が孔部25に圧入(嵌合)されると、第2歯車20の複数の第2外歯21は、第1歯車10の複数の第1外歯11と軸方向に隣り合う。また、軸部15の第1外歯11とは反対側の端面と、第2歯車20の第1外歯11側(端面23)とは反対側の端面(第1端面)24とは面一になる。そして、第1歯車10の軸部15と第2歯車20の内周部とは、当該第2歯車20の端面24側から例えばレーザー溶接あるいは電子ビーム溶接により接合される。すなわち、本実施形態において、第1歯車10の軸部15と第2歯車20の内周部とは、図2に示すように、第2歯車20の端面24側から軸部15と孔部25(第2歯車20の内周面)との合わせ面に沿って高いエネルギー密度を有するレーザー光あるいは電子ビーム(高密度エネルギー)を第1および第2歯車10,20の軸方向に照射することにより溶接される。
これにより、段付き歯車1では、図1に示すように、第2歯車20の第1外歯11側とは反対側の端面24から第2歯車20の軸方向における中央部Cまでの範囲に、第1歯車10の軸部15と第2歯車20の孔部25との合わせ面に沿って当該端面24を溶接開始点とする軸部15と第2歯車20との溶接部Wが形成される。また、本実施形態において、軸部15と第2歯車20の内周部とは、当該軸部15と孔部25との合わせ面の全周にわたって溶接される。すなわち、溶接部Wは、軸部15と第2歯車20の孔部25との合わせ面の全周に沿って形成される。ただし、軸部15と第2歯車20の内周部とは、軸部15と孔部25との合わせ面に沿って周方向に間隔をおいて複数箇所で溶接されてもよく、複数の溶接部Wが当該合わせ面に沿って周方向に間隔をおいて形成されてもよい。
上述のように、段付き歯車1では、第2歯車20の第1外歯11側とは反対側の端面24から第2歯車20の軸方向における中央部Cまでの範囲に、第1歯車10の軸部15と第2歯車20の孔部25との合わせ面に沿って当該端面24を溶接開始点とする当該軸部15と第2歯車20との溶接部Wが形成される。これにより、当該溶接部Wの形成すなわち第1歯車10の軸部15と第2歯車20との溶接に際して第1歯車10の各第1外歯11の歯面等にスパッタが付着するのを極めて良好に抑制すると共に、軸部15と第2歯車20との接合強度を十分に確保しつつ、第1歯車10と第2歯車20との軸方向における接合部を1箇所にして段付き歯車1の軸長を短縮化することができる。
また、段付き歯車1において、第1歯車10の軸部15の外径dは、第1外歯11の歯底円RC1の直径以下に定められる。更に、第2歯車20の第2外歯21の歯先円TC2は、第1外歯11の歯先円TC1よりも大径であり、第2外歯21の歯底円RC2は、第1外歯11の歯底円RC1よりも大径である。これにより、第2歯車20の各第2外歯21を軸部15と第2歯車20の孔部25との合わせ面から径方向に十分に離間させることが可能になる。
従って、溶接部Wの形成に際して、スパッタが各第2外歯21に付着するのを良好に抑制することができる。また、溶接部Wの形成に際して、各第2外歯21へのスパッタの付着を防止するための対策も施しやすくなる。この結果、段付き歯車1では、軸長の短縮化を図ると共に、第1および第2外歯11,21へのスパッタの付着を良好に抑制することが可能になる。加えて、第2歯車20は、比較的大径であることから、溶接による歪みの影響を受けにくく、レーザー溶接あるいは電子ビーム溶接を採用することで、溶接部Wにおける歪みの発生を良好に抑制することができる。
更に、段付き歯車1において、第2外歯21の歯底円RC2は、第1外歯11の歯先円TC1よりも大径である。これにより、第2歯車20の各第2外歯21と、軸部15と第2歯車20の孔部25との合わせ面との径方向における間隔をより大きくすることができるので、溶接部Wの形成に際して、スパッタが各第2外歯21に付着するのを極めて良好に抑制することが可能になる。ただし、第2外歯21の歯先円TC2が第1外歯11の歯先円TC1よりも大径であれば、第2外歯21の歯底円RC2は、第1外歯11の歯先円TC1と同径若しくは当該歯先円TC1よりも小径であってもよい。
また、段付き歯車1では、軸部15と第2歯車20との溶接部Wが第2歯車20の第1外歯11側とは反対側の端面24から第2歯車20の軸方向における中央部Cまでの範囲に形成されるが、これに限られるものではない。すなわち、第2歯車20の軸長等によっては、第2歯車20の第1外歯11側とは反対側の端面(第1端面)24から当該第1外歯11側の端面(第2端面)23までの範囲に、端面24を溶接開始点とする軸部15と第2歯車20との溶接部Wが形成されてもよい。これにより、第2歯車20の軸長が比較的短い場合に、第1歯車10の軸部15と第2歯車20との接合強度を十分に確保しつつ、溶接部Wの形成すなわち軸部15と第2歯車20との溶接に際して第1歯車10の各第1外歯11にスパッタが付着するのを良好に抑制することが可能になる。
図3は、本開示の他の段付き歯車1Bを示す部分断面図である。なお、段付き歯車1Bの構成要素のうち、上述の段付き歯車1と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図3に示すように、段付き歯車1Bでは、第1歯車10Bの軸部15Bの第1外歯11側とは反対側の端面に、当該軸部15Bの外周面側で軸方向に窪む環状(単一)の凹部17が形成されている。また、第2歯車20Bの第1外歯11側とは反対側の端面24には、軸方向に窪む環状(単一)の凹部27が孔部25に沿って延在するように形成されている。第1歯車10Bの軸部15Bが第2歯車20Bの孔部25に圧入(嵌合)されると、軸部15Bの凹部17の軸方向における底面と、第2歯車20Bの凹部27の軸方向における底面とが概ね面一になり、凹部17,27は、溶接部Wの余盛を受容する環状の凹部を画成する。
これにより、段付き歯車1Bでは、溶接部Wの余盛が第2歯車20Bの第1外歯11側とは反対側の端面24から軸方向に突出するのを抑制して、当該余盛の除去工程を省略または簡略化することが可能になる。加えて、溶接部Wの形成すなわち第1歯車10Bの軸部15Bと第2歯車20Bとの溶接に際し、各凹部17,27によりスパッタが径方向外側に飛散するのを制限することができるので、当該スパッタが各第2外歯21に付着するのをより一層良好に抑制することが可能になる。なお、複数の溶接部Wが孔部25等の周方向に間隔をおいて形成される場合には、第1歯車10Bの軸部15Bの端面に複数の凹部17が周方向に間隔をおいて形成されればよく、第2歯車20Bの端面24に複数の凹部27が周方向に間隔をおいて形成されればよい。
図4は、本開示の他の段付き歯車1Cを示す部分断面図である。なお、段付き歯車1Cの構成要素のうち、上述の段付き歯車1と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図4に示すように、段付き歯車1Cにおいて、第2歯車20Cの孔部25Cは、溶接部Wの第1外歯11側で当該孔部25Cを画成する第2歯車20Cの内周面の少なくとも一部が軸部15に接触しないように形成される。すなわち、第2歯車20Cの孔部25Cは、それぞれ溶接部Wの第1外歯11側に位置すると共に第2歯車20Cの第1外歯11側の端面23で開口するように周方向に間隔をおいて形成された複数の拡径部250を含む。これにより、第2歯車20Cの孔部25Cに軸部15が圧入(嵌合)された第1歯車10に圧入(嵌合)による歪みが生じるのを良好に抑制すると共に、第2歯車20Cひいては段付き歯車1Cの軽量化を図ることが可能になる。
ただし、第2歯車20Cにおいて、孔部25Cに複数の拡径部250を周方向に間隔をおいて形成する代わりに、溶接部Wの第1外歯11側に位置すると共に第2歯車20Cの第1外歯11側の端面23で開口する環状(単一)の拡径部250が孔部25Cに形成されてもよい。すなわち、第1歯車10の軸部15は、第2歯車20Cの内周部の溶接部Wとなる部分にのみ嵌合(圧入)されればよい。また、単一または複数の拡径部250は、図3に示す段付き歯車1Bの第2歯車20B(孔部25)に形成されてもよい。
以上説明したように、本開示の段付き歯車は、複数の第1外歯(11)を含む歯部(12)と、前記歯部(12)から軸方向に延出された軸部(15,15B)とを有する第1歯車(10,10B)と、複数の第2外歯(21)と、前記複数の第2外歯(21)が前記複数の第1外歯(11)と軸方向に隣り合うように前記第1歯車(10,10B)の前記軸部(15,15B)が同軸に嵌合される孔部(25,25C)とを有する第2歯車(20,20B,20C)とを含む段付き歯車(1A,1B,1C)において、前記第1歯車(10,10B)の前記軸部(15,15B)の外径(d)は、前記第1外歯(11)の歯底円(RC1)の直径以下であり、前記第2外歯(21)の歯先円(TC2)は、前記第1外歯(11)の歯先円(TC1)よりも大径であり、前記第2外歯(21)の歯底円(RC2)は、前記第1外歯(11)の前記歯底円(RC1)よりも大径であり、前記第2歯車(20,20B,20C)の前記第1外歯(11)側とは反対側の第1端面(24)から前記第1外歯(11)側の第2端面(23)までの範囲に、前記第1歯車(10,10B)の前記軸部(15,15B)と前記第2歯車(20,20B,20C)の前記孔部(25,25C)との合わせ面に沿って前記第1端面(24)を溶接開始点とする前記軸部(15,15B)と前記第2歯車(20,20B,20C)との溶接部(W)が形成されているものである。
本開示の段付き歯車では、第2歯車の第1外歯側とは反対側の第1端面から第1外歯側の第2端面までの範囲に、第1歯車の軸部と第2歯車の孔部との合わせ面に沿って第1端面を溶接開始点とする軸部と第2歯車との溶接部が形成される。これにより、当該溶接部の形成すなわち第1歯車の軸部と第2歯車との溶接に際して第1歯車の各第1外歯にスパッタが付着するのを良好に抑制すると共に、軸部と第2歯車との接合強度を十分に確保しつつ、第1歯車と第2歯車との軸方向における接合部を1箇所にして段付き歯車の軸長を短縮化することができる。また、第1歯車の軸部の外径は、第1外歯の歯底円の直径以下に定められる。更に、第2歯車の第2外歯の歯先円は、第1外歯の歯先円よりも大径であり、第2外歯の歯底円は、第1外歯の歯底円よりも大径である。これにより、第2歯車の各第2外歯を軸部と第2歯車の孔部との合わせ面から径方向に十分に離間させることが可能になるので、溶接部の形成に際して、スパッタが各第2外歯に付着するのを良好に抑制することができる。この結果、本開示の段付き歯車では、軸長の短縮化を図ると共に、第1および第2外歯へのスパッタの付着を良好に抑制することが可能になる。なお、溶接部は、軸部と第2歯車の孔部との合わせ面の全周に沿って形成されてもよく、当該合わせ面に沿って周方向に間隔をおいて形成されてもよい。
また、前記溶接部(W)は、前記第2歯車(20,20B,20C)の前記第1端面(24)から前記第2歯車(20,20B,20C)の軸方向における中央部(C)までの範囲に形成されてもよい。
これにより、第1歯車の軸部と第2歯車との接合強度を十分に確保しつつ、溶接部の形成すなわち第1歯車の軸部と第2歯車との溶接に際して第1歯車の各第1外歯にスパッタが付着するのを極めて良好に抑制することが可能になる。
更に、前記第2外歯(21)の歯底円(RC2)は、前記第1外歯(11)の前記歯先円(TC1)よりも大径であってもよい。
これにより、第2歯車の各第2外歯と、軸部と第2歯車の孔部との合わせ面との径方向における間隔をより大きくすることができるので、溶接部の形成に際して、スパッタが各第2外歯に付着するのを極めて良好に抑制することが可能になる。
また、前記第1歯車(10B)の前記軸部(15B)の前記第1外歯(11)側とは反対側の端面には、前記溶接部(W)の余盛を受容するように前記軸方向に窪む少なくとも1つの凹部(17)が形成されてもよく、前記第2歯車(20B)の前記第1端面(24)には、前記溶接部(W)の前記余盛を受容するように前記軸方向に窪む少なくとも1つの凹部(27)が前記孔部(25)に沿って形成されてもよい。
これにより、溶接部の余盛が第2歯車の第1端面から軸方向に突出するのを抑制して、当該余盛の除去工程を省略または簡略化することが可能になる。加えて、溶接部の形成すなわち第1歯車の軸部と第2歯車との溶接に際し、各凹部によりスパッタが径方向外側に飛散するのを制限することができるので、当該スパッタが各第2外歯に付着するのをより一層良好に抑制することが可能になる。
更に、前記第2歯車(20C)の前記孔部(25C)は、前記溶接部(W)の前記第1外歯(11)側で前記第2歯車(20C)の内周面の少なくとも一部が前記軸部(15)に接触しないように形成されてもよい。
これにより、第2歯車の孔部に軸部が嵌合された第1歯車に歪みが生じるのを良好に抑制すると共に、第2歯車ひいては段付き歯車の軽量化を図ることが可能になる。
本開示の段付き歯車の製造方法は、複数の第1外歯(11)を含む歯部(12)と、前記歯部(12)から軸方向に延出された軸部(15,15B)とを有する第1歯車(10,10B)と、複数の第2外歯(21)と、前記複数の第2外歯(21)が前記複数の第1外歯(11)と軸方向に隣り合うように前記第1歯車(10,10B)の前記軸部(15,15B)が同軸に嵌合される孔部(25,25C)とを有する第2歯車(20,20B,20C)とを含む段付き歯車(1A,1B,1C)の製造方法において、前記第1歯車(10,10B)の前記軸部(15,15B)の外径(d)を前記第1外歯(11)の歯底円(RC1)の直径以下にし、前記第2外歯(21)の歯先円(TC2)を前記第1外歯(11)の歯先円(TC1)よりも大径にし、かつ前記第2外歯(21)の歯底円(RC2)を前記第1外歯(11)の前記歯底円(RC1)よりも大径にし、前記第2歯車(20,20B,20C)の前記孔部(25,25C)に前記第1歯車(10,10B)の前記軸部(15,15B)を同軸に嵌合し、前記第2歯車(20,20B,20C)の前記第1外歯(11)側とは反対側の端面(24)側から前記第1歯車(10,10B)の前記軸部(15,15B)と前記第2歯車(20,20B,20C)の前記孔部(25,25C)との合わせ面に沿って高密度エネルギーを照射し、前記軸部(15,15B)と前記第2歯車(20,20B,20C)とを溶接するものである。
本開示の段付き歯車の製造方法によれば、複数の第1外歯を有する第1歯車と、当該複数の第1外歯と軸方向に隣り合う複数の第2外歯を有する第2歯車とを含む段付き歯車の軸長の短縮化を図ると共に、第1および第2外歯へのスパッタの付着を良好に抑制することが可能になる。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記実施形態は、あくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、段付き歯車の製造産業等において利用可能である。
1,1B,1C 段付き歯車、10,10B 第1歯車、11 第1外歯、12 歯部、12s 端面、15,15B 15B 軸部、17 凹部、20,20B,20C 第2歯車、21 第2外歯、23,24 端面、25,25C 孔部、250 拡径部、17,27 凹部、C 中央部、RC1,RC2 歯底円、TC1,TC2 歯先円、W 溶接部。

Claims (6)

  1. 複数の第1外歯を含む歯部と、前記歯部から軸方向に延出された軸部とを有する第1歯車と、複数の第2外歯と、前記複数の第2外歯が前記複数の第1外歯と軸方向に隣り合うように前記第1歯車の前記軸部が同軸に嵌合される孔部とを有する第2歯車とを含む段付き歯車において、
    前記第1歯車の前記軸部の外径は、前記第1外歯の歯底円の直径以下であり、
    前記第2外歯の歯先円は、前記第1外歯の歯先円よりも大径であり、
    前記第2外歯の歯底円は、前記第1外歯の前記歯底円よりも大径であり、
    前記第2歯車の前記第1外歯側とは反対側の第1端面から前記第1外歯側の第2端面までの範囲に、前記第1歯車の前記軸部と前記第2歯車の前記孔部との合わせ面に沿って前記第1端面を溶接開始点とする前記軸部と前記第2歯車との溶接部が形成されている段付き歯車。
  2. 請求項1に記載の段付き歯車において、
    前記溶接部は、前記第2歯車の前記第1端面から前記第2歯車の軸方向における中央部までの範囲に形成されている段付き歯車。
  3. 請求項1に記載の段付き歯車において、
    前記第2外歯の前記歯底円は、前記第1外歯の前記歯先円よりも大径である段付き歯車。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の段付き歯車において、
    前記第1歯車の前記軸部の前記第1外歯側とは反対側の端面には、前記溶接部の余盛を受容するように前記軸方向に窪む少なくとも1つの凹部が形成され、
    前記第2歯車の前記第1端面には、前記溶接部の前記余盛を受容するように前記軸方向に窪む少なくとも1つの凹部が前記孔部に沿って形成されている段付き歯車。
  5. 請求項1から3の何れか一項に記載の段付き歯車において、
    前記第2歯車の前記孔部は、前記溶接部の前記第1外歯側で前記第2歯車の内周面の少なくとも一部が前記軸部に接触しないように形成されている段付き歯車。
  6. 複数の第1外歯を含む歯部と、前記歯部から軸方向に延出された軸部とを有する第1歯車と、複数の第2外歯と、前記複数の第2外歯が前記複数の第1外歯と軸方向に隣り合うように前記第1歯車の前記軸部が同軸に嵌合される孔部とを有する第2歯車とを含む段付き歯車の製造方法において、
    前記第1歯車の前記軸部の外径を前記第1外歯の歯底円の直径以下にし、前記第2外歯の歯先円を前記第1外歯の歯先円よりも大径にし、かつ前記第2外歯の歯底円を前記第1外歯の前記歯底円よりも大径にし、
    前記第2歯車の前記孔部に前記第1歯車の前記軸部を同軸に嵌合し、
    前記第2歯車の前記第1外歯側とは反対側の端面側から前記第1歯車の前記軸部と前記第2歯車の前記孔部との合わせ面に沿って高密度エネルギーを照射し、前記軸部と前記第2歯車とを溶接する段付き歯車の製造方法。
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