JP2024030788A - 消火薬剤 - Google Patents

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健二 大木
Kenji Oki
めぐみ 堀越
Megumi Horikoshi
和真 千葉
Kazuma Chiba
竜也 泊野
Tatsuya Tomarino
美幸 富永
Miyuki Tominaga
千秋 遠藤
Chiaki Endo
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Nippon Dry Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】濡れ性や浸透能力に優れた低発泡型の消火薬剤を提供する。【解決手段】炭化水素系ノニオン界面活性剤と水溶性有機溶剤とを有効成分として含み、粘度が200cSt以下である消火薬剤。【選択図】なし

Description

本発明は消火薬剤に関するものである。
火災はA火災(普通火災)、B火災(油火災)、C火災(電気火災)に分類され、各火災が発生すると、建築材料や家具等に使用されている、木材、紙類、布類、樹脂類などの可燃性物質に引火し大きな火災となってしまう。また、森林火災やゴミ置き場、倉庫での火災なども多く発生していて、迅速な消火が求められている。
一般的にこれらの火災に対しては水放射により消火が行われているが、大量の水が必要となるだけでなく、鎮火後の火災現場周辺に大量の水が溢れた状態となり、後処理が大きな問題となっている。
また、水系の消火薬剤として合成界面活性剤泡消火薬剤がある。これは、主成分である界面活性剤の効果により水溶液の表面張力を低下させて木材等への浸透性を向上させることができる。また発泡させることで、木材等への水溶液の付着性が増大する。これらの作用により、消火効果、再燃防止効果を向上させることができる。
例えば、下記特許文献1では、石鹸系界面活性剤を主成分としてキレート剤や増粘剤、水溶性有機溶剤等を配合して、5倍以上の高発泡性を有した水系の消火薬剤が提案されている。
特開2012-254101
日本機械学会論文集(B編)75巻756号(2009-8)P.1598~1607「非イオン性界面活性剤水溶液の抵抗低減効果」
界面活性剤を用いた泡消火薬剤は、水単独の消火剤に比べて、はるかに迅速消火が可能であり、さらに水の使用量が少ないという利点はあるが、気泡は風の影響を受けやすいため、気泡が火炎の勢いに押され、消火対象物以外へ飛散してしまう場合がある。飛散してしまうと、消火対象物への気泡の付着量が少なくなってしまう。また、気泡が大量に飛散すると、消火後の気泡の処理に大変な労力を要するという問題もある。
本発明は前記の状況に鑑みてなされたものであり、濡れ性や浸透能力に優れた低発泡型の消火薬剤を提供することを主な目的としている。
本発明の消火薬剤は、炭化水素系ノニオン界面活性剤と水溶性有機溶剤とを有効成分として含み、粘度が200cSt以下であるものである。この消火薬剤は、1容量%水希釈した場合の発泡倍率が3倍以下であり、表面張力が35mN/m以下であることが好ましい。
本発明の消火薬剤は、優れた濡れ性や浸透性を有しており、かつ気泡になり難いことから火炎の勢いに押されることなく、消火対象物への消火効果を上げることができる。
ここで濡れ性とは、界面活性剤等で水の表面張力を下げ、木材板上や紙上等において、界面活性剤等を含有した水溶液が球体になることなく広く展開する性質をいう。濡れ性が向上することにより、板や紙への水溶液の浸透性が向上する。また、浸透性の乏しい鉄板やプラスチックなどでは、その表面に水溶液が広く展開し、蒸発効率が向上する。
なお、前記非特許文献1に記載されているように、炭化水素系界面活性剤の中で、非イオン性界面活性剤は毒性が殆んどない界面活性剤として知られている(ここで、ノニオン界面活性剤と非イオン性界面活性剤は同意語である)。本発明は、この炭化水素系ノニオン界面活性剤を主成分としているので、人体、生物及び環境負荷を非常に小さくすることができ、その結果、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)にも貢献できる。また、炭化水素系ノニオン界面活性剤は一般にふっ素を含まないので、環境負荷をさらに低減することができる。
炭化水素系ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、ポリオキシエチレンアルキルアミド型、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型、プロピレングリコール脂肪酸エステル型、プロピレングリコール脂肪酸ジポリオキシエチレンラノリンエーテル型、脂肪族アルカノールアマイド型、ポリオキシエチレンヒマシ油型、ポリオキシエチレン多価アルコール型、多価アルコール脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル型などが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
水溶性有機溶媒としては、セロソルブ系溶剤(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなど)、カルビトール類(エチルカルビトール、ブチルカルビトールなど)、エチレンオキシドの付加モル数が3~10のポリオキシエチレン低級アルキルエーテル、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)などが挙げられる。グリコール類は、比較的引火点が高く安価であり、かつ薬剤の白濁やゲル化を抑えやすいという効果がある。
本発明の消火薬剤には必要に応じて、炭化水素系カチオン界面活性剤、炭化水素系アニオン界面活性剤、炭化水素系両性界面活性剤、脂肪酸、水溶性無機金属塩、水溶性高分子、分散剤、アルコール類などを併用しても良い。特にアルコール類などは、液体消火薬剤の濡れ性などを向上させる効果がある。
炭化水素系カチオン界面活性剤としては、本発明の消火薬剤の濡れ性を阻害しないものを用いる必要があり、例えば、モノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、EO付加アンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
炭化水素系アニオン界面活性剤としては、本発明の消火薬剤の濡れ性を阻害しないものを用いる必要があり、例えば、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルキル硫酸エステル塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、メチルタウリン酸塩、アラニネート及びその塩などが挙げられる。
炭化水素系両性界面活性剤としては、本発明の消火薬剤の濡れ性を阻害しないものを用いる必要があり、例えば、アラニン型、イミダゾリニウムベタイン型、アミノプロピルベタイン型、アミノジプロピオン型などが挙げられる。好ましくはイミダゾリニウムベタイン型などが挙げられる。
脂肪酸としては、本発明の消火薬剤の濡れ性を阻害しないものを用いる必要があり、例えば、直鎖または分岐、天然または合成、飽和または不飽和のいずれでもよく、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、牛脂脂肪酸、オレイン酸、ヒマシ硬化脂肪酸、リノール酸、パルミトレイン酸、リノレン酸などが挙げられる。
水溶性無機金属塩としては、本発明の消火薬剤の濡れ性を阻害しないものを用いる必要があり、例えば、ナトリウム塩(硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムなど)、カリウム塩(硫酸カリウム、塩化カリウムなど)、マグネシウム塩(硫酸マグネシウム、塩化マグネシウムなど)、カルシウム塩(硫酸カルシウム、塩化カルシウムなど)などが挙げられる。
水溶性高分子としては、本発明の消火薬剤の濡れ性を阻害しないものを用いる必要があり、例えば、セルロース系誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど)、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルエーテル、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
分散剤としては、本発明の消火薬剤の濡れ性を阻害しないものを用いる必要があり、例えば、ナフタレンスルホン酸系、アルキルナフタレンスルホン酸系、ポリカルボン酸系、ポリスチレンスルホン酸系、アルキルアミン型、アルキルフェノール型などが挙げられる。
アルコール類としては、メチルアルコールやエチルアルコールなどの低級アルコールやラウリルアルコールやミリスチルアルコールなどの高級アルコール、グリセリンやソルビトールなどの多価アルコールなどが挙げられる。
本発明の消火薬剤を使用するに際しては、消火設備の水系ラインに混合器を用いて消火薬剤を混合し使用する方法や、消防自動車等にポリ缶等で積載し、水系ラインに吸引させる方法などがある。また、地下水等で希釈した水溶液を消火器等に充填し、加圧して放射する方法などで使用することもできる。
なお、この消火薬剤は、そのまま使用してもよく、また、地下水や水道水、海水、イオン交換水などの適宜な水により任意の割合で希釈して使用することもできる。通常は希釈して使用される。本願明細書では、希釈される前の原液と、原液を希釈して得られる水溶液とを、消火薬剤と総称している。
以下に実施例を挙げて本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1~8>
<比較例1~3>
炭化水素系ノニオン活性剤である青木油脂工業(株)製「ファインサーフD-1303」と青木油脂工業(株)製「ブラウノンEL-1540P」、水溶性有機溶剤である三協化学(株)製「プロピレングリコール」及びイオン交換水を用いて下記表1の配合にて、消火薬剤を調整した。この消火薬剤の溶液の状態を観察し、原液での粘度と、原液を1%容量希釈した水溶液の表面張力、発泡倍率、濡れ性試験とを測定した結果も併せて下記表1に示す。
粘度は「泡消火薬剤の検定細則:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第6条(粘度)」に基づき、JIS K 2283に定める石油製品動粘度試験方法により、キャノン-フェンスケ粘度計を用いて、液温20℃での粘度を測定した。
表面張力は「泡消火薬剤の検定細則:泡消火薬剤の技術上の規格を定める省令第14条(拡散係数)」に基づき、温度20±2℃の1%容量希釈した水溶液をJIS K 2241に定める切削油剤試験方法により、自動表面張力計系DY-300(協和界面化学(株)製)を用いて測定した。
発泡倍率は、温度20±2℃の1容量%希釈した水溶液100mLを、家庭用のミキサー((株)テスコム製ミル&ミキサー(型名:TML162))のミキサー部に入れ、10秒間撹拌を行い、直後のミキサー内の泡高(泡容量)を目視で測定して発泡倍率とした。100mL水溶液が撹拌により300mLになった場合は、発泡倍率3倍となる。
濡れ性試験は、温度20±2℃の1容量%希釈した水溶液を、杉板上に200μL滴下して、20秒後の水溶液の分散面積を測定した。ここで杉板としては、水分を10~15%に調整した市販の物(大きさ:18×36cm)を用いた。試験は3回行い、平均値を表1に示す。
<単位>
ここで、用いた単位について以下に説明する。
粘度[cSt]=センチストークス
表面張力[mN/m]=ミリニュートン/メートル
分散面積[mm2]=ミリ平方メートル
Figure 2024030788000001
以上の結果より、炭化水素系ノニオン界面活性剤と水溶性有機溶剤とを併用(実施例1~8参照)することで、溶液の白濁やゲル化を抑えられることが分かる。さらに、粘度及び表面張力を低減させることができ、イオン交換水と比較して濡れ性が向上することも分かる。また前記実施例では、3倍以下、より具体的には2倍以下の発泡倍率を得ている。なお、表1における「-」はデータがないことを示す。比較例2及び3は白濁又はゲル化したため、そもそも製品として明らかに不適であり、それ以上の試験を省略した。
表1に示されるように、炭化水素系ノニオン界面活性剤全体の配合比を2~95重量%、水溶性有機溶剤の配合比を5~50重量%の範囲で変化させても良好な結果を得た。また表1に示されるように、炭化水素系ノニオン界面活性剤全体の配合量(a)と水溶性有機溶剤の配合量(b)との比(a/b)を0.1≦a/b≦19の範囲で変化させても良好な結果を得た。
<消火実験>
実施例2、実施例3の薬剤を1容量%希釈した水溶液(液温20±2℃)を、それぞれ4L消火器2本(合計4本)に充填して窒素により加圧した。この消火器2本(同希釈水溶液量8L)を用いて、第1模型(下記参照)の消火試験をおこなった。
<試験方法>
「消火器の検定細則:日本消防検定協会:平成31年3月」「消火器の技術上の規格を定める省令:第3条(能力単位の測定)」に規定される第1模型(燃焼台に水分を10~15%に調整した杉材(寸法35×30×900mm)を144本交互に組んだ模型)を用いて、燃焼台に付属している燃焼なべに3.0Lのヘプタンを入れ点火し、3分後消火器にて消火試験をおこなった。
<試験結果>
実施例2、実施例3共に消火可で、4分間再燃は確認されなかった。
以上説明した通り本発明の消火薬剤によれば、以下の利点を有する。
・溶液の白濁やゲル化を抑えることができる
・粘度が小さいので水等の混合作業が容易である
・表面張力が小さいとともに濡れ性(すなわち浸透能力)が高いので、消火能力を向上させることができる。
・低発砲性(発泡倍率3倍以下、より好ましくは2倍以下)なので、火炎により飛散しにくく、消火対象物への付着性を向上させることができる。また、飛散しにくいため、消火後の後処理の負担を軽減することができる。

Claims (5)

  1. 炭化水素系ノニオン界面活性剤と水溶性有機溶剤とを有効成分として含み、粘度が200cSt以下であることを特徴とする消火薬剤。
  2. 1容量%水希釈した場合の発泡倍率が3倍以下であり、表面張力が35mN/m以下である請求項1記載の消火薬剤。
  3. 前記水溶性有機溶剤がグリコール類である請求項1又は2に記載の消火薬剤。
  4. 前記炭化水素系ノニオン界面活性剤の配合比は2~95重量%、前記水溶性有機溶剤の配合比は5~50重量%とされている請求項1又は2に記載の消火薬剤。
  5. 前記炭化水素系ノニオン界面活性剤の配合量(a)と前記水溶性有機溶剤の配合量(b)との比(a/b)は0.1≦a/b≦19とされている請求項1又は2に記載の消火薬剤。
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