JP2024027786A - 立体物印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロボット3の信頼性を向上を図りつつ、印刷品質を高める。【解決手段】立体物印刷装置は、ワークに向けて液体を吐出するヘッドと、ヘッドを駆動する駆動信号を生成する駆動基板と、を含むヘッドユニットと、ヘッドユニットを支持する先端アームと、先端アームに設けられ、ヘッドユニットを先端回動軸まわりに回動させる先端関節と、を有し、ワークに対するヘッドの位置および姿勢を変化させるロボットと、を備え、ヘッドが液体を吐出する方向である吐出方向にみて、先端回動軸は、ヘッドと駆動基板との間に位置する。【選択図】図3

Description

本開示は、立体物印刷装置に関する。
立体的なワークの表面にインクジェット方式により印刷を行う立体物印刷装置が知られている。例えば、特許文献1には、多関節ロボットを用いて被印刷体とプリントヘッドとの相対位置を変化させながら印刷を行う印刷装置が記載される。
特開2017-19183号公報
一般に、プリントヘッドには、当該プリントヘッドを駆動する駆動信号を生成する駆動基板が電気的に接続される。特許文献1には、駆動基板に関する記載がない。
多関節ロボットの基部に対する駆動基板の位置を固定した場合、プリントヘッドと駆動基板とを電気的に接続する配線を多関節ロボットのアームに沿って配置する必要がある。したがって、この場合、当該配線の引き回しが煩雑化するとともに、当該配線の長尺化により駆動基板からの信号が減衰したりノイズの混入の影響を受けたりしてしまう。そこで、多関節ロボットの先端にプリントヘッドとともに駆動基板を配置することにより、当該配線の長さを短くすることが考えられる。
しかし、プリントヘッドおよび駆動基板がいずれも重量物であるため、これらの両方を単に多関節ロボットの先端に配置すると、多関節ロボットの先端関節に対する負荷が増大したり、印刷動作の実行中に先端関節の振動が収束し難くなることにより印刷品質の低下を招いたりするという問題がある。
本開示の一態様に係る立体物印刷装置は、ワークに向けて液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドを駆動する駆動信号を生成する駆動基板と、を含むヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを支持する先端アームと、前記先端アームに設けられ、前記ヘッドユニットを先端回動軸まわりに回動させる先端関節と、を有し、前記ワークに対する前記ヘッドの位置および姿勢を変化させるロボットと、を備え、前記ヘッドが液体を吐出する方向である吐出方向にみて、前記先端回動軸は、前記ヘッドと前記駆動基板との間に位置する。
本開示の他の一態様に係る立体物印刷装置は、ワークに向けて液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドを駆動する駆動信号を生成する駆動基板と、を含むヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを支持する先端アームと、前記先端アームに設けられ、前記ヘッドユニットを先端回動軸まわりに回動させる先端関節と、を有し、前記ワークに対する前記ヘッドの位置および姿勢を変化させるロボットと、を備え、前記ヘッドが液体を吐出する方向である吐出方向にみて、前記先端回動軸は、前記ヘッドの重心と前記駆動基板の重心との間に位置する。
第1実施形態に係る立体物印刷装置の概略図である。 第1実施形態に係る立体物印刷装置の電気的な構成を示すブロック図である。 第1実施形態に用いるロボットを説明するための図である。 第1実施形態に用いるヘッドユニットの斜視図である。 ヘッドチップの構成例を示す断面図である。 第1実施形態に係る立体物印刷装置の印刷動作の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る立体物印刷装置の天面印刷を説明するための図である。 第1実施形態に係る立体物印刷装置の側面印刷を説明するための図である。 第2実施形態に係る立体物印刷装置の概略図である。 第2実施形態に用いるヘッドユニットと先端回動軸との位置関係を説明するための図である。 変形例に係る立体物印刷装置の概略図である。
以下、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示している部分もある。また、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
以下の説明は、便宜上、互いに交差するX軸、Y軸およびZ軸を適宜に用いて行う。また、X軸に沿う一方向がX1方向であり、X1方向と反対の方向がX2方向である。同様に、Y軸に沿って互いに反対の方向がY1方向およびY2方向である。また、Z軸に沿って互いに反対の方向がZ1方向およびZ2方向である。
ここで、X軸、Y軸およびZ軸は、後述のロボット3が設置される空間に設定されるワールド座標系の座標軸である。典型的には、Z軸が鉛直な軸であり、Z2方向が鉛直方向での下方向に相当する。ロボット3の基部を基準とするベース座標系は、キャリブレーションにより当該ワールド座標系に対応付けられる。以下では、便宜上、ワールド座標系をロボット座標系として用いてロボット3の動作を制御する場合が例示される。
なお、Z軸は、鉛直な軸でなくともよい。また、X軸、Y軸およびZ軸は、典型的には互いに直交するが、これに限定されず、直交しない場合もある。例えば、X軸、Y軸およびZ軸が80°以上100°以下の範囲内の角度で互いに交差すればよい。
1.第1実施形態
1-1.立体物印刷装置の概要
図1は、第1実施形態に係る立体物印刷装置1の概略図である。立体物印刷装置1は、ロボット3を用いて立体的なワークWの表面にインクジェット方式により印刷を行う装置である。
図1に示す例では、ワークWは、直方体である。ここで、ワークWは、Z1方向を向く天面Wcと、Z軸に直交する方向を向く4つの側面Wsと、を有する。以下では、天面Wcに印刷を行う天面印刷と、1つの側面Wsに印刷を行う側面印刷と、を順に実行する場合が例示される。本実施形態におけるワークWは、例えば段ボールによって構成された箱であり、図1は、工場等において生産された製品が段ボール箱に梱包された状態で搬送される様子を例示している。
なお、ワークWの印刷対象となる面は、前述の面に限定されず、例えば、天面Wcまたは側面Wsのみであってもよいし、2以上の側面Wsであってもよい。さらに、ワークWの大きさ、形状、設置位置または設置姿勢は、図1に示す例に限定されず、任意である。
図1に示すように、立体物印刷装置1は、フレーム2とロボット3とヘッドユニット4と搬送機構5とを備える。以下、まず、図1に示す立体物印刷装置1の各部を順次簡単に説明する。
フレーム2は、ロボット3を支持する構造体である。図1に示す例では、フレーム2は、ロボット3を天吊り支持する。ここで、フレーム2は、水平方向に延びる少なくとも1つの梁と、鉛直方向に延びて当該少なくとも1つの梁を支持する複数の柱と、を有する。また、フレーム2は、搬送機構5により搬送されるワークWの搬入のための入口と搬出のための出口とを有する。
図1では、図中の2点鎖線で示すように、フレーム2の図示が簡略化される。なお、フレーム2の構成は、特に限定されず、任意である。また、フレーム2は、必要に応じて設けられ、省略されてもよい。この場合、例えば、ロボット3は、建物の天井等に支持される。
ロボット3は、ワールド座標系でのヘッドユニット4の位置および姿勢を変化させる多関節ロボットである。図1に示す例では、ロボット3は、基部310および腕部320に加えて、第1関節330_1、第2関節330_2、第3関節330_3および先端関節330_4を有する4軸の多関節ロボットである。
基部310は、フレーム2にネジ留め等により固定される。基部310には、腕部320の基端E1が第1関節330_1を介して接続される。腕部320は、第2関節330_2、第3関節330_3および先端関節330_4を有する。第1関節330_1、第2関節330_2および第3関節330_3のそれぞれは、Z軸に平行な軸まわりに回動する回動関節である。ただし、第3関節330_3は、Z軸に平行な軸に沿って伸縮する直動関節としても機能する。先端関節330_4は、ロボット3の関節のうち最も先端に位置する関節であり、Z軸に交差する軸である先端回動軸O4まわりに回動する回動関節である。以下では、第1関節330_1、第2関節330_2、第3関節330_3および先端関節330_4のそれぞれを関節330という場合がある。なお、ロボット3の詳細については、後に図3に基づいて説明する。
ヘッドユニット4は、ヘッド4aおよび駆動基板4bを有するアセンブリーであり、ロボット3のアームの先端にエンドエフェクターとしてネジ止め等の固定方法により装着される。ここで、ヘッド4aと駆動基板4bとの間には、先端回動軸O4が位置する。ヘッド4aは、「液体」の一例であるインクをワークWに向けて吐出する。駆動基板4bは、ヘッド4aを駆動する駆動信号を生成する。なお、ヘッドユニット4の詳細については、後に図4に基づいて説明する。
当該インクとしては、特に限定されず、例えば、水系溶媒に染料または顔料等の色材を溶解させた水系インク、紫外線硬化型等の硬化性樹脂を用いた硬化性インク、および、有機溶剤に染料または顔料等の色材を溶解させた溶剤系インク等が挙げられる。中でも、硬化性インクが好適に用いられる。硬化性インクは、特に限定されず、例えば、熱硬化型、光硬化型、放射線硬化型および電子線硬化型等のいずれでもよいが、紫外線硬化型等の光硬化型が好適である。なお、当該インクは、溶液に限定されず、分散媒に色材等を分散質として分散させたインクでもよい。また、当該インクは、色材を含むインクに限定されず、例えば、配線等を形成するための金属粒子等の導電性粒子を分散質として含むインクでもよいし、クリアインクでもよいし、ワークWの表面処理のための処理液でもよい。
搬送機構5は、ワールド座標系でのワークWの位置を変化させる機構である。図1に示す例では、搬送機構5は、ワークWをX1方向に移動させるベルトコンベアーである。本実施形態では、搬送機構5は、後述の図2に示すコンピューター7による制御のもとで、ワークWをロボット3による印刷領域への搬入または搬出を行う。図示しないが、搬送機構5には、搬送機構5上のワークWのX軸方向での位置を検出するためのセンサーが設けられており、当該センサーの検出結果に基づいて搬送機構5の駆動制御が行われる。当該センサーは、例えば、光位置センサーである。図1では、当該印刷領域への搬入前および搬出後のワークWが二点鎖線で示される。
なお、搬送機構5上のワークWのX軸方向での位置の検出は、光位置センサーによる検出に限定されず、例えば、搬送機構5の動作量を検出するためのエンコーダーの出力に基づく検出でもよい。また、搬送機構5は、ベルトコンベアーに限定されず、例えば、ローラーコンベアー等の他のコンベアーでもよいし、多関節ロボット、自走式の台車、リニアモータを用いたスライダー機構等でもよい。ワークWが段ボール箱である場合、搬送機構5としてローラーコンベアーを用いると、段ボール箱の底面とローラーコンベアーのローラーが接触して擦れ、紙粉が発生することがある。紙粉がヘッド4aに設けられた後述のノズル面FNに付着すると、インクの吐出不良の原因となる場合がある。このため、搬送機構5としては段ボール箱の底面が擦れ難い機構であることが好ましい。
以上の概略の立体物印刷装置1では、先端回動軸O4がヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置するので、ロボット3の先端関節330_4の負荷を低減することにより、ロボット3の信頼性を向上させたり、印刷動作の実行中のヘッドユニット4の振動を低減することにより、印刷品質を高めたりすることができる。
1-2.立体物印刷装置の電気的構成
図2は、第1実施形態に係る立体物印刷装置1の電気的な構成を示すブロック図である。図2では、立体物印刷装置1の構成要素のうち、電気的な構成要素が示される。図2に示すように、立体物印刷装置1は、前述の図1に示す構成要素のほか、コントローラー6およびコンピューター7を備える。
なお、図2に示す電気的な各構成要素は、適宜に分割されてもよいし、一部が他の構成要素に含まれてもよいし、他の構成要素と一体で構成されてもよい。例えば、コントローラー6の機能の一部または全部は、コンピューター7により実現されてもよいし、LAN(Local Area Network)またはインターネット等のネットワークを介してコントローラー6に接続されるPC(personal computer)等の他の外部装置により実現されてもよい。
コントローラー6は、ロボット3の駆動を制御する機能と、ヘッドユニット4でのインクの吐出動作をロボット3の動作に同期させるための信号DTを生成する機能と、を有する。
コントローラー6は、記憶回路6aと処理回路6bとを有する。
記憶回路6aは、処理回路6bが実行する各種プログラムと、処理回路6bが処理する各種データと、を記憶する。記憶回路6aは、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリーとROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)またはPROM(Programmable ROM)等の不揮発性メモリーとの一方または両方の半導体メモリーを含む。なお、記憶回路6aの一部または全部は、処理回路6bに含まれてもよい。
記憶回路6aには、印刷経路情報Daが記憶される。印刷経路情報Daは、ロボット3の動作の制御に用いられ、ヘッド4aの移動すべき経路におけるヘッド4aの位置および姿勢を示す情報である。印刷経路情報Daは、例えば、ベース座標系またはワールド座標系の座標値を用いて表される。印刷経路情報Daは、例えば、ワークWの形状を示す3次元データに基づいて、コンピューター7により生成される。印刷経路情報Daは、コンピューター7から記憶回路6aに入力される。なお、印刷経路情報Daは、ワーク座標系の座標値を用いて表されてもよい。この場合、印刷経路情報Daは、ワーク座標系の座標値からベース座標系またはワールド座標系の座標値に変換した後にロボット3の動作の制御に用いられる。
処理回路6bは、印刷経路情報Daに基づいてロボット3のアーム駆動機構3aの動作を制御するとともに、信号DTを生成する。処理回路6bは、例えば、1個以上のCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含む。なお、処理回路6bは、CPUに代えて、または、CPUに加えて、FPGA(field-programmable gate array)等のプログラマブルロジックデバイスを含んでもよい。
ここで、アーム駆動機構3aは、前述の第1関節330_1~330_4の駆動機構の集合体であり、関節330ごとに、ロボット3の関節330を駆動するためのモーターと、ロボット3の関節330の回転角度を検出するエンコーダーと、を有する。
処理回路6bは、印刷経路情報Daをロボット3の各関節330の回転角度および回転速度等の動作量に変換する演算である逆運動学計算を行う。そして、処理回路6bは、各関節330の実際の回転角度および回転速度等の動作量が印刷経路情報Daに基づく前述の演算結果となるように、アーム駆動機構3aの各エンコーダーからの出力De1に基づいて、制御信号Sk1を出力する。制御信号Sk1は、アーム駆動機構3aのモーターの駆動を制御するための信号である。ここで、制御信号Sk1は、必要に応じて、図示しない距離センサーからの出力に基づいて処理回路6bにより補正される。
また、処理回路6bは、アーム駆動機構3aの複数のエンコーダーのうちの少なくとも1つからの出力De1に基づいて、信号DTを生成する。例えば、処理回路6bは、当該複数のエンコーダーのうちの1つからの出力De1が所定値となるタイミングのパルスを含むトリガー信号を信号DTとして生成する。
ヘッドユニット4の駆動基板4bは、コントローラー6から出力される信号DTとコンピューター7からの印刷データImgに基づいて、ヘッド4aのインクの吐出動作を制御する回路である。駆動基板4bは、タイミング信号生成回路4b1と電源回路4b2と制御回路4b3と駆動信号生成回路4b4とを有する。
タイミング信号生成回路4b1は、信号DTに基づいてタイミング信号PTSを生成する。タイミング信号生成回路4b1は、例えば、信号DTの検出を契機としてタイミング信号PTSの生成を開始するタイマーで構成される。
電源回路4b2は、図示しない商用電源から電力の供給を受け、所定の各種電位を生成する。生成した各種電位は、ヘッド4aおよび駆動基板4bの各部に適宜に供給される。例えば、電源回路4b2は、電源電位VHVとオフセット電位VBSとを生成する。オフセット電位VBSは、ヘッド4aに供給される。また、電源電位VHVは、駆動信号生成回路4b4に供給される。
制御回路4b3は、タイミング信号PTSに基づいて、制御信号SIと波形指定信号dComとラッチ信号LATとクロック信号CLKとチェンジ信号CNGとを生成する。これらの信号は、タイミング信号PTSに同期する。これらの信号のうち、波形指定信号dComは、配線12を介して、駆動信号生成回路4b4に入力され、それ以外の信号は、配線11を介して、ヘッドユニット4のスイッチ回路4a2に入力される。
制御信号SIは、ヘッド4aのヘッドチップ4a1の有する後述の駆動素子Ea、Ebの動作状態を指定するためのデジタルの信号である。具体的には、制御信号SIは、印刷データImgに基づいて、駆動素子Ea、Ebに対して後述の駆動信号Comを供給するか否かを指定するための信号である。この指定により、例えば、駆動素子Ea、Ebに対応するノズルからインクを吐出するか否かを指定したり、当該ノズルから吐出されるインクの量を指定したりする。波形指定信号dComは、駆動信号Comの波形を規定するためのデジタル信号である。ラッチ信号LATおよびチェンジ信号CNGは、制御信号SIと併用され、駆動素子Ea、Ebの駆動タイミングを規定することにより、当該ノズルからのインクの吐出タイミングを規定するための信号である。クロック信号CLKは、タイミング信号PTSに同期した基準となるクロック信号である。
以上の制御回路4b3は、例えば、1個以上のCPU等のプロセッサーを含む。なお、制御回路4b3は、CPUに代えて、または、CPUに加えて、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを含んでもよい。
駆動信号生成回路4b4は、ヘッド4aのヘッドチップ4a1の有する各駆動素子Ea、Ebを駆動するための駆動信号Comを生成する回路である。具体的には、駆動信号生成回路4b4は、例えば、DA変換回路と増幅回路とを有する。駆動信号生成回路4b4では、当該DA変換回路が制御回路4b3からの波形指定信号dComをデジタル信号からアナログ信号に変換し、当該増幅回路が電源回路4b2からの電源電位VHVを用いて当該アナログ信号を増幅することで駆動信号Comを生成する。ここで、駆動信号Comは、パルス波形を含むパルス信号であり、駆動信号Comに含まれる波形のうち、駆動素子Ea、Ebに実際に供給される波形の信号が駆動パルスPDである。駆動パルスPDは、ヘッド4aのスイッチ回路4a2を介して、駆動信号生成回路4b4から駆動素子Ea、Ebに供給される。
ここで、スイッチ回路4a2は、制御信号SIに基づいて、駆動信号Comに含まれる波形のうちの少なくとも一部を駆動パルスPDとして供給するか否かを切り替えるスイッチング素子を含む回路である。
コンピューター7は、所定のプログラムをインストールしたデスクトップ型またはノート型等のコンピューターである。コンピューター7は、印刷データImgおよび印刷経路情報Daを生成する機能と、コントローラー6に印刷経路情報Da等の情報を供給する機能と、駆動基板4bに印刷データImg等の情報を供給する機能と、を有する。本実施形態のコンピューター7は、これらの機能のほか、搬送機構5の駆動を制御する機能を有する。
1-3.ロボット
図3は、第1実施形態に用いるロボット3を説明するための図である。図3に示すように、ロボット3は、基部310と腕部320とを有する。
基部310は、腕部320を支持する台であり、前述の図2に示すフレーム2にネジ止め等により固定される。
腕部320は、基部310に取り付けられる基端E1と、基端E1に対して3次元的に位置および姿勢を変化させる先端E2と、を有する4軸のロボットアームである。具体的には、腕部320は、第1アーム321と第2アーム322と第3アーム323と先端アーム324とを有し、これらがこの順に連結される。
第1アーム321は、基部310に対して第1軸O1まわりに回動可能に第1関節330_1を介して接続される。図3に示す例では、第1軸O1がZ軸に平行な軸である。第1アーム321は、基部310のZ2方向での端からZ軸に直交する方向に延びる形状をなす。第1関節330_1には、基部310に対して第1アーム321を回動させる駆動機構が設けられる。当該駆動機構は、前述のアーム駆動機構3aの一部を構成しており、例えば、当該回動のための駆動力を発生させるモーターと、当該駆動力を減速して出力する減速機と、当該回動の角度等の動作量を検出するロータリーエンコーダー等のエンコーダーと、を有する。
第2アーム322は、第1アーム321に対して第2軸O2まわりに回動可能に第2関節330_2を介して接続される。図3示す例では、第2軸O2がZ軸に平行な軸である。第2アーム322は、第1アーム321の長手方向での先端部からZ2方向に延びた後にZ軸に直交する方向に延びる形状をなす。第2関節330_2には、第1アーム321に対して第2アーム322を回動させる駆動機構が設けられる。当該駆動機構は、前述のアーム駆動機構3aの一部を構成しており、例えば、当該回動のための駆動力を発生させるモーターと、当該駆動力を減速して出力する減速機と、当該回動の角度等の動作量を検出するロータリーエンコーダー等のエンコーダーと、を有する。
第3アーム323は、第2アーム322に対して第3軸O3まわりに回動可能であるとともに第3軸O3に沿って伸縮可能な第3関節330_3を介して接続される。図3に示す例では、第3軸O3がZ軸に平行な軸である。第3アーム323は、第2アーム322の先端部から突出しており、Z軸に沿う方向に延びる円柱状の作動軸である。第3関節330_3には、第3アーム323をその中心軸まわりに回動させたりその中心軸に沿って昇降させたりする駆動機構が設けられることにより、第3軸O3に沿った回動と伸縮が可能となる。当該駆動機構は、前述のアーム駆動機構3aの一部を構成しており、例えば、当該回動のためのボールネジ機構等の回動機構と、当該昇降のためのボールスプライン機構等の昇降機構と、当該回動および当該昇降のための駆動力を発生させるモーターと、当該回動および当該昇降の動作量を検出するエンコーダーと、を有する。
先端アーム324は、第3アーム323に対して先端回動軸O4まわりに回動可能に先端関節330_4を介して接続される。図3に示す例では、先端回動軸O4がZ軸に直交する軸である。先端アーム324は、第3アーム323のZ2方向での端部に取り付けられる。先端関節330_4には、第3アーム323に対して先端アーム324を回動させる駆動機構が設けられる。当該駆動機構は、前述のアーム駆動機構3aの一部を構成しており、例えば、当該回動のための駆動力を発生させるモーターと、当該駆動力を減速して出力する減速機と、当該回動の角度等の動作量を検出するロータリーエンコーダー等のエンコーダーと、を有してもよい。また他の例として、当該駆動機構は、圧縮空気によって回動するロータリーシリンダ等を有してもよい。
以上のロボット3では、第1軸O1、第2軸O2および第3軸O3が互いに平行であり、かち、先端回動軸O4が第3軸O3に直交する。なお、これらの回動軸について、「直交」とは、2つの回動軸のなす角度が厳密に90°である場合のほか、2つの回動軸のなす角度が90°から±5°程度の範囲内でずれる場合も含む。同様に、「平行」とは、2つの回動軸が厳密に平行である場合のほかに、2つの回動軸の一方が他方に対して±5°程度の範囲内で傾斜する場合も含む。
以上のような構成のロボット3は、例えば、既製品のスカラロボットを用いて構成される。具体的には、例えば、既製品の4軸のスカラロボットの先端に先端関節330_4および先端アーム324を追加することにより、ロボット3を実現することができる。このように、ロボット3は、関節機能を有するエンドエフェクターを既製品のロボットに追加した構成でもよく、当該エンドエフェクターは、ロボット3の構成要素の一部である。したがって、ロボット3がロボットおよびエンドエフェクターを含む場合であっても、当該ロボットおよび当該エンドエフェクターを含む構成において、回動のための複数の関節のうち、最も先端に位置する関節が「先端関節330_4」であり、先端関節330_4のための回動軸が「先端回動軸O4」である。なお、ロボット3は、既製品のロボットを用いずに構成されてもよい。
以上のロボット3の先端アーム324には、エンドエフェクターとして、ヘッドユニット4がネジ止め等により固定された状態で装着される。ここで、ヘッドユニット4は、ヘッドユニット4の先端回動軸O4まわりのモーメントを小さくするように構成される。
具体的には、ヘッド4aがインクを吐出する方向である吐出方向にみて、先端回動軸O4がヘッド4aの重心G1と駆動基板4bの重心G2との間に位置する。図3に示す例では、ヘッド4aがインクを吐出する方向である吐出方向にみて、先端回動軸O4がヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置する。また、先端回動軸O4に沿う方向にみて、先端回動軸O4がヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置する。
ここで、ヘッドユニット4の先端回動軸O4まわりのモーメントを小さくする観点から、先端回動軸O4に沿う方向にみて、先端回動軸O4は、重心G1と重心G2とを結ぶ線分LS1に近いことが好ましい。また、同様の観点から、先端回動軸O4と重心G1との間の距離L1と、先端回動軸O4と重心G2との間の距離L2と、のそれぞれは、可能な限り小さいことが好ましい。
距離L1、L2の大小関係は、ヘッド4aおよび駆動基板4bの質量の大小関係に応じて決められることが好ましい。すなわち、ヘッド4aの質量が駆動基板4bの質量よりも大きい場合、距離L1は距離L2よりも短い。一方、ヘッド4aの質量が駆動基板4bの質量よりも小さい場合、距離L1は距離L2よりも長いことが好ましい。
1-4.ヘッドユニット
図4は、第1実施形態に用いるヘッドユニット4の斜視図である。以下の説明は、便宜上、互いに交差するa軸、b軸およびc軸を適宜に用いて行う。また、以下の説明では、a軸に沿う一方向がa1方向であり、a1方向と反対の方向がa2方向である。同様に、b軸に沿って互いに反対の方向がb1方向およびb2方向である。また、c軸に沿って互いに反対の方向がc1方向およびc2方向である。
ここで、a軸、b軸およびc軸は、ヘッドユニット4に設定されるツール座標系の座標軸に相当し、前述のロボット3の動作により前述のワールド座標系またはロボット座標系との相対的な位置および姿勢の関係が変化する。図4に示す例では、a軸が前述の先端回動軸O4に直交する軸である。なお、a軸、b軸およびc軸は、典型的には互いに直交するが、これに限定されず、例えば、80°以上100°以下の範囲内の角度で交差すればよい。なお、ツール座標系とベース座標系またはロボット座標系とは、キャリブレーションにより対応付けされる。
ツール座標系は、ツールセンターポイントを基準として設定される。したがって、ヘッド4aの位置および姿勢は、ツールセンターポイントを基準として規定される。例えば、ツールセンターポイントは、後述のノズル面FNの中心に配置されてもよいし、ヘッド4aからインクの吐出方向DEに間隔を隔てた空間に配置されてもよい。
ヘッドユニット4は、前述のヘッド4aおよび駆動基板4bのほか、ヘッド4aおよび駆動基板4bを支持する支持体4cを有する。なお、ヘッドユニット4は、ヘッド4a、駆動基板4bおよび支持体4c以外の構成要素を含んでもよい。例えば、紫外線硬化性を有するインクを用いる場合、ヘッドユニット4が当該インクの硬化のための光源を含んでもよい。
支持体4cは、例えば、金属材料等で構成されており、実質的な剛体である。なお、図4では、支持体4cがb軸に沿う方向に延びるとともにa軸に沿う方向を厚さ方向とする長尺板状をなすが、支持体4cの形状は、特に限定されず、任意である。また、支持体4cは、必要に応じて設けられ、省略されてもよい。支持体4cが省略される場合、例えば、ヘッド4aおよび駆動基板4bが先端アーム324に直接にネジ留め等により固定されてもよい。
以上の支持体4cは、先端アーム324に装着される。したがって、ヘッド4aおよび駆動基板4bが支持体4cにより一括して先端アーム324に支持される。このため、先端アーム324に対するヘッド4aおよび駆動基板4bのそれぞれの相対的な位置が固定される。図4に示す例では、ヘッド4aおよび駆動基板4bがb軸に沿う方向に並ぶ。そして、先端回動軸O4に対して、b2方向の位置にヘッド4aが配置され、b1方向の位置に駆動基板4bが配置される。
ヘッド4aは、ノズル面FNを有する。ノズル面FNは、複数のノズルNが貫通孔として設けられる後述のノズル板18cおよびこれと略同一平面上に配置される部材の面で構成される。図4に示す例では、ノズル面FNの法線に沿う方向、すなわちノズルNからのインクの吐出方向DEがc2方向である。
図4に示す例では、ヘッド4aが4個のヘッドチップ4a1を有する。当該4個のヘッドチップ4a1は、b軸に沿う方向に互いに並ぶ2個のヘッドチップ4a1と、当該2個のヘッドチップ4a1に対してa軸に沿う方向に並ぶとともに、b軸に沿う方向に互いに並ぶ2個のヘッドチップ4a1と、で構成される。なお、ヘッド4aの有するヘッドチップ4a1の数は、図4に示す例に限定されず、1個以上3個以下でもよいし、5個以上でもよい。また、複数のヘッドチップ4a1の配置は、図4に示す例に限定されず任意である。
各ヘッドチップ4a1は、複数のノズルNを有する。当該複数のノズルNは、a軸に沿う方向に互いに間隔をあけて並ぶノズル列NL1とノズル列NL2とに区分される。ノズル列NL1およびノズル列NL2のそれぞれは、b軸に沿う方向である配列方向DNに直線状に配列される複数のノズルNの集合である。ここで、ヘッド4aの複数のノズルNの配列方向DNは、先端回動軸O4と交差する方向である。なお、ノズル列NL1およびノズル列NL2のうちの一方の各ノズルNに関連する要素が省略されてもよい。
図5は、ヘッドチップ4a1の構成例を示す断面図である。図5に示すように、ヘッドチップ4a1は、流路基板18aと圧力室基板18bとノズル板18cと吸振体18dと振動板18eと複数の駆動素子Ea、Ebとカバー18gとケース18hと配線基板18iと駆動回路18jとを有する。
流路基板18aおよび圧力室基板18bは、この順でc1方向に積層されており、複数のノズルNにインクを供給するための流路を形成する。流路基板18aおよび圧力室基板18bからなる積層体よりもc1方向に位置する領域には、振動板18eと複数の駆動素子Ea、Ebとカバー18gとケース18hと配線基板18iと駆動回路18jとが設置される。他方、当該積層体よりもc2方向に位置する領域には、ノズル板18cと吸振体18dとが設置される。ヘッドチップ4a1の各要素は、概略的にはb軸に沿う方向に長尺な板状部材であり、例えば接着剤または直接接合等により、互いに接合される。以下、ヘッドチップ4a1の各要素を順に説明する。
ノズル板18cは、ノズル列NL1およびノズル列NL2のそれぞれの複数のノズルNが設けられた板状部材である。複数のノズルNのそれぞれは、インクを通過させる貫通孔である。ノズル板18cは、例えば、ドライエッチングまたはウェットエッチング等の加工技術を用いる半導体製造技術によりシリコン単結晶基板を加工することにより製造される。
流路基板18aには、ノズル列NL1およびノズル列NL2のそれぞれについて、空間R1a、R1bと複数の供給流路RRa、RRbと複数の連通流路NRa、NRbとが設けられる。空間R1a、R1bのそれぞれは、Z軸に沿う方向でみた平面視で、Y軸に沿う方向に延びる長尺状の開口である。供給流路RRa、RRbおよび連通流路NRa、NRbのそれぞれは、ノズルNごとに形成された貫通孔である。各供給流路RRaは、空間R1aに連通する。各供給流路RRbは、空間R1bに連通する。
圧力室基板18bは、複数の圧力室Caおよび複数の圧力室Cbが設けられた板状部材である。複数の圧力室Caは、Y軸に沿う方向に配列される。同様に、複数の圧力室Cbは、Y軸に沿う方向に配列される。各圧力室Caは、ノズル列NL1のノズルNごとに形成され、平面視でX軸に沿う方向に延びる長尺状の空間である。同様に、各圧力室Cbは、ノズル列NL2のノズルNごとに形成され、平面視でX軸に沿う方向に延びる長尺状の空間である。流路基板18aおよび圧力室基板18bそれぞれは、前述のノズル板18cと同様に、例えば、半導体製造技術によりシリコン単結晶基板を加工することにより製造される。
圧力室Caは、連通流路NRaおよび供給流路RRaのそれぞれに連通する。したがって、圧力室Caは、連通流路NRaを介してノズル列NL1のノズルNに連通し、かつ、供給流路RRaを介して空間R1aに連通する。同様に、圧力室Cbは、連通流路NRbおよび供給流路RRbのそれぞれに連通する。したがって、圧力室Cbは、連通流路NRbを介してノズル列NL2のノズルNに連通し、かつ、供給流路RRbを介して空間R1bに連通する。
圧力室基板18bのZ1方向を向く面には、振動板18eが配置される。振動板18eは、弾性的に振動可能な板状部材である。振動板18eは、例えば、酸化シリコン(SiO)で構成される弾性膜と、酸化ジルコニウム(ZrO)で構成される絶縁膜とを有し、これらがこの順でc1方向に積層される。当該弾性膜は、例えば、シリコン単結晶基板の一方の面を熱酸化することにより形成される。当該絶縁膜は、例えば、スパッタ法によりジルコニウムの層を形成し、当該層を熱酸化することにより形成される。なお、振動板18eは、前述の構成に限定されず、例えば、単層で構成されてもよいし、3層以上で構成されてもよい。
振動板18eのc1方向を向く面には、複数の駆動素子Eaおよび複数の駆動素子Ebが配置される。駆動素子Ea、Ebのそれぞれは、駆動信号の供給により変形する受動素子である。駆動素子Ea、Ebのそれぞれは、平面視でa軸に沿う方向に延びる長尺状をなす。複数の駆動素子Eaは、複数の圧力室Caに対応するようにb軸に沿う方向に配列される。同様に、複数の駆動素子Ebは、複数の圧力室Cbに対応するようにb軸に沿う方向に配列される。
駆動素子Ea、Ebのそれぞれは、図示しないが、第1電極と圧電体層と第2電極とを有し、この順でこれらがZ1方向に積層される。第1電極および第2電極のうちの一方の電極は、駆動素子Eaごとまたは駆動素子Ebごとに互いに離間して配置される個別電極であり、当該一方の電極には、駆動信号が印加される。第1電極および第2電極のうちの他方の電極は、複数の駆動素子Eaまたは複数の駆動素子Ebにわたり連続するようにY軸に沿う方向に延びる帯状の共通電極であり、当該他方の電極には、所定の基準電位が供給される。これらの電極の金属材料としては、例えば、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銅(Cu)等の金属材料が挙げられ、これらのうち、1種を単独でまたは2種以上を合金または積層等の態様で組み合わせて用いることができる。圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)等の圧電材料で構成されており、例えば、複数の駆動素子Eaまたは複数の駆動素子Ebにわたり連続するようにY軸に沿う方向に延びる帯状をなす。ただし、圧電体層は、駆動素子Eaごとまたは駆動素子Ebごとに個別に設けられてもよい。以上の駆動素子Eaの変形に連動して振動板18eが振動すると、圧力室Ca内の圧力が変動することで、インクがノズル列NL1のノズルNから噴射される。同様に、駆動素子Ebの変形に連動して振動板18eが振動すると、圧力室Cb内の圧力が変動することで、インクがノズル列NL2のノズルNから噴射される。なお、駆動素子として、当該駆動素子Ea、Ebに代えて、圧力室Ca、Cb内のインクを加熱する発熱素子を用いてもよい。
カバー18gは、振動板18eのZ1方向を向く面に設置される板状部材であり、複数の駆動素子Eaおよび複数の駆動素子Ebを保護するとともに振動板18eの機械的な強度を補強する。ここで、カバー18gと振動板18eとの間には、複数の駆動素子Eaおよび複数の駆動素子Ebが収容される。カバー18gは、例えば、樹脂材料で構成される。
ケース18hは、複数の圧力室Caおよび複数の圧力室Cbに供給されるインクを貯留するためのケースである。ケース18hは、例えば、樹脂材料で構成される。ケース18hには、空間R2a、R2b、導入口Ra_in、Rb_inおよび排出口Ra_out、Rb_outが設けられる。空間R2aは、前述の空間R1aに連通する空間であり、空間R1aとともに、複数の圧力室Caに供給されるインクを貯留するリザーバーである液体貯留室Raとして機能する。液体貯留室Ra内のインクは、各供給流路RRaを介して圧力室Caに供給される。同様に、空間R2bは、前述の空間R1bに連通する空間であり、空間R1bとともに、複数の圧力室Cbに供給されるインクを貯留するリザーバーである液体貯留室Rbとして機能する。液体貯留室Rb内のインクは、各供給流路RRbを介して圧力室Cbに供給される。
吸振体18dは、コンプライアンス基板とも称され、液体貯留室Ra、Rbの壁面を構成する可撓性の樹脂フィルムであり、液体貯留室Ra、Rb内のインクの圧力変動を吸収する。なお、吸振体18dは、金属製の可撓性を有する薄板であってもよい。吸振体18dのZ1方向を向く面は、流路基板18aに接着剤等により接合される。
配線基板18iは、振動板18eのc1方向を向く面に実装されており、駆動基板4bとヘッドチップ4a1とを電気的に接続するための実装部品である。配線基板18iは、例えば、COF(Chip On Film)、FPC(Flexible Printed Circuit)またはFFC(Flexible Flat Cable)等の可撓性の配線基板である。本実施形態の配線基板18iには、前述のスイッチ回路4a2が実装される。スイッチ回路4a2は、制御信号SIに基づいて、各駆動素子Ea、Ebに駆動信号Comを駆動パルスPDとして供給する。
以上のヘッドチップ4a1には、図示しない圧力調整弁を介して、図示しないインクタンクからインクが供給される。圧力調整弁は、ヘッドチップ4a1内のインクの圧力に応じて開閉する弁機構である。この開閉により、ヘッドチップ4a1と前述の図示しないインクタンクとの位置関係が変化しても、ヘッドチップ4a1内のインクの圧力が所定範囲内の負圧に維持される。なお、圧力調整弁は、ヘッドチップ4a1ごとに設けられてもよいし、1個の圧力調整弁から複数のヘッドチップ4a1に分岐流路を介してインクを分配するように構成されてもよい。また、圧力調整弁は、ヘッド4aの構成要素であってもよいし、ヘッド4aとは別のヘッドユニット4の構成要素であってもよい。
図4に示す駆動基板4bは、前述の図2に示す回路を構成する電子部品および配線基板で構成される。
1-5.印刷動作
図6は、第1実施形態に係る立体物印刷装置1の印刷動作の一例を示すフローチャートである。立体物印刷装置1は、印刷動作S10を実行する。図6に示す例では、印刷動作S10は、前述のワークWの天面Wcに印刷を行う天面印刷S11と、ワークWの側面Wsに印刷を行う側面印刷S12と、を含む。天面印刷S11および側面印刷S12の実行順は、任意である。以下、天面印刷S11および側面印刷S12について順に説明する。
図7は、第1実施形態に係る立体物印刷装置1の天面印刷S11を説明するための図である。天面印刷S11では、ロボット3がワークWに対するヘッド4aの位置を変化させつつ、ヘッド4aがワークWの天面Wcに向けてインクを吐出する。このとき、ノズル面FNが天面Wcに対向しており、複数のノズルNの配列方向DNおよび吐出方向DEに交差する方向DSに、ヘッド4aが移動する。ここで、ヘッド4aの配列方向DNと方向DSとのなす角度を一定に保つように、第1関節330_1、第2関節330_2、第3関節330_3の動作により、ヘッド4aが方向DSに移動する。この間、先端関節330_4は動作させなくてもよい。
図7に示す例では、吐出方向DEがZ2方向であり、配列方向DNがX軸に沿う方向であり、方向DSがY軸に沿う方向である。
ここで、天面印刷S11では、ヘッド4aと駆動基板4bとが第3軸O3に交差する方向に並ぶ状態で、ロボット3がワークWに対するヘッド4aの位置を変化させつつ、ヘッド4aがワークWに向けてインクを吐出する。また、天面印刷S11の実行中において、ヘッド4aが駆動基板4bに対して水平方向に並んで位置する。このように、天面印刷S11の実行中において、ヘッドユニット4の姿勢は、駆動基板4bに対して鉛直上方にヘッド4aが位置しない姿勢である。
ここで、第3アーム323の長さL3は、最大長よりも短く、好ましくは、例えば、最大長に対して50%未満の長さである。すなわち、天面印刷S11での第3アーム323の伸縮率は、50%未満であることが好ましい。これにより、側面印刷S12のための第3アーム323の伸長の余地を残すことができる。
図8は、第1実施形態に係る立体物印刷装置1の側面印刷S12を説明するための図である。側面印刷S12では、ロボット3がワークWに対するヘッド4aの位置を変化させつつ、ヘッド4aがワークWの側面Wsに向けてインクを吐出する。このとき、ノズル面FNが側面Wsに対向しており、複数のノズルNの配列方向DNおよび吐出方向DEに交差する方向DSに、ヘッド4aが移動する。ここで、ヘッド4aの配列方向DNと方向DSとのなす角度を一定に保つように、第1関節330_1、第2関節330_2、第3関節330_3の動作により、ヘッド4aが方向DSに移動する。この間、先端関節330_4は動作させなくてもよい。
図8に示す例では、吐出方向DEがX1方向であり、配列方向DNがZ軸に沿う方向であり、方向DSがY軸に沿う方向である。図8では、4個の側面Wsのうち、X2方向を向く側面Wsに印刷を行う場合が例示される。
ここで、側面印刷S12では、ヘッド4aと駆動基板4bとが第3軸O3に沿う方向に並ぶ状態で、ロボット3がワークWに対するヘッド4aの位置を変化させつつ、ヘッド4aがワークWに向けてインクを吐出する。また、側面印刷S12の実行中において、ヘッド4aが駆動基板4bに対して鉛直下方に並んで位置する。このように、側面印刷S12の実行中において、ヘッドユニット4の姿勢は、駆動基板4bに対して鉛直上方にヘッド4aが位置しない姿勢である。
ここで、第3アーム323の長さL3は、好ましくは、最大長に対して50%以上の長さである。すなわち、側面印刷S12での第3アーム323の伸縮率は、50%以上であることが好ましい。これにより、第3アーム323の伸縮機能を好適に利用して、側面Wsの印刷を行うことができる。
以上のような天面印刷S11および側面印刷S12を順に実行する場合、天面印刷S11および側面印刷S12のうちの一方の印刷の終了から他方の印刷の開始までの間の期間において、ヘッドユニット4の先端回動軸O4まわりの姿勢が90°変化する。ここで、吐出方向DEにみて、先端回動軸O4がヘッド4aの重心G1と駆動基板4bの重心G2との間に位置しない構成では、このような姿勢の変化に起因してヘッドユニット4に不要な振動が生じやすいので、当該他方の印刷の開始を遅くする必要があったり、当該他方の印刷の画質低下を招いたりする。これに対し、本実施形態のように、吐出方向DEにみて、先端回動軸O4がヘッド4aの重心G1と駆動基板4bの重心G2との間に位置する構成では、このような姿勢の変化に起因するヘッドユニット4の不要な振動を低減することができる。このため、当該他方の印刷の画質低下を招くことなく、当該他方の印刷を迅速に開始することができる。
また、天面印刷S11および側面印刷S12のそれぞれにおいて、ワークWの一部に粘着テープが貼られている場合、ヘッド4aが当該粘着テープ上を通過する際には、ヘッド4aとワークWとの距離を印刷時に比べて大きくすることが好ましい。これにより、当該粘着テープが捲れている場合であっても、当該粘着テープの粘着面とヘッド4aとの接触を抑制することができる。
以上の立体物印刷装置1は、前述のように、ヘッドユニット4とロボット3とを備える。ヘッドユニット4は、「液体」の一例であるインクをワークWに向けて吐出するヘッド4aと、ヘッド4aを駆動する駆動信号Comを生成する駆動基板4bと、を含む。ロボット3は、ヘッドユニット4を支持する先端アーム324と、先端アーム324に設けられ、ヘッドユニット4を先端回動軸O4まわりに回動させる先端関節330_4と、を有し、ワークWに対するヘッド4aの位置および姿勢を変化させる。
そのうえで、ヘッド4aがインクを吐出する方向である吐出方向DEにみて、先端回動軸O4は、ヘッド4aの重心G1と駆動基板4bの重心G2との間に位置する。本実施形態では、吐出方向DEにみて、先端回動軸O4は、ヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置する。
以上の立体物印刷装置1では、ロボット3のエンドエフェクターであるヘッドユニット4がヘッド4aおよび駆動基板4bを含むので、ヘッド4aと駆動基板4bとを電気的に接続する配線11、12をロボット3の周囲に引き回す必要がないだけでなく、配線11、12を短くすることができる。このため、配線12の配線長による駆動信号Comの減衰を低減することができる。そのうえで、吐出方向DEにみて先端回動軸O4がヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置するので、ヘッドユニット4の重心を先端回動軸O4に近づけることができる。これにより、ヘッドユニット4の先端回動軸O4まわりの回転運動において、駆動基板4bがヘッド4aのカウンターウエイトとして機能する。このため、ロボット3の先端関節330_4の負荷を低減することにより、ロボット3の信頼性を向上させたり、ヘッドユニット4の意図しない先端回動軸O4まわりの回転運動を抑制し、印刷動作の実行中のヘッドユニット4の振動を低減することにより、印刷品質を高めたりすることができる。
なお、本実施形態では、吐出方向DEにみて、先端回動軸O4は、ヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置するが、吐出方向DEにみて、先端回動軸O4は、ヘッド4aの重心G1と駆動基板4bの重心G2との間に位置していればよい。したがって、吐出方向DEにみて、先端回動軸O4は、ヘッド4aの重心G1と駆動基板4bの重心G2との間に位置していれば、吐出方向DEにみてヘッド4aおよび駆動基板4bの一部同士が重なってもよい。
また、本実施形態においては、駆動基板4bが、タイミング信号生成回路4b1と電源回路4b2と制御回路4b3と駆動信号生成回路4b4とをいずれも有する構成としたが、本発明はこれに限定されない。他の例として、本発明における駆動基板4bは、タイミング信号生成回路4b1と電源回路4b2と制御回路4b3と駆動信号生成回路4b4との少なくとも1つを有していればよく、特に電源回路4b2などは、ヘッドユニット4の外部に設けられた他の基板によって実現されてもよい。しかしながら、配線12の配線長による駆動信号Comの減衰を低減する観点から、ヘッドユニット4に設けられた駆動基板4bは少なくとも駆動信号生成回路4b4を有していることが好ましい。また、信号の遅延を低減する観点から、ヘッドユニット4に設けられた駆動基板4bが、駆動信号生成回路4b4に加え、タイミング信号生成回路4b1と制御回路4b3との少なくとも一方または両方を有していることがさらに好ましい。
本実施形態では、前述のように、先端回動軸O4に沿う方向にみて、先端回動軸O4がヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置する。このため、ヘッドユニット4の重心を先端回動軸O4に好適に近づけることができる。
また、前述のように、ヘッド4aは、インクを吐出する複数のノズルNと、複数のノズルNに対応し、ノズルNに連通する複数の圧力室Ca、Cbと、複数の圧力室Ca、Cbに対応し、圧力室Ca、Cbの圧力を変化させる複数の駆動素子Ea、Ebと、を有する。そして、駆動信号Comは、複数の駆動素子Ea、Ebに供給されるパルス信号である。パルス信号は、伝送経路の長尺化により、波形が崩れたりノイズの混入による影響を受けたりしやすい。そこで、駆動信号Comとして用いるパルス信号がヘッドユニット4の内部で生成される。これにより、パルス信号をヘッドユニット4の外部で生成する構成に比べて、パルス信号の伝送経路を短くすることにより、パルス信号の波形の崩れおよびノイズの混入を低減することができる。
さらに、前述のように、ヘッド4aの複数のノズルNの配列方向DNは、先端回動軸O4と交差する方向である。複数のノズルNの配列方向DNと先端回動軸O4とが交差する構成では、これらが平行な構成に比べて距離L1が大きくなるため、ヘッド4aを先端回動軸O4まわりに回動させたときの慣性モーメントが大きい。したがって、複数のノズルNの配列方向DNと先端回動軸O4とが交差する構成では、駆動基板4bをカウンターウエイトとして用いることによる効果が顕著となる。
また、前述のように、ロボット3は、基部310と第1アーム321と第2アーム322と第3アーム323と先端アーム324とを有する。ここで、基部310および第1アーム321は、第1軸O1まわりに回動可能な第1関節330_1を介して互いに接続する。第1アーム321および第2アーム322は、第1軸O1と平行な第2軸O2まわりに回動可能な第2関節330_2を介して互いに接続する。第2アーム322および第3アーム323は、第2軸O2と平行な第3軸O3まわりに回動可能な第3関節330_3を介して互いに接続する。第3アーム323および先端アーム324は、先端回動軸O4まわりに回動可能な先端関節330_4を介して互いに接続する。第3関節330_3は、第3軸O3に沿う方向に伸縮可能である。第1軸O1および先端回動軸O4は、互いに交差する。以上の構成のロボット3では、スカラロボットを用いてロボット3を構成することができる。
さらに、前述のように、立体物印刷装置1は、印刷動作S10を実行する。印刷動作S10では、ヘッド4aと駆動基板4bとが第3軸O3に沿う方向に並ぶ状態で、ロボット3がワークWに対するヘッド4aの位置を変化させつつ、ヘッド4aがワークWに向けてインクを吐出する。このため、第3アーム323を延長した位置にヘッド4aを配置した状態で印刷動作S10を実行することができる。この結果、印刷範囲を広げることができる。
ここで、前述のように、印刷動作S10の実行中(具体的には、側面印刷S12の実行中)において、第3関節330_3の伸長率が50%以上である場合、印刷範囲を広げることができる。
また、前述のように、印刷動作S10の実行中(具体的には、天面印刷S11および側面印刷S12の実行中)において、ヘッドユニット4の姿勢は、駆動基板4bに対して鉛直上方にヘッド4aが位置しない姿勢である。このため、仮にヘッド4aからインクが漏出しても、その漏出によるインクが駆動基板4bに到達することが防止される。
2.第2実施形態
以下、本開示の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9は、第2実施形態に係る立体物印刷装置1Aの概略図である。立体物印刷装置1Aは、ロボット3に代えてロボット3Aを備えること以外は、前述の第1実施形態の立体物印刷装置1と同様に構成される。
ロボット3Aは、いわゆる6軸の垂直多関節ロボットである。図8に示すように、ロボット3Aは、基部310Aと腕部320Aとを有する。
基部310Aは、腕部320Aを支持する台である。図8に示す例では、基部310Aは、Z1方向を向く床面または基台等の設置面にネジ止め等により固定される。なお、基部310Aが固定される設置面は、いかなる方向を向く面でもよく、図8に示す例に限定されず、例えば、壁、天井、移動可能な台車等が有する面でもよい。
腕部320Aは、基部310Aに取り付けられる基端E1Aと、基端E1Aに対して3次元的に位置および姿勢を変化させる先端E2Aと、を有する6軸のロボットアームである。具体的には、腕部320Aは、リンクとも称されるアーム321A、322A、323A、324A、325Aおよび先端アーム326Aを有し、これらがこの順に連結される。
アーム321Aは、基部310Aに対して第1軸O1Aまわりに回動可能に関節330A_1を介して連結される。アーム322Aは、アーム321Aに対して第2軸O2Aまわりに回動可能に関節330A_2を介して連結される。アーム323Aは、アーム322Aに対して第3軸O3Aまわりに回動可能に関節330A_3を介して連結される。アーム324Aは、アーム323Aに対して第4軸O4Aまわりに回動可能に関節330A_4を介して連結される。アーム325Aは、アーム324Aに対して第5軸O5Aまわりに回動可能に関節330A_5を介して連結される。先端アーム326Aは、アーム325Aに対して先端回動軸O6Aまわりに回動可能に先端関節330A_6を介して連結される。
関節330A_1~330A_5および先端関節330A_6のそれぞれは、基部310A、アーム321A~325Aおよび先端アーム326Aのうち互いに隣り合う2つの部材の一方を他方に対して回動可能に連結する機構である。なお、以下では、関節330A_1~330A_5および先端関節330A_6のそれぞれを「関節330A」という場合がある。
図1では図示しないが、関節330Aには、対応する当該互いに隣り合う2つの部材の一方を他方に対して回動させる駆動機構が設けられる。当該駆動機構は、例えば、当該回動のための駆動力を発生させるモーターと、当該駆動力を減速して出力する減速機と、当該回動の角度等の動作量を検出するロータリーエンコーダー等のエンコーダーと、を有する。
第1軸O1Aは、基部310Aが固定される図示しない設置面に対して垂直な軸である。第2軸O2Aは、第1軸O1Aに対して垂直な軸である。第3軸O3Aは、第2軸O2Aに対して平行な軸である。第4軸O4Aは、第3軸O3Aに対して垂直な軸である。第5軸O5Aは、第4軸O4Aに対して垂直な軸である。先端回動軸O6Aは、第5軸O5Aに対して垂直な軸である。
以上のロボット3Aの先端アーム326Aには、エンドエフェクターとして、ヘッドユニット4がネジ止め等により固定された状態で装着される。ここで、ヘッドユニット4は、ヘッドユニット4の先端回動軸O6Aまわりのモーメントを小さくするように構成される。
図10は、第2実施形態に用いるヘッドユニット4と先端回動軸O6Aとの位置関係を説明するための図である。図10に示すように、ヘッド4aがインクを吐出する方向である吐出方向にみて、先端回動軸O6Aがヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置する。ここで、先端アーム326Aには、例えば、支持体4cがネジ留め等により固定される。
以上の構成の立体物印刷装置1Aでは、例えば、印刷時にヘッドユニット4をY1方向またはY2方向に走査する場合、ヘッドユニット4の姿勢を保つように、先端関節330A_6の駆動が制御されることにより、ヘッドユニット4が先端回動軸O6Aまわりに回動する。なお、他の例として、図9に示すロボット3Aの姿勢において、X軸およびY軸と平行にヘッドユニット4を走査することもできる。例えば、印刷時にヘッドユニット4をX2方向に走査する場合、先端関節330A_6を駆動させずに済むが、前述のように、吐出方向にみて先端回動軸O6Aがヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置する構成は、駆動する他の関節からの振動に起因するヘッドユニット4の不要な振動を抑制する観点から有用である。
以上の第2実施形態によっても、ロボット3Aの信頼性を向上させたり、印刷動作の実行中のヘッドユニット4の振動を低減することにより、印刷品質を高めたりすることができる。本実施形態では、前述のように、ロボット3AがワークWに対するヘッド4aの位置を変化させつつ、ヘッド4aがワークWに向けてインクを吐出する印刷動作の実行中において、先端関節330A_6が駆動する。印刷動作の実行中に先端関節330A_6が駆動する構成では、そうでない構成に比べて、駆動基板4bをカウンターウエイトとして用いることによる効果が顕著となる。
5.変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
5-1.変形例1
図11は、変形例に係る立体物印刷装置1Bの概略図である。立体物印刷装置1Bは、ヘッドユニット4に代えてヘッドユニット4Bを備えること以外は、第1実施形態の立体物印刷装置1と同様に構成される。ヘッドユニット4Bは、支持体4cに代えて支持体4dを備えること以外は、第1実施形態のヘッドユニット4と同様に構成される。支持体4dは、先端回動軸O4と重心G1、G2との位置関係が異なること以外は、第1実施形態の支持体4cと同様に構成される。
図11に示す例では、先端回動軸O4に沿う方向にみて、先端回動軸O4がヘッド4aおよび駆動基板4bよりもZ1方向に位置する。ただし、吐出方向DEにみて、先端回動軸O4は、ヘッド4aと駆動基板4bとの間に位置する。以上の変形例1によっても、ロボット3の先端関節330_4の負荷を低減することにより、ロボット3の信頼性を向上させたり、印刷動作の実行中のヘッドユニット4の振動を低減することにより、印刷品質を高めたりすることができる。
5-2.変形例2
前述の形態では、ロボットとして4軸または6軸の多関節ロボットを用いる構成が例示されるが、当該構成に限定されない。ロボットは、例えば、4軸または6軸以外の多関節ロボットでもよい。
ここで、エンドエフェクターが関節機能を有する場合、エンドエフェクターは、ロボットの構成要素の一部である。また、ロボットの有する複数の関節のうち、回動のための最も先端の関節が先端関節に相当し、当該先端関節の回動のための軸が先端回動軸に相当する。
5-3.変形例3
前述の形態では、ロボットに対するヘッドの固定方法としてネジ止め等を用いる構成が例示されるが、当該構成に限定されない。例えば、ロボットのエンドエフェクターとして装着されるハンド等の把持機構によりヘッドを把持することにより、ロボットに対してヘッドを固定してもよい。
5-4.変形例4
前述の形態では、1種類のインクを用いて印刷を行う構成が例示されるが、当該構成に限定されず、2種以上のインクを用いて印刷を行う構成にも本開示を適用することができる。
5-5.変形例5
本開示の立体物印刷装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する立体物印刷装置は、液晶表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する立体物印刷装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、立体物印刷装置は、接着剤等の液体を媒体に塗布するジェットディスペンサーとしても利用できる。
1…立体物印刷装置、1A…立体物印刷装置、1B…立体物印刷装置、2…フレーム、3…ロボット、3A…ロボット、3a…アーム駆動機構、4…ヘッドユニット、4B…ヘッドユニット、4a…ヘッド、4a1…ヘッドチップ、4a2…スイッチ回路、4b…駆動基板、4b1…タイミング信号生成回路、4b2…電源回路、4b3…制御回路、4b4…駆動信号生成回路、4c…支持体、4d…支持体、5…搬送機構、6…コントローラー、6a…記憶回路、6b…処理回路、7…コンピューター、18a…流路基板、18b…圧力室基板、18c…ノズル板、18d…吸振体、18e…振動板、18g…カバー、18h…ケース、18i…配線基板、18j…駆動回路、310…基部、310A…基部、320…腕部、320A…腕部、321…第1アーム、321A…アーム、322…第2アーム、322A…アーム、323…第3アーム、323A…アーム、324…先端アーム、324A…アーム、325A…アーム、326A…先端アーム、330…関節、330A…関節、330A_1…関節、330A_2…関節、330A_3…関節、330A_4…関節、330A_5…関節、330A_6…先端関節、330_1…第1関節、330_2…第2関節、330_3…第3関節、330_4…先端関節、CLK…クロック信号、CNG…チェンジ信号、Ca…圧力室、Cb…圧力室、Com…駆動信号、DE…吐出方向、DN…配列方向、DS…方向、DT…信号、Da…印刷経路情報、De1…出力、E1…基端、E1A…基端、E2…先端、E2A…先端、Ea…駆動素子、Eb…駆動素子、FN…ノズル面、G1…重心、G2…重心、Img…印刷データ、L1…距離、L2…距離、LAT…ラッチ信号、LS1…線分、N…ノズル、NL1…ノズル列、NL2…ノズル列、NRa…連通流路、NRb…連通流路、O1…第1軸、O1A…第1軸、O2…第2軸、O2A…第2軸、O3…第3軸、O3A…第3軸、O4…先端回動軸、O4A…第4軸、O5A…第5軸、O6A…先端回動軸、PD…駆動パルス、PTS…タイミング信号、R1a…空間、R1b…空間、R2a…空間、R2b…空間、RRa…供給流路、RRb…供給流路、Ra…液体貯留室、Ra_in…導入口、Ra_out…排出口、Rb…液体貯留室、S10…印刷動作、S11…天面印刷、S12…側面印刷、SI…制御信号、Sk1…制御信号、VBS…オフセット電位、VHV…電源電位、W…ワーク、Wc…天面、Ws…側面、dCom…波形指定信号。

Claims (10)

  1. ワークに向けて液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドを駆動する駆動信号を生成する駆動基板と、を含むヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットを支持する先端アームと、前記先端アームに設けられ、前記ヘッドユニットを先端回動軸まわりに回動させる先端関節と、を有し、前記ワークに対する前記ヘッドの位置および姿勢を変化させるロボットと、を備え、
    前記ヘッドが液体を吐出する方向である吐出方向にみて、前記先端回動軸は、前記ヘッドと前記駆動基板との間に位置する、
    ことを特徴とする立体物印刷装置。
  2. 前記先端回動軸に沿う方向にみて、前記先端回動軸が前記ヘッドと前記駆動基板との間に位置する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体物印刷装置。
  3. 前記ヘッドは、
    液体を吐出する複数のノズルと、
    前記複数のノズルに対応し、ノズルに連通する複数の圧力室と、
    前記複数の圧力室に対応し、圧力室の圧力を変化させる複数の駆動素子と、を有し、
    前記駆動信号は、前記複数の駆動素子に供給されるパルス信号である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体物印刷装置。
  4. 前記ヘッドは、液体を吐出する複数のノズルを有しており、
    前記複数のノズルの配列方向は、前記先端回動軸と交差する方向である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体物印刷装置。
  5. 前記ロボットが前記ワークに対する前記ヘッドの位置を変化させつつ、前記ヘッドが前記ワークに向けて液体を吐出する印刷動作の実行中において、前記先端関節が前記先端回動軸まわりに回動する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の立体物印刷装置。
  6. 前記ロボットは、基部と第1アームと第2アームと第3アームとをさらに有し、
    前記基部および前記第1アームは、第1軸まわりに回動可能な第1関節を介して互いに接続し、
    前記第1アームおよび前記第2アームは、前記第1軸と平行な第2軸まわりに回動可能な第2関節を介して互いに接続し、
    前記第2アームおよび前記第3アームは、前記第2軸と平行な第3軸まわりに回動可能な第3関節を介して互いに接続し、
    前記第3アームおよび前記先端アームは、前記先端回動軸まわりに回動可能な前記先端関節を介して互いに接続し、
    前記第3関節は、前記第3軸に沿う方向に伸縮可能であり、
    前記第1軸および前記先端回動軸は、互いに交差する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の立体物印刷装置。
  7. 前記ヘッドと前記駆動基板とが前記第3軸に沿う方向に並ぶ状態で、前記ロボットが前記ワークに対する前記ヘッドの位置を変化させつつ、前記ヘッドが前記ワークに向けて液体を吐出する印刷動作を実行する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の立体物印刷装置。
  8. 前記印刷動作の実行中において、前記第3関節の伸長率が50%以上である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の立体物印刷装置。
  9. 前記ロボットが前記ワークに対する前記ヘッドの位置を変化させつつ、前記ヘッドが前記ワークに向けて液体を吐出する印刷動作の実行中において、前記ヘッドユニットの姿勢は、前記駆動基板に対して鉛直上方に前記ヘッドが位置しない姿勢である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の立体物印刷装置。
  10. ワークに向けて液体を吐出するヘッドと、前記ヘッドを駆動する駆動信号を生成する駆動基板と、を含むヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットを支持する先端アームと、前記先端アームに設けられ、前記ヘッドユニットを先端回動軸まわりに回動させる先端関節と、を有し、前記ワークに対する前記ヘッドの位置および姿勢を変化させるロボットと、を備え、
    前記ヘッドが液体を吐出する方向である吐出方向にみて、前記先端回動軸は、前記ヘッドの重心と前記駆動基板の重心との間に位置する、
    ことを特徴とする立体物印刷装置。
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