JP2024025712A - 散乱フラクションの決定方法、放射線診断装置及び放射線診断システム - Google Patents

散乱フラクションの決定方法、放射線診断装置及び放射線診断システム Download PDF

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Abstract

【課題】散乱フラクションの決定の精度を向上させること。【解決手段】実施形態に係る散乱フラクションの決定方法は、放射線診断装置の散乱フラクションを決定するための方法であって、スキャンによって取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得し、エネルギースペクトルに基づいて、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定し、エネルギースペクトルに基づいて、第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがる第2のエネルギーウィンドウで発生する第2のイベント数を決定し、第1のイベント数および第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算し、リストモードデータおよびシングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成する、ことを含む。【選択図】図2A

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、散乱フラクションの決定方法、放射線診断装置及び放射線診断システムに関する。
本開示は、ポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)診断デバイスを含む核医学デバイスにおける散乱フラクションの推定および散乱補正に関する。
患者のPETスキャンにおけるコンプトン散乱は、再構成されたPET画像のコントラストを大幅に低減させ、再構成されたPET画像の画質を劣化させる。特に、コンプトン散乱は定量の精度を低減させるため、散乱補正は、高解像度でアーチファクトのない定量PET画像を作成する上で不可欠なプロセスである。さらに、散乱フラクション(散乱率)の推定は散乱補正のプロセスにおいて重要なステップであり、PETスキャナの重要な性能指標である。
従来、画像のコントラスト低減および定量的な精度損失を低減するために、多くのPET散乱補正アルゴリズムが提案されている。例えば、解析モデルベースの散乱補正アルゴリズムは、一般的に、PET/CTデータと、コンプトン散乱の物理を組み込んだスキャナの数学的モデル(例えば、Klein-仁科の式を使用)の両方を使用する。しかしながら、解析モデルベースの方法は、測定データに対する推定散乱サイノグラムのスケーリングが不適切なため、不正確な場合がある。近年のエネルギー分解能の向上およびPETデータのリストモードデータ記憶装置により、エネルギーベースの散乱補正の使用が可能になった。
米国特許出願公開第2021/0375009号明細書 米国特許出願公開第2021/0030387号明細書 米国特許出願公開第2021/0279917号明細書 米国特許出願公開第2016/0209524号明細書
"Fast Energy Dependent Scatter Correction for List-Mode PET Data", Journal of Imaging, September 30, 2021
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、散乱フラクションの決定の精度を向上させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
実施形態に係る散乱フラクションの決定方法は、放射線診断装置の散乱フラクションを決定するための方法であって、スキャンによって取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得し、前記エネルギースペクトルに基づいて、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定し、前記エネルギースペクトルに基づいて、前記第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがる第2のエネルギーウィンドウで発生する第2のイベント数を決定し、前記第1のイベント数および前記第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算し、前記リストモードデータおよび前記シングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成する、ことを含む。
図1は、光電吸収ピークウィンドウ内の散乱イベントおよび真のイベントを示す、シミュレートされたシステムの同時計数エネルギースペクトルの図である。 図2Aは、一実施形態に係る散乱フラクションの推定を実行する方法のフローチャートである。 図2Bは、一実施形態に係る散乱補正を実行する方法のフローチャートである。 図3は、他の実施形態に係る光電吸収ピークウィンドウ内の散乱イベントおよび真のイベントを示す、シミュレートされたシステムの同時計数エネルギースペクトルの図である。 図4は、一実施形態に係るポジトロン放射断層撮影(PET)スキャナの斜視図である。 図5は、一実施形態に係るPETスキャナ装置および関連したハードウェアの概略図である。
上記したように、これまで種々の散乱補正アルゴリズムが提案されてきているが、既存の散乱補正アルゴリズムは、いくつかの欠点を有する。まず、解析モデルベースの散乱補正アルゴリズムは、計算速度を向上させるために多重散乱を無視するため、しばしば精度が低下し、推定散乱サイノグラムの適切なスケーリングが困難である。さらに、エネルギーベースの散乱補正アルゴリズムは実用的であるものの、これらは一般的に精度が低くなる。
そこで、本開示では、複数の検出器を有する核医学スキャナ全体に対して、スキャナ内の各結晶に対して、および/またはスキャナ内の各結晶群に対して、検出されたシングルイベントの実用的で正確な散乱フラクション(散乱率)の推定アルゴリズムを提供する。より正確なスキャナのシングルイベントの散乱フラクションの推定によって、解析モデルベースの散乱補正を使用する際の散乱補正精度が向上する。各結晶または各結晶群に対するシングルイベントの散乱フラクションの計算を使用して、再構成プロセスにおいて散乱補正を直接実行することができる。
本開示の実施形態は、放射線診断装置の散乱フラクションを決定するための方法に関する。本方法は、放射線診断装置を使用して実行されたスキャンから取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得することと、取得されたリストモードデータから、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定することと、取得されたリストモードデータから、第2のウィンドウで発生する第2のイベント数を決定することであって、第2のエネルギーウィンドウが、第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギーにまたがる、ことと、決定された第1のイベント数および決定された第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算することと、取得されたリストモードデータおよび計算されたシングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成することと、を含む。
本開示の別の実施形態は、放射線診断装置の散乱フラクションを決定するための装置に関する。装置は、放射線診断装置を使用して実行されたスキャンから取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得し、取得されたリストモードデータから、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定し、取得されたリストモードデータから、第2のウィンドウで発生する第2のイベント数を決定し、第2のエネルギーウィンドウが、第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがり、決定された第1のイベント数および決定された第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算し、取得されたリストモードデータおよび計算されたシングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成する、ように構成された回路を含む。
本開示のさらなる実施形態は、リストモードデータを取得するために、患者のスキャンを実行するように構成された放射線診断装置を含む、システムに関する。本システムは、取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得し、取得されたリストモードデータから、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定し、取得されたリストモードデータから、第2のウィンドウで発生する第2のイベント数を決定し、第2のエネルギーウィンドウが、第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがり、決定された第1のイベント数および決定された第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算し、取得されたリストモードデータおよび計算されたシングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成する、ように構成された回路をさらに含む。
すなわち、本実施形態は、放射線診断装置に関する散乱率を決定する方法であって、スキャンによって得られたリストモードデータに基づいてエネルギースペクトルを取得し、エネルギースペクトルに基づいて、少なくとも光電吸収ピークよりも高いエネルギー帯域を含む第2のエネルギーウィンドウに含まれる第2の散乱イベント数を推定し、エネルギースペクトルに基づいて、第2のエネルギーウィンドウよりも低いエネルギー帯域を含む第1のエネルギーウィンドウに含まれる第1の散乱イベント数を推定し、第1の散乱イベント数と第2の散乱イベント数とに基づいてシングルイベントの散乱率を決定する、ことを含む。
ここで、上記した散乱率とは、スキャナや結晶等ハードウェアでどれくらいシングルイベントが散乱し得るかを指標化したものである。この散乱率を散乱線補正に直接組み込むこともでき、また、解析ベースの散乱線補正に組み込むこともできる。以下、本実施形態の詳細について説明する。
図2Aのフローチャートに示すように、一実施形態では、リストモードデータを使用して形成されたエネルギースペクトルから、偶発イベントの減算後に、スキャナ全体に対して、各結晶に対して、および/または各結晶群に対して、シングルイベントの散乱フラクションを推定する。特に、シングルイベントの散乱フラクションは、光電吸収ピークエネルギーウィンドウ内、また511keVを超える高エネルギーウィンドウ(例えば、530~580keV)などの第2のエネルギーウィンドウ内の、同時計数イベント数から推定される。本実施形態では、エネルギースペクトルの直接比較、またはエネルギースペクトルへの適合は必要ない。さらに、本実施形態では、決定されたスキャナのシングルイベントの散乱フラクションからスキャナの同時計数の散乱フラクションを計算する。一例として、スキャナにおける同時計数の散乱フラクションは、決定されたスキャナのシングルイベントの散乱フラクションから推定され、解析モデルベースの散乱補正を使用する場合に、推定された散乱サイノグラムを適切にスケーリングするために使用される。別の実施形態では、各結晶または各結晶群に対して決定されたシングルイベントの散乱フラクションを使用して、再構成プロセス中に散乱補正を直接実行する。
ステップS201では、患者のPETスキャンのリストモードデータを取得する。
ステップS202では、光電吸収ピークウィンドウ(第1のエネルギーウィンドウ)、および光電吸収ピークウィンドウ内の第2のエネルギーウィンドウを設定する。図1の例で示すように、第2のエネルギーウィンドウは、530~580keV、かつ光電吸収ピークウィンドウは400~600keVに設定されている。ただし、これらは例示的なエネルギー範囲に過ぎず、他のエネルギー範囲を使用して光電吸収ピークウィンドウおよび光電吸収ピークウィンドウ内の第2のエネルギーウィンドウを定義することができる。
図1に示すように、N散乱1は第2のエネルギーウィンドウ(530~580エネルギーウィンドウ)内の光電吸収ピークウィンドウの散乱イベント数として定義される。さらに、N散乱2は、第2のエネルギーウィンドウ外の光電吸収ピークウィンドウ内の散乱イベント数として定義することができる。すなわち、光電吸収ピークウィンドウ内の散乱イベントの合計数として、「N散乱=N散乱1+N散乱2」が定義される。
同様に、図1に示すように、「N真1」は、第2のエネルギーウィンドウにおける真のイベント数として定義される。さらに、「N真2」は、第2のエネルギーウィンドウ外の光電吸収ピークウィンドウにおける真のイベント数として定義することができる。すなわち、「N=N真1+N真2」は、光電吸収ピークウィンドウにおける真のイベントの合計数である。
最後に、「N=N真1+N散乱1」を第2のエネルギーウィンドウ内の散乱および真のイベント数として定義する一方で、「N合計=N+N散乱」を光電吸収ピークウィンドウ内の散乱および真のイベントの合計数として定義する。上記で定義された計数は、例えば、結晶iごと、結晶群ごと、あるいはスキャナ全体に対して定義することができることに留意されたい。
ステップS203では、比率「R=N真1/N」、「R散乱=N散乱1/N散乱」の所定の値を取得する。特に、光電吸収ピークウィンドウ内の真のイベント数に対する第2のエネルギーウィンドウ内の真のイベント数の比率「R」は、点線源もしくは線線源データから、シミュレーションによって、または測定によって推定することができる。同様に、光電吸収ピークウィンドウ内の散乱イベント数に対する第2のエネルギーウィンドウ内の散乱イベント数の比率「R散乱」は、シミュレーションによって推定することができる。「R」および「R散乱」の推定は、リストモードデータを取得する前であればいつでも行うことができ、あらかじめメモリに格納しておくことができる。このようにステップS203は、ステップS201およびS202の前に実行することができる。高活性時のイベントの積み重ねおよび結晶中のバックグラウンド放射能の可能性により、エネルギースペクトルは、異なる期間で異なる場合があり、その結果、「R」および「R散乱」は、活性に依存することがあることに留意されたい。
ステップS204では、ステップS202で設定された光電吸収ピークウィンドウおよび第2のエネルギーウィンドウに基づいて、ステップS201で取得されたリストモードデータから「N」および「N合計」を計算する。
ステップS205では、シングルイベントの散乱フラクションを計算する。特に、計数率、測定計数率と、推定比率「R」および「R散乱」の間の上記の関係から、第2のエネルギーウィンドウにおける散乱イベント数は、以下の式(1)のように計算される。
Figure 2024025712000002
したがって、光電吸収ピークウィンドウ内の散乱イベント数は、以下の式(2)で表される。
Figure 2024025712000003
最後に、スキャナ(または各結晶iもしくは結晶群)に対するシングルイベントの散乱フラクションは、「SFシングル=N散乱/N合計」として計算される。
さらに、ステップS205では、式「SF同時計数=1-(1-SFシングル」を使用して、スキャナのシングルイベントの散乱フラクションSFシングルから、スキャナの同時計数の散乱フラクション「SF同時計数」を近似的に計算することができる。
ステップS206では、計算されたスキャナの同時計数の散乱フラクション「SF同時計数」を使用して、解析モデルベースの散乱補正アルゴリズムを使用して散乱補正を実行する場合に推定散乱サイノグラムを正規化し、画像を再構成する。
例えば、PETのML-EMアルゴリズムでは、反復更新式は以下の式(3)のようになる。
Figure 2024025712000004
Figure 2024025712000005
Figure 2024025712000006
Figure 2024025712000007
あるいは、ステップS206では、図2Bのフローチャートに示すステップに従って、各結晶または各結晶群に対するシングルイベントの散乱フラクション「SFシングル」を使用して、散乱補正を直接実行する。一実施形態では、散乱フラクションの推定のためにグループ化する結晶の数を、計数率に基づいて決定することができる。
図2Bの方法は、応答線(Lines Of Response:LOR)、つまりサイノグラムによって定義された座標系で、2つの同時計数散乱フラクションマップを使用する。第1のマップ「SF(LOR)」は、単一散乱同時計数イベント、つまり、511keVの光子が1つだけ散乱した場合のフラクションを表している。第2のマップ「SF(LOR)」は、二重散乱同時計数イベント、つまり511keVの光子の両方が散乱された場合のフラクションを表している。結晶群に対してシングルイベントの散乱フラクションを計算すると、散乱フラクションはより滑らかな分布を有するため、どちらのマップも、より粗いビンを使用することができる。
ステップS301では、物理ベースの解析モデル、およびCT画像または非散乱補正PET画像を使用して、マップ「SF(LOR)」および「SF(LOR)」の初期値を計算する。一例として、スキャナの被検体に基づく散乱断面積、スキャナ形状、検出器効率、511keVの光子放射密度、および減衰マップを所与として、散乱シミュレーションを実行することができる。各LORに対して、シミュレートされたイベントは、「N非散乱」、「N1-散乱」、「N2-散乱」の3つのカテゴリに分類される。散乱フラクションは、「SF(LOR)=N1-散乱/(N非散乱+N1-散乱+N2-散乱)」、および「SF(LOR)=N2-散乱/(N非散乱+N1-散乱+N2-散乱)」にしたがって計算することができる。
ステップS302では、各結晶i(または結晶群)対して、(1)マップ「SF(LOR)」および「SF(LOR)」、(2)結晶iに到達したイベントの合計数、ならびに(3)結晶iに関連する各LORに対して、LORのイベント数、に基づいて、以下の式(5)に示すように理論上のシングルイベントの散乱フラクション「SFシングル(i)」を計算する。
Figure 2024025712000008
ステップS303では、コスト関数を評価する。コスト関数は、S302で決定された、計算された理論上のシングルイベントの散乱フラクションと、(ステップS205からの)測定されたシングルイベントの散乱フラクションとの差として構成される。
Figure 2024025712000009
Figure 2024025712000010
一実施形態では、「SF(LOR)」と「SF(LOR)」の和は、再構成プロセスにおいて同時計数の散乱フラクションの推定値として、直接使用される。
別の実施形態では、3次元の散乱フラクションマップを使用することができる。
代替の実施形態として、図3に示すように、第2のウィンドウの位置は一般化されており、光電吸収ピーク(PE)ウィンドウの中、重なり、または外側であり得る。この実施形態では、以下の「既知の」値を得ることができる。(1)「N」はPEウィンドウ内の測定イベントの合計数であり、(2)「N」は第2のウィンドウ内の測定イベントの合計数であり、(3)「R散乱」は「N散乱1/N散乱」であり、例えば、シミュレーションを介して取得され、(4)「R」は「N散乱1/N」であり、例えば、線線源/点線源の測定またはシミュレーションから取得される。
本実施形態において、一般に未知の値は、以下の通りである。(1)PEウィンドウ内の散乱イベント数「N散乱」、(2)第2のウィンドウ内の散乱イベント数「N散乱1」、(3)PEウィンドウでの真のイベント数「N」、(4)第2のウィンドウ内の真のイベント数「N真1」、(5)「SF」、これは「N散乱/N」であり、PEウィンドウ内の散乱フラクションである。ただし、散乱フラクションは以下の式(6)に示すように計算することができる。
Figure 2024025712000011
さらに、本実施形態では、計算されたSF値の精度を最適化するために、第2のエネルギーウィンドウの位置および大きさを、最適化プロセスによって決定することができる。さらに、追加のエネルギーウィンドウを使用して、散乱フラクションの精度を向上させることができる。例えば、複数の第2のエネルギーウィンドウのそれぞれを使用してSF値を推定することができ、推定されたSF値の平均値を使用することができる。あるいは、複数の第2のエネルギーウィンドウのすべてからのデータをまとめて使用して、平均SF値を共同でフィッティングすることができる。別の実施形態では、シミュレーションデータ、すなわちNEMA計数率ファントムデータなどのよく研究されたファントムデータからの既知のSF値と、計算されたSF値を比較することによって、第2のエネルギーウィンドウを最適化することができる。
本開示は、従来のアプローチと比較していくつかの利点を提供する散乱補正方法およびシステムを含む。まず、上述の方法は、実用的(すなわち、高速かつ予測可能)であり、光電吸収ピークエネルギーウィンドウ内および第2のエネルギーウィンドウ、例えば511keVを超える(例えば530~580keV)、同時計数イベント数から、各結晶および/または各結晶群に対して、スキャナのシングルイベントの散乱フラクションを正確に推定するものである。さらに、エネルギースペクトルの直接比較またはエネルギースペクトルへのフィッティングは、必要ない。
さらに、本開示は、解析モデルベースの散乱補正アプローチを使用する場合に、推定散乱サイノグラムを正規化するために使用されるスキャナのシングルイベントの散乱フラクションから、スキャナの散乱フラクションを推定するための、実用的かつ正確な方法を提供する。
さらに、本開示は、各結晶および/または各結晶群のシングルイベントの散乱フラクションから、各LORの散乱フラクションを推定し、これを使用して再構成プロセス中に散乱補正を直接実行する、実用的かつ正確な方法を提供する。
本明細書で開示する実施形態で使用可能なPETスキャナを図4および図5に示す。PETスキャナ400は、それぞれが矩形の検出器モジュールとして構成された複数のガンマ線検出器(Gamma-Ray Detector:GRD)401(例えば、GRD1、GRD2~GRDN)を含む。一実施態様によれば、検出器は、ガントリ404を中心とした円形のボア402を形成するリング内に配置される。この実施例では、リングは40個のGRD401を含む。リングは、ボア402の所望のサイズなどの要因に応じて、異なる数のGRD401を有してもよい。GRD401は、光検出器によって検出されるシンチレーション光子(例えば、光学的、赤外線、および紫外線の波長)にガンマ線を変換するための、シンチレータ結晶アレイを含む。各GRD401は、ガンマ線を吸収してシンチレーション光子を放射する個々の検出器結晶の2次元アレイを含むことができ、またはモノリシックアレイもしくはスラットのあるアレイを含むことができる。シンチレーション光子は、同じくGRD401内に配置されたSiPMなどのデバイス(図示せず)の2次元アレイによって検出することができる。検出結晶のアレイとSiPMの間に、ライトガイドを配置することができる。本開示による結晶およびSiPMの配置を、以下でより詳細に説明する。
図4は、被検体OBJから放射されるガンマ線を検出するように配置されたGRDを有するPETスキャナシステムの概略図を示す。GRDは、検出された各ガンマ線に対応するタイミング、位置、およびエネルギーを測定することができる。図4の単一のPET検出器リングは、PETスキャナの軸方向長さに沿った任意の数のPET検出器リングを含むように外挿することができることを理解することができる。
図5は、PETスキャナ500の配置の一例を示し、ここでは画像化されるべき被検体OBJが台506上に置かれており、GRD1~GRDNのGRDモジュールが、被検体OBJおよび台506の周囲に円周方向に配置されている。GRDは、PET検出器リングを構成することができ、ガントリ504に固定的に接続される円形ボア502に固定的に接続され得る。ガントリ504は、PETスキャナの多くの部品を収容する。PETスキャナのガントリ504はまた、被写体OBJおよび台506が通過することができる、円筒形ボア502によって定義される、開いた開口部を含み、対消滅イベントにより被検体OBJから反対方向に放射されるガンマ線をGRDによって検出することができ、タイミングおよびエネルギー情報を使用してガンマ線のペアの同時計数を判定することができる。
図5では、ガンマ線検出データを取得、記憶、処理、および分配するための回路およびハードウェアも示されている。この回路およびハードウェアは、プロセッサ(画像処理回路)507、ネットワークコントローラ503、メモリ505、およびデータ収集システム(Data Acquisition System:DAS)508を含む。PET撮像装置はまた、GRDからDAS508、プロセッサ507、メモリ505、およびネットワークコントローラ503へと検出測定結果をルーティングするデータチャネルも含む。データ収集システム508は、検出器からの検出データの取得、デジタル化、およびルーティングを制御することができる。一実施形態では、DAS508は、台506の動きを制御する。プロセッサ507は、配置エラーの識別、検出データの前再構成処理、画像再構成、および画像データの後再構成処理を含む機能を実行する。
一実施形態によれば、図5のPETスキャナ500のプロセッサ507は、本明細書に記載されるような方法を実行するように構成することができる。プロセッサ507は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、または他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)のような、個々の論理ゲートとして実装可能なCPUを含むことができる。FPGAまたはCPLDの実装は、VHDL、Verilog、またはその他のハードウェア記述言語でコード化されてよく、そのコードはFPGAもしくはCPLD内の電子メモリに直接格納されてもよく、または個別の電子メモリとして格納されてもよい。さらに、メモリ505は、ハードディスクドライブ、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、フラッシュドライブ、RAM、ROM、または当技術分野において既知の、任意のその他の電子記憶装置とすることができる。メモリ505は、ROM、EPROM、EEPROM、またはフラッシュメモリなどの不揮発性であってもよい。メモリ505は、静的または動的RAMなど揮発性であり得、FPGAまたはCPLDとメモリとの間の相互作用だけでなく電子メモリを管理するための、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどのプロセッサが提供され得る。
あるいは、プロセッサ507内のCPUは、本明細書に記載された方法を実行する一連のコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラムを実行することができ、そのプログラムは、任意の上述の非一時的電子メモリおよび/もしくはハードディスクドライブ、CD、DVD、フラッシュドライブ、またはその他の任意の既知の記憶媒体に記憶されている。さらに、コンピュータ可読命令は、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、もしくはオペレーティングシステムの構成要素、またはそれらの組み合わせで提供されてもよく、インテル社製のXenonまたはAMD社製のOpteronプロセッサ、およびMicrosoft VISTA、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple、MAC-OS、ならびに当業者に既知の他のオペレーティングシステムなどのプロセッサと協働して実行される。さらに、CPUは、命令を実行するために並行して協同的に動作する、複数のプロセッサとして実行することができる。命令は、メモリ505に、またはネットワークコントローラ503に位置したメモリ(図示せず)内に記憶されてもよい。
一実施形態では、PETスキャナは、再構成画像などを表示するためのディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、LCDディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED、LED、または当業者にとって既知のその他のディスプレイであり得る。
インテル社からのインテルイーサネット(登録商標)PROネットワークインタフェースカードなどのネットワークコントローラ503は、PET撮像装置の様々な部分の間でインタフェースすることができる。さらに、ネットワークコントローラ503はまた、外部ネットワークとインタフェースすることもできる。理解できるように、この外部ネットワークは、インターネットなどの公共ネットワーク、またはLANもしくはWANネットワークなどのプライベートネットワーク、またはこれらの任意の組み合わせであり得、PSTNもしくはISDNサブネットワークを含むこともできる。外部ネットワークはまた、イーサネットネットワークなどの有線とすることができ、またはEDGE、3Gおよび4G無線セルラーシステムを含むセルラーネットワークなどの無線とすることもできる。無線ネットワークはまた、WiFi、Bluetooth(登録商標)、または任意の他の既知の無線通信形式とすることもできる。
上記の実施形態は、PET装置に向けられているが、実施形態はまた、単一光子放射コンピュータ断層撮影(Single-Photon Emission Computerized Tomography:SPECT)などの他の位置敏感型ガンマ検出器にも適用可能である。
実施形態は、以下に示す付記で規定される実施形態をさらに含む。
(1)放射線診断装置の散乱フラクションを決定するための方法であって、方法は、
放射線診断装置を使用して実行されたスキャンから取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得することと、
取得されたリストモードデータから、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定することと、
取得されたリストモードデータから、第2のウィンドウで発生する第2のイベント数を決定することであって、第2のエネルギーウィンドウが、第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがる、ことと、
決定された第1のイベント数および決定された第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算することと、
取得されたリストモードデータおよび計算されたシングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成することと、
を含む、方法。
(2)第1のイベント数を決定するステップが、光電吸収ピークエネルギーレベルを含む光電吸収ピークエネルギーウィンドウである、第1のエネルギーウィンドウにおいて発生する第1のイベント数を決定することを含む、(1)に記載の方法。
(3)第2のイベント数を決定するステップが、光電吸収ピークエネルギーレベルを完全に超えた状態にある、第2のエネルギー範囲にまたがる第2のエネルギーウィンドウにおいて発生する第2のイベント数を決定することを含む、(2)に記載の方法。
(4)シングルイベントの散乱フラクションを計算するステップが、第1の比率および第2の比率に基づいてシングルイベントの散乱フラクションをさらに計算することを含み、第1の比率が、第2のエネルギーウィンドウ内で発生する真のイベント数と第1のエネルギーウィンドウ内で発生する真のイベント数との比率であり、第2の比率が、第2のエネルギーウィンドウ内で発生する散乱イベント数と第1のエネルギーウィンドウ内で発生する散乱イベント数との比率である、(1)~(3)に記載の方法。
(5)放射線診断装置を使用して実行されたスキャンからリストモードデータを取得する前に、第1の比率および第2の比率があらかじめ計算され、メモリに記憶される、(4)に記載の方法。
(6)実験的またはシミュレーションのいずれかによって取得されたファントムデータから、第1の比率および第2の比率を推定することをさらに含む、(5)に記載の方法。
(7)計算されたシングルイベントの散乱フラクションから、同時計数散乱フラクションを計算することをさらに含む、(1)~(6)に記載の方法。
(8)計算された同時計数散乱フラクションを使用して推定散乱サイノグラムを正規化することと、
正規化された散乱サイノグラムを使用して散乱補正を実行することと、
をさらに含む、(7)に記載の方法。
(9)計算するステップが、放射線診断装置内の各結晶に対して、結晶ごとのシングルイベントの散乱フラクションを計算することをさらに含み、
方法が、
計算された結晶ごとのシングルイベントの散乱フラクションから、第1のマップおよび第2のマップを決定することであって、第1のマップが、複数の応答線(LOR)のそれぞれに対してシングルイベントの散乱同時計数イベントのフラクションを示し、第2のマップが、LORのそれぞれに対して、二重散乱同時計数イベントのフラクションを示す、ことと、
決定された第1および第2のマップから同時計数散乱フラクションを推定することと、
リストモードデータから画像を再構成するための再構成プロセスにおいて、推定された同時計数散乱フラクションを直接使用することと、
をさらに含む、
(1)に記載の方法。
(10)第1のマップおよび第2のマップを決定するステップが、計算された結晶ごとのシングルイベントの散乱フラクションに基づくコスト関数を最小化するために、反復最適化プロセスを実行することを含む、(9)に記載の方法。
(11)計算するステップが、放射線診断装置における複数の結晶群の各群に対して、群のシングルイベントの散乱フラクションを計算することをさらに含む、(1)~(10)に記載の方法。
(12)エネルギースペクトルを取得するステップが、初期エネルギースペクトルから偶発イベントを減算することをさらに含む、(1)~(11)に記載の方法。
(13)放射線診断装置の散乱フラクションを決定するための装置であって、装置は、
放射線診断装置を使用して実行されたスキャンから取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得し、
取得されたリストモードデータから、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定し、
取得されたリストモードデータから、第2のウィンドウで発生する第2のイベント数を決定し、第2のエネルギーウィンドウが、第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがり、
決定された第1のイベント数および決定された第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算し、
取得されたリストモードデータおよび計算されたシングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成する、
ように構成された回路、
を備える、装置。
(14)回路が、第1のイベント数を決定する際に、光電吸収ピークエネルギーレベルを含む光電吸収ピークエネルギーウィンドウである、第1のエネルギーウィンドウにおいて発生する第1のイベント数を決定するようにさらに構成されている、(13)に記載の装置。
(15)回路が、第2のイベント数を決定する際に、光電吸収ピークエネルギーレベルを完全に超えた状態にある、第2のエネルギー範囲にまたがる第2のエネルギーウィンドウにおいて発生する第2のイベント数を決定するようにさらに構成されている、(14)に記載の装置。
(16)回路が、シングルイベントの散乱フラクションを計算する際に、第1比率および第2の比率に基づいてシングルイベントの散乱フラクションを計算するようにさらに構成されており、
第1の比率が、第2のエネルギーウィンドウ内で発生する真のイベント数と第1のエネルギーウィンドウ内で発生する真のイベント数との比率であり、
第2の比率が、第2のエネルギーウィンドウ内で発生する散乱イベント数と第1のエネルギーウィンドウ内で発生する散乱イベント数との比率である、
(13)~(15)に記載の装置。
(17)メモリをさらに備え、放射線診断装置を使用して実行されたスキャンからリストモードデータを取得する前に、第1の比率および第2の比率があらかじめ計算され、メモリに記憶される、(16)に記載の装置。
(18)回路が、実験的またはシミュレーションのいずれかによって取得されたファントムデータから、第1の比率および第2の比率を推定するようにさらに構成されている、(17)に記載の装置。
(19)回路が、計算されたシングルイベントの散乱フラクションから、同時計数散乱フラクションを計算するようにさらに構成されている、(13)~(18)に記載の装置。
(20)リストモードデータを取得するために、患者のスキャンを実行するように構成された放射線診断装置と、
取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得し、
取得されたリストモードデータから、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定し、
取得されたリストモードデータから、第2のウィンドウで発生する第2のイベント数を決定し、第2のエネルギーウィンドウが、第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがり、
決定された第1のイベント数および決定された第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算し、
取得されたリストモードデータおよび計算されたシングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成する、
ように構成された回路と、
を備える、システム。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、散乱フラクションの決定の精度を向上させることができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
500 PETスキャナ
505 メモリ
507 プロセッサ

Claims (20)

  1. 放射線診断装置の散乱フラクションを決定するための方法であって、
    スキャンによって取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得し、
    前記エネルギースペクトルに基づいて、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定し、
    前記エネルギースペクトルに基づいて、前記第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがる第2のエネルギーウィンドウで発生する第2のイベント数を決定し、
    前記第1のイベント数および前記第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算し、
    前記リストモードデータおよび前記シングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成する、
    ことを含む、散乱フラクションの決定方法。
  2. 前記第1のイベント数の決定が、光電吸収ピークエネルギーレベルを含む光電吸収ピークエネルギーウィンドウである、前記第1のエネルギーウィンドウにおいて発生する前記第1のイベント数を決定することを含む、請求項1に記載の散乱フラクションの決定方法。
  3. 前記第2のイベント数の決定が、少なくとも前記光電吸収ピークエネルギーレベルよりも高いエネルギー帯域を含む、前記第2のエネルギー範囲にまたがる前記第2のエネルギーウィンドウにおいて発生する前記第2のイベント数を決定することを含む、請求項2に記載の散乱フラクションの決定方法。
  4. 前記シングルイベントの散乱フラクションの計算が、第1の比率および第2の比率に基づいて前記シングルイベントの散乱フラクションをさらに計算することを含み、
    前記第1の比率が、前記第2のエネルギーウィンドウ内で発生する真のイベント数と前記第1のエネルギーウィンドウ内で発生する真のイベント数との比率であり、
    前記第2の比率が、前記第2のエネルギーウィンドウ内で発生する散乱イベント数と前記第1のエネルギーウィンドウ内で発生する散乱イベント数との比率である、
    請求項1に記載の散乱フラクションの決定方法。
  5. 前記スキャンから前記リストモードデータを取得する前に、前記第1の比率および前記第2の比率があらかじめ計算され、メモリに記憶される、請求項4に記載の散乱フラクションの決定方法。
  6. 実験的またはシミュレーションのいずれかによって取得されたファントムデータから、前記第1の比率および前記第2の比率を推定することをさらに含む、請求項5に記載の散乱フラクションの決定方法。
  7. 前記シングルイベントの散乱フラクションから、同時計数散乱フラクションを計算することをさらに含む、請求項1に記載の散乱フラクションの決定方法。
  8. 前記同時計数散乱フラクションを使用して推定散乱サイノグラムを正規化し、
    前記正規化された散乱サイノグラムを使用して散乱補正を実行すること、
    をさらに含む、請求項7に記載の散乱フラクションの決定方法。
  9. 前記シングルイベントの散乱フラクションの計算が、放射線診断装置内の各結晶に対して、結晶ごとのシングルイベントの散乱フラクションを計算することをさらに含み、
    前記計算された結晶ごとのシングルイベントの散乱フラクションから、第1のマップおよび第2のマップを決定し、
    前記決定された第1および第2のマップから同時計数散乱フラクションを推定し、
    前記リストモードデータから前記画像を再構成するための再構成プロセスにおいて、前記推定された同時計数散乱フラクションを直接使用する、
    ことをさらに含み、
    前記第1のマップが、複数の応答線(Lines Of Response:LOR)のそれぞれに対するシングルイベントの散乱同時計数イベントのフラクションを示し、前記第2のマップが、前記LORのそれぞれに対する、二重散乱同時計数イベントのフラクションを示す、
    請求項1に記載の散乱フラクションの決定方法。
  10. 前記第1のマップおよび前記第2のマップの決定が、前記計算された結晶ごとのシングルイベントの散乱フラクションに基づくコスト関数を最小化するために、反復最適化プロセスを実行することを含む、請求項9に記載の散乱フラクションの決定方法。
  11. 前記シングルイベントの散乱フラクションの計算が、前記放射線診断装置における複数の結晶群の各群に対して、前記群のシングルイベントの散乱フラクションを計算することをさらに含む、請求項1に記載の散乱フラクションの決定方法。
  12. 前記エネルギースペクトルの取得が、初期エネルギースペクトルから偶発イベントを減算することをさらに含む、請求項1に記載の散乱フラクションの決定方法。
  13. スキャンによって取得されたリストモードデータから、エネルギースペクトルを取得し、
    前記エネルギースペクトルに基づいて、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定し、
    前記エネルギースペクトルに基づいて、前記第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがる第2のエネルギーウィンドウで発生する第2のイベント数を決定し、
    前記第1のイベント数および前記第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算し、
    前記リストモードデータおよび前記シングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成する、回路、
    を備える、放射線診断装置。
  14. 前記回路は、光電吸収ピークエネルギーレベルを含む光電吸収ピークエネルギーウィンドウである、前記第1のエネルギーウィンドウにおいて発生する前記第1のイベント数を決定する、請求項13に記載の放射線診断装置。
  15. 前記回路は、少なくとも前記光電吸収ピークエネルギーレベルよりも高いエネルギー帯域を含む、前記第2のエネルギー範囲にまたがる前記第2のエネルギーウィンドウにおいて発生する前記第2のイベント数を決定する、請求項14に記載の放射線診断装置。
  16. 前記回路は、第1の比率および第2の比率に基づいて前記シングルイベントの散乱フラクションを計算し、
    前記第1の比率が、前記第2のエネルギーウィンドウ内で発生する真のイベント数と前記第1のエネルギーウィンドウ内で発生する真のイベント数との比率であり、
    前記第2の比率が、前記第2のエネルギーウィンドウ内で発生する散乱イベント数と前記第1のエネルギーウィンドウ内で発生する散乱イベント数との比率である、
    請求項13に記載の放射線診断装置。
  17. メモリをさらに備え、
    前記スキャンから前記リストモードデータを取得する前に、前記第1の比率および前記第2の比率があらかじめ計算され、前記メモリに記憶される、請求項16に記載の放射線診断装置。
  18. 前記回路は、実験的またはシミュレーションのいずれかによって取得されたファントムデータから、前記第1の比率および前記第2の比率を推定する、請求項17に記載の放射線診断装置。
  19. 前記回路は、前記シングルイベントの散乱フラクションから、同時計数散乱フラクションを計算する、請求項13に記載の放射線診断装置。
  20. リストモードデータを取得するために、スキャンを実行する放射線診断装置と、
    前記リストモードデータから、エネルギースペクトルを取得し、
    前記エネルギースペクトルに基づいて、第1のエネルギー範囲にまたがる第1のエネルギーウィンドウで発生する第1のイベント数を決定し、
    前記エネルギースペクトルに基づいて、前記第1のエネルギー範囲とは異なる第2のエネルギー範囲にまたがる第2のウィンドウで発生する第2のイベント数を決定し、
    前記第1のイベント数および前記第2のイベント数に基づいて、シングルイベントの散乱フラクションを計算し、
    前記リストモードデータおよび前記シングルイベントの散乱フラクションに基づいて、画像を再構成する、
    回路と、
    を備える、放射線診断システム。
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