こうした方向調整ユニットの1つ又は複数の望ましい特徴は、以下を含む。
・ユニットは、使用者の頭部にわたって引っ張ることができるように十分伸縮性があるべきであり、
・ユニットは、自由に後退し、使用者が確実なフィットを達成することができると感じる箇所までさらに調整可能であり、
・CPAP圧が印加されると、システムは非弾性ヘッドギアになり、
・ユニットは、一晩中、同じシール位置を快適に保持することができるために十分な保持力を提供するべきであり、
・ユニットは、取外し中、使用者の頭部にわたって引き伸ばすことができるべきであり、
・弾性編組によって発生する力は、最低CPAP圧においても方向調整ユニットが非弾性ヘッドギアとして機能するように十分低くなければならず、
・ユニットは、通常のベッドでの使用中に締め過ぎないように十分な作動長さを有するべきである。
本開示の態様は、こうしたヘッドギアに関連する改善された構成要素、たとえば、ヨークアセンブリ、方向調整ユニット、フィラメント、1本又は複数本のストラップのうちの任意の1つ又は複数を提供することができる。
本開示の態様は、使用時に、フィラメントに対するせん断応力を低減させ、それにより、使用中に関連する構成要素に対する摩損を低減させる、改善された方向調整ユニット及び関連するフィラメント設計を提供することができる。こうした改善された方向調整ユニットは、呼吸マスクの一部を形成することができる。
いくつかの構成では、これは、方向調整ユニットの摩擦係合部材に、少なくとも1つの摩擦係合部材が係合形態にあるとき、フィラメントの対応する平坦な又は実質的に平坦な部分と係合する摩擦係合部材の少なくとも1つの直線状又は実質的に直線状の部分を形成する、横断面形状を有するアパーチャを設けることによって達成される。
本開示の一態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットが提供される。方向調整ユニットは、ハウジングと、ハウジングに対して移動可能な少なくとも1つの摩擦係合部材とを備え、少なくとも1つの摩擦係合部材は、少なくとも1つの摩擦係合部材を通って延在する空洞を形成するアパーチャを有する。アパーチャは、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように配置されている。少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2形態では、フィラメントに関して係合形態を提供する。空洞は、横断面において直線状又は実質的に直線状である係合面領域を形成し、係合面領域は、少なくとも1つの摩擦係合部材が係合形態にあるときに、フィラメントの平坦な又は実質的に平坦な部分と係合するためのものである。
少なくとも1つの摩擦係合部材は、枢支軸を中心に移動可能とすることができ、第1の移動可能に達成される形態は第1枢動形態に関し、第2の移動可能に達成される形態は、第2枢動形態に関する。
係合面領域は、枢支軸に対して平行な又は実質的に平行な横軸に沿って直線状又は実質的に直線状であり得る。
少なくとも1つの摩擦係合部材の正面におけるアパーチャは、丸みを帯びておらず、非円形であり、非楕円形であり、又は非卵形であり得る。
アパーチャは、枢支軸に対してオフセットで設けることができ、枢支軸に対して垂直な成分を有する軸に沿って少なくとも1つの摩擦係合部材を通って延在している。
アパーチャは、少なくとも1つの摩擦係合部材の正面において、四辺形、好ましくは矩形であり得る。
アパーチャの1つの側面は、枢支軸に対して平行又は実質的に平行であり得る。
アパーチャは、枢支軸に対して平行な平面及び枢支軸に対して垂直な軸において四辺形断面を有することができる。
アパーチャは、少なくとも1つの摩擦係合部材の正面において、三角形であり得る。
三角形アパーチャの1つの側面は、枢支軸に対して平行又は実質的に平行であり得る。
三角形アパーチャは、枢支軸に対して平行又は実質的に平行である側面よりも、枢支軸の近くに配置された頂点を有することができる。
アパーチャは、枢支軸に対して平行な平面又は枢支軸に対して垂直な軸において三角形断面を有することができる。
アパーチャは、枢支軸に対して垂直な又は実質的に垂直な少なくとも1つの摩擦係合部材を通って延在することができる。
アパーチャ又は空洞は、枢支軸を中心に対称的に少なくとも1つの摩擦係合部材を通って延在することができる。
係合面領域は、少なくとも1つの摩擦係合部材の少なくとも1つの内部空洞壁面の一部を形成することができる。
係合面領域は、少なくとも1つの摩擦係合部材の少なくとも1つの内部空洞壁面を含むことができる。
空洞は、矩形の長尺状体又は角柱の形状を有することができる。
空洞は、三角形の長尺状体又は角柱の形状を有することができる。
少なくとも1つの内部空洞側壁面は、1つ又は複数の前頭面(frontal plane)に平坦な又は実質的に平坦な輪郭を有することができ、そこでは、各前頭面は、別個の位置で中心軸と交差し、前記別個の位置で中心面の法線ベクトルを含む。
少なくとも1つの内部空洞側壁面は、1つ又は複数の中心面法線ベクトルに沿って平坦な又は実質的に平坦な輪郭を有することができ、中心面法線ベクトルは、各々、その異なる長手方向位置において中心軸と交差する。
少なくとも1つの内部空洞側壁面は、中心軸の一部分に沿って前記平坦な又は実質的に平坦な輪郭を維持することができる。
中心軸は、空間的に真っ直ぐな線を辿ることができる。
中心軸は、曲率を有することができる。
少なくとも1つの摩擦係合部材は、枢支軸が延在するベース部材と、枢支軸に対して垂直な方向にベース部材から延在する少なくとも第1セクションとを有することができる。
少なくとも1つの摩擦係合部材は、枢支軸から離れる方向において第1セクションの端部から延在する第2セクションを備えることができ、第2セクションは、第1セクションに関して角度をなして配置されている。
少なくとも第1セクションは、枢支軸に対して垂直な平面においてテーパ状断面を有することができる。
少なくとも第1セクションは、枢支軸に対して垂直な平面において矩形断面を有することができる。
係合面領域は、使用時、係合形態で、フィラメントに対して摩擦係合を提供することができる。
ハウジングは、使用時、フィラメント及び/又はストラップの一部を摺動可能に受け入れ且つ/又は収容する外部開口部を備えることができる。
外部開口部は、使用時、フィラメントの遷移領域の少なくとも1つの部分のサイズよりも小さいサイズを有することができる。
フィラメントの遷移領域の少なくとも1つの部分は、ハウジングの外部開口部によって受け入れることができる。
フィラメントの遷移領域の少なくとも1つの部分は、呼吸マスクにヘッドギアを接続するように構成されたヨークアセンブリによって受け入れることができる。
アパーチャは、少なくとも1つの摩擦係合部材の正面において丸みを帯びた縁部を形成することができる。
丸みを帯びた縁部は、枢支軸に対して平行な軸に関して曲率を有することができる。
アパーチャは、3つ以上の側面を有する多角形横断面を有することができる。
中心軸は、枢支軸に対して平行な又は実質的に平行な法線ベクトルを有する中心面に形成することができる。
少なくとも1つの横断面は、中心軸に対して垂直であり得る。
本開示のさらなる態様によれば、呼吸インタフェース又はマスク用のヘッドギアのフィラメントが提供される。フィラメントは、その長手方向軸に沿って延在するフィラメント本体でき、フィラメント本体は、第1幾何学的形状を有するコア領域と、第2幾何学的形状を有する端部領域とを有し、端部領域におけるフィラメント本体は、その長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの平坦な又は実質的に平坦な外面と、コア領域と端部領域との間に長手方向軸に沿って設けられた遷移領域とを有することができ、遷移領域は、フィラメント本体の長手方向軸に沿った長手方向距離にわたり、コアの第1幾何学的形状から端部領域の第2幾何学的形状まで遷移する形状を有することができる。
遷移領域は、少なくともその一部分において、使用時、方向調整ユニットの摩擦係合部材のハウジングの外部開口部の対応する寸法よりも大きい、寸法、すなわち横断面を有することができる。
遷移領域は、フィラメントの長手方向軸からオフセットすることができる。
フィラメントは、フィラメントの長手方向軸に沿って延在する上部長尺状辺縁部及び下部長尺状辺縁部を備えることができ、それら辺縁部は、少なくとも遷移領域において互いに向かってテーパ状になっている。両辺縁部が、互いに向かってテーパ状になることができる。一方の辺縁部のみが、他方に向かってテーパ状になることができ、他方の辺縁部は、その長さに沿って実質的に真っ直ぐである。一方の辺縁部が、端部領域及びコア領域によって形成された連続した実質的に平坦な面を備えることができる。
本開示のさらに別の態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギアが提供される。ヘッドギアは、本明細書に開示する方向調整ユニットと、フィラメント本体を備える少なくとも1本のフィラメントであって、フィラメント本体が、その長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの平坦な又は実質的に平坦な外面を有し、それにより、係合形態では、フィラメント本体の実質的に平坦な又は平坦な外面は、方向調整ユニットの係合面領域と接触する。
フィラメントは、第1幾何学的形状を有するコア領域と、第2幾何学的形状を有する端部領域と、コア領域と端部領域との間に長手方向に設けられた遷移領域とをさらに備えることができ、遷移領域は、フィラメント本体の長手方向軸に沿った長手方向距離にわたって、コア領域の第1幾何学的形状から端部領域の第2幾何学的形状まで遷移する形状を有することができる。
ヘッドギアは、呼吸マスクにヘッドギアを接続するように構成されたヨークアセンブリをさらに備えることができる。
方向調整ユニットは、ヨークアセンブリに配置することができる。
ヨークアセンブリは、中央部分と中央部分から延在する少なくとも1つのセクションとを備えることができ、少なくとも1つのセクションは、ヘッドギアの少なくとも1本のストラップに接続するように構成することができる。
別の態様によれば、呼吸マスクが提供される。呼吸マスクは、本明細書に開示するような方向調整ユニット及びヘッドギアを備えることができる。
本開示のさらに別の態様によれば、呼吸マスクを備える呼吸療法システムが提供される。
さらに別の態様では、呼吸マスク用のヘッドギアが提供される。ヘッドギアは、ストラップと、ストラップ内に少なくとも部分的に位置するフィラメントとを備える。ヘッドギアは、少なくとも1つの移動可能な摩擦係合部材を有する方向調整ユニットをさらに備える。摩擦係合部材は、少なくとも1つの摩擦係合部材を通って延在する空洞を形成するアパーチャを有し、アパーチャは、内部を通してフィラメントを受け入れるように配置されている。少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1形態ではフィラメントに関して係合解除形態を提供することができ、第2形態ではフィラメントに関して係合形態を提供することができる。少なくとも1つの摩擦係合部材は、係合形態と係合解除形態との間で移動可能であり得る。フィラメントは、フィラメント本体を備えることができ、フィラメント本体は、その長手方向軸に沿って延在する実質的に平坦な外面部分を有し、それにより、係合形態で、フィラメント本体の実質的に平坦な外面部分は、少なくとも1つの摩擦係合部材と接触する。
本開示の別の態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットが提供される。方向調整ユニットは、ハウジングと、ハウジングに対して移動可能に配置された少なくとも1つの摩擦係合部材とを備える。少なくとも1つの摩擦係合部材は、ヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在しているアパーチャを有する。少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1の移動可能達成される形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2の移動可能達成される形態では、フィラメントに関して係合形態を提供する。アパーチャは、横断面において、少なくとも1つの摩擦係合部材が係合形態にあるときにフィラメントの対応する直線状の又は実質的に直線状の部分と係合する直線状の又は実質的に直線状の部分を有する、摩擦係合部材の係合面を形成する。
本開示の一態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットが提供される。方向調整ユニットは、ハウジングと、ハウジングに対して移動可能な少なくとも1つの摩擦係合部材とを備え、少なくとも1つの摩擦係合部材は、少なくとも1つの摩擦係合部材を通って延在している空洞を形成するアパーチャを有する。アパーチャは、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように配置されている。少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1形態ではフィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2形態ではフィラメントに関して係合形態を提供する。空洞は、摩擦係合部材の少なくとも1つの係合面領域を形成する。少なくとも1つの係合面領域は、少なくとも1つの横断面において、少なくとも1つの摩擦係合部材が係合形態にあるときにフィラメントの対応する横断面の直線状の又は実質的に直線状の部分と係合する、少なくとも1つの直線状の又は実質的に直線状の部分を備える。
本開示の一態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットが提供される。方向調整ユニットは、ハウジングと、ハウジングに対して移動可能な少なくとも1つの摩擦係合部材とを備え、少なくとも1つの摩擦係合部材は、少なくとも1つの摩擦係合部材を通って延在している空洞を形成するアパーチャを有する。アパーチャは、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように配置されている。少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1形態ではフィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2形態ではフィラメントに関して係合形態を提供する。空洞は、摩擦係合部材の少なくとも1つの摩擦係合面領域を形成する。少なくとも1つの係合面領域は、少なくとも1つの横断面において、少なくとも1つの摩擦係合部材が係合形態にあるときにフィラメントの対応する横断面の真っ直ぐな又は実質的に真っ直ぐな部分と係合する、少なくとも1つの真っ直ぐな又は実質的に真っ直ぐな部分を備える。
さらに別の態様によれば、呼吸インタフェース又はマスク用のヘッドギアのフィラメントが提供される。フィラメントはフィラメント本体を備え、フィラメント本体は、その長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの平坦な又は実質的に平坦な外面を有する。
フィラメントの平坦な外面は、方向調整ユニットの摩擦係合部材の係合面領域と係合するように配置することができる。
係合面領域は、横断面において直線状の部分を備えることができる。
係合面領域の横断面の直線状部分は、フィラメントの平坦な外面の横断面の直線状部分に対応することができる。係合面領域の横断面における直線状の又は実質的に直線状の部分は、前記横断面の少なくとも1つの次元に沿って直線状又は実質的に直線状である部分を指すことができる。
いくつかの構成では、「直線状」という表現は、「真っ直ぐ」と同義に呼ぶことができる。
本明細書に記載するシステム、方法及び装置は、革新的な態様を有し、それらのうちのいずれも、不可欠であることはなく、又はそれらの望ましい属性を単独で担うものではない。ここで、請求項の範囲を限定することなく、有利な特徴のうちのいくつかについて概説する。
いくつかの構成では、呼吸マスク用のヘッドギアは、フィラメントを有する少なくとも1本のストラップと、フィラメントに関して係合形態及び係合解除形態を有する方向調整ユニットとを備える。
いくつかの構成では、呼吸マスク用ヘッドギアは、フィラメントを備える少なくとも1本のストラップと、ある方向におけるフィラメントの移動を、前記方向における最小の力がフィラメントに加えられるまで制限するように構成された方向調整ユニットとを備える。
いくつかの構成では、ヘッドギアは、フィラメントを含まない少なくとも1本のストラップをさらに備える。
いくつかの構成では、マスクは、上述したヘッドギアのうちの任意のものを備える。マスクアセンブリは、患者インタフェースをさらに備える。患者インタフェースは、フレームと、ハウジング及びシールを有するクッションモジュールとを備える。患者インタフェースは、クッションモジュールをフレームに接続するように構成された接続構成をさらに備える。接続構成は、クッションモジュール及びフレームのうちの一方に位置する少なくとも1つの突起と、クッションモジュール及びフレームのうちの他方に位置する少なくとも1つの凹部とを備える。少なくとも1つの突起は、クッションモジュールをフレームに固定するように少なくとも1つの凹部と係合するように構成されている。
いくつかの構成では、ヘッドギアは、ヘッドギアを患者インタフェースに接続するように構成されたヨークアセンブリを備える。
いくつかの構成では、方向調整ユニットは、フレームに配置されている。
いくつかの構成では、方向調整ユニットは、ヨークアセンブリに配置されている。
いくつかの構成では、ヨークは、中央部分と、中央部分から延在する少なくとも1つのセクションとを備える。少なくとも1つのセクションは、ヘッドギアの少なくとも1本のストラップに接続するように構成されている。
本開示の態様は、こうしたヘッドギアに関連する改善された構成要素、たとえば、ヨークアセンブリ、方向調整ユニット、フィラメント、1本又は複数本のストラップのうちの任意の1つ又は複数を提供することができる。
本開示の態様は、フィラメントと方向調整ユニットとの間のより明確な且つ/又は信頼性の高い且つ/又は有効な止め部を提供する、改善された方向調整ユニット及び関連するフィラメントを提供することができる。こうした改善された方向調整ユニットは、呼吸マスク又はヘッドギアの一部を形成することができる。
本明細書に記載するシステム、方法及び装置は、革新的な態様を有し、その態様のいずれか1つが、それらの望ましい属性に対して不可欠であるわけでも単独で関与するものでもない。ここで、特許請求の範囲を限定することなく、有利な特徴のうちのいくつかについて要約する。
いくつかの構成では、呼吸マスク用のヘッドギアは、フィラメントを有する少なくとも1本のストラップと、フィラメントに関して係合形態及び係合解除形態を有する方向調整ユニットとを備える。
いくつかの構成では、呼吸マスク用のヘッドギアは、フィラメントを備える少なくとも1本のストラップと、ある方向におけるフィラメントの移動を、前記方向においてフィラメントに加えられる力が最小となるまで制限するように構成された、方向調整ユニットとを備える。
いくつかの構成では、ヘッドギアは、フィラメントを含まない少なくとも1本のストラップをさらに備える。
いくつかの構成では、マスクが、上述したヘッドギアのうちの任意のものを備える。マスクアセンブリは、患者インタフェースをさらに備える。患者インタフェースは、フレームと、ハウジング及びシールを有するクッションモジュールとを備える。患者インタフェースは、クッションモジュールをフレームに接続するように構成された接続装置をさらに備える。接続装置は、クッションモジュール及びフレームのうちの一方に位置する少なくとも1つの突起と、クッションモジュール及びフレームのうちの他方に位置する少なくとも1つの凹部とを備える。少なくとも1つの突起は、クッションモジュールをフレームに固定するように少なくとも1つの凹部と係合するように構成されている。
いくつかの構成では、ヘッドギアは、ヘッドギアを患者インタフェースに接続するように構成されたヨークを備える。いくつかの構成では、患者インタフェースのフレームはヨークを備える。
いくつかの構成では、ヨークは、中央部分と、中央部分から延在する少なくとも1つのセクションとを備えることができる。少なくとも1つのセクションは、ヘッドギアの少なくとも1本のストラップに接続するように構成されている。
本開示の一態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットが提供され、方向調整ユニットは、
ハウジングと、
ハウジングに対して移動可能であるように配置された少なくとも1つの摩擦係合部材であって、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在しているアパーチャを有する少なくとも1つの摩擦係合部材と、
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1可動/第1の移動可能に達成される形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2可動/第2の移動可能に達成される形態では、フィラメントに関して係合形態を提供し、
方向調整ユニットは、方向調整ユニットに対するフィラメントの移動の範囲を制限するように、フィラメントに設けられた止め部と当接するように構成された当接特徴部を備える。
アパーチャは、少なくとも1つの摩擦係合部材を通って延在する空洞又はボア又は通路を形成する。
いくつかの構成では、少なくとも1つの摩擦係合部材は、枢支軸を中心に枢動するようにハウジングに配置されており、少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1枢動形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2枢動形態では、フィラメントに関して係合形態を提供する。
方向調整ユニットは、フィラメントをさらに備えることができる。
当接特徴部及び止め部の当接は、急な力の増大を発生させるように構成することができ、一方で、フィラメントの伸長のいかなる増大も、フィラメントの伸長が降伏するのに十分となる前に当接特徴部が止め部と当接するように、比較的低い。止め部及びフィラメントは、フィラメントの弾性変形領域の開始がフィラメントの止め部の弾性変形領域の開始よりも低い力で発生するように、構成することができる。
フィラメントは、相対的に大きい領域を含む長さ部分と、相対的に小さい領域を含む長さ部分とを備えることができる。小さい方の領域に対する大きい方の領域の厚さの比は、2:1、好ましくは1.5:1、最も好ましくは1.4:1の範囲にあり得る。小さい方の領域に対する大きい方の領域の断面積の比は、10:1、好ましくは7.5:1、最も好ましくは約5:1の範囲であり得る。小さい方の領域の長さに対する大きい方の領域の長さの比は、10:1、好ましくは5:1、最も好ましくは4:1の範囲であり得る。小さい方の領域の幅に対する大きい方の領域の幅の比は、0.5:1、好ましくは0.75:1、最も好ましくは約1:1の範囲であり得る。
ハウジングとヘッドギアとの間に位置し、フィラメントの少なくとも一部に沿って延在するとともにそれを拘束する長尺状支持体を備える、フィラメント支持構造体を設けることができる。
フィラメント支持構造体は、両端部を備えることができ、各端部は、フィラメントの止め部と当接するように構成された当接特徴部を備え、当接特徴部はそれらの間で、ロックユニットを通るフィラメントの移動の範囲を制限する。
少なくとも1つの当接特徴部は、フィラメントが通って延在するスロットを画定するカラーと、フィラメントの止め部と当接するように構成された当接表面又は面とを備えることができる。各当接特徴部は、それぞれのカラーを備えることができる。カラーは、側方から見た場合に、フィラメント支持構造体の端部に向かって内向きにテーパ状となることができる。当接表面又は面は、カラーの本体から突出する突起を備えることができる。突起は、突出するバー又はストリップを含むことができ、それは、カラーの少なくとも一部を横切って横方向に延在し、フィラメントが方向調整ユニット内に完全に後退したときにフィラメント止め部が当接する前方面を備える。突起の当接表面又は面は、カラーから延在する上部傾斜壁及び下部傾斜壁によって支持することができる。当接表面又は面は、平面であり、可撓性支持構造体の長手方向軸に対して実質的に、ただし完全にではなく、垂直である、すなわち0~15°にある平面を占有する。
フィラメント支持構造体は、少なくとも1つの長尺状ガイド面を備えることができ、それは、フィラメント支持構造体の長手方向軸に対して平行なフィラメント支持構造体に沿って延在し、長手方向軸に対して垂直な方向においてフィラメント支持構造体に対してフィラメントを拘束する。フィラメント支持構造体の両側の辺縁部に、一対の長尺状ガイド面を設けることができる。長尺状ガイド面は、支持構造体の本体からカラーまで上向きに傾斜している。
フィラメント支持構造体は、少なくとも一部に沿ってフィラメントが露出している長さ部分を備えることができる。フィラメント支持構造体のこの長さ部分の少なくとも一部が、少なくとも1つの方向におけるフィラメントの移動を拘束する、支持構造体に沿って延在するガイド特徴部を備えることができる。フィラメント支持構造体は、フィラメントの移動が複数の方向で拘束されるように、複数のガイド特徴部を備えることができる。
フィラメント支持構造体は、一端において、ハウジングにフィラメント支持構造体を取り付けるように、ハウジングと係合するように構成された係合特徴部を備えることができる。その又は各係合特徴部は、少なくとも1つのリブを備えることができる。その又は各係合特徴部は、少なくとも1つのアパーチャを備えることができる。
フィラメント支持構造体は、フィラメントを受け入れるように構成された少なくとも1つのチャネルを備えることができる。フィラメント支持構造体は複数のチャネルを備えることができ、各チャネルは、それぞれのフィラメントを受け入れるように構成されている。1つのチャネルの特徴は、他のチャネルの特徴とは異なり得るものであり、その特徴は、
a)幅、
b)高さ、
c)断面積、
d)断面形状
のうちの任意のものから選択される。
その又は各チャネルは、以下の特性、構成の特徴のうちの任意の1つ又は複数を有することができる。
a)1つのチャネルの幅は、他のチャネルの幅よりも1.1~2.5倍大きく、好ましくは1.1~1.5倍大きく、最も好ましくは1.1~1.3倍大きいものであり得る。
b)1つのチャネルの高さは、他のチャネルの高さよりも2~10倍大きく、好ましくは4~9倍大きく、最も好ましくは6~8倍大きいものであり得る。
c)フィラメント支持構造体の長手方向軸に沿って見た場合、1つのチャネルを他のチャネルの上に積み重ねることができる。
d)フィラメント支持構造体の長手方向軸に沿って見た場合、横に並ぶように、1つのチャネルが他のチャネルに隣接することができる。
フィラメント支持構造体は、使用者の顔面と接触するように構成された内面と、使用者から離れる方向に面するように構成された外面とを備えることができ、それらの面のうちの一方が、他方の面と比較して少なくとも1つの変更又は強化又は弱化された領域を備える。変更又は強化又は弱化された領域は、
a)リブ、
b)キャスタレーション(castellation)、
c)歯、
d)凹部
のうちの任意の1つ又は複数を含む。
複数の変更又は強化又は弱化された領域を設けることができる。
フィラメントは、相対的に大きい領域を含む長さ部分と、相対的に小さい領域を含む長さ部分と、大きい方の領域と小さい方の領域との間の遷移領域を含む長さ部分とを備えることができ、フィラメント止め部がカラーと当接するとき、遷移領域は、カラーを通過している。
いくつかの構成では、方向調整ユニットはフレームに配置されている。
いくつかの構成では、方向調整ユニットはヨークアセンブリに配置されている。
本開示の別の態様によれば、呼吸インタフェース又はマスク用のヘッドギアのフィラメントであって、
a.相対的に大きい領域を含む長さ部分と、
b.相対的に小さい領域を含む長さ部分と、
c.大きい方の領域と小さい方の領域との間の遷移領域を含む長さ部分と、
を含む複数の領域を備えるフィラメント本体
を備え、
それらの領域のうちの1つを含む長さ部分は、止め部を備える。
止め部及びフィラメントは、フィラメントの弾性変形領域の開始が、フィラメントの止め部の弾性変形領域の開始よりも低い力で発生するように構成することができる。
止め部は、フィラメントの長手方向軸に対して直交する、フィラメントから突出する突起を含むことができる。突起は、長尺状であり、フィラメントの大きい方の領域の少なくとも一部を横切って横方向に延在することができる。止め部は、遷移領域に隣接することができる。
止め部は、フィラメントの長手方向軸に対して傾斜している当接表面又は面を備えることができる。勾配又は傾斜当接表面又は面は、フィラメントの長手方向軸に対して5~90°、好ましくは15~70°、最も好ましくは20~45°の角度で傾斜させることができる。止め部は、フィラメントの長手方向軸に対してアンダカットされている当接表面又は面を含むことができる。当接表面又は面は、フィラメントの長手方向軸に対して5~90°、好ましくは30~85°、最も好ましくは60~80°の角度でアンダカットすることができる。
止め部は、
a)側方から見た場合、鈍角の台形状、
b)一対の対向する当接表面又は面、
c)平面であるか又は平面部分を含む当接表面又は面、
d)弓形であるか又は弓形部分を含む当接表面又は面、
のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる。
止め部は、フィラメントと一体的に形成することができる。
フィラメントは、フィラメントアンカを備えることができ、フィラメントアンカは、フィラメントアンカとヘッドギアとの嵌合/接続を可能にするようにフィラメントをヘッドギアと位置決め及び/又は位置合せするように構成された位置決め及び/又は位置合せ特徴部を備える。
位置決め及び/又は位置合せ特徴部は、
a)ラグ及び/又は凹部及び/又はスロット及び/又はアパーチャのうちの任意の1つ又は複数を含み、
b)フィラメントアンカを形成するフィラメントの幅広端部に設けることができる。
幅広端部は、実質的に平面とすることができ、フィラメントの長手方向軸から横方向に外向きに延在している。位置決め及び/又は位置合せ特徴部もまた、概して平面とすることができ、フィラメントの長手方向軸から離れるように横方向に延在している。フィラメントアンカの先端部は、フィラメントアンカの先端部が上方から見た場合に「U」字型であるか又はフォーク状であるように、先端辺縁部が開放している、長尺状スロットを備えることができる。フィラメントアンカは、単一の長方形アパーチャを備えることができる。フィラメントは、外側シース又はチューブ又はカバーを備えることができ、フィラメントアンカは、外側シース又はチューブ又はカバーの側方端部を保持する少なくとも1つのかかりも備える。
本開示の別の態様によれば、呼吸インタフェース又はマスク用のヘッドギアであって、
a)上記記述のうちの任意の1つの方向調整ユニットと、
b)上記記述のうちの任意の1つのフィラメントと、
を備える、ヘッドギアが提供される。
ヘッドギアは、ヘッドギアを呼吸インタフェース又はマスクに接続するように構成されたヨークを備えることができる。方向調整ユニットは、ヨークに配置することができる。ヨークは、中央部分と、中央部分から延在する少なくとも1つのセクションとを備えることができ、少なくとも1つのセクションは、ヘッドギアの少なくとも1本のストラップに接続するように構成されている。
本開示の別の態様によれば、上記記述のうちの任意の1つのフィラメントを備える、呼吸マスク用のヘッドギアが提供される。
本開示の別の態様によれば、呼吸マスク又はインタフェース用のヘッドギアであって、
ストラップと、
ストラップ内に少なくとも部分的に位置するフィラメントと、
方向調整ユニットであって、
少なくとも1つの移動可能な摩擦係合部材であって、内部を通ってフィラメントを受け入れる貫通して延在している空洞又はボア又は通路を形成するアパーチャを有する少なくとも1つの摩擦係合部材
を備える方向調整ユニットと、
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材が、第1形態ではフィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2形態ではフィラメントに関して係合形態を提供し、少なくとも1つの摩擦係合部材が、係合形態と係合解除形態との間で移動可能であり、
方向調整ユニットが、方向調整ユニットに対するフィラメントの移動の範囲を制限するように、フィラメントに設けられた止め部と当接するように構成された当接特徴部を備える、ヘッドギアが提供される。
本開示の別の態様によれば、上記記述のうちの任意の1つのヘッドギアを備える、呼吸マスク又はインタフェースが提供される。
本開示の別の態様によれば、上記記述のうちの任意の1つの呼吸マスク又はインタフェースを備える、呼吸療法システムが提供される。
呼吸療法システムは、
流れ発生器と、
加湿器と、
呼吸ガス送達導管と、
のうちの任意の1つ又は複数を備えることができる。
本開示の一態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットが提供され、方向調整ユニットは、
ハウジングと、
ハウジングに対して移動可能であるように配置された少なくとも1つの摩擦係合部材であって、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在している空洞を形成するアパーチャを有する少なくとも1つの摩擦係合部材と、
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1可動形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2可動形態では、フィラメントに関して係合形態を提供し、係合形態では、摩擦係合部材は、アパーチャを通るフィラメントの移動に抵抗するようにフィラメントと摩擦係合し、
方向調整ユニットは、係合形態にあるときに摩擦係合部材のフィラメントとの摩擦係合の程度を調整するように構成された摩擦調整装置を備える。
方向調整ユニットは、フィラメントをさらに備えることができる。
摩擦調整装置は、摩擦係合部材の実際の又は有効なアパーチャサイズを調整するように構成することができる。
摩擦調整装置は、ハウジングに対する摩擦係合部材の移動の特徴を調整するように構成することができる。移動の特徴は、
a)第1可動形態にあるときの摩擦係合部材の位置、
b)第2可動形態にあるときの摩擦係合部材の位置、
c)第1可動形態と第2可動形態との間の摩擦係合部材の移動の程度又は範囲又は大きさ
のうちの任意の1つ又は複数を含む。
摩擦調整装置は、ハウジング内の摩擦係合部材の位置を調整するように構成することができる。
摩擦調整装置は、ハウジングに対する摩擦係合部材の傾斜の最小角度又は最大角度を調整するように構成することができる。
摩擦係合部材は、枢支軸を中心に移動するように、ハウジング内に枢動するように取り付けることができ、アパーチャは枢支軸から間隔を空けて配置されている。
摩擦調整装置は、ハウジングに対する枢支軸の位置を調整するように構成することができる。
摩擦係合部材は、枢支軸から先端側に接触表面又は面を備えることができ、摩擦調整装置は、摩擦調整装置が係合形態にあるときに接触表面又は面と接触するように構成され、摩擦調整装置の少なくとも一部の位置は、接触表面又は面に対して調整可能である。
摩擦調整装置の少なくとも一部の位置は、枢支軸に対して垂直な方向において接触表面又は面に対して調整可能であり得る。摩擦調整装置の少なくとも一部の位置は、フィラメントの長手方向軸に対して平行な方向において接触表面又は面に対して調整可能であり得る。
摩擦調整装置は、摩擦係合部材の移動を制限するように係合形態にあるときに摩擦係合部材と当接するように構成された係合構成体を備えることができ、当接部材と摩擦係合部材との相対位置は調整可能である。
係合構成体は、摩擦係合部材に対して移動可能であり得る。摩擦係合部材は、係合構成体に対して移動可能であり得る。
ハウジングは、少なくとも1つの側壁と少なくとも1つの端壁とを備えることができ、係合構成体は、ハウジングの側壁又は端壁のうちの1つを構成する。
摩擦調整装置は、ハウジングの可動部分を構成することができ、ハウジングの可動部分の移動により、ハウジングに対する摩擦係合部材の移動の最小又は最大の範囲が調整される。
可動部分は、上部サブハウジング又は下部サブハウジングを含むことができ、摩擦係合部材はサブハウジングのうちの一方に取り付けられ、他方のサブハウジングは、摩擦係合部材と係合するように構成されている。
摩擦係合部材は、下部サブハウジングに取り付けられ得るか、又はその一部を構成することができる。
ハウジングの可動部は、他のハウジング部に対して摺動可能に移動可能であり得る。
摩擦調整装置は、摩擦係合部材のフィラメントとの摩擦係合の程度の調整を可能にするように構成されたアクチュエータを備えることができる。
アクチュエータは、
d)ハウジングに螺着されたねじ、
e)ハウジング内でチャネル又はスロット又は長尺状開口部に沿って摺動可能に移動可能なスライダ、
f)可動ボタン又はコンタクトパッド、
g)回転式ダイヤル又はホイール、
h)スイッチ又はロッカ、
のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる。
アクチュエータは、係合構成体に直接接続することができる。アクチュエータは、係合構成体と一体的であり得る。アクチュエータは、ユーザアクチュエータであるように構成することができる。
係合構成体は、摩擦係合部材と係合するように構成されたカムを備えることができ、カムと摩擦係合部材との相対位置は調整可能である。カムは、摩擦係合部材と係合する回転可能な接触面を備える回転カムを含むことができる。カムは、リニアカムを含むことができ、リニアカムは、ハウジングの中又は上で直線運動するように構成されるとともに、摩擦係合部材と係合するカム面を備える。カム面は、
i)平面部分、
j)湾曲部分、
k)曲線形部分
のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる。
カムは、摩擦力を調整するように摩擦係合部材に向かって且つ摩擦係合部材から離れるように移動可能であり得る。
複数の摩擦係合部材を設けることができる。
摩擦調整装置は、摩擦係合部材のうちの2つ以上のフィラメントとの摩擦係合の程度を調整するように構成することができる。
摩擦調整装置は、摩擦係合部材のうちの1つを除くすべてのフィラメントとの摩擦係合の程度調整を調整するように構成することができる。
本開示の別の態様によれば、呼吸インタフェース又はマスク用のヘッドギアであって、
上記記述のうちの任意の1つの方向調整ユニットと、
フィラメントと、
を備える、ヘッドギアが提供される。
ヘッドギアは、ヘッドギアを患者インタフェース又はマスクに接続するように構成されたヨークをさらに備えることができる。方向調整ユニットは、ヨークに配置することができる。ヨークは、中央部分と、中央部分から延在する少なくとも1つのセクションとを備えることができ、少なくとも1つのセクションは、ヘッドギアの少なくとも1本のストラップに接続するように構成されている。
本開示の別の態様によれば、呼吸マスク又はインタフェース用のヘッドギアであって、
ストラップと、
ストラップ内に少なくとも部分的に位置するフィラメントと、
方向調整ユニットであって、
少なくとも1つの移動可能な摩擦係合部材であって、内部を通してフィラメントを受け入れるように貫通して延在している空洞を形成するアパーチャを有する少なくとも1つの摩擦係合部材
を備える方向調整ユニットと、
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材が、第1形態ではフィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2形態ではフィラメントに関して係合形態を提供し、少なくとも1つの摩擦係合部材が、係合形態と係合解除形態との間で移動可能であり、
方向調整ユニットが、係合形態にあるときに摩擦係合部材のフィラメントとの摩擦係合の程度を調整するように構成された摩擦調整装置を備える、ヘッドギアが提供される。
本開示のさらなる態様によれば、呼吸インタフェース用のヘッドギアであって、
内部空間、第1開口部及び第2開口部を画定するハウジングであって、第1開口部及び第2開口部の各々が内部空間と連通している、ハウジングと、
ハウジングによって画定又は支持されたブレーキ要素と、
ハウジング内に配置されるとともに回転軸を備える少なくとも1つの回転要素と、
ハウジングの第1開口部及び第2開口部の一方又は両方を通過するとともに、ハウジングに対するコア要素の移動によって回転要素の回転がもたらされるように回転要素と係合するコア要素と、
を備え、
回転要素の回転軸が、回転要素の回転に対して第1レベルの抵抗を提供する第1位置と、回転要素の回転に対して第2レベルの抵抗を提供する第2位置との間で、ハウジングに対して移動可能であり、抵抗の第2レベルが第1レベルよりも高く、
第2レベルの抵抗が、少なくとも一部には、回転要素とブレーキ要素との摩擦係合によってもたらされ、
方向調整ユニットが、回転要素が第2位置にあるときに回転要素とブレーキ要素との摩擦係合を調整するように構成された摩擦調整装置をさらに備える、ヘッドギアが提供される。
回転要素はピニオンであり得る。コア要素はラックを含むことができる。コア要素はフィラメントを含むことができる。
本開示の別の態様によれば、呼吸インタフェース用のヘッドギア用の方向調整ユニットであって、
内部空間、第1開口部及び第2開口部を画定するハウジングであって、第1開口部及び第2開口部の各々が内部空間と連通している、ハウジングと、
ラック及びピニオン機構であって、
内部空間内に位置決めされるとともにハウジングに対して回転可能なピニオンであって、第1変位位置と第2変位位置との間で移動するようにも構成されているピニオンと、
ピニオンと係合するとともにハウジングの第1開口部及び第2開口部を通って移動するように構成されたラックと、
を備えるラック及びピニオン機構と、
ハウジングの中若しくは上に取り付けられるか又はハウジングの一部を構成するブレーキと、
を備え、
ピニオンが、第1変位位置にあるときに第1ラック方向においてハウジングを通してラックを移動させることにより、第1ピニオン方向において回転可能であり、
ピニオンが、第2変位位置にあるときにブレーキと摩擦係合して、ブレーキが第2ピニオン方向におけるピニオンの回転を阻止し、それによりラックの第2ラック方向におけるハウジングを通る移動が阻止されるようにし、
方向調整ユニットが、ピニオンが第2変位位置にあるときにピニオンとブレーキとの摩擦係合を調整するように構成された摩擦調整装置をさらに備える、方向調整ユニットが提供される。
摩擦調整装置は、ハウジングに対するブレーキの位置を調整するように構成することができる。
摩擦調整装置は、ハウジングに対するピニオンの位置を調整するように構成することができる。
摩擦調整装置は、ブレーキ又はピニオンをピニオン又はブレーキの他方に向かって又は他方から離れるように移動させることにより、ハウジングに対するブレーキ又はピニオンの位置を調整するように構成することができる。
アクチュエータは、ブレーキアジャスタを制御するように構成することができる。アクチュエータは、ユーザアクチュエータを含むことができる。アクチュエータは、ハウジングに対して移動可能であるように構成されたロータリアクチュエータを含むことができる。ロータリアクチュエータは、調整ダイヤル又はホイールを含むことができる。ロータリアクチュエータは、ねじ切り部分及び係合部分を含むことができ、ねじ切り部分の回転により、ハウジングに対する係合部分の位置が調整され、係合部分はブレーキと係合する。
ブレーキアジャスタは、ハウジングの歯付き部分とブレーキの歯付き部分とを備えることができ、ロータリアクチュエータの回転により、歯付き部分のうちの一方が回転して、その一方の歯付き部分が他方の歯付き部分に沿って移動し、歯付き部分の相対移動により、ピニオンとブレーキとの相対位置が調整される。
ハウジングの歯付き部分は直線状とすることができ、ブレーキの歯付き部分は回転する。
アクチュエータは、ハウジングに対して直線状に移動可能であるように構成されたリニアアクチュエータを含むことができる。リニアアクチュエータは、ハウジングに摺動可能に取り付けられたスライダを含むことができる。
アクチュエータは、ブレーキ又はピニオンと係合するように構成されたカムを備えることができ、カムの移動によりブレーキ又はピニオンの位置が調整される。
本開示のさらなる態様によれば、呼吸インタフェース用のヘッドギア用の方向調整ユニットであって、
内部空間、第1開口部及び第2開口部を画定するハウジングであって、第1開口部及び第2開口部の各々が内部空間と連通している、ハウジングと、
ラック及びピニオン機構であって、
内部空間内に位置決めされるとともにハウジングに対して回転可能なピニオンと、
ピニオンと係合するとともにハウジングの第1開口部及び第2開口部を通って移動するように構成されたラックと、
を備えるラック及びピニオン機構と、
ハウジングの中若しくは上に取り付けられたブレーキと、
を備え、
ピニオンが、ラックがハウジングを通して第1ラック方向に移動するように第1ピニオン方向において回転可能であり、ピニオンが、ラックがハウジングを通って反対のラック方向に移動するように第2ピニオン方向においても回転可能であり、
方向調整ユニットが選択的係合ユニットをさらに備え、選択的係合ユニットが、ピニオンをブレーキと選択的に係合させるように構成されるとともに、ピニオンが、第1ピニオン方向に回転したとき選択的係合ユニットを介してブレーキと係合して、ブレーキがピニオンの回転を阻止し、それによりラックの第1ラック方向における移動が阻止されるように構成され、ピニオンが、第2ピニオン方向に回転するとき、ブレーキと係合しないか又は係合が低減する、方向調整ユニットが提供される。
ブレーキは、回転ブレーキ部材と、回転ブレーキ部材と摩擦係合するように構成された摩擦ブレーキ部材とを備えることができる。
回転ブレーキ部材は、ブレーキホイール又はドラムを含むことができ、摩擦ブレーキ部材は、ブレーキホイール又はドラムの回転軸と同軸であるホイール又はドラムの表面と摩擦係合するように構成されている。
回転ブレーキ部材はブレーキディスクを含むことができ、摩擦ブレーキ部材は、ブレーキホイール又はドラムの回転軸に対して垂直であるホイール又はドラムの表面と摩擦係合するように構成されている。
選択的係合ユニットは、ピニオンが第1ピニオン方向に回転するとピニオンを回転部材と係合させるように、且つ、ピニオンが第2ピニオン方向に回転すると回転部材からピニオンを係合解除するか又はその係合を低減させて、それらの相対的な回転を可能にするように構成された、一方向機構を備えることができる。
選択的係合ユニットは、たとえば、ラチェット機構、クラッチ機構、又はスリッパクラッチ機構を含むことができる。
選択的係合ユニットは、制御信号に応じて、ピニオンをブレーキと選択的に係合させるように構成された電気機械アクチュエータを含むことができる。
本開示のさらなる態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットが提供され、方向調整ユニットは、
ハウジングと、
ハウジングに対して移動可能であるように配置された少なくとも1つの摩擦係合部材であって、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在しているアパーチャを有し、第1可動形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2可動形態では、フィラメントに関して係合形態を提供する少なくとも1つの摩擦係合部材と、
を備え、
方向調整ユニットは、方向調整ユニットに対するフィラメントの移動の範囲を制限するように、フィラメントに設けられた止め部と当接するように構成された当接特徴部を備える。
ハウジングとヘッドギアとの間に、フィラメント支持構造体を配置することができ、それは、フィラメントの少なくとも一部に沿って延在するとともにその一部を拘束する長尺状支持体を備え、長尺状支持体は、使用者の顔面に対して実質的に平行に延在する長手方向軸と、使用者の顔面から離れる方向に延在する横軸又は横方向軸と、使用者の顔面に対して実質的に平行に延在する垂直軸とを有し、
長尺状支持体の少なくとも一部分は、長尺状支持体に、垂直軸に沿った方向におけるよりも横軸又は横方向軸に沿った方向における方が大きい曲げ剛性を提供するように構成された、曲げ制御構造体を有する。
曲げ制御構造体は、長尺状支持体に沿って間隔を空けて配置された複数のアパーチャを備える、アパーチャ付き構造体を含むことができる。曲げ制御構造体は、ハニカム構造を含むことができる。少なくとも1つのアパーチャは、以下の形状:
a)円形、
b)楕円形、
c)三角形、
d)四辺形、
e)五角形、
f)六角形
のうちの任意の1つであり得る。
長尺状支持体の曲げ制御構成体は、長尺状支持体の長さの50%にわたって、好ましくはその長さの75%にわたって、より好ましくはその長さの90%にわたって延在することができる。
長尺状支持部材は、中空とすることができ、使用者の顔面と接触するように配置された横方向長尺状支持内壁と、長尺状支持壁から横方向に間隔を空けて配置された横方向外壁と、内壁及び外壁を接続する上壁及び下壁とを備え、それらの間の壁は、長尺状フィラメントが受け入れられる中空空間を画定し、曲げ制御構成体は、中空空間をさらに備える。
横方向外壁は、上部及び下部横方向外側副壁を備え、それらはそれらの間にスロットを画定するように間隔を空けて配置されている。横方向外壁、上壁及び下壁のうちの少なくとも1つは、壁材料がないか又は低減している壁の部分である、少なくとも1つの切取部を備えることができる。複数の切取部を設けることができる。横方向外壁、上壁及び下壁の各々が、切取部を備えることができる。各切取部は、規則的な線及び形状を含む幾何学的形状であり得る。外壁、上壁及び下壁のうちの少なくとも1つが切取部を備えることができ、少なくとも1つの壁が、キャスタレーションが付けられ(castellated)又は歯付きであり、複数のキャスタレーション又は歯を含み、それらの各対がそれぞれの切取部によって分離されるように配置されており、曲げ制御構成体は、キャスタレーション又は歯をさらに備える。
本開示のさらなる態様によれば、
上記記述のうちの任意の1つの方向調整ユニットと、
フィラメントと、
を備える、呼吸インタフェース又はマスク用のヘッドギアが提供される。
本開示のさらなる態様によれば、上記記述のうちの任意の1つのヘッドギアを備える、呼吸マスク又はインタフェースが提供される。
本開示のさらなる態様によれば、上記記述のうちの任意の1つの呼吸マスク又はインタフェースを備える、呼吸療法システムが提供される。
呼吸療法システムは、
a.流れ発生器と、
b.加湿器と、
c.呼吸ガス送達導管と、
d.呼気回路と、
のうちの任意の1つ又は複数を備えることができる。
本開示の別の態様によれば、呼吸療法システムで使用される呼吸マスク又はインタフェースであって、
マスクフレームと、
フレームに取り付けられるとともに使用者の顔面と封止するように構成されたクッションと、
を備え、
マスクフレームが、
ガス供給部から呼吸可能ガスを受け取るように構成されたガス入口
を備え、
マスクフレームが、
マスクから呼気ガスを排気する通気孔
をさらに備え、
通気孔が、マスク又はインタフェースを正面と一方の側方とから見た場合に、ガス入口の上方に且つ後方に位置決めされている、呼吸マスク又はインタフェースが提供される。
呼吸マスク又はインタフェースは、マスクをガス入口の中心軸に沿った方向において正面から見た場合にガス入口の上方の取付具をさらに備えることができ、取付具は、マスクフレームにヘッドギアのヨークアセンブリを取り付けるように構成され、ヨークアセンブリは、ヘッドギアの側部ストラップに接続されるか又は接続されるように構成され、ヨークアセンブリは、ヨークアセンブリが取付具に取り付けられたときにマスクフレームにヘッドギアを接続する。
本開示の別の態様によれば、呼吸療法システムで使用される呼吸マスク又はインタフェースであって、
マスクフレームと、
フレームに取り付けられるとともに使用者の顔面と封止するように構成されたクッションと、
を備え、
マスクフレームが、
ガス供給部から呼吸可能ガスを受け取るように構成されたガス入口
を備え、
マスクフレームが、
マスクから呼気ガスを排気する通気孔と、
マスクをガス入口の中心軸に沿った方向において正面から見た場合にガス入口の上方の取付具であって、マスクフレームにヘッドギアのヨークアセンブリを取り付けるように構成され、ヨークアセンブリが、ヘッドギアの側部ストラップに接続されるか又は接続されるように構成され、ヨークアセンブリが、ヨークアセンブリが取付具に取り付けられたときにマスクフレームにヘッドギアを接続する、取付具と、
をさらに備え、
通気孔が、マスク又はインタフェースを正面と一方の側方とから見た場合に、取付具の上方に且つ後方に位置決めされている、呼吸マスク又はインタフェースが提供される。
取付具は、ヨークアセンブリが少なくとも部分的に受け入れられる凹部を備えることができる。
凹部は、ガス入口の頂部の境界となる下面と、ガス入口から垂直方向に間隔を空けて配置された少なくとも1つの上面とによって画定することができる。
上面は、マスクを正面から見た場合に、横方向に間隔を空けて配置されるとともに、フレームの複数の外向きに突出する部分に設けられた、複数の上面を含むことができる。
フレームは、取付具の上でヨークアセンブリを保持するようにヨークアセンブリと係合するように構成された少なくとも1つのヨーク保持特徴部を備えることができる。
ヨーク保持特徴部は、少なくとも1つのスナップフィットコネクタを含むことができる。
通気孔は、入口の軸から離れるように上向きに傾斜している少なくとも1つの通気アパーチャを備えることができる。
通気孔は、入口の軸から離れるように横方向外向きに傾斜している少なくとも1つの通気アパーチャを備えることができる。
通気孔は、通気アパーチャのアレイを備えることができる。
その又は各通気アパーチャはレーザ穴あけ加工することができる。
通気孔は、マスクフレームの通気孔面に設けることができ、通気孔面は、マスクの正面から見た場合、弓形である。
通気孔は、マスクフレームの通気孔面に設けることができ、通気孔面は、マスクの上方から見た場合、弓形である。
通気孔面は長尺状とすることができ、通気孔面の幅は、正面から見た場合、通気孔面の高さよりも長い。
通気孔面は、正面から見た場合、楕円形であり得る。
通気孔面は、呼気ガスがマスクから離れて半径方向外向きに分散されるように構成することができる。
通気孔面は、マスクの正面から見た場合、凸状であり得る。
通気孔面は、通気孔面が複数の次元において湾曲しているように、複数の軸を中心に湾曲することができる。
通気孔面の幅は、ガス入口の幅と実質的に等しくすることができる。
ガス入口は、マスクフレームの正面から外向きに突出するボスに設けることができる。
ボスは、マスクを側方から見た場合、下向きに傾斜することができる。
ガス入口は、
楕円形、
円形、
非円形
のうちの任意の1つであり得る。
呼吸マスク又はインタフェースは、フレームをガス送達導管に接続するように構成されたガス入口導管コネクタを備えることができる。
ガス入口導管コネクタは、ボスと一体化することができ、ボスから外向きに突出している。
ガス入口導管コネクタは、ボスに取外し可能に取り付けることができ、ボスから外向きに突出している。
呼吸マスク又はインタフェースは、入口に隣接するマスクフレームに少なくとも1つのユーザグリップ部分を備えることができる。
ユーザグリップ部分は、へこみのある部分を含むことができる。
呼吸マスク又はインタフェースは、入口の各側に1つ、一対のユーザグリップ部分を備えることができる。
その又は各ユーザグリップ部分は、入口の中心軸よりも実質的に下方にあり得る。
呼吸マスク又はインタフェースは、ヨークアセンブリを備えることができる。
ヨークアセンブリは、中央部分と、中央部分から横方向外向きに延在する一対の両側の側方部分とを備えることができ、各側方部分は、ヘッドギアのそれぞれの側部ストラップに接続するように構成され、中央部分は、マスクフレームの取付具に取り付けられるように構成されている。
取付具及びヨークアセンブリのうちの少なくとも一方が、ヨークアセンブリを取付具に取り付けるように取付具及びヨークアセンブリの他方と係合するように構成されたコネクタ構成体を備えることができる。
コネクタ構成体は、スナップフィットコネクタ構成体を含むことができる。
正面から見た場合に一方の側方辺縁部から他方の側方辺縁部までのヨークアセンブリの幅は、80mm未満、好ましくは75mm未満、より好ましくは70mm未満、1つの例では67mmである、請求項219の呼吸マスク又はインタフェース。
ヨークアセンブリの中央部分から測定された正面から背面までのヨークアセンブリの厚さは、8mm未満、好ましくは7mm未満とすることができ、1つの例では6.7mmである。
ヨークアセンブリは、前ヨーク部材及び後ヨーク部材を備えることができ、ヨーク部材は、ヨークアセンブリを通してフィラメントガイド経路を画定する。
ヨークアセンブリは、ヨークアセンブリを通って延在する一対のフィラメントガイド経路を備えることができ、各ガイド経路は、それぞれのフィラメントを誘導するように構成されている。
ヨークアセンブリを正面から見た場合、一方のガイド経路は、ヨークアセンブリ内部で他方のガイド経路と交差することができる。
ヨークアセンブリを上方から見た場合、一方のガイド経路は、ヨークアセンブリ内部で他方のガイド経路と交差することができる。
一方のガイド経路は、ヨークアセンブリの一方の側方端部における第1垂直位置から、ヨークアセンブリの反対側の側方端部における異なる垂直位置まで延在することができ、他方のガイド経路は、ヨークアセンブリの反対側の側方端部における第1垂直位置から、ヨークアセンブリの一方の側方端部における異なる垂直位置まで延在している。
ヨークアセンブリは、一対の横方向に間隔を空けて配置されたフィラメント入口と、一対の横方向に間隔を空けて配置されたフィラメント出口とを備えることができる。
ヨークアセンブリは、一対の間隔を空けて配置された側方端部を備えることができ、フィラメント入口及びフィラメント出口が、ヨークアセンブリの各側方端部に位置決めされている。
フィラメント入口は、フィラメント出口から垂直方向に間隔を空けて配置することができる。
フィラメント入口は、フィラメント出口よりも下方に位置決めすることができる。
ヨークアセンブリの一方の側方端部におけるフィラメント入口が、ヨークアセンブリの他方の側方端部におけるフィラメント入口と同じ高さにあるように、フィラメント入口を同じ高さに位置決めすることができる。
ヨークアセンブリの一方の側方端部におけるフィラメント出口が、ヨークアセンブリの他方の側方端部におけるフィラメント出口と同じ高さにあるように、フィラメント出口を同じ高さに位置決めすることができる。
ガイド経路、入口及び出口は、フィラメントがヨークにわたって力が均衡するように構成することができ、それは、ヨークアセンブリを通って一方のフィラメントを移動させるために必要な力が、ヨークアセンブリを通って他方のフィラメントを移動させるために必要な力と実質的に等しいことを意味する。
ヨークアセンブリは、前ヨーク部材及び後ヨーク部材を含む2部品構造であり得る。
ヨークアセンブリは、前ヨーク部材を後ヨーク部材に取り付けるスナップフィット接続部を備えることができる。
前ヨーク部材及び後ヨーク部材は、合わせて、ヨークアセンブリを通してフィラメントガイド経路を画定することができる。後ヨーク部材は、マスクフレームの一体部分を構成することができる。
呼吸マスク又はインタフェースは、一対のフィラメント支持構造体を備えることができ、各フィラメント支持構造体は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部に取り付けられるように構成され、各フィラメント支持構造体は、各々がそれぞれのフィラメントを受け入れるように構成されている一対のフィラメント通路を備える。
クッションは、出口を備えることができ、呼吸可能ガスは、出口を通って患者に送達され、出口は、ガス流の方向において出口の中心を通って延在する中心軸を有し、出口アパーチャは、出口の中心軸に沿って見た場合、逆台形状であり、出口は、中心軸よりも上方の上方部分と、中心軸よりも下方の下方部分とを備え、上方部分は、出口の中心軸に沿って見た場合、下方部分の最大幅よりも大きい最大幅を有する。
呼吸マスク又はインタフェースは、呼吸マスクアセンブリのヘッドギア用の方向調整ユニットを備えることができ、方向調整ユニットは、
マスクフレームに取り付けられるように構成されたハウジングと、
ハウジングに対して移動可能であるように配置された少なくとも1つの摩擦係合部材であって、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在している空洞を形成するアパーチャを有する、少なくとも1つの摩擦係合部材と、
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1可動形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2可動形態では、フィラメントに関して係合形態を提供し、係合形態では、摩擦係合部材は、アパーチャを通るフィラメントの移動に抵抗するようにフィラメントと摩擦係合する。
方向調整ユニットは、呼吸マスクに取り付けられ且つハウジングを保持するように構成されたヨークアセンブリを備えることができ、ヨークアセンブリは、一対の横方向に延在する両側のアームを備え、アームの各々は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部で終端する。
本開示の別の態様によれば、呼吸療法システムで使用される呼吸マスク又はインタフェースであって、
マスクフレームと、
フレームに取り付けられるとともに使用者の顔面と封止するように構成されたクッションと、
を備え、
マスクフレームが、
ガス供給部から呼吸可能ガスを受け取るように構成されたガス入口
を備え、
クッションが出口を備え、呼吸可能ガスが出口を通って患者に送達され、出口が、ガス流の方向において出口の中心を通って延在する中心軸を有し、出口アパーチャが、中心軸よりも上方の上方部分と、中心軸よりも下方の下方部分とを備え、上方部分が、出口の中心軸に沿って見た場合に、下方部分の最大幅よりも大きい最大幅を有する、呼吸マスク又はインタフェースが提供される。
出口アパーチャは、出口の中心軸に沿って見た場合、逆台形状であり得る。
出口は長尺状とすることができ、出口の幅は、出口の中心軸に沿って見た場合、出口の高さよりも長い。
出口は楕円形であり得る。
出口は、少なくとも1つの弓形部分を含むことができる。
弓形部分は、出口の中心軸から離れるように外向きに曲がることができる。
出口は、複数の弓形部分を含むことができる。
呼吸マスク又はインタフェースは、呼吸マスクアセンブリのヘッドギア用の方向調整ユニットを備えることができ、方向調整ユニットは、
マスクフレームに取り付けられるように構成されたハウジングと、
ハウジングに対して移動可能であるように配置された少なくとも1つの摩擦係合部材であって、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在している空洞を形成するアパーチャを有する、少なくとも1つの摩擦係合部材と、
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1可動形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2可動形態では、フィラメントに関して係合形態を提供し、係合形態では、摩擦係合部材は、アパーチャを通るフィラメントの移動に抵抗するようにフィラメントと摩擦係合する。
方向調整ユニットは、呼吸マスクに取り付けられ且つハウジングを保持するように構成されたヨークアセンブリを備えることができ、ヨークアセンブリは、一対の横方向に延在する両側のアームを備え、アームの各々は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部で終端する。
本開示の別の態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットが提供され、方向調整ユニットは、
ハウジングと、
ハウジングに対して移動可能であるように配置された少なくとも1つの摩擦係合部材であって、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在している空洞を形成するアパーチャを有する少なくとも1つの摩擦係合部材と、
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1可動形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2可動形態では、フィラメントに関して係合形態を提供し、係合形態では、摩擦係合部材は、アパーチャを通るフィラメントの移動に抵抗するようにフィラメントと摩擦係合し、
方向調整ユニットは、呼吸マスクに取り付けられ且つハウジングを保持するように構成されたヨークアセンブリを備えることができ、ヨークアセンブリは、一対の横方向に延在する両側のアームを備え、アームの各々は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部で終端し、正面から見た場合、一方の側方端部から他方の側方端部まで延在するヨークアセンブリの幅は、60~85mm、好ましくは60~80mm、より好ましくは65~70mmの範囲である。
ヨークアセンブリの幅は、80mm未満であり得る。
ヨークアセンブリの中央部分において測定される、正面から背面までのヨークアセンブリの厚さは、5~7mm、好ましくは6~6.8mmの範囲であり得る。
ヨークアセンブリの厚さは、7mm未満であり得る。
少なくとも1つの摩擦係合部材の少なくとも一部が、ヨークアセンブリの幅の範囲内にあり得る。
上方から見た場合、ヨークアセンブリの最前外面から最後外面までのヨークアセンブリの奥行きは、25~35mmであり得る。
上方から見た場合、ヨークアセンブリの最前外面から最後外面までのヨークアセンブリの奥行きは、30mm未満であり得る。
上方から見た場合、ヨークアセンブリの最前外面から最後外面までのヨークアセンブリの奥行きに対するヨークアセンブリの幅の比は、2.5:1未満、好ましくは2:1未満、より好ましくは1.8:1未満であり得る。
上記方向調整ユニットのうちの任意のもののハウジングは、ヨークアセンブリによって形成することができる。上記実施形態のうちの任意のもののヨークアセンブリは、マスクフレームの一部として形成することができる。
ヨークアセンブリは、前ヨーク部材及び後ヨーク部材を備えることができ、ヨーク部材は、ヨークアセンブリを通してフィラメントガイド経路を画定する。
ヨークアセンブリは、ヨークアセンブリを通って延在する一対のフィラメントガイド経路を備えることができ、各ガイド経路は、それぞれのフィラメントを誘導するように構成されている。
ヨークアセンブリを正面から見た場合、一方のガイド経路は、ヨークアセンブリ内部で他方のガイド経路と交差することができる。
ヨークアセンブリを上方から見た場合、一方のガイド経路は、ヨークアセンブリ内部で他方のガイド経路と交差することができる。
一方のガイド経路は、ヨークアセンブリの一方の側方端部における第1垂直位置から、ヨークアセンブリの反対側の側方端部におけるより低い垂直位置まで延在することができ、他方のガイド経路は、ヨークアセンブリの反対側の側方端部における第1垂直位置から、ヨークアセンブリの一方の側方端部におけるより低い垂直位置まで延在している。
ヨークアセンブリは、一対の横方向に間隔を空けて配置されたフィラメント入口と、一対の横方向に間隔を空けて配置されたフィラメント出口とを備えることができる。
ヨークアセンブリは、一対の間隔を空けて配置された側方端部を備えることができ、フィラメント入口及びフィラメント出口が、ヨークアセンブリの各側方端部に位置決めされている。
フィラメント入口は、フィラメント出口から垂直方向に間隔を空けて配置することができる。
フィラメント入口は、フィラメント出口よりも下方に位置決めすることができる。
ヨークアセンブリの一方の側方端部におけるフィラメント入口が、ヨークアセンブリの他方の側方端部におけるフィラメント入口と同じ高さにあるように、フィラメント入口を同じ高さに位置決めすることができる。
ヨークアセンブリの一方の側方端部におけるフィラメント出口が、ヨークアセンブリの他方の側方端部におけるフィラメント出口と同じ高さにあるように、フィラメント出口を同じ高さに位置決めすることができる。
ガイド経路、入口及び出口は、フィラメントがヨークにわたって力が均衡するように構成することができ、それは、ヨークアセンブリを通って一方のフィラメントを移動させるために必要な力が、ヨークアセンブリを通って他方のフィラメントを移動させるために必要な力と実質的に等しいことを意味する。
ヨークアセンブリは、前ヨーク部材及び後ヨーク部材を含む2部品構造であり得る。
ヨークアセンブリは、前ヨーク部材を後ヨーク部材に取り付けるスナップフィット接続部を備えることができる。
前ヨーク部材及び後ヨーク部材は、合わせて、ヨークアセンブリを通してフィラメントガイド経路を画定することができる。
方向調整ユニットは、一対のフィラメント支持構造体を備えることができ、各フィラメント支持構造体は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部に取り付けられるように構成され、各フィラメント支持構造体は、各々がそれぞれのフィラメントを受け入れるように構成されている一対のフィラメント通路を備える。
ヨークアセンブリは、一対の間隔を空けて配置された側方端部を備えることができ、フィラメント入口及びフィラメント出口が、ヨークアセンブリの各側方端部に位置決めされている。
方向調整ユニットは、一対のフィラメント支持部材を備えることができ、各フィラメント支持部材は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部に取り付けられるように構成され、各フィラメント支持部材は、各々がそれぞれのフィラメントを受け入れるように構成されている一対のフィラメント通路を備える。
ヨークアセンブリは、一対の横方向に延在する両側のアームを備えることができ、アームの各々は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部で終端し、正面から見た場合、一方の側方端部から他方の側方端部まで延在するヨークアセンブリの幅は、60~85mm、好ましくは60~80mm、より好ましくは65~70mmの範囲であり、場合により、80mm未満である。
本開示の別の態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットで使用されるヨークアセンブリが提供され、方向調整ユニットは、ヘッドギアのフィラメントの調整を可能にするように構成され、
ヨークアセンブリは、呼吸マスクに取り付けられ且つ方向調整ユニットのハウジングを保持するように構成され、ヨークアセンブリは、一対の横方向に延在する対向するアームを備え、アームの各々は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部で終端し、正面から見た場合、一方の側方端部から他方の側方端部まで延在するヨークアセンブリの幅は、80mm未満である。
ヨークアセンブリは、方向調整ユニットをさらに備えることができ、方向調整ユニットは、
ハウジングと、
ハウジングに対して移動可能であるように配置された少なくとも1つの摩擦係合部材であって、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在している空洞を形成するアパーチャを有する少なくとも1つの摩擦係合部材と、
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1可動形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2可動形態では、フィラメントに関して係合形態を提供し、係合形態では、摩擦係合部材は、アパーチャを通るフィラメントの移動に抵抗するようにフィラメントと摩擦係合する。
本開示の別の態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットであって、
少なくとも1つの移動可能な摩擦係合部材であって、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在する空洞を形成するアパーチャを有する少なくとも1つの摩擦係合部材
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材が、第1可動形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2可動形態では、フィラメントに関して係合形態を提供し、係合形態では、摩擦係合部材がアパーチャを通るフィラメントの移動に抵抗するようにフィラメントと摩擦係合し、
方向調整ユニットが、呼吸マスクに取り付けられ且つハウジングと係合するように構成されたヨークアセンブリをさらに備え、
ヨークアセンブリが、ヨークアセンブリを通してフィラメントガイド経路を画定するとともに、フィラメントを受け入れるように構成され、フィラメントが、少なくとも1つの摩擦係合部材を通してフィラメントが移動することができる長さであるフィラメント有効長さを有し、フィラメント有効長さが、フィラメントガイド経路の長さよりも大きい、方向調整ユニットが提供される。
ヨークアセンブリは、前ヨーク部材及び後ヨーク部材を備えることができ、ヨーク部材は、ヨークアセンブリを通してフィラメントガイド経路を画定する。
ヨークアセンブリは、ヨークアセンブリを通って延在する一対のフィラメントガイド経路を備えることができ、各ガイド経路は、それぞれのフィラメントを誘導するように構成されている。
ヨークアセンブリを正面から見た場合、一方のガイド経路は、ヨークアセンブリ内部で他方のガイド経路と交差することができる。
ヨークアセンブリを上方から見た場合、一方のガイド経路は、ヨークアセンブリ内部で他方のガイド経路と交差することができる。
一方のガイド経路は、ヨークアセンブリの一方の側方端部における第1垂直位置から、ヨークアセンブリの反対側の側方端部におけるより低い垂直位置まで延在することができ、他方のガイド経路は、ヨークアセンブリの反対側の側方端部における第1垂直位置から、ヨークアセンブリの一方の側方端部におけるより低い垂直位置まで延在している。
ヨークアセンブリは、一対の横方向に間隔を空けて配置されたフィラメント入口と、一対の横方向に間隔を空けて配置されたフィラメント出口とを備えることができる。
ヨークアセンブリは、一対の間隔を空けて配置された側方端部を備えることができ、フィラメント入口及びフィラメント出口が、ヨークアセンブリの各側方端部に位置決めされている。
少なくとも1つの摩擦係合部材の少なくとも一部分が、ヨークアセンブリの幅の範囲内にあり得る。
上方から見た場合、ヨークアセンブリの最前外面から最後外面までのヨークアセンブリの奥行きは、25~35mmであり得る。
上方から見た場合、ヨークアセンブリの最前外面から最後外面までのヨークアセンブリの奥行きは、30mm未満であり得る。
上方から見た場合の、ヨークアセンブリの最前外面から最後外面までのヨークアセンブリの奥行きに対するヨークアセンブリの幅の比は、2.5:1未満であり得る。
上方から見た場合の、ヨークアセンブリの最前外面から最後外面までのヨークアセンブリの奥行きに対するヨークアセンブリの幅の比は、2:1未満であり得る。
上方から見た場合の、ヨークアセンブリの最前外面から最後外面までのヨークアセンブリの奥行きに対するヨークアセンブリの幅の比は、1.8:1未満であり得る。
フィラメント入口は、フィラメント出口から垂直方向に間隔を空けて配置することができる。
フィラメント入口は、フィラメント出口よりも下方に位置決めすることができる。
ヨークアセンブリの一方の側方端部におけるフィラメント入口が、ヨークアセンブリの他方の側方端部におけるフィラメント入口と同じ高さにあるように、フィラメント入口を同じ高さに位置決めすることができる。
ヨークアセンブリの一方の側方端部におけるフィラメント出口が、ヨークアセンブリの他方の側方端部におけるフィラメント出口と同じ高さにあるように、フィラメント出口を同じ高さに位置決めすることができる。
ガイド経路、入口及び出口は、フィラメントがヨークにわたって力が均衡するように構成することができ、それは、ヨークアセンブリを通って一方のフィラメントを移動させるために必要な力が、ヨークアセンブリを通って他方のフィラメントを移動させるために必要な力と実質的に等しいことを意味する。
ヨークアセンブリは、前ヨーク部材及び後ヨーク部材を含む2部品構造であり得る。
ヨークアセンブリは、前ヨーク部材を後ヨーク部材に取り付けるスナップフィット接続部を備えることができる。
前ヨーク部材及び後ヨーク部材は、合わせて、ヨークアセンブリを通してフィラメントガイド経路を画定することができる。
方向調整ユニットは、一対のフィラメント支持構造体を備えることができ、各フィラメント支持構造体は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部に取り付けられるように構成され、各フィラメント支持構造体は、各々がそれぞれのフィラメントを受け入れるように構成されている一対のフィラメント通路を備える。
ヨークアセンブリは、一対の横方向に延在する対向するアームを備えることができ、アームの各々は、ヨークアセンブリのそれぞれの側方端部で終端し、正面から見た場合、一方の側方端部から他方の側方端部まで延在するヨークアセンブリの幅は、75mm未満である。
ヨークアセンブリの幅は、60~85mm、好ましくは60~80mm、より好ましくは65~70mmの範囲とすることができ、場合により、80mm未満である。
ヨークアセンブリの中央部分から測定された正面から背面までのヨークアセンブリの厚さは、7mm未満とすることができる。
方向調整ユニットは、少なくとも1本のフィラメントを備えることができる。
方向調整ユニットは、一対のフィラメントを備えることができる。
本開示の別の態様によれば、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニットで使用されるヨークアセンブリが提供され、方向調整ユニットは、ヘッドギアのフィラメントの調整を可能にするように構成され、
ヨークアセンブリは、呼吸マスクに取り付けられ且つ方向調整ユニットのハウジングを保持するように構成され、ヨークアセンブリは、ヨークアセンブリを通り且つフィラメントを受け入れるように構成されたフィラメントガイド経路を画定し、フィラメントは、ハウジングを通してフィラメントを移動させることができる長さである有効長さを有し、フィラメント有効長さは、フィラメントガイド経路の長さよりも大きい。
ヨークアセンブリは、方向調整ユニットを備えることができ、方向調整ユニットは、
ハウジングと、
ハウジングに対して移動可能であるように配置された少なくとも1つの摩擦係合部材であって、内部を通してヘッドギアのストラップのフィラメントを受け入れるように貫通して延在している空洞を形成するアパーチャを有する少なくとも1つの摩擦係合部材と、
を備え、
少なくとも1つの摩擦係合部材は、第1可動形態では、フィラメントに関して係合解除形態を提供し、第2可動形態では、フィラメントに関して係合形態を提供し、係合形態では、摩擦係合部材は、アパーチャを通るフィラメントの移動に抵抗するようにフィラメントと摩擦係合する。
ハウジングは、少なくとも部分的にヨークアセンブリによって形成することができる。
ヨークアセンブリは、マスクフレームの一部として形成することができる。ヨークアセンブリは、前ヨーク部材及び後ヨーク部材を含むことができ、ヨーク部材は、マスクフレーム又はその一部を構成する。
本発明の別の態様によれば、呼吸マスク又はインタフェース用のヘッドギアであって、
上記記述のうちの任意の1つの方向調整ユニットと、
上記記述のうちの任意の1つのフィラメントと、
を備える、ヘッドギアが提供される。
本発明の別の態様によれば、呼吸マスク又はインタフェース用のヘッドギアであって、
上記記述のうちの任意の1つの方向調整ユニットと、
フィラメントと、
を備える、ヘッドギアが提供される。
ヘッドギアは、ヘッドギアを呼吸マスク又はインタフェースに接続するように構成されたヨークアセンブリを備えることができる。
方向調整ユニットは、ヨークアセンブリ内に少なくとも部分的に保持することができる。
ヨークアセンブリは、中央部分と、中央部分から横方向外向きに延在する少なくとも1つの側方部分とを備え、少なくとも1つの側方部分は、ヘッドギアの少なくとも1本のストラップに接続するように構成されている。
本発明の別の態様によれば、上記記述のうちの任意の1つのフィラメントを備える、呼吸マスク又はインタフェース用のヘッドギアが提供される。
本発明の別の態様によれば、上記記述のうちの任意の1つのヘッドギアを備える、呼吸マスク又はインタフェースが提供される。
本発明の別の態様によれば、上記記述のうちの任意の1つの呼吸マスク又はインタフェースを備える、呼吸療法システムが提供される。
本発明の別の態様によれば、上記記述のうちの任意の1つのヨークアセンブリを備える、呼吸療法システムが提供される。
本発明の別の態様によれば、上記記述のうちの任意の1つによる呼吸療法システムであって、
流れ発生器と、
加湿器と、
呼吸ガス送達導管と、
呼気回路と、
のうちの任意の1つ又は複数も備える呼吸療法システムが提供される。
本開示のさらなる態様は、その新規な態様のすべてにおいて考慮されるべきであり、以下の説明から明らかとなろう。
図面を通して、参照番号を再使用して参照要素間の全体的な対応を示す場合がある。ここで、図面を参照して、本開示の複数の実施形態について例として説明する。
ここで、添付の図を参照して、システム、構成要素、並びに組立及び製造方法の実施形態について説明する。図を通して、同様の数字は同様の又は類似する要素を指す。以下、いくつかの実施形態、例及び例示を開示するが、当業者であれば、本明細書に記載する発明が、具体的に開示する実施形態、例及び例示の範囲を超え、本発明の他の使用並びに本発明の明らかな変更形態及び均等物を含むことができることが理解されよう。本明細書に提示する説明で使用する術語は、本発明のいくつかの具体的な実施形態の詳細な説明と併せて使用されているという理由のみで、いかなる限定的又は制限的な形態でも解釈されるようには意図されていない。さらに、本発明の実施形態は、いくつかの新規な特徴を含むことができ、いずれの単一の特徴もその望ましい属性を単独で担うものではなく、本明細書に記載する本発明を実施するために不可欠であることもない。
以下の説明では、いくつかの術語は、単に参照の目的で使用される場合があり、したがって、限定的であるように意図されていない。たとえば、「上」及び「下」等の用語は、参照する図面における方向を指す。「水平」、「垂直」、「前」、「後」、「左」、「右」、「後部」及び「側部」等の用語は、患者インタフェースに関して、使用者の頭部が直立の向きにある状態で装着時の向きにあることが多い、考察されている構成要素又は要素について記載する本文及び関連する図面を参照することによって明らかとなる、一貫しているが任意の基準系における構成要素又は要素のいくつかの部分の向き及び/又は場所を述べるものである。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、別個の構成要素について説明するために使用する場合がある。こうした術語は、具体的に上述した語句、それらの派生語及び同様に重要な語句を含む場合がある。
別段文脈から明らかに必要でない限り、明細書及び特許請求の範囲を通して、「備える、含む(comprise、comprising)」等の語句は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に包括的な意味で、すなわち、「限定されないが~を含む」という意味で解釈されるべきである。特に、「できる(can、could)」、「あり得る、可能性がある、場合がある(might、may)」、「たとえば」等、本明細書で使用する条件付きの文言は、別段具体的な定めのない限り、又は、使用されている文脈内で他の意味で理解されない限り、概して、いくつかの実施形態が、いくつかの特徴、要素及び/又は状態を含むが、他の実施形態は含まないことを示唆するように意図されている。したがって、こうした条件付きの文言は、概して、特徴、要素及び/又は状態が何らかの点で1つ若しくは複数の実施形態に必要であること、又は、1つ若しくは複数の実施形態が、著者の入力若しくは指示があってもなくても、これらの特徴、要素及び/又は状態が任意の特定の実施形態に含まれ又は任意の特定の実施形態で実施されるべきであるか否かを判断する論理を必然的に含むことを、示唆するようには意図されていない。
「実質的に」という用語は、列挙した特徴、パラメータ又は値が正確に達成される必要はなく、たとえば、公差、測定誤差、測定精度限界、及び当業者には既知である他の要素を含む偏差又は変動が、その特徴が提供するように意図された効果を排除しない量で発生する可能性があることを意味する。
本明細書では、数値データを範囲形式で表現し又は提示している場合がある。こうした範囲形式は、単に便宜上及び簡潔にするために使用されており、したがって、範囲の上下限として明示的に列挙される数値を含むように柔軟に解釈されるだけでなく、その範囲内に包含される個々の数値又は部分範囲のすべてを、各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように含むようにも解釈されるべきであるということが理解されよう。例示として、「1~5」という数値範囲は、約1~約5の明示的に列挙された値のみを含むように解釈されるべきであるのではなく、示された範囲内の個々の値及び部分範囲も含むようにも解釈されるべきである。したがって、この数値範囲に含まれるのは、2、3及び4等の個々の値と、「1~3」、「2~4」及び「3~5」等の部分範囲とである。この同じ原理は、1つの数値のみを列挙する範囲(たとえば、「1より大きい」)に適用され、範囲の広さ又は記載されている特徴に関わらず適用されるべきである。
「別法として」という用語は、2つ以上の選択肢のうちの1つの選択を指し、別段文脈において明確な指示がない限り、一度に列挙された選択肢のみに又は列挙された選択肢のうちの1つのみに選択を限定するようには意図されていない。
本開示は、広義には、本出願の明細書において個々に又はまとまって言及されるか又は示される部品、要素及び特徴に、前記部品、要素又は特徴のうちの2つ以上の任意の又はすべての組合せで存すると言うことも可能である。
本開示において、「外側」という用語は、使用者の顔面から離れる方向に面する側を指し、「内側」という用語は、使用者の顔面の方に面する側を指す。
本開示は、呼吸マスク用のヘッドギアの種々の構成要素に関する。特に、関連する構成要素は、呼吸マスク用のヘッドギア用の方向調整ユニット、方向調整ユニットに作動的に結合されたフィラメントを収容し、備え、又はそれに固定されているストラップ、又は、呼吸マスク用のヘッドギアに関連する他の構成要素と組み合わせてもよい、2つの組合せに関連することができる。
より詳細には、本開示は、呼吸マスク又はインタフェースシステムのさまざまな構成要素に関する。
方向調整ユニット
図1a~図1dは、ハウジング1810と、第1及び第2ロック要素(たとえば、摩擦係合部材1820、1822)と、ヘッドギアストラップのフィラメント1830とを備える本発明者らの先の出願、米国仮特許出願第62/644002号明細書の方向調整ユニット1800の一実施形態を示す。方向調整ユニット又は方向性ロックユニット又は方向性抵抗ユニットにより、ハウジングに対するヘッドギアの位置を調整することができる。摩擦係合部材は、いくつかの実施形態では、フィラメントが中を通って延在するアパーチャを備えるロック又は調整ワッシャと呼ぶことができる。摩擦係合部材1820、1822は、ヘッドギアの後退の方向に対するヘッドギアの伸長の方向において、フィラメントに対して移動に対する著しく高い抵抗を加える。ヘッドギアストラップは、ヘッドギアが引き伸ばされるときに後退の方向にバイアスを与えるように構成されている弾性部分を含む。したがって、ヘッドギアは、弾性部分のバイアスと方向調整ユニットによってフィラメントに加えられる摩擦力とを含む、伸長に対する抵抗を克服するために十分な力を加える必要がある。引き伸ばされると、弾性部分のバイアスにより、方向調整ユニットによりフィラメントに加えられるいかなる摩擦力よりも大きい後退力が加えられる。したがって、引き伸ばされたヘッドギアは、いかなる反力も弾性部分によって提供されるバイアス力と等しくなるまで、バイアス力により自動的に後退する。この反力は、マスクが使用者の顔面を押圧する反力を含み得る。
ハウジング1810は、第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842を備え、第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842は、それぞれ、第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822を収容するように構成されている。摩擦係合部材1820は、摩擦からの摩損に対して少なくとも幾分かの耐性を提供する材料(たとえば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、アルミニウム、鋼)から作製することができる。図示する構成では、第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842は、ハウジング1810の内壁1812よって分離されている。しかしながら、他の構成では、第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842は、必ずしも物理的に別個の空間ではなく、たとえば、チャンバの一部であり得る。ハウジング1810は2つの端壁1814を有し、それらは、内壁1812とともに、フィラメント1830を収容する長尺状の外部開口部1860を有し、又は、言い換えれば、フィラメントを通過させることができる。フィラメント1830は、長尺状の糸、繊維、ひも、ワイヤ又はフィラメント、たとえば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンファイバ又は金属(たとえば、アルミニウム、銅、銀)ワイヤであり得る。有利には、摩擦、摩損、擦り切れ及び広がり(splaying)に対する少なくとも幾分かの耐性を提供する材料を選択することができる。矩形断面(たとえば、リボン、バンド又はベルト)、又は複数の糸、繊維、ひも、ワイヤ若しくはフィラメント(たとえば、ケーブル又は編組線若しくは撚線)を含む、他の形状又は幾何学的形状を使用することができる。これらのすべてをフィラメント1830と称することができる。
フィラメントの1つ又は複数の材料は、実質的に非弾性であるように選択することができ、したがって、フィラメント1830は、伸長張力の下で実質的に同じ長さであり続けることができる。外部ハウジング開口部1860は、互いに実質的に位置合せすることができる。図の右側に示すハウジングの端壁1814の外部開口部1860は、内壁1812及び図の左側に示す端壁1814の外部開口部1860うちの一方又は両方よりも大きいものであり得る。これにより、ハウジング1810を通るフィラメント1830の経路の操作又はかたよりが可能になる。第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842は、各々、内壁1812と、端壁1814のうちの一方と、一対の側壁1816とによって境界が定められ、側壁1816は、ハウジング1810の端壁1814の間に延在している。第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842は、ハウジング1810の頂部及び底部のうちの一方又は両方において開放しているように構成されている。
第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842の各々は、ハウジング1810の対向する側壁1816に位置合せされる一対の摩擦係合部材リテーナ1850を有する。摩擦係合部材リテーナ1850の各対は、それぞれの第1チャンバ1840又は第2チャンバ1842内に第1摩擦係合部材1820又は第2摩擦係合部材1822の一方を枢支保持するように構成されている。摩擦係合部材リテーナは、円形ブッシュ1852及び長尺状スロット1854を備え、円形ブッシュ1852は、入口が形成されるように、ハウジングの底部と交差している。この入口は、第1摩擦係合部材1820及び/又は第2摩擦係合部材1822が摩擦係合部材リテーナ1850内に受け入れられるのを可能にするように構成されている。スロット1854は、円形ブッシュ1852からハウジング1810の頂部に向かって半径方向に延在することができる。
図1a~図1dを参照すると、第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822は、各々、円筒状シャフトを形成するベース1824と、それらのそれぞれのベース1824から延在するアームとを備える。円筒状シャフト1824は、ハウジング1810と実質的に同じ幅Wであり、第1アーム1872は、第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842内に嵌まるようにより幅が狭い。図示する構成では、アームは、第1セクション1874及び第2セクション1874を備え、第1セクション1872は、円筒状ベース1824から半径方向に又は垂直方向に延在し、第2セクション1874は、第1セクション1872の端部から鈍角で延在している。このため、第1セクション1872及び第2セクション1874は、概して、2つのそれぞれ異なる方向に延在している。こうした鈍角の2(double)セクション又は2つの(two)セクションの摩擦係合部材は、本明細書を通して2セクション摩擦係合部材と称するものとする。
この特定の図示する実施形態では、第1摩擦係合部材1820のアームの第1セクション1872は、第2摩擦係合部材1822のアーム1826の第1セクション1872よりも短い。第1摩擦係合部材1820のアームの第1セクション1872と第2セクション1874との間の角度は、第2摩擦係合部材1822の対応する角度よりも大きい。これらの角度は、第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822のうちの一方又は両方の第2セクション1874が、摩擦係合部材1820、1822の1つの位置でハウジング1810の対応する壁(たとえば、それぞれ内壁1812及び端壁1814)に対して実質的に平坦に位置するように、選択することができる。アームの第2セクション1874は、フィラメント1830を受け入れるように構成されたアパーチャ1876を備える。第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842は、その中に収容される摩擦係合部材のサイズに従ってサイズが異なり、すなわち、第1摩擦係合部材1820の方が第2摩擦係合部材1822よりも小さいため、第1チャンバ1840は第2チャンバ1842よりも小さい。このため、いくつかの構成では、方向調整ユニットの摩擦係合部材は異なる。代替実施形態では、各摩擦係合部材1820は、同一であり、又は、少なくとも1つの同一の特性又は特徴を有し、たとえば、各部材1820の第1セクション1872は同じ長さであり得る。
第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822の円筒状ベース1824は、摩擦係合部材リテーナ1850の円形ブッシュ1852の直径と実質的に同じ直径を有し、スナップフィット構成で円形ブッシュ1852によって受け入れられ且つ保持されるように構成されている。スナップフィット構成は、円形ブッシュ1852の入口が円筒状シャフト1824の直径よりも狭いことによって提供される。摩擦係合部材リテーナ1850のスロット1854は、第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822を入口に押し通してハウジング1810に組み付けることができる容易さを向上させるように、入口が開いて屈曲するのを可能にするように構成されている。第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822は、ハウジング1810の第1チャンバ1840及び第2チャンバ1842内に組み付けられると、円筒状ベース1824を通って伸びる枢支軸を中心に前後に枢動することができる。
フィラメント1830は、ハウジング1810の外部開口部1860と第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822のアパーチャ1876とを通過するように構成することができる。
ここで、本明細書に開示する実施形態の各々による方向調整ユニットの全体的な動作について、図1a~図1dに示す特定の実施形態を参照して説明する。
フィラメント1830に張力を加えることにより、第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822は、係止若しくは係合位置又は形態及び/又は開放若しくは係止解除若しくは係合解除位置又は形態の間で後方に且つ/又は前方に移動する。この例では、後方及び/又は前方移動は、枢動である。他の形態の移動が考えられる。図1a及び図1bは、フィラメント1830に対して(矢印によって示すように)図の左側に向かう方向に力が加えられる係止又は係合形態にある方向調整を示す。いくつかの実施形態では、この形態でフィラメント1830に加えられる力により、第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822が左回り方向に枢動し、方向調整1800を通るフィラメント1830の経路が非直線状又は蛇行となり、且つ/又は、たとえば、フィラメント1830と第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822との間の接触面積の増大並びに接触圧の上昇により、フィラメント1830の移動に抵抗するように、増大する摩擦力が加えられる。
図1c及び図1dは、フィラメント1830に対して(矢印によって示すように)図の右側に向かう方向に力が加えられる開放又は係止解除又は係合解除形態にある方向調整を示す。この形態では、第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822は、アパーチャ1876及び外部開口部1860が実質的に真っ直ぐな線の上で位置合せされるように右回り方向に枢動することができる。これにより、フィラメント1830が方向調整1800を通って実質的に自由に引っ張られるように、平滑且つ低摩擦な経路及び/又は低下した接触圧が提供される。閉鎖位置と開放位置とでのフィラメント1830にかけられる摩擦力の異なる量に基づき、方向調整1800を通してフィラメント1830を移動させるために必要な力の量を変更することができる。
方向調整1800の図示する実施形態は、第1摩擦係合部材1820及び第2摩擦係合部材1822を利用するが、より少ないか又は多い摩擦係合部材を使用することができる。摩擦係合部材の数、フィラメント1830のタイプ、長さ及び厚さ、並びに摩擦係合部材1820の幾何学的形状は、係合、閉鎖又は係止形態にある間に方向調整1800に打ち勝つために必要な所定量の力(「降伏力」)と、方向調整部材を係合解除位置になるように開放し、解除し又は移動させるために必要な第2の所定量の力(「開放力」)とを達成するために変更することができる、設計パラメータである。
摩擦係合部材1820は、使用時にヨークの外向き移動に応じて、係合解除形態(図1c及び図1d)と係合形態(図1a及び図b)との間で移動することができる。
摩擦係合部材1820が、移動又は枢動することができるとき、伸長方向におけるフィラメント1830の移動は、図1a及び図bに示すように、フィラメント1830と摩擦係合部材1820との摩擦によって制限する(たとえば、阻止又は防止する)ことができる。逆に、図1c及び図1dに示すように、摩擦係合部材1820が係合解除形態で向けられる場合、フィラメント1830と摩擦係合部材1820との摩擦は低減し、伸長方向におけるフィラメント1830の移動は、係合形態と比較してより容易になる。
方向調整1800の動作のさらなる詳細については、上に、且つ本明細書の第1段絡で参照したような本出願人の先の特許出願において記載されている。
いくつかの構成では、方向調整ユニット1800の最小の力は、約2ニュートン~8ニュートンである。いくつかの構成では、2ニュートン~8ニュートンの最小の力を有する2つ以上の方向調整を組み合わせて、4~16ニュートン又は16~32ニュートンの全体的な最小の力をもたらすことができる。
いくつかの構成では、方向調整ユニット1800の最小の力は、約4ニュートン~6ニュートンである。いくつかの構成では、4ニュートン~6ニュートンの最小の力を有する2つ以上の方向調整を組み合わせて、8ニュートン~12ニュートン、又は16~32ニュートンの全体的な最小の力をもたらすことができる。
本開示の理解を容易にする目的で、本明細書を通して以下の定義を使用する。
・枢支軸に対して平行な法線ベクトルを有する平面は、本明細書を通して側面とも称することができる。
・枢支軸に対して平行な法線ベクトルを有するとともに、摩擦係合部材の中心線と交差する平面は、本明細書を通して中心面とも称することができる。
・中心面は、摩擦係合部材の質量中心と交差することができ、又は、摩擦係合部材の質量中心に対して横方向にオフセットして提供することができる。
・中心線は、摩擦係合部材を通って延在する線であり、そこに沿って、アパーチャは少なくとも部分的に対称である。
ヘッドギア
図2及び図3を参照すると、一実施形態では、呼吸マスク用のヘッドギア200が提供される。ヘッドギア200は、少なくとも1本のストラップ208と、少なくとも1つのヨークアセンブリ21と、少なくとも1本のストラップ208内に延在するとともにヨークアセンブリ21に入る少なくとも1本のフィラメント1830とを備える。ヘッドギア200は、本明細書に開示する実施形態のうちの任意のものによる方向調整ユニット1800も備える。フィラメント1830は、その長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの平坦な又は実質的に平坦な外面を有し、それにより、係合形態にあるとき、フィラメント1830の実質的に平坦な又は平坦な外面は、方向調整ユニット1800の少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822の実質的に平坦な又は平坦な領域と接触する。
いくつかの構成では、少なくとも1本のストラップ208は、可撓性、弾性及び/又はばね弾性があり、ヨークアセンブリ21が使用者の手によって外向きに引っ張られると、無作動(idle)長さから伸びることができ、一方、ヨークアセンブリ21が解放されると、その無作動長さに戻ろうとすることができる。フィラメント1830は、少なくとも1本のストラップ208を通って延在することができる。ヘッドギアの少なくとも1本のフィラメント1830は、第1幾何学的形状を有するコア領域181をさらに備える。フィラメント1830は、第2幾何学的形状を有する端部領域183をさらに備える。フィラメント1830は、コア領域181と端部領域183との間で長手方向に設けられた遷移領域182をさらに備える。遷移領域182は、フィラメント1830の長手方向軸に沿って長手方向距離にわたって、コア領域181の第1幾何学的形状から端部領域183の第2幾何学的形状まで遷移する形状を有する。
いくつかの構成では、ヨークアセンブリ21は、ヘッドギアを呼吸マスクに接続するように配置される。
いくつかの構成では、少なくとも1本のストラップ208は、フィラメント1830を収容する空洞を内部に形成している。ストラップの空洞の少なくとも一部が、フィラメント1830の形状と一致する形状を有することができる。たとえば、矩形の横断面を有するフィラメント1830の場合、ストラップ空洞の少なくとも一部は、その矩形フィラメント1830と適合するようにわずかに大きい寸法を有して横方向に矩形であり得る。
三角形の横断面を有するフィラメント1830の場合、ストラップ空洞の少なくとも一部は、三角形のフィラメント1830と適合するようにわずかに大きい寸法で横方向に三角形であり得る。方向調整ユニット1800は、組み立てられると、ヨークアセンブリ21内に配置することができる。方向調整ユニット1800のハウジング1810は、使用時、フィラメント1830の少なくとも一部、たとえば、遷移領域182及び/又は端部領域183の一部を、摺動可能に収容する外部開口部1860を備えることができる。いくつかの構成では、外部開口部1860は、使用時、遷移領域182が方向調整ユニット1800に完全に入るのを防止するように、フィラメント1830の遷移領域182の一部分のサイズよりも小さいサイズ、すなわち、少なくとも1つの断面寸法を有する。
いくつかの構成では、ヨークアセンブリ21は、中央部分と、中央部分から延在する少なくとも1つのセクションとを備え、少なくとも1つのセクションは、ヘッドギアの少なくとも1本のストラップ208に接続するように構成されている。
呼吸インタフェースシステム
図2及び図3は、一実施形態による患者に呼吸療法を送達するための呼吸インタフェースシステム100又は呼吸マスクシステム100の一例を示す。マスクシステム100は、マスク102等のインタフェースを備えることができる。図示する構成では、マスク102は、本明細書においてさらに詳細に記載するように、シール又はシールモジュール及びフレームを備える。図示するマスクシステム100はまた、(本明細書では「ヘッドギアアセンブリ」とも称する場合がある)ヘッドギア200も含む。マスク102及びヘッドギア200は、ヘッドギア200をマスク102に取り付ける接続システムを備えることができる。ヘッドギア200をマスク102に取り付けるために、さまざまな形態の接続システムを使用することができる。同様に、少なくとも1つの、場合によっては複数の異なるタイプのヘッドギアに、マスク102を結合することができる。
図3cを参照すると、マスク102は、シール104及びフレーム106を備えることができる。シール104は、患者の口及び/又は鼻の周囲及び/又は下を封止するように構成することができる。図示する構成では、シール104は、使用者の鼻にのみ呼吸ガスの流れを送達するように構成された鼻シールである。特に、図示するシール104は、使用者の鼻孔とシールを形成するように構成された一対の鼻ピローと、鼻ピローを包囲し、使用者の鼻の下側、使用者の鼻の側部及び使用者の上唇のうちの1つ又は複数と二次シールを形成するように構成されている二次封止部分とを含む。
しかしながら、本開示の特徴は、たとえば且つ限定なしに、フルフェイスシール等、他のタイプのマスクシールを有する他のマスクシステムと実施することができる。
フレーム106は、シール104を支持し、シール104をヘッドギア200に取り付けるように構成されている。フレーム106はまた、マスク102を介して患者に呼吸ガスの流れを送達するガス導管110に取り付けられるように構成されたガス入口108、図25参照、も備えることができる。
シール104は、取付フレーム又はクリップ122を含むことができ、取付フレーム又はクリップ122は、いくつかの構成では、第1部分122a及び第2部分122bを含むことができ、第1部分122a及び第2部分122bはそれらの間にシール104のリムを捕捉する。クリップ122は、スナップフィット、摩擦嵌合又は他の好適な構成等により、フレーム106に選択的に接続するように構成されている。フレーム106は、シール104の内部からガスを排気するように構成されている通気孔140を含むことができる。マスク102は、排気流を制御するように通気孔140を覆うベントインサート又はディフューザ152を含むことができてもよい。
呼吸マスクシステム100のヘッドギア200は、マスク102を患者の顔面に保持するために使用される。ヘッドギア200は、典型的には、マスク102に取り付けられ、患者の顔面に封止接触してマスク102を保持するために、患者の頭部の後部の周囲に巻き付く。
一形態では、ヘッドギア200は、本明細書においてより詳細に記載するように、マスク102に取り付けられるように構成されたヨークアセンブリ21又は収集部を備えることができる。
ヨークアセンブリ21は、ヘッドギア200のストラップに取り付けられるように構成することができ、ストラップ及びヨーク20は、協働して、使用者の頭部を包囲する閉ループを形成する。図示する実施形態では、ヘッドギア200は、患者の頭部の後方に巻き付くように構成された後部ストラップ204と、患者の頭部の頂部の上に巻き付くように構成された上部ストラップ206と、使用中に使用者の頬に沿って延在するように構成された一対の前部ストラップ208、図25参照、とを含む、ストラップのアセンブリを備える。
いくつかの構成では、たとえば、図3a及び図3cに示すように、少なくとも1本のフィラメント1830は、上述したように、コア領域181、遷移領域183及び端部領域183を備える。
いくつかの構成では、各前部ストラップ208は、ヘッドギアアセンブリ200の後部ストラップ204に、たとえば、後部ストラップ204の自由端207又は自由端207に結合されたコネクタに、後部コネクタ205によって取り付けられる。別の形態では、後部ストラップ204は、使用中に患者の頬に沿って延在する前部ストラップを形成する側部延長部を備える。
一形態では、ヘッドギア200は、調整可能(たとえば、手動調整可能、自動調整可能)とすることができ、且つ/又は、ヘッドギア200が比較的低い量の抵抗で長さを低減させるのを可能にするとともに、ヘッドギア200の長さの増大に抵抗する、1つ又は複数のロック(たとえば、上記方向調整ユニット1800)を組み込むことができる。いくつかの構成では、インタフェースアセンブリ100を装着するためにヘッドギア200を長くすることができるように、方向調整ユニット1800の係止力を無効にすることができる。いくつかの形態では、ヨークアセンブリ21は、自動調整可能なヘッドギアシステムで使用されるフィラメントのための収集部を形成することができる。この形態では、ヨークアセンブリ21は、1つ又は複数の方向調整1800を組み込むことができ、それらの各々は、本明細書では摩擦係合部材又は摩擦係合部材と称することができる1つ又は複数のロック要素を備えることができる。摩擦係合部材は、ヘッドギア200の伸長中はフィラメントと摩擦係合するが、ヘッドギア200の収縮中は比較的摩擦のない移動を可能にするように構成されている。
摩擦係合部材1820、1822及び/又はフィラメント1830は、上述したように少なくとも1つの平坦な又は実質的に平坦な領域を有することができる。
いくつかの構成では、ヘッドギア200又はインタフェースアセンブリ100は、制御部又は他のアクチュエータが使用者によって操作されている間は低摩擦移動を可能にするように方向調整1800を解放し又は開放して保持し、制御部又はアクチュエータが作動していない場合は高摩擦抵抗を提供するように構成されている、解放機構又は構成を含む。
方向調整1800は、ヨークアセンブリ又は収集部20の端部に組み込むことができ、ヨークアセンブリ21又は収集部の本体は、その本体内にフィラメントを受け入れるために十分中空であり得る。ヘッドギア200又はその任意の部分は、本出願人の米国特許出願公開第2016/0082217号明細書、2015年9月16日に出願された米国特許出願第14/856,193号明細書、及び国際公開第2016/043603号に開示された実施形態のうちの任意のものに従って構成することができ、上記出願の全体が参照により本明細書に援用される。
恐らくは図3a及び図3bに最もよく示すように、ヘッドギア200は、各前部ストラップ208に対して1本の、2本のフィラメント1830を備える。しかしながら、任意の数のフィラメントを使用することができる。
図3a及び図3bを参照すると、各前部ストラップ208は、コネクタ209を取り付けることができる自由端を有することができる。各コネクタ209は、ヨークアセンブリ21に位置する相補的なストラップコネクタ203と係合することができる。好ましくは、ヨークアセンブリ21は、実質的に長尺状であり、ヨークアセンブリ21の前部材21a及び後部材21bの各端部に又はその近くに位置するストラップコネクタ203を備える。
前部ストラップ208とヨークアセンブリ21との接続は、スナップフィット接続、ねじ及びねじ山タイプの接続、オーバーモールド接続又はフック接続等、任意の好適な形態であり得る。1つの構成では、各ストラップコネクタ203は、ヨークアセンブリ21の各端部に位置するキャップ210(図3a~図3cには示さず)を備える。各キャップ210は、ヨークアセンブリをヘッドギアアセンブリ200の前部ストラップ208に取り付けるためにスナップフィット構成で前部ストラップ208のコネクタ209を受け入れるように構成された、アパーチャ又は凹部等の開口部を備えることができる。
図3bを参照すると、フィラメント1830は、前部ストラップコネクタ2081を介して、上部ストラップ206及び/又は後部ストラップ204に接続することができ、それにより、フィラメント1830のコア領域181の一端1811を前部ストラップコネクタ2081に固定することができる。
これは、前部ストラップ208が、たとえば、使用時にストラップ208が接続されているヨークアセンブリを引っ張る結果として、伸長する際、前部ストラップ208及びコア領域端1811の両方が前部ストラップコネクタ2081内に又はそれに隣接してともに接続されているため、前部ストラップ208の伸長する部分は、フィラメント1830に関して移動する、たとえば、摺動することを意味する。これにより、フィラメント1830の端部領域183の自由端が、前記フィラメントが設けられているストラップ208のコネクタ209により近づくように移動することになる。これにより、フィラメント1830の端部領域183とフィラメント1830が配置されている方向ロックユニット1800とが相対的に移動することになる。ヨークアセンブリ21、及び間接的に方向調整ユニット1800もまた、コネクタ209に接続されているため、フィラメント1830は、方向調整ユニット1800に対して移動する。この相対移動により、フィラメントとフィラメントが設けられている摩擦係合部材の空洞との摩擦によって、関連する摩擦係合部材1820、1822は、それらの係合解除位置からそれらの係合位置に向かって移動するように作動する。
たとえば、使用者が自身の手でヨークアセンブリ21を解放したとき、ストラップが、その伸長状態からその非伸長状態に戻ることができるとき、反対の現象が発生する。ストラップ208におけるばね弾性は、ストラップ208をその伸長状態からその無作動状態に後退させるように作用する。このシナリオでは、フィラメント1830の端部領域183の自由端間の距離が、前記フィラメントが設けられているストラップ208のコネクタ209からさらに離れるように移動する。これにより、フィラメント1830の端部領域183とフィラメント1830が配置されている方向ロックユニット1800とが相対的に移動することになる。この相対移動により、フィラメントとフィラメントが設けられている摩擦係合部材の空洞との摩擦によって、摩擦係合部材1820、1822は、それらの係合位置からそれらの係合解除位置に向かって移動する。
図3bを参照すると、最右前部ストラップ208は最左方向調整ユニット1800に接続され、最左前部ストラップ208は最右方向調整ユニット1800に接続される。フィラメント1830の対応する平坦な又は実質的に平坦な領域と係合する平坦な又は実質的に平坦な領域を形成するアパーチャを有する少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822を有する方向ロックユニット1800は、任意のヘッドギア設計、すなわち、本明細書に開示するもの以外の設計でも提供することができることが理解されるべきである。こうした設計では、それぞれの方向調整ユニット1800及びフィラメント1830は、係合解除状態と係合状態との間の移動をトリガするそれらの間の相対移動を依然として可能にしながら、ヘッドギアの他の構成要素に関して異なるように方向付け、配置し、又は接続することができる。
上述したように、ヨークアセンブリ21は、マスク102のフレーム106に取り付けるようにも構成することができる。一形態では、フレーム106は、ヨークアセンブリ21及びフレーム106が互いに取り付けられるときに、内部にヨークアセンブリ21の少なくとも一部を受け入れるように構成された凹状領域を備えることができる。フレーム106とのヨークアセンブリ21の取外し可能な接続を容易にするように、カバースリーブ又は前部分222を構成することができる。
図4a~図4dは、本開示の一実施形態による呼吸マスク用のヘッドギアのヨークアセンブリ20の異なる図を示す。
図4aは、呼吸マスク用のヘッドギアのヨークアセンブリ20(エンドキャップは示さず)の種々の構成要素の組立分解図である。ヨークアセンブリ20は、前部材21a及び後部材21bを含むヨークハウジング21を備える。前部材21a及び後部材21bは、締り嵌めによって互いに永久的に接続して、ヨークハウジング21内に方向調整ユニットを固定する。ヨークハウジング21内にフィラメント分割インサート22が配置されている。
フィラメント分割インサート22の目的は、ヨークアセンブリ20の方向調整ユニットに対する適所にフィラメントを誘導することである。
フィラメント分割インサート22は、第1フィラメント1830を摺動可能に収容する第1ガイドチャネル221を備える。第1ガイドチャネル221は、フィラメント分割インサート22の第1端部に配置された第1開口部を有する。第1ガイドチャネル221の第1開口部は、フィラメント分割インサート22の第1垂直レベルに配置されている。第1ガイドチャネル221は、フィラメント分割インサート22の第2端部に配置された第2開口部をさらに備える。第1ガイドチャネル221の第2開口部は、フィラメント分割インサート22の第2垂直レベルに配置することができる。第1垂直レベル及び第2垂直レベルは、同じ垂直レベルに関することができる。第1垂直レベルは第2垂直レベルとは異なってもよい。いくつかの構成では、使用時、第1垂直レベルは、第2垂直レベルよりも上方又は下方であり得る。
ヨークアセンブリ20は、図1a~図1dを参照して示すもの等、方向調整ユニット1800をさらに備える。方向調整ユニット1800は、ハウジング1810と、ハウジング1810に枢支軸を中心に枢動するように配置された少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822とを備える。少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822は、使用時に、フィラメント1830を収容する、貫通して延在しているアパーチャ1876を有する。少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822は、フィラメント1830に関して第1枢動形態にある係合解除形態を提供する。少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822は、フィラメント1830に関して第2枢動形態にある係合形態をさらに提供する。
図4b及び図4cは、図4aのヨークアセンブリ20の切欠き図である。図4bでは、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822のアパーチャが、フィラメント1830及びフィラメント分割インサート22の第2チャネル222といかに作動的に関連するかを示すために、方向調整ユニットハウジング1810が取り除かれており、図4cは、使用時に摩擦係合部材1820、1822が枢動可能に配置されるハウジング1810を示す。図4dは、部分的に組み立てられた状態にある(エンドキャップ及び任意選択的な第2方向調整ユニットは示されていない)図4aのヨークアセンブリ20の図である。
図4a~図4dを参照すると、アパーチャ1876又は前記アパーチャによって形成される空洞は、横断面において、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822が係合形態にあるときに、フィラメント1830の対応する平坦な若しくは実質的に平坦な部分又は外面と係合する、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822の少なくとも1つの直線状の又は実質的に直線状の部分を形成している。いくつかの構成では、フィラメントの対応する平坦な若しくは実質的に平坦な部分又は外面は、横断面において、係合面領域の直線状の又は実質的に直線状の部分に対応する直線状の又は実質的に直線状の部分を有する。
ここで、「横」断面とは、アパーチャ境界全体を観察することが可能な断面を意味する。横断面は、正面図の平面に対して平行であり得る。
以下さらに説明するように、アパーチャは、摩擦係合部材を通って延在する空洞を形成している。いくつかの構成では、空洞は、中心軸に沿って延在する。このため、「横断面」は、空洞及び/又はアパーチャの中心軸又は延在部分と交差する任意の断面も意味することができる。いくつかの構成では、横断面は、中心軸に対して垂直である。他の構成では、横断面は、中心軸に対して角度をなして配置することができる。
「直線状」という表現は、本開示を通して「真っ直ぐ」とも称することができることも理解されるべきである。それぞれの嵌合する直線状の若しくは平坦な面又は領域を有するフィラメント設計及び対応する摩擦係合部材アパーチャにより、使用時、フィラメントに作用するせん断力が低減すると考えられる。
本発明者らは、丸い形状、たとえば、円形断面を有するフィラメントが、使用時、丸いフィラメントを包囲する幾分かより大きいサイズの対応する丸いアパーチャを有する摩擦係合部材に作動的に結合されると、キンクの形態でフィラメントに損傷をもたらす、機構の自然の動作によって生成される負荷に耐えることができない可能性があることが分かった。この理由は、高い局所応力点が、摩擦係合部材とフィラメントとの接触点においてフィラメントに変形をもたらすということであり得る。これにより、丸いフィラメントが、断面の形状を卵形状に変えることにより永久的に変形され、したがって、フィラメントが機構を通して自由に戻るのを阻止される可能性がある。
使用時にフィラメントに作用する応力(σ)は、以下の応力公式を使用して定義することができ、
σ=F/A
式中、Fは関連する力に関し、Aは接触面の面積に関する。接触面の面積が増大すると任意の所与の力に対する応力が低減することになる。
丸い又は円形フィラメントとわずかにより大きい丸い又は円形アパーチャとの接触面の面積は比較的小さく、接触面領域における局所応力は比較的大きくなる。
本発明者らは、フィラメント及びアパーチャ(及び/又はアパーチャにより摩擦係合部材を通して形成された空洞の関連する内部空洞側壁面)の形状を、フィラメントのそれぞれの平坦な又は実質的に平坦な部分が、摩擦係合部材の係合面領域の対応する横断面の直線状の又は実質的に直線状の部分と係合するように変更することにより、接触面の面積の増大を達成することができることが分かった。
係合面領域は、アパーチャの内壁若しくは内面、又はアパーチャによって形成される空洞の内部空洞面を含むことができる。
係合面領域の第1横断面の第1の横断面の直線状の又は実質的に直線状の部分と、係合面領域の第2横断面の少なくとも1つの第2の横断面の直線状の又は実質的に直線状の部分とは、合わせて、少なくとも1つの平坦な又は本質的に平坦な係合面又は領域を形成することができる。
係合面領域の横断面の直線状の又は本質的に直線状の部分は、フィラメントとの相互接触面領域を拡張することができ、それにより、関連する接触面にわたってより均一に力が分散される。
こうした設計により、フィラメントが摩擦係合部材の内部空洞壁面と係合するとき、係合又は接触面は平坦であり、著しくより広い面積にわたって均一な圧力を与えることを確実にすることができる。これらの平坦面が互いに係合することにより、係合のレベルが繰返し可能且つより一貫したものとなり、それにより、より一貫したレベルの摩擦が方向調整ユニットに供給されることになる。さらに、接触面を増大させることにより、フィラメントに加えられる応力が最小限になり、予期される寿命サイクルの間に、フィラメントに対する永久的な損傷を防止することができる。
図5a及び図5bは、フィラメント1830と摩擦係合部材アパーチャ1876の側壁との間の関連する接触面を示す正面断面図をそれぞれ示す。図5aの例では、フィラメント及び摩擦係合部材アパーチャ1876の両方が横断面において矩形であり、図5bでは、フィラメント及び摩擦係合部材アパーチャは、本発明者らによる先の開示のように、横断面が円形である。それぞれの接触点は、矢印によって概して特定されている。図5aから見えるように、矩形フィラメントを組み込むことにより、重なる半径のわずかな部分のみが互いに接触する円形のフィラメント及びアパーチャとは対照的に、フィラメントの全表面積の著しくより大きい割合が摩擦係合部材アパーチャの表面と接触し、フィラメントにおける応力が著しく低下する。この接触面積の増大により、同じ力が加えられた場合にフィラメントにおいて発生する応力が著しく低下する。
フィラメントと摩擦係合部材との接触面は、それらが互いに垂直であるとともに、摩擦係合部材が枢動するときに完全に係合することができる場合、最高の機械的効率で機能する。
上述したように、図1a~図1dを参照すると、各フィラメントは、係合形態で、各摩擦係合部材の少なくとも2つの面、たとえば、内部空洞壁面、すなわち、摩擦係合部材アパーチャ1876によって形成された空洞の上方前縁部、及び摩擦係合部材アパーチャ1876によって形成された空洞の下方後縁部と接触するように構成されている。
いくつかの構成では、たとえば図18e及び図18fを参照すると、摩擦係合部材アパーチャ1876は、正面図において、すなわち、少なくとも1つの摩擦係合部材1820の正面において、丸みがなく、非円形、非楕円形又は非卵形である。
いくつかの構成では、摩擦係合部材1820の係合面領域の少なくとも1つの横断面の直線状の又は実質的に直線状の部分は、枢支軸に対して平行な若しくは実質的に平行な、且つ/又はフィラメント1830の長手方向軸に対して実質的に垂直な、横軸又は横方向軸に沿って直線状である。
いくつかの構成では、摩擦係合部材アパーチャ1876は、枢支軸に対してオフセットして提供され、枢支軸に対して垂直な成分を有する軸に沿って少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822を通って延在することができる。
いくつかの構成では、図4a~図4d、図5a及び図5b、図6、図8a~図8d、図15a~図15c、図16a及び図16b、図18a~図18jを参照して示すように、アパーチャは、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822の正面、たとえば前面において、矩形である。
いくつかの構成では、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822の前面は、少なくとも1つの摩擦係合部材の第1セクション又は第2セクションの外面に対して平行な平面において形成することができる。
いくつかの構成では、矩形アパーチャ1876の側部辺縁部は、枢支軸に対して平行又は実質的に平行であり得る。
いくつかの構成では、アパーチャ1876は、枢支軸、及び枢支軸に対して垂直な長手方向軸に対して平行な平面において、矩形の横断面を有する。
いくつかの構成では、アパーチャ1876は、少なくとも1つの摩擦係合部材の第1セクション又は第2セクションの表面に形成された前面に対して平行な平面において矩形の横断面を有する。
図6は、本開示の一実施形態による、横断面における、矩形アパーチャ1876を有する方向調整ユニット1800を示す正面断面図である。この図では、方向調整ユニット1800は、前部材21a及び後部材21bを備えるヨークハウジング21に組み付けられている。方向調整ユニット1800の後方に、フィラメント分割インサート22が示されている。図6では、任意選択的なハウジングスリーブ1899が、ヨークハウジング21内で方向調整ユニット1800を配置及び位置決めするように示されている。ハウジングスリーブ1899は、異なるサイズ又は形状のヨークアセンブリ設計の同じタイプ又は形状の方向調整ユニットを使用する可能性を可能にするように、いくつかの状況において好適であり得ることが理解されるべきである。しかしながら、いくつかの構成では、方向調整ユニットハウジング1810は、任意選択的なハウジングスリーブ1899の必要なしに、ヨークハウジング21によって形成された空洞内に確実に嵌まるような形状である。
図7a~図7cは、それぞれ、一実施形態による方向調整ユニットのハウジングがヨークアセンブリ20内に確実に取り付けられるのを可能にするハウジングスリーブ1899の異なる図を示す。
図8aは、方向調整ユニット1800の摩擦係合部材1820、1822のアパーチャ1876を通して収容されている、矩形断面を有するフィラメント1830の切欠き斜視図を示し、そこでは、アパーチャ1876は、矩形フィラメント1830を摺動可能に受け入れるように矩形断面を有する。
図8bは、方向調整ユニット1800の一対の摩擦係合部材1820、1822のアパーチャ1876を通して収容されている、矩形断面を有するフィラメント1830の切欠き斜視図を示し、そこでは、アパーチャ1876は矩形断面を有する。
図8cは、図8bの構成の代替的な切欠き斜視図を示し、そこでは、摩擦係合部材1820、1822が枢動するように配置されている、関連する方向調整ユニットハウジング1810が、半透明で示されている。図8dは、図8cの構成の代替的な切欠き斜視図を示す。
図9~図11bは、係合位置にある、すなわち、フィラメント1830及びそれぞれの摩擦係合部材1820、1822が摩擦面接触するときの、方向調整ユニット1800のそれぞれの切欠き図を示す。上述したように、図1a~図1dを参照すると、各フィラメント1830は、係合形態では、各摩擦係合部材の少なくとも2つの面、たとえば内部空洞壁面と接触する可能性がある。これらの内部空洞壁面は、図9~図11bに明確に示されている。
図9は、本開示の一実施形態による、方向調整ユニット1800と関連するフィラメント1830との断面切欠き側面図(すなわち、各摩擦係合部材1820の枢支軸に対して垂直な平面における図)である。図9からは容易に分からないが、アパーチャは、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822の少なくとも1つの直線状の若しくは実質的に直線状の又は非弓形の部分を形成する横断面形状を有する。それに応じて、フィラメント1830は、対応する横断面の平坦な又は実質的に平坦な部分を有する。円形の又は円筒状のフィラメント及びアパーチャ横断面と比較すると、上で説明したように使用時、フィラメント1830と摩擦係合部材1820、1822の係合面領域との接触面は増大し、それにより、フィラメント1830に対する応力が低減する。この特定の実施形態では、アパーチャ1876は、各摩擦係合部材1820、1822の正面とアパーチャ1876との交差部において鋭利な縁部を形成する。摩擦係合部材1820、1822の断面は、フィラメント1830が、摩擦係合部材1820、1822と摩擦係合部材ハウジング1810との間に形成されたものの経路を通して引っ張られる際に、フィラメント1830と摩擦係合部材1820、1822との間で発生する相互作用を示す。
摩擦係合部材1820、1822の正面と摩擦係合部材1820、1822を貫通する矩形アパーチャ1876との交差部に形成された鋭利な縁部(E)は、フィラメント1830を干渉する可能性があり、高い応力にさらされる接触点は、状況によっては、たとえば、鋭利な縁部とフィラメント面との接触に起因して発生する高レベルの摩滅によって、永久的に損傷を受ける可能性がある。
フィラメント1830に対する局所応力をさらに軽減するために、且つ、使用時、フィラメント1830及び/又は摩擦係合部材1820、1822に対する損傷又は摩損をさらに低減させるか又は防止するように、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアパーチャ縁部に、丸み又はフィレットが付けられている。
このため、いくつかの実施形態によれば、アパーチャは、前方面であり得る、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822の正面において、丸みを帯びた縁部を形成する。
図10は、こうした丸みを帯びたアパーチャ縁部がそれぞれ設けられている一対の摩擦係合部材1820、1822の一例である。図10は、図9のものに対応する側断面図を示し、そこでは、各摩擦係合部材1820、1822の前面とアパーチャ1876との間の上方交差部に形成された上方前アパーチャ縁部81は丸みを帯びている。ここで、「前」及び「後」という表現は、係合解除形態から係合形態に移動しているときのフィラメントの移動方向を示す矢印の前/前方方向に関して解釈されるべきである。図10は、摩擦係合部材アパーチャ1820、1822の上方前縁部81に丸みを付けることが、フィラメント1830との相互作用に与える影響を示す。この特定の実施形態では、各摩擦係合部材アパーチャ1876の下方後縁部82は、フィラメント1830に対して好ましくない方向に干渉する可能性がある鋭利な縁部を維持する。しかしながら、本発明の開発段階中、この下方後アパーチャ縁部82がフィラメントの摩損及び損傷に対して与える影響は、上方前縁部81が与える影響よりも低いことが分かった。
このため、上方前アパーチャ縁部81に丸みを付けることのみで、フィラメント1830の予測される寿命を依然として増大させながら、より費用効果の高い解決法を提供することができる。
いくつかの構成では、丸みを帯びた縁部は、摩擦係合部材の枢支軸に対して平行である軸に関して曲率を有する。
しかしながら、上方前縁部81及び下方後縁部82の両方、すなわち、アパーチャ1876によって形成される空洞の直径方向反対側の部分の縁部に丸みを付けることができることが考えられる。
図11aは、代替実施形態による方向調整ユニットの断面切欠き側面図である。図11aは、図9及び図10のものに対応する側断面図を示し、そこでは、各摩擦係合部材1820、1822の上方前アパーチャ縁部81及び下方後アパーチャ縁部82の両方が、丸みを帯びている。図11aは、摩擦係合部材1820、1822とフィラメント1830との相互作用中にいかなる局所的な高応力点も除去するように、丸みを帯びた上方接触縁部及び下方接触縁部を有する摩擦係合部材アパーチャの理想的な断面輪郭を示す、と言うことができる。
図11bは、図11aの構成の切欠き斜視断面図であり、そこでは、ハウジングの一部及び/又はハウジング1810が示されている。図11bは、矩形フィラメント1830と摩擦係合部材1820、1822との相互作用を示し、そこでは、摩擦係合部材1820、1822は係合形態にあり、フィラメント1830は、各摩擦係合部材アパーチャの上方前縁部81及び下方後縁部82と接触して、各摩擦係合部材1820、1822に対して2つの接触エリア、面又は領域を生成しており、その結果、フィラメント1830と2つの摩擦係合部材1820、1822との間に合計4つの接触エリア、面又は領域がある。
丸みを帯びた縁部81、82は、それらの長さに沿って一貫した半径を有することができる。
一実施形態では、アパーチャ1876は、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822の正面において三角形であり、これは、横断面が三角形であることを意味する。三角形アパーチャ1876は、上述した矩形アパーチャと同様に、横断面において、少なくとも1つの直線状の又は実質的に直線状の部分を有する、摩擦係合部材の係合面領域を形成する。より詳細には、三角形アパーチャ1876は、横断面において、各々が関連する三角形の側壁を表す、少なくとも3つの直線状の若しくは実質的に直線状の又は非弓形の部分を形成する。したがって、三角形アパーチャ1876は、(横断面が)三角形のフィラメント1830とともに使用される場合、使用時、フィラメント1830に対する応力を低減させる上述した増大した表面接触面積を提供する。
したがって、アパーチャ1876は、摩擦係合部材1820、1822の枢支軸、及び枢支軸に対して法線方向の長手方向軸に対して平行な平面において、三角形横断面を有することができる。
いくつかの構成では、三角形アパーチャの側面は、摩擦係合部材1820、1822の枢支軸に対して平行又は実質的に平行である。
図12aを参照してこうした構成を示す。図12aは、一実施形態による三角形アパーチャ1876を有する方向調整ユニットを示す、図6と同様の横断面図である。図12bは、図12aの方向調整ユニットの横断面組立分解斜視図である。図12cは、図11aの方向調整ユニットの代替的な切欠き斜視図であり、そこでは、摩擦係合部材1820、1822が枢動するように配置されている関連するハウジング1810が半透明で示されている。
図12a~図12cを参照して示すように、三角形アパーチャは、枢支軸に対して平行であるか又は実質的に平行である側面よりも、摩擦係合部材1820、1822の枢支軸の近くに配置された頂点を有する。言い換えれば、三角形アパーチャの頂点は、枢支軸を指している。
いくつかの構成では、三角形アパーチャは、断面アパーチャ形状が対称的に設けられている中心軸に関連して、他の任意の角度向きで配置することができる。言い換えれば、三角形アパーチャは、フィラメント1830の長手方向軸を中心に回転した任意の所望の向きに向けることができる。
いくつかの構成では、アパーチャは、5つ以上の辺、たとえば5~12の辺を有する多角形横断面を有することができる。ここでは、アパーチャは、横断面が多角形を形成する。多角形横断面は、規則的である(すなわち、多角形のすべての辺の長さが等しく且つすべての内角が等しい)か、又は不規則である(すなわち、規則的でない任意の多角形)か、又は凹状である(すなわち、180度を超える少なくとも1つの内角を有する)か、又は凸状であり得る(すなわち、180度を超える内角を有していない)。
一実施形態では、アパーチャ1876は、摩擦係合部材1820、1822の枢支軸に対して垂直な又は実質的に垂直な少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822を通って延在している。
いくつかの構成では、アパーチャ1876は、枢支軸に対して実質的に垂直である、すなわち、フィラメント1830の長手方向軸と実質的に位置合せされ、摩擦係合部材1820、1822の前面から延在している、中心アパーチャ軸を中心に対称的に、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822を通って延在することができる。したがって、アパーチャ1876は、摩擦係合部材1820、1822を通って延在するフィラメント係合空洞又はボアへの入口を画定する。空洞又はボアは、1つ又は複数の真っ直ぐな又は湾曲したセグメントを含むことができる。いくつかの構成では、空洞又はボアは、その長さに沿って実質的に真っ直ぐである。中心アパーチャ軸が空間的に曲率を有するいくつかの構成では、空洞又はボアは、湾曲しているか若しくは弓形であり、又は、その長さに沿って少なくとも1つの湾曲した若しくは弓形の部分を有する。
いくつかの構成では、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822を通って延在するアパーチャは、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822の少なくとも1つの内部空洞壁面によって画定された空洞又はボアを形成する。
いくつかの構成では、図6、図12a、図15b、図16c~図16e、図18eに示すように、少なくとも1つの内部空洞壁面は、1つ又は複数の前頭面に、直線状の若しくは実質的に直線状の又は非弓形の輪郭又は部分を有し、各前頭面は、その別個の位置でボア又は空洞の中心軸と交差し、前記別個の位置で中心面の法線ベクトルを含む。これは、少なくとも1つの内部空洞側壁面のこうした平坦な輪郭を、摩擦係合部材1820、1822の前面と摩擦係合部材1820、1822の後面との間の1つ又は複数の領域において、空洞又はボアの長さ又は長さの一部に沿って維持することができることを意味する。
いくつかの構成では、少なくとも1つの内部空洞又はボア壁面は、1つ又は複数の中心面法線ベクトルに沿って直線状の若しくは平坦な、又は実質的に直線状の若しくは実質的に平坦な輪郭を有し、各中心面法線ベクトルは、その異なる長手方向位置において中心軸と交差する。中心面法線ベクトルが枢支軸に対して平行であるか又は実質的に平行であるため、少なくとも1つの内部空洞壁面は、摩擦係合部材1820、1822の枢支軸に対して平行な又は実質的に平行な1つ又は複数の横軸に沿って直線状の若しくは平坦な、又は実質的に直線状の若しくは実質的に平坦な輪郭を有することになり、そこでは、各横軸は、その長手方向位置において中心軸と交差する。
言い換えれば、任意の3つの直交する基準軸に対して、少なくとも1つの内部空洞壁面は、前記基準軸のうちの1つに沿って直線状の又は実質的に直線状の部分又は輪郭を有することができる一方で、残りの2つの直交する基準軸に対して非直線状である。
いくつかの構成では、少なくとも1つの内部空洞又はボア壁面は、中心軸の長手方向部分に沿って、すなわち、中心軸に沿った連続的な横断面に対して、前記横断面の直線状又は実質的に直線状の部分又は輪郭を維持する。
アパーチャ1876が矩形横断面を有するいくつかの構成では、空洞又はボアは立方形である。
アパーチャ1876が三角形横断面を有するいくつかの構成では、空洞又はボアは、三角形の長尺状体又は角柱の形状を有する。
ここで、摩擦係合部材1820、1822の設計に対してさらに注目する。
いくつかの構成では、少なくとも1つの摩擦係合部材1820、1822は、枢支軸が延在するベース部材1824と、枢支軸に対して垂直な方向においてベース部材1824から延在する少なくとも第1セクション1872とを有する。
いくつかの構成では、少なくとも1つの摩擦係合部材は、枢支軸から離れる方向において第1セクション1872から延在する第2セクション1874を備え、そこでは、第2セクション1874は、第1セクションに対して角度をなして配置されている。図1a~図1d、図4a、図8a~図11b、図12b~図12c、図13、図18a~図18f及び図19を参照して、こうした摩擦係合部材を示す。
図13を参照すると、本明細書の第1段落において要約したような本発明者らの先の開示の一実施形態による方向調整ユニット1800の摩擦係合部材の側断面図が示されている。図13から認めることができるように、第1セクション1872は、枢支軸に対して垂直な方向においてベース部材1824から延在している。矩形断面を有していてもよい第2セクション1874は、第1セクション1872に対して角度をなして第1セクション1872から延在している。摩擦係合部材アパーチャ1876は、中心軸に沿って第2セクション1874に設けられるとともに第2セクション1874を貫通して延在している。
図13に示す直立摩擦係合部材位置は、係合解除形態にある摩擦係合部材位置を示す。この係合解除形態では、前面を含む平面FFPは、枢支軸から第1垂直方向距離D1に設けられており、後面を含む平面RFPは、枢支軸から第2垂直方向距離D2に設けられている。図13から見ることができるように、第1垂直方向距離D1及び第2垂直方向距離D2は等しくなく、それは、第2セクションが枢支軸に対して対称に設けられていないことを意味する。図13において、第2セクション1874の前面及び後面は、垂直軸及び枢支軸を含む平面に対して平行である。図13の構成を考慮すると、摩擦係合部材が係合解除形態から係合形態に向かって右回りに枢動すると、第2セクション1874が対称的にオフセットしているため、アパーチャ1876の固定点は、図13に示す放物線又は曲率半径に追従する。この構成では、摩擦係合部材1820、1822の固定点は、最初は上向きに湾曲した経路に沿って移動し、その後、下向きに湾曲した経路に沿って移動する。
図14は、摩擦係合部材1820、1822の側断面図であり、そこでは、摩擦係合部材は単一セクション1872を備える。したがって、関連するアパーチャ1876及び空洞又はボアは、単一セクション1872を通して設けられている。図14の摩擦係合部材1820、1822は、非角度付きの若しくは真っ直ぐな摩擦係合部材又は「平坦な」摩擦係合部材を形成し、そこでは、単一セクション1872は、そのベース部材1824から、枢支軸に対して垂直な軸、たとえば垂直軸に沿って延在している。言い換えれば、図14の摩擦係合部材は、単一セクション及びベースからなり、枢支軸に対して平行な法線ベクトルを有する平面における単一セクション1872は、枢支軸に対して垂直な軸に沿って対称的にベースから延在している。このため、単一セクション摩擦係合部材は、第2セクション1874をさらに備えていない。
図14に示す直立摩擦係合部材位置は、係合解除形態にある摩擦係合部材位置を示す。この係合解除形態では、前面を含む平面FFPは、枢支軸から第1垂直方向距離D1に設けられており、後面を含む平面RFPは、枢支軸から第2垂直方向距離D2に設けられている。図14から見ることができるように、第1垂直方向距離D1及び第2垂直方向距離D2は等しい。図14では、第1セクション1872の前面及び後面は、垂直軸及び枢支軸を含む平面に対して平行である。図14の構成を考慮すると、摩擦係合部材が係合解除形態から係合形態に向かって右回りに枢動すると、第1セクション1872が対称的に位置合せされているため、アパーチャの固定点(A)は、図14に示す枢支軸に対して画定された半径を有する放物線又は曲率に追従する。この構成では、摩擦係合部材1820、1822の固定点は、最初は、下向きに湾曲した経路のみに沿って移動する。
図13及び図14の実施形態に見ることができるように、係合解除形態では、中心軸は水平平面と整列することができる。図13から認めることができるように、アパーチャの中心は、枢支軸から水平方向後向きに(すなわち、左側に)位置している。曲率は枢支軸を基準とするため、すなわち、曲率は、第1セクション1872の第1部に沿って対称的に枢支軸に対して垂直な軸に沿って、枢支軸とアパーチャの中心との間に画定された半径に従う。これは、アパーチャが、最初に水平平面の上方を上向きに曲率に追従し、その後、下向きに曲率半径に追従することを意味する。言い換えれば、図13において、曲率半径の切片は、係合解除形態において摩擦係合部材の正面において中心軸と交差する水平平面の上方に位置している。曲率に追従しながらの関連する上向き及び下向きの移動により、摩擦係合部材とフィラメントとの接触が、この移動を通して異なる箇所で発生する。したがって、図13の構成を有する摩擦係合部材は、アパーチャの内部空洞側壁面に沿ったいくつかの箇所又は場所で摩損する可能性がある。この状況は、図14では異なる。ここでは、摩擦係合部材は、枢支軸と一列に且つ枢支軸の上方に垂直にアパーチャの中心を配置し、これは、アパーチャが、下向きの曲率においてのみ係合解除形態から係合形態まで移動することを意味する。これにより、摩擦係合部材とフィラメントとの間の接触点がより一貫することにある。これにより、摩擦係合部材によって発生する摩擦力もより一貫し且つ繰返し可能となり得る。
図13を参照して示すもののように、いくつかの構成では、少なくとも第1セクション1872は、枢支軸に対して垂直な平面においてテーパ状断面を有する。テーパ状断面を、たとえば図14に示す、単一セクション1872摩擦係合部材構成に同様に設けることができることが理解されるべきである。テーパ状セクションは、第1セクション1872に増大した剛性を与えることができる。
図14を参照して示すもののように、いくつかの構成では、少なくとも1つの第1セクション1872は、枢支軸に対して垂直な平面において矩形断面を有する。
いくつかの構成では、係合形態において、少なくとも1つの摩擦係合部材の少なくとも1つの横断面の直線状の又は実質的に直線状の領域は、使用時、フィラメントの対応する平坦な又は実質的に平坦な領域と摩擦係合するように配置される。
図15a~図15cは、単一セクション摩擦係合部材1820、1822のそれぞれ側面図、正面図及び斜視図を示す。図14と同様に、摩擦係合部材は、側方から見た場合、垂直軸を中心に対称であり得る(図15aを参照)。これにより、摩擦係合部材1820、1822を、組立中にいずれの向きにおいても摩擦係合部材ハウジング1810に挿入することができ、これにより、組立プロセスにおけるいかなる問題も最小化する。
図16a及び図16bは、別の実施形態による単一セクション摩擦係合部材の側面図及び斜視図を示す。図15a~図15cに示す実施形態と比較すると、図16a及び図16bの摩擦係合部材は、より短い第1セクション1872を有する。さらに、第1セクションの幅は、図15b及び図15cに示すものよりも大きくなっている。これにより、図15a~図15cの摩擦係合部材1820、1822のアパーチャよりも著しく広いアパーチャが提供される。
したがって、図16a及び図16bの摩擦係合部材1820、1822は、先行する実施形態のフィラメントよりも著しく幅の広いフィラメントを採用することができる。より幅の広いフィラメントにより、より広い接触面積にわたって力負荷を拡散することにより耐キンク性を向上させる等の利益を提供することができる。それはねじれにも抵抗することができ、それにより、包装/保管におけるヘッドギアのねじれの発生が低減する。
いくつかの構成では、フィラメント1830の幅広側が患者の顔面に対して平行に伸びるように、摩擦係合部材1820、1822を90度反転又は回転させることができることが理解されるべきである。摩擦係合部材1820、1822を回転させることにより、著しい変更を必要とすることなく、摩擦係合部材が現ヨークハウジング内に嵌まることも可能にすることができる。
代替構成では、摩擦係合部材が位置するヨークの内部のみが変更の必要があるように、摩擦係合部材及びハウジングを含む方向調整ユニット全体を反転させることができる。
図16cは、複数の調整可能な寸法を特定する単一セクション摩擦係合部材1820、1822の正面図を示す。
以下の表1は、いくつかの構成による前記調整可能な寸法に対する好適な範囲を特定する。しかしながら、これらの寸法は、限定的であるとみなされるべきではない。本発明の範囲から逸脱することなく、他の寸法も使用することができる。
図16dは、H1が20mmである場合の、一実施形態の寸法の第1組を有する単一セクション摩擦係合部材の正面図を示す。図16eは、H1が1mmである場合の、一実施形態の寸法の第2組を有する単一セクションの正面図を示す。図16d及び図16eは、本開示の範囲内にある、摩擦係合部材1820、1822のあり得る範囲群の例の各限界における2つの例を示す。
図17aは、垂直軸に対して平行に延在する、それぞれの枢支軸を有する2つの単一セクション1872摩擦係合部材1820、1822を有する方向調整ユニット1800の切欠き側面図である。
図7bは、図17aの方向調整ユニット1800の切欠き上面図である。
図18a~図18jは、本開示の一実施形態による2セクション/2つのセクションの摩擦係合部材1820、1822のそれぞれ異なる図を示す。図18aは、2セクション摩擦係合部材の側面図を示し、2セクション摩擦係合部材は、摩擦係合部材1820、1822の前面、すなわち、図における右側の面とアパーチャ1876との上方交差部に形成された、丸みを帯びた縁部を有する。図18bは、図18aの2セクション摩擦係合部材1820、1822の代替的な側面図を示し、そこでは、明確にするためにアパーチャ領域は塗りつぶされている。図18cは、図18a及び図18bの2セクション摩擦係合部材の輪郭側面図を示す。図18dは、図18a~図18cの2セクション摩擦係合部材の側面設計図を示す。図18eは、図18a~図18dの2セクション摩擦係合部材の正面図を示す。図18eは、図18a~図18eの2セクション摩擦係合部材の背面図を示す。図18gは、図18a~図18fの2セクション摩擦係合部材の斜視断面図を示す。図18hは、図18a~図18gの2セクション摩擦係合部材の斜視図を示す。図18iは、図18a~図18hの2セクション摩擦係合部材の輪郭正面斜視図を示す。図18jは、図18a~図18iの2セクション摩擦係合部材の輪郭背面斜視図を示す。
図19a~図19cは、本開示の一実施形態による呼吸インタフェース又はマスク用のヘッドギア用のフィラメント1830のそれぞれの斜視図、側面図及び上面図を示す。フィラメント1830は、その長手方向軸に沿って延在するフィラメント本体を備える。フィラメント本体は、第1幾何学的形状を有するコア領域181を備える。フィラメント本体は、第2幾何学的形状を有する端部領域183をさらに備え、端部領域183におけるフィラメント1830は、その長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの平坦な又は実質的に平坦な外面を有する。使用時に、方向調整ユニット1800と係合するのは、フィラメント1830のこの端部領域183である。さらに、フィラメント本体は、コア領域181と端部領域183との間で長手方向に設けられた遷移領域182を備える。遷移領域182は、フィラメント本体の長手方向軸に沿った長手方向距離にわたりコアの第1幾何学的形状から端部領域183の第2幾何学的形状まで遷移する形状を有する。
いくつかの構成では、遷移領域182は、少なくともその一部分において、使用時に、摩擦係合部材ハウジング1810の外部開口部1860のサイズよりも大きいサイズ、すなわち、少なくとも1つの断面寸法を有する。このように、遷移領域182又は少なくともコア領域181は、摩擦係合部材ハウジング1810に完全に入ることが阻止される。図19bを参照して示すように、遷移領域182は、側断面図において、曲率を有していてもよい、第1幅狭構成182aを備えることができ、そこでは、幅は、コア領域の幅から中間幅まで低減する。遷移領域182は、中間領域182bをさらに備えることができ、そこでは、幅は、第1幅狭構成182aに続いて実質的に一定である。さらに、中間領域182bに続き、さらなる曲率を有していてもよい、第2幅狭構成体182cが、中間領域182bの幅からフィラメント1830の端部領域183の幅まで低減する幅を有する。
図20aは、本開示の一実施形態による、方向調整ユニット1800と図20a及び図20bのフィラメント1830とを備えるヨークアセンブリ20の切欠き側面図を示す。ヨークアセンブリ20の、図20aのヨークハウジング211の受入構造よりも大きい遷移領域182の少なくとも一部分のサイズによって形成されたハードストップが、ストラップがハウジング1810内に過度に入らないように制限する。この箇所での高い耐屈曲性により、関連するヨークアセンブリ20が、弛緩状態でヘッドギアに対してねじれるリスクが最小限になり、そこでは、ストラップの遷移領域は、ヨークハウジング内に隙間なく挿入することができるように、端部においてより小さいサイズのフィラメント1830に向かって遷移し、テーパ状になり、又は湾曲する。これにより、ストラップが収納されているか又は使用されていないときにねじれてキンクするリスクを低減させる高い耐屈曲性が提供される。
図20bは、ライントラック/ヨーク/摩擦係合部材ハウジング1810とともにストラップを示す、図20aの構成の拡大切欠き側面図を示し、そこでは、遷移領域182がその長手方向位置において、方向調整ユニット1800に損傷を与え且つ/又は方向調整ユニット1800が正確に機能するのを阻止する可能性がある、遷移領域182がハウジング1810の内側に過度に挿入されることを制限する、ハードストップを提供する。
一実施形態では、フィラメント1830の矩形の横断面(すなわち、フィラメントの長手方向軸に対して垂直な断面)の寸法は、0.85mm(W)×0.85mm(H)とすることができ、それは、0.85mm幅及び0.85mm高さの断面を意味する。こうした構成では、矩形の横断面は、等辺長方形、すなわち正方形を形成する。
他の実施形態では、フィラメント1830の各辺が0.7mm~3mmの範囲のサイズを有するように、寸法を変更することができる。これは、フィラメントが、0.85mm×0.85mmの正方形、0.75mm×2.5mmの矩形、3.00mm×3.00mmの正方形の断面、1つの3.00mm辺と2つの1.5mm辺とを有する三角形の断面、又は寸法の他の任意の組合せを有することができることを意味する。
実験により、フィラメント1830の、たとえば少なくとも1つの断面寸法におけるサイズが、摩擦係合部材1820、1822のアパーチャのサイズよりも30~200ミクロン小さいことにより、2つの構成要素が係合解除及び係合形態において十分に機能的に作用するための適切な隙間が可能になることが示された。
いくつかの構成では、(摩擦係合部材の正面で見える)摩擦係合部材アパーチャ1876横断面の、フィラメント1830横断面に対する面積の比は、1:1.0201~1:1.3061の範囲であり得る。
以下の表2は、矩形の横断面を有するアパーチャ及びフィラメントに対する。比の例を含む寸法例の選択肢を特定する。したがって、A:Fの比は、1:1~1:1.5の範囲であり得る。
フィラメント
本発明者らは、図23aを参照して、使用時にヘッドギアの張力(有効長)を調整する、方向調整ユニット1800内に受け入れられ且つそれと係合する、フィラメント1830又は長尺状可撓性部材を提案した。
本発明者らの従来のフィラメント1830は、その長手方向軸に沿って延在するフィラメント本体を備える。フィラメント本体は、第1幾何学的形状を有するとともに比較的幅の広い横断面であるコア領域を備える。フィラメント本体は、より幅の狭い横断面の、第2幾何学的形状を有する端部領域をさらに備える。使用時に方向調整ユニット1800と係合するのは、フィラメント1830のこの端部領域183である。さらに、フィラメント本体は、コア領域と端部領域との間で長手方向に設けられた遷移領域を備える。遷移領域は、フィラメント本体の長手方向軸に沿った長手方向距離にわたりコアの第1幾何学的形状から端部領域の第2幾何学的形状まで遷移する形状を有する。
従来の設計のフィラメントには、内部でフィラメントが移動することができる弾性編組外側スリーブが設けられていた。編組外側スリーブは、従来のフィラメントが方向調整ユニット内部で移動する際に伸長する。編組の弾性限界により、フィラメントが摺動して方向調整ユニット1800内に入ることができる量を制限する止め機能が提供される。編組外側スリーブは、たとえば、編地又は織物であり得る。外側スリーブの弾性は、外側スリーブが引き伸ばされるときにヘッドギアに幾分かの戻り付勢を提供した。
本開示のフィラメントには、フィラメント自体に一体化した止め部が設けられ、従来の設計の編組外側スリーブを設けることが不要になる。
いくつかの構成では、遷移領域は、少なくともその一部分において、使用時に摩擦係合部材ハウジング1810の外部開口部1860のサイズよりも大きいサイズ、すなわち、少なくとも1つの断面寸法を有する。このように、遷移領域又は少なくともコア領域は、摩擦係合部材ハウジング内に完全に入ることが阻止される。
遷移領域の少なくとも一部分のサイズがヨークアセンブリのヨークハウジングの受入構造よりも大きいことによって形成される止め部は、ストラップがハウジング内に過度に入るのを制限するのに役立つことができる。
この止め部は、フィラメントが方向調整ユニット1800内に過度に引き込まれるのに抵抗する。
図21aを参照すると、図21aにおける破線ボックス内に含まれる力スパイクは、力プロファイルにおける当初の機械的止め部の理想的な性能を記載している。編組の伸長の増大が比較的低い一方で、結果としての力の急な増大がある。
改善された止め部は、およそ図21bに示すような力プロファイルをもたらす。(摩擦係合部材とフィラメントの編組の伸張とが寄与する)方向調整ユニットの引張力に対応するシール反力は、機械的止め部が作動するときに勾配が大きくなるまで、一定である。
本発明者らの先の設計では、編組外側スリーブが止め部を提供するようにその最大(弾性)伸長に達する前に、弾性力の比較的大きい増大がある。編組外側スリーブ止め部は、最初は図21aに記載するように機能するが、その内部にデブリが蓄積するに従い各サイクルで徐々に堅くなる。さらに、マスクフィッティングのために編組外側スリーブの大きい伸長を必要とする、フィッティング範囲の上限である使用者は、高い弾性力を受けることになる。これにより、機構は、単純な弾性機構として有効に挙動することになる。
力特性及び止め部
本開示の態様は、方向調整ユニット用のフィラメントに機械的止め部を設け、そこでは、機械的止め部は、編組外側カバーによって形成されない。フィラメント自体の機械的止め部を使用することにより、編組編地又は織物は上述した望ましくない伸長範囲に入らない。したがって、使用者は、ヘッドギアを自身の顔面に引き込む大きい編組弾性力なしに(すなわち、望ましくない圧力をもたらすことなく)機構のバランスのとれたフィットを得ることができる。さらに、使用者は、ヘッドギアをマスクフィッティングのために十分な長さまで伸長するときにそれほどの力をかける必要がなくなる。
この改善は、図5における変更された力プロファイルに記載されている。(実線における)編組外側カバーの単純な弾性機構は、この例では、約45mmの伸長で作動するが、本開示によるフィラメント上の(破線における)機械的止め部の弾性機構は、この例では、約58mmというより長い伸長長さで作動する。これにより、一定の引張力で機構のフィッティング範囲が有効に増大する。
以前のフィラメントと本開示のフィラメントとの比較
図23aを参照すると、本発明者らの以前のフィラメントは、比較的小さい断面1830B、たとえば、その長さの大部分に沿ってわたる小さい又は薄い/細い厚さ若しくは幅又は横断面の領域を有していた。この相対的に小さい領域は、上述したように、方向調整ユニット1800に受け入れられる。より大きい断面1830A、たとえば、より大きい又は広い厚さ若しくは幅又は横断面の領域は、フィラメント支持構造体に沿って延在し、ヘッドギアに固定される。
図23b、図6cを参照すると、本開示によるフィラメントもまた、方向調整ユニット1800の摩擦係合部材を通過する比較的小さい断面のフィラメントの長さ部分1830Bを特徴とするが、その大きい方の断面領域1830Aは、フィラメント全体の長さのより大きい部分に沿って延在する。大きい方の断面を特徴とするフィラメントの長さの部分がより大きくなることにより、フィラメント1830は全体として、より耐久性があり且つより安定する。これに加えて、小さい方の領域の長さが低減するため、この小さい方の領域は座屈する可能性が低くなる。
1つの例では、フィラメントの大きい方の領域1830Aは3.5mmの幅を有し、小さい方の領域1830Bは0.86mmの幅を有する。これらの2つの領域の間に傾斜する遷移領域1830Cがあり、そこでは、フィラメント1830の厚さ若しくは幅又は横断面が、大きい方の領域1830Aから小さい方の領域1830Bまでテーパ状になる。1つの例では、大きい方の領域1830Aの長さはおよそ100mm(遷移領域を含む)であり、小さい方の領域1830Bの長さはおよそ95mmである。しかしながら、これらの長さは、ヨーク、摩擦係合部材及びフィラメント支持構造体208等、方向調整ユニット1800の他の特徴に応じて可変であり得る。たとえば、フィラメントの小さい方の領域1830Bを含むヨークの長さを低減させることができ、それにより、フィラメント1830の小さい方の領域1830Bの長さが低減することになる。長さは、ヨークによって収容されるように十分小さくなければならないが、フィラメント1830が引き出されるときにヨークから出ないように十分長くもなければならない。これは、機械的止め部の場所によっても決まる。
1つの例では、小さい方の領域の厚さはおよそ0.86mmであり、大きい方の領域の厚さはおよそ1.20mmである。厚さは、フィラメント1830の内面と外面との間で測定される。
図23b及び図23cをさらに参照すると、本開示によるロックアセンブリ1は、上述したような方向調整ユニット1800と、上述したようなフィラメント支持構造体208と、フィラメント1830とを備える。本開示によるフィラメント支持構造体208は、さらに図24を参照すると、長尺状であるとともに剛性又は半剛性であり、中央端部208Aにおける方向調整ユニット1800と他方の側方端部208Bにおけるヘッドギアとの間に延在する。各端部208A、208Bは、中空カラー208C、208Dを備え、そこを通ってフィラメント1830が延在する。フィラメント支持構造体208は、その長さに沿ってフィラメント1830を誘導するが、完全には封入しない一方で、各カラー208C、208Dは、フィラメント1830の周囲に延在してフィラメント1830を拘束する。各カラー208C、208Dは、エンドストップとして機能して、フィラメント1830の移動の範囲又は伸長可能範囲を制限する。
上述したように、フィラメント1830は、大きい方の領域1830Aと、より小さい幅、厚さ及び/又は断面積を有する小さい方の領域1830Bとを備える。小さい方の領域1830Bは、方向調整ユニット1800及びその摩擦係合部材1824の中に延在する。フィラメント1830は、フィラメント1830の遷移領域1830Cに隣接する領域において、フィラメント1830から半径方向外向きに、フィラメント長手方向軸から離れる方向に突出する突起又はラグ又はバー又はリブである剛性構成体の形態である、機械的止め特徴部1830Eが設けられている。機械的止め部1830Eは、フィラメント1830がカラー208C、208Dを通って摺動するとき、それらのカラー208C、208Dと当接するのに十分に外向きに突出している。したがって、図23bに示す完全後退形態では、フィラメント止め部1830Eは、中央端部カラー208Cと当接して、フィラメントが後退方向において方向調整ユニット1800を通ってそれ以上引っ張られないようにする。この当接により、フィラメント1830が方向調整ユニット1800を通って伸長することができる量に対する非弾性限界、すなわち、フィラメント自体のいかなる弾性特性にも依存しない限界が形成される。フィラメント1830は、方向調整ユニット1800から解放される際、方向調整ユニット1800から離れるように伸長方向に移動し、それにより、止め部1830Eが側方端部カラー208Dと当接し、したがって、フィラメント1830を方向調整ユニット1800から引っ張ることができる量を制限する。機械的止め部1830E及びそのカラー208C、208Dとの当接の利点については、上述しており、後述する。
フィラメント支持構造体
フィラメント1830は、フィラメント支持構造体又はフィラメント支持要素208によって支持され、それは、フィラメント1830の大きい方の領域1830Bよりもわずかに広い幅のシースの形態であり、フィラメント1830をフィラメント支持構造体208に近接して保持するカラー208C、208Dを備える。変更されたフィラメント1830は、支持構造体208によって支持されている一方、両カラー208C、208Dを通るように送られる。両端部にカラー208C、208Dがある支持構造体208は、他の点では、一方の側のみにおいてフィラメント1830を支持する、この例では矩形の1本の剛性材料(たとえば、プラスチック)を備える。向きに関して、支持構造体208は、フィラメント1830の後方に位置し、使用者の皮膚とフィラメント1830との間の中間面又は中間層を提供する。カラー208C、208Dは、使用者の顔面から離れるように外向きに面する。
ヘッドギア204に近い方の側方端部カラー208Dは、単純な矩形形状であり、方向調整ユニット1800のヨークに接続された中央端部カラー208Cは、(ヨークの外側に露出している)矩形形状を有するが、ヨーク(又はヨーククリップ)によって収容されるとともに幅及び厚さが増大するさらなる拡張部も備える。この拡張部は、方向調整ユニット1800のヨークの側方端部内で支持構造体208の強力な係留/結合を達成するように、拡張部の外周を包囲するリブ/隆起部208Eと、外面(及び/又は内面)のアパーチャ208Gともまた特徴とする。これは、オーバーモールドプロセスを使用して行うことができる。他のさまざまな方法で、具体的には2つの構成要素の間の機械的接続を達成することができる任意の形状で、十分なアンカを達成することができる。
支持構造体208自体は、フィラメント1830を支持するのに十分な剛性を有するが、一方で、好ましくは、使用者の顔/頬の輪郭の周囲で湾曲するとともにそうした輪郭に適合することができるように幾分か可撓性がある、材料から作製される。それは、好ましくは、フィラメント1830と同じ材料(Pebax7433)から構成される。
フィラメント支持構造体208は、一対の長尺状ガイド面208Fを備え、それは、フィラメント支持構造体の長手方向軸に対して平行にフィラメント支持構造体に沿って延在するとともに、長手方向軸に対して垂直な方向においてフィラメント支持構造体に対してフィラメントを拘束する。長尺状ガイド面は、支持構造体208の本体から各カラー208C、208Dまで上向きに傾斜している。
中央端部カラー
図25~図29、図36及び図37は、フィラメント支持構造体208の中央端部208Aと中央端部カラー208Cとの幾分かのさらなる詳細を示す。カラー208Cの外面は、複数の半径方向外向きに延在するリブ208Eを備え、それらにより、中央端部208Aは、フィラメント支持構造体208の本体から離れる方向にサイズ及び周囲長が増大する。これらのリブ208Eは、方向調整ユニット1800のヨークキャップYにおいてフィラメント支持構造体の中央端部208Aを保持するのに役立つ。中央端部208Aには、中心に位置する長円形アパーチャ208Fも設けられており、そこを通してフィラメント1830が露出される。
これらの図は、中央端部カラー208Cのいくつかのあり得る寸法を示す。これらの寸法は、単に例であり限定的ではない。
中央端部カラー208Cの形状及び特徴は、図36及び図37にさらに見ることができる。カラー208Cは、側方から見ると、フィラメント支持構造体208の中央端部に向かって内向きにテーパ状になっている。フィラメント止め部1830Eと当接するカラー208Cの部分は、突出するバー又はストリップ208Gを備え、それは、フィラメント支持構造体208の幅を横切って延在し、上部及び下部傾斜壁208Iによって支持される、フィラメント1830が完全に後退したときフィラメント止め部1830Eが当接する前方面208Hを備える。バー又はストリップ208Fの下方で、フィラメント支持構造体208の側面は、本体から中央カラー208Cまで上向きに傾斜している。前方面208Gは、平面であり、フィラメント支持構造体208の長手方向軸に対して実質的に、ただし完全にではなく垂直である平面を占有する。
図27及び図28に最もよく見ることができるように、フィラメント止め部1830Eが中央端部カラー208Cに当接するとき、遷移領域1830Cは、カラー208Cを通過しており、方向調整ユニット1800のヨークキャップの内側に位置している。
側方端部カラー
図30~図35は、フィラメント支持構造体208の側方端部208Bと側方端部カラー208Dとの幾分かのさらなる詳細を示す。カラー208Dは、リブ208Eが存在しないことを除きカラー208Cと同様の構造を有し、カラー208の外側は平滑且つ平面であり、カラー208の各面の交差部は面取りされている。
寸法例
フィラメント1830が通過するカラー208C、208Dによって形成されるチャネル又はスロットは、1.6mmの高さ(内側/外側方向)と4mmの幅(頂部/底部方向)とを有する。フィラメント支持構造体208は、5.6mmの幅(頂部/底部方向)と、3.1mmの厚さ(内側/外側方向)と、アンカ領域を含む96mmの全長(中央/側方方向)とを有する。カラー208C、208Dの間(中央/側方方向)の距離は、84mmである。中央カラー280Cは、およそ0.75mm厚さ(内側/外側方向)である。中央カラー208Cの内壁及び外壁は平坦であり、一方、側方端部カラー208Dの外壁は、内側/外側方向において厚さがテーパ状になるように勾配がつけられている。これにより、フィラメント支持構造体208からフィラメント208の側方端部及びヘッドギアフィラメント取付点まで、より平滑な厚さの遷移が提供される。側方端部カラー208Dは、およそ0.72mm厚さ(内側/外側方向)である。
製造詳細例
フィラメント1830及びフィラメント支持構造体208は、弾性外側シース又はチューブ又はカバー(たとえば、編材料又は織材料の編組カバー)によって覆うことができる。外側カバーは、フィラメント支持構造体208の中央端部(ヨーク/ヨークキャップの側方端部)及びフィラメント208の側方端部(ストラップ204、206によって形成されたヘッドギアハローにおける取付箇所)と同じ箇所で取り付けられる。
1つ、いくつか又はすべての縁部及び角部が、好ましくは丸みが付けられて、より滑らかな表面全体を達成するとともに、(フィラメント1830を覆う)任意の外側シース又はチューブ又はカバーが構成要素に引っ掛かり損傷を受ける可能性をさらに低減する。
フィラメント止め部
図32~図35を参照すると、フィラメント止め部1830Eをより詳細に見ることができる。止め部1830Eは、この例では、横方向に延在する突起、リブ又は隆起部を含み、それは、フィラメント1830の長手方向軸に対して横切って、遷移領域1830Cに隣接し、フィラメント1830Aの大きい方の領域を横切って横方向に延在する。止め部1830Eは、フィラメント1830から半径方向外向きに、フィラメント長手方向軸から離れる方向に突出している。この例では、止め部1830Eは、フィラメント長手方向軸に対して直交する方向において、フィラメント1830の1つの面から離れる方向に突出している。
止め部1830Eの中央縁部は、1つの例では、フィラメント1830の遷移領域1830Cと小さい方の領域1830Aとを分割する境界からおよそ14mmである。
止め部1830Eは、その中央側に(方向制御ユニット1800のヨークYに向かって)勾配がつけられた又は傾斜した当接表面又は面1830Fと、側方側に(ヘッドギアに向かって)アンダカット部1830Hである当接表面又は面1830Gとを備える。止め部1830の勾配面は、組立、特に、フィラメント支持構造体208の2つのカラー208C、208Dを通るフィラメント1830の挿入に役立つ。止め部1830の縁部及び角部は、丸みが付けられて、これらの態様をさらに容易にするとともにより平滑な表面を提供することができる。したがって、止め部1830は、側方から見ると、鈍角の台形の形態をとることができる。図34に、止め部の寸法例と、勾配面1830F及びアンダカット部1830Gの角度例とを示す。
当接面1830Gは、別法として、フィラメント1830の外面に対して垂直であり得る。しかしながら、実験により、止め部が耐えることができる最大引出し力は、角度付きアンダカットを含む、カラー208Cと係合する当接面によって増大することが示された。この止め部形状は、止め部1830Eを、カラー208Cと接触したとき、カラー208Cの下に食い込んで通過しようとする代わりに、カラー208Cの上方に上昇するように付勢するように作用する。
1つの例では、機械的止め部1830Eは、その最長長さ(中央縁部から側方縁部まで)がおよそ1.7mmであり、中央縁部とアンダカットコーナとの間の距離が1.6mmである。止め具の勾配中央面は、フィラメントの平坦な外面に対して30°の角度を有する。止め部の(内側/外側方向における)高さは、およそ0.6mmである。アンダカット部の勾配面は、フィラメントの平坦な外面に対して75°の角度を有する。
機械的止め部1830の側方端部(すなわち、アンダカット当接面1830G)は、フィラメント支持構造体208の側方端部カラー208Dの中央面と相互作用し、一方で、止め部1830の中央端部(すなわち、勾配面1830F)は、フィラメント支持構造体208の中央カラー208Cと相互作用する。
機械的止め部1830Eの輪郭は、図35に示すように、中央側のより丸みを帯びた縁部及び/又はより深いアンダカット部を特徴とするように変更することができる。より丸みを帯びた縁部により、フィラメント1830を包囲する編チューブが戻り中に止め部1830Eに引っ掛かる可能性が低減する。アンダカット部が深くなることは、側方縁部の場所とアンダカットコーナとの間との距離がより大きくなるか、又はアンダカット部の勾配面とフィラメント1830の平坦な外面との間の角度が小さくなることを指す。前者の例を図35に示す。これらはともに、ヘッドギアの伸長限界/範囲を決定し、前者は最小長さを決定し、後者は最大長さを決定する。
機械的フィラメント止め部1830E及びカラー208C、208Dは、止め部1830Eがカラーの上方に上昇して、カラーの下に食い込んで通過する可能性を阻止するように設計されている。側方端部カラー208Dの高さは、好ましくは、およそ0.72m(内側/外側方向)である。これは、96Nの引出し力(止め部1830e及び/又はカラー208Dが降伏し作用しなくなる前に加えられる最大負荷)に対応する。フィラメント1830の大きい方の領域1830Bは、70Nの負荷で降伏する。高さが小さすぎるカラーにより、止め部1830Eがカラーの外壁の上方に上昇し、したがって、伸長中にシステムを覆う編組/編チューブを捕捉することになる可能性がある。止め部1830Eはまた、より容易に降伏する可能性があり、引出し力が低くなる。カラーに対して高さの小さい止め部1830Eは、カラーの下で容易に滑る可能性がある(この場合もまた引出し力が低くなる)。
以下のように、フィラメント上に実施される機械的止め部を導入するさまざまな利点がある。
・これにより、最大伸長長さの信頼性が増大し、製造の複雑性が低減する。1つの利点は、従来の設計の編組外側スリーブは、止め機能を実施する必要がなくなり、そのため、より好都合な材料を使用することができる、ということである。たとえば、外側スリーブは、弾性プラスチック若しくはゴム若しくはシリコーン材料、又は所望の審美的な又は触感の利点を提供する他の任意の材料であり得る。
・これにより、編組が止め部であり且つ弾性戻り力であるという2つの目的が切り離される。これにより、編組に対する制約が低減し、より多種多様な弾性材料で実験することができる。
・部品は、複雑な工具細工なしに比較的製造が簡単である。
・フィラメントは、フィラメントを支持及び保護するシース(支持構造体)を有し、それは、マスクを酷使する使用者にとって特に有利であり得る。
・フィラメントは、戻り中により十分な誘導がある。
・戻っているフィラメントを誘導するためにより多くの支持がある。この機構は、ねじれにくく、これが早期にフィラメントに損傷を与え、患者がねじったときに戻りを停止する可能性がある現行の問題を有効に解決する。
したがって、方向調整ユニット1800のヨークのサイズを低減させることができ、且つ/又は、導入されるチャネル及びカラーが収容しているフィラメントの自由端を保護するため、伸張の範囲を増大させることができる。
2チャネル付きフィラメント支持体
本開示によるさらなる例では、フィラメント及びフィラメント支持構造体は、マスクの左側及び右側の各々に設けることができる。対向するフィラメント1830の自由端(すなわち、小さい方の領域1830A)は、フィラメント支持構造体208に形成された小さいチャネル208Jを通して送られる。たとえば、左フィラメント1830の自由端は、ヨークの右側のフィラメント支持構造体208の小さいチャネル208Jを通過し、右フィラメント及び左フィラメント支持構造体の場合はその逆である。各フィラメント1830の大きい方の領域1830bは、支持構造体208の大きい方のチャネル208Kを通して送られる。これは、各フィラメント1830が、マスクの中心に位置するヨークアセンブリ21を通過して、対向するフィラメント支持構造体208に達することを意味する。これは、図3a、図3b及び図38~図42に見ることができる。
フィラメント1830の大きい方の領域1830Bが通過するチャネル208Kは、長尺状リム208Lと、2つのチャネル208I、208Kを分離するチャネルディバイダ208Mとの間に形成されている。支持構造体208の頂部辺縁部と大きい方のチャネル208Kの底壁を形成するチャネルディバイダ208Mとに沿って位置するリム208Jは、フィラメント1830の垂直移動に抵抗する。この広い方のチャネル208Iは、完全に密閉されていない開放チャネルであり、フィラメント1830の外面は露出している。
対向するフィラメント1830の小さい方の領域1830Aが通過するチャネル208Iは、フィラメント1830を完全に密閉/包囲する。小さい方のチャネル208Iの上壁は、同じチャネルディバイダ208Mによって形成されている。
これらのチャネル208I、208Kの中央端部は、図40に示すように開放している。図39に見ることができるように、大きい/広い方のチャネル208Kの側方端部は開放しているが、小さい方のチャネル208Iの側方端部は、チャネルに沿った対向するフィラメント1830の動きの範囲を制限するように閉鎖されている。
これらの変更されたフィラメント支持構造体208は、小さいチャネル208H及び大きいチャネル208Iの位置が、マスクアセンブリの左側と右側とで交互になるように構成することができる。たとえば、一方のフィラメント1830は、小さい方のチャネル208Hの上方に位置決めされた大きいチャネル208Iを通過するが、その細い方の自由端は、大きいチャネル208Iの上方に位置決めされる対向するフィラメント支持構造体208の小さいチャネル208Hを通過する。言い換えれば、左側は、頂部における小さい方のチャネル208Hと、底部における大きい方のチャネル208Iとを有し、一方、右側は、頂部における大きい方のチャネル208Iと、底部における小さい方のチャネル208Hとを有する(又はその逆も同様である)。これにより、フィラメント1830の小さい方の領域1830Aが、他方のフィラメント1830からの干渉なしに反対側のチャネルを通過することができる。これは、各フィラメントに対する一方のチャネルが対向するフィラメントに対応するチャネルとともに、他方のチャネルよりも著しく小さいことを特徴とする。青色矢印は、対向するフィラメントの移動を示し、緑色矢印は他方のフィラメントの移動を示す。(b)は、同じ構成要素の内側の図であり、それは、フィラメントの垂直位置を保持するリム/リップ特徴部を示す。2つのフィラメントチャネルの間のリム/リップは、チャネルディバイダとしても作用する。
リブ付きフィラメント支持構造体
図43~図45を参照すると、フィラメント1830の材料特性とともに、フィラメント1830の小さい方の領域1830Aにより、フィラメント1830が使用者の頬の輪郭の周囲で湾曲するとともにそうした輪郭に適合するのに十分に可撓性があるようになる。しかしながら、フィラメント支持構造体208とフィラメント1830の厚化/幅広化により、システムは可撓性がなくなる可能性がある。したがって、本発明者らは、フィラメントの1つの主面又は主表面が、反対側の主面又は主表面と比較して変更された、強化された又は弱化された構造を有する、変更されたフィラメント1830を提案する。こうした構造により、その主面又は主表面は、他方の主面又は主表面とは異なる物理的特性、たとえば、応力又は歪み関連特性、伸縮性、曲げに対する弾性、引張又は圧縮強度を示すことになる。
こうした変更された構造の1つの形態は、複数のリブ、又はキャスタレーション、又は歯若しくは凹部1830Lである。フィラメント支持構造体208の1つの表面/側面/面がリブ付きであることにより、フィラメント支持構造体208は1つの方向に湾曲するか又は曲がることができる。たとえば、(使用者の顔面から離れる方の)支持構造体の外面のリブにより、支持構造体208は、使用者の顔面の輪郭の周囲でより容易に曲がることができる。
さらなる2チャネル付きフィラメント支持体
図46~図53を参照すると、さらなる2部分又は2フィラメント実施形態が提案されている。この実施形態は、上述したように各対向するフィラメント1830に対して1つ、2つのチャネル208I、208Kを備える、異なるフィラメント支持構造体208を特徴とする。この実施形態は、2つのチャネル208I、208Kが垂直に積み重ねられている代わりに、使用時に使用者の顔面から離れる方向である内側/外側方向において、横方向に積み重ねられているという点で、先行する実施形態とは異なる。これにより、フィラメント支持構造体208は、内側/外側方向において厚くなる。広いチャネル208Kは、フィラメント支持構造体208の長さの大部分を通して露出しているが、小さいチャネル208Iは覆われている。これは、図51~図53に最もよく見ることができる。
薄いチャネルディバイダ208Mが間隙又はスロット208Nを備えるため、2つのチャネルは先行する実施形態のように完全に分離されておらず、これにより、より容易な製造が可能になり、フィラメント支持構造体208の長さを通して堅さが低減する。
先行する2チャネル実施形態と同様に、フィラメント支持構造体208は、単一チャネル実施形態よりも堅い。堅さは、使用時に垂直である頂部/底部方向において均一であり、それは、堅さが非対称であるために1つの方向にねじれやすい可能性がある、先行する2チャネル実施形態とは異なって、チャネルの位置が対称であるためである。
先行する2チャネル実施形態と同様に、この実施形態もまた、破断することなく使用者の頬の輪郭の周囲で湾曲するとともにそうした輪郭に適合するのに十分に屈曲することができる。フィラメント支持構造体は、使用者の頬の周囲で湾曲しなければならず、すなわち、支持構造体208の一方の側がより小さい堅さで湾曲して凸形状を形成し、したがって、構成要素の外側、すなわち、使用者の顔面から半径方向外向きに面する支持構造体208の部分を形成する。これは、小さいチャネルが広いチャネルよりも外側にあることも意味する。
大きい方のチャネル208Iは、上述したように露出しているが、両端部もまた開放しており、一方、小さい方のチャネル208Hは、中央端部において開放しており、側方端部において閉鎖されている。これにより、対向するフィラメント支持構造体208の小さいチャネル208Hを通過することができるフィラメント1830の長さに対する制限が導入される。フィラメント支持構造体208の側方端部は、フィラメント1830の広い領域の厚さに向かって厚さがテーパ状になっている。フィラメント支持構造体208の外側の壁厚さが一定のままであるため、小さい方のチャネル208Hの幅はゼロまでテーパ状となり、チャネルの一方の端部を閉鎖する。支持構造体208の顔面接触側/表面/面は変更されないが、外側/表面/面は、この例では、15mmの長さにわたって顔面から側方端部に向かって1.6mm近づく(図48を参照)。
側方端部カラー208の頂部及び底部表面/面もまた、図49に見ることができるように、フィラメント1830の露出した領域の長さに沿ってフィラメント支持構造体208の幅から、フィラメント1830の大きい方の領域1830Bの幅にサイズがより近い小さい方の幅までテーパ状になっている。
さらなる2チャネル付き実施形態のフィラメント支持構造体寸法例
図49~図51を参照すると、フィラメント支持構造体208は、1つの例では、96mmの全長(中央/側方方向)を有し、中央端部カラーは7mmの幅(頂部/底部)を有し、側方端部カラーは5.6mmの最小幅を有する。中央端部カラーは、4.2mmの厚さ(内側/外側)を有し、側方端部カラーは2.3mmの厚さを有する。中央端部カラーは8.1mmの長さを有する一方、側方端部カラーは5mmの長さを有し、これにより、図49及び図50に見ることができるように、フィラメント支持構造体をヨークキャップに取り付けるためにより広い空間が提供される。フィラメント支持構造体208の中央端部及び側方端部の両方に対して、カラー208の顔面と接触する(内)側/表面/面/壁は約0.8mmである。
図51~図53は、中央端部カラー208の断面において可視の特徴を示す。1つの例では、小さいチャネルは、2mmの幅(頂部/底部方向)と1.2mmの奥行き(内側/外側方向)とを有する。広いチャネルは、4mmの幅と1.5mmの奥行きとを有する。チャネルディバイダは0.2mmの厚さを有し、2つのチャネルの間の不完全な分離を形成する間隙は、0.5mm幅である。中央端部カラー208自体は、7mmの幅(頂部/底部方向)を有する。中央端部カラー208において、大きい方のチャネル208Iは露出していないが、フィラメント支持構造体208の長さの大部分に沿って露出している。
丸みを帯びた止め部
図54を参照すると、止め部1830Eの中央側及び側方側の両方に対して、弾性外側チューブが(伸長及び収縮両方の方向において)止め部に引っ掛かる可能性をさらに低減させるように、丸みを付けることができる。これにより、止め部1830が当接したときにカラー208に対する損傷を少なくすることも可能である。
フィラメント位置決め/位置合せ特徴部
図30~図55を参照すると、フィラメント1830の側方端部は、フィラメント1830をヘッドギア200の上に、1つの例では、ストラップ204、206によって形成されるヘッドギア頭頂部分に確実に取り付ける/係留するために使用される、フィラメントアンカ又はコネクタ又は取付具1830Iを備える。これらのストラップ204、206は、使用者の頭部の後部の周囲に延在し、時に本技術分野においてハローとしても知られるループを形成する。
フィラメントアンカ1830Iは、製造中に、この例では、オーバーモールドによりフィラメント1830をヘッドギア200に固定するオーバーモールドプロセス中に、フィラメントアンカ1830Iとヘッドギア200との嵌合/接続が、フィラメント1830の正確且つ精密な位置合せ及び方向付けを確実にすることができるように、フィラメント1830をヘッドギア200と位置決め及び/又は位置合わせするための、複数の位置決め及び/又は位置合わせ特徴部1830Jを含む。
位置決め及び/又は位置合せ特徴部1830Jは、オーバーモールド材料がフィラメントとヘッドギアとの間に強力な接着をもたらすように流れることができる、複数の位置合せされていない縁部、壁及び表面を提供する、複数のラグ、凹部、スロット、アパーチャを含む。これらの特徴部1830Jは、フィラメントアンカ1830Iを形成するフィラメント1830の幅広端部に形成されている。幅広端部は、実質的に平面であり、フィラメント1830の長手方向軸から横方向に外向きに延在している。ラグ及び凹部もまた、概して平面であり、フィラメント1830の長手方向軸の横方向外向きに延在している。フィラメントアンカ1830Iの先端部は、フィラメントアンカ1830Iの先端部が上方から見た場合に「U」字型であるか又はフォーク状であるように、先端辺縁部が開放している、長尺状スロット1830Kを備える。この実施形態では、単一の長方形アパーチャ1830Lが設けられ、製造中、そこを通って、オーバーモールド材料は流れることができる。
フィラメントアンカ1830Iは、この実施形態では、フィラメント1830及びフィラメント支持構造体208を覆う、弾性チューブ等、外側シース又はカバーの側方端部を保持するように、位置決め特徴部1830Jに対してより中央側に位置するかかり1830Kも備える。
摩擦調整
上述した方向調整ユニット1800により、発生する摩擦力の量は、摩擦係合部材1820をどれくらい傾けることができるか(すなわち、「自由」位置に対する摩擦係合部材1820の回転の角度限界)に対して比例する。本明細書に開示する設計は、摩擦係合部材1820が回転することができる角度を、さらなる回転を阻止するような形状であり且つそのように位置決めされた物理的係合構成体を使用して、変更するように配置された特徴の、機構、アセンブリ又は構成である、摩擦調整装置を提供することに焦点を当てている。回転式摩擦係合部材1820は、ハウジング1810によって収容され、ハウジング1810は、いくつかの例では、(力が発生するときに)摩擦係合部材1820の自由端と接触するように変更することができる。
図56~図64をさらに参照すると、方向調整ユニット1800は、係合形態にあるときに摩擦係合部材1820のフィラメント1830との摩擦係合の程度を調整するように構成された摩擦調整装置を備える。
図56~図64の例では、摩擦調整装置は、ハウジング1810に対する且つ/又はフィラメント1830に対する摩擦係合部材1820の移動度を制約又は制御するように構成されている。相対移動度により、フィラメント1830の長手方向軸に沿って見た場合、その摩擦係合部材1820又は各摩擦係合部材1820におけるアパーチャの有効サイズ、したがって、アパーチャとフィラメント1830との間の摩擦の量が調整される。
最初に図56を参照すると、ハウジング1810は、互いに移動可能に接続されている上部サブハウジング1810A及び下部サブハウジング1810Bを備える。この例では、上部サブハウジング1810Aは、フィラメント1830の長手方向軸に対して平行な方向において下部サブハウジング1810Bに対して移動することができるように、下部サブハウジング1810Bに摺動可能に取り付けられている。
上部サブハウジング1810Aは、上部サブハウジング1810Aの上壁若しくは側壁から、又は、摩擦係合部材1820のピボット1824から間隔が空けられている上部サブハウジング1810Aの他の任意の部分から、ハウジング内部を下方に突出する、ラグ又は突起等、複数の下方に向けられた係合構成体2000を備える。各摩擦係合部材1820に対して1つの係合構成体、すなわち、この例では各々の2つがある。各係合構成体2000は、それぞれの摩擦係合部材1820の上部自由端、すなわち、ピボット1824から先端側の摩擦係合部材1820の部分と係合するように位置決めされている。
ハウジング1810に対する各摩擦係合部材1820の枢動移動度は、下部サブハウジング1810Bに対する上部サブハウジング1810Aの位置によって左右される。
図56aを参照すると、上部サブハウジング1810A及び下部サブハウジング1810Bが位置合せされた状態では、係合構成体2000は、摩擦係合部材1820の自由端から比較的大きい距離、間隔が空けられており、したがって、摩擦係合部材1820の比較的大きい程度の移動が可能である。したがって、摩擦係合部材1820が、係合構成体2000に当接するために必要な程度まで枢動した場合、摩擦係合部材1820、したがって、フィラメント1830と摩擦係合部材1820との間の最大摩擦又は係合力が比較的高いとき、摩擦係合部材1820におけるアパーチャ1876の有効サイズは比較的小さい。これにより、使用者がヘッドギアストラップを伸長させることに対して比較的高い程度の抵抗が提供される。
使用者は、摩擦係合部材1820に対して突起2000を移動させることにより、この最大摩擦又は係合力を調整することができる。この例では、これは、下部サブハウジング1810Bに対して上部サブハウジング1810Aを摺動させることによって達成することができる。これにより、図56a及び図56bから見ることができるように、突起2000は、フィラメント1830の長手方向軸に対して平行な方向において下部サブハウジング1810Bに対して移動し、したがって、ハウジング1810に対して各摩擦係合部材1820によって可能な移動度又は範囲が低減する。したがって、摩擦係合部材1820が突起2000と当接又は係合するとき、摩擦係合部材1820におけるアパーチャ1876の有効サイズは比較的大きく、したがって、フィラメント1830と各摩擦係合部材1820との間の最大摩擦又は係合力は比較的低い。これにより、使用者がヘッドギアストラップを伸長させることに対する比較的低い程度の抵抗が提供される。
この例では、摩擦調整装置は、上部サブハウジング1810A及び下部サブハウジング1810Bと突起2000との組合せを備える。これにより、個々の摩擦係合部材の自由端と接触するハードストップ/バリアを特徴とするハウジングの上半分が移動することになる(摩擦力が発生する形態にあるとき、角度α及びβは0°よりも大きい(図56を参照))。これにより、摩擦係合部材1820の最大傾斜角が変化する。
こうした摩擦調整装置は、1つ、2つ、又は3つ以上を含む、任意の数の摩擦係合部材1820と使用することができる。
図56を参照すると、摩擦調整装置は、この例では、摩擦調整装置を制御するように構成されたアクチュエータを備える。この例では、アクチュエータは、使用者の手又は指が移動させるか又は把持するように構成されたユーザアクチュエータを含み、調整ねじ又は止めねじ2010の形態であり、その端部は、上部サブハウジング1810Aと係合するか又は少なくとも当接する。ねじ2010は、図57に概略的に示すが、ねじ2010の回転により両サブハウジングに対してねじ2010が伸長又は後退し、その結果、下部ハウジング1810Bに対して上部サブハウジング1810Aが移動するように、下部サブハウジング1810Bに取り付けられている。
図58を参照すると、摩擦係合部材1820の最大回転角度を変更することにより、たとえば図58bの第2プロファイルに示すように、方向調整ユニット1800の力プロファイルが影響を受ける。摩擦調整装置のない方向調整ユニットの本来の力プロファイルは、図58aの力プロファイル例に示す。
摩擦係合部材1820の傾斜によって生成される最大力(すなわち、摩擦/スリップ力)は、前記ハードストップ/バリアによって提供される傾斜角度限界に応じて増大又は低減する。力プロファイルのこの変更は、本明細書に記載するすべての構成要素に、すべてが発生する摩擦力を変更するため、適用される。力プロファイルの全体的な形状は変更されない。
図59を参照すると、摩擦調整装置の別の実施形態は、この場合もまた、上部サブハウジング1810a及び下部サブハウジング1810bを備える分割ハウジング1810を備える。この実施形態では、係合構成体2000は、下部サブハウジング1810bから直立しており、下部サブハウジング1810bはハウジング1810の基部を構成している。
図60を参照すると、摩擦調整装置の別の実施形態は、ハウジング1810を備え、係合構成体2000は、ハウジング1810の頂部の下側からハウジング1810内に下向きに突出している。
この実施形態では、摩擦係合部材1820は、ハウジング1810に移動可能に取り付けられたキャリッジ2020に取り付けられている。キャリッジ2020は、フィラメント1830の長手方向軸に対して平行な方向においてハウジング1810に対して移動することができる。キャリッジ2020の移動により、係合構成体2000及びハウジング1810に対する各摩擦係合部材1820の枢着されている下端部1824の位置が調整される。キャリッジ2020の移動により、摩擦係合部材1820の移動度又は範囲、したがって、フィラメント1830が伸長する各々におけるアパーチャ1876の有効サイズが調整される。
この実施形態では、ハウジング1810に対してキャリッジ2020を移動させるために、ユーザアクチュエータ2010が設けられている。この例では、ユーザアクチュエータ2010は、キャリッジ2020に螺着されるねじ切りシャフトを含み、シャフト2010の回転により、シャフト2010がキャリッジ2020から突出する量が調整される。
図61を参照すると、別の摩擦調整装置は、ハウジング1810に移動可能に取り付けられている可動係合構成体2030を備える。構成体2030は、摩擦係合部材1820がその最大移動度まで枢動したとき、摩擦係合部材1820の上端又は自由端と係合するカム面又は面2040を備える、この例では楔形のカムを含む。最大移動度は、ハウジング1810における構成体2030の位置によって決まる。ハウジング2810における構成体2030の位置を調整することにより、カム面2040の異なる部分が摩擦係合部材1820と係合して、その移動を制限する。これにより、摩擦係合部材1820の最大移動度、したがって、フィラメント1830が通って伸長する延在するアパーチャ1876の有効サイズが調整される。
この実施形態では、構成体2030は、フィラメント1830の長手方向軸に対して直交する方向において、ハウジング1810内で実質的に垂直に移動可能であり、カム面2040は、その長手方向軸に対して傾斜している。この例では、カム面2040は実質的に平面であり、その平面は、一定の傾斜角にある。カム面2040は、多面であり、複数の部分、たとえば複数の平面部分を備え、その各々又はいくつかは、異なる傾斜角を有する。カム面2040は、1つの湾曲面を備え、又は、複数の湾曲面を備えることができる。傾斜角、及び/又は平面部分、及び/又は任意の湾曲部分を変更することにより、カム2040の移動によって発生する力プロファイルを変更することができる。
図62を参照すると、1つのみの摩擦係合部材1820の移動度又は範囲が制限される、別の摩擦調整装置が提供されている。この実施形態では、その又は各他の摩擦係合部材1820の移動は、制限されないか又はそれほど制限されない。この実施形態は、移動を制限することができる摩擦係合部材1820の数を選択することにより、又は1つの摩擦係合部材1820の程度又は範囲を別の摩擦係合部材1820に対して異なるように変更することにより、方向調整ユニット1800によって提供されるヘッドギア伸長に対する抵抗力を変更することができるという概念を導入する。
この実施形態では、図59に関して上述した実施形態と同様の分割ハウジング構成が設けられ、そこでは、下部サブハウジング1810Bは、上部サブハウジング1810Bに対して移動し、したがって、摩擦係合部材1820の枢支軸1824の位置を調整することができる。この例では、係合構成体2000は、上部サブハウジング1810Aの端壁1810Rによって提供され、端壁1810Rは、その端壁1810Rに最も近い摩擦係合部材1820の自由端と係合又は当接して、その移動を制限する。
任意の数の摩擦係合部材1820を設けることができ、これらのうちの任意の1つ又は複数の移動を、それぞれの係合構成体2000によって制限することができることが理解されよう。たとえば、1つのみの摩擦係合部材1820の移動を、それぞれの係合構成体2000、又は、係合構成体2000によって制限されない1つのみの摩擦係合部材1820の移動によって制限することができる。
図63を参照すると、上述した実施形態のうちの任意のものとともに使用されるユーザアクチュエータ2010例が提供されており、それは、フィラメント1830の長手方向軸に対して平行なハウジングにおいてスロット2050内で摺動移動するために、上部サブハウジング1810a又は下部ハウジング1810bに摺動可能に取り付けられた、ボタン又はスライダを含む。ボタン又はスライダ2010は、ハウジング1810の側壁から突出しており、
a)下部サブハウジング1810bに対して上部サブハウジング1810aを又はその逆で
b)摩擦係合部材1820のうちの1つ又は複数に対して係合構成体2000のうちの1つ又は複数を、
c)係合構成体2000に対して摩擦係合部材1820の枢支軸1824を
移動させるように構成することができる。
ユーザアクチュエータ2010に対して、摩擦係合部材1820の異なる最大移動度又は範囲、したがって、ヘッドギアの伸長に対する異なる抵抗レベルを示すしるし2060を設けることができる。
ユーザアクチュエータ2010は、摩擦特徴部を備え、又は、ボタン又はスライダの望ましくない移動がないように、ユーザアクチュエータ2010が自由に移動することができないように構成することができる。これは、ハウジング1810内のスライダ又はボタン2010及びスロット2050の公差の制御によって達成することができる。
ユーザアクチュエータ2010は、上部サブハウジング1810a、下部サブハウジング1810b、又は摩擦係合部材1820が取り付けられているキャリッジ2020に、直接接続するか又は一体化することができる。ユーザアクチュエータ2010は、ユーザアクチュエータ2010を、上部サブハウジング1810a、下部サブハウジング1810b又はキャリッジ2020に接続し、ユーザアクチュエータ2010の移動を上部サブハウジング1810a、下部サブハウジング1810b又はキャリッジ2020の移動に伝達するように構成された、コネクタ又はコネクタ機構を備えることができる。上部サブハウジング1810a、下部サブハウジング1810b又はキャリッジ2020の移動に対するユーザアクチュエータの移動の比は、1:1であり得る。別法として、コネクタ機構は、ユーザアクチュエータ2010の移動の量により、上部サブハウジング1810a、下部サブハウジング1810b又はキャリッジ2020の移動の量が異なるように連動させるように構成することができる。
ここで図64を参照すると、摩擦調整装置は、摩擦係合部材1820のうちのいくつがそれらの移動を制限させるか、したがって、全体で摩擦係合部材1820によって発生する摩擦力がどれくらい変化することができるかを、使用者が選択することができるように構成された、セレクタ機構2060を備えることができる。
セレクタ機構例2060は、長尺状セレクタ本体2070を備え、長尺状セレクタ本体2070は、その一方の側から突出している複数の突起2080を有する。反対側から、ハウジング1810の長尺状スロット2100を通って、ボタン2090が突出している。各突起2080は、それぞれの摩擦係合部材1820に隣接するハウジング1810内に、特に、摩擦係合部材1820が移動する空間内に突出している。ボタン2090を使用するスライダ本体2070の移動により、ハウジング1810及び摩擦係合部材1820に対する突起2080の位置が調整され、したがって、摩擦係合部材1820のうちのいくつかの移動度又は範囲が制御される。この例では、セレクタ機構2060は、3つの突起2080を備え、したがって、摩擦係合部材1820のうちの3つの移動を制御する。スライダ本体2070のあり得る移動の一方の端部まで移動すると、突起2080は、それぞれの摩擦係合部材1820のすべての又は実質的にすべての移動を阻止し、したがって、フィラメント1830とのそれらの摩擦係合が最小である完全直立位置で摩擦係合部材1820を保持する。したがって、摩擦係合部材1820がフィラメント1830と係合する摩擦の量は、この例では、残りの1つの摩擦係合部材1820、すなわち、セレクタ機構2060によって係合されない摩擦係合部材1820によって実質的に制御される。
摩擦調整-ラック及びピニオン
図65は、本発明者らの先の出願、国際公開第2017/158544号に記載されているようなラック及びピニオン機構を組み込んだ方向調整ユニット2800を示し、その出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。
ユニット2800は、ヘッドギア、又は、図2及び図3のヘッドギア及びインタフェースのうちの任意のもの等、ヘッドギア及び患者インタフェースに組み込むことができる。
ユニット2800は、ラック2810及びピニオン2820を備え、ピニオン2820はハウジング1810内に収容されている。図65に示すように、ピニオン2820は、ギア歯2850の外径よりも大きい直径を有する円形フランジ2840が両側に位置する、中心に位置するギア2830を備える。円筒状シャフト2860が、ピニオン2820を通って軸方向に延在し、ピニオン2820の外壁から突出しており、ピニオン2820とハウジング1810との間に回転リンク機構を提供する。シャフト2860及びピニオン2820は、それらの間に相対回転運動があるように構成されている。
ラック2810は、上述したフィラメント1830と同様に機能することができる。ラック2810は、長尺状であり、一方の側に、ラック2810の直線運動がピニオン2820の回転運動になるようにギア2830の歯2850と噛み合うように構成されている、複数の歯2880を備える。ラック2810は、自由端2810Aと固定端2810Bとを有する。ハウジング1810と組み立てられると、固定端2810Bはブレーキ3000に対して基端側であり、自由端2810Aはピニオン2820に対して基端側である。固定端2810Bは、フレーム又はヘッドギア装置等、別のマスク構成要素と一体的に形成されるか又は永久的に接合されるように構成されている。自由端2810Aは、他のマスク構成要素に対して移動することができるように、取り付けられないままであるように構成されている。
いくつかの実施形態では、ラック2810の固定端2810Bは、ヘッドギアストラップと一体的に形成されるか又は永久的に接合される。この構成により、ハウジングを含むフレーム又は他のマスク構成要素に対して長くするか又は短くすることができ、したがって、ヘッドギアサイズを調整することができる、ヘッドギア用のストラップ要素が提供される。別法として、ラック2810の固定端は、マスクフレーム又は他のマスク構成要素と一体的とするか又はそれに永久的に接合することができ、ハウジング1810は、ヘッドギアストラップに固定することができる。
ブレーキ3000は、実質的に断面が矩形であるが、凹状である1つの側壁3010を含む、押出成形品を含む。凹状側部3010は、ピニオン2820のフランジ2840の外径と実質的に一致する直径を有する。ブレーキ3000の凹状側部3010は、ハウジング1810の右壁1810Rの内面から突出している。ブレーキ3000は、エラストマープラスチック又はゴム等、軟質且つ圧縮性材料から作製することができる。
ラック2810の後退移動では、図65b、図65cに示すように、ラック2810の固定端2810Bは、ハウジング1810に向かって移動し、したがって、自由端2810Aは、ハウジング1810から離れるように移動する。この移動により、前述したような構成で組み合わされたときにヘッドギアの長さが低減する。
この後退移動中、ラック2810の直線運動により、ラック2810の歯2880は、ギア2830の歯2850と噛み合い、(ページに対して)右回り方向にピニオン2820を回転させる。この回転によってまた、ピニオン2820がハウジング1810の左側壁1810Lに向かって押され、シャフト2860は、ハウジング1810内で長尺状シャフトアパーチャ2870の左端部で維持される。左側壁1810Lの内面は、ピニオン2820の外径と実質的に一致するように湾曲している。これにより、ピニオン2820とハウジング1810との間の摩擦が低減し、ラック2810は、ハウジング1810を通して自由に移動することができる。この位置では、ピニオン2820とブレーキ3000の凹状壁3010との間に隙間がある。
いくつかの実施形態では、ラック及びピニオン機構2810、2820を、使用者が外力を加えることなくラック2810を後退方向に移動するように付勢する後退力を提供する、弾性ストラップ等の付勢手段と組み合わせることができる。
ラック2810の伸長移動では、図65d、図65eに示すように、ラック2810の固定端2810Bは、ハウジング1810から離れる方向に移動し、したがって、自由端2810Aはハウジング1810に向かって移動する。この移動により、前述したような構成で組み合わされたときにヘッドギアの長さが伸長する。
この伸長移動中、ラック2810の直線運動により、ラック2810の歯2880は、ギア2830の歯2850と噛み合い、(図65においてピニオン2820の回転軸に沿って見た場合)左回り方向にピニオン2820を回転させる。この回転によってまた、ピニオン2820がハウジング1810の右側壁1810R及びブレーキ3000に向かって押される。シャフト2860は、ピニオン2820のフランジ2840がブレーキ3000の凹状壁3010と接触し、ブレーキ3000を圧縮するように、シャフトアパーチャ2028の右側に向かって摺動する。これにより、ラック2810がハウジング1810を通って自由に移動しないようにする、ピニオン2820とブレーキ3000との間の摩擦がもたらされる。ブレーキ3000の凹状壁3010により、ピニオン2820は、ラック2810の直線運動に応じて回転し続けることができるが、これを引き起こすためにはより高い力が必要である。
呼吸インタフェース装置内で組み合わされると、これにより、使用者が、ヘッドギアのサイズを増大させるために、ピニオンとブレーキとの間の摩擦を克服するために十分な力を意図的に加えることが必要になる、ヘッドギアの伸長に対する抵抗がもたらされる。
図66~図68をさらに参照すると、方向調整ユニット2800は、係合形態にあるときにフランジ2840とのブレーキ3000の摩擦係合の程度を調整するように構成された摩擦調整装置を備える。ブレーキ3000が調整可能であることを除き、図65の実施形態と同様である。ピニオン2820の位置は、スロットの一方の側から他方の側にトグル可能である。これにより、2つの異なるレベルの摩擦(すなわち、ブレーキ3000と非接触及びブレーキと接触3000)が提供される。スリップ力は、ブレーキ3000の水平位置を調整することによってさらに調整することができる。ダイヤル4010回転させることにより、ブレーキ3000が水平方向にピニオン2820に向かって又はピニオン2820から離れるように移動する。図65dに描く形態に対応する(a)に描く高摩擦形態では、ピニオン2820と左側に移動したブレーキ3000との係合はより大きくなり、したがって、摩擦力がより大きくなる。
図66aの構成では、回転軸がピニオン2820の回転軸に対して平行である、ダイヤル4020の形態のユーザアクチュエータ4010が、ハウジングに設けられている。図67を参照してより詳細に後述するように、ダイヤル4020の回転により、ハウジング1810内でブレーキ3000が移動する。
図66bの構成では、ユーザアクチュエータ4010は止めねじ4030を含み、止めねじ4030は、ピニオン1820の回転軸に対して垂直な止めねじ軸を中心に回転するように、ハウジング1810内に螺着されている。止めねじ4030は、ブレーキ3000に当接するブレーキ係合端部4040を有する。止めねじ4030の回転により、ブレーキ3000は、ラック2810の長手方向軸に対して平行な方向に、ピニオン2820に向かって又はピニオン2820から離れるように移動する。ピニオン2820に対するブレーキ3000の相対位置は、ピニオン2820がブレーキ3000と接触するように駆動されたときに2つの構成要素の間の摩擦を調整する役割を果たす。
図67を参照すると、シャフト4070にダイヤル4020が取り付けられており、シャフト4070自体、ブレーキ3000に回転可能に取り付けられている。ギアホイール4050もまた、シャフトに取り付けられており、ハウジング1810の側壁1810Sのスロット4070内の一致するギア輪郭4060と係合する。ダイヤル4020の回転により、ギアホイール4050がギア輪郭4060に沿って駆動され、したがって、ブレーキ3000がピニオン2820に向かって又はピニオン2820から離れるように移動して、ピニオン1820とブレーキ3000との間の摩擦力を調整する。
図68を参照すると、方向調整ユニット2800用のさらなる摩擦調整装置は、図65~図67の実施形態と同様であるが、ピニオン2820の回転軸に対して垂直である半径方向においてフランジ2840と係合するように構成されたドラムタイプブレーキパッド又はブロックを備えたブレーキ3000の代わりに、ブレーキディスク5000と、間にブレーキディスク5000を受け入れるとともに、軸方向、すなわち、ピニオン2820の回転軸に対して平行な方向においてブレーキディスク5000と摩擦係合するように構成された、軸方向に対向するブレーキパッドを有するブレーキキャリパ5010とが用いられている点が異なる。この実施形態では、ブレーキディスク5000は、ピニオン2820のフランジ2840を構成するが、別法として、フランジ2840に加えて別個の又はさらなる構成要素を構成することができる。
対向するブレーキパッドによりディスク5000に加えられる摩擦力を変更するために、ユーザアクチュエータ(図示せず)を設けることができる。ユーザアクチュエータは、たとえば調整ねじ又はカムを介して、1つ又は各ブレーキパッドを軸方向においてディスク5000に向かって又はディスク5000から離れる軸方向に移動させるように構成することができる。別法として又はさらに、ブレーキキャリパ5010は、互いに移動可能に取り付けられたキャリパ半体を備え、それにより、ユーザアクチュエータは、キャリパ半体のうちの一方又は両方を他方に向かって又は他方から離れるように移動させるように構成される。
ブレーキディスク5000及びピニオン2820は、選択的係合ユニット(図示せず)を介して互いに取り付けられ、選択的係合ユニットは、ブレーキディスク5000及びピニオン2820が、第1方向に回転するときは係合してともに回転するが、ピニオン2820が反対方向に回転するときは、係合解除して、ブレーキディスク5000とピニオン2820との相対的な回転を可能にするように構成されている。したがって、選択的係合ユニット5020により、ブレーキパッド及びブレーキディスク5000によって発生する摩擦力は、(ヘッドギアを伸長させる方向である)1つの方向におけるラック2810の移動には抵抗するが、(ヘッドギアを後退させる方向である)反対方向におけるラック2810の移動には抵抗せず、又は少なくともその移動に対する抵抗を低減させる。本明細書に記載する方向調整ユニット1800、2800のすべてと同様に、ヘッドギアの伸長に抵抗するように発生する力の量を調整することができる。
選択的係合ユニットは、
a)ラチェット機構、
b)スリッパクラッチ又は一方向クラッチ
のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる。
図68b)~図68d)は、ブレーキディスク5000とブレーキキャリパ5010との異なる構成を示す。図68b)は、図68a)の構成の端面図である。しかしながら、この例では、キャリパ5010又は少なくともブレーキパッドは、ブレーキパッドのディスク5000との係合を調整するように、垂直方向においてピニオンホイールの回転軸に向かって移動させることができる。図68c)は、2つのブレーキディスク5000と、各々がそれぞれのディスク5000と係合するように構成された一対のブレーキパッドとを使用する。各ブレーキパッドは、ディスク5000の半径方向外面と係合する。この場合もまた、ブレーキパッドは、係合を調整するように垂直に移動することができる。図68d)は、間隔を空けて配置されたブレーキディスク5000の対の間に位置決めされるように構成された単一のブレーキパッド又はブロックを備え、それにより、単一のブレーキパッドは両ディスク5000と係合する。この場合もまた、ブレーキパッドは、係合を調整するように垂直に移動することができる。したがって、これらの例では、その若しくは各ブレーキパッド又はブロックは、ディスクが、ディスク5000の回転軸に対して垂直な方向において上下に移動する際、それらのブレーキディスク5000との係合を増大させる対向する傾斜面を備えることができる。
ハニカム前部ストラップ
本開示によれば、且つ図70~図74を参照すると、一対の前部ストラップ又はフィラメント支持構造体208の変更形態が提供されている。上述したようなフィラメント支持構造体208は、図69に示すような特徴を有する。したがって、フィラメント1830は、フィラメント支持構造体208によって支持され、フィラメント支持構造体208は、フィラメント1830の大きい方の領域1830Bよりもわずかに広い幅のシースの形態であるとともに、フィラメント1830をフィラメント支持構造体208に近接して保持するカラー208C、208Dを備える。変更されたフィラメント1830は、支持構造体208によって支持されている間、両カラー208C、208Dを通して送り込まれる。両端部にカラー208C、208Dを備える支持構造体208は、他の点では、この例では、一方の側部のみにフィラメント1830を支持する、側壁の形態の矩形の1本の剛性材料(たとえば、プラスチック)である、長尺状支持体208Aを備える。向きに関して、支持構造体208は、フィラメント1830の後方に位置し、使用者の皮膚とフィラメント1830との間に中間面又は中間層を提供する。カラー208C、208Dは、使用者の顔面から離れる方向に外向きに面する。
図70~図74を参照すると、フィラメント支持構造体208は、長尺状支持体208Aの少なくとも一部が、縦軸(図74の基準系を用いてy軸)に沿った方向におけるよりも、長尺状支持体208Aを横切って延在する横軸(図74の基準系を用いてx軸)に沿った方向の方が大きい、曲げ剛性を有する。したがって、フィラメント支持構造体は、横方向に(すなわち、使用者の顔面に向かい且つ顔面から離れて水平に)おけるよりも垂直方向に(すなわち、使用者の顔面を上下に)おいて容易に屈曲するように構成されている。図74に示すx-y-z座標系を参照して見ることができるように、変更されたフィラメント支持構造体208は、曲げ剛性が縦x軸を中心とするより横y軸を中心とする方が高く、すなわち、ハニカム支持構造体が、マスクによって提供されるシールの垂直安定性を支持及び維持するのに十分剛性がありながら、使用者の頸の形状に沿うように横方向に曲がる/湾曲することができるようにするように構成された構造を有する。中実壁を備えたフィラメント支持構造体設計と比較して、構造体全体が、x方向及びy方向の両方においてより可撓性がある。x軸では、これにより、構造体は、使用者の顔面の形状により容易に沿うことができるが、本開示における変更形態の効果は、y軸においてより著しく、すなわち、フィラメント支持構造体は、マスクシール角度及びマスクシールの位置のより容易な調整を可能にするようにはるかに容易に上下に屈曲することができる。
長尺状支持本体208Aに、上述したように長尺状支持体208Aの曲げを制御するように構成された、1つ又は複数の曲げ制御構成体を有する曲げ制御構造体が設けられている。この例では、曲げ制御構成体は、長尺状支持体208Aの長さに沿って間隔を空けて配置されている、複数のアパーチャ208Hと、切取部208Jと、キャスタレーション208Kとを備える。
この例では、アパーチャ208Hは、各々六角形状であり、アパーチャ208Hの間の間隔が規則的であるとともに、アパーチャ208Hのパターン/配置が規則的である、規則的なアレイで配置されている。この例では、規則的なアレイにより、長尺状支持体208Aはハニカム形構造を有することになる。
長尺状支持体208Aは、少なくとも1つのこうしたアパーチャ208Hを備えることができ、そのアパーチャ208H、各アパーチャ208H又はアパーチャ208Hのうちの任意の1つは、以下の形状のうちの任意の1つであり得る。
a.円形、
b.楕円形、
c.三角形、
d.四辺形、
e.五角形、
f.六角形、
g.辺が直線状又は弓形であり得る、複数の辺を有する他の任意の形状。
フィラメント支持構造体208は、フィラメント支持構造体208の長手方向軸に対して平行にフィラメント支持構造体208に沿って延在する一対の長尺状ガイド面208Fを備え、それは、長手方向軸に対して垂直な方向においてフィラメント支持構造体に対してフィラメントを拘束する。この例では、両長尺状ガイド面208Fに、壁材料がないか又は壁材料が低減している長尺状ガイド面208Fの一部分である少なくとも1つの切取部208Jの形態の曲げ制御構成体も設けられている。長尺状支持体208Aには、フィラメント支持構造体208をその長手方向軸に対して垂直な方向で見た場合、すなわち、図22のx軸に沿って見た場合に、こうした切取部208Jも設けられている。
この実施形態では、複数の切取部208Jが設けられている。各切取部208Jは、この例では、規則的な線及び形状を含む幾何学的形状であり、この場合、半六角形である。切取部が1つ若しくは複数の真っ直ぐな部分及び/又は1つ若しくは複数の湾曲部分を含む場合を含む、他の任意の多面形状が考えられる。切取部208Jは、長尺状ガイド面208F及び長尺状支持体208Aが、キャスタレーションが付けられ又は歯付きであり、各対がそれぞれの切取部208Jによって分離される複数のキャスタレーション又は歯208Kを含むように配置されている。
この実施形態では、各長尺状ガイド面208Fの上部辺縁208K及び下部辺縁部208Lの各々に、切取部208Jが設けられている。したがって、各長尺状ガイド面208Fは、x軸に沿って側方から見ると波形又はジグザグの輪郭であり、この輪郭は、切取部208Jとキャスタレーション208Kとによって形成されている。
図72及び図73に最もよく見ることができるように、アパーチャ208Hは、単一アパーチャの繰返しパターン又はアレイ、次いで一対の垂直に積み重ねられたアパーチャ、次いで別の単一アパーチャ等で、長尺状支持体208Aの長さに沿って配置されている。各単一アパーチャ208Hが形成されている長尺状支持体208Aの部分は、長尺状支持体208Aの長手方向軸に対して、長尺状ガイド面208Fの切取部208Jと位置合せされている。したがって、各単一アパーチャ208Hは、一対の切取部208Jと長手方向に位置合せされ、一方で、一対のアパーチャ208Hを有する長尺状支持体208Aの各部分は切取部を有していない。
この実施形態では、アパーチャ208H及び切取部208Jは、フィラメント支持構造体208の実質的に全長に沿って設けられている。しかしながら、アパーチャ208H及び切取部208Jは、フィラメント支持構造体208の長さの一部分又は複数の部分のみに沿って設けることができることが考えられる。アパーチャ208H及び切取部208Jは、長尺状支持体の長さの50%にわたって、好ましくはその長さの75%にわたって、より好ましくはその長さの90%にわたって延在することができる。
壁材料がないか又は壁材料が低減している長尺状ガイド面を有する側は、内部構成要素(フィラメント)が皮膚と接触しないように、使用者の顔面から離れる方向に面するように設計されている。
変更されたフィラメント支持構造体208は、上述した方向調整ユニット1800、2800の任意のものと使用することができる。
図75~図78を参照すると、別の実施形態による、患者に呼吸療法を送達するための呼吸インタフェースシステム又は呼吸マスクシステム2100のさらなる例が示されている。このマスクシステム2100は、図2及び図3のマスクシステム100と同様であるが、後述するようないくつかの相違がある。マスクシステム2100は、マスク2102等、インタフェースを備えることができる。図示する構成では、マスク2102は、本明細書においてさらに詳細に説明するように、シール2104及びフレーム2106を備える。図示するマスクシステム2100は、ヘッドギア2200(本明細書では、「ヘッドギアアセンブリ」とも称する場合がある)も含む。マスク2102及びヘッドギア2200は、ヘッドギア2200をマスク2102に取り付ける接続システムを備えることができる。ヘッドギア2200をマスク2102に取り付けるために、さまざまな形態の接続システムを使用することができる。同様に、マスク2102は、少なくとも1つの、場合により複数の異なるタイプのヘッドギアに結合することができる。
シール2104は、患者の口及び/又は鼻の周囲を且つ/又は下を封止するように構成することができる。図示する構成では、シール2104は、使用者の鼻にのみ呼吸ガス流を送達するように構成された鼻シールである。特に、図示するシール2104は、使用者の鼻孔とシールを形成するように構成された一対の鼻ピローと、鼻ピローを包囲するとともに、使用者の鼻の下側、使用者の鼻の側部及び使用者の上唇のうちの1つ又は複数と二次シールを生成するように構成されている、二次封止部分とを含む。
しかしながら、本開示の特徴は、たとえば且つ限定なしに、フルフェイスシール等、他のタイプのマスクシールを有する他のマスクシステムで実施することができる。
フレーム2106は、シール2104を支持するとともに、シール2104をヘッドギア2200に取り付けるように構成されている。フレーム2106は、マスク2102を介して患者に呼吸ガス流を送達するガス導管2110に取り付けるように構成されたガス入口2108も備えることができる。
ヘッドギア2200は、フィラメント支持構造体2208を備えるか又はそれに接続されている側部ストラップを含むことができる少なくとも1つのストラップと、少なくとも1つのヨークアセンブリ2021と、少なくとも1つのフィラメント支持構造体2208内に延在するとともにヨークアセンブリ2021に入る少なくとも1本のフィラメント1830とを備える。ヘッドギア2200は、本明細書に開示する実施形態のうちの任意のものによる方向調整ユニット1800も備える。
システム2100において、ヨークアセンブリ2021は、マスク入口2108の中心軸に沿って正面から見た場合、ヨークアセンブリ21よりも幅が狭い。ヨークアセンブリ2021は、図83において最もよく見ることができるように、ヨークアセンブリ21の2つの側方最外辺縁部OMの間に延在する寸法Wにわたってより幅が狭い。ヨーク21と同様に、対向するフィラメント1830の端部は、それぞれのフィラメント支持構造体2208からヨーク2021に入る。しかしながら、この実施形態では、対向するフィラメントの端部は、ヨーク2021内に収容されず、代わりに、ヨーク2021を通過して対向するフィラメント支持構造体2208に入る。したがって、ヨークアセンブリ2021に内に入る第1フィラメント1830、及び、ヨークアセンブリ2021から出る他方のフィラメントの端部もまたともに、同時に収容するように、各フィラメント支持構造体2208に2つの長手方向延在フィラメント通路が設けられている。この変更は、ヨークアセンブリがフィラメント1830を収容する必要がないため、ヨークアセンブリ2021の幅をヨークアセンブリ21の幅よりも小さくすることができることを意味する。その結果、ヨークアセンブリ2021は、使用者の顔面のより小さい部分にわたって横方向に延在する。これにより、概して、使用者の快適さが向上する結果となり、特に、使用者が横になっているとき、ヨークアセンブリ2021が枕と接触する前に、使用者が自身の頭部をさらに回転させることができる。これは、図117から最もよく見ることができ、そこでは、ヨークアセンブリを使用者の顔面に関連付ける破線が、ヨークアセンブリ2021がベッド又は枕Pと接触する前に使用者の頭部を回転させることができる追加の角度を示す。水平方向に幅が狭くなる(すなわち、長さが短くなる)ヨークアセンブリにより、マスクが使用中であるときに横寝がより容易になる。ヨークアセンブリ2021は、水平にマスクフレーム2106の最側方点を越えて延在し、したがって、剛性があるマスクアセンブリの最も広い箇所を形成する。したがって、より幅の狭いヨークアセンブリが、使用者が横臥位で寝ているときに枕Pの表面からさらに、全体としてマスクアセンブリ102の最側方点をもたらす。これにより、ヨークの端部が枕と接触する前に、頭部のより大きい角度範囲の回転が可能になる。枕Pとの接触により、ヨークアセンブリ2021、したがってマスクアセンブリ2102は、枕から押し離され、外れる可能性がある。これは、漏れをもたらすとともに、使用者へのCPAP療法の送達に影響与え、さらに使用者の不快感をもたらす可能性がある。
システム2100において、ヨークアセンブリ2021は、前部材2021a及び後部材2021bを含む2部品アセンブリであり、それら部材は、この例では、各部材2021a/bの相互係合構成体によって提供されるスナップフィット係合により互いに接合されている。
先の図106から最も明確に見ることができるように、前部材2021a及び後部材2021bのそれらの内面に、ガイド構成体が設けられている。これらのガイド構成体は、前部材2021a及び後部材2021bが互いに固定されると、ヨークアセンブリ2021を通るフィラメントガイド通路を画定する。したがって、ヨークアセンブリ2021は、ヨークアセンブリ21の分割インサート22が不要である。ガイド通路は、フィラメント1830が、互いに干渉することなく、ヨークアセンブリ2021を通して互いを越えて誘導されるように構成されている。記載する例では、ガイド通路は、フィラメント1830がヨークアセンブリ2021の中心において互いに交差し、各フィラメント1830が第1位置においてヨークアセンブリ2021に入り、ヨークアセンブリ2021内に下向きに誘導された後、より高い第2位置でヨークアセンブリ2021から出るように構成されている。さらに、前部材2021a及び後部材2021bのうちの一方に、フィラメント1830のうちの一方をヨークアセンブリ2021の前部から間隔を空けて配置するガイド構成体が設けられている。これにより、フィラメント1830のうちの一方が、他方よりもヨークアセンブリ2021の前部から遠いヨークアセンブリ2021を通る経路をとり、したがって、互いに干渉することなく、ヨークアセンブリ2021の内部で、フィラメント1830が交差することができる。
システム2100では、各方向調整ユニット1800のハウジング1810は、ヨークアセンブリ2021の側方端部に形成されたそれぞれの凹部に受け入れられ、又は少なくとも部分的に受け入れられる。各ユニット1800は、それぞれのエンドキャップ2209によって適所に保持され、それぞれのエンドキャップ2209は、この例では、スナップフィット接続を介してヨークアセンブリ2021にユニット1800を保持する。エンドキャップ2209はさらに、長尺状支持部材2208の端部と係合して、ヨークアセンブリ2021上で部材2208を保持する。
システム2100では、ヘッドギア2200は、ヘッドギア200と同様の構成であるが、半剛性プラスチックが射出成形されてヘッドギアの後部分のコアを形成する編チューブを備える。ヘッドギアの側部ストラップは、長尺状支持体208によって形成され、ここでは、上述したように、フィラメント1830の端部を収容する。
図79~図101を参照すると、マスク2102はマスク102と同様であるが、いくつかの相違を有する。マスク2102は、可撓性シール又はクッション2104と、より剛性のあるマスクフレーム2106と、中間クリップ2122とを備える。クリップ2122は、第1クリップ部分2122a及び第2クリップ部分2122bを備え、それらは、それらの間でシール2104のリムを捕捉する。クリップ2122は、スナップフィット、摩擦嵌め又は他の好適な構成等により、フレーム2106に選択的に接続するように構成されている。フレーム2106は、シール104の内部からガスを排出するように構成されている通気孔2140を含むことができる。マスク2102は、排気流を制御するように通気孔2140を覆う通気孔インサート又はディフューザ2152を含むことができてもよい。マスク2102では、シール2014及びフレーム2106の形状又は態様は変化しており、通気孔2140の形状及び位置は変化しており、マスクフレーム2106へのヨークアセンブリ2021の取付は変化している。
フレーム2106は、入口2103Dを備える導管接続部分2108Bを介してもよい、ガス導管110に接続するためのガス入口2108を備える。ガス入口2108は、この実施形態では、正面から見た場合、フレーム2106の下方部分に設けられ、ガス入口2108の中心軸に沿った方向においてマスクフレーム2106の前部から外向きに突出する突出ボス2108Aに設けられている。この例では、ボス2108Aは実質的に楕円形であり、入口2108もまた楕円形である。特に、ボス2108A及び入口2108はいずれも、各々が垂直に延在するよりも入口2108の軸から横方向外向きにさらに延在するように、高さよりも幅の方が大きい。この構成により、使用者の視線へのいかなる干渉も最小限にすることにより、使用者の顔面におけるマスク2102の可視性が低減され、高さの低減によりマスク2102が口から間隔を空けて配置されるため、使用者の口との干渉も最小限にすることができる。
ボス2108Aの上部は、平坦であるが弓形の表面2106Aを備え、それは、フレーム2106の前部を横切って延在し、ヨークアセンブリ2021を受け入れる凹部2106Bの形態でヨーク取付部の下部を画定する。凹部2106Bの上部は、凹部2106Bの上に張り出す一対の外向きに延在する上部突起2106Cによって画定される。ヨークアセンブリ2021は、ヨークアセンブリ2021の第1部材2021Aと係合する、凹部2106Bの側方端部におけるスナップフィット構成体2106Dを介して、凹部2106B内に保持される。
特に図85、図86及び図89を参照すると、フレーム2106の前部は、ヨークアセンブリ2021が取り付けられる凹部の下方で、入口2108の両側の1つ、凹状部分によって画定された、横方向に間隔を空けて配置された一対のフィンガグリップ部分2106Eを備える。これらの凹状部分は、よりよいグリップと、シール2104の位置を調整するときのグリップ位置に対する触覚インジケータとのための増大した表面積を提供する。これらのグリップ凹状部は、マスクフレーム2106の前面のみにある場合があり、又は、入口ボス2108Aの下部領域、若しくは入口ボス2018Aから延在する導管コネクタ部分2108Bまで延在する場合もある。
この実施形態では、通気孔2140は、外向きに延在する上部突起2106Cの対の間に、凹部2106Bの上方に設けられた、実質的に凸状の楕円形通気孔面2140Aを備える。通気孔2140は、たとえばレーザ穴あけ加工することができる、通気孔面2140A上の通気アパーチャ2140Bのアレイを備える。通気孔面2140Aは、各通気アパーチャ2140Bの軸がフレーム2106から離れて上方に又は前方に向けられるように、入口2108の軸に対して上向きに傾斜している。この構成は、呼気ガスをフレーム2106から離れるように且つ使用者から離れるように上方に且つ前方に向ける。通気孔面2140Aは、フレーム2106の前部の一体化部である。通気孔面2140Aは、ヨークアセンブリ2021の後方に且つ上方に位置決めされる。通気孔2140は、ヨークアセンブリ2021が、通気孔2140を通って流れる排気ガスの経路に干渉しないように構成されている。
図94を参照すると、フレーム2106の後部は、シール2104をフレーム2106に取り付けるようにクリップ2122と係合する出口カラー2106Cを備える。出口カラー2106Cは、出口カラー2106Cの上方部分が出口カラー2106Cの下方部分よりも幅が広いという点で、D字型である。したがって、出口カラー2106Cは、出口カラー2106の軸に沿って見た場合、内向きにテーパ状となっている。したがって、出口カラー2106Cは、この例では、概して弓形である頂部、側部及び基部にも関わらず、逆台形を含む。この例では、頂部、側部及び基部辺縁部は、弓形であり、各々、出口カラー2106Cの軸から離れるように外向きに曲がっている。この形状の出口カラー2106Cがあることにより、通気孔2140を配置すべき、且つ、通気孔2140をマスク2102からの呼気ガスの所望の方向の流れを達成するような形状としそのように構成するべき、フレーム2106の頂部におけるより広い表面積が可能になる。
フレーム2106は、入口2108の軸に沿って見た場合、フレーム106よりも縦寸法は短いが、ガス流に対する所望の断面積を依然として達成するように、幅は同様に広い。
この実施形態では、入口ボス2108Aに通気孔がなく、それは、ボス2108Aの長さを、ヨークアセンブリ2021をフレーム2106に取り付けることができるように依然として(入口2108の軸に沿った方向において)十分長いながらも、最小限にすることができることを意味する。
マスクフレーム入口2108は、この実施形態では、図3cの実施形態のようにその周囲に半径方向に分散した通気アパーチャは有していない。マスクフレーム入口2108は、凹部2106Bの上方に、且つ2つの外向きに延在する上部突起2106Cの間に通気孔面2140Aに位置する通気アパーチャを有する。通気孔面2140Aの下部辺縁部は、概して、外向きに延在する上部突起2106Cの上部辺縁部と一列に並んでおり、通気孔面2140Aの上部辺縁部は、外向きに延在する上部突起2106Cの上部辺縁部を越えて上向きに延在する。上述したように、通気孔面2140Aは、ガスを上方に且つ前方に、顔面から離れるように且つマスク2102の下部領域から離れるように向けるように、勾配が付けられており、この下部領域は、典型的には、使用者がマスク位置を調整するために自身の手を配置する傾向があり得る場所である。この設計変更は、呼気ガスが使用者の顔面に突き当たって騒音をもたらす場合の騒音のあり得る生成に対処する。通気孔面2140Aは、図87及び図88において破線Aによって最もよく見ることができるように、マスクフレーム入口ボス2108Aの外面の幅と同じ幅にわたる。通気孔面2140Aは、マスクフレーム出口カラー2106Cの間の流体接続を必要とする。したがって、出口カラー2106Cの上部領域は、少なくとも通気孔面2140Aの幅である幅を有する。
図89を参照すると、入口ボス2108Aは、導管接続部分2108B内に延在し、導管接続部分2108Bは、たとえば、スナップフィット接続を介して入口ボス2108Aに取り付けられた別個の構成要素であり得るか、又は、入口ボス2108Aと一体化され得る。導管接続部分2108Bは、ガス入口2108Cを備える。
図95~図97を参照すると、マスクフレーム2106に対するさらなる詳細変更が、変更されたマスクフレーム3106に示されている。フレーム3106は入口ボス2108Aを備え、入口ボス2108Aは、フレーム2106よりも突出していないが、フレーム3016を側方から見た場合、凹部2106Aの下方から導管コネクタ2108Bの長さの大部分に沿って、ほぼ導管コネクタ2108Bの先端部まで延在する、より大きいフィンガグリップ部分2106Eを備える、より長く、一体化した導管コネクタ2108Bを有する。
図98~図101を参照すると、クリップ2122の形状をより明確に見ることができる。クリップ2122は、フレーム2106における出口カラーの形状と同様の逆台形状であるガス流アパーチャ2122Cを画定する。さらに、第1クリップ部分2122aは、クリップ2122の頂部における1つの接続特徴部2122Dと、クリップ2122の下方部分のクリップ2122の各側における一対の横方向に対向する接続特徴部2122Eとを含む、三角形配置の接続特徴部2122D/Eを備える。第2クリップ部分2122bは、クリップ2122の頂部における1つの接続特徴部2122Fと、クリップ2122の下方部分のクリップ2122の各側における一対の横方向に対向する接続特徴部2122Gとを含む、同様に三角形配置である接続特徴部2122F/Gを備える。シール2104は、対応して配置された接続特徴部2104D/Eを備える。図98における破線は、クリップ122とシール104との間の接続特徴部のペアリングを示す。接続特徴部は、1つの構成要素を隣接する構成要素に相互係合させて取り付けるように構成された突起、凹部及び/又はスナップフィンガの任意の好適な組合せを含むことができる。接続特徴部は、スナップフィット特徴部を含むことができる。スナップフィットは、一部には、クリップ2122及び/又はシール2104の変形を介して、構成要素が互いに取り付けられる際に達成することができる。接続特徴部は、構成要素を、それらが合わせて組み立てられる際に位置合せするとともに、最終的に構成要素を合わせて接続するように構成することができる。
ここで図102及び図103を参照すると、ヨークアセンブリ21及び2021の形状及び外部寸法の比較がなされている。明確に見ることができるように、ヨーク2021はヨーク21よりも幅が狭く、使用者の視野に対する影響を低減させるとともに、ヨーク2021が使用者のベッド又は枕に接触する前に使用者が自身の頭部をさらに回転させることができるようにするという、上で概説した利点を提供する。これにより、よりよい横寝を可能にすることができる。
単に一例として、ヨーク2021は、ヨーク21と比較した場合、上方から見て、且つ前ヨーク部材と後ヨーク部材との間で測定した場合、(ヨークの最側方点の間で測定された)低減した横幅と、低減した厚さとを有する。これは、図103を参照して見ることができる。ヨークの端部の内面の間の水平距離は、OSA治療を必要とする典型的な使用者の大部分の鼻幅よりも広く、したがって、それらの使用者の大部分にフィットする。これにより、ヨークアセンブリを、各シールサイズに対して異なるサイズのヨークを必要とすることなく、さまざまなシールサイズで使用することができる。比較のための1つの実施形態例のおよその寸法例は以下の通りである。
ヨーク2021のさらなるおよその寸法例は以下を含む。
・ヨークアセンブリの側方端部の間の内面に沿った水平距離:58.5mm
・ヨークアセンブリの中心における前ヨーク部材2021Aからのフィラメント経路の奥行き:24.1mm
・ヨークアセンブリの前面の中心(すなわち、最前部)と(各側方端部のヨークアセンブリの後面における)ヨークアセンブリの最後点との間の距離:29.15mm
・ヨークアセンブリの後面の中心と(各側方端部のヨークアセンブリの後面における)ヨークアセンブリの最後点との間の距離:22.45mm
図104及び図105を参照すると、ヨーク後部材2021Aに、フレーム2106上にヨークアセンブリ2021を保持する、フレーム2106と係合する、くぼみの形態の係合特徴部2021Hが設けられている。ヨーク前部材2021Aには係合特徴部は設けられておらず、ヨーク前部材2021Aの前部が平滑な中断のない外面を有するのを可能にする。
図106を参照すると、フレーム2106上のヨークアセンブリ2021の取付をより明確に見ることができる。フレーム凹部2106Bの下面と上方の外向きに延在するフレーム突起とに、ヨーク後部材2021Bのくぼみ2021Hに受け入れられるヨーク係合ラグ2106Cが設けられている。これらのラグ2106C及びくぼみ2021Hは、合わせて、ヨークアセンブリ2021とフレーム2106とのスナップフィット接続を形成することができる。
図107~図110は、ヨークアセンブリ2021の側方端部とのエンドキャップ2209の係合を示す。各エンドキャップ2209は、中空であり、ヨークアセンブリの側方端部の、側方端部から突出するオス部2021Kの上にクリップ式に留まる。各エンドキャップ2209の内部は、ヨークアセンブリ2021の側方端部のオス部の傾斜突起2021Jを受け入れるスロット2209Aである、スナップフィット接続の一方の部分を備える。傾斜突起2021Jは、エンドキャップ2209がヨークアセンブリ2021上に押し込まれる際にエンドキャップ2209を変形させた後、突起2021Jがスロット2209Aに受け入れられるとはね返る。これらの接続特徴部により、2つの部分の位置合せ及び係合が容易になる。組立後、ヨークエンドキャップ2209は、溶接又は他の同様の方法により永久的に取り付けることができる。
図111から見ることができるように、各エンドキャップ2209はまた、エンドキャップ209がヨークアセンブリ2021に取り付けられると、フィラメント支持構造体2208のカラー2208C/Dが、エンドキャップ209の内部に受け入れられるとともに、エンドキャップ2209とヨークアセンブリ2021との間で締め付けられることにより、各フィラメント支持構造体2208をヨークアセンブリ2021の上に取り付ける。これはまた、ヨークアセンブリ2021上で摩擦調整ユニット1800のハウジング1810を保持する役割も果たし、ハウジング1810は、ヨークアセンブリ2021の側方端部の内部に部分的に保持されるとともに、エンドキャップ209の内部に部分的に保持される。
上述したように、2本のフィラメント1830があり、各フィラメント1830は、第1フィラメント支持構造体2208から、フィラメント1830が交差するヨークアセンブリ2021を通って、他方のフィラメント支持構造体2208まで延在する。したがって、各フィラメント1830の一端は、一方のフィラメント支持構造体2208に固定して取り付けられ、したがって、ヘッドギア200に接続される。各フィラメント1830の反対側の端部は、他方のフィラメント支持構造体2208に移動可能に取り付けられる。したがって、各フィラメント支持構造体2208及びヨークアセンブリ2021は、各フィラメント1830に対して1つの一対のフィラメントガイド通路を構成する。
図110~図112及び図116~図119から見ることができるように、各フィラメント支持構造体2208は、一対の垂直に積層されたフィラメントガイド通路2208F/Gを備える。これらの通路2208F/Gは、フィラメント支持構造体2208の長さに沿って断面を変化させることができ、各通路は、フィラメント1830の長さの通路2208A/B内に収容される部分のサイズに対応するように、異なるサイズであり得る。この実施形態では、下部ガイド通路2208Gは、フィラメント2830を、摩擦調整ユニット1800を通してヨークアセンブリ2021の下方部分内に誘導する。ヨークアセンブリ2021内部では、フィラメント1830は、ヨークアセンブリ2021を通して上向きに、ヨークアセンブリ2021の反対側の側方端部の上部から出て、他方のフィラメント支持構造体2208の上部ガイド通路2208F内に、方向調整ユニット1800を通過せずに誘導される。フィラメント1830は、その他方のフィラメント支持構造体2208の上部ガイド通路2208F内を自由に移動することができる。
図110及び図111を参照すると、ヨークアセンブリ2021への入口経路及びヨークアセンブリ2021からの出口経路を見ることができる。ヨークアセンブリの各側方端部の突出しているオス部2021Kは、中空であり、天井部及び基部を備える。天井部と基部との中間に、上部ガイド面2021Lがあり、そこを、フィラメント1830が、ヨークアセンブリ2021から出てフィラメント支持構造体2208の上部通路2208Fに入る前に通過する。天井部と基部との中間に、オス部2021K内の途中まで突出する下部ガイド面2021Mもある。この下部ガイド面2021Mは、フィラメント支持構造体2208の下部ガイド通路2208Gと同じ高さにあり、したがって、フィラメント支持構造体2208から、入ってくるフィラメント1830を受け入れる。この下部ガイド面は、方向調整ユニット1800のハウジング1810が当接する当接部も提供し、ユニット1800は、下部ガイド面2021Mとフィラメント支持構造体2208の端部カラー2208C/Dとの間のこの位置に保持される。
上記は、2本のフィラメント1830がヨークアセンブリ2021の側方端部に同じ高さで入るように構成されていることに留意されるべきである。これは、フィラメント1830が、ヨークアセンブリ2021にわたって力が均衡するように、フィラメント1830が同じ力を受けることを確実にするのに役立つ。したがって、左ハウジング及び右ハウジング1810は、両側において摩擦係合部材1824とフィラメント1830との相互作用が同じであることを確実にするために同様に向けられる。これにより、ヘッドギア200の側部ストラップの長さを伸長及び低減させるときの力特性が等しくなる。
図112、図113、図115及び図116を参照すると、各フィラメント1830の経路は、線P1、P2を参照することにより示されている。図116において、一方のフィラメント1830は、黒丸として示されており、他方のフィラメントは白丸として示されている。ヨーク前部材2021A及びヨーク後部材2021Bの内部特徴部は、フィラメント1830の経路を分離し、両方がヨークアセンブリ2021を通過する2つの構成要素の間の障害を阻止するように構成されている。前ヨーク部材2021Aは、上述したように一対のガイド面2021L/Mを備える。各フィラメント1830は、ヨークアセンブリ2021への入口において、一対のガイド面2021L/Mの間に画定された経路に沿って誘導される。フィラメント1830は、ヨークアセンブリ2021の中心に達すると、上向きに、且つ、ヨークアセンブリ2021への入口点よりも高い位置でヨークアセンブリ2021から出るように、上部ガイド面2021Lとヨークアセンブリ2021の天井部との間に画定された出口経路に沿って、誘導される。前ヨーク部材2021Aは、ヨーク部材の一方の側にのみ隆起したガイド面2021Nも備える。これは、図113及び図115においてページから上に突出する。このガイド面2021Nは、入口108の軸に概して位置合せされた(図113及び図115においてページに出入りする)方向において、一方のフィラメント1830を他方のフィラメント1830から間隔を空けて配置して、一方のフィラメント1830が他方のフィラメントの下を、互いに干渉することなく通過するのを可能にする。
図114を参照すると、後ヨーク部材2021Bは、3つの長尺状段差構成体2021O/P/Qを備える。長尺状段差構成体2021Oは、上部ガイド面2021Lとヨークアセンブリ2021の天井部との間に画定された出口経路内に一方のフィラメントを押し込む。長尺状段差構成体2021Pは、上部ガイド面2021Lとヨークアセンブリ2021の天井部との間に画定された出口経路内に他方のフィラメントを押し込む。中間ガイド段差構成体2021Qは、フィラメント1830のうちの一方を入口経路からヨークアセンブリ2021内部の出口経路まで誘導するのに役立つ。明確にするために、これらの段差構成体は図115にも示す。図115における破線は、フィラメント1830がヨークアセンブリ2021の後部よりも前部に近い場所を示す。
したがって、前ヨーク部材2021A及び後ヨーク部材2021Bの内部特徴部の組合せは、ヨークアセンブリ2021を正面から見た場合、下部入口点からより高い出口点まで各フィラメント1830を誘導するように構成されている。特徴部の組合せは、各フィラメント1830を前ヨーク部材2021A/Bに向かって又は前ヨーク部材2021A/Bから離れるように誘導するようにも構成されている。フィラメント1830の上下とともに一方又は他方のヨーク部材に向かい且つそこから離れる方向の誘導のこの組合せにより、各フィラメント1830は、ヨークアセンブリ2021を通る3D経路を通り、したがって、フィラメント1830は、干渉なしにヨークアセンブリ2021内部で交差することができる。フィラメントの交差は、図115において参照符号Xで見ることができる。
図116を参照すると、たとえば、黒丸に示すフィラメントを参照すると、フィラメント1830が、ヨークアセンブリ2021の中心軸におよそ位置合せされてヨークアセンブリ2021の一方の側に入り、その後、ヨークアセンブリ2021の中心に向かって前ヨーク部材2021Aに向かって徐々に移動し、その後、ヨークアセンブリ中心軸に向かって上向きに且つ戻るようにただし上方に間隔を空けて移動し、その後、ヨークアセンブリ2021の他方の側から出ることを見ることができる。白丸における他方のフィラメント1830は反対の経路を通る。
したがって、ヨークアセンブリ2021は、ヨークアセンブリ2021の一方の側方端部から他方の側方端部までのフィラメントガイド経路を提供する。フィラメント1830は、一方のフィラメント支持構造体2208の内部からヨークアセンブリ2021を通って進み、そのフィラメント1830の自由端は、ヨークアセンブリ2021を出て、他方の対向するフィラメント支持構造体2208内に収容される。フィラメント1830は、ヨークアセンブリ2021、フィラメント支持構造体2208及び方向調整ユニット1800(方向調整ユニット1800は各フィラメント1830に対して設けられる)に組み付けられると、フィラメント1830のハードストップ1830がフィラメント1830のそれ以上のいかなる移動も阻止する前に、方向調整ユニット1800を通してフィラメント1830を引っ張ることができる距離である有効長さを有する。このフィラメントの有効長さは、ヨークアセンブリ2021を通るフィラメントガイド経路よりも長いように構成されている。これは、フィラメント1830の自由端が、反対側のフィラメント支持構造体2208に収容されたままであることを確実にするのに役立つ。1つの例では、ヨークアセンブリ2021を通るガイド経路長は約80mmであり、そのため、フィラメント有効長さは80mmよりも長い。
ここで、図118~図121を参照すると、フィラメント支持構造体2208の一実施形態は、上述したフィラメント支持構造体208と同様であるが、いくつかの異なる特徴を備える。これらの特徴のうちの第1特徴は、上述したフィラメント支持構造体208の中央端部カラー208C/Dが変更されて、変更されたカラー2208C/Dが、主に下向きに向けられ、カラー2280C/Dの残りの部分が、フィラメント支持構造体2208と実質的に同一平面にあるようになっているということである。先行する実施形態208は、フィラメント支持構造体208の主部分と同じ寸法を有するエンドキャップ209の先端開口部よりも高く(上壁及び下壁)且つ幅が広い(内壁及び外壁)カラー208C/Dを有していた。更新されたフィラメント支持構造体2208もまた、より高く且つ幅の広いカラー2208C/Dを有する。その上壁は、長尺状支持体(内部側壁)2208Aの主部分と連続しており、一方で、下壁は下向きに突出している。下向きに突出しているカラー2208C/Dの形状は、フィラメント支持構造体2208をヨークアセンブリ2021に保持するようにヨークエンドキャップ209に設けられた空間に対応する。
前述したフィラメント支持構造体208は、両フィラメント1830を完全に封入する壁のない1つの外側面を有する。1つの壁がないことにより、剛性を低減させることができる。
本発明者らは、外壁2208Bとともに内壁2208Aを含む代替実施形態を提案する。フィラメント支持構造体2208の外壁及び内壁の両方が、主部分においてフィラメント支持構造体2208の長手方向長さに沿って間隔を空けて配置されているアパーチャ2208Eを備える。アパーチャ2208は、フィラメント支持構造体2208の堅さを低減させる目的を有する。この可撓性の増大により、構成要素は、患者の頬の周囲で湾曲し、快適さを向上させることができる。使用者の顔面においてシール2104の位置を支持するのに十分な堅さがある。内壁2208B及び外壁2208Aのアパーチャ2208Eは、互いに正反対ではなく、むしろ、場所は、フィラメント支持構造体2208の長さに沿って交互になっている。両壁2208A/Bにおける、同一のアパーチャ配置とは対照的なこの配置により、構造及び支持を破損するか又はそれらに欠陥を生じる可能性があるいかなる著しい脆弱箇所ももたらすことなく、フィラメント支持構造体2208の長さを通して幾分かの剛性が維持されることになる。アパーチャ2208Eの交互の間隔は、図118に最も明確に示されている。
図122及び図123を参照すると、前述したフィラメント1830の構成要素は、細い領域1830Bと太い領域1830Aとの間で連続している(同じレベルである)上縁部をもたらすように変更することができる。細い領域1830Bは、フィラメント1830の、摩擦係合部材1824及びハウジング1810を通過するセクションである。太い領域1830Aは、フィラメント1830に幾分かの剛性及び安定性を提供する。前述したフィラメント1830は、図23aにおいて最もよく見ることができるように、フィラメント1830の上側及び下側の両方にテーパを含む。変更された実施形態では、下縁部のみが上向きにテーパ状になり、細い領域1830Bの下縁部を形成し、すなわち、この一方の側のみのテーパにより工具細工精度が向上し、それは、摩擦係合部材1824との所望の相互作用を達成する比較的高い精度を必要とする細い領域1830Bに対して特に重要であり得る。
機械的ハードストップ1830Eの側方(先端)側は、フィラメント1830の細い領域1830Bが最大範囲までヨークアセンブリ2021から後退するとき、フィラメント支持構造体2208の側方端部のハードストップ壁の中央側と接触する。これにより、ヘッドギア200の側部ストラップの最大長さが決まる。
以下は、フィラメントの寸法例である。
・細い領域は107mmの長さを有し、太い領域は103mmの長さを有する。
・細い領域は0.86mmの厚さを有し、太い領域は1.22mmの厚さを有する。
・細い領域は1.00mmの幅を有し、太い領域は3.50mmの幅を有する。
・フィラメント構成要素の中央端部と位置決め特徴部との間の長さは、214mmである。これにより、細い領域と太い領域との間の幅がテーパ状になる領域に対して4mmの長さが与えられる。
・ハードストップは、1.74mmの長さ(長手方向)及び0.66mmの高さを有する。
疑義を回避するために、マスクアセンブリ100及び2100のうちの任意のものの特徴を必要に応じて組み合わせることができることが意図されている。マスクアセンブリ100の特徴は、マスクアセンブリ100にのみ限られているようには意図されていない。特に、マスクアセンブリ100は、マスクフレーム2106、ヨークアセンブリ2021、フィラメント支持構造体2208及びエンドキャップ2209のうちの任意の1つ又は複数の特徴のうちの任意のものを含むことができる。同様に、マスクアセンブリ2100は、マスクフレーム106、ヨークアセンブリ21、フィラメント支持構造体208及びエンドキャップ209のうちの任意の1つ又は複数の特徴のうちの任意ものを含むことができる。同様に、いずれのマスクアセンブリ100、2100も、本明細書に記載したフィラメント1830のうちの任意のものと使用することができる。さらに、いずれのマスクアセンブリ100、2100も、本明細書に記載したマスク104、2104のうちの任意のものを使用することができる。
ヨークアセンブリ21、2021は、マスクフレームに取り付けられた別個のアセンブリを構成することができ、又は、フレーム106、2106と一体的であり得ることが理解されよう。たとえば、図113~図115を参照すると、フィラメントガイド経路P1、P2とガイド構成体のうちの任意のもの又はいくつかは、部分的に又は完全にフレーム106、2106によって提供することができる。ヨークアセンブリ21、2021は、部分的にフレーム106、2106によって形成することができることが考えられる。たとえば、後ヨーク部材21B、2021Bは、フレーム106、2106によって形成することができ、前ヨーク部材21B、2021Bは、フレーム106、2106に直接取り付けられる。
記載した実施形態では、方向調整ユニット1800は、完全にヨークアセンブリ、又は組合せでヨークアセンブリ及びエンドキャップのいずれかに取り付けられ、且つそれによって保持される、別個のアセンブリである。しかしながら、他の構成が可能である。したがって、たとえば、方向調整ユニット1800のハウジング1810が、ヨークアセンブリ21、2021及び/又はマスクフレーム106、2106と一体的であるか、又は一体的である構成要素を備えることができることが理解されよう。
本明細書を通して別段明確な要求がない限り、「備える、含む(comprise)」、「備えている、含んでいる(comprising)」等の言い回しは、排他的又は網羅的な意味とは対照的に包括的な意味で、すなわち、「含むが限定されない」という意味で解釈されるべきである。
本発明について、例として、且つそのあり得る実施形態に関して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、そうした実施形態に対して変更形態又は改善形態を作成することができることが理解されるべきである。本発明はまた、個別に又は集合的に、本出願の明細書において言及又は指示した部分、要素及び特徴に、前記部分、要素又は特徴のうちの2つ以上のあらゆる組合せで存在すると広義に言うことも可能である。さらに、既知の均等物を有する本発明の所定の構成要素又は完全体について言及している場合、こうした均等物は、個々に示されているかのように本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載した現時点で好ましい実施形態に対するさまざまな変形形態及び変更形態が、当業者に明らかになるであろうことは留意すべきである。こうした変形形態及び変更形態は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、且つその付随する利点を低減させることなく作成することができる。たとえば、さまざまな構成要素は、必要に応じて位置を変えることができる。したがって、こうした変形形態及び変更形態は本発明の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、本発明を実施するために、特徴、態様及び利点のすべてが必ずしも必要であるとは限らない。したがって、本発明の範囲は、続く特許請求の範囲によってのみ定義されるように意図されている。
本明細書を通して従来技術のいかなる考察も、そうした従来技術が本技術分野において広く知られているか、又は共通の一般知識の一部を形成している容認として決してみなされるべきではない。