JP2024023042A - 加工飼料の製造方法 - Google Patents

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Hironobu Ishihara
泰一 大山
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Abstract

Figure 2024023042000001
【課題】水分含有量の多い食品残渣、粘性の高い食品残渣などを原料として用いる場合でも、効率的に加工飼料を製造することができる、加工飼料の製造方法を提供すること。
【解決手段】加工食品を製造する際に生じる食品残渣から加工飼料を製造する方法であって、前記食品残渣を粉砕して粉砕物を得る、粉砕工程と、前記粉砕物を加熱された回転ドラムの表面に所定時間付着させることにより、該粉砕物を乾燥させて塊状の乾燥物を得る、乾燥工程と、前記乾燥物を細断する、細断工程と、を含む、製造方法。
【選択図】図2

Description

本開示は、加工飼料の製造方法に関する。
冷凍食品等に使用されるカボチャの加工工場などでは、種、ワタ等の実以外の部分を含む残渣が発生する。このような残渣は、廃棄物処理業者に委託して焼却したり、堆肥化のために分解処理したりする必要があり、現状では、残渣の処理に手間、人手およびコストを要する。
その一方で、これらの種、ワタ等は、生体内でビタミンAとして作用するβ-カロテン等を豊富に含んでおり、牛に与えると免疫力を向上させる効果があることが知られている。
これまで廃棄処理されていたカボチャの残渣を有効活用する方法のひとつとして、食品残渣から畜産用の加工飼料を製造する技術が挙げられる(例えば、特許文献1:特開2012-83345号公報)。家畜用の飼料は、輸入原料製品が多く、年々価格が高騰しているため、上記技術は将来的に市場価値が上がる可能性が高い。
このように加工食品等の製造に伴って生じる野菜、果実等の原料の残渣から飼料を製造する技術は、食品ロスの低減に貢献し、畜産業界の課題となっている飼料自給率の向上などにも寄与している。
特開2012-83345号公報
野菜、果実等の食品残渣は一般的に多くの水分を含むため、食品残渣から加工飼料を製造する場合、乾燥工程を実施する必要がある。
特許文献1に記載される真空乾燥(温度85℃)によって、食品残渣を十分に(例えば、水分率10質量%程度になるまで)乾燥させるためには、比較的長い乾燥時間が必要である。具体的には、例えば、360kgのカボチャ残渣(含水率60~70質量%)の場合、製品飼料(収量:101kg、含水率:10.8質量%、粒度:1~5mm)を得るために、真空乾燥機の16時間の稼働が必要である。さらに、真空乾燥機を用いる方法のように、バッチ式の方法では、乾燥物の取り出し等にも手間と時間を要する。
一方、湿潤粉体等の乾燥のために一般的に用いられる種々の熱風乾燥機を用いることも考えられる。しかしながら、水分含有量の多い食品残渣または粘性の高い食品残渣(例えば、カボチャ残渣など)に対しては、熱風に曝される食品残渣の表面積が小さく、熱風乾燥機を用いた乾燥は効率的でない。また、食品残渣の焦げ付きなどの不具合が発生する可能性もある。
本開示は、水分含有量の多い食品残渣、粘性の高い食品残渣などを原料として用いる場合でも、効率的に加工飼料を製造することができる、加工飼料の製造方法を提供することを目的とする。
(1) 加工食品を製造する際に生じる食品残渣から加工飼料を製造する方法であって、
前記食品残渣を粉砕して粉砕物を得る、粉砕工程と、
前記粉砕物を加熱された回転ドラムの表面に所定時間付着させることにより、該粉砕物を乾燥させて塊状の乾燥物を得る、乾燥工程と、
前記乾燥物を細断する、細断工程と、
を含む、製造方法。
(2) 前記回転ドラムは、中空部を有し、該中空部内に供給される蒸気によって前記回転ドラムが加熱される、(1)に記載の製造方法。
(3) 前記乾燥工程は、前記回転ドラムを含む乾燥機を用いて実施され、
前記乾燥機は、前記回転ドラムと所定の間隔を隔てて平行に配置された回転ドラムを備え、
前記各々の回転ドラムは、それらの間隙側において上側(鉛直上方)から下側(鉛直下方)に移動するように回転し、
前記食品残渣が、前記各々の回転ドラムの回転によって、前記各々の回転ドラムの間隙を上側から下側に通過することにより、前記食品残渣が前記各々の回転ドラムの表面に付着する、
(1)または(2)に記載の製造方法。
(4) 前記乾燥工程において、前記回転ドラムの表面の温度が100~200℃である、(1)~(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5) 前記乾燥工程において、乾燥時間が2分以内である、(1)~(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6) 前記食品残渣の特性に応じて、前記各々の回転ドラムの間隔、および、前記各々の回転ドラムの回転速度の少なくともいずれかを調整する、(3)に記載の製造方法。
(7) 前記食品残渣は、野菜または果実から加工食品を製造する際に生じる食品残渣である、(1)~(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8) 前記食品残渣は、回転ポンプを用いて移送される、(1)~(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9) 前記粉砕物は、回転ポンプを用いて移送される、(1)~(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10) 前記乾燥工程において、前記回転ドラムを含む乾燥機を複数使用し、
前記粉砕物を前記複数の乾燥機に供給するための配管がY字型の分岐を有することにより、前記粉砕物が前記複数の乾燥機の各々に供給される、(1)~(9)のいずれかに記載の製造方法。
本開示によれば、水分含有量の多い食品残渣、粘性の高い食品残渣などを原料として用いる場合でも、効率的に加工飼料を製造することができる。
実施形態の加工飼料の製造方法に用いられる乾燥機の一例(ダブルドラムドライヤー)を示す概略図である。 実施形態の加工飼料の製造方法の一例の工程を示すフロー図である。 実施形態の加工飼料の製造方法における細断工程の一例を説明するための概略図である。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の加工飼料の製造方法は、加工食品を製造する際に生じる食品残渣から加工飼料を製造する方法である。すなわち、本実施形態の製造方法においては、原料として、野菜、果実等から加工食品を製造する際に生じる残渣が使用される。したがって、これまで廃棄処理されていた食品残渣(例えば、カボチャの実の加工食品等を製造する際に残渣として生じる種ワタ等の不要物)を、畜産用飼料として有効利用することができる。また、食品残渣の廃棄処理のための手間、人手、コスト等を削減することができる。
加工飼料の原料である食品残渣には、家畜等に有用な成分が含まれる場合がある。例えば、カボチャ残渣には、ヘタ、種、ワタ、皮などの部分(カボチャ全体の20~30質量%)が含まれる(一部の実も含まれ得る)。このような、カボチャ残渣はβ-カロテン等を豊富に含んでおり、このカボチャ残渣を加工することにより、β-カロテン等が豊富に含まれる栄養価の高い加工飼料を製造することができる。
本実施形態において、食品残渣としては、特に限定されず、加工により飼料となり得る食品残渣を用いることができる。具体的な食品残渣としては、例えば、野菜または果実から加工食品を製造する際に生じる食品残渣が挙げられる。
特に、水分含有量(含水率)が多い食品残渣、粘性(粘度)が高い食品残渣などから加工飼料を製造する場合において、本実施形態の製造方法は有用である。
このような食品残渣としては、例えば、カボチャ、アスパラガス、メロン、パイナップル等から加工食品(冷凍食品等)を製造する際に生じる食品残渣(非食用部分)が挙げられる。
他の食品残渣としては、例えば、人参、リンゴ等の野菜または果実から加工食品の一種であるジュースを製造する際に生じる食品残渣(搾り粕)が挙げられる。
高い含水率、および/または、高い粘度を有するこれらの食品残渣は、熱風乾燥では効率的に乾燥することが難しいが、加熱された回転ドラムに付着して効率的に加熱され得るため、本実施形態の製造方法に適している。
なお、食品残渣として、カボチャの加工食品を製造する際に生じる食品残渣(カボチャ残渣)を用いる場合、カボチャ残渣は、カボチャの種、ワタ等を含む。カボチャの品種としては、特に限定されないが、例えば、えびす、ケント、蔵の匠、味平、栗ゆたか等が挙げられる。1種のカボチャを単独で用いてもよく、2種以上のカボチャを組み合わせて用いてもよい。
以下、本実施形態の製造方法の各工程について、説明する。
本実施形態の製造方法、少なくとも粉砕工程と、乾燥工程と、細断工程と、をこの順で含む(図2参照)。
(粉砕工程)
粉砕工程では、上記の食品残渣を粉砕して粉砕物を得る。
食品残渣の粉砕方法としては、種々公知の方法を用いることができる。
例えば、遠心力等の機械的な力を食品残渣に加えて、固定された複数のナイフアセンブリに対して食品残渣を押し付けることにより、食品残渣を粉砕(切断)する方法を好適に用いることができる(特許文献1参照)。
このような粉砕方法を用いることで、粉砕物のサイズが適度に小さくなり、乾燥される粉砕物の表面積が大きくなる。これにより、後の乾燥工程をより効率的に実施することができる。
このような粉砕工程に用いられる切断装置としては、例えば、コミトロール(登録商標)、特許第6077714号公報に開示される切断装置などが挙げられる。
粉砕工程で用いることのできる他の切断装置としては、例えば、パルパーフィニッシャー、電動ミル、コロイドミル、フードプロセッサー、ロータリーカッターミル、ミクロマイスターなどが挙げられる。
粉砕工程によって得られる粉砕物のサイズ(粒度)は、後述する細断工程後の加工飼料の所望のサイズと同程度であることが好ましい。この場合、次の乾燥工程によって得られる塊状の乾燥物を細断工程によって所望のサイズに細断することが容易になるからである。
なお、加工飼料中において食品残渣中に含まれる食べにくい成分、または、消化されにくい成分(例えば、カボチャ残渣中の種など)は、十分に小さい大きさに粉砕されていることが好ましい。このような粉砕が可能な粉砕方法(切断装置)を用いることが好ましい。
なお、粉砕工程(粉砕機)に食品残渣を移送する(供給する)ために、回転ポンプ(例えば、ベーンポンプ)を用いることが好ましい。移送の際に上方への移動が必要である場合に、スクリューコンベア等で食品残渣を上方へ移送することは困難であるが、流体の移送等に用いられるベーンポンプ等の回転ポンプを用いることで、固液分離した栄養成分を含む水分をロスすることなく上方に移送できる。なお、回転ポンプとは、ポンプ作用をする部分が回転駆動されることで、弁なしでその部分の押しのけ作用により流体を押出す形式のポンプである。ベーンポンプとは、容積式のポンプであり、ロータのスリットに複数個のベーンが取り付けられ、ロータとともにベーンが回転することにより流体等を移送することのできるポンプである。
上方への移送以外の食品残渣の移送には、スクリューコンベア等を用いてもよい。例えば、ホッパーに投入された原料である食品残渣に対して、例えば、上方への移送以外ではスクリューコンベアが用いられ、上方への移送のみベーンポンプが用いられてもよい。なお、粉砕工程に供給される原料(食品残渣)は、金属混入検査等が実施される(図2参照)。
(乾燥工程)
乾燥工程では、粉砕工程で得られた粉砕物を加熱された回転ドラム(回転駆動されるドラム)の表面(外表面)に所定時間付着させることにより、該粉砕物を乾燥させて塊状の乾燥物を得る。
回転ドラムは、少なくともその表面が加熱されていればよい。例えば、回転ドラムが中空部(内部の空洞)を有し、該中空部内に供給される蒸気(飽和蒸気)によって回転ドラムの表面が加熱されてもよい。この場合、回転ドラムの材質は、中空部内の蒸気の熱をドラムの表面に伝達しやすいように、金属等の熱伝導性の高い材料であることが好ましい。
乾燥工程は、回転ドラムを含む乾燥機を用いて実施され得る。乾燥機は、1つの回転ドラムと、該回転ドラムと所定の間隔を隔てて平行に配置された別の回転ドラムと、を備えていてもよい(図1)。このような乾燥機は、ダブルドラムドライヤーと称される場合がある。なお、2つの回転ドラム1は、同じ高さ位置に配置されていることが好ましい。
2つの回転ドラム1の各々は、それらの間隙側において上側(鉛直上方)から下側(鉛直下方)に移動するように回転する(図1の矢印を参照)ことが好ましい。この場合、(2つの回転ドラム1の間隙の上部(原料投入口3)に供給される食品残渣が、2つの回転ドラム1の回転によって、2つの回転ドラム1の間隙を上側(鉛直上方)から下側(鉛直下方)に通過する。これにより、食品残渣40が各々の回転ドラム1の表面に圧着されて、層状物41として各々の回転ドラム1の表面に付着する。
その後、層状物41は、回転ドラム1の表面に付着した状態で、回転ドラム1の熱によって所定時間、乾燥される。その後、層状物41がスクレーパ2によって掻き取られることにより、塊状の乾燥物42が得られる。
乾燥工程において、回転ドラム1の表面の温度は、好ましくは100~200℃であり、より好ましくは130~170℃であり、さらに好ましくは140~160℃である。
乾燥工程で用いられる乾燥機は、回転ドラム1の表面の温度を調節するための制御機構を有していてもよい。なお、中空部を有する回転ドラムの表面が該中空部内に供給される蒸気によって加熱される場合、この蒸気の温度を調節するための制御機構を有していてもよい。蒸気の温度は、通常、回転ドラム1の表面の設定温度よりも高い温度に設定される。
本実施形態の製造方法では、乾燥工程において、このような回転ドラムの表面からの伝熱によって食品残渣が乾燥されるため、比較的短い時間で乾燥を終了できる。したがって、加工飼料の製造を効率的に行うことができる。
さらに、本実施形態の製造方法では、乾燥工程で食品残渣が比較的高温に曝されるものの、熱風乾燥等に比べて短時間で乾燥を完了することができる。このため、食品残渣中に含まれる熱によって分解または変性する可能性のある栄養成分(例えば、カボチャ残渣中に含まれるカロテン(ビタミンA)等)の分解または変性を抑制することができる。
なお、有用成分の分解または変性を抑制するためには、特許文献1に記載される真空乾燥(温度85℃)のように比較的低温での乾燥方法を用いることが考えられる。しかしながら、低温で食品残渣を十分に(例えば、水分率10質量%程度になるまで)乾燥させるためには、比較的長い乾燥時間が必要である。また、(完全真空ではない)乾燥筒内で長時間の攪拌を行う場合は、この間の酸化作用により成分損失が生じる。これに対して、本実施形態の製造方法によれば、効率的に加工飼料を製造できると共に、有用成分の分解または変性も抑制することができる。
乾燥工程における乾燥時間は、特に限定されないが、2分以内であることが好ましい。この場合、より確実に、食品残渣中に含まれる栄養成分の分解または変性を抑制することができる。
食品残渣の特性(水分量、粘度、油分量等)に応じて、各々の回転ドラム1の間隔、および、各々の回転ドラム1の回転速度の少なくともいずれかを調整することが好ましい。
回転ドラム1の回転速度は、食品残渣の水分率、加工飼料の水分率(固形分率)の目標値、回転ドラム1の表面の温度によって、設定することができる。例えば、食品残渣の水分率、および、回転ドラム1の表面の温度に応じて、回転ドラム1に食品残渣が付着している間(各々の回転ドラム1の間隙からスクレーパ2まで回転ドラム1が回転する間)に、加工飼料の固形分率が目標値まで達する乾燥が行われるように、回転ドラム1の回転速度を設定すればよい。すなわち、食品残渣の水分量が多い場合は、十分な乾燥時間を確保するために、各々の回転ドラム1の回転速度を遅く設定すればよい。ただし、実際には、水分量の他に、食品残渣における水分の含まれ方、分布などによって乾きやすさに差がある。例えば、同じ水分率を有する食品残渣であっても、オカラは乾きにくい。このように食品残渣の乾きやすさも考慮して回転ドラム1の回転速度を設定することが、より好ましい。
また、各々の回転ドラム1の間隔が広いほど、各々の回転ドラム1の間隙を通過してドラム表面に付着する食品残渣の層状物の厚みが厚くなるため、食品残渣は乾きにくくなる。そのため、食品残渣の水分量が多く、乾燥が不十分である場合は、該間隔を狭める調整をし、過乾燥の場合は、間隔を広げる調整を行えばよい。
各々の回転ドラム1の回転速度は、特に限定されないが、例えば、0.5~1.7回転/分である。各々の回転ドラム1の間隔は、特に限定されないが、例えば、0.3~0.5mmである。
なお、乾燥工程後の加工飼料の固形分率は、好ましくは85質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。固形分率が85質量%未満であると(含水率が15質量%を上回ると)、カビが生じる等、長期保管上、支障をきたす可能性が高くなるためである。なお、「固形分率」とは、加工飼料の総質量に対する固形物の質量(加工飼料中の水分量を差し引いた固形物の質量)の比率である。
なお、粉砕工程で得られた粉砕物は、回転ポンプ(例えば、ベーンポンプ)を用いて乾燥工程(乾燥機)に移送される(供給される)ことが好ましい。移送の際に上方への移動が必要である場合に、スクリューコンベア等で粉砕物を上方へ移送することは困難であるが、流体の移送等に用いられるベーンポンプ等の回転ポンプを用いることで、固液分離した栄養成分を含む水分をロスすることなく上方に移送できるからである。
上方への移送以外の粉砕物の移送には、スクリューコンベア等を用いてもよい。例えば、上方への移送以外ではスクリューコンベアが用いられ、上方への移送のみベーンポンプが用いられてもよい。
乾燥工程において、複数の乾燥機を使用してもよい。乾燥機の各々は、上述の回転ドラムを備える。この場合、粉砕工程で得られた粉砕物を複数の乾燥機に供給するための配管がY字型の分岐を有することにより、粉砕物が複数の乾燥機の各々に供給されることが好ましい。乾燥工程前の食品残渣の粉砕物は水分含有量が多いため、移送時に配管内での詰まりを生じやすいが、配管がT字型等の分岐を有する場合に比べて、Y字型の分岐部では粉砕物の詰まりが発生しにくいからである。
なお、粉砕工程で得られた粉砕物を複数の乾燥機に供給するための配管がY字型の分岐を有する場合、Y字型の分岐の下流側の配管の径が、上流側の配管の径より細いことが好ましい。この場合、より効果的にY字型の分岐部での粉砕物の詰まりの発生が抑制されるからである。
(細断工程)
細断工程では、上記乾燥工程で乾燥された乾燥物を細断する。
上述の乾燥工程で得られる乾燥物42は、回転ドラム1の表面に付着した層状物41がスクレーパ2等によって掻き取られたものであるため、塊状(板状、膜状等)である。このため、加工飼料として食べやすいサイズまで細断する必要がある。細断工程により、適切なサイズを有する加工飼料が提供される。
細断工程では、例えば、乾燥物を高速で撹拌しながら、パンチングメタルを通過させることにより、乾燥物がほぐされる。なお、「パンチングメタル」とは、パンチングプレスの金型で孔を開ける加工が施された金属等の板である。
例えば、図3に示されるように、投入口7の上部から塊状の乾燥物が投入される。半円筒状のパンチングメタル5の内部に設けられた撹拌羽根6が矢印の方向に回転することにより、投入された乾燥物が撹拌されて、ほぐされる。そのほぐされた乾燥物が、パンチングメタル5の孔を通過して落下することにより、さらに乾燥物がほぐされる。このようにして、乾燥物が細断される。
細断工程後の加工飼料のサイズ(粒径)は、家畜等にとっての食べやすさ等の観点から、好ましくは1~8mmであり、より好ましくは1~5mmである。
(他の工程)
本実施形態の製造方法は、上記の粉砕工程、乾燥工程および細断工程以外の他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、加工飼料の搬送、袋詰め、金属混入検査、重量確認、殺菌処理、冷却処理などが挙げられる。
なお、食品残渣中の水分および油分中に有用成分が多く含まれている場合、本実施形態の製造方法は、食品残渣の粉砕物等に対して水分および油分を搾取する脱水工程は含まないことが好ましい。最終的に得られる加工飼料中に含まれる有用成分の量の減少を抑制するためである。
本実施形態の製造方法によって得られる加工飼料には、畜産用などの動物が摂取できるあらゆる飼料が含まれる。なお、加工飼料は、必要に応じて、ビタミン類、ミネラル類、フラボノイド類、キノン類、ポリフェノール類、アミノ酸、核酸、必須脂肪酸、結合剤、崩壊剤、安定化剤、防腐剤、賦形剤、溶解剤、湿潤剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
これに対して、本実施形態の製造方法においては、乾燥工程を短時間で実施することができる。これにより、食品残渣が熱に曝される時間が短くなるため、食品残渣中に含まれる有用成分(家畜等にとって有用な栄養等を含む成分)の分解または変性を抑制しつつ、効率的に加工飼料を製造することができる。したがって、有用成分を多く含む栄養価の高い加工飼料を提供することができる。
以下、実施例を挙げて本開示をより詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
上記の実施例と基本的に同様にして、実施例1の原料としては、食品加工工場等の生産ラインから排出された360.0kgの食品残渣(えびす、ケント、蔵の匠、味平、栗ゆたか等の複数の品種のカボチャの残渣)を用意した。食品残渣の大きさは不揃いであり20mm~100mm角程度であった。食品残渣の水分率は表に示す通りである。なお、水分率は、赤外線水分計(株式会社エー・アンド・デイ、ML-50)を用いて測定された。
(粉砕工程)
上記の食品残渣を切断装置(URCHEL社製、「コミトロール(登録商標)1700」)に投入し、切断装置を3000回転/分で60分間稼動させることにより、食品残渣を1~5mm角程度のサイズまで粉砕(切断)して、粉砕物を得た。尚、種も粉砕されていた。「コミトロール(登録商標)1700」において、切断ヘッドの水平刃の厚みは1.27mmであり、水平刃の間隔は20.3mmであった。
(乾燥工程)
上記の粉砕工程によって得られた粉砕物をドラム式乾燥機(ダブルドラムドライヤー、HDK-200型、北陽實業株式会社製)を用いて乾燥させた。なお、乾燥機のドラムの表面の温度が150℃になるように、ドラム内部の蒸気の温度が175℃に設定された。また、ドラムの回転速度は1.5回転/分に設定された。このとき、食品残渣がドラムの表面で乾燥される時間は約40秒間であった。また、2つの回転ドラムの間隔は0.4mmに調整された。
(総カロテン量の測定)
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いて、上記の乾燥前後における食品残渣中の総カロテン(αーカロテンおよびβ-カロテン)量を測定した。
<比較例1>
乾燥工程において熱風乾燥を行った。それ以外の点は実施例1と同様にして、食品残渣(カボチャ残渣)を乾燥し、実施例1と同様の測定を行った。なお、熱風乾燥では、間接加熱式気流乾燥機(ID-50型)を用いて、187℃の温度で20分間の乾燥を行った。
実施例1および比較例1の乾燥前後の食品残渣について、測定結果から求めた固形分中に含まれる総カロテン量の比率(含有率)、および、総カロテンの比率から求められたビタミンAのIU換算比率を表1に示す。
Figure 2024023042000002
表1に示される結果から、ドラム式乾燥機を用いて乾燥工程を実施した実施例1では、熱風乾燥機を用いて乾燥工程を実施した比較例1に比べて、乾燥工程による総カロテン(ビタミンA)の減少率が小さいことが分かる。これは、実施例1の方が比較例1よりも短時間で乾燥が完了するため、カロテンの熱による分解または変性が抑制されたためであると考えられる。
以上のとおり、本開示の加工飼料の製造方法によれば、食料加工品残渣の廃棄量を低減することができるため、廃棄される食料加工品残渣の焼却による二酸化炭素の発生を抑制することができ、地球温暖化ガスを削減することができる。また、乾燥工程での消費エネルギーを削減することができる。したがって、本開示は、持続可能な開発目標(SDGs)の一部活動に貢献することができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ドラム、2 スクレーパ、3 原料投入口、40 食品残渣、41 層状物、42乾燥物、5 パンチングメタル、6 撹拌羽根、7 投入口。

Claims (10)

  1. 加工食品を製造する際に生じる食品残渣から加工飼料を製造する方法であって、
    前記食品残渣を粉砕して粉砕物を得る、粉砕工程と、
    前記粉砕物を加熱された回転ドラムの表面に所定時間付着させることにより、該粉砕物を乾燥させて塊状の乾燥物を得る、乾燥工程と、
    前記乾燥物を細断する、細断工程と、
    を含む、製造方法。
  2. 前記回転ドラムは、中空部を有し、該中空部内に供給される蒸気によって前記回転ドラムが加熱される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記乾燥工程は、前記回転ドラムを含む乾燥機を用いて実施され、
    前記乾燥機は、前記回転ドラムと所定の間隔を隔てて平行に配置された回転ドラムを備え、
    前記各々の回転ドラムは、それらの間隙側において上側(鉛直上方)から下側(鉛直下方)に移動するように回転し、
    前記食品残渣が、前記各々の回転ドラムの回転によって、前記各々の回転ドラムの間隙を上側から下側に通過することにより、前記食品残渣が前記各々の回転ドラムの表面に付着する、
    請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記乾燥工程において、前記各々の回転ドラムの表面の温度が100~200℃である、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記乾燥工程において、乾燥時間が2分以内である、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記食品残渣の特性に応じて、前記各々の回転ドラムの間隔、および、前記各々の回転ドラムの回転速度の少なくともいずれかを調整する、請求項3に記載の製造方法。
  7. 前記食品残渣は、野菜または果実から加工食品を製造する際に生じる食品残渣である、請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記食品残渣は、回転ポンプを用いて移送される、請求項1に記載の製造方法。
  9. 前記粉砕物は、回転ポンプを用いて移送される、請求項1に記載の製造方法。
  10. 前記乾燥工程において、前記回転ドラムを含む乾燥機を複数使用し、
    前記粉砕物を前記複数の乾燥機に供給するための配管がY字型の分岐を有することにより、前記粉砕物が前記複数の乾燥機の各々に供給される、請求項1に記載の製造方法。
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