JP2024022946A - 二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法 - Google Patents

二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024022946A
JP2024022946A JP2022126406A JP2022126406A JP2024022946A JP 2024022946 A JP2024022946 A JP 2024022946A JP 2022126406 A JP2022126406 A JP 2022126406A JP 2022126406 A JP2022126406 A JP 2022126406A JP 2024022946 A JP2024022946 A JP 2024022946A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
carbon dioxide
gas
intake port
electrolytic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022126406A
Other languages
English (en)
Inventor
ひとみ 斉藤
Hitomi Saito
浩久 宮本
Hirohisa Miyamoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2022126406A priority Critical patent/JP2024022946A/ja
Priority to EP23157247.0A priority patent/EP4321235A1/en
Priority to US18/172,820 priority patent/US20240042380A1/en
Publication of JP2024022946A publication Critical patent/JP2024022946A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/32Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by electrical effects other than those provided for in group B01D61/00
    • B01D53/326Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by electrical effects other than those provided for in group B01D61/00 in electrochemical cells
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/02Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by adsorption, e.g. preparative gas chromatography
    • B01D53/04Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by adsorption, e.g. preparative gas chromatography with stationary adsorbents
    • B01D53/0407Constructional details of adsorbing systems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2253/00Adsorbents used in seperation treatment of gases and vapours
    • B01D2253/20Organic adsorbents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2253/00Adsorbents used in seperation treatment of gases and vapours
    • B01D2253/20Organic adsorbents
    • B01D2253/204Metal organic frameworks (MOF's)
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2257/00Components to be removed
    • B01D2257/50Carbon oxides
    • B01D2257/504Carbon dioxide
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2258/00Sources of waste gases
    • B01D2258/06Polluted air
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/40Capture or disposal of greenhouse gases of CO2

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

【課題】システム構成の簡略化を実現可能な二酸化炭素回収システムを提供すること。【解決手段】実施形態の二酸化炭素回収システムは、取込みユニット、電解ユニット、電源ユニット及び回収ユニットを備える。取込みユニットは、配置される環境でのガスの流れを利用してガスを取込み、電解ユニットでは、電位に対応した電気応答によって、吸着物質が二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能になる。電源ユニットは、電位を調整することにより、電解ユニットおいて、流入したガスに含まれる二酸化炭素を吸着物質に吸着させ、吸着した二酸化炭素を吸着物質から放出させる。回収ユニットは、吸着した後に吸着物質から放出された二酸化炭素を回収する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法に関する。
ガスから二酸化炭素を分離し、分離した二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収システムが用いられている。このような二酸化炭素回収システムでは、二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能な吸着物質を備える吸着ユニットにガスを流入させ、流入したガスに含まれる二酸化炭素を吸着物質に吸着させることにより、ガスから二酸化炭素を分離する。そして、二酸化炭素を吸着物質に吸着させた残ガスを吸着ユニットから排出した後、吸着物質に吸着した二酸化炭素を吸着物質から放出させ、吸着物質から放出された二酸化炭素を回収する。
前述のような二酸化炭素回収システムでは、ガスを効率的にシステムへ導入するためにファンやコンプレッサ等が必要になり、システム全体に占めるファン及びコンプレッサ等のスペースは大きくなるとともに、配管も複雑になる。このため、ファン等を設けることなく吸着物質を備える吸着ユニットにガスを導入可能にしたり、吸着物質を加熱することなく吸着した二酸化炭素を吸着物質から放出可能にしたりする等して、二酸化炭素回収システムの構成を簡略化することが、求められている。
特開2021-32174号公報 特開2021-1579号公報 米国特許出願公開第2021/0031939号明細書
本発明が解決しようとする課題は、システム構成の簡略化を実現可能な二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法を提供することにある。
実施形態の二酸化炭素回収システムは、取込みユニット、電解ユニット、電源ユニット及び回収ユニットを備える。取込みユニットには、取込み口が形成され、取込みユニットは、配置される環境でのガスの流れを利用して、取込み口からガスを取込む。電解ユニットは、電位に対応した電気応答によって二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能な吸着物質を備え、電解ユニットには、取込みユニットの取込み口から取込まれたガスが流入する。電源ユニットは、電位を調整することにより、電解ユニットおいて、取込み口から流入したガスに含まれる二酸化炭素を吸着物質に吸着させるとともに、吸着物質に吸着した二酸化炭素を吸着物質から放出させる。回収ユニットは、吸着物質に吸着した後に吸着物質から放出された二酸化炭素を回収する。
図1は、第1の実施形態に係る二酸化炭素回収システムを示す概略図である。 図2は、第1の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、電解ユニットの任意の1つの一例を示す概略図である。 図3は、図2の電解セルにおいて、作用極の吸着層の一部を拡大して示す概略図である。 図4は、第1の実施形態において、電解セルの吸着部材に含まれるMOFの一例を示す図である。 図5は、第1の実施形態において、電解セルの吸着部材に含まれるCOFの一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、任意の1つの電解ユニットの電解セルの吸着部材へ二酸化炭素を吸着している状態の一例を示す概略図である。 図7は、第1の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、任意の1つの電解ユニットの電解セルの吸着部材へ二酸化炭素を吸着している状態の図6とは別の一例を示す概略図である。 図8は、第1の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図6の状態又は図7の状態の後に、任意の1つの電解ユニットから余分なガスを排出している状態の一例を示す概略図である。 図9は、第1の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図8の状態の後に、任意の1つの電解ユニットで吸着させた二酸化炭素を電解セルの吸着部材から放出している状態の一例を示す概略図である。 図10は、第1の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図9の状態の後に、吸着部材が放出した二酸化炭素を任意の1つの電解ユニットから排出している状態の一例を示す概略図である。 図11は、第1の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図10の状態の後に、任意の1つの電解ユニットを大気圧に戻している状態を示す概略図である。 図12は、第1の実施形態ある変形例に係る二酸化炭素回収システムを示す概略図である。 図13は、図12の変形例に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図6の状態の後に、任意の1つの電解ユニットから余分なガスを排出している状態の一例を示す概略図である。 図14は、図12の変形例に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図9の状態の後に、吸着部材が放出した二酸化炭素を任意の1つの電解ユニットから排出している状態の一例を示す概略図である。 図15は、図12の変形例に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図14の状態の後に、任意の1つの電解ユニットを大気圧に戻している状態の一例を示す概略図である。 図16は、第2の実施形態に係る二酸化炭素回収システムを示す概略図である。 図17は、第2の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、最も上流側の電解ユニットで電解セルの吸着部材へ二酸化炭素を吸着している状態の一例を示す概略図である。 図18は、第2の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図17の状態の後に、最も上流側の電解ユニットから余分なガスを排出している状態の一例を示す概略図である。 図19は、第2の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図18の状態の後に、最も上流側の電解ユニットで吸着させた二酸化炭素を電解セルの吸着部材から放出している状態の一例を示す概略図である。 図20は、第2の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図19の状態の後に、最も上流側の電解ユニットから2番目に上流側の電解ユニットに二酸化炭素を流入させ、2番目に上流側の電解ユニットで流入した二酸化炭素を電解セルの吸着部材へ吸着している状態の一例を示す概略図である。 図21は、第2の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、図20の状態の後に、2番目に上流側の電解ユニットから余分なガスを排出している状態の一例を示す概略図である。 図22は、第3の実施形態に係る二酸化炭素回収システムに設けられる任意の1つの電解ユニットを示す概略図である。 図23は、第3の実施形態において、電解セルの電解液に含まれる酸化還元活性を有する化合物の一例を示す図である。 図24は、第3の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、任意の1つの電解ユニットで、電解セルの電解液に含まれる吸着物質に二酸化炭素を吸着している状態を示す概略図である。 図25は、第3の実施形態に係る二酸化炭素回収システムにおいて、任意の1つの電解ユニットで、電解セルの電解液に含まれる吸着物質から吸着した二酸化炭素を放出している状態を示す概略図である。 図26は、第4の実施形態に係る二酸化炭素回収システムを示す概略図である。 図27は、第4の実施形態に係る二酸化炭素回収システムに設けられる任意の1つの電解ユニットを示す概略図である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態では、二酸化炭素回収システムが提供される。以下に示す二酸化回収システムでは、ガスの流れ(環境風)が既に存在する環境に、ガスを取り込む取込みユニットが配置される。ここで、ガスの流れが既に存在する環境としては、これに限るものではないが、山岳部の上部、海岸を含めた洋上、渓谷、ダム、高層ビル等の高所、ビル間の間隙、地下鉄の駅構内、地上に繋がる排気口、地下へのガス導入口、エレベーターの内筒、トンネル、大規模の屋内施設の排気口及びガス導入口、風力発電所の周辺環境、工場及びプラント等の排気口等が、挙げられる。環境風としては、例えば、気圧差により自然に発生する風、温度差により発生する風、チューブ状又は狭窄した箇所を物体又はガスが通り抜ける際に発生する風、及び、屋内と屋外との圧力差により生じる風、等が挙げられる。二酸化炭素回収システムでは、取込みユニットが配置される環境でのガスの流れを利用して、吸着ユニットとなる電解ユニットにガスを流入させる。そして、電解ユニットを用いて後述する処理を行うことにより、流入したガスから二酸化炭素を分離し、分離した二酸化炭素を回収する。
(第1の実施形態)
まず、実施形態の一例として第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る二酸化炭素回収システム1を示す。図1等に示すように、二酸化炭素回収システム1は、取込みユニット2を備える。取込みユニット2では、奥行方向(矢印Xで示す方向)が、規定される。取込みユニット2は、ガスの流れが発生する環境(ガスの流れが既に存在する環境)、すなわち、環境風が発生する環境に、配置される。取込みユニット2は、外装部材3を備え、取込みユニット2では、外装部材3の内部に流路5が形成される。流路5は、取込みユニット2の奥行方向に沿って形成される。また、取込みユニット2には、取込み口6が形成され、流路5は、取込みユニット2の外部に対して、すなわち、取込みユニット2が配置される環境に対して、取込み口6で開口する。取込みユニット2は、配置される環境でのガスの流れ(環境風)を利用して、取込み口6からガス(外気)を取込む。
取込み口6から取込まれたガスは、流路5に流入する。流路5を含む取込まれたガスが流れる流路では、取込み口6に近づく側が上流側となり、取込み口6から離れる側が下流側となる。流路5では、取込み口6から取込まれたガスが、上流側から下流側に向かって流れる。また、図1等の一例では、取込みユニット2の流路5には、上流側から下流側に向かって流路5の断面積が減少する断面積減少部7が、形成される。断面積減少部7では、取込み口6から離れるにつれて、取込み口6での開口面積から、流路5の断面積が減少する。
本実施形態では、二酸化炭素回収システム1は、電解ユニットを備え、図1等の一例では、n個(nは2以上の整数)の電解ユニットE1~Enを備える。電解ユニットE1~Enは、取込んだガスが流れる流路において、取込みユニット2に対して下流側に配置される。また、電解ユニットE1~Enは、取込んだガスが流れる流路において、互いに対して並列に配置される。本実施形態では、電解ユニットE1~Enのそれぞれに、電解セル10が1つずつ設けられる。電解ユニットE1~Enのそれぞれには、取込みユニット2の取込み口6から取込まれたガスが、流入可能である。
二酸化炭素回収システム1は、制御部(コントローラ)8を備える。制御部8は、二酸化炭素回収システム1の全体を制御する。制御部8は、プロセッサ又は集積回路、及び、メモリ等の記憶媒体を備える。プロセッサ又は集積回路は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及び、DSP(Digital Signal processor)等のいずれかを含む。制御部8は、プロセッサ等を1つのみ備えてもよく、プロセッサ等を複数備えてもよい。制御部8では、プロセッサ等によって後述の処理が行われる。なお、プロセッサ等の代わりにクラウド環境の仮想プロセッサ等によって、後述する制御部8の処理が行われてもよい。
取込み口6から取込まれたガスが流れる流路では、取込み口6と電解ユニットE1~Enのそれぞれとの間に、風量計11が配置される。風量計11は、取込み口6で取込まれたガスの流量(風量)を計測する。また、取込まれたガスが流れる流路では、風量計11と電解ユニットE1~Enのそれぞれとの間に、流量調整部として流量調整バルブ(風量調整バルブ)12が配置される。流量調整バルブ12は、取込み口6に対して下流側で、かつ、電解ユニットE1~Enに対して上流側に配置され、取込み口6と電解ユニットE1~Enのそれぞれとの間に配置される。流量調整バルブ12は、流量調整バルブ12を通って下流側へ向かうガスの流量を調整する。電解ユニットE1~Enのそれぞれに対して、流量調整バルブ12が1つずつ配置されてもよく、電解ユニットE1~Enの中の複数に対して1つの流量調整バルブ12が設けられてもよい。このため、1つの流量調整バルブ12で、電解ユニットE1~Enの中の複数のガスの流量を調整してもよい。
制御部8は、取込み口6で取込まれたガスの流量についての風量計11による計測結果を、取得する。制御部8は、風量計11での計測結果に基づいて、流量調整バルブ12の作動を制御し、基準流量を超えない状態に、流量調整バルブ12を通って下流側へ向かうガスの流量を制御する。ここで、取込み口6で取込んだガスの流量が基準流量を超えている場合は、制御部8は、流量調整バルブ12の作動を制御することにより、取込んだガスの中で基準流量のみを、流量調整バルブ12を通して下流側へ流入させる。この際、取込んだガスの中で流量調整バルブ12から下流側へ流入しなかった残りの一部は、流量調整バルブ12から大気へ排出される。基準流量を超えない状態に、流量調整バルブ12を通って下流側へ向かうガスの流量が調整されるため、電解ユニットE1~Enのそれぞれにおいて、適正範囲を超えて大きくならない状態に、ガスの流入量が調整される。これにより、電解ユニットE1~Enの破損等が有効に防止される。
二酸化炭素回収システム1は、風向計13、及び、駆動部材であるモータ15を備える。風向計13は、取込みユニット2が配置される環境において、ガスが流れる方向(環境風が流れる方向)を計測する。また、モータ15を駆動することにより、取込みユニット2が回動等の動作を行い、取込みユニット2の姿勢が変化する。取込みユニット2の姿勢が変化することにより、取込み口6の開口方向が変化する。なお、取込みユニット2の姿勢が風向きに対応して変化する構成であれば、モータ15等の駆動部材は、必ずしも設ける必要はない。
制御部8は、取込みユニット2が配置される環境でのガスが流れる方向についての風向計13による計測結果を、取得する。制御部8は、風向計13での計測結果に基づいて、モータ15の駆動を制御し、取込みユニット2の姿勢を制御する。これにより、風向計13での計測結果に基づいて、制御部8によって、取込み口6の開口方向が調整される。ある一例では、取込みユニット2が配置される環境において、取込み口6の開口面に対して直交又は略直交する方向から取込み口6に向かってガスが流れる状態に、取込みユニット2の姿勢が調整され、取込み口6の開口方向が調整される。
また、取込み口6の開口方向は、水平面に対して俯角を成すことが好ましい。この場合、取込み口6の開口方向は、水平面に対して鉛直下側へ傾斜する。なお、図1の状態では、取込み口6の開口方向は、水平面に対して俯角を成し、矢印A1で示す方向が、取込み口6の開口方向となる。図1の一例では、取込みユニット2の外装部材3に、フィルタ16が取付けられる。フィルタ16は、取込み口6を外側から覆う状態で、外装部材3に取付けられる。なお、水平面は、鉛直方向(重力方向)に直交する仮想上の面である。
また、図1の一例では、二酸化炭素回収システム1は、水位計17、開閉部材であるシャッター18、及び、駆動部材であるモータ19を備える。水位計17は、取込みユニット2が配置される環境において、水位を計測する。シャッター18は、取込み口6を開口させる状態と取込み口6を閉塞する状態との間で、作動状態が切替わる。二酸化炭素回収システム1では、モータ19を駆動することにより、シャッター18の作動状態が切替わり、シャッター18による取込み口6の開閉状態が切替わる。シャッター18によって取込み口6が閉塞されることにより、取込みユニット2の外部から取込み口6を通して流路5に水等が流入することが、防止される。なお、二酸化炭素回収システム1では、図1の一例のように、モータ15,19等の駆動部材が複数設けられてもよい。また、例えば、1つのモータ(駆動部材)で取込みユニット2及びシャッター18の両方を動作させる等、1つの駆動部材で複数の動作部分を動作させてもよい。
制御部8は、取込みユニット2が配置される環境での水位についての水位計17による計測結果を、取得する。制御部8は、水位計17での計測結果に基づいて、モータ19の駆動を制御し、シャッター18の作動を制御する。これにより、水位計17での計測結果に基づいて、制御部8によって、シャッター18による取込み口6の開閉状態が調整される。取込みユニット2が配置される環境での水位が基準レベルを超えていない場合は、制御部8は、取込み口6を開口させる。そして、制御部8は、取込みユニット2が配置される環境での水位が基準レベルを超えたことに基づいて、シャッター18によって取込み口6を閉塞させる。水位の基準レベルは、予め設定していてもよいし、クラウドやネットワーク上から適宜情報を取得してもよい。
また、本実施形態では、取込み口6と電解ユニットE1~Enのそれぞれとの間において、取込まれたガスは、加熱及び冷却されない。すなわち、流路において取込み口6と電解ユニットE1~Enのそれぞれとの間には、取込まれたガスを加熱する機構、及び、取込まれたガスを冷却する機構は設けられない。このため、取込みユニット2は、取込み口6から取込んだガスを、加熱及び冷却することなく、電解ユニットE1~Enのいずれかに流入させる。ある一例では、取込みユニット2は、-10℃以上かつ50℃以下の範囲のいずれかの温度で、取込み口6から取込んだガスを、電解ユニットE1~Enのいずれかに流入させる。
二酸化炭素回収システム1は、温度計21,22を備える。温度計(第1の温度計)21は、取込み口6と流量調整バルブ12との間において、取込み口6から取込まれたガスの温度を計測する。また、温度計(第2の温度計)22は、流量調整バルブ12と電解ユニットE1~Enのそれぞれとの間において、流量調整バルブ12から下流側へ向かうガスの温度を計測する。制御部8は、ガスの温度についての温度計21,22のそれぞれによる計測結果を、取得する。
ある一例では、制御部8は、温度計21,22のそれぞれでの計測結果に基づいて、流量調整バルブ12の作動を制御する。ここで、本実施形態では、前述のように、取込み口6と電解ユニットE1~Enのそれぞれとの間において、取込まれたガスは、加熱及び冷却されない。このため、二酸化炭素回収システム1が正常に動作している場合は、温度計21が計測した温度は、温度計22が計測した温度と、差がない、又は、ほとんど差がない。このため、温度計21,22が計測した温度の差分の絶対値が基準値を超えている場合等は、制御部8は、流量調整バルブ12の作動を制御することにより、取込んだガスが流量調整バルブ12から下流側へ流れることを防止する。この際、例えば、取込んだガスの全てが、流量調整バルブ12から大気へ排出される。また、ある一例では、温度計21,22で計測される温度について、規定範囲が設定される。そして、温度計21,22で計測された温度のいずれかが規定範囲から外れている場合は、制御部8は、モータ19の駆動によってシャッター18を作動させ、シャッター18によって取込み口6を閉塞する。これにより、規定範囲の温度から外れたガスが取込み口6から電解ユニットE1~Enに流入することが防止され、電解ユニットE1~Enの凍結及び劣化等が有効に防止される。なお、温度についての規定範囲は、例えば、-10℃以上かつ50℃以下の前述の範囲である。
また、二酸化炭素回収システム1では、圧力計23、流入切替えバルブ25及び排出切替えバルブ26のそれぞれが、電解ユニットE1~Enと同一の数設けられ、図1の一例では、圧力計23、流入切替えバルブ25及び排出切替えバルブ26のそれぞれが、n個ずつ設けられる。圧力計23、流入切替えバルブ25及び排出切替えバルブ26のそれぞれは、電解ユニットE1~Enのそれぞれに対して1つずつ、設けられる。圧力計23のそれぞれは、電解ユニットE1~Enの対応する1つの圧力を計測する。制御部8は、電解ユニットE1~Enのそれぞれでの圧力についての圧力計23の対応する1つによる計測結果を、取得する。
流入切替えバルブ25のそれぞれは、開状態及び閉状態に切替わり可能である。流入切替えバルブ25のそれぞれは、開状態になることにより、流量調整バルブ12から、すなわち、上流側から、電解ユニットE1~Enの対応する1つへガスが流入させる。一方、流入切替えバルブ25のそれぞれは、閉状態になることにより、電解ユニットE1~Enの対応する1つへの上流側からのガスの流入を、遮断する。制御部8は、流入切替えバルブ25のそれぞれの作動を制御することにより、開状態及び閉状態のそれぞれに流入切替えバルブ25のそれぞれを切替える。
排出切替えバルブ26のそれぞれは、開状態、閉状態及びリリース状態に切替わり可能である。排出切替えバルブ26のそれぞれは、開状態になることにより、電解ユニットE1~Enの対応する1つから下流側へ、ガスを排出させる。一方、排出切替えバルブ26のそれぞれは、閉状態になることにより、電解ユニットE1~Enの対応する1つからのガスの排出を、遮断する。また、排出切替えバルブ26のそれぞれは、リリース状態になることにより、電解ユニットE1~Enの対応する1つから大気へ、ガスを排出させる。ただし、排出切替えバルブ26のそれぞれのリリース状態では、電解ユニットE1~Enの対応する1つから下流側へは、ガスは排出されない。制御部8は、排出切替えバルブ26のそれぞれの作動を制御することにより、開状態、閉状態及びリリース状態のそれぞれに排出切替えバルブ26のそれぞれを切替える。
二酸化炭素回収システム1は、二酸化炭素を回収する回収ユニット30を備える。ガスが流れる流路では、回収ユニット30は、電解ユニットE1~Enに対して下流側に配置される。電解ユニットE1~Enのそれぞれは、排出切替えバルブ26の対応する1つが開状態になることにより、回収ユニット30へガスを排出可能となる。回収ユニット30は、コンプレッサ31、切替えバルブ32及び回収タンク33を備える。ガスが流れる流路では、コンプレッサ31は、回収タンク33に対して上流側に配置され、切替えバルブ32は、コンプレッサ31と回収タンク33との間に配置される。
コンプレッサ31が運転されることにより、二酸化炭素等のガスが圧縮され、圧縮されたガスが圧送される。制御部8は、コンプレッサ31の運転状態を制御し、コンプレッサ31の運転及び運転停止を切替える。切替えバルブ32は、開状態、閉状態及びリリース状態に切替わり可能である。切替えバルブ32は、開状態になることにより、コンプレッサ31からガスを回収タンク33に流入させる。一方、切替えバルブ32は、閉状態になることにより、コンプレッサ31から回収タンク33へのガスの流入を、遮断する。また、切替えバルブ32は、リリース状態になることにより、コンプレッサ31から大気へ、ガスを排出させる。ただし、切替えバルブ32のリリース状態では、コンプレッサ31から回収タンク33へは、ガスは排出されない。制御部8は、切替えバルブ32の作動を制御することにより、開状態、閉状態及びリリース状態のそれぞれに切替えバルブ32を切替える。
回収タンク33には、切替えバルブ32の開状態において、コンプレッサ31から圧縮された二酸化炭素が排出され、二酸化炭素が溜められる。これにより、二酸化炭素が回収される。なお、図1の一例等では、回収ユニット30において、回収した二酸化炭素は、回収タンク33に溜められるが、これに限るものではない。ある一例では、回収ユニット30において回収した二酸化炭素は、二酸化炭素を使用する装置又はシステム等に供給される。
また、二酸化炭素回収システム1は、ポテンショスタット等の電源ユニット40を備える。電源ユニット40は、電解ユニットE1~Enのそれぞれの電解セル10に、電気的に接続される。電源ユニット40は、電解ユニットE1~Enのそれぞれの電解セル10に、電圧を印加可能である。制御部8は、電源ユニット40の駆動を制御することにより、電解ユニットE1~Enのそれぞれの電解セル10での電圧の印加状態を制御する。なお、図1では、電源ユニット40と電解ユニットE1~Enのそれぞれの電解セル10との間の電気的な接続は、一点鎖線で示す。
図2は、電解ユニットE1~Enの任意の1つである電解ユニットEkの一例を示す。図2では、電解ユニットEkの構成に加えて、電解ユニットEkの電源ユニット40への電気的な接続構造等も示される。なお、kは、1以上かつn以下の自然数の任意の1つである。また、電解ユニットEk以外の電解ユニット(E1~EnのEk以外)についても、電解ユニットEkと同様の構成であり、電解ユニットEkと同様にして電源ユニット40に電気的に接続される。
図2の一例では、電解ユニットEkにおいて、処理室41となる空間に、電解セル10が配置される。電解ユニットEkでは、処理室41に上流側からガスが流入し、処理室41からガスが下流側又は大気へ排出される。また、電解ユニットEkでは、処理室41の圧力が電解ユニットEkの圧力として、圧力計23の対応する1つによって、計測される。図2の一例では、電解ユニットEkの電解セル10は、作用極42及び対極43を備える。電解セル10には、参照極が設けられず、電解セル10は、作用極42及び対極43の2種類の電極から構成される。なお、ある一例では、電源ユニット40は複数設けられ、複数の電源ユニット40の間で、電圧を印加する電解ユニットを異ならせてもよい。
図2の一例では、1つの対極43に対して2つの作用極42を積層することにより、電解セル10が形成される。電解セル10では、2つの作用極42の一方が、積層方向の一方側から対極43に積層され、2つの作用極42の他方が、積層方向の他方側から対極43に積層される。また、電解セル10では、作用極42のそれぞれと対極43との間にシート状のセパレータ45が、配置される。セパレータ45は、電気的絶縁性を有し、作用極42のそれぞれと対極43との間を電気的に絶縁する。作用極42のそれぞれは、集電体46、及び、集電体46の表面に形成される吸着層47を備える。図2の一例では、作用極42のそれぞれの集電体46において、対極43が位置する側とは反対側を向く面に、吸着層47が形成される。
電源ユニット40は、作用極42の集電体46及び対極43のそれぞれに電気的に接続される。そして、電源ユニット40は、電解セル10に電圧を印加することにより、作用極42と対極43との間に電圧(電位差)が発生し、作用極42に電位が付加される。ここで、対極43は、導電性を有する材料から形成され、例えば、炭素材料、導電性高分子及び白金のいずれかから形成される。また、セパレータ45は、電気的絶縁性を有する材料から形成されていれば、有機材料から形成されてもよく、無機材料から形成されてもよい。セパレータ45を形成する材料としては多孔性のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、アラミド、セルロース、セラミックス、カーボン、及び、不導体処理をした金属等が挙げられる。セパレータ45は、前述した材料の一種類のみから形成されてもよく、前述した材料の複数の種類を組み合わせて形成されてもよい。
作用極42の集電体46は、導電性を有する材料から形成され、例えば、炭素質物及び金属のいずれかから形成される。集電体46が炭素質物から形成される場合、集電体46として、グラッシーカーボン、グラファイトシート、カーボンフェルト、カーボンクロス、カーボンメッシュ、カーボンペーパー、及び、ガス拡散層付カーボンシート等のいずれかが用いられる。また、集電体46が金属から形成される場合、集電体46として、銅板、銅シート、銅メッシュ、アルミニウム板、アルミニウムシート、アルミニウムメッシュ、ニッケル板、ニッケルシート及びニッケルメッシュ等のいずれかが用いられる。なお、集電体46を形成する炭素質物及び金属は、前述した構成に限るものではない。集電体46は、カーボンクロス、カーボンメッシュ及び金属メッシュ等の多数の孔が形成された多孔体を備えることが、好ましい。これにより、集電体46の表面積が大きくなり、集電体46の表面に形成される吸着層47と集電体46との接触面積が、大きくなる。集電体46と吸着層47との接触面積が大きくなることにより、集電体46から吸着層47へ、電荷が移動し易くなる。
図3は、図2の電解セル10において、作用極42の吸着層47の一部を拡大して示す。図3等に示すように、吸着層47は、導電部材48及び吸着部材49を含む。吸着層47では、多数の導電部材48及び多数の吸着部材49が混合される。吸着層47の形成においては、導電部材48及び吸着部材49を溶媒に添加した後に、溶媒を混合することにより、ペーストを調製する。この際、溶媒に、導電部材48及び吸着部材49に加えて、結着剤が添加されてもよい。そして、調整されたペーストを集電体46の表面に塗工し、塗工したペーストを乾燥することにより、吸着層47が形成される。
導電部材48のそれぞれは、例えば、導電性を有する炭素質物から形成される。この場合、導電部材48のそれぞれは、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、カーボンナノファイバー、及び、ケッチェンブラック等のいずれかから形成される。また、導電部材48のそれぞれは、集電体46及び吸着部材49との接触確率を向上させる観点から、線形状又は平面形状に形成されることが、好ましい。この場合、導電部材48のそれぞれは、例えば、棒形状、チューブ形状、ファイバー形状、シート形状及びフレーク形状のいずれかに形成される。導電部材48は、1種類の材料から形成されてもよく、複数種類の材料を混合させて形成されてもよい。
吸着部材49のそれぞれは、酸化還元活性を有する化合物を含む。吸着部材49のそれぞれは、多孔体から形成され、吸着部材49のそれぞれでは、径が5nm以下の細孔が多数形成される。本実施形態では、吸着部材49のそれぞれは、金属有機構造体(Metal-Organic Framework:MOF)及び共有結合性有機構造体(Covalent-Organic Framework:COF)の少なくとも一方を含む。そして、吸着部材49のそれぞれでは、MOF及び/又はCOFに、1つ以上の架橋部分が形成され、MOD及び/又はCOFは、架橋部分として、酸化還元活性を有する前述の化合物の分子を含む。酸化還元活性を有する化合物には、カルボニル化合物、ピリジル化合物及びイミド化合物よりなる群から選択される少なくとも一種が含まれる。そして、酸化還元活性を有するカルボニル化合物には、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びフェナントレンキノン等が含まれ、酸化還元活性を有するピリジル化合物には、フェナントロリン、ピリジン、フェナジン、ピリミジン及びメチルビオロゲン等が含まれる。また、酸化還元活性を有するイミド化合物には、ベンゾジピロール、フタルイミド、フタルジイミド、ナフタレンイミド及びナフタレンジイミド等が含まれる。なお、メチルビオロゲン(別名:1,1’-ジメチル-4,4’-ビピリジニウムジクロリド)の誘導体として、例えば、1,1’-ジベンジル-4,4’-ビピリジニウムジクロリド(別名:ベンジルビオロゲン)、1,1’-ジフェニル-4,4’-ビピリジニウムジクロリド、1,1’-ビス(2,4-ジニトロフェニル)-4,4’-ビピリジニウムジクロリド、1,1’-ジ-n-オクチル-4,4’-ビピリジニウムジブロミド、及び1,1’-ジヘプチル-4,4’-ビピリジニウムジブロミド等のビオロゲン類が、挙げられる。
吸着部材49のそれぞれにMOFが含まれる場合、MOFは、金属錯体として、複数のクラスターを含み、MOFでは、複数のクラスターの間が架橋部分である架橋配位子によって架橋される。MOFでは、金属錯体となる複数のクラスターのそれぞれは、ジルコニウム、銅、及びマンガンのいずれか1つ以上を中心金属として含む。そして、MOFは、架橋配位子として、酸化還元活性を有する前述した化合物のいずれかの分子を含む。吸着部材49に含まれるMOFとしては、UiO(Universitet i Oslo)構造を有するMOF等が挙げられる。
図4は、吸着部材49に含まれるMOFの一例を示す。図4の一例では、UiO構造を有するMOFの一種として、2,6-Zr-AQ-MOFを示す。図4等に示すように、2,6-Zr-AQ-MOFは、ジルコニウムを中心金属とする6つのクラスターを含む。そして、2,6-Zr-AQ-MOFでは、12箇所に形成される架橋配位子のそれぞれとして、カルボニル化合物の一種であるアントラキノンの分子を含む。なお、図4において6つの白い丸のそれぞれは、ジルコニウムを中心金属とするZr(OH)クラスターを示し、12箇所の架橋配位子では、アントラキノンの分子を1箇所でのみ示し、残りの11箇所については省略する。
また、2,6-Zr-AQ-MOFは、吸着部材49に含まれ得るMOFの一例であり、2,6-Zr-AQ-MOF以外のMOFについても、適宜のMOFが吸着部材49に含まれ得る。例えば、UiO構造を有するMOFとして、1,4-Zr-AQ-MOF等が、吸着部材49に含まれ得る。また、UiO構造を有するMOF以外でも、Cu(2,7-AQDC)構造を有するMOF、Mn(2,7-AQDC)構造を有するMOF、IRMOF構造を有するMOF、及び、IRMOF-9の類縁体構造を有するMOF等が、吸着部材49に含まれ得る。
吸着部材49のそれぞれにCOFが含まれる場合、COFは、多数の有機分子が共有結合することにより構成される。そして、COFでは、多数の有機分子の共有結合によって、二次元構造又は三次元構造が形成される。また、COFでは、有機分子同士の間が、架橋部分によって架橋される。COFは、架橋部分として、酸化還元活性を有する前述した化合物のいずれかの分子を含む。ある一例では、Π―Πスタッキングで三次元構造を形成するCOFが、吸着部材49に含まれる。Π―Πスタッキングで三次元構造を形成し、かつ、吸着部材49に含まれ得るCOFとしては、例えば、TpPa-COF、PA-COF、4KT-Tp COF、2KT-Tp COF、1KT-Tp COF、DAAQ-TFP-COF、PI-COF-1、PI-COF-2、PI-COF-3、CS-COF、CTF-1、CTF-2、TAPB-PDA-COF、N-COF、COF-42、及び、これらの誘導体等が挙げられる。
図5は、吸着部材49に含まれるCOFの一例を示す。図5の一例では、Π―Πスタッキングで三次元構造を形成するCOFの一種として、DAAQ-TFP-COFが示される。図5等に示すように、DAAQ-TFP-COFでは、有機分子同士を架橋する架橋部分のそれぞれとして、カルボニル化合物の一種であるアントラキノンの分子を含む。なお、DAAQ-TFP-COFは、吸着部材49に含まれ得るCOFの一例であり、DAAQ-TFP-COF以外のCOFについても、前述のように、適宜のCOFが吸着部材49に含まれ得る。
また、電解セル10は、電解質を含み、電解質は、作用極42、対極43及びセパレータ45等において保持される。電解質は、イオン結合性の塩及びイオン伝導性高分子のいずれかを含み得る。電解質に含まれ得るイオン結合性の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩、両性金属塩、アンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、及び、ホスホニウム塩等が挙げられる。イオン結合性の塩は、固体として存在してもよく、液体として存在してもよい。電解質においてイオン結合性の塩が液体として含まれる場合、電解質は、イオン液体として電解セル10において保持される。また、電解質に含まれ得るイオン伝導性高分子としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピルオキシド(PPO)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルクロライド(PVC)、及び、イオン液体重合体等が挙げられる。
図2等の一例では、電源ユニット40は、グランド(GND)に接地される。電源ユニット40は、グランドを基準として、電解ユニットE1~Enのそれぞれの電解セル10において、作用極42及び対極43のそれぞれに電位を付加する。また、ある一例では、電解ユニットE1~Enの外部に設けられる参照電位となる導電部分に、電源ユニット40が電気的に接続される。この場合、電源ユニット40は、参照電位を基準として、電解ユニットE1~Enのそれぞれの電解セル10において、作用極42及び対極43のそれぞれに電位を付加する。電源ユニット40は、電解ユニットE1~Enのそれぞれにおいて、電解セル10に電圧を印加することにより、グランド又は参照電位より高い所定の電位を対極43に付加する。
また、電解ユニットE1~Enのそれぞれでは、電解セル10に電圧が印加されることにより、作用極42に、対極43の所定の電位より低い電位が付加される。電源ユニット40は、電解ユニットE1~Enのそれぞれにおいて、作用極42の電位が第1の電位及び第1の電位より高い第2の電位のいずれかになる状態に、電解セル10に電圧を印加する。ここで、第1の電位及び第2の電位のそれぞれは、対極43の所定の電位より低い。また、ある一例では、参照電位となる前述の導電部分として、電解ユニットE1~Enの外部に、設けられるAg/Ag電極が設けられる。そして、第2の電位が第1の電位より高いことを条件として、第1の電位は、-1.8VvsAg/Ag以上かつ0.5VvsAg/Ag以下の範囲のいずれかの電位となり、第2の電位は、-1.0VvsAg/Ag以上かつ+1.5VvsAg/Ag以下の範囲のいずれかの電位となる。
電解ユニットE1~Enのそれぞれでは、電解セル10への電圧の印加によって作用極42に第1の電位が付加されることにより、作用極42の吸着部材49に含まれる前述の酸化還元活性を有する化合物が還元状態となる。すなわち、吸着部材49のそれぞれにおいて、MOF及び/又はCOFに架橋部分として、酸化還元活性を有する化合物の分子が含まれ、かつ、酸化還元活性を有する化合物の分子が、還元状態になる。作用極42の電位に対応した電気応答によって化合物が還元状態になることにより、吸着部材49のそれぞれは、二酸化炭素を吸着する。ここで、第1の電位は、“還元電位”とも称する。
また、電解ユニットE1~Enのそれぞれでは、電解セル10への電圧の印加によって作用極42に第1の電位より高い第2の電位が付加されることにより、作用極42の吸着部材49に含まれる前述の化合物が酸化状態となる。作用極42の電位に対応した電気応答によって酸化還元活性を有する化合物の分子が酸化状態になることにより、吸着部材49のそれぞれは、吸着した二酸化炭素を放出する。ここで、第2の電位は、“酸化電位”とも称する。前述のように、電解ユニットE1~Enのそれぞれの電解セル10において、作用極42の電位に対応した電気応答によって、作用極42の吸着部材49は、二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能になる。したがって、本実施形態では、吸着部材49が、二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能な吸着物質として機能する。
次に、二酸化炭素回収システム1を用いて二酸化炭素を回収する処理について、説明する。以下の説明では、電解ユニットE1~Enの任意の1つである電解ユニットEkを用いて二酸化炭素を回収する場合について、説明する。なお、電解ユニットEk以外の電解ユニット(E1~EnのEk以外)を用いる場合についても、電解ユニットEkを用いる場合と同様にして、二酸化炭素が回収される。また、以下の説明において参照される図6乃至図11では、矢印のみが示される部分において、ガスが流れ、矢印にバツ印(cross mark)が重畳して示される部分において、ガスの流れ遮断される。
図6は、任意の1つの電解ユニットEkの電解セル10の吸着部材49へ二酸化炭素を吸着している状態の一例を示す。図6の状態では、電解ユニットEkに対応する流入切替えバルブ25が、開状態になる。このため、取込み口6から取込まれたガスが、対応する流入切替えバルブ25を通って、電解ユニットEkに流入する。また、図6の状態では、電源ユニット40によって電解ユニットEkの電解セル10に電圧が印加され、電解ユニットEkの作用極42に第1の電位(還元電位)が付加される。このため、作用極42の吸着部材(吸着物質)49に含まれる前述の化合物が、還元状態になる。これにより、電解ユニットEkにおいて、流入したガスに含まれる二酸化炭素が、電解セル10の吸着部材49に吸着し、流入したガスから二酸化炭素が分離される。また、図6の状態では、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26が、リリース状態になる。このため、吸着部材49への吸着によって二酸化炭素が分離された残ガスは、排出切替えバルブ26から大気へ排出される。この際、残ガスは、回収ユニット30へは排出されない。
図7は、任意の1つの電解ユニットEkの電解セル10の吸着部材49へ二酸化炭素を吸着している状態の図6とは別の一例を示す。図7の状態でも、図6の状態と同様に、電解ユニットEkに対応する流入切替えバルブ25が開状態になり、電解ユニットEkの電解セル10の作用極42に第1の電位が付加される。ただし、図7の状態では、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26は、開状態になる。このため、吸着部材49への吸着によって二酸化炭素が分離された残ガスは、回収ユニット30へ排出される。また、図7の状態では、回収ユニット30において、コンプレッサ31が運転され、切替えバルブ32がリリース状態になる。このため、コンプレッサ31へ流入した残ガスは、コンプレッサ31による圧送によって、切替えバルブ32から大気へ排出される。なお、図7では、回収ユニット30は省略し、回収ユニット30を構成するコンプレッサ31及び切替えバルブ32を示す。
二酸化炭素の回収においては、図6の状態又は図7の状態において吸着部材49への二酸化炭素の吸着をある程度の時間行うと、二酸化炭素以外の余分なガスを電解ユニットEkから排出する。図8は、図6の状態又は図7の状態の後に、任意の1つの電解ユニットEkから余分なガスを排出している状態の一例を示す。図8の状態では、電解ユニットEkに対応する流入切替えバルブ25は、閉状態になる。このため、取込んだガス等が、電解ユニットEkに流入しない。また、図8の状態では、電解ユニットEkの電解セル10に、電圧が印加されない。ただし、電解セル10に第2の電位が付加されたりはしないため、電解セル10の吸着部材49に含まれる化合物は、酸化状態にならない。このため、図6の状態又は図7の状態において吸着部材49に吸着した二酸化炭素は、吸着部材49に吸着した状態で維持される。
また、図8の状態では、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26は、開状態になる。そして、回収ユニット30において、コンプレッサ31が運転され、切替えバルブ32がリリース状態になる。このため、電解ユニットEkの処理室41に残留した余分なガスは、コンプレッサ31による圧送によって、電解ユニットEkから対応する排出切替えバルブ26を通して、回収ユニット30に排出される。そして、回収ユニット30に排出された余分なガスは、コンプレッサ31による圧送によって、切替えバルブ32から大気へ排出される。なお、二酸化炭素回収システム1では、電解ユニットEkにおいて、吸着部材49への二酸化炭素の吸着が前述のようにして行われることと並行して、電解ユニットEk以外の電解ユニット(E1~EnのEk以外)のいずれかにおいて、吸着させた二酸化炭素を後述のようにして吸着部材49から放出してもよい。
図8の状態において電解ユニットEkに残留した余分なガスを排出すると、電解ユニットEkにおいて、電解セル10の吸着部材49に吸着させた二酸化炭素を放出する。図9は、図8の状態の後に、任意の1つの電解ユニットEkで吸着させた二酸化炭素を電解セル10の吸着部材49から放出している状態の一例を示す。図9の状態では、電解ユニットEkに対応する流入切替えバルブ25は、閉状態になり、取込んだガスは、電解ユニットEkに流入しない。
また、図9の状態では、電源ユニット40によって電解ユニットEkの電解セル10に電圧が印加され、電解ユニットEkの作用極42に第2の電位(酸化電位)が付加される。このため、作用極42の吸着部材(吸着物質)49に含まれる前述の化合物が、酸化状態になる。これにより、電解ユニットEkでは、図6の状態又は図7の状態において吸着部材49に吸着させた二酸化炭素が、吸着部材49から放出される。また、図9の状態では、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26は、閉状態になり、吸着部材49から放出された二酸化炭素は、電解ユニットEkから排出されない。このため、吸着部材49から放出された二酸化炭素は、電解ユニットEkの処理室41に溜まる。
図9の状態において吸着部材49からの二酸化炭素の放出をある程度の時間行うと、吸着部材49から放出された二酸化炭素を、電解ユニットEkから排出する。ある一例では、図9の状態等において吸着部材49からの二酸化炭素の放出は、数秒以上かつ5時間以下の範囲で行われる。具体的には、10秒以上かつ5時間以下の範囲で、吸着部材49からの二酸化炭素の放出が行われる。図10は、図9の状態の後に、吸着部材49が放出した二酸化炭素を任意の1つの電解ユニットEkから排出している状態の一例を示す。図10の状態では、電解ユニットEkに対応する流入切替えバルブ25は、閉状態になり、取込んだガスは、電解ユニットEkに流入しない。また、電源ユニット40によって電解ユニットEkの作用極42に第2の電位(酸化電位)が付加され、図9の状態において吸着部材49から放出された二酸化炭素は、吸着部材49に吸着されない。
また、図10の状態では、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26は、開状態になる。そして、回収ユニット30において、コンプレッサ31が運転され、切替えバルブ32が開状態になる。このため、電解ユニットEkにおいて吸着部材49から放出された二酸化炭素は、コンプレッサ31による圧送によって、電解ユニットEkから対応する排出切替えバルブ26を通して、回収ユニット30に排出される。そして、回収ユニット30に排出された二酸化炭素は、コンプレッサ31による圧送によって、回収タンク33に流入する。これにより、二酸化炭素が回収タンク33に溜められ、二酸化炭素が回収される。
図10の状態において二酸化炭素の回収が完了すると、電解ユニットEkの圧力を大気圧に戻す。図11は、図10の状態の後に、任意の1つの電解ユニットEkを大気圧に戻している状態を示す。図11の状態では、電解ユニットEkに対応する流入切替えバルブ25は、開状態になり、取込んだガスが電解ユニットEkに流入する。そして、電解ユニットEkの電解セル10に、電圧が印加されない。また、図11の状態では、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26は、閉状態になり、電解ユニットEkからガスが排出されない。このため、図11の状態では、電解ユニットEkから回収ユニット30への二酸化炭素の排出によって電解ユニットEkが減圧された状態から、電解ユニットEkの圧力が上昇し、電解ユニットEkが大気圧に戻る。なお、図11の状態では、コンプレッサ31の運転が停止され、切替えバルブ32が閉状態となる。
図11の状態において電解ユニットEkを大気圧に戻すと、二酸化炭素回収システム1は図6の状態又は図7の状態になる。そして、図6の状態又は図7の状態において、前述のようにして、電解ユニットEkで電解セル10の吸着部材49に、二酸化炭素を吸着させる。そして、電解ユニットEkを用いて、前述した処理が、繰返し行われる。
本実施形態の二酸化炭素回収システム1では、取込みユニット2は、配置される環境でのガスの流れを利用して、取込み口6からガスを取込み、取込んだガスを電解ユニットE1~Enへ流入させる。このため、ファン等を設けることなく、吸着ユニットとなる電解ユニットE1~Enのそれぞれに、ガスを導入可能となる。また、電解ユニットE1~Enのそれぞれでは、電源ユニット40によって作用極42の電位を調整することにより、取込み口6から流入したガスに含まれる二酸化炭素を、吸着物質である吸着部材49に吸着させるとともに、吸着部材49に吸着した二酸化炭素を吸着部材49から放出させる。このため、電解ユニットE1~Enのそれぞれでは、吸着物質である吸着部材49を加熱することなく、吸着した二酸化炭素を吸着部材49から放出可能となる。電解ユニットE1~Enにガスを導入するファン、及び、吸着部材49を加熱する機構等が設けられないため、二酸化炭素回収システム1の構成が簡略化される。
また、二酸化炭素回収システム1では、取込み口6から取込んだガスは、加熱及び冷却されることなく、電解ユニットE1~Enのそれぞれに流入する。このため、取込み口6と吸着ユニットとなる電解ユニットE1~Enの間に、取込んだガスの温度調整を行う機構等が、設けられない。これにより、二酸化炭素回収システム1の構成がさらに簡略化される。二酸化炭素回収システム1の構成が簡略化されることにより、二酸化炭素回収システム1の小型化を実現可能となる。また、二酸化炭素回収システム1の構成が簡略されることにより、二酸化炭素回収システム1の設置場所の自由度が高くなる。
また、二酸化炭素回収システム1では、制御部8は、風量計11での計測結果に基づいて、流量調整部である流量調整バルブ12の作動を制御し、基準流量を超えない状態に、流量調整バルブ12を通って下流側へ向かうガスの流量を制御する。このため、1つ以上の流量調整バルブ12によって、電解ユニットE1~Enのそれぞれに大量のガスが流入されることが、有効に防止される。これにより、電解ユニットE1~Enのそれぞれにおいて、作用極42に第1の電位を付加することにより、流入したガスに含まれる二酸化炭素が、吸着部材49に適切に吸着する。
また、二酸化炭素回収システム1では、制御部8は、風向計13での計測結果に基づいて、取込みユニット2の姿勢を制御し、取込み口6の開口方向を調整する。このため、取込みユニット2が配置される環境でのガスの流れを利用して、取込み口6からガスがさらに適切に取り込まれる。また、取込みユニット2の流路5には、断面積減少部7が形成され、断面積減少部7では、取込み口6から離れるにつれて、取込み口6での開口面積から流路5の断面積が減少する。このため、取込み口6から取込まれたガスの流速が、断面積減少部の通過によって増加し、取込まれたガスが、電解ユニットE1~Enのそれぞれに適切に到達することができる。
また、二酸化炭素回収システム1では、取込み口6の開口方向が、水平面に対して俯角を成す。このため、雨等による液滴が取込み口6から流路5を通して電解ユニットE1~Enに流入すること等が、有効に防止される。また、制御部8は、水位計17での計測結果に基づいて、開閉部材であるシャッター18の作動を制御し、水位計17で計測した水位が基準レベルを超えたことに基づいて、シャッター18によって取込み口6を閉塞させる。これにより、水等の液体が取込み口6から流路5を通して電解ユニットE1~Enに流入すること等が、さらに有効に防止される。また、二酸化炭素回収システム1では、取込み口6を覆う状態で、取込みユニット2にフィルタ16が取付けられる。このため、粉塵等が取込み口6から流路5に流入することが、有効に防止される。
(第1の実施形態の変形例)
図12は、第1の実施形態ある変形例に係る二酸化炭素回収システム1を示す。図12の変形例では、回収ユニット30の構成が、第1の実施形態等とは異なる。図12に示すように、本変形例でも、回収ユニット30は、コンプレッサ31及び回収タンク33を備える。ただし、コンプレッサ31と回収タンク33との間に、切替えバルブ32は設けられない。そして、回収ユニット30は、真空ポンプ35及び切替えバルブ36を備える。切替えバルブ36は、ガスが流れる流路において、コンプレッサ31に対して、上流側に配置される。回収ユニット30では、切替えバルブ36において、ガスの流路が、コンプレッサ31を通って回収タンク33へ向かう流路、及び、真空ポンプ35を通る流路に分岐される。真空ポンプ35を運転することにより、切替えバルブ36から真空ポンプ35を通って大気へ向かうガスの流れが、発生する。制御部8は、真空ポンプ35の運転状態を制御し、真空ポンプ35の運転及び運転停止を切替える。
本変形例では、切替えバルブ36は、開状態、閉状態及びリリース状態に切替わり可能である。切替えバルブ36は、開状態になることにより、コンプレッサ31を通して回収タンク33へガスが流入可能となる。一方、切替えバルブ36は、閉状態になることにより、コンプレッサ31及び真空ポンプ35のそれぞれへのガスの流入を、遮断する。また、切替えバルブ36は、リリース状態になることにより、真空ポンプ35を通して大気へガスを排出可能となる。ただし、切替えバルブ36のリリース状態では、コンプレッサ31及び回収タンク33へは、ガスは排出されない。制御部8は、切替えバルブ36の作動を制御することにより、開状態、閉状態及びリリース状態のそれぞれに切替えバルブ36を切替える。
以下、二酸化炭素を回収する処理について説明する。以下の説明において参照される図13乃至図15では、矢印のみが示される部分において、ガスが流れ、矢印にバツ印(cross mark)が重畳して示される部分において、ガスの流れが遮断される。本変形例では、二酸化炭素の回収において、二酸化炭素回収システム1を、例えば、前述の図6の状態にする。これにより、電解ユニットEkにおいて、流入したガスに含まれる二酸化炭素が、電解セル10の吸着部材49に吸着し、流入したガスから二酸化炭素が分離される。そして、本変形例では、図6の状態において吸着部材49への二酸化炭素の吸着をある程度の時間行うと、図8の状態の代わりに、二酸化炭素回収システム1を図13の状態し、二酸化炭素以外の余分なガスを排出する電解ユニットEkから排出する。図13は、図6の状態の後に、任意の1つの電解ユニットEkから余分なガスを排出している状態の一例を示す。
図13の状態では、図8の状態と同様に、電解ユニットEkに対応する流入切替えバルブ25は、閉状態になり、電解ユニットEkの電解セル10に、電圧が印加されない。そして、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26は、開状態になる。ただし、図13の状態では、回収ユニット30において、真空ポンプ35が運転され、切替えバルブ36がリリース状態になる。このため、電解ユニットEkの処理室41に残留した余分なガスは、真空ポンプ35による吸引によって、電解ユニットEkから対応する排出切替えバルブ26を通して、回収ユニット30に排出される。そして、回収ユニット30に排出された余分なガスは、真空ポンプ35による吸引によって、切替えバルブ36から真空ポンプ35を通って、大気へ排出される。なお、図13では、電解ユニットEkの処理室41は、省略して示す。
図13の状態において電解ユニットEkに残留した余分なガスを排出すると、二酸化炭素回収システム1を、例えば、前述の図9の状態にする。これにより、電解ユニットEkにおいて、吸着した二酸化炭素を吸着部材49が放出し、吸着部材49から放出された二酸化炭素が、処理室41に溜まる。そして、本変形例では、図9の状態において吸着部材49からの二酸化炭素の放出をある程度の時間行うと、図10の状態の代わりに、二酸化炭素回収システム1を図14に状態し、吸着部材49から放出された二酸化炭素を、電解ユニットEkから排出する。図14は、図9の状態の後に、吸着部材49が放出した二酸化炭素を任意の1つの電解ユニットEkから排出している状態の一例を示す。
図14の状態では、図10の状態と同様に、電解ユニットEkに対応する流入切替えバルブ25は、閉状態になり、電源ユニット40によって、作用極42に第2の電位(酸化電位)が付加される。そして、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26は、開状態になり、回収ユニット30において、コンプレッサ31が運転される。また、図14の状態において、切替えバルブ36が開状態になる。このため、電解ユニットEkにおいて吸着部材49から放出された二酸化炭素は、コンプレッサ31による圧送によって、電解ユニットEkから対応する排出切替えバルブ26及び切替えバルブ36を通して、回収ユニット30のコンプレッサ31に排出される。そして、コンプレッサ31に排出された二酸化炭素は、コンプレッサ31による圧送によって、回収タンク33に流入する。これにより、二酸化炭素が回収タンク33に溜められ、二酸化炭素が回収される。なお、図14の状態では、真空ポンプ35の運転が停止され、真空ポンプ35を通って大気へ二酸化炭素は排出されない。
図14の状態において二酸化炭素の回収が完了すると、電解ユニットEkの圧力を大気圧に戻す。図15は、図14の状態の後に、任意の1つの電解ユニットEkを大気圧に戻している状態の一例を示す。図15の状態では、図11の状態と同様に、電解ユニットEkに対応する流入切替えバルブ25は、開状態になり、電解ユニットEkの電解セル10に、電圧が印加されない。そして、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26は、閉状態になる。このため、図15の状態では、図11の状態と同様に、電解ユニットEkが大気圧に戻る。なお、図15の状態では、回収ユニット30において、コンプレッサ31及び真空ポンプ35の運転が停止され、切替えバルブ36が閉状態となる。
図15の状態において電解ユニットEkを大気圧に戻すと、二酸化炭素回収システム1を図6の状態にする。そして、図6の状態において、前述のようにして、電解ユニットEkで電解セル10の吸着部材49に、二酸化炭素を吸着させる。そして、電解ユニットEkを用いて、前述した処理が、繰返し行われる。本変形例でも、第1の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。したがって、本変形例でも、二酸化炭素回収システム1の構成が簡略化される。
(第2の実施形態)
次に、第1の実施形態の変形例として、第2の実施形態について説明する。図16は、第2の実施形態に係る二酸化炭素回収システム1を示す。図16等に示すように、本実施形態では、n個の電解ユニットE1~Enは、取込んだガスが流れる流路において、互いに対して直列に配置される。流路では、上流側から、E1,E2,…,Enの順に、配置される。本実施形態でも、圧力計23が、電解ユニットE1~Enのそれぞれに対して1つずつ、設けられる。また、本実施形態では、流入切替えバルブVa、排出切替えバルブVb及びリリースバルブVcのそれぞれが、電解ユニットE1~Enと同一の数設けられる。流入切替えバルブVa、排出切替えバルブVb及びリリースバルブVcのそれぞれは、電解ユニットE1~Enのそれぞれに対して1つずつ、設けられる。
ここで、前述のようにkを、1以上かつn以下の自然数の任意の1つとする。そして、流入切替えバルブVa、排出切替えバルブVb及びリリースバルブVcにおいて電解ユニットEkに対応する1つを、それぞれ、Vak、Vbk及びVckとする。電解ユニットEkが電解ユニットE1~Enのいずれであっても、電解ユニットEk、流入切替えバルブVak、排出切替えバルブVbk及びリリースバルブVckについての構成及び動作等は、以下のようになる。また、jを、1以上かつn-1以下の自然数の任意の1つとする。そして、流入切替えバルブVa、排出切替えバルブVb及びリリースバルブVcにおいて電解ユニットEjに対応する1つを、それぞれ、Vaj、Vbj及びVcjとする。電解ユニットEjが電解ユニットE1~En-1のいずれであっても、電解ユニットEj、流入切替えバルブVaj、排出切替えバルブVbj及びリリースバルブVcjの構成及び動作等は、以下のようになる。
本実施形態では、流入切替えバルブVajにおいて、ガスの流路が、電解ユニットEjに向かう流路、及び、流入切替えバルブVaj+1に向かう流路に分岐される。流入切替えバルブVajは、開状態、閉状態及びバイパス状態に切替わり可能である。流入切替えバルブVajは、開状態になることにより、取込まれたガスを電解ユニットEjに流入させる。一方、流入切替えバルブVajは、閉状態になることにより、取込まれたガスの電解ユニットEjの流入を、遮断する。この際、流入切替えバルブVajから流入切替えバルブVaj+1へのガスの流れも、遮断される。また、流入切替えバルブVajは、バイパス状態になることにより、流入切替えバルブVaj+1に向かって、ガスを流入させる。この際、電解ユニットEjには、ガスは流入しない。
また、流入切替えバルブVanは、開状態及び閉状態に切替わり可能である。流入切替えバルブVanは、開状態になることにより、取込まれたガスを電解ユニットEnに流入させる。一方、流入切替えバルブVanは、閉状態になることにより、取込まれたガスの電解ユニットEnへの流入を、遮断する。流入切替えバルブVa1~Vaj-1がバイパス状態で、かつ、流入切替えバルブVajが開状態になることにより、取込み口6から取込んだガスは、電解ユニットE1~Ej-1を通過することなく、電解ユニットEjに流入する。また、流入切替えバルブVa1~Van-1がバイパス状態で、かつ、流入切替えバルブVanが開状態になることにより、取込み口6から取込んだガスは、電解ユニットE1~En-1を通過することなく、電解ユニットEnに流入する。制御部8は、流入切替えバルブVa1~Vanのそれぞれの作動を制御する。
本実施形態の二酸化炭素回収システム1では、真空ポンプ50が設けられる。排出切替えバルブVbjでは、ガスの流路が、電解ユニットEj+1に向かう流路、及び、リリースバルブVcjを通って真空ポンプ50に向かう流路に分岐される。排出切替えバルブVbjは、開状態、閉状態及び排出状態に切替わり可能である。排出切替えバルブVbjは、開状態になることにより、電解ユニットEjから電解ユニットEj+1にガスを流入させる。一方、排出切替えバルブVbjは、閉状態になることにより、電解ユニットEj+1へのガスの流入を、遮断する。この際、排出切替えバルブVbjからリリースバルブVcjへのガスの流れも、遮断される。また、排出切替えバルブVbjは、排出状態になることにより、リリースバルブVcjに向かって、ガスを排出する。この際、電解ユニットEj+1には、ガスは流入しない。
また、排出切替えバルブVbnでは、ガスの流路が、回収ユニット30に向かう流路、及び、リリースバルブVcnを通って真空ポンプ50に向かう流路に分岐される。排出切替えバルブVbnは、開状態、閉状態及び排出状態に切替わり可能である。排出切替えバルブVbnは、開状態になることにより、電解ユニットEnから回収ユニット30にガスを排出可能となる。一方、排出切替えバルブVbnは、閉状態になることにより、電解ユニットEnから回収ユニット30へのガスの排出を、遮断する。この際、排出切替えバルブVbnからリリースバルブVcnへのガスの流れも、遮断される。また、排出切替えバルブVbnは、排出状態になることにより、リリースバルブVcnに向かって、ガスを排出する。この際、回収ユニット30には、ガスは流入しない。制御部8は、排出切替えバルブVb1~Vbnのそれぞれの作動を制御する。
本実施形態では、回収ユニット30は、コンプレッサ31及び回収タンク33から構成され、切替えバルブ等は設けられない。そして、電解ユニットEnから回収ユニット30へ排出された二酸化炭素を、コンプレッサ31によって圧送することにより、二酸化炭素を回収タンク33に回収する。また、二酸化炭素回収システム1では真空ポンプ50を運転することにより、リリースバルブVc1~Vcnのそれぞれから真空ポンプ50を通って大気へ向かうガスの流れが、発生する。制御部8は、真空ポンプ50の運転状態を制御し、真空ポンプ50の運転及び運転停止を切替える。
リリースバルブVckは、非リリース状態及びリリース状態に切替わり可能である。リリースバルブVckは、非リリース状態になることにより、排出切替えバルブVbkと真空ポンプ50との間を連通させる。これにより、排出切替えバルブVbkからリリースバルブVckを通して、真空ポンプ50にガスが流入可能となる。また、リリースバルブVckは、リリース状態になることにより、排出切替えバルブVbkから流入したガスを、大気に排出可能となる。この際、リリースバルブVckから真空ポンプ50には、ガスは流入しない。制御部8は、リリースバルブVc1~Vcnのそれぞれの作動を制御する。
以下、二酸化炭素を回収する処理について説明する。以下の説明において参照される図17乃至図21では、矢印のみが示される部分において、ガスが流れ、矢印にバツ印(cross mark)が重畳して示される部分において、ガスの流れ遮断される。本実施形態では、二酸化炭素の回収において、電解ユニットEjで電解セル10の吸着部材49に二酸化炭素を吸着させた後、電解ユニットEjで吸着した二酸化炭素を吸着部材49から放出する。そして、吸着部材49から放出された二酸化炭素を電解ユニットEjから電解ユニットEj+1に排出し、電解ユニットEj+1において電解セル10の吸着部材49に、電解ユニットEjから排出された二酸化炭素を吸着する。また、最も下流側の電解ユニットEnでは、吸着した二酸化炭素を電解セル10の吸着部材49から放出すると、吸着部材49から放出された二酸化炭素を、回収ユニット30に排出する。そして、回収ユニット30の回収タンク33に、二酸化炭素が回収される。
図17は、最も上流側の電解ユニットE1で電解セル10の吸着部材49へ二酸化炭素を吸着している状態の一例を示す。図17の状態では、流入切替えバルブVa1が開状態となり、流入切替えバルブVa2~Vanは、閉状態となる。このため、取込み口6から取込まれたガスは、電解ユニットE1へのみ流入し、電解ユニットE2~Enへは流入しない。また、図17の状態では、電源ユニット40によって、電解ユニットE1の作用極42に第1の電位(還元電位)が付加される。このため、電解ユニットE1において、流入したガスに含まれる二酸化炭素が、電解セル10の吸着部材49に吸着し、流入したガスから二酸化炭素が分離される。図17の状態では、排出切替えバルブVb1が排出状態になり、排出切替えバルブVb2~Vbnが閉状態となる。そして、リリースバルブVc1がリリース状態となる。このため、電解ユニットE1において二酸化炭素が分離された残ガスは、リリースバルブVc1から大気へ排出され、電解ユニットE2に流入しない。
図18は、図17の状態の後に、最も上流側の電解ユニットE1から余分なガスを排出している状態の一例を示す。本実施形態では、図17の状態において、電解ユニットE1の電解セル10の吸着部材49への二酸化炭素の吸着をある程度の時間行った後、図18の状態において、電解ユニットE1から余分なガスを排出する。図18の状態では、流入切替えバルブVa1は、閉状態になる。このため、取込んだガス等が、電解ユニットE1に流入しない。また、電解ユニットE1の電解セル10には、電圧が印加されず、図17の状態において吸着された二酸化炭素は、吸着部材49に吸着した状態で維持される。図18の状態では、排出切替えバルブVb1が排出状態となり、リリースバルブVc1が非リリース状態になる。そして、真空ポンプ50が運転される。このため、電解ユニットE1に残留した余分なガスは、排出切替えバルブVb1及びリリースバルブVc1を通して、真空ポンプ50へ排出される。そして、真空ポンプ50へ排出された余分なガスは、真空ポンプ50から大気へ排出される。
図19は、図18の状態の後に、最も上流側の電解ユニットE1で吸着させた二酸化炭素を電解セル10の吸着部材49から放出している状態の一例を示す。本実施形態では、図18の状態において電解ユニットE1から余分なガスを排出した後に、図19の状態において電解ユニットE1で吸着部材49から二酸化炭素が放出される。図19の状態では、流入切替えバルブVa1が閉状態になるため、電解ユニットE1にガスが流入しない。また、電源ユニット4によって電解ユニットE1の作用極42に第2の電位(酸化電位)が付加されるため、電解ユニットE1において吸着させた二酸化炭素が吸着部材49から放出される。図19の状態では、排出切替えバルブVb1が閉状態になる。このため、吸着部材49から放出された二酸化炭素は、電解ユニットE1から排出されず、電解ユニットE1に滞留する。
図20は、図19の状態の後に、最も上流側の電解ユニットE1から2番目に上流側の電解ユニットE2に二酸化炭素を流入させ、2番目に上流側の電解ユニットE2で流入した二酸化炭素を電解セル10の吸着部材49へ吸着している状態の一例を示す。本実施形態では、図19の状態において、電解ユニットE1の吸着部材49からの二酸化炭素の放出をある程度の時間行った後、図20の状態において、電解ユニットE1から電解ユニットE2へ二酸化炭素を流入させる。図20の状態では、流入切替えバルブVa1が開状態になり、排出切替えバルブVb1が開状態となる。このため、取込み口6から電解ユニットE1を通って電解ユニットE2へ流入するガスの流れが形成され、取込み口6から取込まれたガスが、二酸化炭素を電解ユニットE1から電解ユニットE2へ流入させるスイーブガスとして用いられる。この際、電解ユニットE1,E2に流入するスイーブガスの流量は、適正範囲を超えて大きくならない状態に、流量調整バルブ12によって調整される。なお、図20の状態では、流入切替えバルブVa2が閉状態であるため、電解ユニットE1を介することなく電解ユニットE2にガスは、流入しない。
また、図20の状態では、電解ユニットE1において、電解セル10の作用極42に第2の電位が付加され、電解ユニットE2において、電解セル10の作用極42に第1の電位が付加される。このため、電解ユニットE2において、流入したガスに含まれる二酸化炭素が、電解セル10の吸着部材49に吸着する。これにより、電解ユニットE2に流入したガスから、二酸化炭素が分離される。図20の状態では、排出切替えバルブVb2が排出状態になり、リリースバルブVc2がリリース状態となる。このため、電解ユニットE2において二酸化炭素が分離された残ガスは、リリースバルブVc2から大気へ排出され、電解ユニットE3に流入しない。
図21は、図20の状態の後に、2番目に上流側の電解ユニットE2から余分なガスを排出している状態の一例を示す。本実施形態では、図20の状態において、電解ユニットE2の電解セル10の吸着部材49への二酸化炭素の吸着をある程度の時間行った後、図21の状態において、電解ユニットE2から余分なガスを排出する。図21の状態では、流入切替えバルブVa2が閉状態になり、排出切替えバルブVb1が排出状態になる。このため、取込み口6から電解ユニットE2へガスが流入せず、電解ユニットE1から電解ユニットE2へもガスが流入しない。また、電解ユニットE2の電解セル10には、電圧が印加されず、図20の状態において吸着された二酸化炭素は、吸着部材49に吸着した状態で維持される。図21の状態では、排出切替えバルブVb2が排出状態となり、リリースバルブVc2が非リリース状態になる。そして、真空ポンプ50が運転される。このため、電解ユニットE2に残留した余分なガスは、排出切替えバルブVb2及びリリースバルブVc2を通して、真空ポンプ50へ排出される。そして、真空ポンプ50へ排出された余分なガスは、真空ポンプ50から大気へ排出される。
また、図21の状態では、流入切替えバルブVa1が開状態になり、取込み口6から電解ユニットE1にガスが流入する。そして、電解ユニットE1において、電解セル10の作用極42に還元電位(第1の電位)が付加され、流入したガスに含まれる二酸化炭素が、電解セル10の吸着部材49に吸着する。図21の状態では、前述のように、排出切替えバルブVb1が排出状態になる。そして、リリースバルブVc1がリリース状態となる。このため、電解ユニットE1において二酸化炭素が分離された残ガスは、リリースバルブVc1から大気へ排出され、電解ユニットE2に流入しない。
図21の状態において電解ユニットE2から余分なガスを排出すると、電解ユニットE2において吸着部材49から二酸化炭素が放出される。この際、電解ユニットE1での吸着部材49からの二酸化炭素の放出と同様にして、電解ユニットE2において、吸着部材49から二酸化炭素が放出される。そして、電解ユニットE2から電解ユニットE3に二酸化炭素を流入させ、電解ユニットE3で流入した二酸化炭素を電解セル10の吸着部材49へ吸着させる。この際、電解ユニットE1から電解ユニットE2への二酸化炭素の流入と同様にして、電解ユニットE2から電解ユニットE3への二酸化炭素を流入させる。ただし、電解ユニットE2から電解ユニットE3への二酸化炭素の流入においては、流入切替えバルブVa1をバイパス状態にし、流入切替えバルブVa2を開状態にする。そして、排出切替えバルブVb2を開状態にする。これにより、取込み口6から電解ユニットE2を通って電解ユニットE3へ流入するガスの流れが形成され、取込み口6から取込まれたガスが、二酸化炭素を電解ユニットE2から電解ユニットE3へ流入させるスイーブガスとして用いられる。二酸化炭素を電解ユニットE2から電解ユニットE3へ流入させるスイーブガスは、電解ユニットE1を通過しない。
前述のような処理が行われることにより、本実施形態では、電解ユニットE1において吸着部材49への吸着及び吸着部材49から放出が行われた二酸化炭素は、電解ユニットE2,…,Enの順で、電解セル10の吸着部材49への吸着及び吸着部材49からの放出が行われる。そして、電解ユニットEnにおいて、吸着部材49から放出された二酸化炭素が、回収ユニット30に排出され、回収ユニット30において、二酸化炭素が回収される。また、本実施形態では、電解ユニットE1~Enが互いに対して直列に配置されることを除き、第1の実施形態等の同様の構成である。このため、本実施形態でも、第1の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。したがって、本実施形態でも、二酸化炭素回収システム1の構成が簡略化される。
(第3の実施形態)
次に、第1の実施形態の変形例として、第3の実施形態について説明する。図22は、第3の実施形態に係る二酸化炭素回収システム1に設けられる任意の1つの電解ユニットEkを示す。本実施形態では、前述の実施形態等と、電解ユニットE1~Enのそれぞれの構成が異なり、電解セル10の構成が異なる。なお、以下の説明では、電解ユニットEkについて主に説明するが、電解ユニットEk以外の電解ユニット(E1~EnのEk以外)についても、電解ユニットEkと構成等が同様となる。また、図22の一例では、第1の実施形態等と同様に、電解ユニットEkに対応させて、流入切替えバルブ25及び排出切替えバルブ26が1つずつ設けられるものとする。
図22に示すように、本実施形態では、電解ユニットEkの電解セル10は、前述の実施形態等と同様に、作用極42及び対極43を備える。対極43は、前述の実施形態等と同様の材料から形成される。本実施形態では、作用極42は、集電体46のみから構成され、作用極42に吸着層47は形成されない。作用極42の集電体46は、前述の実施形態等と同様にして、形成される。また、本実施形態では、電解セル10に、セパレータ45の代わりにセパレータ(隔壁)58が設けられる。セパレータ58は、電気的絶縁性を有し、例えば、セパレータ45と同様の材料から形成される。そして、電解セル10は、参照極57を備え、電源ユニット40は、参照極57の電位(参照電位)を基準として、作用極42及び対極43に電位を付加し、電解セル10に電圧を印加する。参照極57は、例えば、Ag/Ag電極である。なお、電解セル10には、参照極57が設けられなくてもよい。この場合、電源ユニット40は、グランド(GND)又は電解ユニットE1~Enの外部に設けられる導電部分の電位(参照電位)を基準として、作用極42及び対極43に電位を付加する。
本実施形態では、電解セル10は、電解質として電解液51を含む。電解液では、有機溶媒又は水溶液に、前述したイオン結合性の塩及びイオン伝導性高分子のいずれかが溶解する。また、電解セル10では、作用極42、対極43及び参照極57のそれぞれが、電解液51に浸される。本実施形態では、電解ユニットEkの電解セル10において、電解液51の液中に、対応する流入切替えバルブ25を通して、ガスが流入する。また、電解セル10では、電解液51が充填されていないヘッドスペース52が、形成される。電解ユニットEkでは、電解セル10のヘッドスペース52から、対応する排出切替えバルブ26を通して、ガスが排出される。なお、電解ユニットEkでは、ヘッドスペース52の圧力が、圧力計23によって計測される。
本実施形態の電解セル10では、セパレータ58が、作用極42と対極43との間に配置され、電解液51は、セパレータ58によって、作用極42側の部分と対極43側の部分に分離される。また、参照極57が設けられる場合は、作用極42側の部分で、参照極57は電解液51に浸される。
本実施形態では、電解液51に酸化還元活性を有する前述の化合物が溶解及び分散する等する。このため、電解液51は、酸化還元活性を有する前述の化合物を含むことができる。電解液51では、酸化還元活性を有する化合物は、分子及びイオン等のいずれかの態様で分散及び溶解する。酸化還元活性を有する化合物には、前述の実施形態等と同様に、カルボニル化合物、ピリジル化合物及びイミド化合物より成る群から選択される少なくとも1種が含まれる。本実施形態では、電解液51に含まれる化合物が、二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能な吸着物質として機能する。図23は、電解セル10において電解液に含まれる酸化還元活性を有する化合物の一例を示す。図23の一例では、酸化還元活性を有する化合物の分子として、アントラキノンの分子を示す。
本実施形態では、電解ユニットE1~Enのそれぞれにおいて、電解セル10への電圧の印加によって作用極42に第1の電位(還元電位)が付加されることにより、電解液51の液中の作用極42の近傍で、吸着物質である化合物が還元状態となる。そして、作用極42の電位に対応した電気応答によって化合物が還元状態になることにより、吸着物質である化合物は、電解液51の液中の作用極の近傍において、二酸化炭素を吸着する。また、電解ユニットE1~Enのそれぞれでは、電解セル10への電圧の印加によって作用極42に第2の電位(酸化電位)が付加されることにより、電解液51の液中の作用極42の近傍で、吸着物質である化合物が酸化状態となる。そして、作用極42の電位に対応した電気応答によって化合物が酸化状態になることにより、吸着物質である化合物は、電解液51の液中の作用極の近傍において、二酸化炭素を放出可能となる。
図24は、任意の1つの電解ユニットEkで、電解セル10の電解液51に含まれる吸着物質(酸化還元活性を有する化合物)に二酸化炭素を吸着している状態を示す。図24の状態では、取込み口6で取込まれたガスが、対応する流入切替えバルブ25を通して、電解ユニットEkにおいて、電解セル10の電解液51の液中に流入する。また、作用極42には、第1の電位が付加される。このため、電解液51の作用極42の近傍において、流入したガスに含まれる二酸化炭素が、電解液51に含まれる吸着物質に吸着される。例えば、セパレータ58に対して作用極42側の部分で、電解液51に含まれる吸着物質に二酸化炭素が吸着される。そして、二酸化炭素が分離された残ガスは、電解液51の液中からヘッドスペース52へ排出される。図24の状態では、対応する排出切替えバルブ26は、リリース状態になる。このため、二酸化炭素が分離された残ガスは、ヘッドスペース52から対応する排出切替えバルブ26を通して、大気に排出される。
図24の状態において、吸着物質(酸化還元活性を有する化合物)への二酸化炭素の吸着をある程度の時間行った後、前述の実施形態等と同様に、ヘッドスペース52等に残留する余分なガスを、電解ユニットEkから排出する。この際、前述の実施形態等と同様に、真空ポンプ又は回収ユニット30のコンプレッサ31等を用いて、余分なガスを電解ユニットEkから排出する。そして、電解ユニットEkから余分なガスを排出すると、電解ユニットEkにおいて、吸着物質に吸着させた二酸化炭素を、吸着物質から放出する。
図25は、任意の1つの電解ユニットEkで、電解セル10の電解液51に含まれる吸着物質(酸化還元活性を有する化合物)から吸着した二酸化炭素を放出している状態を示す。図25の状態では、対応する流入切替えバルブ25及び対応する排出切替えバルブ26のそれぞれが、閉状態となる。このため、電解ユニットEkにガスが流入せず、電解ユニットEkからガスは排出されない。また、作用極42には、第2の電位が付加される。このため、電解液51の作用極42の近傍において、電解液51に含まれる吸着物質が、吸着した二酸化炭素を放出する。例えば、セパレータ58に対して作用極42側の部分で、電解液51に含まれる吸着物質が、二酸化炭素を放出する。吸着物質から放出され二酸化炭素は、電解液51の液中からヘッドスペース52へ排出される。そして、ヘッドスペース52に二酸化炭素が溜められる。
図25の状態において、吸着物質(酸化還元活性を有する化合物)からの二酸化炭素の放出をある程度の時間行った後、前述の実施形態等と同様に、吸着物質から放出された二酸化炭素を、排出切替えバルブ26を通して回収ユニット30に排出する。この際、電解ユニットEkに対応する排出切替えバルブ26は、開状態になる。そして、回収ユニット30において、二酸化炭素を回収する。なお、ある一例では、回収ユニット30に排出する代わりに、第2の実施形態等と同様に、1つ下流側の電解ユニットEk+1へ、二酸化炭素を流入させてもよい。電解ユニットEkから回収ユニット30への二酸化炭素の排出、及び、電解ユニットEkから電解ユニットEk+1への二酸化炭素の流入は、前述の実施形態等のいずれかと同様にして行われる。
本実施形態では、二酸化炭素の回収において、前述の実施形態等のいずれかと同様にして、電解ユニットE1~Enのそれぞれへのガスの導入、及び、電解ユニットE1~Enのそれぞれからのガスの排出を制御する。そして、前述の実施形態等のいずれかと同様にして、回収ユニット30で二酸化炭素を回収する。また、本実施形態では、電解ユニットE1~Enのそれぞれでの電解セル10の構成を除き、第1の実施形態等の同様の構成である。このため、本実施形態でも、第1の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。したがって、本実施形態でも、二酸化炭素回収システム1の構成が簡略化される。
(第4の実施形態)
次に、第3の実施形態の変形例として、第4の実施形態について説明する。図26は、第4の実施形態に係る二酸化炭素回収システム1を示す。図26に示すように、本実施形態では、電解ユニットE1~Enのそれぞれは、2つの電解セル10A,10Bを備える。電解セル10A,10Bのそれぞれは、第3の実施形態の電解セル10と同様の構成である。また、本実施形態でも、電解ユニットE1~Enのそれぞれに対して1つずつ、流入切替えバルブ25及び排出切替えバルブ26が設けられる。ただし、本実施形態では、排出切替えバルブ26は、開状態及び閉状態にのみ切替わり可能であり、リリース状態には切替わらない。また、本実施形態では、回収ユニット30は、コンプレッサ31及び回収タンク33から構成される。なお、回収ユニット30には、真空ポンプ35と同様の真空ポンプ、及び、切替えバルブ36と同様の切替えバルブが設けられてもよい。この場合、真空ポンプを運転することにより、図12等に示す一例と同様にして、二酸化炭素以外の余分なガスを電解ユニットEkから大気に排出する。
図27は、二酸化炭素回収システム1に設けられる任意の1つの電解ユニットEkを示す。なお、以下の説明では、電解ユニットEkについて主に説明するが、電解ユニットEk以外の電解ユニット(E1~EnのEk以外)についても、電解ユニットEkと構成等が同様となる。図27等に示すように、電解ユニットEkでは、電解セル(第1の電解セル)10Aの電解液51の液中に、取込み口6から取込んだガス等が、対応する流入切替えバルブ25を通して流入する。また、電解ユニットEkでは、電解セル(第2の電解セル)10Bのヘッドスペース52から、対応する排出切替えバルブ26を通して、ガスが回収ユニット30へ排出される。また、本実施形態では、電解ユニットEkにおいて、中継流路55,56のそれぞれが、電解セル10A,10Bの間を接続する。中継流路55では、電解セル10Aから電解セル10Bへ向かって電解液が流れ、電解セル10Bでは、電解セル10Bから電解セル10Aへ向かって電解液が流れる。中継流路55は、電解セル10Aの電解液51において作用極42側の部分と電解セル10Bの電解液51において作用極42側の部分とを接続する。そして、中継流路56は、電解セル10Aの電解液51において対極43側の部分と電解セル10Bの電解液51において対極43側の部分とを接続する。
また、本実施形態では、電解ユニットEkを用いて二酸化炭素の回収を行っている状態において、電解セル10Aの作用極42には、第1の電位(還元電位)が常時付加され、電解セル10Bの作用極42には、第2の電位(酸化電位)が常時付加される。また、電解ユニットEkを用いて二酸化炭素の回収している状態では、対応する流入切替えバルブ25及び対応する排出切替えバルブ26のそれぞれを、開状態にする。そして、電解ユニットEkにおいて電解セル(第1の電解セル)10Aの電解液51の液中に、取込み口6から取込んだガスを流入させる。電解セル10Aでは、作用極42に第1の電位(還元電位)が付加されるため、電解液51の液中の作用極42の近傍で、吸着物質である化合物が還元状態となる。そして、電解セル10Aの作用極42の電位に対応した電気応答によって化合物が還元状態になることにより、吸着物質である化合物は、電解セル10Aの電解液51の液中の作用極42の近傍において、二酸化炭素を吸着する。例えば、セパレータ58に対して作用極42側の部分で、電解セル10Aの電解液51に含まれる吸着物質に二酸化炭素が吸着される。
そして、二酸化炭素を吸着した吸着物質は、中継流路55を通して、電解液51と一緒に電解セル10Aから電解セル10Bへ流れる。電解セル(第2の電解セル)10Bでは、作用極42に第2の電位(酸化電位)が付加されるため、電解液51の液中の作用極42の近傍で、吸着物質である化合物が酸化状態となる。そして、電解セル10Bの作用極42の電位に対応した電気応答によって化合物が酸化状態になることにより、吸着物質である化合物は、電解セル10Bの電解液51の液中の作用極42の近傍において、吸着した二酸化炭素を放出する。例えば、セパレータ58に対して作用極42側の部分で、電解セル10Bの電解液51に含まれる吸着物質が、二酸化炭素を放出する。吸着物質から放出され二酸化炭素は、電解セル10Bにおいて、電解液51の液中からヘッドスペース52へ排出される。そして、電解セル10Bのヘッドスペース52から、対応する排出切替えバルブ26を通して、二酸化炭素が回収ユニット30に排出され、回収ユニット30において、二酸化炭素が回収される。ここで、図27では、回収ユニット30は省略して示す。なお、ある一例では、回収ユニット30に排出する代わりに、第2の実施形態等と同様に、1つ下流側の電解ユニットEk+1へ、二酸化炭素を流入させてもよい。
本実施形態では、電解ユニットE1~Enのそれぞれに2つの電解セル10A、10Bが設けられる構成を除き、第3の実施形態等の同様の構成である。このため、本実施形態でも、第3の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。したがって、本実施形態でも、二酸化炭素回収システム1の構成が簡略化される。
前述の少なくとも一つの実施形態又は実施例では、取込みユニットは、配置される環境でのガスの流れを利用して、取込み口からガスを取込み、取込んだガスを電解ユニットへ流入させる。そして、電解ユニットでは、電源ユニットによって電位を調整することにより、取込み口から流入したガスに含まれる二酸化炭素を、吸着物質に吸着させるとともに、吸着物質に吸着した二酸化炭素を吸着物質から放出させる。これにより、システム構成の簡略化を実現可能な二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、付記を記載する。
(付記項1)
取込み口が形成され、配置される環境でのガスの流れを利用して前記取込み口から前記ガスを取込む取込みユニットと、
電位に対応した電気応答によって二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能な吸着物質を備え、前記取込みユニットの前記取込み口から取込まれた前記ガスが流入する電解ユニットと、
前記電位を調整することにより、前記電解ユニットおいて、前記取込み口から流入した前記ガスに含まれる二酸化炭素を前記吸着物質に吸着させるとともに、前記吸着物質に吸着した前記二酸化炭素を前記吸着物質から放出させる電源ユニットと、
前記吸着物質に吸着した後に前記吸着物質から放出された前記二酸化炭素を回収する回収ユニットと、
を具備する、二酸化炭素回収システム。
(付記項2)
前記取込みユニットの前記取込み口で取込まれた前記ガスの流量を計測する風量計と、
前記取込み口と前記電解ユニットとの間に配置され、下流側へ向かう前記ガスの流量を調整する流量調整部と、
前記風量計での計測結果に基づいて、前記流量調整部の作動を制御し、基準流量を超えない状態に、前記流量調整部を通って下流側へ向かう前記ガスの前記流量を制御する制御部と、
をさらに具備する、付記項1の二酸化炭素回収システム。
(付記項3)
前記取込みユニットが配置される前記環境において前記ガスが流れる方向を計測する風向計と、
前記風向計での計測結果に基づいて、前記取込みユニットの姿勢を制御し、前記取込み口の開口方向を調整する制御部と、
をさらに具備する、付記項1又は2の二酸化炭素回収システム。
(付記項4)
前記取込みユニットは、前記取込み口から前記電解ユニットへ向かって前記ガスが流れる流路をさらに備え、
前記取込みユニットの前記流路には、前記取込み口から離れるにつれて前記取込み口での開口面積から前記流路の断面積が減少する断面積減少部が形成される、
付記項1乃至3のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項5)
前記取込みユニットは、前記取込み口の開口方向が水平面に対して俯角を成す状態で配置される 、付記項1乃至4のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項6)
前記取込みユニットが配置される前記環境において水位を計測する水位計と、
前記取込みユニットの前記取込み口を開口させる状態と前記取込み口を閉塞する状態との間で作動状態が切替わる開閉部材と、
前記水位計での計測結果に基づいて、前記開閉部材の作動を制御し、前記水位計で計測した前記水位が基準レベルを超えたことに基づいて、前記開閉部材によって前記取込み口を閉塞させる制御部と、
をさらに具備する、付記項1乃至5のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項7)
前記取込み口を覆う状態で前記取込みユニットに取付けられるフィルタをさらに具備する、付記項1乃至6のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項8)
前記取込みユニットは、前記取込み口から取込んだ前記ガスを、加熱及び冷却することなく、前記電解ユニットに流入させる、付記項1乃至7のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項9)
前記取込みユニットは、-10℃以上かつ50℃以下の範囲のいずれかの温度で、前記取込み口から取込んだ前記ガスを、前記電解ユニットに流入させる、付記項8の二酸化炭素回収システム。
(付記項10)
前記取込み口と前記電解ユニットとの間に配置され、下流側へ向かう前記ガスの流量を調整する流量調整部と、
前記取込み口と前記流量調整部との間において、前記取込み口から取込まれた前記ガスの温度を計測する第1の温度計と、
前記流量調整部と前記電解ユニットとの間において、前記流量調整部から前記下流側へ向かう前記ガスの温度を計測する第2の温度計と、
をさらに具備する、付記項1乃至9のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項11)
前記電解ユニットの前記吸着物質は、酸化還元活性を有する化合物を含む、付記項1乃至付記項10のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項12)
前記電解ユニットの前記吸着物質は、前記電位に対応した電気応答によって前記化合物が還元状態になることにより、前記二酸化炭素を吸着し、前記電位に対応した電気応答によって前記化合物が酸化状態になることにより、前記二酸化炭素を放出する、付記項11の二酸化炭素回収システム。
(付記項13)
前記電解ユニットの前記吸着物質は、金属有機構造体及び共有結合性有機構造体の少なくとも一方をさらに含み、
前記金属有機構造体及び/又は前記共有結合性有機構造体は、架橋部分として、酸化還元活性を有する前記化合物の分子を含む、
付記項11又は12の二酸化炭素回収システム。
(付記項14)
前記電解ユニットは、電解液を備え、
酸化還元活性を有する前記化合物は、前記電解液に含まれる、
付記項11又は12の二酸化炭素回収システム。
(付記項15)
酸化還元活性を有する前記化合物は、カルボニル化合物、ピリジル化合物及びイミド化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、付記項11乃至14のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項16)
前記電解ユニットは、作用極を備え、
前記電解ユニットの前記作用極は、集電体、及び、前記集電体の表面に形成される吸着層を備え、
前記吸着層は、前記吸着物質を含む、
付記項1~13、15のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項17)
前記電解ユニットは、電解液を備え、
前記吸着物質は、前記電解液に含まれる、
付記項1~12、14、15のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項18)
前記電解ユニットは、作用極を備え、
前記電解ユニットの前記作用極は、集電体を備え、
前記主電体は、多孔体を含む、
付記項1乃至17のいずれか1項の二酸化炭素回収システム。
(付記項19)
取込みユニットが配置される環境でのガスの流れを利用して、前記取込みユニットの取込み口から前記ガスを取込むことと、
電位に対応した電気応答によって吸着物質が二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能となる電解ユニットに、前記取込みユニットの前記取込み口から取込まれた前記ガスを流入させることと、
前記電位を調整することにより、前記電解ユニットおいて、前記取込み口から流入した前記ガスに含まれる二酸化炭素を前記吸着物質に吸着させるとともに、前記吸着物質に吸着した前記二酸化炭素を前記吸着物質から放出させることと、
前記吸着物質に吸着した後に前記吸着物質から放出された前記二酸化炭素を回収することと、
を具備する、二酸化炭素回収方法。
1…二酸化炭素回収システム、2…取込みユニット、5…流路、6…取込み口、7…断面積減少部、8…制御部、10…電解セル、11…風量計、12…流量調整バルブ、13…風向計、16…フィルタ、17…水位計、18…シャッター、21,22…温度計、25…流入切替えバルブ、26…排出切替えバルブ、30…回収ユニット、40…電源ユニット、42…作用極、49…吸着部材(吸着物質)、51…電解液、E1~En…電解ユニット、Va1~Van…流入切替えバルブ、Vb1~Vbn…排出切替えバルブ。

Claims (19)

  1. 取込み口が形成され、配置される環境でのガスの流れを利用して前記取込み口から前記ガスを取込む取込みユニットと、
    電位に対応した電気応答によって二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能な吸着物質を備え、前記取込みユニットの前記取込み口から取込まれた前記ガスが流入する電解ユニットと、
    前記電位を調整することにより、前記電解ユニットおいて、前記取込み口から流入した前記ガスに含まれる二酸化炭素を前記吸着物質に吸着させるとともに、前記吸着物質に吸着した前記二酸化炭素を前記吸着物質から放出させる電源ユニットと、
    前記吸着物質に吸着した後に前記吸着物質から放出された前記二酸化炭素を回収する回収ユニットと、
    を具備する、二酸化炭素回収システム。
  2. 前記取込みユニットの前記取込み口で取込まれた前記ガスの流量を計測する風量計と、
    前記取込み口と前記電解ユニットとの間に配置され、下流側へ向かう前記ガスの流量を調整する流量調整部と、
    前記風量計での計測結果に基づいて、前記流量調整部の作動を制御し、基準流量を超えない状態に、前記流量調整部を通って下流側へ向かう前記ガスの前記流量を制御する制御部と、
    をさらに具備する、請求項1の二酸化炭素回収システム。
  3. 前記取込みユニットが配置される前記環境において前記ガスが流れる方向を計測する風向計と、
    前記風向計での計測結果に基づいて、前記取込みユニットの姿勢を制御し、前記取込み口の開口方向を調整する制御部と、
    をさらに具備する、請求項1の二酸化炭素回収システム。
  4. 前記取込みユニットは、前記取込み口から前記電解ユニットへ向かって前記ガスが流れる流路をさらに備え、
    前記取込みユニットの前記流路には、前記取込み口から離れるにつれて前記取込み口での開口面積から前記流路の断面積が減少する断面積減少部が形成される、
    請求項1の二酸化炭素回収システム。
  5. 前記取込みユニットは、前記取込み口の開口方向が水平面に対して俯角を成す状態で配置される、請求項1の二酸化炭素回収システム。
  6. 前記取込みユニットが配置される前記環境において水位を計測する水位計と、
    前記取込みユニットの前記取込み口を開口させる状態と前記取込み口を閉塞する状態との間で作動状態が切替わる開閉部材と、
    前記水位計での計測結果に基づいて、前記開閉部材の作動を制御し、前記水位計で計測した前記水位が基準レベルを超えたことに基づいて、前記開閉部材によって前記取込み口を閉塞させる制御部と、
    をさらに具備する、請求項1の二酸化炭素回収システム。
  7. 前記取込み口を覆う状態で前記取込みユニットに取付けられるフィルタをさらに具備する、請求項1の二酸化炭素回収システム。
  8. 前記取込みユニットは、前記取込み口から取込んだ前記ガスを、加熱及び冷却することなく、前記電解ユニットに流入させる、請求項1の二酸化炭素回収システム。
  9. 前記取込みユニットは、-10℃以上かつ50℃以下の範囲のいずれかの温度で、前記取込み口から取込んだ前記ガスを、前記電解ユニットに流入させる、請求項8の二酸化炭素回収システム。
  10. 前記取込み口と前記電解ユニットとの間に配置され、下流側へ向かう前記ガスの流量を調整する流量調整部と、
    前記取込み口と前記流量調整部との間において、前記取込み口から取込まれた前記ガスの温度を計測する第1の温度計と、
    前記流量調整部と前記電解ユニットとの間において、前記流量調整部から前記下流側へ向かう前記ガスの温度を計測する第2の温度計と、
    をさらに具備する、請求項1の二酸化炭素回収システム。
  11. 前記電解ユニットの前記吸着物質は、酸化還元活性を有する化合物を含む、請求項1の二酸化炭素回収システム。
  12. 前記電解ユニットの前記吸着物質は、前記電位に対応した電気応答によって前記化合物が還元状態になることにより、前記二酸化炭素を吸着し、前記電位に対応した電気応答によって前記化合物が酸化状態になることにより、前記二酸化炭素を放出する、請求項11の二酸化炭素回収システム。
  13. 前記電解ユニットの前記吸着物質は、金属有機構造体及び共有結合性有機構造体の少なくとも一方をさらに含み、
    前記金属有機構造体及び/又は前記共有結合性有機構造体は、架橋部分として、酸化還元活性を有する前記化合物の分子を含む、
    請求項11の二酸化炭素回収システム。
  14. 前記電解ユニットは、電解液を備え、
    酸化還元活性を有する前記化合物は、前記電解液に含まれる、
    請求項11の二酸化炭素回収システム。
  15. 酸化還元活性を有する前記化合物は、カルボニル化合物、ピリジル化合物及びイミド化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項11の二酸化炭素回収システム。
  16. 前記電解ユニットは、作用極を備え、
    前記電解ユニットの前記作用極は、集電体、及び、前記集電体の表面に形成される吸着層を備え、
    前記吸着層は、前記吸着物質を含む、
    請求項1の二酸化炭素回収システム。
  17. 前記電解ユニットは、電解液を備え、
    前記吸着物質は、前記電解液に含まれる、
    請求項1の二酸化炭素回収システム。
  18. 前記電解ユニットは、作用極を備え、
    前記電解ユニットの前記作用極は、集電体を備え、
    前記集電体は、多孔体を含む、
    請求項1の二酸化炭素回収システム。
  19. 取込みユニットが配置される環境でのガスの流れを利用して、前記取込みユニットの取込み口から前記ガスを取込むことと、
    電位に対応した電気応答によって吸着物質が二酸化炭素を吸着可能かつ放出可能となる電解ユニットに、前記取込みユニットの前記取込み口から取込まれた前記ガスを流入させることと、
    前記電位を調整することにより、前記電解ユニットおいて、前記取込み口から流入した前記ガスに含まれる二酸化炭素を前記吸着物質に吸着させるとともに、前記吸着物質に吸着した前記二酸化炭素を前記吸着物質から放出させることと、
    前記吸着物質に吸着した後に前記吸着物質から放出された前記二酸化炭素を回収することと、
    を具備する、二酸化炭素回収方法。
JP2022126406A 2022-08-08 2022-08-08 二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法 Pending JP2024022946A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022126406A JP2024022946A (ja) 2022-08-08 2022-08-08 二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法
EP23157247.0A EP4321235A1 (en) 2022-08-08 2023-02-17 Carbon dioxide capture system and carbon dioxide capture method
US18/172,820 US20240042380A1 (en) 2022-08-08 2023-02-22 Carbon dioxide capture system and carbon dioxide capture method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022126406A JP2024022946A (ja) 2022-08-08 2022-08-08 二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024022946A true JP2024022946A (ja) 2024-02-21

Family

ID=85283591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022126406A Pending JP2024022946A (ja) 2022-08-08 2022-08-08 二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20240042380A1 (ja)
EP (1) EP4321235A1 (ja)
JP (1) JP2024022946A (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021041732A1 (en) * 2019-08-28 2021-03-04 Massachusetts Institute Of Technology Electrochemically mediated gas capture, including from low concentration streams
AU2021289475A1 (en) * 2020-06-11 2023-01-19 Verdox, Inc. Electroswing adsorption cell with patterned electrodes for separation of gas components
JP7459755B2 (ja) * 2020-10-20 2024-04-02 株式会社デンソー 電気化学セルおよび二酸化炭素回収システム
CN114504925B (zh) * 2021-12-31 2023-09-01 西安交通大学 一种利用清洁能源直接空气捕获二氧化碳的系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP4321235A1 (en) 2024-02-14
US20240042380A1 (en) 2024-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7137317B2 (ja) 屋内雰囲気中の二酸化炭素濃度を調整するためのシステムおよび方法
US11806663B2 (en) Electrochemical process for gas separation
Müller et al. Practical ex-situ technique to measure the chemical stability of anion-exchange membranes under conditions simulating the fuel cell environment
Voskian et al. Faradaic electro-swing reactive adsorption for CO 2 capture
Yuan et al. Membranes in non-aqueous redox flow battery: A review
US11598012B2 (en) Electrochemically mediated gas capture, including from low concentration streams
US9905876B2 (en) Redox flow cell comprising high molecular weight compounds as redox pair and semipermeable membrane for storage of electrical energy
US20090301297A1 (en) Producing Articles That Include Ionic Liquids
Shin et al. Irradiated PVdF-HFP–tin oxide composite membranes for the applications of direct methanol fuel cells
WO2021041732A1 (en) Electrochemically mediated gas capture, including from low concentration streams
Li et al. Challenges and Strategies of Anion Exchange Membranes in Hydrogen‐electricity Energy Conversion Devices
JPH07213848A (ja) 電気化学素子
US20230374197A1 (en) Quinone-containing poly(arylene), methods for the manufacture thereof, and use for electrochemical gas separation
JP2024022946A (ja) 二酸化炭素回収システム及び二酸化炭素回収方法
Sun et al. Zwitterionic microporous polymer with selective ion transport for durable lithium-sulfur batteries
JP2023147271A (ja) 選択的透過性バリア層を有する膜電極アセンブリ
KR102058740B1 (ko) 미세먼지 제거용 3차원 필터 및 이의 제조방법
US20230102938A1 (en) Carbon dioxide adsorption-desorption device
JP6971392B2 (ja) 空気−水抽出システム
AU2020335875A1 (en) Electrochemically mediated gas capture, including from low concentration streams
WO2023064329A1 (en) Electrochemical direct air capture of co2 using redox-active textiles
TW202218736A (zh) 酸性氣體分離設備、空氣清淨機、空氣調節器、及酸性氣體濃縮裝置
JP2013131326A (ja) 電気化学デバイス
US8748037B2 (en) Cathode and electrochemical device including cathode
CN110168142A (zh) 电化电池及其使用方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20230105