JP2024022810A - 形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法 - Google Patents

形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法 Download PDF

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健太郎 脇田
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Abstract

【課題】寸法の測定精度を向上させることができる形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法を提供すること。【解決手段】形鋼の形状測定方法は、ウェブの両端部にフランジを有する形鋼の長手方向に直交する断面の形状を表した断面プロフィールを、光切断法によって測定する断面プロフィール測定工程と、断面プロフィールを用いて形鋼の形状を測定する形状測定工程と、を有し、形状測定工程は、断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置を設定する基準位置設定工程と、測定基準位置を基準にして断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する寸法演算工程と、を有する。【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用申請有り JFE技報 No.48 2021年8月 ステンレス鋼・形鋼特集号 84頁~89頁
本発明は、形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法に関する。
従来、形鋼の寸法を自動測定する方法としては、複数のセンサを配置して被測定材が走間中に自動測定する方法と、被測定材を停止させた状態でセンサを走査させて自動測定する方法とが知られている。
特許文献1には、H形鋼に対して所定の光を照射する光源部と、H形鋼からの反射光を入力する複数個のラインセンサと、各ラインセンサからの受光信号よりH形鋼のエッジ位置を検出するエッジ位置検出部と、H形鋼の表面までの距離を測定する複数個の光波距離計と、エッジ位置検出部及び光波距離計からの測定信号を入力して、H形鋼の所定の外形寸法を演算する演算処理部とから構成した寸法測定装置を用いて、H形鋼の寸法を測定する方法が開示されている。
特許文献2には、上下左右に傾斜させた状態で配置されたレーザー距離計を走査して、レーザー距離計の距離データ、傾斜角、及び、走査中の位置データから溝形鋼の断面形状を求め、この断面形状に基づき溝形鋼の各部寸法を演算する方法と、その装置が開示されている。
特開平06-281429号公報 特開2007-240303号公報
特許文献1に開示された方法では、寸法測定装置によってH形鋼の搬送方向と直交する方向の同一断面における表面形状を、H形鋼の全周にわたって、且つ、H形鋼の長手方向の全長にわたって検出することができず、寸法測定装置の校正時に、H形鋼の各寸法の測定方向となる基準面を設定していた。そのため、寸法測定装置によってH形鋼の寸法を測定する際に、H形鋼を搬送する搬送テーブルの摩耗や搬送中のH形鋼のバタツキなどによって、測定断面が傾いて測定方向がずれることにより、幅寸法が小さく測定されてしまうなどの寸法の測定精度が悪化するという問題があった。
特許文献2に開示された方法は、溝形鋼に特化した寸法演算方法であり、溝形鋼以外の寸法測定には、そのままでは使えないという問題があった。また、特許文献2では、静止状態の溝形鋼に対してレーザー距離計を走査させて、距離データ、距離計の傾斜角、距離計の走査中の位置データなどから、溝形鋼の断面プロフィールを合成して求めている。この断面プロフィールから各部の寸法を演算するにあたり、溝形鋼の底面両端エッジを検出し、この両端エッジとなる二箇所を通る仮想線を引き、この仮想線の傾きθcに応じて、断面プロフィールの傾き補正を行い、演算の対象とするすべての寸法について、この傾き補正を前提にしている。このとき、両端エッジ部の検出が正確に行われないと、仮想線の傾きを正しく求めることができない。この結果、傾き補正がうまく行われずに、各部の寸法演算に大きな誤差が生じる場合があった。また、測定においては、レーザー距離計を溝形鋼の幅方向に移動させていく必要があり、寸法計測に時間がかかるという問題や、移動時のレーザー距離計の振動や移動位置の測定誤差が溝形鋼の寸法測定誤差につながる、という問題もあった。
なお、上述した各問題については、搬送方向と直交する断面で二箇所の屈曲部を有する形鋼の寸法を測定する場合に同様に生じ得る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、寸法の測定精度を向上させることができる形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、ウェブの両端部にフランジを有する形鋼の長手方向に直交する断面の形状を表した断面プロフィールを、光切断法によって測定する断面プロフィール測定工程と、前記断面プロフィールを用いて前記形鋼の形状を測定する形状測定工程と、を有し、前記形状測定工程は、前記断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置を設定する基準位置設定工程と、前記測定基準位置を基準にして前記断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する寸法演算工程と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記特定部位の寸法として、ウェブ高さ、ウェブ厚さ、フランジ幅、フランジ厚さ、直角度、フランジ折れ、中心偏り、ウェブ反り、及び、フランジ先端の形状の中から選ばれる1種以上の測定を実施することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記断面プロフィールに対して、ウェブ上面の、ウェブ両側のフランジとの接続部を除く部分から近似した第1の近似直線、または、ウェブ下面の、ウェブ両側のフランジとの接続部を除く部分から近似した第2の近似直線のいずれか一方から基準線を設定するか、あるいは、前記第1の近似直線と前記第2の近似直線との間の中心を通る直線を基準線として設定して、前記測定基準位置とすることを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記ウェブ高さの測定では、前記断面プロフィールに対して、一方側のフランジ外面と前記基準線とが交わる点を第1の交点とし、他方側のフランジ外面と前記基準線とが交わる点を第2の交点とし、前記基準線の延びる方向で、前記第1の交点と前記第2の交点との間の距離を前記ウェブ高さとして算出することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記ウェブ厚さの測定では、前記断面プロフィールに対して、一方側のフランジ外面と前記基準線とが交わる点を第3の交点とし、前記第3の交点からウェブ部の幅方向で内側の所定の位置において、前記基準線に対して垂直な第1の直線を引き、前記第1の直線と前記ウェブ上面とが交わる点を第4の交点とし、前記第1の直線と前記ウェブ下面とが交わる点を第5の交点とし、前記基準線と直交する方向で、前記第4の交点と前記第5の交点との間の距離を前記ウェブ厚さとして算出することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記フランジ幅の測定では、前記断面プロフィールに対して、前記基準線と平行であってフランジ部の最上点を通る第2の直線を引き、前記基準線と平行であって前記フランジ部の最下点を通る第3の直線を引き、前記基準線と直交する方向で、前記第2の直線と前記第3の直線との間の距離を前記フランジ幅として算出することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記フランジ幅の測定では、前記断面プロフィールに対して、前記基準線とフランジ外面とが交わる点を第6の交点とし、前記第6の交点から所定距離だけウェブ部の幅方向で内側の位置で、前記基準線に垂直な第4の直線を引き、前記第4の直線と前記ウェブ下面とが交わる点を第7の交点とし、前記基準線と平行であって、前記第7の交点を通る第5の直線を引き、前記基準線と平行であって、フランジ部の最上点を通る第6の直線を引き、前記基準線と直交する方向で、前記第5の直線と前記第6の直線との間の距離を前記フランジ幅として算出することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記フランジ厚さの測定では、前記断面プロフィールに対して、前記基準線と平行であって、フランジ部の所定の位置を通る第7の直線を引き、前記フランジ部のフランジ外面と前記第7の直線とが交わる点を第8の交点とし、前記フランジ部のフランジ内面と前記第7の直線とが交わる点を第9の交点とし、前記基準線の延びる方向で、前記第8の交点と前記第9の交点との間の距離を前記フランジ厚さとして算出することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記直角度の測定では、前記断面プロフィールに対して、フランジ外面上であって、フランジ上端面及びフランジ下端面の先端形状の影響がない領域において、前記基準線の延びる方向で最も外側に位置する点を通り、前記基準線に垂直な第8の直線を引き、前記フランジ外面上であって、前記フランジ上端面及び前記フランジ下端面の先端形状の影響がない領域において、前記基準線の延びる方向で最も内側に位置する点を通り、前記基準線に垂直な第9の直線を引き、前記基準線の延びる方向で、前記第8の直線と前記第9の直線との間の距離を前記直角度として算出することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記フランジ折れの測定では、前記断面プロフィールに対して、フランジ外面と前記基準線とが交わる点を第10の交点とし、前記フランジ外面上であって、フランジ上端面の先端形状の影響がなくなる限界の点を通り、前記基準線と直交する第11の直線を引き、前記フランジ外面上であって、フランジ下端面の先端形状の影響がなくなる限界の点を通り、前記基準線と直交する第12の直線を引き、前記基準線の延びる方向で、前記第10の交点から前記第11の直線までの距離を前記フランジ上端面側のフランジ折れとして算出し、前記基準線の延びる方向で、前記第10の交点から前記第12の直線までの距離を前記フランジ下端面側のフランジ折れとして算出することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記中心偏りの測定では、前記断面プロフィールに対して、フランジ部のフランジ外面と前記基準線とが交わる点を第11の交点とし、前記基準線と平行であって、前記フランジ部の最上点を通る第13の直線を引き、前記基準線と平行であって、前記フランジ部の最下点を通る第14の直線を引き、前記第11の交点からフランジ厚さの公称値に加えて任意の距離だけ、ウェブ部の幅方向で内側の任意の位置において、前記基準線に対して垂直な第15の直線を引き、前記第15の直線と前記ウェブ上面とが交わる点を第12の交点とし、前記第15の直線と前記ウェブ下面とが交わる点を第13の交点とし、前記基準線と直交する方向で、前記第12の交点と前記第13の直線との間の第3の距離を算出し、前記基準線と直交する方向で、前記第13の交点と前記第14の直線との間の第4の距離を算出し、前記第3の距離と前記第4の距離との差分に1/2を乗じた値を算出することにより、前記中心偏りを測定することを特徴するものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記ウェブ反りの測定では、前記断面プロフィールに対して、両側のフランジ外面からそれぞれフランジ厚さの公称値に加えて任意の距離だけ、ウェブ部の幅方向で内側の任意の二箇所の位置で、前記基準線に垂直な第16の直線及び第17の直線を引き、前記ウェブ上面または前記ウェブ下面と、前記第16の直線及び前記第17の直線がそれぞれ交わる点を第14の交点及び第15の交点とし、前記基準線の延びる方向で、前記第14の交点と前記第15の交点とを結ぶ第18の直線を引き、前記基準線と直交する方向で、前記ウェブ上面または前記ウェブ下面と前記第18の直線との間の距離の最大値を前記ウェブ反りとして算出することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記フランジ先端の形状の測定では、前記断面プロフィールに対して、フランジ部のフランジ外面に沿って延びた第19の直線を引き、前記フランジ部のフランジ上端面に沿って延び、前記第19の直線と交わる第20の直線を引き、前記第19の直線と前記第20の直線とが交わる第16の交点を通り、前記第19の直線と前記第20の直線とを等角で分割する方向に第21の直線を引き、前記第21の直線と前記フランジ上端面とが交わる点を第17の交点とし、前記第21の直線の延びる方向で、前記第16の交点と前記第17の交点との間の第5の距離を算出することにより、前記フランジ先端の形状を測定することを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の形状測定方法は、上記の発明において、前記形鋼は、H形鋼または溝形鋼であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る形鋼の製造方法は、上記の発明の形鋼の形状測定方法によって、前記形鋼の形状を測定する工程を備えることを特徴とするものである。
本発明に係る形鋼の形状測定方法、及び、形鋼の製造方法は、寸法の測定精度を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る形状測定装置を備えた形鋼の製造設備の要部の概略構成を示した図である。 図2は、実施形態に係る形状測定装置の概略構成の一例を示したブロック図である。 図3は、実施形態に係る形状測定装置の8つの測定センサの配置位置の一例を示した図である。 図4は、実施形態に係る測定センサの概略構成の一例を示した図である。 図5は、H形鋼の断面プロフィールの一例を示した図である。 図6は、H形鋼の断面プロフィールにおいて基準線の設定方法の一例を示した図である。 図7は、H形鋼のウェブ高さの測定ロジックを示す図である。 図8は、H形鋼のウェブ厚さの測定ロジックを示す図である。 図9は、H形鋼のフランジ幅の測定ロジックを示す図である。 図10は、H形鋼のフランジ厚さの測定ロジックを示す図である。 図11は、H形鋼の直角度の測定ロジックを示す図である。 図12は、H形鋼のフランジ折れの測定ロジックを示す図である。 図13は、H形鋼の中心偏りの測定ロジックを示す図である。 図14は、H形鋼のウェブ反りの測定ロジックを示す図である。 図15は、H形鋼のフランジ先端の形状の測定ロジックを示す図である。 図16は、溝形鋼の断面プロフィールの一例を示した図である。 図17は、溝形鋼の断面プロフィールにおいて基準線の設定方法の一例を示した図である。 図18は、溝形鋼のウェブ高さの測定ロジックを示す図である。 図19は、溝形鋼のウェブ厚さの測定ロジックを示す図である。 図20は、溝形鋼のフランジ幅の測定ロジックを示す図である。 図21は、溝形鋼のフランジ厚さの測定ロジックを示す図である。 図22は、溝形鋼の直角度の測定ロジックを示す図である。 図23は、溝形鋼のウェブ反りの測定ロジックを示す図である。 図24は、溝形鋼のフランジ先端の形状の測定ロジックを示す図である。 図25は、サンプル試験片の各寸法について、実施形態に係る形状測定装置1によって測定された寸法と、5回手動測定した寸法の平均値との差(寸法差)をプロットした図である。
以下に、本発明に係る形鋼の形状測定方法及び形鋼の製造方法の実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る形鋼2の製造設備10の要部の概略構成を示した図である。実施形態に係る形鋼2の製造設備10に適用される形鋼2の製造方法においては、H形鋼及び溝形鋼などのウェブの両端部にフランジを有する形鋼2の形状を測定する工程を備えている。実施形態に係る形鋼2の製造設備10では、形鋼圧延工程などによって目的とする形状に成形された形鋼2が、形状測定装置1などを用いた検査工程で形状や寸法などの検査が行われる。本実施形態の検査工程では、形鋼搬送装置3で検査対象の形鋼2を、形鋼2の長手方向に搬送中に、形状測定装置1によって形鋼2の形状や寸法を測定する。また、実施形態における形鋼2の製造設備10では、形状測定装置1による形鋼の測定の後工程に検査床があり、形状測定装置1の測定結果を基にして、作業者が形鋼2の形状や寸法などの最終判定を行っている。
図1に示すように、形鋼搬送装置3は、形鋼2を長手方向に沿って搬送するための装置である。本実施形態の形鋼搬送装置3には、搬送方向に沿って配列した複数の搬送ローラ31が設けられており、複数の搬送ローラ31によって形鋼2を下側から支持して、形鋼2を長手方向に向けて搬送可能となっている。
また、図1に示すように、形鋼搬送装置3には、形状測定装置1の入口側(搬送方向上流側)と出口側(搬送方向下流側)とのそれぞれに、形鋼2の幅方向で対向する一対の入口側可変ガイド32a,32b及び一対の出口側可変ガイド33a,33bが配置されている。すなわち、一対の入口側可変ガイド32a,32b及び一対の出口側可変ガイド33a,33bは、搬送ローラ31上に配置された形鋼2を挟んで対向配置している。一対の入口側可変ガイド32a,32b及び一対の出口側可変ガイド33a,33bは、形鋼2の搬送方向と直交する幅方向で位置を変更可能に設けられている。そして、一対の入口側可変ガイド32a,32b及び1対の出口側可変ガイド33a,33bの前記幅方向の位置を、形鋼搬送装置3で搬送される形鋼2の種類やサイズに応じて変更する。これにより、一対の入口側可変ガイド32a,32bによって形鋼2の搬送をガイドして、形鋼2の斜行を低減し、形状測定装置1に形鋼2が衝突することを抑制するとともに、形状測定装置1の測定領域F(図3参照)内に形鋼2を通過させることができる。また、一対の出口側可変ガイド33a,33bによって、形状測定装置1の測定領域F内を通過した後の形鋼2の搬送をガイドして、形鋼2の斜行を低減しつつ、後工程に形鋼2を搬送することができる。本願発明においては、このような設備構成とすることによって、搬送移動中の形鋼に対しても、短時間で精度よく寸法を測定することができる。
実施形態に係る形状測定装置1に適用される形鋼2の形状測定方法は、搬送される形鋼2の長手方向(すなわち形鋼2の搬送方向)と直交する断面の形状を表した断面プロフィールを、光切断法によって測定する断面プロフィール測定工程と、前記断面プロフィールを用いて形鋼2の形状を測定する形状測定工程と、を有する。さらに、形状測定工程は、前記断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置を設定する基準位置設定工程と、測定基準位置を基準にして前記断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する寸法演算工程とを有する。
図2は、実施形態に係る形状測定装置1の概略構成の一例を示したブロック図である。図2に示すように、実施形態に係る形状測定装置1は、複数の第1のセンサである8つの測定センサ100A~100H、入力装置110、制御装置120、寸法演算装置である演算処理装置130、表示装置140、及び、回転装置であるチルト装置160などを備えている。なお、本明細書においては、複数の第1のセンサである測定センサ100が8つの例について説明するが、複数の第1のセンサである測定センサの個数は8に限定されない。
図3は、実施形態に係る形状測定装置1の8つの測定センサ100A~100Hの配置位置の一例を示した図である。なお、図3は、形鋼2の搬送方向で上流側から見た図である。図3に示すように、8つの測定センサ100A~100Hは、搬送される形鋼2の周りを囲むように支持部材11に支持されて配置されている。本実施形態では、形状測定装置1における形鋼2の搬送方向と直交する断面で左右対称となるように、支持部材11の内周に環状で配置されている。また、本実施形態では、形状測定装置1に搬送された形鋼2に対して、形鋼2の上方に3つの測定センサ100A,100B,100Hが配置され、形鋼2の幅方向で2つの測定センサ100C,100Gが形鋼2を挟むように対向配置され、形鋼2の下方に3つの測定センサ100D,100E,100Fが配置されている。なお、8つの測定センサ100A~100Hが、初期位置であるホームポジションに位置するときに、測定センサ100Aは最上位置に位置しており、測定センサ100Eが最下位置に位置している。
8つの測定センサ100A~100Hは、形鋼2の搬送方向で位置を揃えて配置されており、光切断法を用いて、形鋼2の搬送方向と直交する方向の同一断面における表面形状を、形鋼2の全周にわたって測定する。実施形態に係る形状測定装置1では、8つの測定センサ100A~100Hに囲まれた所定の測定領域F1内を形鋼2が通過する際に、形鋼2の所定の断面における表面形状の測定が行われる。
また、実施形態に係る形状測定装置1では、チルト装置160(図2参照)によって、8つの測定センサ100A~100Hが配置された支持部材11を、形鋼2の搬送方向に延びる回転軸線AXを中心に回転させて傾けることが可能なように構成されている。そして、実施形態に係る形状測定装置1では、ホームポジションで最上位置にある測定センサ100Aが、形鋼2のウェブに対して垂直となる位置に位置するように、チルト装置160によって回転軸線AXを中心に支持部材11(8つの測定センサ100A~100H)を回転させて傾けることができる。すなわち、形鋼を搬送する搬送ローラ31の偏摩耗や形状測定を行う形鋼の形状不良などに起因して、形鋼のウェブ面が水平面から傾いた状態で測定を行う場合においても、チルト装置160の回転調整によって、測定センサのうちの一部についてウェブ面に対して、垂直となる方向から計測を行うことができる。これによって、形鋼のウェブ厚さ、ウェブ高さ、フランジ厚さ、及び、フランジ幅などの測定を最も精度よく行うことができるのである。
ここで、実施形態に係る形状測定装置1においては、8つの測定センサ100A~100Hの構成が同じであり、8つの測定センサ100A~100Hを特に区別しない場合には、単に測定センサ100と記載する。
図4は、実施形態に係る測定センサ100の概略構成の一例を示した図である。図4に示すように、光切断法を用いて形鋼2の形状を測定する測定センサ100は、第1の光源であるスリット光源101、第1の撮像手段である撮像装置102、及び、筐体103などによって構成されている。
スリット光源101は、例えば、半導体レーザー素子及びレンズを一体化したスリットレーザー光源を用いて実現され、所定の波長帯域の二次元レーザー光であるスリット光Li1を形鋼2の表面2aに照射する。実施形態に係る形状測定装置1では、8つの測定センサ100A~100Hのそれぞれに設けられたスリット光源101から、形鋼2の表面2aとして形鋼2の同一断面の外周面に、スリット光Li1を照射するように設定されている。
撮像装置102は、スリット光源101に対して形鋼2の搬送方向で上流側に配置されており、形鋼2の表面2aで反射したスリット光Li1の反射光Li2を、スリット光Li1の照射方向とは別の方向から撮像する。また、撮像装置102は、撮影した反射光Li2に関する信号を、後述する演算処理装置130に出力する。
筐体103は、スリット光源101及び撮像装置102を収容する収容部材であって、スリット光Li1及び反射光Li2が遮られないように、形鋼2と対向する側の面が開口した箱形状であり、支持部材11(図3参照)に固定されている。
図2に戻って、入力装置110は、物理スイッチやタッチパネルなどを用いて構成されており、作業者の入力操作に対応して、測定開始を指示する開始指示信号、測定終了を指示する終了指示信号、及び、測定対象の形鋼2の種類やサイズに関する信号などの各種信号を制御装置120に出力する。
制御装置120は、入力装置110からの各種信号をもとに、8つの測定センサ100A~100H、及び、チルト装置160の動作などを制御する。
演算処理装置130は、断面プロフィール生成部131と、基準設定部132と、寸法演算部133とを備えている。断面プロフィール生成部131は、8つの測定センサ100A~100Hのそれぞれの撮像装置102から出力されたデータをもとに、三角測量によって形鋼2の表面上における反射光Li2の反射位置(スリット光Li1の照射位置)と撮像装置102との間の距離を、8つの測定センサ100A~100H毎に演算して求めて、8つの二次元プロフィールとして取得する。そして、演算処理装置130は、形鋼2の同一断面における8つの二次元プロフィールを合成し、形鋼2の同一断面における全周の表面形状の情報として、1つの断面プロフィールを生成する。基準設定部132は、断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置(基準線)を設定する。寸法演算部133は、前記測定基準位置(基準線)を基準にして断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する。
なお、演算処理装置130は、生成した断面プロフィールの形鋼2における長手方向の位置を、形状測定装置1の入口側(搬送方向上流側)に配置されたレーザードップラー式速度計4(図1参照)が測定した、形鋼2の搬送速度(移動速度)などを用いて導出している。演算処理装置130は、生成した断面プロフィールに基づいて、基準設定部132と寸法演算部133とにより、形鋼2の寸法を演算して導出する。また、演算処理装置130は、生成した断面プロフィールに関する信号や、導出した形鋼2の寸法に関する信号などの各種信号を、表示装置140に出力する。
なお、実施形態に係る形状測定装置1は、形鋼2の搬送中に形鋼2の表面形状の測定を行うため、形鋼2の長手方向で連続的に複数の断面プロフィールを生成し、この生成した複数の断面プロフィールを形鋼2の長手方向で結合することによって、形鋼2の長手方向にわたる表面形状の情報である三次元プロフィールを生成することができる。
表示装置140は、演算処理装置130から出力された各種信号に基づいて、形鋼2の断面プロフィール(表面形状)や寸法などをディスプレイに表示する。
図1に戻って、実施形態に係る形鋼2の製造設備10では、製造ライン上で形鋼2の形状を測定するオンライン位置と、形状測定装置1のメンテナンスを行う、製造ラインから外れたオフライン位置との間を、リトラクト装置5によって形状測定装置1が移動可能に構成されている。
図1に示すように、実施形態に係る形鋼2の製造設備10には、形状測定装置1のオフライン位置に対応させてサンプル測定用装置6が設置されている。サンプル測定用装置6は、例えば、アルミニウム合金で作製されたサンプル試験片を備えている。そして、オフライン位置で形状測定装置1にサンプル試験片の形状を測定させて、作業者が形状測定装置1の動作確認や測定精度の確認などを行う。
また、実施形態に係る形鋼2の製造設備10では、形状測定装置1の8つの測定センサ100A~100Hの校正を行う校正装置を、形状測定装置1に搭載することができる。校正装置は、形状測定装置1がオフライン位置に位置するときに、形状測定装置1の内部に格納された校正専用の試験片を用いて、形状測定装置1の8つの測定センサ100A~100Hの校正を自動的に行うことが可能となっている。
また、実施形態に係る形鋼2の製造設備10には、形状測定装置1によって形鋼2の形状の測定が行われる前に、形鋼2の表面に付着した水滴を、形鋼2の表面に空気を吹き付けて除去するためのエアパージを設置することができる。実施形態に係る形鋼2の製造設備10では、エアパージによって形鋼2の表面から水滴を除去して、形状測定装置1によって形鋼2の形状の測定を行うことにより、水滴による疵の過検出や水濡れによる断面プロフィールの欠損を抑制することができる。
次に、実施形態に係る形状測定装置1による形鋼2の寸法の測定方法の一例について説明する。実施形態に係る形状測定装置1では、例えば、形鋼2の長手方向に1[mm]ピッチで、8つの測定センサ100A~100Hによって測定した断面プロフィールのうち、25[mm]毎の断面プロフィールを用いて、形鋼2の断面における特定部位の寸法の測定を行う。このような処理が、断面プロフィール測定工程に相当する。また、実施形態に係る形状測定装置1では、形鋼2の種類やサイズごとに作成した寸法測定プログラムに、各寸法の測定ロジックが組み込まれている。本実施形態においては、ウェブの両端部にフランジを有する形鋼2として、H形鋼及び溝形鋼の断面における特定部位の寸法を測定する際の測定ロジックについて説明する。すなわち、以下、形状測定工程について、そして、基準位置設定工程及び寸法演算工程という形状測定工程に含まれる工程についても説明する。
図5は、H形鋼の断面プロフィール200の一例を示した図である。なお、図5に示した断面プロフィール200は、H形鋼を搬送方向で下流側から見た断面に相当する。図5中、符号210はウェブ部、符号211はウェブ上面、符号212はウェブ下面、符号220a,220bはフランジ部、符号221a,221bはフランジ外面、符号222a,222bはフランジ上内面、符号223a,223bはフランジ下内面、符号224a,224bはフランジ上端面、及び、符号225a,225bはフランジ下端面である。
本実施形態において、H形鋼の断面プロフィール200を用いて寸法測定を行うにあたり、まず、X軸とY軸を備える2次元座標平面上における断面プロフィール200の座標(座標位置)を決定する。例えば、ウェブの厚み方向をY軸方向として、このY軸と直交する方向をX軸方向とするX軸とY軸との2次元座標表面上における断面プロフィール200の座標を決める。
図6は、H形鋼の断面プロフィール200において基準線BL1の設定方法の一例を示した図である。実施形態に係るH形鋼の形状測定方法においては、H形鋼の断面プロフィール200に対して、ウェブ部210における両側のフランジ部220a,220bとの接続部分(R部分)よりも内側で前記接続部分の影響を受けない部分において、ウェブ上面211及びウェブ下面212のそれぞれの直線部分を近似した近似直線L1,L2を引く。ウェブ上面211及びウェブ下面212のそれぞれの図面上の形状が直線となる部分から近似直線L1,L2を得るには、一般的な直線近似の手法を用いることができ、例えば、最小二乗法や最小絶対値法を採用することができるほか、直交回帰直線(最小距離二乗法)を用いることもできる。なお、ここでいう「図面上の形状が直線となる部分」とは、製造目標としている製品目標形状が直線状となる部分であり、実際には、製造のばらつきなどにより、直線形状とはならずに湾曲形状となる部分や凹凸を有する部分が含まれる場合もある。
そして、「(1)近似直線L1を基準線BL1とする。」、「(2)近似直線L2を基準線BL1とする。」、及び、「(3)近似直線L1と近似直線L2との間の中心を通る直線を基準線BL1とする。」という3つの方法から選択して基準線BL1を設定することができる。なお(1)または(2)の方法を選択する場合は、使用しない近似直線は算出する必要はない。図6では(3)の方法を示している。
また、この基準線BL1の延びる方向が、断面プロフィール200におけるH形鋼の幅方向となり、基準線BL1は断面プロフィール200における寸法の方向を決める役割を有する。この基準線BL1の設定にあたり、H形鋼の断面プロフィールデータ中の、ウェブを構成する部分の多数のデータを用いているため、正確な基準線として設定できるのである。このように、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、ウェブ部210を基準とした基準線BL1を設定することができる。さらには、上述のように、ウェブ上面211及びウェブ下面212のそれぞれの直線部分の近似化の範囲からウェブ部210の非直線部分であるフランジ部220a,220bとの接続部分(R部分)を除くことによって、ウェブ上面211及びウェブ下面212のそれぞれの直線部分に対して、より平行に近い基準線BL1を設定することができる。
このように、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法においては、8つの測定センサ100A~100Hにより、光切断法によって取得した断面プロフィール200上に、H形鋼の形状及び姿勢に基づいた、寸法測定の基準となる基準線BL1を設定することによって、寸法の測定精度を向上させることができる。
図7は、H形鋼のウェブ高さHの測定ロジックを示す図である。H形鋼のウェブ高さHの測定では、断面プロフィール200において、基準線BL1を引き、一方側のフランジ外面221aと基準線BL1とが交わる点を交点P1とし、他方側のフランジ外面221bと基準線BL1とが交わる点を交点P2とする。そして、基準線BL1の延びる方向で、交点P1と交点P2との間の距離をウェブ高さHとして算出する。これにより、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、より精度の高いH形鋼のウェブ高さHの測定結果を得ることができる。
図8は、H形鋼のウェブ厚さt1の測定ロジックを示す図である。H形鋼のウェブ厚さt1の測定では、断面プロフィール200に対して、基準線BL1を引き、一方側のフランジ外面221aと基準線BL1とが交わる点を交点P3とする。次に、交点P3からウェブ部210の幅方向で内側の所定の位置において、基準線BL1に対して垂直な垂線L3を引く。次に、垂線L3とウェブ上面211とが交わる点を交点P4とする。同様に、垂線L3とウェブ下面212とが交わる点を交点P5とする。そして、基準線BL1と直交する方向で、交点P4と交点P5との間の距離をウェブ厚さt1として算出する。なお、ウェブ厚さt1を求めるために垂線L3を引く位置は、製品仕様や規格に従って設定すればよい。これにより、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、より精度の高いH形鋼のウェブ厚さt1の測定結果を得ることができる。
図9は、H形鋼のフランジ幅Bの測定ロジックを示す図である。H形鋼のフランジ幅Bの測定では、断面プロフィール200に対して、基準線BL1を引き、基準線BL1と平行であってフランジ部220bの最上点P6(すなわち基準線BL1からの距離が最大の点)を通る直線L4を引く。同様に、基準線BL1と平行であってフランジ部220bの最下点P7(すなわち基準線BL1からの距離が最大の点)を通る直線L5を引く。そして、基準線BL1と直交する方向、すなわち、図9において、断面プロフィール200における高さ方向で、直線L4と直線L5との間の距離をフランジ幅Bとして算出する。これにより、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、より精度の高いH形鋼のフランジ幅Bの測定結果を得ることができる。
図10は、H形鋼のフランジ厚さt2の測定ロジックを示す図である。H形鋼のフランジ厚さt2の測定では、断面プロフィール200に対して、基準線BL1を引き、基準線BL1と平行であってフランジ部220bの所定の位置を通る直線L6を引く。この所定の位置としては、ウェブ部210とフランジ部220bとの接続部分のR形状の影響を受けない位置を、製品仕様や規格に従って設定すればよい。次に、フランジ部220bのフランジ外面221bと直線L6とが交わる点を交点P8とする。同様に、フランジ部220bのフランジ上内面222bと直線L6とが交わる点を交点P9とする。そして、基準線BL1の延びる方向で、交点P8と交点P9との間の距離をフランジ厚さt2として算出する。これにより、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、より精度の高いH形鋼のフランジ厚さt2の測定結果を得ることができる。
図11は、H形鋼の直角度TF,TDの測定ロジックを示す図である。まず、H形鋼の幅方向でフランジ部220a側におけるH形鋼の直角度TFの測定では、断面プロフィール200において、基準線BL1を引く。次に、フランジ外面221a上であって、フランジ上端面224a及びフランジ下端面225aの先端形状の影響がない領域において、基準線BL1の延びる方向で最も外側に位置する点P10outを通り、基準線BL1と垂直となる垂線L7を引く。また、フランジ外面221a上であって、フランジ上端面224a及びフランジ下端面225aの先端形状の影響がない領域において、基準線BL1の延びる方向で最も内側に位置する点P10inを通り、基準線BL1と垂直となる垂線L9を引く。そして、基準線BL1の延びる方向で、垂線L7と垂線L9との間の距離を直角度TFとして算出する。
同様に、H形鋼の幅方向でフランジ部220b側におけるH形鋼の直角度TDの測定では、断面プロフィール200において、基準線BL1を引く。次に、フランジ外面221b上であって、フランジ上端面224b及びフランジ下端面225bの先端形状の影響がない領域において、基準線BL1の延びる方向で最も外側に位置する点P11outを通り、基準線BL1と垂直となる垂線L8を引く。また、フランジ外面221b上であって、フランジ上端面224b及びフランジ下端面225bの先端形状の影響がない領域において、基準線BL1の延びる方向で最も内側に位置する点P11inを通り、基準線BL1と垂直となる垂線L10を引く。そして、基準線BL1の延びる方向で、垂線L8と垂線L10との間の距離を直角度TDとして算出する。
これにより、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、且つ、フランジ先端のR部分との隙間を避けて、より精度の高いH形鋼の直角度TF,TDの測定結果を得ることができる。
図12は、H形鋼のフランジ折れの測定ロジックを示す図である。まず、フランジ部220a側におけるH形鋼のフランジ折れの測定では、断面プロフィール200において、基準線BL1を引く。そして、フランジ外面221aと基準線BL1とが交わる点を交点P13とする。次に、フランジ外面221a上であって、フランジ上端面224aの先端形状の影響がなくなる限界の点である点P12を通り、基準線BL1と直交する垂線L11を引く。また、フランジ外面221a上であって、フランジ下端面225aの先端形状の影響がなくなる限界の点である点P14を通り、基準線BL1と直交する垂線L13を引く。図12において、左上側(フランジ上端面224a側)のフランジ折れは、基準線BL1の延びる方向で、交点P13から垂線L11までの距離aで表すことができる。また、図12において、左下側(フランジ下端面225a側)のフランジ折れは、基準線BL1の延びる方向で、交点P13から垂線L13までの距離bで表すことができる。
同様に、図12で、フランジ部220b側におけるH形鋼のフランジ折れの測定では、断面プロフィール200において、基準線BL1を引く。そして、フランジ外面221bと基準線BL1とが交わる点を交点P15とする。次に、フランジ外面221b上であって、フランジ上端面224bの先端形状の影響がなくなる限界の点である点P16を通り、基準線BL1と直交する垂線L15を引く。図12において、右上側(フランジ上端面224b側)のフランジ折れは、基準線BL1の延びる方向で、交点P15から垂線L15までの距離dで表すことができる。また、図12において、右下側(フランジ下端面225b側)のフランジ折れについても、同様の方法で表すことができる。なお、上下左右4か所のフランジ折れについては、フランジ先端側が外側に折れ曲がっている場合に正の符号をつけて表し、フランジ先端側が内側に折れ曲がっている場合には負の符号をつけて表すことが多い。
これにより、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、且つ、フランジ先端のR部分との隙間を避けて、より精度の高いH形鋼のフランジ折れの測定結果を得ることができる。
図13は、H形鋼の中心偏りの測定ロジックを示す図である。H形鋼の中心偏りの測定では、断面プロフィール200に対して、基準線BL1を引き、フランジ部220aのフランジ外面221aと基準線BL1とが交わる点を交点P17とする。次に、基準線BL1と平行であってフランジ部220aの最上点P18を通る直線L16を引く。同様に、基準線BL1と平行であってフランジ部220aの最下点P19を通る直線L17を引く。次に、交点P17からフランジ厚さの公称値に加えて任意の距離だけ、ウェブ部210の幅方向で内側の任意の位置において、基準線BL1に対して垂直な垂線L18を引く。この垂線L18を引く位置としては、ウェブ部210とフランジ部220aと接続部分のR形状の影響を受けない位置に設定すればよい。次に、垂線L18とウェブ上面211とが交わる点を交点P20とする。同様に、垂線L18とウェブ下面212とが交わる点を交点P21とする。次に、基準線BL1と直交する方向で、交点P20と直線L16との間の距離eを算出する。同様に、基準線BL1と直交する方向(H形鋼の高さ方向)で、交点P21と直線L17との間の距離fを算出する。そして、距離eと距離fとの差分に1/2を乗じた値を算出することにより、H形鋼の中心偏りを求める。
これにより、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、より精度の高いH形鋼の中心偏りの測定結果を得ることができる。
図14は、H形鋼のウェブ反りの測定ロジックを示す図である。H形鋼のウェブ反りの測定では、断面プロフィール200に対して、基準線BL1を引き、フランジ外面221a,221bからそれぞれフランジ厚さの公称値に加えて任意の距離だけ、ウェブ部210の幅方向で内側の任意の二箇所の位置で、基準線BL1に垂直な垂線L19,L20を引く。垂線L19を引く位置としては、ウェブ部210とフランジ部220aとの接続部分のR形状の影響を受けない位置に設定すればよい。同様に、垂線L20を引く位置としては、ウェブ部210とフランジ部220bとの接続部分のR形状の影響を受けない位置に設定すればよい。次に、垂線L19とウェブ上面211とが交わる点を交点P25とし、垂線L20とウェブ上面211とが交わる点を交点P26とする。次に、基準線BL1の延びる方向で、交点P25と交点P26とを結ぶ直線L21を引く。次に、直線L21と垂直であって、直線L21を分割する複数の垂線L22,L23,L24,L25,L26を引く。そして、各垂線L22,L23,L24,L25,L26上において、直線L21とウェブ上面211との間の距離g,h,i,j,kを算出し、算出した各距離g,h,i,j,kのうち、絶対値が最大となる値をウェブ反りとする。ウェブ反りの方向が図14とは逆の方向の場合、距離g,h,i,j,kがマイナスとなるので、これらのうちの絶対値が最大となる値にマイナスの符号をつけてウェブ反りとする。なお、直線L21を分割する垂線の本数や間隔は、製品仕様や規格に応じて適宜選択することができる。これにより、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、より精度の高いH形鋼のウェブ反りの測定結果を得ることができる。
図15は、H形鋼のフランジ先端の形状の測定ロジックを示す図である。H形鋼のフランジ先端の形状の測定では、フランジ部220aのフランジ外面221aに沿って延びた直線L27を引く。次に、フランジ部220aのフランジ上端面224aに沿って延びる直線L28を引く。次に、直線L27と直線L28とが交わる点を交点P27とする。次に、交点P27を通り、直線L27と直線L28とを等角で分割する方向に直線L29を引く。直線L27と直線L28とが直交している場合には、交点P27から各直線L27,L28に対して45[°]の開きを持つ方向に直線L29を引く。次に、直線L29とフランジ上端面224aとが交わる点を交点P28とする。そして、直線L29の延びる方向で、交点P27と交点P28との間の距離m1を算出することにより、フランジ先端の形状を求める。これにより、実施形態に係るH形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時のH形鋼の姿勢によらず、より精度のH形鋼のフランジ先端の形状の測定結果を得ることができる。
図16は、溝形鋼の断面プロフィール300の一例を示した図である。なお、図16に示した断面プロフィール300は、溝形鋼を搬送方向で下流側から見た断面に相当する。図16中、符号310はウェブ部、符号311はウェブ上面、符号312はウェブ下面、符号320a,320bはフランジ部、符号321a,321bはフランジ外面、符号322a,322bはフランジ内面、及び、符号323a,323bはフランジ端面である。
本実施形態において、溝形鋼の断面プロフィール300を用いて寸法測定を行うにあたり、まず、X軸とY軸を備える2次元座標平面上における断面プロフィール300の座標(座標位置)を決定する。例えば、ウェブ方向をY軸方向として、このY軸と直交する方向をX軸とするX軸とY軸との2次元座標表面上における断面プロフィール300の座標を決める。
図17は、溝形鋼の断面プロフィール300において基準線BL2の設定方法の一例を示した図である。実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法においては、溝形鋼の断面プロフィール300に対して、ウェブ部310における両側のフランジ部320a,320bとの接続部分(R部分)よりも内側で前記接続部分の影響を受けない部分において、ウェブ上面311及びウェブ下面312のそれぞれの直線部分を近似した近似直線L31,L32を引く。ウェブ上面311及びウェブ下面312のそれぞれの直線部分から近似直線L31,L32を得るには、一般的な直線近似の手法を用いることができ、例えば、最小二乗法や最小絶対値法を採用することができるほか、直交回帰直線(最小距離二乗法)を用いることもできる。そして、近似直線L31,L32との間の中心を通る直線を基準線BL2として引く。この基準線BL2の延びる方向が、断面プロフィール300における溝形鋼の幅方向となり、基準線BL2は断面プロフィール300における寸法の方向を決める役割を有する。このように、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の溝形鋼の姿勢によらず、ウェブ部310を基準とした基準線BL2を設定することができる。さらには、上述のように、ウェブ上面311及びウェブ下面312のそれぞれの直線部分の近似化の範囲からウェブ部310の非直線部分であるフランジ部320a,320bとの接続部分(R部分)を除くことによって、ウェブ上面311及びウェブ下面312のそれぞれの直線部分に対して、より平行に近い基準線BL2を設定することができる。なお、基準線BL2についても、H形鋼の場合と同様に、近似直線L31や近似直線L32を基準線BL2としてもよい。この基準線BL2の設定にあたり、本願では、溝形鋼の断面プロフィールデータ中の、ウェブを構成する部分の多数のデータを用いているため、正確な基準線として設定できるのである。
このように、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法においては、8つの測定センサ100A~100Hにより、光切断法によって取得した断面プロフィール300上に、溝形鋼の形状及び姿勢に基づいた、寸法測定の基準となる基準線BL2を設定することによって、寸法の測定精度を向上させることができる。
図18は、溝形鋼のウェブ高さH1の測定ロジックを示す図である。溝形鋼のウェブ高さH1の測定では、断面プロフィール300において、基準線BL2を引き、フランジ部320a,320bを通るように、基準線BL2から所定距離s1だけ上方(フランジ端面323a,323b側)に基準線BL2と平行な直線L33を引く。なお、所定距離s1は、製品仕様や工場内での作業標準などに従って設定することができる。例えば、本発明によって自動的に測定される溝形鋼の高さを、作業者の手作業による従来の測定値を対比する場合には、従来の作業者によるゲージ測定条件などに合わせて所定距離s1を設定することができる。次に、一方側のフランジ外面321aと直線L33とが交わる点を交点P31とし、他方側のフランジ外面321bと直線L33とが交わる点を交点P32とする。そして、基準線BL2の延びる方向で、交点P31と交点P32との間の距離をウェブ高さH1として算出する。これにより、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の溝形鋼の姿勢によらず、より精度の高い溝形鋼のウェブ高さH1の測定結果を得ることができる。
図19は、溝形鋼のウェブ厚さt10の測定ロジックを示す図である。溝形鋼のウェブ厚さt10の測定では、断面プロフィール300に対して、基準線BL2を引き、一方側のフランジ外面321aと交わるように、基準線BL2から所定距離s2だけ上方(フランジ端面323a側)に基準線BL2と平行な直線L34を引く。なお、所定距離s2は、前述の溝形鋼のウェブ高さを測定するときに用いた所定距離s1と同値とすることができる。次に、フランジ外面321aと直線L34とが交わる点を交点P33とする。次に、基準線BL2に対して垂直であって、交点P33を通る垂線L35を引く。次に、垂線L35(交点P33)から、ウェブ部310の幅方向で内側の所定の位置で、基準線BL2に垂直な垂線L36を引く。そして、基準線BL2と直交する方向で、垂線L36上におけるウェブ上面311とウェブ下面312との間の距離をウェブ厚さt10として算出する。なお、ウェブ厚さt10を求めるために垂線L36を引く所定の位置は、製品仕様や規格に従って設定すればよい。これにより、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の溝形鋼の姿勢によらず、より精度の高い溝形鋼のウェブ厚さt10の測定結果を得ることができる。
図20は、溝形鋼のフランジ幅B1の測定ロジックを示す図である。溝形鋼のフランジ幅B1の測定では、断面プロフィール300に対して、基準線BL2を引き、基準線BL2とフランジ外面321bとが交わる点を交点P34とする。次に、交点P34から所定距離s3だけウェブ部310の幅方向で内側の位置で、基準線BL2に垂直な垂線L37を引く。なお、所定距離s3は、ウェブ部310とフランジ部320bとの接続部分の外側R形状の影響を受けない距離を設定することができ、製品仕様などに従って設定することもできる。次に、垂線L37とウェブ下面312とが交わる点を交点P35とする。次に、基準線BL2と平行であって、交点P35を通る直線L38を引く。次に、基準線BL2と平行であって、フランジ部320bの最上点P36を通る直線L39を引く。そして、基準線BL2と直交する方向、すなわち、断面プロフィール300における溝形鋼の高さ方向で、直線L38と直線L39との間の距離をフランジ幅B1として算出する。これにより、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の溝形鋼の姿勢によらず、より精度の高い溝形鋼のフランジ幅B1の測定結果を得ることができる。
図21は、溝形鋼のフランジ厚さt20の測定ロジックを示す図である。溝形鋼のフランジ厚さt20の測定では、断面プロフィール300に対して、基準線BL2を引き、基準線BL2と平行であって、フランジ部320aの最上点P37を通る直線L40を引く。次に、直線L40からフランジ部320aの幅方向(基準線BL2に対して垂直な方向)で内側の所定の位置で、基準線BL2と平行な直線L41を引く。この所定の位置としては、ウェブ部310とフランジ部320aとの接続部分のR形状の影響を受けない位置で、製品仕様や規格に従って設定すればよい。そして、基準線BL2の延びる方向(溝形鋼の幅方向)で、直線L41上におけるフランジ外面321aとフランジ内面322aとの間の距離をフランジ厚さt20として算出する。これにより、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の溝形鋼の姿勢によらず、より精度の高い溝形鋼のフランジ厚さt20の測定結果を得ることができる。
図22は、溝形鋼の直角度の測定ロジックを示す図である。溝形鋼の幅方向でフランジ部320a側における溝形鋼の直角度の測定では、断面プロフィール300において、基準線BL2を引き、基準線BL2と垂直であって、フランジ外面321aの最も外側の位置と接する直線L42を引く。次に、基準線BL2と平行であって、フランジ部320aの最上点P38を通る直線L43を引く。次に、直線L43から所定距離s4だけ基準線BL2側に近づいた位置を通る、基準線BL2に平行な直線L44を引く。所定距離s4としては、フランジ端面323aの先端形状の影響がなくなる距離であり、ただし先端や角部から離れすぎるとフランジ形状の影響を受けるので、例えば5~10[mm]の距離とすることが好ましい。次に、基準線BL2の延びる方向で、直線L44上における直線L42とフランジ外面321aとの間の距離a1を算出する。次に、基準線BL2から所定距離s5だけフランジ端面323a側に近づいた位置を通る、基準線BL2に平行な直線L45を引く。所定距離s5としては、ウェブ部310とフランジ部320aとの接続部分の外側R形状の影響を受けない距離を設定すればよい。次に、基準線BL2の延びる方向で、直線L45上における直線L42とフランジ外面321aとの間の距離b1を算出する。そして、算出した距離a1と距離b1とのうちの大きい方の値を、フランジ部320a側における溝形鋼の直角度として算出する。これにより、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の溝形鋼の姿勢によらず、且つ、フランジ先端のR部分との隙間を避けて、より精度の高い溝形鋼の直角度の測定結果を得ることができる。
図23は、溝形鋼のウェブ反りの測定ロジックを示す図である。溝形鋼のウェブ反りの測定では、断面プロフィール300に対して、基準線BL2を引き、基準線BL2とフランジ外面321a,321bとが交わる点を、それぞれ、交点P39,P40とする。次に、交点P39,P40からそれぞれフランジ厚さの公称値に加えて所定距離s6,s7だけ、ウェブ部310の幅方向で内側の任意の二箇所の位置で、基準線BL2に垂直な垂線L48,L49を引く。所定距離s6,s7としては、上記の交点P39から所定距離s6だけ離れた箇所、及び、交点P40から所定距離s7だけ離れた箇所が、ウェブ部310とフランジ部320a,320bとの接続部分のR形状の影響を十分に除外できる値に設定することが好ましい。この接続部分のR形状の影響を十分に除外できる距離として所定距離s6,s7は、例えば、いずれも10~25[mm]とすることが好ましい。次に、垂線L48とウェブ下面312とが交わる点を交点P41とし、垂線L49とウェブ下面321とが交わる点を交点P42とする。次に、基準線BL2の延びる方向で、交点P41と交点P42とを結ぶ直線L50を引く。次に、直線L50と垂直であって、直線L50を4等分する3つの垂線L51,L52,L53を引く。そして、各垂線L51,L52,L53上において、直線L50とウェブ下面312との間の距離n1,n2,n3を算出し、算出した各距離n1,n2,n3の最大値をウェブ反りとする。これにより、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の溝形鋼の姿勢によらず、より精度の高い溝形鋼のウェブ反りの測定結果を得ることができる。
図24は、溝形鋼のフランジ先端の形状の測定ロジックを示す図である。溝形鋼のフランジ先端の形状の測定では、フランジ部320aのフランジ外面321aに沿って延びた直線L54を引く。次に、フランジ部320aのフランジ端面324aに沿って延びる直線L55を引く。次に、直線L54と直線L55とが交わる点を交点P43とする。次に、交点P43を通り、直線L54と直線L55とを等角で分割する方向に直線L56を引く。直線L54と直線L55とが直交している場合には、交点43から各直線L54,L55に対して45[°]の開きを持つ方向に直線L56を引く。フランジ部320aのフランジ外面321aに沿って延びた直線L54を引く。次に、フランジ部320aのフランジ端面324aに沿って延び、直線L54と交わる直線L55を引く。次に、直線L54と直線L55とが交わる点を交点P43とする。次に、交点P43から各直線L54,L55に対して45[°]の開きを持つ方向に直線L56を引く。次に、直線L56とフランジ端面324aとが交わる点を交点P44とする。そして、直線L56の延びる方向で、交点P43と交点P44との間の距離m2を算出することにより、フランジ先端の形状を測定する。これにより、実施形態に係る溝形鋼の形状測定方法では、8つの測定センサ100A~100Hによる測定時の溝形鋼の姿勢によらず、より精度の溝形鋼のフランジ先端の形状の測定結果を得ることができる。
ここで、実施形態に係る形鋼2の製造設備10では、形鋼2が斜行しないように、一対の入口側可変ガイド32a,32bによって形鋼2の搬送をガイドして斜行を低減させている。
本実施例では、H形鋼のサンプル試験片の各寸法(ウェブ高さ、フランジ幅、ウェブ厚さ、フランジ厚さ、ウェブ反り、直角度、フランジ折れ、中心偏り)を、実施形態に係る形鋼2(H形鋼)の形状測定方法を用いた形状測定装置1によって測定した。なお、本実施形態では、オンラインで形鋼搬送装置3によって搬送されている搬送中のサンプル試験片の測定を5回繰り返して行った。このとき、形状測定装置1の入口側と出口側のそれぞれについて、入口側可変ガイド32a,32bと、出口側可変ガイド33a,33bとによって、測定中のH形鋼の搬送時の左右位置を決め、斜行を防止するガイドを行った。また、比較のために、本実施形態での測定を行ったH形鋼の測定部位から断面形状を確認できるカットサンプルを切り出した。そして、従来から行っている、ノギス、マイクロメータ、直定規、及び、隙見ゲージを用いた手動の測定方法でも各寸法を測定した。この手動測定も5回繰り返して行い、5回手動測定した寸法の平均値を本実施例での寸法精度を評価するための「真値」とした。
図25は、サンプル試験片の各寸法について、実施形態に係る形状測定装置1によって測定された寸法と、5回手動測定した寸法の平均値との差(寸法差)をプロットした図である。図25では、第1の基準線BL1を図6に示した方法で決定し、寸法を演算した場合を適合例1として、白塗りの丸の記号で示している。また、特許文献2に開示された方法を模倣して、フランジ下端面225a及びフランジ下端面225b上から代表点を1点ずつ選択し、この2点から第1の基準線BL1を決定し、寸法を演算した場合を適合例2として、白塗りの三角形の記号で示している。また、図25中の「3σ」は、適合例1について、5回繰り返した寸法測定のばらつきの標準偏差をσとしたときのσの3倍の値であって、ばらつきの程度を示している。
本実施例では、ウェブ高さとフランジ幅は寸法差-1.0~+1.0[mm]以内、その他の寸法は寸法差-0.5から+0.5[mm]以内を目標としている。図25から、サンプル試験片の各寸法のいずれにおいても、実施形態に係る形鋼2(H形鋼)の形状測定方法を用いた形状測定装置1によって、サンプル試験片の各寸法を繰り返し精度よく測定できていることがわかる。特に、第1の基準線BL1を図6に示した方法で決定し、寸法を演算した適合例1で、非常に良い測定精度となっている。
1 形状測定装置
2 形鋼
3 形鋼搬送装置
4 レーザードップラー式速度計
5 リトラクト装置
6 サンプル測定用装置
10 製造設備
31 搬送ローラ
32a,32b 入口側可変ガイド
33a,33b 出口側可変ガイド
100 測定センサ
110 入力装置
120 制御装置
130 演算処理装置
140 表示装置
160 チルト装置
200 断面プロフィール
210 ウェブ部
211 ウェブ上面
212 ウェブ下面
220a,220b フランジ部
221a,221b フランジ外面
222a,222b フランジ上内面
223a,223b フランジ下内面
224a,224b フランジ上端面
225a,225b フランジ下端面
300 断面プロフィール
310 ウェブ部
311 ウェブ上面
312 ウェブ下面
320a,320b フランジ部
321a,321b フランジ外面
322a,322b フランジ内面
323a,323b フランジ端面

Claims (16)

  1. ウェブの両端部にフランジを有する形鋼の長手方向に直交する断面の形状を表した断面プロフィールを、光切断法によって測定する断面プロフィール測定工程と、
    前記断面プロフィールを用いて前記形鋼の形状を測定する形状測定工程と、
    を有し、
    前記形状測定工程は、
    前記断面プロフィールにおける寸法の測定基準位置を設定する基準位置設定工程と、
    前記測定基準位置を基準にして前記断面プロフィールにおける特定部位の寸法を演算する寸法演算工程と、
    を有することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  2. 請求項1に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記特定部位の寸法として、ウェブ高さ、ウェブ厚さ、フランジ幅、フランジ厚さ、直角度、フランジ折れ、中心偏り、ウェブ反り、及び、フランジ先端の形状の中から選ばれる1種以上の測定を実施することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  3. 請求項2に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記断面プロフィールに対して、ウェブ上面の、ウェブ両側の前記フランジとの接続部を除く部分から近似した第1の近似直線、または、ウェブ下面の、ウェブ両側の前記フランジとの接続部を除く部分から近似した第2の近似直線のいずれか一方から基準線を設定するか、あるいは、前記第1の近似直線と前記第2の近似直線との間の中心を通る直線を基準線として設定して、前記測定基準位置とすることを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  4. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記ウェブ高さの測定では、前記断面プロフィールに対して、
    一方側のフランジ外面と前記基準線とが交わる点を第1の交点とし、
    他方側のフランジ外面と前記基準線とが交わる点を第2の交点とし、
    前記基準線の延びる方向で、前記第1の交点と前記第2の交点との間の距離を前記ウェブ高さとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  5. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記ウェブ厚さの測定では、前記断面プロフィールに対して、
    一方側のフランジ外面と前記基準線とが交わる点を第3の交点とし、
    前記第3の交点からウェブ部の幅方向で内側の所定の位置において、前記基準線に対して垂直な第1の直線を引き、
    前記第1の直線と前記ウェブ上面とが交わる点を第4の交点とし、
    前記第1の直線と前記ウェブ下面とが交わる点を第5の交点とし、
    前記基準線と直交する方向で、前記第4の交点と前記第5の交点との間の距離を前記ウェブ厚さとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  6. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記フランジ幅の測定では、前記断面プロフィールに対して、
    前記基準線と平行であってフランジ部の最上点を通る第2の直線を引き、
    前記基準線と平行であって前記フランジ部の最下点を通る第3の直線を引き、
    前記基準線と直交する方向で、前記第2の直線と前記第3の直線との間の距離を前記フランジ幅として算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  7. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記フランジ幅の測定では、前記断面プロフィールに対して、
    前記基準線とフランジ外面とが交わる点を第6の交点とし、
    前記第6の交点から所定距離だけウェブ部の幅方向で内側の位置で、前記基準線に垂直な第4の直線を引き、
    前記第4の直線と前記ウェブ下面とが交わる点を第7の交点とし、
    前記基準線と平行であって、前記第7の交点を通る第5の直線を引き、
    前記基準線と平行であって、フランジ部の最上点を通る第6の直線を引き、
    前記基準線と直交する方向で、前記第5の直線と前記第6の直線との間の距離を前記フランジ幅として算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  8. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記フランジ厚さの測定では、前記断面プロフィールに対して、
    前記基準線と平行であって、フランジ部の所定の位置を通る第7の直線を引き、
    前記フランジ部のフランジ外面と前記第7の直線とが交わる点を第8の交点とし、
    前記フランジ部のフランジ内面と前記第7の直線とが交わる点を第9の交点とし、
    前記基準線の延びる方向で、前記第8の交点と前記第9の交点との間の距離を前記フランジ厚さとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  9. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記直角度の測定では、前記断面プロフィールに対して、
    フランジ外面上であって、フランジ上端面及びフランジ下端面の先端形状の影響がない領域において、前記基準線の延びる方向で最も外側に位置する点を通り、前記基準線に垂直な第8の直線を引き、
    前記フランジ外面上であって、前記フランジ上端面及び前記フランジ下端面の先端形状の影響がない領域において、前記基準線の延びる方向で最も内側に位置する点を通り、前記基準線に垂直な第9の直線を引き、
    前記基準線の延びる方向で、前記第8の直線と前記第9の直線との間の距離を前記直角度として算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  10. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記フランジ折れの測定では、前記断面プロフィールに対して、
    フランジ外面と前記基準線とが交わる点を第10の交点とし、
    前記フランジ外面上であって、フランジ上端面の先端形状の影響がなくなる限界の点を通り、前記基準線と直交する第11の直線を引き、
    前記フランジ外面上であって、フランジ下端面の先端形状の影響がなくなる限界の点を通り、前記基準線と直交する第12の直線を引き、
    前記基準線の延びる方向で、前記第10の交点から前記第11の直線までの距離を前記フランジ上端面側のフランジ折れとして算出し、
    前記基準線の延びる方向で、前記第10の交点から前記第12の直線までの距離を前記フランジ下端面側のフランジ折れとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  11. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記中心偏りの測定では、前記断面プロフィールに対して、
    フランジ部のフランジ外面と前記基準線とが交わる点を第11の交点とし、
    前記基準線と平行であって、前記フランジ部の最上点を通る第13の直線を引き、
    前記基準線と平行であって、前記フランジ部の最下点を通る第14の直線を引き、
    前記第11の交点からフランジ厚さの公称値に加えて任意の距離だけ、ウェブ部の幅方向で内側の任意の位置において、前記基準線に対して垂直な第15の直線を引き、
    前記第15の直線と前記ウェブ上面とが交わる点を第12の交点とし、
    前記第15の直線と前記ウェブ下面とが交わる点を第13の交点とし、
    前記基準線と直交する方向で、前記第12の交点と前記第13の直線との間の第3の距離を算出し、
    前記基準線と直交する方向で、前記第13の交点と前記第14の直線との間の第4の距離を算出し、
    前記第3の距離と前記第4の距離との差分に1/2を乗じた値を算出することにより、前記中心偏りを測定することを特徴する形鋼の形状測定方法。
  12. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記ウェブ反りの測定では、前記断面プロフィールに対して、
    両側のフランジ外面からそれぞれフランジ厚さの公称値に加えて任意の距離だけ、ウェブ部の幅方向で内側の任意の二箇所の位置で、前記基準線に垂直な第16の直線及び第17の直線を引き、
    前記ウェブ上面または前記ウェブ下面と、前記第16の直線及び前記第17の直線がそれぞれ交わる点を第14の交点及び第15の交点とし、
    前記基準線の延びる方向で、前記第14の交点と前記第15の交点とを結ぶ第18の直線を引き、
    前記基準線と直交する方向で、前記ウェブ上面または前記ウェブ下面と前記第18の直線との間の距離の最大値を前記ウェブ反りとして算出することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  13. 請求項3に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記フランジ先端の形状の測定では、前記断面プロフィールに対して、
    フランジ部のフランジ外面に沿って延びた第19の直線を引き、
    前記フランジ部のフランジ上端面に沿って延び、前記第19の直線と交わる第20の直線を引き、
    前記第19の直線と前記第20の直線とが交わる第16の交点を通り、前記第19の直線と前記第20の直線とを等角で分割する方向に第21の直線を引き、
    前記第21の直線と前記フランジ上端面とが交わる点を第17の交点とし、
    前記第21の直線の延びる方向で、前記第16の交点と前記第17の交点との間の第5の距離を算出することにより、前記フランジ先端の形状を測定することを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の形鋼の形状測定方法において、
    前記形鋼は、H形鋼または溝形鋼であることを特徴とする形鋼の形状測定方法。
  15. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の形鋼の形状測定方法によって、前記形鋼の形状を測定する工程を備えることを特徴とする形鋼の製造方法。
  16. 請求項14に記載の形鋼の形状測定方法によって、前記形鋼の形状を測定する工程を備えることを特徴とする形鋼の製造方法。
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