JP2024021078A - 電波反射体、電波反射体の製造方法および電波反射体の施工方法 - Google Patents

電波反射体、電波反射体の製造方法および電波反射体の施工方法 Download PDF

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宗宏 畠井
Munehiro Hatai
弾一 宮崎
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Abstract

【課題】耐久性を有する電波反射体を提供する。【解決手段】電波反射体11は、複数の層が積層され、電波を反射させるための導電体12を含む導電層16を中間層とする積層体18を備え、導電体12は外に露出していない。【選択図】図2

Description

本発明は、電波を反射させるための電波反射体、電波反射体の製造方法および電波反射体の施工方法に関する。
携帯電話や無線通信においては、センチ波やミリ波と呼ばれる3GHz以上300GHz以下程度の周波数帯の電波が用いられる。このような波長が短い電波は直進性が強く、障害物があっても回り込みにくいため、電波を広い範囲に届かせるために、建造物の壁や床面、天井、柱等の建造物の表面(以下、「壁等」という。)に反射板が設けられる。例えば特許文献1には、モノポールアンテナと、電波を反射する金属反射板とを屋内の床下空間に配置した通信システムが提案されている。金属反射板により、モノポールアンテナから放射される電波を床下空間に拡散させるとともに、床下空間から居室(建物)外に漏洩したり、建造物の床部に電波が吸収されることを防いでいる。
特開2010-258514号公報
しかし、金属反射板が長期にわたり使用されたり、また屋外の建物の壁に設けられた場合には、太陽光・温度・湿度・雨等の環境の影響を受け、変色、腐食等の劣化が生じることがある。金属反射板が劣化すると表面抵抗率が大きくなり、所望の電波反射強度が得られなくなるという問題がある。
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、耐久性を有する電波反射体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
項1:複数の層が積層され、電波を反射させるための導電体を含む導電層を中間層とする積層体を備え、
前記導電体は外に露出していない、電波反射体。
項2:前記導電体は、平面から見て前記積層体の端縁から5mm以上内側に配置される、項1に記載の電波反射体。
項3:前記積層体の周囲の少なくとも導電層に対応する位置に、前記導電体を露出させないための封止材が設けられる、項1または2に記載の電波反射体。
項4:項1から項3のいずれか1項に記載の電波反射体において、
耐熱耐湿試験の後のイエローインデックスと、前記耐熱耐湿試験の前のイエローインデックスの差が3以下であり、
前記耐熱耐湿試験は、温度60℃、湿度95%RHに調整した恒温恒湿槽内に前記電波反射体を500時間放置した後、前記電波反射体を前記槽から取り出し、常温で4時間静置する試験である、電波反射体。
項5:項1から項4のいずれか1項に記載の電波反射体において、
耐熱耐湿試験の後の前記電波反射体と前記耐熱耐湿試験の前の前記電波反射体とに3GHz以上300GHz以下の周波数の入射波を正規反射させたときに、前記耐熱耐湿試験の後の前記電波反射体の反射波の強度と前記耐熱耐湿試験の前の前記電波反射体の反射波の強度との差が3dB以内となる入射波の周波数が少なくとも1つ存在し、
前記耐熱耐湿試験は、温度60℃、湿度95%RHに調整した恒温恒湿槽内に前記電波反射体を500時間放置した後、前記電波反射体を前記槽から取り出し、常温で4時間静置する試験である、電波反射体。
項6:電波反射体の製造方法であって、
複数の層が積層され、電波を反射させるための導電体を含む導電層を中間層とする積層体を形成する工程と、
前記導電体を露出させないための封止材を設ける工程を含み、
前記電波反射体は、前記封止材が前記積層体の周囲の少なくとも前記導電層に対応する位置にある、電波反射体の製造方法。
項7:電波反射体の施工方法であって、
複数の層が積層され、電波を反射させるための導電体を含む導電層を中間層とする積層体を設置箇所に取り付ける工程と、
前記導電体を露出させないための封止材を設ける工程と、を含み、
前記電波反射体は、前記封止材が前記積層体の周囲の少なくとも導電層に対応する位置にある、電波反射体の施工方法。
項8:前記取り付ける工程において、複数の前記積層体が間隔を空けて設置箇所に取り付けられ、
前記封止材を設ける工程において、複数の前記積層体が間隔を空けて設置箇所に取り付けられたときに隣り合う前記積層体の間の空間に前記封止材が設けられる、項7に記載の電波反射体の施工方法。
本発明によれば、耐久性を有する電波反射体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電波反射体により反射する反射波の角度範囲を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る電波反射体の概略構成を示す断面図であり、図3(B)のB-B線に沿う断面図である。 図2に示す電波反射体の全体の概略構成を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のA部分の拡大図である。 図3(A)のC部分の拡大図である。 (A)~(E)は導電体の配置パターンの他の例を示す平面図である。 他の実施形態に係る電波反射体の概略構成を示し、(A)は平面図、(B)は端部の断面図である。 他の実施形態に係る電波反射体の概略構成を示す平面図である。 (A)は建築材料の建築物への適用例を示す説明図、(B)は室内への適用例を示す平面図である。 導電体の他の例を示す平面図である。 (A)は、導電体の他の例を示す平面図であり、(B)は、(A)のD部分の拡大図である。 (A)は、導電体の他の例を示す平面図であり、(B)は、(A)のD部分の拡大図である。 他の実施形態に係る電波反射体の概略構成を示す断面図である。
(全体構成)
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態の電波反射体11は、図1に示すように、電波発生源20から出力された電波を反射する。反射された反射波は、受信部21により受信される。電波発生源20は電波を送信可能な送信アンテナを持つ通信装置等である。受信部21は、電波を受信可能な機器である。本実施形態に係る受信部21は、受信アンテナを持つ通信機器である。通信機器としては、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートPC、携帯ゲーム機、中継器、ラジオ、テレビ等が挙げられる。
電波反射体11は、電波を反射させる導電体12を含む。電波反射体11を壁等に貼り付けて平らとした状態で、入射波の周波数が3GHz以上5GHz以下、25GHz以上30GHz以下、または100GHz以上300GHz以下の電波を電波反射体11に反射させる。入射波の入射角は、15度以上75度以下の少なくともある所定の角度であり、好ましくは、45度、より好ましくは15度以上75度以下の角度の範囲全てである。このとき、電波反射体11に入射波が正規反射したときの反射波の強度が入射波に対して-30dB以上0dB以下となる周波数が1つ存在する。好ましくは、周波数28.5GHzにおいて、正規反射強度が入射波に対して-30dB以上0dB以下となる。より好ましくは20GHz以上60GHz以下の周波数帯域全てにおいて、正規反射強度が入射波に対して-30dB以上0dB以下となり、更に好ましくは3GHz以上、300GHz以下の周波数帯域全てにおいて、正規反射強度が入射波に対して-30dB以上0dB以下となる。「正規反射強度」とは、電波が反射する強度である反射強度であって、入射波が正規反射したときの反射波の強度をいう。「平ら」とは、凹凸がなく湾曲していない状態をいう。
正規反射強度は、入射波に対して-25dB以上、0dB以下が好ましく、-22dB以上、0dB以下がより好ましく、-20dB以上、0dB以下がさらに好ましく、-15dB以上、0dB以下がさらに好ましい。正規反射強度が、入射波に対して-30dB以上であることで、電波反射体11は反射強度を大きく保った状態で電波を反射させることができ、受信部21が使用に実用的な強度で電波を受信することができる。なお、本実施形態において、正規反射強度および反射強度は、電波反射体11の反射点11aと電波発生源20との間の距離および電波反射体11の反射点11aと受信部21との間の距離を1mとした場合の値である。
図1を参照して説明すると、正規反射とは、電波発生源20(送信アンテナ)から発射された電波が電波反射体11により反射されるときに、入射波の入射角θ1と反射波の反射角θ2とが等しいことをいう。電波が正規反射したときの反射波の反射方向を「正規反射方向」とも言う。入射角θ1とは、電波が電波反射体11に入射するときの入射方向(図1中の矢印A1に示す。)に進む入射波と、電波反射体11の反射面の法線22とがなす角度である。反射角θ2とは、反射波の反射方向(図1中の矢印A2に示す。)に進む反射波と、反射面の法線22とがなす角度である。法線22とは、反射点11aにおいて接線(または接平面)と直交する直線をいう。
また、電波反射体11は、入射波の入射方向と反射波の反射方向とを含む仮想の平面において、反射波の受信角度位置を、電波の正規反射方向に対して-15度以上、+15度以下の角度範囲αで変化させた時の、各受信角度位置における反射波の強度の分布の尖度が-0.4以下となることが好ましい。尖度は、より好ましくは-1.0以下、更に好ましくは-1.1以下、更により好ましくは-1.2以下である。上記尖度の下限は特に限定されないが通常-0.5程度である。仮想の平面は、反射体の反射面上の反射点11aと、電波発生源20と、反射波の受信部21とを含む平面とも言える。尖度は電波反射体11を平らとした状態で求められる。
尖度は、分布が正規分布からどれだけ逸脱しているかを表す統計量で、山の尖り度と裾の広がり度を示す。図1に示すように、電波発生源20から出力された電波が、電波反射体11に対して所定の入射角θ1で入射したとする。受信部21の受信角度位置iを、反射点11aを中心として電波の正規反射方向から所定の角度ずつ(例えば5度ずつ)、電波の正規反射方向に対して-15度以上、+15度以下の角度範囲α内で移動させて、反射強度xを測定する。受信部21の受信角度位置iは、反射点11aを中心とした円弧上に位置している。各受信角度位置iでの反射強度の値
Figure 2024021078000002
の平均値を
Figure 2024021078000003
、標準偏差をsとすると尖度は次の式から求められる。
Figure 2024021078000004
(式1)
尖度は、負の値の場合に各角度位置における強度データが正規分布より扁平な分布、すなわち、データが平均値付近から散らばり分布の裾が広がっている状態を示しており、尖度の値が小さいほど分布が扁平である。本実施形態では、尖度を-0.4以下に設定することで、電波の正規反射方向に対して±15度の角度範囲α内においては、受信角度位置による反射強度の差が小さくなる。
電波反射体11は、図3に示すように、本実施形態では全体の形状が平面視において正方形であり、1辺の長さL10が20cm以上、400cm以下であることが好ましい。周波数が3GHz以上、300GHz以下の電波は距離により減衰するが、電波発生源20から実用に耐える距離内全ての地点において、十分な強度で反射するために、一辺の長さL10を20cm以上とすることが好ましい。一辺の長さL10の上限は特に限定されないが、製造上の観点から400cm以下が好ましい。電波反射体11の全体の形状は正方形には限定されず、長方形でもよく、三角形、五角形、六角形等の多角形でもよく、この場合、最も短い辺の長さが20cm以上、400cm以下に設定される。または、ある頂点と対辺との間の最も短い距離、またはある辺と対辺との間の最も短い距離が20cm以上、400cm以下に設定されてもよい。また、電波反射体11の全体の形状が円形の場合には、直径が20cm以上、400cm以下に設定される。電波反射体11の全体の形状が楕円形の場合には、短径が20cm以上、400cm以下に設定される。電波反射体11の全体の形状が扇形の場合には、弧または半径の短い方の長さが20cm以上、400cm以下に設定される。さらに、電波反射体11の全体の形状は筒状、錐状等の3次元形状であってもよい。電波反射体11は、全体の形状が入射波に対して-30dB以上の反射強度で電波を反射することができる形状、大きさであり、形状、大きさは電波反射体11の使用の態様に応じて適宜選択される。
電波反射体11は厚みL1が10μm以上、500μm以下に設定されることが好ましい。詳細は後述するが、電波反射体11は、基材層13、導電体12を含む導電層16、接着層14及び保護層15を備えていてもよい。基材層13、導電層16、接着層14及び保護層15のそれぞれの厚みは、電波反射体11の厚みL1が0.5mm以下となるように設定されている。電波反射体11の厚みL1は、電波反射体11が可撓性を有することが可能であり、かつ電波反射体11に外力を加えて電波反射体11を湾曲させたときに導電層16の導電体12に力が集中せず、基材層13、接着層14及び保護層15に力を分散させることが可能な厚みに設定されている。電波反射体11の厚みL1は、導電層16の厚みL3、基材層13の厚みL2の合計、または導電層16の厚みL3、基材層13の厚みL2、接着層14の厚みL4、及び保護層15の厚みL5の合計となる。しかし、導電層16の厚みL3は基材層13、接着層14、及び保護層15の各厚みL2、L4、L5に比べて非常に薄いため、電波反射体11の厚みL1を算出する際に導電層16の厚みL3を考慮せずに算出してもよい。
電波反射体11は、耐熱耐湿試験の後のイエローインデックスと耐熱耐湿試験の前のイエローインデックスとの差が3以下であることが好ましい。イエローインデックスとは黄色度とも呼ばれ、無色または白色から色相が黄色方向に離れる度合いをいう。イエローインデックスはJISK7373:2006に準拠した方法で求められる。イエローインデックスの差は、電波反射体11の劣化現象の一つである黄変を評価する指標であり、イエローインデックスの差が小さいほど劣化が小さいことを示している。イエローインデックスは、CIE(国際照明委員会)により定義されたXYZ表色系を用いて求められる。
耐熱耐湿試験は、温度60℃、湿度95%RH(相対湿度が95%)に調整した恒温恒湿槽内に電波反射体11を500時間放置した後、電波反射体11を恒温恒湿槽から取り出し、常温で4時間静置した後、電波反射体11の性質や状態を確認する試験である。
耐熱耐湿試験の前後の電波反射体11に、3GHz以上300GHz以下の周波数の入射波を正規反射させる。このとき、ある入射角の角度において、耐熱耐湿試験の後の電波反射体11の反射波の強度と耐熱耐湿試験の前の電波反射体11の反射波の強度との差が3dB以内となる入射波の周波数が少なくとも1つ存在することが好ましい。好ましくは3GHz以上、300GHz以下の周波数帯域全てにおいて、耐熱耐湿試験の前後における電波反射体11の反射波の強度の差が3dB以内となることが好ましい。耐熱耐湿試験の前後における電波反射体11の反射波の強度の差が3dB以内となる入射波の入射角は、15度以上75度以下の範囲で少なくとも1つ存在することが好ましく、45度がより好ましく、15度以上75度以下の角度の範囲全てであることがさらに好ましい。
電波反射体11を壁等に貼り付けて平らとした状態の電波反射体11の表面抵抗率は、0.003Ω/□以上10Ω/□以下が好ましい。詳細は後述するが、表面抵抗率は導電体12の表面抵抗率として測定される。電波反射体11を平らとした状態の電波反射体11の表面抵抗率は、平面である載置面に電波反射体11を載置したときの電波反射体11の表面抵抗率をいう。「平面」とは、面上のどの二点をとっても、これを結ぶ直線が常にその上にあるような面をいう。表面抵抗率は、1cm(1立方センチメートル)あたりの表面抵抗を意味し、JISK6911に準拠して四端子法で測定することができる。
電波反射体11は、耐熱耐湿試験の前後における表面抵抗率の変化率r(「耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率」ともいう。)が20%以下である。耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率rとは、上述の耐熱耐湿試験前の表面抵抗率r1に対して、耐熱耐湿試験後の表面抵抗率r2が変化する割合をいう。耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率rは以下の式で求められる。r=(r1-r2)/r1×100
耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率rは、電波反射体11の劣化現象の一つである反射強度の低下の度合いを評価する指標である。電波の反射強度は表面抵抗率に応じて定まり、電波反射体11の表面抵抗率の変化率rが小さければ反射強度は低下しない。電波反射体11の耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率rは20%以下であるため、耐熱耐湿試験後であっても電波反射体11は反射強度が大きく低下せず、十分な電波の反射強度を実現できる。
電波反射体11は、全体として可視光透過性を有する、すなわち透明であってもよい。基材層13、接着層14及び保護層15を備える場合、それぞれ可視光透過性を有する樹脂により形成されていてもよく、導電層16の導電体12は可視光透過性を有する厚みに形成されていてもよい。ここで、「透明」とは、電波反射体11の一方側からみて他方側が視認可能であることを言い、半透明を含み、全光線透過率が100%である完全な透明に限定されない。また、電波反射体11は着色されていてもよい。電波反射体11は、D65標準光源における全光線透過率が65%以上であり、80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上であり、更に好ましくは90%以上である。全光線透過率は、試験片の平行入射光束に対する全透過光束の割合をいい、JISK 7375:2008に準拠して測定される。
また、電波反射体11は、電波反射体11を曲率半径200mmの曲面を有する部材の表面に沿って湾曲させた状態の前後における表面抵抗率の変化率(「湾曲時の表面抵抗率の変化率」ともいう。)Rが-10%以上10%以下であってもよい。湾曲時の表面抵抗率の変化率Rとは、電波反射体11を平らとした状態の電波反射体11の表面抵抗率R1に対して、電波反射体11を曲率半径200mmの曲面を有する部材の表面に沿って湾曲させた状態の表面抵抗率R2が変化する割合をいう。R(%)=(R2-R1)/R1×100で求められる。
電波の反射強度は表面抵抗率に応じて変化する。しかし、電波反射体11の湾曲時の表面抵抗率の変化率Rは-10%以上10%以下であるため、電波反射体11を湾曲させた状態であっても平らにした状態と同様に十分な電波の反射強度を実現できる。
電波反射体11は、曲げ弾性率が0.05GPa以上4GPa以下であることが好ましい。曲げ弾性率とは、どれくらいの曲げ応力に耐えられるかを示す値であり、JIS K7171に定義されている。曲げ弾性率を上記の範囲内とすることで、電波反射体11は可撓性を有し、電波反射体11を破断させずに電波反射体11を湾曲させて、曲率半径が200mm以上の曲面に貼り付けることができる。曲げ弾性率はJIS K7171に準拠して測定される。可撓性とは、常温常圧下において柔軟性を有し、力を加えても、せん断したり破断したりすることなしに、撓みなどの変形が可能な性質をいう。
電波反射体11は、ヤング率が0.01GPa以上80GPa以下であることが好ましい。ヤング率とは、固体を一つの方向に張力を加えて引き伸ばしたときの弾性率をいい、引張弾性率ともいわれ、JIS K7161-2014に定義されている。ヤング率を上記の範囲内とすることで、電波反射体11が変形しやすくなり、電波反射体11を破断させずに電波反射体11を湾曲させて、曲率半径が200mm以上の曲面に貼り付けることができる。ヤング率はJIS K7127-1999に準拠して測定される。
電波反射体11は、少なくとも、曲率半径が200mm以上の曲面に沿って貼付けることのできる程度の可撓性を有し、好ましくは曲率半径が100mm以上の曲面に沿って貼り付けることのできる程度の可撓性を有する。
電波反射体11は、可塑性を有していてもよい。可塑性とは、外圧を加えることにより変形が可能であり、加圧によって弾性限界を超える変形を与えたとき、力を取り去っても変形した形状を保持する性質をいう。基材層13、接着層14、及び保護層15を構成する合成樹脂の全てが可塑性を有するものであってもよいし、基材層13、接着層14、及び保護層15のうちの少なくとも1つが可塑性を有してもよい。
電波反射体11に対して鉛筆硬度試験を行った場合、保護層15に対する表面荷重500gでの鉛筆硬度は、「F」以上であることが好ましく、より好ましくは、「H」以上であり、更に好ましくは「4H」以上である。本明細書でいう「鉛筆硬度試験」は、JIS K 5600-5-4(1999)に準拠した試験である。また、「表面荷重500g」は、鉛筆硬度試験に際して表面に加わる荷重が、500g±10gであれば、これに含まれることとする。前記保護層に対して鉛筆硬度試験を行った場合に、前記保護層に対する表面荷重500gでの鉛筆硬度がF以上であってもよい。
また、電波反射体11は、耐熱耐湿試験を行った後、保護層15における被着層に対する接着力の低減率が50%以下であることが好ましく、より好ましくは、45%以下であり、更に好ましくは40%以下である。本明細書でいう「被着層」とは、対象の層に直接接触した層を意味する。保護層15の被着層は、本実施形態では、接着層14である。接着力の測定方法は、JIS K 6849(1994)に準拠した引張り接着強さ試験によって測定される。
(電波反射体11の構造)
電波反射体11の一実施形態について、図2~図4を用いて説明する。電波反射体11は、複数の層が積層された積層体18を備えており、積層体18は、中間層として電波を反射させるための導電体を含む導電体12を含む導電層16を備えている。積層体18は、導電体12を含む導電層16を支持し、シート形状に保つ樹脂からなる支持層をさらに備える。シート形状とは、面としての広がりを持ち、平面からみて縦横方向の長さに対して厚み方向の長さが十分に短い形状を意味する。図2に示す本実施形態では、支持層として、基材を含む基材層13と、導電層16を保護するための保護材を含む保護層15と、導電層16と保護層15とを接着するための接着剤を含む接着層14とを有するが、少なくともいずれかを含んでいればよい。本実施形態では、電波反射体11は、基材層13の上に導電層16が積層され、導電層16の上に、接着層14と、保護層15とが順に積層されている。
なお、以下の説明では、図2に基づき上下方向を規定し、図3に基づき縦横方向を規定しているが、上下方向、縦横方向は説明のために用いており、電波反射体11の建築物等への取付け等の使用時における上下方向、縦横方向を規定するものではない。また、図1~図12は実際の縮尺を示すものではない。また図3(A)においては、電波反射体11の一部で接着層14、保護層15の図示を省略している。
(基材層13)
基材層13は、本実施形態では、外形が平面視において正方形状に形成されている。しかしこれに限定されず、電波反射体11の全体形状に合わせて長方形、円形、楕円形、扇形、多角形、三次元形状等であってもよい。基材層13である基材として、合成樹脂製のシートが用いられる。合成樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリフォルムアルデヒド、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される1種以上が挙げられる。
また、本実施形態では、基材層13の厚みL2(図2における上下方向の長さ)は均一に形成され、厚みL2は0.13mmに設定されているが、これに限定されるものではなく、電波反射体11の使用の態様に応じて適宜設定される。また、厚さは均一でなくてもよく、例えば、くさび形に形成されてもよいし、部分的に球面を有したり、凹凸形状を有した三次元形状に形成されてもよい。なお、基材層13は基材に加え、任意の合成樹脂等の物質や任意の部材を含んでいてもよい。
(導電層16)
導電層16は、1または複数の線状の導電体12が基材層13の上面に薄膜として形成されたものであることが好ましい。導電層16を構成する全ての導電体12は、基材層13の上面に形成されている。導電体12は、積層体18の端縁から5mm以上内側に配置されることが好ましい。積層体18の端縁とは、積層体18の一部である基材層13の端縁13aをいい、基材層13が保護層15、接着層14と同じ大きさの場合には、保護層15、接着層14の各端縁ともいえる。図4に示すように、平面視において、積層体18の端縁(基材層13の端縁13a)の任意の位置P1と、この任意の位置P1に最も近い導電体12との間の距離L11が5mm以上に設定されることが好ましい。平面からみて導電体12は、基材層13、接着層14、保護層15等の保持層に覆われている。
さらに、積層体18の端縁を含む端部には導電体12が配置されていないため、積層体18の端縁を含む端部は基材層13の上面に接着層14、保護層15が積層された構成となる。このため、側面からみたときに導電体12はこれらの層に覆われている。したがって、本実施形態の導電体12は外に露出していない。
すなわち、導電体12が「外に露出していない」とは、平面、側面からみて導電体12が電波反射体11の端縁よりも外側に飛び出しておらず、基材層13、接着層14、保護層15等の保持層に覆われていることをいう。
本実施形態のように電波反射体11が積層体18からなり、後述する封止材17を備えていない場合、「外に露出していない」とは、導電体12は積層体18の端縁(基材層13の端縁13a)より内側に配置され、平面、側面からみて基材層13、接着層14、保護層15等の保持層に覆われていることをいう。
一般的に、電波反射体11は、導電体12が環境の影響を受けることにより変色、腐食等が進んで劣化する。上記の構成によれば、導電体12は外に露出していないので、導電体12が環境の影響を受けにくくなり、電波反射体11は劣化が防がれ耐久性を備えることができる。
導電体12は、例えば銀(Ag)から構成されることが好ましい。なお、導電体12は自由電子を持つ金属、金属化合物又は合金から構成されていればよく、銀に限らず、例えば、金、銅、白金、アルミニウム、チタニウム、シリコーン、酸化インジウム錫、及び合金(例えばニッケル、クロム及びモリブデンを含有する合金)等であってもよい。ニッケル、クロム及びモリブデンを含有する合金としては、例えば、ハステロイB-2、B-3、C-4、C-2000、C-22、C-276、G-30、N、W、X等の各種グレードが挙げられる。
本実施形態においては、図3(B)に示すように、1または複数の線状の導電体12が、複数の導電体12の無い領域12aを囲んで配置されている。すなわち、導電層16は、導電体12および導電体12の無い領域12aが所定の間隔を空けて周期的に配置されたものである。線状とは、長手方向の長さが長手方向と直交する方向の長さの3000倍以上であることをいう。図3(B)、図4に示す例においては、正方形状の基材層13の端縁13aに平行に縦方向および横方向に沿って、導電体12を構成する複数の第1の線状体12Aと複数の第2の線状体12Bとが配置されている。第1の線状体12A、第2の線状体12Bはそれぞれ等間隔に配置されており、隣合う2本の第1の線状体12Aと隣合う2本の第2の線状体12Bとで囲まれた領域が、導電体12の無い領域12aである。導電体12の無い領域12aは同一形状の正方形である。言い換えると、導電体12の無い領域12aは導電体12の線幅L6の間隔を空けて縦方向および横方向に複数配置される。第1の線状体12A第2の線状体12Bとが重なり合う交点において第1の線状体12Aと第2の線状体12Bとは電気的に導通している。導電体12の線幅L6は、0.05μm以上、15μm以下に設定されることが好ましい。縦方向または横方向に沿って隣り合う導電体12の間の間隔L7(正方形である導電体12の無い領域12aの一辺の長さ)は、可視光線の波長より大きく、電波反射体11に反射する電波の波長より小さくなるように設定され、この例では、2μm以上、10cm以下に設定される。より好ましくは20μm以上、1cm以下、更に好ましくは25μm以上、1mm以下が好ましい。一層好ましくは30μm以上、250μm以下である。導電体12の無い領域12aが正方形でない場合には、導電体12の無い領域12aの端部の任意の二点の最大長さが上記の長さに設定される。また、導電体12の無い領域12aには、接着層14の接着剤が充填されていてもよい。
また、導電体12の厚み(膜厚)L3は、可視光透過性を有する程度の厚みであることが好ましい。導電体12の厚みL3は0.05μm以上、10μm以下が好ましい。厚みL3は、適切な電波強度を確保する観点から、5nm以上であることが好ましい。
導電層16は、被覆率が1%以上50%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以上10%以下であることが好ましい。被覆率は、平面視において基材層13の上面の導電層16が設けられている領域において、単位面積当たりの導電体12が占める面積の割合をいう。導電層16が設けられている領域とは、基材層13の上面領域から基材層13の周端部(基材層13の端縁13aと導電層16との間の部分)を除いた領域である。被覆率は、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、光学顕微鏡等を用いて測定される。
導電体12の表面粗さSaは特に限定されないが、1μm以上、7μm以下であることが好ましく、1.03μm以上、6.72μm以下であることがより好ましい。表面粗さSaがこの範囲内であることで、電波を拡散反射させやすくなる。
表面粗さSaはISO 25178の算術平均高さにより求められ、ISO 25178に準拠して測定される。レーザー顕微鏡(製品名VK-X1000/1050、キーエンス社製、又はその同等品)を用いて、導電体12の表面の複数箇所で表面粗さを測定して、得られた測定値の平均値を算出することで導電体12の表面粗さSaを求めることができる。なお、導電体12および基材層13を測定対象とする場合もある。
(導電層16の他の実施形態)
図3(B)に示す導電体12の配置では、導電体12の無い領域12aの形状が正方形であるが、例えば、隣り合う横方向に延びる導電体12A同士の間の間隔と、隣り合う縦方向に延びる導電体12B同士の間の間隔とが異なっており、導電体12の無い領域12aの形状が長方形であってもよい。
また、導電体12は図5(A)~(E)に示す配置パターンで配置されていてもよい。図5(A)においては、導電体12の配置はレンガ積み状のパターンである。第1の線状体12Aが横方向に沿ってかつ縦方向に所定の間隔を空けて配置され、隣り合う第1の線状体12Aの間に、縦方向に延びる複数の第2の線状体12Bが千鳥状に配置される。千鳥状とは、縦方向に延びる複数の第2の線状体が横方向に所定の間隔を空けて配列され、かつ、一つの列を形成する複数の第2の線状体12Bが、この列の縦方向に隣の列を形成する複数の第2の線状体12Bの間に位置し、一つ飛びの列の第2の線状体12Bは一直線上に並ぶように配列された状態をいう。導電体12の無い領域12aは隣合う2本の第1の線状体12Aと隣合う2本の第2の線状体12Bとで囲まれた領域である。
図5(B)においては、導電体12が無い複数の領域が三角状となるように導電体12が配置される。導電体12が無い複数の領域として、複数の三角形状の第1の領域12aと、複数の逆三角形状の第2の領域12bとを備える。第1の領域12a、第2の領域12bは、横方向及び縦方向において、それぞれ、一定の間隔で配列され、第2の領域12bは、隣り合う第1の領域12aの間に配置されている。第1の領域12a及び第2の領域12bの各々は、第1~第3の各線状体12A~12Cに囲まれた領域である。第1の線状体12Aは横方向に沿って配置され、第2の線状体12Bは第1の線状体12Aに対して斜めに傾いた方向に沿って配置され、第3の線状体12Cは、第1の線状体12Aに対して第2の線状体12Bと対称の方向に沿って配置される。
なお、図5(B)においては領域12a及び領域12bの各々の形状は正三角形であるが、二等辺三角形や3辺の長さが異なる三角形であってもよい。
図5(C)においては、導電体12は、正六角形の導電体12の無い領域12aを囲んで配置されている。導電体12の無い領域12aは、縦方向に導電体12の線幅L6の間隔を空けて連続して配列され、この列が横方向に複数配列される。縦方向に隣合う導電体12の無い領域12aの間に、横方向に隣の列の導電体12の無い領域12aが配置される。
図5(D)においては、形状の異なる複数種類の導電体12の無い領域を有している。導電体12の無い領域として、線状の導電体12に囲まれた正五角形の第1の領域12aと、逆正五角形の第2の領域12bと、菱形の第3の領域12cとを備える。第1の領域12a~第3の領域12cは、それぞれ、横方向及び縦方向において、一定の間隔で配置されている。詳細には、第1の領域12aと第2の領域12bとは導電体12の線幅L6の間隔を空けて縦方向に隣合うように配置されており、この第1の領域12aと第2の領域12bとの組が横方向に並んで周期的に配置されている。横方向に隣合う第1の領域12aと第2の領域12bとの組の間に第3の領域12cが配置される。第1の領域12a、第2の領域12b及び第3の領域12cでなす形状は同じ周期で配列されている。
図5(E)においては、形状の異なる複数種類の導電体12の無い領域を有している。導電体12の無い領域として、線状の導電体12に囲まれた円形状の第1の領域12aと、略三角形状の第2の領域12bと、略逆三角形状の第3の領域12cとを備えている。1~第3の各領域12a~12cは、それぞれ、縦方向および横方向に一定の間隔を空けて周期的に配置されている。第1の領域12aは導電体12の線幅L6の間隔を空けて連続するように横方向に並んで周期的に配置されている。このような第1の領域12aの行が縦方向に連続して配置されており、横方向に隣合う第1の領域12aの間に、縦方向に隣合う第1の領域12aが配置される。
なお、図5(A)~(E)は導電体12のみを図示している。その他の導電体12の構成は図3(B)と同様である。
図3(B)、図5の配置パターンを有する導電層16の製造方法として、例えば、導電体膜を成形した後、エッチングによりパターンを形成し、パターンを有する導電薄膜体を取り出す方法がある。また、リフトオフ層を設けたベースフィルム上に、感光性レジストを塗工し、フォトリソグラフィ法によりパターン形成し、パターン部に導電体を充填した後に、パターンを有する導電薄膜体を取り出す方法がある。なお、製造方法は上記に限定されることはなく、導電層16の形成においては、金属薄膜を接着する方法、金属を蒸着する方法などが挙げられる。
この導電体12によれば、電波の拡散性を向上することができる。ここでいう「電波の拡散性」とは、正規反射強度と、正規反射の周囲の電波強度との差が一定の範囲に収まることを意味する。
(接着層14)
接着層14は、基材層13および導電層16の上に保護層15を接着するものであり、接着剤から構成される。接着層14は、平面視において基材層13に対応する大きさを有する。接着層14である接着剤として、合成樹脂やゴム製の粘着シートが用いられる。合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂や、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。接着層14の厚みL4は、導電層16の上面と保護層15の下面との間の距離であり、本実施形態では150μmに設定されているが、これに限定されるものではない。接着層14の接着剤は、導電層16の導電体12の無い領域12aや基材層13の周端部(基材層13の端縁13aと導電層16との間の部分)に充填されてもよい。なお、接着層14は接着剤に加え、任意の合成樹脂等の物質や任意の部材を含んでいてもよい。
接着層14は、誘電正接(tanδ)が0.018以下の合成樹脂材料からなるものが用いられることが好ましい。誘電正接は低いほど好ましいが、通常0.0001以上である。誘電正接とは、誘電体内での電気エネルギー損失の度合いを表すものであり、誘電正接が大きい材料ほど電気エネルギー損失は大きくなる。誘電正接が0.018以下である接着層14を用いることで、電波反射体11における電波の電気エネルギーの損失が少なくなり、反射強度をより強くすることができる。
また、接着層14の合成樹脂材料は、電場の周波数に応じて比誘電率が変化するものであることが好ましい。比誘電率とは、媒質(本実施形態では合成樹脂材料)の誘電率と真空の誘電率の比である。電場に応じて比誘電率が変化することで、特定の周波数の電場での反射波の強度を高めることができる。比誘電率は、1.5以上、7以下の間で変化することが好ましい。より好ましくは、1.8以上、6.5以下の間で変化することが好ましい。誘導正接、比誘電率は測定装置(例えば、東洋テクニカ社、型番TTPXテーブルトップ極低温プローバー、マテリアルインピーダンスアナライザMIA-5M)を用いて既知の方法(例えば、空洞共振器法、同軸共振器法)により測定される。
なお、接着層14だけでなく、基材層13及び保護層15を構成する合成樹脂材料が、誘電正接が0.018以下のものであってもよく、電場に応じて比誘電率が変化するものであってもよい。
また、接着層14は、水酸基価が5mgKOH/g以上であることが好ましく、より好ましくは、8mgKOH/g以上であり、更に好ましくは、30mgKOH/g以上であり、更に好ましくは、90mgKOH/g以上である。一方、接着層14の水酸基価の上限は、120mgKOH/g以下であることが好ましい。接着層14の水酸基価が5mgKOH/g以上であると、高温高湿環境下において、接着層14が発泡又は/及び白化しにくいという利点がある。本明細書において、水酸基価は、JIS K 1557に準拠する試験方法により測定される。
また、接着層14の酸価は、50mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは、45mgKOH/g以下であり、更に好ましくは、30mgKOH/g以下であり、更に好ましくは、10mgKOH/g以下である。一方、接着層14の酸価の下限は、0.1mgKOH/g以上であることが好ましい。接着層14の酸価が50mgKOH/g以下であると、導電体12が腐食することを防ぐことができ、電波反射性の経時的な安定性を高くすることができる。本明細書において、酸価は、JIS K 2501に準拠する試験方法により測定される。
接着層14は、紫外線防止剤を不含有であることが好ましい。接着層14が紫外線防止剤を不含有であると、接着層14を無色透明に調整しやすいという利点がある。ここで、「不含有」には、紫外線防止剤を全く含有していない場合だけでなく、接着層14が無色透明を損なわない程度の僅かな量を含有する場合も含むものとする。紫外線防止剤は、紫外線を吸収または散乱させて紫外線の侵入を防ぐものであり、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤を含む。
(保護層15)
保護層15は、平面視において基材層13に対応する大きさを有し、導電体12を保護するものであり、保護材から構成される。保護層15である保護材として、合成樹脂製のシート(フィルム)が用いられる。合成樹脂としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリフォルムアルデヒド、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂からなる群から選択される1種以上が挙げられる。保護層15の厚みL5は、0.02mm以上、0.30mm以下に設定されることが好ましい。なお、保護層15には保護材に加え任意の合成樹脂等の物質や任意の部材を含んでいてもよい。
保護層15は、温度40℃、湿度90%rh(相対湿度)での透湿度が、20g/m・24h以下であることが好ましく、より好ましくは、16g/m・24h以下であり、更に好ましくは、12g/m・24h以下であり、更に好ましくは、10g/m・24h以下である。保護層15の温度40℃、湿度90%rh(相対湿度)での透湿度が、20g/m・24h以下であると、導電層16が腐食しにくく、導電層16の表面抵抗率が上昇しにくいという利点がある。本明細書でいう「透湿度」は、JIS Z 0208(1976)に準拠した試験方法で測定される。
保護層15は紫外線防止剤を含有してもよく、保護層15の上面(表面)に紫外線カット処理が施されていてもよく、または、紫外線防止剤の含有と紫外線カット処理の両方が行われていてもよい。紫外線カット処理とは、紫外線防止剤を含有する膜を塗布等により形成する処理を意味する。この構成によれば、紫外線が電波反射体11の内部に侵入しにくくなるので、電波反射体11を長期にわたり使用した場合であっても、紫外線による電波反射体11の変色を抑制することができる。紫外線防止剤は、上述のように紫外線吸収剤、紫外線散乱剤のいずれであってもよい。紫外線吸収剤としては、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジメチル PABA オクチル等が例示され、紫外線散乱剤として、酸化チタン、酸化亜鉛等が例示されるが、これに限定されるものではない。
(他の実施形態)
図6(A)、図6(B)に本発明の他の実施形態を示す。本実施形態の電波反射体11は、積層体18の周囲であって、少なくとも導電層16を構成する導電体12に対応する位置に、積層体18の側面を覆う封止材17が設けられている。封止材17は、電波反射体11の側面視において少なくとも導電体12が外に露出しないように積層体18の側面を覆っていればよく、図6(B)に示すように、基材層13、導電層16、接着層14、保護層15のそれぞれの側面を覆っていてもよい。封止材17は接着性を有し各層の側面と接着される。
本実施形態においては、平面視において、導電層16を構成する導電体12は、基材層13上であって基材層13の端縁13aと揃う位置に配置されていてもよく、基材層13の端縁13aに沿って連続して設けられていてもよい。すなわち、平面視において、積層体18の端縁(基材層13の端縁13a)の任意の位置P1と、この任意の位置P1に最も近い導電体12との間の距離L11が0であってもよい。
導電体12は、平面からみて少なくとも封止剤17の分だけ電波反射体11の端縁よりも内側に配置されており、封止材17は少なくとも導電体12の側面に当接して導電体12の外への露出を防ぐ。封止材17により導電体12が環境の影響を受けにくくなり、電波反射体11は劣化が防がれ耐久性を備えることができる。
なお、導電体12が基材層13の端縁13aより内側に形成されていてもよい。この場合、導電体12は基材層13の端縁13aより内側にあることに加え、封止材17によりさらに環境の影響を受けにくくなり、劣化が防がれ耐久性を備えることができる。
すなわち、図6に示す本実施形態において導電体12が「外に露出していない」とは、電波反射体11を側面からみたとき導電体12は封止剤17に覆われており、平面からみたとき導電体12は基材層13、接着層14、保護層15に覆われていることをいう。
平面から見て、封止材17が積層体18から突出する長さ(封止材17の幅)L12は一定であり、0.01mm以上、10mm以下が好ましい。また、電波反射体11の一辺の長さL10は、積層体18の一辺の長さL13に封止材17の突出長さL12の2倍を加えたものとなる。
封止材17として合成樹脂が用いられ、合成樹脂の例としては、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。
その他の構成及び作用は図2~図4に示す実施形態と同様であるため、対応する構成に同一の符号を付すことで詳細な説明は省略する。
(封止材17が設けられる実施形態の電波反射体11の製造方法)
図6に示す実施形態の電波反射体11は、電波反射体11として製造された後に壁等の設置箇所に取り付けられてもよい。電波反射体11の製造方法は以下のとおりである。まず、積層体18の形成工程を行う。この工程では、基材層13の上面に導電層16が形成され、導電層16の上に接着層14を介して保護層15が接着されて、積層体18が形成される。次に、封止材17を設ける工程を行う。この工程では、積層体18の周囲の少なくとも導電層16に対応する位置に、導電体12を露出させないための封止材17を設ける。封止材17は接着性を有しているため、積層体18の側面に取り付けられる。これらの工程により、図6に示す実施形態の電波反射体11が製造される。
また、先に封止材17を設ける工程を行い、次に積層体18を形成する工程を行ってもよい。封止材17を設ける工程において、例えば剥離紙等の面上に封止材17を環状に配置する。封止材17に囲まれた空間は平面からみて積層体18と同じ形状、大きさである。次に、上述のように積層体18を形成する工程を行う。そして、封止材17に囲まれた空間に積層体18を嵌め込む工程を行う。これにより電波反射体11が製造される。このように製造された電波反射体11は、封止材17が積層体18の周囲の少なくとも導電層16に対応する位置にある。
(封止材17が設けられる実施形態の電波反射体11の施工方法)
図6に示す実施形態の電波反射体11は、以下の施工方法において壁等の設置面の設置箇所に取り付けられてもよい。設置箇所は、例えば、建物の壁、パーティーション、柱、鴨居、建築物の外壁、窓等の面であり、平坦面であってもよく、湾曲面であってもよい。まず、積層体18を設置箇所に取り付ける工程を行う。この工程では、積層体18を、基材層13が設置箇所に接するように、両面テープや接着剤等の取り付け手段により設置箇所に取り付ける。次に、封止材17を設ける工程を行う。この工程では、積層体18の周囲の少なくとも導電層16に対応する位置に、導電体12を露出させないための封止材17を設ける。
また、先に封止材17を設ける工程を行い、次に積層体18を設置箇所に取り付ける工程を行ってもよい。まず、壁等の設置面であって、積層体18の設置予定の箇所の周囲に封止材17を環状に設ける。次に、積層体18を封止材17で囲まれた空間内に嵌め込むように設置箇所に取り付ける。これにより、電波反射体11が設置箇所に施工される。
図6に示す実施形態では電波反射体11は積層体18を1つ備えているが、電波反射体11は、図7に示すように、複数の積層体18が間隔を空けて配置されていても良い。図7の例では4つの積層体18が配置されている。平面視において各積層体18の4辺のうち、隣り合う積層体18がない辺に封止材17が設けられ、隣り合う積層体18の間の空間には、空間全体に封止材17が充填される。これにより、各積層体18の周囲に封止材17が配置される。このような電波反射体11の施工方法は、以下のとおりである。まず、複数の積層体18を間隔を空けて両面テープや接着剤等の取り付け手段により壁等の設置箇所に取り付ける工程を行う。次に、封止材17を設ける工程を行う。この工程では、積層体18の4辺のうち隣り合う積層体18がない辺の少なくとも導電層に対応する位置に封止材17を設ける。そして、隣り合う積層体18の間の空間全体に封止材17を設ける。これにより、電波反射体11が設置箇所に施工される。また、先に封止材17を設ける工程を行い、次に積層体18を設置箇所に取り付ける工程を行ってもよい。まず、複数の積層体18の設置予定の箇所の周囲に封止材17を環状に設ける。さらに、複数の積層体18が間隔を空けて設置箇所に取り付けられたときに隣り合う積層体18の間の空間に封止材を設ける。次に、積層体18を封止材17で囲まれた空間内に嵌め込むように設置箇所に取り付ける。
(電波反射体11の他の実施形態)
本明細書に記載された実施形態において、電波反射体11は支持層として基材層13を備えておらず、接着層14と保護層15とを備えていてもよい。この場合、導電層16の全ての導電体12は接着層14および保護層15により支持され、平面視において、導電層16の全ての導電体12は、接着層14および保護層15に覆われる。なお、保護層15が接着性を有する場合には、支持層として保護層15のみを備えていてもよい。
このような電波反射体11は、設置箇所の設置面に導電体12が対向し、導電体12が設置面に直接接するか、接着層等を介して接するように設置される。導電層16は、平面視において、接着層14および保護層15と、設置面とに覆われ、導電体12が外に露出せず、劣化が防がれる。
(使用)
上記のいずれかの電波反射体11は、設置箇所である建物の壁、パーティーション、柱、鴨居、建築物の外壁、窓等の面に接着剤等により貼り付けられて使用されてもよい。また、電波反射体11は、建築材料30に含まれて使用されてもよい。建築材料30は、例えば図8(A)に示すように、室内や廊下の壁面、天井面、床面、パーティーション用の壁紙、ポスター等の装飾材30A、電灯カバー用の透明シール等の装飾材30Bとして、建築物内に取り付けることが可能なものである。電波反射体11を含んだ装飾材30A、30Bを壁面31や電灯カバー32に取付けることで、屋外から窓33等を介して室内に入った電波を、壁面31や電灯カバー32に設けた装飾材30A、30Bで反射する。これにより、室内空間Sのより広範囲に電波が届き、電波受信の利便性が向上する。
また、電波反射体11は、樹脂などの非導電性材料からなる部材又は建築材料の内部に保持されたものとして形成されてもよい。例えば、建築材料30である壁面31そのものや電灯カバー32そのものが電波反射体11で構成されていてもよい。さらに、建築材料30は室内の壁や電灯カバーに限定されず、例えば、パーティーション、柱、鴨居、建築物の外壁、窓等であってもよい。例えば、図8(B)は室内を平面から見た図であり、電波反射体11である建築材料30は部屋の隅の曲面を有する隅柱30Cとして形成されている。窓33から入った電波が隅柱30Cに反射して室内空間Sのより広範囲に電波が届く。なお、図8(A)、図8(B)は建築材料30の適用例を示すものであり、実際の電波の反射の範囲を示すものではない。
(評価試験)
電波反射体11として実施例1~6、比較例1を作成し、この実施例1~6と比較例1とについて、イエローインデックスの差、耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率r、反射強度の差について評価試験を行なった。ただし、本発明の電波反射体11は、実施例1~6に限定されない。
(実施例、比較例の説明)
(実施例1)
実施例1として作成した電波反射体11は、図2~図4に示す実施形態と同様の構成を有する電波反射体11である。電波反射体11は平面形状が正方形状であり、一辺の長さL10を20cm、電波反射体11の厚みL1を250μmとした。なお、電波反射体11の厚みL1は、導電層16の厚みL3、基材層13の厚みL2、接着層14の厚みL4、保護層15の厚みL5の合計となる。しかし、導電層16の厚みL3は基材層13、接着層14、保護層15の各厚みL2、L4、L5に比べて非常に薄いため、電波反射体11の厚みL1に導電層16の厚みL3は考慮されていない。電波反射体11は、3GHz以上、300GHz以下の周波数帯域において、電波の反射強度が-30dB以上である。また、電波反射体11は3GHz以上、300GHz以下の周波数の入射波が反射したときの電波の反射強度の最大値(以下、「電波反射強度の最大値」ともいう。)が-20dBである。
基材層13としてPETからなる合成樹脂材料シート(東レ社製、ルミラー50T60)を用い、基材層13の厚みL2を50μmとした。
導電層16の導電体12は銀(Ag)からなる線状の金属薄膜であり、厚み(膜厚)L3を500nm、線幅L6を0.5μm、隣り合う導電体12の間の長さL7を60μmとした。導電層16の表面抵抗率は1.7Ω/□、導電体被覆率は3.3%である。積層体18の基材層13の端縁13aと導電体12との間の距離L11を10mmとした。
接着層14として、ゴム系接着剤を用いた。詳細には、接着層14は、冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートおよび撹拌装置を備えた反応容器に、ゴム系ポリマー(スチレン-(エチレン-プロピレン)-スチレン型ブロック共重合体50質量%とスチレン-(エチレン-プロピレン)型ブロック共重合体50質量%との混合物、スチレン含有率15%、重量平均分子量13万)100重量部、合成樹脂(三井化学社製、FMR-0150)40重量部、軟化剤(JX日鉱日石エネルギー社製、LV-100)20重量部、酸化防止剤(ADEKA社製、アデカスタブAO-330)0.5重量部およびトルエン150重量部を仕込み、40℃で5時間撹拌したものである。接着層14の厚みL4は150μmとした。接着層14の誘導正接は0.04である。
保護層15としてPETからなる合成樹脂製シート(東レ社製、ルミラー50T60)を用いた。保護層15の厚みL5を50μmとした。実施例1において封止材17は設けられていない。
なお、電波反射体11の厚みL1、導電層16の厚みL3、基材層13の厚みL2、接着層14の厚みL4、及び保護層15の厚みL5は、任意の複数箇所を測定して、得られた測定値の平均値を算出することで求めた。厚みL1~L5の測定には、例えば、計測器として反射率分光式膜厚測定器(例えば、フィルメトリクス株式会社製、F3-CS-NIR)が用いられた。
実施例1の電波反射体11の製造方法を説明する。まず、導電体12の基材層13への形成を行なう。金属層として十分な強度を有する5~200μmの厚さの銅箔の一方の表面に、0.01~3μmのコア層を電解または無電解めっきなどの方法によって形成する。そして、コア層の表面に電解または無電解めっきなどの方法によって所定の配置パターンの導電層16を形成する。次に、導電層16の全部を基材層13で覆う。基材層13には粘着剤があらかじめ塗布されている。そして、銅箔およびコア層をエッチング除去する。これにより導電体12が基材層13上に形成される。
そして、接着層14により保護層15を導電体12の基材層13とは反対側に取付ける。接着層14を用いて、気泡が入らないよう保護層15を基材層13の導電体12上に貼付ける。これにより電波反射体11が製造される。
(実施例2)
実施例2として作成した電波反射体11は、実施例1とは積層体18の端縁と導電体12との間の距離L11が異なっており、距離L11を5mmとした。その他の構成は実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例3として作成した電波反射体11は、実施例1、2とは異なり図6に示す実施形態と同様の構成を有する電波反射体11である。積層体18の周囲に封止材17が設けられており、封止材17が積層体18から突出する長さ(封止材17の幅)L12は5mmである。封止材17として、シリコーン系樹脂である積水フーラー株式会社のセキスイシリコーンシーラント クリア(型番SSBCL-333)を用いた。積層体18の端縁と導電体12との間の距離L11は0であり、積層体18の端縁に導電体12が位置している。電波反射体11は、一辺の長さL10が20.1cmである。その他の構成は実施例1と同様である。
(実施例4)
実施例4として作成した電波反射体11は、実施例3と同様に図6に示す実施形態と同様の構成を有する電波反射体11である。実施例3と異なる点は封止材17であり、アクリル系樹脂を用いた。アクリル系樹脂は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)である。その他の構成は実施例3と同様である。
(実施例5)
実施例5として作成した電波反射体11は、実施例3と同様に図6に示す実施形態と同様の構成を有する電波反射体11である。実施例3と異なる点は封止材17であり、エポキシ系樹脂を用いた。エポキシ系樹脂は、エポキシ主剤として三菱ケミカル株式会社のjER828(エポキシ当量190)、硬化剤として三菱ケミカル株式会社のjERキュア YN100(アミン価350KOHmg/g、アミン当量80.1)を含む。硬化時間は3日、硬化温度は40度である。その他の構成は実施例3と同様である。
(実施例6)
実施例6として作成した電波反射体11は、実施例1とは積層体18の端縁13aと導電体12との間の距離L11が異なっており、距離L11を1mmとした。その他の構成は実施例1と同様である。
(比較例1)
比較例1として作成した電波反射体11は、以下の点において実施例1と異なっている。積層体18の端縁と導電体12との間の距離L11が0、すなわち、積層体18の端縁に沿って導電体12が位置している。その他の構成は実施例1と同様である。
(測定方法および算出方法)
(イエローインデックスの測定およびイエローインデックスの差の算出)
イエローインデックスの差は以下の方法で算出した。まず、測定対象物である実施例1~6、比較例1(以下、「試料」ともいう)に対して、イエローインデックス(YI0)を測定した。次に、試料に耐熱耐湿試験を施し、耐熱耐湿試験後の試料に対してイエローインデックス(YI)を測定した。そして、耐熱耐湿試験の後のイエローインデックス(YI)から耐熱耐湿試験の前のイエローインデックス(YI0)を引き、イエローインデックスの差を求めた。すなわち、イエローインデックスの差=YI-YI0である。イエローインデックスの測定はJISK7373に準拠した方法で行われた。耐熱耐湿試験として、温度60℃、湿度95%RH(相対湿度が95%)に調整した恒温恒湿槽内に電波反射体11を500時間放置した後、電波反射体11を恒温恒湿槽から取り出し、常温で4時間静置する試験を行った。
(表面抵抗率の測定)
表面抵抗率は、耐熱耐湿試験前の試料に対しては、試料の製造時に導電層16が形成されて露出している状態で、導電層16の表面に測定端子を接触させて、JISK6911に準拠して四端子法で測定した。また、耐熱耐湿試験後の試料に対しては、導電層16が露出していないため、非接触式抵抗測定器(ナプソン株式会社製、商品名:EC-80P、又はその同等品)を用いて渦電流法によって測定した。
(耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率の算出)
耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率rは以下の方法により算出した。まず、耐熱耐湿試験前の試料に対して表面抵抗率を測定した。次に、試料に耐熱耐湿試験を施し、耐熱耐湿試験後の試料に対して表面抵抗率を測定した。そして、耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率r=(耐熱耐湿試験前の表面抵抗率r1-耐熱耐湿試験後の表面抵抗率r2)/耐熱耐湿試験前の表面抵抗率r1×100の式から、耐熱耐湿試験時の表面抵抗率の変化率を算出した。耐熱耐湿試験は、温度60℃、湿度95%RH(相対湿度が95%)に調整した恒温恒湿槽内に電波反射体11を500時間放置する試験である。導電層16の表面抵抗率を電波反射体11の表面抵抗率とした。
表面抵抗率の変化率が10%より小さい場合を「◎」と評価し、表面抵抗率の変化率が10%以上、20%より小さい場合を「○」と評価し、表面抵抗率の変化率が20%以上の場合を「×」と評価した。表面抵抗率の変化率が「◎」、「○」の場合には、表面抵抗率が耐熱耐湿試験の前後で大きく変化せず、使用に実用的であることを意味する。
(反射強度の測定)
試料の反射波の強度と反射強度が―30dB以上となる周波数帯の測定は、JISR1679:2007に記載された反射量の測定方法に沿って行った。試料架台に試料を平らとした状態で配置し、電波の入射角θ1、反射角θ2(θ1、θ2=45度)に合わせて送信アンテナ及び受信アンテナを配置した。試料と受信アンテナとの間の距離および試料と送信アンテナとの間の距離は1mとした。送信アンテナから、周波数を3GHzから300GHzまで変化させた電波(3GHzの電波、5GHzの電波、30GHz以上は30GHz刻みに300GHzまで(すなわち、30、60、90、120・・・300GHz)の電波)を出力し、電波に対する反射量(反射強度)を測定した。また、反射量が-30dB以上となる周波数帯域を求めた。
まず、基準金属板(アルミニウムA1050板、厚み3mm)を試料架台に設置して、スカラネットワークアナライザを用いて受信レベルを測定して記録した。この時、スカラネットワークアナライザにて受信アンテナと送信アンテナの同軸ケーブルを直結し、各周波数における信号レベルを0として校正した。その後再度装置を構成し、測定を行った。基準金属板を試料架台から取り外し、試料を試料架台に設置し、受信レベルを測定し、記録した。測定した受信レベルから、基準金属板の受信レベルを引算して、測定対象の電波反射体11の正規反射方向の反射量を求めた。各試料について、同様の測定を繰り返した。なお電波の周波数が10GHz以下の場合においては、矩形ホーンアンテナの第一フレネル半径を考慮し、適宜ミリ波レンズを用いて試料に平面波を照射した。
(反射強度の差)
耐熱耐湿試験の前後の電波反射体11において、周波数を3GHzから300GHzまで変化させた電波(3GHzの電波、5GHzの電波、30GHz以上は30GHz刻みに300GHzまで(すなわち、30、60、90、120・・・300GHz))の反射強度を求めた。次に、周波数ごとに、耐熱耐湿試験の前後の電波反射強度の差(絶対値)を求めた。差の最大値を表1に示した。差(絶対値)が2より小さければ、電波反射体11の反射強度が低下せず、使用に実用的であることを意味する。
(試験結果)
表1に試験結果を示す。実施例1、2は、導電体12が積層体18の基材層13の端縁13aよりもそれぞれ10mm、5mm内側に形成されており、耐熱耐湿試験の前後においてイエローインデックスの差はそれぞれ0.4、0.6と小さい。また、表面抵抗率の変化率は「◎」の評価であった。さらに、3GHz以上、300GHz以下の全ての周波数帯において、実施例1の耐熱耐湿試験前後の電波反射体11の反射強度は-20dBであった。反射強度の差はゼロであり、反射強度は全く低下しなかった。このように実施例1、2においては、耐熱耐湿試験の前後において劣化がみられなかった。
実施例6は導電体12が積層体18の端縁よりも1mm内側に形成されており、イエローインデックスの差は3.2と実施例1よりは大きくなる。しかし、表面抵抗率の変化率は「○」の評価であった。3GHz以上、300GHz以下の周波数帯のうち、周波数27.5GHzにおいて、耐熱耐湿試験前の電波反射体11の反射強度は-20dB、耐熱耐湿試験後の反射強度は-21dB、反射強度の差は1であり、反射強度は僅かに低下したが、使用に実用的である。
実施例3~5は導電体12が積層体18の基材層13の端縁13aに形成されているものの、導電体12は封止材17で覆われている。実施例3~5は封止材17としてシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂が用いられている。実施例3~5ともにイエローインデックスの差は0.1と小さく、表面抵抗率の変化率は「◎」の評価であった。さらに、3GHz以上、300GHz以下の全ての周波数帯において、実施例1の耐熱耐湿試験前後の電波反射体11の反射強度は-20dBであった。反射強度の差はゼロであり、反射強度は全く低下しなかった。
これに対して、比較例1においては、導電体12が積層体18の基材層13の端縁13aに形成されており、封止材17が設けられておらず、導電体12が外に露出している。イエローインデックスの差は4.0と大きく、表面抵抗率の変化率は「×」の評価であった。3GHz以上、300GHz以下の周波数帯のうち、周波数27.5GHzにおいて、耐熱耐湿試験前の電波反射体11の反射強度は-20dB、耐熱耐湿試験後の反射強度は-25dB、反射強度の差は5であり、反射強度は大幅に低下した。
Figure 2024021078000005
(導電層16の他の実施形態)
導電層16は、例えばメタマテリアル構造を有していてもよい。メタマテリアル構造は、誘電体であるシート形状の導電体12を周期的に等配列させたものであり、この周期配列構造により負の誘電率を有し、周期間隔に基づいて定まる特定の周波数帯域に属する電波を反射する。各導電体12の形状は限定されず上述の形状であってよいが、例えば、図9に示すように、各導電体12は正方形状であってもよい。導電体12が3GHz以上、300GHz以下の周波数の電波を反射するように、一辺の長さL20及び隣り合う導電体12の間の間隔L21が設定されていてもよい。この場合、導電体12の一辺の長さL20は0.7mm以上、800mm以下であってもよく、間隔L21は1μm以上、1000μm以下であってもよい。導電体12の厚みL3は、350nm(0.35μm)以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、さらに50nm以下であることがより好ましい。導電体12の数は基材層13の大きさ(面積)に合わせて適宜設定される。一例では、導電体12は基材層13の大きさに合わせて基材層13上に縦に2つ、横に2つの合計4つ形成されていてもよい。この場合、各導電体12の一辺の長さL20は77.460mm、隣り合う導電体12の間の間隔L21は100μm、厚みL3は350nm(0.35μm)以下に設定されている。導電層16はメタマテリアル構造に限定されず、金属ナノワイヤ積層膜、多層グラフェン、部分剥離グラファイトのいずれかであってもよい。
(導電層16の他の実施形態)
導電体12は、例えば、図10に示すような態様でもよい。導電体12は、複数の第1の囲み部61を含む第1の導電部62と、複数の第2の囲み部63を含む第2の導電部64とが、重なるようなパターンで形成されている。第1の囲み部61と第2の囲み部63とは、導電層に平行な投影面に投影した場合に、互いに共有した部分を有していない。
第1の導電部62は、導電体12が形成されていない第1の領域AR1を囲む第1の囲み部61が、一定のピッチで繰り返し形成されている。ここでは、第1の導電部62は、格子状に形成されているが、五角形状、六角形状、円形状等に形成されてもよい。
第2の導電部64は、導電体12が形成されていない領域である第4の領域AR4を囲む第2の囲み部63が、一定のピッチで繰り返し形成されている。第4の領域AR4は、隣り合う複数の第1の領域AR1にまたがるように形成されている。第2の導電部64は、第1の導電部62と同じ平面上に位置してもよいし、異なる平面上に位置してもよい。すなわち、第2の導電部64は、第1の導電部62に対して導通していてもよいし、導通していなくてもよい。また、隣り合う第2の導電部64は互いに離れているが、接していてもよい。なお、第2の導電部64は、四角形状に形成されているが、五角形状、六角形状等に形成されてもよい。
導電体12によれば、電波の拡散性を向上することができる。ここでいう「電波の拡散性」とは、正規反射強度と、正規反射の周囲の電波強度との差が一定の範囲に収まることを意味する。
(導電層16の他の実施形態)
導電体12は、例えば、図11に示すような態様でもよい。図11の態様は、図10の態様と第2の導電部64(第2の囲み部63)の形状が異なっており、第2の囲み部63は円形状である。第2の囲み部63の中心点は、格子状に形成された第1の導電部62の交点と重なるように配置され、第2の囲み部63の直径は、第1の導電部62の格子ピッチに等しい。すなわち、隣り合う第2の囲み部63は互いに接している。なお、隣り合う第2の囲み部63は互いに離れていてもよい。その他の構成は図10の態様と同様であるため、対応する構成に同じ符号を振って説明を省略する。
このように、円形の第2の囲み部63を有することで、平面視において、電波反射体11に対する入射方向が反射強度に与える影響を小さくできる。言い換えると、この場合、平面視において、電波が、電波反射体11に対してどの方向から入射しても、入射方向に応じた拡散性の変動を小さくできる。
(電波反射体11の他の実施形態)
上記の図2~図11の実施形態において、図12に示すように、電波反射体11を構成する積層体18は、上下方向に複数の導電層16A、16Bを有していてもよい。この例では基材層13Aの上に設けられた導電層16Aの上に、基材層13Bの下面が接着層14Aにより貼付けられ、導電層16Bの上に、接着層14Bにより保護層15が貼付けられている。
この場合、各導電層16A、16Bは、基材層13A、13Bの端縁13aから5mm以上内側に形成されてもよく、この場合、封止材17は設けられなくても良い。また、積層体18の周囲の少なくとも各導電層16A、16Bに対応する位置に、導電体12を露出させないための封止材17が設けられてもよい。
導電層16が図3(B)、図5、図10、図11に示す導電体12の配置パターンを有する場合には、基材層13A上に形成された各導電体12と基材層13B上に形成された各導電体12とは平面から見て重なるように位置合わせされていてもよいが、重なっていなくてもよい。また、導電層16A、16Bは異なる配置パターンで形成されていてもよい。本実施形態では電波反射体の厚みが0.01mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
電波反射体11に入射した電波は、一層目の導電層16Bの導電体12により反射されるが、一部は一層目の導電層16Bで反射されずに導電層16Bを通過する。一層目の導電層16Bを通過した電波は、二層目の導電層1
6Aにより反射される。このように、導電層16を上下方向に複数積層することで、上層の導電層16Bを通過した電波を下層の導電層16Aで反射させることができ、電波反射体11の反射強度を導電体12が一層のみの場合と比べてより大きく保つことができる。また、電波の正規反射方向に対して±15度の角度範囲αにおける、反射強度の分布の尖度をさらに小さくすることができ、角度範囲α内の角度位置による反射強度の差が小さくなる。さらに、二枚の接着層14A、14Bを用いているので、誘電正接の値が図2に示す実施形態よりもさらに小さくなり、反射強度をさらに大きく保つことができる。その他の構成及び作用は図2~図11に示す実施形態と同様であるため、対応する構成に同一の符号を付すことで詳細な説明は省略する。
なお、基材層13に形成された導電体12は三層以上積層されていてもよい。導電体12を積層する数が多くなると反射強度が大きくなるが、電波反射体11全体の厚みが厚くなるため可撓性が低下し、また、可視光透過性も低下する。このため、特に可撓性や透明性が必要でない場所に電波反射体11を設ける場合には積層数を多くするなど、積層数は使用用途等に応じて適宜設定される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
また、本明細書において「端部」及び「端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「端」は物体の末の部分を意味するが、「端部」は「端」を含む一定の範囲を持つ域を意味する。端を含む一定の範囲内にある点であれば、いずれも、「端部」であるとする。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
11 電波反射体
12 導電体
13 基材層
14 接着層
15 保護層
16 導電層
17 封止材
18 積層体
L6 導電体の線幅
L10 電波波反射体の1辺の長さ

Claims (8)

  1. 複数の層が積層され、電波を反射させるための導電体を含む導電層を中間層とする積層体を備え、
    前記導電体は外に露出していない、電波反射体。
  2. 前記導電体は、平面から見て前記積層体の端縁から5mm以上内側に配置される、請求項1に記載の電波反射体。
  3. 前記積層体の周囲の少なくとも前記導電層に対応する位置に、前記導電体を露出させないための封止材が設けられる、請求項1に記載の電波反射体。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電波反射体において、
    耐熱耐湿試験の後のイエローインデックスと、前記耐熱耐湿試験の前のイエローインデックスの差が3以下であり、
    前記耐熱耐湿試験は、温度60℃、湿度95%RHに調整した恒温恒湿槽内に前記電波反射体を500時間放置した後、前記電波反射体を前記槽から取り出し、常温で4時間静置する試験である、電波反射体。
  5. 請求項1に記載の電波反射体において、
    耐熱耐湿試験の後の前記電波反射体と前記耐熱耐湿試験の前の前記電波反射体とに3GHz以上300GHz以下の周波数の入射波を正規反射させたときに、前記耐熱耐湿試験の後の前記電波反射体の反射波の強度と前記耐熱耐湿試験の前の前記電波反射体の反射波の強度との差が3dB以内となる入射波の周波数が少なくとも1つ存在し、
    前記耐熱耐湿試験は、温度60℃、湿度95%RHに調整した恒温恒湿槽内に前記電波反射体を500時間放置した後、前記電波反射体を前記槽から取り出し、常温で4時間静置する試験である、電波反射体。
  6. 電波反射体の製造方法であって、
    複数の層が積層され、電波を反射させるための導電体を含む導電層を中間層とする積層体を形成する工程と、
    前記導電体を露出させないための封止材を設ける工程とを含み、
    前記電波反射体は、前記封止材が前記積層体の周囲の少なくとも前記導電層に対応する位置にある、電波反射体の製造方法。
  7. 電波反射体の施工方法であって、
    複数の層が積層され、電波を反射させるための導電体を含む導電層を中間層とする積層体を設置箇所に取り付ける工程と、
    前記導電体を露出させないための封止材を設ける工程と、を含み、
    前記電波反射体は、前記封止材が前記積層体の周囲の少なくとも前記導電層に対応する位置にある、電波反射体の施工方法。
  8. 前記取り付ける工程において、複数の前記積層体が間隔を空けて設置箇所に取り付けられ、
    前記封止材を設ける工程において、複数の前記積層体が間隔を空けて設置箇所に取り付けられたときに隣り合う前記積層体の間の空間に前記封止材が設けられる、請求項7に記載の電波反射体の施工方法。
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