JP2024020453A - Rock阻害剤としての重水素化合物 - Google Patents

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Rui Tan
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Weipeng Zhang
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Yunling Wang
シンドン チャオ,
Xingdong Zhao
タオ チェン,
Tao Chen
シュー リン,
Shu Lin
ウェイボー ワン,
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Abstract

【課題】眼圧上昇を治療するための化合物を提供する。【解決手段】TIFF2024020453000038.tif19149から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩とする。【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
[1]本出願は、それぞれ全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国仮出願第62/647,581号および同第62/711,375号に基づく優先権を主張する。
[発明の分野]
[2]Rho結合キナーゼ(ROCK)の酵素活性を阻害することができ、ROCKによって媒介される疾患および障害の治療に有用となり得る一定の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される。
[発明の背景]
[3]緑内障は、視神経症として、世界中の6,050万人超に発症する不可逆的失明の主因の1つであり、2020年までに8,000万人近くが発症すると予想されている。緑内障では、網膜神経節細胞の進行性の死が、視神経損傷、および最終的には視野喪失をもたらす。現在、眼圧(IOP)上昇が緑内障の主な修正可能な危険因子であり、IOPの低下が唯一の治療的介入であることが広く受け入れられている。健康な眼では、房水(AH)が主に小柱網(TM)を通って流出し、IOPを正常範囲に維持する。緑内障の眼では、IOP上昇が、一部は、TMの収縮緊張および剛性の増加、細胞外マトリックス沈着の変化、ならびにシュレム管の内壁の透過性の変化などのTM機能障害の結果として発生する。
[4]病気の小柱経路を効率的に標的化するために、新たな緑内障治療法が緊急に必要である。Rho結合キナーゼ(ROCK)の阻害剤は、近年FDAに承認されたRhopressa(ネタルスジル点眼液)などの、緑内障を治療するための新しいクラスの標的療法を表す。ROCKには、ROCK1およびROCK2の2つのアイソフォームが含まれ、これらはセリン/スレオニンキナーゼであり、小型GTP結合タンパク質Rhoの下流エフェクターである。ROCKは、TMを含むさまざまな種類の組織で広く発現される。ROCKはアクチンストレスファイバーと接着斑の会合を駆動し、細胞収縮、運動性、形態、極性、細胞分裂および遺伝子発現を含む重要な細胞機能を多面的に調節する。TMおよびシュレム管細胞におけるRho/ROCKシグナル伝達経路の活性化は、アクトミオシン収縮を引き起こし、細胞外マトリックス産生を増強し、細胞剛性を高め、その結果、AH排出が減少し、IOPが上昇する。逆に、選択的ROCK阻害剤は、細胞収縮および剛性を軽減し、線維症関連タンパク質の発現レベルを低下させ、TMの弛緩、AH排出の増加、および最終的にはIOPの低下をもたらす。
[5]したがって、ROCKに対する阻害活性を有する化合物は、うまく緑内障患者のための治療アプローチとなるだろう。ROCK阻害剤は当技術分野で開示されているが、効力、安定性、選択性、毒性、薬力学特性および薬物動態特性から選択される少なくとも1つの有利な特性を有する新たなROCK阻害剤が必要である。これに関して、ROCK阻害剤の新規なクラスが本明細書で提供される。
[発明の開示]
[6]一定の新規な重水素化合物、その薬学的に許容される塩、およびその医薬組成物、ならびにそれらの医薬としての使用が本明細書で開示される。
[7]一態様では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が本明細書で開示される。

(式中、
は、CH、CHD、CHDおよびCDから選択され;
は、CH、CHD、CHDおよびCDから選択され;
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Y14、Y15およびY16は、水素および重水素からそれぞれ独立に選択され;
各Yは水素および重水素から独立に選択され、但し、両Yは同じであり;
各Y13は水素および重水素から独立に選択され、但し、両Y13は同じであり、
但し、式(I)の化合物は少なくとも1つの重水素原子を含む。)
[8]別の態様では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物が本明細書で開示される。
[9]さらに別の態様では、ROCKを調節する方法であって、治療上有効量の式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはその医薬組成物を、それを必要とする系または対象に投与し、それによって前記ROCKを調節するステップを含む方法が本明細書で開示される。
[10]さらに別の態様では、ROCKの阻害に応答する状態を治療、改善または予防する方法であって、有効量の式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはその医薬組成物を、場合により第2の治療剤と組み合わせて、このような治療を必要とする系または対象に投与し、それによって前記状態を治療するステップを含む方法が開示される。
[11]あるいは、ROCKによって媒介される状態を治療するための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用が本明細書で開示される。特定の実施形態では、本開示の化合物が、ROCKによって媒介される状態を治療するために、単独でまたは第2の治療剤と組み合わせて使用され得る。
[12]あるいは、ROCKによって媒介される状態を治療するための、式(I)の化合物または薬学的に許容される塩が開示される。
[13]具体的には、本明細書の状態には、それだけに限らないが、緑内障、高眼圧症または神経変性眼疾患などの眼障害が含まれる。
[14]さらに、本開示は、眼圧上昇を治療する方法であって、有効量の式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはその医薬組成物を、場合により第2の治療剤と組み合わせて、このような治療を必要とする系または対象に投与し、それによって前記状態を治療するステップを含む方法を開示する。
[15]あるいは、本開示は、眼圧上昇を治療するための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。特定の例では、本開示の化合物が、眼障害を治療するために、単独でまたは化学療法剤と組み合わせて使用され得る。
[16]具体的には、本明細書に開示される眼障害には、それだけに限らないが、緑内障、高眼圧症および神経変性眼疾患が含まれる。
[17]本開示の化合物を使用する上記の方法では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が、細胞もしくは組織を含む系、またはヒトもしくは動物対象などの哺乳動物対象を含む対象に投与され得る。
[18]一定の用語
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、主張される主題が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の開示全体を通して参照される全ての特許、特許出願、公開された資料は、特に明記しない限り、全体が参照により組み込まれる。本明細書中に用語の定義が複数ある場合は、この節の定義が優先する。
[19]上述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示的および説明的なものにすぎず、いずれの主張される主題も制限するものではないことが理解されるべきである。本出願では、特に明記しない限り、単数形の使用には複数形が含まれる。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。「または」の使用は、特に明記しない限り、「および/または」を意味することにも留意すべきである。さらに、「含む(including)」という用語、ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。同様に、「含む(comprising)」という用語、ならびに「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含まれる(comprised)」などの他の形態の使用も、限定的ではない。
[20]標準的な化学用語の定義は、Careyand Sundberg “ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4th ED.” Vols. A(2000) and B(2001), PlenumPress, New Yorkを含む参考資料に見出され得る。特に指示しない限り、当技術分野の範囲内の質量分析、NMR、HPLC、IRおよびUV/Vis分光法ならびに薬理学の従来の方法が使用される。具体的な定義が提供されない限り、本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品および製薬化学に関連して使用される命名法、ならびにその実験手順および技術は、当技術分野で知られているものである。標準的な技術は、化学合成、化学分析、医薬調製、製剤化、および送達、および患者の治療に使用することができる。反応および精製技術は、例えば、製造業者の仕様のキットを使用して、または当技術分野で一般的に達成されるように、または本明細書に記載されるように実施することができる。上述の技術および手順は、一般に、当技術分野で周知の従来の方法で、本明細書全体で引用および議論されるさまざまな一般的およびより具体的な参考文献に記載されるように実施することができる。本明細書を通して、基およびその置換基は、安定な部分および化合物を提供するように当業者によって選択され得る。
[21]置換基が、左から右に書かれた従来の化学式によって指定されている場合、それらは右から左に構造を書き込んだ結果として生じる化学的に同一の置換基を等しく包含する。非限定的な例として、CHOはOCHと同等である。
[22]本明細書で使用される場合、「場合により置換された」という用語は、置換されていないまたは置換されていることを意味する。「置換された」という用語は、水素原子が除去され、置換基によって置き換えられていることを意味する。所与の原子での置換は原子価によって制限されることを理解すべきである。定義全体を通して、「Ci~j」という用語は、iおよびjが整数であり、炭素数を示す、端点を含む範囲を示す。例としては、C1~4、C1~10、C3~10などが挙げられる。
[23]「重水素」または「D」という用語は、核が1つの陽子および1つの中性子を含有する水素の同位体を指す。特定の位置が重水素を有するものとして指定されている場合、その位置での重水素の存在量が、重水素の天然の存在量よりも多いことが理解される。
[24]「重水素で置換された」という用語は、1つまたは複数の水素原子を対応する数の重水素原子で置き換えることを指す。
[25]単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルキル」という用語は、指定された数の炭素原子を有する分岐と直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を指す。特に指定しない限り、「アルキル」はC1~10アルキルを指す。例えば、「C1~6アルキル」のようなC1~6は、直鎖または分岐配置の1、2、3、4、5または6個の炭素を有する基を含むと定義される。例えば、「C1~8アルキル」には、それだけに限らないが、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、i-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルが含まれる。
[26]単独で、または他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキル」という用語は、単環式または架橋した炭化水素環系を指す。単環式シクロアルキルは、3~10個の炭素原子、0個のヘテロ原子および0個の二重結合を含有する炭素環式環系である。単環式環系の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。単環式環は、環系の2つの非隣接炭素原子をそれぞれ連結する1つ、2つまたは3つの炭素原子からそれぞれなる1つまたは2つのアルキレン架橋を含有し得る。このような架橋シクロアルキル環系の代表的な例としては、それだけに限らないが、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[4.2.1]ノナン、トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナンおよびトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)が挙げられる。単環式および架橋シクロアルキルは、環系内に含有される任意の置換可能な原子を通して親分子部分に結合することができる。
[27]「ハロゲン」(または「ハロ」)という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
[28]単独で、または他の用語と組み合わせて使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子に単結合されたアルキル基を指す。アルコキシ基の分子への結合点は、酸素原子を通す。アルコキシ基は、-O-アルキルとして表すことができる。「C1~10アルコキシ」という用語は、1~10個の炭素原子を含有し、直鎖または分岐部分を有するアルコキシ基を指す。アルコキシ基には、それだけに限らないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシなどが含まれる。
[29]単独で、または他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルコキシ」という用語は、酸素原子に単結合されたシクロアルキル基を指す。シクロアルコキシ基の分子への結合点は、酸素原子を通す。シクロアルコキシ基は、-O-シクロアルキルとして表すことができる。「C3~10シクロアルコキシ」は、3~10個の炭素原子を含有するシクロアルコキシ基を指す。シクロアルコキシ基には、それだけに限らないが、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。
[30]「薬学的に許容される塩」という用語は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩は、例えば、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩から選択され得る。さらに、例えば、無機塩基から誘導される薬学的に許容される塩は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩から選択され得る。固体形態の塩は、1つまたは複数の結晶構造で存在することがあり、水和物の形態であることもある。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩は、例えば、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂の塩、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチル-モルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、およびトリプロピルアミン、トロメタミンから選択され得る。
[31]本明細書に開示される化合物が塩基性である場合、塩は、無機酸および有機酸から選択される少なくとも1つの薬学的に許容される非毒性酸を使用して調製され得る。このような酸は、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸およびp-トルエンスルホン酸から選択され得る。いくつかの実施形態では、このような酸が、例えば、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸から選択され得る。
[32]化合物または薬学的に許容される塩「の投与」および/または「を投与する」という用語は、化合物またはその薬学的に許容される塩を、治療の必要性が認められている個体に提供することを意味すると理解されるべきである。
[33]「有効量」という用語は、研究者、獣医、医学博士または他の臨床医が求めている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を引き出す化合物または薬学的に許容される塩の量を意味する。
[34]本明細書で使用される「組成物」という用語は、指定された量の指定された成分を含む製品、および指定された量の指定された成分の組み合わせから直接または間接的に生じる任意の製品を包含することを意図している。医薬組成物に関連するこのような用語は、1つまたは複数の有効成分と、担体を構成する1つまたは複数の不活性成分とを含む製品、ならびに成分の任意の2つ以上の組み合わせ、錯化もしくは凝集から、または1つもしくは複数の成分の他の種類の反応もしくは相互作用から直接的または間接的に生じる任意の製品を包含することを意図している。
[35]「薬学的に許容される」という用語は、製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントに許容できないほど有害ではないことを意味する。
[36]障害、状態などを患っている個体に関して本明細書で使用される「対象」という用語は、哺乳動物および非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、それだけに限らないが、哺乳綱の任意のメンバー:ヒト、チンパンジーなどのヒト以外の霊長類、および他の類人猿およびサル種;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌおよびネコなどの飼育動物;ラット、マウスおよびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物などが挙げられる。非哺乳動物の例としては、それだけに限らないが、鳥類、魚類などが挙げられる。本明細書で提供される方法および組成物の一実施形態では、哺乳動物がヒトである。
[37]本明細書で使用される「治療する(treat)」、「治療する(treating)」または「治療(treatment)」という用語、および他の文法上の等価物は、疾患もしくは状態を緩和、軽減もしくは改善する、追加の症状を予防する、症状の根本的な代謝原因を改善もしくは予防する、疾患もしくは状態を阻害する、疾患もしくは状態の発症を停止する、疾患もしくは状態を軽減する、疾患もしくは状態の退行を引き起こす、疾患もしくは状態によって引き起こされる状態を軽減する、または疾患もしくは状態の症状を停止することを含み、予防を含むことを意図している。この用語はさらに、治療上の利益および/または予防上の利益を達成することを含む。治療上の利益とは、治療されている基礎障害の根絶または改善を意味する。また、患者が依然として基礎障害に苦しんでいる可能性があるが、患者で改善が観察されるように、基礎障害に関連する生理学的症状の1つまたは複数の根絶または改善により治療効果が達成される。予防上の利益については、組成物が、特定の疾患を発症するリスクのある患者、またはこの疾患の診断がなされていなくても、疾患の生理学的症状の1つまたは複数を報告している患者に投与され得る。
[38]「保護基」または「Pg」という用語は、化合物の他の官能基を反応させながら、一定の官能基をブロックまたは保護するために一般的に使用することができる置換基を指す。例えば、「アミノ保護基」は、化合物のアミノ官能基をブロックまたは保護する、アミノ基に結合した置換基である。適切なアミノ保護基には、それだけに限らないが、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)および9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が含まれる。同様に、「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシ官能基をブロックまたは保護する、ヒドロキシ基の置換基を指す。適切な保護基には、それだけに限らないが、アセチルおよびシリルが含まれる。「カルボキシ保護基」は、カルボキシ官能基をブロックまたは保護する、カルボキシ基の置換基を指す。一般的なカルボキシ保護基には、-CHCHSOPh、シアノエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、2-(p-トルエンスルホニル)エチル、2-(p-ニトロフェニルスルフェニル)エチル、2-(ジフェニルホスフィノ)-エチル、ニトロエチルなどが含まれる。保護基およびそれらの使用の一般的な説明については、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, JohnWiley&Sons, New York, 1991を参照されたい。
[39]本明細書で使用される「NH保護基」という用語には、それだけに限らないが、トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、パラ-ニトロベンジルカルボニル、オルト-ブロモベンジルオキシカルボニル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert-アミルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、パラ-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジル-オキシカルボニル、4-(フェニルアゾ)-ベンジルオキシカルボニル、2-フルフリルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシ-カルボニル、イソプロポキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、アラニル、ロイシル、1-アダマンチルオキシカルボニル、8-キノリルオキシカルボニル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2-ニトロフェニルチオ、メタンスルホニル、パラトルエンスルホニル、N,N-ジメチルアミノメチレン、ベンジリデン、2-ヒドロキシベンジリデン、2-ヒドロキシ-5-クロロベンジリデン、2-ヒドロキシ-1-ナフチルメチレン、3-ヒドロキシ-4-ピリジルメチルレン、シクロヘキシリデン、2-エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2-エトキシカルボニルシクロペンチリデン、2-アセチルシクロヘキシリデン、3,3-ジメチル-5-オキシシクロ-ヘキシリデン、ジフェニルホスホリル、ジベンジルホスホリル、5-メチル-2-オキソ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル-メチル、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよびトリフェニルシリルが含まれる。
[40]本明細書で使用される「C(O)OH保護基」という用語には、それだけに限らないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、1,1-ジメチルプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、フェニル、ナフチル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、パラ-ニトロベンジル、パラ-メトキシベンジル、ビス(パラ-メトキシフェニル)メチル、アセチルメチル、ベンゾイルメチル、パラ-ニトロベンゾイルメチル、パラ-ブロモベンゾイルメチル、パラ-メタンスルホニルベンゾイルメチル、2-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロフラニル、2,2,2-トリクロロ-エチル、2-(トリメチルシリル)エチル、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、フタルイミドメチル、スクシンイミドメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、ベンジルオキシメチル、メチルチオメチル、2-メチルチオエチル、フェニルチオメチル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、3-メチル-3-ブテニル、アリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert-ブチルメトキシフェニルシリルが含まれる。
[41]本明細書で使用される「OHまたはSH保護基」という用語には、それだけに限らないが、ベンジルオキシカルボニル、4-ニトロベンジルオキシカルボニル、4-ブロモベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2-トリブロモエトキシカルボニル、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2-(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2-(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル、2-フルフリルオキシカルボニル、1-アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、4-エトキシ-1-ナフチルオキシカルボニル、8-キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイル、ベンゾイル、メチル、tert-ブチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、3-メチル-3-ブテニル、アリル、ベンジル(フェニルメチル)、パラ-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2-メトキシエトキシメチル、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、1-エトキシエチル、メタンスルホニル、パラ-トルエンスルホニル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert-ブチルメトキシフェニルシリルが含まれる。
[42]本化合物には幾何異性体が存在することがある。本発明の化合物は、EまたはZ配置で炭素-炭素二重結合または炭素-窒素二重結合を含有することができ、カーン・インゴルド・プレローグ順位則によって決定されるように、「E」という用語は、炭素-炭素または炭素-窒素二重結合の反対側の高次置換基を表し、「Z」という用語は、炭素-炭素または炭素-窒素二重結合の同じ側の高次置換基を表す。本発明の化合物はまた、「E」異性体と「Z」異性体の混合物として存在することもできる。シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルの周りの置換基は、シスまたはトランス配置であると指定される。さらに、本発明は、アダマンタン環系の周りの置換基の配置から生じるさまざまな異性体およびその混合物を企図する。アダマンタン環系内の単一環の周りの2つの置換基は、ZまたはE相対配置として指定される。例えば、C. D. Jones, M. Kaselj, R. N. Salvatore, W. J. le Noble J. Org. Chem.1998, 63, 2758-2760を参照されたい。
[43]本発明の化合物は、RまたはS配置で非対称に置換された炭素原子を含有することができ、「R」および「S」という用語は、IUPAC 1974 Recommendations for Section E, FundamentalStereochemistry, Pure Appl. Chem.(1976)45, 13-10によって定義される通りである。等量のR配置およびS配置を有する非対称に置換された炭素原子を有する化合物は、それらの炭素原子においてラセミ体である。ある配置が他の配置よりも過剰な原子には、より多量、好ましくは約85~90%過剰、より好ましくは約95~99%過剰、さらにより好ましくは約99%超過剰に存在する配置が割り当てられる。したがって、本発明は、ラセミ混合物、相対および絶対立体異性体、ならびに相対および絶対立体異性体の混合物を含む。
[44]同位体濃縮または標識化合物
本発明の化合物は、天然に最も豊富に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する1つまたは複数の原子を含有する同位体標識または濃縮形態で存在することができる。同位体は放射性同位体であっても非放射性同位体であってもよい。水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素およびヨウ素などの原子の同位体には、それだけに限らないが、H、H、13C、14C、15N、18O、32P、35S、18F、36Clおよび125Iが含まれる。これらおよび/または他の原子の他の同位体を含有する化合物は、本発明の範囲内である。
[45]別の実施形態では、同位体標識化合物が、重水素(H)、トリチウム(H)または14C同位体を含有する。したがって、置換基が水素として記載されている場合、置換基は重水素およびトリチウム、特に重水素(D)などの同位体等価物も組み込む。本発明の同位体標識化合物は、当業者に周知の一般的な方法によって調製することができる。このような同位体標識化合物は、非標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬に置換することによって、本明細書に開示される実施例およびスキームに開示される手順を行うことにより、都合よく調製することができる。場合によっては、化合物を同位体標識試薬で処理して、通常の原子をその同位体と交換することができる、例えば、水素をDSO/DOなどの重水素化酸の作用によって重水素に交換することができる。上記に加えて、関連する手順および中間体は、例えば、Lizondo, J et al, Drugs Fut, 21(11), 1116(1996); Brickner, S J etal., J Med Chem, 39(3), 673(1996); Mallesham, B et al, Org Lett, 5(7), 963(2003);PCT公開、国際公開第1997010223号、国際公開第2005099353号、国際公開第1995007271号、国際公開第2006008754号;米国特許第7538189号明細書;同第7534814号明細書;同第7531685号明細書;同第7528131号明細書;同第7521421号明細書;同第7514068号明細書;同第7511013号明細書;ならびに米国特許出願公開第20090137457号明細書;同第20090131485号明細書;同第20090131363号明細書;同第20090118238号明細書;同第20090111840号明細書;同第20090105338号明細書;同第20090105307号明細書;同第20090105147号明細書;同第20090093422号明細書;同第20090088416号明細書;および同第20090082471号明細書に開示されており、方法が参照により本明細書に組み込まれる。
[46]本発明の同位体標識化合物は、結合アッセイでSTAT3阻害剤の有効性を決定するための標準として使用され得る。同位体含有化合物は、非同位体標識親化合物の作用機序および代謝経路を評価することにより化合物のインビボ代謝運命を調査するための製薬研究で使用されてきた(Blake et al.J.Pharm.Sci.64,3,367-391(1975))。このような代謝研究は、患者に投与されたインビボ活性化合物または親化合物から産生された代謝産物が毒性または発癌性であることが判明するため、安全で有効な治療薬の設計で重要である(Foster et al., Advances in Drug Research Vol. 14, pp. 2-36, Academicpress, London, 1985; Kato et al, J. Labelled Comp. Radiopharmaceut., 36(10): 927-932(1995);Kushner et al., Can. J. Physiol. Pharmacol, 77, 79-88(1999))。
[47]さらに、「ヘビードラッグ(heavy drug)」と呼ばれる重水素化薬物などの非放射性同位体含有薬物は、STAT3活性に関連する疾患および状態の治療に使用することができる。化合物に存在する同位体の量をその天然の存在量よりも増加させることを濃縮と呼ぶ。濃縮の量の例としては、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、16、21、25、29、33、37、42、46、50、54、58、63、67、71、75、79、84、88、92、96~約100mol%が挙げられる。げっ歯類およびイヌを含む哺乳類では、観察される有害効果が最小で、通常の原子の最大約15%が重い同位体で置き換えられ、数日~数週間の期間維持されている(Czajka D M and Finkel A J, Ann. N. Y. Acad. Sci. 1960 84: 770; ThomsonJ F, Ann. New York Acad. Sci 1960 84: 736; Czakja D M et al., Am. J. Physiol. 1961201: 357)。ヒト体液中15%~23%もの重水素による急性置き換えが、毒性を引き起こさないことが分かった(Blagojevic N et al. in “Dosimetry&Treatment Planning for NeutronCapture Therapy”, Zamenhof R, Solares G and Harling O Eds. 1994. AdvancedMedical Publishing, Madison Wis. pp.125-134; Diabetes Metab. 23: 251(1997))。
[48]薬物の安定な同位体標識は、pKaおよび脂溶性などの物理化学的特性を変える可能性がある。同位体置換がリガンド-受容体相互作用に関与する領域に影響を及ぼす場合、これらの効果および変化は薬物分子の薬力学的応答に影響を及ぼす可能性がある。安定な同位体標識分子の物理的特性のいくつかが非標識分子とは異なり、化学的および生物学的特性は同じであるが、重要な例外が1つある:重い同位体の質量が増加しているため、重い同位体と別の原子を含む結合は、軽い同位体とその原子との間の同じ結合よりも強くなる。したがって、代謝または酵素変換の部位での同位体の組み込みにより、前記反応が遅くなり、非同位体化合物と比較して薬物動態プロファイルまたは有効性が変化する可能性がある。
[49]一実施形態では、本発明は、


およびその薬学的に許容される塩から選択される化合物を提供する。
[50]実施形態(1)では、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。

(式中、
は、CH、CHD、CHDおよびCDから選択され、
は、CH、CHD、CHDおよびCDから選択され、
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Y14、Y15およびY16は、水素および重水素からそれぞれ独立に選択され、
各Yは水素および重水素から独立に選択され、但し、両Yは同じであり、
各Y13は水素および重水素から独立に選択され、但し、両Y13は同じであり、
但し、式(I)の化合物は少なくとも1つの重水素原子を含む。)
[51]別の実施形態(2)では、本発明は、Yが重水素である、実施形態(1)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[52]別の実施形態(3)では、本発明は、Yが重水素である、実施形態(1)~(2)のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[53]別の実施形態(4)では、本発明は、Yが重水素である、実施形態(1)~(3)のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[54]別の実施形態(5)では、本発明は、Yが重水素である、実施形態(1)~(4)のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[55]別の実施形態(6)では、本発明は、両Yが重水素である、実施形態(1)~(5)のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[56]別の実施形態(7)、本発明は、両Y13が重水素である、実施形態(1)~(6)のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[57]別の実施形態(8)では、本発明は、RがCHおよびCDから選択される、実施形態(1)~(7)のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[58]別の実施形態(9)では、本発明は、RがCHおよびCDから選択される、実施形態(1)~(8)のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
[59]別の実施形態(10)では、本発明は、

およびその薬学的に許容される塩から選択される化合物を提供する。
[60]別の実施形態(11)では、本発明は、実施形態(10)の化合物またはその薬学的に許容される塩、

から選択される化合物およびその薬学的に許容される塩を提供する。
[61]別の実施形態(12)では、本発明は、実施形態(11)の化合物またはその薬学的に許容される塩、

から選択される化合物およびその薬学的に許容される塩を提供する。
[62]別の実施形態(13)では、本発明は、実施形態(1)~(12)のいずれか1つの化合物または塩酸塩であるその薬学的に許容される塩を提供する。
[63]別の実施形態(14)では、本発明は、実施形態(13)の化合物または二塩酸塩であるその薬学的に許容される塩を提供する。
[64]別の実施形態(15)では、本発明は、実施形態(14)の化合物または


から選択されるその薬学的に許容される塩を提供する。
[65]別の実施形態(16)では、本発明は、実施形態(1)~(15)のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
[66]別の実施形態(17)では、本発明は、ROCKの阻害に応答する状態を治療、改善または予防する方法であって、有効量の実施形態(1)~(15)のいずれか1つの化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはその医薬組成物を、場合により第2の治療剤と組み合わせて、このような治療を必要とする対象に投与するステップを含む方法を提供する。
[67]別の実施形態(18)では、本発明は、眼圧上昇を治療するための医薬の調製における、実施形態(1)~(16)のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
[68]その態様のさらに別のものでは、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩と;組成物が投与されるべき病状の指示、組成物の保管情報、投薬情報および組成物の投与方法に関する指示からなる群から選択される1つまたは複数の形の情報を含む指示とを含むキットが提供される。1つの特定の形態では、キットが、複数回投与形態の化合物を含む。
[69]その態様のさらに別のものでは、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩と;包装材料とを含む製品が提供される。1つの変形では、包装材料が、化合物を収容するための容器を含む。1つの特定の変形では、容器が、化合物が投与されるべき病状、保管情報、投薬情報および/または化合物の投与方法に関する指示からなる群の1つまたは複数のメンバーを示すラベルを含む。別の変形では、製品が、複数回投与形態の化合物を含む。
[70]その態様のさらなるものでは、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む治療方法が提供される。
[71]その態様の別のものでは、ROCKを本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩と接触させるステップを含む、ROCKを阻害する方法が提供される。
[72]その態様のさらに別のものでは、ROCKをインビボで阻害するために、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を対象に存在させるステップを含む、ROCKを阻害する方法が提供される。
[73]その態様のさらなるものでは、インビボで第2の化合物に変換される第1の化合物を対象に投与するステップを含む、ROCKを阻害する方法であって、第2の化合物がインビボでROCKを阻害し、第2の化合物が、上記の実施形態および変形のいずれか1つによる化合物である方法が提供される。
[74]その態様の別のものでは、ROCKが病状の病理学および/または症候学に寄与する活性を有する病状を治療する方法であって、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を、病状にとって治療上有効量で対象に存在させるステップを含む方法が提供される。
[75]その態様のさらなるものでは、ROCKが病状の病理学および/または症候学に寄与する活性を有する病状を治療する方法であって、インビボで第2の化合物に変換される第1の化合物を対象に投与するステップを含み、第2の化合物がインビボでROCKを阻害する方法が提供される。本発明の化合物が、第1または第2の化合物であり得ることに留意されたい。
[76]上記の方法の各々の1つの変形では、病状が、緑内障、高眼圧症または神経変性眼疾患などの眼障害から選択される。
[77]その態様の別のものでは、ROCK遺伝子の突然変異が、例えば緑内障、高眼圧症または神経変性眼疾患を含む病状の病理学および/または症候学に寄与する病状を治療する方法が提供される。
[78]その態様のさらに別のものでは、本発明は、医薬としての上記の実施形態および変形のいずれかの化合物の使用に関する。その態様のさらに別のものでは、本発明は、ROCKを阻害するための医薬の製造における、上記の実施形態および変形のいずれか1つによる化合物の使用に関する。
[79]その態様のさらなるものでは、本発明は、ROCKが病状の病理学および/または症候学に寄与する活性を有する病状を治療するための医薬の製造における、上記の実施形態および変形のいずれか1つによる化合物の使用に関する。
[80]投与および医薬組成物
一般に、本開示の化合物は、単独で、または1つもしくは複数の治療剤と組み合わせて、当技術分野で知られている通常の許容される様式のいずれかを介して治療上有効量で投与される。治療的有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用される化合物の効力、ならびに当業者に知られている他の因子に応じて大きく異なり得る。例えば、新生物疾患および免疫系障害の治療について、必要な投与量も、投与様式、治療されるべき特定の状態および所望の効果に応じて異なるだろう。
[81]一般に、満足のいく結果は、約0.001~約100mg/kg体重、または特に約0.03~2.5mg/kg体重の1日投与量で全身的に得られることが示されている。大型哺乳動物、例えばヒトで指示される1日投与量は、約0.5mg~約2000mg、さらに特に約0.5mg~約1000mgの範囲で好適に投与され、例えば、1日最大4回の分割投与でまたは遅延形態で投与され得る。経口投与に適した単位剤形は、約1~50mgの有効成分を含む。
[82]本開示の化合物は、任意の従来の経路によって;例えば、経腸的に、例えば、経口的に、例えば、錠剤もしくはカプセルの形態で;非経口的に、例えば、注射液もしくは懸濁液の形態で;または局所的に、例えば、点眼剤、ローション、ゲル、軟膏もしくはクリームの形態で、または鼻もしくは坐剤形態で、医薬組成物として投与され得る。
[83]遊離形態または薬学的に許容される塩形態の本開示の化合物を少なくとも1つの薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、混合、造粒、コーティング、溶解または凍結乾燥工程による従来の方法で製造され得る。例えば、本開示の化合物を少なくとも1つの薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤と混合することによって従来の方法で製造され得る。経口投与用の単位剤形は、例えば、約0.1mg~約500mgの活性物質を含有する。
[84]一実施形態では、医薬組成物が、等張水溶液などの懸濁液または分散液を含む有効成分の溶液である。有効成分を単独でまたはマンニトールなどの担体と共に含む凍結乾燥組成物の場合、分散液または懸濁液を使用前に調製することができる。医薬組成物は、滅菌されてもよい、ならびに/あるいは保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩および/または緩衝液などのアジュバントを含有してもよい。適切な保存剤には、それだけに限らないが、アスコルビン酸などの抗酸化剤、またはソルビン酸もしくは安息香酸などの殺微生物剤が含まれる。溶液または懸濁液は、それだけに限らないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ゼラチンを含む増粘剤、または可溶化剤、例えば、Tween 80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)をさらに含み得る。
[85]油中懸濁液は、注射目的で慣用的な植物油、合成油、または半合成油を油成分として含み得る。例としては、酸成分として、8~22個の炭素原子、またはいくつかの実施形態では12~22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を含有する液体脂肪酸エステルが挙げられる。適切な液体脂肪酸エステルには、それだけに限らないが、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸または対応する不飽和酸、例えばオレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸およびリノール酸が含まれ、所望であれば、抗酸化剤、例えばビタミンE、3-カロテンまたは3,5-ジ-tert-ブチル-ヒドロキシトルエンを含有してもよい。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、6個の炭素原子を有し得、一価または多価、例えば、一価、二価または三価のアルコールであり得る。適切なアルコール成分には、それだけに限らないが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールもしくはペンタノールまたはこれらの異性体;グリコールおよびグリセロールが含まれる。
[86]他の適切な脂肪酸エステルには、それだけに限らないが、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、LABRAFIL(登録商標)M 2375、(ポリオキシエチレングリセロール)、LABRAFIL(登録商標)M 1944 CS(杏仁油のアルコール分解によって調製され、グリセリドおよびポリエチレングリコールエステルを含む不飽和ポリグリコール化(polyglycolized)グリセリド)、LABRASOL(商標)(TCMのアルコール分解によって調製され、全てフランスのGaKefosseから入手可能なグリセリドおよびポリエチレングリコールエステルを含む飽和ポリグリコール化グリセリド)、および/またはMIGLYOL(登録商標)812(ドイツのHuls AG製の鎖長C8~C12の飽和脂肪酸のトリグリセリド)、ならびに綿実油、アーモンド油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油または落花生油などの植物油が含まれる。
[87]経口投与用の医薬組成物は、例えば、有効成分を1つまたは複数の固体担体と組み合わせ、所望により、得られた混合物を造粒し、追加の賦形剤を含めることにより混合物または顆粒を処理して錠剤または錠剤コアを形成することによって得ることができる。
[88]適切な担体には、それだけに限らないが、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールもしくはソルビトールなどの糖、セルロース調製物、および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウムなどの充填剤、ならびにまたデンプン、例えば、トウモロコシ、コムギ、イネもしくはジャガイモデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドンなどの結合剤、ならびに/あるいは、所望であれな、上記デンプン、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤が含まれる。追加の賦形剤には、流動調整剤および潤滑剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸もしくはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコール、またはこれらの誘導体が含まれる。
[89]錠剤コアは、とりわけ、耕作ガム(gum arable)、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含み得る濃縮糖溶液、または適切な有機溶媒または溶媒混合物中のコーティング溶液の使用を通して、あるいは腸溶性コーティング、適切なセルロース調製物、例えばアセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの溶液を調製するために、適切な、場合により腸溶性のコーティングを提供され得る。染料または顔料を、例えば、識別目的のために、または有効成分の異なる用量を示すために、錠剤または錠剤コーティングに添加してもよい。
[90]経口投与用の医薬組成物は、ゼラチンを含むハードカプセル、またはゼラチンとグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とを含むソフトシールカプセルも含み得る。ハードカプセルは、例えば、コーンスターチなどの充填剤、結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑剤、および場合により安定剤と混和して、顆粒の形態で有効成分を含有することができる。ソフトカプセルでは、有効成分を、脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールまたはエチレンもしくはプロピレングリコールの脂肪酸エステルなどの適切な液体賦形剤に溶解または懸濁し、そこに安定剤および界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型を添加してもよい。
[91]直腸投与に適した医薬組成物は、例えば、有効成分と坐剤基剤の組み合わせを含む坐剤である。適切な坐剤基剤は、例えば、天然もしくは合成トリグリセリド、パラフィン系炭化水素、ポリエチレングリコールまたは高級アルカノールである。
[92]非経口投与に適した医薬組成物は、水溶性形態の、例えば水溶性塩の有効成分の水溶液、あるいは増粘物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストラン、および所望であれば安定剤を含有する水性注射懸濁液を含み得る。有効成分は、場合により賦形剤と共に、凍結乾燥物の形態であることができ、適切な溶媒の添加によって非経口投与前に溶液にすることができる。例えば、非経口投与に使用されるような溶液を、輸液として使用することもできる。注射用調製物の製造は、通常、例えばアンプルまたはバイアルへの充填および容器の密封と同様に、無菌条件下で行われる。
[93]本開示はまた、a)遊離形態または薬学的に許容される塩形態の、本明細書に開示される本開示の化合物である第1の薬剤と、b)少なくとも1つの共薬剤(co-agent)とを含む、医薬組み合わせ、例えばキットを提供する。キットは、投与のための説明書を含むことができる。
[94]併用療法
本開示の化合物または薬学的に許容される塩は、単独療法として、または1つもしくは複数の他の治療剤と共に投与され得る。
[95]例えば、本明細書に記載される化合物の1つの治療有効性は、アジュバントの投与により増強され得る(すなわち、アジュバント自体は最小限の治療利益しか有し得ないが、別の治療剤と組み合わせて、個体に対する全体的な治療利益が増強される)。あるいは、ほんの一例として、個体が経験する利益は、本明細書に記載される化合物の1つを、同様に治療利益を有する別の治療剤と共に投与することによって増加され得る。ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の1つの投与を伴う痛風の治療では、同様に痛風のための別の治療剤を個体に提供することにより、治療利益の増加がもたらされ得る。または、ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の1つを受けた際に個体が経験する副作用の1つが悪心である場合、化合物と組み合わせて抗悪心剤を投与することが適切となり得る。または、1つまたは複数の追加の療法には、それだけに限らないが、理学療法、心理療法、放射線療法、患部への湿布の施用、安静、食事の変更などが含まれる。治療される疾患、障害または状態にかかわらず、個体が経験する全体的な利益は2つの療法の相加的であり得る、または個体は相乗的利益を経験し得る。
[96]本明細書に記載される化合物を他の治療剤と組み合わせて投与する場合、本明細書に記載される化合物は、他の治療剤と同じ医薬組成物で投与され得る、または異なる物理的および化学的特性のために、異なる経路で投与され得る。例えば、本明細書に記載される化合物を経口投与してその良好な血中レベルを生成および維持しながら、他の治療剤を静脈内投与することができる。よって、本明細書に記載される化合物は、同時に、順次に、または他の治療剤と別々に投与され得る。
[97]式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を合成するためのさまざまな方法が開発され得る。式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を合成するための代表的な方法を、実施例で提供する。しかしながら、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、他の人が考案し得る他の合成経路によっても合成され得ることに留意されたい。
[98]式(I)の一定の化合物は、化合物に特定の立体化学を与える他の原子との結合を有する原子(例えば、キラル中心)を有することが容易に認識されるだろう。式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の合成は、異なる立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)の混合物の生成をもたらし得ることが認識される。特定の立体化学が指定されない限り、化合物の列挙は、考えられるさまざまな立体異性体の全てを包含することを意図している。
[99]式(I)の化合物を、例えば、少なくとも1つの化合物の遊離塩基形態を薬学的に許容される無機または有機酸と反応させることによって、薬学的に許容される酸付加塩として調製することもできる。あるいは、式(I)の少なくとも1つの化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を、例えば、少なくとも1つの化合物の遊離酸形態を薬学的に許容される無機または有機塩基と反応させることによって調製することができる。式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の調製に適した無機および有機の酸および塩基は、本出願の定義の節に示される。あるいは、式(I)の化合物の塩形態を、出発物質または中間体の塩を使用して調製することができる。
[100]式(I)の化合物の遊離酸または遊離塩基の形態は、対応する塩基付加塩または酸付加塩の形態から調製することができる。例えば、酸付加塩形態の式(I)の化合物を、適切な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することによって、その対応する遊離塩基に変換することができる。塩基付加塩形態の式(I)の化合物を、例えば、適切な酸(例えば、塩酸等)で処理することによって、その対応する遊離酸に変換することができる。
[101]式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩のN-オキシドを、当業者に知られている方法によって調製することができる。例えば、N-オキシドは、式(I)の化合物の非酸化形態を、適切な不活性有機溶媒(例えば、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素)中、およそ0~80℃で、酸化剤(例えば、トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸、過安息香酸、過酢酸、メタ-クロロ過安息香酸など)で処理することによって調製することができる。あるいは、式(I)の化合物のN-オキシドを、適切な出発物質のN-オキシドから調製することができる。
[102]非酸化形態の式(I)の化合物は、式(I)の化合物のN-オキシドから、例えば、適切な不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、0~80℃で、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リン、三臭化リンなど)で処理することによって調製することができる。
[103]式(I)の化合物の保護された誘導体は、当業者に知られている方法によって調製することができる。保護基の作成およびそれらの除去に適用できる技術の詳細な説明は、T. W. Greene, Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, JohnWiley&Sons, Inc. 1999に見出すことができる。
[104]本明細書で使用する場合、これらのプロセス、スキーム、および例で使用される記号および記法は、現代の科学文献、例えば、Journal of the American Chemical SocietyまたはJournalof Biological Chemistryで使用されているものと一致する。標準的な1文字または3文字の略語は、一般的に、アミノ酸残基を指定するために使用され、これらのアミノ酸残基は特に明記されていない限り、L配置であると見なされる。特に明記しない限り、全ての出発物質は商業的供給業者から入手し、さらに精製することなく使用した。例えば、以下の略語が実施例および明細書を通して使用され得る:g(グラム);mg(ミリグラム);L(リットル);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);psi(ポンド/平方インチ);M(モル濃度);mM(ミリモル濃度);i.v.(静脈内);Hz(ヘルツ);MHz(メガヘルツ);mol(モル);mmol(ミリモル);RT(室温);min(分);h(時間);mp(融点);TLC(薄層クロマトグラフィー);Rt(保持時間);RP(逆相);MeOH(メタノール);i-PrOH(イソプロパノール);TEA(トリエチルアミン);TFA(トリフルオロ酢酸);TFAA(トリフルオロ酢酸無水物);THF(テトラヒドロフラン);DMSO(ジメチルスルホキシド);EtOAc(酢酸エチル);DME(1,2-ジメトキシエタン);DCM(ジクロロメタン);DCE(ジクロロエタン);DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);DMPU(N,N-ジメチルプロピレン尿素);CDI(1,1-カルボニルジイミダゾール);IBCF(クロロギ酸イソブチル);HOAc(酢酸);HOSu(N-ヒドロキシスクシンイミド);HOBT(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール);EtO(ジエチルエーテル);EDCI(1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩);BOC(tert-ブチルオキシカルボニル);FMOC(9-フルオレニルメトキシカルボニル);DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド);CBZ(ベンジルオキシカルボニル);Ac(アセチル);atm(大気);TMSE(2-(トリメチルシリル)エチル);TMS(トリメチルシリル);TIPS(トリイソプロピルシリル);TBS(t-ブチルジメチルシリル);DMAP(4-ジメチルアミノピリジン);Me(メチル);OMe(メトキシ);Et(エチル);tBu(tert-ブチル);HPLC(高圧液体クロマトグラフィー);BOP(ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド);TBAF(テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド);m-CPBA(メタクロロ過安息香酸)。
[105]エーテルまたはEtOへの言及は、ジエチルエーテルへの言及である;ブラインは、NaClの飽和水溶液を指す。特に指示しない限り、全ての温度は℃(摂氏度)で表される。特に明記しない限り、全ての反応は不活性雰囲気下、RTで行った。
[106]H NMRスペクトルはVarian Mercury Plus 400で記録した。化学シフトは百万分率(ppm)で表す。カップリング定数はヘルツ(Hz)単位である。分裂パターンは見かけの多重度を記載し、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、およびbr(ブロード)として指定される。
[107]低分解能質量スペクトル(MS)および化合物純度データは、エレクトロスプレーイオン化(ESI)ソース、UV検出器(220および254nm)、および蒸発光散乱検出器(ELSD)を備えたShimadzu LC/MSシングル四重極システムで取得した。薄層クロマトグラフィーは、0.25mm Superchemgroupシリカゲルプレート(60F-254)で実施し、UV光、5%エタノール性リンモリブデン酸、ニンヒドリンまたはp-アニスアルデヒド溶液で可視化した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、シリカゲル(200~300メッシュ、Qingdao Haiyang Chemical Co.,Ltdの支社)で実施した。
[108]合成スキーム
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、さまざまな反応スキームに従って合成され得る。いくつかの例示的なスキームを、以下および実施例で提供する。他の反応スキームは、本開示を考慮して当業者によって容易に考案され得る。
[109]以下に記載される反応では、反応性官能基、例えばヒドロキシル、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシル基が最終生成物で望ましい場合、これらの反応性官能基を保護して、反応への望ましくない関与を回避することが必要となり得る。従来の保護基は、標準的な慣行に従って使用することができ、例えば、T. W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in OrganicChemistry” John Wiley and Sons, 1991を参照されたい。
[110]本発明の化合物を調製するための合成方法を、以下のスキームおよび実施例に例示する。出発物質は市販されている、または当技術分野で知られている手順に従って、もしくは本明細書に例示されるように調製することができる。
[111]以下のスキームに示される中間体は、文献で知られている、または当業者によく知られているさまざまな方法によって調製することができる。
[112]例示として、本開示の式Iの化合物の1つの合成を、スキーム1に概説する。スキームに示されるように、式Iの化合物を、中間体IIおよびIIIに分解することができ、これらの中間体の調製は、文献で知られている、または当業者によく知られているさまざまな方法によって調製することができる。この経路では、中間体IIを、IVの遊離カルボキシル基の保護、Vとのカップリング、および保護基の切断を含む3ステップ順序を介して得ることができる。最後に、縮合反応を介したカルボン酸IIと式IIIのアミノアレーンなどのアミノアレーンとのカップリングにより、式Iの化合物が得られる。
[113]式IVの中間体の調製の例示として、中間体IVaの1つの合成経路をスキーム2に示す。市販のIVa-Aから出発する。カルボニル挿入反応およびIVa-Bの遊離ヒドロキシル基のTBS保護によってIVa-Cを調製することができる。LiAlDによるエステルIVa-Cの還元により、IVa-Dが得られ、これを安息香酸VIとの縮合を通して、IVa-Eにさらに変換することができる。最後に、式IVaの中間体を、一連の酸素上の保護基の開裂および得られたアルコールの酸化を通してIVa-Eから得ることができる。
[114]式IVの中間体の調製のさらなる例示として、中間体IVbの1つの合成経路をスキーム3に提供する。市販のジメチルテレフタレートIVb-Aを出発物質として選択する。LiAlDによるIVb-Aの還元により、IVb-Bが得られ、これを水酸基の選択的TBDPS保護およびヨウ素化を通してIVb-Dにさらに変換することができる。TMSCNによるIVb-Dのヨウ化物の求核置換により、中間体IVb-Eが得られる。IVb-Eのシアノ基をメチルエステル基に変換すると、式IVb-Gの中間体が得られる。最後に、安息香酸VIとの縮合、引き続いてIVb-Hの加水分解によって、式IVbの化合物を調製することができる。
[115]式IVの中間体の調製の別の例示を、式IVcの化合物の調製を示すスキーム4に示す。市販の2,4-ジメチル安息香酸IVc-Aから出発する。IVc-Aをt-BuOKおよびDMSO-dで処理することによって、中間体2,4-ビス(メチル-d3)安息香酸IVc-Bを調製することができる。2,4-ビス(メチル-d)安息香酸IVc-Bと式IVc-Cの中間体の縮合反応を介したカップリングにより、式IVc-Dの化合物が得られる。最後に、IVc-Dの加水分解により、式IVcの化合物が得られる。
[116]式IIIの中間体の調製の例示として、化合物IIIaの1つの合成経路をスキーム5に示す。市販の1,4-ジブロモベンゼンIIIa-Aから出発して、IIIa-Aをn-BuLiおよびDMF-dで処理することによって、アルデヒドIIIa-Bを調製することができる。2,2-ジメトキシエタン-1-アミンおよびNaBDを使用した還元的アミノ化、引き続いてIIIa-Dのアミノ基の保護によって、中間体IIIa-Eを得ることができる。AlClなどのルイス酸によって促進されるIIIa-Eの環化により、式IIIa-Fのイソキノリンが得られ、これを、ベンゾフェノンイミンとのパラジウム触媒カップリングを通して、IIIa-Gにさらに変換することができる。最後に、IIIa-Gの脱保護により、式IIIaの化合物が得られる。
[117]式IIIの中間体の調製のさらなる例示として、化合物IIIbの1つの合成経路をスキーム6に示す。市販の2-オキソ酢酸IIIb-Aから出発する。IIIb-Aをトリメトキシメタンおよびp-TsOHで処理することによって、中間体IIIb-Bを調製することができる。IIIb-Bのアンモノリシスにより、式IIIb-Cの化合物が得られ、これを、LiAlDによるアミドの還元を介して、式IIIb-Dの化合物にさらに変換することができる。中間体IIIb-Dから、4-ブロモベンズアルデヒドおよびNaBHを使用した還元的アミノ化、引き続いてIIIb-Fのアミノ基の保護を介して、中間体IIIb-Gを得ることができる。AlClなどのルイス酸によって促進されるIIIb-Gの環化により、式IIIb-Hのイソキノリンが得られ、これを、ベンゾフェノンイミンとのパラジウム触媒カップリングを通して、IIIb-Iにさらに変換することができる。最後に、IIIb-Iの脱保護により、式IIIbの化合物が得られる。
[118]式Vの中間体の調製の例示として、化合物Vaの1つの合成経路をスキーム7に示す。市販の1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾールVa-Aから出発する。Va-Aをホルムアルデヒド-dで処理することによって、中間体Va-Bを調製することができる。次いで、Va-Bのヒドロキシル基をtert-ブチルカルバメートおよび4-メチルベンゼンスルホン酸でBoc保護アミノ基に変換することにより、式Vaの化合物を得ることができる。
[119]場合によっては、前記反応スキームを行う順序を変えて、反応を促進する、または望ましくない反応生成物を回避することができる。以下の実施例は、本発明がより完全に理解されるように提供される。これらの実施例は単なる例示であり、決して本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
[120]中間体A
イソキノリン-1-d-6-アミン(A)
[121](4-ブロモフェニル)-ジュウテリオ-メタノン(A1)
[122]1,4-ジブロモベンゼン(2.50g、10.6mmol)のTHF(5mL)溶液に、-78℃でn-BuLi(1.6M、7mL、11.7mmol)を滴加し、得られた混合物を-78℃で0.5時間撹拌した。次いで、DMF-d(1.08mL、12.7mmol)を混合物に-78℃で滴加し、得られた混合物を-78℃~-30℃で1.5時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(2mL)により-30℃でクエンチした。混合物を水で希釈し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、標記化合物(4-ブロモフェニル)-デューテリオ-メタノン(A1)の粗生成物を得て、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
[123]N-((4-ブロモフェニル)メチル-d)-2,2-ジメトキシエタン-1-アミン(A2)
[124]トルエン(30mL)中(4-ブロモフェニル)-デューテリオ-メタノン(A1)(2.00g、10.8mmol)、p-TsOH・HO(0.210g、1.08mmol)および2,2-ジメトキシエタン-1-アミン(1.05g、10.0mmol)の混合物を138℃で3.5時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO水溶液(8mL)に注ぎ入れ、NaHCO水溶液(2×100mL)および水(1×100mL)で順次洗浄し、水相をトルエン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣をEtOH(20mL)に溶解し、次いで、NaBD(220mg、5.50mmol)をRTで混合物に添加し、得られた混合物をRTで2時間撹拌した。次いで、HOAc(0.2mL)を混合物に添加した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、標記化合物N-((4-ブロモフェニル)メチル-d)-2,2-ジメトキシエタン-1-アミン(A2)の粗生成物を得た。MS-ESI(m/z):276[M+1]
[125]N-((4-ブロモフェニル)メチル-d)-N-(2,2-ジメトキシエチル)-4-メチルベンゼンスルホンアミド(A3)
[126]N-((4-ブロモフェニル)メチル-d)-2,2-ジメトキシエタン-1-アミン(A2)(2.5g、9.1mmol)のDCM(16mL)およびピリジン(2mL)溶液に、TsCl(3.10g、16.3mmol)を添加した。混合物をRTで2時間撹拌した。混合物を1N HCl(3x50mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(20:1~5:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物N-((4-ブロモフェニル)メチル-d)-N-(2,2-ジメトキシエチル)-4-メチルベンゼンスルホンアミド(A3)を得た。MS-ESI(m/z):430[M+1]
[127]6-ブロモイソキノリン-1-d(A4)
[128]DCM(10mL)中AlCl(2.95g、22.0mmol)の混合物に、N-((4-ブロモフェニル)メチル-d)-N-(2,2-ジメトキシエチル)-4-メチルベンゼンスルホンアミド(A3)(1.9g、4.4mmol)のDCM(10mL)溶液を滴加した。RTで4時間撹拌した後、混合物を氷(50g)に注ぎ入れ、DCM(3×100mL)で抽出した。有機相を1N NaOH(2×100mL)、NaHCO水溶液(1×100mL)およびブライン(100mL)で順次洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(5:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物6-ブロモイソキノリン-1-d(A4)を得た。MS-ESI(m/z):209[M+1]
[129]イソキノリン-1-d-6-アミン(A)
[130]トルエン(10mL)中6-ブロモイソキノリン-1-d(A4)(455mg、2.19mmol)、ジフェニルメタンイミン(441μl、2.62mmol)およびt-BuONa(631mg、6.57mmol)の混合物に、BINAP(954mg、1.53mmol)およびPd(dba)(401mg、0.438mmol)をRTで添加した。混合物を100℃で3時間撹拌した。混合物を濃縮した。残渣をMeOH(20mL)に溶解し、次いで、NHOH・HCl(241mg、3.50mmol)およびNaOAc(312mg、3.80mmol)をRTで混合物に添加し、得られた混合物をRTで1.5時間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をPE/EtOAc(1:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物イソキノリン-1-d-6-アミン(A)を得た。MS-ESI(m/z):146[M+1]
[131]中間体B
イソキノリン-3-d-6-アミン(B-a)およびイソキノリン-3,4-d2-6-アミン(B-b)
[132]2,2-ジメトキシエタン-1,1-d-1-アミン(B1)
[133]2,2-ジメトキシアセトアミド(0.10g、0.84mmol)のTHF(3mL)溶液に、LiAlD(42mg、1.0mmol)をRTで添加し、混合物を65℃で1.5時間撹拌した。次いで、NaSO・10HOを氷水浴下で混合物に添加した。20分間撹拌した後、混合物を濾過した。濾過ケークをTHFで洗浄し、溶液を蒸発させて、2,2-ジメトキシエタン-1,1-d-1-アミン(B1)の粗生成物を得て、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。MS-ESI(m/z):108[M+1]
[134]N-(4-ブロモベンジル)-2,2-ジメトキシエタン-1,1-d-1-アミン(B2)
[135]トルエン(50mL)中2,2-ジメトキシエタン-1,1-d-1-アミン(B1)(100mg、0.920mmol)、p-TsOH・HO(17.5mg、0.0920mmol)および4-ブロモベンズアルデヒド(170mg、0.920mmol)の混合物を135℃で4.5時間撹拌した。濃縮した後、残渣をEtOH(30mL)に溶解し、次いで、NaBH(300mg、7.90mmol)をRTで混合物に添加した。得られた混合物をRTで1時間撹拌した。次いで、HOAc(0.2mL)を混合物に添加した。溶媒を濃縮し、残渣を水で希釈し、EtOAcで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、標記化合物N-(4-ブロモベンジル)-2,2-ジメトキシエタン-1,1-d-1-アミン(B2)の粗生成物を得た。MS-ESI(m/z):276[M+1]
[136]イソキノリン-3-d-6-アミン(B-a)およびイソキノリン-3,4-d-6-アミン(B-b)
[137]標記化合物イソキノリン-3-d-6-アミン(B-a)(30%)およびイソキノリン-3,4-d-6-アミン(B-b)(70%)を、N-((4-ブロモフェニル)メチル-d)-2,2-ジメトキシエタン-1-アミン(A2)をN-(4-ブロモベンジル)-2,2-ジメトキシエタン-1,1-d-1-アミン(B2)で置き換えることによって、Aの合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z)B-a:146[M+1]およびB-b:147[M+1]
[138]中間体C
2,4-ビス(メチル-d)安息香酸(C)
[139]2,4-ビス(メチル-d)安息香酸(C)
[140]2,4-ジメチル安息香酸(1.0g、6.1mmol)のDMSO-d(10mL)溶液に、t-BuOK(3.40g、30.5mmol)を添加した。混合物をN下、120℃で3時間撹拌した。RTに冷却した後、混合物を水で希釈した。pHを2~3に調整し、EtOAc(3x)で抽出した。抽出物を水、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、固体を得た。この固体を上記の方法に従って2回処理して、標記化合物2,4-ビス(メチル-d)安息香酸(C)を得た。
[141]中間体D
(4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェニル)メタン-d-オール(D)
[142]エチル 4-(2-ヒドロキシエチル)ベンゾエート(D1)
[143]EtOH(35mL)およびDMSO(22mL)中2-(4-ブロモフェニル)エタン-1-オール(1.0g、5.0mmol)、TEA(0.83ml、6.0mmol)およびPd(dppf)Cl(365mg、0.500mmol)の混合物を、CO雰囲気下80℃で3.5時間撹拌した。反応混合物をRTに冷却し、飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。抽出物をブライン(30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(5:1~4:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物エチル 4-(2-ヒドロキシエチル)ベンゾエート(D1)を得た。MS-ESI(m/z):195[M+1]
[144]エチル 4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)ベンゾエート(D2)
[145]エチル 4-(2-ヒドロキシエチル)ベンゾエート(D1)(0.96g、4.9mmol)のDMF(20mL)溶液に、イミダゾール(0.84g、12mmol)を添加した。混合物を0℃に冷却し、次いで、TBSCl(0.894g、5.91mmol)を添加した。混合物をRTで30分間撹拌し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。抽出物をブライン(30mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(50:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物エチル 4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)ベンゾエート(D2)を得た。MS-ESI(m/z):309[M+1]
[146](4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェニル)メタン-d-オール(D)
[147]標記化合物(4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェニル)メタン-d-オール(D)を、2,2-ジメトキシアセトアミドをエチル4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)-ベンゾエート(D2)で置き換えることによって、2,2-ジメトキシエタン-1,1-d-1-アミン(B1)の合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):269[M+1]
[148]中間体E
メチル 2-(4-(ヒドロキシメチル-d)フェニル)アセテート-d(E)
[149]1,4-フェニレンビス(メタン-d-オール)(E1)
[150]ジメチル テレフタレート(5.9g、30mmol)のTHF(100mL)中溶液に、0℃でLiAlD(3.5g、59mmol)を数回に分けて添加した。混合物を65℃で1時間撹拌した。0℃に冷却した後、混合物をNaSO・10HOで慎重にクエンチし、濾過した。濾液を濃縮して、標記化合物1,4-フェニレンビス(メタン-d-オール)(E1)を得た。
[151](4-((((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル-d)フェニル)メタン-d-オール(E2)
[152]1,4-フェニレンビス(メタン-d2-オール)(E1)(4.3g、30mmol)および1H-イミダゾール(2.2g、33mmol)のDMF(50mL)中溶液に、tert-ブチルクロロジメチルシラン(8.3g、30mmol)を滴加した。RTで18時間撹拌した後、混合物をHOに注ぎ入れ、EtOAc(3x)で抽出した。抽出物をHO、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、標記化合物(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル-d)フェニル)メタン-d-オール(E2)を得た。
[153]tert-ブチル((4-(ヨードメチル-d)フェニル)メトキシ-d)ジメチルシラン(E3)
[154]DCM(60mL)中(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル-d)フェニル)メタン-d-オール(E2)(3.8g、10mmol)、1H-イミダゾール(1.05g、15.0mmol)、ヨウ素(3.3g、13mmol)およびトリフェニルホスファン(3.9g、15mmol)の混合物を、N雰囲気下、RTで5時間攪拌した。混合物をDCMで希釈し、Na水溶液およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物tert-ブチル((4-(ヨードメチル-d)フェニル)メトキシ-d)ジメチルシラン(E3)を得た。
[155]2-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル-d)フェニル)アセトニトリル-d(E4)
[156]アセトニトリル(40mL)中tert-ブチル((4-(ヨードメチル-d)フェニル)メトキシ-d)ジメチルシラン(E4)(3.6g、7.3 mmol)およびKCO(1.8g、13mmol)の混合物に、TMSCN(1.6 mL、13 mmol)を添加した。20時間還流した後、混合物をRTに冷却し、濾過した。濾液を濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物2-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル-d)フェニル)アセトニトリル-d(E5)を得た。
[157]2-(4-(ヒドロキシメチル-d)フェニル)酢酸-2,2-d(E6)
[158]NaH(5.00g、120mmol)のDO(20ml)中溶液に、EtOD(20mL)中2-(4-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル-d)フェニル)アセトニトリル-d(E5)(2.5g、6.0mmol)を添加した。混合物を80℃で15時間撹拌した。RTに冷却後、混合物をDO(30 ml)で希釈し、pHを2~3に調整し、EtOAc(3x)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を濃縮して、標記化合物2-(4-(ヒドロキシメチル-d)フェニル)酢酸-2,2-d(E6)を得た。MS-ESI(m/z):169[M-1]
[159]メチル2-(4-(ヒドロキシメチル-d)フェニル)アセテート-d(E)
[160]2-(4-(ヒドロキシメチル-d)フェニル)酢酸-2,2-d(E6)(1.35g、7.94mmol)のMeOH(13mL)中溶液に、濃HSO(1.3mL)を滴加した。混合物をRTで一晩攪拌した。混合物を水に注ぎ入れ、EtOAc(3x)で抽出した。抽出物を飽和NaHCO(水溶液)およびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、標記化合物メチル 2-(4-(ヒドロキシメチル-d)フェニル)アセテート-d(E)を得た。MS-ESI(m/z):185[M+1]
[161]中間体F
tert-ブチル ((1H-ベンゾ[d]1,2,3]トリアゾール-1-イル)メチル-d2)カルバメート(F)
[162](1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メタン-d-オール(F1)
[163]1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール(625mg、5.25mmol)のHO(40mL)中溶液に、ホルムアルデヒド-d(DO中20%)(840mg、5.25mmol)を添加した。混合物をRTで3時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、乾燥させて、標記化合物(1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メタン-d-オール(F1)を得た。MS-ESI(m/z):152[M+1]
[164]tert-ブチル ((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メチル-d)カルバメート(F)
[165]トルエン(50mL)中(1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メタン-d-オール(F1)(650mg、4.28mmol)、tert-ブチルカルバメート(500mg、4.28mmol)および4-メチルベンゼンスルホン酸(26.7mg、0.155mmol)の混合物を、ディーンスタークトラップを使用して1時間還流した。RTに冷却した後、混合物を1/4の体積に濃縮した。次いで、固体を濾過によって回収し、乾燥させて、標記化合物tert-ブチル((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メチル-d)カルバメート(F)を得た。MS-ESI(m/z):251[M+1]
[166]実施例1
(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル2,4-ジメチルベンゾエート(1)
[167](S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル)フェニル)-プロパン酸(1a)
[168](S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(1a)を、国際公開第2017/086941号に記載される方法に従って調製した。
[169](S)-4-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル2,4-ジメチルベンゾエート(1b)
[170]DMF(1mL)中(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(1a)(56mg、0.13mmol)、イソキノリン-1-d-6-アミン(A)(25mg、0.17mmol)および2,4-ルチジン(18mg、0.17mmol)の混合物に、1,1,1-トリクロロ-2-メチルプロパン-2-イルカルボノクロリデート(41mg、0.17mmol)を添加し、RTで3時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3x50mL)で抽出し、ブライン(15mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、DCM/MeOH(15:1)で溶出する分取TLCによって精製して、(S)-4-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル2,4-ジメチルベンゾエート(1b)を得た。MS-ESI(m/z):555[M+1]
[171](S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル2,4-ジメチルベンゾエート(1)
[172]DCM(5mL)中(S)-4-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)-アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル2,4-ジメチルベンゾエート(1b)(25mg、0.050mmol)の混合物に、TFA(1mL)を滴加した。混合物をRTで1時間撹拌した。混合物を飽和NaHCOに注ぎ入れ、DCM(3x30mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、DCM/MeOH中NH(20:1)で溶出する分取TLCによって精製して、(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル2,4-ジメチルベンゾエート(1)を得た。MS-ESI(m/z):455[M+1]
[173]実施例2
(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-3-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(2-A)および(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-3,4-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(2-B)
[174](S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-3-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(2)
[175]標記化合物(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-3-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(2-A)(30%)および(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-3,4-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(2-B)(70%)を、イソキノリン-1-d-6-アミン(A)をイソキノリン-3-d-6-アミン(B-a)およびイソキノリン-3,4-d-6(B-b)で置き換えることによって、(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(1)の合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):2-A:455[M+1]および2-B:456[M+1]
[176]実施例3
(S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3)
[177](4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3a)
[178]2,4-ジメチル安息香酸(31.0mg、0.204mmol)のDCM(1mL)溶液に、EDCI(65.0mg、0.335mmol)を添加した。混合物をRTで1時間撹拌し、次いで、(4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェニル)メタン-d-オール(D)(50.0mg、0.186mmol)のDCM中溶液およびDMAP(5.0mg、0.0372mmol)を添加した。混合物をRTで一晩攪拌した。混合物を水で希釈し、DCM(3x25mL)で抽出した。抽出物をブライン(15mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(50:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3a)を得た。MS-ESI(m/z):401[M+1]
[179](4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3b)
[180](4-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3a)(4.100g、10.25mmol)のMeOH(20mL)中溶液に、1N HCl(2mL)を添加した。混合物をRTで1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、DCM(3x25mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、標記化合物(4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3b)を得た。MS-ESI(m/z):287[M+1]
[181](4-(2-オキソエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3c)
[182](4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3b)(2.90g、10.3mmol)のDCM(100mL)中溶液に、DMP(5.20g、12.3mmol)を添加した。混合物をRTで30分間撹拌した。反応物を飽和NaHCO水溶液(100mL)でクエンチし、DCMで抽出した。有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(4-(2-オキソエチル)フェニル)メチル-d 2.4-ジメチルベンゾエート(3c)を得た。MS-ESI(m/z):285[M+1]
[183]2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル)酢酸(3d)
[184](4-(2-オキソエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3c)(50mg、0.18mmol)のDMF(1mL)中溶液に、オキソン(36mg、0.21mmol)を添加した。混合物をRTで4時間撹拌した。混合物を水(20mL)に注ぎ入れた。沈殿した固体を濾過によって回収し、水(30mL)で洗浄し、乾燥させて、2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)-メチル-d)フェニル)酢酸(3d)の粗生成物を得て、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。MS-ESI(m/z):301[M+1]
[185](4-(2-クロロ-2-オキソエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3e)
[186]2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)-メチル-d)フェニル)酢酸(3d)(1.9g、6.2mmol)のDCM(40mL)中溶液に、塩化オキサリル(0.79ml、7.4mmol)を添加した。混合物をRTで一晩攪拌した。混合物を濃縮して、(4-(2-クロロ-2-オキソエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3e)の粗生成物を得て、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
[187](R)-(4-(2-(4-ベンゾイル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3f)
[188](R)-4-ベンジルオキサゾリジン-2-オン(1.1g、6.2mmol)のTHF(40mL)中溶液に、-70℃でn-BuLi(1.6M、4.3mL、6.8mmol)を滴加し、次いで、(4-(2-クロロ-2-オキソエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3e)(2.0g、6.2mmol)のTHF中溶液を滴加し、得られた混合物を-70℃で1時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(2x50mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(10:1~5:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(R)-(4-(2-(4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチル-ベンゾエート(3f)を得た。MS-ESI(m/z):460[M+1]
[189](4-((S)-1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3g)
[190](R)-(4-(2-(4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル)フェニル)-メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3f)(1.0g、2.2mmol)のTHF(20mL)中溶液に、-70℃でKHMDS(1.0M、2.6mL、2.61mmol)を滴加した。混合物を-70℃で30分間撹拌し、次いで、tert-ブチル ((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メチル)カルバメート(0.65g、2.6mmol)(国際公開第2017/086941号)のTHF(3mL)中溶液を-70℃で滴加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(3x50mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣をPE/EtOAc(10:1~5:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(4-((S)-1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3g)を得た。MS-ESI(m/z):589[M+1]
[191](S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル)プロパン酸(3h)
[192](4-((S)-1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3g)(1.1g、1.9mmol)のTHF/HO(22ml/7mL)溶液に、0℃でH(30%、0.85g、7.5mmol)およびLiOH・HO(78mg、1.9mmol)を順次添加した。混合物を0℃で10分間撹拌した。反応物を10%NaSO水溶液でクエンチした。混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、DCM/MeOH(100:1~20:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル)プロパン酸(3h)を得た。MS-ESI(m/z):430[M+1]
[193](S)-(4-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3i)
[194]イソキノリン-6-アミン(23mg、0.16mmol)および(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル(プロパン酸(3h)(43mg、0.10mmol)のDMF(1mL)中溶液に、EDCI(39mg、0.21mmol)、TEA(33mg、0.30mmol)およびHOBT(27mg、0.21mmol)を添加した。混合物をRTで一晩攪拌した。混合物を水で希釈し、EtOAc(3x5mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、DCM/MeOH(15:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(S)-(4-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3i)を得た。MS-ESI(m/z):556[M+1]
[195](S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3)
[196]標記化合物(S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3)を、(S)-4-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(1b)を(S)-(4-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3i)で置き換えることによって、(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(1)の合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):456[M+1]
[197]実施例4
(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-3,3-d)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート二塩酸塩(4)
[198](R)-4-(2-(4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(4a)
[199]標記化合物(R)-4-(2-(4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(4a)を、国際公開第2017/086941号に記載される方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):458[M+1]
[200]4-((S)-1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-3,3-d) 2,4-ジメチルベンゾエート(4b)
[201]標記化合物(R)-4-(2-(4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(4a)(1.0g、2.2mmol)のTHF(20mL)中溶液に、-70℃でKHMDS(1.0M、2.6mL、2.61mmol)を滴加した。混合物を-70℃で30分間撹拌し、次いで、tert-ブチル((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メチル-d)カルバメート(F)(0.65g、2.6mmol)のTHF(3mL)溶液を-70℃で滴加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(3x50mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(10:1~5:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物4-((S)-1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-3,3-d)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(4b)を得た。MS-ESI(m/z):589[M+1]
[202](S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル)フェニル)プロパン-3,3-d酸(4c)
[203]標記化合物(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル)フェニル)プロパン-3,3-d酸(4c)を、(4-((S)-1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)フェニル)メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3g)を4-((S)-1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-3,3-d)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(4b)で置き換えることによって、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル)プロパン酸(3h)の合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):430[M+1]
[204](S)-4-(3-アミノ-1-(((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-3,3-d)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(4d)
[205]標記化合物(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-3,3-d)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(4d)を、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル)フェニル)プロパン酸(1a)を(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル)フェニル)プロパン-3,3-d酸(4c)で置き換えることによって、(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(1)の合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):457[M+1]
[206](S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-3,3-d)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート二塩酸塩(4)
[207](S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-3,3-d)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエート(4d)(22mg、0.048mmol)のDCM(1mL)およびMeOH(0.1mL)溶液に、HCl(30%EtOH溶液、0.108mmol)を添加した。10分間撹拌した後、混合物を濃縮して、標記化合物(S)-4-(3-アミノ-1-((イソキノリン-6-イル-1-d)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-3,3-d)ベンジル2,4-ジメチルベンゾエート二塩酸塩(4)を得た。MS-ESI(m/z):457 [M+1]
[208]実施例5
(S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート二塩酸塩(5)
[209](4-(2-メトキシ-2-オキソエチル-1,1-d2)フェニル)メチル-d2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5a)
[210]DCM(20mL)中メチル2-(4-(ヒドロキシメチル-d)フェニル)アセテート-d(E)(610mg、3.30mmol)、2,4-ビス(メチル-d)安息香酸(C)(517mg、3.30mmol)、EDCI(1.2g、6.0mmol)およびDMAP(81mg、0.66mmol)の混合物をRTで一晩攪拌した。混合物をDCMで希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、PE/EtOAc(10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(4-(2-メトキシ-2-オキソエチル-1,1-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5a)を得た。MS-ESI(m/z):323[M+1]
[211]2-(4-(((2,4-ビス(メチル-d)ベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル)酢酸-2,2-d(5b)
[212](4-(2-メトキシ-2-オキソエチル-1,1-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5a)(752mg、2.33mmol)のDO(15mL)およびTHF(10mL)中溶液に、LiOH.HO(108mg、2.6mmol)を添加した。混合物をRTで2時間撹拌した。混合物をpH=2~3に酸性化し、HOで希釈し、EtOAc(3x)で抽出した。合わせたEtOAc相をHOおよびブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、標記化合物2-(4-(((2,4-ビス(メチル-d)ベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル)酢酸-2,2-d(5b)を得た。MS-ESI(m/z):307[M-1]
[213](R)-(4-(2-(4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル-1,1-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5c)
[214]標記化合物(R)-(4-(2-(4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル-1,1-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5c)を、2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)-メチル-d)フェニル)酢酸(3d)を2-(4-(((2,4-ビス(メチル-d)ベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル)酢酸-2,2-d(5b)で置き換えることによって、3fの合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):468[M+1]
[215](S)-(4-(1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5d)
[216]標記化合物(S)-(4-(1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d)フェニル(メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5d)を、(R)-(4-(2-(4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル)フェニル)-メチル-d 2,4-ジメチルベンゾエート(3f)およびtert-ブチル((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メチル)カルバメートを(R)-(4-(2-(4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2-オキソエチル-1,1-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5c)およびtert-ブチル((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メチル-d)カルバメート(F)で置き換えることによって、3gの合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):598[M+1]
[217](S)-2-(4-(((2,4-ビス(メチル-d)ベンゾイル)オキシ)メチル-d2)フェニル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン-2,3,3-d酸(5e)
[218](S)-(4-(1-((R)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5d)(538mg、0.904mmol)のDO(5mL)およびTHF(10mL)中溶液に、0℃でH(0.41ml、3.61mmol)、引き続いてLiOH.HO(42mg、0.99mmol)を添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いで、NaHSO(10%水溶液)でクエンチした。混合物をpH=2~3に酸性化し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSCO上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、DCM/MeOH(100:1~10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物(S)-2-(4-(((2,4-ビス(メチル-d)ベンゾイル)オキシ)-メチル-d)フェニル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン-2,3,3-d酸(5e)を得た。MS-ESI(m/z):439[M-1]
[219](S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5f)
[220]標記化合物(S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5f)を、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-(4-(((2,4-ジメチルベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル)プロパン酸(3h)を(S)-2-(4-(((2,4-ビス(メチル-d)ベンゾイル)オキシ)メチル-d)フェニル)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン-2,3,3-d酸(5e)で置き換えることによって、3の合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):465[M+1]
[221](S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d3)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート二塩酸塩(5)
[222](S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5f)(20mg、0.043mmol)のDCM(1mL)およびMeOH(0.1mL)中溶液に、HCl(30%EtOH溶液、0.108mmol)を添加した。10分間撹拌した後、混合物を濃縮して、標記化合物(S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート二塩酸塩(5)を得た。MS-ESI(m/z):465[M+1]
[223]実施例6
(S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート二塩酸塩(6)
[224]標記化合物(S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート二塩酸塩(6)を、tert-ブチル((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メチル-d)カルバメート(F)をtert-ブチル((1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-1-イル)メチル)カルバメートで置き換えることによって、5の合成方法に従って調製した。MS-ESI(m/z):463[M+1]
[225]参照化合物1
(S)-4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル2,4-ジメチルベンゾエート二塩酸塩(参照化合物1)
[226](S)-4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエートは開示されており、国際公開第2017/086941号の21頁に概説されるのと本質的に同じ手順に従って調製した。参照化合物1を、(S)-(4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル-2,3,3-d)フェニル)メチル-d 2,4-ビス(メチル-d)ベンゾエート(5f)を(S)-4-(3-アミノ-1-(イソキノリン-6-イルアミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ベンジル 2,4-ジメチルベンゾエートで置き換えることによって、(5)の合成方法に従って調製した。
[227]実施例1~6について記載されるのと本質的に同じ手順に従って、表1に列挙される実施例7~24を、市販されているまたは文献で知られている適切な出発物質から調製した。実施例7~24の構造および名称を表1に示す。
[228]細胞増殖アッセイ
ROCK-I(h)インビトロ阻害活性-方法A
Eurofins Pharma Discovery Services UK LimitedのKinaseProfiler(商標)サービスを使用して、ROCK-I(h)キナーゼアッセイを行った。ROCK-I(h)を、8mM MOPS pH7.0(VWRカタログ番号441644J)、0.2mM EDTA(Sigmaカタログ番号E5134)、30μM KEAKEKRQEQIAKRRRLSSLRASTSKSGGSQK(Pepceuticals)、10mM酢酸マグネシウム(Merck Milliporeカタログ番号105819)および[γ-33P-ATP](Perkin Elmerカタログ番号NEG602K)を含有するアッセイ緩衝液中で試験化合物とインキュベートした。100%DMSO(Calbiochemカタログ番号317275)中の試験化合物を、Mosquito XI(TTP Labtech)を使用して先に96ウェルアッセイプレートにスポットした後、反応ミックスを添加した。Matrix Wellmateを使用して、Mg/ATPミックスを添加することによって、反応を開始した。室温で40分間インキュベートした後、Matrix Wellmateを使用して、3%リン酸溶液(Fisher Scientific カタログ番号O/0500/PB17)を添加することによって、反応を停止した。次いで、反応物のアリコートをフィルターマットにスポットし、リン酸で洗浄し、引き続いてメタノールですすいだ後、乾燥させ、Trilux Wallac Microbeta検出器(Perkin Elmer)でシンチレーション測定を行った。結果を、試験化合物の代わりにDMSOのみを含有する対照に対して表した。該当する場合、XLFitバージョン5.3(ID Business Solutions)を使用してIC50曲線分析を実施した。非線形回帰分析を使用して、シグモイド用量-反応(可変勾配)曲線を当てはめる。
[229]Eurofins Pharma Discovery Services UK LimitedのKinaseProfiler(商標)サービスを使用して、ROCK-II(h)キナーゼアッセイを行った。ROCK-II(h)を、50mM Tris pH7.5(VWRカタログ番号103157P)、0.1mM EGTA(VWRカタログ番号20308)、30μM KEAKEKRQEQIAKRRRLSSLRASTSKSGGSQK(Pepceuticals)、10mM酢酸マグネシウムおよび[γ-33P-ATP](Perkin Elmerカタログ番号NEG602K)を含有するアッセイ緩衝液中で試験化合物とインキュベートした。100%DMSO(Calbiochemカタログ番号317275)中の試験化合物を、Mosquito XI(TTP Labtech)を使用して先に96ウェルアッセイプレートにスポットした後、反応ミックスを添加した。Matrix Wellmateを使用して、Mg/ATPミックスを添加することによって、反応を開始した。室温で40分間インキュベートした後、Matrix Wellmateを使用して、3%リン酸溶液(Fisher Scientific カタログ番号O/0500/PB17)を添加することによって、反応を停止した。次いで、反応物のアリコートをフィルターマットにスポットし、リン酸で洗浄し、引き続いてメタノールですすいだ後、乾燥させ、Trilux Wallac Microbeta検出器(Perkin Elmer)でシンチレーション測定を行った。結果を、試験化合物の代わりにDMSOのみを含有する対照に対して表した。該当する場合、XLFitバージョン5.3(ID Business Solutions)を使用してIC50曲線分析を実施した。非線形回帰分析を使用して、シグモイド用量-反応(可変勾配)曲線を当てはめる。
[230]上記のように調製された選択化合物を、方法Aに記載される生物学的手順に従って検定した。結果を表2に示す。
[231]ROCK-I(h)インビトロ阻害活性-方法B
CISBIOのHTRF(登録商標)KinEASE-STKキットサービスを使用して、ROCK-I(Invitrogen、PV3691)キナーゼアッセイを行った。Echo 550を使用して、10nlの化合物希釈液をアッセイプレート(784075、Greiner)の各ウェルに移す。化合物プレートを1000 gで1分間遠心する。アッセイプレートを密封する。1xキナーゼ緩衝液中5X ROCK-I(Invitrogen、PV 3691)を調製する(1倍体積の酵素緩衝液5Xと4倍体積の蒸留水;5mM MgCl;1mM DTT)。2μlの5X ROCK-Iを384ウェルアッセイプレート(784075、Greiner)に添加する。4μlの1xキナーゼ緩衝液をアッセイプレートの各ウェルに添加し、プレートを1000gで30秒間、RTで10分間遠心分離する。キナーゼ緩衝液中5x TK-基質-ビオチン(5μM)およびキナーゼ緩衝液中5x ATP(100μM)を調製する。2μlのSTK-基質-ビオチンおよび2μlのATPを添加して反応を開始する。プレートを1000gで30秒間遠心分離する。アッセイプレートをRTで20分間密封する。HTRF検出緩衝液で4X Sa-XL 665(250nM)およびTK-抗体-クリプテートを調製する。5μlのSa-XL 665および5μlのTK-抗体-クリプテートをアッセイプレートの各ウェルに添加する。プレートを1000gで30秒間、RTで1時間遠心分離する。Envision 2104プレートリーダー(Perkin Elmer)で615nm(Cryptate)および665nm(XL665)の蛍光シグナルを読み取る。各ウェルについて比(665/615nm)を計算する。GraphPad 6.0を使用して、%阻害値および化合物濃度の対数を非線形回帰(用量反応-可変勾配)に当てはめることによって、IC50を計算する。
[232]上記のように調製された選択化合物を、方法Bに記載される生物学的手順に従って検定した。結果を表3に示す。
[233]ROCKインビボ阻害活性-方法C
オキシブプロカイン(Santen Co.JPロット:B2031);炭酸塩抑制剤(harvard apparatus);TONOVET Plus(Finland icare);チンチラウサギ:2~8月齢および体重2.23~4.41kg(Dongfang Breeding Co.,Ltd.、Pizhou、ライセンス:SCXK(su)2014-0005、承認番号:201814493,201826314)。
[234]18匹の雄ウサギを3つの群(6匹/群)にランダムに割り当てた。ビヒクル対照、Rhopressa(0.02%ネタルスジル、0.2mg/mlネタルスジルに相当)、または0.2mg/mLの実施例11を、1日1回、3日間、右眼(30μL/眼/投与)に局所投与し、もう片方の左目を内部対照としての生理食塩水で処置した。臨床観察および眼科検査を1日1回実施した。最初の投与前、ならびに1日目および3日目の各最初の投与の0.5、2、4、6および24時間後に、TONOVET PlusによってIOPを測定した。
[235]以下の式を使用して、IOPの変化%を計算した:IOPの変化%(△IOP%)=[IOP(時間)-IOP(対照)]/IOP(対照)*100)。
[236]上記のように調製された選択化合物を、方法Cに記載される生物学的手順に従って検定した。3日目の24時間での投与の結果を表4に示す。

Claims (17)

  1. 式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩。

    (式中、
    は、CH、CHD、CHDおよびCDから選択され、
    は、CH、CHD、CHDおよびCDから選択され、
    、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Y14、Y15およびY16は、水素および重水素からそれぞれ独立に選択され、
    各Yは水素および重水素から独立に選択され、但し、両Yは同じであり、
    各Y13は水素および重水素から独立に選択され、但し、両Y13は同じであり、
    但し、前記式(I)の化合物は少なくとも1つの重水素原子を含む。)
  2. 前記Yが重水素である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  3. 前記Yが重水素である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  4. 前記Yが重水素である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  5. 前記Yが重水素である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  6. 前記両Yが重水素である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  7. 前記両Y13が重水素である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  8. 前記RがCHおよびCDから選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  9. 前記RがCHおよびCDから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。

  10. およびその薬学的に許容される塩から選択される化合物。
  11. 請求項10に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、

    から選択される化合物およびその薬学的に許容される塩。
  12. 請求項11に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、

    から選択される化合物およびその薬学的に許容される塩。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物または塩酸塩であるその薬学的に許容される塩。
  14. 請求項13に記載の化合物または二塩酸塩であるその薬学的に許容される塩。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  16. ROCKの阻害に応答する状態を治療、改善または予防する方法であって、有効量の請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩またはその医薬組成物を、場合により第2の治療剤と組み合わせて、このような治療を必要とする対象に投与するステップを含む方法。
  17. 眼圧上昇を治療するための医薬の調製における、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
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