JP2024020152A - 加熱装置、定着装置、画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置、画像形成装置 Download PDF

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洋 吉永
Hiroshi Yoshinaga
利幸 加幡
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Abstract

【課題】本発明は、微粒子及び超微粒子の発生を抑制することを目的とする。【解決手段】回転可能に保持される定着ベルト21と、定着ベルト21を加熱するヒータ23と、定着ベルト21の長手方向端部を保持するベルト保持部材27と、ヒータ23からの伝熱を遮蔽する遮蔽部30と、ベルト保持部材27に付着する液状又は半固体状の潤滑性物質とを備えた定着装置20であって、遮蔽部30は、ヒータ23および定着ベルト21に対向する第一遮熱板31と、ベルト保持部材27に対向する第二遮熱板32とを有し、第一遮熱板31と第二遮熱板32との間に、両者の間の伝熱を抑制する空間が設けられ、第二遮熱板32は、ヒータ23の主発熱領域Hよりも定着ベルト21の長手方向の外側にのみ設けられることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、加熱装置、定着装置および画像形成装置に関する。
複写機又はプリンタなどの画像形成装置に搭載される加熱装置の一例として、用紙などの記録媒体を加熱して記録媒体上の未定着画像を記録媒体に定着させる定着装置が知られている。
斯かる定着装置は、互いに接触する一対の回転体と、一対の回転体の少なくとも一方を加熱する加熱源を備えている。回転体同士が接触するニップ部に用紙を通過させることにより、用紙上の未定着画像が加熱及び加圧されて用紙に定着される。
加熱源から放出される輻射熱の多くは回転体を加熱する熱エネルギーとして消費される。しかし、輻射熱の一部が回転体の周囲の部材へ照射されたり、温度上昇した回転体の熱が周囲の部材へ伝達されたりすることなどによって、周囲の部材が温度上昇することがある。
このような問題に対して、例えば特許文献1(特開2013-164453号公報)では、通紙領域外に遮光部材が配置される。遮光部材には、ヒータと定着ベルトの通紙領域外の部分との間に配置される高反射率の領域と、ヒータと定着ベルトを保持するベルト保持部材との間に配置される低反射率の領域とが長手方向に連続的に設けられる。この遮光部材の低反射率の領域により、ヒータからベルト保持部材への熱線照射を抑制できる。
しかし特許文献1の構成では、ヒータの熱線が照射されて遮光部材の特に高反射率の領域の温度が上昇しやすい。そして、この高反射率の領域から低反射率の領域へ伝熱が起きることにより、低反射率の領域も高温になりやすい。そして、ベルト保持部材に対向する低反射率の領域が高温になると、空気を介した伝熱によりベルト保持部材が加熱されて高温になってしまう。
ところで、定着装置などの加熱装置においては、回転体の回転を円滑に行えるようにするため、一般的にオイル又はグリースなどの潤滑剤が用いられている。また、このような潤滑剤は、装置内に設けられる加熱源の熱などにより温度上昇すると低分子の一部の成分が揮発し、大気で冷やされることにより凝集して微粒子が発生してしまうことが知られている。
近年、製品から排出される微粒子(粒径が100[nm]~2500[nm]の粒子)に関する規制が強化されてきており、例えば、ドイツのブルーエンジェル規格においては、粒径が5.6[nm]~560[nm]の微粒子及び超微粒子の発生個数(個/10分)についての基準値が定められている。そのため、潤滑剤などの揮発性物質から生じる微粒子及び超微粒子の発生を効果的に抑制する対策が求められている。上記特許文献1においては、回転体保持部材の温度上昇を抑制する対策については記載されているが、揮発性物質の温度上昇に伴う微粒子及び超微粒子の発生の問題については何ら検討されていない。
本発明は、微粒子及び超微粒子の発生を抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、回転可能に保持される回転体と、前記回転体を加熱する加熱源と、前記回転体の長手方向端部を保持する回転体保持部材と、前記加熱源からの伝熱を遮蔽する遮蔽部と、前記回転体保持部材に付着する液状又は半固体状の潤滑性物質とを備えた加熱装置であって、前記遮蔽部は、前記加熱源および前記回転体に対向する第一遮蔽部と、前記回転体保持部材に対向する第二遮蔽部とを有し、前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部との間に、両者の間の伝熱を抑制する伝熱抑制部が設けられ、前記第二遮蔽部は、前記加熱源の主発熱領域よりも前記回転体の長手方向の外側にのみ設けられることを特徴とする。
本発明によれば、微粒子及び超微粒子の発生を抑制できる。
画像形成装置の概略構成図である。 本発明の第一実施形態に係る定着装置の長手方向に直交する断面図である。 本実施形態に係る定着装置を、定着ベルトの長手方向に沿って切断した端部側の断面図である。 本実施形態に係る定着装置における、連続印刷時の遮熱板およびベルト保持部材の温度上昇を示す図である。 図4の連続印刷時の微粒子及び超微粒子の発生速度を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る定着装置を、定着ベルトの長手方向に沿って切断した端部側の断面図である。 本発明の第三実施形態に係る定着装置を、定着ベルトの長手方向に沿って切断した端部側の断面図である。 本発明の第四実施形態に係る定着装置を、定着ベルトの長手方向に沿って切断した端部側の断面図である。 本発明の第五実施形態に係る定着装置を、定着ベルトの長手方向に沿って切断した端部側の断面図である。 本発明の第六実施形態に係る定着装置の遮熱板を示す図で、(a)図が平面図、(b)図が斜視図である。 本発明の第七実施形態に係る定着装置を、定着ベルトの長手方向に沿って切断した端部側の断面図である。 図2の定着装置の一例を示す斜視図である。 図2と異なる実施形態に係る定着装置の中央側断面図である。 図13の定着装置の端部側断面図である。 図2、図13と異なる実施形態に係る定着装置の端部側断面図である。 図15の定着装置を、定着ベルトの長手方向に沿って切断した断面図である。 潤滑剤の温度と微粒子及び超微粒子の発生濃度の関係を示す図である。 従来の定着装置を、定着ベルトの長手方向に沿って切断した端部側の断面図である。 図18の定着装置において、連続印刷時の遮熱板およびベルト保持部材の温度上昇を示す図である。 図19の連続印刷時の微粒子及び超微粒子の発生速度を示す図である。 ハロゲンヒータおよびカーボンヒータの発熱部を示す図である。 セラミックヒータの発熱部を示す図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。ここで、本明細書中における「画像形成装置」には、プリンタ、複写機、ファクシミリ、印刷機、又は、これらのうちの二つ以上を組み合わせた複合機などが含まれる。また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字及び図形などの意味を持つ画像を形成するだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を形成することも意味する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置100は、用紙などのシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部200と、記録媒体に画像を定着させる定着部300と、記録媒体を画像形成部200へ供給する記録媒体供給部400と、記録媒体を装置外へ排出する記録媒体排出部500を備えている。
画像形成部200には、作像ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkと、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが備える感光体2に静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体に画像を転写する転写装置8が設けられている。
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナー(現像剤)を収容している以外、基本的に同じ構成である。具体的に、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、表面に画像を担持する像担持体としての感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電部材3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面を清掃するクリーニング部材5を備えている。
転写装置8は、中間転写ベルト11と、一次転写ローラ12と、二次転写ローラ13を備えている。中間転写ベルト11は、無端状のベルト部材であり、複数の支持ローラによって張架されている。一次転写ローラ12は、中間転写ベルト11の内側に4つ設けられている。各一次転写ローラ12が中間転写ベルト11を介して各感光体2に接触することにより、中間転写ベルト11と各感光体2との間に一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11の外周面に接触し、二次転写ニップを形成している。
定着部300においては、画像が転写された記録媒体を加熱する加熱装置としての定着装置20が設けられている。定着装置20は、記録媒体上の画像を加熱する定着ベルト21と、定着ベルト21に接触してニップ部(定着ニップ)を形成する加圧ローラ22などを備えている。
記録媒体供給部400には、記録媒体としての用紙Pを収容する給紙カセット14と、給紙カセット14から用紙Pを送り出す給紙ローラ15が設けられている。以下、「記録媒体」を「用紙」として説明するが、「記録媒体」は紙(用紙)に限定されない。「記録媒体」は、紙(用紙)だけでなくOHPシート又は布帛、金属シート、プラスチックフィルム、あるいは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなども含む。また、「用紙」には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙及びアート紙など)、トレーシングペーパなども含まれる。
記録媒体排出部500には、用紙Pを画像形成装置外に排出する一対の排紙ローラ17と、排紙ローラ17によって排出された用紙Pを載置する排紙トレイ18が設けられている。
次に、図1を参照しつつ本実施形態に係る画像形成装置100の印刷動作について説明する。
画像形成装置100において印刷動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2及び転写装置8の中間転写ベルト11が回転を開始する。また、給紙ローラ15が、回転を開始し、給紙カセット14から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、一対のタイミングローラ16に接触することにより静止し、用紙Pに転写される画像が形成されるまで用紙Pの搬送が一旦停止される。
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、まず、帯電部材3によって、感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント画像情報に基づいて、露光装置6が、各感光体2の表面(帯電面)を露光する。これにより、露光された部分の電位が低下して各感光体2の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4がトナーを供給し、各感光体2上にトナー画像が形成される。各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、回転する中間転写ベルト11上に順次重なり合うように転写される。かくして、中間転写ベルト11上にフルカラーのトナー画像が形成される。なお、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。また、中間転写ベルト11へトナー画像が転写された後は、クリーニング部材5によって各感光体2上の残留トナーなどが除去される。
中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、タイミングローラ16によって搬送されてきた用紙P上に転写される。その後、用紙Pは、定着装置20へと搬送され、定着ベルト21と加圧ローラ22によって用紙P上のトナー画像が加熱及び加圧され、トナー画像が用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、記録媒体排出部500へ搬送され、排紙ローラ17によって排紙トレイ18へ排出される。これにより、一連の印刷動作が終了する。
続いて、図2、図3に基づき、本実施形態に係る定着装置の基本構成について説明する。図2は、本実施形態に係る定着装置を、定着ベルト21の長手方向端部側において切断した端部断面図、図3は定着装置を長手方向に沿って切断した端部側の断面図である。なお、ここでいう定着ベルトの「長手方向」とは、図3中の矢印Xにて示される方向であり、加圧ローラ22の回転軸方向、あるいは定着ベルト21と加圧ローラ22との間(ニップ部)を通過する用紙の幅方向(用紙搬送方向とは交差する方向)と同じ方向を意味する。また、以下の説明中の「長手方向」も同じ意味である。
図2に示されるように、本実施形態に係る定着装置20は、定着ベルト21及び加圧ローラ22のほか、ヒータ23と、ニップ形成部材24と、ステー25と、反射部材26と、ベルト保持部材27(図3参照)と、第一遮熱板31および第二遮熱板32と、を備えている。これらの部材は長手方向に延在している。
定着ベルト21は、用紙Pの未定着トナー担持面に接触して未定着トナー(未定着画像)を用紙Pに定着させる回転体(第一回転体又は定着部材)である。
具体的に、定着ベルト21は、内周面側から外周面側に向かって順に、基材、弾性層、離型層が積層される無端状のベルトにより構成される。基材は、層厚が30~50μmであって、ニッケル、ステンレスなどの金属材料、あるいはポリイミドなどの樹脂材料により形成される。弾性層は、層厚が100~300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム材料により形成される。定着ベルト21が弾性層を有していることにより、ニップ部における定着ベルト21の表面に微小な凹凸が形成されなくなるため、用紙P上のトナー画像に熱が均一に伝わりやすくなる。離型層は、層厚が10~50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)などの材料により形成される。定着ベルト21が、離型層を有していることにより、トナー(トナー画像)に対する離型性(剥離性)が確保される。また、定着ベルト21は、小型化及び低熱容量化のため、その全体の厚さが1mm以下、直径が30mm以下であることが好ましい。
加圧ローラ22は、定着ベルト21の外周面に対向して配置される回転体(第二回転体又は対向部材)である。
具体的に、加圧ローラ22は、中実の鉄製芯材と、この芯材の外周面に設けられる弾性層と、弾性層の外周面に設けられる離型層により構成される。芯材は、中空の部材であってもよい。弾性層は、シリコーンゴム、又は発泡性シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴムなどにより形成されている。離型層は、PFA又はPTFEなどのフッ素樹脂により形成されている。
ヒータ23は、定着ベルト21を加熱する加熱源である。本実施形態においては、ヒータ23として、ハロゲンヒータが用いられている。また、ヒータ23は、ハロゲンヒータのほか、カーボンヒータ又はセラミックヒータなどの他の輻射熱式のヒータであってもよい。また、本実施形態においては、ヒータ23が、定着ベルト21の内側に1つ配置されているが、ヒータ23の数は複数であってもよい。
ニップ形成部材24は、定着ベルト21の内側に配置され、加圧ローラ22の加圧力を受けて定着ベルト21と加圧ローラ22との間にニップ部Nを形成する部材である。ニップ形成部材24は、ベースパッド241と、摺動シート242とを有している。
ベースパッド241は、定着ベルト21の長手方向Xへ連続して配置され、ステー25に固定されている。ベースパッド241が加圧ローラ22の加圧力を受けることにより、ニップ部Nの形状が決定される。ベースパッド241の材料としては、耐熱温度が200℃以上の耐熱性部材が用いられることが好ましい。例えば、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、又は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの一般的な耐熱性樹脂が挙げられる。このような耐熱性材料をベースパッド241の材料として用いることにより、定着温度域におけるベースパッド241の熱変形を防止でき、ニップ部Nの形状を安定させることができる。ニップ部Nの形状は、図2に示されるような凹形状のほか、平坦状、あるいはそれ以外の形状であってもよい。
摺動シート242は、ベースパッド241と定着ベルト21の内周面との間に介在する低摩擦性の部材であり、本実施形態ではフッ素樹脂により形成される。摺動シート242が、ベースパッド241と定着ベルト21との間に介在することにより、ベースパッド241に対する定着ベルト21の摺動抵抗が低減される。なお、ベースパッド241自体が低摩擦性の部材で形成されている場合は、摺動シート242を有しない構成であってもよい。
ステー25は、ニップ形成部材24を加圧ローラ22側とは反対側から支持する支持部材である。ステー25がニップ形成部材24を支持することにより、加圧ローラ22の加圧によるニップ形成部材24の撓み(特に定着ベルト21の長手方向に渡る撓み)が抑制される。これにより、均一な幅のニップ部Nが得られる。ステー25の材料としては、剛性を確保するため、SUS又はSECCなどの鉄系金属材料が好ましい。
反射部材26は、ヒータ23から放射される輻射熱(赤外線)を反射する部材である。ヒータ23から放出される輻射熱が、反射部材26によって定着ベルト21へ反射されることにより、定着ベルト21が効率良く加熱される。また、反射部材26は、ステー25とヒータ23との間に介在して、ステー25への熱伝達を抑制する機能も兼ねる。これにより、定着に直接寄与しない部材への熱の流動を抑制できるため、エネルギー消費の効率化を図れる。反射部材26の材料としては、アルミニウム又はステンレスなどの金属材料を用いることができる。特に、反射部材26が、アルミニウム製の基材の表面に反射率の高い銀を蒸着して構成されている場合は、加熱効率がより一層向上する。
ベルト保持部材27は、定着ベルト21を回転可能に保持する一対の回転体保持部材である。図3に示すように、ベルト保持部材27は、定着ベルト21の長手方向両端部においてその内側に挿入され、定着ベルト21の内側を摺動回転可能に保持する。なお、ここでいう定着ベルト21の「長手方向両端部」、及び以下の説明中における定着ベルト21の「長手方向端部」は、定着ベルト21の長手方向の最も端の端縁のみを意味する場合に限らない。「長手方向両端部」及び「長手方向端部」には、定着ベルト21の長手方向の最も端の端縁のほか、定着ベルト21を長手方向に三等分した場合の最小通紙領域よりも長手方向で外側である端縁から三分の一の長さの範囲内における任意の位置も含まれる。従って、ベルト保持部材27は、定着ベルト21の長手方向の最も端の端縁を含む領域(長手方向端部)を保持する場合のほか、定着ベルト21の端縁を含まない領域(長手方向端部)を保持する場合であってもよい。
具体的に、図3に示すように、ベルト保持部材27は、定着ベルト21の長手方向端部内に挿入される断面C字状の挿入部27aと、挿入部27aよりも大きい外径に形成された規制部27bとを有している。規制部27bは、少なくとも定着ベルト21の外径よりも大きく形成されており、定着ベルト21に長手方向Xの寄り(長手方向への移動)が生じた場合にその寄りを規制する。挿入部27aは、定着ベルト21の長手方向端部内に挿入されることにより、定着ベルト21の内側を回転可能に保持する。
図2に示すように、第一遮熱板31および第二遮熱板32は、定着ベルト21の周方向に延在する。図3に示すように、第一遮熱板31は定着ベルト21の長手方向Xの端部側とヒータ23との間に配置される。第二遮熱板32はベルト保持部材27とヒータ23との間に配置される。なお、図3では長手方向Xの一方側のみを示しているが、他方側も同様に、ベルト保持部材27、第一遮熱板31および第二遮熱板32が配置される。
本実施形態に係る定着装置20は、次のように動作する。
画像形成装置本体に設けられている駆動源の駆動によって加圧ローラ22が図2中の矢印方向へ回転すると、加圧ローラ22の回転に伴って定着ベルト21が従動回転する。また、ヒータ23が発熱し、ヒータ23によって定着ベルト21が加熱される。そして、定着ベルト21の温度が定着温度となった状態において、未定着画像を担持する用紙Pが、定着ベルト21と加圧ローラ22との間(ニップ部N)へ搬送されると、定着ベルト21と加圧ローラ22によって用紙Pが加熱及び加圧され、用紙P上の画像が用紙Pに定着される。
ところで、上記のようなニップ形成部材24を備える定着装置においては、定着ベルト21が回転すると、ニップ形成部材24に対して定着ベルト21が摺動することにより、定着ベルト21とニップ形成部材24との間において摺動抵抗が発生する。このときの摺動抵抗を低減するため、定着ベルト21とニップ形成部材24との間には、一般的に、シリコーンオイル又はフッ素グリースなどの潤滑剤が介在するように塗布されている。潤滑剤は、例えば、ニップ形成部材24のベースパッド241と定着ベルト21の内周面との間に配置される摺動シート242に含ませられ、摺動シート242から潤滑剤が染み出すことにより、ニップ形成部材24と定着ベルト21との間に潤滑剤が介在する。
また、上記のように、一対のベルト保持部材27によって定着ベルト21を保持する構成においては、定着ベルト21が回転すると、各ベルト保持部材27に対して定着ベルト21が摺動する。このとき、各ベルト保持部材27と定着ベルト21との間においても摺動抵抗が生じるため、その摺動抵抗を低減する目的で、各ベルト保持部材27と定着ベルト21との間においても、上記のような潤滑剤を介在させている。
このように、ニップ形成部材24及びベルト保持部材27などの摺動部材を備える構成においては、定着ベルト21の摺動性を向上させるため、一般的に、シリコーンオイル又はフッ素グリースなどの潤滑剤が用いられている。しかしながら、このような潤滑剤は、定着装置の温度上昇に伴い低分子の一部の成分が揮発し、この揮発した成分が大気中で冷やされて凝集することで微粒子及び超微粒子(以下、「FP/UFP」という。)が発生する。このため、定着装置からFP/UFPが放出される虞がある。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、製品から放出されるFP/UFPの発生を抑制する対策が望まれており、画像形成装置においてもFP/UFPの発生が少ない製品の開発が求められている。
そこで、本発明者らは、定着装置からのFP/UFPの発生を抑制する対策を検討するにあたって、まず、潤滑剤として用いられるシリコーンオイル及びフッ素グリースの温度上昇と、これらの潤滑剤から生じるFP/UFPの発生濃度(1cmあたりのFP/UFPの発生個数)との関係を調べる試験を行った。その結果を、図17に示す。
本試験は、ドイツ環境ラベル「ブルーエンジェルマーク」の認証試験所に設置される試験装置(容積1mで、換気回数5回のチャンバー)内において、潤滑剤を入れたシャーレをホットプレート上に載置して250℃まで加熱し、ホットプレートの温度をモニターしながら、ブルーエンジェル規格において規定される粒径が5.6[nm]~560[nm]のFP/UFPの発生濃度を測定することにより行った。FP/UFPの発生濃度は、粒子計測器FMPS(東京ダイレック社製のモデル3091 Fast Mobility Sizer)を用いて測定した。潤滑剤としては、フッ素グリース:70[mg]と、シリコーンオイル:35[mg]を用いた。図17における実線が、フッ素グリースから生じるFP/UFPの発生濃度を示し、同図中の点線が、シリコーンオイルから生じるFP/UFPの発生濃度を示す。また、図17においては、横軸にホットプレートの温度が示されているが、ホットプレートの温度上昇と潤滑剤の温度上昇はほぼ同期して変化するため、ここでは、ホットプレートの温度を潤滑剤の温度とみなす。
図17に示すように、実線にて示されるフッ素グリースおよび点線にて示されるシリコーンオイルともに、195℃を超えた辺りから少しずつFP/UFPが発生し始め、200℃付近からFP/UFPの濃度が急激に上昇した。
このように、200℃を超える温度となり得る定着装置においては、潤滑剤が揮発した後、大気で冷やされることにより凝集してFP/UFPが発生する虞がある。従って、このようなFP/UFPを効果的に低減するには、FP/UFPが発生しやすい部分の温度上昇を抑制することが重要である。
しかしながら、これまで、FP/UFPが定着装置のどの部分から多く発生しているかについて特定できていなかった。そのため、本発明者らは、FP/UFPの主な発生源についての鋭意検討を行い、その結果、主にベルト保持部材に付着する潤滑剤の揮発に伴い、多くのFP/UFPが発生することが分かった。その理由及び発生のメカニズムについて以下説明する。
図18は、従来の定着装置を、定着ベルト210の長手方向Xに沿って切断した端部側の断面図である。
図18に示すように、従来の定着装置は、上記本発明の実施形態に係る定着装置と同じように、定着ベルト210の長手方向端部を保持するベルト保持部材270を備えている。また、定着ベルト210の内側には、ヒータ230から放出される輻射熱を遮蔽する遮熱板310が配置されている。
ヒータ230は、その端部側で熱線が放射状に広がることにより、定着ベルト210だけでなくベルト保持部材270を加熱することができる。これに対して、遮熱板310がヒータ230の長手方向端部側に設けられ、ヒータ230とベルト保持部材270との間に配置されることにより、図18に矢印で示すように、ヒータ230からベルト保持部材270への熱線を遮断できる。
しかし、このように遮熱板310がヒータ230からの熱線を受けることにより遮熱板310の温度が上昇する。そして、遮熱板310の温度上昇、特に遮熱板310のベルト保持部材270に対向する部分の温度上昇により、空気を介して遮熱板310からベルト保持部材270へ熱が伝達され、ベルト保持部材270の温度が上昇してしまう(図18の矢印参照)。
図19は、図18の定着装置を備えた画像形成装置によって連続プリント動作を行った際の、時間経過に伴う遮熱板およびベルト保持部材の温度推移を示した図である。図19の横軸は時間(sec)を示し、縦軸は温度(℃)を示している。図19の点線は遮熱板の温度を示し、実線の曲線がベルト保持部材の温度を示している。
図19に示すように、遮熱板の時間経過による温度上昇に伴って、ベルト保持部材の温度も上昇している。遮熱板の温度は300℃超まで上昇する。ベルト保持部材の温度はおよそ200秒で200℃に到達する。
次に、図18の定着装置を用いてFP/UFPの発生速度を測定した実験結果について、図20に示す。図20の横軸は時間(min)、縦軸はFP/UFPの発生速度(個/sec)を示している。図20に示されるFP/UFPの発生速度は、従来の定着装置を備える画像形成装置を試験室(容積2.18mのチャンバー)内に設置し、用紙を10分間連続通紙して白紙の状態で出力した際のFP/UFPの発生速度(1秒あたりのFP/UFPの発生個数)の測定結果を示す。このときの連続通紙時のプリント速度は、60ppm(Page Par Minutes)とした。また、用紙を白紙の状態で出力したのは、トナー中のワックスなどから生じるFP/UFPが、測定対象に含まれないようにするためである。なお、測定対象は、ブルーエンジェル規格において規定される粒径が5.6[nm]~560[nm]のFP/UFPを対象とした。
ここで、FP/UFPの発生速度の規格値が3.5×1011(個/10min)であり、約5.8×10(個/sec)である。図20に示すように、10分間の連続プリントにより、FP/UFPの発生速度がその規格値である3.5×1011(個/10min)を大きく上回っていることがわかる。特に、図19でベルト保持部材の温度が200℃を超える3分頃からFP/UFPの発生速度が急速に上昇している。
このように、図19及び図20に示される試験結果から、従来の定着装置、及びこれを備える画像形成装置においては、定着装置を10分間稼働させて用紙を連続通紙すると、ベルト保持部材の温度上昇に伴ってFP/UFPの発生個数が大幅に増加することが分かった。このことから、ベルト保持部材に付着している潤滑剤がFP/UFPの発生源となっているといえる。従って、定着装置から発生するFP/UFPの個数を効果的に低減するには、ベルト保持部材の温度上昇を抑制し、ベルト保持部材に付着する潤滑剤の温度上昇を抑制することが重要であるといえる。
そこで、本発明の実施形態においては、ベルト保持部材の温度上昇を抑制するため、以下のような対策を講じている。
本実施形態の定着装置20は、図3に示すように、第一遮蔽部としての第一遮熱板31と、第二遮蔽部としての第二遮熱板32とによって構成される遮蔽部30を備える。本実施形態では、第一遮蔽部と第二遮蔽部とが別部材によって構成され、第一遮熱板31と第二遮熱板32とは、長手方向Xに、伝熱抑制部としての空間を介して配置される。この伝熱抑制部は、第一遮熱板31と第二遮熱板32との間の伝熱を抑制する部分である。第一遮熱板31は第二遮熱板32よりも定着ベルト21の長手方向Xの中央側に設けられる。第一遮熱板31は、長手方向Xに延在し、長手方向Xの通紙領域Wよりも外側に設けられる。第一遮熱板31は、ヒータ23および定着ベルト21に面し、ヒータ23および定着ベルト21の間に設けられる。より詳しくは、第一遮熱板31は、ヒータ23および定着ベルト21に対して、定着ベルト21の径方向に対向する。別の言い方をすると、第一遮熱板31が設けられる長手方向Xの範囲は、ヒータ23および定着ベルト21が設けられる長手方向Xの範囲に重なっている。第二遮熱板32は、長手方向Xにおける主発熱領域Hよりも外側に設けられる。第二遮熱板32は、ベルト保持部材27に対向し、ヒータ23とベルト保持部材27との間に設けられる。より詳しくは、第二遮熱板32は、ベルト保持部材27に対して、定着ベルト21の径方向に対向する。別の言い方をすると、第二遮熱板32が設けられる長手方向Xの範囲は、ベルト保持部材27が設けられる長手方向Xの範囲に重なっている。定着ベルト21の径方向とは、定着ベルト21の長手方向Xに直交する平面上において、定着ベルト21を略円形状とした時の円中心から定着ベルト21の各ベルト表面位置へ向かう方向のことで、例えば図3の上下方向のことである。長手方向Xに直交する平面上において、第一遮熱板31はヒータ23と定着ベルト21との間に設けられ、第二遮熱板32はヒータ23とベルト保持部材27との間に設けられる。
主発熱領域Hとは、ヒータ23の主たる発熱部が設けられる領域のことであり、ヒータ23のベルト保持部材27に面する領域よりも発熱量の大きい領域のことである。本実施形態のハロゲンヒータでは、主発熱領域Hは、巻き線がその他の部分よりも密になっている長手方向Xの範囲のことを指す。例えば図21に示すように、巻き線90の径をd、スパイラル状に巻かれた密巻部91の径をD、密巻部91における巻き線一巻き分の長手方向Xの長さであるピッチをCとすると、一例としてd=0.1~0.3mm程度、D=0.6~1.0mm程度に設定される。ピッチCは1.2≦C/d≦1.8になるように設定され、0.2<C<0.5mmに設定される。図21では、密巻部91以外の疎巻部92を便宜上直線で示しているが、疎巻部92も密巻部91よりも長いピッチ、例えば1mm以下のピッチで巻き線90が巻かれている。なお、主発熱領域Hは、密巻部91同士の間に設けられた疎巻部92も含んだ長手方向Xの範囲のことであり、別の言い方をすると、長手方向Xの最も一方側の密巻部91から最も他方側の密巻部91までの長手方向Xの範囲のことである。カーボンヒータでは長手方向Xのフィラメント部の特に巻き線である炭素線が多い範囲を指し、上記図21のハロゲンヒータで示したような主発熱領域Hを形成する。一例として、密巻部91はピッチCが2~5mm程度、疎巻部92は10mm以上に設定される。ただし、ハロゲンヒータやカーボンヒータの巻き線の巻き方はこれに限るものではなく、例えば密巻部91同士の間に疎巻部92が設けられない構成であってもよい。セラミックヒータでは、図22(a)に示すように、基材93上に抵抗発熱体94がパターンニング(塗膜)されている範囲を指す。抵抗発熱体94は、長手方向Xにその幅が均一でもよいし、図22(b)に示すように長手方向Xの端部側へ向けて幅が小さくなる、あるいは、図2(c)に示すように長手方向Xの端部側へ向けて幅が大きくなるといったように、その幅が不均一であってもよいし、その他の所望の形状を採用できる。
第一遮熱板31および第二遮熱板32は、耐熱性に優れ、熱伝導率の高い金属材料により形成され、例えばSUS、アルミニウム、銅などにより形成される。第一遮熱板31および第二遮熱板32は、ヒータ23に対向する面に、熱または光の反射率の高いアルミニウムやニッケルなどのメッキを施すことが好ましい。
第一遮熱板31は、定着ベルト21の長手方向Xの端部側の非通紙領域において、ヒータ23から定着ベルト21への伝熱を抑制する。これにより、非通紙領域における定着ベルト21の温度上昇を抑制できる。第二遮熱板32は、ヒータ23からベルト保持部材27への伝熱を抑制する。
従来の図18のように、ベルト保持部材27に対向する遮熱板310が、ヒータ23の主発熱領域Hにわたって設けられる構成では、遮熱板310のヒータ23に対向する部分がヒータ23からの輻射熱を特に多く受け、遮熱板310の温度が上昇しやすい。そして遮熱板310の温度が上昇すると、遮熱板310に対向するベルト保持部材270が、空気を介した伝熱により加熱されてその温度が上昇する。これに対して本実施形態では、第一遮熱板31と、第二遮熱板32とを別部材として設け、これらを伝熱抑制部としての空間を介して配置する。つまり、ヒータ23の主発熱領域Hに対向し、ヒータ23によって特に加熱されやすい第一遮熱板31と、ベルト保持部材27に対向してヒータ23からベルト保持部材27への伝熱を遮蔽する第二遮熱板32とを別部材として設けることにより、第一遮熱板31から第二遮熱板32への伝熱を抑制し、第二遮熱板32の温度上昇を抑制できる。これにより、第二遮熱板32からベルト保持部材27への伝熱を抑制でき、ベルト保持部材27の温度上昇を抑制できる。これにより、ベルト保持部材27に付着する潤滑剤の温度上昇を抑制できるようになり、潤滑剤の揮発に伴うFP/UFPの発生を低減できる。
また特に本実施形態では、第一遮熱板31と第二遮熱板32とが長手方向Xに離して配置される。これにより、第一遮熱板31から第二遮熱板32への伝熱をより抑制することができ、ベルト保持部材27の温度上昇を抑制できる。
図4は、本実施形態に係る定着装置を用いて連続通紙を行った場合の、連続通紙10分間中のベルト保持部材の温度上昇を示し、図5は、そのときのFP/UFPの発生速度(単位時間あたりの発生個数)を示す。図4は横軸に時間t(sec)、縦軸に温度T(℃)を示し、実線がベルト保持部材の温度を、点線が第二遮熱板の温度をそれぞれ示している。図5は横軸に時間(min)、縦軸にFP/UFPの発生速度(個/sec)を示している。なお、本試験の実施条件は、上記図19及び図20に示される従来の定着装置における試験条件と同じ条件である。
図4に示すように、本実施形態の定着装置の構成により、従来例に比べて第二遮熱板およびベルト保持部材の温度上昇が抑制されており、共に200℃を超えなくなっている。具体的には、第二遮熱板の温度が180℃より小さく、ベルト保持部材の温度が170℃よりも小さくなっている。このように、第二遮熱板と第一遮熱板との間に伝熱抑制部を設けることにより、第二遮熱板の温度上昇を抑制できる。これにより、図5に示すように、ベルト保持部材に付着した潤滑剤の揮発に伴うFP/UFPの発生が大幅に抑制され、BA規格値である3.5×1011(個/10min)、つまり、約5.8×10(個/sec)を大きく下回った。このように、従来の図20の結果と比較して、顕著にFP/UFPの発生速度が低下した。
本実施形態では、図3に示す第一遮熱板31の一部が、ヒータ23の主発熱領域Hに重なって設けられるが、主発熱領域Hよりも外側にのみ設けられていてもよい。
図3の実施例では第一遮熱板31および第二遮熱板32のヒータ23に対する距離が略同じに設けられる場合を示したが、本発明はこれに限らない。例えば図6に示す第二実施形態の定着装置では、長手方向Xに直交する平面上において、第二遮熱板32が第一遮熱板31よりもヒータ23により近い位置に設けられる。これにより、第二遮熱板32とベルト保持部材27との距離を大きくし、その区間の熱抵抗を大きくすることができる。これにより、第二遮熱板32から空気を介してベルト保持部材27への伝熱をより抑制できる。これにより、図4の実験時のベルト保持部材27の温度を図3の構成よりも約5℃低下させることができた。
またこれとは逆に、図7に示す第三実施形態の定着装置では、長手方向Xに直交する平面上において、第二遮熱板32が第一遮熱板31よりもヒータ23からより遠い位置に設けられる。これにより、ヒータ23からの熱線が第一遮熱板31と第二遮熱板32との隙間からベルト保持部材27へ進入することを抑制できる。つまり、遮熱板31と第二遮熱板32との隙間からベルト保持部材27へヒータ23の熱線が進入しやすい場合には、本実施形態の構成が好適である。
また図8に示す第四実施形態の定着装置では、第一遮熱板および第二遮熱板が、ヒータ23と定着ベルト21、あるいは、ヒータ23とベルト保持部材27との間に複数(本実施形態では二つ)設けられる。具体的には、内側の第一遮熱板31Aおよび外側の第一遮熱板31Bと、内側の第二遮熱板32Aおよび外側の第二遮熱板32Bとが設けられる。別の言い方をすると、第一遮熱板31Aと定着ベルト21との間に別の第一遮熱板31Bが設けられ、第二遮熱板32Aとベルト保持部材27との間に別の第二遮熱板32Bが設けられる。ただし、必ずしも第一遮熱板および第二遮熱板の両方を複数設ける必要はない。また、第一遮熱板31Aと第一遮熱板31B、あるいは、第二遮熱板32Aと第二遮熱板32Bが必ずしも別部材である必要はなく、第一遮熱板31Aと第一遮熱板31Bとが一体になった一つの遮蔽板であってもいいし、第二遮熱板32Aと第二遮熱板32Bとが一体になった一つの遮蔽板であってもよい。
複数の遮熱部を設ける多重構造とすることにより、ベルト保持部材27や定着ベルト21の端部側への伝熱を抑制できる。つまり、第二遮熱板32Aとベルト保持部材27との間に第二遮熱板32Bを設けることにより、あるいは、第一遮熱板31Aと定着ベルト21との間に第一遮熱板31Bを設けることにより、内側の第二遮熱板32Aとベルト保持部材27との間の熱抵抗をより大きくすることができる。これにより、空気の対流によるベルト保持部材27への伝熱を抑制でき、ベルト保持部材27の温度上昇をより抑制できる。これにより、図4の実験時のベルト保持部材27の温度を図3の構成よりも約10℃低下させることができた。また、第一遮熱板31Aと定着ベルト21との間の熱抵抗を大きくすることができ、定着ベルト21の端部側への伝熱を抑制できる。
ヒータ23から遠い側である外側の第一遮熱板31Bあるいは第二遮熱板32Bは、内側の第一遮熱板31Aあるいは第二遮熱板32Aよりも厚みが薄いことが望ましい。これにより、外側の第一遮熱板31Bと第一遮熱板31Aや定着ベルト21などの他の部材との距離、あるいは第二遮熱板32Bと第二遮熱板32Aやベルト保持部材27などの他の部材との距離をより大きくすることができる。これにより、対流による熱の伝達を抑制できる。また、外側の第一遮熱板31Bあるいは第二遮熱板32Bは、内側の第一遮熱板31Aあるいは第二遮熱板32Aよりも熱伝導率の低い部材により構成することが望ましい。これにより、外側の第一遮熱板31Bあるいは第二遮熱板32Bから定着ベルト21あるいはベルト保持部材27への伝熱を抑制できる。
また図8に示す実施例では、第一遮熱板および第二遮熱板が長手方向Xに隙間を介して配置される場合を示したが、本発明はこれに限らない。例えば図9に示す第五実施形態の定着装置では、第一遮熱板31A、31Bと、第二遮熱板32A、32Bとが、定着ベルト21の径方向から見てその一部が重なっている。別の言い方をすると、第一遮熱板31A、31Bと、第二遮熱板32A、32Bとの長手方向Xの設けられる範囲の一部が重なって配置される。第一遮熱板31A、31Bと、第二遮熱板32A、32Bとが重なっている長手方向Xの範囲は、ベルト保持部材27が設けられる長手方向Xの領域よりも外側である。前述の図3の実施形態で説明したように、第一遮熱板31と第二遮熱板32とを長手方向に離して配置することでベルト保持部材27への伝熱を効果的に抑制できる。しかし本実施形態のように、第一遮熱板31A、31Bと、第二遮熱板32A、32Bとの一部を重ねて配置することで、第一遮熱板と第二遮熱板との間からベルト保持部材27へ熱線が進入することを抑制できる。これにより、特に第一遮熱板31と第二遮熱板32との間からベルト保持部材27へ熱の流出が多くなる場合には、ベルト保持部材27の温度上昇を効果的に抑制できる。本実施形態では、第一遮熱板31と第二遮熱板32とが、長手方向Xに直交する方向である定着ベルト21の径方向に、伝熱抑制部としての空間を介して配置される。なお、本実施形態では複数の第一遮熱板31および第二遮熱板32が配置される構成において、第一遮熱板31と第二遮熱板32とが長手方向に重なって配置される場合を示したが、例えば図7の実施形態のように単一の第一遮熱板31および第二遮熱板32が配置される構成において、第一遮熱板31と第二遮熱板32とが長手方向に重なって配置されてもよい。
また以上の説明では、第一遮蔽部と第二遮蔽部とが別部材により構成される場合を示したが、本発明はこれに限らない。例えば図10(a)および図10(b)に示す第六実施形態の定着装置では、遮熱板34が、第一遮蔽部としての第一遮熱部341と、第二遮蔽部としての第二遮熱部342とを有する。第一遮熱部341は、ヒータ23の一部を覆い、ヒータ23と定着ベルト21との間にある。第二遮熱部342は、ヒータ23の一部を覆い、ヒータ23とベルト保持部材27との間にある。第一遮熱部341と第二遮熱部342とはつながっており、一部品として遮熱板34を形成する。遮熱板34は、第一遮熱部341と第二遮熱部342との間にスリット343を有し、この構造が伝熱抑制部となる。スリット343の長手方向の長さは、小さくなるほど熱線遮蔽効果は大きくなるが、第一遮熱部341から第二遮熱部342への熱伝達を減らすために0.5mm以上であることが望ましい。またスリット343の長手方向の長さは、大きくなるほど熱線が入り込みやすくなるため、1mm以下であることが望ましい。スリット343を設けることにより、第一遮熱部341と第二遮熱部342との間での伝熱を抑制できる。これにより、第二遮熱部342の温度上昇を抑制し、ベルト保持部材27の温度上昇を抑制できる。本実施形態のように、第一伝熱抑制部と第二伝熱抑制部とを有する単一の遮熱板を設けることにより、図3のようにこれらを別部材として設ける場合と比較して、その構成を簡素化しコストダウンを図ることができる。
また図11に示すように、第一遮熱部341と第二遮熱部342との間に、これらの部分よりも熱伝導率の低い、伝熱抑制部としての低熱伝導部344を設けることもできる。これにより、第一遮熱部341と第二遮熱部342との間での伝熱を抑制できる。これにより、第二遮熱部342の温度上昇を抑制し、ベルト保持部材27の温度上昇を抑制できる。低熱伝導部344の材料として、例えば耐熱性の高い樹脂材料、具体的にはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを採用できる。熱伝導率は0.1~0.2〔W/m・K〕である。これに対して、例えばSUSを用いた場合の第一遮熱部341、第二遮熱部342の熱伝導率は15~20〔W/m・K〕程度に設定される。
本実施形態の定着装置20は、図12に示すように、ベルト保持部材27と定着ベルト21との間に摺動リング28を有していてもよい。摺動リング28は、定着ベルト21内に挿入されるベルト保持部材27の挿入部27aの外周面に装着され、定着ベルト21の長手方向端縁とベルト保持部材27の規制部27bとの間に介在する。定着ベルト21が回転すると、定着ベルト21と一緒に摺動リング28が連れ回りする、あるいは、定着ベルト21が低摩擦性の摺動リング28に対して摺動することにより、定着ベルト21とベルト保持部材27との間において生じる摺動抵抗が低減される。
また、本発明は、上記のような構成の定着装置に限らず、種々の構成の定着装置にも適用可能である。以下に、本発明を適用可能な定着装置の構成をいくつか例示する。
図13、図14に示す定着装置60は、上記図2に示される定着装置20と同じように、加熱源としてハロゲンヒータ(ヒータ63)を備える定着装置である。具体的に、図13に示す定着装置60は、定着ベルト61と、加圧ローラ62と、ヒータ63と、ニップ形成部材64と、ステー65と、反射部材66と、温度センサ6Aと、ベルト保持部材67(図14参照)と、第一遮熱板68および第二遮熱板69を有する遮蔽部と、を備えている。本実施形態の定着装置60は、複数(2本)のハロゲンヒータ23を有する。ニップ形成部材64は、金属製のベースパッド641と、ベースパッド641と定着ベルト61の内周面との間に介在する摺動シート642とを有している。
温度センサ6Aは、定着ベルト61の温度を検知する温度検知部材である。本実施形態においては、温度センサ6Aとして、定着ベルト61の外周面に対して非接触に配置される非接触式の温度センサが用いられている。温度センサ6Aは、定着ベルト61の表面温度を検知する。温度センサ6Aは、非接触式のセンサに限らず、定着ベルト61に接触して表面温度を検知する接触式のセンサであってもよい。温度センサ6Aとしては、例えば、サーモパイル、サーモスタット、サーミスタ又はNCセンサなどの公知の温度センサを用いることが可能である。温度センサ6Aの検知結果に基づいて、ヒータ63への通電制御を行い、定着ベルト61を適正な温度まで加熱することができる。
本実施形態においても、ヒータ63からの輻射熱によりベルト保持部材67が加熱されて温度上昇する。その結果、ベルト保持部材67に付着する潤滑剤が温度上昇し、潤滑剤が揮発すると、揮発した成分が大気中で凝集してFP/UFPが発生する虞がある。そのため、この定着装置60においても、上記の実施形態と同様の遮蔽部を設ける。つまり、定着ベルト61およびヒータ63に対向する第一遮蔽部と、ヒータ63の主発熱領域よりも外側に設けられ、ベルト保持部材67に対向する第二遮蔽部とを設ける。これにより、ベルト保持部材67の温度上昇を抑制でき、FP/UFPの発生を低減できる。
続いて 、図15及び図16に示す定着装置70は、上記図2に示される定着装置20と同じように、加熱源としてハロゲンヒータ(ヒータ73)を備える定着装置である。具体的に、図15に示す定着装置70は、定着ベルト71と、加圧ローラ72と、ヒータ73と、ニップ形成部材74と、反射部材76と、温度センサ7A(図15参照)と、ベルト保持部材77(図16参照)と、第一遮熱板78および第二遮熱板79と、ガイド部材75とを備えている。
図15及び図16に示される定着ベルト71、加圧ローラ72、ヒータ73、ニップ形成部材74、反射部材76、ベルト保持部材77、第一遮熱板78および第二遮熱板79は、図2に示される定着ベルト21、加圧ローラ22、ヒータ23、ニップ形成部材24、反射部材26、ベルト保持部材27、第一遮熱板31および第二遮熱板32と基本的に同じ機能を有する。ただし第一遮熱板78は、ニップ形成部材74を介して定着ベルト71に対向する位置に設けられる。
また、図15及び図16に示される反射部材76は、ヒータ73から放出される輻射熱(赤外線)を定着ベルト71ではなく、主にニップ形成部材74に反射する。反射部材76は、ヒータ73の外側を覆うように断面U字形に形成されており、反射部材76のヒータ73と対向する内側の面76aが反射率の高い反射面となっている。このため、ヒータ73から輻射熱が放出されると、輻射熱が反射部材76の反射面76aによってニップ形成部材74へ反射される。
これにより、ニップ形成部材74は、ヒータ73からニップ形成部材74に向かって放出される輻射熱と、反射部材76によってニップ形成部材74へ反射される輻射熱によって加熱される。そして、ニップ形成部材74の熱は、ニップ部Nにおいて定着ベルト21へ伝達される。すなわち、この場合、ニップ形成部材74は、ニップ部Nを形成するほか、ニップ部Nにおいて熱を定着ベルト71へ伝達する伝熱部材としても機能する。このため、ニップ形成部材74は、熱伝導率の良い銅又はアルミニウムなどの金属材料によって構成されている。
また、反射部材76は、ニップ形成部材74を支持する支持部材(ステー)としての機能も兼ねる。反射部材76が、定着ベルト71の長手方向に渡ってニップ形成部材74を支持することにより、ニップ形成部材74の撓みが抑制され、定着ベルト71と加圧ローラ72との間に均一な幅のニップ部Nが形成される。反射部材76は、支持部材としての機能を確保するため、SUS、SECCなどの剛性の高い金属材料により構成されることが好ましい。
ガイド部材75は、定着ベルト71の内側に配置され、回転する定着ベルト71を内側からガイドする部材である。ガイド部材75は、定着ベルト71の内周面に沿って湾曲するガイド面75aを有しており、定着ベルト71がこのガイド面75aに沿ってガイドされることにより、定着ベルト71が大きな変形を伴うことなく円滑に回転する。
本実施形態においても、ヒータ73からの輻射熱によりベルト保持部材77が加熱されて温度上昇する。その結果、ベルト保持部材77に付着する潤滑剤が温度上昇し、潤滑剤が揮発して大気中で凝集すると、FP/UFPが発生する虞がある。そのため、この定着装置70においても、上記の実施形態と同様の遮蔽部を設ける。つまり、定着ベルト71およびヒータ73に対向する第一遮蔽部と、ヒータ73の主発熱領域よりも外側に設けられ、ベルト保持部材77に対向する第二遮蔽部とを設ける。これにより、ベルト保持部材77の温度上昇を抑制でき、FP/UFPの発生を低減できる。
また、本発明は、上記のような電子写真方式の画像形成装置に搭載される定着装置に適用される場合に限らない。例えば、本発明は、インクジェット方式の画像形成装置に搭載され、用紙に塗布されたインクなどの液体を乾燥させる乾燥装置など、定着装置以外の加熱装置に対しても適用可能である。
FP/UFPの発生原因となるベルト保持部材の温度上昇は、単位時間あたりの通紙枚数が多い画像形成装置ほど顕著になるので、本発明は、特に通紙枚数が多い画像形成装置に適用された場合に、大きな効果を期待できる。連続プリント10分間中に定着装置から発生するFP/UFPの個数は、プリント速度が50ppm(Page Par Minutes)を超えたあたりから特に多くなる。従って、本発明は、プリント速度が50ppm以上の定着装置又は画像形成装置に適用された場合に、より大きな効果を期待できる。
上記各実施形態においては、FP/UFPが発生する物質として、フッ素グリースとシリコーンオイルを用いる場合を例に挙げているが、本発明は、フッ素グリース又はシリコーンオイル以外の液状又は半固体状の潤滑性物質が用いられる場合にも適用可能である。フッ素グリース及びシリコーンオイル以外の液状又は半固体状の潤滑性物質が定着装置内に収容されている場合であっても、本発明によれば、ベルト保持部材の温度上昇を抑制でき、ベルト保持部材に付着する潤滑性物質の温度上昇も抑制できるため、FP/UFPの発生を効果的に抑制することが可能である。
なお、上記「連続プリント10分間中におけるベルト保持部材の温度」とは、次の手順により測定されたベルト保持部材の温度を意味する。温度測定の手順は、まず、定着装置(加熱装置)が搭載される画像形成装置を、23℃環境の測定室に設置し、画像形成装置の電源を投入して立ち上げた後に、画像形成装置が省エネ状態に移行してから測定室のドアを閉じる。その後、測定室が十分に換気される時間(例えば、60分)経過してから印刷指示を行う。そして、1枚目の用紙が排出された時点を印刷開始として10分間のベルト保持部材の温度を測定する。
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1>
回転可能に保持される回転体と、
前記回転体を加熱する加熱源と、
前記回転体の長手方向端部を保持する回転体保持部材と、
前記加熱源からの伝熱を遮蔽する遮蔽部と、
前記回転体保持部材に付着する液状又は半固体状の潤滑性物質とを備えた加熱装置であって、
前記遮蔽部は、前記加熱源および前記回転体に対向する第一遮蔽部と、前記回転体保持部材に対向する第二遮蔽部とを有し、
前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部との間に、両者の間の伝熱を抑制する伝熱抑制部が設けられ、
前記第二遮蔽部は、前記加熱源の主発熱領域よりも前記回転体の長手方向の外側にのみ設けられることを特徴とする加熱装置である。
<2>
前記伝熱抑制部が空間である<1>記載の加熱装置である。
<3>
前記伝熱抑制部が、前記第一遮蔽部よりも熱伝導率の低い低熱伝導部である<1>記載の加熱装置である。
<4>
前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とが別部材である<2>記載の加熱装置である。
<5>
前記隙間により、前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とが前記長手方向に離れて配置される<4>記載の加熱装置である。
<6>
前記長手方向に直交する平面上において、前記第一遮蔽部は、前記第二遮蔽部よりも前記加熱源に近い位置に設けられる<1>から<5>いずれか記載の加熱装置である。
<7>
前記長手方向に直交する平面上において、前記第一遮蔽部は、前記第二遮蔽部よりも前記加熱源に遠い位置に設けられる<1>から<5>いずれか記載の加熱装置である。
<8>
前記第一遮蔽部と前記回転体との間に、当該第一遮蔽部とは別の第一遮蔽部が設けられる<1>から<7>いずれか記載の加熱装置である。
<9>
前記別の第一遮蔽部の厚みが前記第一遮蔽部の厚みよりも小さい<8>記載の加熱装置である。
<10>
前記第二遮蔽部と前記回転体保持部材との間に、当該第二遮蔽部とは別の第二遮蔽部が設けられる<1>から<9>いずれか記載の加熱装置である。
<11>
前記別の第二遮蔽部の厚みが前記第二遮蔽部の厚みよりも小さい<10>記載の加熱装置である。
<12>
前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とが前記長手方向に重なって配置される<4>または<4>に係る<6>から<11>いずれか記載の加熱装置である。
<13>
前記伝熱抑制部は、前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とを接続する接続部と、前記長手方向の前記接続部に対応する箇所において、前記遮蔽部を前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とに分けるスリットとを有する<1>記載の加熱装置である。
<14>
<1>から<13>いずれか記載の加熱装置を用いて未定着画像を担持する記録媒体を加熱し、前記未定着画像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする定着装置である。
<15>
<14>記載の定着装置を備えた画像形成装置である。
1 画像形成装置
20 定着装置(加熱装置)
21 定着ベルト(回転体)
23 ヒータ(加熱源)
24 ニップ形成部材
27 ベルト保持部材(回転体保持部材)
30 遮蔽部
31 第一遮熱板(第一遮蔽部)
32 第二遮熱板(第二遮蔽部)
100 画像形成装置
H ヒータの主発熱領域(加熱源の主発熱領域)
N ニップ部
X 長手方向
特開2013-164453号公報

Claims (15)

  1. 回転可能に保持される回転体と、
    前記回転体を加熱する加熱源と、
    前記回転体の長手方向端部を保持する回転体保持部材と、
    前記加熱源からの伝熱を遮蔽する遮蔽部と、
    前記回転体保持部材に付着する液状又は半固体状の潤滑性物質とを備えた加熱装置であって、
    前記遮蔽部は、前記加熱源および前記回転体に対向する第一遮蔽部と、前記回転体保持部材に対向する第二遮蔽部とを有し、
    前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部との間に、両者の間の伝熱を抑制する伝熱抑制部が設けられ、
    前記第二遮蔽部は、前記加熱源の主発熱領域よりも前記回転体の長手方向の外側にのみ設けられることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記伝熱抑制部が空間である請求項1記載の加熱装置。
  3. 前記伝熱抑制部が、前記第一遮蔽部よりも熱伝導率の低い低熱伝導部である請求項1記載の加熱装置。
  4. 前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とが別部材である請求項2記載の加熱装置。
  5. 前記隙間により、前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とが前記長手方向に離れて配置される請求項4記載の加熱装置。
  6. 前記長手方向に直交する平面上において、前記第一遮蔽部は、前記第二遮蔽部よりも前記加熱源に近い位置に設けられる請求項5記載の加熱装置。
  7. 前記長手方向に直交する平面上において、前記第一遮蔽部は、前記第二遮蔽部よりも前記加熱源に遠い位置に設けられる請求項5記載の加熱装置。
  8. 前記第一遮蔽部と前記回転体との間に、当該第一遮蔽部とは別の第一遮蔽部が設けられる請求項1記載の加熱装置。
  9. 前記別の第一遮蔽部の厚みが前記第一遮蔽部の厚みよりも小さい請求項8記載の加熱装置。
  10. 前記第二遮蔽部と前記回転体保持部材との間に、当該第二遮蔽部とは別の第二遮蔽部が設けられる請求項1記載の加熱装置。
  11. 前記別の第二遮蔽部の厚みが前記第二遮蔽部の厚みよりも小さい請求項10記載の加熱装置。
  12. 前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とが別部材であり、
    前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とが前記長手方向に重なって配置される請求項4記載の加熱装置。
  13. 前記伝熱抑制部は、前記長手方向において前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とを接続する接続部と、前記長手方向の前記接続部に対応する箇所において、前記遮蔽部を前記第一遮蔽部と前記第二遮蔽部とに分けるスリットとを有する請求項1記載の加熱装置。
  14. 請求項1から13いずれか1項に記載の加熱装置を用いて未定着画像を担持する記録媒体を加熱し、前記未定着画像を前記記録媒体に定着させることを特徴とする定着装置。
  15. 請求項14記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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