JP2024019026A - 密封装置 - Google Patents

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Yuki Maetani
浩二 渡邉
Koji Watanabe
裕也 大竹
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典寛 名護
Norihiro Nago
雄大 根岸
Yudai Negishi
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Abstract

【課題】被密封流体空間にシールガスが混入することを防止できる密封装置を提供する。【解決手段】被密封流体空間S1とシールガス空間S3を区画する機内側メカニカルシール10と、シールガス空間S3と該シールガス空間S3よりも機外側に位置する機外側空間S2を区画する機外側シール手段30を有する密封装置1であって、被密封流体Fは、液体又は液体を含む流体であり、シールガスGの圧力P1は、被密封流体Fの圧力P2よりも低く設定されており、機外側空間S2の圧力は、シールガスGの圧力P2よりも低く設定されており、機内側メカニカルシール10の機内側静止密封環11の摺動面12には、シールガス空間S3側と連通するシールガス空間側動圧溝16が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、回転機器に適用され、回転軸を軸封する密封装置に関する。
従来、回転機器の回転軸を軸封する密封装置として、軸方向に複数のシールを配置し、これらシール間に形成される空間に被密封流体よりも高圧のシールガスを介在させることにより、被密封流体が収容される機内側の空間と機外側の空間を隔絶し、被密封流体の機外側の空間への漏洩を厳しく規制したものが知られている。
例えば、特許文献1の密封装置は、被密封流体である液体が収容される機内側の空間と大気領域である機外側の空間との間を、回転軸と共に回転する回転密封環と該回転密封環に対向配置される静止密封環を備える2つのメカニカルシールによりシールするように構成されており、両メカニカルシール間に形成される空間に被密封流体の圧力と同圧又は高圧のシールガスを供給するとともに、摺動面間にも高圧のシールガスを供給することで被密封流体の漏れを防いでいる。
特開2019-105291号公報(第4頁~第8頁、第1図)
しかしながら、特許文献1においては、被密封流体の圧力よりも高圧のシールガスがメカニカルシールの摺動面間を通過して被密封流体中に混入しやすくなっているため、密封装置の使用用途が制限されるだけでなく、被密封流体中に混入したシールガスを定期的に除去する作業が必要となり保守管理が煩雑になってしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、被密封流体空間にシールガスが混入することを防止できる密封装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の密封装置は、
ハウジングと前記ハウジングに対して相対回転する回転軸との間に配置され、前記ハウジング側に固定される機内側静止密封環と、前記回転軸側に固定される機内側回転密封環と、を備え、前記機内側静止密封環と前記機内側回転密封環とが互いに相対回転により摺動し、被密封流体空間とシールガス空間を区画する機内側メカニカルシールと、前記シールガス空間と前記シールガス空間よりも機外側に位置する機外側空間を区画する機外側シール手段を有する密封装置であって、
被密封流体は、液体又は液体を含む流体であり、
シールガスの圧力は、前記被密封流体の圧力よりも低く設定されており、
前記機外側空間の圧力は、前記シールガスの圧力よりも低く設定されており、
機内側メカニカルシールの前記機内側回転密封環及び前記機内側静止密封環の少なくとも一方の摺動面には、前記シールガス空間側と連通するシールガス空間側動圧溝が設けられている。
これによれば、シールガスが被密封流体空間に混入することを防止できる。加えて、摺動面間において、被密封流体がシールガス空間に漏れることを防止できる。
前記シールガス空間側動圧溝は、前記シールガス空間側から前記被密封流体空間側に向かって相対回転方向下流側に傾斜する傾斜溝であってもよい。
これによれば、シールガス空間側動圧溝を簡素に構成しつつ、シールガスの吸い込み能力を調整しやすい。
前記機内側回転密封環及び前記機内側静止密封環の少なくとも一方の摺動面には、前記シールガス空間側動圧溝よりも前記被密封流体空間側に保液溝が設けられていてもよい。
これによれば、保液溝に保持される被密封流体によって摺動面同士を液体潤滑させることにより、摩擦を低減できる。また、一時的にシールガスの圧力が被密封流体の圧力よりも高い状態となっても、摺動面間に被密封流体とシールガスとの境界を維持することができる。
前記保液溝は、前記被密封流体空間側と連通する被密封流体空間側動圧溝であってもよい。
これによれば、動圧により摺動面同士を離間させることにより、摺動面間に液膜が確実に形成されるため、摩擦をさらに低減できる。
前記機外側シール手段は、前記回転軸側に固定され前記回転軸と共に回転する機外側回転密封環と、前記機外側回転密封環に対向配置され前記ハウジング側に固定される機外側静止密封環と、を備えた機外側メカニカルシールであってもよい。
これによれば、シールガスが機外側空間に漏れる量を抑制し、シールガスの圧力を安定させることができる。
前記機外側メカニカルシールの前記機外側回転密封環及び前記機外側静止密封環の少なくとも一方の摺動面には、前記シールガス空間側に動圧発生機構が設けられていてもよい。
これによれば、動圧により摺動面同士を離間させ、シールガスによって摺動面同士を気体潤滑させることにより、摩擦を低減できる。
前記機外側メカニカルシールよりも前記被密封流体空間側に前記回転軸側と前記ハウジング側との間に設けた凹凸からなるラビリンスシールが設けられ、
前記ラビリンスシールよりも前記被密封流体空間側に機外に連通可能なドレン排出ポートが設けられていてもよい。
これによれば、被密封流体がシールガス中に混入しても、ラビリンスシールにより機外側メカニカルシールへの被密封流体の進入を防止できるとともに、ドレン排出ポートにより混入した被密封流体を外部に排出することができる。
本発明に係る実施例1の密封装置を示す縦断面図である。 実施例1における機内側メカニカルシールを構成する静止密封環の摺動面を軸方向から見た図である。 実施例1における機外側メカニカルシールを構成する回転密封環の摺動面を軸方向から見た図である。 本発明に係る実施例2の密封装置を示す断面図である。 本発明に係る実施例3の密封装置を示す断面図である。
本発明に係る密封装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る密封装置につき、図1から図3を参照して説明する。尚、本実施例においては、密封装置によって回転軸2が軸封される回転装置における被密封流体空間としての機内空間S1に被密封流体Fが存在し、機外側空間としての機外空間S2に大気Aが存在し、機内空間S1と機外空間S2の間のシールガス空間S3にシールガスGが存在している。また、本実施例では、被密封流体Fは、液体又は液体を含む流体(例えばミスト状流体)である。また、説明の便宜上、図面において、摺動面に形成される溝等にドットを付している。
図1に示されるように、密封装置1は、機内空間S1側に配置される機内側メカニカルシールとしてのメカニカルシール10と、機外空間S2側に配置される機外側シール手段である機外側メカニカルシールとしてのメカニカルシール30と、を備え、メカニカルシール10,30の間にシールガスGが供給されるシールガス空間S3が形成されている。
本実施例において、シールガスGは、ハウジング5に設けられるシールガス供給ポート50からシールガス空間S3に供給される。詳しくは、シールガスGは、メカニカルシール30の外径側に位置するシールガス供給ポート50から供給され、シールガス空間S3全体に充填される。また、ハウジング5には、ラビリンスシール60よりも機内空間S1側に機外に連通可能なドレン排出ポート51が設けられている。尚、ドレン排出ポート51は、通常は閉じられているが、ドレン排出ポート51を開くことにより、シールガス空間S3に混入した被密封流体FをシールガスGと共に機外に排出できるようになっている。
ラビリンスシール60は、ハウジング5の内周面におけるドレン排出ポート51よりも機外空間S2側の位置に内嵌され、後述する外径側スリーブ4におけるフランジ部4aの外周面との間でシール構造を形成している。詳しくは、ラビリンスシール60の内周面から内径側に突出する複数の凸部と外径側スリーブ4におけるフランジ部4aの外周面との間に形成される絞りと、隣接する凸部の間に形成される凹部とからなる凹凸によって、シール構造が形成されている。尚、ラビリンスシール60の外周面とハウジング5の内周面との間には、二次シールであるOリング55が径方向に挟持されている。また、ラビリンスシール60は、外周面に設けられる凹凸によって、ハウジング5の内周面との間でシール構造を形成していてもよい。この場合、Oリングは、ラビリンスシール60の内周面と外径側スリーブ4におけるフランジ部4aの外周面との間に径方向に挟持されることとなる。さらに、ラビリンスシール60の内周面と外径側スリーブ4におけるフランジ部4aの外周面の両方から凸部が突出していてもよい。このとき、ラビリンスシール60の内周面から突出する凸部と外径側スリーブ4におけるフランジ部4aの外周面から突出する凸部は、径方向に対向するように配置されてもよいし、互い違いとなるように配置されてもよい。
シールガスGは、機内空間S1の被密封流体Fと混合しても問題がなく、かつ機外空間S2に漏れ出しても問題がない不活性ガスが使用される。シールガスGは、例えば窒素ガスである。
また、シールガス空間S3におけるシールガスGの圧力P2は、機内空間S1における被密封流体Fの圧力P1よりも低く、かつ機外空間S2における大気Aの圧力よりも高く設定されている(P1>P2>大気圧)。
図1に示されるように、メカニカルシール30は、機外空間S2とシールガス空間S3を区画しており、外径側のシールガス空間S3から内径側の機外空間S2に向けて漏れようとするシールガスGを密封するインサイド型のメカニカルシールである。
本実施例のメカニカルシール30は、機外側静止密封環としての静止密封環31と、回転軸2と共に回転する機外側回転密封環としての回転密封環41と、から主に構成されている。尚、本実施例において、静止密封環31の摺動面32は平坦面となっており、図3に示されるように、回転密封環41の摺動面42には、外径側すなわちシールガス空間S3側に動圧発生機構としての動圧発生用テクスチャ43が設けられる。動圧発生用テクスチャ43は、レイリーステップに限らず、スパイラル溝、ヘリングボーン形状等が適宜付与されてよい。また、動圧発生用テクスチャ43は、回転密封環41の摺動面42に設けられるものに限らず、静止密封環31の摺動面32に動圧発生用テクスチャ43が設けられ、回転密封環41の摺動面42が平坦面となっていてもよい。
また、静止密封環31の摺動面32は、後述するメカニカルシール10を構成する静止密封環11の摺動面12と比べて、回転密封環41との摺動部分、すなわち径方向における摺動面積が大きく構成されている。これにより、メカニカルシール30によってシールガス空間S3から機外空間S2に向けて漏れようとするシールガスGを確実に密封できる。
静止密封環31には、基部31aの外周面の軸方向略中央から外径側に突出する凸部31bが形成されている。静止密封環31は、回転軸2の軸方向移動に伴い、ハウジング5の内周面におけるシールガス供給ポート50の位置に取り付けられるストッパ53の規制片53aに凸部31bが当接することにより、回転密封環41側への移動が規制されうるようになっている。
基部31aの内周面には、外径側に凹み背面31d側かつ内径側に開放する第1凹部31cが形成されている。
基部31aの背面31dには、摺動面32側に凹み内径側かつ背面側に開放する第2凹部31eが形成されている。
また、静止密封環31は、リテーナ33を介して弾性部材34により回転密封環41側に付勢されている。尚、リテーナ33の内径部には、二次シールであるOリング35が保持されており、Oリング35は、静止密封環31の第2凹部31eに軸方向から当接するとともに、後述するハウジング5のガイド部52に径方向から当接している。
リテーナ33の外周面には、内径側に凹み静止密封環31側かつ外径側に開放する凹部33aが形成されており、凹部33aには、静止密封環31の背面31dが軸方向から当接し、リテーナ33と静止密封環31が係合している。すなわち、リテーナ33と静止密封環31は、径方向に一部が重畳して配置されている。
また、ハウジング5の機外空間S2側の内径部には、シールガス空間S3側に向かって延び、静止密封環31の第1凹部31cに沿って配置されるガイド部52が形成されている。ガイド部52は、静止密封環31の第1凹部31cとリテーナ33に保持されるOリング35と摺接することにより、静止密封環31及びリテーナ33の動きをガイドしている。
回転密封環41は、回転軸2に外嵌される内径側スリーブ3にさらに外嵌される外径側スリーブ4のフランジ部4aに形成される凹部4bに内嵌されることにより保持されている。尚、外径側スリーブ4の凹部4bと回転密封環41との間には、二次シールであるOリング37が軸方向に挟持されている。また、内径側スリーブ3の外周面と外径側スリーブ4の内周面との間には、二次シールであるOリング36が径方向に挟持されている。
また、回転密封環41は、内径側スリーブ3の機外空間S2側の端部に外嵌される断面L字状のストッパ6の端部と外径側スリーブ4の凹部4bとの間で挟持されることにより、軸方向への抜け出しが防止されている。
図1に示されるように、メカニカルシール10は、機内空間S1とシールガス空間S3を区画しており、外径側の機内空間S1から内径側のシールガス空間S3に向けて漏れようとする被密封流体Fを密封するインサイド型のメカニカルシールである。
本実施例のメカニカルシール10は、機内側静止密封環としての静止密封環11と、回転軸2と共に回転する機内側回転密封環としての回転密封環21と、から主に構成されている。
静止密封環11には、基部11aから回転密封環21側に突出する凸部11bが形成されている。凸部11bの端面には、摺動面12が形成されている。
また、静止密封環11の摺動面12は、上述したメカニカルシール30を構成する静止密封環31の摺動面32と比べて、回転密封環21との摺動部分、すなわち摺動面積が小さく構成されている。
静止密封環11は、回転軸2の軸方向移動に伴い、ハウジング5の内周面に取り付けられるストッパ54の規制片54aに基部11aの外径部が当接することにより、回転密封環21側への移動が規制されている。
基部11aの背面11dには、シールガス空間S3側に軸方向に突出する凸部11eが形成されている。
また、静止密封環11は、リテーナ18を介して弾性部材7により回転密封環21側に付勢されている。尚、リテーナ18の静止密封環11側には、二次シールであるOリング39が保持されており、Oリング39は、静止密封環11の凸部11eに軸方向から当接している。
リテーナ18の静止密封環11側の端面には、シールガス空間S3側に軸方向に凹み内径側かつ軸方向に開放する凹部18aが形成されており、静止密封環11の凸部11eに外径側から係合している。
また、リテーナ18の内径部には、シールガス空間S3側に軸方向に延び、ハウジング5の凸部57に沿って配置されるガイド部18bが形成されている。ガイド部18bは、ハウジング5の凸部57の内周面との間に径方向に挟持されるOリング56と摺接することにより、リテーナ18の動きをガイドしている。
回転密封環21は、回転軸2に外嵌される内径側スリーブ3のフランジ部3aに形成される凹部3bに内嵌されることにより保持されている。尚、内径側スリーブ3の凹部3bと回転密封環21との間には、二次シールであるOリング38が軸方向に挟持されている。
また、回転密封環21は、内径側スリーブ3に外嵌される外径側スリーブ4の端部と内径側スリーブ3の凹部3bとの間で挟持されることにより、軸方向への抜け出しが防止されている。
図2に示されるように、静止密封環11に対して回転密封環21が実線矢印で示すように反時計周りに相対摺動するようになっている。
静止密封環11の摺動面12には、外径側すなわち機内空間S1側に複数の深溝13(本実施例では4個)と、該深溝13からそれぞれ周方向に延びるレイリーステップ14と、から構成される保液溝としての被密封流体空間側動圧溝15が設けられている。また、静止密封環11の摺動面12には、内径側すなわちシールガス空間S3側にシールガス空間側動圧溝としての複数の傾斜溝16(本実施例では16個)が設けられている。
また、摺動面12における深溝13、レイリーステップ14、傾斜溝16以外の部分は同一平面上に配置された平坦面を成すランド17となっている。ランド17の平坦面が回転密封環21の摺動面22と実質的に摺動する摺動面として機能している。尚、回転密封環21の摺動面22は平坦面となっており、この平坦面には溝等の凹み部が設けられていない。また、被密封流体空間側動圧溝15と傾斜溝16は、静止密封環11の摺動面12に設けられるものに限らず、回転密封環21の摺動面22に被密封流体空間側動圧溝15と傾斜溝16が設けられ、静止密封環11の摺動面12が平坦面となっていてもよい。
深溝13は、機内空間S1に連通し、摺動面12の外縁から内径側に延びている。
レイリーステップ14は、深溝13の内径端部から相対回転方向下流側、すなわち反時計回りに摺動面12と同心円状に延びている。また、レイリーステップ14は、深溝13よりも浅く、周方向に一定の深さとなっている。
傾斜溝16は、シールガス空間S3に連通し、摺動面12の内縁から外径側に延びている。詳しくは、傾斜溝16は、内径側、すなわちシールガス空間S3側から外径側、すなわち機内空間S1側に向けて相対回転方向下流側、すなわち反時計回りの成分を持って傾斜しながら円弧状に延びている。すなわち、傾斜溝16は、スパイラル溝である。
傾斜溝16は、周方向に一定の深さに形成されている。この傾斜溝16の深さは、深溝13の深さよりも浅くなっている。尚、傾斜溝16は、外径側にシールガスGを導いて閉塞端部16Aで正圧を生じさせる機能を有しておればよく、内径側から外径側に向けて相対回転方向下流側に傾斜しながら円弧状に延びるものに限らず、直線状に延びるものであってもよい。
次いで、静止密封環11と回転密封環21との相対回転時の動作について説明する。
まず、回転密封環21が回転していない停止時には、機内空間S1側に設けられる深溝13、レイリーステップ14内に被密封流体Fが流入している。また、シールガス空間S3側に設けられる傾斜溝16内にはシールガスGが流入している。
尚、弾性部材7(図1参照)によって静止密封環11が回転密封環21側に付勢されているので摺動面12,22同士は接触状態となっており、摺動面12,22間の被密封流体Fがシールガス空間S3に漏れ出す量はほぼない。
回転密封環21が静止密封環11に対して相対回転し始めた低速回転時においては、深溝13、レイリーステップ14内の被密封流体F、主に被密封流体Fの表層が摺動面22とのせん断により回転密封環21の回転方向に追随移動する。
これによれば、機内空間S1の被密封流体Fが深溝13を通じてレイリーステップ14内に引き込まれる。
また、レイリーステップ14内の被密封流体Fは、レイリーステップ14の閉塞端部14Aに向かって移動する。レイリーステップ14の閉塞端部14Aに向かって移動した被密封流体Fは、閉塞端部14A及びその近傍から摺動面12,22間に流出する。
また、レイリーステップ14内の被密封流体Fは、閉塞端部14A及びその近傍で圧力が高められる。すなわち、レイリーステップ14の閉塞端部14A及びその近傍で正圧が発生する。
レイリーステップ14の閉塞端部14A及びその近傍で発生する正圧により摺動面12,22間が僅かに離間され、機内空間S1から摺動面12,22間に被密封流体Fが流入するとともに、シールガス空間S3から摺動面12,22間にシールガスGが流入する。
一方、傾斜溝16内のシールガスGは、傾斜溝16の閉塞端部16Aに向かって移動する。尚、摺動面12,22間のシールガスGは、傾斜溝16の開口端部16Bの周辺から傾斜溝16内に引き込まれる。
傾斜溝16の閉塞端部16Aに向かって移動したシールガスGは、閉塞端部16A及びその近傍から摺動面12,22間に流出する。
尚、回転密封環21と静止密封環11との相対回転低速時には、シールガスGが傾斜溝16内において十分に密とならず高い正圧は発生せず、摺動面12,22間を離間させる力はほとんど作用しない。
傾斜溝16の閉塞端部16A及びその近傍から摺動面12,22間に流出したシールガスGは、外径側に移動するように誘導されるが、機内空間S1から摺動面12,22間に流入する高圧な被密封流体Fの圧力P1により内径側に押し戻されるようになっている。
また、回転密封環21の相対回転速度が高まると、傾斜溝16の閉塞端部16Aに向かって多量のシールガスGが移動し、傾斜溝16の閉塞端部16A及びその近傍で圧力が高められる。すなわち、傾斜溝16の閉塞端部16A及びその近傍で正圧が発生する。
このとき、傾斜溝16の閉塞端部16A及びその近傍で発生する正圧は、レイリーステップ14の閉塞端部14A及びその近傍で発生する正圧よりも大きくなり、相対回転低速時と比べて摺動面12,22間がさらに離間する。
本実施例のメカニカルシール10は、高速回転時において、機内空間S1から摺動面12,22間に流入する高圧な被密封流体Fの圧力P1と、レイリーステップ14の閉塞端部14A及びその近傍で発生する正圧と、傾斜溝16の閉塞端部16A及びその近傍で発生する正圧とがバランスされるように、レイリーステップ14及び傾斜溝16が設けられている。
詳しくは、シールガス空間S3におけるシールガスGの圧力P2が機内空間S1における被密封流体Fの圧力P1よりも低く設定される回転装置の通常運転時(P1>P2)において、被密封流体Fの圧力P1とシールガスGの圧力P2の差圧P1-P2が0<P1-P2<500kPaの範囲であれば、摺動面12,22間に被密封流体Fの液膜とシールガスGとの境界が維持される。
また、摺動面12,22間の外径側には被密封流体Fによる液膜が形成され、シールガスGよりも粘性が高いことから、摺動面12,22間のシールガスGは機内空間S1に進入しにくくなっている。このように、被密封流体Fの液膜とシールガスGとの境界を維持すしやすくなっている。
以上説明したように、密封装置1は、シールガスGの圧力P2が被密封流体Fの圧力P1よりも低く設定されていても、機内空間S1とシールガス空間S3を区画するメカニカルシール10を構成する静止密封環11の摺動面12におけるシールガス空間S3側にシールガス空間側動圧溝としての複数の傾斜溝16が設けられることにより、シールガスGが機内空間S1に混入することを防止できるとともに、摺動面12,22間において、被密封流体Fがシールガス空間S3に漏れることを防止できる。
また、静止密封環11の摺動面12には、機内空間S1側に保液溝としての被密封流体空間側動圧溝15が設けられることにより、被密封流体空間側動圧溝15を構成する深溝13やレイリーステップ14内に保持される被密封流体Fの液膜によって摺動面12,22同士を液体潤滑させることができるため、摩擦を低減できる。さらに、被密封流体空間側動圧溝15で発生する動圧により摺動面12,22同士を離間させ、摺動面12,22間に液膜を確実に形成することができるため、摩擦をさらに低減できる。
また、従来の密封装置は、シールガスGの圧力P2が被密封流体Fの圧力P1よりも高圧(P1<P2)に設定されるため、起動停止等、運転条件が安定しない状態で、一時的にでも圧力が逆転した場合、直ちに密封環の損傷等が発生する虞がある。これに対し、本実施例の密封装置1においては、一時的にシールガスGの圧力P2が被密封流体Fの圧力P1よりも高い状態(P1<P2)に逆転しても、摺動面12,22間に被密封流体Fの液膜とシールガスGとの境界を維持することができる。詳しくは、回転装置の異常運転時(P1<P2)においても、被密封流体Fの圧力P1とシールガスGの圧力P2の差圧P1-P2が-500kPa<P1-P2<0の範囲であれば、摺動面12,22間に被密封流体Fの液膜とシールガスGとの境界が維持されるため、シールガスGが機内空間S1に混入することを防止できるとともに、摺動面12,22間において、被密封流体Fがシールガス空間S3に漏れることを防止できる。
また、シールガス空間側動圧溝が複数の傾斜溝16により構成されることにより、シールガス空間側動圧溝を簡素に構成することができる。また、傾斜溝16における閉塞端部16Aで正圧を発生させることができるため、シールガスGよりも高圧の被密封流体Fを外径側に効果的に押し戻すことができる。
また、傾斜溝16の数、幅、長さ、深さ等を変更することにより、吸い込み機構によるシールガスGの吸い込み能力を調整しやすい。
また、シールガス空間S3と機外空間S2の間には、静止密封環31と、回転軸2と共に回転する回転密封環41と、から主に構成され、図3に示されるように、回転密封環41の摺動面42におけるシールガス空間S3側に動圧発生機構としての動圧発生用テクスチャ43が設けられたメカニカルシール30が設けられることにより、大気Aよりも高圧のシールガスGが機外空間S2に漏れる量を抑制し、シールガス空間S3におけるシールガスGの圧力P2を安定させることができる。また、メカニカルシール30は、動圧発生用テクスチャ43で発生する動圧により摺動面32,42同士を離間させ、シールガスGによって摺動面32,42同士を気体潤滑させることにより、摩擦を低減できる。尚、メカニカルシール30は、摺動面にテクスチャが設けられない接触式のメカニカルシールであってもよい。
また、密封装置1は、メカニカルシール30よりも機内空間S1側にラビリンスシール60が設けられ、該ラビリンスシール60よりも機内空間S1側にドレン排出ポート51が設けられることにより、メカニカルシール10における摺動面12,22間での発熱により蒸発した被密封流体FがシールガスG中に混入しても、ラビリンスシール60によりメカニカルシール30への被密封流体Fの進入を防止できる。さらに、ドレン排出ポート51を開くことによりシールガスGに混入した被密封流体Fを外部に容易に排出することができる。そのため、メカニカルシール30を用いて機内空間S1に液体又は液体を含む流体を収容する回転装置を簡素な構成とすることができる。
尚、本実施例の密封装置1において、メカニカルシール10は、回転装置の通常運転時(P1>P2)において、差圧P1-P2が0<P1-P2<500kPaの範囲、回転装置の異常運転時(P1<P2)において、差圧P1-P2が-500kPa<P1-P2<0の範囲であれば、摺動面12,22間に被密封流体Fの液膜とシールガスGとの境界が維持されるものとして説明したが、差圧P1-P2の許容範囲は、摺動面におけるテクスチャの構成、回転装置の運転条件、被密封流体FやシールガスGの条件等により変化することは言うまでもない。
次に、実施例2に係る密封装置につき、図4を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
本実施例2の密封装置101は、図4に示されるように、機内空間S1側に配置される機内側メカニカルシールとしてのメカニカルシール110と、機外空間S2側に配置されるメカニカルシール30と、を備え、メカニカルシール110,30の間にシールガスGが供給されるシールガス空間S3が形成されている。
図4に示されるように、本実施例2の密封装置101においては、内径側スリーブ及び外径側スリーブが、機外空間S2側に取り付けられる第1内径側スリーブ103及び第1外径側スリーブ104と、機内空間S1側に取り付けられる第2内径側スリーブ106及び第2外径側スリーブ107に軸方向に2分割されている。尚、第1内径側スリーブ103及び第1外径側スリーブ104に対して取り付けられるメカニカルシール30は、前記実施例1と同一構成であるため、詳細な説明を省略する。また、ラビリンスシール60と第1外径側スリーブ104により形成されるシール構造についても、前記実施例1と同一構成であるため、詳細な説明を省略する。
メカニカルシール110は、機内空間S1とシールガス空間S3を区画しており、内径側の機内空間S1から外径側のシールガス空間S3に向けて漏れようとする被密封流体Fを密封するアウトサイド型のメカニカルシールである点で、前記実施例1と異なる。
本実施例のメカニカルシール110は、静止密封環111と、回転軸2と共に回転する回転密封環21と、から主に構成されている。尚、説明の便宜上、図示を省略するが、メカニカルシール110はアウトサイド型であることから、静止密封環111の摺動面112には、内径側すなわち機内空間S1側に保液溝である被密封流体空間側動圧溝が設けられ、外径側すなわちシールガス空間S3側にシールガス空間側動圧溝が設けられている。すなわち、前記実施例1と比べて、静止密封環111の摺動面112に形成される被密封流体空間側動圧溝とシールガス空間側動圧溝の配置が内外で入れ替わった構成となっている。
静止密封環111には、基部111aから回転密封環21側に突出する凸部111bが形成されている。凸部111bの端面には、摺動面112が形成されている。
静止密封環111は、回転軸2の軸方向移動に伴い、ハウジング5の内周面に取り付けられるストッパ54の規制片54aに基部111aの外径部が当接することにより、回転密封環21側への移動が規制されている。
基部111aの背面111dには、機内空間S1側に軸方向に突出する凸部111eが形成されている。
また、静止密封環111は、リテーナ18を介して弾性部材7により回転密封環21側に付勢されている。尚、リテーナ18の静止密封環111側には、二次シールであるOリング39が保持されており、Oリング39は、静止密封環111の凸部111eに軸方向から当接している。
リテーナ18の静止密封環111側の端面には、機内空間S1側に軸方向に凹み内径側かつ軸方向に開放する凹部18aが形成されており、静止密封環111の凸部111eに外径側から係合している。
また、リテーナ18の内径部には、機内空間S1側に軸方向に延び、ハウジング5の凸部157に沿って配置されるガイド部18bが形成されている。ガイド部18bは、ハウジング5の凸部157の内周面との間に径方向に挟持されるOリング56と摺接することにより、リテーナ18の動きをガイドしている。
回転密封環21は、回転軸2に外嵌される第2内径側スリーブ106のフランジ部106aに形成される凹部106bに内嵌されることにより保持されている。尚、第2内径側スリーブ106の凹部106bと回転密封環21との間には、二次シールであるOリング38が軸方向に挟持されている。また、第2内径側スリーブ106の外周面と第2外径側スリーブ107の内周面との間には、二次シールであるOリング136が径方向に挟持されている。
また、回転密封環21は、第2内径側スリーブ106に外嵌される第2外径側スリーブ107の端部と第2内径側スリーブ106の凹部106bとの間で挟持されることにより、軸方向への抜け出しが防止されている。
尚、本実施例において、ハウジング5の内周面には、メカニカルシール110とラビリンスシール60との間の位置に、内径側に延出するフランジ部105が形成されている。フランジ部105が形成されることにより、シールガス空間S3が折り返し構造となっている。
次に、実施例3に係る密封装置につき、図5を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
本実施例3の密封装置201は、図5に示されるように、機内空間S1側に配置されるメカニカルシール10と、機外空間S2側に配置される機外側シール手段である機外側メカニカルシールとしてのメカニカルシール230と、を備え、メカニカルシール10,230の間にシールガスGが供給されるシールガス空間S3が形成されている。
図5に示されるように、本実施例3の密封装置201においては、内径側スリーブ203の外周面に段部203cが形成されており、外径側スリーブがシールガス空間S3側に取り付けられる第1外径側スリーブ204と、機外空間S2側に取り付けられる第2外径側スリーブ205に軸方向に2分割されている。尚、メカニカルシール10は、前記実施例1と同一構成であるため、詳細な説明を省略する。
メカニカルシール230は、機外空間S2とシールガス空間S3を区画しており、内径側のシールガス空間S3から外径側の機外空間S2に向けて漏れようとするシールガスGを密封するアウトサイド型のメカニカルシールである点と、ラビリンスシール260を構成する凹凸形状がハウジング5の内周面に一体形成されている点で、前記実施例1と異なる。
本実施例のメカニカルシール230は、静止密封環31と、回転軸2と共に回転する回転密封環241と、から主に構成されている。尚、説明の便宜上、図示を省略するが、メカニカルシール230はアウトサイド型であることから、回転密封環241の摺動面242には、内径側すなわちシールガス空間S3側に動圧発生用テクスチャが設けられている。すなわち、前記実施例1と比べて、回転密封環241の摺動面242に形成される動圧発生用テクスチャの配置が内外で入れ替わった構成となっている。
静止密封環31には、基部31aの外周面の軸方向略中央から外径側に突出する凸部31bが形成されている。静止密封環31は、回転軸2の軸方向移動に伴い、ハウジング5の内周面に取り付けられるストッパ253の規制片253aに凸部31bが当接することにより、回転密封環241側への移動が規制されている。
基部31aの内周面には、外径側に凹み背面31d側かつ内径側に開放する第1凹部31cが形成されている。
基部31aの背面31dには、摺動面32側に凹み内径側かつ背面側に開放する第2凹部31eが形成されている。
また、静止密封環31は、リテーナ33を介して弾性部材34により回転密封環241側に付勢されている。尚、リテーナ33の内径部には、二次シールであるOリング35が保持されており、Oリング35は、静止密封環31の第2凹部31eに軸方向から当接するとともに、ハウジング5のガイド部52に径方向から当接している。ガイド部52は、静止密封環31の第1凹部31cとリテーナ33に保持されるOリング35と摺接することにより、静止密封環31及びリテーナ33の動きをガイドしている。
リテーナ33の外周面には、内径側に凹み静止密封環31側かつ外径側に開放する凹部33aが形成されており、凹部33aには、静止密封環31の背面31dが軸方向から当接している。すなわち、リテーナ33と静止密封環31は、径方向に一部が重畳して配置されている。
回転密封環241は、回転軸2に外嵌される内径側スリーブ203にさらに外嵌される第2外径側スリーブ205のフランジ部205aに形成される凹部205bに内嵌されることにより保持されている。尚、第2外径側スリーブ205の凹部205bと回転密封環241との間には、二次シールであるOリング37が軸方向に挟持されている。また、内径側スリーブ203の外周面と第2外径側スリーブ205の内周面との間には、二次シールであるOリング236が径方向に挟持されている。
また、回転密封環241は、シールガス空間S3側に取り付けられる第1外径側スリーブ204の端部と第2外径側スリーブ205の凹部205bとの間で挟持されることにより、軸方向への抜け出しが防止されている。
第1外径側スリーブ204は、内径側スリーブ203の段部203cに軸方向から当接しており、内径側スリーブ203の外周面と第1外径側スリーブ204の内周面との間には、二次シールであるOリング36が径方向に挟持されている。
また、第1外径側スリーブ204の外周面には、ハウジング5の内周面におけるラビリンスシール260の形成位置に対応して、外径側に延出するフランジ部204aが形成されている。フランジ部204aが形成されることにより、ラビリンスシール260の左右に形成されるシールガス空間S3がL字構造となっている。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、密封装置は、前記実施例2の機内空間S1側に配置されるアウトサイド型のメカニカルシール110(図4参照)と、機外空間S2側に配置されるアウトサイド型のメカニカルシール230(図5参照)と、を備えるものであってもよい。
また、前記実施例1~3において、密封装置は、メカニカルシールが軸方向に2つ配置されるものとして説明したが、これに限らず、メカニカルシールが軸方向に3つ以上配置されてもよい。
また、機内空間S1側に配置される機内側メカニカルシールを構成する静止密封環の摺動面には、シールガス空間S3側にシールガス空間側動圧溝が設けられていれば、機内空間S1側に保液溝である被密封流体空間側動圧溝が設けられなくてもよい。
また、シールガス空間側動圧溝は、傾斜溝に限らず、シールガスGの吸い込みが発生するものであれば、他のテクスチャにより構成されていてもよい。
また、保液溝は、動圧を発生しないものであってもよい。
また、前記実施例1~3において、機内空間S1側に配置される機内側メカニカルシールは、静止密封環の摺動面にシールガス空間側動圧溝や保液溝である被密封流体空間側動圧溝が設けられるものとして説明したが、これに限らず、シールガス空間側動圧溝や保液溝である被密封流体空間側動圧溝は、回転密封環の摺動面に設けられてもよいし、静止密封環と回転密封環の摺動面の両方に設けられてもよい。
尚、静止密封環及び回転密封環は、代表的にはSiC(硬質材料)同士又はSiC(硬質材料)とカーボン(軟質材料)の組み合わせで形成されるが、これに限らず、摺動材料はメカニカルシール用摺動材料として使用されているものであれば適用可能である。尚、SiCとしては、ボロン、アルミニウム、カーボン等を焼結助剤とした焼結体をはじめ、成分、組成の異なる2種類以上の相からなる材料、例えば、黒鉛粒子の分散したSiC、SiCとSiからなる反応焼結SiC、SiC-TiC、SiC-TiN等があり、カーボンとしては、炭素質と黒鉛質の混合したカーボンをはじめ、樹脂成形カーボン、焼結カーボン等が利用できる。また、上記摺動材料以外では、金属材料、樹脂材料、表面改質材料(コーティング材料)、複合材料等も適用可能である。
また、密封装置は、少なくとも機内空間S1側が機内側メカニカルシールによりシールされていれば、機外空間S2側は機外側メカニカルシールによりシールされる必要はなく、ラビリンスシール等の他の機外側シール手段によりシールされてもよい。
また、前記実施例1~3において、密封装置は、機外側メカニカルシールよりも機内空間S1側にラビリンスシール60,260が設けられるものとして説明したが、これに限らず、例えば機外空間S2側に機外側メカニカルシールを用いない場合には、ラビリンスシール60,260は設けられなくてもよい。
また、機外空間S2の流体は大気Aに限られず、気体、液体又は気体と液体の混合状態(ミスト状流体)のいずれであってもよい。
1,101,201 密封装置
2 回転軸
5 ハウジング
7 弾性部材
10 メカニカルシール(機内側メカニカルシール)
11 静止密封環(機内側静止密封環)
12 摺動面
13 深溝
14 レイリーステップ
15 被密封流体空間側動圧溝(保液溝)
16 傾斜溝(シールガス空間側動圧溝)
17 ランド
21 回転密封環(機内側回転密封環)
22 摺動面
30 メカニカルシール(機外側シール手段,機外側メカニカルシール)
31 静止密封環(機外側静止密封環)
32 摺動面
41 回転密封環(機外側回転密封環)
42 摺動面
43 動圧発生用テクスチャ(動圧発生機構)
50 シールガス供給ポート
51 ドレン排出ポート
60 ラビリンスシール
110 メカニカルシール(機内側メカニカルシール)
230 メカニカルシール(機外側シール手段,機外側メカニカルシール)
A 大気
F 被密封流体
G シールガス
S1 機内空間(被密封流体空間)
S2 機外空間(機外側空間)
S3 シールガス空間

Claims (7)

  1. ハウジングと前記ハウジングに対して相対回転する回転軸との間に配置され、前記ハウジング側に固定される機内側静止密封環と、前記回転軸側に固定される機内側回転密封環と、を備え、前記機内側静止密封環と前記機内側回転密封環とが互いに相対回転により摺動し、被密封流体空間とシールガス空間を区画する機内側メカニカルシールと、前記シールガス空間と前記シールガス空間よりも機外側に位置する機外側空間を区画する機外側シール手段を有する密封装置であって、
    被密封流体は、液体又は液体を含む流体であり、
    シールガスの圧力は、前記被密封流体の圧力よりも低く設定されており、
    前記機外側空間の圧力は、前記シールガスの圧力よりも低く設定されており、
    前記機内側メカニカルシールの前記機内側回転密封環及び前記機内側静止密封環の少なくとも一方の摺動面には、前記シールガス空間側と連通するシールガス空間側動圧溝が設けられている密封装置。
  2. 前記シールガス空間側動圧溝は、前記シールガス空間側から前記被密封流体空間側に向かって相対回転方向下流側に傾斜する傾斜溝である請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記機内側回転密封環及び前記機内側静止密封環の少なくとも一方の摺動面には、前記シールガス空間側動圧溝よりも前記被密封流体空間側に保液溝が設けられている請求項1又は2に記載の密封装置。
  4. 前記保液溝は、前記被密封流体空間側と連通する被密封流体空間側動圧溝である請求項3に記載の密封装置。
  5. 前記機外側シール手段は、前記回転軸側に固定され前記回転軸と共に回転する機外側回転密封環と、前記機外側回転密封環に対向配置され前記ハウジング側に固定される機外側静止密封環と、を備えた機外側メカニカルシールである請求項1に記載の密封装置。
  6. 前記機外側メカニカルシールの前記機外側回転密封環及び前記機外側静止密封環の少なくとも一方の摺動面には、前記シールガス空間側に動圧発生機構が設けられている請求項5に記載の密封装置。
  7. 前記機外側メカニカルシールよりも前記被密封流体空間側に前記回転軸側と前記ハウジング側との間に設けた凹凸からなるラビリンスシールが設けられ、
    前記ラビリンスシールよりも前記被密封流体空間側に機外に連通可能なドレン排出ポートが設けられている請求項6に記載の密封装置。
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