JP2024017526A - 麻雀ゲーム用のコンピュータプログラム、並びに麻雀ゲームのためのゲームシステム及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、麻雀ゲームを提供するためのコンピュータプログラム等に関する。
麻雀ゲームを提供するゲームシステムが種々提供されている(例えば、特許文献1参照)。この種のゲームシステムでは、物理的な麻雀牌を用いる遊戯又は競技としての麻雀において確立しているルールや手順に則ってゲームを進行させることが通例である。プレイヤのプレイを援助するアシスト機能が実装された麻雀ゲームのシステムも知られている(非特許文献1参照)。
"セガNET麻雀 MJ 麻雀アシスト機能"、[online]、株式会社セガ、[令和4年6月27日検索]、インターネット〈URL:http://sega-mj.com/players/gameguide/manual/operation/assist/〉
麻雀では、その完成の確率の高低等を手掛かりとして点数等が差別化された種々の役が設定されており、どの程度の役を目指して対局を進めるかは対局の駆け引きや戦略において考慮すべき重要な要素である。しかしながら、麻雀に慣れていない者にとっては、多種多様な役を覚えることが容易ではない。また、役を覚えたとしても、実際の対局では完成の可能性がある役を短時間で判断して捨て牌等の行動を選択する必要があるところ、麻雀に慣れていないプレイヤがそのような行動を短時間で行うことは困難な場合があり、この点が麻雀ゲームを敬遠する傾向を生み出す要因の一つとなり得る。
そこで、本発明は麻雀に必ずしも慣れていないプレイヤでも、役及びその重要度を対戦中に適宜に把握することが可能な麻雀ゲームを実現するためのコンピュータプログラム等を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、麻雀ゲームを提供するようにコンピュータを機能させるための麻雀ゲーム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して提示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別する機会判別手段、及び前記役名提示機会が到来したと判断された場合、前記対象役の役名を、前記対象役の前記一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する役名提示手段、として機能させるように構成されたものである。
本発明の一態様に係るゲームシステムは、麻雀ゲームを提供するように機能するコンピュータを含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して提示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別する機会判別手段、及び前記役名提示機会が到来したと判断された場合、前記対象役の役名を、前記対象役の前記一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する役名提示手段、として機能させるように構成されたものである。
本発明の一態様に係るゲームの制御方法は、麻雀ゲームを提供するようにコンピュータを機能させるゲームの制御方法であって、前記コンピュータを、一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して提示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別する機会判別手段、及び前記役名提示機会が到来したと判断された場合、前記対象役の役名を、前記対象役の前記一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する役名提示手段、として機能させるものである。
以下、添付図面を参照して本発明の一形態を説明する。図1は、本発明の一形態に係る麻雀ゲーム用のコンピュータプログラムが適用されるゲームシステムの一例を示している。図1のゲームシステム1は、ゲームサーバ2と、そのゲームサーバ2に対してネットワークNT(一例としてインターネット)を介して接続されることにより、ゲームサーバ2のクライアントとして機能するゲーム装置3、及びユーザ装置4とを含んだクライアントサーバ型のシステムとして構成されている。
ゲームサーバ2は、複数台のサーバユニットを適宜に組み合わせて構成されてもよいし、単一のサーバユニットによって構成されてもよい。クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとしてゲームサーバ2が構成されてもよい。ゲームサーバ2は、ゲーム装置3にてプレイされるゲームに関連した各種のサービスをゲーム装置3及びユーザ装置4のそれぞれに提供する。例えば、ユーザによるゲームのプレイを記録したプレイデータをユーザ識別情報と対応付けて保存し、ユーザの求めに応じてプレイデータをゲーム装置3に提供し、あるいはゲーム装置3及びユーザ装置4のそれぞれのユーザが参加してユーザ間で対話するチャット機能を提供するといった各種のサービスがゲームサーバ2によって提供されてよい。なお、ユーザは、ゲーム装置3やユーザ装置4を利用し、あるいは利用しようとする者を総称する概念であって、麻雀ゲームを実際にプレイするユーザをプレイヤと称する。
ゲーム装置3は、一例として、プレイ料金の支払いと引き換えにユーザにゲームをプレイさせる業務用のゲーム機として構成されている。この種のゲーム装置3はアーケードゲーム機と呼ばれることがある。プレイ料金は、現金通貨にて徴収される例に限らず、代替的な通貨、電子的な決済手段を利用して徴収されてよい。プレイ料金はゲームがプレイされる都度に徴収される例に限らず、所定期間ごとの定額的な課金によって徴収されてもよい。ゲーム装置3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的としたアミューズメント店舗等の施設5に設置される。ゲーム装置3は、所定の麻雀ゲーム用のコンピュータプログラムを実行することにより、麻雀ゲームを提供する。
ユーザ装置4は、ユーザの個人的な使用に供される装置であって、ネットワークNTを介した情報通信機能を備えた情報通信端末装置である。一例として、通信通話機能を備えたスマートフォン4a、PC(パーソナルコンピュータの略)4b等がユーザ装置4として利用されてよい。ユーザ装置4は、例えばゲーム装置3にてプレイされたゲームのデータを閲覧し、ユーザ間でゲームに関する情報を交換し、あるいは麻雀ゲームがプレイされている様子を視聴するといった用途に利用されてよい。ゲーム装置3のユーザと共通のゲームをプレイするためにユーザ装置4が利用されてもよい。
複数のゲーム装置3間で共通の麻雀ゲームがプレイされる場合、それらのゲーム装置3間で麻雀ゲームが整合的に進行するようにゲームの進行が制御される。例えば、共通の麻雀ゲームがプレイされるゲーム装置3間でネットワークNTを介して各種の情報を共有しつつ各ゲーム装置3にてゲームの進行に必要な演算処理が実行されてよい。あるいは、いずれか1台のゲーム装置3がホストとして麻雀ゲームの進行に必要な演算処理を実行し、その処理結果が他のゲーム装置3に提供されてもよい。ゲーム装置3に代えて、又は加えて、ゲームサーバ2が麻雀ゲームの進行に必要な演算処理の少なくとも一部を担当してもよい。
図2は、ゲーム装置3の制御系の構成の一例を示している。ゲーム装置3は、制御ユニット10及び記憶ユニット11を備えている。制御ユニット10は、CPU及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータとして構成されている。記憶ユニット11は制御ユニット10に対する外部記憶装置として機能する不揮発性でかつ随時の書き換えが可能な記憶装置である。
制御ユニット10には、入力装置としての操作装置21、及び出力装置としての表示装置22及びスピーカ装置23が接続されている。操作装置21は、一例としてゲーム装置3の操作部に配置される物理的な操作ボタン、レバー等の入力装置、あるいは表示装置22の画面上に配置されるタッチパネル型の入力装置等を適宜に含んでよい。本形態では、プレイヤが表示装置22に表示される画面上の適宜の位置にタッチしてゲームにおける各種の行動や選択を指示することが可能となるように、タッチパネル型の入力装置が含まれるものとする。なお、制御ユニット10には、上述した装置21~23の他にも適宜の関連装置が接続されてよい。
記憶ユニット11には、ゲームプログラムPg、ゲームデータDg、及びプレイデータDpが記録される。ゲームプログラムPgは、制御ユニット10の基本的な動作を制御するオペレーティングシステムと協働して、ゲームに必要な演算処理及び動作制御を制御ユニット10に実行させるためのコンピュータプログラムであって、いわゆるアプリケーションプログラムとして位置付けられるものである。ゲームデータDgは、制御ユニット10によるゲームの制御において適宜に参照されるデータである。例えば、ゲーム画面上に表示されるべき各種のオブジェクト等の画像のデータ、ゲームで登場するキャラクタに対して設定されるパラメータ群の初期値等がゲームデータDgに含まれる。プレイデータDpは、ユーザによるゲームのプレイを記録したデータであって、ゲームのプレイに伴って適宜に更新され、適宜のタイミングでゲームサーバ2に保存される。
制御ユニット10には、そのコンピュータハードウエアとゲームプログラムPgとの組み合わせによって実現される論理的装置として、対局制御部12、演出制御部13、及びアシスト制御部14が設けられる。制御ユニット10の内部記憶装置には、麻雀ゲームの進行の状態を記述したステータスデータDsが記憶される。ステータスデータDsは、対局制御部12、演出制御部13及びアシスト制御部14の処理に応じて随時更新される。ステータスデータDsに含まれる情報の少なくとも一部は適宜のタイミングで記憶ユニット11のプレイデータDpに保存される。
対局制御部12は、麻雀ゲームの対局を進めるために必要な各種の演算処理を実行する。対局制御部12による制御は、通常の麻雀ゲームにおける対局のルール、手順等に沿って実行されてよい。例えば、洗牌、親決め、配牌といった対局開始段階の処理、摸打(自摸及び打牌)、鳴き、リーチ、ロンといった対局中に生じる各種の行為の処理、あがり(和了)又は流局に対応した点数(点棒)の清算といったように、麻雀の対局を進行させるために必要な各種の処理が対局制御部12にて制御される。対局制御部12の制御は、一般的な麻雀のルール及び手順に沿ったものであればよく、その手順の詳細は説明を省略する。
演出制御部13は、麻雀ゲームにおける演出を制御する。演出制御部13による演出は、一局の対戦ごとに、その対戦の進行中における対局の状況に応じて変化するものを含む。「一局の対戦」は、例えば東一局の対戦といったように、対戦開始から、あがり又は流局によって対戦の単位としての「局」の結果が確定するまでの範囲をいう。したがって、演出制御部13は一局の対戦中において演出を適宜に変化させる。アシスト制御部14は、一局の対戦中において、プレイヤによるプレイを援助するために用意されている各種のアシスト機能をプレイヤに対して提供する。
図3は、一局の対戦中に表示されるゲーム画面の一例を示している。以下の説明において、麻雀ゲームは、物理的な麻雀牌を利用して4名でプレイされる一般的な麻雀と同様のルール及び手順でプレイされるものとし、対戦する4名を対局者と称する。対局者のうち、ゲーム装置3を操作する主体である1名の対局者をプレイヤと、プレイヤと対戦する他の3名を対戦相手と称して相互に区別することがある。対戦相手は、他のゲーム装置3においてプレイヤとなるべき実在の対戦相手であってもよいし、コンピュータが生成してその行為を制御する仮想的な対戦相手であってもよい。
図3のゲーム画面100は、一局の対戦中において、対局の状況をゲーム装置3のプレイヤに認識させるべく表示装置22に表示される画面の一例である。ゲーム画面100には、対局表示部101と、情報表示部102とが設けられる。対局表示部101には、対局者と1対1で対応付けられた仮想的な打ち手、あるいは分身としてのキャラクタ103がステージ104上にて盤面を囲んで麻雀をプレイする様子が表示される。ゲーム装置3のプレイヤに関しても、対戦相手と同様に1体のキャラクタが仮想的な打ち手として設定される。ただし、対局表示部101は、ゲーム装置3のプレイヤが盤面を観察する主観的視点からの画像として生成される。そのため、プレイヤに対応するキャラクタは対局表示部101に表示されない。これに代えて、情報表示部102にプレイヤのキャラクタ103が表示される。
対局表示部101にはプレイヤの13枚の牌からなる手牌105がその内容を確認できるように各牌を左右に並べて表示される。プレイヤが牌を自模った場合には、自模牌106が手牌105の右隣に表示される。また、対局表示部101には、各対局者の捨て牌107が表示され、各捨て牌107の内側には各対局者の現在の持ち点108が表示される。なお、山牌及びドラ牌の表示は省略されるが、それらが対局表示部101中に表示されてもよい。
対局表示部101には、演出制御部13による演出制御に関連する要素として、盛り上がりゲージ110、及び背景画像120も表示される。以下、盛り上がりゲージ110及び背景画像120を利用した演出制御部13の演出制御の一例を説明する。
盛り上がりゲージ110は、対局の盛り上がりの程度を定量的に表現した盛り上がりゲージ量(以下、ゲージ量と略すことがある。)を対局者が視覚を通じて把握できるようにして示すものである。ゲージ量は、盛り上がりの程度を示し、かつ対局における勝敗には影響しない値として設定される指標値の一例に相当する。また、盛り上がりゲージ110は指標値表示画像の一例に相当する。背景画像120は、ゲージ量によって示される盛り上がりの程度に応じた演出を発生させるべくゲーム画面100上に表示される演出画像の一例として機能する。
盛り上がりゲージ110のゲージ量は、4名の対局者を対象とする共通の値として設定される。つまり、対局者ごとにゲージ量が異なるものではない。一方、ゲージ量は、4名の対局者のそれぞれが対局の状況に与える影響に応じて変化する。例えば、ゲージ量は、一局の対戦中に、各対局者が所定の行為を選択した場合、あるいは、いずれかの対局者の手牌の状態に所定の変化が生じた場合に、その行為や変化の内容、種類等に応じて変化する。ただし、ゲージ量の変化は、対局者の行為や手牌の状態の変化に応じて増加する一方向の変化であってもよいし、適宜に増減する二方向の変化であってもよい。例えば、対局の盛り上がりを損なうような行為、あるいは手牌の状態の変化が生じた場合にゲージ量を減少させる処理が適用されてもよい。
図4は、盛り上がりゲージ110の具体例を示している。図4の盛り上がりゲージ110は、ゲージ本体111と、貢献度表示部112とを含む。ゲージ本体111は、ゲージ量を棒グラフ状に示すバーゲージ部111aと、ゲージ量を数値で示す数値部111bとをさらに含む。ゲージ量は、一例として最小値0から所定の最大値までの間の自然数で表現される。ゲージ量の数値が大きいほど盛り上がりの程度が高い。バーゲージ部111aはその左端がゲージ量0、右端がゲージ量の最大値にそれぞれ対応し、数値部111bに示された数値に従って伸縮する。バーゲージ部111aは一定量のゲージ量ごとに4段階に区分されている。右側ほど盛り上がりの段階が高いことを示す。盛り上がりゲージ110には一例として「Fight Voltage」の呼び名が設定されており、ゲージ本体111の左上にはその呼び名が表記されている。
貢献度表示部112は、盛り上がりゲージ110のゲージ量に対する各対局者の貢献度を示すものである。貢献度は、各対局者がゲージ量に与えた影響を定量化した値である。上述したように、ゲージ量は、4名の対局者に共通の値であって、かつ各対局者が所定の行為を選択した場合、又は各対局者の手牌の状態に所定の変化が生じた場合に変化する。そのため、ゲージ量は、4名の対局者のそれぞれの貢献度に応じて定まる対局者ごとの個別ゲージ量の総和であって、個別ゲージ量を総和のゲージ量で除算すれば、各対局者の貢献度を、個別ゲージ量がゲージ量に占める比率によって表現することができる。
貢献度表示部112には、各対局者と1対1に対応付けられた個別領域112aが設けられている。個別領域112aには、対局者に対応付けられたキャラクタ103を象徴するキャラクタアイコン112bが表示され、そのキャラクタアイコン112bに添えるようにして、各対局者の貢献度がパーセント(%)で表示される。なお、個別領域112aには、各対局者が東家、南家、西家、又は北家のいずれであるかを示す識別部112cが併せて表示される。また、個別領域112aには、パペット数を示すパペット部112dも表示される。パペット数は、各対局者がゲージ量を増加させた回数である。
図5は、演出制御部13による演出制御の仕組みの一例を示している。図5において4名の対局者P1~P4をハッチング図形にて示し、各対局者P1~P4に対応付けられたキャラクタC1~C4を白抜き図形で示す。時刻Tsにて一局の対戦が開始され、時刻Teにて、いずれかの対局者があがり、又は流局によって対戦が終了したものとする。対戦中の白丸は、ゲージ量に影響を与えるイベントの発生を示す。イベントは、いずれかの対局者が所定の行為を取った場合、又はいずれかの対局者の手牌の状態に所定の変化が生じた場合に発生する。
イベントを発生させるための対局者の行為は、対局者による鳴き牌(ポン、又はチー)、カン、リーチといったように、通常の麻雀にて対局の状況に変化をもたらすものとして観念される各種の行為、及び本形態の麻雀ゲームに固有の機能として設定されているキャラクタのスキルを発動させる行為を含む。スキルは、対局者の指示に基づいて発動するキャラクタの能力の一種であって、図2に示したアシスト制御部14によるアシスト機能の一部の発現と関連する。キャラクタは対局者のそれぞれと関連付けて設定されるため、プレイヤのキャラクタのスキルは、プレイヤと対応付けられたスキルとして位置付けることができる。
キャラクタC1~C4のそれぞれには、スキルと関連付けられた少なくとも一のパラメータPM1~PM4(以下、PMで代表することがある。)が設定されている。例えば、キャラクタC1~C4のそれぞれに対して育成度を示すパラメータPMが設定され、そのパラメータPMの大小に応じてスキルの発動に関する能力が変化する。育成度のパラメータPMが高いほどスキルが発動し易い、あるいは、より高度のスキルを発動することが可能となる、といったごとくである。スキルの発動によって発現するアシスト機能については後述する。イベントを発生させるための対局者の行為は、上記の例に限定されることなく、盛り上がりの程度を高める作用を持つアイテムの使用といった適宜の行為が設定されてよい。
イベントの発生と関連付けられる手牌の状態は、例えば手牌の向聴(シャンテン)数、聴牌(テンパイ)の有無、ドラ牌の枚数、待ち牌の枚数、あがった場合に予想される翻数(点数)といったように、各対局者の手牌における役作りがどの程度まで進み、あるいは手牌がどの程度の価値を有するか、といったように手牌の良否を客観的に評価することが可能な種々の要素に基づいて手牌の状態が評価されてよい。そして、向聴数が変化し、聴牌に達するか又はこれが解消し、ドラ牌の枚数や待ち牌数が変化し、あるいは予想される翻数が変化するといったように、手牌の状態を評価する対象として設定された要素に一定の変化が生じたときに、手牌の状態に所定の変化が生じたものとしてイベントを発生させてよい。図5に示したイベントの発生時期及び発生回数は簡易的に例示したものであって、実際の対戦におけるイベントの発生は多種多様であってよい。
演出制御部13は、対局制御部12によって制御される対局の状況を監視し、対局者P1~P4のいずれかに関してイベントが発生する都度に、発生したイベントの内容に応じて盛り上がりゲージのゲージ量Gを変化させ、イベントを発生させた対局者、及びゲージ量Gの変化量ΔGを記録する。変化量ΔGは、イベントの内容に関わりなく一定値であってもよいし、イベントの内容に応じて動的に変更されてもよい。例えば、対局者の行為に応じてゲージ量Gを増加させる場合には、ポン、チー、カンのように、役作りの過程で適宜に生じ得る行為よりも、リーチや聴牌のように、対局の決着が迫って、対局を緊張させる効果が相対的に高いと思料される行為が、上記効果が相対的に低い行為に比して、より大きな正方向の変化量ΔGを生じさせるように変化量ΔGが差別化されてよい。あるいは、手牌の状態の変化に対してゲージ量Gを増加させる場合には、予想される翻数が高いほど、あるいはドラ牌の枚数が多いほど変化量ΔGが正方向に大きくなるように変化量ΔGが差別化されてもよい。スキル発動に対応してゲージ量Gを増加させる場合には、キャラクタのスキルの能力、あるいはパラメータPM等で評価されるキャラクタの価値が高いほど変化量ΔGが正方向に大きくなるように変化量ΔGが差別化されてよい。キャラクタの価値は、例えばレア度、育成度といった概念で評価されてもよい。
変化量ΔGは、正の値に限らず負の値を取る場合があってもよい。例えば、手牌を悪化させるような行為を対局者が取った場合、当該行為をイベントの一種と捉えて負の値の変化量ΔGを発生させてもよい。さらに、変化量ΔGは、ゲージ量に応じて動的に変化してもよい。例えば、ゲージ量が比較的小さい段階では、いずれのイベントに対しても変化量ΔGが相対的に小さく設定され、ゲージ量が増加するに従って、同一イベントに対応する変化量ΔGが徐々に大きく設定される、といったように変化量ΔGがゲージ量Gと関連付けて動的に変更されてもよい。この場合は、盛り上がりの程度が高まるほど、ゲージ量の増加の加速度が大きくなり、盛り上がりに拍車がかかるといった様子を表現することができる。
また、演出制御部13は、ゲージ量を更新する都度に、更新時点におけるゲージ量Gに対する各対局者P1~P4の貢献度N1~N4を演算する。そして、演出制御部13は、更新されたゲージ量Gに応じて図4の盛り上がりゲージ110のゲージ量を変化させるとともに、貢献度表示部112の貢献度の表示を更新する。さらに、演出制御部13は、ゲージ量に応じた演出が生じるように、図3の対局表示部101の表示態様を変化させる。演出のための対局表示部101の変化の例は後述する。
さらに、演出制御部13は、一局の対戦が終了すると、その終了時点におけるゲージ量Gと各対局者の貢献度N1~N4とに基づいて、各対局者P1~P4に対応するキャラクタC1~C4のパラメータPMの変化量ΔPM1~ΔPM4を演算する。例えば、ゲージ量と貢献度との積を対局者ごとに演算し、得られた値に応じてパラメータPMの値を変化させる。例えば、ゲージ量が大きいほどパラメータPMが大きくなるように、かつ貢献度が大きいほどパラメータPMの変化量(増分)が大きくなるように対局者ごとのパラメータPMの変化量ΔPM1~ΔPM4が演算されてよい。
図3のゲーム画面100に登場するキャラクタ103は、各対局者が有償又は無償の抽選で獲得し、あるいは購入によって獲得することが可能であって、かつ、複数の対局に亘って、あるいは半荘戦等の所定回数の対局を1セットとしたときに、複数のセットに亘って、継続的に同一の対局者が利用可能なゲーム上の要素として用意されている。したがって、パラメータPMの変化量は、各対局者に対してゲージ量と貢献度とに応じて付与される報酬の一例として機能する。キャラクタ103に、パラメータPMの大小、あるいはスキル等の能力の高低に応じてレア度、育成度といった差別化要素が設定されている場合、パラメータPMの増加は、キャラクタ103のレア度や育成度を高めるように作用する。ただし、報酬はキャラクタ103のパラメータPMの増加に限定されない。麻雀ゲームにて使用可能、又は麻雀ゲームに限定されることなく一定範囲のゲームにて使用可能なアイテムの付与、物品の購入や割引に利用可能なポイントの付与等、各種の報酬が設定されてよい。
図3に戻って、盛り上がりゲージ110のゲージ量に応じた演出の一例を説明する。上述したようにゲーム画面100の対局表示部101は、盛り上がりの程度に応じた演出をゲーム画面100に付加するための表示要素として背景画像120を含んでいる。背景画像120は、キャラクタ103による対局を多数の観客121がライトスティック122を手にしながら観戦する様子を表現した画像として構成されている。盛り上がりゲージ110のゲージ量が増加するに従って、観客121の盛り上がり度、言い換えれば興奮度が高まる様子が表現されるように背景画像120の表示態様が変化する。
一例として、バーゲージ部111aの4段階の区分に対応して、背景画像120の表示態様も4段階で変化する。例えば、ゲージ量が相対的に小さい段階では観客121が座って観戦する様子が表現される。ゲージ量がより大きな段階へと変化するに従って観客121がライトスティック122を振る動作が徐々に激しくなり、あるいは観客121が立ち上がってその動作が徐々に激しくなるといったように、観客の盛り上がりの程度の高まりをゲージ量の段階に応じて表現するように、背景画像120が変化する。図3はゲージ量が3段階目まで増加しているときの例であり、一部の観客121が立ち上がり、ライトスティック122が盛んに振られる様子が描かれることにより、観客席が盛り上がって来ている様子が表現される。
図6はゲージ量が4段階目まで増加したときの背景画像120の例を示している。図6では、ほぼ全員の観客121が立ち上がってライトスティック122を振り回しながら激しく動く様子が描かれる。それにより、観客席が最高潮に盛り上がっている様子が表現される。図示を省略したが、例えば、ゲージ量が1段階目のときは観客が静かに観戦している様子が、2段階目のときは観客121がライトスティック122を振り始める様子が表現されることにより、ゲージ量の段階に応じて背景画像120による盛り上がりの程度の高低が表現されてよい。また、図では表現できないが、ゲージ量がより大きな段階に変化するに従って、背景画像120の色調が例えばグレー系、青又は緑系、赤系といったように変更されることにより、盛り上がりの程度の高低が背景画像120の色調で区別して表現されてよい。さらに、ゲージ量に応じた演出の変化は、背景画像120に限らず、キャラクタ103等の表示要素に対して適用されてもよい。ゲーム、音楽、スポーツ等に関する実際のイベント会場で行われている照明や音響による盛り上がりの演出と同様に、ゲーム画面100の各部の表示態様を変化させ、あるいはゲーム装置3が備える物理的な電飾装置による演出の変化、スピーカ装置23から発生させる効果音、BGM等の音響による演出の変化を利用して、盛り上がりの程度の高低が表現されてもよい。
図7は、一局の対戦が終了して盛り上がりゲージのゲージ量及び貢献度が確定した段階で表示されるゲーム画面130の例を示している。ゲーム画面130は、ゲージ量と貢献度とに応じて付与される報酬としてのパラメータの更新と、その更新に伴って生じるキャラクタ103の状態の変化とをプレイヤに提示することを目的の一つとして表示される。図7の例では、プレイヤがキャラクタのカードを所持し、そのカードに対応したキャラクタ103が図3等のゲーム画面100に出現し、かつ図5のパラメータPMはプレイヤのカードに対応するキャラクタ103の育成度を示す値(以下、育成値と称することがある。)として表現されている。
カードには、抽選確率の高低等によって定まる入手の難易度に応じてS、SR、SSRといったレア度が設定される。レア度が高いほど、育成値の上限が大きいといったようにレア度に応じてカードの価値が差別化される。また、一つのレア度に対して複数段のレベルが設定される。カードの育成値が増加するに従ってレベルが徐々に上昇し、レベルが高いほど盛り上がりゲージのゲージ量の増加に有利となるようにカードの価値が変化する。例えば、育成値のレベルが高いほど、ゲーム中のキャラクタ103の能力が上昇してスキルを発動させ易い、スキル発動に伴う効果が高い、あるいは一回のイベントに対応するゲージ量の変化量ΔG(図5)が大きい、といったように、カードの育成値とカードに対応するキャラクタがゲージ量に与える影響とが関係付けられている。カードの育成値は、背景画像120に表示される観客から見たときのキャラクタ103の人気度としても作用する。つまり、カードの育成値が高いほどカードに対応したキャラクタ103の人気度が高く、観客の盛り上がりにより大きく貢献する。
図7のゲーム画面130には、ゲーム装置3のプレイヤに対応するキャラクタ103を含んだ背景画像131と、結果提示部132とが含まれる。結果提示部132は、さらに報酬表示部133と、ステータス表示部134とを含んでいる。図8に拡大して示すように、報酬表示部133は、今回の対戦で獲得した報酬としてのパラメータの変化量がその演算の明細(内訳)と併せて提示される。図7の例では、対戦終了時のゲージ量である「Fight Voltage」の値が120、貢献度の値が30%、それらの積が36と表示され、補正項目としての「おしおきタイムボーナス」、「カード効果」、「アイテム効果」の補正が適用された結果として、パラメータの変化量が「Total」として138に変化したことが示されている。ステータス表示部134は、プレイヤが所持するカードのステータスとして、現在の育成値、カードのレア度、現在のレベル、次のレベルに達するまでの育成値の差分、カードに対応するキャラクタの人気度といった情報が表示される。背景画像131に表示されるキャラクタ103は、報酬表示部133に表示される育成値の変化量の大小、あるいはステータス表示部134に表示されるステータスの高低等に応じて適宜にその表現が変更される。
以上の他にも、演出制御部13は、一局の対戦中、又はその前後等の適宜のタイミングで麻雀ゲームに各種の演出を付加する。例えば、対局者が鳴き牌をした場合、図9に示したようなカットイン画像140が、図3のゲーム画面100の対局表示部101等の一部に重ね合わされるように、あるいは対局表示部101の少なくとも一部と置き換えられるようにして表示装置22に表示される。
以上のように、盛り上がりゲージ110のゲージ量に応じて演出を制御する場合には、麻雀における勝敗とは異なる娯楽的な要素を麻雀ゲームに付加することができる。例えば、育成値が比較的高いカードを利用する対局者は、麻雀ゲームの対局では負けても盛り上がりには比較的大きく貢献し、結果として自己のカードの育成値、あるいはキャラクタの人気度が高めることができる。カードの育成値を高め、キャラクタの人気度を上げることを目的として麻雀ゲームをプレイする動機付けを麻雀ゲームのユーザに与え、麻雀の勝敗とは異なる楽しさを麻雀ゲームに生じさせることが可能である。
盛り上がりゲージ110のゲージ量は、対局者の所定の行為の選択、あるいは手牌の状態に関する所定の変化に応じて調整され、ゲージ量それ自体は麻雀の勝敗には影響しない。後述するように、キャラクタ103によるスキルの発動は、アシスト機能の少なくとも一部を発現させるものであって、その発現によりプレイヤの手牌にて役が形成される可能性が高まり、あるいは他の対局者への振り込み(放銃)が生じる可能性が低下し、結果として勝敗に少なからずの影響が生じることがある。しかしながら、スキルの発動をゲージ量の変化の条件の一つとして設定しても、ゲージ量の大小それ自体は麻雀ゲームにおける勝敗には何ら影響しない。対局制御部12は、一般的な麻雀のルール、手順に従って対局を進めればよい。ゲージ量の大小やそれに応じた演出の変化、さらにはカードの育成値やキャラクタの人気度といった事項を対局制御部12における対局の制御で考慮する必要はない。つまり、対局制御部12は、遊戯あるいは競技としての一般的な麻雀のルール、手順に準拠して麻雀がプレイされるように対局の進行を制御すればよい。したがって、対局者は遊戯あるいは競技としての一般的な麻雀と同様に麻雀ゲームをプレイしつつ、演出制御部13の制御を通じて麻雀の勝敗を競う楽しさとは別の楽しさを味わうことができる。
上記の例においては、盛り上がりの程度を示す指標値をゲージ量とし、これを盛り上がりゲージ110のバーゲージ部111a及び数値部111bにて提示したが、指標値は必ずしもゲージ量として設定されることを要しない。プレイヤに対する指標値の提示の態様も、盛り上がりゲージ110による例に限らない。指標値は、一局の対戦における盛り上がりの程度を定量的に表すパラメータの値として設定されていれば足り、その名称や通称は適宜に設定されてよい。指標値を提示する態様は、バーゲージ部111a又は数値部111bのいずれか一方であってもよいし、それらに代えて、ゲーム画面100に表示される何らかのオブジェクトの色、形状、模様等の表示要素を指標値の大小に応じて変化させるように設定されてもよい。あるいは、盛り上がりの程度を示す文字列を指標値の変化に応じて変更するといった手法により、指標値がプレイヤに提示されてもよい。
ゲージ量等の指標値は、上述した対局者の行為、及び手牌の状態の変化の少なくともいずれか一方に応じて増減されるが、その他の要素とさらに関連付けて指標値を変化させてもよい。例えば、対局者以外のユーザがユーザ装置4を利用して対戦を視聴する場合には、視聴数、視聴中のユーザの行為等の視聴の状況をさらに反映するようにして指標値が制御されてもよい。
上記の例では、指標値の一例としてのゲージ量を盛り上がりゲージ110によってプレイヤに提示したが、その提示は必ずしも必要ではない。指標値をプレイヤには提示されない内部パラメータとして保持し、背景画像120の変更といった演出の変化をプレイヤが認識できる態様で発生させてもよい。
次に、アシスト制御部14による各種のアシスト機能を説明する。アシスト制御部14による制御は、プレイヤが麻雀に不慣れでそのルールや手順に必ずしも精通していない場合でも対局を楽しめるように、麻雀ゲームのプレイで有用となり得る情報を一定の条件下で提供するものである。特に、麻雀ゲームでは、摸打、すなわち牌を自模ってから1枚の牌を捨てる打牌までの行為に対して制限時間が設定される場合がある。制限時間が設定されなくとも、麻雀を円滑に進める上で短時間に摸打を完了させることが求められる場合がある。そのような場合、プレイヤは、限られた時間内で、役作りを進める観点から必要性が相対的に低い牌を判別し、あるいは対戦相手の捨て牌等から危険牌を推定しつつ捨て牌を決定する必要がある。短時間でそのような判断を行うことは、麻雀に不慣れなプレイヤには難易度が高く、麻雀ゲームを敬遠する傾向を生み出す要因の一つとなり得る。
上記の課題を解決するため、アシスト制御部14は、プレイヤのプレイを援助するために幾つかのアシスト機能を提供する。以下では、次の(1)~(4)に分けてアシスト機能の具体例を説明する。
(1)対戦相手の手牌の状態を推定する手がかりとなる情報をプレイヤに提示する機能
(2)麻雀の役名等をプレイヤに知らせる機能
(3)手牌における面子の形成等をプレイヤに知らせる機能
(4)その他の機能
以下、各機能について順に説明する。
(1)対戦相手の手牌の状態を推定する手がかりとなる情報をプレイヤに提示する機能
(2)麻雀の役名等をプレイヤに知らせる機能
(3)手牌における面子の形成等をプレイヤに知らせる機能
(4)その他の機能
以下、各機能について順に説明する。
(1)手牌の状態を推定する手がかりとなる情報を提示する機能
アシスト制御部14は、プレイヤに対する3名の対戦相手のそれぞれを対象者として、各対象者の手牌を判別し、その手牌の判別結果に基づいて各対象者の手牌の状態をプレイヤが推定する手がかりとなる参考情報を生成し、生成された参考情報をプレイヤに提示する。図3では、対戦相手ごとに区別して設けられた表示領域150に、参考情報をプレイヤに提示するための手牌情報画像151が表示された状態を示している。表示領域150は、対戦相手との対応関係が把握できるように、各対戦相手のキャラクタ103の近傍に設定される。ただし、対戦相手ごとに表示領域150を区別せず、共通の表示領域にて対戦相手が判別できるようにして手牌情報画像151が適宜に表示されてもよい。
アシスト制御部14は、プレイヤに対する3名の対戦相手のそれぞれを対象者として、各対象者の手牌を判別し、その手牌の判別結果に基づいて各対象者の手牌の状態をプレイヤが推定する手がかりとなる参考情報を生成し、生成された参考情報をプレイヤに提示する。図3では、対戦相手ごとに区別して設けられた表示領域150に、参考情報をプレイヤに提示するための手牌情報画像151が表示された状態を示している。表示領域150は、対戦相手との対応関係が把握できるように、各対戦相手のキャラクタ103の近傍に設定される。ただし、対戦相手ごとに表示領域150を区別せず、共通の表示領域にて対戦相手が判別できるようにして手牌情報画像151が適宜に表示されてもよい。
図10は、手牌情報画像151の一例を示している。手牌情報画像151は、手牌情報画像151を表示する対象者を例えばその名称によって特定する名称表示部152と、対象者の手牌の状態を推定する手がかりとなる参考情報を提示するための1又は複数のマーク153とを含む。図10では、名称表示部152に「Player Name」と表示されているが、実際には対象者のゲームにおける名前、通称、あだ名等の名称が表示される。マーク153は、対象者の手牌の状態を推定する手がかりとなる参考情報として、手牌情報画像151に含めるべき1又は複数の事項(以下、対象事項と称することがある。)を、対象事項ごとに区別して表示するためのオブジェクトである。複数のマーク153が表示される場合、それらのマーク153は例えば左右に並べて表示される。一つのマーク153は、一つの対象事項に対応する。対象事項は、名称表示部152に表示された対象者の手牌の状態を推定する手がかりとして利用可能である。例えば対象者の手牌にて麻雀の少なくともいずれか一つの役が完成する可能性、及び対象者の手牌にて完成することが予想される役の点数の少なくともいずれか一方を推定する手がかりとなる事項が対象事項として設定されてよい。
役が完成する可能性を推定する手がかりとなる事項としては、対象者の手牌に関する向聴数(シャンテン数)、聴牌(テンパイ)の有無、及び聴牌状態における待ち牌数の少なくともいずれか一つを含めることができる。役の点数を推定する手がかりとしては、対象者の手牌にて完成することが予想される役の翻数(予測翻点)、及びドラ牌数の少なくともいずれか一つを含めることができる。図10の例では、5つのマーク153が左右に並べて表示されている。各マーク153に対応する対象事項は、左端のマーク153から順に「シャンテン数」、「予測翻点」、「ドラ」、「テンパイ」、「待ち牌数」である。
「シャンテン数」のマーク153には、対象者の手牌の向聴数が例えば「1以下」であることが表示され、「テンパイ」のマーク153には対象者における聴牌の有無が例えば「無し」として表示され、「待ち牌数」のマーク153には、対象者が待っている牌の枚数が例えば「2以下」であることが表示される。この種の情報が提示されることにより、プレイヤは対象者の手牌が、あがり役の完成に向けてどの程度まで進んでいるかを把握して、役が完成する可能性を推定することが可能である。また、「予測翻点」のマーク153には、対象者の手牌にて完成することが予想される役の翻点が「2以下」であることが表示され、「ドラ」のマーク153には、対象者の手牌に含まれているドラ牌の枚数が例えば「2以下」と表示される。この種の情報が提示されることにより、プレイヤは対象者が完成させる可能性がある役の点数の高低を把握することができる。なお、聴牌の状態での待ち牌数があがり役の点数に影響する場合(符を考慮する場合)、「待ち牌数」の情報は役の点数を推定する手がかりとしても機能することがある。
手牌情報画像151の各マーク153にて提示される参考情報は、図2に示したゲーム装置3のコンピュータである制御ユニット10に設けられる対局制御部12の制御を通じて、アシスト制御部14が逐次に生成することが可能である。すなわち、各対局者の手牌は、対局制御部12の制御を通じて制御ユニット10が把握している。そのため、アシスト制御部14は対局制御部12によって制御される対局の進行状況を監視することにより、各対局者の手牌を判別し、その判別結果に基づいて、手牌情報画像151の各マーク153を通じて提示すべき参考情報を適宜のタイミングで生成することができる。そして、手牌情報画像151を表示すべき場合に、その時点の参考情報に従って各マーク153に提示すべき数値その他の情報を判別し、判別結果に従ってマーク153に表示すべき数値等を決定すればよい。参考情報の生成は、手牌情報画像151の表示が必要となったタイミングで生成されてもよいし、一局の対戦中に適宜の周期で生成、更新されてもよい。あるいは各対局者の手牌に変化が生じた場合、これをトリガとして参考情報が生成されてもよい。つまり、参考情報を生成する処理は、手牌情報画像151を表示する時期に同期して実行されることを必ずしも必要としない。対戦の進行に応じた適宜のタイミングで参考情報を生成し、手牌情報画像151を最新の参考情報に基づいて表示してもよい。
プレイヤは、手牌情報画像151の各種のマーク153を参考として対象者の手牌の状態を推定し、その推定に基づいて対局の駆け引きや戦略を検討することができる。例えば、プレイヤは、点数の高い役の完成を優先した攻めの姿勢で対局を進めるべきか、あるいは対象者への振り込み(放銃)を避けて早期にあがり、あるいは役の完成を断念した守りの姿勢で対局を進めるべきか、といったように、対局の駆け引きや戦略を、マーク153によって提示される参考情報を参照して検討することができる。したがって、麻雀に不慣れなプレイヤでも麻雀ゲームを十分に楽しんでプレイすることが可能である。手牌情報画像151の表示対象となる対戦相手にとっては、自己の手牌の状態を推定する手がかりとなる情報がプレイヤに提示されていることが対局の駆け引きや戦略で考慮すべき事項として生じる。それにより、麻雀ゲームをプレイする上で考慮すべき新たな要素を麻雀ゲームに付加し、ゲームの興趣を高めることが可能である。一方、手牌情報画像151は、手牌の状態を推定する手がかりとなる事項、言い換えれば手牌を推定するヒントとなる情報を提示するだけであって、対象者の手牌そのものをプレイヤに対して開示するものではない。したがって、手牌情報画像151の表示によって麻雀ゲームの難易度が過度に低下して、ゲームの興趣が損なわれるおそれもない。
手牌情報画像151は、麻雀ゲームの一局の対戦中において、例えばキャラクタ103のスキルの発動を条件として表示される。スキルの発動は、図5に示したキャラクタC1~C4のパラメータPMによって表現されるスキルの高低、つまりは、キャラクタ103を出現させるカードの育成度、又はキャラクタ103の人気度に応じて、その発動条件が動的に変更されてよい。例えば、スキルが高いほど、スキルを容易に発動できるようになるといったごとくである。また、手牌情報画像151に表示されるマーク153の個数、言い換えれば対象事項の数はスキルの高低に応じて動的に変更されてよい。例えば、スキルが高いほどマーク153の表示数が増加するといったごとくである。
手牌情報画像151の表示は、プレイヤの指示に基づくキャラクタの103のスキルの発動を条件とすることを必ずしも必要としない。その表示条件や表示態様等については適宜の変形が可能である。例えば、プレイヤの指示の有無に関わりなく、スキルが高いほど表示の頻度や回数が増加するように、スキルの高低と関連付けて手牌情報画像151の表示の可否が制御されてもよい。プレイヤの指示に基づくスキルの発動に代えて、又は加えて、プレイヤが所持するアイテムの使用、対局の状況、プレイヤに対するハンデキャップの有無、あるいはその程度、麻雀ゲームにおけるプレイヤ自身の実績、能力(ランキングやプレイヤスキル等)といった各種の要素を考慮して手牌情報画像151の表示の有無が制御されてもよい。対局の状況としては、例えば、半荘戦等の一連の対局の途中で、少なくともいずれか一の対戦相手に対してプレイヤが所定以上の点差で負けている状況が生じた場合に、次の対局で手牌情報画像151を表示させてもよい。一局の対戦中において、プレイヤが相対的に一定程度不利な状況になった場合、例えば対戦相手に対して向聴数が所定数以上大きい場合等に手牌情報画像151を表示させてもよい。プレイヤのハンデキャップや実績等を考慮する場合には、プレイヤが対戦相手よりも相対的に弱いと判断される場合に手牌情報画像151を表示させ、プレイヤが対戦相手よりも相対的に強い場合には手牌情報画像151が表示されないか、又はその表示の回数、表示時間、対象事項の数等に一定の制限が生じるといったように手牌情報画像151の表示が制御されてもよい。手牌情報画像151は、麻雀ゲームの対戦中に常時表示されてもよい。あるいは、麻雀ゲームに複数のモードを設定し、手牌情報画像151が表示されるモードと表示されないモードとが対局の状況やプレイヤの指示に応じて選択されてもよい。手牌情報画像151の表示に対して何らかの制限を設定し、モードに応じて制限の内容や程度を変化させてもよい。
手牌情報画像151が表示される対象者は、プレイヤに対する3名の対戦相手の全員であることを必ずしも要しない。例えば、3名の対戦相手の一部の対象者に限定して手牌情報画像151が表示され、その対象者以外の他の対戦相手に関しては手牌情報画像151が表示されない場合があってもよい。手牌情報画像151を表示すべき対象者の選択は、例えばプレイヤが対象者を指定してもよいし、所定の選択条件に従って対象者が選択されてもよい。選択の条件は、上述した表示条件と同様に各種の要素と関連付けて設定されてよい。例えば、キャラクタ103のスキルに基づいて、プレイヤのキャラクタ103よりもスキルの高い、又は低いスキルのキャラクタ103に対応する対戦相手を対象者として選択してもよい。プレイヤよりも相対的に強いと判断される対戦相手を対象者として選択し、一連の対局を通じて、少なくともいずれか一の対戦相手に対してプレイヤが所定以上の点差で負けている状況が生じた場合に、その対戦相手が対象者として選択されてもよい。
手牌情報画像151に表示されるマーク153の個数、言い換えれば、手牌情報画像151を通じて提示すべき対象事項の数は動的に変化するように制御されてもよい。例えば、プレイヤからの指示に基づいてマーク153の個数が変更されてもよい。あるいは、キャラクタ103のスキルが高いほどマーク153の個数を増加させてより多くの情報をプレイヤが取得できるようにしてもよい。この場合は、より多くのマーク153が表示されるようにキャラクタ103の育成度を高めるべく麻雀ゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることが可能である。また、上述した表示条件や選択条件と同様に、プレイヤと対戦相手との点差に応じてマーク153の個数が変更されてもよい。例えば、一連の対局を通じてプレイヤが負けている状況下では、点差が開くほどマーク153の個数を増加させてもよい。あるいは、プレイヤが勝っている状況下では点差が開くほどマーク153の個数を減少させてもよい。いずれの場合でも、点差に応じてマーク153の個数を変化させることにより、対局者間における点差を縮小させる作用を生じさせることができる。
マーク153の個数は、対戦相手ごとに個別に制御されてもよい。図3の例では、正面及び右側の対戦相手のキャラクタ103に対応して2個のマーク153が表示され、左側の対戦相手に関しては1個のマーク153が表示された状態が示されている。一方、図6の例では、正面及び左側の対戦相手のキャラクタ103に対応して1個のマーク153が表示され、右側の対戦相手に関してはマーク153が表示されない状態が示されている。
マーク153に表示されるべき対象事項は、手牌の状態の変化、例えば役作りの進行状況に応じて変化するものを含む。そのため、マーク153に表示される数値や状態の変化に連携して盛り上がりゲージ110のゲージ量も変化することがある。そのような場合、演出制御部13にて、盛り上がりゲージ110のゲージ量の増加(又は減少でもよい)をもたらす手牌の状態の変化があったことをキャラクタ103と対応付けて表示してもよい。図6では、左側のキャラクタ103に関して向聴数が減少し、それに応じてゲージ量が増加した場合の表示例が示されている。この例では、向聴数の減少によりゲージ量が増加したことが、盛り上がりゲージ110を指向し、かつ「パペット+1」と表記された矢印マーク154によって表現されている。また、手牌の状態の変化を示唆するバルーン状のオブジェクト155も表示されている。オブジェクト155には、例えば、向聴数が2以下まで進みつつも、聴牌に容易には達しない状態であることが、向聴数が「2以下」であることを示すマーク153と、「全然そろわないなー」のセリフとによって表現されている。
手牌情報画像151は、対象事項をマーク153によって表示する態様に限定されない。例えば、対象事項を文字列によって提示してもよい。向聴数、予測翻数、待ち牌数、ドラ牌の枚数といったように値が3段階以上に変化し得る対象事項に関しては、ランプ状のオブジェクトの点灯数、バーゲージのゲージ量といったように定量的な値を表現可能な要素によって値の大小を表現してもよい。聴牌の有無といったように2段階で状態が切り替わる対象事項に関しては、ランプ等のオブジェクトの点灯又は消灯、チェックボックスのチェックの有無といったように表示態様を2段階に切り替え可能な要素によって、その状態を表現してもよい。
手牌情報画像151を通じて提示すべき対象事項は、上述した例に限らず、対象者の手牌の状態を推定する手がかりとなり得る情報であれば適宜に設定されてよい。例えば、対象者の手牌において完成する可能性があり、あるいは既に完成している役の役名を対象事項の一つとして選択してもよい。聴牌の有無を対象事項に含める場合、聴牌状態の提示に併せて完成を待っている役名が提示されてもよい。対象者に振り込む可能性がある危険牌を推定する手がかりとなる情報が対象事項として提示されてもよい。危険牌は、対象者にとっての当たり牌となる可能性がある牌であって、危険牌そのものを対象事項として提示するのではなく、これを推定する手がかりとなる情報として、例えば危険牌が字牌又は数牌のいずれであるか、危険牌が萬子、筒子、索子のいずれの種類の牌であるか、危険牌が数牌である場合のその数値がどの程度の範囲(例えば1~5の範囲)であるか、といった程度の情報を、単独で又は適宜に組み合わせて対象事項として提示すれば、麻雀ゲームの難易度を過度に低下させることなく、プレイヤをアシストすることが可能である。
手牌情報画像151の表示は、盛り上がりゲージ110のゲージ量と貢献度とに応じて付与される報酬と関連付けられてもよい。例えば、手牌情報画像151を表示させた回数、頻度が多いほど報酬が減少するように両者が関連付けられてもよい。あるいは、手牌情報画像151にて表示させる対象事項の個数が多いほど報酬が減少するように両者が関連付けられてもよい。報酬の増減は、例えば、盛り上がりゲージ110のゲージ量と貢献度とに応じて付与されるべき本来的な報酬(パラメータの変化量)を、手牌情報画像151の表示の状況に応じて変化する補正量、又は補正率によって変化させるといった処理により実現されてよい。
(2)麻雀の役名等をプレイヤに知らせる機能
アシスト制御部14は、一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して表示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別し、役名提示機会が到来したと判断された場合、対象役の役名を、その対象役の現在の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する。役名及びその重要度は、一例として、図3及び図6に示したゲーム画面100の情報表示部102に表示されることにより、プレイヤに対して提示される。図6は役名等が表示された状態の一例を示しており、その詳細を図11に拡大して示している。以下、図11を参照して情報表示部102の一例を説明する。
アシスト制御部14は、一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して表示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別し、役名提示機会が到来したと判断された場合、対象役の役名を、その対象役の現在の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する。役名及びその重要度は、一例として、図3及び図6に示したゲーム画面100の情報表示部102に表示されることにより、プレイヤに対して提示される。図6は役名等が表示された状態の一例を示しており、その詳細を図11に拡大して示している。以下、図11を参照して情報表示部102の一例を説明する。
図11に示すように、情報表示部102には、対局情報部160と、案内情報部161とが設けられている。対局情報部160は、対戦中の対局に関連する各種の情報を表示する領域である。例えば、図11の対局情報部160には、何局目の対戦であるかを示す情報として「東3局」が表示され、対局中における残り牌数を示す情報として「40」の数値が表示され、対局が何本場であるかを示す積み棒(芝棒)、及びドラ表示牌の「六筒」が表示されている。ドラ表示牌が「六筒」の場合、ドラ牌はその次の「七筒」である。さらに、対局情報部160には、キャラクタ103の情報を表示するために操作されるキャラクタ情報ボタン163、及びゲームを終了させるために操作される終了ボタン164も表示されている。
案内情報部161は、プレイヤによるゲームのプレイを案内するための各種の情報を表示するための領域である。図11の例では、プレイヤのキャラクタ103が各種の案内をセリフや思考内容として表現するような体裁で案内情報部161が構成されている。例えば、プレイヤのキャラクタ103の上下のそれぞれに少なくとも一つのバルーン状のオブジェクト165、166が表示される。下側のオブジェクト165は、対戦においてプレイヤが取り得る行動の選択肢を示す文字列が表示される。
上側のオブジェクト166は、対象役の役名及びその重要度の提示に利用される。図11の例では、「完成」、「☆1」及び「リーチがあがれそう!」の文字等が表示されている。「リーチがあがれそう!」は対象役の役名を、「☆1」はその役の重要度の一例としての翻数をそれぞれ示している。「完成」は、表示される役が完成した段階にあることを示している。「完成」の文字列と「リーチがあがれそう!」の文字列とによって、プレイヤの手牌が、リーチ役を完成させた状態であることがプレイヤに提示される。また、「☆1」の表示により、対象役の重要度が1翻の段階であることが示されている。なお、対戦中における鳴き行為の有無によって翻数が変化する役、例えば「三色同順」や「一気通貫」等の役が対象役となる場合には、鳴き行為の有無に応じて役名に付記される翻数の値が変化する。
案内情報部161にて役名等を表示すべき対象役は、必ずしもプレイヤの手牌にて完成し、又は完成が予想される役に限られない。例えば、3名の対戦相手のうち、少なくとも1名の対戦相手を対象者とし、その対象者の手牌にて完成し、又は完成が予想される役の役名等が案内情報部161にて表示されてもよい。例えば、図10の手牌情報画像151の対象項目として、少なくともいずれか1名の対戦相手を対象者として、その手牌にて完成し、又は完成が予想される役の役名を表示する場合には、それに連携して案内情報部161にて、手牌情報画像151に示された役名及びその重要度がさらに表示されてもよい。なお、手牌情報画像151にて参考情報が表示される対象者は、プレイヤに対する3名の対戦相手のうち、少なくともいずれか1名の対戦相手である。一方、案内情報部161にて役名等が表示される対象者は、プレイヤの場合も含む。つまり4名の対局者のうち、少なくとも1名の者が対象者とされてよい。いずれにしても、上述した手牌情報画像151を介して参考情報を提示する場合と同様に、アシスト制御部14は、制御ユニット10の対局制御部12の制御を通じて、各対局者の手牌の状態を逐次に把握することが可能である。そのため、アシスト制御部14は対局制御部12によって制御される対局の進行状況を監視することにより、対象者の手牌を判別し、その判別結果に基づいて、対象者の手牌にて完成し、又は完成が予想される役を把握してこれを案内情報部161に表示させることができる。
案内情報部161に役名等を表示するタイミングである役名提示機会については、一局の対戦中における適宜の機会が役名提示機会として設定されてよい。一例として、案内情報部161にて提示すべき対象役を完成させた段階、又は完成させる前の所定の段階に達した場合に役名提示機会が到来したと判別してもよい。所定の段階としては、例えば、自模牌を捨てることなく手牌に取り込めば役が完成する段階、対象役の完成に対して一向聴又はそれ以前の向聴数の状態まで手牌が進んだ段階等が適宜に役名提示機会として設定されてよい。あるいは、プレイヤが役名提示機会を指示できるようにしてもよいし、手牌の状態に関わりなく、対戦が所定の段階まで進んだ時期、例えば山牌の残り枚数が所定枚数以下まで減少した段階等が役名提示機会として設定されてもよい。その場合、役名提示機会が到来した時点での対象者(プレイヤ又は他の対戦相手)の手牌にて完成している役、又は完成まで所定の向聴数以下に達している役を対象役として、その役名及び重要度を案内情報部161にて表示してもよい。さらに、一局の対戦がいずれかの対局者のあがりによって終了した場合に、その終了時点を役名提示機会とし、あがり役を対象役としてその役名及び重要度を案内情報部161に表示してもよい。
さらに、対象役は、対象者の手牌において完成し、又は完成が予想される役に限定されない。例えば、プレイヤが麻雀の役を確認したい場合において、プレイヤの指示があったことを役名提示機会の到来と判別し、その指示に対応して、各種の役及びその重要度を例えば一覧形式で、あるいはプレイヤの指示に応じて選択された形式で案内情報部161に表示してもよい。この場合は、手牌の状態に関わりなく、麻雀の各種の役をプレイヤが随時確認することが可能である。そのため、案内情報部161の役名等の表示を、麻雀ゲームにおけるいわゆるヘルプ機能のごとくプレイヤに利用させることができる。
対象役の重要度は、翻数の表示によってプレイヤに提示される例に限らない。対象役の役名を、対象役の一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する限りにおいて適宜の変更が可能である。例えば、プレイヤが視認するゲーム画面100上に対象役の役名を表示する場合において、対象役の役名の表示態様をその重要度に応じて異なるものに設定することにより、重要度をプレイヤに把握させてよい。表示態様は、役名の表示色、模様、及びフォントの少なくとも一つを変化させることによって差別化されてよい。その一例を図12に示す。
図12の例では、対象役として、「チンイーソー」、「ホンイーソー」、「リャンベーコー」、及び「チートイツ」の4種類の役が、それぞれの翻数を示す「☆6」、「☆3」又は「☆2」を付記した態様で表示されている。それらの翻数の表示に加えて、ハッチングにて区別されているように、翻数に応じて役名の表示態様を差別化することにより、各対象役の重要度が区別して提示されている。図12のハッチングは表示態様の異同を区別するために付したものであって、実際には、各対象役の表示色、対象役が示されたオブジェクト166の背景色、模様等が翻数に応じて表示態様が差別化されてよい。翻数に応じて対象役の役名の文字列のフォントが差別化されてもよい。フォントの差別化は、フォントの種類及び大きさの少なくともいずれか一方による差別化であってよい。プレイヤが重要度ごとに役名の表示態様を指定できるようにしてもよい。なお、図12では、オブジェクト166間にて、「完成」又は「↓」の文字又は記号が付記され、あるいはいずれも付記されない点で差が生じているが、「完成」は上記の通り対象役が手牌中で完成していることを示す。「↓」は、対象役が完成していないものの、例えば一向聴、二向聴等のように完成まで所定の段階に達していることを示す。いずれも付記されない対象役に関しては、例えば、手牌中で完成する可能性が相当程度予想される役名として表示されるものである。
案内情報部161等を通じて提示される対象役の重要度は、必ずしも対象役の翻数によって区分されることを必要としない。重要度は、麻雀のルールにて客観的にその高低が定まる翻数のような絶対的な重要度に限られず、対局の状況に応じて変化する相対的な重要度が観念されてもよい。すなわち、役の重要度は各局の対戦中、あるいは一連の対局を通じて相対的に変化することがある。例えば、いずれかの対局者が比較的高い役であがりそうな状況においては、他の対局者は役の翻数の高低に関わりなく、先に役を完成させて早あがりをした方が有利と考えることがある。その場合は完成の可能性が相対的に高い役の方が、完成の可能性が低い役よりも重要度が高く評価されるように、役の完成の可能性に応じて重要度が評価されてもよい。一連の対局(例えば半荘戦に含まれる対局群)が終盤に差し掛かった時点でプレイヤが相対的に勝っている場合にも、同様にプレイヤが早上がりをした方が有利であるため、同様に役が完成する可能性に従って重要度が区別されてもよい。反対に、一連の対局の終盤でプレイヤが負けている場合には、逆転に必要な翻数の役が逆転不可能な翻数の役よりも重要度が高いものとして評価されてよく、さらに逆転に必要な翻数の役でかつ完成する可能性が相対的に高い役が最重要の役として評価されてもよい。翻数と役が完成する可能性等、複数の観点を総合して役の重要度が評価されてもよい。和了した場合の点数に基づいて重要度を区別する場合でも、例えば符を考慮して最終的な点数を計算する場合には、その点数の計算に考慮される事項も加味して重要度が区別されてもよい。
以上のように、麻雀の少なくとも一部の役を対象役として、その役名を一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する場合、プレイヤが麻雀の役に精通していなくとも、役及びその重要度を対戦中に適宜に把握して、捨て牌の選択といったプレイヤが行うべき選択行為の判断を、限られた時間内でより的確に行えるようになる。また、役名を重要度に応じて表示態様が異なるようにして表示すれば、プレイヤが役の重要度を直感的に把握することが可能となり、役名及び重要度の表示の作用効果をより確実に発揮させることができる。
(3)手牌における面子の形成等をプレイヤに知らせる機能
アシスト制御部14は、プレイヤの手牌にて、麻雀の役の完成に必要な少なくとも一組の面子の形成が可能な状態、及び少なくとも一組の面子が形成された状態の少なくともいずれか一方の状態が特定状態として生じたとき、その特定状態を生じさせた面子を形成する対象の牌(以下、対象牌と称することがある。)を、プレイヤの手牌中の他の牌と区別された態様で表示する。表示の対象となる面子は、順子、刻子及び槓子を含む。
アシスト制御部14は、プレイヤの手牌にて、麻雀の役の完成に必要な少なくとも一組の面子の形成が可能な状態、及び少なくとも一組の面子が形成された状態の少なくともいずれか一方の状態が特定状態として生じたとき、その特定状態を生じさせた面子を形成する対象の牌(以下、対象牌と称することがある。)を、プレイヤの手牌中の他の牌と区別された態様で表示する。表示の対象となる面子は、順子、刻子及び槓子を含む。
「面子の形成が可能な状態」とは、自摸によって得られた牌と、既に手牌中にある牌との組み合わせによって面子が形成され得る状態である。一回の摸打において、1枚の牌を捨てて手牌を確定させるまでは手牌が未確定であり、自模牌を捨てれば面子は形成されない。この段階は「面子の形成が可能な状態」である。プレイヤが親家の場合、最初の配牌時点で面子を形成する牌の組み合わせが存在していても、1枚の牌を捨てて13枚の牌からなる手牌を確定させるまでは面子が形成されたか否かが未確定である。その場合も「面子の形成が可能な状態」の一態様に含まれてよい。一方、「面子が形成された状態」とは、自摸又は初回の配牌で手元に14枚の牌がある状態から1枚の牌を捨てて13枚の手牌が決まった段階で、その手牌内に面子が形成されている状態である。
図13~15は、面子の形成が可能な状態が生じたときの対象牌の表示の例を示している。図13~図15のそれぞれは、図3の手牌105中の一部の牌、及び自模牌106を拡大して示すものである。図13は、手牌105中の「四索」及び「六索」と、自模牌106の「五索」とによって順子の形成が可能となっている例である。この場合、順子の対象牌である手牌105中の「四索」及び「六索」がそれぞれ枠線170にて囲まれ、かつ自模牌106の「五索」に所定のマーク171が付されることにより、それらの牌が他の牌と区別された態様で示されている。図14は、手牌105中の2枚の「一萬」と、自模牌106の「一萬」とによって刻子の形成が可能となっている例である。この場合、刻子の対象牌である手牌105中の2枚の「一萬」がそれぞれ枠線170にて囲まれ、かつ自模牌106の「一萬」にマーク171が付されることにより、それらの牌が他の牌と区別された態様で示されている。なお、槓子の形成が可能な状態が生じた場合も、図13及び図14と同様に対象牌が他の牌と区別された態様で表示されてよい。
図15は、複数組の面子の形成が可能な状態が生じた場合の表示例であって、特には複数組の面子間で対象牌の一部が共通する場合の例である。この例では、手牌105中の「一萬」及び「二萬」と、自模牌106の「三萬」とによって一組の順子の形成が可能であり、かつ手牌105中の「二萬」及び「四萬」と、自模牌106の「三萬」とによって他の一組の順子の形成が可能である。手牌105中の「二萬」及び自模牌106の「三萬」は、複数組の面子間で共通する対象牌である。この場合、順子を形成する対象牌は、組ごとに順番に表示される。すなわち、同図の上段に示すように、まず一組の順子の対象牌である手牌105中の「一萬」及び「二萬」がそれぞれ枠線170にて囲まれ、かつ自模牌106の「三萬」にマーク171が付されることにより、それらの牌が他の牌と区別された態様で示される。その表示状態が適度な時間長で維持された後、同図下段に示すように、他の一組の順子の対象牌である手牌105中の「二萬」及び「四萬」がそれぞれ枠線170にて囲まれ、かつ自模牌106の「三萬」にマーク171が付されることにより、それらの牌が他の牌と区別された態様で示される。このように面子の組ごとに対象牌を順番に表示することにより、各組の面子を形成する対象の牌を、他の牌と区別され、かつ面子の組が相互に区別された態様で表示することができる。ただし、面子の組ごとに異なる態様、例えば枠線170の表示色、線種、太さといった態様を組ごとに異なるようにして各組の対象牌を同時的に表示してもよい。
図13~図15の例は、面子の形成が可能な状態に対応したものである。そのため、摸打時又は初回の配牌時にプレイヤが1枚の牌を捨てて13枚の手牌を確定させた時点で「形成が可能な状態」が解消し、手牌の状態は、面子が形成された状態か、又は面子が形成されていない状態へと変化する。したがって、面子の形成が可能な状態における対象牌の表示は、1枚の牌を場に捨てるべき機会が生じたとき、その機会中の少なくとも一部の期間にて行われるべきものである。すなわち、自摸又は初回の配牌で14枚の牌が並ぶ時点を始期、1枚の牌を捨てる時点を終期として、それらの始期から終期までの期間中の少なくとも一部にて対象牌が表示されることが必要である。
図16~18は、面子が形成された状態が生じたときの対象牌の表示の例を示している。図16は、手牌105中の「六筒」、「七筒」及び「八筒」にて順子が形成された例である。この場合、順子を形成する3枚の牌が枠線170にて囲まれることにより、他の牌と区別された態様で示される。また、順子が形成されたことを示すため、「シュンツ形成」といった面子の名称を示す文字列を含んだテキスト情報172が併せて表示されてもよい。図17は、手牌105中の3枚の「一筒」にて刻子が形成された例である。この場合、刻子を形成する3枚の牌が枠線170にて囲まれることにより、他の牌と区別された態様で示される。また、刻子が形成されたことを示すため、「コーツ形成」といった面子の名称を示す文字列を含んだテキスト情報172が併せて表示されてもよい。図18は、4枚の「一萬」によって槓子が形成された場合の表示例である。この場合も槓子を形成する4枚の牌が枠線170にて囲まれることにより、他の牌(図示略)と区別された態様で示される。また、槓子が形成されたことを示すため、「カンツ形成」といった面子の名称を示す字列を含んだテキスト情報172が併せて表示されてもよい。
図19は、複数の面子が形成された状態が生じている場合の表示例である。この例では、手牌105中の「一萬」、「二萬」及び「三萬」によって一組の順子が形成され、かつ手牌105中の「二萬」、「三萬」及び「四萬」によって他の一組の順子が形成されている。この場合も、順子を形成する対象牌が、組ごとに順を追って行われてよい。すなわち、同図の上段に示すように、まず一組の順子の対象牌である手牌105中の「一萬」、「二萬」及び「三萬」がそれぞれ枠線170にて囲まれることにより、それらの牌が他の牌と区別された態様で示される。その表示状態が適度な時間長維持された後、同図下段に示すように、他の一組の順子の対象牌である手牌105中の「二萬」、「三萬」及び「四萬」がそれぞれ枠線170にて囲まれることにより、それらの牌が他の牌と区別された態様で示される。
図20は、図19と同じく、対象牌の一部が共通するようにして複数組の面子が形成された状態における他の表示例である。「二萬」及び「三萬」が複数組の面子間で共通する。図19では、面子を形成する対象牌を組ごとに順番に示したが、図20の例では、一組の順子を形成する「一萬」、「二萬」及び「三萬」の対象牌を第1の枠線170Aで囲むとともに、他の一組の順子を形成する「二萬」、「三萬」及び「四萬」の対象牌を、第1の枠線170Aとは表示態様が異なる第2の枠線170Bで囲むことにより、それらの対象牌を他の牌とは区別し、かつ順子の組を相互に区別して対象牌を示している。枠線170A、170Bの表示態様は、例えば表示色、線種、太さ等の各種の要素によって区別されてよい。また、図20の例において、順子が形成されたことを示すため、「シュンツ形成」といった面子の名称を示す文字列を含んだテキスト情報172が併せて表示されてもよい。
種類が異なる複数組の面子が形成される場合も、各面子の対象牌を、図19のように順番に、又は図20のように同時的に表示してもよい。例えば、図21では、三枚の「一萬」によって一組の刻子が形成され、かつ「一萬」、「二萬」及び「三萬」によって一組の順子が形成されている。「一萬」は複数組の面子間で共通する対象牌である。この場合、刻子を形成する対象牌を第1の枠線170Aで、順子を形成する対象牌を、第1の枠線170Aとは表示態様が異なる第2の枠線170Bで示すことにより、それらの対象牌を他の牌とは区別し、かつ面子の組ごとに区別された態様で示してよい。第1の枠線170A、第2の枠線170Bを順番に表示してもよい。枠線170A、170Bの表示態様は図20の例と同様に適宜に区別可能である。また、図21の例においても、「コーツ形成」及び「シュンツ形成」といった面子の名称を示す文字列を含んだテキスト情報172A、172Bが併せて表示されてもよい。
図16~図21の例は、面子が形成された状態に対応したものであって、その状態は、プレイヤが1枚の牌を捨てて13枚の手牌を確定させた時点を始期、自摸又は鳴き牌によって手牌の状態が変化し得る時点を終期として、それらの始期から終期までの間で継続的に生じる。したがって、図16~図21の表示は、その期間の少なくとも一部にて行われればよい。一例として、上記の始期から表示を開始し、終期前でかつ表示開始から一定時間が経過した時点で表示を終了させてよい。プレイヤの指示に応じて表示を解消し、あるいは表示又は非表示を切り替え可能としてもよい。
アシスト制御部14は、図10の手牌情報画像151の表示の処理等と同様に、対局制御部12によって制御される対局の進行状況を監視することにより、プレイヤの摸打時における手牌を判別し、その判別結果に基づいて、対象者の手牌にて面子の形成が可能な状態又は面子が形成された状態が生じたか否かを判別し、それらの状態が生じた場合に、その面子を形成する対象牌を上記のように他の牌と区別して表示することができる。
以上のように、プレイヤの手牌において、面子の対象牌が他の牌と区別して表示されることにより、プレイヤは自模牌等によって形成され得る面子、あるいは手牌中で形成された面子を、短時間で容易かつ確実に把握することができる。それにより、プレイヤが面子の形成に関しての判断を誤り、あるいは、面子の形成の観点から、捨てるべきではない牌を捨てるといった誤った選択行動を取るおそれを低減し、又は排除することが可能である。摸打に時間的制約が存在する場合には、その制約から生じる焦りによって判断を誤り、あるいは誤った選択行動を取るおそれが生じるが、そのようなおそれの低減又は排除する上で相応の効果が期待できる。なお、面子を形成する対象牌の表示は、面子の形成が可能な状態、及び面子が形成された状態の少なくともいずれか一方の状態を特定状態とし、その特定状態が生じたときに行われるものとしてよい。
図13~図21の例では、面子を形成する対象牌を他の牌と区別するために枠線170、170A、170B、マーク171、テキスト情報172、172A、172Bを用いたが、対象牌を他の牌と区別して表示する態様はそれらの例に限らない。例えば、対象牌と他の牌との表示色、模様、大きさといった各種の視覚要素を用いて対象牌を他の牌と区別して表示してよい。
(4)その他の機能
以上の他にも、アシスト制御部14は、対局制御部12によって制御される対局の状況を監視しつつ、プレイヤをアシストする各種の画像を表示することにより、各種のアシスト機能をプレイヤに対して提供する。以下、図22~図31の画像を参照して幾つかの例を説明する。
以上の他にも、アシスト制御部14は、対局制御部12によって制御される対局の状況を監視しつつ、プレイヤをアシストする各種の画像を表示することにより、各種のアシスト機能をプレイヤに対して提供する。以下、図22~図31の画像を参照して幾つかの例を説明する。
図22は、対戦相手の捨て牌をプレイヤが鳴くことが可能な機会が生じた場合に表示される鳴き案内画像180の例である。鳴き案内画像180は、例えば図3に示した情報表示部102のキャラクタ103から対局表示部101の一部に重なり合うようにして表示される第1オブジェクト181、及び第2オブジェクト182を含む。第1オブジェクト181は、鳴き行為(図示例では、順子を形成するための「チー」)を選択する場合にタッチ操作される操作部として機能する。第2オブジェクト182は、鳴き行為を選択せず、次の自摸を待つ場合にタッチ操作される操作部として機能する。第1オブジェクト181には「リーチ・メンゼンツモ等ができなくなります」の文字列が付記されることにより、鳴き行為を選択した場合にプレイヤに生じる不利益、例えば鳴き行為後のプレイヤの選択や役の形成に関して一定の制限が生じることがプレイヤに提示される。
図23は、自模した牌をそのまま場に捨てるいわゆる自摸切りの行為をプレイヤが選択した場合に、その旨をプレイヤに提示するための自摸切り画像183の例である。自摸切り画像183は、一例として「ツモ切り」の文字列を含むようにして捨て牌に添うように表示される。図24は、プレイヤの手牌中にドラ牌が含まれている場合に、そのドラ牌をプレイヤに提示するためのドラ牌画像184の例である。ドラ牌画像184は、一例として「ドラ」の文字列を含むようにしてドラ牌上に重ねて表示される。ドラ牌画像184が表示されることにより、プレイヤはドラ牌を確実に把握することが可能である。
図25は、プレイヤの手牌において、捨て牌として選択することが役の完成に対して有利となり得る推奨牌、及び役の完成に対して不利となり得る非推奨牌をプレイヤに提示するための推奨度提示画像185A、185B(参照符号185で代表することがある。)の例を示している。ここでいう推奨牌は、捨て牌として選択された場合に向聴数が減少する牌、非推奨牌は、捨て牌として選択された場合に向聴数が増加する牌である。図25では、右側の「四索」を捨てれば向聴数が減少して、手牌の状態があがり役の完成に近づき、左側の「四筒」を捨てれば向聴数が増加して手牌の状態があがり役の完成から離れる場合が例示されている。そのため、右側の「四索」の牌は推奨牌の一例であって、その牌には、例えば「あがりに近づく」の文字列及び上向きの矢印図形を含んだ推奨度提示画像185Aが重ねて表示される。一方、左側の「四筒」の牌は非推奨牌の一例であって、その牌には、例えば「あがりから離れる」の文字列及び下向きの矢印図形を含んだ推奨度提示画像185Bが重ねて表示される。プレイヤは、推奨度提示画像185を参照して、あがり役の完成に有利となる牌を捨て牌として選択することができる。
推奨度提示画像185は、役の完成に対して手牌から捨てることが有利又は不利となる牌をプレイヤに提示して、捨て牌の選択に対してヒントを与えるものである。したがって、推奨度提示画像185は、少なくともプレイヤが牌を自模り、あるいは初回の配牌によって14枚の牌があり、かつ捨て牌をまだ選択していない段階で表示される必要がある。なお、上記の例では、推奨牌及び非推奨牌を向聴数の減少又は増加と関連付けて区別したが、役の完成に対して有利又は不利となるかは、例えば聴牌状態に達した後の自模牌によっても変化し得る。例えば、自模牌に代えて、手牌に既に含まれている1枚の牌を捨てることにより、聴牌状態を維持しつつ待ち牌数を増加させ得る場合、あるいは、ドラ牌を自模り、これに代えて別の牌を捨てても聴牌状態が維持できる場合には、自模牌を非推奨牌、聴牌状態を維持しつつ自模牌に代えて捨てることが可能な牌を推奨牌と捉えることができる。このような場合も、推奨度提示画像185に倣って推奨牌及び非推奨牌がプレイヤに対して提示されてもよい。
図26は、プレイヤの手牌に役牌、すなわち、少なくとも一翻の役を形成することが可能な牌が含まれている場合に、その役牌をプレイヤに提示するための役牌画像186の例である。役牌画像186は、手牌中の役牌、例えばドラ牌や字牌を、他の牌から区別可能な態様で表示することにより構成されてよい。例えば、役牌をその表示色、模様等の視覚要素を用いて強調した画像を役牌画像186として表示してよい。図26の例では、役牌であるドラ牌及び「東」の字牌が役牌画像186として強調表示された状態をハッチングで示している。また、図26の役牌画像186では、役牌による役の形成の可能性を示す「ヤクハイチャンス!」の文字列も付記される。文字列の内容は適宜でよい。なお、ドラ牌に関しては図24のドラ牌画像184と組み合わされてよい。
図27は、プレイヤに対して向聴数を提示するために表示される向聴数画像187の例である。図27の例では、「テンパイまであと1牌」の文字列が向聴数画像187に含まれることにより、一向聴の状態であることがプレイヤに提示される。向聴数画像187は適宜のタイミングで表示されてよい。例えば、一局の対戦中に、向聴数が所定数以下まで減少した以降に継続的に表示されてもよいし、向聴数が変化したタイミングで一定時間に限って表示されてもよい。なお、向聴数画像187は、図3に示したように手牌105に隣接する位置に表示されてもよい。図25に例示した推奨度提示画像185が表示される場合には、「あがりに近づく」ことが示された牌に添うようにして向聴数画像187が表示されてもよい。その場合は、推奨度提示画像185によって、あがり役に近づくことが提示された牌を捨て牌として選択すれば向聴数が一つ減少することをプレイヤに直感的に理解させることができる。
図28は、プレイヤの手牌が一向聴の場合において、聴牌を迎えるために必要な牌(以下、必要牌と称することがある。)をプレイヤに提示するために表示される必要牌提示画像188の例である。図28の必要牌提示画像188では、「一萬」、「四萬」又は「八萬」が手牌に入れば聴牌となることを示す文字列と、各必要牌の残枚数及び必要牌の種類数及び総残数を示す「3種10牌」の文字列とが表示されている。必要牌提示画像188は、一例として、図3のプレイヤの手牌105と、捨て牌107との間の領域に表示されてよい。なお、残枚数は、必要牌の総数4枚から、捨て牌として場に出ている牌数を除いた枚数である。必要牌提示画像188は、一向聴に達した後の適宜のタイミングで表示されてよい。例えば、一向聴に達した後でかつ次回の自摸の前に必要牌提示画像188が表示されてよい。必要牌提示画像188の表示により、プレイヤは次にどの牌を自模れば聴牌になるかを容易かつ確実に把握することができる。
図29は、プレイヤが親家(東家)であって、対局であがった場合に得られる得点(点数)が1.5倍となることをプレイヤに認識させるために表示される親家確認画像189の例である。プレイヤが麻雀に不慣れな場合は、親家であることや得点に加算があることをプレイヤが必ずしも認識していないことがある。その場合に、親家確認画像189を表示することにより、プレイヤの理解度を高めることができる。なお、親家確認画像189の表示位置は、例えば情報表示部102であってもよいし、対局表示部101の手牌105や捨て牌107の近傍等の適宜の位置に設定されてよい。親家確認画像189を表示する時期は、例えばプレイヤに親が回ってきた対局の開始時、又はその対局の適宜の時期に設定されてよい。
図30は、プレイヤの手牌105に対して自模牌106を取り込んで代わりに1枚の牌を捨てれば聴牌となる場合において、聴牌を迎えるために捨てるべき牌をプレイヤに提示するために表示される捨て牌提示画像190の例を示している。図30では、「四索」の自模牌106を取り込み、かつ2枚の「五筒」及び2枚の「七筒」のうち、いずれか1枚の牌を捨てれば聴牌を迎える状態が例示されている。この場合、聴牌をもたらす「五筒」及び2枚の「七筒」のそれぞれに対して、「捨てるとテンパイ」の文字列を含んだ捨て牌提示画像190が各牌に重ねて表示される。それにより、プレイヤは聴牌を迎えるために捨てるべき牌を容易かつ確実に把握することができる。なお、捨て牌提示画像190が表示された牌は、いずれも図25で説明した推奨牌、すなわち、役の完成に対して有利となり得る牌である。したがって、それらの牌に対して、推奨度提示画像185Aがさらに重ねて表示されてよい。
図31は、いずれかの対局者が槓を選択してドラ牌の種類が増加したときに表示されるドラ情報画像191の一例を示す。ドラ情報画像191は、プレイヤの手牌にてドラ牌の枚数が増加したか否かを示す自家情報部191aと、いずれかの対戦相手にてドラ牌の枚数が増加したか否かを示す他家情報部191bとを含む。図示の例では、プレイヤの手牌ではドラ牌の枚数が増えなかったことを示す「ドラが増えなかった・・」の文字列が自家情報部191aに、いずれかの対戦相手にてドラ牌の枚数が増えたことを示す「ドラが増えた!!」の文字列が他家表示部191bに表示されている。ドラ情報画像191が表示されることにより、プレイヤには槓に伴うドラ牌種類の増加が対局の状況にどのような影響を与えたか、を推測する手がかりを得ることが可能である。ドラ情報画像191は、一例として、ゲーム画面100の対局表示部101における適宜の位置に表示されてよい。図31では省略されているが、情報表示部102(図3)にドラ情報画像191が表示されてもよい。
次に、図32~図37を参照して、上述した各種の機能を提供するためにゲーム装置3の制御ユニット10が実行する処理の手順の一例を説明する。なお、以下では、各図の処理を、1台のゲーム装置3の制御ユニット10が実行する処理として説明する。複数のゲーム装置3間で共通の麻雀ゲームがプレイされる場合には、それらのゲーム装置3がデータを共有しつつ各図の処理をそれぞれ実行してもよいし、ホストとして設定されたいずれか1台のゲーム装置3が各図の処理を実行し、その処理結果を他のゲーム装置3が取得してもよい。
図32は、制御ユニット10の演出制御部13が、盛り上がりゲージ110のゲージ量に基づいて麻雀ゲームの演出を制御するための演出制御処理の手順の一例を示している。図32の処理は、一局の対戦が開始されると、その対戦が終了するまで所定の周期で繰り返し実行される処理である。演出制御部13は、演出制御処理を開始すると、まずステータスデータDsを参照して対戦中の対局の状況を判別する(ステップS101)。次に、演出制御部13は、前回の処理時から今回の処理までの間に、盛り上がりゲージ110のゲージ量に影響するイベントが発生したか否かを判別する(ステップS102)。上述したように、イベントは、対局者(プレイヤ又は対戦相手のいずれか)による所定の行為、又は対局者の手牌の状態に関する所定の変化によって発生するものであって、例えば、対局者による鳴き行為、手牌情報画像151を表示させるためのスキルの発動といった対局者の行為があった場合、あるいはいずれかの対局者に関して、手牌中の向聴数、聴牌の有無、待ち牌の枚数やドラ牌の枚数、予測翻数の変化といった手牌の状態の変化が生じた場合にイベント発生と判断されてよい。イベントが発生していないと判断された場合、演出制御部13は今回の演出制御処理を終了する。
一方、ステップS102にてイベントが発生したと判断された場合、演出制御部13は、ステータスデータDsに保持されている盛り上がりゲージ110のゲージ量を、発生したイベントに応じて更新する(ステップS103)。更新は、一回のイベントの発生に対して、そのイベントの詳細(種類、内容等)に関わりなく一定の変化量を増加させるように行われてもよいし、イベントの詳細に応じてゲージの変化量が差別化されてもよい。更新は、ゲージ量を増加させる一方向の変化として実行されてもよいし、イベントの詳細に応じてゲージ量を増加させ、又は減少させる二方向の変化として実行されてもよい。例えば、手牌の状態が、聴牌状態からこれを解消した状態へと変化した場合にゲージ量が減少するといった処理が適用されてもよい。
ゲージ量の更新に続いて、演出制御部13は、ステップS103で更新されたゲージ量に対応する各対局者の貢献度を算出し、算出結果に従って、ステータスデータDsに保持された各対局者の貢献度を更新する(ステップS104)。続いて、演出制御部13は、S103のゲージ量の更新に対応する演出を発生させる(ステップS105)。この演出は、ステップS102で発生したと判断されたイベントに対応する演出であって、盛り上がりゲージ110の表示の更新を含む。例えば、鳴き行為に対応してゲージ量が更新された場合には、図9のカットイン画像140が表示され、それに続いて、ステップS103で更新されたゲージ量、ステップS104で更新された貢献度に基づいて盛り上がりゲージ110のゲージ本体111及び貢献度表示部112の表示が更新される。図6の矢印マーク154が表示されて、ゲージ量がいずれの対局者によって更新されたかが示されてもよい。さらに、手牌の状態の変化に対応してゲージ量が更新された場合には、図6のオブジェクト155を介して手牌の状態がどのように変化したかが示唆されてもよい。オブジェクト155は、アシスト制御部14が生成する参考情報を参照して演出制御部13が実行してもよいし、演出制御部13が参考情報に応じたオブジェクト155を表示するようにアシスト制御部14に指示を与えることによって実現されてもよい。
さらに、演出制御部13は、ステップS103におけるゲージ量の更新により、ゲージ量の段階(図4のバーゲージ部111aにおける区分)が変化したか否かを判別する(ステップS106)。段階が変化したと判断された場合、ゲーム画面100の背景画像120を、変化後の段階に応じた画像へと変更することにより、ゲージ量の段階の変化に対応した演出を発生させる(ステップS107)。例えば、図3の背景画像120を図6の背景画像120に変更するといったごとくである。これにより、ゲージ量に応じた演出がゲーム画面100上で発生する。ステップS107の処理を終えると、演出制御部13は今回の演出制御処理を終える。ステップS106で段階が変化していないと判断された場合、演出制御部13はステップS107をスキップして今回の演出制御処理を終える。なお、図32の処理は演出制御部13が一定周期で繰り返し実行するものとしたが、ステップS102の処理を対局制御部12が実行し、イベント発生をトリガとしてステップS103以下の処理を演出制御部13が実行してもよい。
図33は、演出制御部13が、一局の対戦の終了に対応して実行する報酬制御処理の手順の一例を示している。図33の処理は、対戦終了時のゲージ量及び貢献度に基づく報酬を発生させるために行われる処理である。演出制御部13は、対戦が終了すると図33の処理を開始し、まずステータスデータDsを参照して、対戦終了時における盛り上がりゲージ110のゲージ量、及び各対局者の貢献度を順次取得する(ステップS121、S122)。その後、演出制御部13は、得られたゲージ量と各対局者の貢献度とに従って各対局者に対応するキャラクタのカードに関する育成度のパラメータ、言い換えればキャラクタ103の育成度又は人気度の変化量を報酬として演算する(ステップS123)。なお、共通の麻雀ゲームがプレイされる複数のゲーム装置3のそれぞれにて図33の処理が行われる場合、ステップS123の演算は、自機のプレイヤに対応するキャラクタ103のみを対象として行われてもよい。
パラメータの変化量が演算されると、演出制御部13はステータスデータDsに保持されている育成度のパラメータの値をステップS123の演算結果に従って更新する(ステップS124)。その後、演出制御部13は、図7のゲーム画面130を、ステップS123の演算結果が反映された状態で表示させることにより、今回の対局でプレイヤが獲得した報酬及びその内訳等をプレイヤに提示する(ステップS125)。その後、演出制御部13は図33の報酬制御処理を終える。なお、ステップS123の演算において、手牌情報画像151の表示のためのスキルの発動の頻度、回数等の状況を反映してパラメータの変化量が演算されてもよい。
図34は、手牌情報画像151(図10)を介して参考情報をプレイヤに提示するためにアシスト制御部14が実行する参考情報提示処理の手順の一例を示している。図34の処理は、一局の対戦が開始されると、その対戦が終了するまで所定の周期で繰り返し実行される処理である。アシスト制御部14は、参考情報提示処理を開始すると、まずステータスデータDsを参照して対局者のそれぞれの手牌の状態を判別し(ステップS141)、判別結果に基づいて各対局者に対応する参考情報を生成し、これをアシストデータDsに記録する。続いて、アシスト制御部14は、前回の処理時から今回の処理までの間に、参考情報に関する提示条件が成立したか否かを判別する(ステップS143)。本形態の場合、提示条件は手牌情報画像151の表示条件と同義であって、例えば自己のキャラクタ103に関するスキルの発動をプレイヤが指示した場合に成立する。上述したように手牌情報画像151の表示条件は適宜に設定されてよい。一局の対戦中に手牌情報画像151を常に表示する場合には、ステップS143を省略するか、又はステップS143が常に肯定判断されるものとすればよい。
提示条件が成立する場合、アシスト制御部14は、手牌情報画像151にて表示すべき対象事項を決定する(ステップS144)。例えば、キャラクタ103のスキルの高低、対戦相手との点差の大小等に応じてマーク153の個数を増減させる場合には、それらの要素を考慮して、手牌情報画像151に表示すべきマーク153の個数、及び各マーク153に表示されるべき対象項目が決定されてよい。対象事項の決定は、対戦相手ごとに区別して行われてよい。対象事項が決定された後、アシスト制御部14は、ステップS141で生成した参考情報に基づいて、ステップS144で決定した対象項目に関する情報がマーク153にて提示されるように、各対戦相手と対応付けて手牌情報画像151を表示させる(ステップS145)。その後、アシスト制御部14は図34の参考情報提示処理を終える。一方、ステップS143にて提示条件が成立しないと判断された場合、アシスト制御部14は手牌情報画像151を非表示とし(ステップS146)、その後に図34の参考情報提示処理を終える。
図34の処理においては、ステップS143で対戦相手ごとに提示条件の成否が判断されてもよい。例えば、プレイヤが手牌情報画像151の表示を指示した対戦相手に限って提示条件が成立し、その他の対戦相手は提示条件が不成立とされてもよい。この場合は提示条件が成立した対戦相手に限ってマーク153を含んだ手牌情報画像151が表示される。提示条件が不成立の場合は、少なくともマーク153を非表示とすれば足り、名称表示部152の表示は維持されてもよい。その場合でも、手牌情報画像151にはいずれの対象項目のマーク153も表示されず、参考情報がプレイヤに提示されないことに変わりはない。図34の処理では、ステップS142で参考情報を繰り返し生成し、ステップS143にて提示条件が満たされた場合に手牌情報画像151を表示する処理へと進んだが、ステップS143の処理を先行させ、これが肯定判断された場合にステップS141、S142の処理を実行し、その後にステップS144へと処理を進めてもよい。
図35は、ゲーム画面100に設けられた情報表示部102を介して麻雀の役の役名及びその重要度をプレイヤに提示するためにアシスト制御部14が実行する役名提示処理の手順の一例を示している。図35の処理は、一局の対戦が開始されると、その対戦が終了するまで所定の周期で繰り返し実行される処理である。アシスト制御部14は、役名提示処理を開始すると、まずステータスデータDsを参照して対局の状況を判別する(ステップS161)。この場合、少なくとも対戦中の対局の状況が判別される。半荘戦等の一連の対局群における点差等を考慮して相対的な重要度を判別する場合、ステップS161では対戦中の対局に加えて、既に終了した対局の状況が併せて判別されてもよい。次に、アシスト制御部14は、役名提示機会が到来したか否かを判別する(ステップS162)。上述したように、役名提示機会は、例えば、プレイヤが案内情報部161にて提示すべき対象役を完成させた段階、又は完成させる前の所定の段階に達した場合に到来し、あるいは、役名等の表示をプレイヤが指示した場合に到来したと判断されてよい。対象役の完成、あるいは完成させる前の所定の段階への到達は、ステップS161に判別した対局の状況として、プレイヤの手牌の状態を判別することにより、把握することが可能である。
続いて、アシスト制御部14は、今回の役名提示機会にて役名等を提示すべき対象役を判別する(ステップS163)。例えば、特定の役が完成し、又はその役の完成に対して所定の段階まで手牌が進むことにより役名提示機会が到来した場合には、その特定の役が対象役として判断されてよい。プレイヤの指示によって役名等を提示する場合には、対象役をプレイヤに指示させ、その指示に従って対象役が判別されてよい。複数の役が対象役として判別されてもよい。さらに、アシスト制御部14は、ステップS163で対象役の重要度を判別する(ステップS164)。上述したように、重要度は役の翻数のように、麻雀のルール等に従って客観的に定まる絶対的な重要度のみならず、対局の状況に応じて変化する相対的な重要度として観念されてもよい。そのため、ステップS164では、役の翻数等の客観的な目安に従って絶対的な重要度が判別されてもよいし、ステップS161で判別した対局の状況を踏まえた相対的な重要度が判別されてもよい。
対象役及びその重要度が判別された後、アシスト制御部14は役名等の表示態様をその重要度に応じて決定する(ステップS165)。例えば、図11及び図12に例示したオブジェクト166において、表示すべき翻数、役名の表示色、フォント、オブジェクト166の背景等といった表示態様が、重要度に応じた固有の態様となるようにして決定されてよい。その後、アシスト制御部14は、対象役の役名、及び重要度をステップS165で決定した表示態様で表現したオブジェクト166を情報表示部102の案内情報部161に表示させることにより、対象役の役名及びその重要度をプレイヤに提示する(ステップS166)。役名等の提示が完了すると、アシスト制御部14は図35の役名表示処理を終える。
図36は、プレイヤの手牌にて面子の形成が可能な状態、及び面子が形成された状態が生じた場合に、その対象牌を表示するためにアシスト制御部14が実行する面子表示処理の手順の一例を示している。図36の処理は、一局の対戦が開始されると、その対戦が終了するまで所定の周期で繰り返し実行される処理である。アシスト制御部14は、面子表示処理を開始すると、まずステータスデータDsを参照して対戦中の対局の状況を判別する(ステップS201)。この場合は、少なくともプレイヤの手牌の状態と、いずれの対局者に打牌の機会、つまりは牌を捨てるべき機会が回っているかが判別できればよい。次に、アシスト制御部14は、自機のプレイヤが打牌の機会であるか否かを判別する(ステップS202)。打牌の機会でなければ、アシスト制御部14は今回の処理を終える。
一方、ステップS202で打牌の機会と判断された場合、アシスト制御部14は、プレイヤの自模牌と、手牌中の牌とによって面子の形成が可能な状態であるか否かを判別する(ステップS203)。面子の形成が可能な状態と判断された場合、アシスト制御部14は、形成可能と判断された面子に関する対象牌を判別する(ステップS204)。続いて、アシスト制御部14は、複数組の面子が形成可能な状態であるか否かを判別する(ステップS205)。複数組であると判断された場合、アシスト制御部14は表示対象となる面子の組を選択し(ステップS206)、選択された組の対象牌を手牌中の他の牌と区別された態様で表示する(ステップS207)。その後、アシスト制御部14はステップS205で判別した全ての組に関して表示が完了したか否かを判別し、未表示の組があればステップS206に戻って未表示のいずれか一つの組を表示対象に選択する。ステップS206~S208が繰り返される場合の表示は、一例として図15に示した通りである。
ステップS205で複数組ではない、つまり単一の組の面子のみが形成可能な状態であると判断された場合、アシスト制御部14はその組の面子を形成する対象牌を例えば図14に示したように他の牌と区別した態様で表示する(ステップS209)。ステップS208が肯定判断され、又はステップS209の処理が完了すると、アシスト制御部14は図37のステップS211に進む。ステップS211では、プレイヤが1枚の牌を捨てることにより、今回の摸打における捨て牌が確定したか否かを判別し、未確定であれば確定を待つ。打牌に関して制限時間が設定され、制限時間が経過した時点で所定の牌、例えば自模牌が自動的に捨て牌として選択される場合には、その選択をもって捨て牌が確定と判断されてよい。
捨て牌が確定すると、アシスト制御部14はプレイヤの13枚の手牌中において面子が形成されているか否かを判別する(ステップS212)。面子が形成されていなければ、アシスト制御部14は今回の面子表示処理を終える。一方、ステップS212にて面子が形成されていると判断された場合、アシスト制御部14は、その面子を形成する対象牌を判別する(ステップS213)。続いて、アシスト制御部14は、複数組の面子が形成された状態であるか否かを判別する(ステップS214)。複数組であると判断された場合、アシスト制御部14は表示対象となる面子の組を選択し(ステップS215)、選択された組の対象牌を手牌中の他の牌と区別された態様で表示する(ステップS216)。その後、アシスト制御部14はステップS214で判別した全ての組に関して表示が完了したか否かを判別し、未表示の組があればステップS215に戻って未表示のいずれか一つの組を表示対象に選択する。ステップS215~S217が繰り返される場合の表示は、一例として図19に示した通りである。
ステップS214で複数組ではない、つまり単一の組の面子のみが形成された状態であると判断された場合、アシスト制御部14はその組の面子を形成する対象牌を例えば図18に示したように他の牌と区別した態様で表示する(ステップS218)。ステップS217が肯定判断され、又はステップS218の処理が完了すると、アシスト制御部14は今回の面子表示処理を終える。
図36及び図37の処理では、ステップS206~S208の繰り返し、又はステップS215~S217の繰り返しによって複数組の面子のそれぞれの対象牌を順番に表示したが、それらの対象牌を組ごとに区別された態様、例えば図20又は図21で示した態様で同時的に表示してもよい。
なお、図36の処理では、プレイヤが捨て牌を選択すべき機会において面子の形成が可能か否かを判別しているが(ステップS202、S203)、面子の形成の可能性はそれよりも早期の段階で判別されてもよい。麻雀では、対局者間での摸打の順番が予め決まっており、鳴き行為が生じて摸打の順序が変化しない限りは、各対局者の自模牌を制御ユニット10が先行して特定することができる。したがって、プレイヤの捨て牌が確定した時点で、プレイヤの次の自模牌を予測して、次の摸打時に面子の形成が可能となるか否かを判別することも可能である。そこで、面子の形成が可能か否かの判別を摸打時よりも早期に判別しておき、次回の摸打時までに鳴き行為が発生せず摸打の順番が維持された場合は既に得られている判別結果を利用し、鳴き行為があった場合は新たな摸打の順番に従って次回の摸打時に面子の形成が可能な状態となるか否かを判別するといったように処理が変更されてもよい。
以上の形態において、アシスト制御部14は、図35のステップS161及びS162の処理を実行することにより機会判別手段の一例として機能し、ステップS165及びS166の処理を実行することにより役名提示手段の一例として機能し、ステップS161の処理を実行することにより対局状況判別手段の一例として機能し、ステップS164の処理にて対局の状況に基づき、対象役の相対的な重要度を判別することにより重要度判別手段の一例として機能する。ただし、本発明は上記の形態に限定されず、役名提示機会の設定、役名等を提示すべき対象役の設定、重要度を区別する基準、重要度を判別させるための表示の態様等に関しては、上述した通りの各種の変形又は変更が施されてよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラム(Pg)は、麻雀ゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるための麻雀ゲーム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して提示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別する機会判別手段(14、S161、S162)、及び前記役名提示機会が到来したと判断された場合、前記対象役の役名を、前記対象役の前記一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する役名提示手段(14、S165、S166)、として機能させるように構成されたものである。
本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、麻雀ゲームを提供するように機能するコンピュータ(10)を含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して提示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別する機会判別手段(14、S161、S162)、及び前記役名提示機会が到来したと判断された場合、前記対象役の役名を、前記対象役の前記一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する役名提示手段(14、S165、S166)、として機能させるように構成されたものである。
本発明の一態様に係るゲームの制御方法は、麻雀ゲームを提供するようにコンピュータ(10)を機能させるゲームの制御方法であって、前記コンピュータを、一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して提示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別する機会判別手段(14、S161、S162)、及び前記役名提示機会が到来したと判断された場合、前記対象役の役名を、前記対象役の前記一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する役名提示手段(14、S165、S166)、として機能させるものである。
上記の態様によれば、麻雀の少なくとも一部の役を対象役として、その役名を一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示されるため、プレイヤが麻雀の役に精通していなくとも、役及びその重要度を対戦中に適宜に把握することができる。そのため、捨て牌の選択といったプレイヤが行うべき選択行動を、限られた時間内でより的確に判断することが可能である。これにより、麻雀ゲームの興趣を高め、麻雀に不慣れなユーザにもゲームをプレイする動機付けを与えることができる。
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
上記の態様において、前記機会判別手段は、前記プレイヤ及び当該プレイヤの対戦相手のうち、少なくともいずれか一名を対象者として、当該対象者の手牌(105)が、前記対象役を完成させた段階、又は完成させる前の所定の段階に達した場合に前記役名提示機会が到来したと判別し、前記役名提示手段は、前記対象役の役名を、前記重要度が判別できるようにして前記プレイヤに提示してもよい。これによれば、対象者の手牌にていずれかの役が対象役として完成し、あるいは完成に一定程度の段階まで達したときに、その対象役の役名が重要度とともにプレイヤに提示される。したがって、プレイヤは、自己又はいずれかの対戦相手がどのような重要度の役を完成させ、あるいは完成に対して所定の段階まで近づいたかを把握して、その後の対局の駆け引きや戦略を検討することができる。
前記役名提示手段は、前記対象役の役名を、前記重要度に応じて表示態様が異なるようにして前記プレイヤが視認するゲーム画面(100)上に表示することにより、前記役名を前記プレイヤに提示してもよい。これによれば、表示態様の異同を通じて、役の重要度をプレイヤに直感的に把握させることが可能である。
前記役名提示手段は、前記表示態様として、前記役名の表示色、模様、及びフォントの少なくとも一つを前記重要度に応じて変化させてもよい。表示色、模様、フォント等を重要度に応じて差別化することにより、対象役の重要度をより明確にプレイヤに提示することができる。
前記コンピュータを、前記対局の状況を判別する対局状況判別手段(14、S161)、及び前記対局の状況の判別結果に基づいて前記対象役の重要度を判別する重要度判別手段(14、S164)、としてさらに機能させてもよい。これによれば、対局の状況に応じて変化する相対的な重要度をプレイヤに提示することが可能である。
1 ゲームシステム
2 ゲームサーバ
3 ゲーム装置
4 ユーザ装置
10 制御ユニット(コンピュータ)
13 演出制御部
14 アシスト制御部
100、130 ゲーム画面
105 手牌
106 自模牌
110 盛り上がりゲージ
111 ゲージ本体
112 貢献度表示部
120、131 背景画像
133 報酬表示部
150 表示領域
151 手牌情報画像
153 マーク
160 対局情報部
2 ゲームサーバ
3 ゲーム装置
4 ユーザ装置
10 制御ユニット(コンピュータ)
13 演出制御部
14 アシスト制御部
100、130 ゲーム画面
105 手牌
106 自模牌
110 盛り上がりゲージ
111 ゲージ本体
112 貢献度表示部
120、131 背景画像
133 報酬表示部
150 表示領域
151 手牌情報画像
153 マーク
160 対局情報部
Claims (7)
- 麻雀ゲームを提供するようにコンピュータを機能させるための麻雀ゲーム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、
一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して提示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別する機会判別手段、及び
前記役名提示機会が到来したと判断された場合、前記対象役の役名を、前記対象役の前記一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する役名提示手段、
として機能させるように構成された麻雀ゲーム用のコンピュータプログラム。 - 前記機会判別手段は、前記プレイヤ及び当該プレイヤの対戦相手のうち、少なくともいずれか一名を対象者として、当該対象者の手牌が、前記対象役を完成させた段階、又は完成させる前の所定の段階に達した場合に前記役名提示機会が到来したと判別し、
前記役名提示手段は、前記対象役の役名を、前記重要度が判別できるようにして前記プレイヤに提示する請求項1に記載のコンピュータプログラム。 - 前記役名提示手段は、前記対象役の役名を、前記重要度に応じて表示態様が異なるようにして前記プレイヤが視認するゲーム画面上に表示することにより、前記役名を前記プレイヤに提示する請求項1に記載のコンピュータプログラム。
- 前記役名提示手段は、前記表示態様として、前記役名の表示色、模様、及びフォントの少なくとも一つを前記重要度に応じて変化させる請求項3に記載のコンピュータプログラム。
- 前記コンピュータを、
前記対局の状況を判別する対局状況判別手段、及び
前記対局の状況の判別結果に基づいて前記対象役の重要度を判別する重要度判別手段、
としてさらに機能させるように構成された請求項1~4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。 - 麻雀ゲームを提供するように機能するコンピュータを含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、
一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して提示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別する機会判別手段、及び
前記役名提示機会が到来したと判断された場合、前記対象役の役名を、前記対象役の前記一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する役名提示手段、
として機能させるように構成されたゲームシステム。 - 麻雀ゲームを提供するようにコンピュータを機能させるゲームの制御方法であって、前記コンピュータを、
一局の対戦の進行中に、麻雀における少なくとも一つの役を対象役として、当該対象役の役名をプレイヤに対して提示すべき役名提示機会が到来したか否かを判別する機会判別手段、及び
前記役名提示機会が到来したと判断された場合、前記対象役の役名を、前記対象役の前記一局の対戦における重要度が判別できるようにしてプレイヤに提示する役名提示手段、
として機能させるゲームの制御方法。
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