JP2024016156A - 抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(adcc)の強化 - Google Patents

抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(adcc)の強化 Download PDF

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Abstract

【課題】対象に対する抗体の治療的利益を増加させる方法を提供する。【解決手段】方法は、(a)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物を前記対象に投与するステップ、及び(b)前記抗体も対象に投与するステップを含み、典型的には抗体の抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)効果の増加により治療的利益がもたらされる。対象に対する治療的利益の増加は、前記抗体が予防又は治療効果を有する任意の疾患に関するものであり得る。疾患はがんであり得る。本発明はまた、前記免疫療法組成物及び前記抗体、並びにそれを含むキットに関する。【選択図】なし

Description

本発明は、対象に対する抗体の治療的利益を増加させる方法に関する。向上した利益は、典型的には抗体の抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)効果の増加により媒介される。方法は、(a)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物を前記対象に投与するステップ、及び(b)前記抗体も対象に投与するステップを含む。対象に対する治療的利益の増加は、前記抗体が予防又は治療効果を有する任意の疾患に関するものであり得る。疾患はがんであり得る。
本発明はまた、前記免疫療法組成物及び前記抗体、並びにそれを含むキットに関する。
一部の抗体の治療有効性は、抗体がその標的(例えば、腫瘍細胞上の抗原)を認識し、免疫エフェクター細胞のネットワークを介して細胞傷害を誘導する能力に依存する。このプロセスは抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)と呼ばれる。それは、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、γδ T細胞、及び樹状細胞を含むエフェクター細胞の複雑なネットワークにおけるFc受容体(FcR)との抗体の結晶化可能断片(Fc)部分の相互作用により引き起こされる。ADCCは、以前には、エフェクター免疫細胞がパーフォリン及びグランザイムのような細胞傷害性分子の放出を通じて抗体被覆標的細胞を溶解させる比較的単純なプロセスであると考えられていたが、現在では上記の免疫細胞型の協調及び連鎖した制御である複雑なプロセスであることが公知である。
リツキシマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、及びオファツムマブを含むいくつかの抗体は、固形腫瘍及び血液学的悪性腫瘍の両方の治療のための標準治療となっている。しかしながら、多くの患者は、そのような抗体治療から低い治療効果を経験し得るか、又は場合により治療効果を経験しないことがある。従って、そのような抗体のADCCを増強する方法の必要性が存在する。
本発明者らは、驚くべきことに、免疫系チェックポイントの構成要素、又はその免疫原性断片を含む免疫療法組成物が、療法として対象に投与される抗体のADCC効果を増強させ得ることを示した。この種類の免疫療法組成物は、チェックポイントの構成要素に対するCD4+及びCD8+ T細胞応答を促進して、前記チェックポイントの効果の阻害及びチェックポイントの構成要素を発現するがん細胞の直接的なT細胞媒介型殺傷を引き起こすことが以前に示されている。例えば、国際公開第2009/143843号、国際公開第2013/056716号、国際公開第2016/041560号及びPCT/EP2017/055093を参照。これらの文献、及び特に個々に開示されるペプチド配列及びそれらを含む任意の組成物は、本明細書により参照によりそのまま援用する。そのような組成物は、チェックポイント活性に対するそれらの影響のため、免疫調節ワクチンとして記載されてきた。しかしながら、CD4+及びCD8+細胞応答により直接的に媒介されない免疫エフェクター機構に対する効果は、以前には記載されていない。特に、そのような組成物は、ADCCに対して何らかの効果を有するとは以前には認識されていなかった。
本発明は、対象に対する抗体の治療的利益を増加させる方法に関する。方法は、(a)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物を前記対象に投与するステップ、及び(b)前記抗体も対象に投与するステップを含む。ステップ(a)及びステップ(b)は、同時、別々又は連続的に実行され得る。
抗体は、疾患に対する治療として対象に投与される任意の抗体であり得、治療的利益の増加は、典型的には前記疾患に関するものである。従って、方法はまた、免疫療法組成物及び抗体を用いて前記疾患を治療する方法として記載することができ、方法は、抗体のみを投与するより効果的である。抗体は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)により少なくとも部分的に媒介される治療効果を有することが実証されたものであるのが好ましい。抗体は、典型的には抗がん抗体である。抗がん抗体は、がんの治療を適応とする任意の抗体を意味する。そのような抗体は、典型的には、がん細胞の表面上に発現される抗原に特異的に結合する。
従って、本発明はまた、対象内のがんを予防又は治療する方法であって、
(i)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物、及び
(ii)抗がん抗体
を前記対象に投与するステップを含む方法を提供する。
本発明はまた、前記免疫療法組成物及び前記抗体を含むキットを提供する。
配列表の簡単な説明
配列番号1~49は、免疫系チェックポイントのポリペプチド構成要素に由来するアミノ酸配列である。それらは、表1において完全に示される。
PDL1 long1を用いた刺激へのIFN-γ応答を示す白血球アフェレーシス生成物の例を示す図であり(下パネル)、これはダラツムマブによるADCCの強化と関連している(上パネル)。 PDL1 long1を用いた刺激へのIFN-γ応答を示す健常ドナーバフィーコートの例を示す図であり(下パネル)、これはダラツムマブによるADCCの強化と関連している(上パネル)。 PDL1 long1を用いた刺激へのIFN-γ応答を有しない健常ドナーバフィーコートの例を示す図である(下パネル)。ダラツムマブによるADCCの強化は見られない(上パネル)。 多発性骨髄腫を有する患者からの白血球アフェレーシス生成物におけるペプチドIO103(FMTYWHLLNAFTVTVPKDL)を用いた刺激(黒バー)又はペプチド刺激を用いない(白バー)場合への応答のIFN-γ ELISPOTアッセイを示す図である。20人の患者からの白血球アフェレーシスサンプルを試験した。実験を3連(n=10)又は細胞回収が乏しい場合には2連(n=10)で実行した。患者18からの細胞は死亡した。*は、有意なDFRx1を有する3連を示す。**は、Moodieら、2012年に記載されるような有意なDFRx2を有する3連を示す。(*)は、p値<0.05(スチューデントのt検定)を有する2連を示す。ウェル当たりの細胞数:患者1:4.0×105、患者2:2.5×105、患者3:4.0×105、患者4:2.8×105、患者5:4.0×105、患者6:3.6×105、患者7:2.7×105、患者8:3.7×105、患者9:3.4×105、患者10:6.0×105、患者11:3.0×105、患者12:4.0×105、患者13:3.0×105、患者14:2.3×105、患者15:3.0×105、患者16:4.0×105、患者17:4.0×105、患者19:4.0×105、患者20:6.0×105。図は、平均を平均の標準誤差(SEM)と共に表す。 骨髄腫患者(患者9)からの白血球アフェレーシス生成物におけるIO103ペプチドに対するT細胞応答の例を示す図である。 以前に調製されたHLA-A2限定型PD-L1特異的CTLは、PD-L1ペプチドでパルスしたT2細胞及びPD-L1陽性、HLA-A2陽性多発性骨髄腫細胞株U266を溶解させることを示す結果を示す図である。殺傷は、標準的な51Cr放出アッセイにより測定した。IFN-γでの処理は、PD-L1を上方制御し、骨髄腫細胞株の殺傷の増加への傾向を媒介する(平均及び標準偏差(SD))。 患者白血球アフェレーシス又は健常ドナーPBMCの刺激は、CD38陽性骨髄腫に対するダラツムマブのADCC効果を増強することを示す代表的な結果を示す図である。異なるMM患者からの白血球アフェレーシス生成物(白血球アフェレーシス(leukapharesis)1、9、11及び20)又は健常ドナーからのPBMC(HD-361、HD-382)を、示すようにIO103又はスクランブル化した対照ペプチドのいずれかを用いて刺激した。2日目に、IL-2を120U/mlで加えた。7日目に、白血球アフェレーシス生成物又はPBMCを洗浄し、計測し、CD38陽性細胞株RPMI-8226に対して+/-ダラツムマブで51Cr放出細胞傷害性アッセイにおいて示される比においてエフェクター細胞として使用した(平均及びSD)。 図5-1の続きである。 実施例についての試験デザインの構成の図解を示す図である。
当技術分野における特別な必要性に応じて、開示される製品及び方法について異なる用途が考案され得るものと理解される。また、本明細書で使用する用語は、本発明の特定の実施形態を記載することのみを目的とし、制限するようには意図されないと理解される。
更に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」には、記載内容が別途明確に規定しない限り、複数形の指示物が含まれる。従って、例えば、「阻害剤」への言及には、2つ以上のそのような阻害剤が含まれ、又は「オリゴヌクレオチド」への言及には、2つ以上のそのようなオリゴヌクレオチド等が含まれる。
用語「患者」及び「対象」は交換可能に使用され、典型的にはヒトを指す。
「ポリペプチド」は、2つ以上のサブユニットアミノ酸、アミノ酸類似物、又はその他のペプチド模倣物の化合物を指すように、本明細書では広義に使用される。用語「ポリペプチド」には、従って、短いペプチド配列、及びより長いポリペプチド、及びタンパク質も含まれる。本明細書で使用する場合、用語「アミノ酸」とは、D若しくはL光学異性体の両方を含む、天然及び/若しくは非天然のアミノ酸、又は合成アミノ酸、並びにアミノ酸類似物及びペプチド模倣物を指す。
本明細書で引用するすべての刊行物、特許、及び特許出願は、前出又は下記を問わず、本明細書により参照によりそのまま援用する。
免疫系チェックポイント
用語「免疫系チェックポイント」は、本明細書では、免疫エフェクター応答の阻害に利するようにバランスを変化させる任意の分子相互作用を指すのに使用される。すなわち、分子相互作用は、それが生ずる場合、免疫エフェクター細胞の活性化を負に制御する。そのような相互作用は、例えばリガンドと阻害性のシグナルをエフェクター細胞に伝達する細胞表面受容体の間の相互作用のように、直接的であり得る。或いは、例えば、リガンドと活性化シグナルをエフェクター細胞に別途伝達する細胞表面受容体の間の相互作用、又は阻害分子若しくは細胞の上方制御を促進する相互作用のブロック若しくは阻害、又はエフェクター細胞が必要とする代謝物を酵素により枯渇させること、又は任意のこれらの組合せのように間接的であり得る。
免疫系チェックポイントの例として、
a)PD1とPDL1、及び/又はPD1とPDL2の間の相互作用、
b)インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)又はトリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)とその基質(トリプトファン)の間の相互作用、
c)アルギナーゼ1(Arg1)又はアルギナーゼ2(Arg2)とその基質(アルギニン)の間の相互作用、
d)CTLA4とCD86、及び/又はCTLA4とCD80の間の相互作用、
e)B7-H3及び/又はB7-H4とそのそれぞれのリガンドの間の相互作用、
f)HVEMとBTLAの間の相互作用、
g)GAL9とTIM3の間の相互作用、
h)MHCクラスI又はIIとLAG3の間の相互作用、並びに
i)MHCクラスI又はIIとKIRの間の相互作用
が挙げられる。
チェックポイント(a)、すなわちPD1とそのリガンドPDL1及びPDL2のいずれかの間の相互作用が、本発明の目的のための好ましいチェックポイントである。PD1は、エフェクターT細胞上に発現される。いずれかのリガンドと結合すると、その結果、活性化を下方制御するシグナルが生ずる。リガンドは、いくつかの腫瘍により発現される。特にPDL1が、メラノーマを含む多くの固形腫瘍により発現される。これらの腫瘍は、従って、T細胞上の阻害性PD1受容体の活性化を通じて免疫媒介型抗腫瘍効果を下方制御する可能性がある。PD1とそのリガンドの一方又は両方の間の相互作用をブロックすることにより、免疫応答のチェックポイントが除去可能となり、抗腫瘍T細胞応答が増強される。本発明者らは、PDL1の免疫原性断片を含む免疫療法組成物を投与することによりPD1-PDL1相互作用を標的とすることは、予想外なことに、ADCC活性の増強を引き起こすことを示した。同じことは、PD1-PDL2相互作用がこのようにして標的とされる場合に予測することができ、類似の結果が、上に列記されるチェックポイントのいずれか1つを標的化することにより予測され得る。従って、PD1及びそのリガンドは、適する免疫療法組成物により本発明の方法において好適な標的となり得る免疫系チェックポイントの構成要素の例である。PDL1は、CD80及びPD1と相互作用するので、特に興味深い標的である。
本発明の目的のための別の好ましいチェックポイントは、チェックポイント(b)、すなわちIDO1又はTDOとその基質の間の相互作用である。このチェックポイントは、必須アミノ酸のトリプトファンを必要とする免疫系の細胞内代謝経路である。トリプトファンが欠損すると、その結果、エフェクターT細胞機能が全般的に抑制され、そしてナイーブT細胞の制御性(すなわち、免疫抑制的)T細胞(Treg)への変換が促進される。これはまた、ADCC活性を抑制し得る。タンパク質IDO1は、多くの腫瘍細胞において上方制御され、またトリプトファンレベルの低下に関係している。IDO1は、L-トリプトファンのN-ホルミルキヌレニンへの変換を触媒する酵素であり、従ってキヌレニン経路を経由するトリプトファン異化の最初の律速酵素である。TDOは同じステップを触媒する。従って、IDO1及びTDOは、免疫系チェックポイントの構成要素であり、それぞれは、適する免疫療法組成物により本発明の方法において好適な標的となり得る。
本発明の目的のための別の好ましいチェックポイントは、チェックポイント(c)、すなわちArg1又はArg2とその基質の間の相互作用である。アルギナーゼは、アミノ酸L-アルギニンをL-オルニチン及び尿素に変換する反応を触媒する酵素である。これは、アルギニンの微環境を枯渇させ、腫瘍特異的細胞傷害性T細胞応答を抑制させる。アルギナーゼ1活性の増加が、乳がん、肺がん、結腸がん又は前立腺がんを有する患者のがん細胞において検出されている。従って、Arg1及びArg2は、免疫系チェックポイントの構成要素であり、それぞれは、適する免疫療法組成物により本発明の方法において好適な標的となり得る。
本発明の目的のための別の好ましいチェックポイントは、チェックポイント(d)、すなわちT細胞受容体CTLA-4とそのリガンド、B7タンパク質(B7-1及びB7-2)の間の相互作用である。CTLA-4は、初期の活性化の後、T細胞表面上で通常上方制御され、そしてリガンドが結合すると、その結果、更なる/継続的な活性化を阻害するシグナルが生ずる。CTLA-4は、B7タンパク質への結合について、T細胞表面上でやはり発現しており、活性化を上方制御する受容体CD28と競合する。従って、CD28とB7タンパク質との相互作用ではなく、CTLA-4とB7タンパク質との相互作用をブロックすることにより、免疫応答の正常なチェックポイントの1つが除去可能となり、抗腫瘍T細胞応答の増強を引き起こす。これはまた、ADCC活性の増強を引き起こし得る。従ってCTLA4及びそのリガンドは、適する免疫療法組成物により本発明の方法において好適な標的となり得る免疫系チェックポイントの構成要素の例である。
免疫療法組成物
本発明の免疫療法組成物は、免疫系チェックポイント、好ましくは先行セクションに記載するようなチェックポイントの構成要素に対して免疫応答を引き起こす。構成要素は、典型的にはポリペプチドである。従って、免疫療法組成物は、前記構成要素を含み得るか、又はその免疫原性断片を含み得る。「免疫原性断片」は、本明細書では、前記免疫系チェックポイントの構成要素よりも短いが、前記構成要素に対する免疫応答を誘発する能力を有するポリペプチドを意味するのに使用される。
免疫系チェックポイントの構成要素に対して免疫応答を誘発する断片の能力(「免疫原性」)は、任意の適する方法により評価され得る。典型的には、断片は、前記構成要素に対して特異的なT細胞において、in vitroでの増殖及び/又はサイトカイン放出を誘導する能力を有し、前記細胞は、健常個体又は好ましくはがん患者などのドナーから採取されたリンパ球のサンプル内に存在し得る。増殖及び/又はサイトカイン放出は、ELISA及びELISPOTを含む任意の適する方法により評価され得る。例示的な方法は、実施例に記載する。好ましくは、断片は、構成要素特異的T細胞の増殖を誘導する、及び/又はそのような細胞に由来するインターフェロンガンマの放出を誘導する。
前記構成要素に対して特異的なT細胞において増殖及び/又はサイトカイン放出を誘導するために、断片は、それがT細胞に提示されるように、MHC分子に結合する能力を有さなければならない。換言すれば、断片は、前記構成要素の少なくとも1つのMHC結合エピトープを含む、又はそれからなる。前記エピトープは、MHCクラスI結合エピトープ又はMHCクラスII結合エピトープであり得る。断片が2つ以上のMHC結合エピトープを含む場合、前記エピトープのそれぞれは、異なるHLA-対立遺伝子から発現したMHC分子に結合し、これにより非近交系のヒト母集団から採取される対象のカバレッジ範囲が広がることが特に好ましい。
MHC結合は、in silicoでの方法の使用を含む、任意の適する方法により評価され得る。好ましい方法として、結合が参照ペプチドと比較して測定される競合的阻害アッセイが挙げられる。参照ペプチドは、典型的には、所与のMHC分子に対する強力なバインダーとして公知であるペプチドである。そのようなアッセイでは、ペプチドが、所与のHLA分子について、参照ペプチドの1/100未満のIC50を有する場合、ペプチドは所与のHLA分子について弱いバインダーである。ペプチドが、所与のHLA分子について、参照ペプチドの1/100以上、1/20未満のIC50を有する場合、ペプチドは中程度のバインダーである。ペプチドが、所与のHLA分子について、参照ペプチドの1/20以上のIC50を有する場合には、ペプチドは、強力なバインダーである。
MHCクラスIエピトープを含む断片は、HLA-A1、HLA-A2、HLA-A3、HLA-A11、及びHLA-A24からなる群から選択されるMHCクラスI HLA種、より好ましくはHLA-A3又はHLA-A2に結合するのが好ましい。或いは、断片は、HLA-B7、HLA-B35、HLA-B44、HLA-B8、HLA-B15、HLA-B27、及びHLA-B51からなる群から選択されるMHCクラスI HLA-B種に結合し得る。
MHCクラスIIエピトープを含む断片は、HLA-DPA-1、HLA-DPB-1、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRA、HLA-DRBからなる群から選択されるMHCクラスII HLA種、並びにこの群及びHLA-DM、HLA-DOのすべての対立遺伝子に結合するのが好ましい。
免疫療法組成物は、免疫系チェックポイントの構成要素の免疫原性断片を1つ含み得る、又は2つ以上のそのような断片の組合せを含み得るが、それぞれは、対象母集団のより大きな割合をカバーするために、少なくとも1つの異なるHLA分子と特異的に相互作用する。従って、例として、組成物は、例えば、対象母集団内でHLA表現型が優勢であることに対応するHLA-A分子及びHLA-B分子、例えば、HLA-A2及びHLA-B35等を含め、HLA-A分子により限定されたペプチドとHLA-B分子により限定されたペプチドの組合せを含み得る。更に、組成物は、HLA-C分子により限定されたペプチドを含み得る。
本発明の好ましい免疫療法組成物は、先行セクションに記載する免疫系チェックポイントの少なくとも1つに対して免疫応答を引き起こすのが好ましい。換言すれば、本発明の方法は、少なくとも1つの前記チェックポイントに対して免疫応答を引き起こす免疫療法組成物を投与するステップを含むのが好ましい。免疫療法組成物は、従って1つ以上のチェックポイントの構成要素に対するワクチンとして、及びより正確には前記1つ以上のチェックポイントの構成要素に対する免疫調節ワクチンとして代替的に記載され得る。
本発明の免疫療法組成物は、チェックポイントの構成要素又はその免疫原性断片を含み得る。前記断片は、前記構成要素の少なくとも8個、好ましくは少なくとも9個の連続したアミノ酸からなり得る。前記断片は、前記構成要素の最大50個の連続したアミノ酸、前記構成要素の最大40個の連続したアミノ酸、前記構成要素の最大30個の連続したアミノ酸、又は前記構成要素の最大25個の連続したアミノ酸からなり得る。従って、断片は、前記構成要素の8~50、8~40、8~30、8~25、9~50、9~40、9~30、又は9~25個の連続したアミノ酸を含み得る、又はそれからなり得る。断片は、前記構成要素の9~30個の連続したアミノ酸を含む、又はそれからなるのが好ましい。断片の前記連続したアミノ酸は、表1に提供する配列のいずれか1つを含む、又はそれからなるのが好ましい。従って、前記断片は、表1に提供する配列のいずれか1つを含み得る、又はそれからなり得る。前記断片は、表1において「*」の印をした配列のいずれか1つを含む、又はそれからなるのが好ましい。前記断片は、表1において「#」の印をした配列のいずれか1つを含む、又はそれからなるのが最も好ましい。
免疫療法組成物は、アジュバント及び/又は担体又は賦形剤を好ましくは含み得る。アジュバントは任意の物質であり、それを組成物と混合すると、組成物により誘発された免疫応答を高める、さもなければ改変する。アジュバントは、広義には、免疫応答を促進する物質である。アジュバントは、投与部位からの活性な薬剤の低速徐放も引き起こすという点において、好ましくはデポ効果も有し得る。アジュバントの一般的考察は、Goding、Monoclonal Antibodies: Principles & Practice(第2版、1986年)、61~63頁に提示されている。
アジュバントは、AlK(SO4)2、AlNa(SO4)2、AlNH4(SO4)、シリカ、ミョウバン、Al(OH)3、Ca3(PO4)2、カオリン、炭素、水酸化アルミニウム、ムラミルジペプチド、N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-DMP)、N-アセチル-ノルヌラミル(nornuramyl)-L-アラニル-D-イソグルタミン(CGP 11687、nor-MDPとも呼ばれる)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1'2'-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(CGP 19835A、MTP-PEとも呼ばれる)、2%スクアレン/ツイーン-80.RTM.エマルジョン中のRIBI(MPL+TDM+CWS)、リピドAを含むリポ多糖類及びその様々な誘導体、フロイント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント、メルクアジュバント65、ポリヌクレオチド(例えば、ポリIC酸、及びポリAU酸)、結核菌(Mycobacterium, tuberculosis)由来のワックスD、コリネバクテリウム・パルバム(Corynebacterium parvum)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、及びブルセラ属(genus Brucella)のメンバーに見出される物質、Titermax、ISCOMS、Quil A、ALUN(米国特許第58,767号及び同第5,554,372号を参照)、リピドA誘導体、コレラトキシン誘導体、HSP誘導体、LPS誘導体、合成ペプチドマトリックス又はGMDP、インターロイキン1、インターロイキン2、モンタニドISA-51、及びQS-21からなる群から選択され得る。様々なサポニン抽出物も、免疫原性組成物において、アジュバントとして有用であることが示唆されている。顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)もまた、アジュバントとして使用可能である。
本発明で使用される好ましいアジュバントとして、油性/界面活性剤に基づくアジュバント、例えばモンタニドアジュバント(ベルギーのSeppic社から入手可能)、好ましくはモンタニドISA-51等が挙げられる。その他の好ましいアジュバントは、細菌DNAに基づくアジュバント、例えばCpGオリゴヌクレオチド配列を含むアジュバント等である。なおもその他の好ましいアジュバントは、ウイルスdsRNAに基づくアジュバント、例えばポリI:C等である。GM-CSF及びイミダゾキニリン(Imidazochiniline)も、好ましいアジュバントの例である。
アジュバントは、モンタニドISAアジュバントが最も好ましい。モンタニドISAアジュバントは、モンタニドISA 51又はモンタニドISA 720が好ましい。
GodingのMonoclonal Antibodies: Principles & Practice(第2版、1986年)、61~63頁では、目的とする抗原が低分子量である、又は免疫原性に劣る場合、免疫原性の担体と連結させることが推奨されることについても指摘する。本発明の免疫療法組成物のポリペプチド又は断片は、担体と連結し得る。担体は、アジュバントとは独立して存在し得る。担体の機能は、例えば、活性又は免疫原性を高めるため、安定性を付与するため、生物活性を高めるため、又は血清半減期を延長するために、ポリペプチド断片の分子量を増加させることであり得る。更に、担体は、ポリペプチド又はその断片をT細胞に提示させるのに役立つ可能性がある。従って、免疫原性の組成物において、ポリペプチド又はその断片は、担体、例えば以下に記載するような担体等と会合し得る。
担体は、当業者に公知の任意の適する担体、例えば、タンパク質又は抗原提示細胞、例えば樹状細胞(DC)等であり得る。担体タンパク質として、スカシガイヘモシアニン、血清タンパク質、例えばトランスフェリン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、サイログロブリン、若しくはオバルブミン、免疫グロブリン等、又はホルモン、例えばインスリン等、又はパルミチン酸が挙げられる。或いは、担体タンパク質は、破傷風トキソイド又はジフテリアトキソイドであり得る。或いは、担体は、デキストラン、例えばセファロース等であり得る。担体は、ヒトにとって生理学的に許容され、また安全でなければならない。
免疫療法組成物は、薬学的に許容される賦形剤を任意選択で含み得る。賦形剤は、組成物のその他の成分と適合性を有し、及びそのレシピエントにとって有毒でないという意味において「許容性」でなければならない。補助剤、例えば、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝物質等は、賦形剤中に存在し得る。このような賦形剤及び補助剤は、一般的に、組成物を投与される個体において免疫応答を誘導しない医薬品であり、過度の毒性を伴わずに投与され得る。薬学的に許容される賦形剤として、液体、例えば水、生理食塩水、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、グリセロール、及びエタノール等が挙げられるが、但しこれらに限定されない。薬学的に許容される塩、例えば鉱酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩等、及び有機酸の塩、例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩等もその中に含まれ得る。薬学的に許容される賦形剤、媒体、及び補助剤の網羅的考察は、Remington's Pharmaceutical Sciences(Mack Pub. Co.、N.J. 1991年)において入手可能である。
免疫療法組成物は、ボーラス投与又は連続投与に適する形態で調製、包装、又は販売され得る。注入型組成物は、単位投与剤形、例えばアンプル等として、又は防腐剤を含有する複数回投与用容器に含めて調製、包装、又は販売され得る。組成物には、懸濁物、溶液、油性又は水性媒体中のエマルジョン、ペースト、及び埋込型徐放性又は生分解性製剤が含まれるが、但しこれらに限定されない。組成物の1つの実施形態では、有効成分を適する媒体(例えば、滅菌発熱性物質除去水)を用いて再構成した後に、再構成した組成物が投与されるように、乾燥形態で(例えば、粉末又は顆粒として)提供される。組成物は、注射可能な無菌の水性若しくは油性の懸濁物又は溶液の形態で調製、包装、又は販売され得る。この懸濁物又は溶液は、公知の技術に基づき製剤化され得るが、また有効成分に付加して追加の成分、例えば本明細書に記載するアジュバント、賦形剤、及び補助剤等を含み得る。そのような注射可能な無菌の製剤は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤、又は溶媒、例えば水若しくは1,3-ブタンジオール等を使用して調製され得る。その他の許容される希釈剤及び溶媒として、リンガー溶液、等張食塩水、及び不揮発性油、例えば合成モノ-又はジ-グリセリド等が挙げられるが、但しこれらに限定されない。有用であるその他の組成物として、有効成分を、微結晶形態で、リポソーム調製物中に、又は生分解性ポリマー系の構成要素として含む組成物が挙げられる。徐放性又は移植用の組成物は、薬学的に許容されるポリマー性又は疎水性の材料、例えばエマルジョン、イオン交換樹脂、やや溶けにくいポリマー、又はやや溶けにくい塩等を含み得る。或いは、組成物の有効成分は、カプセル化され得る、粒子状担体に吸着され得る、又はそれと会合し得る。適する粒子状担体として、ポリメチルメタクリレートポリマーに由来する担体、並びにポリ(ラクチド)及びポリ(ラクチド-co-グリコリド)に由来するPLG微粒子が挙げられる。例えば、Jefferyら、(1993年) Pharm. Res.、10巻:362~368頁を参照。その他の微粒子系及びポリマー、例えばポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、スペルミン、スペルミジン等のポリマー、並びにこのような分子のコンジュゲートも使用可能である。
抗体
本発明の方法で使用するための抗体は、疾患の治療として対象に投与される任意の抗体であり得、治療的利益の増加は、典型的には前記疾患に関するものである。抗体は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)により少なくとも部分的に媒介される治療効果を有することが実証されたものであるのが好ましい。抗体は、典型的には抗がん抗体である。抗がん抗体は、がんの治療を適応とする任意の抗体を意味する。そのような抗体は、典型的には、がん細胞の表面上に発現される抗原に特異的に結合する。抗原は、腫瘍抗原として記載され得る。
がんは、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、AIDS関連がん、AIDS関連リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、小児期小脳又は大脳星状細胞腫、基底細胞癌、肝臓外胆管がん、膀胱がん、骨がん、骨肉腫/悪性繊維性組織球腫、脳幹神経膠腫、脳がん、脳腫瘍、小脳星状細胞腫、脳腫瘍、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、脳腫瘍、上衣腫、脳腫瘍、髄芽腫、脳腫瘍、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、脳腫瘍、視覚路及び視床下部神経膠腫、乳がん、気管支腺腫/カルチノイド、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、胃腸カルチノイド腫瘍、未知原発癌、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、子宮頸がん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞性腫瘍、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、ユーイングファミリー腫瘍のユーイング肉腫、小児期頭蓋外生殖細胞腫瘍、性腺外生殖細胞腫瘍、肝臓外胆管がん、眼がん、眼内メラノーマ、眼がん、網膜芽腫、胆嚢がん、胃(Gastric)(胃(Stomach))がん、胃腸カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、又は卵巣の妊娠性絨毛腫瘍、脳幹部の神経膠腫、神経膠腫、小児大脳星状細胞腫、小児期視覚路及び視床下部神経膠腫、胃カルチノイド、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、視床下部及び視覚路神経膠腫、眼内メラノーマ、膵島細胞癌(内分泌性膵臓)、カポジ肉腫、腎臓がん(腎臓細胞がん)、喉頭がん、白血病、急性リンパ芽球性白血病(急性リンパ性白血病とも呼ばれる)、急性骨髄性白血病(Leukemia, acute myeloid)(急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia)とも呼ばれる)、慢性リンパ球性白血病(Leukemia, chronic lymphocytic)(慢性リンパ球性白血病(chronic lymphocytic leukemia)とも呼ばれる)、慢性骨髄性白血病(Leukemia, chronic myelogenous)(慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia)とも呼ばれる)、有毛細胞白血病、口唇及び口腔がん、脂肪肉腫、肝臓がん(原発性)、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(ホジキンを除くすべてのリンパ腫の旧分類)、原発性中枢神経系リンパ腫、マクログロブリン血症、ワルデンシュトレーム、骨/骨肉腫の悪性繊維性組織球腫、髄芽腫、メラノーマ、眼内(目の)メラノーマ、メルケル細胞癌、成人悪性中皮腫、中皮腫、原発不明の転移性扁平上皮性頸部がん、口腔がん、多発性内分泌腺腫症候群、多発性骨髄腫/血漿細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、成人急性骨髄性白血病、小児期急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫(骨髄のがん)、骨髄増殖性障害、鼻腔及び副鼻腔がん、鼻咽頭癌、神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、口咽頭がん、骨肉腫/骨の悪性繊維性組織球腫、卵巣がん、卵巣上皮がん(表面上皮間質腫瘍)、卵巣生殖細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓がん、膵臓がん、膵島細胞、副鼻腔及び鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体星状細胞腫、松果体胚細胞腫、松果体芽腫及びテント上未分化神経外胚葉性腫瘍、下垂体腺腫、血漿細胞新形成/多発性骨髄腫、肺胸膜芽細胞腫、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞癌(腎臓がん)、腎盂及び尿管、移行細胞がん、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、ユーイングファミリー腫瘍、カポジ肉腫、軟組織肉腫、子宮肉腫、セザリー症候群、皮膚がん(非メラノーマ)、皮膚がん(メラノーマ)、メルケル細胞皮膚癌、小細胞肺がん、小腸がん、軟組織肉腫、扁平細胞癌、原発不明転移性扁平上皮性頸部がん、胃がん、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉症及びセザリー症候群を参照)、精巣がん、咽頭がん、胸腺腫、胸腺腫及び胸腺癌、甲状腺がん、甲状腺がん、腎盂及び尿管の移行細胞がん、栄養膜腫瘍、尿管及び腎盂、移行細胞がん、尿道がん、子宮内膜子宮がん、子宮肉腫、膣がん、視覚路及び視床下部神経膠腫、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症並びにウィルムス腫瘍(腎臓がん)であり得る。
がんは、多発性骨髄腫、前立腺がん、乳がん、膀胱がん、結腸がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、肺がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、腎臓(腎臓細胞)がん、食道がん、甲状腺がん、皮膚がん、リンパ腫、メラノーマ又は白血病であるのが好ましい。
方法で使用するための抗体についての目的の抗原標的として、CD2、CD3、CD19、CD20、CD22、CD25、CD30、CD32、CD33、CD40、CD52、CD54、CD56、CD64、CD70、CD74、CD79、CD80、CD86、CD105、CD138、CD174、CD205、CD227、CD326、CD340、MUC16、GPNMB、PSMA、Cripto、ED-B、TMEFF2、EphA2、EphB2、FAP、avインテグリン、メソテリン、EGFR、TAG-72、GD2、CA1X、5T4、α4β7インテグリン、Her2が挙げられる。他の標的は、サイトカイン、例えば、インターロイキンIL-1~IL-13、腫瘍壊死因子α及びβ、インターフェロンα、β及びγ、腫瘍増殖因子ベータ(TGF-β)、コロニー刺激因子(CSF)及び顆粒球単球コロニー刺激因子(GMCSF)である。Human Cytokines: Handbook for Basic & Clinical Research (Aggrawalら編, Blackwell Scientific, Boston, MA 1991年)を参照。他の標的は、ホルモン、酵素、並びに細胞内及び細胞間メッセンジャー、例えば、アデニルシクラーゼ、グアニルシクラーゼ、及びホスホリパーゼCである。目的の他の標的は、白血球抗原、例えば、CD20、及びCD33である。
抗体は、アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アデカツムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ・ペゴール(Alacizumab pegol)、ALD518、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブ・ペンテテート、アマツキシマブ、アナツモマブ・マフェナトクス(Anatumomab mafenatox)、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アチヌマブ(Atinumab)、アトリズマブ(=トシリズマブ)、アトロリムマブ(Atorolimumab)、バピネウズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビマグルマブ、ビバツズマブ・メルタンシン(Bivatuzumab mertansine)、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブ・メルタンシン、カンツズマブ・ラブタンシン、カプラシズマブ、カプロマブ・ペンデチド、カルルマブ、カツマキソマブ、CC49、セデリズマブ、セルトリズマブ・ペゴール、セツキシマブ、Ch.14.18、シタツズマブ・ボガトクス(Citatuzumab bogatox)、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブ・テトラキセタン、コナツムマブ、コンシズマブ、クレネズマブ、CR6261、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デムシズマブ、デノスマブ、デツモマブ(Detumomab)、ドルリモマブ・アリトクス(Dorlimomab aritox)、ドロジツマブ、ドゥリゴツマブ(Duligotumab)、デュピルマブ、ドゥシギツマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ(Edobacomab)、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ(Efungumab)、エロツズマブ(Elotuzumab)、エルシリモマブ(Elsilimomab)、エナバツズマブ、エンリモマブ・ペゴール、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブ・シツキセタン(Epitumomab cituxetan)、エプラツズマブ、エルリズマブ、エルツマキソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボ
ロクマブ、エクスビビルマブ(Exbivirumab)、ファノレソマブ、ファラリモマブ(Faralimomab)、ファルレツズマブ(Farletuzumab)、ファシヌマブ、FBTA05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、フォントリズマブ、フォラルマブ(Foralumab)、フォラビルマブ(Foravirumab)、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ(Futuximab)、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ(Gavilimomab)、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブ・ベドチン(Glembatumumab vedotin)、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、GS6624、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ(Igovomab)、イムシロマブ(Imciromab)、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブ・ラブタンシン(Indatuximab ravtansine)、インフリキシマブ、インテツムマブ、イノリモマブ(Inolimomab)、イノツズマブ・オゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、ランパリズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ(Lemalesomab)、レルデリムマブ(Lerdelimumab)、レクサツムマブ、リビビルマブ(Libivirumab)、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロデルシズマブ(Lodelcizumab)、ロルボツズマブ・メルタンシン(Lorvotuzumab mertansine)、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マスリモマブ(Maslimomab)、マブリリムマブ、
マツズマブ、メポリズマブ、メテリムマブ(Metelimumab)、ミラツズマブ、ミンレツモマブ(Minretumomab)、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ(Morolimumab)、モタビズマブ、モキセツモマブ・パスドトクス(Moxetumomab pasudotox)、ムロモナブ-CD3、ナコロマブ・タフェナトクス(Nacolomab tafenatox)、ナミルマブ、ナプツモマブ・エスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブ・メルペンタン、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オズリモマブ(Odulimomab)、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ・モナトクス(Oportuzumab monatox)、オレゴボマブ、オルチクマブ(Orticumab)、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パギバキシマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ(Pemtumomab)、ペラキズマブ(Perakizumab)、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピナツズマブ・ベドチン(Pinatuzumab vedotin)、ピンツモマブ(Pintumomab)、プラクルマブ、ポラツズマブ・ベドチン、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリトキサキシマブ(Pritoxaximab)、プリツムマブ(Pritumumab)、PRO 140、キリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ(Radretumab)、ラフィビルマブ(Rafivirumab)、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ(Robatumumab)、ロレズマブ(Roledumab)、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルピリズマブ(Ruplizumab)、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブ・ペンデチド、セクキヌマブ、セリバンツマブ、セトキサキシマブ(Setoxaximab)、セビルマブ(Sevirumab)、シブロツズマブ(Sibrotuzumab)、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ(Solitomab)、ソネプシズマブ(Sonepcizumab)、ソンツズマブ(Sontuzumab)、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ(Suvizumab)、タバルマブ、タカツズマブ・テトラキセタン、
タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブ・パプトクス(Taplitumomab paptox)、テフィバズマブ、テリモマブ・アリトクス(Telimomab aritox)、テナツモマブ(Tenatumomab)、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、TGN1412、チシリムマブ(=トレメリムマブ)、チルドラキズマブ、チガツズマブ(Tigatuzumab)、TNX-650、トシリズマブ(=アトリズマブ)、トラリズマブ、トシツモマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS07、トレガリズマブ(Tregalizumab)、トレメリムマブ、ツコツズマブ・セルモロイキン(Tucotuzumab celmoleukin)、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バパリキシマブ(Vapaliximab)、バテリズマブ(Vatelizumab)、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ(Vepalimomab)、ベセンクマブ、ビジリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブ マホドチン(Vorsetuzumab mafodotin)、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ(Zatuximab)、ジラリムマブ(Ziralimumab)又はゾリモマブ・アリトクス(Zolimomab aritox)であり得る。
好ましい抗体として、ナタリズマブ、ベドリズマブ、ベリムマブ、アタシセプト、アレファセプト、オテリキシズマブ、テプリズマブ、リツキシマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、エプラツズマブ、アレムツズマブ、アバタセプト、エクリズマブ、オマリズマブ、カナキヌマブ、メプリズマブ(Meplizumab)、レスリズマブ、トシリズマブ、ウステキヌマブ、ブリアキヌマブ、エタネルセプト、インルフリキシマブ(Inlfliximab)、アダリムマブ、セルトリズマブ・ペゴール、ゴリムマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、イブリツモマブ、チウキセタン、トスチツモマブ(Tostitumomab)、セツキシマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、デノスマブ、イピリムマブ、ブレンツキシマブ及びベドチンが挙げられる。
本発明の方法で使用され得る特に好ましい抗体として、ダラツムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アベルマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、アレムツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トシツモマブ及びオファツムマブが挙げられる。ダラツムマブが特に好ましい。
抗体の治療的利益を向上させる方法
本発明は、抗体、好ましくは先行セクションに記載するような抗体の対象に対する利益を向上させる方法を提供する。向上した利益は、典型的には抗体のADCC効果の増加により媒介される。対象内のADCC応答のレベルは、任意の適する技術により決定され得る。そのような技術は、例えば、実施例に記載するようなCr51放出アッセイを使用して、又は適する蛍光標識、例えばカルセイン若しくはユウロピウム、又は溶解した細胞から放出される酵素の活性を検出する酵素アッセイを使用して、ADCC活性について対象から採取したサンプルを試験することを含み得る。
方法は、(a)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物を前記対象に投与するステップ、及び(b)前記抗体も対象に投与するステップを含む。ステップ(a)及びステップ(b)は、同時、別々又は連続的に実行され得る。
従って、本発明はまた、対象内のがんを予防又は治療する方法であって、
(i)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物、及び
(ii)前記疾患の治療用の抗体
を前記対象に投与するステップを含む方法を提供する。
本発明はまた、対象において疾患を治療する方法で使用するための、免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物であって、方法が、(i)前記組成物を対象に投与するステップ及び(ii)前記疾患の治療用の抗体を前記対象に投与するステップを含む、免疫療法組成物を提供する。
本発明はまた、対象において疾患を治療する方法で使用するための抗体であって、抗体が、前記疾患の治療のために適するものであり、かつ、方法が、(i)前記抗体を対象に投与するステップ及び(ii)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物を前記対象に投与するステップを含む、抗体を提供する。
本発明はまた、疾患の治療用の医薬の製造における、免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物の使用であって、医薬が、(i)前記医薬を対象に投与するステップ及び(ii)前記疾患の治療用の抗体を前記対象に投与するステップを含む方法で使用するためのものである、使用を提供する。
本発明はまた、疾患の治療用の医薬の製造における抗体の使用であって、抗体が、前記疾患の治療のために適するものであり、かつ、医薬が、(i)前記医薬を対象に投与するステップ及び(ii)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物を前記対象に投与するステップを含む方法で使用するためのものである、使用を提供する。
上記の各実施形態において、疾患は典型的にはがんである。
投与レジメン
本発明の方法において、免疫療法組成物及び抗体が、治療有効量で対象にそれぞれ投与される。物質の「治療有効量」とは、所与の物質が、疾患又はその症状のうちの1つ以上を治癒、緩和、又は部分的に阻止するのに十分な量で、対象に投与されることを意味する。そのような治療処置は、疾患症状の重症度の低下、又は症状を有さない頻度又は期間の増加を引き起こし得る。そのような治療は、固形腫瘍容積低下を引き起こす可能性がある。
疾患を予防するために、免疫療法組成物及び抗体が、予防上有効な量で対象にそれぞれ投与される。物質の「予防上有効な量」とは、所与の物質が、疾患と関連した症状のうちの1つ以上の発生又は再発を長期間防止するのに十分な量で対象に投与されることを意味する。
所与の目的及び所与の組成物又は薬剤における有効量は、疾患の重症度、並びに対象の体重及び全身状態に依存し、また医師により容易に決定され得る。
免疫療法組成物及び抗体は、同時に又は任意の順序で連続して投与され得る。しかるべき投与経路及び各投与量は、医師により決定され得るが、またそれに応じて組成物及び薬剤が製剤化される。
免疫療法組成物は、非経口経路、典型的には注射により投与されるのが典型的である。投与は、好ましくは皮下、皮内、筋肉内、又は腫瘍内の各経路を経由し得る。注射部位は、免疫原性を強化するために、例えばイミキモド又は類似した局所的アジュバントで事前治療され得る。本発明の免疫療法組成物を単回投与する際の、活性な薬剤として存在するポリペプチドの総量は、典型的には10μg~1000μg、好ましくは10μg~150μgの範囲である。
抗体は、全身用の輸液として、例えば静脈内に典型的には投与される。抗体のしかるべき投与量は、医師により決定され得る。抗体のしかるべき投与量は、対象の体重に典型的には比例する。
本発明の方法の典型的なレジメンは、免疫療法組成物及び抗体の両方の独立した複数回投与と関係する。それぞれは、2回以上、例えば2、3、4、5、6、7回以上等の回数、独立して投与され得る。免疫療法組成物が2回以上投与される場合、反復投与は得られる免疫応答を増進し得るので、増加した利益を特に提供し得る。組成物又は抗体の個々の投与は、医師により決定されるしかるべき間隔を置いて分離され得るが、間隔は典型的には1~2週間である。投与間の間隔は、治療コースの開始時において典型的には短めであり、そして治療コースの最後に向かって増加する。
例示的な投与レジメンは、例えば合計約4シリーズ、3週間毎に、体重1キログラム当たり3ミリグラムの用量の抗体の投与を含み、免疫療法組成物(典型的にはアジュバントを含む)も、腕部背後又は大腿部の前部の皮下に、右側及び左側を交互に繰り返しながら投与される。免疫療法組成物の投与は、第1シリーズの抗体と同時に開始することができ、組成物が合計約7回送達され、最初は毎週、合計4回、その後2週間毎に3回の追加投与が実施される。
別の例示的な投与レジメンは、2週間毎に(誘導)2.5ヶ月間、その後は毎月(維持)、免疫療法組成物(典型的にはアジュバントを含む)を皮下投与して対象を治療するステップを含む。イミキモド軟膏(Aldara、Meda AS、www.meda.se)が、組成物の投与前8時間において任意選択で投与される場合があり、皮膚の同一エリアに投与されるまで、皮膚がパッチで覆われる。
キット
本発明はまた、本発明の方法で使用するために適するキットであって、有効量の免疫療法組成物を含有する、キットを提供する。本発明のキットは、上記の任意の実施形態が実行されるのを可能とする1つ以上の他の試薬又は器具を追加的に含み得る。そのような試薬又は器具として、以下のうちの1つ以上が挙げられる:治療有効量の抗体、適する緩衝液(水溶液)、静脈内注入として薬剤を対象に投与するための手段(例えば、容器又は針を含む器具)。試薬は、液体サンプルが試薬を再懸濁するように、乾燥状態でキット内に存在し得る。キットはまた、任意選択で、キットが本発明の方法で使用されるのを可能とする説明書又はいずれの患者のために方法が使用され得るのかに関する詳細を含み得る。
本発明は、下記の実施例により説明される。
[実施例1]
序論
PDL1特異的T細胞の存在は、がん患者において、及びより低い程度で健常対象において以前に実証されている。PDL1 long1(IO103)ペプチドを用いたPBMCのin vitro刺激は、PDL1特異的T細胞の活性を増進して、骨髄腫細胞を含む様々ながん細胞の細胞傷害性殺傷を引き起こす。第I相臨床試験は、MMを有する患者において進行中である。
同様に、MMを有する患者は、PDL1特異的T細胞を頻繁に宿す。これらの患者からの白血球アフェレーシス生成物は、PDL1 long1ペプチド(IO103)の存在下でのin vitro刺激後に、IFNγ分泌PDL1特異的T細胞(ELISPOTにより検出される)を増殖させる。
以下の研究は、PDL1 long1を用いたワクチン接種が治療的抗体のADCC効果を増進できるかどうかを評価するために実行し、これは免疫療法組成物及び治療的抗体の組合せが高度に有益であり得ることの明確な表れを提供する。そのような組成物は典型的には極めて耐性良好(>グレード1の毒性を有しない)であるので、提案される強化は、治療的抗体、例えばダラツムマブの毒性を増加させないと思われる。
研究で使用するための例示的な治療用抗体としてダラツムマブを選択し、その理由は、それは既にFDA及びEMAにより承認されており、現在ではレナリドミド及びデキサメタゾンと組み合わせて与えられた場合に多発性骨髄腫(MM)のセカンドライン治療となっているからである。それは、強力な抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)及び補体依存性細胞傷害(CDC)活性を有するCD38に対するIgG1 mAbである。
材料及び方法
細胞
20人の多発性骨髄腫患者からの凍結保存された白血球アフェレーシス生成物及び健常ドナーからの凍結保存されたバフィーコートを、これらのアッセイで使用するために造血細胞培地(Lonza X-vivo)中で解凍した。解凍後、細胞を2時間静置し、計測した。白血球アフェレーシス生成物は、しかるべき倫理委員会の承認と共に得られた。すべての細胞を1.8mlのクライオバイアル中のFBS+10% DMSO中-150℃で凍結保存した。
PDL1の免疫原性断片(IO103)を用いたin vitro刺激
1日目:24ウェルプレートを、白血球アフェレーシス生成物からの細胞の6ウェル(約6×106細胞/ウェル、造血細胞培地中)及び健常ドナーバフィーコートからの細胞の6ウェル(約7×106細胞/ウェル、造血細胞培地)となるように調製した。各細胞型の3つのウェルをPDL1ペプチド断片IO103(10μM)とインキュベートし、3つのウェルをスクランブル化した対照ペプチド(10μM)とインキュベートした。ペプチドIO103は、PDLong1とも呼ばれ得る。
2日目:IL-2 120U/ml(プロロイキン、Novartis)をすべてのウェルに加えた。
8日目:各ウェルを2つに分けて、ELIPSOT試験用に保持した小サブサンプルを除いて、CTL媒介性細胞傷害についてのクロム51放出アッセイで試験するためのエフェクター細胞を提供した。各ウェルからの細胞の半分にはダラツムマブ(Janssen Oncology)(0.5μg/ml)を加え、半分にはそうしなかった。以下の細胞傷害アッセイの更なる詳細を参照。
ELISPOT試験を国際公開第2013/056716号の実施例1に記載されるように実行して、細胞が対照と比べてIO103ペプチドを用いた刺激に応答してIFN-gを放出するかどうかを決定した。このアッセイにおける陽性の結果を、ドナーにおけるPDL1特異的免疫応答の存在の表れとして把握した。ほとんどの白血球アフェレーシス生成物はPDL1特異的免疫応答を有した。一部の健常ドナーもまたPDL1特異的免疫応答を有した。
多発性骨髄腫腫瘍細胞株標的細胞に対するクロム51放出細胞傷害アッセイ
標的細胞として使用するためにRPMI-8226細胞(ATCCから:多発性骨髄腫細胞株:HLA-A2陰性、CD38陽性、PDL1陽性;この実施例においてRPMI-8266とも呼ばれ得る)を得た。
0.5×106個のRPMI-8266細胞をスピンダウンさせ、約100μlを残して上清を廃棄することにより標的細胞を事前に調製した。これらの細胞を次に51Crと37℃で60~90分間インキュベートした後、RPMI-1640+10% FCS中で2回洗浄し、やはりRPMI-1640+10% FCS中に再懸濁した。
洗浄した標的細胞を、様々なE:T比の+/-ダラツムマブでのin vitro刺激からの異なるエフェクター細胞と共に96ウェルプレート中に蒔いた。すべてを次に37℃で4hインキュベートした後、100μlの培地を吸引し、51Cr放出をガンマカウンター(Perkin Elmer)で計測した。
標的細胞のみへの100μlの10% Triton X-100の添加により最大51Cr放出を別々のウェルにおいて決定した。標的細胞のみへの100μlのR10の添加により自発的放出を別々のウェルにおいて決定した。
以下の式を使用して特異的溶解を算出した:((実験的放出-自発的放出)/(最大放出-自発的放出))×100。
結果
図1、図2及び図3は、独立した実験からの代表的な結果を提供する。発見の要約:
1. MM白血球アフェレーシス生成物は、PDL1ペプチドIO103を用いた刺激後のIFNγELISPOTアッセイにおいて測定可能なPDL1特異的応答を典型的には実証した。図1、下パネルからの代表的な結果を参照。
IO103を用いて刺激されかつダラツムマブ無しで試験された白血球アフェレーシス生成物の細胞は、対照ペプチドを用いて刺激されかつダラツマブ(daratumab)無しで試験された細胞よりもCr51アッセイにおいて有意に大きい細胞傷害性殺傷効果を典型的には実証した。細胞傷害性殺傷のレベルは、対照ペプチド刺激細胞+ダラツマムブ(daratumamb)を用いて達成されたものと同等であり、IO103単独での刺激は良好な細胞傷害性応答を誘導することを示す。この理由は、MM患者はMM特異的T細胞を宿し、いかなる抗体も存在しない中で相対的に大きい程度の標的細胞のT細胞殺傷を引き起こすからであり得る。しかしながら、最大レベルの細胞傷害性殺傷は、IO103を用いて刺激されかつダラツマムブ有りで試験された細胞において見られ、IO103刺激はまたダラツマムブのADCC活性を強化することを示す。図1、上パネルからの代表的な結果を参照。
2. 健常ドナーからのPBMCもまた、場合により、PDL1ペプチドIO103を用いた刺激後のIFNγ ELISPOTアッセイにおいて測定可能なPDL1特異的応答を実証する。図2、下パネルからの代表的な結果を参照。
これらのドナーからの細胞もまた、対照ペプチドと比べてIO103を用いた刺激後にダラツムマブのADCC効果の強化を示した。ダラツムマブの非存在下で、いずれかのペプチドを用いて刺激された細胞は、良好な殺傷レベルを実証しなかった。ダラツムマブ強化効果は、従って、MM患者と比較してこれらの健常ドナーにおいてより優勢な効果であり、健常ドナーはいかなるMM特異的T細胞も宿さないことを示唆する。図2、上パネルからの代表的な結果を参照。
3. 健常ドナーからのPBMCは、場合により、PDL1ペプチドIO103を用いた刺激後のIFNγ ELISPOTアッセイにおいて測定可能なPDL1特異的応答を実証しない。図3、下パネルからの代表的な結果を参照。
これらのドナーからの細胞は、対照ペプチドと比べてIO103を用いた刺激後にダラツムマブのADCC効果の強化を示さなかった。ダラツムアブ(daratumuab)の非存在下で、いずれかのペプチドを用いて刺激された細胞は、良好な殺傷レベルを実証しなかった。図3、上パネルからの代表的な結果を参照。
結論
この研究は、PDL1の免疫原性断片(IO103)を用いてエフェクター細胞を刺激することによるがん細胞のダラツムマブ媒介型殺傷の強化を実証する。これは、ダラツムマブと組み合わせて使用されるIO103を用いたワクチン接種は、ダラツムマブの効果を強化する簡便な方法を提供するのを示唆する。これはまた、免疫療法組成物/免疫調節ワクチンは一般に治療的抗体のADCC効果を強化し得るという原則の証明を提供する。
[実施例2]
MM患者及び健常ドナーから得られた白血球アフェレーシス生成物の更なるサンプルに対して追加の実験を実行した(実施例1における方法を参照)。骨髄腫細胞株U266及びRPMI-8226細胞株をAmerican Type Culture Collection(ATCC)から得、製造業者の説明書に従って培養した。ダラツムマブ及びIL2は、実施例1の通りに得た。
材料及び方法
ELISPOT
ELISPOTアッセイでは、実施例1の通りのIO103ペプチド(FMTYWHLLNAFTVTVPKDL;配列番号1)を使用した。ペプチドに対するインターフェロンガンマ(IFN-γ)-ELISPOTを、in vitroでの7日間のペプチドを用いた刺激後の白血球アフェレーシス生成物に対して行った。ELISPOT手順は、実施例1の通りに実行した。ELISPOTアッセイは、the Association for Cancer Immunotherapy(CIP)のガイドラインに従って行った。可能な場合、サンプルは3連で実行し、ペプチド刺激細胞及び陰性対照を、Moodieら、2012年(Response Determination Criteria for ELISPOT: Toward a Standard that Can Be Applied Across Laboratories. In: Methods in Molecular Biology. Vol 792; 2012年:185~196頁)に記載されるようなノンパラメトリックな分布フリーリサンプリング(distribution free resampling; DFR)試験を使用して比較した。サンプルの生存が2連の試験を可能とした場合、スチューデントのt検定を使用して結果を比較した。
細胞傷害性アッセイ
細胞傷害アッセイを実施例1の通りに行った。簡潔に述べれば、PD-L1に特異的なHLA-A2陽性CTLを解凍し、終夜静置し、異なるエフェクター対標的(E:T)細胞比で51Cr標識HLA-A2陽性U266骨髄腫細胞に対してエフェクター細胞として使用した。
ADCC
実施例1の通りに骨髄腫細胞株RPMI-8226を使用して51Cr放出細胞傷害性アッセイにおいてADCCを評価した。簡潔に述べれば、白血球アフェレーシス生成物又は健常ドナーPBMCを1日目に解凍し、2時間静置し、計測した。PD-L1 long1(10μM)又は対照スクランブル化ペプチド(10μM)を用いて3連で細胞を刺激した。2日目に、120U/mlのインターロイキン-2をウェルに加えた。8日目に、各ウェル中のサンプルを半分に分け、51Cr放出アッセイにおいてRPMI-8226+/-0.5μg/mlのダラツムマブに対してエフェクター細胞として使用した。白血球アフェレーシス生成物及び細胞株RPMI-8226は、マッチするHLA型を有しなかった。
結果及び考察
MM患者からの20の白血球アフェレーシス生成物のうち、19は解凍後に生存した。生存した白血球アフェレーシス生成物のうち、7つはPD-L1ペプチドに対して3連で見られたIFN-γ応答を有し、CIP及びMoodieら、2012年による応答の定義を満たした。不充分な生存に起因して、10のサンプルは2連の実験で分析した。これらのうち、6つは2連での実行に起因して応答の標準的な定義を満たさない応答の明確な徴候を示した(図4A)。従って、患者サンプルの大部分は、PD-L1に対する自発的なIFN-γ応答を示した。
PD-L1特異的CTLは、HLAマッチの骨髄腫細胞株U266に対して細胞傷害性であった。IFN-γはPD-L1発現の主要な誘導物質であり、U266細胞上のPD-L1を上方制御することが示されている。U266細胞をIFN-γを用いて前処理した場合、細胞はPD-L1特異的CTLによる殺傷に対してより感受性であった(図4B)。
PD-L1ペプチドを用いた白血球アフェレーシス生成物の刺激及びRPMI-8226+/-ダラツムマブに対するエフェクター細胞としてのこの培養物のその後の使用は、ダラツムマブ活性を頻繁に強化した。これは、MM患者からの白血球アフェレーシス生成物及び健常ドナーからのPBMCにおいて見られた(図5)。白血球アフェレーシス生成物はRPMI-8226にHLAマッチしなかったので、細胞傷害に対する最大の寄与は、NK細胞、すなわちADCCに帰せられる可能性がある。興味深いことに、ダラツムマブ活性の強化は、IO103に対するIFN-γ ELISPOTアッセイにより立証されるように、白血球アフェレーシス生成物又はHD PBMCがPD-L1特異的細胞を含有する場合にのみ見られた(実施例1を参照)。
それゆえ、この研究は実施例1の結果を裏付ける。すなわち、それは、骨髄腫を有する患者がPD-L1特異的T細胞を宿すこと及びMM細胞がPD-L1特異的T細胞による細胞傷害性殺傷の標的であることを示す。更には、PD-L1特異的T細胞は、ダラツムマブの活性を増強することができる。実施例1と共に、これは、ペプチドワクチンがヒトモデルにおいてモノクローナル抗体のADCCを増進できることの最初の証拠であると考えられる。
ワクチンは一般に投与が容易であり、非常に限定された毒性を有することを考慮すると、別の薬剤、特に抗がん抗体、例えばダラツムマブとの免疫療法ワクチンの組合せは顕著な可能性を有する。
以下、本発明の実施形態を示す。
(1)対象に対する抗体の治療的利益を増加させる方法であって、(a)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物を前記対象に投与するステップ、及び(b)前記抗体も前記対象に投与するステップを含む、前記方法。(2)前記チェックポイントが、
a)PD1とPDL1の間の相互作用、又は
b)インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)又はトリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)とその基質(トリプトファン)の間の相互作用
から選択される、(1)記載の方法。
(3)前記組成物が、表1における配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含む、(1)又は(2)記載の方法。
(4)前記組成物が、配列番号1、2、3、4、5、6、12、14、17、19、21、48又は49の配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含む、(1)~(3)のいずれか1記載の方法。
(5)前記組成物が、配列番号1、2、又は21の配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含む、(1)~(4)のいずれか1記載の方法。
(6)前記抗体が抗がん抗体である、(1)~(5)のいずれか1記載の方法。
(7)前記抗体が、ダラツムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アベルマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、アレムツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トシツモマブ、又はオファツムマブである、(1)~(6)のいずれか1記載の方法。(8)前記組成物が、配列番号1、2、又は21の配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含み、且つ前記抗体がダラツムマブを含む、(1)~(7)のいずれか1記載の方法。
(9)ステップ(a)及びステップ(b)が、同時、別々又は連続的に実行される、(1)~(8)のいずれか1記載の方法。
(10)前記対象において、前記抗体単独による治療に感受性である疾患を治療するための、(1)~(9)のいずれか1記載の方法。
(11)前記疾患ががんである、(10)記載の方法。
(12)対象内のがんを予防又は治療する方法であって、
(i)(1)~(11)のいずれか1記載の免疫療法組成物、及び
(ii)抗がん抗体、例えば、ダラツムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アベルマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、アレムツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トシツモマブ、又はオファツムマブ
を前記対象に投与するステップを含む、前記方法。
(13)前記組成物が、配列番号1、2、又は21の配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含み、且つ前記抗体がダラツムマブを含む、(12)記載の方法。
本発明は、下記の実施例により説明される。

Claims (13)

  1. 対象に対する抗体の治療的利益を増加させる方法であって、(a)免疫系チェックポイントの構成要素、又は前記構成要素の免疫原性断片を含む免疫療法組成物を前記対象に投与するステップ、及び(b)前記抗体も前記対象に投与するステップを含む、前記方法。
  2. 前記チェックポイントが、
    a)PD1とPDL1の間の相互作用、又は
    b)インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO1)又はトリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)とその基質(トリプトファン)の間の相互作用
    から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 前記組成物が、表1における配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記組成物が、配列番号1、2、3、4、5、6、12、14、17、19、21、48又は49の配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含む、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記組成物が、配列番号1、2、又は21の配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含む、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記抗体が抗がん抗体である、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記抗体が、ダラツムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アベルマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、アレムツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トシツモマブ、又はオファツムマブである、請求項1~6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記組成物が、配列番号1、2、又は21の配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含み、且つ前記抗体がダラツムマブを含む、請求項1~7のいずれか1項記載の方法。
  9. ステップ(a)及びステップ(b)が、同時、別々又は連続的に実行される、請求項1~8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記対象において、前記抗体単独による治療に感受性である疾患を治療するための、請求項1~9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記疾患ががんである、請求項10記載の方法。
  12. 対象内のがんを予防又は治療する方法であって、
    (i)請求項1~11のいずれか1項記載の免疫療法組成物、及び
    (ii)抗がん抗体、例えば、ダラツムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アベルマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、アレムツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、トシツモマブ、又はオファツムマブ
    を前記対象に投与するステップを含む、前記方法。
  13. 前記組成物が、配列番号1、2、又は21の配列のいずれか1つを含む、又はそれから成る免疫原性断片を含み、且つ前記抗体がダラツムマブを含む、請求項12記載の方法。
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