JP2024015982A - 外科用機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】人工膝関節置換術に使用する、大腿骨側に固定された基準コンポーネントに基づいて、脛骨切断ブロックの位置決めを改善することができる外科用機器を利用可能にする。【解決手段】外科用機器であって、遠位大腿骨に取り付けられた基準コンポーネントに取り外し可能に締結されるように構成された第1の締結装置と、脛骨切断ブロックに取り外し可能に締結されるように構成された第2の締結装置と、一端が第1の締結装置に接続され、他端が第2の締結装置に接続される円弧ガイドと、第1の締結装置に対して直線的に移動可能であり、円弧ガイドが、一端において第1の締結装置に接続され、第1の締結装置に対して直線的に移動可能である、第1の直線ガイドと、第2の直線ガイドであって、前後方向に細長い第2の案内経路に沿って、円弧ガイドに対して直線的に移動可能である、第2の直線ガイドと、を備える、外科用機器。【選択図】図1

Description

本発明は、人工膝関節置換術に使用する外科用機器に関する。
損傷したり摩耗したりした天然の骨構造の人工置換物としての整形外科用人工関節の使用は、一般的な医療行為である。特に人工股関節置換術や人工膝関節置換術は、現在では整形外科手術において日常的なものとなっている。
人工膝関節置換術、または人工膝関節全置換術(TKA)は、病気や怪我等により摩耗し、あるいは影響を受けた大腿骨及び/又は脛骨の関節面を人工膝関節で置き換えるものである。このような人工膝関節は通常、大腿骨の遠位端に移植される大腿骨コンポーネントと、脛骨の近位端に移植される脛骨コンポーネントを含む。人工関節が適切に機能することを保証するために、前述のコンポーネントは、患者の解剖学的構造および患者の体軸に対する位置および方向に関して、定められた位置および方向に可能な限り正確に配置されなければならない。そうでなければ、患者にとって不満足な結果が予想される。コンポーネントの位置決めに関しては、様々な外科的アプローチが存在する。
これまで主に使用されてきた、機械的位置合わせとして知られるアプローチでは、人工膝関節の人工関節軸の位置および方向は、患者の整形外科的変形を考慮せず、機械的に理想的になるように提供されてきた。多くの場合、脛骨の長手方向軸が位置決めおよび方向決めの基準軸として使用されてきた。臨床研究によると、機械的位置合わせアプローチは、人工膝関節の機能を不自然に感じさせる可能性があることを明らかにした。
さらなるアプローチは、いわゆる運動学的位置合わせである。この技術では、大腿骨コンポーネントと脛骨コンポーネントが、患者の整形外科的変形を考慮して位置決めされる。その目的は、変形によって影響を受け得る患者の自然な関節の向きを、回復させることである。臨床研究によると、運動学的位置合わせアプローチは、患者の満足度向上につながることが多いことが明らかになった。特に、人工膝関節の機能が、より自然なものとして患者に認識される。
患者の満足度をさらに向上させるためには、運動学的位置合わせを実施するための最も正確で使いやすく、費用対効果の高い外科用機器が根本的に必要とされている。
本発明は、このような外科用機器に関し、より詳細には、脛骨切断ブロックを近位脛骨上に位置決めするための外科用機器に関する。このような機器は、トランスファーツールまたは脛骨トランスファーツールとも呼ばれ、大腿骨側で既に決定された内反/外反位置合わせ(以下、V/Vアライメント)を脛骨に反映することを可能にする。この種の様々な器具が、従来技術から知られている。
例えば、英国登録特許第2558543号は延長アームを備えた器具を開示する。延長アームは一端において大腿骨基準コンポーネントに取り付けることができる。基準コンポーネントは特にV/Vアライメントを規定する。V/Vアライメントは、延長アームを用いて近位脛骨に反映することができる。延長アームの長さは、脛骨切断ブロック、ひいては近位脛骨切断(以下、脛骨切断高さ)の近位遠位位置を規定する。この反映は伸展位置、すなわち脚を伸ばした状態で行われる。
別の機器が米国出願公開特許第2019/0336141号から知られており、一端においてフォー・イン・ワン(4in1)大腿骨切断ブロックに、他端において脛骨切断ブロックに取り付けることができる。脛骨切断高さを調整するために、公知の機器は一種の直線ガイドを備えている。この適用は屈曲位置、すなわち脚を曲げた状態で行われる。
米国特許第10,709,458号は、伸展位置または屈曲位置での反映を可能にする、さらなるトランスファーツールを開示する。
本発明の目的は、従来技術を凌駕する利点を提供し、特に、大腿骨側に固定された基準コンポーネントに基づいて、脛骨切断ブロックの位置決めを改善することができる外科用機器を利用可能にすることである。
この目的は、請求項1の特徴を備えた外科用器具を利用可能にすることによって達成される。
本発明による外科用機器は、遠位大腿骨に取り付けられた基準コンポーネントに取り外し可能に取り付けるように構成された第1の締結装置と、第1の締結装置から遠位方向に間隔をおき、近位脛骨の切断を案内するための脛骨切断ブロックに取り外し可能に取り付けるように構成された第2の締結装置と、一端が第1の締結装置に接続され、他端が第2の締結装置に接続される円弧ガイドであって、これにより、第2の締結装置が円弧状に細長い案内経路(すなわち、円弧状案内経路)に沿って矢状ガイド面内で案内され、第1の締結装置に対して直線的に移動可能である、円弧ガイドと、第1の直線ガイドであって、これにより、円弧ガイドは、一端において第1の締結装置に接続され、前後方向に細長い第1の案内経路に沿ってガイド面内で案内され、第1の締結装置に対して直線的に移動可能である、第1の直線ガイドと、第2の直線ガイドであって、これにより、第2の締結装置は、他端において円弧ガイドに接続され、前後方向に細長い第2の案内経路に沿って、ガイド面E内で案内され、円弧ガイドに対して直線的に移動可能である、第2の直線ガイドと、を備える。本発明による外科用機器は、脛骨切断ブロックの位置決めを改善することができる。位置決めの改善は、円弧ガイド、第1の直線ガイドおよび第2の直線ガイドの協働によって達成される。外科用機器の使用において、第1の締結装置は、大腿骨側に取り付けられた基準コンポーネントに取り外し可能に取り付けられ、脛骨切断ブロックは、第2の締結装置に取り外し可能に取り付けられる。基準コンポーネントは、例えば、大腿骨の遠位切断案内用の遠位大腿骨切断ブロックなどである。基準コンポーネントも脛骨切断ブロックも、本発明による外科用機器の構成要素ではない。円弧ガイドは、第2の締結装置が第1の締結装置に対して案内され円弧状に移動することを可能にする。外科用機器の使用において、円弧ガイドは、結果として、このように案内された脛骨切断ブロックの大腿骨側基準コンポーネントに対する相対移動を可能にする。これにより、ガイド面における脛骨切断ブロックの傾きを調整することができる。ガイド面は矢状面に位置合わせされており、従って、前後方向および近位遠位方向に延びる。前述の傾斜は、後方傾斜または前方傾斜とも呼ばれる。脛骨切断ブロックの傾斜(以下、勾配と省略)の調整可能性により、まず、手術前に決定されたパラメータへの適応が可能になる。第2に、脚の実際の屈曲位置または伸展位置を考慮し、円弧ガイドの可動性によって補うことができる。円弧ガイドは、第1の案内経路に沿って第1の締結装置に対して移動可能である。これにより、第1の締結装置、ひいては基準コンポーネントに対する円弧状案内経路の前後方向の位置を変更し、患者の解剖学的構造に適合させることができる。理想的には、円弧状案内経路の位置は、その円の中心点が脛骨の機械的軸上にくるように調整される。これにより、勾配の調節が同時に脛骨切断ブロックの近位遠位位置、ひいては脛骨切断高さの望ましくない変化につながらないことが保証される。第2の締結装置は、第2の案内経路に沿って円弧ガイドに対して相対的に移動可能である。これにより、第2の締結装置の前後位置、ひいては脛骨切断ブロックの前後位置を、円弧状案内経路の前後位置の望ましくない変化なしに、患者の解剖学的構造、特に脛骨のサイズに適合させることができることが保証される。
本明細書で使用される位置および方向の指定は、患者の身体、特に大腿骨に関連し、通常の解剖学的意味に従って理解される。従って、「前方」は前方、または前方にあることを意味し、「後方」は後方、または後方にあることを意味し、「内側」は内側、または内側にあることを意味し、「外側」は外側、または外側にあることを意味し、「近位」は身体の中心に向かっていることを意味し、「遠位」は身体の中心から離れていることを意味する。さらに、「近位遠位」とは、近位遠位軸に沿って、好ましくはそれに平行であり、「前後」とは、前後軸に沿って、好ましくはそれに平行であり、「内外」とは、内外軸に沿って、好ましくはそれに平行である、という意味である。前述の軸は、互いに直交し、もちろん、患者の解剖学的構造とは関係のないX、YおよびZ軸に関連して理解することができる。例えば、近位遠位軸は、代替的にX軸と呼ぶことができる。内外軸はY軸と呼ぶことができる。前後軸はZ軸と呼ぶことができる。この指定の明瞭性及び簡便性を向上させるために、前述の解剖学的位置及び方向の指定が、主に以下において使用される。
一実施形態では、アライメントロッドが設けられ、脛骨の前縁と位置合わせするように構成され、アライメントロッドは、ガイド面に対して直交する回動軸を中心として第2の締結装置に対して回動可能であるように、一端において第2の締結装置に取り付けられている。アライメントロッドは、脛骨前縁とも呼ばれ得る前述の前縁を参照することができる。勾配(脛骨切断の前方または後方の傾斜)は、多くの場合、脛骨前縁に関連して手術前に決定される。アライメントロッドにより、脛骨前縁に対する勾配をシンプルに監視できる。アライメントロッドは、第1の端部と第2の端部の間で細長い。第1の端部は、第2の締結装置に回動可能に取り付けられている。第2の端部は、第2の締結装置から遠位方向を向いている。
一実施形態では、第1の指標装置が設けられ、第1の指標装置は、円弧状の案内経路に対する第2の締結装置の第1の角度位置を表示するように構成され、及び/又は、第2の指標装置が設けられ、第2の指標装置は、回動軸に対するアライメントロッドの第2の角度位置を表示するように構成されている。第1の指標装置は、第1の締結装置と第2の締結装置との間の相対的な矢状傾斜を表示する。第1の締結装置が大腿骨側に取り付けられ、脛骨切断ブロックが第2の締結装置に取り付けられた状態で外科用機器が使用される時、第1の指標装置は、脛骨切断ブロックの勾配を表示し、したがって脛骨切断の傾斜も示す。第2の指標装置は、アライメントロッドと第2の締結装置との間の相対的な矢状傾斜を表示する。外科用機器の使用中、屈曲/伸展位置の偏差は、第2の指標装置によって決定することができる。決定された偏差は、その後、勾配を対応して調整することによって補うことができる。このため、まず勾配を0°に設定する。これは、第2の締結装置を、円弧状に細長い案内経路に沿って対応して移動させることによって行うことができる。この後、アライメントロッドを脛骨前縁に平行に位置合わせすることができる。この場合、得られた第2の角度位置は、第2の指標装置によって表示される。その後、第1の角度位置を第2の角度位置の値で補正することができる。この結果、正確な伸展からの起こりうるずれに関係なく、実際の勾配は0°となる。その後、勾配を手術前に定義した値に再調整することができる。好ましくは、第1の指標装置は円弧ガイド上に設けられた目盛りである。好ましくは、第2の指標装置は、アライメントロッド及び/又は第2の締結装置に配置された目盛りである。好ましくは、目盛りはそれぞれ、各角度位置を表示及び/又は読み取るための読取マークおよび目盛り線を有する。あるいは、第1の角度位置及び/又は第2の角度位置が、この目的に適したセンサによって検出され、デジタル表示されることも考えられる。従って、第1の指標装置及び/又は第2の指標装置をディスプレイとして構成することもできる。
一実施形態では、円弧ガイドが、少なくとも1つの湾曲したガイドロッドと、ガイドロッドが摺動可能に案内されて収容されるガイドレセプタクルとを有し、ガイドレセプタクルが第1の直線ガイドに接続され、ガイドロッドが第2の直線ガイドに接続されるか、またはその逆である。ガイドロッドは、近位遠位方向に略細長く、内外方向に向けられた視線方向に対して、後方に凹状に、及び/又は前方に凸状に湾曲している。ガイドロッド及び/又はガイドレセプタクルの湾曲は、円弧状に細長い案内経路を規定する。ガイドレセプタクルについても同様である。ガイドロッドの長手方向軸を中心とする不要な回転を避けるために、ガイドロッドは好ましくは非回転対称の断面を有する。同じことが、ガイドロッドが収容されるガイドレセプタクルにも適用される。一実施形態では、ガイドレセプタクルは第1の直線ガイドに接続され、ガイドロッドは第2の直線ガイドに接続される。さらなる実施形態では、ガイドロッドは第1の直線ガイドに接続され、ガイドレセプタクルは第2の直線ガイドに接続される。
一実施形態において、ガイドレセプタクルが第1の直線ガイドに接続され、ガイド要素、特に円筒要素または円筒レセプタクルを有すること、及び/又は、ガイドロッドが第2の直線ガイドに接続され、ガイド要素、特にスロットガイドブロック又はスロットガイド溝を有する。ガイドレセプタクルは、第1の直線ガイドの前述のガイド要素に相対的に固定的及び/又は不動に連結される。一実施形態では、第1の直線ガイドのガイド要素は円筒要素であり、更なる実施形態では、円筒要素は第1の案内経路に沿って摺動可能に案内される円筒レセプタクルである。ガイドロッドは、第2の直線ガイドの前述のガイド要素に相対的に固定的及び/又は不動に連結される。一実施形態では、第2の直線ガイドのガイド要素はスロットガイドブロックであり、さらなる実施形態では、スロットガイドブロックが第2の案内経路に沿って摺動可能に案内される、スロットガイド溝である。
一実施形態では、第1の直線ガイドが、円筒ガイドであり、少なくとも1つの前後方向に細長い円筒要素と、円筒要素が摺動可能に案内されて収容される円筒レセプタクルとを備える。円筒要素及び/又は円筒レセプタクルの長手方向延長部は、第1の案内経路を画定する。円筒ガイドにより、円弧ガイドを第1の締結装置に対して、従って外科用器具の使用においては基準コンポーネントに対して、摺動可能に相対変位させることができる。第1の直線ガイドのこの実施形態は、特に頑丈で正確である。円筒要素及び/又は円筒レセプタクルの長手方向軸を中心とする不要な回転を回避するために、円筒要素は好ましくは非回転対称断面を有する。同じことが好ましくは円筒レセプタクルにも適用される。あるいは、円筒要素及び/又は円筒レセプタクルは、円形の断面を有することができる。この場合、長手方向軸を中心とする不要な回転を防止するために、円筒ガイドは、好ましくは、中外方向に間隔をおいて配置された2つの円筒要素および円筒レセプタクルを有する。
一実施形態では、円筒要素が第1の締結装置に不動に連結され、円筒レセプタクルが円弧ガイドに、好ましくはそのガイドレセプタクルに不動に連結されている。これにより、外科用器具の構造がさらに簡略化される。
一実施形態では、第2の直線ガイドがスロットガイド機構であり、スロットガイドブロックと、スロットガイドブロックが摺動可能に案内されて収容される、前後方向に細長いスロットガイド溝とを有する。このスロットガイド溝が第2案内経路を画定する。第2の直線ガイドは、第2の締結装置とともに円弧状の案内経路に沿って移動可能であるため、細長いスロットガイド溝の向きは、それに応じて変化する。スロットガイド溝の向きは、円弧状案内経路に沿った第2の締結装置の位置に関係なく、少なくとも実質的に前後方向である。
一実施形態では、スロットガイドブロックが円弧ガイド、好ましくはそのガイドロッドに不動に連結され、スロットガイド溝が第2の締結装置に形成されている。これにより、外科用器具の構造をさらに簡略化できる。好ましくは、スロットガイドブロックは、第1の締結装置から離れる方向を向いたガイドロッドの端部に配置及び/又は形成される。好ましくは、スロットガイドブロックは、ガイドロッドの前述の端部に一体的に形成される。
一実施形態では、第1の締結装置が、基準コンポーネントの相補的な基準形状に取り外し可能に差し込まれるように構成された少なくとも1つの差込要素を備える。これにより、第1の締結装置は、特に簡単な方法で、基準コンポーネントに取り外し可能に取付される。一実施形態では、基準コンポーネントは、遠位大腿骨を切断するときに鋸刃を受け入れて案内するように構成された遠位大腿骨切断ブロックである。この目的のために、大腿骨切断ブロックは、前述の鋸刃のための少なくとも1つの受け入れスロットを有する。好ましくは、少なくとも1つの差込要素は、ガイドスロットに差し込まれるように適合されている。この実施形態では、ガイドスロットが相補的な基準形状を形成する。
一実施形態において、第2の締結装置は本体を備え、本体には、この目的のために設けられた、脛骨切断ブロックの取付部に取り外し可能に取付するために構成された取付要素と、第2の直線ガイドのガイド要素、好ましくはそのスロットガイド溝と、アライメントロッドが配置される。これにより、外科用機器の構造がさらに簡素化される。異なる実施形態では、取付要素は異なる設計であり、例えば、脛骨切断ブロックに取り外し可能に取付するためのクランプ要素、ラッチ要素、差込要素および/またスナップフィット要素であってもよい。一実施形態では、取付要素は、取付位置と解除位置との間で本体に対して変位可能である。取付位置では、第2の締結装置と脛骨切断ブロックは、取付要素によって互いに取り外し可能に連結される。解除位置では、第2の締結装置は脛骨切断ブロックから取り外され、その逆も同様である。アライメントロッドは、回動軸を中心に相対的に回動可能なように本体に取り付けられている。先の実施形態の1つによる回動軸に対するアライメントロッドの第2の角度位置を表示するための第2の指標装置があれば、好ましくは、前述の指標装置は、本体及び/又はアライメントロッド上に目盛りとして配置される。
一実施形態では、固定装置が設けられ、固定装置は円弧ガイドの可動性を固定するために構成されている。固定装置によって、第2の締結装置は、第1の締結装置に対して円弧状案内経路に沿って不動に固定することができる。これにより、円弧状案内経路に沿った第2の締結装置の不必要な変位が防止される。外科用機器を使用する際、固定装置は勾配が意図せず調整されることを妨げる。固定装置は、円弧状ガイドの異なる構成要素及び/又は部分の間で形状適合及び/又は力嵌めによりに作用する。円弧ガイドがガイドロッドとガイドレセプタクルを有する場合、固定装置によって、前述の構成要素を互いに相対的に固定することができる。
本発明はさらに、先の説明による外科用機器と、外科用機器の第1の締結装置に取り外し可能に取り付けられた基準コンポーネントと、外科用機器の第2の締結装置に取り外し可能に取り付けられた脛骨切断ブロックと、を備える外科用機器システムに関する。
本発明のさらなる利点および特徴は、特許請求の範囲、および図面を参照して説明する本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
図1は、本発明による外科用機器の手術中における実施形態を示す概略側面図であり、手術中において、外科用機器は一端において遠位大腿骨切断ブロックに、他端において近位脛骨切断ブロックに取り外し可能に締結されている。
図2は、図1に示した手術中の状況の概略透視図である。
図3は、図1および図2に示した手術中の状況のさらなる概略透視図である。
図4は、手術中の状況を概略側面図で表す。
図5は、さらなる手術中の状況における、外科用機器の概略側面図であり、外科用機器によって脛骨切断ブロックが矢状傾斜に位置合わせされている。
図1~図5にあるように、人工膝関節置換術で使用するための外科用機器1が提供される。この外科用機器1は、反映ツールまたは脛骨反映ツールと称されてもよく、近位脛骨T上の脛骨切断ブロック700を参照によって位置決めするために使用される。遠位大腿骨F上に既に配置されている遠位大腿骨切断ブロック600は、脛骨切断ブロック700の位置決めの基準として使用される。大腿骨切断ブロック600及び脛骨切断ブロック700は、いずれも外科用機器1の一部ではない。外科用機器1は、後により詳細に説明する方法で、一方が大腿骨切断ブロック600に、他方が脛骨切断ブロック700に、取り外し可能に接続することができる。外科用機器1は、2つの切断ブロック600,700とともに、外科用機器システム10を形成する。外科用機器1は、第1の締結装置100と、第2の締結装置200と、円弧ガイド300と、第1の直線ガイド400と、第2の直線ガイド500と、を有する。
第1の締結装置100は、遠位大腿骨切断ブロック600に取り外し可能に締結されるように構成される。この点で、大腿骨切断ブロック600は、脛骨切断ブロック700の位置および配列を参照するための基準コンポーネントとして機能する。
第2の締結装置200は、第1の締結装置100から遠位方向に間隔をあけて配置され、脛骨切断ブロック700に取り外し可能に締結されるように構成されている。
円弧ガイド300は、一端が第1の締結装置100に接続され、他端が第2の締結装置200に接続されている。この接続はいずれも間接的である。この場合、一方の端部では、円弧ガイド300は、第1の直線ガイド400によって第1の締結装置100に接続されている。他端では、円弧ガイド300は、第2の直線ガイド500によって第2の締結装置200に接続されている。円弧ガイド300は、長手方向に円弧状に延びる案内経路Cを有する。円弧状の案内経路C(以下、円形案内経路とも称す)は、ガイド面Eに配置されている。ガイド面Eは、近位遠位方向および前後方向に延びている。ガイド面Eは矢状面である。円弧ガイド300は、第2の締結装置200と第1の締結装置100とが案内され、相対移動できるようにする。第2の締結装置200は、円形案内経路Cに沿って案内され、第1の締結装置100に対して直線的に移動可能である。第2の締結装置200は、円形案内経路Cの中心点Mを中心に、回転及び/又は回動運動を行う。中心点Mは、円形案内経路Cから後方に間隔を空けて位置する。言い換えれば、円形案内経路Cは、後方に凹状に、前方に凸状に湾曲している。中心点Mは、後により詳細に説明する方法で、患者の関節軸、特に脛骨軸(参照符号なし)に対して相対的に配置することができる。
第1の直線ガイド400は、一端が第1の締結装置100に接続され、他端が円弧ガイド300に接続されている。第1の直線ガイド400は、第1の締結装置100と円弧ガイド300とを相対的に移動可能に接続する。第1の直線ガイド400は、第1の案内経路L1を有する。第1の案内経路L1は、前後方向に細長く、ガイド面E内に配置され、及び/又は、ガイド面Eに平行にオフセットされている。第1の案内経路L1は直線状で細長い。
第2の直線ガイド500は、一端が円弧ガイド300に接続され、他端が第2の締結装置200に接続されている。第2の直線ガイド500は、円弧ガイド300と第2の締結装置200とを相対的に移動可能に接続する。第2の直線ガイド500は、第2の案内経路L2を有する。第2の案内経路L2は、直線状で細長い。第2の案内経路L2は、ガイド面E内に配置され、及び/又は、ガイド面Eに平行にオフセットされている。図1に示す手術中の状況では、第2の案内経路L2は、第1の案内経路L1に平行に細長く、したがって、前後方向に細長い。図示の実施形態では、第2の案内経路L2の向きは、円形案内経路Cに沿った第2の締結装置200の位置に依存する。
円弧ガイド300、第1の直線ガイド400、及び、第2の直線ガイド500の相互作用によって、脛骨切断ブロック700は、先行技術と比較して改善された方法で、位置決めされた大腿骨切断ブロック600から出発して脛骨T上に位置決めされることができる。まず、脛骨切断ブロック700の矢状傾斜は、いわゆる脛骨切断高さに意図しない影響を与えることなく、後にさらに詳細に説明する方法で調整することができる。矢状傾斜は勾配とも呼ばれる。ここで、脛骨切断ブロック700は伸展状態、すなわち脚及び/又は膝関節を伸ばした状態で配置される。伸展状態では、大腿骨Fと脛骨Tは180°の角度をなす。外科用機器1により、勾配を設定する際に、正確な伸展状態からのずれを考慮することができる。
外科用機器1の機能とその使用方法についてさらに詳しく説明する前に、まず外科用機器1のさらなる設計について詳しく説明する。
図示の実施形態では、第1の締結装置100は、大腿骨切断ブロック600の基準形状に取り外し可能に差し込まれるように構成された差込要素101を備える。大腿骨切断ブロック600は、大腿骨遠位部の切断を行うために使用され、大腿骨ソーブロック又は遠位大腿骨切断治具とも呼ばれることがある。大腿骨切断ブロック600の設計及び機能は、当業者には一般に知られている。大腿骨切断ブロック600は、本実施例では基準形状として使用されるガイドスロット601を有する。ガイドスロット601は、大腿骨Fの遠位切除のための医療用鋸刃を受け入れて案内するように構成されており、通常、運動学的位置合わせアプローチの範囲内で、大腿骨Fの遠位顆線に平行に位置合わせされる。差込要素101は、外科用機器1を大腿骨切断ブロック600に取り付けるために、ガイドスロット601に差し込むことができる。そのような状態を図1~図5を参照して示す。この目的のために、差込要素101の寸法はガイドスロット601の寸法に適合している。差し込み状態では、差込要素101は、ガイドスロット601の内外方向、近位遠位方向、および後方に、形状適合により保持される。取り付けを解除するには、差込要素101をガイドスロット601から前方に引き抜く。
図示の実施形態では、第1の直線ガイド400は円筒ガイドZであり、第1の案内経路に沿って細長い少なくとも1つの円筒要素401と、これと同軸に細長い円筒レセプタクル402とを有する。円筒要素401は、第1の案内経路L1に沿って摺動できるように、円筒レセプタクル402に収容されている。
この場合では、円筒要素401は、第1の締結装置100、より正確にはその差込要素101に固定的及び/又は(相対的に)不動に接続される。円筒レセプタクル402は、円弧ガイド300に固定的及び/又は(相対的に)不動に接続される。図示しない実施形態では、逆の配置が提供される。
円筒要素401と円筒レセプタクル402は、それぞれ円形の円筒形断面を有する。円筒ガイドZの長手方向軸を中心とした意図しない回転を打ち消すために、さらなる円筒要素401’とさらなる円筒レセプタクル402’がここでは設けられている。さらなる円筒要素401’とさらなる円筒レセプタクル402’は、円筒要素401と円筒レセプタクル402から内側に間隔をあけて配置されている。他のすべての点では、それらの機能および設計は同一である。したがって、円筒要素401’及び円筒レセプタクル402’についてのさらなる説明は不要である。図示されていない実施形態では、円筒ガイドは、第1の案内経路を中心とする意図しない回転を打ち消すために、回転非対称でない断面を有する。
図示の実施形態では、円弧ガイド300は、湾曲したガイドロッド301と、相補的に湾曲したガイドレセプタクル302とを有する。ガイドロッド301は、円形案内経路Cに沿って摺動できるように、ガイドレセプタクル302に収容されている。
図示の実施形態では、ガイドレセプタクル302は、円形案内経路Cに対して第1の締結装置100に固定的及び/又は不動に連結されている。従って、ガイドロッド301は、円形案内経路L1に関して、第1の締結装置100に対して相対的に移動可能である。ガイドロッド301とガイドレセプタクル302との両方は、第1の案内経路L1に関して、第1の締結装置100に対して相対的に移動可能である。
図示の実施形態では、ガイドレセプタクル302はU字形の断面を有し、内外方向において対向する脚部3021、3022を有する。脚部3021、3022は、外側脚部3021及び内側脚部3022とも呼ぶことができる。ガイドロッド301は、2つの脚部3021,3022の間で内外方向に保持されている。図示の実施形態では、円筒ガイドZのガイドレセプタクル402、402’は、ガイドレセプタクル302に固定的及び/又は不動に連結されている。本実施形態では、ガイドレセプタクル302と2つの円筒レセプタクル402、402’は共通の一体部品を形成している。
ガイドロッド301は、近位端と遠位端(それぞれ参照符号なし)との間で細長く、湾曲している。近位端は、ガイドレセプタクル302に摺動可能に保持される。遠位端は、第2の直線ガイド500によって第2の案内経路L2に沿って相対的に移動可能であるように、第2の締結装置200に接続される。
本例において、円弧ガイド300は、円弧ガイド300の可動性を固定するように構成された固定装置303を有する。固定装置303によって、ガイドロッド301とガイドレセプタクル302との間の相対的な可動性を選択的に固定および解除することができる。その結果、固定装置303は、円形案内経路Cに沿った不要な相対移動を打ち消す。固定装置303により、ガイドロッド301とガイドレセプタクル302は、取り外し可能に、力嵌め及び/又は形状適合により接続される。例えば、固定装置303は、脚部3021、3022をガイドロッド301に対して相対的に支えることができる。この目的のために、固定装置303は、ねじ機構、クランプ機構、ラッチ機構、または他の機構を有してよい。固定装置303の機能および構造のさらなる詳細は、本発明にとって必須ではない。したがって、固定装置303のより詳細な説明は不要と考えられる。
さらに、円弧ガイド300は、ここでは第1の指標装置A1を有する。図示の実施形態では、第1の指標装置A1は、目盛線(具体的には表示しない)を有する目盛りであり、ここではガイドロッド301に設けられている。ガイドレセプタクル302の遠位前縁(具体的には表示しない)は、読み取りマークとして機能することができる。ガイドロッド301とガイドレセプタクル302との間の相対移動の間、読取マークは目盛線に沿って移動する。その結果、第1の指標装置A1は、円形案内経路Cに対するガイドロッド301とガイドレセプタクル302との間の相対位置を示す。その結果、外科用機器1の使用中、第1の指標装置A1は、円弧状案内経路Cに対する第2の締結装置200、ひいては脛骨切断ブロック700の第1の角度位置α1を示す。言い換えれば、第1の指標装置A1は、脛骨切断ブロック700の矢状傾斜、すなわち勾配を表示する役割を果たす。
図示の実施形態では、第2の直線ガイド500は、スロットガイド機構Kである。スロットガイド機構Kはスロットガイドブロック501(特に図3参照)とスロットガイド溝502とを有する。スロットガイド溝502は、第2の案内経路L2に沿って細長い。スロットガイドブロック501は、第2の案内経路L2に沿って摺動できるように、スロットガイド溝502に保持されている。
図示の実施形態では、スロットガイドブロック501は、円弧ガイド300に固定的及び/又は(相対的に)不動に連結されている。スロットガイド溝502は、第2の締結装置200に固定的及び/又は(相対的に)不動に連結されている。より具体的には、スロットガイドブロック501は、ガイドロッド301の遠位端(参照符号なし)に固定的に連結されている。スロットガイド溝502は、その一端である前端(参照符号なし)が開いている。スロットガイドブロック501は、開いた端部を通ってスロットガイド溝502に挿入し、また取り外すことができる。これにより、例えば、洗浄、滅菌等のために、外科用機器1の分解および再組み立てを容易に行うことができる。
図示の実施形態では、第2の締結装置200は本体201を有する。スロットガイド溝502は、ここでは本体201に形成されている。脛骨切断ブロック700を第2の締結装置200に実際に取付するために、第2の締結装置200は取付要素202を有する。取付要素202は、この目的のために設けられた脛骨切断ブロック700の一部と、取り外し可能に、力嵌め及び/又は形状適合により相互作用する。本実施例では、取付要素202は、本体201に、取付位置と解除位置との間で取り付けられている。取付位置では、脛骨切断ブロック700は、取付要素202によって本体201に取り外し可能に連結される。解除位置では、脛骨切断ブロック700は本体201から解除され、その逆も同様である。
図示の実施形態では、外科用機器はさらにアライメントロッド800を備える。アライメントロッド800は、脛骨Tの前縁Vと位置合わせするように構成されている。前縁Vは、脛骨前縁とも呼ばれることがある。アライメントロッド800は、ガイド面Eに直交する向きの回動軸Sを中心として第2の締結装置200に対して回動できるように、一端において第2の締結装置200に取り付けられている。図示の実施形態では、アライメントロッド800は本体201に取り付けられている。アライメントロッド800は、近位端801と遠位端802(詳細には図示せず)との間で細長い。回動可能な取り付けにより、アライメントロッド800は、ガイド面E内及び/又はガイド面Eと平行に位置合わせされる。これにより、特に、脛骨切断ブロック700の位置を確認するため、及び/又は、脛骨前縁Vに平行な脛骨Tの伸展位置を確認するために、アライメントロッド800を位置合わせすることができる。アライメントロッド800の特別な機能については、以下でさらに詳しく説明する。
図示の実施形態では、第2の指標装置A2がアライメントロッド800に設けられている。第2の指標装置A2は、回動軸Sに対するアライメントロッド800の第2の角度位置α2を表示するように構成されている。本例では、第2の指標装置A2は、複数の目盛線(参照符号なし)を有する目盛りである。目盛線は、第2の締結装置200、より正確にはその本体201に設けられている。さらに、読取マーク(より詳細には図示せず)があり、これは、例えば、アライメントロッド800自体によっても形成することができる。
脛骨切断ブロック700を位置決めするための外科用機器1の例示的な使用法を以下に説明する。
位置決めは、当業者に周知の方法で、遠位大腿骨切断ブロック600が遠位大腿骨Fに既に固定されている構成に基づいて行われる。すなわち、既に固定された大腿骨切断ブロック600が基準として機能する。ガイドスロット601は、ここでは、内外方向および前後方向に延びている。前後軸に対するガイドスロット601の回転位置合わせにより、行われる遠位大腿骨の切断の内反/外反位置合わせが決定される。本例において、内反/外反位置合わせは0°であると仮定する。従って、ガイドスロット601は、遠位大腿骨Fの遠位顆線に平行に向けられる。外科用機器1を使用して、特に、大腿骨側ですでに行われた内反/外反位置合わせを、脛骨切断ブロック700、より正確にはそのガイドスロット701に反映することができる。
この目的のために、脛骨切断ブロック700は、まず、上述の方法で第2の締結装置200に取り外し可能に取り付けられる。次に、外科用機器1は、取り付けられた脛骨切断ブロック700と共に大腿骨側で参照される。この目的のために、第1の締結装置100は、既に大腿骨側に固定されている大腿骨切断ブロック600に取り外し可能に取り付けられる。これは上述した方法で行われ、すなわち、差込要素101がガイドスロット601に後方から挿入される。この結果、図1~図4に示す構成となる。
この(例示的な)構成では、大腿骨Fと脛骨Tが(完全な)伸展状態であり、180°の角度をなす。このような(完全な)伸展状態に基づいて、ガイドスロット701の矢状傾斜の調整は以下のように行われる。
まず、円弧ガイド300の中心点Mが患者の解剖学的構造に従って位置決めされる。この位置決めは第1の直線ガイド400によって行われる。円弧ガイド300が第1の案内経路L1に沿って後方向に移動すると、中心点Mは後方向に移動する。反対に、第1の締結装置100に対して、つまり大腿骨切断ブロック600に対して、円弧ガイド300が前方に相対移動すると、中心点Mが前方に移動する。ここでは、差込要素101は常にガイドスロット601に差し込まれたままである。理想的には、中心点Mは、(機械的な)脛骨軸(詳細には図示せず)の中心に配置される。中心点Mをこのように位置決めすることで、脛骨切断ブロック700の傾斜の調整によって、同時に、脛骨に対する近位遠位位置(脛骨切断高さ)が意図せず変化することが回避される。
先に述べた第1の直線ガイド400の調整により、中心点Mが位置決めされた後、脛骨切断ブロック700が脛骨Tに接して前方に位置決めされる。第2の直線ガイド500は、脛骨切断ブロックが常に脛骨に接触するようにする。第2の直線ガイド500により、この配置は常に要件を満たす。脛骨切断ブロック700は、脛骨Tの一般的な寸法に応じて、第2の案内経路L2に沿った第2の締結装置200の変位によって上昇または下降させることができる。
さらなるステップでは、ガイドスロット701の矢状傾斜、すなわち勾配の実際の調整が行われる。図1から図4において、勾配は0°であり、脛骨切断ブロック700のガイドスロット701は、大腿骨切断ブロック600のガイドスロット601に対して面平行に向けられる。第1の角度位置α1(図1)は、ここでは前述の勾配を表す。勾配は、円弧ガイド300を介して設定することができる。調整値は、第1の指標装置A1によって読み取ることができる。脛骨軸上の中心点Mの以前の位置決めにより、脛骨切断高さはここでは変更されない。
アライメントロッド800は、まず、完全な伸展状態を確認するために使用される。アライメントロッド800が完全に伸長し、脛骨前縁Vと平行に位置合わせされると、ここでの第2の角度位置α2は0°となる。
アライメントロッド800は、2つの指標装置A1、A2とともに、屈曲/伸展の補正も可能にする。正確な伸展が意図されていない場合、アライメントロッド800と第2の指標装置A2によってこれを決定し、第2の指標装置A1において勾配を対応して調整することによって均衡をとることができる。説明のために、図5に示す例示的な状況を以下に説明する。
図5の状況では、完全な伸展状態ではない。その代わりに、脛骨Tは大腿骨Fに対して角度α3だけ傾斜している。外科用機器1により、勾配を設定する際に角度α3を考慮することができる。このため、まず、脛骨切断ブロック700とともに外科用機器1を、上述の方法で、既に固定されている大腿骨切断ブロック600に接続する。次に、円弧ガイド300は、指標装置A1が0°の勾配を表す第1の角度位置α1を表示するように調整される。ここでの実際の勾配は、屈曲しているため0°ではない。この後、アライメントロッド800が脛骨前縁Vに平行に配置される角度α3が決定される。角度α3は第2の指標装置A2で読み取ることができる。次に、対応する角度が円弧ガイド300において調整される。これにより、ガイドスロット701は、完全な伸展状態からのずれにもかかわらず、脛骨前縁Vに直交するように、したがって0°の傾斜に設定されるという効果がある。上述の(主な)調整に基づき、円弧ガイド300の対応する変位によって、勾配をさらに調整することができる。

Claims (13)

  1. 人工膝関節置換術に使用する外科用機器(1)であって、
    遠位大腿骨(F)に取り付けられた基準コンポーネント(600)に取り外し可能に締結するように構成された第1の締結装置(100)と、
    前記第1の締結装置(100)から遠位方向に間隔をあけ、近位脛骨(T)の切断を案内するための脛骨切断ブロック(700)に取り外し可能に締結するように構成された第2の締結装置(200)と、
    一端が前記第1の締結装置(100)に接続され、他端が前記第2の締結装置(200)に接続される円弧ガイド(300)であって、前記円弧ガイド(300)によって、前記第2の締結装置(200)は、
    円弧状に細長い案内経路(C)に沿って矢状ガイド面(E)内で案内され、
    前記第1の締結装置(100)に対して直線的に移動可能である、前記円弧ガイド(300)と、
    第1の直線ガイド(400)であって、前記第1の直線ガイド(400)によって、前記円弧ガイド(300)は、
    一端において前記第1の締結装置(100)に接続され、
    前後方向に細長い第1の案内経路(L1)に沿って前記ガイド面(E)内で案内され、前記第1の締結装置(100)に対して直線的に移動可能である、前記第1の直線ガイド(400)と、
    第2の直線ガイド(500)であって、前記第2の直線ガイド(500)によって、前記第2の締結装置(200)は、
    他端において前記円弧ガイド(300)に接続され、
    前後方向に細長い第2の案内経路(L2)に沿って前記ガイド面(E)内で案内され、前記円弧ガイド(300)に対して直線的に移動可能である、前記第2の直線ガイド(500)と、
    を備える、外科用機器。
  2. アライメントロッド(800)が設けられ、前記アライメントロッド(800)は、
    前記脛骨(T)の前縁(V)と位置合わせするように構成され、
    前記ガイド面(E)に対して直交する回動軸(S)を中心として前記第2の締結装置(200)に対して回動可能であるように、一端において前記第2の締結装置(200)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の外科用機器(1)。
  3. 第1の指標装置(A1)が設けられ、前記第1の指標装置(A1)は、円弧状の前記案内経路(C)に対する前記第2の締結装置(200)の第1の角度位置(α1)を表示するように構成されていること、
    及び/又は、
    第2の指標装置(A2)が設けられ、前記第2の指標装置(A2)は、第2の回動軸(S)に対する前記アライメントロッド(800)の第2の角度位置(α2)を表示するように構成されていること、を特徴とする、請求項1又は2に記載の外科用機器(1)。
  4. 前記円弧ガイド(300)は、少なくとも1つの湾曲したガイドロッド(301)と、前記ガイドロッド(301)が摺動可能に案内されて収容されるガイドレセプタクル(302)と、を有し、
    前記ガイドレセプタクル(302)が前記第1の直線ガイド(400)に接続され、かつ、前記ガイドロッド(301)が前記第2の直線ガイド(500)に接続されるか、又はその逆であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の外科用機器(1)。
  5. 前記ガイドレセプタクル(302)が前記第1の直線ガイド(400)に接続され、ガイド要素、特に円筒要素(401)又は円筒レセプタクル(402)を有すること、
    及び/又は
    前記ガイドロッド(301)が前記第2の直線ガイド(500)に接続され、ガイド要素、特にスロットガイドブロック(501)又はスロットガイド溝(502)を有すること、を特徴とする、請求項4に記載の外科用機器(1)。
  6. 前記第1の直線ガイド(400)は、円筒ガイド(Z)であって、前後方向に細長い少なくとも1つの円筒要素(401)と、前記円筒要素(401)が摺動可能に案内されて収容される円筒レセプタクル(402)と、を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の外科用機器(1)。
  7. 前記円筒要素(401)が前記第1の締結装置(100)に不動に連結され、
    前記円筒レセプタクル(402)が前記円弧ガイド(300)に、好ましくはその前記ガイドレセプタクル(302)に不動に連結されていることを特徴とする、請求項6に記載の外科用機器(1)。
  8. 前記第2の直線ガイド(500)は、スロットガイド機構(K)であって、スロットガイドブロック(501)と、前記スロットガイドブロック(501)が摺動可能に案内されて収容される、前後方向に細長いスロットガイド溝(502)と、を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の外科用機器(1)。
  9. 前記スロットガイドブロック(501)は、前記円弧ガイド(300)に、好ましくはその前記ガイドロッド(301)に不動に連結され、
    前記スロットガイド溝(502)は前記第2の締結装置(200)に形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の外科用機器(1)。
  10. 前記第1の締結装置(100)は、前記基準コンポーネント(600)の相補的な基準形状(601)に取り外し可能に差し込まれるように構成された少なくとも1つの差込要素(101)を備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の外科用機器(1)。
  11. 前記第2の締結装置(200)は本体(201)を備え、
    前記本体には、
    脛骨切断ブロック(700)の取付部に取り外し可能に取り付けるために構成された取付要素(202)と、
    前記第2の直線ガイド(500)のガイド要素、好ましくはその前記スロットガイド溝(502)と、
    前記アライメントロッド(800)と、が配置されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の外科用機器(1)。
  12. 固定装置(303)が設けられ、前記固定装置(303)は前記円弧ガイド(300)の可動性を固定するために構成されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の外科用機器(1)。
  13. 請求項1から12にいずれか一項に記載の外科用機器(1)と、
    前記外科用機器(1)の前記第1の締結装置(100)に取り外し可能に締結された基準コンポーネント(600)と、
    前記外科用機器(1)の前記第2の締結装置(200)に取り外し可能に締結された脛骨切断ブロック(700)と、を備える、外科用機器システム(10)。
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