JP2024015754A - 複合セラミックス材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比弾性率が炭化ケイ素よりも高く、複雑な形状の成形を実現することができる複合セラミックス材料の製造方法を得ること。【解決手段】複合セラミックス材料の製造方法は、混合工程、成形工程、熱処理工程、溶浸工程および反応焼結工程を含む。混合工程は、炭化ホウ素粉末とマトリックス充填剤とバインダ樹脂とを混合し、混合原料を得る。成形工程は、成形型に混合原料を投入し、加熱および加圧して成形体を得る。熱処理工程は、成形体を加熱処理し、焼成体を得る。溶浸工程は、金属シリコンまたはシリコン合金を溶融させて焼成体に溶浸させる。反応焼結工程は、焼成体に溶浸した金属シリコンまたはシリコン合金をマトリックス充填剤およびカーボンと反応させて炭化ケイ素を生成させ、炭化ホウ素粉末を焼結させる。マトリックス充填剤は、カーボンミルドファイバである。反応焼結工程では、焼結体にはカーボンミルドファイバが残らない。【選択図】図3

Description

本開示は、炭化ホウ素を主成分とし、炭化ケイ素、ケイ素を含む無機系材料で構成される複合セラミックス材料の製造方法に関する。
燃料の高騰への対応または二酸化炭素(CO2)の排出削減要求から、空調機器、冷熱機器、燃焼機関を搭載する自動車、航空機等の省エネルギ化の要求が厳しくなっている。空調機器または冷熱機器では、省エネルギ化のため圧縮機の高効率化が求められており、この実現には、駆動部品の軽量化または高剛性化が求められている。また、燃焼機関では、ガスタービンエンジンまたはタービン発電機の高効率化が求められており、この実現には、作動温度を上昇させること、あるいはタービンの軽量化が求められている。
これらの要求を満足させる材料の研究が行われており、鉄基、ニッケル基およびコバルト基合金の開発によって高温性能は進歩したが、軽量化については、未だ不十分であり、代替材料が検討されている。また、軽量なセラミックス材料は、耐熱性が高く、金属材料と比べて密度が低いため、耐熱材料として注目されている。しかし、セラミックス材料は、比較的脆いため、繊維などで複合化したセラミックス複合材料(Ceramic Matrix Composites:CMC)が構造部品へ適用可能な材料として脚光を浴びている。一般にCMCは、セラミックスマトリックスと強化繊維とを複合化した材料である。これまで、マトリックスとしてSiC(炭化ケイ素:Silicon Carbide)を用い、強化繊維としてSiC繊維を用い、SiCとSiC繊維とを組み合わせたSiC/SiCがCMCとして開発され、実用化されつつある。
また、近年、SiCよりもさらに軽くて剛性の高い炭化ホウ素(Boron Carbide:B4C)が注目され、炭化ホウ素の強化材と金属ケイ素(Si)とのマトリックス複合材料であるB4C/Si複合材が、炭化ホウ素のプリフォームに金属ケイ素を溶浸させることで製造されている。炭化ホウ素では、ヤング率は最大で460GPa程度であり、密度は2.52g/cm3である。これらより、炭化ホウ素の単位密度当たりの弾性率を示す比弾性率は、182.5GPa/(g/cm3)となる。この炭化ホウ素の比弾性率の値は、炭化ケイ素の比弾性率よりも優れている。しかし、一般に炭化ホウ素は、高温、高圧下で反応させて製造される。高温、高圧下では、焼結された炭化ホウ素は硬く、加工性が非常に悪く、複雑な形状の成形および製造が困難である。このため、より低温、低圧力で製造する方法が求められている。そこで、炭化ホウ素に金属ケイ素、アルミニウム(Al)等の金属を含浸または加圧浸透させる方法が提案されている。特許文献1には、含浸時のケイ素と炭化ホウ素とによる反応が割れの一因になることに注目し、溶融金属ケイ素と炭化ホウ素含有材料とを混合し、事前溶融させ、事前溶融させた材料を、炭化ホウ素を含む多孔質体であるプリフォームに含浸させる方法が開示されている。
特表2007-513854号公報
プリフォーム中のボイドが少なく、ボイド径が小さい場合には、上記従来の技術のように、プリフォームに対して金属ケイ素、アルミニウム等の金属を含浸または加圧浸透させる際の加圧が弱いとボイドが残ってしまう。このようなプリフォームは、強化材としての十分な特性を有することができず、また複雑な形状に成形することが困難である。逆に、プリフォーム中のボイドが多い場合には、金属ケイ素、アルミニウム等の金属をプリフォーム中に容易に充填できるが、プリフォーム中の強化材が少なくなるため、強化材としての十分な特性が得られない。つまり、炭化ホウ素粉末をバインダなどで成形したプリフォームを用いる場合に、強化材としての炭化ホウ素の特性を出すためには、炭化ホウ素の充填率を高める必要がある。しかし、炭化ホウ素の充填率を高めると、プリフォームを成形するのに、高い圧力が必要になり、複雑形状の成形が困難になるとともに、プリフォーム中のボイドに金属ケイ素、アルミニウム等の金属を浸透させるのに高い圧力が必要になる。さらに、充填不良またはクラックが発生し易くなる。逆に、プリフォーム中の炭化ホウ素の充填率を下げた場合には、成形性、製造性は向上するが、強化材としての炭化ホウ素の十分な特性が得られない。このように、炭化ホウ素粉末をバインダなどで成形したプリフォームを用いる場合には、成形性および製造性と、炭化ケイ素よりも比弾性率に優れるという強化材としての特性と、の両立が困難であった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、比弾性率が炭化ケイ素よりも高く、複雑な形状の成形を実現することができる複合セラミックス材料の製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る複合セラミックス材料の製造方法は、混合工程と、成形工程と、熱処理工程と、溶浸工程と、反応焼結工程と、を含む。混合工程は、炭化ホウ素粉末とマトリックス充填剤とバインダ樹脂とを混合し、混合原料を得る。成形工程は、成形型に混合原料を投入し、加熱および加圧してバインダ樹脂を硬化させた成形体を得る。熱処理工程は、成形体を不活性雰囲気下または真空雰囲気下で加熱処理し、バインダ樹脂を炭化させて焼成体を得る。溶浸工程は、金属シリコンまたはシリコン合金を焼成体に接触させて不活性雰囲気下または真空雰囲気下で加熱し、金属シリコンまたはシリコン合金を溶融させて焼成体に溶浸させる。反応焼結工程は、焼成体に溶浸した金属シリコンまたはシリコン合金を焼成体に含まれるマトリックス充填剤およびバインダ樹脂が炭化したカーボンと反応させて炭化ケイ素を生成させるとともに、炭化ホウ素粉末を焼結させた焼結体を得る。マトリックス充填剤は、カーボンミルドファイバである。反応焼結工程では、カーボンミルドファイバが金属シリコンまたはシリコン合金と反応して全て炭化ケイ素となり、焼結体にはカーボンミルドファイバが残らない。
本開示の複合セラミックス材料の製造方法によれば、比弾性率が炭化ケイ素よりも高く、複雑な形状の成形を実現することができるという効果を奏する。
実施の形態1に係る複合セラミックス材料の製造方法で製造された複合セラミックス材料の構成の一例を模式的に示す断面図 実施の形態1に係る複合セラミックス材料の製造方法で製造される複合セラミックス材料の反応焼結前のプリフォームの構成の一例を模式的に示す断面図 実施の形態1に係る複合セラミックス材料の製造方法の手順の一例を示すフローチャート 実施の形態2に係る複合セラミックス材料の製造方法の手順の一例を示すフローチャート 接合用バインダを用いて焼成体同士を接合して構造体を形成する様子の一例を模式的に示す図 焼成体同士の接合部の状態の一例を模式的に示す側面図
以下に、本開示の実施の形態に係る複合セラミックス材料の製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る複合セラミックス材料の製造方法で製造された複合セラミックス材料の構成の一例を模式的に示す断面図である。図2は、実施の形態1に係る複合セラミックス材料の製造方法で製造される複合セラミックス材料の反応焼結前のプリフォームの構成の一例を模式的に示す断面図である。図1および図2を用いて複合セラミックス材料1の構成について説明する。
図1に示されるように、実施の形態1の複合セラミックス材料1の製造方法で製造される複合セラミックス材料1は、炭化ホウ素(B4C)粒子11と、炭化ケイ素(SiC)粒子12と、ケイ素(Si)粒子13と、を含む。ここで、ケイ素粒子13は、金属シリコンまたはシリコン合金からなる。複合セラミックス材料1では、炭化ホウ素粒子11間の空隙であるボイドを炭化ケイ素粒子12とケイ素粒子13とが充填する構造を有している。複合セラミックス材料1の主成分は、炭化ホウ素である。なお、実施の形態1に係る複合セラミックス材料は、複数のセラミックス材料を組み合わせたものであり、強化繊維と複合化していないセラミックス材料である。
複合セラミックス材料1の構成において、主成分は炭化ホウ素であり、炭化ホウ素の体積比率は、50%以上である。複合セラミックス材料1は、他の要素として炭化ケイ素およびケイ素を含む。複合セラミックス材料1にケイ素または炭化ケイ素が多く含まれていると、見かけ上の比弾性率が低下する。このため、単体で比弾性率の最も高い炭化ホウ素の複合セラミックス材料1における体積比率を50%以上とし、炭化ホウ素を複合セラミックス材料1の主成分とすることで、複合セラミックス材料1の比弾性率が定められた値よりも大きくなるようにしている。
複合セラミックス材料1の主成分である炭化ホウ素のヤング率は、450GPaであるとする。また、炭化ホウ素の密度は2.52g/cm3である。このため、炭化ホウ素の比弾性率は、ヤング率を密度で割った値である178.6GPa/(g/cm3)となる。炭化ホウ素は、炭化ケイ素と比較して、弾性率が高く、密度が小さく、比弾性率が大きい。つまり、複合セラミックス材料1において、主成分である炭化ホウ素は、比弾性率の向上を期待することができる素材である。
ケイ素粒子13は、上記したように金属シリコンまたはシリコン合金である。ケイ素が複合セラミックス材料1中に含まれる理由は、製造工程上、ケイ素の含有量をゼロにして、他の成分で充填することが困難なためである。なお、ケイ素粒子13をボイド25に置き替えることは可能である。しかし、ボイド25は、材料の欠陥に相当するものであり、材料の特性を低下させる。このため、ケイ素粒子13をボイド25に置き替えて空間の状態にするよりも、ケイ素粒子13を充填した方が材料の特性は向上し、比弾性率が向上する。
本開示の複合セラミックス材料1の構成において、炭化ケイ素の充填率は、体積比率で15%以上35%以下である。複合セラミックス材料1は、後述するように、金属シリコンまたはシリコン合金を図2に示されるプリフォーム20に溶浸させ、反応焼結させることによって生成される。反応焼結では、金属シリコンまたはシリコン合金と反応して炭化ケイ素となるための炭素成分が不可欠である。図2に示されるように、反応焼結させる前のプリフォーム20は、炭化ホウ素粒子11と、カーボンミルドファイバ21と、カーボン(C)粒子22と、を含む多孔質の焼成体である。ただし、カーボン粒子22は、後述するバインダ樹脂が炭化したものである。プリフォーム20に含まれるカーボンミルドファイバ21は、後述するケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程で金属シリコンまたはシリコン合金と反応して全て炭化ケイ素になる。ケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程での反応条件を適切なものとすることで、ケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程後の焼結体には、カーボンミルドファイバ21は残らない。つまり、カーボンミルドファイバ21は炭化ケイ素粒子12に置き換えられる。
図2に示される多孔質のプリフォーム20中の炭化ホウ素粒子11は、バインダ樹脂が炭化したカーボン粒子22とカーボンミルドファイバ21とで架橋したネットワーク構造を有している。つまり、炭化ホウ素粒子11間が、カーボンミルドファイバ21またはカーボン粒子22によって接続される構造となっている。カーボンミルドファイバ21とカーボン粒子22とで炭化ホウ素粒子11をネットワーク化することで、ボイド25を簡単に確保することが可能になるとともに、多孔質なプリフォーム20として十分な強度を実現することができる。カーボンミルドファイバ21とカーボン粒子22とを用いることで、炭化ホウ素粒子11以外の充填割合を低くすることが可能になる。このため、炭化ホウ素粒子11の充填割合を下げることなく、多孔質のプリフォーム20中のボイド25の割合を増やすことが可能となり、反応焼結による体積膨張を制御することが可能となる。これによって、炭化ホウ素粒子11の充填率が50%以上でクラックの発生がない複合セラミックス材料1の反応焼結が実現可能になる。このとき、反応生成する炭化ケイ素の割合は、体積比率で15%以上35%以下であることが望ましい。
反応生成する炭化ケイ素の割合が体積比率で35%よりも多い場合には、クラックが発生しやすくなる。クラックの発生を抑えるために、炭化ホウ素粒子11の充填率を下げると、炭化ケイ素の充填率が上がってしまう。つまり、炭化ホウ素粒子11の割合が減少し、炭化ケイ素の割合が増加するため、複合セラミックス材料1の比弾性率が下がることになり、好ましくない。一方、溶浸するケイ素との反応を抑え、反応生成する炭化ケイ素の割合が体積比率で15%未満である場合には、反応しないケイ素の割合が増加し、複合セラミックス材料1の比弾性率が下がる原因となるため、好ましくない。以上より、反応生成する炭化ケイ素の割合は、体積比率で15%以上35%以下とすることが望ましい。
つぎに、実施の形態1に係る複合セラミックス材料1の製造方法について説明する。図3は、実施の形態1に係る複合セラミックス材料の製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。複合セラミックス材料1の製造方法は、原料混合工程(ステップS1)と、成形工程(ステップS2)と、熱処理工程(ステップS3)と、ケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程(ステップS4)と、仕上げ加工工程(ステップS5)と、を含む。以下に、各工程について説明する。
ステップS1の原料混合工程は、原料の炭化ホウ素粉末と、マトリックス充填剤と、炭素プリカーサであるバインダ樹脂と、を定められた混合比率で均一に混合して混合原料を生成する工程である。混合原料における粉末原料の平均粒度分布は、1水準の分布であってもよいが、2水準以上の異なる分布であることが望ましい。
使用する粉末原料である炭化ホウ素粉末の一例は、3M社製の炭化ホウ素F500およびF150である。F500の平均粒度は約15μmであり、F150の平均粒度は84.5μmである。このように実施の形態1では、平均粒度分布が2水準以上となるように、炭化ホウ素粉末が使用される。2水準以上の粉末を用いるのは、平均粒度が異なる2水準以上の粉末を組み合わせた方が、1水準の粉末を用いる場合よりも、容易に炭化ホウ素の充填率を高められるためである。この場合、組み合わせる粉末原料の平均粒度は3倍以上の差があることが望ましく、5倍以上の差があることがより望ましい。
炭化ホウ素粉末は、表面がコーティングされていない炭化ホウ素粉末であってもよいし、予め表面がカーボンまたは窒化ホウ素(BN)によってコーティングされた炭化ホウ素粉末であってもよい。表面がカーボンまたは窒化ホウ素でコーティングされた炭化ホウ素粉末を用いることで、ケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程で、クラックの発生を軽減することが可能な、低密度化した、そして高弾性化した複合セラミックス材料1を実現することができる。
混合原料で用いるマトリックス充填剤は、後工程のケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程で炭化ケイ素の元になるカーボンを含む原料であることが望ましい。一例では、マトリックス充填剤は、カーボンミルドファイバ21である。カーボンミルドファイバ21の一例は、連続した長繊維ではなく、短くカットもしくはチョップされたカットファイバまたはチョップドファイバ、あるいはカットファイバまたはチョップドファイバを粉砕機ですりつぶし、ミルド状にしたミルドファイバである。カーボンミルドファイバ21は、長さが1mm未満の繊維である。1mm未満の繊維であるカーボンミルドファイバ21を用いることで、焼結した最終材料には繊維が残らない。ただし、非常に細かく粉砕された、粒状のカーボンブラックなどの粒子、つまり繊維状ではなくなるまで粉砕された粒子はマトリックス充填剤として好ましくない。
マトリックス充填剤は、炭化ホウ素粒子11同士を適度な間隔で固定するネットワーク構造を実現する役割を有している。後工程の成形工程および熱処理工程で、適度なボイド25を形成し、ボイド25を保持するために、カーボンミルドファイバ21は、炭化ホウ素粒子11を固定する。マトリックス充填剤を用いずに、粉末原料とバインダ樹脂とを用いて成形する場合には、残存するボイド25は、粉末原料の粉末サイズよりも小さなボイド25となる。このようにボイド25のサイズが小さい場合には、後工程のケイ素溶浸時に、成形体が焼結した焼結体のサイズが少し大きくなるだけで、ケイ素は外部にしか浸透せず、内部が焼結不良になってしまう。このことから、ケイ素が浸透し易い大きなボイド25を成形するためには、大きな原料粉末を使用する必要があると考えられる。しかし、大きな粉末原料を使用すると、材料の組織が粗くなり、不均質となる。このため、複合セラミックス材料1の強度が低下し、また部材の表面加工を行う際に、滑らかな面を形成することができない。このように、粉末原料が炭化ホウ素粉末およびバインダ樹脂のみでは、所望のサイズのボイド25を有しながら、所望の強度を有し、均質な複合セラミックス材料1を作製することができない。
そこで、実施の形態1では、カーボンミルドファイバ21をマトリックス充填剤として使用することで、原料粉末と同等以上のサイズのボイド25を容易に形成することが可能となる。さらに、ボイド25を多くしても、原料粉末だけで成形した場合に比べ、プリフォーム20および実施の形態2で説明する複数のプリフォーム20を接合用バインダで接合した後に焼結させたサブストレートの素材強度を十分に確保可能であるため、後工程でのハンドリングが容易になり、クラックの発生およびクラックの発生に起因する割損が減少し、焼結前の複雑な形状加工が可能になる。
マトリックス充填剤には、一例では、三菱ケミカル株式会社のダイアリード(登録商標)K63712等を長さが1mm未満となるように粉砕した繊維であるミルドファイバを用いることができる。カーボン繊維の種類は、ピッチ系炭素繊維に限定されず、ポリアクリロニトリル(Polyacrylonitrile:PAN)系炭素繊維、熱処理により炭化する有機繊維であってもよい。カーボンミルドファイバ21を構成する短繊維の平均長さは、粉末原料の平均粒度に対して、4倍以上の長さを有することが望ましい。短繊維の平均長さが、粉末原料の平均粒度に対して4倍未満の長さである場合には、大きなボイド25を形成することができないからである。なお、実施の形態1では、マトリックス充填剤は、炭化ケイ素粉末を含まない。
バインダ樹脂は、プリフォーム20の成形に使用される成分である。バインダ樹脂は、炭素プリカーサとなる材料であることが望ましく、一例では、熱可塑性の粉末樹脂であることが望ましい。粉末樹脂の一例は、粉末のフェノール樹脂である粉末フェノール樹脂である。バインダ樹脂に粉末フェノール樹脂を用いることで、原料の混合加工で均質化が容易になる。また、成形体中のバインダ樹脂の充填率を低下させることが可能になり、ケイ素の溶浸がし易い焼成体が得られる。このような焼成体を焼結させることによって、低密度化および高弾性化が可能な複合セラミックス材料1を実現することができる。
バインダ樹脂の一例として粉末フェノール樹脂を挙げたが、バインダ樹脂は、熱処理により炭化が可能なものであればよく、粉末フェノール樹脂以外に、液体樹脂を使用してもよく、フラン樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂等であってもよい。この場合には、炭化ホウ素粉末の表面に液体樹脂を被覆させたものが用いられる。さらにバインダ樹脂は、熱可塑性樹脂を不溶化したものでもよい。炭素プリカーサとなる粉末樹脂として、一例では、群栄化学工業社製のPG-9400等を挙げることができる。
ステップS2の成形工程は、原料混合工程で得られた混合原料を成形型である金型に投入し、加熱および加圧して、バインダ樹脂を硬化させて所望の形状の成形体を得る工程である。なお、平均粒度が2水準以上の炭化ホウ素粉末を用いることで、成形時の加圧を軽減することができ、成形体を容易に成形することが可能になる。さらに、均一化することが可能となり、複合セラミックス材料1を均質化させるとともに、複合セラミックス材料1の特性を向上させることができる。
成型工程では、成形体のボイド率を10%以上とすることが望ましい。ボイド率は、成形体の外形から求められる体積に対するボイド25の割合である。成形体のボイド率を10%以上にすることで、成形体の成形時の加圧を軽減することができ、成形体を容易に成形することが可能になる。さらに、成形体のボイド率を10%以上とすることで、後の熱処理工程でのクラックの発生を軽減することができる。成形体のボイド率は、焼結後の炭化ホウ素の比率の下限値に依存する。一例では、炭化ホウ素の体積比率が下限値の50%である場合には、成形体のボイド率の上限は20%以下となる。また、ボイド率は、焼結によって生成する炭化ケイ素量と、反応するカーボンの量と、の関係による。なお、成形工程で成形体にされた後の炭化ホウ素粉末は、炭化ホウ素粒子11と称される。
ステップS3の熱処理工程は、成形体を不活性雰囲気下または真空雰囲気下で加熱処理し、成形体中のバインダ樹脂を炭化させて焼成体を得る工程である。このとき、成型体中の炭素プリカーサであるバインダ樹脂が炭化され、カーボン粒子22となる。この結果得られる成型体が、図2に示されるプリフォーム20となる。図2に示されるように、プリフォーム20は、炭化ホウ素粒子11と、カーボンミルドファイバ21と、カーボン粒子22と、を有する。炭化ホウ素粉末は、表面が何もコーティングされていないものであってもよいし、被覆層111によって表面がコーティングされたものであってもよい。被覆層111の一例は、カーボン、窒化ホウ素である。上記したように、カーボンミルドファイバ21およびバインダ樹脂を混合原料に含むことで、炭化ホウ素粒子11がカーボン粒子22によってカーボンミルドファイバ21と固定されることで、炭化ホウ素粒子11間がネットワーク状に接続され、ボイド25が形成される。
熱処理工程で得られる焼成体のボイド率は、20%以上40%未満であればよい。焼成体のボイド率を20%以上40%未満にすることで、後工程でのケイ素溶浸時に、ケイ素を焼成体の内部まで浸透させることが可能になる。さらに、焼成体のボイド率を20%以上40%未満にすることで、後工程での炭化ケイ素反応焼結時に、反応により生成する炭化ケイ素の体積膨張を吸収することが可能になる。これによって、クラックを発生させずに、反応焼結させることが可能になる。
ステップS4のケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程は、焼成体に、ケイ素である金属シリコンまたはシリコン合金を不活性雰囲気下あるいは真空雰囲気下で加熱して溶浸し、ケイ素と焼成体中のカーボンとを反応させて炭化ケイ素化すると同時に炭化ホウ素粒子11を焼結し、複合セラミックス材料1を製造する工程である。ケイ素を焼成体に溶浸させる工程と、焼成体中のカーボンとケイ素とを反応させ、炭化ホウ素粒子11を焼結させる工程と、は一体的に進行する。このため、これら2つの工程を厳密に切り離すことは難しいが、以下では、ケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程におけるケイ素を焼成体に溶浸させる工程は、溶浸工程と称され、焼成体中のカーボンとケイ素とを反応させ、炭化ホウ素粒子11を焼結させる工程は、反応焼結工程と称されることがある。反応焼結工程では、カーボンミルドファイバ21の全てがケイ素と反応して炭化ケイ素になる。すなわち、カーボンミルドファイバ21は、炭化ケイ素粒子12となる。このため、複合セラミックス材料1にはカーボンミルドファイバ21が残らない。ケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程では、カーボンミルドファイバ21の全てがケイ素と反応して炭化ケイ素粒子12となるように、熱処理温度および熱処理時間が設定されることになる。
ステップS5の仕上げ加工工程は、ケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程で得られた複合セラミックス材料1を最終部品形状に仕上げ加工する工程である。これによって、複合セラミック材料からなる部品が製造される。以上で、複合セラミックス材料1の製造方法が終了する。
実施の形態1においては、反応焼結用の原料として、カーボンミルドファイバ21を使用しており、カーボンミルドファイバ21は、主成分となる炭化ホウ素粒子11の分散を改善する役割を担っている。カーボンミルドファイバ21が存在せず、炭化ホウ素粒子11同士が接触している場合には、成形体において炭化ホウ素粒子11間の隙間、すなわちボイド25が小さすぎてしまう。一方、カーボンミルドファイバ21を炭化ホウ素粒子11間に介在させることで、成形体において炭化ホウ素粒子11同士の間隔を広げることが可能になる。すなわち、繊維によって炭化ホウ素粒子11をブリッジして固定することができる。このように、カーボンミルドファイバ21を含んでいるため、バインダ樹脂が分解して体積が収縮しても、混合原料を成形した成形体はほとんど収縮しない。そして、成形体よりもボイド25の多い焼成体が得られる。また、成形体では、炭化ホウ素粒子11をカーボンミルドファイバ21でブリッヂングしているため、カーボンミルドファイバ21を用いずに炭化ホウ素粒子11同士で成形する場合に比較して、大きなボイド25を実現することができる。
このような成形体から形成された焼成体は、ポーラスであり、カーボンミルドファイバ21を含んだ複合材であるため、加工性がよい。また、このようにして形成された焼成体は、紛体を焼き固めた、焼成体に比較して強度が強いため、複雑な形状を実現可能である。一般的に、反応焼結工程において、内部のカーボンが反応して炭化ケイ素化する際に体積膨張が生じるが、実施の形態1に係る複合セラミックス材料1の製造方法によって製造される焼結体は、焼成体に予め存在しているボイド25によって体積膨張分が相殺されるため、通常のセラミックスの焼結で生じる寸法変化はほとんど発生しない。これによって、複雑形状の焼成体をそのまま焼結することができる。
実施の形態1では、炭化ホウ素粉末とカーボンミルドファイバ21と樹脂バインダとにより成形されたプリフォーム20を炭化焼成し、焼成体を形成する。さらに、焼成体に対してケイ素溶浸を行い、炭化されたバインダ樹脂のカーボン粒子22およびカーボンミルドファイバ21を溶浸したケイ素によって炭化ケイ素化すると同時に炭化ホウ素粒子11を焼結させる。これによって、B4C/SiC/Siの組成を有する複合セラミックス材料1を実現している。この製造プロセスによって、低密度で高弾性率な複合セラミックス材料1が、従来の焼結プロセスより低温で、さらに無加圧で製造が可能となる。また、偏肉で複雑な形状の物品を従来に比して容易に製造することができる。
成形したプリフォーム20は、炭化ホウ素粒子11とカーボンミルドファイバ21とがバインダ樹脂により固定され、接合された、ボイド25を有するネットワーク構造になっている。このように、炭化ホウ素粒子11とバインダ樹脂とで成形したプリフォーム20によって、ボイド率を高くすることが容易となる。カーボンミルドファイバ21により炭化ホウ素粒子11がネットワーク化されているため、プリフォーム20の強度を高くすることも可能になる。以上によって、炭化ホウ素の充填率を下げても、形状を維持することができ、成形性を改善することができる。具体的には、成形時の加圧を低くすることが可能になり、より複雑な形状の製品が製造可能となる。
さらに、成形体を熱処理して炭化する場合に、成形体のボイド率が高いので、焼成時の収縮は、カーボンミルドファイバ21の混合効果で抑制される。焼成時の収縮が抑制されるので、焼成体でのクラックの発生が解消される。熱処理により炭化した焼成体は、炭化ホウ素粒子11がカーボンミルドファイバ21と、バインダ樹脂が炭化したカーボン粒子22によって固定されたネットワーク構造を有している。このため、カーボンミルドファイバ21を有さない炭化ホウ素粒子11で構成されたプリフォーム20よりも大きな空孔分布を有しており、さらに強度も高くなる。これによって、ケイ素溶浸前に、容易に形状加工が可能になる。そして、焼結する前、すなわちケイ素溶浸前に形状加工を行うことで、焼結後の硬く、加工性の悪い状態での加工量を大幅に削減可能になる。この結果、複雑な形状の製品を速く、従来に比して簡単に製造することが可能になる。
ケイ素溶浸前の焼成体は、炭化ホウ素粒子11とカーボンミルドファイバ21とバインダ樹脂を炭化したカーボン粒子22とを含む。このため、ケイ素溶浸で、溶浸したケイ素と、カーボンミルドファイバ21およびカーボン粒子22と、が反応して、炭化ケイ素化する。このため、焼成体のボイド25は、反応生成した炭化ケイ素と、反応しなかったケイ素と、で充填されることになり、焼成体のボイド25はほぼなくなる。
焼成体が炭化ホウ素粒子11でネットワーク構造を構成している状態では、溶浸するケイ素と反応するカーボンはほぼ存在していないので、充填部分のほとんどが溶浸したケイ素によって満たされることになる。ケイ素は、炭化ホウ素に比べて弾性率が低いため、ケイ素の充填量が多くなると、特性低下の原因となる。また、ボイド率を下げ、炭化ホウ素の充填率を上げると、プリフォーム20の成形および焼成が困難になる。さらに、ボイド25が小さくなるとケイ素が溶浸し難くなる。
一方、実施の形態1に係る複合セラミックス材料1の製造方法では、炭化ホウ素の充填率を無理に上げなくても、焼成体のボイド25部分に、ケイ素粒子13だけでなく炭化ケイ素粒子12をメインに充填することが可能となる。炭化ケイ素は、ケイ素に比べ弾性率が高く、炭化ホウ素と同等であるので、剛性の低下を軽減することができる。以上のように、実施の形態1の複合セラミックス材料1の製造方法によれば、比弾性率が炭化ケイ素よりも高く、複雑な形状の成形を実現することができるという効果を有する。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る複合セラミックス材料の製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。なお、図3と同一の工程には同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。実施の形態2に係る複合セラミックス材料1の製造方法は、ステップS3の熱処理工程の後で、ステップS4のケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程の前に、形状加工工程(ステップS11)を含む。
ステップS11の形状加工工程は、熱処理工程で得られた焼成体をサブストレートとして部品形状に加工する工程である。形状加工工程は、必要に応じて実施される。形状加工工程では、炭化した焼成体に対して最終部品形状に近い形状に機械加工し、接合用バインダを用いて機械加工した焼成体同士を接合してサブストレートを形成する。つまり、サブストレートは、複数の焼成体を接合用バインダで接合して形状加工したものである。
焼成体は、バインダ樹脂が炭化したカーボン粒子22によって、プリフォーム20中の炭化ホウ素粒子11がカーボンミルドファイバ21と固定され、ネットワーク構造を形成した多孔質の構造を有する。つまり、焼成体は、炭素繊維であるカーボンミルドファイバ21を含んだ複合材料であるため、炭化ホウ素粒子11の粉末のみで構成された多孔質体に比べて十分な強度を有している。このため、機械加工が容易であり、複雑な形状または中空形状も実現可能である。
複雑な形状または中空形状を実現するために、個々の部位に分けて加工した焼成体同士を、その後、接合用バインダを用いて接合して新たな形状にする。図5は、接合用バインダを用いて焼成体同士を接合して構造体を形成する様子の一例を模式的に示す図である。図6は、焼成体同士の接合部の状態の一例を模式的に示す側面図である。図6は、図5の領域Rを拡大した側面図である。ここでは、中空の直方体状の箱の内部に仕切部材を有する構造体であるサブストレート55を組み立てる例を示している。成形工程および熱処理工程によって、図5に示されるように、角筒状の焼成体51と、2つの大きさの異なる板状の焼成体52,53と、が形成される。これらの3つの焼成体51,52,53を用いて、サブストレート55を組み立てる。具体的には、角筒状の焼成体51の一方の端面に、接合用バインダ57を介して板状の焼成体53を接合する。これによって、一方の面が開口した直方体状の箱型の部材が形成される。また、直方体状の箱型の部材の内部に、接合用バインダ57を介して板状の焼成体52を接合する。これによって、サブストレート55が形成される。図6に示されるように、角筒状の焼成体51と板状の焼成体52との接合部には、接合用バインダ57が介されている。このように、複数の焼成体51,52,53を用いて構造体を組み立てる際に、接合用バインダ57が用いられる。
接合用バインダ57は、バインダ樹脂と、炭化ホウ素粉末および炭化ケイ素粉末の少なくとも1つと、を含む。接合用バインダ57は、さらにカーボンミルドファイバ21を含んでいてもよい。接合用バインダ57におけるバインダ樹脂は、混合原料におけるバインダ樹脂の比率よりも多くすることが好ましい。ここで使用するバインダ樹脂は、混合原料に入れるバインダ樹脂と同じでもよいし、異なるものであってもよい。バインダ樹脂の一例は、粉末フェノール樹脂である。接合用バインダ57を用いて焼成体51,52,53を組み合わせた後、熱処理を行うことで、複雑形状のサブストレート55を製造することができる。接合用バインダ57に混合原料に含まれるものと同じ粉末を混ぜることで、再焼成後に他の部分と同等の組織になる。つまり、ステップS4のケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程での焼結後、接合用バインダ57は他と同等の組織になり、特異点になり難くなる。この結果、バインダ樹脂である粉末フェノール樹脂と、炭化ホウ素粉末および炭化ケイ素粉末のうち少なくとも1つと、を含む接合用バインダ57で、加工した焼成体51,52,53同士を接合することで、後加工で実現困難な中空構造または内部にリブ、梁などの構造を含む複雑な形状を実現することが可能となる。
その後のステップS4のケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程では、形状加工した焼成体であるサブストレート55に、ケイ素である金属シリコンまたはシリコン合金を不活性雰囲気あるいは真空雰囲気で加熱して溶浸し、ケイ素とサブストレート55中のカーボンとを反応させて炭化ケイ素化すると同時に炭化ホウ素粒子11を焼結し、複合セラミックス材料1を製造する。また、接合用バインダ57を用いて接合された部分は、ケイ素溶浸によって炭化ケイ素化され、接合した部材も同時に炭化ケイ素化されるため、母材と同等の強度で接合された一体構造になる。また、接合用バインダ57は、炭化ホウ素粉末および炭化ケイ素粉末の少なくとも一方を含んでいるので、接合部もケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程で、反応焼結され、母材と同等の組成となる。つまり、一体構造の複雑な複合セラミックス構造体を実現することができる。
実施の形態2では、ステップS11の形状加工工程で、焼結前に事前に最終部品形状に近い形に加工しているので、焼結後の仕上げ加工量を大幅に削減することができる。通常のセラミックス材料では、焼結後は、固く、非常に加工し辛いため、複雑な形状を実現することは困難であるが、上記したプロセスによれば、複雑な形状を有する製品を実現することが可能である。
実施の形態2では、複数の部品形状の焼成体51,52,53を接合用バインダ57を介して接合してサブストレート55を形成する形状加工工程を行った後に、ケイ素溶浸および炭化ケイ素反応焼結工程を実施する。接合用バインダ57は、バインダ樹脂と、炭化ホウ素粉末および炭化ケイ素粉末の少なくとも1つと、を含む。ケイ素溶浸前のサブストレート55は、炭化ホウ素粒子11と、カーボンミルドファイバ21と、バインダ樹脂が炭化されたカーボン粒子22と、を含む構成であるため、ケイ素溶浸工程で溶浸したケイ素と、カーボンミルドファイバ21およびカーボン粒子22と、が反応して、炭化ケイ素化する。このため、サブストレート55のボイド25は、反応生成した炭化ケイ素と、反応しなかったケイ素と、で充填されることになり、サブストレート55のボイド25はほぼなくなる。
サブストレート55が炭化ホウ素粒子11でネットワーク構造を構成している状態では、溶浸するケイ素と反応するカーボンはほぼ存在していないので、充填部分のほとんどが溶浸したケイ素により満たされることになる。ケイ素は、炭化ホウ素に比べて弾性率が低いため、ケイ素の充填量が多くなると、特性低下の原因となる。また、ボイド率を下げ、炭化ホウ素の充填率を上げると、プリフォーム20の成形および焼成が困難になる。さらに、ボイド25が小さくなるとケイ素が溶浸し難くなる。
一方、実施の形態2に係る複合セラミックス材料1の製造方法では、サブストレート55を使用する場合に、炭化ホウ素の充填率を無理に上げなくても、サブストレート55のボイド25部分には、ケイ素だけでなく炭化ケイ素をメインに充填することが可能となる。炭化ケイ素は、ケイ素に比べ弾性率が高く、炭化ホウ素と同等であるので、剛性低下を軽減することができる。
以下に、実施例および比較例によって本開示の複合セラミックス材料1の製造方法の詳細を説明する。
(実施例1)
炭化ホウ素粉末に3M社の炭化ホウ素F150およびF500を用い、マトリックス充填剤に三菱ケミカル社のミルドファイバK7351Mを用い、バインダ樹脂に群栄化学工業社の粉末フェノール樹脂PG-9400を用いて、それぞれ重量比が40:8:5:7となるように秤量し、均一に混合した混合原料を用いる。炭化ホウ素F150の平均粒度は84.5μmであり、炭化ホウ素F500の平均粒度は約15μmである。このように、炭化ホウ素粉末には、平均粒度の異なる2水準のものが用いられる。
混合原料を成形型である金型に投入し、成形圧力が5MPaであり、硬化温度が150℃である条件で2時間、バインダ樹脂を硬化させて、成形体を得る。このときの成形体のボイド率は18%である。
ついで、不活性雰囲気中で800℃まで昇温して成形体を熱処理し、バインダを炭化させて、焼成体を得る。熱処理後の焼成体のボイド率は20%である。
この後、窒化ホウ素コート処理をした黒鉛治具に焼成体と金属シリコンとをセットし、真空炉で1500℃まで昇温する。これによって、金属シリコンを溶融させて焼成体に含浸させ、ケイ素と焼成体の内部のカーボンとを反応させて炭化ケイ素化させるとともに、炭化ホウ素の粉末を焼結させる。焼結後、自然冷却させ、真空炉から取り出し、焼結された複合セラミックス材料1を得る。
複合セラミックス材料1の表面に付着している未反応のケイ素を除去した後、定められた形状加工を行い、比重およびヤング率を測定する。実施例1による方法で製造された複合セラミックス材料1の比重は2.7であり、ヤング率は416GPaである。レーザ顕微鏡を用いて断面組織を観察し、またエネルギ分散型X線分析(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:EDX)とレーザ顕微鏡とを用いて成分分析を実施すると、B4C、SiC、Siの比率は、それぞれ55%、33%、12%である。なお、各成分の比率は、断面観察と嵩比重とから求めている。粒状の組織であるため、任意の断面の各組成の比率は、一様で、同等であると仮定し、面積比=体積比とみなしている。後の実施例でも同様に断面観察および成分分析を行い、各成分の比率を求めている。
(実施例2)
実施例2では、炭化ホウ素F150、炭化ホウ素F500、マトリックス充填剤およびバインダ樹脂を、それぞれ重量比が48:0:5:10となるように混合する以外は、実施例1と同様の方法で複合セラミックス材料1を作製する。つまり、実施例2では、平均粒度が1水準の炭化ホウ素粉末を用いている。また、実施例2では、成形体のボイド率は20%であり、熱処理後の焼成体のボイド率は23%である。
焼結された複合セラミックス材料1の表面に付着している未反応のケイ素を除去し、比重およびヤング率を測定する。実施例2による方法で製造された複合セラミックス材料1の比重は2.67であり、ヤング率は392GPaである。断面組織を観察すると、B4C、SiC、Siの比率は、それぞれ50%、30%、20%である。炭化ホウ素粉末を1水準とした場合には、実施例1の場合に比して、炭化ホウ素の比率が下がり、未反応のケイ素が増える結果、ヤング率が実施例1の場合に比して低下するものと考えられる。
(比較例1)
比較例1では、炭化ホウ素F150、炭化ホウ素F500、マトリックス充填剤およびバインダ樹脂を、それぞれ重量比が40:8:5:12となるように混合する以外は、実施例1と同様の方法で複合セラミックス材料1を作製する。比較例1では、バインダ樹脂の重量比を実施例1に比して多くしている。比較例1では、成形体のボイド率は9%であり、熱処理後の焼成体のボイド率は14%である。また、焼成体には、クラックが発生している。つまり、比較例1の条件では、所望の複合セラミックス材料1が得られないため、比重およびヤング率の測定と、断面組織の観察は実施していない。比較例1では、実施例1,2と比較してボイド率が小さくなっている。この結果、熱処理時にバインダ樹脂の分解による体積収縮をボイド25が吸収することができず、クラックが発生してしまうと考えられる。
(実施例3)
実施例3では、炭化ホウ素F150、炭化ホウ素F500、マトリックス充填剤およびバインダ樹脂を、それぞれ重量比が40:10:8:6となるように混合する以外は、実施例1と同様の方法で複合セラミックス材料1を作製する。実施例3では、実施例1,2に比較して、混合材料におけるマトリックス充填剤の割合を多くしている。実施例3では、成形体のボイド率は11%であり、熱処理後の焼成体のボイド率は15%である。
焼結された複合セラミックス材料1の表面に付着している未反応のケイ素を除去し、比重およびヤング率を測定する。実施例3による方法で製造された複合セラミックス材料1の比重は、2.65であり、ヤング率は424GPaである。断面組織を観察すると、B4C、SiC、Siの比率は、それぞれ65%、25%、10%である。
(比較例2)
比較例2では、炭化ホウ素F150、炭化ホウ素F500、マトリックス充填剤およびバインダ樹脂を、それぞれ重量比が10:40:5:10となるように混合する以外は、実施例1と同様の方法で複合セラミックス材料1を作製する。比較例2では、平均粒度の大きい炭化ホウ素F150の割合を、平均粒度の小さい炭化ホウ素F500よりも小さくしている。比較例2では、成形体のボイド率は9%であり、熱処理後の焼成体のボイド率は12%である。また、焼成体には、クラックが発生している。このため、比重およびヤング率の測定と、断面組織の観察は実施していない。2水準以上の炭化ホウ素粉末を用いる場合には、平均粒度の大きい炭化ホウ素粉末の割合を、平均粒度の小さい炭化ホウ素粉末よりも多くすると、炭化ホウ素粒子11間の間隔が小さくなり、ボイド率も小さくなる。この結果、熱処理時にバインダ樹脂の分解による体積収縮をボイド25が吸収することができず、クラックが発生してしまうと考えられる。
(実施例4)
実施例4では、実施例1と同じ重量比の原料を用いて、実施例1と同様の方法で図5に示される3つの焼成体51,52,53を作製する。図5に示されるように、接合用バインダ57を用いて3つの焼成体51,52,53を組み合わせてサブストレート55を形成した後、再度熱処理を実施する。接合用バインダ57には、成形用に準備した混合原料に対して、粉末フェノール樹脂を追加し、さらに、アルコール等の有機溶媒を加え、樹脂を溶解させて、ペースト状にしたものが用いられる。粉末樹脂と有機溶媒を追加する代わりに、液体樹脂を追加してペースト状にしてもよく、樹脂の種類は、フェノール樹脂に限定はせず、フラン樹脂、エポキシ樹脂などのように熱処理によって有機成分が分解され、カーボンが残るタイプのものであればよい。
その後、BNコート処理をした黒鉛治具に、サブストレート55と金属シリコンとをセットし、真空炉で1500℃まで昇温する。これによって、金属シリコンを溶融させてサブストレート55に溶浸させ、シリコンとサブストレート55の内部のカーボンとを反応させて炭化ケイ素化させるとともに、炭化ホウ素の粉末を焼結させる。焼結後、自然冷却させ、真空炉から取り出し、一体化された中空構造の焼結された複合セラミックス材料1を得る。
接合部の断面を確認したところ、母材と同様の組織になっており、明確な境界は見られなかった。また、接合部には、クラック等の欠陥は確認されなかった。
このように、シリコン溶浸する前に、焼成後の焼成体を部品加工して、接合用バインダ57を用いて、部品同士を接合したサブストレート55を形成する。その後、サブストレート55にシリコン溶浸を行って、反応焼結させることで、従来のセラミックス材料では、困難であった、複雑構造または中空構造の複合セラミックス構造体を実現することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
[付記1]
炭化ホウ素粉末とマトリックス充填剤とバインダ樹脂とを混合し、混合原料を得る混合工程と、
成形型に前記混合原料を投入し、加熱および加圧して前記バインダ樹脂を硬化させた成形体を得る成形工程と、
前記成形体を不活性雰囲気下または真空雰囲気下で加熱処理し、前記バインダ樹脂を炭化させて焼成体を得る熱処理工程と、
金属シリコンまたはシリコン合金を前記焼成体に接触させて不活性雰囲気下または真空雰囲気下で加熱し、前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を溶融させて前記焼成体に溶浸させる溶浸工程と、
前記焼成体に溶浸した前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を前記焼成体に含まれる前記マトリックス充填剤および前記バインダ樹脂が炭化したカーボンと反応させて炭化ケイ素を生成させるとともに、前記炭化ホウ素粉末を焼結させた焼結体を得る反応焼結工程と、
を含み、
前記マトリックス充填剤は、カーボンミルドファイバであり、
前記反応焼結工程では、前記カーボンミルドファイバが前記金属シリコンまたは前記シリコン合金と反応して全て前記炭化ケイ素となり、前記焼結体には前記カーボンミルドファイバが残らないことを特徴とする複合セラミックス材料の製造方法。
[付記2]
前記混合工程では、平均粒度が2水準以上の前記炭化ホウ素粉末を用いることを特徴とする付記1に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
[付記3]
前記混合工程では、前記バインダ樹脂が粉末フェノール樹脂であることを特徴とする付記1または2に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
[付記4]
前記混合工程では、前記炭化ホウ素粉末は、表面がカーボンまたは窒化ホウ素によってコーティングされていることを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の複合セラミックス材料の製造方法。
[付記5]
前記成形工程では、前記成形体のボイド率が10%以上であることを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の複合セラミックス材料の製造方法。
[付記6]
前記熱処理工程では、前記焼成体のボイド率が20%以上40%未満であることを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の複合セラミックス材料の製造方法。
[付記7]
前記焼成体を部品形状に形状加工し、あるいは、前記焼成体同士を接合用バインダで接合して定められた形状のサブストレートを得る形状加工工程をさらに含み、
前記溶浸工程では、前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を前記サブストレートに接触させて、前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を前記サブストレートに溶浸させ、
前記反応焼結工程では、前記サブストレートに溶浸した前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を前記サブストレートに含まれる前記マトリックス充填剤および前記バインダ樹脂が炭化したカーボンと反応させて炭化ケイ素を生成させるとともに、前記炭化ホウ素粉末を焼結させた焼結体を得ることを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の複合セラミックス材料の製造方法。
[付記8]
前記形状加工工程では、前記接合用バインダは、前記バインダ樹脂と、炭化ホウ素粉末および炭化ケイ素粉末の少なくとも1つと、を含むことを特徴とする付記7に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
1 複合セラミックス材料、11 炭化ホウ素粒子、12 炭化ケイ素粒子、13 ケイ素粒子、20 プリフォーム、21 カーボンミルドファイバ、22 カーボン粒子、25 ボイド、51,52,53 焼成体、55 サブストレート、57 接合用バインダ、111 被覆層。

Claims (8)

  1. 炭化ホウ素粉末とマトリックス充填剤とバインダ樹脂とを混合し、混合原料を得る混合工程と、
    成形型に前記混合原料を投入し、加熱および加圧して前記バインダ樹脂を硬化させた成形体を得る成形工程と、
    前記成形体を不活性雰囲気下または真空雰囲気下で加熱処理し、前記バインダ樹脂を炭化させて焼成体を得る熱処理工程と、
    金属シリコンまたはシリコン合金を前記焼成体に接触させて不活性雰囲気下または真空雰囲気下で加熱し、前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を溶融させて前記焼成体に溶浸させる溶浸工程と、
    前記焼成体に溶浸した前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を前記焼成体に含まれる前記マトリックス充填剤および前記バインダ樹脂が炭化したカーボンと反応させて炭化ケイ素を生成させるとともに、前記炭化ホウ素粉末を焼結させた焼結体を得る反応焼結工程と、
    を含み、
    前記マトリックス充填剤は、カーボンミルドファイバであり、
    前記反応焼結工程では、前記カーボンミルドファイバが前記金属シリコンまたは前記シリコン合金と反応して全て前記炭化ケイ素となり、前記焼結体には前記カーボンミルドファイバが残らないことを特徴とする複合セラミックス材料の製造方法。
  2. 前記混合工程では、平均粒度が2水準以上の前記炭化ホウ素粉末を用いることを特徴とする請求項1に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
  3. 前記混合工程では、前記バインダ樹脂が粉末フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
  4. 前記混合工程では、前記炭化ホウ素粉末は、表面がカーボンまたは窒化ホウ素によってコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
  5. 前記成形工程では、前記成形体のボイド率が10%以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
  6. 前記熱処理工程では、前記焼成体のボイド率が20%以上40%未満であることを特徴とする請求項1に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
  7. 前記焼成体を部品形状に形状加工し、あるいは、前記焼成体同士を接合用バインダで接合して定められた形状のサブストレートを得る形状加工工程をさらに含み、
    前記溶浸工程では、前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を前記サブストレートに接触させて、前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を前記サブストレートに溶浸させ、
    前記反応焼結工程では、前記サブストレートに溶浸した前記金属シリコンまたは前記シリコン合金を前記サブストレートに含まれる前記マトリックス充填剤および前記バインダ樹脂が炭化したカーボンと反応させて炭化ケイ素を生成させるとともに、前記炭化ホウ素粉末を焼結させた焼結体を得ることを特徴とする請求項1に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
  8. 前記形状加工工程では、前記接合用バインダは、前記バインダ樹脂と、炭化ホウ素粉末および炭化ケイ素粉末の少なくとも1つと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の複合セラミックス材料の製造方法。
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