JP2024014744A - シーズニング方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リングアセンブリをシーズニングする技術を提供する。【解決手段】チャンバ及び前記チャンバ内に配置された静電チャックを備えたプラズマ処理装置において実行されるシーズニング方法であって、前記静電チャックは基板を支持する中央領域及び前記中央領域を取り囲み、リングアセンブリを支持する環状領域を有し、前記シーズニング方法は、前記静電チャックの前記環状領域に前記リングアセンブリを配置する工程と、前記静電チャックの前記中央領域に前記基板を配置する工程と、前記チャンバ内にプラズマを生成する工程と、前記静電チャックと前記リングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する工程と、算出された前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を繰り返すか否かを判断する工程とを含む。【選択図】 図7
Description
本開示の例示的実施形態は、シーズニング方法及びプラズマ処理装置に関する。
処理室内の水分量を検出する技術として、特許文献1に記載された水分量検出方法がある。
本開示は、リングアセンブリをシーズニングする技術を提供する。
本開示の一つの例示的実施形態において、チャンバ、前記チャンバ内に配置された静電チャック及び前記静電チャック上の少なくとも一部に配置されたリングアセンブリを備えたプラズマ処理装置において、前記リングアセンブリを処理する処理方法が提供される。前記処理方法は、前記静電チャック上に前記リングアセンブリが配置された状態で、前記チャンバ内にプラズマを生成する工程と、前記静電チャックと前記リングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する工程と、算出された前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を繰り返すか否かを判断する工程とを含む。
本開示の一つの例示的実施形態によれば、リングアセンブリをシーズニングする技術を提供することができる。
以下、本開示の各実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態において、チャンバ及びチャンバ内に配置された静電チャックを備えたプラズマ処理装置において実行されるシーズニング方法が提供される。静電チャックは基板を支持する中央領域及び中央領域を取り囲み、リングアセンブリを支持する環状領域を有し、シーズニング方法は、静電チャックの環状領域にリングアセンブリを配置する工程と、静電チャックの中央領域に基板を配置する工程と、チャンバ内にプラズマを生成する工程と、静電チャックとリングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する工程と、算出された熱抵抗に基づいて、プラズマを生成する工程及び算出する工程を繰り返すか否かを判断する工程とを含む。
一つの例示的実施形態において、シーズニング方法は、繰り返すか否かを判断する工程における判断結果に基づいて、プラズマを生成する工程及び測定する工程を繰り返す工程を更に含み、判断する工程は、算出する工程を繰り返して算出された複数の熱抵抗に基づいて、プラズマを生成する工程及び算出する工程を更に繰り返すか否かを判断する工程を含む。
一つの例示的実施形態において、シーズニング方法は、静電チャック内に配置された少なくとも1つのヒータの温度が設定温度になるように、少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を制御する工程と、チャンバ内にプラズマが生成された状態で、少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を測定する工程と、を更に含み、熱抵抗を算出する工程において、熱抵抗は、チャンバ内にプラズマが生成された状態で測定された供給電力に基づいて算出される。
一つの例示的実施形態において、シーズニング方法は、チャンバ内にプラズマが生成されていない状態で、少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を測定する工程を更に含み、熱抵抗を算出する工程において、熱抵抗は、チャンバ内にプラズマが生成されていない状態で測定された供給電力に更に基づいて算出される。
一つの例示的実施形態において、熱抵抗を算出する工程において、熱抵抗は、(a)プラズマからリングアセンブリに伝わる熱量と(b)リングアセンブリと少なくとも1つのヒータとの間の熱抵抗と、(c)プラズマが生成された状態において少なくとも1つのヒータに供給される供給電力との関係を示す算出式に基づいて算出される。
一つの例示的実施形態において、チャンバ内にプラズマが生成された状態は、プラズマとリングアセンブリとの間に生じた熱流束によってリングアセンブリの温度が経時的に変化する状態である。
一つの例示的実施形態において、シーズニング方法は、搬送装置によって、チャンバの外部からチャンバの内部にリングアセンブリを搬入する工程と、搬送装置によって、静電チャック上の少なくとも一部にリングアセンブリを配置する工程と、を更に含む。
一つの例示的実施形態において、チャンバ、チャンバ内に配置された静電チャック、及び制御部を備えたプラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置において、静電チャックは、基板を支持する中央領域及び中央領域を取り囲み、リングアセンブリを支持する環状領域を有し、静電チャックの中央領域に基板を配置する制御と、基板が中央領域に配置され、かつ、リングアセンブリが環状領域に配置された状態で、チャンバ内にプラズマを生成する制御と、静電チャックとリングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する制御と、算出された熱抵抗に基づいて、プラズマを生成する工程及び算出する工程を繰り返すか否かを判断する制御とを実行する。
以下、図面を参照して、本開示の各実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づいて上下左右等の位置関係を説明する。図面の寸法比率は実際の比率を示すものではなく、また、実際の比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。一実施形態において、プラズマ処理システムは、プラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理システムは、基板処理システムの一例であり、プラズマ処理装置1は、基板処理装置の一例である。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面を有する。
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP;Capacitively Coupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-resonance plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:Helicon Wave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(Direct Current)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部が用いられてもよい。一実施形態において、ACプラズマ生成部で用いられるAC信号(AC電力)は、100kHz~10GHzの範囲内の周波数を有する。従って、AC信号は、RF(Radio Frequency)信号及びマイクロ波信号を含む。一実施形態において、RF信号は、 100kHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての容量結合型のプラズマ処理装置の構成例について説明する。図2A及び図2Bは、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び底壁10b並びに基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF電源31及び/又はDC電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号及び/又はDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台1110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極1111bが下部電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つの下部電極を含む。
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。温調モジュールの詳細については、図4で後述する。
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する少なくとも1つの流量変調デバイスを含んでもよい。
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ生成部12の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号がパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
プラズマ処理装置1は、一つ以上の電磁石45を含む電磁石アセンブリ3を備えている。電磁石アセンブリ3は、チャンバ10内に磁場を生成するように構成されている。一実施形態において、プラズマ処理装置1は、複数の電磁石45を含む電磁石アセンブリ3を備えている。図2A及び/又は図2Bに示す実施形態では、複数の電磁石45は、電磁石46~49を含んでいる。複数の電磁石45は、チャンバ10の上又は上方に設けられている。すなわち、電磁石アセンブリ3は、チャンバ10の上又は上方に配置される。図2A及び/又は図2Bに示す例では、複数の電磁石45は、シャワーヘッド13の上に設けられている。
一つ以上の電磁石45の各々は、コイルを含む。図2A及び/又は図2Bに示す例では、電磁石46~49は、コイル61~64を含んでいる。コイル61~64は、中心軸線Zの周りで巻かれている。中心軸線Zは、基板W又は基板支持部11の中心を通る軸線であり得る。すなわち、電磁石アセンブリ3において、コイル61~61は、環状コイルであり得る。コイル61~64は、同一の高さ位置において、中心軸線Zを中心として同軸に設けられている。
電磁石アセンブリ3は、ボビン50(又はヨーク)を更に含んでいる。コイル61~64は、ボビン50(又はヨーク)に巻き付けられている。ボビン50は、例えば磁性材料から形成されている。ボビン50は、柱状部51、複数の円筒部52~55、及びベース部56を有している。ベース部56は、略円盤形状を有しており、その中心軸線は中心軸線Zに一致している。柱状部51及び複数の円筒部52~55は、ベース部56の下面から下方に延びている。柱状部51は、略円柱形状を有しており、その中心軸線は中心軸線Zに略一致している。柱状部51の半径は、例えば、30mmである。円筒部52~55は、中心軸線Zに対して径方向において、柱状部51の外側で延在している。
コイル61は、柱状部51の外周面に沿って巻かれており、柱状部51と円筒部52の間の溝の中に収容されている。コイル62は、円筒部52の外周面に沿って巻かれており、円筒部52と円筒部53の間の溝の中に収容されている。コイル63は、円筒部53の外周面に沿って巻かれており、円筒部53と円筒部54の間の溝の中に収容されている。コイル64は、円筒部54の外周面に沿って巻かれており、円筒部54と円筒部55の間の溝の中に収容されている。
一つ以上の電磁石45に含まれる各コイルには、電流源65が接続されている。一つ以上の電磁石45に含まれる各コイルに対する電流源65からの電流の供給及び供給停止、電流の方向、並びに電流値は、制御部2によって制御される。なお、プラズマ処理装置1が複数の電磁石45を備える場合には、複数の電磁石45の各コイルには、単一の電流源が接続されていてもよく、互いに異なる電流源が個別に接続されていてもよい。
一つ以上の電磁石45は、中心軸線Zに対して軸対称の磁場をチャンバ10内に形成する。一つ以上の電磁石45のそれぞれに供給される電流を制御することにより、中心軸線Zに対して径方向において磁場の強度分布(又は磁束密度)を調整することが可能である。これにより、プラズマ処理装置1は、チャンバ10内で生成されるプラズマの密度の径方向の分布を調整することができる。
図3は、基板支持部11を上面の一例を示す図である。図3に示すように、基板支持部11は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを含む。中央領域111aは、図3において破線で示すように、複数のゾーン111cを含む。本実施形態において、温調モジュールは、基板W又は基板支持部11の温度を、ゾーン111c単位で制御し得る。ゾーン111cの数、並びに、各ゾーン111cの面積及び形状は、基板Wの温度制御において必要とされる条件に応じて、適宜設定されてよい。
図4は、基板支持部11の断面の一例を示す図である。図4は、図3のAA´における基板支持部11の断面の一部を示している。図4に示すように、基板支持部11は、静電チャック1111、基台1110及び制御基板80を有する。静電チャック1111は、その内部に、複数のヒータ200及び複数の抵抗体201を有する。本実施形態では、図3に示す各ゾーン111cにおいて、静電チャック1111の内部に、1つのヒータ200及び抵抗体201が配置されている。各ゾーン111cにおいて、抵抗体201は、ヒータ200の近傍に配置される。一例では、抵抗体201は、ヒータ200と基台1110との間であって、基台1110よりもヒータ200に近い位置に配置され得る。抵抗体201は、その抵抗値が温度に応じて変化するように構成される。一例では、抵抗体201は、サーミスタであってよい。
静電チャック1111の環状領域111bには、リングアセンブリ112が配置されている。また、静電チャック1111の内部において、複数のヒータ200及び複数の抵抗体201は、中央領域111aから環状領域111bに亘って配置されている。また、静電チャック1111は、1又は複数の静電電極1111cを有し得る。一例として、静電電極1111cは、2つの静電電極1111cを有する。図4に示すように、2つの静電電極1111cの一方が環状領域111bにおける内側領域に配置され、他方が外側領域に配置され得る。2つの静電電極1111cは、双極電極を構成し得る。2つの静電電極1111cの間で電位差が生じるように2つの静電電極1111cに直流電圧が印加され得る。2つの静電電極1111cの間で電位差が生じると、環状領域111bとリングアセンブリ112の間で静電引力が発生する。リングアセンブリ112は、発生した静電引力により環状領域111bに引き付けられ、環状領域111bに保持される。
基台1110は、基台1110の上面(静電チャック1111に対向する面)から下面(制御基板80に対向する面)に亘って貫通する、1又は複数の貫通孔90を有する。複数のヒータ200及び複数の抵抗体201は、貫通孔90を介して、制御基板80に電気的に接続され得る。本実施形態において、貫通孔90の上面側の一端にはコネクタ91が嵌合されており、貫通孔90の下面側の一端にはコネクタ92が嵌合されている。コネクタ91には、複数のヒータ200及び複数の抵抗体201が電気的に接続されている。複数のヒータ200及び複数の抵抗体201は、例えば、静電チャック1111の内部に配置された配線を介して、コネクタ91に接続されてよい。コネクタ92は、制御基板80に電気的に接続される。また、貫通孔90において、コネクタ91とコネクタ92とを電気的に接続する複数の配線93が配置されている。これにより、複数のヒータ200及び複数の抵抗体201は、貫通孔90を介して、制御基板80に電気的に接続され得る。なお、コネクタ92は、制御基板80を基台1110に対して固定する支持部材として機能してもよい。
制御基板80は、複数のヒータ200及び/又は複数の抵抗体201を制御する素子が配置された基板である。制御基板80は、基台1110の下面に対向して、当該下面に対して平行に配置され得る。制御基板80は、導体部材に囲まれて配置されてよい。制御基板80は、コネクタ92以外の支持部材によって基台1110に支持されてよい。
制御基板80は、配線73を介して、電力供給部70に電気的に接続され得る。すなわち、電力供給部70は、制御基板80を介して、複数のヒータ200に電気的に接続され得る。電力供給部70は、複数のヒータ200に供給される電力を生成する。これにより、電力供給部70から制御基板80に供給された電力は、コネクタ92、配線93及びコネクタ91を介して、複数のヒータ200に供給され得る。なお、電力供給部70と制御基板80との間に、RFを低減するRFフィルタが配置されてもよい。当該RFフィルタは、プラズマ処理チャンバ10の外部に設けられてよい。
また、制御基板80は、配線75を介して、制御部2と通信可能に接続され得る。配線75は、光ファイバであってよい。この場合、制御基板80は、制御部2と光通信によって通信する。また、配線75は、金属配線であってもよい。
図5は、制御基板80の構成の一例を示すブロック図である。制御基板80には、制御部81、素子の一例として、複数の供給部82及び複数の測定部83が配置されている。複数の供給部82及び複数の測定部83は、複数のヒータ200及び複数の抵抗体201にそれぞれ対応して設けられている。1つのヒータ200及び1つの抵抗体201に対して、1つの供給部82及び1つの測定部83が設けられてよい。
各測定部83は、各測定部83に対応して設けられた各抵抗体201の抵抗値に基づく電圧を生成し、制御部81に供給する。測定部83は、抵抗体201の抵抗値に応じて生成される電圧を、デジタル信号に変換して制御部81に出力するよう構成されてよい。
制御部81は、各ゾーン111cにおいて、基板Wの温度を制御する。制御部81は、制御部2から受信した設定温度及び測定部83から受信したデジタル信号が示す電圧に基づいて、複数のヒータ200への電力供給を制御する。一例として、制御部81は、測定部83から受信したデジタル信号が示す電圧に基づいて、抵抗体201の温度(以下「測定温度」ともいう。)を算出する。そして、制御部81は、設定温度及び測定温度に基づいて、各供給部82を制御する。各供給部82は、制御部81の制御に基づいて、電力供給部70から供給された電力を、各ヒータ200に供給するか否かを切り替える。また、各供給部82は、制御部81の制御に基づいて、電力供給部70から供給された電力を増加又は減少させて、各ヒータ200に供給してもよい。これにより、基板W、静電チャック1111及び/又は基台1110を、所定の温度にすることができる。
<基板処理システムの構成例>
図6は、基板処理システムの構成例を説明するための図である。図6は、一つの例示的な実施形態にかかる基板処理システム(以下「基板処理システムPS」という)を概略的に示す。
図6は、基板処理システムの構成例を説明するための図である。図6は、一つの例示的な実施形態にかかる基板処理システム(以下「基板処理システムPS」という)を概略的に示す。
基板処理システムPSは、基板処理室PM1~PM6(以下、総称して「基板処理モジュールPM」ともいう。)と、搬送モジュールTMと、ロードロックモジュールLLM1及びLLM2(以下、総称して「ロードロックモジュールLLM」ともいう。)と、ローダーモジュールLM、ロードポートLP1からLP3(以下、総称して「ロードポートLP」ともいう。)とを有する。制御部CTは、基板処理システムPSの各構成を制御して、基板Wに所与の処理を実行する。
基板処理モジュールPMは、その内部において、基板Wに対して、エッチング処理、トリミング処理、成膜処理、アニール処理、ドーピング処理、リソグラフィ処理、クリーニング処理、アッシング処理等の処理を実行する。基板処理室PM1~PM6の少なくとも一つは、図1、図2A又は図2Bに示すプラズマ処理装置1であってよい。また、基板処理室PM1~PM6の少なくとも一つは、誘導結合型プラズマやマイクロ波プラズマ等、任意のプラズマ源を用いたプラズマ処理装置であってよい。基板処理室PM1~PM6の少なくとも一つは、測定モジュールであってよく、基板W上に形成された膜の膜厚や、基板W上に形成されたパターンの寸法等を例えば光学的手法を用いて測定してよい。
搬送モジュールTMは、基板Wを搬送する搬送装置を有し、基板処理モジュールPM間又は基板処理モジュールPMとロードロックモジュールLLMとの間で、基板Wを搬送する。基板処理モジュールPM及びロードロックモジュールLLMは、搬送モジュールTMに隣接して配置されている。搬送モジュールTMと基板処理モジュールPM及びロードロックモジュールLLMは、開閉可能なゲートバルブによって空間的に隔離又は連結される。
一実施形態において、搬送モジュールTMに含まれる搬送装置は、搬送モジュールTMから、基板処理モジュールPMの一例であるプラズマ処理装置1のプラズマ処理空間10sに、基板Wを搬送する。当該搬送装置は、基板Wを基板支持部11の中央領域111aに載置する。プラズマ処理装置1は、リフタを有してよく、当該搬送装置は、基板Wをリフタに載置してよい。リフタは、基板支持部11に設けられた複数の貫通孔の内部を上昇及び下降できるように構成される。リフタが上昇すると、リフタの先端は基板支持部11の中央領域111aから突出し、この位置で基板Wが保持される。リフタが下降するとリフタの先端が基板支持部11に収容され、基板Wは基板支持部11の中央領域111aに載置される。一例として、搬送装置は、シリコンウェハ等の基板を搬送するハンドラであってよい。搬送装置は、基板Wの他に、リングアセンブリ112を搬送し、静電チャック1111上に配置し得る。基板処理システムPSは、交換用のリングアセンブリ112を格納するモジュールを更に有してよい。
ロードロックモジュールLLM1及びLLM2は、搬送モジュールTMとローダーモジュールLMとの間に設けられている。ロードロックモジュールLLMは、その内部の圧力を、大気圧又は真空に切り替えることができる。「大気圧」は、基板処理システムPSに含まれる各モジュールの外部の圧力であり得る。また、「真空」は、大気圧よりも低い圧力であって、例えば0.1Pa~100Paの中真空であり得る。ロードロックモジュールLLMは、大気圧であるローダーモジュールLMから真空である搬送モジュールTMへ基板Wを搬送し、また、真空である搬送モジュールTMから大気圧であるローダーモジュールLMへ搬送する。
ローダーモジュールLMは、基板Wを搬送する搬送装置を有し、ロードロックモジュールLLMとロードボードLPとの間で基板Wを搬送する。ロードポートLP内の内部には、例えば25枚の基板Wが収納可能なFOUP(Front Opening Unified Pod)または空のFOUPが載置できる。ローダーモジュールLMは、ロードポートLP内のFOUPから基板Wを取り出して、ロードロックモジュールLLMに搬送する。また、ローダーモジュールLMは、ロードロックモジュールLLMから基板Wを取り出して、ロードボードLP内のFOUPに搬送する。
制御部CTは、基板処理システムPSの各構成を制御して、基板Wに所与の処理を実行する。制御部CTは、プロセスの手順、プロセスの条件、搬送条件等が設定されたレシピを格納しており、当該レシピに従って、基板Wに所与の処理を実行するように、基板処理システムPSの各構成を制御する。制御部CTは、図1に示す制御部2の一部又は全部の機能を兼ねてよい。
<シーズニング方法の一例>
図7は、一つの例示的実施形態に係るシーズニング方法(以下「本処理方法」ともいう。)を示すフローチャートである。例えばリングアセンブリ112の交換時に、リングアセンブリ112が静電チャック1111上に配置されると、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間には、水分が存在する場合がある。この水分が存在すると、リングアセンブリ112が静電チャック1111に対して良好に吸着しない場合がある。リングアセンブリ112と静電チャック1111との間に存在する水分を除去するために、チャンバ内に配置されたリングアセンブリ112のシーズニングを行う。本処理方法では、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間に存在する水分量と相関関係を有する、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間の熱抵抗に基づいて、シーズニングの終点(水分がほぼ除去されたと考えられる時点)を判断し得る。一例では、本処理方法を実行して熱抵抗が予め定められた値に達したときに、水分がほぼ除去されたと判断してよい。
図7は、一つの例示的実施形態に係るシーズニング方法(以下「本処理方法」ともいう。)を示すフローチャートである。例えばリングアセンブリ112の交換時に、リングアセンブリ112が静電チャック1111上に配置されると、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間には、水分が存在する場合がある。この水分が存在すると、リングアセンブリ112が静電チャック1111に対して良好に吸着しない場合がある。リングアセンブリ112と静電チャック1111との間に存在する水分を除去するために、チャンバ内に配置されたリングアセンブリ112のシーズニングを行う。本処理方法では、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間に存在する水分量と相関関係を有する、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間の熱抵抗に基づいて、シーズニングの終点(水分がほぼ除去されたと考えられる時点)を判断し得る。一例では、本処理方法を実行して熱抵抗が予め定められた値に達したときに、水分がほぼ除去されたと判断してよい。
図7に示すように、本処理方法は、静電チャック1111上にリングアセンブリを配置する工程(ST1)と、基板支持部11に基板Wを配置する工程(ST2)と、プラズマが生成されていない状態でヒータ電力を測定する工程(ST3)と、プラズマ処理チャンバ10内においてプラズマを生成する工程(ST4)と、プラズマが生成された状態で各ヒータ200の温度を測定する工程(ST5)と、熱抵抗を算出する工程(ST6)と、工程ST4から工程ST6を繰り返すか否かを判断する工程(ST7)とを含む。各工程における処理は、図1に示すプラズマ処理システムで実行されてよい。以下では、一例として、制御部2がプラズマ処理装置1の各部を制御して、本処理方法を実行する。
(工程ST1:リングアセンブリの配置)
工程ST1において、リングアセンブリ112が静電チャック1111上に配置される。リングアセンブリ112は、一例として、搬送モジュールTMの搬送装置によって、搬送モジュールTMからプラズマ処理チャンバ10内に搬入され得る。また、リングアセンブリ112は、プラズマ処理チャンバ10内に搬入された後、静電チャック1111の環状領域111bに配置され得る。なお、人がプラズマ処理チャンバ10を開け、静電チャック1111の環状領域111bにリングアセンブリ112を配置してもよい。
工程ST1において、リングアセンブリ112が静電チャック1111上に配置される。リングアセンブリ112は、一例として、搬送モジュールTMの搬送装置によって、搬送モジュールTMからプラズマ処理チャンバ10内に搬入され得る。また、リングアセンブリ112は、プラズマ処理チャンバ10内に搬入された後、静電チャック1111の環状領域111bに配置され得る。なお、人がプラズマ処理チャンバ10を開け、静電チャック1111の環状領域111bにリングアセンブリ112を配置してもよい。
(工程ST2:基板の配置)
工程ST2において、基板Wが基板支持部11に配置される。基板Wは、搬送モジュールTMの搬送装置によって、搬送モジュールTMからプラズマ処理チャンバ10内に搬入され得る。また、基板Wは、プラズマ処理チャンバ10内に搬入された後、静電チャック1111の中央領域111a(基板支持面)に配置され得る。基板支持部11に配置される基板Wは、例えばシリコン基板等のダミー基板であり得る。
工程ST2において、基板Wが基板支持部11に配置される。基板Wは、搬送モジュールTMの搬送装置によって、搬送モジュールTMからプラズマ処理チャンバ10内に搬入され得る。また、基板Wは、プラズマ処理チャンバ10内に搬入された後、静電チャック1111の中央領域111a(基板支持面)に配置され得る。基板支持部11に配置される基板Wは、例えばシリコン基板等のダミー基板であり得る。
基板Wは、表面及び裏面を有する。工程ST2において、基板Wは、その裏面が静電チャック1111の基板支持面と接するように、基板支持部11に配置される。基板Wが基板支持部11に配置された状態において、基板Wの裏面と基板支持面との間に間隙が形成され得る。当該間隙は、基板支持部11の基板支持面に形成された溝であり得る。当該溝は、基板支持面において、所定のパターンを有するように形成されてよい。
(工程ST3:ヒータ電力の測定)
工程ST3において、プラズマが生成されていない状態で、複数のヒータ200に供給される供給電力(以下「ヒータ電力」ともいう。)が測定される。一例として、本処理方法では、工程ST3から工程ST5において、基板W及び/又はリングアセンブリ112の温度が、設定温度において略一定となるように、複数のヒータ200の温度が制御され得る。そして、工程ST3では、基板W及び/又はリングアセンブリ112の温度が設定温度になった状態において、複数のヒータ200に供給されるヒータ電力が測定されてよい。また、工程ST3では、複数のヒータ200のうち、リングアセンブリ112と基台1110との間に配置された1又は複数のヒータ200に供給されるヒータ電力が測定されてよい。
工程ST3において、プラズマが生成されていない状態で、複数のヒータ200に供給される供給電力(以下「ヒータ電力」ともいう。)が測定される。一例として、本処理方法では、工程ST3から工程ST5において、基板W及び/又はリングアセンブリ112の温度が、設定温度において略一定となるように、複数のヒータ200の温度が制御され得る。そして、工程ST3では、基板W及び/又はリングアセンブリ112の温度が設定温度になった状態において、複数のヒータ200に供給されるヒータ電力が測定されてよい。また、工程ST3では、複数のヒータ200のうち、リングアセンブリ112と基台1110との間に配置された1又は複数のヒータ200に供給されるヒータ電力が測定されてよい。
(工程ST4:プラズマの生成)
工程ST4において、プラズマが生成される。具体的には、工程ST4において、処理ガスがプラズマ処理チャンバ10内に供給される。また、ソースRF信号が上部電極又は下部電極に供給される。これにより、プラズマ処理チャンバ10内において、当該処理ガスからプラズマが生成される。そして、生成されたプラズマからリングアセンブリ112に対して、生成されたプラズマに応じた熱量が供給される。
工程ST4において、プラズマが生成される。具体的には、工程ST4において、処理ガスがプラズマ処理チャンバ10内に供給される。また、ソースRF信号が上部電極又は下部電極に供給される。これにより、プラズマ処理チャンバ10内において、当該処理ガスからプラズマが生成される。そして、生成されたプラズマからリングアセンブリ112に対して、生成されたプラズマに応じた熱量が供給される。
(工程ST5:ヒータ電力の測定)
工程ST5において、プラズマが生成された状態で、複数のヒータ200に供給されるヒータ電力が測定される。工程ST5では、プラズマから基板W及び/又はリングアセンブリ112に伝わる熱量によって、基板W及び/又はリングアセンブリ112の温度が変化し得る。すなわち、プラズマから基板W及び/又はリングアセンブリ112に伝わる熱量に応じて、複数のヒータ200において測定されるヒータ電力が変化し得る。なお、工程ST3では、複数のヒータ200のうち、リングアセンブリ112と基台1110との間に配置された1又は複数のヒータ200に供給されるヒータ電力が測定されてよい。
工程ST5において、プラズマが生成された状態で、複数のヒータ200に供給されるヒータ電力が測定される。工程ST5では、プラズマから基板W及び/又はリングアセンブリ112に伝わる熱量によって、基板W及び/又はリングアセンブリ112の温度が変化し得る。すなわち、プラズマから基板W及び/又はリングアセンブリ112に伝わる熱量に応じて、複数のヒータ200において測定されるヒータ電力が変化し得る。なお、工程ST3では、複数のヒータ200のうち、リングアセンブリ112と基台1110との間に配置された1又は複数のヒータ200に供給されるヒータ電力が測定されてよい。
(工程ST6:熱抵抗の算出)
工程ST6において、リングアセンブリ112と静電チャック1111とのの熱抵抗が算出される。熱抵抗は、工程ST3及び工程ST5で測定されたヒータ電力に基づいて算出され得る。以下、図8及び図9を参照して、熱抵抗の算出方法の一例について説明する。
工程ST6において、リングアセンブリ112と静電チャック1111とのの熱抵抗が算出される。熱抵抗は、工程ST3及び工程ST5で測定されたヒータ電力に基づいて算出され得る。以下、図8及び図9を参照して、熱抵抗の算出方法の一例について説明する。
図8は、プラズマPL、リングアセンブリ112、基板支持部11及び基台1110の間のエネルギーの流れを模式的に示す図である。図8に示す例は、基板支持部11の環状領域111bにおける、エネルギーの流れを示している。基板支持部11は、静電チャック1111及び基台1110を有している。静電チャック1111の内部には、ヒータ200が配置されている。基台1110の内部には、伝熱媒体が流れる流路1110aが形成されている。
ヒータ200の温度は、電力供給部70から供給される電力に応じて変化し得る。図8では、ヒータ200へ供給される電力をヒータ電力Phとして示している。ヒータ200では、ヒータ電力Phに応じて、熱流束qhが生じる。熱流束qhは、ヒータ電力Phを面積Aで割った単位面積当たりの発熱量である。面積Aは、基板Wの平面視におけるヒータ200の面積である。
また、プラズマ処理チャンバ10でプラズマPLが生成されている場合、プラズマPLからリングアセンブリ112に伝わる熱により、リングアセンブリ112の温度が上昇し得る。図8では、プラズマPLからリングアセンブリ112へ伝わる熱量をリングアセンブリ112の面積で割った、単位面積当たりの熱量を、プラズマPLからリングアセンブリ112への熱流束qpとして示している。
プラズマPLからリングアセンブリ112に伝わった熱は、リングアセンブリ112から静電チャック1111に伝わる。図8では、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間の単位面積当たりの熱抵抗を、熱抵抗Rth・Aで示している。ここで、Aは、ヒータ200が配置されたゾーン111cの面積である。また、Rthは、ヒータ200が配置されたゾーン111cの熱抵抗である。また、リングアセンブリ112から静電チャック1111に伝わる単位面積当たりの熱量を熱流束qとして示している。
リングアセンブリ112から静電チャック1111の表面に伝わった熱は、静電チャック1111の表面からヒータ200に伝わる。図8では、静電チャック1111の表面からヒータ200へ伝わる、単位面積当たりの熱量を熱流束qcとして示している。
基台1110は、流路1110aを流れる伝熱ガスにより冷却され、静電チャック1111を冷却する。図8では、静電チャック1111の裏面から基台1110へ伝わる、単位面積当たりの熱流束qsusとして示している。これにより、ヒータ200の外部からヒータ200に伝わる熱量及びヒータ200からヒータ200の外部に伝わる熱量に応じて、ヒータ200の温度が変化し得る。例えば、図8に示す例では、qh+qc>qsusである場合、ヒータ200の温度は上昇し得る。また、qh+qc<qsusである場合、ヒータ200の温度は低下し得る。
ヒータ200の温度が一定となるように制御されている場合、ヒータ200の外部からヒータ200に伝わる熱量及びヒータ200で発生する熱量の総和と、ヒータ200からヒータ200の外部に伝わる熱量とが等しい状態となり得る。例えば、ヒータ200の温度が一定となるように制御されている場合、プラズマPLが生成されていない状態では、ヒータ200で発生する熱量と、ヒータ200から基台1110に伝わる熱量とが等しい状態となり得る。すなわち、図8に示す例において、qh=qsusとなり得る。
他方で、ヒータ200の温度が一定となるように制御されている場合において、例えば、プラズマPLが生成された状態では、ヒータ200の外部からヒータ200に伝わる熱量及びヒータ200で発生する熱量の総和と、ヒータ200からヒータ200の外部に伝わる熱量とが等しい状態となる。ここで、プラズマPLが生成された状態には、過度状態と定常状態とがある。過度状態は、例えば、qp>q>qcとなる状態である。すなわち、リングアセンブリ112及び静電チャック1111の温度が、熱流束qpによって経時的に上昇する状態である(当該状態を「過渡状態」ともいう。)。他方で、定常状態は、例えば、qp=q=qcとなる状態である。すなわち、リングアセンブリ112及び静電チャック1111の温度が、熱流束qpによって経時的に上昇しない状態である(当該状態を「定常状態」ともいう。)。
図9は、リングアセンブリ112の温度とヒータ200への供給電力の変化の一例を示す図である。図9の(A)は、リングアセンブリ112の温度の変化を示している。図9の(B)は、ヒータ200への供給電力の変化を示している。図9に示す例では、ヒータ200の温度が一定となるように制御されている。また、図9に示す例は、プラズマが生成されていない状態からプラズマが生成された状態に亘って、ヒータ200への供給電力を測定し、リングアセンブリ112の温度を算出した結果の一例を示している。
図9の期間T1は、プラズマが生成されていない期間である。期間T1では、ヒータ200への供給電力が一定となり得る。図9の期間T2は、プラズマが生成された期間であり、過渡状態である。期間T2では、ヒータ200への供給電力が経時的に低下する。また、期間T2では、リングアセンブリ112の温度が経時的に上昇する。図9の期間T3は、プラズマが生成された期間である。期間T3では、定常状態となり、リングアセンブリ112の温度は一定となっている。期間T3では、ヒータ200への供給電力も略一定となっている。図9の期間T4は、プラズマが生成されていない期間である。期間T4では、プラズマからリングアセンブリ112へ伝わる熱が減少又は無くなるため、リングアセンブリ112の温度が低下する一方で、ヒータ200への供給電力が増加している。
図9の期間T2に示される過度状態でのヒータ200への供給電力の低下の傾向は、プラズマからリングアセンブリ112へ伝わる熱量や、リングアセンブリ112と静電チャック1111の表面と間の熱抵抗などによって変化し得る。
ヒータ200の温度が一定となるように制御されている場合、ヒータ電力Phは、プラズマPLからリングアセンブリ112への熱流束qp、及び、リングアセンブリ112と静電チャック1111の表面との間の熱抵抗Rth・Wによって変化する。例えば、過渡状態において、プラズマPLからリングアセンブリ112への熱流束qpが増加すると、熱流束qpによってリングアセンブリ112の温度が上昇し得るので、ヒータ200に供給されるヒータ電力Phは低下し得る。
ヒータ200の温度が一定となるように制御されている場合、過渡状態において、ヒータ200への供給電力の変化は、単位面積当たりの式としてモデル化し得る。例えば、熱流束qpが存在する場合、ヒータ200の単位面積当たりの発熱量qhは、以下の式(1)のように表せる。
Phは、熱流束qpがあるときのヒータ電力[W]である。
Ph0は、熱流束qpがなく、かつ、定常状態におけるヒータ電力[W]である。
qhは、熱流束qpがあるときのヒータ200の単位面積当たりの発熱量[W/m2]である。
qh0は、熱流束qpがなく、かつ、定常状態におけるヒータ200の単位面積当たりの発熱量[W/m2]である。
qpは、プラズマPLからリングアセンブリ112への単位面積当たりの熱流束[W/m2]である。
Rth・Aは、リングアセンブリ112と静電チャック1111の表面との間の単位面積当たりの熱抵抗[K・m2/W]である。
Rthc・Aは、静電チャック1111の表面とヒータ200との間の単位面積当たりの熱抵抗[K・m2/W]である。
Aは、ヒータ200が設けられているゾーン111cの面積[m2]である。
ρwは、リングアセンブリ112の密度[kg/m3]である。
Cwは、リングアセンブリ112の単位面積当たりの熱容量[J/K・m2]である。
zwは、リングアセンブリ112の厚さ[m]である。
ρcは、静電チャック1111を構成するセラミックの密度[kg/m3]である。
Ccは、静電チャック1111を構成するセラミックの単位面積当たりの熱容量[J/K・m2]である。
zcは、静電チャック1111の表面からヒータ200までの距離[m]である。
κcは、静電チャック1111を構成するセラミックの熱伝導率[W/K・m]である。
tは、プラズマの生成を開始してからの経過時間[秒]である。
ヒータ200の面積A、リングアセンブリ112の密度ρw、リングアセンブリ112の単位面積当たりの熱容量Cw、リングアセンブリ112の厚さzw、静電チャック1111を構成するセラミックの密度ρc、静電チャック1111を構成するセラミックの単位面積当たりの熱容量Cc、静電チャック1111の表面からヒータ200までの距離zc、及び、静電チャック1111を構成するセラミックの熱伝導κcは、それぞれ、リングアセンブリ112及びプラズマ処理装置1の構成から予め定まる。Rthc・Aは、熱伝導κc及び距離zcから式(4)により予め定まる。
ヒータ電力Ph及びヒータ電力Ph0は、図5に示す構成によって取得できる。また、ヒータ200の単位面積当たりの発熱量qh及び発熱量qh0は、式(2)及び(3)に示すように、ヒータ電力Ph、ヒータ電力Ph0及び面積Aから算出できる。
そして、熱流束qp及び熱抵抗Rth・Aは、ヒータ電力Ph及びヒータ電力Ph0の測定結果及び式(1)から、例えばフィッティングによって求めることができる。
また、図9の(A)に示される期間T2におけるリングアセンブリ112の温度のグラフも、熱流束qp及び熱抵抗Rth・Aをパラメータとしてモデル化できる。本実施形態では、期間T2におけるリングアセンブリ112の単位面積当たりの温度変化をモデル化し得る。一例では、熱流束qp及び熱抵抗Rth・A、並びに、式(5)-(11)に示したa1、a2、a3、λ1、λ2、τ1及びτ2を用いて、リングアセンブリ112の温度TW[℃]を、以下の式(12)で表し得る。
ここで、
TWは、リングアセンブリ112の温度[℃]である。
Thは、一定に制御したヒータ200の温度[℃]である。
TWは、リングアセンブリ112の温度[℃]である。
Thは、一定に制御したヒータ200の温度[℃]である。
ヒータ200の温度Thは、実際にリングアセンブリ112の温度を一定に制御した際の条件から求めることができる。
計測結果を用いて、(1)式のフィッティングを行うことにより、熱流束qp、および、熱抵抗Rth・Aが求まった場合、リングアセンブリ112の温度TWは、式(12)から算出できる。
また、経過時間tが、式(10)及び(11)によって表される時定数τ1及びτ2より十分に長い場合、例えば、図9の期間T2である過渡状態から期間T3である定常状態に移行した場合において、リングアセンブリ112の温度TWが目標温度となるヒータ200の温度Thを算出する場合、式(12)は、以下の式(13)のように省略できる。
例えば、ヒータの温度Th、熱流束qp、並びに、熱抵抗Rth・A及びRthc・Aから、式(13)により、リングアセンブリ112の温度TWを求めることができる。
以上のとおり、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間の熱抵抗、及び、リングアセンブリ112の温度を求めることができる。
(工程ST7:繰り返しの判断)
工程ST7において、工程ST4から工程ST6の処理を繰り返すか否かが判断される。工程ST7では、工程ST6で算出された熱抵抗に基づいて、工程ST4から工程ST6を繰り返すか否かが判断される。
工程ST7において、工程ST4から工程ST6の処理を繰り返すか否かが判断される。工程ST7では、工程ST6で算出された熱抵抗に基づいて、工程ST4から工程ST6を繰り返すか否かが判断される。
図10は、熱抵抗と工程ST4から工程ST6を繰り返す回数との関係の一例を示すグラフである。リングアセンブリ112と静電チャック1111との間に存在する水分量と、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間の熱抵抗との間には相関がある。すなわち、工程ST4(プラズマを生成する工程)を繰り返すと、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間に存在する水分の一部又は全部が蒸発し、従って、図10に一例として示すように、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間の熱抵抗が減少し得る。そこで、工程ST7において、一例では、工程ST6で算出された熱抵抗が、予め定められた値よりも高い場合、工程ST4から工程ST6を繰り返すと判断してよい。他方で、工程ST6で算出された熱抵抗が、予め定められた値よりも低い場合、工程ST4から工程ST6を繰り返さないと判断して、本処理方法を終了してよい。また、一例では、工程ST4から工程ST6を繰り返したことによる熱抵抗の減少量が、予め定められた値よりも低くなった場合、工程ST4から工程ST6を繰り返さないと判断してよい。すなわち、工程ST4から工程ST6をn回実行したときの熱抵抗と、n+1回実行したときの熱抵抗との差分が、予め定められた値よりも低くなった場合、工程ST4から工程ST6を繰り返さないと判断して、本処理方法を終了してよい(nは1以上の整数)。
なお、工程ST7では、工程ST6で算出された熱抵抗に基づいて、工程ST2から工程ST6を繰り返すか否かが判断されてもよい。一例では、制御部2は、工程ST7において工程ST2から工程ST6を繰り返すと判断した場合、静電チャック1111に配置された基板Wを静電チャック1111から取り除いた後に、工程ST2に戻り、他の基板Wを静電チャック1111に配置して、工程ST3から工程ST6を実行してよい。また、制御部2は、工程ST7において工程ST2から工程ST6を繰り返すと判断した場合、静電チャック1111に配置された基板Wを静電チャック1111から取り除いた後に、工程ST2に戻り、取り除いた基板Wを静電チャック1111に再度配置して、工程ST3から工程ST6を実行してよい。
本処理方法によれば、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間の熱抵抗に基づいて、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間に存在する水分量を検知することができる。従って、例えばリングアセンブリ112の交換時において、リングアセンブリ112と静電チャック1111との間に存在する水分を除去するために必要なプラズマ処理の実行時間又は実行回数を判断することができる。
以上の各実施形態は、説明の目的で説明されており、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。本開示は、例えば、以下の構成を含み得る。
(付記1)
チャンバ、及び前記チャンバ内に配置された静電チャックを備えたプラズマ処理装置において実行されるシーズニング方法であって、前記静電チャックは基板を支持する中央領域及び前記中央領域を取り囲み、リングアセンブリを支持する環状領域を有する静電チャックを備えたプラズマ処理装置におけるし、前記シーズニング方法であっては、
前記静電チャックの前記環状領域に前記リングアセンブリを配置する工程と、
前記静電チャックの前記中央領域に前記基板を配置する工程と、
前記チャンバ内にプラズマを生成する工程と、
前記静電チャックと前記リングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する工程と、
算出された前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を繰り返すか否かを判断する 工程と
を含む、処理方法シーズニング方法。
チャンバ、及び前記チャンバ内に配置された静電チャックを備えたプラズマ処理装置において実行されるシーズニング方法であって、前記静電チャックは基板を支持する中央領域及び前記中央領域を取り囲み、リングアセンブリを支持する環状領域を有する静電チャックを備えたプラズマ処理装置におけるし、前記シーズニング方法であっては、
前記静電チャックの前記環状領域に前記リングアセンブリを配置する工程と、
前記静電チャックの前記中央領域に前記基板を配置する工程と、
前記チャンバ内にプラズマを生成する工程と、
前記静電チャックと前記リングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する工程と、
算出された前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を繰り返すか否かを判断する 工程と
を含む、処理方法シーズニング方法。
(付記2)
前記繰り返すか否かを判断する工程における判断結果に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記測定する工程を繰り返す工程を更に含み、
前記判断する工程は、前記算出する工程を繰り返して算出された複数の前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を更に繰り返すか否かを判断する工程を含む、付記1に記載のシーズニング方法。
前記繰り返すか否かを判断する工程における判断結果に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記測定する工程を繰り返す工程を更に含み、
前記判断する工程は、前記算出する工程を繰り返して算出された複数の前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を更に繰り返すか否かを判断する工程を含む、付記1に記載のシーズニング方法。
(付記3)
前記静電チャック内に配置された少なくとも1つのヒータの温度が設定温度になるように、前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を制御する工程と、
前記チャンバ内にプラズマが生成された状態で、前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を測定する工程と、
を更に含み、
前記熱抵抗を算出する工程において、前記熱抵抗は、前記チャンバ内にプラズマが生成された状態で測定された前記供給電力に基づいて算出される、付記1又は2に記載のシーズニング方法。
前記静電チャック内に配置された少なくとも1つのヒータの温度が設定温度になるように、前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を制御する工程と、
前記チャンバ内にプラズマが生成された状態で、前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を測定する工程と、
を更に含み、
前記熱抵抗を算出する工程において、前記熱抵抗は、前記チャンバ内にプラズマが生成された状態で測定された前記供給電力に基づいて算出される、付記1又は2に記載のシーズニング方法。
(付記4)
前記チャンバ内にプラズマが生成されていない状態で、前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を測定する工程を更に含み、
前記熱抵抗を算出する工程において、前記熱抵抗は、前記チャンバ内にプラズマが生成されていない状態で測定された前記供給電力に更に基づいて算出される、付記3に記載のシーズニング方法。
前記チャンバ内にプラズマが生成されていない状態で、前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を測定する工程を更に含み、
前記熱抵抗を算出する工程において、前記熱抵抗は、前記チャンバ内にプラズマが生成されていない状態で測定された前記供給電力に更に基づいて算出される、付記3に記載のシーズニング方法。
(付記5)
前記熱抵抗を算出する工程において、前記熱抵抗は、(a)前記プラズマから前記リングアセンブリに伝わる熱量と(b)前記リングアセンブリと前記少なくとも1つのヒータとの間の熱抵抗と、(c)前記プラズマが生成された状態において前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力との関係を示す算出式に基づいて算出される、付記3又は4に記載のシーズニング方法。
前記熱抵抗を算出する工程において、前記熱抵抗は、(a)前記プラズマから前記リングアセンブリに伝わる熱量と(b)前記リングアセンブリと前記少なくとも1つのヒータとの間の熱抵抗と、(c)前記プラズマが生成された状態において前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力との関係を示す算出式に基づいて算出される、付記3又は4に記載のシーズニング方法。
(付記6)
前記チャンバ内にプラズマが生成された状態は、前記プラズマと前記リングアセンブリとの間に生じた熱流束によって前記リングアセンブリの温度が経時的に変化する状態である、付記3から5のいずれか1つに記載のシーズニング方法。
前記チャンバ内にプラズマが生成された状態は、前記プラズマと前記リングアセンブリとの間に生じた熱流束によって前記リングアセンブリの温度が経時的に変化する状態である、付記3から5のいずれか1つに記載のシーズニング方法。
(付記7)
搬送装置によって、前記チャンバの外部から前記チャンバの内部に前記リングアセンブリを搬入する工程と、
前記搬送装置によって、前記静電チャック上の少なくとも一部に前記リングアセンブリを配置する工程と、を更に含む、付記1から6のいずれか1つに記載のシーズニング方法。
搬送装置によって、前記チャンバの外部から前記チャンバの内部に前記リングアセンブリを搬入する工程と、
前記搬送装置によって、前記静電チャック上の少なくとも一部に前記リングアセンブリを配置する工程と、を更に含む、付記1から6のいずれか1つに記載のシーズニング方法。
(付記8)
チャンバ、前記チャンバ内に配置された静電チャック、前記静電チャック上の少なくとも一部に配置されたリングアセンブリ、及び制御部を備えたプラズマ処理装置であって、
前記静電チャックは、基板を支持する中央領域及び前記中央領域を取り囲み、リングアセンブリを支持する環状領域を有し、
前記制御部は、
前記静電チャックの前記中央領域に前記基板を配置する制御と、
前記基板が前記中央領域に配置され、かつ、前記リングアセンブリが前記環状領域に配置された状態で、前記チャンバ内にプラズマを生成する制御と、
前記静電チャックと前記リングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する制御と、
算出された前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を繰り返すか否かを判断する制御と
を実行する、プラズマ処理装置。
チャンバ、前記チャンバ内に配置された静電チャック、前記静電チャック上の少なくとも一部に配置されたリングアセンブリ、及び制御部を備えたプラズマ処理装置であって、
前記静電チャックは、基板を支持する中央領域及び前記中央領域を取り囲み、リングアセンブリを支持する環状領域を有し、
前記制御部は、
前記静電チャックの前記中央領域に前記基板を配置する制御と、
前記基板が前記中央領域に配置され、かつ、前記リングアセンブリが前記環状領域に配置された状態で、前記チャンバ内にプラズマを生成する制御と、
前記静電チャックと前記リングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する制御と、
算出された前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を繰り返すか否かを判断する制御と
を実行する、プラズマ処理装置。
1……プラズマ処理装置、2……制御部、10……プラズマ処理チャンバ、10a……側壁、10b……底壁、10s……プラズマ処理空間、11……基板支持部、12……プラズマ生成部、70……電力供給部、73……配線、75……配線、81……制御部、82……供給部、83……測定部、111c……ゾーン、112……リングアセンブリ、200……ヒータ、201……抵抗体、1110……基台、1110a……流路、1111……静電チャック、1111a……セラミック部材、1111b……静電電極、1111c……静電電極
Claims (8)
- チャンバ及び前記チャンバ内に配置された静電チャックを備えたプラズマ処理装置において実行されるシーズニング方法であって、前記静電チャックは基板を支持する中央領域及び前記中央領域を取り囲み、リングアセンブリを支持する環状領域を有し、前記シーズニング方法は、
前記静電チャックの前記環状領域に前記リングアセンブリを配置する工程と、
前記静電チャックの前記中央領域に前記基板を配置する工程と、
前記チャンバ内にプラズマを生成する工程と、
前記静電チャックと前記リングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する工程と、
算出された前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を繰り返すか否かを判断する工程と
を含む、シーズニング方法。 - 前記繰り返すか否かを判断する工程における判断結果に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記測定する工程を繰り返す工程を更に含み、
前記判断する工程は、前記算出する工程を繰り返して算出された複数の前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を更に繰り返すか否かを判断する工程を含む、請求項1に記載のシーズニング方法。 - 前記静電チャック内に配置された少なくとも1つのヒータの温度が設定温度になるように、前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を制御する工程と、
前記チャンバ内にプラズマが生成された状態で、前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を測定する工程と、
を更に含み、
前記熱抵抗を算出する工程において、前記熱抵抗は、前記チャンバ内にプラズマが生成された状態で測定された前記供給電力に基づいて算出される、請求項1に記載のシーズニング方法。 - 前記チャンバ内にプラズマが生成されていない状態で、前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力を測定する工程を更に含み、
前記熱抵抗を算出する工程において、前記熱抵抗は、前記チャンバ内にプラズマが生成されていない状態で測定された前記供給電力に更に基づいて算出される、請求項3に記載のシーズニング方法。 - 前記熱抵抗を算出する工程において、前記熱抵抗は、(a)前記プラズマから前記リングアセンブリに伝わる熱量と(b)前記リングアセンブリと前記少なくとも1つのヒータとの間の熱抵抗と、(c)前記プラズマが生成された状態において前記少なくとも1つのヒータに供給される供給電力との関係を示す算出式に基づいて算出される、請求項3に記載のシーズニング方法。
- 前記チャンバ内にプラズマが生成された状態は、前記プラズマと前記リングアセンブリとの間に生じた熱流束によって前記リングアセンブリの温度が経時的に変化する状態である、請求項3に記載のシーズニング方法。
- 搬送装置によって、前記チャンバの外部から前記チャンバの内部に前記リングアセンブリを搬入する工程と、
前記搬送装置によって、前記静電チャック上の少なくとも一部に前記リングアセンブリを配置する工程と、
を更に含む、請求項1に記載のシーズニング方法。 - チャンバ、前記チャンバ内に配置された静電チャック、及び制御部を備えたプラズマ処理装置であって、
前記静電チャックは、基板を支持する中央領域及び前記中央領域を取り囲み、リングアセンブリを支持する環状領域を有し、
前記制御部は、
前記静電チャックの前記中央領域に前記基板を配置する制御と、
前記基板が前記中央領域に配置され、かつ、前記リングアセンブリが前記環状領域に配置された状態で、前記チャンバ内にプラズマを生成する制御と、
前記静電チャックと前記リングアセンブリとの間の熱抵抗を算出する制御と、
算出された前記熱抵抗に基づいて、前記プラズマを生成する工程及び前記算出する工程を繰り返すか否かを判断する制御と
を実行する、プラズマ処理装置。
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