JP2024009690A - 情報処理装置、弾性体の情報取得装置、弾性体の情報取得システム、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラム - Google Patents

情報処理装置、弾性体の情報取得装置、弾性体の情報取得システム、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2024009690A
JP2024009690A JP2022111392A JP2022111392A JP2024009690A JP 2024009690 A JP2024009690 A JP 2024009690A JP 2022111392 A JP2022111392 A JP 2022111392A JP 2022111392 A JP2022111392 A JP 2022111392A JP 2024009690 A JP2024009690 A JP 2024009690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic body
surface wave
information
information acquisition
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022111392A
Other languages
English (en)
Inventor
隆 碓井
Takashi Usui
博司 大野
Hiroshi Ono
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2022111392A priority Critical patent/JP2024009690A/ja
Priority to US18/176,326 priority patent/US20240011918A1/en
Publication of JP2024009690A publication Critical patent/JP2024009690A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • G01N21/8851Scan or image signal processing specially adapted therefor, e.g. for scan signal adjustment, for detecting different kinds of defects, for compensating for structures, markings, edges
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/04Analysing solids
    • G01N29/07Analysing solids by measuring propagation velocity or propagation time of acoustic waves
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01HMEASUREMENT OF MECHANICAL VIBRATIONS OR ULTRASONIC, SONIC OR INFRASONIC WAVES
    • G01H9/00Measuring mechanical vibrations or ultrasonic, sonic or infrasonic waves by using radiation-sensitive means, e.g. optical means
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/47Scattering, i.e. diffuse reflection
    • G01N21/4738Diffuse reflection, e.g. also for testing fluids, fibrous materials
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/47Scattering, i.e. diffuse reflection
    • G01N21/49Scattering, i.e. diffuse reflection within a body or fluid
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/04Analysing solids
    • G01N29/11Analysing solids by measuring attenuation of acoustic waves
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/22Details, e.g. general constructional or apparatus details
    • G01N29/24Probes
    • G01N29/2418Probes using optoacoustic interaction with the material, e.g. laser radiation, photoacoustics
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/042Wave modes
    • G01N2291/0423Surface waves, e.g. Rayleigh waves, Love waves

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】 より短時間で適宜の大きさの面を含む弾性体の情報を処理又は取得可能な、情報処理装置を提供すること。【解決手段】 実施形態によれば、情報処理装置は、制御部を有する。制御部は、検査対象物の弾性体表面に表面波を励起するときの、検査対象物の弾性体表面の傾斜情報に応じた光線の方向情報に基づいて、表面波の特徴量を算出する。【選択図】 図7

Description

本発明の実施形態は、情報処理装置、弾性体の情報取得装置、弾性体の情報取得システム、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラムに関する。
媒質の表面や境界面に沿って伝わる波(表面波)を用いた非破壊検査手法が注目されている。弾性体に励起した表面波の性状には、表面の傷のみならず、弾性体の表面だけでなく、表面下(例えば被膜下)の損傷や内部剥離などが反映されることが知られている。表面波に励起する周波数によって弾性体の表面から内部への浸透量(浸透深さ)を制御することができることから、励起周波数を変えることで任意の深さに着目した検査ができる。
特許第5750788号公報
本発明が解決しようとする課題は、より短時間で適宜の大きさの面を含む弾性体の情報を処理又は取得可能な、情報処理装置、弾性体の情報取得装置、弾性体の情報取得システム、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラムを提供することである。
実施形態によれば、情報処理装置は、制御部を有する。制御部は、検査対象物の弾性体表面に表面波を励起するときの、検査対象物の弾性体表面の傾斜情報に応じた光線の方向情報に基づいて、表面波の特徴量を算出する。
第1実施形態に係る弾性体の情報取得システムを示す概略図。 図1に示す弾性体の情報取得システムの表面波励起部の励起素子からウェッジを介して検査対象物の表面に表面波を励起する様子を示す概略図。 図1に示す検査対象物が薄板の場合に検査対象物の表面に表面波を励起するとき、ラム波と呼ばれるモードが生じる状態を示す概略図。 検査対象物の表面に励起した表面波がラム波として伝播する場合の、適宜の材料における、周波数と波長との関係を示す概略的なグラフ。 弾性体の情報取得システムを用いて弾性体の情報を取得する場合の一連の流れを示すフローチャート。 弾性体の情報取得システムを用いて取得した画像(傾斜情報画像)の一例と、表面波との関係を示す概略図。 図6に示す傾斜情報画像から得られる各種の出力の例。 図1に示す弾性体の情報取得システムを用いて検出し得る欠陥の一例。 図1に示す弾性体の情報取得システムを用いて検出し得る欠陥の一例。 図1に示す弾性体の情報取得システムを用いて検出し得る減肉の一例。 図1に示す弾性体の情報取得システムを用いて検出し得る欠陥の一例。 第1実施形態の変形例に係る弾性体の情報取得システムを示す概略図。 第2実施形態に係る弾性体の情報取得システムを示す概略図。 図13に示す検査対象物が液体(水)で、気体が空気である場合に、ある速度での表面波の伝播状態を示す概略図。 液体を水、気体を空気とし、水深を1mm、2mm、5mm、10mm、20mmと変えたときの周波数と速度の関係を示す概略的なグラフ。 液体を水、気体を空気とし、水深を1mm、2mm、5mm、10mm、20mmと変えたときの周波数と波長の関係を示す概略的なグラフ。 キャリア周波数200kHzの正弦波を所定の変調周波数で振幅変調した励起信号の一例を示す図。 変調周波数が30Hzで表面波を励起したときの表面波の面外変位を含む表面を撮像した二次元画像の一例。 変調周波数が30Hzで表面波を励起したときの表面波の面外変位を含む表面を撮像した三次元画像の一例。 変調周波数が40Hzで表面波を励起したときの表面波の面外変位を含む表面を撮像した二次元画像の一例。 変調周波数が40Hzで表面波を励起したときの表面波の面外変位を含む表面を撮像した三次元画像の一例。
以下に、いくつかの実施形態について図面を参照しつつ説明する。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。各実施形態の説明および各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本明細書において、光は電磁波の一種であり、X線、紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波なども含まれるとする。本実施形態において、光は可視光であるとし、例えば波長は450nmから700nmの領域にあるとする。
検査対象物Oは、弾性体であれば、固体であっても液体であってもよく、また固体と液体の中間の物質形態(ガラス、ゲル等)でもよい。検査対象物Oが固体の場合、金属、樹脂、コンクリートなどがあるがそれらに限定されるものではない。液体は、水、種々の水溶液、血液などがあり得るが、それらに限定されるものではない。
表面波は、媒体の界面に沿って伝搬する波動である。表面波は、弾性体表面の面外変位を伴うものであればよく、復元力の種類には限定されない。対象物が固体の場合、代表的な表面波はレイリー波、ラム波などが挙げられる。検査対象物Oが液体の場合は、代表的な表面波は、復元力の種類によって表面張力波、重力波などがあるがいずれでもよい。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る弾性体の情報取得システム(光学検査システム)1について、図1から図11を用いて説明する。第1実施形態では、検査対象物Oが例えば金属材製のプレートなど、固体の板材である例について説明する。本実施形態では、金属材製のプレートとして、板厚が1mmのアルミニウム合金材を用いる例について説明する。また、ここでは、検査対象物Oのエッジからの反射波を考慮しないものとする。
図1には、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム(光学検査システム)1の模式的なブロック図を示す。
図1に示すように、弾性体の情報取得システム1は、検査対象物Oの表面(弾性体表面)に表面波(SAW: Surface Acoustic Wave)を励起する表面波励起部8と、表面波励起部8で励起した表面波を取得する弾性体の情報取得装置10とを有する。情報取得装置10は、検査対象物Oの表面を照明する光源部14と、検査対象物Oの表面Sの傾斜情報を画像として取得する傾斜情報取得部16と、表面波励起部8、光源部14及び傾斜情報取得部16を制御する制御部(情報処理装置)18とを有する。
本実施形態では、表面波励起部8は、信号発生部(波形発生部)20と、増幅器22と、表面波励起素子24とを有する。
信号発生部20は、正弦波、バースト波、振幅変調波など、例えば検査対象物Oや、検査方法に応じて適宜の信号を出力する。
増幅器22は信号発生部20から出力される電圧信号を、励起素子24を駆動するレベルに増幅する。
励起素子24は例えば圧電素子(トランスデューサ)、レーザー光源、スピーカー、電磁超音波素子等として形成される。本実施形態では、励起素子24が圧電素子である場合について説明する。
本実施形態では、励起素子24は共振周波数が例えば1MHzの圧電素子であり、AE(Acoustic Emission)センサ等も利用できる。励起素子24は適宜の周波数の表面波を励起することができれば、適宜のものを用いることができる。
励起素子24は、検査対象物Oの表面(弾性体表面)Sに直接的もしくは間接的に振動を入力することで、弾性体表面Sに表面波を励起する。励起素子24が圧電素子である場合、増幅器22は、例えば50Vpp以上、望ましくは150Vpp以上の振幅に増幅して励起素子24に信号を入力する。
励起素子24は、例えばウェッジ26を介して表面波をより効率的に検査対象物Oの表面に励起することができる。この場合、ウェッジ26には、励起する表面波として例えばラム波の速度よりも遅い音速を持つ材質を使う必要がある。表面波を励起させる検査対象物Oが金属であるならば例えば、ガラス、樹脂、グリース、液体などをウェッジ26として用いることが好適である。
図2に示すように、ウェッジ26中の波長をΛcpl、ラム波の波長をΛoutとすると、ウェッジ26中の波面と、検査対象物Oの表面(平面)のなす角度θの関係が以下の式(1), (2)の関係を満たすことで、最も効率的に検査対象物Oの表面Sに表面波を励起することができる。
なお、式(2)中のCcplはウェッジ26中に励起された表面波の速度(音速)であり、Coutは検査対象物Oを伝播する表面波の速度(音速)である。
図1に示すように、光源部14は、光源32と、光源32用のドライバ34と、照明レンズ36とを有する。
光源32として、例えばLEDを用いる。ただし、光源32はこれに限らず、ハロゲンランプ、キセノンランプ、レーザー光源、X線光源、赤外線光源などでもよく、電場成分と磁場成分から構成される波である電磁波を発するものならば何でもよい。
ここでは、光源としてのLEDから発せられる光は、400nmから850nmまでの波長スペクトル領域に含まれる成分を持つ光とする。
光源用のドライバ34は、信号発生部20からの信号に応じて、光源32のON/OFFのタイミングを制御しながら、ON/OFFを切り替える。信号発生部20は、後述する同期制御部52の信号に基づいて、出力信号の時間差出力を行う。信号発生部20は、例えば、増幅器22に信号を入力し、励起素子24を駆動するタイミングと、後述する光源32用のドライバ34に信号を入力し、光源32を発光させるタイミングとを、同期制御部52からの信号に基づいて、調整することができる。
照明レンズ36は、光源32からの照明光を平行光として、傾斜情報取得部16に向けて照射することができる。平行光は傾斜情報取得部16の後述するビームスプリッタ48を介して検査対象物Oの表面Sへと照射される。このため、検査対象物Oの表面S上の撮影範囲Rを含む領域(照明範囲)が平行光により照明される。本実施形態では、撮影範囲Rは、照明範囲に含まれるものとする。
なお、光源部14は、ビームスプリッタ48に向けて平行光を照射できれば、適宜の光学系が用いられ得る。
傾斜情報取得部16は、検査対象物Oの表面Sの傾斜分布を光学的に取得する。傾斜情報取得部16は、検査対象物Oの少なくとも2つの異なる点(物点)での傾斜情報を取得できる。
傾斜情報取得部16は、結像光学系42と、受光部44aを有する撮像素子(イメージセンサ)44と、多波長開口(絞り)46と、ビームスプリッタ48とを備えている。
結像光学系42は、検査対象物Oに対向する位置にある。図1中、結像光学系42は、模式的に一枚のレンズとして描いたが、組レンズであってもよい。本実施形態において、簡単のために結像光学系42は一枚のレンズとする。結像光学系42は、物体の一点、つまり物点OPから発した光線群を撮像素子44の受光部44a上の共役な像点IPに集める機能を有する光学素子であれば何でもよい。
撮像素子44は、各画素において少なくとも2つの互いに異なる波長を分光する複数の色チャンネルを有する。通常、撮像素子44は、各画素において、Rチャンネル、Gチャンネル、及び、Bチャンネルを備える。このため、撮像素子44は、カラー画像を取得できるとともに、3つの互いに異なる波長を分光可能である。また、各画素における、Rチャンネル、Gチャンネル、及び、Bチャンネルは、画素値を出力可能である。画素値は、例えば0~255の256階調で表現される。画素値は、後述するように、傾斜情報取得部16により取得される。
撮像素子44は、結像光学系42を通した光を撮像する。このため、撮像素子44の受光部44aは、結像光学系42の光軸上にある。撮像素子44は、例えばCMOSエリアセンサを用いる。ただし、撮像素子44はこの限りではなく、CCDエリアセンサでもよく、ラインセンサでもよい。撮像素子44は、ハイパースペクトルカメラを用いてもよい。つまり、撮像素子44は、光源部14の光源32から発する光を感知するものならば何でもよい。
撮像素子44は、各画素において,第1の波長(波長領域の光)、第2の波長(波長領域の光)、第3の波長(波長領域の光)を分光(例えばRGBに色分離)できるものとする。
多波長開口46は、結像光学系42の光軸上に配置される。多波長開口46は、結像光学系42と撮像素子44との間に配置される。多波長開口46は、結像光学系42の焦点面F1、あるいはその近傍に配置される。
多波長開口46は、本実施形態では、例えば円盤状に形成され、回転対称に形成されている。なお、多波長開口46は、矩形状、楕円状等、適宜の形状に形成される。多波長開口46は、撮像素子44としてラインセンサを用いる場合、ラインセンサの向きに応じて、例えば紙面に平行、又は、紙面に直交する方向に延びる帯状であってもよい。
本実施形態では、多波長開口46は、第1の波長及びその近傍の波長の光線を中心部で通す第1の波長選択領域46aと、第1の波長選択領域46aの外周に設けられ、第2の波長及びその近傍の波長の光線を通す第2の波長選択領域46bと、第2の波長選択領域46bの外周に設けられ、第3の波長及びその近傍の波長の光線を通す第3の波長選択領域46cとを有する。
第1の波長、第2の波長、及び、第3の波長は、それぞれ適宜の範囲、つまり第1の波長範囲と第2の波長範囲のそれぞれ含まれることとなるが、波長同士が重ならないことが好適である。このため、本実施形態では、第1の波長範囲、第2の波長範囲、第3の波長範囲は、それぞれ独立している。
本実施形態では、第1の波長選択領域46aは、例えば青(B)色の光、すなわち、波長が例えば450nm及びその近傍の光を通す。第1の波長選択領域46aは、波長が例えば450nm及びその近傍の光とは異なる波長の光を遮蔽する。
第2の波長選択領域46bは、例えば緑(G)色の光、すなわち、波長が例えば530nm及びその近傍の光を通す。第2の波長選択領域46bは、波長が例えば530nm及びその近傍の光とは異なる波長の光を遮蔽する。
第3の波長選択領域46cは、例えば赤(R)色の光、すなわち、波長が例えば650nm及びその近傍の光を通す。第3の波長選択領域46cは、波長が例えば650nm及びその近傍の光とは異なる波長の光を遮蔽する。
検査対象物Oの表面Sの撮影範囲R内のある物点OPからの正反射光(光軸Lに平行な光)、すなわち、光軸Lに対する第1の角度θ≒0°の光は、結像光学系42により、第1の波長選択領域46aを通って撮像素子44の受光部44aの像点IPに入射される。このとき、物点OPから撮像素子44に向かう光のうち、第1の波長から外れた光、すなわち、波長が450nm及びその近傍の波長から外れた光は、第1の波長選択領域46aで遮光される。第1の波長選択領域46aは、波長が450nm及びその近傍の青(B)光を通す。したがって、撮像素子44の像点IPでは、第1の波長選択領域46aを通した光は、青(B)光として取得される。
検査対象物Oの表面Sの物点OPからの第2の角度θ2(>θ1)の散乱光(光軸Lに対して平行でない)は、結像光学系42により、第2の波長選択領域46bを通って撮像素子44の受光部44aの像点IPに入射される。このとき、物点OPから撮像素子44に向かう光のうち、第2の波長から外れた光、すなわち、波長が530nm及びその近傍の波長から外れた光は、第2の波長選択領域46bで遮光される。第2の波長選択領域46bは、波長が530nm及びその近傍の緑(G)光を通す。したがって、撮像素子44の像点IPでは、第2の波長選択領域46bを通した光は、緑(G)光として取得される。
検査対象物Oの表面Sの物点OPからの第3の角度θ3(>θ2)の散乱光(光軸Lに対して平行でない)は、結像光学系42により、第3の波長選択領域46cを通って撮像素子44の受光部44aの像点IPに入射される。このとき、物点OPから撮像素子44に向かう光のうち、第3の波長から外れた光、すなわち、波長が650nm及びその近傍の波長から外れた光は、第3の波長選択領域46cで遮光される。第3の波長選択領域46cは、波長が650nm及びその近傍の赤(R)光を通す。したがって、撮像素子44の像点IPでは、第3の波長選択領域46cを通した光は、赤(R)光として取得される。
上述した傾斜情報取得部16によると、ある物点OPの像は、撮像素子44の受光部44aの像点IPで受光される。このため、ある物点OPが光軸Lに直交する平面として形成されていれば、正反射光の光、ここでは、青光が像点IPで結像される。ある物点OPに凹凸が形成されている場合、散乱光の光、ここでは、緑光又は赤光が像点IPで結像される。したがって、多波長開口46を結像光学系42の焦点面F1に配置することにより、撮像素子44の受光部44aの各画素において取得される像には、物点OPからの光線の方向(正反射光、散乱光)に応じた色付けをすることが可能となる。すなわち、傾斜情報取得部16は、弾性体表面Sの傾斜情報に応じた光線の方向情報を光学的に取得する。
検査対象物Oの表面Sにおける物点OPからの反射光の方向分布はBRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function)と呼ばれる分布関数で表すことができる。BRDFは、一般的に、検査対象物Oの表面Sの表面性状・形状によって変化する。つまり、BRDFは、検査対象物Oの表面Sの表面状態によって変化する。例えば、表面Sが粗いと反射光は様々な方向に広がるため、BRDFは広い分布となる。つまり、広い角度にわたって反射光が存在することになる。一方、表面Sが鏡面になると、反射光はほぼ正反射成分のみとなり、BRDFは狭い分布となる。このように、BRDFは検査対象物Oの表面Sの表面性状・形状を反映する。ここで表面性状・形状とは、表面粗さでもよく、ミクロンサイズの微小な凹凸でもよく、表面の傾きでもよく、ひずみなどでもよい。つまり、表面の高さ分布に関するものならば何でもよい。表面性状・形状が、微細な構造で構成されるとき、その典型的な構造スケールはナノスケールでもよく、ミクロンスケールでもよく、ミリスケールでもよく、どのようなスケールでもよい。
撮像素子44の受光部44aの撮像画素数はn×m(n、mは3以上の整数)である。このため、撮影範囲R内の各物点OPからの像が、撮像素子44の受光部44aの各画素を通して取得され、同時に1つの傾斜画像I(図6参照)が取得される。
検査対象物Oの表面Sにキズがない領域の物点OPは、正反射光として撮像素子44の受光部44aで撮像される。検査対象物Oの表面Sにキズがない領域の物点OPは、正反射光として撮像素子44の受光部44aで撮像される。
ここで、物点OPからの反射光は、第1の波長選択領域46aを通る第1の角度θ1(≒0°)よりも第2の波長選択領域46bを通る第2の角度θ2の方が大きい。また、物点OPからの反射光は、第2の波長選択領域46bを通る第2の角度θ2よりも第3の波長選択領域46cを通る第3の角度θ3の方が大きい。このように、多波長開口46を結像光学系42の焦点面F1に配置することにより、撮像素子44で取得される画像には、検査対象物Oの表面Sからの光線の方向(正反射光、散乱光)に応じた色付けをすることが可能となる。
そして、傾斜情報取得部16は、撮像素子44により撮像された波長毎の光の強度(画素値)を取得することができる。制御部18の信号処理部56は、波長毎の光の強度に基づいて波長毎の光の偏角を算出することができる。
ビームスプリッタ48は、図1中、プレート状に描いたが、例えばキューブ状などでもよい。ビームスプリッタ48は、透過光量と反射光量とを略同量とするハーフミラーを用いてもよい。
制御部18は、表面波励起部8、情報取得装置10(光源部14及び傾斜情報取得部16)を制御する。
制御部18は、例えば、コンピュータ等から構成され、プロセッサ(処理回路)及び記憶媒体を備える。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びDSP(Digital Signal Processor)等のいずれかを含む。記憶媒体には、メモリ等の主記憶装置に加え、補助記憶装置が含まれ得る。記憶媒体としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、及び、半導体メモリ等の書き込み及び読み出しが随時に可能な不揮発性メモリが挙げられる。
制御部18では、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれは、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよい。制御部18では、プロセッサは、記憶媒体等に記憶されるプログラム等を実行することにより、処理を行う。また、制御部18のプロセッサによって実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークを介して制御部18に接続されたコンピュータ(サーバ)、又は、クラウド環境のサーバ等に格納されてもよい。この場合、プロセッサは、ネットワーク経由でプログラムをダウンロードする。制御部18では、励起素子24の励起タイミング、撮像素子44の露光タイミング、光源部14の光源32の発光タイミング(光照射タイミング)を調整することを実行する。また、制御部18では、撮像素子44からの画像取得、撮像素子44から取得した画像に基づく各種算出処理をプロセッサ等によって実行し、記憶媒体をデータ記憶部として機能させる。
また、制御部18による処理の少なくとも一部が、クラウド環境に構成されるクラウドサーバによって実行されてもよい。クラウド環境のインフラは、仮想CPU等の仮想プロセッサ及びクラウドメモリによって、構成される。ある一例では、撮像素子44からの画像取得、撮像素子44から取得した画像に基づく各種算出処理が、仮想プロセッサによって実行され、クラウドメモリが、データ記憶部として機能する。
制御部18は、同期制御部52と、露光制御部54と、信号処理部(画像処理装置)56とを有する。
露光制御部54は、撮像素子44の受光部44aの露光時間(露光タイミング)を制御する。同期制御部52は、信号発生部20から増幅器22を通して励起素子24に信号を入力するタイミングと、光源用のドライバ34を介して光源32を発光させるタイミング及び露光制御部54を介して撮像素子44を露光させるタイミングとを制御する。すなわち、同期制御部52は、撮像素子44(露光制御部54)及び光源部14と、表面波励起部8との動作タイミングを出力する。これは、検査対象物Oの表面Sの表面波の入力位置から撮影範囲Rまでの距離に基づいて、表面波が伝播する伝播時間を考慮するためである。
なお、露光制御部54は、露光/照明制御部として、光源部14の光源32の発光の制御に用いてもよい。
信号処理部56は、傾斜情報取得部16の撮像素子44で取得された傾斜情報を処理して表面波の特徴量を抽出する。
プロセッサは、撮像素子44で撮像した像データに対する信号処理部(画像処理部)56としての機能を有する。プロセッサは、撮像素子44の像データ出力に基づいて、検査対象物Oに係る傾斜情報を算出する。なお、撮像素子44で撮像した像データは、少なくとも2つ以上の画素から出力される。
例えば記憶部には、各種のプログラムが格納されている。プロセッサは、例えば記憶部に記憶されている各種のプログラムをRAMに書き込んで実行することにより、プログラムに沿う機能を発揮する。
各種のプログラムは、必ずしも記憶部に記憶されている必要はなく、プロセッサは、各種のプログラムを、ネットワークを介してサーバ上で実行させることも可能である。
記憶部は、例えばHDD、SSD、フラッシュメモリのような不揮発性メモリであるが、揮発性メモリをさらに有していてもよい。記憶部は、例えばクラウドメモリを用いてもよい。記憶部には、例えば、本実施形態に係る弾性体の情報取得プログラム(光学検査プログラム)又はアルゴリズム、及び、傾斜情報取得部16の設定(光軸Lに対する多波長開口46の設定)に対応する信号処理プログラムが記憶される。弾性体の情報取得プログラム及び信号処理プログラムは、ROMに記憶されていてもよい。
弾性体の情報取得プログラムは、弾性体の情報取得システム1に予めインストールされていてもよく、不揮発性の記憶媒体に記憶させて、又は、ネットワークを介して配布してもよい。弾性体の情報取得プログラムは、例えば適宜のサーバなど、弾性体の情報取得システム1の外部にあってもよい。
ここで、表面波の理論的背景について説明する。ここでは、弾性波動論における支配方程式を考える。変位ベクトルuを、ヘルムホルツの定理より以下の式(3), (4)ように表すことができる。
運動方程式は、材料固有の定数(ラメ定数λ、μ、密度ρ)を用いて次の式(5)の形で表される。
上式より、以下の2つの独立した波動方程式(6), (7)が導き出せる。
それぞれの伝搬速度は、以下の式(8), (9)となる。
それぞれCLは縦波を、CTは横波を表す。さらに、図3に示すように、材料が薄板の場合は、縦波、横波が境界で相互に変換され、所定の位相条件を満たした合成波がある波数の進行波として観測され、ラム波と呼ばれるモードが生じる。材料の板厚を無限大とすると、レイリー波の分散関係となる。
厚み方向Z=±h/2として境界条件を設定すると、周波数ωと波数kはレイリー-ラム方程式として知られる以下の式(10)-(12)の関係を満たす。
図3中、板の上面及び下面の各反射点でP波、S波が生じる。そして、所定の位相条件を満たしたP波、S波の合成が、波数kの進行波のように見えるラム波となる。
ラム波の位相速度vp、及び、群速度vgは、以下の式(13), (14)の速度分散関係から求められる。
これより、周波数fと位相速度vp、群速度vgの関係係を求めることができる。すなわち材料固有の値と、形状(この場合は厚み)のパラメータ、及び周波数によって、速度、及び波長を求めることができる。例として、ガラス1mm厚、ガラス3mm厚、アルミニウム1mm厚、SUU1mm厚、錫1mm厚、アクリル1mm厚に対して、周波数と波長の関係を求めた計算例を図4に示す。
次に、弾性体の情報取得システム1の表面波情報の取得方法について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述したように、検査対象物Oはアルミニウムプレートであり、板厚は例えば1mmである。表面波励起部8の励起素子24は共振周波数が1MHzの圧電素子である。
そして、制御部18は、信号発生部(波形発生部)20の任意波形発生器を用い、例えば周波数1MHzの正弦波(図1参照)を生成する(ステップST1)。表面波励起部8の増幅器22では電圧を50倍~150倍し、励起素子24へ印加する。このため、励起素子24が振動し、検査対象物Oであるアルミニウムプレートに周波数が1MHzの表面波が励起される(ステップST2)。
ここでは、励起素子24は、ウェッジ26を通して最も効率的に検査対象物Oの表面Sに表面波を励起することができたものとする。
なお、ラム波の理論より、検査対象物Oであるアルミニウムプレートに周波数が1MHzの表面波が励起されると、図4に示すように、励起された表面波の波長λは5mm以下であると推定できる。
なお、表面波の伝播速度=周波数×波長であり、励起素子24からウェッジ26を介して励起振動が入力される位置が分かっている。このため、励起素子24が検査対象物Oに振動を入力し表面波を励起した励起位置から、表面波が撮影範囲Rに到達するまでの時間がある程度分かっている。
このため、同期制御部52は、励起素子24からウェッジ26を介して被検査対象物Oの表面Sに励起振動が入力された時間から、表面波が撮影範囲Rに到達するまでの時間の間に、光源32用のドライバ34を制御し、光源32を発光させる。また、同期制御部52は、露光制御部54を制御し、励起素子24からウェッジ26を介して被検査対象物Oの表面Sに励起振動が入力された時間から、表面波が撮影範囲Rに到達するまでの時間の間に、撮像素子44への露光を開始する(ステップST3)。
すなわち、同期制御部52は、表面波励起部8の励起動作を開始するタイミングを指令する励起開始信号と、露光制御部54が撮像素子44での露光及び弾性体表面Sへの平行光の照明を開始するタイミングを指令する露光/照明開始信号を出力する。励起開始信号と露光/照明開始信号との時間差は、検査対象物O上で、表面波の励起素子24によって表面波が最初に励起される位置から、傾斜情報取得部16により撮像される検査対象物Oの表面S上の撮影範囲Rの例えば中心部までの距離に基づいて決定することができる。すなわち、同期制御部52は、励起開始信号と露光/照明開始信号とを、表面波の伝搬速度に基づく所定の時間差で出力させる。
光源32は照明レンズ36を介して、ビームスプリッタ48に向けて照明光を射出する。光源32から射出した照明光は、ビームスプリッタ48を介して、平行光として、検査対象物Oの表面Sに照射される。そして、照明光は、検査対象物Oの表面Sで反射する。
ここで、反射は散乱と正反射を含む意味で用い、以下でも特に断らない限り同様の意味とする。
正反射した光のうち、第1の波長及びその周囲の波長の光は、結像光学系42、多波長開口46の第1の波長選択領域46aを通して撮像素子44の受光部44aで結像する。
反射した光のうち、光軸に対して第2の散乱角(第2の反射角)θ2の範囲で散乱した光のうち、第2の波長及びその周囲の波長の光は、結像光学系42、多波長開口46の第2の波長選択領域46bを通して撮像素子44の受光部44aで結像する。
反射した光のうち、光軸に対して第3の散乱角(第3の反射角)θ3の範囲で散乱した光のうち、第3の波長及びその周囲の波長の光は、結像光学系42、多波長開口46の第3の波長選択領域46cを通して撮像素子44の受光部44aで結像する。
ここで、第2の散乱角θ2、第3の散乱角θ3は、検査対象物Oの表面Sへの照明光の入射光線と検査対象物Oの表面Sからの反射光線との2つの光線のなす角とし、90°以下とする。
このため、撮像素子44は、撮影範囲の傾斜情報に関する画像を取得し、信号処理部56に画像情報を出力する(ステップST4)。したがって、傾斜情報取得部16は、光学的に、表面波励起部8により検査対象物Oの弾性体表面Sに表面波を励起した弾性体表面Sの面外変位の情報を含む、検査対象物Oの弾性体表面Sの物点OPからの光線の方向に応じた色付けをした弾性体の傾斜情報を、画像として取得することができる。すなわち、信号処理部56は、光線の方向情報に色を対応づけて、光線の方向情報を取得する。
なお、第1の波長及びその周囲の波長の光、第2の波長及びその周囲の波長の光、第3の波長及びその周囲の波長の光は、互いに波長が重ならない。このため、第1の波長及びその周囲の波長の光、第2の波長及びその周囲の波長の光、第3の波長及びその周囲の波長の光は、撮像素子44の受光部44aの各画素において色分離されて撮像される。
第1の波長及びその周囲の波長の光は、本実施形態ではB(青)である。第2の波長及びその周囲の波長の光は、本実施形態ではG(緑)である。第3の波長及びその周囲の波長の光は、本実施形態では、R(赤)である。
図1に示す傾斜情報取得部16の撮像素子44の受光部44aは、表面波励起部8の励起素子24が励起する表面波の波長をλ、周期をTとするとき、弾性体表面Sに、少なくとも直径λ以上の円形領域の撮像範囲Rを設定する。このため、撮像素子44の受光部44aは、撮影範囲R内の表面波をもれなく捉えることができる。
そして、同期制御部52は、表面波が撮影範囲Rを通過している最中、又は、通過した後、光源32の発光を停止させる。また、同期制御部52は、露光制御部54を制御し、表面波が撮影範囲Rを通過している最中、又は、通過した後、撮像素子44への露光を停止させる。
なお、露光制御部54は、傾斜情報取得部16の撮像素子44への露光開始タイミング及び露光時間を制御する。光源32の発光時間、すなわち、露光時間texpは、励起する表面波の周波数fに基づき以下の式(15)の関係になるように予め決定される。
なお、望ましくは、式(16)の関係であると、撮像素子44の受光部44aは、より明瞭な信号(傾斜情報画像)を取得できる。
露光時間texpは、撮像素子44のシャッターの開放時間と光源32の照射時間とが一致する時間である。制御部18による制御対象は、撮像素子44のシャッタースピード及び光源32の照射時間のいずれか、もしくは、両方でもよい。
なお、励起する表面波の周波数f=1MHzのときに式(17)を満たすように、例えば露光時間texp=0.1e-6[s]とする。
なお、ここでは、光源32であるLEDを変調することで露光時間を制御する例を示す。
また、制御部18の露光制御部54は、撮像素子44の受光部44aの撮像画素数がn×m(n、mは3以上の整数)であり、T/2よりも短い露光時間texpで、検査対象物Oの表面Sの傾斜情報を画像Iとして撮像する。この場合、画像Iがぼやけることなく鮮明な形状を撮像素子44の受光部44aで撮像することができる。撮像画素数は、λ/n>2かつλ/m>2であればよいが、λ/n≧10かつλ/m≧10となるように画素数を設定することで表面波の形状をより明確にとらえることが可能であり、好適である。
図6には、撮像素子44で取得した画像Iの一例を示す。また、図6には、画像Iと励起素子24(検査対象物Oの表面Sの表面波の励起部)との位置関係を示す。本実施形態では、検査対象物Oの表面Sの撮影範囲R内の画像Iのうち、表面Sからの正反射光が青(B)色、ある角度θ2の散乱光が緑(G)色、角度θ2よりも大きい角度θ3の散乱光が赤(R)色で示される。図6中に破線で示す部分の近傍の領域が赤色に近いため、信号処理部56(制御部18)は、その領域を検査対象物Oの表面Sに面外変位が生じた部位であると推定することができる。また、破線間の領域の領域は青色に近いため、信号処理部56(制御部18)は、その領域を検査対象物Oの表面Sに面外変位が生じていない部位であると推定することができる。
制御部18の信号処理部56は、例えば、図6中の破線間距離を測定することで、画像で捕らえた表面波の1周期Tの波長λを出力する。また、信号処理部56は、励起振動の入力位置と撮像範囲Rの適宜の位置との距離、同期制御部52による励起振動の入力タイミングと露光タイミングとの時間差から、表面波の速度を算出可能である。また、信号処理部56は、後述する第2実施形態の図19及び図21に示すように、表面波を含む撮像範囲Rの傾斜情報から、撮像範囲Rの反射光の角度変化量を出力可能である。角度変化量の空間分布をもとに、表面波の振幅、および面外変位量を出力することもできる。
このように、制御部(情報処理装置)18は、弾性体としての検査対象物Oの表面Sの傾斜情報(傾斜情報画像I)に基づいて、表面波の特徴量を算出することができる。すなわち、制御部(情報処理装置)18は、検査対象物Oの弾性体表面Sに表面波を励起するときの、検査対象物Oの弾性体表面Sの傾斜情報に応じた光線の方向情報に基づいて、表面波の特徴量を算出することができる。制御部18は、光線の方向情報に色を対応づけて、光線の方向情報を取得することができる。なお、表面波の特徴量は、限定されるものではないが、例えば、表面波の波長、周期、伝播速度、空間分布、振幅、面外変位の少なくとも1つを含むものであることが好適である。
本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1で得られた図6に示す画像Iでは、3つの波長λの間隔が略同一間隔であり、乱れが少ない。この場合、制御部18の信号処理部56は、表面波を励起した位置から、撮影範囲Rの間に、表面波としてのラム波が進行する際に影響を受け得る内部欠陥等が存在しない可能性が高いことを出力できる。
なお、図6中の画像Iのおける符号Bで示す位置は、一部、色が変化した領域が画像として捕らえられている。その領域Bは概して緑色領域として撮像され、その領域Bの外周が概して正反射光として入力されている青色領域として撮像されている。このため、その領域Bは、検査対象物Oの表面Sのキズ又は汚れ等である、と推定できる。すなわち、制御部18の信号処理部56は、検査対象物Oの表面Sにキズ又は汚れ等が存在していると推定できる。
図7に示すように、制御部18の信号処理部56は、傾斜情報画像Iから、表面波の波長λ、表面波の周期T、表面波の速度、表面波の角度変化量(振幅比)等が得られる。信号処理部56は、このような像(傾斜情報画像)Iから、板厚、表面波の伝播速度、弾性率、密度等を算出することができる。この場合、信号処理部56は、表面波を励起して取得した像(傾斜画像)Iから、未知であった密度等を算出することができる。
また、表面波の空間分布(面外変位)を取得することにより、制御部18は、検査対象物Oの空隙部等の内部欠陥ID(図8、図9参照)、減肉部TR(図10参照)、積層されて層状に形成されているのであれば層間剥離ID(図11参照)等の存在の有無を推定できる。内部欠陥IDは、図8に示すように1つの素材(基材)で形成されている場合に限られず、制御部18は、例えば図9に示すように、基材上に塗膜層が形成されている場合にも、画像Iから欠陥IDの有無を推定できる。
検査対象物Oの表面Sの表面波の励起位置(音源)から撮影範囲R内までの間に、内部欠陥IDが存在する場合、表面波が伝播する媒質は、固体(例えばアルミニウムプレート)から例えば気体(空気)に変化し、再び固体に変化する。このため、内部欠陥IDが存在する部位を通るときに、表面波が伝播する速度が変化する。したがって、内部欠陥IDの大きさや深さによるが、表面波が伝播する媒質全部が一様な密度の固体のまま撮影範囲R内に到達した表面波と、表面波が伝播する媒質の一部が固体から例えば気体に変化し再び固体に変化して撮影範囲R内に到達した表面波とは、伝播速度が異なる。したがって、表面波の励起位置(音源)から撮影範囲R内までの間に内部欠陥IDが存在する場合、撮影範囲R内で撮影される画像Iのうち、例えばピーク振幅の位置は、滑らかに連続する曲線状又は直線状とはならないと想定される。このため、信号処理部56は、例えばピーク振幅の位置を画像認識等により出力することで、表面波の乱れを判定し、内部欠陥IDの存在を推定することができる。したがって、制御部18は、弾性体としての検査対象物Oの表面Sの傾斜情報(傾斜情報画像I)に基づいて、検査対象物Oの損傷の有無、損傷の位置、及び、損傷の大きさの少なくとも1つを推定することができる。
なお、表面波は、波長λに応じて検査対象物Oの表面Sに対する浸透深さが異なる。このため、例えば、励起素子24から、異なる周波数Tの表面波、すなわち、異なる波長λの表面波を検査対象物Oの表面Sに入力すると、制御部18は、検査対象物Oの表面Sに対する内部欠陥IDの深さ、肉厚、層間剥離IDが生じた深さを推定可能である。
例えば、表面波励起部8の励起素子24は、励起素子24から例えば1MHzより低い適宜の周波数(低周波)の表面波を検査対象物Oの表面Sに入力すると、傾斜情報取得部16は、検査対象物Oの表面Sからより深い位置の内部欠陥IDの影響を受け得る画像Iを取得することができる。反対に、表面波励起部8の励起素子24が励起素子24から例えば1MHzより高い適宜の周波数(高周波)の表面波を検査対象物Oの表面Sに入力すると、傾斜情報取得部16は、検査対象物Oの表面Sからより浅い位置の内部欠陥IDの影響を受け得る画像Iを取得することができる。
なお、本実施形態では、図1に示す正弦波のように、励起素子24で励起する表面波がパルス状でなく、複数周期である。このとき、信号発生部20が出力する周波数(第1の周波数)で繰り返す信号に基づいて、励起素子24が駆動される。この場合、1周期あたりの露光時間をtexpとし、励起素子24による表面波の励起信号と露光タイミングの位相とを同期させることで、撮像素子44のシャッターを開放したまま、複数周期の露光を重ねることができる。この場合には、撮像素子44による1回の撮像中にN回(N:自然数)の露光が繰り返し行われることになる。したがって、撮像素子44の累積の露光時間は、N・texpとなる。制御部18はこのように撮像素子44を制御しても、制御部18は、傾斜情報を得ることができる。例えば、N回の撮像を行った場合であっても、そのときの制御部18の処理は、表面波の励起信号の入力位置の変更及び/又は表面波の計測位置の変更を伴う他の試行を行う必要がないため、より短時間で行われる。
撮像素子44の露光開始タイミングは、同期制御部52から送信された露光開始信号に従って制御され、撮像素子44の露光が開始される。撮像素子44の露光開始から所定の露光時間の経過までを1回の撮像とし、繰り返し撮像を行うようにしてもよい。その場合、予め定めた所定の回数もしくは時間が経過するまで撮像素子44の撮像を繰り返すようにしてもよいし、制御部18又は図示しないホストコンピュータから明示的な停止指令が入力されるまで撮像素子44の撮像を継続するようにしてもよい。
なお、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1の傾斜情報取得部16は、励起素子24に信号を入力せず、検査対象物Oの表面Sに表面波を励起しない状態でも、光源32から照明光を検査対象物Oの表面Sに照明しながら、撮像素子44を露光することにより、観察範囲R内の表面Sの状態を、撮像することができる。すなわち、傾斜情報取得部16は、弾性体表面Sに表面波を励起しないときの弾性体表面Sの物点OPからの光線の方向情報に基づく弾性体の傾斜情報(第2の傾斜情報)を光学的に取得可能である。このときの制御部18は、光線の方向情報に色を対応づけて、光線の方向情報を取得する。信号処理部56は、検査対象物Oの表面Sに表面波を励起しない状態で撮像素子44を用いて取得した画像Iにおいて、正反射光と散乱光とが得られる場合、検査対象物Oの表面Sには、観察範囲R内の表面S内にキズ等が生じていると推定できる。
そして、表面波を励起しないで取得した第2の傾斜情報の傾斜画像I2と、表面波を励起した状態で取得した第1の傾斜情報の傾斜画像I1との差分(=I1-I2)を取得することによって、表面Sのキズがキャンセルされる。このため、表面Sのキズは、画像I2から得ることができ、内部損傷等は画像I1,I2の差分(=I1-I2)から得ることができる。したがって、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1の制御部18は、検査対象物Oの表面Sのキズと、検査対象物Oの内部損傷等を分離することが可能となる。したがって、制御部18は、表面波を励起して取得した傾斜情報(第1の傾斜情報)と、表面波を励起しないで取得した傾斜情報(第2の傾斜情報)とに基づいて、弾性体表面Sの表面下の情報を取得することができる。
本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1では、弾性体(検査対象物Oの表面S)に励起した表面波を伝播させながら、ある撮像領域Rにおいて撮像した像(傾斜情報画像)Iについて、散乱された光の角度に対して異なる色相をマッピングすることができる。このため、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1では、例えばワンショットで検査対象物Oの表面Sのうち、所定の大きさの面(検査範囲R)の表面波の性状(周期、振幅、速度、形状、分布等)を画像(傾斜情報画像)Iとして取得することができる。そして、弾性体の情報取得システム1は、表面波の性状から、検査対象物Oの機械的特性や損傷を検知することができる。
本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1では、板厚が小さく、表面波として波長λに対して表面波の浸透深さが板厚よりも大きい場合に生じ得るラム波モードを用いる例について説明した。検査対象物Oの厚さを適宜に厚くし、表面波として波長λに対して表面波の浸透深さが板厚よりも小さい場合に生じ得るレイリー波モードを用いる場合も、上述したように、弾性体の情報を取得することができる。
また、表面波はその波長と同程度の深さまで影響を受けるため、励起する表面波の波長λ、もしくは周波数fを変化させて傾斜分布を取得することによって、深さごとに傷を検知することができるようになる。例えばレイリー波モードを用いる場合、表面波励起部8は、時間経過とともに励起波長を変化させて表面波を励起してもよい。この場合、表面波励起部8に入力する正弦波等を例えば、適宜の周波数に変更することで、表面波励起部8の励起素子24を変更せずに、異なる波長の表面波を検査対象物Oの表面Sに励起することができる。そして、制御部18は、波長に応じた傾斜情報を撮像素子44でそれぞれ取得する。このため、制御部18は、検査対象物Oの表面Sから異なる浸透深さに浸透する波長ごとの傾斜情報を撮像素子44で取得することにより、例えば検査対象物Oの表面Sからの内部損傷の深さを取得することができる。
従来の非破壊検査では、例えばAE(Acoustic Emission)センサ、加速度センサ、レーザードップラ計測など“点”で表面波を計測することが一般的である。表面波の性状を“面”で検査するためには点を移動しながら表面波励起と計測を繰り返し行うスキャニングを行う必要がある。このため、従来の非破壊検査における、点入力、点計測での表面波の測定を行う場合、計測範囲を広げると計測時間がかかるという課題がある。また、従来の非破壊検査では、点ごとに異なる試行の表面波を検出することになるため、計測の開始と終了時点で対象物の状態が変化してしまう可能性がある。
例えば、撮像領域Rと同じ領域を従来の非破壊検査の手法を用いて検査しようとする場合、各点に表面波を計測する装置を設置することが求められ、例えばその設置から計測を行うまで、少なくとも10秒程度はかかると想定される。この作業を、数千点に行う場合、1万秒以上かかると推定される。これに対し、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1を用いて弾性体を検査する場合、検査対象物Oの表面Sに表面波を励起してから、撮像素子44の受光部44aで、受光部44aの画素数(例えば20000000ピクセル)の画像Iを取得し終えるまで、僅か0.005秒程度である。本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1を用いて検査をする場合、測定速度だけでなく、測定点数でも利点がある。したがって、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1を用いることで、点としてではなく、面として所定の範囲を、短時間で計測することができる。したがって、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1により、表面波の性状を簡便かつ二次元的に取得可能となり、複数点を別試行により検査するよりも、検査時間を大きく削減できる。
なお、仮に、画像を複数回取得する場合であっても、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1を用いることで、振動の励起位置、観察範囲Rを動かす必要がない。このため、より短時間で、適宜の大きさの面を含む弾性体の情報を処理又は取得することができる。
さらに、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1を用い、ワンショットで検査対象物Oの表面Sのうち、所定の大きさの面を伝播する表面波の性状を、全ての点(撮像素子44の受光部44aの画素)で時間遅れなく取得し、1つの画像として出力することができるとともに、別試行の計測が不要であるため、計測結果の信頼性を向上させることができる。
なお、上述したように、制御部18が表面波励起部8に時間経過とともに励起波長を変化させて表面波を励起する場合、制御部18は、波長に応じた傾斜情報(光線の方向情報)を撮像素子44でそれぞれ取得する。この場合であっても、制御部18は、各波長において、撮像範囲Rの傾斜情報をそれぞれワンショットで得ることができる。このため、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1は、ワンショットで弾性体の所望の情報が得られない場合であっても、より短時間で適宜の大きさの面を含む弾性体の情報を取得可能である。
また、弾性体の情報取得システム1の傾斜情報取得部16は、波長λが読み取れる領域Rの傾斜分布として画像Iを取得できる。このため、情報取得システム1の制御部18は、画像Iから正確に波長λを算出することができる。例えば、弾性体の表面S中の光照射面の散乱角度に応じて傾斜情報取得部16が領域Rの像に対して、任意の色相をマッピングすることができる。そして、弾性体の情報取得システム1の傾斜情報取得部16は、領域Rの傾斜分布に応じたカラー画像として弾性体の情報を取得することができるワンショット撮像光学系として提案されており、本手法に好適である。
本実施形態では、多波長開口46の波長選択領域46a,46b,46cは、中心部から径方向外方に向かって順に、青、緑、赤の波長の光をそれぞれ通すように配置した。多波長開口46の波長選択領域46a,46b,46cは、中心部から径方向外方に向かって順に、赤、緑、青の波長の光をそれぞれ通すように配置することも好適である。ここでは、多波長開口46に3つの波長選択領域46a,46b,46cを有する例について説明したが、例えば、中心部から径方向外方に向かって順に、青、赤の波長の光をそれぞれ通すように配置してもよく、赤、青の波長の光をそれぞれ通すように配置してもよい。このため、多波長開口46の波長選択領域は、2つであってもよい。この場合、通す波長の範囲が離れた、赤(R)光、青(B)光を用いることが好適である。
また、多波長開口46の中心部は、全ての波長の光を遮光するように遮蔽していてもよい。そして、多波長開口46は、中心部の外周に、例えば赤色の光を通す領域が形成されている。この場合、正反射光の光を遮光するため、撮像素子44の受光部44aには光は受光されない。正反射光の光が入射されるべきであった画素は、例えば黒色となる。一方、所定の散乱角度を有する散乱光の光は、多波長開口46の例えば赤色の光を通す領域を通して撮像素子44の受光部44aで受光される。この場合、上述したように、中心部に青色を通すか、何も通さないかの違いだけである。したがって、多波長開口46は、中心部の外周に例えば赤色などの1つの波長選択領域が設けられるものであってもよい。
本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1を用いることにより、ワンショットなど、より短時間で検査対象物Oの表面Sのうち、所定の大きさの面(撮像領域R)を伝播する表面波の性状(周期、振幅、速度、形状、分布)を画像として取得することができる。すなわち、表面波の周波数に応じた浸透深さを反映した弾性体の表面S及び内部の性状を、ワンショットなど、短時間の像撮影で得ることができる。このとき、撮像素子44により、表面波の性状を簡便に、二次元的又は三次元的な画像として取得可能である。このため、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1を用いることにより、複数点を別試行により検査するよりも、検査時間を大きく削減できる。
したがって、本実施形態によれば、ワンショットなど、より短時間で適宜の大きさの面(撮像領域R)を含む弾性体の情報を処理又は取得可能な、情報処理装置(制御部18)、弾性体の情報取得装置10、弾性体の情報取得システム1、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラムを提供することができる。
(変形例)
第1実施形態の変形例に係る弾性体の情報取得システム1について、図12を用いて説明する。
ここでは、検査対象物Oは、例えば板厚が1mmのアルミニウムプレートであるとする。また、ここでは、検査対象物Oのエッジからの反射波を考慮しないものとする。表面波励起部8は、励起素子24及びウェッジ26の代わりに、レーザー駆動装置124を用いるものとする。レーザー駆動装置124としては、YAGレーザー、半導体レーザー等が利用できる。レーザー駆動装置124を用いる場合、励起素子24及びウェッジ26とは異なり、検査対象物Oに対して非接触に配置される。
なお、弾性体の情報取得システム1の表面波情報(傾斜情報)の取得については、第1実施形態の図5に示すフローチャートと同じフローで行うことができる。
信号発生部(波形発生部)20は任意の波形発生器を用い、パルス信号を生成する(ST1)。
レーザー駆動装置124はレーザー光を検査対象物Oの表面Sに照射して検査対象物Sにラム波を励起させる(ST2)。
レーザー駆動装置124がレーザー光を検査対象物Oの表面Sに照射した時間から表面波としてのラム波の伝播速度に合わせて、撮影範囲R内で面外変位を撮影可能なように、光源32を発光させ、撮像素子44の受光部44aを露光させる(ST3)。
そして、制御部18により制御される撮像素子44は、撮影範囲Rの傾斜情報に関する画像(傾斜情報画像)を取得し、信号処理部56に画像情報を出力する(ST4)。
なお、図4に示すように、1mm厚のアルミニウムプレートへのレーザー光の照射によるラム波の周波数と波長との関係から、伝播速度は予め推定される。
信号処理部56は、傾斜情報取得部16によって撮像された傾斜情報画像に基づき、表面波の波長、周期、振幅、速度の少なくともいずれか1つを算出する。
したがって、本変形例によれば、ワンショットなど、より短時間で適宜の大きさの面(撮像領域R)を含む弾性体の情報を処理又は取得可能な、情報処理装置(制御部18)、弾性体の情報取得装置10、弾性体の情報取得システム1、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラムを提供することができる。
なお、検査対象物Oの厚さを適宜に厚くし、表面波として波長λに対して表面波の浸透深さが板厚よりも小さい場合に生じ得るレイリー波モードを用いる場合も、本変形例に係る弾性体の情報取得システム1を用いて、弾性体の情報を取得することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る弾性体の情報取得システム1について、図13から図21を用いて説明する。
弾性体の情報取得システム1は、基本的には、第1実施形態に係る弾性体の情報取得システム1と同様に形成される。
図13に示すように、第2実施形態では、検査対象物Oが液体のうち、例えば水Wである例について説明する。水Wは、槽Cに入れられている。槽C内の水Wの水深hは例えば5mmである。また、ここでは、検査対象物Oを入れた槽Cからの反射波を考慮しないものとする。本実施形態では、表面波励起部8は、第1実施形態で説明した励起素子24(及びウェッジ26)の代わりに、励起素子224を用いる。励起素子224は、共振周波数が例えば200kHzの空中超音波素子を用いる。
ここで、液体の表面に励起される表面波(Capillary-gravity wave)について説明する。図14には、液体を水とし、気体を空気としたときの速度vcapでの表面波の伝播状態を示す。このときの水深はhであり、波長はλである。
液体の表面に励起される表面波は、表面張力と重量が復元力として働くため、表面張力-重力波と呼ばれる。水深に対する波長λの大きさによって波長が大きいときは重力波が支配的となり、小さいときは表面張力波が支配的となる。伝搬速度vcapと波数k(=2π/λ)は、液体の密度ρw、気体の密度ρair、重力g、表面張力σ、液体の深さhとすると、以下の式(18)の速度分散関係となる。
図15に、液体を水、気体を空気とし、水深を1mm、2mm、5mm、10mm、20mmと変えたときの周波数と速度の関係を示し、図16に周波数と波長の関係を示す。一例として、周波数が30Hzのときに波長が約8.7mmとなり、周波数40Hzのときに波長が約6.9mmとなることが分かる。
なお、弾性体の情報取得システム1の表面波情報(傾斜情報)の取得については、第1実施形態の図5に示すフローチャートと同じフローで行うことができる。
上述したように、槽C内の水深hは10mmであるとする。液体の表面波の理論より、励起素子224で励起させた表面波の波長は10mm以下であると推定でき、この場合は表面張力を復元力とする表面張力波であることが分かる。
信号発生部20は任意の波形発生器を用い、図17に示す、キャリア周波数200kHzの正弦波を所定の変調周波数fmodで振幅変調した1Vppの励起信号を生成した(ST1)。キャリア周波数(第1の周波数f1)は、周波数が高いほど指向性が得やすく、10kHz以上であることが望ましい。変調周波数fmod(第2の周波数f2)は、振幅が十分に確保できるという観点で1000Hz以下であることが望ましい。また振幅変調には、DSB-SC(Double Side Band Suppressed Carrier)変調を用いることで、不要な高周波成分を励起せずに、意図した周波数の表面波を励起することが可能となる。
キャリア信号C(t)、変調信号M(t)、励起信号A(t)としては、キャリア信号の角周波数ωca、変調信号の角周波数振幅β、変調強度kとすると、それぞれ以下の式(19), (20), (21)のように表される信号を用いた。
この場合、発生する音圧P(t)は定数αを用いて以下の式(22)のようになる。
発生するエネルギーE(t)は、気体の密度ρ、音速度cとして、次の式(23)のようになる。
短時間の時間平均をとると、キャリア周波数に関する項は消失し、平均エネルギー<E(t)>は、式(24)のようになる。
このため、本実施形態では、変調周波数fmodの2倍の周波数を持つ表面波が水面に励起されることがわかる。すなわち、変調周波数fmodが30Hzの場合は励起される表面波の周波数が60Hzとなり、変調周波数fmodが40Hzの場合は励起される表面波の周波数が80Hzとなる。
増幅器22では電圧を例えば50倍~150倍に増幅し、励起素子224へ印加する。励起素子224は、水面から10mm程度離間させた位置に配置した。このような系によって変調周波数fmodの2倍の周波数を持つ表面波を水面に励起することができる(ST2)。
露光制御部54は、傾斜情報取得部16の撮像素子44への露光開始タイミングと露光時間texpを制御する。変調周波数fmod=30Hzのときに、式(25)を満たすように、例えばtexp=0.01[s]とする。
同期制御部52は、表面波励起部8の励起動作を開始するタイミングを指令する励起開始信号と、露光制御部54が露光を開始するタイミングを指令する露光開始信号を出力した。
励起素子224が検査対象物Oの表面Sである水面に照射した時間から表面波の伝播速度に合わせて、撮影範囲R内で面外変位を撮影可能なように、光源32を発光させ、撮像素子44の受光部44aを露光させる(ST3)。
そして、制御部18により制御される撮像素子44は、撮影範囲Rの傾斜情報に関する画像(傾斜情報画像)を取得し、信号処理部56に画像情報を出力する(ST4)。
信号処理部56は、傾斜情報取得部16によって撮像された傾斜情報(光線の方向情報)画像に基づき、表面波の波長、周期、振幅、速度、空間分布、振幅、面外変位の少なくともいずれか1つを算出する。さらに周波数と波長の関係から、理論式に基づき、液体の密度、気体の密度、重力、表面張力、液体の厚みの少なくとも1つを算出する。
変調周波数fmodが30Hzで表面波を励起したときの空間分布を算出した実測結果を図18及び図19に、変調周波数fmodが40Hzで表面波を励起したときの空間分布を算出した実測結果を図20及び図21に示す。
図18、図20は、撮像素子44の受光部44aで検査対象物Oの撮影範囲Rを伝播する表面波の面外変位を含む表面Sを撮像した画像Iを示す。検査対象物Oの表面Sの撮像範囲Rの大きさと、撮像素子44の受光部44aとの関係から、画像Iにおいて、距離を求めることができる。図18に示す画像I上、赤色の領域、青色の領域が筋状に存在する。赤色の領域同士の間隔は略等間隔である。信号処理部56(制御部18)は、本実施形態では、赤色の領域を検査対象物Oの表面Sに面外変位が生じた部位であると推定することができる。また、信号処理部56(制御部18)は、青色の領域を検査対象物Oの表面Sに面外変位が生じていない部位であると推定することができる。制御部18の信号処理部56は、例えば、図18中の赤色の領域(の中心)間距離を測定することで、画像Iで捕らえた表面波の1周期Tの波長λを出力する。また、信号処理部56は、表面波の速度を算出可能である。
また、信号処理部56は、図19に示すように、表面波が撮像範囲Rを通過する際の傾斜情報取得部16により取得した傾斜情報画像Iは、物点OPからの角度情報を含んでいる。すなわち、青色として撮像される正反射光は、光軸Lに平行で、θ1≒0°である。緑色として撮像される光軸Lに対して角度θ2>θ1(≒0°)の範囲の散乱光、赤色として撮像される光軸Lに対して角度θ3>θ2の範囲の散乱光が撮像素子44で取得される。このため、例えば、角度θ1≒0°を0、角度θ2=0.5、角度θ3=1として、画素ごとに偏角を出力することができる。このため、各画素における角度情報として、光軸に平行な角度を0°とし、(0°≒)θ1<θ2<θ3とした。角度振幅比を出力可能である。
また、図19、図21は、撮影範囲Rにおける撮像素子44の略矩形状の縦横それぞれのピクセルで得られた色の像を示すとともに、縦軸に光軸Lに対する傾斜角度θを角度変化量として示す。図19、図21に示す角度θは、1に近づくほど、散乱角度が大きく赤(R)に近づき、角度θが0に近づくほど正反射光をとらえた青(B)に近づく。図19、図21に基づき、撮像素子44の受光部44aで検査対象物Oの撮影範囲Rを伝播する表面波の面外変位を含む表面Sの3次元的な像を再構成することも可能である。
そして、信号処理部56は、このような像(傾斜画像)Iから、水深、表面波の伝播速度、弾性率、密度等を算出することができる。
本実施形態では、検査対象物Oとして水Wを用いる例について説明したが、水のほか、種々の水溶液、血液なども検査対象物Oとすることができる。この場合、信号処理部56は、表面波を励起して取得した像(傾斜画像)Iから、未知であった密度等を算出することができる。
このように、制御部(情報処理装置)18は、弾性体としての検査対象物Oの表面(水面)Sの傾斜情報、すなわち、光線の方向情報(傾斜情報画像I)に基づいて、表面波の特徴量を算出することができる。
本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1を用いることにより、ワンショットなど、より短時間で検査対象物Oの表面Sのうち、所定の大きさの面(撮像領域R)を伝播する表面波の性状(周期、振幅、速度、形状、分布)を傾斜情報(光線の方向情報)に関する画像として取得することができる。そして、弾性体の情報取得システム1は、傾斜情報に関する画像を、ワンショットなど、短時間の像撮影で得ることができる。このとき、撮像素子44により、表面波の性状を簡便に、二次元的又は三次元的な画像として取得可能である。このため、本実施形態に係る弾性体の情報取得システム1を用いることにより、複数点を別試行により検査するよりも、検査時間を大きく削減できる。
したがって、本実施形態によれば、ワンショットなど、より短時間で適宜の大きさの面(撮像領域R)を含む弾性体の情報を処理又は取得可能な、情報処理装置(制御部18)、弾性体の情報取得装置10、弾性体の情報取得システム1、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラムを提供することができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、ワンショットなど、より短時間で適宜の大きさの面を含む弾性体の情報を処理又は取得可能な、情報処理装置(制御部)18、弾性体の情報取得装置10、弾性体の情報取得システム1、情報処理装置、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラムを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…情報取得システム、8…表面波励起部、10…情報取得装置、14…光源部、16…傾斜情報取得部、18…情報処理装置(制御部)、20…信号発生部、22…増幅器、24…励起素子、26…ウェッジ、32…光源、34…ドライバ、36…照明レンズ、42…結像光学系、44…撮像素子、44a…受光部、46…多波長開口、46a…第1の波長選択領域、46b…第2の波長選択領域、46c…第3の波長選択領域、48…ビームスプリッタ、52…同期制御部、54…露光制御部、56…信号処理部。

Claims (22)

  1. 検査対象物の弾性体表面に表面波を励起するときの、前記検査対象物の前記弾性体表面の傾斜情報に応じた光線の方向情報に基づいて、前記表面波の特徴量を算出する制御部を有する、
    情報処理装置。
  2. 前記制御部は、前記光線の方向情報に色を対応づけて、前記光線の方向情報を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記表面波の前記特徴量は、前記表面波の波長、周期、伝播速度、空間分布、振幅、面外変位の少なくとも1つを含む、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記制御部は、前記弾性体の前記傾斜情報から取得する、前記表面波の周波数と波長の関係に基づいて、前記弾性体としての固体の板厚、伝搬速度、弾性率、密度の少なくとも1つを算出する、
    請求項1記載の情報処理装置。
  5. 前記制御部は、前記弾性体の前記傾斜情報に基づいて、前記弾性体の損傷の有無、損傷の位置、及び、損傷の大きさの少なくとも1つを推定する、
    請求項1記載の情報処理装置。
  6. 前記制御部は、前記弾性体の前記傾斜情報から取得する、前記表面波の周波数と波長の関係に基づいて、前記弾性体としての液体の密度、気体の密度、重力、表面張力、液体の厚みの少なくとも1つを算出する、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記制御部は、
    前記弾性体の前記傾斜情報を取得する撮像素子の露光を制御する露光制御部と、
    前記弾性体表面に前記表面波を励起する表面波励起部での前記表面波の励起を開始する励起開始信号と、前記撮像素子での露光を開始する露光開始信号とを、前記表面波の伝搬速度に基づく所定の時間差で出力させる、同期制御部と
    を有する、
    請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1に記載の情報処理装置と、
    前記検査対象物の前記弾性体表面に前記表面波を励起するときの前記傾斜情報に応じた前記光線の方向情報を、光学的に取得する傾斜情報取得部と
    を備える、弾性体の情報取得装置。
  9. 前記傾斜情報取得部は、前記弾性体表面に前記表面波を励起しないときの前記弾性体表面からの光線の方向情報に基づく前記弾性体の第2の傾斜情報を光学的に取得可能であり、
    前記制御部は、前記傾斜情報と前記第2の傾斜情報とに基づいて、前記弾性体表面の表面下の情報を取得する、
    請求項8記載の情報取得装置。
  10. 前記傾斜情報取得部は、前記検査対象物の前記弾性体表面に前記表面波を励起するときの前記表面波の波長をλ、周期をTとするとき、前記弾性体表面に、少なくとも直径λ以上の円形領域の撮像範囲を設定する撮像素子を有し、
    前記撮像素子の前記撮像範囲の撮像画素数は、n×m(n、mは3以上の整数)であり、
    前記制御部は前記撮像素子を制御し、前記撮像素子の露光時間をT/2よりも短い時間として前記弾性体の前記傾斜情報を画像として取得させる、
    請求項8記載の情報取得装置。
  11. 前記弾性体表面に対し平行光の照明光を照射する光源部を備え、
    前記傾斜情報取得部は、
    第1の波長選択領域を有する絞りと、
    前記弾性体表面から偏角を持って前記第1の波長選択領域を通過する光を撮像する撮像素子と
    を備え、
    前記制御部は、前記撮像素子により撮像される光の波長に基づいて前記光の波長の偏角を算出する、
    請求項8に記載の情報取得装置。
  12. 請求項8記載の弾性体の情報取得装置と、
    前記弾性体表面に前記表面波を励起する表面波励起部と、
    を有する、弾性体の情報取得システム。
  13. 前記表面波励起部は、前記制御部に制御される信号発生部と、前記信号発生部により発生させた信号に基づいて前記表面波を励起する表面波励起素子とを備え、
    前記表面波励起素子は、前記制御部に制御されながら前記信号発生部から出力される、第1の周波数で繰り返す信号に基づいて駆動される、
    請求項12記載の情報取得システム。
  14. 前記弾性体が固体であるとき、前記表面波励起素子は、圧電素子、レーザー光源、スピーカー、電磁超音波素子の少なくともいずれかを含み、
    前記表面波励起素子は、前記表面波として、レイリー波又はラム波を前記検査対象物に励起する、
    請求項13に記載の情報取得システム。
  15. 前記弾性体が液体であるとき、前記表面波励起素子は、空中超音波素子を備え、
    前記表面波励起素子は、前記表面波として、表面張力波又は重力波の少なくともいずれか一方を前記検査対象物に励起する、
    請求項13に記載の情報取得システム。
  16. 前記表面波励起部は、前記制御部に制御される信号発生部と、前記信号発生部により発生させた信号に基づいて前記表面波を励起する表面波励起素子とを備え、
    前記表面波励起素子は、前記制御部に制御されながら前記信号発生部から出力される、第1の周波数f1で繰り返す信号を、第1の周波数よりも低い第2の周波数f2で振幅変調した信号に基づいて駆動される、
    請求項12記載の情報取得システム。
  17. 前記第1の周波数f1は、f1≧10kHzであり、
    前記第2の周波数f2は、f2≦1000Hzである、
    請求項16記載の情報取得システム。
  18. 前記表面波励起部は、励起波長を時間経過とともに変化させた前記表面波を励起し、
    前記制御部は、前記励起波長ごとの前記傾斜情報に基づき、内部の損傷を検知する、
    請求項12記載の情報取得システム。
  19. 検査対象物としての弾性体表面に表面波を励起するときの、前記検査対象物の前記弾性体表面の傾斜情報を光学的に取得すること、
    前記弾性体の前記傾斜情報に応じた光線の方向情報に基づいて、前記表面波の特徴量を算出すること
    を含む、弾性体の情報取得方法。
  20. 前記傾斜情報を取得することは、
    前記励起された前記表面波の波長をλ、周期をTとするとき、撮像素子で設定した前記弾性体表面の少なくとも直径λ以上の円形領域を含む領域を撮像範囲とし、前記撮像範囲の像を画像として取得すること、
    前記撮像素子の前記撮像範囲の撮像画素数を、n×m(n、mは3以上の整数)とすること、
    前記撮像素子の露光時間をT/2よりも短い時間として前記弾性体の前記傾斜情報を画像として取得させること、
    を含む、
    請求項19に記載の情報取得方法。
  21. 前記傾斜情報を取得することは、
    前記弾性体表面に励起するときの前記表面波の励起タイミングと、
    撮像素子の露光タイミングと、
    前記弾性体表面への光照射タイミングと
    を調整することを含む、請求項19に記載の情報取得方法。
  22. 検査対象物としての弾性体表面に表面波を励起するときの、前記検査対象物の前記弾性体表面の傾斜情報を取得させること、
    前記弾性体の前記傾斜情報に応じた光線の方向情報に基づいて、前記表面波の特徴量を算出すること
    をコンピュータに実行させる、弾性体の情報取得プログラム。
JP2022111392A 2022-07-11 2022-07-11 情報処理装置、弾性体の情報取得装置、弾性体の情報取得システム、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラム Pending JP2024009690A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022111392A JP2024009690A (ja) 2022-07-11 2022-07-11 情報処理装置、弾性体の情報取得装置、弾性体の情報取得システム、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラム
US18/176,326 US20240011918A1 (en) 2022-07-11 2023-02-28 Information processing apparatus, information acquisition apparatus of elastic body, information acquisition system of elastic body, information acquisition method of elastic body, and non-transitory storage medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022111392A JP2024009690A (ja) 2022-07-11 2022-07-11 情報処理装置、弾性体の情報取得装置、弾性体の情報取得システム、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024009690A true JP2024009690A (ja) 2024-01-23

Family

ID=89432084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022111392A Pending JP2024009690A (ja) 2022-07-11 2022-07-11 情報処理装置、弾性体の情報取得装置、弾性体の情報取得システム、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20240011918A1 (ja)
JP (1) JP2024009690A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
US20240011918A1 (en) 2024-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10254252B2 (en) Surface and subsurface detection sensor
JP5197624B2 (ja) 赤外線サーモグラフィーを使う改良したレーザ・超音波検査
US11692810B2 (en) Photoacoustic excitation sensing enhanced by cross-correlated unfocused speckle images
JP3955513B2 (ja) 欠陥検査装置及び欠陥検査方法
JP6358735B2 (ja) 光音響顕微鏡装置
US11187648B2 (en) Two-stage photo-acoustic excitation sensing systems and methods
US20140114188A1 (en) Acousto-optic vibrometer
JP2004527741A5 (ja)
KR102328542B1 (ko) 비접촉 레이저 초음파 탐상 기반 저장탱크 결함 검사 장치 및 그 결함 검사 방법
CN113418932A (zh) 一种半导体晶片无损探伤装置及方法
JP3704843B2 (ja) 非接触非破壊の材料評価方法とその装置及び弾性波励起方法と弾性波励起装置
WO2018135005A1 (ja) 信号処理装置、光音響波撮影装置および信号処理方法
JP2024009690A (ja) 情報処理装置、弾性体の情報取得装置、弾性体の情報取得システム、弾性体の情報取得方法、及び、弾性体の情報取得プログラム
US7018334B2 (en) Imaging of a region in a scattering medium
CN107255511B (zh) 一种光纤光栅传感器检测灵敏度的无扰动校准装置及方法
JP2016514258A (ja) 撮影装置および撮影方法
WO2014196150A1 (ja) 音響光学撮像装置
RU2505806C2 (ru) Устройство для визуализации акустического поля в оптически отражающей упругой поверхности
JP7480915B2 (ja) 欠陥検査装置および欠陥検査方法
JP7247077B2 (ja) 受信用レーザ光受信装置、レーザ超音波計測装置およびレーザ超音波計測方法
JP7433467B2 (ja) 高速検査用の傾斜型光干渉断層撮影イメージング
JPH071254B2 (ja) 超音波検出装置
RU2664933C1 (ru) Способ определения макрорельефа поверхности и внутренних включений объекта и устройство для его реализации
JPWO2020065726A1 (ja) 光音響撮影装置
CN114018827A (zh) 一种基于剪切散斑干涉的激光超声无损检测设备及方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20230105