JP2024009632A - スクロール圧縮機、及び、冷媒サイクル装置 - Google Patents

スクロール圧縮機、及び、冷媒サイクル装置 Download PDF

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Sayumi Nishikawa
義友 塚
Yoshitomo Tsuka
顕治 永原
Kenji Nagahara
聡 塚本
Satoshi Tsukamoto
康彦 大澤
Yasuhiko Osawa
光 中廣
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Abstract

【課題】スクロール圧縮機において、モータの下方の空間に存在する油が、冷媒と共にモータの上方の空間に移動し、冷媒と共に吐出管からスクロール圧縮機の外部に流出するおそれがある。【解決手段】スクロール圧縮機101は、冷媒を圧縮する圧縮機構15と、圧縮機構15を駆動するモータ16と、ガスガイド81とを備える。ガスガイド81は、圧縮機構15から吐出される冷媒を、モータ16が配置される高圧空間S1に導く。高圧空間S1は、モータ16のコイルC1~C12間に位置する第1流路P1及び第2流路P2を含む。第1流路P1及び第2流路P2は、ロータ52の回転軸52aに対してガスガイド81が位置する側の反対側に位置する。第1流路P1及び第2流路P2の少なくとも一方は、コイルC1~C12の引出線75によって覆われる。引出線75は、0≦L2/L1≦0.4、及び、0≦L4/L3≦0.4、の関係を満たすように配置される。【選択図】図12

Description

スクロール圧縮機、及び、冷媒サイクル装置に関する。
特許文献1(特開2003-286949号公報)に記載されるように、モータの冷却のために、圧縮機構から吐出される冷媒の一部を、モータの上方の空間からモータの下方の空間に導くスクロール圧縮機が知られている。このようなスクロール圧縮機では、モータの下方の空間に流入した冷媒は、モータの下方の空間で向きを変えて、モータの上方の空間に再び流入し、最終的に吐出管からスクロール圧縮機の外部に流出する。
上記のスクロール圧縮機では、モータの下方の空間に存在する油が、冷媒と共にモータの上方の空間に移動し、冷媒と共に吐出管からスクロール圧縮機の外部に流出するおそれがある。
第1観点のスクロール圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構を駆動するモータと、ケーシングと、ガイドとを備える。モータは、ステータと、ステータの内側に配置される円柱形状のロータと、を有する。ケーシングは、圧縮機構及びモータを収容する。ガイドは、圧縮機構から吐出される冷媒を第1空間に導く。第1空間は、ケーシングの内部の空間であって、モータが配置される空間である。ステータは、円筒形状のバックヨークと、複数のティースとを有する。ティースは、バックヨークの内周面から径方向に突出する。モータは、インシュレータと、コイルと、引出線とをさらに有する。コイルは、インシュレータを介して複数のティースに巻き回される。引出線は、コイルの端部から引き出される。第1空間は、第2空間を有する。第2空間は、ロータの回転軸に沿ってモータを見た場合に、バックヨークの内周面とロータの外周面との間に位置する空間である。第2空間は、第1流路及び第2流路を含む。第1流路及び第2流路は、ロータの回転軸に沿ってモータを見た場合に、ロータの回転軸に対してガイドが位置する側の反対側に位置する。第1流路及び第2流路の少なくとも一方は、ロータの回転軸に沿ってモータを見た場合に、引出線を含む第1部材によって覆われる。第1部材は、0≦L2/L1≦0.4、及び、0≦L4/L3≦0.4、の関係を満たすように配置される。これらの式において、第1寸法L1は、ロータの径方向における、第1流路の寸法である。第2寸法L2は、ロータの径方向における、第1流路の、第1部材によって覆われていない部分の寸法である。第3寸法L3は、ロータの径方向における、第2流路の寸法である。第4寸法L4は、ロータの径方向における、第2流路の、第1部材によって覆われていない部分の寸法である。
第1観点のスクロール圧縮機では、ステータとロータとの間の隙間であって、冷媒が上方に向かって流れやすい流路を狭くすることで、冷媒と共に油が圧縮機の外部に流出することが抑制される。
第2観点のスクロール圧縮機は、第1観点のスクロール圧縮機であって、第1部材は、0.6≦L2/L4≦1.3、の関係をさらに満たすように配置される。
第2観点のスクロール圧縮機では、ステータとロータとの間の隙間であって、冷媒が上方に向かって流れやすい複数の流路を同程度に狭くすることで、冷媒と共に油が圧縮機の外部に流出することが抑制される。
第3観点のスクロール圧縮機は、第1観点又は第2観点のスクロール圧縮機であって、第1部材は、引出線を覆う絶縁部材である第2部材をさらに含む。
第3観点のスクロール圧縮機では、ステータとロータとの間の隙間であって、冷媒が上方に向かって流れやすい流路を狭くするために、モータの部材を利用することができる。
第4観点のスクロール圧縮機は、第1乃至第3観点のいずれか1つのスクロール圧縮機であって、第1部材は、引出線を覆わない絶縁部材である第3部材をさらに含む。
第4観点のスクロール圧縮機では、ステータとロータとの間の隙間であって、冷媒が上方に向かって流れやすい流路を狭くするために、外部の部材を利用することができる。
第5観点のスクロール圧縮機は、第1乃至第4観点のいずれか1つのスクロール圧縮機であって、第1部材は、インシュレータに第4部材で固定されている。
第5観点のスクロール圧縮機では、ステータとロータとの間の隙間であって、冷媒が上方に向かって流れやすい流路を狭くするために用いられる部材をモータに固定することで、運転中に当該流路の断面積が変化することが抑制される。
第6観点の冷媒サイクル装置は、第1乃至第5観点のいずれか1つのスクロール圧縮機を備える。
第6観点の冷媒サイクル装置では、冷媒と共に油が圧縮機の外部に流出することが抑制される。
実施形態のスクロール圧縮機101の縦断面図である。 ステータ51の上面図である。 図2の線分III―IIIにおける、ステータ51の縦断面図である。 ステータコア71の上面図である。 インシュレータ72の上面図である。 ステータコア71の上端面71aに取り付けられたインシュレータ72の一部の斜視図である。 ステータ51の一部の斜視図である。 コイルC1~C12の結線状態を示す図である。 ガスガイド81の正面図である。 ガスガイド81の上面図である。図9に示される矢印Xの方向から見た図である。ガスガイド81が取り付けられる胴部ケーシング部11の断面が示されている図である。 モータ16の上面図である。ロータ52の回転軸52aに沿ってモータ16を上方から見た図である。ガスガイド81及び吐出管20の位置が示されている図である。 図11の拡大図である。第1流路P1及び第2流路P2の周囲における拡大図である。 モータ16の上面図である。絶縁キャップ92が示されている図である。 絶縁キャップ92の正面図である。 絶縁キャップ92の側面図である。図14に示される矢印XVの方向から見た図である。 モータ16の上面図である。絶縁スペーサ93が示されている図である。
(1)全体構成
実施形態のスクロール圧縮機101は、冷媒サイクル装置に備えられる。冷媒サイクル装置は、冷媒が循環する冷媒回路を有する。冷媒サイクル装置では、冷媒回路内の冷媒が、圧縮され、凝縮(放熱)し、減圧され、蒸発(吸熱)した後に再び圧縮される冷凍サイクルが繰り返される。スクロール圧縮機101は、冷媒回路を流れるガス冷媒を圧縮する。
スクロール圧縮機101は、互いに噛み合う渦巻状のラップを有する2つのスクロール部材によって形成される空間の容積を変化させることによって冷媒を圧縮する。図1に示されるように、スクロール圧縮機101は、ケーシング10と、圧縮機構15と、ハウジング23と、モータ16と、下部軸受60と、クランクシャフト17と、ガスガイド81と、吸入管19と、吐出管20と、を備える。
(2)詳細構成
(2-1)ケーシング10
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13と、から構成される。ケーシング10は、ケーシング10の内部及び外部において圧力及び温度が変化した場合に、変形及び破損が起こりにくい剛性部材で成型されている。ケーシング10は、胴部ケーシング部11の略円筒状の軸方向が鉛直方向に沿うように設置される。鉛直方向は、図1の矢印Uが示す方向である。
ケーシング10の内部には、圧縮機構15と、圧縮機構15の下方に配置されるハウジング23と、ハウジング23の下方に配置されるモータ16と、鉛直方向に延びるように配置されるクランクシャフト17等が収容されている。ケーシング10の壁部には、吸入管19及び吐出管20が気密状に溶接されている。
ケーシング10の底部には、潤滑油が貯留される空間である油貯留部10aが形成されている。潤滑油は、スクロール圧縮機101の運転中において、圧縮機構15等の摺動部の潤滑性を良好に保つために使用される。
(2-2)圧縮機構15
圧縮機構15は、低温低圧の冷媒ガスを吸引し、圧縮し、高温高圧の冷媒ガス(以下、「圧縮冷媒」という。)を吐出する。圧縮機構15は、固定スクロール24と、可動スクロール26と、を有する。
固定スクロール24は、第1鏡板24aと、第1鏡板24aに直立して形成されるインボリュート形状の第1ラップ24bと、を有する。固定スクロール24には、主吸入孔(図示せず)が形成されている。主吸入孔は、吸入管19と、後述する圧縮室40と、を連通する。第1鏡板24aの中央部には、吐出孔41が形成されている。固定スクロール24には、吐出孔41と連通し、固定スクロール24の下面に開口する第1圧縮冷媒流路46が形成されている。
可動スクロール26は、第2鏡板26aと、第2鏡板26aに直立して形成されるインボリュート形状の第2ラップ26bと、を有する。第2鏡板26aの下面中央部には、上端軸受26cが形成されている。第2鏡板26aの内部には、給油細孔63が形成されている。給油細孔63は、第2鏡板26aの上面外周部と、上端軸受26cの内側の空間と、を連通する。
固定スクロール24及び可動スクロール26は、第1ラップ24bと第2ラップ26bとが噛み合うことにより、圧縮室40を形成する。圧縮室40は、第1鏡板24aと、第1ラップ24bと、第2鏡板26aと、第2ラップ26bと、によって囲まれる空間である。圧縮室40の容積は、可動スクロール26の公転運動によって変化する。可動スクロール26の公転中に、固定スクロール24の第1鏡板24a及び第1ラップ24bの下面は、可動スクロール26の第2鏡板26a及び第2ラップ26bの上面と摺動する。
(2-3)ハウジング23
ハウジング23は、圧縮機構15の下方に配置されている。ハウジング23の外周面は、ケーシング10の内面に気密状に接合されている。これにより、ケーシング10の内部空間は、ハウジング23の下方の高圧空間S1と、ハウジング23の上方の空間である低圧空間S2と、に区画されている。ハウジング23は、固定スクロール24を載置し、オルダム継手39を介して固定スクロール24と共に可動スクロール26を挟持している。オルダム継手39は、可動スクロール26の自転運動を防止するための環状部材である。ハウジング23の外周部には、第2圧縮冷媒流路48が鉛直方向に貫通して形成されている。第2圧縮冷媒流路48は、ハウジング23の上面において第1圧縮冷媒流路46と連通し、ハウジング23の下面において高圧空間S1と連通する。
ハウジング23の上面には、クランク室23aが凹設されている。ハウジング23には、ハウジング貫通孔31が形成されている。ハウジング貫通孔31は、クランク室23aの底面中央部から、ハウジング23の下面中央部まで、ハウジング23を鉛直方向に貫通している。以下、ハウジング23の一部であり、かつ、ハウジング貫通孔31が形成されている部分を、上部軸受32という。
(2-4)モータ16
モータ16は、ハウジング23の下方に配置されるブラシレスDCモータである。モータ16は、ケーシング10の内面に固定されるステータ51と、ステータ51の内側にエアギャップ54を設けて配置されるロータ52と、を有する。モータ16は、12個の集中巻コイルを有する集中巻モータであり、インバータ制御によって駆動される可変速モータである。モータ16は、U相、V相及びW相を有する3相モータである。モータ16は、圧縮機構15を駆動する。
(2-4-1)ステータ51
ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り、かつ、周方向に所定間隔をおいて切欠形成されている複数のコアカットが設けられている。コアカットは、胴部ケーシング部11とステータ51との間を鉛直方向に延びるモータ冷却通路55を形成する。図2及び図3に示されるように、ステータ51は、ステータコア71と、一対のインシュレータ72と、巻線73と、を有する。巻線73は、銅線等の電気伝導体である。
ステータコア71は、電磁鋼からなる多数の円環状板が積層された部材である。ステータコア71の上端面71a及び下端面71bには、それぞれ、樹脂絶縁体であるインシュレータ72が取り付けられている。
図4に示されるように、ステータコア71は、円筒形状のバックヨーク71dと、バックヨーク71dの内周面から径方向に突出する12個のティース71eと、を有する。12個のティース71eは、バックヨーク71dの周方向に30度の角度間隔で配置されている。ステータコア71の外周面には、12個のコアカット71cが形成されている。
図5に示されるように、インシュレータ72は、バックヨーク71dと接触する円筒部72aと、ティース71eと接触する12個の突出部72bと、を有する。突出部72bは、円筒部72aの内周面から径方向に突出する部分である。12個の突出部72bは、円筒部72aの周方向に30度の角度間隔で配置されている。
図2、図6及び図7に示されるように、ステータ51は、インシュレータ72を介してそれぞれのティース71eに巻線73が巻き回されることで形成されるコイルC1~C12を有する。コイルC1~C12の数は、ティース71eの数と同じである。図2に示されるように、12個のコイルC1~C12は、バックヨーク71dの周方向に沿って30度の角度間隔で配置されている。
ステータ51は、バックヨーク71dの周方向において隣り合う2つのコイルC1~C12の間の空間であるスロットSL1~SL12を有する。スロットSL1~SL12の数は、コイルC1~C12の数と同じである。図2に示されるように、12個のスロットSL1~SL12は、バックヨーク71dの周方向に沿って30度の角度間隔で配置されている。例えば、図7に示されるように、スロットSL1は、コイルC1とコイルC2との間の空間である。
12個のコイルC1~C12は、モータ16のU相を形成する4個のコイルC1,C4,C7,C10と、モータ16のV相を形成する4個のコイルC2,C5,C8,C11と、モータ16のW相を形成する4個のコイルC3,C6,C9,C12と、を有する。各相を形成する4個のコイルは、バックヨーク71dの周方向に90度の角度間隔で配置されている4個のティース71eのそれぞれに巻線73が巻かれて形成されている。図8に示されるように、各相を形成する4個のコイルは、並列に結線されている。
それぞれのコイルC1~C12に巻き回されている巻線73の両端からは、引出線75が延びている。引出線75は、巻線73の一部である。図8に示されるように、各コイルC1~C12から延びている一対の引出線75の一方は電源線76であり、他方は中性線77である。
電源線76は、コイルC1~C12に励磁電流を流すための電源に接続されている。モータ16のU相を形成する4個のコイルC1,C4,C7,C10から延びている電源線76は、U相の電源端子79aに接続されている。モータ16のV相を形成する4個のコイルC2,C5,C8,C11から延びている電源線76は、V相の電源端子79bに接続されている。モータ16のW相を形成する4個のコイルC3,C6,C9,C12から延びている電源線76は、W相の電源端子79cに接続されている。3個の電源端子79a,79b,79cは、ケーシング10に取り付けられ、外部電源(図示せず)と接続されている。
それぞれのコイルC1~C12から延びている中性線77は、中性点78で互いに接続されている。言い換えると、中性点78では、全ての中性線77が電気的に接続されている。
引出線75は、電源端子79a,79b,79c及び中性点78以外で互いに電気的に接続しないように、絶縁部材によって覆われている。絶縁部材は、電気絶縁用のポリエステルフィルム等によって成形される。
引出線75は、ステータコア71の上端面71aに取り付けられているインシュレータ72に係止されている。具体的には、引出線75は、インシュレータ72の円筒部72aの周方向に沿うように、コイルC1~C12及びスロットSL1~SL12の上方に配置され、複数箇所において円筒部72aに紐などの部材で固定されている。
(2-4-2)ロータ52
ロータ52は、円柱形状を有する。ロータ52は、クランクシャフト17と連結されている。ロータ52は、クランクシャフト17の軸回転によって、鉛直方向に平行な回転軸52aを中心に回転する。ロータ52は、クランクシャフト17を介して、圧縮機構15に接続されている。
図1に示されるように、ロータ52は、鉛直方向にロータ52を貫通する複数の風孔52bを有する。風孔52bは、モータ16の上方の高圧空間S1と、モータ16の下方の高圧空間S1とを連通する。風孔52bは、鉛直方向に沿ってロータ52を見た場合に、ロータ52の周方向に沿って等間隔に配置されている。
(2-5)下部軸受60
下部軸受60は、モータ16の下方に配置される。下部軸受60の外周面は、ケーシング10の内面に接合されている。下部軸受60は、クランクシャフト17を支持する。
(2-6)クランクシャフト17
クランクシャフト17は、クランクシャフト17の長手方向が鉛直方向に沿うように配置されている。クランクシャフト17は、クランクシャフト17の上端部の軸心が、上端部を除く部分の軸心に対してわずかに偏心している形状を有している。
クランクシャフト17は、ロータ52の回転軸52aに沿ってロータ52を鉛直方向に貫通して、ロータ52に連結されている。クランクシャフト17は、クランクシャフト17の上端部が上端軸受26cに嵌め込まれることで、可動スクロール26に接続されている。クランクシャフト17は、上部軸受32及び下部軸受60によって支持されている。
クランクシャフト17は、鉛直方向に延びている主給油路61を内部に有している。主給油路61の上端は、クランクシャフト17の上端面と第2鏡板26aの下面とによって形成される油室83と連通している。油室83は、第2鏡板26aに形成される給油細孔63を介して、圧縮室40と連通する。主給油路61の下端は、高圧空間S1の油貯留部10aに連通している。
クランクシャフト17は、主給油路61から分岐する第1副給油路62a、第2副給油路62b及び第3副給油路62cを有している。第1副給油路62a、第2副給油路62b及び第3副給油路62cは、水平方向に延びている。第1副給油路62aは、クランクシャフト17と可動スクロール26の上端軸受26cとの摺動面に開口している。第2副給油路62bは、クランクシャフト17とハウジング23の上部軸受32との摺動面に開口している。第3副給油路62cは、クランクシャフト17と下部軸受60との摺動面に開口している。
(2-7)ガスガイド81
ガスガイド81は、高圧空間S1において、ケーシング10の胴部ケーシング部11の内面にスポット溶接等により固定される部材である。ガスガイド81は、金属板で成形されている。ガスガイド81は、ケーシング10の内面と共に、圧縮機構15によって圧縮された圧縮冷媒が流れる冷媒案内流路82を形成する。冷媒案内流路82の上端は、ハウジング23の第2圧縮冷媒流路48と連通している。図9および図10に示される点線の矢印は、冷媒案内流路82を通過する圧縮冷媒の流れを表す。
ガスガイド81は、水平ガイド部81aと、鉛直ガイド部81bとが一体的に形成されている部材である。水平ガイド部81aは、ケーシング10の内面と密着して、水平ガイド部81aとケーシング10の内面との間の空間である水平流路82aを形成する。図9に示されるように、水平ガイド部81aは、鉛直方向中央部がケーシング10の内側に向かって凸に湾曲した形状を有している。
鉛直ガイド部81bは、ケーシング10の内面と密着して、鉛直ガイド部81bとケーシング10の内面との間の空間である鉛直流路82bを形成する。図10に示されるように、鉛直ガイド部81bは、水平方向中央部がケーシング10の内側に向かって凸に湾曲した形状を有している。鉛直ガイド部81bの水平方向中央部は、上方から下方に行くに従ってケーシング10の内面に近付いている。言い換えると、鉛直流路82bの水平方向の断面積は、上方から下方へ行くに従って徐々に小さくなっている。鉛直流路82bは、鉛直方向中央部において水平流路82aと連通している。
(2-8)吸入管19
吸入管19は、ケーシング10の外部から圧縮機構15へ、冷媒回路の冷媒を導入するための管である。吸入管19は、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吸入管19は、低圧空間S2を鉛直方向に貫通する。ケーシング10内にある吸入管19の端部は、固定スクロール24に嵌め込まれている。
(2-9)吐出管20
吐出管20は、高圧空間S1からケーシング10の外部へ、圧縮冷媒を吐出するための管である。吐出管20は、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。吐出管20は、高圧空間S1を水平方向に貫通する。ケーシング10内にある吐出管20の開口部20aは、鉛直方向においてハウジング23の近傍に位置している。
(3)スクロール圧縮機101の動作
(3-1)冷媒の流れ
モータ16が起動してロータ52が回転軸52aを中心に回転すると、ロータ52に連結されているクランクシャフト17が軸回転する。クランクシャフト17の軸回転運動は、上端軸受26cを介して可動スクロール26に伝達される。クランクシャフト17の上端部の軸心は、クランクシャフト17の軸回転運動の軸心に対して偏心している。可動スクロール26は、オルダム継手39によって自転が防止される。そのため、可動スクロール26は、自転することなく、固定スクロール24に対して公転運動を行う。
低温低圧の冷媒は、吸入管19から主吸入孔を経由して、圧縮機構15の圧縮室40に供給される。可動スクロール26の公転運動により、圧縮室40は容積を徐々に減少させながら固定スクロール24の外周部から中心部に向かって移動する。その結果、圧縮室40の冷媒は圧縮されて圧縮冷媒となる。圧縮冷媒は、吐出孔41から吐出された後、第1圧縮冷媒流路46及び第2圧縮冷媒流路48を経由して、ガスガイド81によって形成される冷媒案内流路82に供給される。
冷媒案内流路82に供給された圧縮冷媒は、水平流路82aおよび鉛直流路82bを通過して、高圧空間S1に送られる。水平流路82aを通過した圧縮冷媒は、モータ16の上方の高圧空間S1をケーシング10の周方向に沿って流れながら、徐々に下方に向かって流れる。具体的には、水平流路82aを通過した圧縮冷媒は、一部のモータ冷却通路55、一部のスロットSL1~SL12、及び、モータ16のエアギャップ54を下降して、モータ16の下方の高圧空間S1に到達する。鉛直流路82bを通過した圧縮冷媒は、鉛直流路82bの下方に位置するモータ冷却通路55を下降して、モータ16の下方の高圧空間S1に到達する。
モータ16の下方の高圧空間S1に到達した圧縮冷媒は、流れの向きを反転させて、一部のモータ冷却通路55、一部のスロットSL1~SL12、ロータ52の風孔52b、及び、モータ16のエアギャップ54を上昇する。その後、圧縮冷媒は、モータ16の上方の高圧空間S1に到達して、吐出管20からスクロール圧縮機101の外部に吐出される。
(3-2)潤滑油の流れ
圧縮機構15の圧縮室40で冷媒が圧縮されている間、油貯留部10aの潤滑油は、高圧空間S1と圧縮室40との間の差圧によって主給油路61に供給される。主給油路61に供給された潤滑油は、主給油路61内を油室83に向かって上昇する。
主給油路61を上昇する潤滑油は、順に、第3副給油路62c、第2副給油路62b及び第1副給油路62aに分流する。第3副給油路62cを流れる潤滑油は、クランクシャフト17と下部軸受60との摺動面を潤滑した後、高圧空間S1に供給されて油貯留部10aに戻される。第2副給油路62bを流れる潤滑油は、クランクシャフト17とハウジング23の上部軸受32との摺動面を潤滑した後、高圧空間S1及びクランク室23aに供給される。高圧空間S1に供給された潤滑油は、油貯留部10aに戻される。クランク室23aに供給された潤滑油は、ハウジング23の油戻し通路(図示せず)を経由して高圧空間S1に供給され、油貯留部10aに戻される。第1副給油路62aを流れる潤滑油は、クランクシャフト17と可動スクロール26の上端軸受26cとの摺動面を潤滑した後、クランク室23aに供給される。クランク室23aに供給された潤滑油は、油戻し通路を経由して高圧空間S1に供給され、油貯留部10aに戻される。油室83まで到達した潤滑油は、給油細孔63を流れて、圧縮室40に供給される。
水平流路82aを通過した圧縮冷媒は、ケーシング10の周方向に沿って流れながら、徐々に下方に向かって流れる。そのため、水平流路82aを通過した圧縮冷媒に含まれる潤滑油の微小な油滴は、遠心力によってケーシング10に向かって飛ばされる。遠心力で飛ばされた油滴は、ケーシング10の内周面に付着し、自重により落下して油貯留部10aに戻される。言い換えると、ガスガイド81は、圧縮冷媒の一部をケーシング10の周方向に沿って流すことで、圧縮冷媒から潤滑油を除去する。
(4)引出線75の詳細構成
ケーシング10内部の高圧空間S1は、モータ16のエアギャップ54及びスロットSL1~SL12を含む。図11に示されるように、エアギャップ54及びスロットSL1~SL12は、ロータ52の回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、ステータ51のバックヨーク71dの内周面とロータ52の外周面との間に位置する空間に相当する。ロータ52は、回転軸52aに沿って見た場合に、周方向において等間隔に配置される8個の風孔52bを有する。回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、スロットSL1~SL12は、実質的に同一の形状及び寸法を有する。
図11において、ガスガイド81及び胴部ケーシング部11によって形成される鉛直流路82bの下方に位置するモータ冷却通路55は、ガイド側通路55aとして示されている。鉛直流路82bを通過した圧縮冷媒は、ガイド側通路55aを下向きに流れて、モータ16の下方の高圧空間S1に到達する。
図11において、12個のスロットSL1~SL12のうち、ロータ52の回転軸52aに対してガイド側通路55aの反対側に位置する2個のスロットSL6,SL7は、第1流路P1及び第2流路P2として示されている。言い換えると、第1流路P1及び第2流路P2は、それぞれ、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、回転軸52aに対してガスガイド81が位置する側の反対側に位置するスロットSL6及びスロットSL7である。回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、ガスガイド81は、コイルC1の外側に位置している。そのため、回転軸52aに対してガスガイド81が位置する側には、コイルC1の両側に位置するスロットSL1,SL12がある。第1流路P1は、回転軸52aに対してスロットSL12の反対側にあるスロットSL6である。第2流路P2は、回転軸52aに対してスロットSL1の反対側にあるスロットSL7である。スロットSL6は、コイルC6とコイルC7との間の空間である。スロットSL7は、コイルC7とコイルC8との間の空間である。
スロットSL6及びスロットSL7は、モータ16の下方の高圧空間S1から、モータ16の上方の高圧空間S1に向かって、上向きに圧縮冷媒が流れやすい空間である。ガイド側通路55aを通過してモータ16の下方の高圧空間S1に到達した圧縮冷媒は、流れの向きを反転させる。この時、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、12個のスロットSL1~SL12のうち、ガイド側通路55aから最も離れているスロットSL6,SL7に、流れの向きが反転した圧縮冷媒が流入しやすい。
引出線75は、インシュレータ72の円筒部72aの周方向に沿うように、コイルC1~C12及びスロットSL1~SL12の上方に配置されている。そのため、回転軸52aに沿ってモータ16を上方から見た場合に、スロットSL1~SL12の一部は、引出線75によって覆われている。図12に示されるように、引出線75は、インシュレータ72の円筒部72aに紐94で縛り付けられている。そのため、引出線75は、円筒部72aの内周面と接触するようにインシュレータ72に固定されている。従って、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、引出線75は、ロータ52の径方向R1において、スロットSL1~SL12の外側の部分を覆う。図11に示されるように、ロータ52の径方向R1とは、回転軸52aに沿ってロータ52を見た場合におけるロータ52の円形端面の径方向である。ロータ52の周方向R2とは、回転軸52aに沿ってロータ52を見た場合におけるロータ52の円形端面の周方向である。
図12に示されるように、第1流路P1(スロットSL6)、及び、第2流路P2(スロットSL7)は、引出線75によって覆われている。図12に示される寸法L1~L4は、回転軸52aに沿ってロータ52を見た場合における径方向R1の寸法であって、以下のように定義される。
・第1寸法L1:第1流路P1の寸法である。第1寸法L1の範囲は、スロットSL6の両側のコイルC6及びコイルC7の径方向R1の範囲と同じである。
・第2寸法L2:第1流路P1の一部であって、引出線75によって覆われていない部分の寸法である。第2寸法L2が占める範囲は、第1寸法L1が占める範囲の一部である。
・第3寸法L3:第2流路P2の寸法である。第3寸法L3の範囲は、スロットSL7の両側のコイルC7及びコイルC8の径方向R1の範囲と同じである。
・第4寸法L4:第2流路P2の一部であって、引出線75によって覆われていない部分の寸法である。第4寸法L4が占める範囲は、第3寸法L3が占める範囲の一部である。
引出線75は、次の2つの式(I)及び式(II)を満たすように配置される。
・式(I) :0≦L2/L1≦0.4
・式(II):0≦L4/L3≦0.4
式(I)は、「第1流路P1は、径方向R1において少なくとも60%が引出線75によって覆われている部分を有する」ことを意味する。
式(II)は、「第2流路P2は、径方向R1において少なくとも60%が引出線75によって覆われている部分を有する」ことを意味する。
寸法L1~L4が、周方向R2において一定でない場合、寸法L1~L4は、回転軸52aに沿ってロータ52を見た場合における径方向R1の寸法であって、以下のように定義されてもよい。
・第1寸法L1:第1流路P1の寸法の最大値である。
・第2寸法L2:第1流路P1の一部であって、引出線75によって覆われていない部分の寸法の最大値である。
・第3寸法L3:第2流路P2の寸法の最大値である。
・第4寸法L4:第2流路P2の一部であって、引出線75によって覆われていない部分の寸法の最大値である。
この場合、式(I)は、「第1流路P1の断面積の少なくとも60%は、引出線75によって覆われている」ことを意味し、式(II)は、「第2流路P2の断面積の少なくとも60%は、引出線75によって覆われている」ことを意味する。第1流路P1及び第2流路P2の断面積は、それぞれ、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合における、第1流路P1及び第2流路P2が占める領域の面積に相当する。
(5)特徴
(5-1)
スクロール圧縮機101では、モータ16のコイルC1~C12から延びている引出線75は、コイルC1~C12間の隙間であるスロットSL1~SL12を覆うように配置される。具体的には、12個のスロットSL1~SL1うち、圧縮冷媒が上方に向かって流れやすいスロットSL6(第1流路P1)及びスロットSL7(第2流路P2)の上側端部が、引出線75によって覆われている。これにより、スロットSL6及びスロットSL7を上向きに流れる圧縮冷媒の一部は引出線75に衝突するので、スロットSL6及びスロットSL7を上向きに通過する圧縮冷媒の量が引出線75によって低減される。そのため、モータ16の下方の高圧空間S1の圧縮冷媒に含まれる潤滑油が、スロットSL6及びスロットSL7を通過することが抑制される。
図11に示されるように、ケーシング10内部の吐出管20の開口部20aは、スロットSL6及びスロットSL7と同様に、回転軸52aに対してガスガイド81が位置する側のほぼ反対側に位置する。そのため、スロットSL6及びスロットSL7を上向きに通過した潤滑油は、開口部20aから吐出管20に流入してスクロール圧縮機101の外部に吐出されやすい。スクロール圧縮機101では、スロットSL6及びスロットSL7を引出線75で覆うことで、潤滑油がスロットSL6及びスロットSL7を通過することが抑制される。従って、スクロール圧縮機101では、引出線75によって、圧縮冷媒と共に潤滑油がスクロール圧縮機101の外部に流出する油上がりの発生が抑制される。
(5-2)
スクロール圧縮機101では、引出線75は、上記の2つの式(I)及び式(II)を満たすように配置される。これにより、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、スロットSL6及びスロットSL7が占める領域のうち、引出線75によって覆われていない領域の面積を所定値以下に制限することができる。従って、スクロール圧縮機101では、スロットSL6及びスロットSL7を通過する潤滑油の量が引出線75によって制限されるので、油上がりの発生が抑制される。
(5-3)
スクロール圧縮機101では、引出線75は、インシュレータ72の円筒部72aに紐94で縛り付けられて固定されている。そのため、スロットSL1~SL12を通過する圧縮冷媒が引出線75と衝突することで、引出線75の位置が変化することが抑制される。これにより、スクロール圧縮機101の運転中に引出線75が移動して、スロットSL6及びスロットSL7が占める領域のうち、引出線75によって覆われていない領域の面積が増加することが抑制される。この場合、スロットSL6及びスロットSL7を通過する潤滑油の量が増加するおそれがある。従って、スクロール圧縮機101では、引出線75をインシュレータ72に固定することで、油上がりの発生が抑制される。
(6)変形例
(6-1)変形例A
スクロール圧縮機101では、引出線75は、次の式(III)をさらに満たすように配置されてもよい。
・式(III):0.6≦L2/L4≦1.3
式(III)は、「第1流路P1及び第2流路P2は、引出線75に覆われていない部分の径方向R1の寸法が同程度である」ことを意味する。また、引出線75に覆われていない部分の径方向R1の寸法が周方向R2において実質的に均一である場合、式(III)は、「第1流路P1及び第2流路P2は、引出線75に覆われていない部分の面積が同程度である」ことを意味する。
12個のスロットSL1~SL1うち、スロットSL6(第1流路P1)及びスロットSL7(第2流路P2)は、圧縮冷媒が上方に向かって流れやすい空間である。本変形例では、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、スロットSL6及びスロットSL7が占める領域のうち、引出線75によって覆われていない領域の面積が同程度となるように、引出線75が配置されている。これにより、スロットSL6及びスロットSL7を上向きに通過する圧縮冷媒の流量は、同程度になる。スロットSL6を通過する圧縮冷媒の流量と、スロットSL7を通過する圧縮冷媒の流量との差が大きいほど、スロットSL6及びスロットSL7を通過する圧縮冷媒に含まれる潤滑油による油上がりが発生しやすい。そのため、スクロール圧縮機101では、引出線75を、上記の式(III)を満たすように配置することにより、油上がりの発生が抑制される。
本変形例では、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、各スロットSL1~SL12が占める領域のうち、引出線75によって覆われていない領域の面積ができるだけ均一になるように、引出線75が配置されてもよい。これにより、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、各スロットSL1~SL12が占める領域のうち、引出線75によって覆われていない領域の面積が同程度になり、油上がりの発生が抑制される。
(6-2)変形例B
スクロール圧縮機101では、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、スロットSL1~SL12は、引出線75以外の部材でさらに覆われてもよい。
例えば、スロットSL1~SL12の少なくとも一部は、引出線75の末端である中性点78を覆う絶縁キャップ92でさらに覆われてもよい。中性線77の末端部である中性点78は、自由端であり、スロットSL1~SL12を通過する圧縮冷媒と衝突して移動しやすい。そのため、図13に示されるように、中性点78付近の中性線77を絶縁キャップ92で覆い、絶縁キャップ92をインシュレータ72の円筒部72aに紐94で縛り付けることで、絶縁キャップ92に覆われる中性線77の移動が抑制される。これにより、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、スロットSL6及びスロットSL7の位置に中性線77が存在する場合でも、圧縮冷媒が中性線77と衝突して中性線77の位置が変化することが抑制される。従って、スロットSL6及びスロットSL7が占める領域のうち、引出線75によって覆われていない領域の面積が増加することが抑制される。その結果、油上がりの発生が抑制される。
絶縁キャップ92の形状及び構造は、特に限定されない。図14及び図15は、絶縁キャップ92の一例である。この絶縁キャップ92は、2枚の絶縁フィルム91a,91bを多重巻きにして形成される、2本の筒状部材から構成される。2本の筒状部材の一方の端部を重ねて超音波溶着により溶着することで、絶縁キャップ92が形成される。図13では、超音波溶着される領域がハッチングされている。
絶縁キャップ92は、圧縮冷媒が上向きに通過するスロットSL6及びスロットSL7の両方を覆うことができる程度に長いことが好ましい。
(6-3)変形例C
スクロール圧縮機101では、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、スロットSL1~SL12は、引出線75以外の部材でさらに覆われてもよい。
例えば、スロットSL1~SL12の少なくとも一部は、絶縁スペーサ93でさらに覆われてもよい。絶縁スペーサ93は、変形例Bの絶縁キャップ92と異なり、引出線75(中性点78)を覆わない部材である。言い換えると、絶縁スペーサ93は、引出線75から独立している部材である。図16に示されるように、絶縁スペーサ93を、引出線75と共に、インシュレータ72の円筒部72aに紐94で縛り付けることで、絶縁スペーサ93と重なっている引出線75の移動が抑制される。これにより、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、スロットSL6及びスロットSL7の位置に引出線75が存在する場合でも、圧縮冷媒が引出線75と衝突して引出線75の位置が変化することが抑制される。従って、スロットSL6及びスロットSL7が占める領域のうち、引出線75によって覆われていない領域の面積が増加することが抑制される。その結果、油上がりの発生が抑制される。
絶縁スペーサ93の形状及び構造は、特に限定されない。例えば、絶縁スペーサ93として、図14及び図15に示される絶縁キャップ92と同様の部材が用いられてもよい。
絶縁スペーサ93は、圧縮冷媒が上向きに通過するスロットSL6及びスロットSL7の両方を覆うことができる程度に長いことが好ましい。
また、絶縁スペーサ93は、電源線76と共に、インシュレータ72の円筒部72aに紐94で縛り付けてもよい。これにより、絶縁スペーサ93と重なっている電源線76の移動が抑制される。そのため、スロットSL6及びスロットSL7の位置に電源線76が存在する場合でも、圧縮冷媒が電源線76と衝突して電源線76の位置が変化することが抑制される。その結果、油上がりの発生が抑制される。
また、絶縁スペーサ93は、変形例Bの絶縁キャップ92と共に用いられてもよい。
(6-4)変形例D
スクロール圧縮機101では、スロットSL6(第1流路P1)及びスロットSL7(第2流路P2)の一方のみが、引出線75によって覆われていてもよい。例えば、回転軸52aに沿ってモータ16を見た場合に、ケーシング10内部の吐出管20の開口部20aにより近いスロットSL6のみが、引出線75によって覆われていてもよい。この場合、スロットSL6は、例えば、引出線75によって実質的に完全に覆われていてもよい。
また、スクロール圧縮機101では、スロットSL6及びスロットSL7は、上記の式(I)及び式(II)を満たすように、引出線75によって覆われている。しかし、引出線75は、全てのスロットSL1~SL12が、上記の式(I)及び式(II)と同様の式を満たすように、引出線75によって覆われていてもよい。具体的には、各スロットSL1~SL12が、径方向R1において少なくとも60%が引出線75によって覆われている部分を有するように、引出線75が配置されてもよい。また、スロットSL1~SL12の一部であって、スロットSL6及びスロットSL7を含む複数のスロットが、上記の式(I)及び式(II)と同様の式を満たすように、引出線75によって覆われていてもよい。
(6-5)変形例E
スクロール圧縮機101では、引出線75は、インシュレータ72の円筒部72aに紐94で縛り付けられて固定されている。しかし、引出線75は、紐94以外の部材を用いて円筒部72aに固定されてもよい。例えば、引出線75は、円筒部72aの内周面から突出する部分、又は、円筒部72aに取り付けられる部材に引っ掛けられることによって、円筒部72aに固定されてもよい。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
10 :ケーシング
15 :圧縮機構
16 :モータ
51 :ステータ
52 :ロータ
52a :回転軸
54 :エアギャップ(第2空間)
71d :バックヨーク
71e :ティース
72 :インシュレータ
75 :引出線
81 :ガスガイド(ガイド)
92 :絶縁キャップ(第2部材)
93 :絶縁スペーサ(第3部材)
94 :紐(第4部材)
101 :スクロール圧縮機
C1~C12:コイル
S1 :高圧空間(第1空間)
SL1~SL12:スロット(第2空間)
P1 :第1流路
P2 :第2流路
R1 :径方向
特開2003-286949号公報

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構(15)と、
    ステータ(51)と、前記ステータの内側に配置される円柱形状のロータ(52)とを有し、前記圧縮機構を駆動するモータ(16)と、
    前記圧縮機構及び前記モータを収容するケーシング(10)と、
    前記圧縮機構から吐出される冷媒を、前記ケーシングの内部の前記モータが配置される第1空間(S1)に導くガイド(81)と、
    を備え、
    前記ステータは、
    円筒形状のバックヨーク(71d)と、
    前記バックヨークの内周面から径方向に突出する複数のティース(71e)と、
    を有し、
    前記モータは、
    インシュレータ(72)と、
    前記インシュレータを介して前記複数のティースに巻き回されるコイル(C1~C12)と、
    前記コイルの端部から引き出される引出線(75)と、
    をさらに有し、
    前記第1空間は、前記ロータの回転軸(52a)に沿って前記モータを見た場合に、前記バックヨークの内周面と前記ロータの外周面との間に位置する第2空間(54,SL1~SL12)を有し、
    前記第2空間は、前記回転軸に沿って前記モータを見た場合に、前記回転軸に対して前記ガイドが位置する側の反対側に位置する第1流路(P1)及び第2流路(P2)を含み、
    前記第1流路及び前記第2流路の少なくとも一方は、前記回転軸に沿って前記モータを見た場合に、前記引出線を含む第1部材によって覆われ、
    前記ロータの径方向(R1)における、前記第1流路の寸法を第1寸法L1とし、
    前記径方向における、前記第1流路の、前記第1部材によって覆われていない部分の寸法を第2寸法L2とし、
    前記径方向における、前記第2流路の寸法を第3寸法L3とし、
    前記径方向における、前記第2流路の、前記第1部材によって覆われていない部分の寸法を第4寸法L4とした場合に、
    前記第1部材は、
    0≦L2/L1≦0.4、及び、
    0≦L4/L3≦0.4、
    の関係を満たすように配置される、
    スクロール圧縮機(101)。
  2. 前記第1部材は、
    0.6≦L2/L4≦1.3、
    の関係をさらに満たすように配置される、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記第1部材は、前記引出線を覆う絶縁部材である第2部材(92)をさらに含む、
    請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記第1部材は、前記引出線を覆わない絶縁部材である第3部材(93)をさらに含む、
    請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記第1部材は、前記インシュレータに第4部材(94)で固定されている、
    請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機。
  6. 請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機を備える、
    冷媒サイクル装置。
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