JP2024008374A - 温度測定装置及び温度測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下における温度測定を高い精度で長時間に亘って行うことができる温度測定装置及び温度測定方法を提供する。【解決手段】温度測定装置10は、光ファイバFUTに光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを取得するスペクトルデータ取得部11と、記スペクトルデータを解析してブリルアン周波数シフト量を求めるスペクトルデータ解析部12と、光ファイバFUTの熱履歴から光ファイバFUTの構造緩和によるブリルアン周波数シフト量の変化量を予測し、予測した変化量を用いてスペクトルデータ解析部12で求められたブリルアン周波数シフト量を補正する補正部13と、補正部13で補正されたブリルアン周波数シフト量に基づいて、光ファイバFUTの温度を求める温度算出部14と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバセンサを用いた温度測定装置及び温度測定方法に関する。
光ファイバに光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光は、光ファイバの温度又は歪みの変化によってスペクトル(レベルが最大になる周波数)が変化する。このような性質を利用した光ファイバセンサは、ブルリアン散乱光の周波数の変化(ブリルアン周波数シフト:BFS)を光ファイバの長さ方向に亘って検出することで、光ファイバの長さ方向の温度分布又は歪み分布を測定する。
このような光ファイバセンサの代表的なものとして、BOCDR(Brillouin Optical Correlation Domain Reflectometry)方式のもの、BOCDA(Brillouin Optical Correlation Domain Analysis)方式のもの等が知られている。以下の特許文献1には、BOCDA方式のもの等に適用可能な、光ファイバの長さ方向の温度分布を測定する光ファイバセンサが開示されている。
特許第5012032号公報
ところで、近年においては、プラント業界、重電業界、石油・天然ガス上流業界等の産業界から、高温環境下における温度測定を高い精度で長時間に亘って行うことが要求されている。例えば、温度が300℃以上の高温環境下における温度測定を、高い精度で数万時間以上の長期に亘って行うことが要求されている。上述した特許文献1に開示された光ファイバセンサは、比較的温度の低い環境下(例えば、常温~300℃以下)における温度測定を想定しているため、このような要求に応えることは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高温環境下における温度測定を高い精度で長時間に亘って行うことができる温度測定装置及び温度測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様による温度測定装置は、光ファイバ(FUT)に光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを取得する取得部(11)と、前記スペクトルデータを解析してブリルアン周波数シフト量を求める解析部(12)と、前記光ファイバの熱履歴から前記光ファイバの構造緩和による前記ブリルアン周波数シフト量の変化量を予測し、予測した前記変化量を用いて前記解析部で求められた前記ブリルアン周波数シフト量を補正する補正部(13)と、前記補正部で補正された前記ブリルアン周波数シフト量に基づいて、前記光ファイバの温度を求める温度算出部(14)と、を備える。
本発明の第2の態様による温度測定装置は、本発明の第1の態様による温度測定装置において、前記補正部が、前記光ファイバの初期状態における仮想温度と温度毎の緩和時間とを用いて表される前記光ファイバの仮想温度の経時変化を示す仮想温度予測式を用いて、前記変化量を予測する。
本発明の第3の態様による温度測定装置は、本発明の第2の態様による温度測定装置において、前記補正部が、前記温度算出部で新たに求められた温度と、前記温度算出部で前回求められた温度との差が予め規定された閾値よりも大きい場合には、前記仮想温度予測式を、前記温度算出部で新たに求められた温度の緩和時間を用いて表されるものに変える。
本発明の第4の態様による温度測定装置は、本発明の第1から第3の態様の何れかの態様による温度測定装置において、前記光ファイバの仮想温度が、予め、温度を測定する対象である測定対象物の温度と同じ温度又は同程度の温度に設定されている。
本発明の第5の態様による温度測定装置は、本発明の第1から第4の態様の何れかの態様による温度測定装置において、前記光ファイバの温度を測定する温度測定素子(30a~30c)を少なくとも1つ備える。
本発明の第6の態様による温度測定装置は、本発明の第5の態様の温度測定装置において、前記温度測定素子で測定された温度を用いて、前記温度算出部で求められた温度を補正する温度補正部(16)を備える。
本発明の第7の態様による温度測定装置は、本発明の第5の態様の温度測定装置において、前記温度算出部で求められた温度と前記温度測定素子で測定された温度とを比較して、前記温度測定装置の健全性、又は、前記温度測定素子の健全性を診断する診断部(17)を備える。
本発明の第8の態様による温度測定装置は、本発明の第7の態様の温度測定装置において、前記診断部が、前記温度測定素子が設置された全ての箇所又は殆どの箇所において、前記温度算出部で求められた温度と前記温度測定素子で測定された温度との温度差が所定の値よりも大になる場合には前記温度測定装置に異常があると診断し、前記温度測定素子が設置された1つの箇所又は数箇所のみにおいて、前記温度差が所定の値よりも大になる場合には、前記温度測定素子に異常があると診断する。
本発明の第9の態様による温度測定装置は、本発明の第1から第8の態様の何れかの態様による温度測定装置において、前記解析部が、前記光ファイバの長さ方向に沿って設定された複数の測定位置の各々における前記ブリルアン周波数シフト量を求め、前記補正部が、前記測定位置の各々における熱履歴から前記測定位置の各々における前記変化量を予測し、予測した前記測定位置の各々における前記変化量を用いて前記解析部で求められた前記測定位置の各々における前記ブリルアン周波数シフト量を補正し、前記温度算出部が、前記補正部で補正された前記測定位置の各々における前記ブリルアン周波数シフト量に基づいて、前記測定位置の各々における温度を求める。
本発明の一態様による温度測定方法は、光ファイバ(FUT)に光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを取得する取得ステップ(S16)と、前記スペクトルデータを解析してブリルアン周波数シフト量を求める解析ステップ(S16)と、前記光ファイバの熱履歴から前記光ファイバの構造緩和による前記ブリルアン周波数シフト量の変化量を予測し、予測した前記変化量を用いて前記解析ステップで求められた前記ブリルアン周波数シフト量を補正する補正ステップ(S18、S19)と、前記補正ステップで補正された前記ブリルアン周波数シフト量に基づいて、前記光ファイバの温度を求める温度算出ステップ(S20)と、を有する。
本発明によれば、高温環境下における温度測定を高い精度で長時間に亘って行うことができるという効果がある。
本発明の第1実施形態による温度測定装置の要部構成を示すブロック図である。 光ファイバに対してアニール処理を行った場合における仮想温度の経時変化を示す図である。 光ファイバに対してアニール処理を行った場合におけるアニール温度と緩和時間との関係を示す図である。 仮想温度とブリルアン周波数シフト量との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態による温度測定方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態による温度測定装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態による温度測定装置で行われる処理を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態による温度測定装置及び温度測定方法について詳細に説明する。以下では、まず本発明の実施形態の概要について説明し、続いて本発明の各実施形態の詳細について説明する。
〔概要〕
本発明の実施形態は、高温環境下における温度測定を高い精度で長時間に亘って行うことができるようにするものである。具体的には、光ファイバの長さ方向の温度分布を測定する光ファイバセンサにおいて、例えば、温度が300℃以上の高温環境下における温度測定を、高い精度で数万時間以上の長期に亘って行うことができるようにするものである。
シリカガラスを材料とした光ファイバは、融点が1000℃以上と高く、300℃以上の高温環境下でも使用が可能である。このような融点の高い光ファイバを用いることにより、高温環境下における温度測定が可能な光ファイバセンサを実現することができると考えられる。
一般的に、光ファイバを温度測定用のセンサとして用いた分布型温度センサ(Distributed Temperature Sensor:DTS)として、ラマン散乱光を用いるROTDR(Raman Optical Time Domain Reflectometry)方式のものが知られている。このROTDR方式のDTSは、高温環境ではセンサである光ファイバの伝送損失が増加する等の問題で、温度測定範囲が300℃以下に限られている。
一方、ブリルアン散乱を利用したDTSは、入射光とブリルアン散乱光との周波数差(ブリルアン周波数シフト:BFS)から温度を算出するため、光ファイバの伝送損失変化の影響を受けにくい。このため、ブリルアン散乱を利用したDTSにおいて、上述した融点の高い光ファイバを用いることで、300℃以上の高温環境下における温度測定の実現が期待できる。
ブリルアン散乱は、光ファイバ内の音響波による散乱である。ブリルアン散乱には、自然ブリルアン散乱と誘導ブリルアン散乱とがある。自然ブリルアン散乱は、光ファイバ内に自然に存在する音響波による散乱である。誘導ブリルアン散乱は、光ファイバの一端から入射させた光(ポンプ光)と、光ファイバの他端から入射させた光(ポンプ光より11[GHz]程度周波数が低いプローブ光)の2光の相互作用による散乱現象である。
自然ブリルアン散乱を利用したDTSの代表的なものとして、前述したBOCDR方式のもの、BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometry)方式のものが挙げられる。また、誘導ブリルアン散乱を利用したDTS代表的なものとして、前述したBOCDAのもの、BOTDA(Brillouin Optical Time Domain Analysis)方式のものが挙げられる。
ここで、本出願の発明者は、鋭意実験を行った結果、温度一定の高温環境下において、測定される光ファイバセンサのブリルアン周波数シフト量が、時間とともに変化(ドリフト)するとの知見を得た。このようなブリルアン周波数シフト量の変化は、高温環境下において、構造緩和と呼ばれる光ファイバ(ガラス)の構造が変化する現象が起こることによって生ずると考えられる。このようなブリルアン周波数シフト量の変化が生ずると、光ファイバセンサで測定された温度(ブリルアン周波数シフト量から求められた温度)と実際の温度とに差が生じ、その差が測定誤差になる。また、ブリルアン周波数シフト量は、上述の通り、時間とともに変化することから、時間が経過するにつれ測定誤差は大きくなる。
本発明の実施形態は、まず、光ファイバに光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを取得する。次に、スペクトルデータを解析してブリルアン周波数シフト量を求める。次いで、光ファイバの熱履歴から光ファイバの構造緩和によるブリルアン周波数シフト量の変化量を予測し、予測した変化量を用いて、求められたブリルアン周波数シフト量を補正する。そして、補正されたブリルアン周波数シフト量に基づいて、光ファイバの温度を求める。これにより、高温環境下における温度測定を高い精度で長時間に亘って行うことができる。
〔第1実施形態〕
〈温度測定装置の構成〉
図1は、本発明の第1実施形態による温度測定装置の要部構成を示すブロック図である。図1に示す通り、本実施形態の温度測定装置10は、スペクトルデータ取得部11(取得部)、スペクトルデータ解析部12(解析部)、補正部13、温度算出部14、及びデータ記録部15を備える。
このような温度測定装置10は、光ファイバセンサ本体20とともに、光ファイバセンサシステム1を構成する。光ファイバセンサシステム1は、光ファイバセンサ本体20で検出されたスペクトルデータを温度測定装置10が取得して解析することにより、光ファイバFUTの長さ方向における温度分布を求めるシステムである。
尚、図1に示す光ファイバセンサシステム1は、光ファイバFUTの長さ方向における温度分布以外に、光ファイバFUTに加わる歪みの分布も測定可能である。本実施形態では、説明を簡単にするために、光ファイバFUTが歪みの影響を受けないものとする。光ファイバFUTが歪みの影響を受けなくする方法としては、例えば、光ファイバFUTを固定することなく金属管に挿入し、その光ファイバFUTが挿入された金属管を、温度を測定する対象である測定対象物に固定する方法が挙げられる。
光ファイバセンサ本体20は、光ファイバFUTに光を入射させるとともに、光ファイバFUTに光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光を検出する。また、光ファイバセンサ本体20は、ブリルアン散乱光を検出して得られる検出信号に対して信号処理を行って、光ファイバFUT内で発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを出力する。光ファイバセンサ本体20は、BOCDR方式、BOCDA方式、BOTDR方式、BOTDA方式のうちの何れの方式のものであっても良い。
上記のBOCDR方式のものは、光ファイバFUTの一端から周波数変調された連続光又はパルス光であるポンプ光を入射させ、光ファイバFUTの同じ一端から得られる自然ブリルアン散乱光と参照光とを干渉させる。これにより、光ファイバFUT中において「相関ピーク」が現れる特定の位置における自然ブリルアン散乱光を選択的に抽出し、抽出した自然ブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを出力するものである。
上記のBOCDA方式のものは、周波数変調された連続光又はパルス光(ポンプ光及びプローブ光)を光ファイバFUTの両端からそれぞれ入射させる。そして、ポンプ光及びプローブ光の変調位相が一致する位置(相関ピークが現れる位置)において増幅された誘導ブリルアン散乱光を抽出し、抽出した誘導ブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを出力するものである。
上記のBOTDR方式のものは、光ファイバFUTの一端からパルス光を入射させる。そして、光ファイバFUTの同じ一端から出射される自然ブリルアン散乱光を順次検出し、検出した自然ブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを出力するものである。
上記のBOTDA方式のものは、光ファイバFUTの一端から周波数が可変であるパルス光(ポンプ光)を入射させるとともに光ファイバFUTの他端から連続光であるプローブ光を入射させる。そして、ポンプ光とプローブ光との相互作用によって生ずる誘導ブリルアン散乱光を順次検出し、検出した誘導ブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを出力するものである。
スペクトルデータ取得部11は、光ファイバセンサ本体20から出力されるスペクトルデータを取得する。光ファイバセンサ本体20は、通常、光ファイバFUTの長さ方向に沿って設定された複数の測定位置で測定を行う。このため、スペクトルデータ取得部11は、各々の測定位置で発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータをそれぞれ取得する。
スペクトルデータ取得部11で取得されるスペクトルデータは、光ファイバFUTの長さ方向の位置(距離)の情報と、ブリルアン散乱スペクトルの周波数軸の情報と、ブリルアン散乱スペクトルの強度の情報とが組み合わされた、いわば3次元のデータである。尚、スペクトルデータ取得部11で取得されるスペクトルデータに雑音が多く重畳されている場合には、ローパスフィルタ処理を用いて雑音を低減してもよい。
尚、上記の測定位置とは、温度を測定する位置であって、ユーザによって設定される光ファイバFUTの長さ方向における位置である。この測定位置は、光ファイバFUTの熱履歴を記録するために、温度測定しない区間(測定する予定がない区間)を除いて、光ファイバFUTの長手方向全体に亘って、極力短い間隔をもって設定されるのが望ましい。
スペクトルデータ解析部12は、スペクトルデータ取得部11で取得されたスペクトルデータを解析してブリルアン周波数シフト量を求める。具体的に、スペクトルデータ解析部12は、スペクトルデータ取得部11で取得されたスペクトルデータの各々について、例えば、カーブフィッティング処理等の各種処理を行ってピーク周波数を求める。そして、スペクトルデータ解析部12は、光ファイバFUTに入射した光の周波数と、スペクトルデータの各々から求めたピーク周波数との差を、各測定位置におけるブリルアン周波数シフト量として求める。
補正部13は、光ファイバFUTの熱履歴から光ファイバFUTの構造緩和によるブリルアン周波数シフト量の変化量を予測し、予測した変化量を用いてスペクトルデータ解析部12で求められたブリルアン周波数シフト量を補正する。具体的に、補正部13は、測定位置の各々における熱履歴から測定位置の各々における上記変化量を予測する。そして、補正部13は、予測した測定位置の各々における上記変化量を用いてスペクトルデータ解析部12で求められた測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量を補正する。このような補正を行うのは、高温環境下(例えば、300℃以上)における温度測定を高い精度で長時間(例えば、数万時間以上)に亘って行うことができるようにするためである。
補正部13は、光ファイバFUTの仮想温度の経時変化を示す仮想温度予測式を用いて、上述した光ファイバFUTの構造緩和によるブリルアン周波数シフト量の変化量を予測する。上記の仮想温度予測式は、光ファイバFUTの初期状態における仮想温度と温度毎の緩和時間とを用いて表される式である。
ここで、仮想温度とは、ガラス構造が、何度の過冷却液体の安定構造に対応しているかを示す温度である。仮想温度は、光ファイバFUTの構造が緩和している最中は変化し、構造緩和が収束した場合には変化しなくなる。このため、仮想温度の変化の有無によって、光ファイバFUTの構造が緩和している最中か、構造緩和が収束したかを判断することができる。このように、仮想温度を測定することによって、光ファイバFUTの構造緩和の状態を定性的に測定(把握)することができる。尚、構造緩和が収束したときの仮想温度は、周囲温度と一致する。
光ファイバFUTの仮想温度は、光ファイバFUTの密度や屈折率の変化を測定することで測定可能である。また、光ファイバFUTの仮想温度は、赤外分光法、ラマン分光法等の分光学的方法を用いることによっても測定可能である。尚、前者の測定法によって仮想温度を測定する場合には、ある程度の大きなサンプルが必要となるが、後者の測定法によって仮想温度を測定する場合には、サンプルが小さくても良い。また、後者の測定法では、微小領域の仮想温度を測定することも可能である。
上記の仮想温度予測式で用いられる光ファイバFUTの初期状態における仮想温度及び温度毎の緩和時間は、予め、光ファイバFUTとコア径、構造、組成、容姿(被覆等の外被)が同一の光ファイバを用いて予め求めておく。光ファイバFUTの初期状態における仮想温度は、上述した光ファイバFUTの密度や屈折率の変化を測定する方法、又は、赤外分光法、ラマン分光法等の分光学的方法を用いて測定することができる。緩和時間は、予め、光ファイバに対する熱処理(アニール処理)を行うことで求めることができる。
尚、光ファイバFUTの構造緩和が収束するのに要する時間は、アニール温度(光ファイバに対して行う熱処理の温度)が高いほど短く、低いほど長くなる。このため、光ファイバに対してアニール処理を実際に行って求めることができる緩和時間は、現実的にはアニール温度が800℃以上の場合である。アニール温度が800℃より低い場合における緩和時間は、アニール温度が800℃以上の場合に得られた緩和時間を外挿して求めればよい。
補正部13は、温度の変化が生じた場合には、使用する仮想温度予測式を変更する。具体的に、補正部13は、温度算出部14で新たに求められた温度と、温度算出部14で前回求められた温度との差が予め規定された閾値よりも大きい場合には、仮想温度予測式を、温度算出部14で新たに求められた温度の緩和時間を用いて表されるものに変える。
ここで、上記の閾値は、温度測定装置10の測定誤差に影響を与える。例えば、上記の閾値を50℃とした場合には、実際の温度とは最大で50℃違う仮想温度予測式が用いられることになる。このため、測定誤差を低減するには、上記の閾値を小さな値にすることが望ましい。例えば、上記の閾値を1℃程度に設定しても良い。尚、上記の仮想温度予測式の詳細については後述する。
温度算出部14は、補正部13で補正されたブリルアン周波数シフト量に基づいて、光ファイバFUTの長さ方向に沿って設定された複数の測定位置の各々における温度を求める。具体的に、温度算出部14は、補正部13で補正されたブリルアン周波数シフト量をνとすると、以下の(1)に示す変換式を用いて温度Tを求める。
Figure 2024008374000002
尚、上記(1)中におけるa,bは係数であり、cは定数である。これら係数a,b及び定数cは、例えば、予め実験を行って得られたブリルアン周波数シフト量と温度との関係を示すデータに対し、カーブフィッティング処理等を行って算出する。尚、ブリルアン周波数シフト量と温度との関係を求める際に用いる光ファイバは、熱履歴がない(或いは、熱履歴がないとみなせる)光ファイバである点に注意されたい。
データ記録部15は、温度測定装置10で得られた各種データを記録する。具体的に、データ記録部15は、光ファイバFUTの長さ方向に沿って設定された複数の測定位置毎に、測定日時、ブリルアン周波数シフト量、測定温度、曝露時間、仮想温度予測式、仮想温度、ブリルアン周波数シフト量の補正値等を記録する。データ記録部15は、光ファイバFUTの長さ方向に沿って設定された複数の測定位置毎のスペクトルデータを記録しても良い。
上記の測定位置毎のスペクトルデータは、スペクトルデータ取得部11で取得されるものである。上記のブリルアン周波数シフト量は、スペクトルデータ解析部12で求められるものである。上記の仮想温度予測式、仮想温度、及びブリルアン周波数シフト量の補正値は、補正部13で求められるものである。上記の測定温度は、温度算出部14で求められるものである。
尚、温度測定装置10は、温度測定装置10で得られた各種データ及びデータ記録部15に記録された各種データを表示する表示部を備えていても良い。表示部は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)表示装置等を用いることができる。また、温度測定装置10は、温度測定装置10で得られた各種データ及びデータ記録部15に記録された各種データを出力する出力部を備えていても良い。
温度測定装置10は、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等のコンピュータによって実現することができる。温度測定装置10がコンピュータによって実現される場合には、温度測定装置10が備える各部の機能は、それらの機能を実現するためのプログラムが、コンピュータに設けられたCPU(中央処理装置)で実行されることによって実現される。つまり、温度測定装置10が備える各部の機能は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することによって実現される。尚、温度測定装置10は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。
〈仮想温度予測式〉
図2は、光ファイバに対してアニール処理を行った場合における仮想温度の経時変化を示す図である。図2(a)は、アニール温度が光ファイバの初期状態における仮想温度よりも低い場合のものであり、図2(b)は、アニール温度が光ファイバの初期状態における仮想温度よりも高い場合のものである。尚、図2(a),(b)に示すグラフは、横軸にアニール時間(光ファイバに対して行う熱処理の時間)をとり、縦軸に光ファイバの仮想温度をとってある。
図2(a)では、光ファイバの初期状態における仮想温度が1500℃であり、アニール温度Taが1400℃、1200℃、1000℃、800℃、600℃、300℃に設定された場合における仮想温度の経時変化を例示している。図2(b)では、光ファイバの初期状態における仮想温度が800℃であり、アニール温度Taが1500℃、1400℃、1200℃、1000℃、900℃に設定された場合における仮想温度の経時変化を例示している。
図2(a),(b)に示す通り、仮想温度は、アニール温度Taが高いほど急峻に変化するが、アニール温度Taが低くなるにつれてその変化は緩やかになる。また、アニール温度Taに達するまでの時間は、アニール温度Taが高いほど短いが、アニール温度Taが低くなるにつれて長くなる。つまり、アニール温度Taが高いほど構造緩和が収束するのに要する時間が短く、アニール温度Taが低くなるにつれて構造緩和が収束するのに要する時間が長くなる。
アニール時間をtとし、仮想温度の経時変化をTf(t)とすると、仮想温度の経時変化Tf(t)は、以下の(2)式で表すことができる。
Figure 2024008374000003
上記(2)式中のτ1,τ2は緩和時間であり、α,βは係数であり、Tf0は光ファイバの初期状態における仮想温度である。尚、光ファイバの初期状態とは、光ファイバに対してアニール処理を行う前の状態である。光ファイバの初期状態における仮想温度Tf0は、光ファイバの密度や屈折率の変化を測定する方法、又は、赤外分光法、ラマン分光法等の分光学的方法を用いて測定される。緩和時間τ1,τ2及び係数α,βは、光ファイバに対するアニール処理を行って得られた結果に対し、カーブフィッティングを行って得られた近似曲線の式から求められる。
ここで、図2(a),(b)に示す通り、光ファイバに対してアニール処理を行った場合における仮想温度の経時変化は、光ファイバの初期状態における仮想温度Tf0及びアニール温度Taによって異なる。このため、上記(2)式に示される仮想温度の経時変化Tf(t)は、光ファイバの初期状態における仮想温度Tf0及びアニール温度Taの組み合わせ毎に求められる。
例えば、図2(a)に示す場合の緩和時間τ1,τ2をτ11_Ta,τ12_Taとし、係数α,βをα1Ta,β1Taとする。また、図2(b)に示す場合の緩和時間τ1,τ2をτ21_Ta,τ22_Taとし、係数α,βをα2Ta,β2Taとする。尚、緩和時間τ11_Ta,τ12_Ta,τ21_Ta,τ22_Ta及び係数α1Ta,β1Ta,α2Ta,β2Taの添え字のTaは、アニール温度を意味する。図2(a)に示すアニール温度Ta毎の仮想温度の経時変化Tf(t)は、以下の(3)式で表され、図2(b)に示すアニール温度Ta毎の仮想温度の経時変化Tf(t)は、以下の(4)式で表される。
Figure 2024008374000004
Figure 2024008374000005
図3は、光ファイバに対してアニール処理を行った場合におけるアニール温度と緩和時間との関係を示す図である。尚、図3に示すグラフは、横軸にアニール温度Taの逆数をとり、縦軸に緩和時間の逆数の対数をとった所謂アレニウスプロットである。図3に示すグラフは、図2(a)に示すアニール処理を行って得られた緩和時間τ1,τ2をプロットしたものである。尚、図2(a)に示すアニール処理とは、光ファイバの初期状態における仮想温度が1500℃であり、アニール温度Taを1400℃、1200℃、1000℃、800℃、600℃、300℃に設定して行ったアニール処理である。
図3に示す通り、緩和時間τ1,τ2の逆数の対数とアニール温度Taの逆数とは負比例の関係になることが分かる。緩和時間τ1の逆数の対数とアニール温度Taの逆数との関係を示す近似直線は以下の(5)式で表され、緩和時間τ2の逆数の対数とアニール温度Taの逆数との関係を示す近似直線は以下の(6)式で表される。尚、以下の(5),(6)式中のj1,j2は係数であり、m1,m2は定数であり、Taはアニール温度である。
Figure 2024008374000006
Figure 2024008374000007
上記(5),(6)式から、実際にはアニール処理を行っていないアニール温度における緩和時間τ1,τ2を求めることができる。例えば、アニール温度Taを1000~1500℃の間で、100℃刻みで設定してアニール処理を行った場合を考える。この場合において、その刻みの間の温度(例えば、1050℃)における緩和時間τ1,τ2を求めることも、その温度範囲外の温度(例えば、800℃)における緩和時間τ1,τ2を求めることもできる。
尚、上記(2)~(4)式は、仮想温度の経時変化Tf(t)を示す式であるが、これらの式を用いれば、光ファイバの仮想温度の経時変化を予測することができる。このため、上記(2)~(4)式は、仮想温度予測式ということもできる。温度測定装置10で測定可能な温度範囲を広げるには、広い温度範囲に亘る仮想温度予測式を用意するのが望ましい。また、温度測定装置10の温度の測定精度を高めるには、温度の刻みが細かな仮想温度予測式を用意するのが望ましい。仮想温度予測式で用いられるパラメータ(緩和時間τ11_Ta,τ12_Ta,τ21_Ta,τ22_Ta及び係数α1Ta,β1Ta,α2Ta,β2Ta)は、例えば、温度測定装置10のデータ記録部15に記録される。
図4は、仮想温度とブリルアン周波数シフト量との関係を示す図である。仮想温度とブリルアン周波数シフト量との関係は、仮想温度が既知であって仮想温度が異なる光ファイバのブリルアン周波数シフトを室温環境下で測定することによって得られる。図4に示す通り、仮想温度とブリルアン周波数シフト量との関係は、正比例の関係になることが分かる。仮想温度Tfとブリルアン周波数シフト量νとの関係を示す近似直線は、以下の(7)式で表される。尚、以下の(7)式中のkは係数であり、nは定数である。
Figure 2024008374000008
上記(7)式と、前述した(2)式とから、ブリルアン周波数シフト量の経時変化ν(t)は、仮想温度の経時変化Tf(t)を用いて以下の(8)式で表される。
Figure 2024008374000009
光ファイバに対するアニール処理が開始されてからアニール時間tが経過したときのブリルアン周波数シフト量の変化量Δνは、以下の(9)式で表される。尚、以下の(9)式中のTf0は、アニール処理の開始時の仮想温度である。
Figure 2024008374000010
ここで、光ファイバに対するアニール処理が、測定対象物の熱によって行われていると考えると、上記(9)式は、測定対象物に光ファイバFUTが敷設されてから時間tが経過したときのブリルアン周波数シフト量の変化量Δνを示す式ということができる。このため、上記(9)式から、光ファイバFUTのブリルアン周波数シフト量の変化量Δνを予測することができる。本実施形態では、補正部13が、上記(9)式を用いてブリルアン周波数シフト量の変化量Δνを予測し、予測したブリルアン周波数シフト量の変化量Δνを用いてスペクトルデータ解析部12が求めたブリルアン周波数シフト量νを補正している。
〈温度測定方法〉
図5は、本発明の第1実施形態による温度測定方法を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、例えば、測定対象物に光ファイバFUTを敷設して光ファイバセンサシステム1を構築した後に、ユーザが、光ファイバセンサシステム1に対する測定開始の指示を行うことによって開始される。
尚、光ファイバセンサシステム1による温度測定を開始する前に、光ファイバFUTの仮想温度の測定が行われる。また、仮想温度が測定された光ファイバFUTは、光ファイバセンサシステム1による温度測定が開始される前に、高温環境下に曝露されないようにする必要がある。これは、曝露温度が数百℃以下であれば光ファイバFUTの仮想温度の変化が少ないためさほど問題にならないと考えられるが、高温環境下では光ファイバFUTの構造緩和が進んで仮想温度が変化するためである。仮想温度が測定された光ファイバFUTは、例えば、室温環境下で放置又は保管されていることが望ましい。
図5に示すフローチャートの処理が開始されると、まず、温度測定装置10は、曝露時間の計測を開始する(ステップS11)。これは、光ファイバFUTの熱履歴を記録するために、温度の測定が開始された時点からの経過時間が必要になるからである。
次に、温度測定装置10は、光ファイバFUTの長さ方向に沿って設定された複数の測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量νを測定する(ステップS12)。具体的に、光ファイバセンサシステム1による温度測定が開始されると、光ファイバセンサ本体20から光ファイバFUTに対して光が出射され、光ファイバFUTの内部で発生したブリルアン散乱光が光ファイバセンサ本体20で検出される。これにより光ファイバセンサ本体20からは、測定位置の各々で発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータが出力される。
温度測定装置10のスペクトルデータ取得部11は、光ファイバセンサ本体20から出力されたスペクトルデータを取得する。温度測定装置10のスペクトルデータ解析部12は、スペクトルデータ取得部11で取得されたスペクトルデータを解析し、ブリルアン周波数シフト量νを求める。このようにして、光ファイバFUTの長さ方向に沿って設定された複数の測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量νが測定される。
次いで、温度測定装置10は、測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量νから測定位置の各々における温度を算出する(ステップS13)。具体的に、温度測定装置10の温度算出部14が、前述した(1)式に示す変換式を用い、測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量νから測定位置の各々における温度Tを求める。尚、ここでは、測定開始からの時間が短く、光ファイバFUTの仮想温度が変化していないと考えられるため、補正部13によるブリルアン周波数シフト量νの補正は行わない。
続いて、温度測定装置10は、算出された測定位置の各々の温度に基づいて、測定位置の各々における仮想温度予測式を選定する(ステップS14)。この選定は、温度測定装置10の補正部13で行われる。
例えば、図2(a)に示す通り、光ファイバFUTの仮想温度が1500℃であり、各測定位置における温度が1500℃よりも低い場合を考える。この場合において、ある測定位置の温度が800℃のときには、その位置における仮想温度予測式は、前述した(3)式においてアニール温度Taが「800」である式(緩和時間τ11_800,τ12_800、係数α1800,β1800が用いられる式)が選定される。また、他の測定位置の温度が700℃のときには、その位置における仮想温度予測式は、前述した(3)式においてアニール温度Taが「700」である式(緩和時間τ11_700,τ12_700、係数α1700,β1700が用いられる式)が選定される。
以上の処理が終了すると、温度測定装置10は、各種データをデータ記録部15に記録させる(ステップS15)。具体的に、温度測定装置10は、測定位置毎に、測定日時、ブリルアン周波数シフト量、測定温度、曝露時間、仮想温度予測式、仮想温度等を記録させる。加えて、温度測定装置10は、各測定位置のスペクトルデータを記録させても良い。
次に、温度測定装置10は、光ファイバFUTの長さ方向に沿って設定された複数の測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量νを測定する(ステップS16:取得ステップ、解析ステップ)。具体的に、温度測定装置10のスペクトルデータ解析部12が、スペクトルデータ取得部11で取得されたスペクトルデータに対し、ステップS12で行われた解析と同様の解析を行ってブリルアン周波数シフト量νを求める。
次いで、温度測定装置10は、測定位置の各々において選定された仮想温度予測式を用いて、測定位置の各々における仮想温度を算出する(ステップS17)。具体的に、温度測定装置10の補正部13が、測定位置毎の仮想温度予測式をデータ記録部15から読み出し、読み出した仮想温度予測式に曝露時間を代入することによって、測定位置の各々における仮想温度を算出する。例えば、補正部13は、前述した(3)式のアニール時間tに、温度測定装置10で計測された曝露時間を代入することによって測定位置の各々における仮想温度(Tf(t))を算出する。
続いて、温度測定装置10は、測定位置の各々における仮想温度から、測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量の補正値を算出する(ステップS18:補正ステップ)。つまり、温度測定装置10は、測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量の変化量を予測する。具体的に、温度測定装置10の補正部13が、前述した(9)式を用いて、ブリルアン周波数シフト量の変化量Δν(t)を求める。ここで、ブリルアン周波数シフト量の変化量Δν(t)は、高温環境下においてブリルアン周波数シフト量が変化(ドリフト)したものであるから、その変化量Δν(t)を補正値として用いることができる。尚、前述した(9)式中のTf0は、アニール処理の開始時の仮想温度であるが、ここでは、温度測定を開始する前に測定された光ファイバFUTの仮想温度を用いる。
続いて、温度測定装置10は、測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量の補正値(Δν(t))を用いて、測定位置の各々におけるブリルアン周波数シフト量ν(ステップS16で測定されたブリルアン周波数シフト量ν)を補正する(ステップ19:補正ステップ)。具体的に、温度測定装置10の補正部13が、補正値(Δν(t))が正である場合には、ブリルアン周波数シフト量νから補正値(Δν(t))を減算する。逆に、補正部13は、補正値(Δν(t))が負である場合には、ブリルアン周波数シフト量νに補正値(Δν(t))を加算する。
続いて、温度測定装置10は、測定位置の各々における補正されたブリルアン周波数シフト量νから測定位置の各々における温度を算出する(ステップS20:温度算出ステップ)。具体的に、温度測定装置10の温度算出部14が、前述した(1)式に示す変換式を用い、測定位置の各々における補正されたブリルアン周波数シフト量νから測定位置の各々における温度Tを求める。
以上の処理が終了すると、温度測定装置10は、各種データをデータ記録部15に記録させる(ステップS21)。具体的に、温度測定装置10は、ステップS15と同様に、測定位置毎に、測定日時、ブリルアン周波数シフト量、測定温度、曝露時間、仮想温度予測式、仮想温度等を記録させる。加えて、温度測定装置10は、測定位置毎にブリルアン周波数シフト量の補正値も記録させる。更に、温度測定装置10は、各測定位置のスペクトルデータを記録させても良い。
次に、温度測定装置10の補正部13は、データ記録部15に記録されたデータを用いて、測定位置の各々において、今回新たに求められた温度と前回求められた温度との差分を算出する(ステップS22)。そして、温度測定装置10の補正部13は、温度の差分が予め規定された閾値よりも大になっている測定位置(以下、「温度変化点」という)の有無を判断する(ステップS23)。
温度変化点が有ると判断した場合(ステップS23の判断結果が「YES」の場合)には、温度測定装置10の補正部13は、温度変化点の各々における仮想温度予測式を新たに選定する(ステップS24)。具体的に、補正部13は、温度変化点の各々において、ステップS17で算出された仮想温度と、ステップS20で今回新たに求められた温度との大小関係を確認し、その大小関係に基づいて温度変化点の各々における仮想温度予測式を選定する。
例えば、ある温度変化点において、仮想温度が今回新たに求められた温度よりも高く、今回新たに求められた温度が500℃であったとする。このときには、その温度変化点における仮想温度予測式は、前述した(3)式においてアニール温度Taが「500」である式(緩和時間τ11_500,τ12_500、係数α1500,β1500が用いられる式)が新たに選定される。
これに対し、例えば、ある温度変化点において、仮想温度が今回新たに求められた温度よりも低く、今回新たに求められた温度が500℃であったとする。このときには、その温度変化点における仮想温度予測式は、前述した(4)式においてアニール温度Taが「500」である式(緩和時間τ21_500,τ22_500、係数α2500,β2500が用いられる式)が新たに選定される。
ここで、仮想温度予測式を新たに選定した場合には、温度測定装置10の補正部13は、新たに選定した式によって求められる現在の仮想温度が、ステップS17で算出された仮想温度になるように、新たに選定した式の調整を行う。具体的に、補正部13は、選定した式中のtを(t-tc+tα)に変更する。tcは、ステップS11で曝露時間の計測が開始された時刻(t=0)を基準とした現在の時間である。tαは、新たに選定された仮想温度予測式において、仮想温度が、温度測定を開始する前に測定された仮想温度(例えば、1500℃)から、ステップS17で算出された仮想温度になるまでに要する時間である。尚、tαは、新たに選定された式において、温度測定を開始する前に測定された仮想温度をtf0に代入し、ステップS17で算出された仮想温度をTf(t)に代入することで求められる。
補正部13が、温度変化点が無いと判断した場合(ステップS23の判断結果が「NO」の場合)、又は、ステップS24の処理が終了した場合には、温度測定装置10は、温度計測を終了するか否かを判断する(ステップS25)。例えば、温度測定装置10は、ユーザによって光ファイバセンサシステム1に対する測定終了の指示がなされていない場合には、温度計測を終了しないと判断する。
温度測定装置10が温度計測を終了しないと判断した場合(ステップS25の判断結果が「NO」の場合)には、ステップS16~S25の処理が繰り返される。これに対し、温度測定装置10が温度計測を終了すると判断した場合(ステップS25の判断結果が「YES」の場合)には、図5に示す一連の処理が終了する。
以上の通り、本実施形態では、まず、スペクトルデータ取得部11が、光ファイバFUTに光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを取得する。次に、スペクトルデータ解析部12が、スペクトルデータを解析してブリルアン周波数シフト量νを求める。次いで、補正部13が、光ファイバFUTの熱履歴から光ファイバFUTの構造緩和によるブリルアン周波数シフト量の変化量を予測し、予測した変化量を用いて、求められたブリルアン周波数シフト量を補正する。そして、温度算出部14が、補正されたブリルアン周波数シフト量に基づいて、光ファイバFUTの温度を求める。これにより、高温環境下における温度測定を高い精度で長時間に亘って行うことができる。
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態による温度測定装置の要部構成を示すブロック図である。図6に示す光ファイバセンサシステム2は、温度測定装置10A、光ファイバセンサ本体20、及び熱電対30a,30b,30c(温度測定素子)を備える。このような光ファイバセンサシステム2は、熱電対30a,30b,30cの測定結果を用いて、温度測定装置10Aの測定結果を補正したり、温度測定装置10A又は熱電対30a,30b,30cの健全性を診断したりするものである。
熱電対30a,30b,30cは、光ファイバFUTの長さ方向に沿って設定された測定位置のうちの任意の3つの測定位置に配置されており、その測定位置における光ファイバFUTの温度を測定する。尚、熱電対30a,30b,30cは、光ファイバFUTの温度そのものを測定するように設置されていてもよく、光ファイバFUTの近傍の温度(例えば、測定対象物)の温度を測定するように設置されていてもよい。尚、本実施形態では、3つの熱電対30a,30b,30cが設置されている例を説明するが、熱電対の数は、1つ、2つ、又は4つ以上であってもよい。
熱電対30a,30b,30cは、温度測定装置10Aに対し、温度の測定結果を出力する。熱電対30a,30b,30cは、温度測定装置10Aに対し、温度の測定結果を直接出力するものであってもよく、間接的に出力するものであってもよい。例えば、熱電対30a,30b,30cは、温度の測定結果を有線又は無線で送信する送信機を備えるものであってもよい。或いは、熱電対30a,30b,30cは、別体として設けられた送信機に温度の測定結果を出力することによって、温度の測定結果を有線又は無線で送信させるものであってもよい。
本実施形態の温度測定装置10Aは、図1に示す温度測定装置10に対し、温度補正部16及び診断部17を追加した構成である。温度補正部16は、熱電対30a,30b,30cで測定された温度を用いて、温度算出部14で求められた温度を補正する。診断部17は、温度算出部14で求められた温度と、熱電対30a,30b,30cで測定された温度とを比較して、温度測定装置10Aの健全性、又は、熱電対30a,30b,30cの健全性を診断する。
具体的に、診断部17は、熱電対30a,30b,30cが設置された全ての箇所又は殆どの箇所において、温度算出部14で求められた温度と熱電対30a,30b,30cで測定された温度との温度差が所定の値よりも大になる場合には温度測定装置に異常があると診断する。これに対し、診断部17は、熱電対30a,30b,30cが設置された1つの箇所又は数箇所のみにおいて、温度差が所定の値よりも大になる場合には、熱電対30a,30b,30cに異常があると診断する。
図7は、本発明の第2実施形態による温度測定装置で行われる処理を説明するための図である。図7(a)は、温度測定装置10Aの温度補正部16で行われる処理を説明する図であり、図7(b)~(d)は、温度測定装置10Aの診断部17で行われる処理を説明する図である。図7(a)~(d)に示すグラフは、横軸に光ファイバFUTの長さ方向における距離(測定位置)をとってあり、縦軸に温度をとってある。図7(a)~(d)における温度T1は、温度測定装置10Aで測定された温度を示しており、温度T11,T12,T13はそれぞれ、熱電対30a,30b,30cで測定された温度を示している。
温度補正部16は、熱電対30a,30b,30cが設置された測定位置の各々の位置において、熱電対30a,30b,30cで測定された温度と、温度算出部14で求められた温度とを比較する。そして、温度補正部16は、熱電対30a,30b,30cで測定された温度を用いて、温度算出部14で求められた温度を補正する。温度補正部16は、例えば、図7(a)に示す通り、比較した温度の温度差の平均値を用いて温度算出部14で求められた温度の全てを補正する。図7(a)における温度T2は、補正後の温度である。或いは、温度補正部16は、熱電対30a,30b,30cで測定された温度毎に補正値を決定しても良い。
診断部17は、熱電対30a,30b,30cが設置された測定位置の各々の位置において、熱電対30a,30b,30cで測定された温度と、温度算出部14で求められた温度とを比較する。そして、図7(b),(c)に示す通り、上記の測定位置の全て又は殆どで、温度算出部14で求められた温度と熱電対30a,30b,30cで測定された温度との温度差が所定の値よりも大になる場合には温度測定装置10Aに異常があると診断する。尚、上記の測定位置の「殆ど」とは、上記尾測定位置のうちの1つの箇所又は数箇所を除く測定位置をいう。診断部17が、温度測定装置10Aに異常があると診断した場合には、温度の測定を中断するのが望ましい。
これに対し、図7(d)に示す通り、上記の測定位置の1つの箇所又は数箇所のみで温度算出部14で求められた温度と熱電対30a,30b,30cで測定された温度との温度差が所定の値よりも大になる場合には、その測定位置の熱電対に異常があると診断する。図7(d)に示す例では、熱電対30bに異常があると診断される。診断部17が、熱電対に異常があると診断した場合には、異常があると診断された熱電対の測定結果は、例えば、温度補正部16で行われる温度補正から除かれる。
尚、本実施形態の温度測定装置10Aの動作は、温度補正部16による温度補正及び診断部17による診断を除いて、基本的には、図1に示す温度測定装置10の動作と同様である。つまり、本実施形態の温度測定装置10Aの動作も、基本的には、図5に示すフローチャートに従って行われる。このため、ここでの詳細な説明は省略する。
以上の通り、本実施形態においても、まず、スペクトルデータ取得部11が、光ファイバFUTに光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを取得する。次に、スペクトルデータ解析部12が、スペクトルデータを解析してブリルアン周波数シフト量νを求める。次いで、補正部13が、光ファイバFUTの熱履歴から光ファイバFUTの構造緩和によるブリルアン周波数シフト量の変化量を予測し、予測した変化量を用いて、求められたブリルアン周波数シフト量を補正する。そして、温度算出部14が、補正されたブリルアン周波数シフト量に基づいて、光ファイバFUTの温度を求める。これにより、高温環境下における温度測定を高い精度で長時間に亘って行うことができる。
また、本実施形態では、温度補正部16が、熱電対30a,30b,30cで測定された温度を用いて、温度算出部14で求められた温度を補正する。このため、温度算出部14で求められた温度の誤差を、熱電対30a,30b,30cの測定誤差程度にすることができる。また、本実施形態では、診断部17が、温度算出部14で求められた温度と、熱電対30a,30b,30cで測定された温度とを比較して、温度測定装置10Aの健全性、又は、熱電対30a,30b,30cの健全性を診断する。これにより、温度測定装置10Aで測定された温度と、熱電対30a,30b,30cで測定された温度とに乖離が生じた場合に、その原因が温度測定装置10Aにあるのか、又は、熱電対30a,30b,30cにあるのかを切り分けることができる。
以上、本発明の実施形態による温度測定装置及び温度測定方法について説明したが、本発明は上記実施形態に制限される訳ではなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した第1,第2実施形態において、光ファイバセンサシステム1による温度測定を開始する前に測定された光ファイバFUTの仮想温度が1500℃である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、測定開始前の光ファイバFUTの仮想温度は、できる限り下げておくことが望ましい。例えば、測定開始前の光ファイバFUTの仮想温度は、温度を測定する対象である測定対象物の温度と同じ温度又は同程度の温度に設定されていることが望ましい。このような温度に設定することで、温度測定装置10,10Aの温度の測定誤差をより小さくすることができる。
また、上述した第2実施形態では、光ファイバFUTの長さ方向に沿って設定された測定位置の温度を測定する温度測定素子として、熱電対30a,30b,30cが配置されている例について説明した。しかしながら、温度測定素子が熱電対30a,30b,30cに制限されるという訳ではなく、光ファイバFUTの設置状況、必要となる温度の精度等を考慮して、任意の温度測定素子を用いることができる。
10,10A 温度測定装置
11 スペクトルデータ取得部
12 スペクトルデータ解析部
13 補正部
14 温度算出部
16 温度補正部
17 診断部
30a~30c 熱電対
FUT 光ファイバ

Claims (10)

  1. 光ファイバに光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを取得する取得部と、
    前記スペクトルデータを解析してブリルアン周波数シフト量を求める解析部と、
    前記光ファイバの熱履歴から前記光ファイバの構造緩和による前記ブリルアン周波数シフト量の変化量を予測し、予測した前記変化量を用いて前記解析部で求められた前記ブリルアン周波数シフト量を補正する補正部と、
    前記補正部で補正された前記ブリルアン周波数シフト量に基づいて、前記光ファイバの温度を求める温度算出部と、
    を備える温度測定装置。
  2. 前記補正部は、前記光ファイバの初期状態における仮想温度と温度毎の緩和時間とを用いて表される前記光ファイバの仮想温度の経時変化を示す仮想温度予測式を用いて、前記変化量を予測する、請求項1記載の温度測定装置。
  3. 前記補正部は、前記温度算出部で新たに求められた温度と、前記温度算出部で前回求められた温度との差が予め規定された閾値よりも大きい場合には、前記仮想温度予測式を、前記温度算出部で新たに求められた温度の緩和時間を用いて表されるものに変える、請求項2記載の温度測定装置。
  4. 前記光ファイバの仮想温度は、予め、温度を測定する対象である測定対象物の温度と同じ温度又は同程度の温度に設定されている、請求項1に記載の温度測定装置。
  5. 前記光ファイバの温度を測定する温度測定素子を少なくとも1つ備える、請求項1記載の温度測定装置。
  6. 前記温度測定素子で測定された温度を用いて、前記温度算出部で求められた温度を補正する温度補正部を備える請求項5記載の温度測定装置。
  7. 前記温度算出部で求められた温度と前記温度測定素子で測定された温度とを比較して、前記温度測定装置の健全性、又は、前記温度測定素子の健全性を診断する診断部を備える、請求項5記載の温度測定装置。
  8. 前記診断部は、前記温度測定素子が設置された全ての箇所又は殆どの箇所において、前記温度算出部で求められた温度と前記温度測定素子で測定された温度との温度差が所定の値よりも大になる場合には前記温度測定装置に異常があると診断し、
    前記温度測定素子が設置された1つの箇所又は数箇所のみにおいて、前記温度差が所定の値よりも大になる場合には、前記温度測定素子に異常があると診断する、
    請求項7記載の温度測定装置。
  9. 前記解析部は、前記光ファイバの長さ方向に沿って設定された複数の測定位置の各々における前記ブリルアン周波数シフト量を求め、
    前記補正部は、前記測定位置の各々における熱履歴から前記測定位置の各々における前記変化量を予測し、予測した前記測定位置の各々における前記変化量を用いて前記解析部で求められた前記測定位置の各々における前記ブリルアン周波数シフト量を補正し、
    前記温度算出部は、前記補正部で補正された前記測定位置の各々における前記ブリルアン周波数シフト量に基づいて、前記測定位置の各々における温度を求める、
    請求項1から請求項8の何れか一項に記載の温度測定装置。
  10. 光ファイバに光を入射させることによって発生するブリルアン散乱光のスペクトルを示すスペクトルデータを取得する取得ステップと、
    前記スペクトルデータを解析してブリルアン周波数シフト量を求める解析ステップと、
    前記光ファイバの熱履歴から前記光ファイバの構造緩和による前記ブリルアン周波数シフト量の変化量を予測し、予測した前記変化量を用いて前記解析ステップで求められた前記ブリルアン周波数シフト量を補正する補正ステップと、
    前記補正ステップで補正された前記ブリルアン周波数シフト量に基づいて、前記光ファイバの温度を求める温度算出ステップと、
    を有する温度測定方法。
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