JP2024007717A - 脱臭剤及び脱臭剤の製造方法 - Google Patents

脱臭剤及び脱臭剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケイ酸植物由来のバイオマスを原料として用いることで、脱臭機能を備えたシリカを含む脱臭剤を提供する。【解決手段】ケイ酸植物由来のバイオマスを原料とする脱臭剤であって、ガス化炉10に投入されたもみ殻を高温の水蒸気及び空気によりガス化処理することにより得られ、非晶質シリカが50~100wt%、かつ炭素が0~50wt%の間に設定された複合物からなり、好ましくは、非晶質シリカの表面に酸点を備え、或いは、非晶質シリカ表面に塩基点を備える脱臭剤。【選択図】図2

Description

本発明は、もみ殻などのケイ酸植物由来のバイオマスを原料とする脱臭剤及び脱臭剤の製造方法に関する。
特許文献1には、植物由来や動物由来の有機廃棄物を、キルン炉を用いて連続的に炭化することにより得られる油乃至ガス吸着材が開示されている。被炭化原料として、植物由来または動物由来の有機物が用いられ、具体的に、コーヒー豆カス、梅種、おから、牛糞、豚糞、汚泥、もみ殻、桐、杉間伐材、おがくず、その他の有機原料が用いられ、植物由来の中でもみ殻、桐、杉がより好ましい旨記載されている。
特許第6431469号公報
近年、地球温暖化問題の解決が喫緊の課題となっており、世界各国で脱炭素化に資する取組みとして再生可能エネルギーへの転換が推進されている。一方、持続可能な成長のための経済モデルとして資源循環型のサーキュラーエコノミーが標榜されており、その取組みの一つとして各種製品原料のバイオマス化が検討されている。農業系バイオマスであるもみ殻は、我が国で年間約200万t発生しており、無機成分としてシリカを20%と高濃度に含むため、有効活用できれば脱炭素化と資源循環の両方に貢献できる。
特許文献1に開示された脱臭剤は、植物由来や動物由来の有機廃棄物を炭化することにより得られる多孔質化した炭素を、脱臭能を発揮する材料として活用することが開示され、原料としてもみ殻が例示されているが、炭化処理により得られる炭素成分を、脱臭能を発揮する材料として活用することが開示されているに過ぎない。
本発明の目的は、ケイ酸植物由来のバイオマスを原料として用いることで、脱臭機能を備えたシリカを含む脱臭剤及び脱臭剤の製造方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による脱臭剤の第一の特徴構成は、ケイ酸植物由来のバイオマスを原料とする脱臭剤であって、非晶質シリカが50~100wt%、かつ炭素が0~50wt%の間に設定された複合物からなる点にある。
非晶質シリカが臭気ガス成分を吸着することで良好な脱臭能が発揮される。炭素を含む場合には、多孔質体である炭素の脱臭能が複合的に発揮される。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記非晶質シリカの表面に酸点を備える点にある。
非晶質シリカの表面に酸点を備えることで、塩基性の臭気ガスに対する脱臭能が増す。表面に酸点を備えるとは、例えば、シリカの結合子の一つに酸点となる反応基が付加されるような状態をいう。
同第三の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記非晶質シリカ表面に塩基点を備える点にある。
非晶質シリカの表面に塩基点を備えることで、酸性の臭気ガスに対する脱臭能が増す。表面に塩基点を備えるとは、例えば、シリカの結合子の一つに塩基点となる反応基が付加されるような状態をいう。
本発明による脱臭剤の製造方法の第一の特徴構成は、ケイ酸植物由来のバイオマスを原料とする脱臭剤の製造方法であって、前記バイオマスをガス化処理することにより、非晶質シリカが50wt%以上、炭素が50wt%未満となる複合物を得るガス化処理工程を備える点にある。
バイオマスがガス化処理されることにより有機分が除去され、非晶質シリカと残留炭素の複合物による脱臭能が発現するようになる。
同第二の特徴構成は、上述した第一の特徴構成に加えて、前記ガス化処理工程で得られた複合物を粉砕処理する粉砕処理工程を備える点にある。
粉砕処理工程により複合物を粉砕される過程で、非晶質シリカの露出面積が増し、脱臭能が増す。
同第三の特徴構成は、上述した第一または第二の特徴構成に加えて、前記ガス化処理工程で得られた複合物を酸溶液と接触させる酸処理工程を備える点にある。
同第四の特徴構成は、上述した第一または第二の特徴構成に加えて、前記ガス化処理工程で得られた複合物をアルカリ溶液と接触させるアルカリ処理工程を備える点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、ケイ酸植物由来のバイオマスを原料として用いることで、脱臭機能を備えたシリカを含む脱臭剤及び脱臭剤の製造方法を提供することができるようになった。
脱臭剤の製造装置の一例を示す説明図 ガス化炉の説明図 (a)は試料として用いたもみ殻の組成の説明図、(b)はガス化処理工程における条件の説明図 (a)はガス化処理に依り生じる合成ガスの性状の説明図、(b)はガス化処理により得られる複合物の組成説明図 (a)は水蒸気比、ガス化率、複合物比表面積の関係説明図、(b)は複合物の細孔分布図、(c)は臭気物質の気相吸着試験の結果説明図 (a)は各複合物の成分分析結果の説明図、(b)は複合物の細孔容積分布の説明図 (a)は複数種類の臭気ガス成分に対する各複合物の脱臭効果の試験結果の特性グラフを示す説明図、(b)は同試験結果の特性値を示す説明図
以下、本発明による脱臭剤及び脱臭剤の製造方法の一例を説明する。
本発明の適用対象は、もみ殻、稲わら、麦わら、竹、トウモロコシ、サトウキビ、薄、トクサなどケイ酸植物由来のバイオマスとなる農業廃棄物であり、もみ殻は約70%がセルロース、ヘミセルロース、リグニン等の炭水化物であり、約15~20%がシリカ、残部の大半が水分でアルカリ不純物を僅かに含んでいる。このようなシリカを含むバイオマスを資源として再生する場合に本発明が好適に用いられる。以下では、もみ殻を例に本発明を説明する。
図1には、もみ殻を原料とする脱臭剤の製造方法を実施するための脱臭剤の製造装置の一例が示されている。
当該脱臭剤の製造装置は、バイオマスであるもみ殻を熱分解処理してガス化するガス化炉10と、ガス化炉10から排出された熱分解ガスとバイオマス残渣の混合物からバイオマス残渣を分離する分離機構20、例えば遠心分離機サイクロンフィルターなどと、分離機構20で分離されたバイオマス残渣を粉砕する粉砕機30とを備えている。分離機構20で分離されたバイオマス残渣が脱臭剤となる。
分離機構20で分離された熱分解ガスは誘引ファン28で排ガス路に沿って誘引され、熱交換器22を経てガス冷却塔24で冷却される。さらに、排ガスは、おがくずフィルタ26でタールを除去した後に大気開放される。
図2に示すように、ガス化炉10は上方が下方より拡径した二段円筒構造の竪型の噴流床式炉で構成されている。ガス化炉10の最下部から原料のもみ殻とガス化剤となる水蒸気及び空気を供給して、炉内でもみ殻を高速撹拌して一部燃焼させつつガス化させ、反応進行に伴いもみ殻が一定粒径以下になると、合成ガスと共に炉上部から排出されるように構成されている。
もみ殻ホッパー11に貯留されたもみ殻が、スクリュー式の投入コンベア12を介してガス化炉10に定量投入される。図1で示したボイラで生成された過熱蒸気と、図1で示した熱交換器で加熱された空気とが、ガス化炉10の最下部から供給されることにより形成される噴流床でもみ殻が高速撹拌される。
ガス化炉10に投入されたもみ殻は、常圧で550℃から800℃の高温下で、水性ガス反応や水性ガスシフト反応を生起してガス化処理され、上部の排気口から排気される。水性ガス反応は主にガス化炉10の下部領域R1で生起し、水性ガスシフト反応は主にガス化炉10を上昇する上部領域R2で生起する。
水性ガス反応とは、次式に示すように、500℃以上の高温環境下でバイオマスである固体炭素Cと水蒸気HOとから一酸化炭素COと水素Hが生成される吸熱反応をいう。水蒸気供給部に加えて少量の酸素ガスまたは空気をガス化炉10に供給する酸素供給部が設けられ、バイオマスの一部の燃焼により必要な反応熱が与えられる。本実施形態では550~650℃に調整される。
C+HO → CO+H
水性ガスシフト反応とは、次式に示すように、通常は800℃前後の高温環境下で一酸化炭素COと水蒸気HOとから二酸化炭素COと水素Hが生成される発熱反応をいう。本実施形態ではもみ殻中のシリカが非晶質の状態を維持するように700~800℃に調整される。
CO+HO → CO+H
下部領域R1で生起する水性ガス反応によりバイオマスから生成された合成ガス、炭化物及びシリカを含む灰はそのガス流れ方向に沿った上部領域R2に上昇して上述した水性ガスシフト反応が促進される。なお、水性ガスシフト反応に必要な水蒸気は水蒸気供給部から供給され、下部領域R1で水性ガス反応に寄与しなかった水蒸気が利用される。
ガス化炉10でもみ殻が熱分解される際の温度は、少なくとももみ殻に含まれるシリカが結晶化する相転移温度域よりも低い温度域、例えば800℃以下の温度域である必要がある。シリカが結晶化すると健康への影響の観点からも工業的利用に不向きとなるためである。
また、ガス化炉10に供給される空気(酸素)の比率を調整することにより、主にもみ殻のガス化反応を促進するか、主にもみ殻の燃焼反応を促進するかを調整することができ、その結果、分離機構で分離されたシリカ(灰)や炭化物(チャー)を含むバイオマス残渣の組成を調整することができる。ガス化反応を促進する場合には、シリカ成分に加えて炭素分の多い複合物が得られ、燃焼反応を促進する場合には、シリカ成分が多く炭素分が極めて少ない複合物が得られる。
即ち、ガス化炉10でバイオマスをガス化処理するガス化処理工程により、非晶質シリカが50wt%以上、炭素が50wt%以下となる複合物を得る脱臭剤の製造方法が実現される。また、ガス化処理工程で得られた複合物を粉砕機30で粉砕処理する粉砕処理工程により、脱臭能を強化することができる。一般的に炭素を主成分とする脱臭剤であれば、粉砕することにより脱臭能が低下する傾向があるが、シリカを含む複合物でなる脱臭剤は粉砕することにより脱臭能が上昇する。粉砕により、吸着性能を発現するシリカの新たな面が露出するためであると考えられる。
得られた脱臭剤として、炭素分は疎水性を示しシリカ成分は親水性を示すことから、含水性の組成物と混錬した態様の脱臭剤を製造する場合には、親水性を示すシリカ成分の組成が多いほど、混錬物に均質に分布することとなり、結果として脱臭性能の高い脱臭剤を実現できる。逆に、疎水性を示す炭素分は混錬物に均質に分布させることが困難であるため、このような脱臭剤を製造する場合には、燃焼反応を促進する環境下でガス化処理工程を実行することが好ましい。
また、ガス化処理工程で得られた複合物及び/または粉砕処理工程で粉砕した複合物を、酸溶液と接触させる酸処理工程を実行することにより、非晶質シリカの表面に酸点を備えた脱臭剤を得ることができ、塩基性の臭気物質に対する脱臭能を向上させることができる。例えば、複合物を塩酸に浸漬してスターラーなどで所定時間攪拌処理した後に乾燥処理することで、非晶質シリカの表面に酸点を備えた粉末の脱臭剤を得ることができる。
さらに、ガス化処理工程で得られた複合物及び/または粉砕処理工程で粉砕した複合物を、アルカリ溶液と接触させるアルカリ処理工程を実行することにより、非晶質シリカの表面に塩基点を備えた脱臭剤を得ることができ、酸性の臭気物質に対する脱臭能を向上させることができる。例えば、複合物を水酸化ナトリウム溶液に浸漬してスターラーなどで所定時間攪拌処理した後に乾燥処理することで、非晶質シリカの表面に塩基点を備えた粉末の脱臭剤を得ることができる。
酸性の臭気物質とは、悪臭の原因となる酸性ガスであり、具体的には、酢酸、イソ吉草酸及び酪酸などが含まれる。また、塩基性の臭気物質とは、悪臭の原因となる塩基性ガスであり、具体的には、下水処理場、し尿処理場、ゴミ焼却炉などで多く発生するアンモニアや有機アミンなどが含まれる。
上述した脱臭剤の製造装置を模したテストプラントを用いたガス化処理により、もみ殻を賦活することで多孔質かつ非晶質な脱臭剤を製造し、臭気性ガスに対する吸着性能を評価した。
図3(a)に試料として用いたもみ殻の組成を示す。発生地域による性状の違いを把握するため、供試したもみ殻も含めて8府県12品種のもみ殻について分析を行った。発生地域による大きな違いは見られず、可燃分(有機成分)が80%前後、灰分(無機成分)が20%前後であり、可燃分中の約半分が炭素、灰分は95%程度がシリカ(SiO)で残り数%がK、Ca、Pなどの肥料成分である。
1t/日(もみ殻投入ベース)のテストプラントで脱臭剤の製造を行なった。ガス化炉10は上述したように、二段円筒構造の噴流床式である。炉の最下部から原料のもみ殻とガス化剤の水蒸気(ボイラ蒸気)、空気を供給し、もみ殻を炉内で高速撹拌して一部燃焼させつつガス化させ、もみ殻が反応進行に伴い一定粒径以下になると、合成ガスと共に炉上部から排出される。ガス化炉10から排出されたシリカを含む複合物は、サイクロンで捕集される。
図3(b)にプラント運転条件を示す。炉内温度は下部領域R1で550~650℃、上部領域R2で700~800℃となるように調整した。
ガス化促進条件での空気比(O/C比)は0.3とし、水蒸気比(HO/C比)は1.5を基本に0.8~1.8で変化させ、生成するシリカを含む複合物の比表面積を比較評価した。また、空気比を1.4に上げた燃焼促進条件でも運転を実施し、炭素濃度の低いシリカを含む複合物について評価した。
図4(a)に合成ガスの平均性状を示す。ガス化促進条件では還元成分のCO、H、CH、燃焼促進条件では酸化成分のO、COが主要の組成であった。ガス化促進条件ではもみ殻1kgの処理により、シリカを含む複合物0.26kg、合成ガス1.45Nm(dry)が排出され、もみ殻中Cの合成ガスへの変換率(以下、ガス化率)は62.7%と算出された。また、合成ガスの発熱量は3,232kJ/Nm、冷ガス効率は30%と算出された。
図4(b)にシリカを含む複合物の性状を示す。ガス化促進条件では、可燃分が約40%残存し、シリカが炭素と複合化した材料が生成された。対して燃焼促進条件では、可燃分はほとんど残らず、シリカ濃度が約95%と高い高純度シリカ材料が生成された。ガス化促進条件の複合物は、比表面積が224m/gと高かった。もみ殻中の炭素が、ガス化の過程で水蒸気により賦活作用を受け、多孔質化したためと考えられる。ガス化促進条件及び燃焼促進条件を調整することにより、非晶質シリカが50~100wt%、かつ炭素が0~50wt%の間に設定された複合物でなる脱臭剤が得られる。他の無機成分を加味すると、非晶質シリカが50~95wt%、かつ炭素が0~45wt%の間に設定された複合物でなる脱臭剤が得られる。
図5(a)に、図4(b)のガス化促進条件において水蒸気比を変化させた際の水蒸気比とガス化率、複合物比表面積との関係を示す。水蒸気比が高いほど複合物比表面積は高い傾向が見られた。水蒸気比が高いほど、炉内の空塔速度が増加して滞留時間が短くなり、ガス化率が相対的に低下したため、より多くの多孔質炭素が残存して比表面積が増加したと考えられる。
図5(b)に、図4(b)のガス化促進条件において得られた複合物の細孔分布測定を行なった結果を示す。細孔は大部分が1nm未満のミクロ孔であった。また、XRD分析による結晶の同定を行ったところ、条件によらずシリカは非晶質であった。ガス化炉が噴流床式であり、もみ殻が炉内で常に攪拌されて局所高温部が存在せず、かつ反応時間も数十秒程度と短かったため、高温でも結晶化が起こらなかったと考えられる。
ガス化促進条件、燃焼促進条件で製造した複合物(粉砕物)について、10種類の臭気物質に対する気相吸着試験を実施し、吸着特性を評価した。
10Lのガスバッグの一隅をカットして、複合物10mgを載せたシャーレを挿入して塞ぎ、吸着対象とする臭気物質をシリンジで所定濃度(臭気閾値から設定)となるように注入し、室温で1時間静置した。その後、バッグガスの一部を捕集し、検知管もしくはGC-MSにて臭気物質濃度を定量し、ブランク条件に対する濃度減少率から吸着除去率を算出した。
図5(c)に試験結果を示す。ガス化促進条件の複合物は脂肪酸、アルデヒド・ケトン、芳香族、硫黄系などの幅広い臭気物質に対して、高い吸着除去率を示した。燃焼促進条件の複合物についても、一部物質に対して吸着能が見られた。ガス化促進条件の複合物は、極性(親水性)のシリカと非極性(疎水性)の炭素が複合化しており、極性官能基による化学吸着や非極性部分での物理吸着など、複数機構による吸着が可能であったため、燃焼促進条件の複合物よりも吸着可能な物質幅が広かったと考えられる。また、細孔径が1nm未満が大部分で臭気物質の分子サイズと概ね同程度であったことも吸着率が高かった要因と考えられる。
さらに、ガス化促進条件でシリカが炭素と複合化した複合物である高炭素ガス化灰に対して、酸処理/塩基処理を行なうことにより、吸着性能が変化するか否かを確認した。


Figure 2024007717000002
表1には、図4(b)のガス化促進条件において得られた複合物を用いて、未処理の複合物(未処理複合物)、酸溶液(塩酸)と接触させる酸処理工程を経て乾燥させた複合物(酸洗複合物)、アルカリ溶液(水酸化ナトリウム)と接触させるアルカリ処理工程を経て乾燥させた複合物(塩基洗複合物)のそれぞれについて、酢酸、アセトアルデヒド、ピリジンに対する吸着特性が示されている。酸物質である酢酸はアルカリ処理した塩基洗灰が、アセトアルデヒドはアルカリ処理した塩基洗灰が、塩基性物質であるピリジンは酸処理した酸洗灰がそれぞれ良好な結果を示した。
各複合物の吸着結果と吸着点の関係を調査するため、TPD試験を行なった結果を表2に示す。

Figure 2024007717000003
以上から、酸性物質(酢酸等)は、CO-TPDの結果順とリンクしており、酸性物質は主に塩基点で吸着していると評価できる。また、非イオン性の極性物質(アルデヒド等)は、水蒸気処理無しNH-TPDの結果順とリンクしており、極性物質は主に酸点、特に弱酸点で吸着していると評価できる。さらに、塩基性物質(ピリジン等)は、水蒸気処理有りNH-TPDの結果順とリンクしており、塩基性物質は主に強酸点で吸着していると評価できる。
図6(a)に示すように、図4(b)のガス化促進条件で得られた複合物A、複合物Aをミルで破砕した破砕品B、複合物Aのアルカリ処理物C、図4(b)の燃焼促進条件で得られた複合物をミルで破砕した破砕品Dのそれぞれを準備した。
図6(b)に、複合物A(原灰)と複合物Aのアルカリ処理物Cの細孔分布を示している。マイクロ孔分布及びメソ孔分布ともに、アルカリ洗浄により増加することが判明した。
図7(a),(b)には、食物(アジ、キムチ、沢庵、焼き餃子)から生じる臭気成分である硫化水素、硫黄系、アンモニア、アミン、有機酸、アルデヒド系、エステル系、芳香族系、炭化水素系の其々の臭気ガス成分に対するブランク条件、もみ殻バイオ炭A,B,C,Dによる脱臭効果の確認試験の結果が示されている。
5Lのガスバッグに、上述したA,B,C,Dの複合物10g(試料)と食物(臭気発生源)を充填して、シーリングし、冷蔵庫(3℃の恒温槽)内に入れて静置し、1日後、3日後に内部ガスをサンプリングし、分析した結果である。ブランク条件では殆ど差異が無かったが、A,B,C,Dの複合物10g(試料)では一定の脱臭効果が確認された。臭気強さは、ブランク>複合物D>複合物A>複合物B>複合物Cとなった。
以上から、ケイ酸植物由来のバイオマスを原料としてガス化処理することにより得られる非晶質シリカを含む脱臭剤、特にガス化促進条件で製造した非晶質シリカを主成分とする脱臭剤は、幅広い臭気物質に対して吸着能を有しており、脱臭剤としての材料特性を有していることが明らかになった。
上述した実施形態は、本発明による脱臭剤及び脱臭剤の製造方法の一具体例を説明したものであり、当該記載により本発明の範囲が限定されるものではなく、複合物の具体的な組成は、上述の数値範囲を満たす中で適宜設定できるものであることはいうまでもない。
10:ガス化炉
20:分離機構
22:熱交換器
24:ガス冷却塔
26:おがくずフィルタ
28:誘引ファン
R1:下部領域
R2:上部領域

Claims (7)

  1. ケイ酸植物由来のバイオマスを原料とする脱臭剤であって、
    非晶質シリカが50~100wt%、かつ炭素が0~50wt%の間に設定された複合物からなることを特徴とする脱臭剤。
  2. 前記非晶質シリカの表面に酸点を備えることを特徴とする請求項1記載の脱臭剤。
  3. 前記非晶質シリカ表面に塩基点を備えることを特徴とする請求項1記載の脱臭剤。
  4. ケイ酸植物由来のバイオマスを原料とする脱臭剤の製造方法であって、
    前記バイオマスをガス化処理することにより、非晶質シリカが50wt%以上、炭素が50wt%未満となる複合物を得るガス化処理工程を備えることを特徴とする脱臭剤の製造方法。
  5. 前記ガス化処理工程で得られた複合物を粉砕処理する粉砕処理工程を備えることを特徴とする請求項4記載の脱臭剤の製造方法。
  6. 前記ガス化処理工程で得られた複合物を酸溶液と接触させる酸処理工程を備えることを特徴とする請求項4または5記載の脱臭剤の製造方法。
  7. 前記ガス化処理工程で得られた複合物をアルカリ溶液と接触させるアルカリ処理工程を備えることを特徴とする請求項4または5記載の脱臭剤の製造方法。
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