JP2024005979A - 肉芽腫または肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防するための組成物および対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための方法およびキット - Google Patents

肉芽腫または肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防するための組成物および対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための方法およびキット Download PDF

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【課題】本開示の目的の1つは、肉芽腫または肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防するための組成物を提供することである。本開示の目的の1つは、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための方法またはキットを提供することである。【解決手段】肉芽腫を処置および/または予防するための、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む組成物が提供される。肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防するための、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む組成物が提供される。また、対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルに基づいて、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための方法またはキットが提供される。【選択図】図18

Description

本開示は、肉芽腫または肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防するための組成物、および、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための方法およびキットに関する。
肉芽腫は、病原性微生物や不溶性異物に対する生体防御反応として生じる慢性炎症の一つであり、マクロファージ系の細胞を中心に様々な炎症細胞が集積して形成される。肉芽腫を伴う疾患として、サルコイドーシス、結核およびハンセン病などの抗酸菌感染症、環状肉芽腫、クローン病などが知られている。
サルコイドーシスは、皮膚、肺、眼、心臓などに肉芽腫をきたす疾患であり、肺線維症や不整脈を引き起こした場合は致死的である。現状では原因不明であり根治療法といえるものはない。JAK阻害剤はサルコイドーシスの新たな治療薬の可能性があり現在治験が行われている(非特許文献1)。しかしながら、JAK阻害剤には発がん性、免疫抑制といった全身性の副作用があり、長期の服用に適していない。
肉芽腫は病理組織学的に診断され、皮膚の肉芽腫は比較的診断しやすいが、肺、眼、心臓、肝臓、腎臓、リンパ節、神経、筋などの肉芽腫の診断は困難である。サルコイドーシスの血液検査には、マーカーとしてアンギオテンシン転換酵素(ACE)が使用されている。
William Damsky, Durga Thakral, Nkiruka Emeagwali, Anjela Galan, Brett King, Tofacitinib Treatment and Molecular Analysis of Cutaneous Sarcoidosis, N Engl J Med. 2018 Dec 27;379(26):2540-2546
本開示の目的の1つは、肉芽腫または肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防するための組成物を提供することである。本開示の目的の1つは、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための方法またはキットを提供することである。
本発明者らは、肉芽腫に含まれるマクロファージおよびサルコイドーシス患者の血中ではペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルが高いことを見出し、さらに、ペントースリン酸経路に関連する酵素を阻害することにより、肉芽腫の形成が抑制されることを見出した。
従って、ある態様では、肉芽腫を処置および/または予防するための、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む組成物が提供される。
ある態様では、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む、肉芽腫を伴う疾患の処置および/または予防用の組成物が提供される。
ある態様では、対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルに基づいて、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための方法が提供される。
ある態様では、ペントースリン酸経路に関連する酵素に特異的に結合する試薬またはペントースリン酸経路に関連する酵素の遺伝子発現を測定するための試薬を含む、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するためのキットが提供される。
本開示は、肉芽腫または肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防するために、または、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するために有用である。
正常皮膚およびサルコイドーシス皮膚の抗原提示細胞の遺伝子発現によるクラスタリングを示す。 正常皮膚およびサルコイドーシス皮膚の抗原提示細胞の分画別割合を示す。 サルコイドーシス皮膚の抗原提示細胞の分画別遺伝子発現を示す。 正常皮膚およびサルコイドーシス皮膚病変における、CD68、FBP1およびCD163の免疫染色像を示す。 正常皮膚、アトピー性皮膚炎、乾癬、環状肉芽腫、ハンセン病およびサルコイドーシスの皮膚病変における、ACE、FBP1およびSTAT1の発現を示す。 正常皮膚、アトピー性皮膚炎、乾癬、サルコイドーシスおよび環状肉芽腫の皮膚病変における、CD163およびFBP1の免疫染色像を示す。 肺、心臓およびリンパ節のサルコイドーシス病変における、CD163、FBP1およびCD68の免疫染色像を示す。 グルコース代謝経路の模式図である。 サルコイドーシス皮膚の抗原提示細胞の分画別遺伝子発現(ペントースリン酸回路に関係した遺伝子)を示す。 皮膚、肺、心臓およびリンパ節のサルコイドーシス病変における、CD163、FBP1およびG6PDの免疫染色像を示す。 サルコイドーシス患者と健常人の血清FBP1濃度を示す。 ヒト単球をサイトカインの存在下で3日間培養した後のギムザ染色像を示す。 ヒト単球をサイトカインの存在下で3日間培養した後のFBP1とG6PD遺伝子発現を示す。 ヒト単球をサイトカインおよびFBP阻害剤、6ANまたはトファチニブの存在下で3日間培養した後のギムザ染色像と巨細胞数を示す。 ヒト単球をサイトカインの存在下で3日間培養し、FBP阻害剤、6ANまたはトファチニブの存在下でさらに3日間培養した後のギムザ染色像と巨細胞数を示す。 ヒト単球をサイトカインおよびFBP遺伝子に対するsiRNAの存在下で3日間培養した後のギムザ染色像、FBP1遺伝子発現および融合率を示す。 6AN投与群と非投与群の炎症誘導マウスの代表的な皮膚組織像を示す。 6AN投与群と非投与群の炎症誘導マウスの耳介厚を示す。 炎症誘導マウスの耳介に浸潤しているCD4T細胞、CD8T細胞、マクロファージおよび単球の数を、6AN投与群と非投与群で比較した結果を示す。
特に具体的な定めのない限り、本明細書で使用される用語は、有機化学、医学、薬学、分子生物学、微生物学等の分野における当業者に一般に理解されるとおりの意味を有する。以下にいくつかの本明細書で使用される用語についての定義を記載するが、これらの定義は、本明細書において、一般的な理解に優先する。
本明細書では、数値が「約」の用語を伴う場合、その値の±10%の範囲を含むことを意図する。例えば、「約20」は、「18~22」を含むものとする。数値の範囲は、両端点の間のすべての数値および両端点の数値を含む。範囲に関する「約」は、その範囲の両端点に適用される。従って、例えば、「約20~30」は、「18~33」を含むものとする。
本開示において、対象はいかなる種であってもよく、典型的には哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)、好ましくはヒトである。
肉芽腫は、単球およびマクロファージ系の単核食細胞が結節状に浸潤した状態であり、感染性のものと非感染性のものがある。肉芽腫は、病理組織学的に、異物型、化膿型、サルコイド型、類結核型、柵状、間質型に分類される。本開示において、肉芽腫はいかなる分類のものであってもよく、例えば、サルコイド型、類結核型または柵状肉芽腫である。肉芽腫は様々な疾患において生じ、例えば、サルコイドーシス、環状肉芽腫、抗酸菌感染症(結核、ハンセン病、非結核性抗酸菌症など)およびクローン病において生じ得る。ある実施態様では、肉芽腫は環状肉芽腫、抗酸菌感染症またはクローン病における肉芽腫である。肉芽腫が形成される部位は限定されず、例えば、皮膚、肺、眼、心臓、肝臓、腎臓、リンパ節、神経、筋が挙げられる。ある実施態様では、肉芽腫は、皮膚、肺、心臓またはリンパ節、特に皮膚で形成される肉芽腫である。
ペントースリン酸経路は、グルコース代謝経路において、グルコース6-リン酸をリボース5-リン酸またはキシルロース-5-リン酸に代謝する経路である。その前段階で、フルクトース1,6-ビスリン酸がグルコース6-リン酸に変換される。これらの反応を含むグルコース代謝経路の一部を図8に示す。本開示において、「ペントースリン酸経路に関連する酵素」は、グルコース代謝経路においてフルクトース1,6-ビスリン酸がリボース5-リン酸またはキシルロース-5-リン酸に代謝される過程で作用する酵素を意味し、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ1(FBP-1)、グルコースフォスフェートイソメラーゼ(GPI)、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)、6-ホスホグルコノラクトナーゼ(PGLS)、6-ホスホグルコン酸脱水素酵素(6PGD)、リブロースホスフェート3-エピメラーゼ(RPE)およびリボースホスフェートイソメラーゼ(RPI)を含む。好ましくは、酵素は、FBP-1、GPI、G6PDまたは6PGDであり、より好ましくはFBP-1またはG6PDである。
フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ1(FBP-1)は、フルクトース-1,6-ビスリン酸をフルクトース-6-リン酸に変換する酵素である。FBP-1の代表的なアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_001121100.1(ヒト、配列番号1)およびNP_062268.1(マウス、配列番号2)として登録されている。本開示において、FBP-1は、すべての対立遺伝子の産物を含む。
グルコースフォスフェートイソメラーゼ(GPI)は、フルクトース-6-リン酸をグルコース-6-リン酸に変換する酵素である。GPIの代表的なアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_001171651.1(ヒト、配列番号3)およびNP_032181.2(マウス、配列番号4)として登録されている。本開示において、GPIは、すべての対立遺伝子の産物を含む。
グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)は、グルコース-6-リン酸をグルコノ-1,5-ラクトン-6-リン酸に変換する酵素である。G6PDの代表的なアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_000393.4(ヒト、配列番号5)、NP_032088.1(マウス、配列番号6)およびNP_062341.2(マウス、配列番号7)として登録されている。本開示において、G6PDは、すべての対立遺伝子の産物を含む。
6-ホスホグルコノラクトナーゼ(PGLS)は、グルコノ-1,5-ラクトン-6-リン酸を6-ホスホグルコン酸に変換する酵素である。PGLSの代表的なアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_036220.1(ヒト、配列番号8)およびNP_079672.1(マウス、配列番号9)として登録されている。本開示において、PGLSは、すべての対立遺伝子の産物を含む。
6-ホスホグルコン酸脱水素酵素(6PGD)は、6-ホスホグルコン酸をリブロース-5-リン酸に変換する酵素である。6PGDの代表的なアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_002622.2(ヒト、配列番号10)およびNP_001074743.1(マウス、配列番号11)として登録されている。本開示において、6PGDは、すべての対立遺伝子の産物を含む。
リブロースホスフェート3-エピメラーゼ(RPE)は、リブロース-5-リン酸をキシルロース-5-リン酸に変換する酵素である。RPEの代表的なアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_001265211.1(ヒト、配列番号12)およびNP_001297571.1(マウス、配列番号13)として登録されている。本開示において、RPEは、すべての対立遺伝子の産物を含む。
リボースホスフェートイソメラーゼ(RPI)は、リブロース-5-リン酸をリボース-5-リン酸に変換する酵素である。RPIの代表的なアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_653164.2(ヒト、配列番号14)およびNP_033101.2(マウス、配列番号15)として登録されている。本開示において、RPIは、すべての対立遺伝子の産物を含む。
本開示に関して、ペントースリン酸経路に関連する酵素は、その機能が維持されている限り、本来のアミノ酸配列において、1個または数個のアミノ酸が欠失、置換あるいは付加した配列を含んでいてもよい。「数個」とは、好ましくは2~7個、より好ましくは2~5個、最も好ましくは2~3個のアミノ酸を意味する。アミノ酸置換は、類似するアミノ酸残基間の保存的置換が好ましい。
また、ペントースリン酸経路に関連する酵素は、その機能が維持されている限り、本来のアミノ酸配列と、BLAST等を用いて計算したときに(例えば、BLASTのデフォルト、即ち初期条件のパラメーターを用いた場合に)、少なくとも約60%以上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、特に好ましくは約95%以上、最も好ましくは約97%、約98%もしくは約99%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含むものであってもよい。
後述する実施例により立証される通り、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を対象に投与することにより、肉芽腫を処置および/または予防し得る。本開示において、「肉芽腫を処置する」または「肉芽腫の処置」は、肉芽腫を有する対象において、肉芽腫の進行を遅延または停止させること、および/または、肉芽腫を軽減、緩和、改善または除去することを意味する。
本開示において、「肉芽腫を予防する」または「肉芽腫の予防」は、対象において、特に、肉芽腫を形成するリスクがある対象において、肉芽腫形成を防止すること、または、肉芽腫を形成する可能性を低減することを意味する。肉芽腫を形成するリスクがある対象には、例えば、サルコイドーシス、抗酸菌感染症およびクローン病などの肉芽腫を伴う疾患の患者が含まれる。
また、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を対象に投与することにより、肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防し得る。本開示において、「疾患を処置する」または「疾患の処置」は、疾患を有する対象において、疾患の進行を遅延または停止させること、および/または、疾患を軽減、緩和、改善または除去することを意味する。
本開示において、「疾患を予防する」または「疾患の予防」は、対象において、特に、疾患を発症する可能性が高いが、未だ発症していない対象において、疾患の発症を防止すること、または、疾患を発症する可能性を低減することを意味し、ここで、疾患の発症には再発が含まれる。
本開示において、「ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤」は、ペントースリン酸経路に関連する酵素の活性または発現を阻害する物質を意味する。当該阻害剤は、例えば、ペントースリン酸経路に関連する酵素の活性または発現を阻害する化合物、ペプチド、抗体または核酸であり得る。ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤として知られている物質、例えば、阻害剤として販売されている物質を使用することができる。インビトロまたはインビボの実験系でペントースリン酸経路に関連する酵素の活性または発現を阻害する物質を同定し、使用してもよい。
FBP-1阻害剤として、例えば、2,5-ジクロロ-N-(5-クロロ-2-ベンゾキサゾリル)-ベンゼンスルホンアミド、MB05032、MB06322を使用し得る。G6PDおよび6PGDの阻害剤として、例えば、6-アミノニコチンアミドを使用し得る。GPIの阻害剤として、例えば、2-デオキシ-D-グルコースを使用し得る。
ペントースリン酸経路に関連する酵素の活性または発現を阻害する核酸は、これらの酵素の遺伝子の転写、転写後調節、翻訳、翻訳後修飾等のいかなる段階を阻害するものであってもよく、酵素活性を阻害するものであってもよい。このような核酸として、siRNA、アンチセンス核酸、リボザイム、核酸アプタマー、デコイ核酸等が挙げられる。ペントースリン酸経路に関連する酵素の発現を阻害する核酸は、例えば、siRNAである。
siRNAは、標的mRNAを特異的に破壊する二本鎖RNAを意味する。ループ領域を介してかかる二本鎖を連結させた一本鎖RNA(shRNA)も、siRNAに含まれる。当業者は、標的mRNAのヌクレオチド配列に基づいて適当なsiRNAを設計できる。各種のmRNAを標的とするsiRNAが販売されており、適当なsiRNAを用いてもよい。
ペントースリン酸経路に関連する酵素の活性または発現を阻害する核酸を含むベクターを使用することもできる。ベクターの例として、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、単純ヘルペスウイルスベクター等のウイルスベクターが挙げられる。
ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤の投与方法は特に限定されず、経口投与、非経口投与、注射、輸液等の一般的な投与経路を経ることができる。非経口投与は、全身投与であっても局所投与であってもよい。例えば、静脈内投与、動脈内投与、皮内投与、皮下投与、経皮投与、筋肉内投与、腹腔内投与または鼻腔内投与が挙げられる。肉芽腫が皮膚にある場合、好ましくは局所投与であり、より具体的には、肉芽腫のある部位への塗布、噴霧または注入が挙げられる。
ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤は、組成物に含めて投与し得る。組成物は、固体、液体またはその間の任意の形態(例えば半固体)であり得、肉芽腫の部位、投与方法および投与量に応じて、公知の各種製剤形態を採り得る。例えば、錠剤、粉剤、粒剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、坐剤、用時溶解する固形の注射剤、液状の注射剤、注入剤、点滴用剤などの剤形が挙げられる。また、組成物は、スプレー剤、ローション剤、クリーム剤、貼付剤、軟膏、液剤、乳剤または懸濁剤などの外用剤であり得る。
これらの剤形は、常法により製剤化することによって製造される。さらに製剤上の必要に応じて、医薬品への使用が認められ得る各種の製剤用物質を配合することができる。製剤用物質は製剤の剤形により適宜選択することができるが、例えば、緩衝化剤、界面活性剤、安定化剤、防腐剤、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、潤滑剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤、色素、染料、香料等が挙げられる。
ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤の投与量および投与回数は、有効量の当該阻害剤が対象に投与されるように、投与対象の動物種、健康状態、年齢、体重、投与経路、投与形態等に応じて当業者が適宜設定できる。ある状況での有効量は、日常的な実験によって容易に決定することができる。
ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤は単回投与してもよく、複数回投与してもよく、持続投与してもよい。複数回投与する場合、例えば、1日1回~数回、例えば、1日1回、2回または3回の投与頻度で、連日または数日おきに、例えば、1日、2日、3日または7日おきに、投与し得る。投与期間は制限されず、例えば、肉芽腫が軽減されるまで投与を継続し得る。休薬期間を設けてもよい。
ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤は、単独で、または、1種またはそれ以上のさらなる有効成分、特に、肉芽腫を処置または予防する有効成分と併用できる。成分を「併用する」ことは、全成分を含有する投与剤形の使用および各成分を別個に含有する投与剤形の組合せの使用のみならず、それらが肉芽腫の処置または予防のために使用される限り、各成分を同時に、または、いずれかの成分を遅延して投与することも意味する。2種またはそれ以上のさらなる有効成分を併用することも可能である。例えば、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤に加えて、1種またはそれ以上のさらなる有効成分を含む組成物を使用し得る。
併用に適する有効成分には、例えば、JAK阻害剤、非ステロイド消炎鎮痛薬、ステロイド、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、免疫抑制剤、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤などが含まれる。肉芽腫を伴う疾患の治療剤を併用することもできる。
ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤の投与に加えて、薬物療法以外の医療行為、例えば、外科的切除などを実施することもできる。
ある態様では、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む肉芽腫の処置および/または予防用の組成物が提供される。
ある態様では、肉芽腫の処置および/または予防を必要としている対象に有効量のペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を投与することを含む、肉芽腫の処置および/または予防方法が提供される。
ある態様では、肉芽腫の処置および/または予防用のペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤が提供される。
ある態様では、肉芽腫を処置および/または予防するためのペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤の使用が提供される。
ある態様では、肉芽腫の処置および/または予防用の組成物の製造における、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤の使用が提供される。
ある態様では、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む、肉芽腫を伴う疾患の処置および/または予防用の組成物が提供される。
ある態様では、肉芽腫の処置および/または予防を必要としている対象に有効量のペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を投与することを含む、肉芽腫を伴う疾患の処置および/または予防方法が提供される。
ある態様では、肉芽腫を伴う疾患の処置および/または予防用のペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤が提供される。
ある態様では、肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防するためのペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤の使用が提供される。
ある態様では、肉芽腫を伴う疾患の処置および/または予防用の組成物の製造における、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤の使用が提供される。
また、後述する実施例により立証される通り、肉芽腫に含まれるマクロファージおよびサルコイドーシス患者の血中ではペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルが高い。従って、対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルに基づいて、対象が肉芽腫を有するか否かを判定することができる。当該酵素のレベルは、試料中の酵素の量または濃度であってもよく、酵素の発現レベルであってもよい。
試料は、対象から採取された血液、血漿または血清であり得る。血液試料は、通常の方法で、例えば静脈または動脈から、採取され得る。血漿試料または血清試料は、当業者に周知の方法により血液を適宜処理することにより調製し得る。この処理は、特に限定されず、臨床学的に許容されるいかなる処理でもあってもよい。例えば、抗凝固剤の添加、遠心分離などが行われる。試料は、対象から採取された他の体液、例えば、脳脊髄液、唾液、鼻汁、痰、胸水または腹水であってもよい。採取された試料を、必要に応じて適宜濃縮または希釈して使用し得る。試料は、使用に先立ち、その調製中または調製後に低温下で保存してもよく、例えば、冷凍保存し得る。
試料中のペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルは、ペントースリン酸経路に関連する酵素に特異的に結合する試薬を用いて測定することができる。ペントースリン酸経路に関連する酵素に特異的に結合する試薬は、例えば、化合物、ペプチド、抗体またはアプタマーであり得る。これらの試薬は、ペントースリン酸経路に関連する酵素と特異的に結合できるものであれば、断片、誘導体または類似体であってもよい。
例えば、試料中のペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルは、それに結合する抗体を用いる免疫学的手法により測定できる。免疫学的手法としては、酵素免疫固相法(ELISA法、例えば、直接法、間接法、サンドイッチ法または競合法)、イムノクロマト法、ウェスタンブロッティング、フローサイトメトリー解析、放射性同位元素免疫測定法(RIA法)などを例示でき、好ましくはELISA法である。
本開示に関して、抗体は、免疫グロブリン骨格をベースとする親和性リガンドを意味し、任意の起源のモノクローナルおよびポリクローナル抗体を含み、ネズミ、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒトおよび他の抗体、並びに複数の種に由来する配列を含むキメラ抗体、例えば、部分的にヒト化された抗体、例えば、部分的にヒト化されたマウス抗体を含む。抗体は、ペントースリン酸経路に関連する酵素と特異的に結合できるものであれば、その断片または誘導体であってもよい。
抗体は、ペントースリン酸経路に関連する酵素またはその抗原性を有する部分ペプチドを免疫原として用い、既存の一般的な製造方法によって製造し得る。例えば、ポリクローナル抗体は、動物を抗原で免疫化することにより産生し得、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術を使用して産生し得る。あるいは、市販の抗体を使用してもよい。
試薬は、検出可能な物質で標識することができる。検出可能な物質の例としては、放射性同位元素、蛍光標識、発光標識、生物発光標識、酵素標識およびビオチンが挙げられる。試薬に特異的に結合し、標識を有する物質、例えば二次抗体を使用してもよい。
試薬は、適切な支持体に結合されていてもよい。支持体は、試薬を固定できるものであれば特に限定されず、どのような形状や材質であっても良い。例えば、ナイロン膜などのメンブレン、ビーズ、ガラス、プラスチックおよび金属などの支持体が挙げられる。
あるいは、試料は、対象から採取された肉芽腫が疑われる組織であり得る。試料をペントースリン酸経路に関連する酵素に結合する試薬と接触させ、結合した試薬の量を画像上で測定することにより、ペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルを測定することができる。例えば、組織を切片にして観察してもよく、組織をスライドガラス等の基板に固定して観察してもよい。試料の固定、透過処理等の、試料中の物質の検出のための一般的な技術は、当分野で周知である。ペントースリン酸経路に関連する酵素に結合する試薬は上記の通りであり、画像処理により検出可能な標識を用いる。
正立顕微鏡、蛍光顕微鏡などの顕微鏡下で標識を可視化し、CCDカメラなどにより撮影し、標識のシグナル強度を測定する。シグナル強度の測定には、画像処理用のソフトウェア、例えば、ImageJ ソフトウェア(NIH, Bethesda, MD, USA)などを使用できる。
ペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルの測定には、自動イメージングおよび画像解析技術、例えばハイコンテント分析(HCA)技術を利用してもよい。HCA技術は当分野で知られており、多数の細胞の自動イメージングと、これに続く定量的画像解析を含む。HCAの同義語には、ハイコンテンツイメージングおよびハイコンテンツスクリーニングが含まれる。測定のスピードを速めるために、ロボットもしくは自動装置またはマイクロ流体デバイスを用いてもよい。
あるいは、対象から採取された肉芽腫が疑われる組織を溶解し、上記の免疫学的手法により試料中のペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルを測定してもよい。酵素の遺伝子発現レベルを、定量PCR、マイクロアレイ分析、RNAシーケンシング、ノーザンブロッティング、SAGE法などの公知の手法により測定してもよい。
本方法では、対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルがカットオフ値と比較して高い場合に、対象が肉芽腫を有すると判定され、レベルがカットオフ値と比較して低い場合に対象が肉芽腫を有さないと判定される。
ペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルがカットオフ値と同等である場合、対象が肉芽腫を有すると判定するか、有さないと判定するか、判定の目的などに応じて任意に設定できる。従って、ある実施態様では、ペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルがカットオフ値以上である場合に対象が肉芽腫を有すると判定し、ペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルがカットオフ値未満である場合に対象が肉芽腫を有さないと判定する。別の実施態様では、ペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルがカットオフ値より高い場合に対象が肉芽腫を有すると判定し、ペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルがカットオフ値以下である場合に対象が肉芽腫を有さないと判定する。
カットオフ値は、肉芽腫を有する対象群と有さない対象群を、統計的に有意差をもって分けることができる値である。カットオフ値の設定は、種々の統計解析手法を用いて、公知の方法により実施できる。例えば、肉芽腫を有する対象群から取得された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルと、肉芽腫を有さない対象群から取得された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルを統計解析的に処理することにより、カットオフ値を設定できる。統計的有意差は、カイ二乗検定、一般化Wilcoxon検定、Wilcoxonの符号順位検定、Mann-Whitney検定、ログランク検定、Cox比例ハザードなどの公知の検定方法により解析され得る。カットオフ値の設定には、例えば、Prism等の統計解析用ソフトウェアを使用し得る。
カットオフ値は、感度および/または特異度に基づいて設定し得る。好ましくは、カットオフ値は、高い感度および高い特異度の両方を示す。ここで、感度とは、真の陽性率を意味する。また、特異度とは真の陰性率を意味する。例えば、肉芽腫を有する対象群で高い陽性率を示し、かつ、肉芽腫を有さない対象群で高い陰性率を示すペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルを、カットオフ値として設定し得る。
例えば、診断検査の有用性を検討する手法として一般的に用いられているROC解析(receiver operating characteristic analysis)により、カットオフ値を設定することができる。ROC解析では、各カットオフ値における感度を縦軸に、偽陽性率(1-特異度)を横軸にプロットしたROC曲線が作成される。ROC曲線は、診断能のない検査では対角線上の直線となるが、診断能が向上するほど、左上方に弧を描く曲線となる。左上隅との距離が最小となるROC曲線上の点を与えるカットオフ値は、感度と特異度に優れると言える。また、ヨーデン指標(Youden index)に基づいてカットオフ値を設定することもできる。具体的には、肉芽腫を有する対象群および罹患していない対象群のペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルから感度および特異度を求め、これらの値に基づき、市販の解析ソフトを使用してROC曲線を作成する。そして、感度と特異度が可能な限り100%に近いときの値を求めて、その値をカットオフ値とし得る。
また、例えば、診断効率(即ち、肉芽腫を有する対象を「肉芽腫を有する」と正しく診断した症例と、肉芽腫を有さない対象を「肉芽腫を有さない」と正しく診断した症例との合計数の全症例数に対する割合)を求め、最も高い診断効率が算出されるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルをカットオフ値とし得る。
特徴に応じてサブグループ化された患者群についてカットオフ値を設定することもできる。例えば、性別、年齢層または人種に応じてそれぞれカットオフ値が設定されてよい。
ある実施態様では、本方法による判定結果を、診断のための情報として提供することができる。
ある実施態様では、本方法は、対象から試料を採取することを含む。
ある実施態様では、本方法は、対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルを測定することを含む。
ある実施態様では、本方法は、肉芽腫を有すると判定された対象において、肉芽腫を処置することを含む。例えば、本開示に従って、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を投与する。
別の態様では、ペントースリン酸経路に関連する酵素に特異的に結合する試薬またはペントースリン酸経路に関連する酵素の遺伝子発現を測定するための試薬を含む、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するためのキットが提供される。試薬は、水または適当な緩衝液、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に溶解されるか、または凍結乾燥された状態で、適切な容器中に収容されて提供され得る。好適な容器には、ボトル、バイアル、シリンジ、試験管、プレート、メンブレン等が含まれる。容器は、ガラス、プラスチックなどの多様な材料から形成されていてよい。キットは、ペントースリン酸経路に関連する酵素の検出に必要な他の成分や試薬をさらに含んでもよい。例えば、キットは、標識二次抗体、発色基質、ブロッキング液、洗浄緩衝液などをさらに含み得る。キットは、さらに、使用のための説明を含む添付文書等の、商業的見地および使用者の見地から望ましいその他の材料をさらに含み得る。
ある態様では、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための、ペントースリン酸経路に関連する酵素に特異的に結合する試薬またはペントースリン酸経路に関連する酵素の遺伝子発現を測定するための試薬が提供される。
ある態様では、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するためのキットを製造するための、ペントースリン酸経路に関連する酵素に特異的に結合する試薬またはペントースリン酸経路に関連する酵素の遺伝子発現を測定するための試薬の使用が提供される。
例えば、下記の実施態様が提供される。
[1]肉芽腫を予防および/または処置するための、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む組成物。
[2]肉芽腫が、サルコイドーシス、環状肉芽腫、抗酸菌感染症またはクローン病における肉芽腫である、第1項に記載の組成物。
[3]ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む、肉芽腫を伴う疾患の処置および/または予防用の組成物。
[4]肉芽腫を伴う疾患がサルコイドーシス、環状肉芽腫、抗酸菌感染症またはクローン病である、第3項に記載の組成物。
[5]肉芽腫が、サルコイド型、類結核型または柵状肉芽腫である、第1項~第4項のいずれかに記載の組成物。
[6]肉芽腫が、皮膚、肺、眼、心臓、肝臓、腎臓、リンパ節、神経、筋で形成される肉芽腫である、第1項~第5項のいずれかに記載の組成物。
[7]肉芽腫が、皮膚、肺、心臓またはリンパ節で形成される肉芽腫である、第1項~第6項のいずれかに記載の組成物。
[8]肉芽腫が皮膚で形成される肉芽腫である、第1項~第7項のいずれかに記載の組成物。
[9]ペントースリン酸経路に関連する酵素が、FBP-1、GPI、G6PD、PGLS、6PGD、RPEまたはRPIである、第1項~第8項のいずれかに記載の組成物。
[10]ペントースリン酸経路に関連する酵素が、FBP-1、GPI、G6PDまたは6PGDである、第1項~第9項のいずれかに記載の組成物。
[11]ペントースリン酸経路に関連する酵素が、FBP-1またはG6PDである、第1項~第10項のいずれかに記載の組成物。
[12]ペントースリン酸経路に関連する酵素がFBP-1である、第1項~第11項のいずれかに記載の組成物。
[13]ペントースリン酸経路に関連する酵素がG6PDである、第1項~第11項のいずれかに記載の組成物。
[14]ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤が、2,5-ジクロロ-N-(5-クロロ-2-ベンゾキサゾリル)-ベンゼンスルホンアミド、MB05032、MB06322、2-デオキシ-D-グルコースまたは6-アミノニコチンアミドである、第1項~第13項のいずれかに記載の組成物。
[15]ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤が、2,5-ジクロロ-N-(5-クロロ-2-ベンゾキサゾリル)-ベンゼンスルホンアミドまたは6-アミノニコチンアミドである、第1項~第14項のいずれかに記載の組成物。
[16]ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤が、FBP-1、GPI、G6PDまたは6PGDに対するsiRNAである、第1項~第13項のいずれかに記載の組成物。
[17]ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤がFBP-1に対するsiRNAである、第1項~第13項のいずれかに記載の組成物。
[18]対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルをカットオフ値と比較することを含む、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための方法。
[19]対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルを測定することを含む、第18項に記載の方法。
[20]ペントースリン酸経路に関連する酵素が、FBP-1、GPI、G6PD、PGLS、6PGD、RPEまたはRPIである、第18項または第19項に記載の方法。
[21]ペントースリン酸経路に関連する酵素が、FBP-1、GPI、G6PDまたは6PGDである、第18項~第20項のいずれかに記載の方法。
[22]対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルがカットオフ値と比較して高い場合に、対象が肉芽腫を有すると判定される、第18項~第21項のいずれかに記載の方法。
[23]対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルがカットオフ値と比較して低い場合に、対象が肉芽腫を有さないと判定される、第18項~第22項のいずれかに記載の方法。
[24]対象から採取された試料が、血液、血漿、血清または肉芽腫が疑われる組織である、第18項~第23項のいずれかに記載の方法。
[25]対象から採取された試料が、血液、血漿または血清である、第18項~第24項のいずれかに記載の方法。
[26]対象から採取された試料が、肉芽腫が疑われる組織である、第18項~第24項のいずれかに記載の方法。
[27]ペントースリン酸経路に関連する酵素に特異的に結合する試薬またはペントースリン酸経路に関連する酵素の遺伝子発現を測定するための試薬を含む、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するためのキット。
[28]ペントースリン酸経路に関連する酵素が、FBP-1、GPI、G6PD、PGLS、6PGD、RPEまたはRPIである、第27項に記載のキット。
[29]ペントースリン酸経路に関連する酵素が、FBP-1、GPI、G6PDまたは6PGDである、第27項または第28項に記載のキット。
[30]ペントースリン酸経路に関連する酵素に特異的に結合する試薬を含む、第27項~第29項のいずれかに記載のキット。
[31]試薬が抗体である、第27項~第30項のいずれかに記載のキット。
本明細書で引用するすべての文献は、出典明示により本明細書の一部とする。
上記の説明は、すべて非限定的なものであり、本発明は添付の特許請求の範囲において定義され、その技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。以下、実施例にて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[材料と方法]
患者検体の収集
ヒト試料は、京都大学大学院医学研究科の倫理委員会により承認されたプロトコルに基づき入手した(R0743)。サルコイドーシス患者は過去2週間に外用ステロイド/免疫調節剤を使用しておらず、過去4週間に全身性免疫抑制剤治療を受けていなかった。皮膚は生検後にバンバンカー(日本ジェネティクス)溶液に入れたあと-80℃で凍結保存した。組織染色に用いたアトピー性皮膚炎、乾癬、環状肉芽腫症、皮膚サルコイドーシス、肺サルコイドーシス組織は、生検、手術後10%中性緩衝ホルマリン液に24時間浸した後、パラフィン包埋した。血清は血清分離剤入りスピッツを用いて採血し、遠心後に血清を回収した。
1細胞RNAシークエンスのライブラリ作成
凍結保存された生検検体は解凍したのち、Whole Skin Dissociation Kit, human(Miltenyi Biotec)を用いて2時間処理し細胞懸濁液を作成した。細胞懸濁液はChromium Next GEM シングルセル 3' キット v3.1(10×Genomics)を用いてライブラリを作成した。ライブラリDNBSEQ-G400(MGI Tech)はプラットフォームで配列決定し、約1億5千万から2億リードを得た。シークエンスデータは、CellRenger 3.1.0(10×Genomics)を用いて解析した。
Seuratを用いたクラスタリング解析
Seuratパッケージ(バージョン4.0.6)を用いたクラスタリング解析は、全細胞を対象とした第1レベルの解析と、細胞種内の第2レベルの高解像度解析の両方で実施された。シングルセルRNA-seqデータセットを単一のSeuratオブジェクトに結合し、バッチ効果を除去するためにSCTransform機能を用いて標準化した。100遺伝子未満、5000遺伝子以上、または20%以上のミトコンドリア含有量を持つ細胞は除外した。Wilcoxon順位和検定を使用して、各クラスターで差次的に発現した遺伝子(DEG)を同定し、広い細胞型を定義し、さらに亜集団を特徴付けるために、結果として得られた各細胞型について繰り返した。
サルコイドーシススコアの作成
サルコイドーシスのバルクRNAシークエンスデータ(GSE32887)より非病変部と比べて病変部で上昇している上位100個の遺伝子を抽出した。それらの遺伝子の平均発現をサルコイドーシススコアとした。
公共データベースを用いたsingle cell RNA-seqデータの解析
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬(HUMAN CELL ATLAS DEVELOPMENTAL)、環状肉芽腫(GSE158924)、ハンセン病(GSE151528)のデータベースからSeuratのsubset機能を用いてHLA-DRA陽性の抗原提示細胞を抽出し、その中のFBP-1、ACE、STAT1陽性細胞の割合をDotplot機能を用いて調べた。
免疫染色
免疫染色は、ホルマリン固定、パラフィン包埋(FFPE)組織に対して行われた。BOND RX自動免疫染色機(Leica)を用いて染色した。抗原賦活化はER solution2で40分行った。切片を、CD163(クローン10D6、1:200;Leica)、FBP-1(クローンEPR4619、1:100;Abcam、Cambridge、MA、USA)、CD68(クローンPG-M1、1:200;Dako)、G6PD(1:2000;Abcam)で染色した。二次抗体は、Opal tyramide signaling amplification kit(Akoya Biosciences,Marlborough,MA,USA)を使用した。蛍光顕微鏡BZ9000(キーエンス)を用いて画像を撮影し、ImageJソフトウェア(NIH)を用いて解析した。
血清FBP1の測定
Human FBP1 ELISA Kit(LSBio)を用いて血清のFBP1濃度を測定した。
インビトロサルコイドーシスモデル
健常人の末梢血よりリンパ節分離溶液(ナカライ)を用いて末梢血単核球を分離した。CD14マイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を用いて末梢血単核球よりCD14陽性単球を分離した。単球を10%ウシ胎児血清入りRPMIにコンカナバリンA(Sigma、5μM)、CD40L(Peprotech、300ng/ml)、IFNγ(Peprotech、10ng/ml)を加えたものに入れ、0.5x10/ウェルで96ウェル平底プレートに播種した。阻害剤の実験では、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ-1阻害剤(FBP-1阻害剤、2,5-ジクロロ-N-(5-クロロ-2-ベンゾキサゾリル)-ベンゼンスルホンアミド)(Cayman、100または500μM)、トファシチニブ(Sigma、1μM)、6-アミノニコチンアミド(6AN)(Sigma、100μM)を加えた。あるいは、horizon社製のFBP-1遺伝子に対するsiRNA(製品番号E-008725-00-0010)および対照siRNAを使用した(1μM)。メタノールで固定後、ギムザ染色液にて染色し、顕微鏡(Olympus CKK53)を用いて撮影し、ImageJソフトウェア(NIH)を用いて解析した。
遺伝子発現の解析
Total RNA は RNeasy Mini Kit(Qiagen,Hilden,Germany)を用いて単離した。cDNAは、Prime Script RT reagent kit(タカラバイオ)を用いて、トータルRNA試料から逆転写した。定量的RT-PCRは、SYBR Green I(Roche,Basel,Switzerland)とLightCyclerリアルタイムPCR装置(Roche)を用いた。プライマーはすべてグライナー・ジャパンから入手した。プライマー配列は以下の通りである。
Figure 2024005979000002


PCR条件は、95℃で10分間の初期酵素活性化、95℃で10秒、60℃で20秒のサイクルを45回行った。遺伝子特異的な蛍光は60℃で測定した。各サンプルについて、二重の試験反応を用いて遺伝子発現を解析し、結果はハウスキーピングであるACTB遺伝子の発現量に対して正規化した。
マウスの飼育
すべてのマウスは、京都大学大学院医学研究科実験動物研究施設において、特定の病原体を含まない条件下で維持されていた。すべての実験には7-10週齢の雌マウスを使用した。すべての実験手順は、京都大学動物実験委員会により承認された。
マウス皮膚サルコイドーシスモデル
7週齢のC57BL/6マウス(チャールズリバー)に6AN(20mg/kg)もしくはPBS(ナカライテスク)を腹腔内投与した。7時間後に麻酔下で2000個のビーズ(Bio-Gel P1000、Bio-Rad)と25μgのコンカナバリンAを耳介に皮内注射した。毎日、定圧厚さ測定器(テクロック)により耳介厚を測定した。実験4日目にマウスを安楽死させ解析した。
マウス皮膚組織の染色方法
耳介皮膚を10%中性緩衝ホルマリン液に24時間浸した後にパラフィン包埋を行った。5μmの厚さで切片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン染色(Sigma)を行った。
マウス皮膚浸潤細胞の解析
マウス耳介は背側と腹側のシートに分け、10%子牛胎児血清、1%ペニシリン-ストレプトマイシン、1%ピルビン酸ナトリウム、1%MEM非必須アミノ酸(Thermo Fisher Scientific)、0.25mg/ml Liberase TL(Roche,Basel,Switzerland)、0.3mg/ml DNase I(Sigma-Aldrich,St.Louis,MO)含むRPMI 1640中、37℃で60分静置した。消化した皮膚シートを40μmセルストレーナー(BD Biosciences社製)を用いてろ過し、単細胞懸濁液とした。
皮膚から得た単細胞懸濁液を、Fixable Viability Dye eFluor(商標)780(Thermo Fisher Scientific)で染色し、死細胞を除外した。次に、抗CD16/32 Ab(BD Biosciences社製)で非特異的Ab結合をブロックし、細胞を表面抗原で染色した。下記に記した抗体で表面染色後、Cytofix/Cytoperm solution(BD Biosciences社製)で細胞を固定した。サンプルはBD LSRFortessaセルアナライザー(BD Biosciences)で評価し、データはFlowJoソフトウェア(BD Biosciences)を用いて解析した。
抗体一覧
Figure 2024005979000003
[結果]
サルコイドーシス病変におけるペントースリン酸経路の活性化
サルコイドーシスの皮膚病変の1細胞RNAシークエンスを行うことにより、サルコイドーシスにおいて増加しているマクロファージ(TREM2マクロファージ)を見出した(図1、2)。サルコイドーシス特異的マクロファージは、アンギオテンシン転換酵素(ACE)、リゾチーム(LYZ)、STAT1といったサルコイドーシス特異的遺伝子を発現していた(図3)。サルコイドーシス特異的マクロファージでは、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ1(FBP-1)といった今までに報告されていない分子の発現が上昇していた(図3)。
サルコイドーシスの皮膚病変をFBP-1で免疫染色すると、サルコイドーシスの肉芽腫に一致して染色されたが、正常皮膚では全く染色されなかった(図4)。過去に報告された1細胞RNAシークエンスのデータを解析したところ、環状肉芽腫(GA)およびハンセン病の皮膚マクロファージにおいてFBP-1の発現が見られたが、健常皮膚、アトピー性皮膚炎、乾癬の皮膚では発現していなかった(図5)。次にタンパク発現においても、FBP-1の発現は環状肉芽腫および肺・心臓・リンパ節サルコイドーシスの肉芽腫でも確認されたが、アトピー性皮膚炎および乾癬の病変では確認されなかった(図6~7)。
FBP-1はグルコース代謝経路のうち、ペントースリン酸回路に作用するので(図8)、ペントースリン酸回路に関連する酵素の発現についてクラスタリング解析を行った。その結果、サルコイドーシス特異的マクロファージでは、グルコースフォスフェートイソメラーゼ(GPI)、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)および6-ホスホグルコン酸脱水素酵素(6PGD)の発現も上昇していることが確認された(図9)。これらは、ペントースリン酸経路においてFBP-1の下流で作用する酵素である。また、免疫染色においてもFBP-1陽性細胞に一致してG6PD陽性細胞が見られた(図10)。また、サルコイドーシス患者では血清のFBP1濃度が高いことが確認できた(図11)。これらの結果は、肉芽腫のマクロファージではペントースリン酸経路が活性化しており、新たな診断マーカーとして使用できる可能性を示唆した。
サルコイドーシスモデルにおけるペントースリン酸経路の阻害
インビトロのサルコイドーシスモデルとして、ヒト末梢血単球をコンカナバリンAとIFNγ、CD40Lと培養し巨細胞形成を誘導するものが従来から知られている(図12)。このモデルにおいてもFBP-1やG6PDといったペントースリン酸回路に関連する遺伝子が上昇していた(図13)。そのため、FBP-1阻害剤、G6PDおよび6PGD阻害剤(6AN)またはトファシチニブ(JAK阻害剤)の存在下で巨細胞形成を誘導したところ、巨細胞形成は抑制された(図14)。また、FBP1阻害剤であるMB05032またはGPI阻害剤である2-デオキシ-D-グルコースを使用しても、同様に巨細胞形成は抑制された。さらに、巨細胞形成後にFBP-1阻害剤、6ANまたはトファシチニブを投与したところ、巨細胞は減少した(図15)。また、FBP-1遺伝子に対するsiRNAの存在下で巨細胞形成を誘導したところ、FBP-1遺伝子の発現および巨細胞形成は抑制された(図16)。ただし、低濃度のFBP-1阻害剤(100μM)では、対照との差異は見られなかった。これらの結果は、サルコイドーシスの治療効果が示唆されているJAK阻害剤と同様に、ペントースリン酸経路の阻害剤をサルコイドーシスなどの肉芽腫形成疾患の予防および治療に用いられることを示唆する。
皮膚炎症誘導マウスにおけるペントースリン酸経路の阻害
マウスにジメチルスルホキシド(DMSO)に懸濁した6AN(20mg/Kg)を腹腔内投与し、その後にコンカナバリンAとビーズを皮内注射し、皮膚の炎症およびマクロファージの集積を調べた。DMSO(溶媒)投与群と6AN投与群では皮下に肉芽腫の形成を認めた。しかしながら、6AN群では肉芽腫の大きさがDMSO群より優位に減少した(図17)。6AN投与群では、非投与群と比較して耳介膨張(図18)が抑制された。また、耳介に浸潤している細胞を比較したところ、6AN投与群でマクロファージの集積が減弱していた(図19)。これらの結果は、ペントースリン酸経路の阻害により皮膚における炎症、肉芽腫形成が抑制されることを示唆し、ペントースリン酸経路の阻害剤をサルコイドーシスなどの肉芽腫形成疾患の予防および治療に用いられることを示唆する。
本開示に従って、肉芽腫または肉芽腫を伴う疾患を処置および/または予防すること、および、対象が肉芽腫を有するか否かを判定することができ、医療分野で有用である。

Claims (14)

  1. 肉芽腫を予防および/または処置するための、ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む組成物。
  2. ペントースリン酸経路に関連する酵素が、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ-1(FBP-1)、グルコースフォスフェートイソメラーゼ(GPI)、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)または6-ホスホグルコン酸脱水素酵素(6PGD)である、請求項1に記載の組成物。
  3. ペントースリン酸経路に関連する酵素が、FBP-1、G6PDまたは6PGDである、請求項1に記載の組成物。
  4. ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤が、2,5-ジクロロ-N-(5-クロロ-2-ベンゾキサゾリル)-ベンゼンスルホンアミド、MB05032、MB06322、2-デオキシ-D-グルコースまたは6-アミノニコチンアミドである、請求項1に記載の組成物。
  5. ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤が、2,5-ジクロロ-N-(5-クロロ-2-ベンゾキサゾリル)-ベンゼンスルホンアミドまたは6-アミノニコチンアミドである、請求項1に記載の組成物。
  6. ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤が、FBP-1、GPI、G6PDまたは6PGDに対するsiRNAである、請求項1に記載の組成物。
  7. 肉芽腫が、サルコイドーシス、環状肉芽腫、抗酸菌感染症またはクローン病における肉芽腫である、請求項1~6のいずれかに記載の組成物。
  8. ペントースリン酸経路に関連する酵素の阻害剤を含む、肉芽腫を伴う疾患の処置および/または予防用の組成物。
  9. 対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルをカットオフ値と比較することを含む、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するための方法。
  10. 対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルを測定することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. ペントースリン酸経路に関連する酵素が、FBP-1、GPI、G6PDまたは6PGDである、請求項9に記載の方法。
  12. 対象から採取された試料におけるペントースリン酸経路に関連する酵素のレベルがカットオフ値と比較して高い場合に、対象が肉芽腫を有すると判定される、請求項9に記載の方法。
  13. 対象から採取された試料が、血液、血漿、血清または肉芽腫が疑われる組織である、請求項9に記載の方法。
  14. ペントースリン酸経路に関連する酵素に特異的に結合する試薬またはペントースリン酸経路に関連する酵素の遺伝子発現を測定するための試薬を含む、対象が肉芽腫を有するか否かを判定するためのキット。
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