JP2024004467A - 積層体および光学フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、フレア(flare)現象を防止できる積層体および撮像装置を提供することを目的とする。【解決手段】近赤外線吸収ガラス基材および光吸収層を含み、720~780nmの波長領域の光に対する平均透過率が1%以下である積層体。前記積層体は、750nmの波長の光に対する透過率が1%以下であってもよい。【選択図】図14

Description

本出願は、積層体、光学フィルターおよび撮像装置に関する。
撮像装置は、光電変換機能と蓄積機能を有する素子群および各素子に蓄積された信号電荷を順に取り出す走査機能を有する回路を一体構造で製作した装置である。
前記撮像装置は、基本的に、図1に示されたように、外部光を受光するレンズ10、光学フィルター20およびイメージセンサー30を含む。
前記構造において光学フィルター20は、良好な色再現性と鮮明な画像を得るために使用される。通常、光学フィルター20は、可視光を透過し、紫外光および/または近赤外光などの赤外光を遮蔽する機能を有するように形成され、このような光学フィルター20には、可視光を透過させると共に、紫外光および赤外光を遮断する透過率曲線を示すことが要求される。
しかしながら、可視光の短波長領域近傍の紫外光と可視光の長波長領域の赤外光を遮断し、可視光に対して高い透過率を有する光学フィルター20を確保することは容易ではない。
公知の技術として、基材に近赤外吸収色素を含有する光吸収層を積層した吸収素地をベースとして、前記吸収素地の両面に赤外光を反射および/または遮断する誘電体多層膜を積層した光学フィルターが知られている。
最近、撮像装置は、高画素化の傾向に伴い、イメージセンサーの高画素化が行われている。前記イメージセンサーが高画素化するにつれて、近赤外線部分の感度と反射率が高くなることによって、被写体を撮った写真で花びら状の赤色のフレア(flare)が発生する問題が次第に顕著になった。図2は、フレア(flare)現象の一例を示す図である。図2を参照すると、白色の矢印が表示する花びら状の赤色の帯がフレア(flare)現象である。具体的に、前記フレア現象は、高画素化につれて感度が向上したイメージセンサーの表面で光源から入射した近赤外線部分の光が反射し、前記イメージセンサーに当接している光学フィルターの誘電体多層膜が反射した光をさらに反射し、さらに反射した光は、イメージセンサーの表面に当接して、もう一度さらに反射し、このような現象が継続して繰り返し発生する。
したがって、最近の傾向を考慮して、優れた光学特性を有しながらも、フレア(flare)現象を防止できる吸収素地と光学フィルターの確保が必要である。
韓国公開特許第10-2015-0094631号公報
本出願は、可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができる積層体および撮像装置を提供することを目的とする。
また、本出願は、フレア(flare)現象を防止できる積層体および撮像装置を提供することを目的とする。
本出願において言及する物性のうち、測定温度および/または測定圧力が結果に影響を及ぼす物性は、特に明記しない限り、常温および/または常圧で測定した結果である。
本出願において使用する用語「常温」は、加温または減温されない自然のままの温度を意味する。例えば、前記常温は、10℃~30℃の範囲内のいずれか1つの温度であってもよく、約23℃または約25℃程度の温度を意味する。また、本出願において使用する温度の単位は、別段の定めがない限り、摂氏(℃)である。
本出願において使用する用語「常圧」は、加圧または加圧されない自然のままの圧力を意味する。例えば、前記常圧は、通常、大気圧レベルの約1気圧程度を意味する。
本出願において測定湿度が結果に影響を及ぼす物性の場合には、当該物性は、前記常温および/または常圧状態で特に調節されない自然のままの湿度で測定した物性である。
本出願において光学特性が光の波長によって変わる場合には、別段の定めがない限り、当該光学特性は、波長520nmの光に対して得られた結果である。
本出願において使用する用語「屈折率」は、25℃で400~1,200nmの波長領域で測定することができ、別段の定めがない限り、波長520nmの光に対して得られた屈折率を意味する。
本出願において使用する用語「透過率」は、別段の定めがない限り、特定波長で確認した実際の透過率(実測透過率)を意味する。また、本出願において使用する用語「反射率」は、別段の定めがない限り、特定波長で確認した実際の反射率(実測反射率)を意味する。
本出願において使用する用語「透過率」は、紫外可視分光光度計を利用して測定した値であり、入射角を特に規定しない限り、測定対象表面の法線を基準として入射角0度での光に対する透過率を意味する。また、本出願において使用する用語「反射率」は、紫外可視分光光度計を利用して測定した値であり、入射角を特に規定しない限り、測定対象表面の法線を基準として入射角0度での光に対する反射率を意味する。
本出願において使用する用語「平均透過率」は、別段の定めがない限り、統計分析プログラムであるミニタップToolを利用して3次スプライン方式の回帰方程式で計算した値を意味する。また、本出願において使用する用語「平均反射率」は、別段の定めがない限り、統計分析プログラムであるミニタップToolを利用して3次スプライン方式の回帰方程式で計算した値を意味する。
本出願において使用する用語「最大透過率(または最高透過率)」は、別段の定めがない限り、特定波長範囲内の透過率(実測透過率)のうち、最も高い透過率を意味し、最小透過率(または最低透過率)は、別段の定めがない限り、特定波長範囲内の透過率(実測透過率)のうち、最も低い透過率を意味する。
本出願において使用する用語「最大反射率」は、別段の定めがない限り、特定波長範囲内の反射率(実測反射率)のうち、最も高い反射率を意味し、最小反射率は、別段の定めがない限り、特定波長範囲内の反射率(実測反射率)のうち、最も低い反射率を意味する。
本出願において使用する用語「入射角」は、評価対象表面の法線を基準とする角度である。例えば、フィルターの入射角0度での透過率は、前記フィルター表面の法線に平行な方向に入射した光に対する透過率を意味し、入射角40度での透過率は、前記法線と時計または反時計回りの方向に40度の角度をなす入射光に対する透過率である。このような入射角の定義は、入射する光により測定される他の光学特性でも同一に適用される。
本出願において使用する用語「可視光線(または可視光)」は、約380~720nmの波長領域を有する光を意味する。また、本出願において使用する用語「紫外線(または紫外光)」は、10nm以上380nm未満の波長領域を有する光を意味する。また、本出願において使用する用語「赤外線(または赤外光)」は、720nm超過1mmの波長領域を有する光を意味し、そのうち、近赤外線(または近赤外光)は、720nm超過3μmの波長領域を有する光を意味する。
本出願において使用する用語「光吸収」は、特定波長または特定波長領域の光を吸収することを意味する。
本出願の一例による積層体は、近赤外線吸収ガラス基材および光吸収層を含んでもよい。
本出願の一例による積層体の近赤外線吸収ガラス基材は、Cu2+を含有していてもよい。前記Cu2+を通じて少なくとも一部領域の近赤外線を吸収することができる。また、前記近赤外線吸収ガラス基材は、全重量に対してCu2+を1~10重量%の範囲内で含んでもよい。前記Cu2+の含有量は、前記赤外線吸収ガラス基材の全重量に対して1.5重量%以上、2重量%以上、2.5重量%以上または3重量%以上、あるいは、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下または5重量%以下で含んでもよい。
一方、本出願の一例による積層体の近赤外線吸収ガラス基材は、Cu2+含有フッ化リン酸塩ガラスまたはCu2+含有リン酸塩ガラスであってもよい。前記近赤外線吸収ガラス基材を使用することによって、可視光に対して高い透過率を有すると同時に、近赤外光に対する高い遮蔽性を有していてもよい。また、前記Cu2+含有フッ化リン酸塩ガラスとCu2+含有リン酸塩ガラスは、ガラス骨格の一部がSiOで構成されるケイ酸リン酸塩ガラスを含んでもよい。
また、前記近赤外線吸収ガラス基材は、全重量に対してP5+を10~50重量%の範囲内で含んでもよい。前記P5+の含有量は、前記赤外線吸収ガラス基材の全重量に対して12重量%以上、14重量%以上、16重量%以上、18重量%以上または20重量%以上、あるいは、45重量%以下、40重量%以下または35重量%以下で含んでもよい。
一方、前記近赤外線吸収ガラス基材は、Fをさらに含む場合がありえる。前記近赤外線吸収ガラス基材がFをさらに含む場合には、全重量に対してFを15重量%以下、14重量%以下、13重量%以下、12重量%以下、11重量%以下または10重量%以下で含んでもよく、下限は、特に限定されるのではないが、0.1重量%以上または0.5重量%以上で含んでもよい。
また、前記近赤外線吸収ガラス基材は、全重量を基準としてFの含有量/Cu2+の含有量が0.5以上、0.6以上、0.7以上または0.8以上、あるいは、5以下、4.5以下、4以下または3.5以下を満たすことができる。前記近赤外線吸収ガラス基材のFの含有量/Cu2+の含有量が前記範囲を満たす場合には、優れた耐候性を確保することができる。
本出願の一例による積層体の近赤外線吸収ガラス基材は、前記構成の含有量を満たすと、特に限定されるものではないが、例えば、日本国HOYA社のCD700、CXA700,台湾PTOT社のKF099、ZF230、ドイツSCHOTT社のBG66などを使用することができる。
本出願の一例による積層体の近赤外線吸収ガラス基材に含まれる組成の含有量の割合は、波長分散X線蛍光(WD-XRF)分光法または誘導結合プラズマ(ICP)分光法を利用することによって測定することができる。
本出願の一例による積層体の近赤外線吸収ガラス基材は、400~550nmの波長領域を有する光に対する平均透過率が80%以上、81%以上、82%以上、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、87%以上または88%以上であってもよい。前記近赤外線吸収ガラス基材の400~550nmの波長領域を有する光に対する平均透過率の上限は、特に限定されないが、100%以下、99.99%以下、99.9%以下または99%以下であってもよい。
本出願の一例による積層体の近赤外線吸収ガラス基材は、750~1,000nmの波長領域を有する光に対する平均透過率が10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下または5%以下であってもよい。前記近赤外線吸収ガラス基材の750~1,000nmの波長領域を有する光に対する平均透過率の下限は、特に限定されないが、0%以上、0.1%以上または0.5%以上であってもよい。
本出願の一例による積層体の近赤外線吸収ガラス基材は、特に限定されるものではないが、前述した光学特性を考慮すると、0.1mm以上、0.125mm以上、0.15mm以上、0.175mm以上または0.2mm以上、あるいは、0.5mm以下、0.4mm以下または0.3mm以下の厚さを有していてもよい。
本出願の一例による積層体は、前述したように、光吸収層を含んでもよい。前記光吸収層は、近赤外線吸収ガラス基材の一面または両面に積層された形態で存在することができる。具体的に、本出願の一例による積層体は、近赤外線吸収ガラス基材/光吸収層または光吸収層A/近赤外線吸収ガラス基材/光吸収層B(ここで、光吸収層Aと光吸収層Bは、それぞれ独立的である)の構造で形成されてもよい。前述したように、本出願の一例による積層体が最外側の両面に光吸収層をそれぞれ含んでいる場合、1つの光吸収層を光吸収層Aと言え、他の1つの光吸収層を光吸収層Bと言える。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、光吸収組成物で形成することができる。具体的には、前記光吸収組成物を前述した近赤外線吸収ガラス基材の一面または両面に塗布し乾燥することによって、前記光吸収層を形成することができる。この際、塗布方式は、特に限定されず、スピンコート、ダイコート、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、浸漬コートまたはエアーナイフコートなど当業界において一般的に使用する塗布方式を使用することができる。前記光吸収層は、塗布された光吸収組成物を適切に乾燥して得ることができ、例えば、スピンコートを通じて一面に塗膜をコートし、乾燥オーブンで常温~150℃、常温~120℃または常温~40℃の範囲内で約5~300分の範囲内で乾燥して得ることができる。前記光吸収組成物は、以下で説明する光吸収層に含まれる透明樹脂、近赤外線吸収剤および紫外線吸収剤などを含んでいてもよい。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、近赤外線吸収剤と透明樹脂を含む層を意味し、場合によって、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤および透明樹脂を含む層を意味する。また、前記光吸収層は、前記近赤外線吸収剤(場合によって紫外線吸収剤もさらに含まれる)が前記透明樹脂に均一に分散している層であり、硬化していてもよい。また、前記光吸収層は、透明樹脂および近赤外線吸収剤(場合によって紫外線吸収剤もさらに含まれる)を含む光吸収組成物を基材に塗布した後、乾燥して形成することができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、近赤外線吸収剤を含んでもよい。また、本出願の一例による積層体の光吸収層は、紫外線吸収剤をさらに含むこともできる。ここで、本出願の他の一例による積層体の光吸収層は、近赤外線吸収剤を含む近赤外線吸収層と紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層を含んでもよい。
本出願において使用する用語「近赤外線吸収剤」は、近赤外線領域で吸収極大波長を有する吸収剤を意味する。また、前記近赤外線吸収剤は、可視光線領域で透過率が高いことが好ましく、前記透過率は、約80%以上、約81%以上、約82%以上、約83%以上、約84%以上または約85%以上であってもよい。
本出願の一例による積層体の光吸収層が含む近赤外線吸収剤は、当業界において使用するものであれば、特に限定されずに、使用することができ、例えば、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体系化合物、ジモニウム系化合物、ポリメチン系化合物、フタリド化合物、ナフトキノン系化合物およびアントラキノン系化合物からなる群から選ばれた1つ以上を含んでもよい。
本出願の一例による積層体の光吸収層が含む近赤外線吸収剤は、吸収極大波長が700nm以上720nm以下の範囲内である第1近赤外線吸収剤、吸収極大波長が720nm超過740nm以下の範囲内である第2近赤外線吸収剤、吸収極大波長が740nm超過760nm以下の範囲内である第3近赤外線吸収剤および吸収極大波長が760nm超過800nm以下の範囲内である第4近赤外線吸収剤からなる群から選ばれた3つ以上を含んでもよい。
従来の光学フィルターは、約700~750nmの波長領域の光を反射するように誘電体多層膜を設計したが、これを使用する場合、前述したように、花びら状の赤色のフレア(flare)が発生する問題があった。このような問題を改善するために、光学フィルターの誘電体多層膜を再設計して、約700~750nmの波長領域を有する光を透過させるようにしたが、この場合、前記光学フィルターが約750nm前後(約730~780nmの波長領域の範囲)の波長を有する光に対して約2%程度の透過率を有する2次ピーク(second peak)を発生させて、撮影に不要な光を吸収することによって、画像に問題をもたらした。
本出願の一例による積層体は、前記第1近赤外線吸収剤、第2近赤外線吸収剤、第3近赤外線吸収剤および第4近赤外線吸収剤からなる群から選ばれた3つ以上を含む光吸収層を含むことによって、前記積層体に誘電体多層膜を形成して光学フィルターを製造したとき、前述した2次ピークの発生問題を防止することができる。すなわち、誘電体多層膜を約700~750nmの波長領域を有する光を透過させるように設計して、本出願の一例による積層体に適用して光学フィルターを製造する場合、2次ピークの発生問題を防止することができる。これを通じて、不要な光を遮断して、フレア(flare)現象を防止し、可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願において使用する用語「吸収剤の吸収極大波長」は、250~1,300nmの範囲の光を前記吸収剤が含有された層に透過させたとき、前記光の透過率が最も低い波長を意味する。ここで、前記吸収剤が含有された層は、樹脂に前記吸収剤が分散した層を意味する。また、前記樹脂とは、硬化して層を形成したとき、可視光領域で透過率が少なくとも90%以上である樹脂を意味し、アクリル樹脂またはシリコーン樹脂など可視光領域で前記透過率を満たすと、特に限定されずに、使用することができる。
前記第1近赤外線吸収剤は、吸収極大波長が700nm以上720nm以下の範囲内であるスクアリリウム系化合物、シアニン系化合物およびフタロシアニン系化合物からなる群から選ばれた1つ以上を含んでもよい。また、光吸収層に含まれた前記第1近赤外線吸収剤は、吸収極大波長の光に対するOD(光学密度、optical density)値が0.5~1.2の範囲内であってもよい。別の例では、前記第1近赤外線吸収剤のOD値は、0.55以上、0.6以上、0.65以上、0.7以上、0.75以上、0.8以上、0.85以上、0.9以上または0.95以上であるか、1.15以下、1.1以下、1.05以下または1以下であってもよい。
本出願において使用する用語「OD(光学密度、optical density)値」は、当該吸収剤が含有された層に対して前記吸収剤の吸収極大波長に対する光を透過させたとき、透過する前の光エネルギーE2に対して透過した後の光エネルギーE1の値を常用ログを取って得られる値の負の値を意味する。具体的に、前記ODは、下記[OD式]によって測定することができる。
[OD式]
OD(光学密度、optical density)値=-log10(E1/E2)
前記第2近赤外線吸収剤は、吸収極大波長が720nm超過740nm以下の範囲内であるスクアリリウム系化合物、シアニン系化合物およびフタロシアニン系化合物からなる群から選ばれた1つ以上を含んでもよい。また、光吸収層に含まれた前記第2近赤外線吸収剤は、吸収極大波長の光に対するOD(光学密度、optical density)値が0.2~0.6の範囲内であってもよい。別の例では、前記第2近赤外線吸収剤のOD値は、0.25以上、0.3以上、0.35以上または0.4以上であるか、0.55以下、0.5以下または0.45以下であってもよい。
前記第3近赤外線吸収剤は、吸収極大波長が740nm超過760nm以下の範囲内であるスクアリリウム系化合物、シアニン系化合物およびフタロシアニン系化合物からなる群から選ばれた1つ以上を含んでもよい。また、光吸収層に含まれた前記第3近赤外線吸収剤は、吸収極大波長の光に対するOD(光学密度、optical density)値が0.4~1の範囲内であってもよい。別の例では、前記第3近赤外線吸収剤のOD値は、0.45以上、0.5以上、0.55以上または0.6以上であるか、0.95以下、0.9以下、0.85以下、0.8以下、0.75以下、0.7以下または0.65以下であってもよい。
前記第4近赤外線吸収剤は、吸収極大波長が760nm超過800nm以下の範囲内であるスクアリリウム系化合物、シアニン系化合物およびフタロシアニン系化合物からなる群から選ばれた1つ以上を含んでもよい。また、光吸収層に含まれた前記第4近赤外線吸収剤は、吸収極大波長の光に対するOD(光学密度、optical density)値が0.5~1.1の範囲内であってもよい。
前記光吸収層において含まれた近赤外線吸収剤の種類、個数および/または含有量によって前記それぞれの近赤外線吸収剤のOD値は異なっていてもよく、本出願の一例による積層体の光吸収層は、第1近赤外線吸収剤、第2近赤外線吸収剤、第3近赤外線吸収剤および第4近赤外線吸収剤からなる群から選ばれた3つ以上を含む光吸収層を含みながらも、前記それぞれの近赤外線吸収剤のOD値をそれぞれ前述した範囲内に満たすことによって、不要な光を遮断して、フレア(flare)現象を防止し、可視光線の透過率が高く、可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、透明樹脂100重量部に対して近赤外線吸収剤を0.1重量部以上、0.2重量部以上、0.3重量部以上、0.4重量部以上、0.5重量部以上、0.6重量部以上、0.7重量部以上、0.8重量部以上、0.9重量部以上または1重量部以上、あるいは、3重量部以下、2.8重量部以下、2.6重量部以下、2.4重量部以下、2.2重量部以下、2重量部以下、1.8重量部以下、1.6重量部以下、1.4重量部以下または1.2重量部以下で含んでもよい。前記光吸収層において近赤外線吸収剤の含有量の割合が前記範囲を満たす場合には、可視光の長波長領域の赤外光を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光透過バンドを得ることができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層に含まれた近赤外線吸収剤の合算されたOD値は、2~3の範囲内であってもよい。ここで、前記光吸収層に含まれた近赤外線吸収剤の合算されたOD値は、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、2.5以上、2.6以上または2.7以上であるか、2.95以下、2.9以下、2.85以下、2.8以下または2.75以下であってもよい。また、本出願の一例による積層体の光吸収層は、前述したように、第1近赤外線吸収剤、第2近赤外線吸収剤、第3近赤外線吸収剤および第4近赤外線吸収剤からなる群から選ばれた3つ以上を含みながらも、前記光吸収層に含まれた近赤外線吸収剤の全体合算されたOD値を前記範囲内に満たすことによって、不要な光を遮断して、フレア(flare)現象を防止し、可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願において使用する用語「紫外線吸収剤」は、紫外線領域で吸収極大波長を有する吸収剤を意味する。また、紫外線吸収剤は、可視光線領域で透過率が高いことが好ましく、前記透過率は、約80%以上、約81%以上、約82%以上、約83%以上、約84%以上または約85%以上であってもよい。
本出願の一例による積層体の光吸収層が含む紫外線吸収剤は、当業界において使用するものであれば、特に限定されずに、使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキサゾール系化合物、メロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ナフタルイミド系化合物、オキサジアゾール系化合物、オキサジン系化合物、オキサゾリジン系化合物、ナフタル酸系化合物、スチリル系化合物、アントラセン系化合物、環状カルボニル系化合物、アゾメチン系化合物、インドール系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキシアニリド系化合物およびトリアゾール系化合物からなる群から選ばれた1つ以上を含んでもよい。
本出願の一例による積層体の光吸収層が含む紫外線吸収剤は、吸収極大波長が350nm以上400nm以下の範囲内であるアゾメチン系化合物、インドール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物およびオキシアニリド系化合物からなる群から選ばれた1つ以上を含んでもよい。前記紫外線吸収剤の吸収極大波長が前記範囲を満たすことによって、可視光線の短波長領域近傍の紫外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができる。
また、前記光吸収層に含まれた前記紫外線吸収剤は、吸収極大波長の光に対するOD(光学密度、optical density)値が0.8~1.5の範囲内であってもよい。別の例では、前記紫外線吸収剤のOD値は、0.85以上、0.9以上、0.95以上、1以上、1.05以上、1.1以上、1.15以上または1.2以上であるか、1.45以下、1.4以下、1.35以下、1.3以下または1.25以下であってもよい。前記紫外線吸収剤のOD値が前記範囲を満たすことによって、可視光線の短波長領域近傍の紫外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、透明樹脂100重量部に対して紫外線吸収剤を1重量部以上、1.5重量部以上、2重量部以上、2.5重量部以上または3重量部以上、あるいは、5重量部以下、4.5重量部以下、4重量部以下または3.5重量部以下で含んでもよい。前記光吸収層において赤外線吸収剤の含有量の割合が前記範囲を満たす場合には、可視光線の短波長領域近傍の紫外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光透過バンドを得ることができ、可視光線の短波長領域近傍の透過率曲線が変化して発生するパープルフリンジ(purple fringe)現象(被写体の端部で紫色の帯が現れる)を効果的に防止することができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層が近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤を同時に含んでいる場合、前記光吸収層に含まれた近赤外線吸収剤の合算されたOD値ODNIRと前記光吸収層に含まれた紫外線吸収剤の合算されたOD値ODUVとの比ODNIR/ODUVは、1~3の範囲内であってもよい。前記比ODNIR/ODUVは、1.2以上、1.4以上、1.6以上、1.8以上、2以上または2.2以上、あるいは、2.9以下、2.8以下、2.7以下または2.6以下を満たすことができる。前記光吸収層が前記比ODNIR/ODUVを前記範囲内で満たす場合には、不要な光を遮断して、フレア(flare)現象を防止し、可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。また、本出願の一例による積層体の光吸収層に含まれた近赤外線吸収剤の合算されたOD値は、2~3の範囲内であり、前記比ODNIR/ODUVを前記範囲内に満たすことができ、この場合、フレア(flare)現象を防止することができる。
ここで、前記OD値は、近赤外線吸収剤と紫外線吸収剤それぞれが含む化合物の個数が1個であれば、当該化合物に対するそれぞれのOD値を意味し、様々な化合物を含んでいる場合であれば、含まれたすべての化合物の合算されたOD値を意味する。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、前述したように、透明樹脂を含んでもよい。前記透明樹脂は、硬化したときに測定した屈折率が1.4以上、1.45以上、1.5以上、1.55以上または1.6以上であるか、2.5以下、2.4以下、2.3以下、2.2以下、2.1以下または2以下であってもよい。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、全重量に対して透明樹脂を90重量%以上、91重量%以上、92重量%以上、93重量%以上、94重量%以上、95重量%以上、96重量%以上、97重量%以上、98重量%以上または99重量%以上で含んでもよい。
また、前記透明樹脂としては、ポリアクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン-チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂およびポリエステル樹脂からなる群から選ばれた1つ以上を含むか、当業界において透明な性質を有する樹脂を制限なしで使用することができる。
また、前記透明樹脂は、ガラス転移温度Tが100℃以上、110℃以上、120℃以上、130℃以上または140℃以上であるか、400℃以下、380℃以下、360℃以下または340℃以下であってもよい。前記ガラス転移温度は、DSC(differential scanning calorimetry)を通じて測定することができる。前記透明樹脂が前述したガラス転移温度を有する場合には、後述する誘電体多層膜を形成するための蒸着工程での蒸着温度による変形を防止することができる。
また、前記透明樹脂は、厚さ0.1mmでの透過率が70%以上、75%以上、80%以上または85%以上であるか、99%以下または95%以下であってもよい。前記透明樹脂が前述した透過率を満たす場合には、後述する光学フィルターとして良好な透明性を確保することができる。
前述したように、本出願の一例による光吸収組成物は、近赤外線吸収剤を含んでもよく、透明樹脂および/または紫外線吸収剤をさらに含んでもよい。また、前記光吸収組成物は、場合によって溶媒をさらに含んでいてもよい。
前記光吸収組成物は、溶媒を除いた残りの構成(固形分基準)の全重量に対して透明樹脂を90重量%以上、91重量%以上、92重量%以上、93重量%以上、94重量%以上または95重量%以上、あるいは、99重量%以下、98重量%以下、97重量%以下または96重量%以下で含んでもよい。
前記光吸収組成物は、透明樹脂100重量部に対して近赤外線吸収剤を0.1重量部以上、0.2重量部以上、0.3重量部以上、0.4重量部以上、0.5重量部以上、0.6重量部以上、0.7重量部以上、0.8重量部以上、0.9重量部以上または1重量部以上、あるいは、3重量部以下、2.8重量部以下、2.6重量部以下、2.4重量部以下、2.2重量部以下、2重量部以下、1.8重量部以下、1.6重量部以下、1.4重量部以下または1.2重量部以下で含んでもよい。
また、前記光吸収組成物は、透明樹脂100重量部に対して紫外線吸収剤を1重量部以上、1.5重量部以上、2重量部以上、2.5重量部以上または3重量部以上、あるいは、5重量部以下、4.5重量部以下、4重量部以下または3.5重量部以下で含んでもよい。
前記光吸収組成物は、溶媒としてケトン化合物を使用することができる。前記ケトン化合物を通じて前記光吸収組成物内に含まれた吸収剤を透明樹脂内に均一に分散ないし溶解させて、位置によって光学特性の差異が少ない光吸収層を形成させることができる。前記ケトン化合物としては、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトンなどを使用することができる。前記光吸収組成物は、透明樹脂100重量部に対して溶媒を100重量部以上、150重量部以上、200重量部以上、250重量部以上、300重量部以上、350重量部以上、400重量部以上、450重量部以上または500重量部以上、あるいは、5,000重量部以下、4,000重量部以下、3,000重量部以下、2,000重量部以下、1,000重量部以下、900重量部以下、800重量部以下、700重量部以下または600重量部以下で含んでもよいが、これに特に限定されるものではない。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、1μm以上、1.2μm以上、1.4μm以上、1.6μm以上、1.8μm以上、2μm以上、2.2μm以上、2.4μm以上、2.6μm以上、2.8μm以上または3μm以上、あるいは、10μm以下、9.5μm以下、9μm以下、8.5μm以下、8μm以下、7.5μm以下、7μm以下、6.5μm以下、6μm以下、5.5μm以下、5μm以下、4.5μm以下、4μm以下または3.5μm以下の厚さを有していてもよい。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、以下に列挙した光学特性を1つ以上有していてもよい。前記光吸収層の光学特性は、前述した透明樹脂、近赤外線吸収剤および紫外線吸収剤の組み合わせによって達成することができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、400~550nmの波長領域の光に対する平均透過率が80%以上、80.5%以上、81%以上、81.5%以上、82%以上、82.5%以上、83%以上、83.5%以上または84%以上であってもよい。前記積層体の光吸収層は前記波長領域内平均透過率が前記範囲を満たす場合には、可視光線に対する高透過率を確保し、優れた色再現性を得ることができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、700~800nmの波長領域の光に対する平均透過率が20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下または15%以下であってもよい。前記積層体の光吸収層は、前記波長領域内平均透過率が前記範囲を満たす場合には、2次ピークの発生問題を防止して、フレア(flare)現象を防止し、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、720~780nmの波長領域の光に対する平均透過率が15%以下、14.5%以下、14%以下、13.5%以下、13%以下、12.5%以下または12%以下であってもよい。前記積層体の光吸収層は前記波長領域内平均透過率が前記範囲を満たす場合には、2次ピークの発生問題を防止して、フレア(flare)現象を防止し、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、750nmの光に対する透過率が15%以下、14.5%以下、14%以下、13.5%以下、13%以下、12.5%以下または12%以下であってもよい。前記積層体の光吸収層は、前記波長領域での透過率が前記範囲を満たす場合には、2次ピークの発生問題を防止して、フレア(flare)現象を防止し、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による積層体の光吸収層は、300~1,200nmの波長領域の光に対して吸収半値幅(FWHM,full width half maximum)が120nm~200nmの範囲内であってもよい。前記光吸収層の吸収半値幅は、別の例では、125nm以上、130nm以上、135nm以上または140nm以上であるか、190nm以下、185nm以下、180nm以下、175nm以下、170nm以下、165nm以下、160nm以下、155nm以下、150nm以下または145nm以下であってもよい。前記光吸収層の吸収半値幅を前記範囲内に制御する場合、2次ピークの発生問題を防止して、フレア(flare)現象を防止し、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による積層体は、以下に列挙した光学特性を1つ以上有していてもよい。前記積層体の光学特性は、近赤外線吸収ガラス基材および光吸収層の組み合わせによって達成することができる。
本出願の一例による積層体は、720~780nmの波長領域の光に対する平均透過率が1%以下、0.95%以下、0.9%以下、0.85%以下、0.8%以下、0.75%以下、0.7%以下または0.65%以下であってもよい。前記720~780nmの波長領域の光に対する平均透過率の下限は、0%に近いほど優れた物性に該当するものであり、0%以上、0.01%以上または0.1%以上であってもよい。前記積層体の720~780nmの波長領域の光に対する平均透過率が前記範囲を満たす場合には、前記積層体に誘電体多層膜を形成して光学フィルターを製造したとき、前述した2次ピークの発生問題を防止することができ、これによって、不要な光を遮断して、フレア(flare)現象を防止し、可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による積層体は、750nmの光に対する透過率が1%以下、0.95%以下、0.9%以下、0.85%以下、0.8%以下、0.75%以下、0.7%以下、0.65%以下、0.6%以下、0.55%以下、0.5%以下、0.45%以下、0.4%以下または0.35%以下であってもよい。前記750nmの光に対する透過率の下限は、0%に近いほど優れた物性に該当するものであり、0%以上、0.01%以上または0.1%以上であってもよい。前記積層体の750nmの光に対する透過率が前記範囲を満たす場合には、前記積層体に誘電体多層膜を形成して光学フィルターを製造したとき、前述した2次ピークの発生問題を防止することができ、これによって、不要な光を遮断して、フレア(flare)現象を防止し、可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による積層体は、400~550nmの波長領域の光に対する平均透過率が70%以上、71%以上、72%以上、73%以上、74%以上、75%以上、76%以上、77%以上、78%以上または79%以上であってもよい。前記400~550nmの波長領域の光に対する平均透過率の上限は、100%に近いほど優れた物性に該当するものであり、100%以下、99%以下または98%以下であってもよい。前記積層体の400~550nmの波長領域の光に対する平均透過率が前記範囲を満たす場合には、可視光線に対する高透過率を確保し、優れた色再現性を得ることができる。
本出願の一例による積層体は、750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率が5%以下、4.9%以下、4.8%以下、4.7%以下、4.6%以下、4.5%以下、4.4%以下、4.3%以下または4.2%以下であってもよい。前記750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率の下限は、0%に近いほど優れた物性に該当するものであり、0%以上、0.01%以上または0.1%以上であってもよい。前記積層体の750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率が前記範囲を満たす場合には、可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による積層体は、下記一般式1によるTs1の絶対値が1%以下、0.95%以下、0.9%以下、0.85%以下、0.8%以下、0.75%以下、0.7%以下、0.65%以下または0.6%以下であってもよい。前記積層体の一般式1によるTs1の絶対値が前記範囲を満たす場合には、前記積層体に誘電体多層膜を形成して光学フィルターを製造したとき、前述した2次ピークの発生問題を防止することができ、これによって、不要な光を遮断して、フレア(flare)現象を防止し、可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
[一般式1]
s1=(T780-720)/(780-720)×100
一般式1で、T780は、780nmの波長の光に対する透過率を意味し、T720は、720nmの波長の光に対する透過率を意味する。
本出願の一例による積層体は、500~750nmの波長領域の光に対して透過率が50%である光の波長λcutoffは、600~640nmの範囲内であってもよい。前記500~750nmの波長領域の光に対して透過率が50%である光の波長λcutoffは、605nm以上、610nm以上または615nm以上であるか、635nm以下、630nm以下、625nm以下または620nm以下であってもよい。前記積層体の500~750nmの波長領域の光に対して透過率が50%である光の波長λcutoffが前記範囲を満たす場合には、可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による積層体は、300~450nmの波長領域の光に対して透過率が50%である光の波長λcutonは、390~430nmの範囲内であってもよい。前記300~450nmの波長領域の光に対して透過率が50%である光の波長λcutonは、395nm以上、400nm以上、405nm以上または410nm以上であるか、425nm以下、420nm以下または415nm以下であってもよい。前記積層体の300~450nmの波長領域の光に対して透過率が50%である光の波長λcutonが前記範囲を満たす場合には、可視光線の短波長領域近傍の紫外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による光学フィルターは、近赤外線吸収ガラス基材、光吸収層および誘電体多層膜を含んでもよい。ここで、近赤外線吸収ガラス基材および光吸収層は、前述した本出願の一例による積層体で説明したものと同一であるので、詳細な内容は省略することとする。
従来の光学フィルターは、約700~750nmの波長領域を有する光を反射するように誘電体多層膜を設計したが、これを使用する場合、前述したように、花びら状の赤色のフレア(flare)が発生する問題があった。このような問題を改善するために、光学フィルターの誘電体多層膜を再設計して、約700~750nmの波長領域を有する光を透過させるようにしたが、この場合、前記光学フィルターが約750nm前後(約730~780nmの波長領域の範囲)の波長を有する光に対して約2%程度の透過率を有する2次ピーク(second peak)を発生させて、撮影に不要な光を吸収することによって、画像に問題をもたらした。
本出願の一例による光学フィルターは、誘電体多層膜を赤色のフレアが発生しないように関連波長領域の光を透過するように設計し、前記誘電体多層膜を前述した本出願の一例による積層体に形成することによって、前記誘電体多層膜の設計によって発生しうる2次ピークも防止して、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による光学フィルターは、近赤外線吸収ガラス基材の片面または両面に光吸収層が位置していてもよい。また、前記光学フィルターは、最外側の両面にそれぞれ誘電体多層膜が位置していてもよく、そのうち、1つは、第1誘電体多層膜であり、他の1つは、第2誘電体多層膜と言える。特に、光学フィルターが近赤外線吸収ガラス基材の片面に光吸収層が位置している場合、前記近赤外線吸収ガラス基材に当接している誘電体多層膜が第1誘電体多層膜であってもよく、前記光吸収層に当接している誘電体多層膜が第2誘電体多層膜であってもよい。ここで、前記第1誘電体多層膜は、いわゆるIR(infrared)反射層と呼ばれ、前記第2誘電体多層膜は、いわゆるAR(Anti-reflection)層と呼ばれる。
本出願の一例による第1誘電体多層膜は、600~850nmの波長領域の光に対して反射率が50%である光の波長λR、cutoffが750~780nmの範囲内であってもよい。前記第1誘電体多層膜の前記波長λR、cutoffを前記範囲内に満たすことによって、赤色のフレアを発生させる近赤外線を透過させることができる。
また、前記第1誘電体多層膜は、600~850nmの波長領域のn度(ここで、nは、30または40である)の入射角を有する光に対して反射率が50%である光の波長λR、n/cutoffが700~760nmの範囲内であってもよい。前記第1誘電体多層膜の前記波長λR、n/cutoffを前記範囲内に満たすことによって、入射角が変わった光に対して赤色のフレアを発生させる近赤外線を透過させることができる。
また、前記第1誘電体多層膜は、750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率が10%以下、9.5%以下、9%以下、8.5%以下、8%以下または7.5%以下であってもよい。前記750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率の下限は、0%に近いほど優れた物性に該当するものであり、0%以上、0.01%以上または0.1%以上であってもよい。前記第1誘電体多層膜のこのような特性は、IR(infrared)反射層の特性と言える。また、前記第1誘電体多層膜は、750~1,000nmの波長領域のn度(ここで、nは、30または40である)の入射角を有する光に対する平均透過率が5%以下、4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下または2.5%以下であってもよい。前記750~1,000nmの波長領域のn度(ここで、nは、30または40である)の入射角を有する光に対する平均透過率の下限は、0%に近いほど優れた物性に該当するものであり、0%以上、0.01%以上または0.1%以上であってもよい。
また、前記第1誘電体多層膜は、700~750nmの波長領域の光に対する平均透過率が50%以上、52%以上、54%以上、56%以上、58%以上、60%以上、62%以上または64%以上であってもよい。前記700~750nmの波長領域の光に対する平均透過率の上限は、100%に近いほど優れた物性に該当するものであり、100%以下、99%以下または98%以下であってもよい。前記第1誘電体多層膜の700~750nmの波長領域の光に対する平均透過率を前記範囲内に満たすことによって、赤色のフレアを発生させる近赤外線を透過させることができる。
また、前記第1誘電体多層膜は、屈折率が1.8~3.5の範囲内である第1誘電体層と屈折率が1.1~1.7の範囲内である第2誘電体層を交互に積層した誘電体積層膜を含んでもよい。前記第1誘電体層の屈折率は、約1.9以上、2以上、2.2以上、2.4以上、2.5以上または2.55以上であるか、3.5以下、3.3以下、3.1以下、2.9以下または2.7以下であってもよい。また、前記第2誘電体層の屈折率は、約1.1以上、1.2以上、1.3以上または1.4以上であるか、1.7以下、1.65以下、1.6以下、1.55以下または1.5以下であってもよい。また、前記第1誘電体層の屈折率n1と第2誘電体層の屈折率n2の比n1/n2は、約1.4以上、1.45以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上または1.65以上または1.7以上であるか、2以下、1.95以下、1.9以下、1.85以下、1.8以下、1.75以下または1.7以下であってもよい。
また、前記第1誘電体多層膜において、前記第1誘電体層および第2誘電体層は、近赤外線吸収ガラス基材および光吸収層の屈折率を考慮して、上記の範囲を満たすように適切な材料が選択できる。前記第1誘電体層としてTiO、Ta、Nb、ZnSまたはZnSeなどを適用することができ、前記第2誘電体層としてSiOまたはNaAl14、NaAlFまたはMgFなどのフッ化物を適用することができるが、当業界において使用するものであれば、特に限定されるものではない。
また、前記第1誘電体多層膜が近赤外線吸収ガラス基材に当接している場合、前記第1誘電体多層膜は、基材と接触する誘電体層は、NaAl14、NaAlFおよび/またはMgFなどを含むフッ化物層を含み、前記フッ化物層上に前述した第1誘電体層および第2誘電体層が交互に積層した誘電体積層膜を含んでもよい。前記フッ化物層を導入することによって、第1誘電体多層膜と近赤外線吸収ガラス基材との間の接着力をより向上させて、光学フィルターの耐久度を強化させることができる。
また、前記第1誘電体多層膜において、前記第1および第2誘電体層のそれぞれの厚さは、目的によって調節することができるが、それぞれ独立して、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、30nm以上、35nm以上、40nm以上、45nm以上、50nm以上、55nm以上、60nm以上、65nm以上、70nm以上、75nm以上または80nm以上であるか、200nm以下、190nm以下、180nm以下、170nm以下、160nm以下、150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、110nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下または15nm以下であってもよい。
また、前記第1誘電体多層膜において、誘電体積層膜は、15層~35層または40層~100層の範囲内の層数を有していてもよい。具体的に、前記誘電体積層膜は、第1および第2誘電体層を交互に積層しつつ、前記第1および第2誘電体層のすべての層数の合計を15層~35層または40層~100層となるように制御することができる。前記第1誘電体多層膜を前記範囲内に制御する場合、前述した光学特性を満たすことができる。前記第1誘電体多層膜において、誘電体積層膜は、18層~25層の範囲内であってもよく、別の例では、40層~50層の範囲内であってもよい。
本出願の一例による第2誘電体多層膜は、750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率が90%以上、91%以上、92%以上または93%以上であってもよい。前記750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率の上限は、100%に近いほど優れた物性に該当するものであり、100%以下、99%以下または98%以下であってもよい。前記第2誘電体多層膜のこのような特性は、AR(Anti-reflection)層の特性と言える。また、前記第2誘電体多層膜は、750~1,000nmの波長領域のn度(ここで、nは、30または40である)の入射角を有する光に対する平均透過率が90%以上、91%以上、92%以上または93%以上であってもよい。前記750~1,000nmの波長領域のn度(ここで、nは、30または40である)の入射角を有する光に対する平均透過率の上限は、100%に近いほど優れた物性に該当するものであり、100%以下、99%以下または98%以下であってもよい。
本出願の一例による第2誘電体多層膜は、屈折率が1.8~3.5の範囲内である第1誘電体層と屈折率が1.1~1.7の範囲内である第2誘電体層を交互に積層した誘電体積層膜を含んでもよい。前記第1誘電体層の屈折率は、約1.9以上、2以上、2.2以上、2.4以上、2.5以上または2.55以上であるか、3.5以下、3.3以下、3.1以下、2.9以下または2.7以下であってもよい。また、前記第2誘電体層の屈折率は、約1.1以上、1.2以上、1.3以上または1.4以上であるか、1.7以下、1.65以下、1.6以下、1.55以下または1.5以下であってもよい。また、前記第1誘電体層の屈折率n1と第2誘電体層の屈折率n2の比n1/n2は、約1.4以上、1.45以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上または1.65以上または1.7以上であるか、2以下、1.95以下、1.9以下、1.85以下、1.8以下、1.75以下または1.7以下であってもよい。
また、前記第2誘電体多層膜において、前記第1誘電体層および第2誘電体層は、近赤外線吸収ガラス基材および光吸収層の屈折率を考慮して、上記範囲を満たすように適切な材料が選択できる。前記第1誘電体層としてTiO、Ta、Nb、ZnSまたはZnSeなどを適用することができ、前記第2誘電体層としてSiOまたはNaAl14、NaAlFまたはMgFなどのフッ化物を適用することができるが、当業界において使用するものであれば、特に限定されるものではない。
また、前記第2誘電体多層膜において、前記第1および第2誘電体層のそれぞれの厚さは、目的によって調節することができるが、それぞれ独立して、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、30nm以上、35nm以上、40nm以上、45nm以上、50nm以上、55nm以上、60nm以上、65nm以上、70nm以上、75nm以上または80nm以上であるか、500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、190nm以下、180nm以下、170nm以下、160nm以下、150nm以下、140nm以下、130nm以下、120nm以下、110nm以下、100nm以下、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下、30nm以下、20nm以下または15nm以下であってもよい。
また、前記第2誘電体多層膜において、誘電体積層膜の層数は、特に限定されるものではなく、必要に応じて設計して適用することができる。
本出願の一例による第2誘電体多層膜は、可視光線領域での反射率を大幅に低減することによって、可視光線に対する高透過率を確保し、優れた色再現性を得ることができる。前記第2誘電体多層膜は、450~750nmの波長領域の光に対して平均反射率が1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下または0.4%以下であってもよい。前記450~750nmの波長領域の光に対して平均反射率の下限は、0%に近いほど優れた物性に該当するものであり、0%以上、0.01%以上または0.1%以上であってもよい。また、前記第2誘電体多層膜は、450~750nmの波長領域のn度(ここで、nは、30または40である)の入射角を有する光に対して平均反射率が1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下または0.2%以下であってもよい。前記第2誘電体多層膜は、450~750nmの波長領域の光に対して平均反射率を低減することによって、入射角が変わった光に対しても高透過率を確保し、優れた色再現性を得ることができる。
上記のように、第2誘電体多層膜は、450~750nmの波長領域の光に対して平均反射率を低減するために、誘電体積層膜は、2~15層、3~14層、4~13層、5~12層、6~11層または7~10層であってもよい。
本出願の一例による光学フィルターの第1および第2誘電体多層膜において、前述した誘電体積層膜の第1および第2誘電体層以外にも、他の誘電体層を含むこともでき、前記第1および第2誘電体多層膜で誘電体積層膜の全層数に対して前記第1および第2誘電体層の合計層数の割合は、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上であってもよく、第1および第2誘電体層のみで形成されていてもよい。
本出願の一例による光学フィルターの誘電体多層膜を形成する方式は、特に限定されず、例えば、公知の蒸着方式を適用して形成することができる。
本出願の一例による光学フィルターは、730~780nmの波長領域の光に対する最大透過率が1%以下、0.95%以下、0.9%以下または0.85%以下であってもよい。前記光学フィルターは、730~780nmの波長領域の光に対する最大透過率を前記範囲内に制御することによって、フレア(flare)現象を防止して、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
また、本出願の一例による光学フィルターは、730~780nmの波長領域の光に対する平均透過率が0.5%以下、0.48%以下、0.46%以下、0.44%以下、0.42%以下、0.4%以下、0.38%以下、0.36%以下、0.34%以下、0.32%以下または0.3%以下であってもよい。前記光学フィルターは、730~780nmの波長領域の光に対する平均透過率を前記範囲内に制御することによって、フレア(flare)現象を防止して、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
本出願の一例による光学フィルターは、下記条件1~条件4からなる群から選ばれた1つ以上、2つ以上、3つ以上または全部を満たすことができる。前記光学フィルターが下記条件1~4からなる群から選ばれた1つ以上、2つ以上、3つ以上または全部を満たす場合には、不要な光を遮断して、フレア(flare)現象を防止し、可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができ、人の目に似た形態の画像を得ることができる。
条件1:430~565nmの波長領域の光に対する平均透過率が85%以上であり、430~565nmの波長領域の光に対する最小透過率が75%以上であってもよい。ここで、前記平均透過率は、86%以上、87%以上、88%以上、89%以上または90%以上であるか、上限は、特に限定されるものではなく、100%以下、99.9%以下または99%以下であってもよい。また、前記最小透過率は、76%以上、77%以上または77.5%以上であるか、上限は、特に限定されるものではなく、100%以下、99.9%以下または99%以下であってもよい。
条件2:700~725nmの波長領域の光に対する平均透過率が5%以下であってもよい。ここで、平均透過率は、4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下または2.8%以下であるか、下限は、特に限定されるものではなく、0%以上、0.1%以上または0.5%以上であってもよい。
条件3:800~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率が3%以下であってもよい。ここで、平均透過率は、2.9%以下、2.8%以下、2.7%以下または2.6%以下であるか、下限は、特に限定されるものではなく、0%以上、0.01%以上または0.1%以上であってもよい。
条件4:350~450nmの波長領域の光に対して透過率が50%であるときの波長λF、cutonが390~420nmの範囲内にある。ここで、前記波長領域を有する光に対して透過率が50%である波長が複数個である場合には、そのうち、最も小さい波長が前記350~450nmの波長領域の光に対して透過率が50%であるときの波長λF、cutonであってもよい。また、600~700nmの波長領域の光に対して透過率が50%であるときの波長λF、cutoffが610~640nmの範囲内にありえる。ここで、前記波長領域を有する光に対して透過率が50%である波長が複数個である場合には、そのうち、最も大きい波長が前記600~700nmの波長領域の光に対して透過率が50%であるときの波長λF、cutoffであってもよい。
本出願の一例による光学フィルターは、下記一般式2によるλd、cutoffの絶対値が15nm以下、14.5nm以下、14nm以下、13.5nm以下、13nm以下、12.5nm以下、12nm以下、11.5nm以下、11nm以下、10.5nm以下、10nm以下、9.5nm以下、9nm以下、8.5nm以下、8nm以下、7.5nm以下、7nm以下、6.5nm以下、6nm以下、5.5nm以下、5nm以下、4.5nm以下、4nm以下、3.5nm以下または3nm以下であってもよい。前記光学フィルターは、下記一般式2によるλd、cutoffの絶対値が前記範囲を満たす場合には、入射角が変わった光に対しても優れた色再現性を得ることができる。
[一般式2]
λd、cutoff=λF、cutoff-λF、n/cutoff
一般式2で、λF、cutoffは、600~700nmの波長領域の0度の入射角を有する光に対して透過率が50%であるときの波長であり、λF、n/cutoffは、600~700nmの波長領域のn度の入射角を有する光に対して透過率が50%であるときの波長であり、前記nは、30または40である。
本出願の一例による光学フィルターは、下記の撮影条件によって撮影した写真に対してColor picker toolでRGB値を抽出し、前記写真においてR値が最も小さい地点とR値が最も大きい地点とのR値の差の絶対値が0~50、0~45、0~40、0~35または0~30の範囲内であってもよい。一方、前記R値の差の絶対値が前記範囲を外れる場合には、フレア現象が発生したと見られる。
[撮影条件]
前記光学フィルターを装着した後面カメラで色温度が3100KであるハロゲンLED光源を被写体とし、前記後面カメラと光源との間の距離を50cmとして、暗室で写真撮影を進める。
前記暗室は、完全な黒色ではなくても、実質的に暗室という意味であり、前記撮影条件で撮影した写真に対してColor picker toolでRGB値を抽出したとき、RGB値がそれぞれ独立して、0~50、0~40、0~30、0~20または0~15の範囲内を満たすことができる。
一方、前記写真は、光源を中心に半径が1m以内の範囲内で撮影されたものであってもよい。
また、前記光学フィルターで前記撮影した写真に対して抽出したRGB値に対して、R値が最も大きい地点でのR値とG値の差の絶対値は、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、0~20、0~15、0~10または0~5の範囲内であり、R値とB値の差の絶対値は、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、0~20、0~15、0~10または0~5の範囲内であってもよい。一方、前記R値が最も大きい地点でのR値とG値の差の絶対値とR値とB値の差の絶対値が前記範囲を外れる場合には、フレア現象が発生したと見られる。
本出願の一例による光学フィルターが前記撮影条件によって撮影した写真に対して抽出したRGBの関係が前記範囲内を満たす場合には、フレア現象が防止できることが分かる。
本出願の撮像装置は、本出願の一例による積層体または光学フィルターを含んでいてもよい。また、前記撮像装置は、イメージセンサーなどの他の公知の要素も含んでもよく、含まれる構成や形態などにも公知の内容を制限なしで適用することができる。
本出願は、可視光線の透過率が高く、可視光線の短波長領域近傍の紫外線と可視光線の長波長領域の赤外線を効率的かつ正確に遮断しつつ、シャープな可視光線透過バンドを得ることができる積層体および撮像装置を提供することができる。
また、本出願は、フレア(flare)現象を防止できる積層体および撮像装置を提供することができる。
撮像装置の構造を簡単に示す図である。 フレア(flare)現象の一例を示す図である。 本出願の一例による近赤外線吸収ガラス基材の光学特性(透過率グラフ)を示すグラフである。 本出願の一例による光吸収組成物で製造された光吸収層に含まれたそれぞれの吸収剤に対する透過率グラフを示す図である。 比較製造例による光吸収組成物で製造された光吸収層に含まれたそれぞれの吸収剤に対する透過率グラフを示す図である。 本出願の一例による光吸収組成物で製造された光吸収層と比較製造例による光吸収組成物で製造された光吸収層の透過率グラフを示す図である。 実施例A1および比較例A1で製造した積層体に対する透過率グラフを示す図である。 実施例A1および比較例A1で製造した積層体に対する透過率グラフを示す図である。 製造例1による第1誘電体多層膜の透過率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 製造例1による第1誘電体多層膜の反射率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 製造例2による第1誘電体多層膜の透過率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 製造例2による第1誘電体多層膜の反射率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 比較例による第1誘電体多層膜の透過率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 比較例による第1誘電体多層膜の反射率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 製造例による第2誘電体多層膜の透過率グラフを示す図である角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 製造例による第2誘電体多層膜の反射率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 実施例B1によって製造された光学フィルターの透過率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 実施例B2によって製造された光学フィルターの透過率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 実施例B2によって製造された光学フィルターを適用して撮影した写真の一例を示す図である。 比較例B1によって製造された光学フィルターを適用して撮影した写真の一例を示す図である。 比較例B2によって製造された光学フィルターの透過率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。 比較例B3によって製造された光学フィルターの透過率グラフを示す図である(角度(Deg)は、入射光の入射角を意味する)。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を説明するか、本発明の範囲が下記提示された内容により限定されるのではない。
<物性測定方法>
1.屈折率の評価
屈折率は、ウィーズオプティクス社のエリプソメーター(M-2000(登録商標)Ellipsometer)装置を使用して波長520nmに対する光で常温で測定した。
2.透過率および反射率の評価
測定対象に対して分光光度計(メーカー:Perkinelmer社、製品名:Lambda750分光光度計)を使用して透過率と反射率を測定した。透過率は、前記装備のマニュアルに従って波長別および入射角別に測定し、反射率は、前記装備のマニュアルに従って波長別に測定した。前記測定対象を分光光度計の測定ビームとディテクターとの間の直線上に位置させ、測定ビームの入射角を0度から40度まで角度を変更しながら、透過率と反射率を測定した。ここで、入射角が0度という意味は、測定対象の表面法線方向に平行な方向を意味する。
材料
1.近赤外線吸収ガラス基材
近赤外線吸収ガラス基材は、全重量を基準として、Cu2+の含有量が3~5重量%、P5+の含有量が20~30重量%およびFの含有量が1~10重量%となるように各陽イオンを含み、Fの含有量/Cu2+の含有量は、約1.43であった。
また、前記近赤外線吸収ガラス基材は、厚さが0.21mmであり、400~550nmの波長領域を有する光に対する平均透過率が88%以上であり、750~1,000nmの波長領域を有する光に対する平均透過率が5%以下である。
使用した近赤外線吸収ガラス基材の光学特性(透過率グラフ)は、図3に示した。
2.光吸収組成物
(1)光吸収組成物の製造例
ポリアクリル樹脂(メーカー:住友社、製品名:SUMIPEX、屈折率約1.6)、第1近赤外線吸収剤(IA)として吸収極大波長が約700nm以上710nm以下であるスクアリリウム系化合物(メーカー:Exciton社、製品名:IRA705)、第2近赤外線吸収剤(IA)として吸収極大波長が約730nm以上740nm以下であるシアニン系化合物(メーカー:FEW CHEMICALS社、製品名:S2364)、第3近赤外線吸収剤(IA)として吸収極大波長が約740nm超過750nm以下であるシアニン系化合物(メーカー:FEW CHEMICALS社、製品名:S2137)、第4近赤外線吸収剤(IA)として吸収極大波長が約770nm以上780nm以下であるスクアリリウム系化合物(FEW CHEMICALS社、製品名:S2404)および紫外線吸収剤(UA)として吸収極大波長が約360nmであるベンゾトリアゾール系化合物(メーカー:ZICO社、製品名:ZIKA-480)を100:0.2:0.01:0.2:0.6:3.5(SUMIPEX:IRA705:S2364:S2137:S2404:ZIKA-480)の重量比で混合し、溶媒であるメチルイソブチルケトン(K)を適切に添加して、光吸収組成物Aを製造した。
(2)光吸収組成物の比較製造例
ポリアクリル樹脂(メーカー:住友社、製品名:SUMIPEX、屈折率約1.6)、第1近赤外線吸収剤(IA)として吸収極大波長が700~710nmであるスクアリリウム系化合物(メーカー:Exciton社、製品名:IRA705)、第2近赤外線吸収剤(IA)として吸収極大波長が730~740nmであるシアニン系化合物(メーカー:FEW CHEMICALS社、製品名:S2364)および紫外線吸収剤(UA)として吸収極大波長が360nmであるベンゾトリアゾール系化合物(メーカー:ZICO社、製品名:ZIKA-480)を100:1.3:1.5:4.4:450(SUMIPEX:IRA705:S2364:ZIKA-480)の重量比で混合し、溶媒であるメチルイソブチルケトン(K)を適切に添加して、光吸収組成物Bを製造した。
積層体(A)の製造
実施例A1.
前記近赤外線吸収ガラス基材の一面に前記光吸収組成物の製造例によって製造された光吸収組成物Aを一定量塗布し、140℃で60分間乾燥させて、3μmの厚さを有する光吸収層を形成することによって、積層体を製造した。
前記光吸収層において、第1近赤外線吸収剤(IA)のOD値は、約0.96、第2近赤外線吸収剤(IA)のOD値は、約0.41、第3近赤外線吸収剤(IA)のOD値は、約0.64、第4近赤外線吸収剤(IA)のOD値は、約0.7であり、紫外線吸収剤(UA)のOD値は、約1.22であった。図4から本出願の一例による光吸収組成物(前記光吸収組成物A)に含まれたそれぞれの吸収剤に対する透過率グラフを確認することができる。また、図6から本出願の一例による光吸収組成物(前記光吸収組成物A)で形成された光吸収層の透過率グラフを確認することができる。前記光吸収層は、400~550nmの波長領域の光に対する平均透過率が約84.9%であり、700~800nmの波長領域の光に対する平均透過率が約14.4%であり、720~780nmの波長領域の光に対する平均透過率が11.6%であり、750nmの波長の光に対する透過率が9.17%であり、吸収半値幅(FWHM)が約139nm程度であった。
比較例A1.
前記近赤外線吸収ガラス基材の一面に前記光吸収組成物の比較製造例によって製造された光吸収組成物Bを一定量塗布し、140℃で60分間乾燥させて、3μmの厚さを有する光吸収層を形成することによって、積層体を製造した。
前記光吸収層において、第1近赤外線吸収剤(IA)のOD値は、約1.52、第2近赤外線吸収剤(IA)のOD値は、約0.93であり、紫外線吸収剤のOD値は、約1.22であった。図5は、比較製造例による光吸収組成物(前記光吸収組成物B)で製造された光吸収層に含まれたそれぞれの吸収剤に対する透過率グラフを確認することができる。また、図6から比較製造例による光吸収組成物(前記光吸収組成物B)で形成された光吸収層の透過率グラフを確認することができる。前記光吸収層は、400~550nmの波長領域の光に対する平均透過率が約85.5%であり、700~800nmの波長領域の光に対する平均透過率が約38.8%であり、720~780nmの波長領域の光に対する平均透過率が34.2%であり、750nmの波長の光に対する透過率が19.9%であり、吸収半値幅(FWHM)が約104nm程度であった。
前記実施例A1および比較例A1で製造した積層体に対する透過率特性グラフは、図7aおよび図7bに示した。
また、前記実施例A1および比較例A1で製造した積層体に対する光学特性は、下記表1にまとめた。下記表1で、λは、入射光の波長を意味する。
Figure 2024004467000002
光学フィルター(B)の製造
前記製造された積層体(A)において最外側の両面に誘電体多層膜を形成することによって、光学フィルター(B)を製造した。前記積層体(A)の近赤外線吸収ガラス基材に当接している誘電体多層膜が第1誘電体多層膜であり、前記積層体(A)の光吸収層に当接している誘電体多層膜が第2誘電体多層膜である。
前記第1および第2誘電体多層膜は、イオンビームアシスト蒸着(ion-beam assisted deposition)方式で蒸着しながら形成した。蒸着は、5×10-5 Torrおよび120℃で行われ、IBS(ion beam sputtering)ソース(source)電圧350Vおよび電流850mAの条件に設定した。前記方式で高屈折層であるTiO2層(520nmの波長を有する光に対する屈折率が約2.61)と低屈折層であるSiO2層(520nmの波長を有する光に対する屈折率が約1.46)を交互に形成して、第1および第2誘電体多層膜をそれぞれ形成した。
前記第1誘電体多層膜に対して、製造例1による第1誘電体多層膜は、下記表2のような積層順序で製造し、製造例2による第1誘電体多層膜は、下記表3のような積層順序で製造し、比較製造例による第1誘電体多層膜は、下記表4のような積層順序で製造した。下記表2~表4で、積層順序が1である層は、前記積層体(A)の近赤外線吸収ガラス基材と接触している層である。
Figure 2024004467000003
Figure 2024004467000004
Figure 2024004467000005
前記表2のような積層順序で製造した製造例1による第1誘電体多層膜の透過率グラフは、図8aに示し、反射率グラフは、図8bに示した。また、前記表3のような積層順序で製造した製造例2による第1誘電体多層膜の透過率グラフは、図9aに示し、反射率グラフは、図9bに示した。また、前記表4のような積層順序で製造した比較例による第1誘電体多層膜の透過率グラフは、図10aに示し、反射率グラフは、図10bに示した。
前記製造例1および2による第1誘電体多層膜と比較例による第1誘電体多層膜に対する光学特性は、下記表5にまとめた。下記表5で、λは、入射光の波長を意味する。
Figure 2024004467000006
前記表5を参照すると、比較例による第1誘電体多層膜は、λR、cutoffおよびλR、n/cutoffの値が規定された範囲内に含まれていないので、赤色のフレアを発生させる近赤外線を反射させ、これによって、赤色のフレアが発生する。
また、前記第2誘電体多層膜は、製造例による第2誘電体多層膜であり、下記表6のような積層順序で製造した。下記表6で、積層順序が1である層は、前記積層体(A)の光吸収層と接触している層である。
Figure 2024004467000007
前記表6のような積層順序で製造した製造例による第2誘電体多層膜の透過率グラフは、図11aに示し、反射率グラフは、図11bに示した。
また、前記製造例による第2誘電体多層膜に対する光学特性は、下記表7にまとめた。下記表7で、λは、入射光の波長を意味する。
Figure 2024004467000008
実施例B1.
前記実施例A1によって製造された積層体に前記製造例1によって第1誘電体多層膜を形成し、前記製造例によって第2誘電体多層膜を形成して、光学フィルターを製造した。実施例B1によって製造された光学フィルターの透過率グラフは、図12に示した。
実施例B2.
前記実施例A1によって製造された積層体に前記製造例2によって第1誘電体多層膜を形成し、前記製造例によって第2誘電体多層膜を形成して、光学フィルターを製造した。実施例B2によって製造された光学フィルターの透過率グラフは、図13に示した。また、下記の撮影条件によって撮影した写真は、図14に示した。
[撮影条件]
前記光学フィルターを装着した後面カメラで色温度が3100KであるハロゲンLED光源を被写体とし、前記後面カメラと光源との間の距離を50cmとして、暗室で写真撮影を進める。
前記暗室に対するRGB値は、それぞれ11、11および9であった。また、図14による写真において、R値が最も小さい地点のRGB値は、それぞれ9、11および8であり、R値が最も大きい地点のRGB値は、それぞれ39、40および42であった。R値が最も大きい地点とR値が最も小さい地点のR値の差の絶対値が約30であるから、フレア現象が発生しないことが分かる。また、R値が最も大きい地点でのR値とG値の差とR値とB値の差の絶対値は、それぞれ約1および約3であるから、フレア現象が発生しないことが分かる。図14を参照すると、フレア現象が防止されたことを確認することができる。
一方、前記写真は、光源を中心に半径が1mの範囲内で撮影されたものである。
比較例B1.
前記実施例A1によって製造された積層体に前記比較例によって第1誘電体多層膜を形成し、前記製造例によって第2誘電体多層膜を形成して、光学フィルターを製造した。比較例B1によって製造された光学フィルターを使用して下記の撮影条件によって撮影した写真は、図15に示した。
[撮影条件]
前記光学フィルターを装着した後面カメラで色温度が3100KであるハロゲンLED光源を被写体とし、前記後面カメラと光源との間の距離を50cmとして、暗室で写真撮影を進める。
前記暗室に対するRGB値は、それぞれ11、11および9であった。また、図15による写真において、R値が最も小さい地点のRGB値は、それぞれ10、12および9であり、R値が最も大きい地点のRGB値は、それぞれ136、43および28であった。R値が最も大きい地点とR値が最も小さい地点のR値の差の絶対値が100を超過するので、フレア現象が発生したことが分かる。また、R値が最も大きい地点でのR値とG値の差とR値とB値の差の絶対値は、それぞれ約93および約108であるから、フレア現象が発生したことが分かる。図15を参照すると、フレア現象が発生したことを確認することができる。
一方、前記写真は、光源を中心に半径が1mの範囲内で撮影されたものである。
比較例B2.
前記比較例A1によって製造された積層体に前記製造例1によって第1誘電体多層膜を形成し、前記製造例によって第2誘電体多層膜を形成して、光学フィルターを製造した。比較例B2によって製造された光学フィルターの透過率グラフは、図16に示した。
比較例B3.
前記比較例A1によって製造された積層体に前記製造例2によって第1誘電体多層膜を形成し、前記製造例によって第2誘電体多層膜を形成して、光学フィルターを製造した。比較例B3によって製造された光学フィルターの透過率グラフは、図17に示した。
前記実施例B1およびB2による光学フィルターおよび比較例B2およびB3による光学フィルターに対する光学特性は、下記表8および表9にそれぞれまとめた。下記表8および表9で、λは、入射光の波長を意味する。
Figure 2024004467000009
Figure 2024004467000010
前記表8を参照すると、実施例B1およびB2は、730~780nmの波長領域の光に対する最大透過率が、いずれも、1%を超えず、730~780nmの波長領域の光に対する平均透過率も、0.5%を超えなかった。一方、前記表9を参照すると、比較例B2およびB3は、730~780nmの波長領域の光に対する最大透過率が、いずれも、1%を超え、比較例B2は、730~780nmの波長領域の光に対する平均透過率も、0.5%を超えた。
したがって、実施例B1およびB2は、フレア(flare)現象を防止して、人の目に似た形態の画像を得ることができることが分かり、比較例B2およびB3は、2次ピーク(second peak)による画像に問題が発生することが分かる。

Claims (23)

  1. 近赤外線吸収ガラス基材および光吸収層を含み、
    720~780nmの波長領域の光に対する平均透過率が1%以下である積層体。
  2. 750nmの波長の光に対する透過率が1%以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 下記一般式1によるTs1の絶対値が1%以下である、請求項1に記載の積層体。
    [一般式1]
    s1=(T780-T720)/(780-720)×100
    一般式1で、T780は、780nmの波長の光に対する透過率を意味し、T720は、720nmの波長の光に対する透過率を意味する。
  4. 400~550nmの波長領域の光に対する平均透過率が70%以上であり、750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率が5%以下である、請求項1に記載の積層体。
  5. 500~750nmの波長領域の光に対して透過率が50%である光の波長λcutoffは、600~640nmの範囲内である、請求項1に記載の積層体。
  6. 前記近赤外線吸収ガラス基材は、全重量に対してCu2+を1~10重量%の範囲内で含む、請求項1に記載の積層体。
  7. 前記近赤外線吸収ガラス基材は、400~550nmの波長領域の光に対する平均透過率が80%以上であり、750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率が10%以下である、請求項1に記載の積層体。
  8. 前記光吸収層は、700~800nmの波長領域の光に対する平均透過率が20%以下である、請求項1に記載の積層体。
  9. 前記光吸収層は、近赤外線吸収剤を含む、請求項1に記載の積層体。
  10. 前記近赤外線吸収剤は、吸収極大波長が700nm以上720nm以下の範囲内である第1近赤外線吸収剤、吸収極大波長が720nm超過740nm以下の範囲内である第2近赤外線吸収剤、吸収極大波長が740nm超過760nm以下の範囲内である第3近赤外線吸収剤および吸収極大波長が760nm超過800nm以下の範囲内である第4近赤外線吸収剤からなる群から選ばれた3つ以上を含む、請求項9に記載の積層体。
  11. 前記光吸収層に含まれた前記第1近赤外線吸収剤のOD(optical density)値が0.5~1.2の範囲内であり、前記第2近赤外線吸収剤のOD値が0.2~0.6の範囲内であり、前記第3近赤外線吸収剤のOD値が0.4~1の範囲内であり、前記第4近赤外線吸収剤のOD値が0.5~1.1の範囲内である、請求項10に記載の積層体。
  12. 前記光吸収層に含まれた前記近赤外線吸収剤の合算されたOD値は、2~3の範囲内である、請求項10に記載の積層体。
  13. 前記光吸収層は、300~1,200nmの波長領域の光に対して吸収半値幅(full width half maximum)が120nm以上である、請求項10に記載の積層体。
  14. 前記近赤外線吸収剤は、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体系化合物、ジモニウム系化合物、ポリメチン系化合物、フタリド化合物、ナフトキノン系化合物およびアントラキノン系化合物からなる群から選ばれた1つ以上を含む、請求項9に記載の積層体。
  15. 前記光吸収層は、紫外線吸収剤をさらに含む、請求項9に記載の積層体。
  16. 前記紫外線吸収剤は、吸収極大波長が350nm以上~400nm以下の範囲内である吸収剤を少なくとも1つ以上含む、請求項15に記載の積層体。
  17. ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキサゾール系化合物、メロシアニン系化合物、シアニン系化合物、ナフタルイミド系化合物、オキサジアゾール系化合物、オキサジン系化合物、オキサゾリジン系化合物、ナフタル酸系化合物、スチリル系化合物、アントラセン系化合物、環状カルボニル系化合物、アゾメチン系化合物、インドール系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキシアニリド系化合物およびトリアゾール系化合物からなる群から選ばれた1つ以上を含む、請求項15に記載の積層体。
  18. 近赤外線吸収ガラス基材、光吸収層および誘電体多層膜を含み、
    下記の撮影条件によって撮影した写真に対してColor picker toolでRGB値を抽出し、前記写真においてR値が最も小さい地点とR値が最も大きい地点のR値の差の絶対値が0~50の範囲内である光学フィルター。
    [撮影条件]
    前記光学フィルターを装着した後面カメラで色温度が3100KであるハロゲンLED光源を被写体とし、前記後面カメラと光源との間の距離を50cmとして、暗室で写真撮影を進める。
  19. 撮影した写真に対して抽出したRGB値に対して、R値が最も大きい地点でのR値とG値の差の絶対値は、0~50の範囲内であり、R値とB値の差の絶対値は、0~50の範囲内である、請求項18に記載の光学フィルター。
  20. 近赤外線吸収ガラス基材、光吸収層および誘電体多層膜を含み、
    前記誘電体多層膜は、第1誘電体多層膜および第2誘電体多層膜を含み、前記第1誘電体多層膜は、光学フィルターの最外側の面のうち、一方の面に位置し、前記第2誘電体多層膜は、光学フィルターの最外側の面のうち、他方の面に位置し、
    前記第1誘電体多層膜は、600~850nmの波長領域の光に対して反射率が50%である光の波長λR、cutoffが750~780nmの範囲内であり、750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率が10%以下であり、
    前記第2誘電体多層膜は、750~1,000nmの波長領域の光に対する平均透過率が90%以上であり、
    730~780nmの波長領域の光に対する最大透過率が1%以下である光学フィルター。
  21. 前記第1誘電体多層膜は、700~750nmの波長領域の光に対する平均透過率が50%以上である、請求項20に記載の光学フィルター。
  22. 前記第2誘電体多層膜は、450~750nmの波長領域の光に対して平均反射率が1%以下である、請求項20に記載の光学フィルター。
  23. 730~780nmの波長領域の光に対する平均透過率が0.5%以下である、請求項20に記載の光学フィルター。
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