JP2024003645A - 経路生成システム、農業機械および経路生成方法 - Google Patents

経路生成システム、農業機械および経路生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自動運転を行う農業機械の経路を効率的に生成することができる経路生成システム、そのような経路生成システムを備える農業機械、および経路生成方法を提供する。【解決手段】経路生成システムは、農業機械が自動運転を行うための地図データであって、農業機械が走行した地点の位置情報と、位置情報に関連付けられた農業機械のスリップ率のデータとを含む地図データを記憶する記憶装置と、地図データに含まれるスリップ率のデータに基づいて、農業機械が自動運転を行う経路を生成する処理装置とを有する。【選択図】図16B

Description

本開示は、自動運転を行う農業機械のための経路生成システム、そのような経路生成システムを備える農業機械、および経路生成方法に関する。
農業機械の自動化に向けた研究開発が進められている。例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)などの測位システムを利用して圃場内を自動で走行するトラクタ、コンバイン、および田植機などの作業車両が実用化されている。圃場内だけでなく、圃場外でも自動で走行する作業車両の研究開発も進められている。特許文献1は、道路を挟んで互いに離れた2つの圃場間で無人の作業車両を自動走行させるシステムを開示している。
特開2021-029218号公報
自動運転を行う農業機械のための経路を効率的に生成することが求められている。
本開示は、自動運転を行う農業機械のための経路生成システム、そのような経路生成システムを備える農業機械、および経路生成方法を提供する。
本開示の一態様による経路生成システムは、農業機械が自動運転を行うための地図データであって、前記農業機械が走行した地点の位置情報と、前記位置情報に関連付けられた前記農業機械のスリップ率のデータとを含む地図データを記憶する記憶装置と、前記地図データに含まれる前記スリップ率のデータに基づいて、前記農業機械が自動運転を行う経路を生成する処理装置とを有する。
本開示の一態様による経路生成方法は、農業機械が自動運転を行うための地図データであって、前記農業機械が走行した地点の位置情報と、前記位置情報に関連付けられた前記農業機械のスリップ率のデータとを含む地図データを記憶することと、前記地図データに含まれる前記スリップ率のデータに基づいて、前記農業機械が自動運転を行う経路を生成することとを含む。
本開示の包括的または具体的な態様は、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、もしくはコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、またはこれらの任意の組み合わせによって実現され得る。コンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、揮発性の記憶媒体を含んでいてもよいし、不揮発性の記憶媒体を含んでいてもよい。装置は、複数の装置で構成されていてもよい。装置が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されてもよいし、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されていてもよい。
本開示の実施形態によると、自動運転を行う農業機械の経路を効率的に生成することができる経路生成システム、そのような経路生成システムを備える農業機械、および経路生成方法が提供される。
本開示の例示的な実施形態による農業管理システムの概要を説明するための図である。 作業車両、および作業車両に連結されたインプルメントの例を模式的に示す側面図である。 作業車両およびインプルメントの構成例を示すブロック図である。 RTK-GNSSによる測位を行う作業車両の例を示す概念図である。 キャビンの内部に設けられる操作端末および操作スイッチ群の例を示す図である。 管理装置および端末装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。 圃場内を目標経路に沿って自動で走行する作業車両の例を模式的に示す図である。 自動運転時の操舵制御の動作の例を示すフローチャートである。 目標経路Pに沿って走行する作業車両の例を示す図である。 目標経路Pから右にシフトした位置にある作業車両の例を示す図である。 目標経路Pから左にシフトした位置にある作業車両の例を示す図である。 目標経路Pに対して傾斜した方向を向いている作業車両の例を示す図である。 複数の作業車両が圃場の内部および圃場の外側の道を自動走行している状況の例を模式的に示す図である。 端末装置に表示される設定画面の一例を示す図である。 管理装置によって作成される農作業のスケジュールの例を示す図である。 衛星信号の受信強度の例を示す図である。 衛星信号の受信強度の他の例を示す図である。 作業車両が走行する領域の地図の一例を示す図である。 表示装置に表示されるGUIの一例を示す図である。 「スリップ率優先」モードが選択された場合に生成される経路の一例を示す図である。 「走行距離優先」モードが選択された場合に生成される経路の一例を示す図である。 処理装置が経路を生成する手順の例を示すフローチャートである。 処理装置が実行する手順の例を示すフローチャートである。 障害物が存在する環境で生成される大域的経路および局所的経路の一例を示す図である。 経路計画および走行制御の方法を示すフローチャートである。
(用語の定義)
本開示において「農業機械」は、農業用途で使用される機械を意味する。農業機械の例は、トラクタ、収穫機、田植機、乗用管理機、野菜移植機、草刈機、播種機、施肥機、および農業用移動ロボットを含む。トラクタのような作業車両が単独で「農業機械」として機能する場合だけでなく、作業車両に装着または牽引される作業機(インプルメント)と作業車両の全体が1つの「農業機械」として機能する場合がある。農業機械は、圃場内の地面に対して、耕耘、播種、防除、施肥、作物の植え付け、または収穫などの農作業を行う。これらの農作業を「対地作業」または単に「作業」と称することがある。車両型の農業機械が農作業を行いながら走行することを「作業走行」と称することがある。
「自動運転」は、運転者による手動操作によらず、制御装置の働きによって農業機械の移動を制御することを意味する。自動運転を行う農業機械は「自動運転農機」または「ロボット農機」と呼ばれることがある。自動運転中、農業機械の移動だけでなく、農作業の動作(例えば作業機の動作)も自動で制御されてもよい。農業機械が車両型の機械である場合、自動運転によって農業機械が走行することを「自動走行」と称する。制御装置は、農業機械の移動に必要な操舵、移動速度の調整、移動の開始および停止の少なくとも1つを制御し得る。作業機が装着された作業車両を制御する場合、制御装置は、作業機の昇降、作業機の動作の開始および停止などの動作を制御してもよい。自動運転による移動には、農業機械が所定の経路に沿って目的地に向かう移動のみならず、追尾目標に追従する移動も含まれ得る。自動運転を行う農業機械は、部分的にユーザの指示に基づいて移動してもよい。また、自動運転を行う農業機械は、自動運転モードに加えて、運転者の手動操作によって移動する手動運転モードで動作してもよい。手動によらず、制御装置の働きによって農業機械の操舵を行うことを「自動操舵」と称する。制御装置の一部または全部が農業機械の外部にあってもよい。農業機械の外部にある制御装置と農業機械との間では、制御信号、コマンド、またはデータなどの通信が行われ得る。自動運転を行う農業機械は、人がその農業機械の移動の制御に関与することなく、周囲の環境をセンシングしながら自律的に移動してもよい。自律的な移動が可能な農業機械は、無人で圃場内または圃場外(例えば道路)を走行することができる。自律移動中に、障害物の検出および障害物の回避動作を行ってもよい。
「作業計画」は、農業機械によって実行される1つ以上の農作業の予定を定めるデータである。作業計画は、例えば、農業機械によって実行される農作業の順序および各農作業が行われる圃場を示す情報を含み得る。作業計画は、各農作業が行われる予定の日および時刻の情報を含んでいてもよい。各農作業が行われる予定の日および時刻の情報を含む作業計画を、特に「作業スケジュール」または単に「スケジュール」と称する。作業スケジュールは、各作業日に行われる各農作業の開始予定時刻および/または終了予定時刻の情報を含み得る。作業計画あるいは作業スケジュールは、農作業ごとに、作業の内容、使用されるインプルメント、および/または、使用される農業資材の種類および分量などの情報を含んでいてもよい。ここで「農業資材」とは、農業機械が行う農作業で使用される物資を意味する。農業資材を単に「資材」と呼ぶことがある。農業資材は、例えば農薬、肥料、種、または苗などの、農作業によって消費される物資を含み得る。作業計画は、農業機械と通信して農作業を管理する処理装置、または農業機械に搭載された処理装置によって作成され得る。処理装置は、例えば、ユーザ(農業経営者または農作業者など)が端末装置を操作して入力した情報に基づいて作業計画を作成することができる。本明細書において、農業機械と通信して農作業を管理する処理装置を「管理装置」と称する。管理装置は、複数の農業機械の農作業を管理してもよい。その場合、管理装置は、複数の農業機械の各々が実行する各農作業に関する情報を含む作業計画を作成してもよい。作業計画は、各農業機械によってダウンロードされ、記憶装置に格納され得る。各農業機械は、作業計画に従って、予定された農作業を実行するために、自動で圃場に向かい、農作業を実行することができる。
「環境地図」は、農業機械が移動する環境に存在する物の位置または領域を所定の座標系によって表現したデータである。環境地図を単に「地図」または「地図データ」と称することがある。環境地図を規定する座標系は、例えば、地球に対して固定された地理座標系などのワールド座標系であり得る。環境地図は、環境に存在する物について、位置以外の情報(例えば、属性情報その他の情報)を含んでいてもよい。環境地図は、点群地図または格子地図など、さまざまな形式の地図を含む。環境地図を構築する過程で生成または処理される局所地図または部分地図のデータについても、「地図」または「地図データ」と呼ぶ。
「農道」は、主に農業目的で利用される道を意味する。農道は、アスファルトで舗装された道に限らず、土または砂利等で覆われた未舗装の道も含む。農道は、車両型の農業機械(例えばトラクタ等の作業車両)のみが専ら通行可能な道(私道を含む)と、一般の車両(乗用車、トラック、バス等)も通行可能な道路とを含む。作業車両は、農道に加えて一般道を自動で走行してもよい。一般道は、一般の車両の交通のために整備された道路である。
「地物」は、地上に存在する物を意味する。地物の例は、水路、草、木、道、圃場、溝、川、橋、林、山、岩石、建物、線路などを含む。境界線、地名、建物名、圃場名、路線名といった実世界に存在しないものは本開示における「地物」に含まれない。
「GNSS衛星」は、全球測位衛星システム(GNSS)における人工衛星を意味する。GNSSは、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、GLONASS、Galileo、およびBeiDouなどの衛星測位システムの総称である。GNSS衛星は、これらの測位システムにおける衛星である。GNSS衛星から送信される信号を「衛星信号」と称する。「GNSS受信機」は、GNSSにおける複数の衛星から送信される電波を受信し、当該電波に重畳された信号に基づいて測位を行う装置である。「GNSSデータ」は、GNSS受信機から出力されるデータである。GNSSデータは、例えばNMEA-0183フォーマットなどの所定のフォーマットで生成され得る。GNSSデータは、例えば、個々の衛星から受信した衛星信号の受信状況を示す情報を含み得る。例えば、GNSSデータは、衛星信号が受信されたそれぞれの衛星の識別番号、仰角、方位角、および受信強度を示す値を含み得る。受信強度は、受信された衛星信号の強度を示す数値である。受信強度は、例えば搬送波雑音電力密度比(Carrier to Noise Density Ratio:C/N0)などの値で表現され得る。GNSSデータは、受信された複数の衛星信号に基づいて計算されたGNSS受信機または農業機械の位置情報を含み得る。位置情報は、例えば緯度、経度、および平均海水面からの高さなどによって表され得る。GNSSデータは、さらに、位置情報の信頼性を示す情報を含んでいてもよい。
「衛星信号を正常に受信できる」とは、測位の信頼性が大きく低下しない程度に安定して衛星信号を受信できることを意味する。衛星信号を正常に受信できないことを「衛星信号の受信障害」が生じていると表現することがある。「衛星信号の受信障害」は、衛星信号の受信状況の悪化によって正常時と比較して測位の信頼性が低下している状態である。受信障害は、例えば、検出された衛星の数が少ない場合(例えば3以下など)、各衛星信号の受信強度が低い場合、またはマルチパスが生じている場合などに生じ得る。受信障害が生じているか否かは、例えばGNSSデータに含まれる衛星に関する情報に基づいて判断され得る。例えば、GNSSデータに含まれる衛星ごとの受信強度の値、または衛星の配置状況を示すDOP(Dilution of Precision)の値などに基づいて、受信障害の有無を判断することができる。
「大域的経路」(global path)は、経路計画を行う処理装置によって生成される、農業機械が自動で移動するときの出発地点から目的地点までを結ぶ経路のデータを意味する。大域的経路を生成することを大域的経路計画(global path planning)または大域的経路設計と称する。以下の説明において、大域的経路を「目標経路」または単に「経路」とも称する。大域的経路は、例えば、農業機械が通過すべき複数の点の座標値によって規定され得る。農業機械が通過すべき点を「ウェイポイント」と称し、隣り合うウェイポイント間を結ぶ線分を「リンク」と称する。
「局所的経路」(local path)は、大域的経路に沿って農業機械が自動で移動するときに逐次生成される、障害物を回避可能な局所的な経路を意味する。局所的経路を生成することを局所的経路計画(local path planning)または局所的経路設計と称する。局所的経路は、農業機械が移動している間に、農業機械が備える1つ以上のセンシング装置によって取得されたデータに基づいて逐次生成される。局所的経路は、大域的経路の一部に沿った複数のウェイポイントによって規定され得る。ただし、大域的経路の付近に障害物が存在する場合、その障害物を迂回するようにウェイポイントが設定され得る。局所的経路におけるウェイポイント間のリンクの長さは、大域的経路におけるウェイポイント間のリンクの長さよりも短い。局所的経路を生成する装置は、大域的経路を生成する装置と同一でもよいし、異なっていてもよい。例えば、農業機械による農作業を管理する管理装置が大域的経路を生成し、農業機械に搭載された制御装置が局所的経路を生成してもよい。その場合、管理装置と制御装置との組み合わせが、経路計画を行う「処理装置」として機能する。農業機械の制御装置が、大域的経路設計および局所的経路設計の両方を行う処理装置として機能してもよい。
「保管場所」は、農業機械を保管するために設けられる場所である。保管場所は、例えば、農業機械のユーザが管理する場所、または複数のユーザが共同で運営する場所であり得る。保管場所は、例えば、ユーザ(農業従事者など)の自宅もしくは事業所における倉庫、納屋、または駐車場などの、農業機械の保管のために確保された場所であり得る。保管場所の位置は、予め登録され、記憶装置に記録され得る。
「待機場所」は、農業機械が農作業を行わない間、待機するために設けられる場所である。農業機械が自動運転を行う環境中に、1つ以上の待機場所が設けられ得る。上記の保管場所は、待機場所の一例である。待機場所は、複数のユーザが共同で管理または使用する場所であってもよい。待機場所は、例えば、倉庫、車庫、納屋、駐車場、またはその他の施設であり得る。待機場所は、農業機械のユーザとは異なる農業従事者の自宅または事業所における倉庫、納屋、車庫、または駐車場であってもよい。農業機械が移動する環境中に複数の待機場所が点在していてもよい。待機場所において、農業機械の部品もしくはインプルメントの交換もしくはメンテナンス、または資材の補充などの作業が行われてもよい。その場合、待機場所には、それらの作業に必要な部品、工具類、または資材が配置され得る。
(実施形態)
以下、本開示の実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略することがある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明および実質的に同一の構成に関する重複する説明を省略することがある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似の機能を有する構成要素については、同一の参照符号を付している。
本開示の包括的または具体的な態様は、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、もしくはコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、またはこれらの任意の組み合わせによって実現され得る。コンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、揮発性の記憶媒体を含んでいてもよいし、不揮発性の記憶媒体を含んでいてもよい。装置は、複数の装置で構成されていてもよい。装置が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されてもよいし、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されていてもよい。
以下の実施形態は例示であり、本開示の技術は以下の実施形態に限定されない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、ステップの順序、表示画面のレイアウトなどは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。また、技術的に矛盾が生じない限りにおいて、一の態様と他の態様とを組み合わせることが可能である。
以下、農業機械の一例であるトラクタなどの作業車両に本開示の技術を適用した実施形態を主に説明する。本開示の技術は、トラクタなどの作業車両に限らず、他の種類の農業機械にも適用することができる。
図1は、本開示の例示的な実施形態による農業管理システムの概要を説明するための図である。図1に示す農業管理システムは、作業車両100と、端末装置400と、管理装置600とを備える。端末装置400は、作業車両100を遠隔で監視するユーザが使用するコンピュータである。管理装置600は、農業管理システムを運営する事業者が管理するコンピュータである。作業車両100、端末装置400、および管理装置600は、ネットワーク80を介して互いに通信することができる。図1には1台の作業車両100が例示されているが、農業管理システムは、複数の作業車両またはその他の農業機械を含んでいてもよい。
本実施形態における作業車両100はトラクタである。作業車両100は、後部および前部の一方または両方にインプルメントを装着することができる。作業車両100は、インプルメントの種類に応じた農作業を行いながら圃場内を走行することができる。作業車両100は、インプルメントを装着しない状態で圃場内または圃場外を走行してもよい。
作業車両100は、自動運転機能を備える。すなわち、作業車両100は、手動によらず、制御装置の働きによって走行することができる。本実施形態における制御装置は、作業車両100の内部に設けられ、作業車両100の速度および操舵の両方を制御することができる。作業車両100は、圃場内に限らず、圃場外(例えば道路)を自動走行することもできる。
作業車両100は、GNSS受信機およびLiDARセンサなどの、測位あるいは自己位置推定のために利用される装置を備える。作業車両100の制御装置は、作業車両100の位置と、管理装置600によって生成された目標経路の情報とに基づいて、作業車両100を自動で走行させる。制御装置は、作業車両100の走行制御に加えて、インプルメントの動作の制御も行う。これにより、作業車両100は、圃場内を自動で走行しながらインプルメントを用いて農作業を実行することができる。さらに、作業車両100は、圃場外の道(例えば、農道または一般道)を目標経路に沿って自動で走行することができる。作業車両100は、圃場外の道に沿って自動走行を行うとき、カメラまたはLiDARセンサなどのセンシング装置から出力されるデータに基づいて、障害物を回避可能な局所的経路を目標経路に沿って生成しながら走行する。作業車両100は、圃場内においては、上記と同様に局所的経路を生成しながら走行してもよいし、局所的経路を生成せずに目標経路に沿って走行し、障害物が検出された場合に停止する、という動作を行ってもよい。
管理装置600は、作業車両100による農作業を管理するコンピュータである。管理装置600は、例えば圃場に関する情報をクラウド上で一元管理し、クラウド上のデータを活用して農業を支援するサーバコンピュータであり得る。管理装置600は、例えば、作業車両100の作業計画を作成し、その作業計画に従って、作業車両100の目標経路を生成することができる。あるいは、管理装置600は、ユーザによる端末装置400を用いた操作に応答して、作業車両100の目標経路を生成してもよい。以下、特に断らない限り、管理装置600が生成する作業車両100の目標経路(すなわち大域的経路)を単に「経路」と称する。
管理装置600は、記憶装置と処理装置とを備える。記憶装置は、作業車両100が自動運転を行うための地図データを記憶する。地図データは、作業車両100が走行した地点の位置情報と、位置情報に関連付けられた作業車両100のスリップ率のデータとを含む。処理装置は、地図データに含まれるスリップ率のデータに基づいて、作業車両100が自動運転を行う経路を生成する。このような処理により、後に詳しく説明するように、作業車両100が自動運転を行う経路を効率よく作成することができる。
管理装置600は、圃場内と圃場外とで異なる方法で目標経路を生成する。管理装置600は、圃場内の目標経路を、圃場に関する情報に基づいて生成する。例えば、管理装置600は、予め登録された圃場の外形、圃場の面積、圃場の出入口の位置、作業車両100の幅、インプルメントの幅、作業の内容、栽培される作物の種類、作物の生育領域、作物の生育状況、または作物列もしくは畝の間隔などの、種々の情報に基づいて圃場内の目標経路を生成することができる。管理装置600は、例えば、ユーザが端末装置400または他のデバイスを用いて入力した情報に基づいて圃場内の目標経路を生成する。管理装置600は、圃場内の経路を、例えば作業が行われる作業領域の全体をカバーするように生成する。一方、管理装置600は、圃場外の目標経路を、作業計画またはユーザの指示に従って生成する。例えば、管理装置600は、作業計画が示す農作業の順序、各農作業が行われる圃場の位置、圃場の出入口の位置、各農作業の開始予定時刻および終了予定時刻、地図に記録された各道の属性情報、路面状態、気象状況、または交通状況などの、種々の情報に基づいて圃場外の目標経路を生成することができる。管理装置600は、作業計画によらず、ユーザが端末装置400を操作して指定した経路または経由地点を示す情報に基づいて目標経路を生成してもよい。
管理装置600は、さらに、作業車両100または他の移動体がLiDARセンサなどのセンシング装置を用いて収集したデータに基づいて、環境地図の生成および編集を行ってもよい。管理装置600は、生成した作業計画、目標経路、および環境地図のデータを作業車両100に送信する。作業車両100は、それらのデータに基づいて、移動および農作業を自動で行う。
なお、大域的経路設計および環境地図の生成(または編集)は、管理装置600に限らず、他の装置が行ってもよい。例えば、作業車両100の制御装置が、大域的経路設計または環境地図の生成もしくは編集を行ってもよい。
端末装置400は、作業車両100から離れた場所にいるユーザが使用するコンピュータである。図1に示す端末装置400はラップトップコンピュータであるが、これに限定されない。端末装置400は、デスクトップPC(personal computer)などの据え置き型のコンピュータであってもよいし、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのモバイル端末でもよい。端末装置400は、作業車両100を遠隔監視したり、作業車両100を遠隔操作したりするために用いられ得る。例えば、端末装置400は、作業車両100が備える1台以上のカメラ(撮像装置)が撮影した映像をディスプレイに表示させることができる。ユーザは、その映像を見て、作業車両100の周囲の状況を確認し、作業車両100に停止または発進の指示を送ることができる。端末装置400は、さらに、作業車両100の作業計画(例えば各農作業のスケジュール)を作成するために必要な情報をユーザが入力するための設定画面をディスプレイに表示することもできる。ユーザが設定画面上で必要な情報を入力し送信の操作を行うと、端末装置400は、入力された情報を管理装置600に送信する。管理装置600は、その情報に基づいて作業計画を作成する。端末装置400は、作業車両100が農作業を実行する1つ以上の圃場、作業車両100の保管場所、および作業車両100が一時的に待機する1つ以上の待機場所の登録にも使用され得る。端末装置400は、さらに、目標経路を設定するために必要な情報をユーザが入力するための設定画面をディスプレイに表示する機能を備えていてもよい。
以下、本実施形態におけるシステムの構成および動作をより詳細に説明する。
[1.構成]
図2は、作業車両100、および作業車両100に連結された作業機300の例を模式的に示す側面図である。本実施形態における作業車両100は、手動運転モードと自動運転モードの両方で動作することができる。自動運転モードにおいて、作業車両100は無人で走行することができる。作業車両100は、圃場内と圃場外の両方で自動運転が可能である。
図2に示すように、作業車両100は、車両本体101と、原動機(エンジン)102と、変速装置(トランスミッション)103とを備える。車両本体101には、タイヤ付きの車輪104と、キャビン105とが設けられている。車輪104は、一対の前輪104Fと一対の後輪104Rとを含む。キャビン105の内部に運転席107、操舵装置106、操作端末200、および操作のためのスイッチ群が設けられている。作業車両100が圃場内で作業走行を行うとき、前輪104Fおよび後輪104Rの一方または両方は、タイヤ付き車輪ではなく無限軌道(track)を装着した複数の車輪(クローラ)に置き換えられてもよい。
作業車両100は、作業車両100の周囲の環境をセンシングする少なくとも1つのセンシング装置を備える。図2に示す例では、作業車両100は複数のセンシング装置を備える。センシング装置は、複数のカメラ120と、LiDARセンサ140と、複数の障害物センサ130とを含む。
カメラ120は、例えば作業車両100の前後左右に設けられ得る。カメラ120は、作業車両100の周囲の環境を撮影し、画像データを生成する。カメラ120が取得した画像は、遠隔監視を行うための端末装置400に送信され得る。当該画像は、無人運転時に作業車両100を監視するために用いられ得る。カメラ120は、作業車両100が圃場外の道(農道または一般道)を走行するときに、周辺の地物もしくは障害物、白線、標識、または表示などを認識するための画像を生成する用途でも使用され得る。
図2の例におけるLiDARセンサ140は、車両本体101の前面下部に配置されている。LiDARセンサ140は、他の位置に設けられていてもよい。例えばLiDARセンサ140は、キャビン105の上部に設けられていてもよい。LiDARセンサ140は、3D-LiDARセンサであり得るが、2D-LiDARセンサであってもよい。LiDARセンサ140は、作業車両100の周辺の環境をセンシングして、センシングデータを出力する。LiDARセンサ140は、作業車両100が走行している間、周囲の環境に存在する物体の各計測点までの距離および方向、または各計測点の2次元もしくは3次元の座標値を示すセンサデータを繰り返し出力する。LiDARセンサ140から出力されたセンサデータは、作業車両100の制御装置によって処理される。制御装置は、センサデータと、環境地図とのマッチングにより、作業車両100の自己位置推定を行うことができる。制御装置は、さらに、センサデータに基づいて、作業車両100の周辺に存在する障害物などの物体を検出することができる。制御装置は、例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などのアルゴリズムを利用して、環境地図を生成または編集することもできる。作業車両100は、異なる位置に異なる向きで配置された複数のLiDARセンサを備えていてもよい。
図2に示す複数の障害物センサ130は、キャビン105の前部および後部に設けられている。障害物センサ130は、他の部位にも配置され得る。例えば、車両本体101の側部、前部、および後部の任意の位置に、1または複数の障害物センサ130が設けられ得る。障害物センサ130は、例えばレーザスキャナまたは超音波ソナーを含み得る。障害物センサ130は、自動走行時に周囲の障害物を検出して作業車両100を停止したり迂回したりするために用いられる。LiDARセンサ140が障害物センサ130の1つとして利用されてもよい。
作業車両100は、さらに、GNSSユニット110を備える。GNSSユニット110は、GNSS受信機を含む。GNSS受信機は、GNSS衛星からの信号を受信するアンテナと、アンテナが受信した信号に基づいて作業車両100の位置を計算するプロセッサとを備え得る。GNSSユニット110は、複数のGNSS衛星から送信される衛星信号を受信し、衛星信号に基づいて測位を行う。GNSSは、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System、例えばみちびき)、GLONASS、Galileo、およびBeiDouなどの衛星測位システムの総称である。本実施形態におけるGNSSユニット110は、キャビン105の上部に設けられているが、他の位置に設けられていてもよい。
GNSSユニット110は、慣性計測装置(IMU)を含み得る。IMUからの信号を利用して位置データを補完することができる。IMUは、作業車両100の傾きおよび微小な動きを計測することができる。IMUによって取得されたデータを用いて、衛星信号に基づく位置データを補完することにより、測位の性能を向上させることができる。
作業車両100の制御装置は、GNSSユニット110による測位結果に加えて、カメラ120またはLiDARセンサ140などのセンシング装置が取得したセンシングデータを測位に利用してもよい。農道、林道、一般道、または果樹園のように、作業車両100が走行する環境内に特徴点として機能する地物が存在する場合、カメラ120またはLiDARセンサ140によって取得されたデータと、予め記憶装置に格納された環境地図とに基づいて、作業車両100の位置および向きを高い精度で推定することができる。カメラ120またはLiDARセンサ140が取得したデータを用いて、衛星信号に基づく位置データを補正または補完することで、より高い精度で作業車両100の位置を特定できる。
原動機102は、例えばディーゼルエンジンであり得る。ディーゼルエンジンに代えて電動モータが使用されてもよい。変速装置103は、変速によって作業車両100の推進力および移動速度を変化させることができる。変速装置103は、作業車両100の前進と後進とを切り換えることもできる。
操舵装置106は、ステアリングホイールと、ステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、ステアリングホイールによる操舵を補助するパワーステアリング装置とを含む。前輪104Fは操舵輪であり、その切れ角(「操舵角」とも称する。)を変化させることにより、作業車両100の走行方向を変化させることができる。前輪104Fの操舵角は、ステアリングホイールを操作することによって変化させることができる。パワーステアリング装置は、前輪104Fの操舵角を変化させるための補助力を供給する油圧装置または電動モータを含む。自動操舵が行われるときには、作業車両100内に配置された制御装置からの制御により、油圧装置または電動モータの力によって操舵角が自動で調整される。
車両本体101の後部には、連結装置108が設けられている。連結装置108は、例えば3点支持装置(「3点リンク」または「3点ヒッチ」とも称する。)、PTO(Power Take Off)軸、ユニバーサルジョイント、および通信ケーブルを含む。連結装置108によって作業機300を作業車両100に着脱することができる。連結装置108は、例えば油圧装置によって3点リンクを昇降させ、作業機300の位置または姿勢を変化させることができる。また、ユニバーサルジョイントを介して作業車両100から作業機300に動力を送ることができる。作業車両100は、作業機300を引きながら、作業機300に所定の作業を実行させることができる。連結装置は、車両本体101の前部に設けられていてもよい。その場合、作業車両100の前部にインプルメントを接続することができる。
図2に示す作業機300は、ロータリ耕耘機であるが、作業機300はロータリ耕耘機に限定されない。例えば、シーダ(播種機)、スプレッダ(施肥機)、移植機、モーア(草刈機)、レーキ、ベーラ(集草機)、ハーベスタ(収穫機)、スプレイヤ、またはハローなどの、任意のインプルメントを作業車両100に接続して使用することができる。
図2に示す作業車両100は、有人運転が可能であるが、無人運転のみに対応していてもよい。その場合には、キャビン105、操舵装置106、および運転席107などの、有人運転にのみ必要な構成要素は、作業車両100に設けられていなくてもよい。無人の作業車両100は、自律走行、またはユーザによる遠隔操作によって走行することができる。
図3は、作業車両100および作業機300の構成例を示すブロック図である。作業車両100と作業機300は、連結装置108に含まれる通信ケーブルを介して互いに通信することができる。作業車両100は、ネットワーク80を介して、端末装置400および管理装置600と通信することができる。
図3の例における作業車両100は、GNSSユニット110、カメラ120、障害物センサ130、LiDARセンサ140および操作端末200に加え、作業車両100の動作状態を検出するセンサ群150、制御システム160、通信装置190、操作スイッチ群210、ブザー220、および駆動装置240を備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。GNSSユニット110は、GNSS受信機111と、RTK受信機112と、慣性計測装置(IMU)115と、処理回路116とを備える。センサ群150は、ステアリングホイールセンサ152と、切れ角センサ154、車軸センサ156とを含む。制御システム160は、記憶装置170と、制御装置180とを備える。制御装置180は、複数の電子制御ユニット(ECU)181から186を備える。作業機300は、駆動装置340と、制御装置380と、通信装置390とを備える。なお、図3には、作業車両100による自動運転の動作との関連性が相対的に高い構成要素が示されており、それ以外の構成要素の図示は省略されている。
GNSSユニット110におけるGNSS受信機111は、複数のGNSS衛星から送信される衛星信号を受信し、衛星信号に基づいてGNSSデータを生成する。GNSSデータは、例えばNMEA-0183フォーマットなどの所定のフォーマットで生成される。GNSSデータは、例えば、衛星信号が受信されたそれぞれの衛星の識別番号、仰角、方位角、および受信強度を示す値を含み得る。受信強度は、例えば搬送波雑音電力密度比(C/N0)などの値で表現され得る。GNSSデータは、受信された複数の衛星信号に基づいて計算された作業車両100の位置情報、および当該位置情報の信頼性を示す情報も含み得る。位置情報は、例えば緯度、経度、および平均海水面からの高さなどによって表され得る。位置情報の信頼性は、例えば衛星の配置状況を示すDOP値などによって表され得る。
図3に示すGNSSユニット110は、RTK(Real Time Kinematic)-GNSSを利用して作業車両100の測位を行う。図4は、RTK-GNSSによる測位を行う作業車両100の例を示す概念図である。RTK-GNSSによる測位では、複数のGNSS衛星50から送信される衛星信号に加えて、基準局60から送信される補正信号が利用される。基準局60は、作業車両100が作業走行を行う圃場の付近(例えば、作業車両100から10km以内の位置)に設置され得る。基準局60は、複数のGNSS衛星50から受信した衛星信号に基づいて、例えばRTCMフォーマットの補正信号を生成し、GNSSユニット110に送信する。RTK受信機112は、アンテナおよびモデムを含み、基準局60から送信される補正信号を受信する。GNSSユニット110の処理回路116は、補正信号に基づき、GNSS受信機111による測位結果を補正する。RTK-GNSSを用いることにより、例えば誤差数cmの精度で測位を行うことが可能である。緯度、経度、および高度の情報を含む位置情報が、RTK-GNSSによる高精度の測位によって取得される。GNSSユニット110は、例えば1秒間に1回から10回程度の頻度で、作業車両100の位置を計算する。
なお、測位方法はRTK-GNSSに限らず、必要な精度の位置情報が得られる任意の測位方法(干渉測位法または相対測位法など)を用いることができる。例えば、VRS(Virtual Reference Station)またはDGPS(Differential Global Positioning System)を利用した測位を行ってもよい。基準局60から送信される補正信号を用いなくても必要な精度の位置情報が得られる場合は、補正信号を用いずに位置情報を生成してもよい。その場合、GNSSユニット110は、RTK受信機112を備えていなくてもよい。
RTK-GNSSを利用する場合であっても、基準局60からの補正信号が得られない場所(例えば圃場から遠く離れた道路上)では、RTK受信機112からの信号によらず、他の方法で作業車両100の位置が推定される。例えば、LiDARセンサ140および/またはカメラ120から出力されたデータと、高精度の環境地図とのマッチングによって、作業車両100の位置が推定され得る。
本実施形態におけるGNSSユニット110は、さらにIMU115を備える。IMU115は、3軸加速度センサおよび3軸ジャイロスコープを備え得る。IMU115は、3軸地磁気センサなどの方位センサを備えていてもよい。IMU115は、モーションセンサとして機能し、作業車両100の加速度、速度、変位、および姿勢などの諸量を示す信号を出力することができる。処理回路116は、衛星信号および補正信号に加えて、IMU115から出力された信号に基づいて、作業車両100の位置および向きをより高い精度で推定することができる。IMU115から出力された信号は、衛星信号および補正信号に基づいて計算される位置の補正または補完に用いられ得る。IMU115は、GNSS受信機111よりも高い頻度で信号を出力する。その高頻度の信号を利用して、処理回路116は、作業車両100の位置および向きをより高い頻度(例えば、10Hz以上)で計測することができる。IMU115に代えて、3軸加速度センサおよび3軸ジャイロスコープを別々に設けてもよい。IMU115は、GNSSユニット110とは別の装置として設けられていてもよい。
カメラ120は、作業車両100の周囲の環境を撮影する撮像装置である。カメラ120は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサを備える。カメラ120は、他にも、1つ以上のレンズを含む光学系、および信号処理回路を備え得る。カメラ120は、作業車両100の走行中、作業車両100の周囲の環境を撮影し、画像(例えば動画)のデータを生成する。カメラ120は、例えば、3フレーム/秒(fps: frames per second)以上のフレームレートで動画を撮影することができる。カメラ120によって生成された画像は、例えば遠隔の監視者が端末装置400を用いて作業車両100の周囲の環境を確認するときに利用され得る。カメラ120によって生成された画像は、測位または障害物の検出に利用されてもよい。図2に示すように、複数のカメラ120が作業車両100の異なる位置に設けられていてもよいし、単数のカメラが設けられていてもよい。可視光画像を生成する可視カメラと、赤外線画像を生成する赤外カメラとが別々に設けられていてもよい。可視カメラと赤外カメラの両方が監視用の画像を生成するカメラとして設けられていてもよい。赤外カメラは、夜間において障害物の検出にも用いられ得る。
障害物センサ130は、作業車両100の周囲に存在する物体を検出する。障害物センサ130は、例えばレーザスキャナまたは超音波ソナーを含み得る。障害物センサ130は、障害物センサ130から所定の距離よりも近くに物体が存在する場合に、障害物が存在することを示す信号を出力する。複数の障害物センサ130が作業車両100の異なる位置に設けられていてもよい。例えば、複数のレーザスキャナと、複数の超音波ソナーとが、作業車両100の異なる位置に配置されていてもよい。そのような多くの障害物センサ130を備えることにより、作業車両100の周囲の障害物の監視における死角を減らすことができる。
ステアリングホイールセンサ152は、作業車両100のステアリングホイールの回転角を計測する。切れ角センサ154は、操舵輪である前輪104Fの切れ角を計測する。ステアリングホイールセンサ152および切れ角センサ154による計測値は、制御装置180による操舵制御に利用される。
車軸センサ156は、車輪104に接続された車軸の回転速度、すなわち単位時間あたりの回転数を計測する。車軸センサ156は、例えば磁気抵抗素子(MR)、ホール素子、または電磁ピックアップを利用したセンサであり得る。車軸センサ156は、例えば、車軸の1分あたりの回転数(単位:rpm)を示す数値を出力する。車軸センサ156は、作業車両100の速度を計測するために使用される。
駆動装置240は、前述の原動機102、変速装置103、操舵装置106、および連結装置108などの、作業車両100の走行および作業機300の駆動に必要な各種の装置を含む。原動機102は、例えばディーゼル機関などの内燃機関を備え得る。駆動装置240は、内燃機関に代えて、あるいは内燃機関とともに、トラクション用の電動モータを備えていてもよい。
ブザー220は、異常を報知するための警告音を発する音声出力装置である。ブザー220は、例えば、自動運転時に、障害物が検出された場合に警告音を発する。ブザー220は、制御装置180によって制御される。
記憶装置170は、フラッシュメモリまたは磁気ディスクなどの1つ以上の記憶媒体を含む。記憶装置170は、GNSSユニット110、カメラ120、障害物センサ130、LiDARセンサ140、センサ群150、および制御装置180が生成する各種のデータを記憶する。記憶装置170が記憶するデータには、作業車両100が走行する環境内の地図データ(環境地図)、および自動運転のための大域的経路(目標経路)のデータが含まれ得る。環境地図は、作業車両100が農作業を行う複数の圃場およびその周辺の道の情報を含む。環境地図および目標経路は、管理装置600における処理装置(プロセッサ)によって生成され得る。なお、制御装置180が、環境地図および目標経路を生成または編集する機能を備えていてもよい。制御装置180は、管理装置600から取得した環境地図および目標経路を、作業車両100の走行環境に応じて編集することができる。記憶装置170は、通信装置190が管理装置600から受信した作業計画のデータも記憶する。
作業計画は、複数の作業日にわたって作業車両100が実行する複数の農作業に関する情報を含む。作業計画は、例えば、各作業日において作業車両100が実行する各農作業の予定時刻の情報を含む作業スケジュールのデータであり得る。
記憶装置170は、制御装置180における各ECUに、後述する各種の動作を実行させるコンピュータプログラムも記憶する。そのようなコンピュータプログラムは、記憶媒体(例えば半導体メモリまたは光ディスク等)または電気通信回線(例えばインターネット)を介して作業車両100に提供され得る。そのようなコンピュータプログラムが、商用ソフトウェアとして販売されてもよい。
制御装置180は、複数のECUを含む。複数のECUは、例えば、速度制御用のECU181、ステアリング制御用のECU182、インプルメント制御用のECU183、自動運転制御用のECU184、経路生成用のECU185、および地図作成用のECU186を含む。
ECU181は、駆動装置240に含まれる原動機102、変速装置103、およびブレーキを制御することによって作業車両100の速度を制御する。
ECU182は、ステアリングホイールセンサ152の計測値に基づいて、操舵装置106に含まれる油圧装置または電動モータを制御することによって作業車両100のステアリングを制御する。
ECU183は、作業機300に所望の動作を実行させるために、連結装置108に含まれる3点リンクおよびPTO軸などの動作を制御する。ECU183はまた、作業機300の動作を制御する信号を生成し、その信号を通信装置190から作業機300に送信する。
ECU184は、GNSSユニット110、カメラ120、障害物センサ130、LiDARセンサ140およびセンサ群150から出力されたデータに基づいて、自動運転を実現するための演算および制御を行う。例えば、ECU184は、GNSSユニット110、カメラ120、およびLiDARセンサ140の少なくとも1つから出力されたデータに基づいて、作業車両100の位置を特定する。圃場内においては、ECU184は、GNSSユニット110から出力されたデータのみに基づいて作業車両100の位置を決定してもよい。ECU184は、カメラ120またはLiDARセンサ140が取得したデータに基づいて作業車両100の位置を推定または補正してもよい。カメラ120またはLiDARセンサ140が取得したデータを利用することにより、測位の精度をさらに高めることができる。また、圃場外においては、ECU184は、LiDARセンサ140またはカメラ120から出力されるデータを利用して作業車両100の位置を推定する。例えば、ECU184は、LiDARセンサ140またはカメラ120から出力されるデータと、環境地図とのマッチングにより、作業車両100の位置を推定してもよい。自動運転中、ECU184は、推定された作業車両100の位置に基づいて、目標経路または局所的経路に沿って作業車両100が走行するために必要な演算を行う。ECU184は、ECU181に速度変更の指令を送り、ECU182に操舵角変更の指令を送る。ECU181は、速度変更の指令に応答して原動機102、変速装置103、またはブレーキを制御することによって作業車両100の速度を変化させる。ECU182は、操舵角変更の指令に応答して操舵装置106を制御することによって操舵角を変化させる。
ECU185は、作業車両100が目標経路に沿って走行している間、障害物を回避可能な局所的経路を逐次生成する。ECU185は、作業車両100の走行中、カメラ120、障害物センサ130、およびLiDARセンサ140から出力されたデータに基づいて、作業車両100の周囲に存在する障害物を認識する。ECU185は、認識した障害物を回避するように局所的経路を生成する。
ECU185は、管理装置600の代わりに大域的経路設計を行う機能を備えていてもよい。その場合、ECU185は、記憶装置170に格納された作業計画に基づいて作業車両100の移動先を決定し、作業車両100の移動の開始地点から目的地点までの目標経路を決定する。ECU185は、記憶装置170に格納された道路情報を含む環境地図に基づき、例えば最短の時間で移動先に到達できる経路を目標経路として作成することができる。あるいは、ECU185は、環境地図に含まれる各道の属性情報に基づいて、特定の種類の道(例えば、農道、水路などの特定の地物に沿った道、またはGNSS衛星からの衛星信号を良好に受信できる道など)を優先する経路を目標経路として生成してもよい。
ECU186は、作業車両100が走行する環境の地図を生成または編集する。本実施形態では、管理装置600などの外部の装置によって生成された環境地図が作業車両100に送信され、記憶装置170に記録されるが、ECU186が代わりに環境地図を生成または編集することもできる。以下、ECU186が環境地図を生成する場合の動作を説明する。環境地図は、LiDARセンサ140から出力されたセンサデータに基づいて生成され得る。環境地図を生成するとき、ECU186は、作業車両100が走行している間にLiDARセンサ140から出力されたセンサデータに基づいて3次元の点群データを逐次生成する。ECU186は、例えばSLAMなどのアルゴリズムを利用して、逐次生成した点群データを繋ぎ合わせることにより、環境地図を生成することができる。このようにして生成された環境地図は、高精度の3次元地図であり、ECU184による自己位置推定に利用され得る。この3次元地図に基づいて、大域的経路計画に利用される2次元地図が生成され得る。本明細書では、自己位置推定に利用される3次元地図と、大域的経路計画に利用される2次元地図とを、いずれも「環境地図」と称する。ECU186は、さらに、カメラ120またはLiDARセンサ140から出力されたデータに基づいて認識された地物(例えば、水路、川、草、木など)、道の種類(例えば農道か否か)、路面の状態、または道の通行可能性等に関する種々の属性情報を、地図に付加することによって地図を編集することもできる。
これらのECUの働きにより、制御装置180は、自動運転を実現する。自動運転時において、制御装置180は、計測または推定された作業車両100の位置と、目標経路とに基づいて、駆動装置240を制御する。これにより、制御装置180は、作業車両100を目標経路に沿って走行させることができる。
制御装置180に含まれる複数のECUは、例えばCAN(Controller Area Network)などのビークルバス規格に従って、相互に通信することができる。CANに代えて、車載イーサネット(登録商標)などの、より高速の通信方式が用いられてもよい。図3において、ECU181から186のそれぞれは、個別のブロックとして示されているが、これらのそれぞれの機能が、複数のECUによって実現されていてもよい。ECU181から186の少なくとも一部の機能を統合した車載コンピュータが設けられていてもよい。制御装置180は、ECU181から186以外のECUを備えていてもよく、機能に応じて任意の個数のECUが設けられ得る。各ECUは、1つ以上のプロセッサを含む処理回路を備える。
通信装置190は、作業機300、端末装置400、および管理装置600と通信を行う回路を含む装置である。通信装置190は、例えばISOBUS-TIM等のISOBUS規格に準拠した信号の送受信を、作業機300の通信装置390との間で実行する回路を含む。これにより、作業機300に所望の動作を実行させたり、作業機300から情報を取得したりすることができる。通信装置190は、さらに、ネットワーク80を介した信号の送受信を、端末装置400および管理装置600のそれぞれの通信装置との間で実行するためのアンテナおよび通信回路を含み得る。ネットワーク80は、例えば、3G、4Gもしくは5Gなどのセルラー移動体通信網およびインターネットを含み得る。通信装置190は、作業車両100の近くにいる監視者が使用する携帯端末と通信する機能を備えていてもよい。そのような携帯端末との間では、Wi-Fi(登録商標)、3G、4Gもしくは5Gなどのセルラー移動体通信、またはBluetooth(登録商標)などの、任意の無線通信規格に準拠した通信が行われ得る。
操作端末200は、作業車両100の走行および作業機300の動作に関する操作をユーザが実行するための端末であり、バーチャルターミナル(VT)とも称される。操作端末200は、タッチスクリーンなどの表示装置、および/または1つ以上のボタンを備え得る。表示装置は、例えば液晶または有機発光ダイオード(OLED)などのディスプレイであり得る。ユーザは、操作端末200を操作することにより、例えば自動運転モードのオン/オフの切り替え、環境地図の記録または編集、目標経路の設定、および作業機300のオン/オフの切り替えなどの種々の操作を実行することができる。これらの操作の少なくとも一部は、操作スイッチ群210を操作することによっても実現され得る。操作端末200は、作業車両100から取り外せるように構成されていてもよい。作業車両100から離れた場所にいるユーザが、取り外された操作端末200を操作して作業車両100の動作を制御してもよい。ユーザは、操作端末200の代わりに、端末装置400などの、必要なアプリケーションソフトウェアがインストールされたコンピュータを操作して作業車両100の動作を制御してもよい。
図5は、キャビン105の内部に設けられる操作端末200および操作スイッチ群210の例を示す図である。キャビン105の内部には、ユーザが操作可能な複数のスイッチを含む操作スイッチ群210が配置されている。操作スイッチ群210は、例えば、主変速または副変速の変速段を選択するためのスイッチ、自動運転モードと手動運転モードとを切り替えるためのスイッチ、前進と後進とを切り替えるためのスイッチ、および作業機300を昇降するためのスイッチ等を含み得る。なお、作業車両100が無人運転のみを行い、有人運転の機能を備えていない場合、作業車両100が操作スイッチ群210を備えている必要はない。
図3に示す作業機300における駆動装置340は、作業機300が所定の作業を実行するために必要な動作を行う。駆動装置340は、例えば油圧装置、電気モータ、またはポンプなどの、作業機300の用途に応じた装置を含む。制御装置380は、駆動装置340の動作を制御する。制御装置380は、通信装置390を介して作業車両100から送信された信号に応答して、駆動装置340に各種の動作を実行させる。また、作業機300の状態に応じた信号を通信装置390から作業車両100に送信することもできる。
次に、図6を参照しながら、管理装置600および端末装置400の構成を説明する。図6は、管理装置600および端末装置400の概略的なハードウェア構成を例示するブロック図である。
管理装置600は、記憶装置650と、プロセッサ660と、ROM(Read Only Memory)670と、RAM(Random Access Memory)680と、通信装置690とを備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。管理装置600は、作業車両100が実行する圃場における農作業のスケジュール管理を行い、管理するデータを活用して農業を支援するクラウドサーバとして機能し得る。ユーザは、端末装置400を用いて作業計画の作成に必要な情報を入力し、その情報をネットワーク80を介して管理装置600にアップロードすることが可能である。管理装置600は、その情報に基づき、農作業のスケジュール、すなわち作業計画を作成することができる。管理装置600は、さらに、環境地図の生成または編集を実行することができる。環境地図は、管理装置600の外部のコンピュータから配信されてもよい。
通信装置690は、ネットワーク80を介して作業車両100および端末装置400と通信するための通信モジュールである。通信装置690は、例えば、IEEE1394(登録商標)またはイーサネット(登録商標)などの通信規格に準拠した有線通信を行うことができる。通信装置690は、Bluetooth(登録商標)規格もしくはWi-Fi規格に準拠した無線通信、または、3G、4Gもしくは5Gなどのセルラー移動体通信を行ってもよい。
プロセッサ660は、例えば中央演算処理装置(CPU)を含む半導体集積回路であり得る。プロセッサ660は、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラによって実現され得る。あるいは、プロセッサ660は、CPUを搭載したFPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、または、これら回路の中から選択される二つ以上の回路の組み合わせによっても実現され得る。プロセッサ660は、ROM670に格納された、少なくとも1つの処理を実行するための命令群を記述したコンピュータプログラムを逐次実行し、所望の処理を実現する。
ROM670は、例えば、書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)、または読み出し専用のメモリである。ROM670は、プロセッサ660の動作を制御するプログラムを記憶する。ROM670は、単一の記憶媒体である必要はなく、複数の記憶媒体の集合体であってもよい。複数の記憶媒体の集合体の一部は、取り外し可能なメモリであってもよい。
RAM680は、ROM670に格納された制御プログラムをブート時に一旦展開するための作業領域を提供する。RAM680は、単一の記憶媒体である必要はなく、複数の記憶媒体の集合体であってもよい。
記憶装置650は、主としてデータベースのストレージとして機能する。記憶装置650は、例えば、磁気記憶装置または半導体記憶装置であり得る。磁気記憶装置の例は、ハードディスクドライブ(HDD)である。半導体記憶装置の例は、ソリッドステートドライブ(SSD)である。記憶装置650は、管理装置600とは独立した装置であってもよい。例えば、記憶装置650は、管理装置600にネットワーク80を介して接続される記憶装置、例えばクラウドストレージであってもよい。
端末装置400は、入力装置420と、表示装置430と、記憶装置450と、プロセッサ460と、ROM470と、RAM480と、通信装置490とを備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続される。入力装置420は、ユーザからの指示をデータに変換してコンピュータに入力するための装置である。入力装置420は、例えば、キーボード、マウス、またはタッチパネルであり得る。表示装置430は、例えば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイであり得る。プロセッサ460、ROM470、RAM480、記憶装置450、および通信装置490のそれぞれに関する説明は、管理装置600のハードウェア構成例において記載したとおりであり、それらの説明を省略する。
[2.動作]
次に、作業車両100、端末装置400、および管理装置600の動作を説明する。
[2-1.自動走行動作]
まず、作業車両100による自動走行の動作の例を説明する。本実施形態における作業車両100は、圃場内および圃場外の両方で自動で走行することができる。圃場内において、作業車両100は、予め設定された目標経路に沿って走行しながら、作業機300を駆動して所定の農作業を行う。作業車両100は、圃場内を走行中、障害物センサ130によって障害物が検出された場合、例えば、走行を停止し、ブザー220からの警告音の発出、および端末装置400への警告信号の送信などの動作を行ってもよい。圃場内において、作業車両100の測位は、主にGNSSユニット110から出力されるデータに基づいて行われる。一方、圃場外において、作業車両100は、圃場外の農道または一般道に設定された目標経路に沿って自動で走行する。作業車両100は、圃場外を走行中、カメラ120またはLiDARセンサ140によって取得されたデータを活用して走行する。圃場外において、作業車両100は、障害物が検出されると、例えば障害物を回避するか、その場で停止する。圃場外においては、GNSSユニット110から出力される測位データに加え、LiDARセンサ140またはカメラ120から出力されるデータに基づいて作業車両100の位置が推定され得る。
以下、作業車両100が圃場内を自動走行する場合の動作の例を説明する。
図7は、圃場内を目標経路に沿って自動で走行する作業車両100の例を模式的に示す図である。この例において、圃場は、作業車両100が作業機300を用いて作業を行う作業領域72と、圃場の外周縁付近に位置する枕地74とを含む。地図上で圃場のどの領域が作業領域72または枕地74に該当するかは、ユーザによって事前に設定され得る。この例における目標経路は、並列する複数の主経路P1と、複数の主経路P1を接続する複数の旋回経路P2とを含む。主経路P1は作業領域72内に位置し、旋回経路P2は枕地74内に位置する。図7に示す各主経路P1は直線状の経路であるが、各主経路P1は曲線状の部分を含んでいてもよい。主経路P1は、例えば、ユーザが操作端末200または端末装置400に表示された圃場の地図を見ながら、圃場の端付近の2点(図7における点AおよびB)を指定する操作を行うことによって自動で生成され得る。その場合、ユーザが指定した点Aと点Bとを結ぶ線分に平行に、複数の主経路P1が設定され、それらの主経路P1を旋回経路P2で接続することによって圃場内の目標経路が生成される。図7における破線は、作業機300の作業幅を表している。作業幅は、予め設定され、記憶装置170に記録される。作業幅は、ユーザが操作端末200または端末装置400を操作することによって設定され、記録され得る。あるいは、作業幅は、作業機300を作業車両100に接続したときに自動で認識され、記録されてもよい。複数の主経路P1の間隔は、作業幅に合わせて設定され得る。目標経路は、自動運転が開始される前に、ユーザの操作に基づいて作成され得る。目標経路は、例えば圃場内の作業領域72の全体をカバーするように作成され得る。作業車両100は、図7に示すような目標経路に沿って、作業の開始地点から作業の終了地点まで、往復を繰り返しながら自動で走行する。なお、図7に示す目標経路は一例に過ぎず、目標経路の定め方は任意である。
次に、制御装置180による圃場内における自動運転時の制御の例を説明する。
図8は、制御装置180によって実行される自動運転時の操舵制御の動作の例を示すフローチャートである。制御装置180は、作業車両100の走行中、図8に示すステップS121からS125の動作を実行することにより、自動操舵を行う。速度に関しては、例えば予め設定された速度に維持される。制御装置180は、作業車両100の走行中、GNSSユニット110によって生成された作業車両100の位置を示すデータを取得する(ステップS121)。次に、制御装置180は、作業車両100の位置と、目標経路との偏差を算出する(ステップS122)。偏差は、その時点における作業車両100の位置と、目標経路との距離を表す。制御装置180は、算出した位置の偏差が予め設定された閾値を超えるか否かを判定する(ステップS123)。偏差が閾値を超える場合、制御装置180は、偏差が小さくなるように、駆動装置240に含まれる操舵装置の制御パラメータを変更することにより、操舵角を変更する。ステップS123において偏差が閾値を超えない場合、ステップS124の動作は省略される。続くステップS125において、制御装置180は、動作終了の指令を受けたか否かを判定する。動作終了の指令は、例えばユーザが遠隔操作で自動運転の停止を指示したり、作業車両100が目的地に到達したりした場合に出され得る。動作終了の指令が出されていない場合、ステップS121に戻り、新たに計測された作業車両100の位置に基づいて、同様の動作を実行する。制御装置180は、動作終了の指令が出されるまで、ステップS121からS125の動作を繰り返す。上記の動作は、制御装置180におけるECU182、184によって実行される。
図8に示す例では、制御装置180は、GNSSユニット110によって特定された作業車両100の位置と目標経路との偏差のみに基づいて駆動装置240を制御するが、方位の偏差もさらに考慮して制御してもよい。例えば、制御装置180は、GNSSユニット110によって特定された作業車両100の向きと、目標経路の方向との角度差である方位偏差が予め設定された閾値を超える場合に、その偏差に応じて駆動装置240の操舵装置の制御パラメータ(例えば操舵角)を変更してもよい。
以下、図9Aから図9Dを参照しながら、制御装置180による操舵制御の例をより具体的に説明する。
図9Aは、目標経路Pに沿って走行する作業車両100の例を示す図である。図9Bは、目標経路Pから右にシフトした位置にある作業車両100の例を示す図である。図9Cは、目標経路Pから左にシフトした位置にある作業車両100の例を示す図である。図9Dは、目標経路Pに対して傾斜した方向を向いている作業車両100の例を示す図である。これらの図において、GNSSユニット110によって計測された作業車両100の位置および向きを示すポーズがr(x,y,θ)と表現されている。(x,y)は、地球に固定された2次元座標系であるXY座標系における作業車両100の基準点の位置を表す座標である。図9Aから図9Dに示す例において、作業車両100の基準点はキャビン上のGNSSアンテナが設置された位置にあるが、基準点の位置は任意である。θは、作業車両100の計測された向きを表す角度である。図示されている例においては、目標経路PがY軸に平行であるが、一般的には目標経路PはY軸に平行であるとは限らない。
図9Aに示すように、作業車両100の位置および向きが目標経路Pから外れていない場合には、制御装置180は、作業車両100の操舵角および速度を変更せずに維持する。
図9Bに示すように、作業車両100の位置が目標経路Pから右側にシフトしている場合には、制御装置180は、作業車両100の走行方向が左寄りに傾き、経路Pに近付くように操舵角を変更する。このとき、操舵角に加えて速度も併せて変更してもよい。操舵角の大きさは、例えば位置偏差Δxの大きさに応じて調整され得る。
図9Cに示すように、作業車両100の位置が目標経路Pから左側にシフトしている場合には、制御装置180は、作業車両100の走行方向が右寄りに傾き、経路Pに近付くように操舵角を変更する。この場合も、操舵角に加えて速度も併せて変更してもよい。操舵角の変化量は、例えば位置偏差Δxの大きさに応じて調整され得る。
図9Dに示すように、作業車両100の位置は目標経路Pから大きく外れていないが、向きが目標経路Pの方向とは異なる場合は、制御装置180は、方位偏差Δθが小さくなるように操舵角を変更する。この場合も、操舵角に加えて速度も併せて変更してもよい。操舵角の大きさは、例えば位置偏差Δxおよび方位偏差Δθのそれぞれの大きさに応じて調整され得る。例えば、位置偏差Δxの絶対値が小さいほど方位偏差Δθに応じた操舵角の変化量を大きくしてもよい。位置偏差Δxの絶対値が大きい場合には、経路Pに戻るために操舵角を大きく変化させることになるため、必然的に方位偏差Δθの絶対値が大きくなる。逆に、位置偏差Δxの絶対値が小さい場合には、方位偏差Δθをゼロに近づけることが必要である。このため、操舵角を決定するための方位偏差Δθの重み(すなわち制御ゲイン)を相対的に大きくすることが妥当である。
作業車両100の操舵制御および速度制御には、PID制御またはMPC制御(モデル予測制御)などの制御技術が適用され得る。これらの制御技術を適用することにより、作業車両100を目標経路Pに近付ける制御を滑らかにすることができる。
なお、走行中に1つ以上の障害物センサ130によって障害物が検出された場合には、制御装置180は、例えば、作業車両100を停止させる。このとき、ブザー220に警告音を発出させたり、警告信号を端末装置400に送信してもよい。障害物の回避が可能な場合、制御装置180は、障害物を回避可能な局所的な経路を生成し、その経路に沿って作業車両100が走行するように駆動装置240を制御してもよい。
本実施形態における作業車両100は、圃場内だけでなく、圃場外でも自動走行が可能である。圃場外において、制御装置180は、カメラ120またはLiDARセンサ140から出力されたデータに基づいて、作業車両100から比較的離れた位置に存在する物体(例えば、他の車両または歩行者等)を検出することができる。制御装置180は、検出された物体を回避するように局所的経路を生成し、局所的経路に沿って速度制御および操舵制御を行うことにより、圃場外の道における自動走行を実現できる。
このように、本実施形態における作業車両100は、無人で圃場内および圃場外を自動で走行できる。図10は、複数の作業車両100が圃場70の内部および圃場70の外側の道76を自動走行している状況の例を模式的に示す図である。記憶装置170には、複数の圃場およびその周辺の道を含む領域の環境地図および目標経路が記録される。環境地図および目標経路は、管理装置600またはECU185によって生成され得る。作業車両100が道路上を走行する場合、作業車両100は、作業機300を上昇させた状態で、カメラ120およびLiDARセンサ140などのセンシング装置を用いて周囲をセンシングしながら、目標経路に沿って走行する。走行中、制御装置180は、局所的経路を逐次生成し、局所的経路に沿って作業車両100を走行させる。これにより、障害物を回避しながら自動走行することができる。走行中に、状況に応じて目標経路が変更されてもよい。
[2-2.作業計画の作成]
本実施形態における作業車両100は、管理装置600によって作成された作業計画および目標経路に従って圃場間の移動、および各圃場での農作業を自動で実行する。作業計画は、作業車両100によって実行される1以上の農作業に関する情報を含む。例えば、作業計画は、作業車両100によって実行される1以上の農作業、および各農作業が行われる圃場の情報を含む。作業計画は、複数の作業日にわたって作業車両100が実行する複数の農作業、および各農作業が行われる圃場の情報を含んでいてもよい。より具体的には、作業計画は、作業日ごとに、どの時刻に、どの農業機械が、どの圃場で、どの農作業を行うかを示す作業スケジュールの情報を含むデータベースであり得る。以下、作業計画
がそのような作業スケジュールのデータである場合の例を説明する。作業計画は、ユーザが端末装置400を用いて入力した情報に基づいて、管理装置600のプロセッサ660によって作成され得る。以下、作業スケジュールの作成方法の例を説明する。
図11は、端末装置400の表示装置430に表示される設定画面760の一例を示す図である。端末装置400のプロセッサ460は、ユーザによる入力装置420を用いた操作に応答して、スケジュール作成のためのアプリケーションソフトウェアを起動して、図11に示すような設定画面760を表示装置430に表示させる。ユーザは、この設定画面760上で、作業スケジュールの作成に必要な情報を入力することができる。
図11は、農作業として、稲作用の圃場において肥料の散布を伴う耕耘が行われる場合の設定画面760の一例を示している。設定画面760は、図示されるものに限定されず、適宜変更が可能である。図11の例における設定画面760は、日付設定部762、作付計画選択部763、圃場選択部764、作業選択部765、作業者選択部766、時間設定部767、機械選択部768、肥料選択部769、および散布量設定部770を含む。
日付設定部762には、入力装置420によって入力された日付が表示される。入力された日付が農作業の実施日として設定される。
作付計画選択部763には、予め作成された作付計画の名称の一覧が表示される。一覧の中から所望の作付計画をユーザが選択することが可能である。作付計画は、作物の種類・品種ごとに予め作成され、管理装置600の記憶装置650に記録される。作付計画は、どの作物をどの圃場に作付けするか(すなわち植え付けるか)という計画である。作付計画は、作物を圃場に作付けする前に、複数の圃場を管理する管理者等によって行われる。図11の例では、稲の品種「こしいぶき」の作付計画が選択されている。この場合、設定画面760で設定される内容は、「こしいぶき」の作付計画に関連付けられる。
圃場選択部764には、地図中の圃場が表示される。ユーザは、表示された圃場の中から任意の圃場を選択できる。図11の例では、「圃場A」を示す部分が選択されている。この場合、選択された「圃場A」が農作業が行われる圃場として設定される。
作業選択部765には、選択された作物を栽培するために必要な複数の農作業が表示される。ユーザは、複数の農作業の中から1つの農作業を選択することができる。図11の例では、複数の農作業の中から「耕耘」が選択されている。この場合、選択された「耕耘」が、実施される農作業として設定される。
作業者選択部766には、予め登録された作業者が表示される。ユーザは、表示された複数の作業者の中から一人以上の作業者を選択することができる。図11の例では、複数の作業者のうち、「作業者B、作業者C」が選択されている。この場合、選択された「作業者B、作業者C」が、その農作業を実施または管理する担当の作業者として設定される。なお、本実施形態では、農業機械は自動で農作業を行うため、作業者は実際には農作業を行わず、農業機械が実行する農作業を遠隔で監視するだけであってもよい。
時間設定部767には、入力装置420から入力された作業時間が表示される。作業時間は、開始時刻および終了時刻によって指定される。入力された作業時間が、農作業が実行される予定時間として設定される。
機械選択部768は、その農作業において使用される農業機械を設定する部分である。機械選択部768には、例えば、予め管理装置600によって登録された農業機械の種類
または型式、および使用可能なインプルメントの種類または型式等が表示され得る。ユーザは、表示された機械の中から、特定の機械を選択することができる。図11の例では、型式が「NW4511」であるインプルメントが選択されている。この場合、そのインプルメントが、当該農作業において使用される機械として設定される。
肥料選択部769には、予め管理装置600によって登録された複数の肥料の名称が表示される。ユーザは、表示された複数の肥料の中から特定の肥料を選択することができる。選択された肥料が当該農作業において使用される肥料として設定される。
散布量設定部770には、入力装置420から入力された数値が表示される。入力された数値が散布量として設定される。
設定画面760において、作付計画、圃場、農作業、作業者、作業時間、肥料、散布量が入力され、「登録」が選択されると、端末装置400の通信装置490は、入力された情報を管理装置600に送信する。管理装置600のプロセッサ660は、受信した情報を記憶装置650に記憶させる。プロセッサ660は、受信した情報に基づいて、各農業機械に実行させる農作業のスケジュールを作成し、記憶装置650に記憶させる。
なお、管理装置600によって管理される農作業の情報は上述したものに限定されない。例えば、圃場で使用される農薬の種類および散布量を設定画面760で設定できるようにしてもよい。図11に示す農作業以外の農作業に関する情報を設定できるようにしてもよい。
図12は、管理装置600によって作成される農作業のスケジュール(すなわち作業計画)の例を示す図である。この例におけるスケジュールは、登録された農業機械ごとに、農作業が行われる日および時間、圃場、作業内容、および使用されるインプルメントを示す情報を含む。スケジュールは、図12に示す情報以外にも、作業内容に応じた他の情報、例えば農薬の種類または農薬の散布量などの情報を含んでいてもよい。このようなスケジュールに従い、管理装置600のプロセッサ660は、作業車両100に農作業の指示を出す。スケジュールは、作業車両100の制御装置180によってダウンロードされ、記憶装置170にも格納され得る。その場合、制御装置180は、記憶装置170に格納されたスケジュールに従って自発的に動作を開始してもよい。
本実施形態では、作業計画は管理装置600によって作成されるが、作業計画は他の装置によって作成されてもよい。例えば、端末装置400のプロセッサ460または作業車両100における制御装置180が作業計画を生成または更新する機能を備えていてもよい。
[2-3.自動運転のための経路生成]
本実施形態による管理装置600は、農業機械(この例では作業車両100)が自動運転を行う経路を生成する経路生成システムとして機能する。
本実施形態による経路生成システムとして機能する管理装置600は、作業車両100が自動運転を行うための地図データであって、作業車両100が走行した地点の位置情報と、位置情報に関連付けられた作業車両100のスリップ率のデータとを含む地図データを記憶する記憶装置650と、地図データに含まれるスリップ率のデータに基づいて、作業車両100が自動運転を行う経路を生成する処理装置(プロセッサ)660とを有する。
本実施形態による経路生成システムが適用される地図データは、作業車両100が自動運転を行うために用いられる。ただし、地図データに追加される、作業車両100が走行した地点の位置情報は、作業車両100が自動運転で走行している間に取得されたものおよび手動運転で走行している間に取得されたものの両方を用いることができる。「農業機械が自動運転を行うための地図データ」は、農業機械が自動運転を行う環境に存在する物(地物を含む)の位置または領域を所定の座標系によって表現したデータであり、当該物の属性情報をさらに含み得る。地図データは、点群地図または格子地図など種々の形式の地図データであってよく、2次元の地図データに限られず3次元の地図データであってもよい。
本実施形態による経路生成システムは、主に、作業車両100が圃場外を自動で走行する経路を生成するために用いられる。本実施形態による経路生成システムによって生成される経路は、例えば、作業車両100が圃場の外を自動運転で走行する経路を含んでもよく、作業車両100が農道を自動運転で走行する経路を含んでもよい。なお、本実施形態による経路生成システムは、作業車両100が圃場内を自動で走行する経路を生成するために用いられてもよい。
処理装置660は、例えば、記憶装置650に記憶された地図データに基づいて作業車両100が自動運転を行う経路を生成する。このとき、処理装置660は、作業車両100が過去に走行したときに取得したスリップ率のデータを用いて経路を生成することができるので、作業車両100のための好適な経路を効率的に生成することができる。具体例は後述するが、例えば、スリップ率の低い道を組み合わせて経路を生成することができる。例えば、自動運転を行う農業機械は、十分に整備されていない農道のような道を走行する機会がある。本実施形態による経路生成システムによると、その道を実際に走行したときのスリップ率のデータ(走行実績)に基づいて経路生成を行うことができるので、作業車両100が自動運転を行うためのより好適な経路を生成することができる。本実施形態による経路生成システムを用いると、自動運転による作業車両100の走行が効率的に行われ得る。
処理装置660は、それぞれが位置および速度の情報を含む複数のウェイポイントを設定することにより、作業車両100が自動運転を行う経路を生成する。複数のウェイポイントの一部または全部のそれぞれには、作業車両100のスリップ率の情報が関連付けられている。処理装置660は、各ウェイポイントの速度を、地図データに含まれるスリップ率のデータの値に応じて変更してもよい。例えば、スリップ率が高い地点ほど速度が低くなるように設定されてもよい。
処理装置660は、地図データに含まれるスリップ率のデータを更新(または修正)することができる。すなわち、処理装置660は、作業車両100が自動運転または手動運転で走行している間、作業車両100のスリップ率のデータを取得し、取得した作業車両100のスリップ率のデータを、作業車両100の位置情報と関連付けて、地図データに追加してもよい。地図データに含まれるスリップ率のデータの更新を行うことで、地図データの精度が保たれ得る。例えば、地図データに含まれる道の路面状態が大きく変わったとき(例えば、未舗装だった道がアスファルトに舗装されたとき等)、路面状態の変更が反映されたスリップ率のデータを地図データに含めることができる。処理装置660は、地図データに含まれるスリップ率のデータの更新を、予め定められた所定期間ごとに(定期的に)行ってもよい。
処理装置660は、スリップ率のデータを取得したときの周辺の環境の情報も取得し、地図データに記憶させてもよい。処理装置660は、作業車両100が自動運転または手動運転で走行している間、作業車両100の周辺の環境をセンシングする1または複数のセンシング装置から出力されたセンサデータまたは外部のコンピュータと通信して得たデータによって、作業車両100の周辺の環境の情報を取得し、作業車両100のスリップ率のデータを取得したときの作業車両100の周辺の環境の情報を、作業車両100のスリップ率と関連付けて、地図データに追加してもよい。作業車両100の周辺の環境の情報の例としては、作業車両100のスリップ率のデータを取得したときの、天気の情報、降水量の情報、作業車両100が走行する路面(地面)の状態(例えばぬかるみの程度)の情報、等が挙げられる。作業車両100が圃場外を自動で走行するとき、典型的には作業車両100は作業(対地作業)を行わないので、作業による負荷は作業車両100のスリップ率に寄与しない。作業車両100が圃場外を自動で走行するとき、作業車両100のスリップ率を決める主な要因は地面の状態(例えば、地面が乾燥しているか濡れているか、地面のぬかるみの程度、地面が舗装されているか未舗装であるか、地面の凹凸の程度、等)であると考えられる。したがって、処理装置660は、作業車両100が走行する地面の状態に関連し得る、作業車両100の周辺の環境の情報を取得することが好ましい。例えば雨が降っているときまたは雨が降った後は地面が濡れていることが考えられ、降水量が多いほどぬかるみの程度が大きいことが考えられる。処理装置660がスリップ率のデータとともに例えば天気の情報や降水量の情報を取得することで、スリップ率のデータを有効に活用して経路を生成することができ得る。
処理装置660は、例えば、作業車両100が有する1または複数のセンシング装置で、作業車両100の周辺の環境をセンシングしたセンサデータに基づいて、作業車両100の周辺の環境の情報を取得する。作業車両100が有するセンシング装置は、例えば図2の例では、複数のカメラ120と、LiDARセンサ140と、複数の障害物センサ130とを含む。処理装置660は、作業車両100が有するセンシング装置の少なくとも1つから出力されたセンサデータ、例えば、カメラ120が取得した画像データ、障害物センサ130またはLiDARセンサ140から出力されたデータ(例えば点群データ)等に基づいて、作業車両100の周辺の環境の情報を取得する。
あるいは、作業車両100は、例えば作業車両100とは異なる農業機械、またはドローン(無人航空機、Unmanned Arial Vehicle:UAV)などの他の移動体が有する1または複数のセンシング装置で、周辺の環境をセンシングしながら走行してもよい。本実施形態による経路生成システムの処理装置660は、例えば作業車両100とは異なる農業機械、またはドローンなどの他の移動体が有するセンシング装置から出力されたセンサデータに基づいて、作業車両100の周辺の環境の情報を取得してもよい。
また、処理装置660は、気象情報を配信するサーバコンピュータから、インターネット等のネットワークを介して、作業車両100のスリップ率のデータを取得したときの、天気の情報(例えば、晴れ/くもり/雨)、降水量の情報、気温の情報、湿度の情報、等を取得してもよい。
作業車両100のスリップ率は、公知の方法で算出され得る。例えば、処理装置660は、作業車両100が自動運転または手動運転で走行している間、作業車両100の対地速度および作業車両100の駆動輪(車輪104)の回転速度の情報を取得し、作業車両100の対地速度および作業車両100の駆動輪の回転速度に基づいて、作業車両100のスリップ率を算出する。作業車両100の車軸センサ156は、車輪104に接続された車軸の回転速度、すなわち単位時間あたりの回転数を計測する。車軸センサ156から出力されたデータに基づいて、作業車両100の目標速度を求める。処理装置660は、例えば、作業車両100が有するGNSS受信機から出力されたGNSSデータに基づいて、作業車両100の対地速度を算出する。駆動輪と地面との間でスリップがなければ、目標速度と対地速度は等しくなるが、駆動輪にスリップが生じていると、目標速度と対地速度にずれが生じる。目標速度と対地速度のずれに基づいて、スリップ率を算出する。目標速度と対地速度のずれが大きいほどスリップ率は大きい。スリップ率は、典型的には、目標速度と対地速度の差の、目標速度に対する割合(スリップ率=(目標速度-対地速度)/目標速度)で表される。
処理装置660は、作業車両100が有するGNSS受信機から出力されたGNSSデータに基づいてスリップ率を算出する場合、スリップ率のデータを取得したときの周辺の環境の情報として、作業車両100が有するGNSS受信機による衛星信号の受信強度を取得し、スリップ率と関連付けて地図データに追加してもよい。処理装置660は、GNSS受信機による衛星信号の受信強度に基づいて、スリップ率のデータの取得が、衛星信号が正常に受信できる状況で行われたか否かを判定してもよい。処理装置660は、例えば、GNSS受信機による衛星信号の受信強度が所定の強度よりも高い場合、スリップ率のデータの取得が、衛星信号が正常に受信できる状況で行われたと判定してもよい。処理装置660は、スリップ率のデータの取得が、衛星信号が正常に受信できる状況で行われたと判定された場合にのみ、スリップ率のデータを地図データに追加してもよい。
図13Aおよび図13Bは、衛星信号の受信強度の例を示す図である。図13Aは、衛
星信号を正常に受信できる状況における各衛星信号の受信強度の例を示している。図13Bは、衛星信号を正常に受信できない(すなわち受信障害が生じ得る)状況における各衛星信号の受信強度の例を示している。この例では、12個の衛星からの衛星信号が受信され、受信強度が搬送波雑音電力密度比(C/N0)の値で表されている。なお、これは一例であり、衛星信号が受信され得る衛星の数および受信強度の表現はシステムに依存する。一例として、受信強度が予め設定された基準値を超える衛星の数が閾値(例えば4)以上であるか否かによって受信障害の有無を判断できる。図13Aおよび図13Bにおいて、受信強度の基準値の例が破線で示されている。閾値が例えば4である場合、図13Aの例では、受信強度が基準値を超える衛星の数が5個であり、閾値以上である。よって、このような場合、衛星信号が正常に受信できる状況と判断され得る。一方、図13Bの例では、受信強度が基準値を超える衛星の数が1個であり、閾値よりも少ない。よって、このような場合、正常に受信できる状況でないと判断され得る。なお、上記の方法は一例に過ぎず、他の方法によって各道が衛星信号を正常に受信できる道であるかを判断してもよい。例えば、GNSSデータが測位の信頼度を示す値を含む場合、当該信頼度の値に基づいて衛星信号を正常に受信できるか否かを判断してもよい。
図14は、作業車両100が走行する領域の地図の一例を示す図である。このような地図が、表示装置430に表示され得る。この地図は、2次元のデジタル地図であり、管理装置600または他の装置によって生成される。図14に示すような地図は、作業車両100が走行し得る地域の全体にわたって作成され得る。なお、図14に示す地図は2次元の地図であるが、3次元の地図を経路生成に利用してもよい。
図14に示す地図は、作業車両100が農作業を行う複数の圃場70、その周辺の道76、および水路78などの地物における各点の位置(例えば緯度および経度)の情報を含む。地図は、さらに、各道76が農道であるか否か、各道76が水路78などの特定の地物に沿っているか否か、および各道76がGNSS衛星からの衛星信号を正常に受信できる道であるか否かの少なくとも1つを示す属性情報を含む。これらの属性情報に加えて、例えば、各道76の地点ごとの幅を示す属性情報が地図に含まれていてもよい。管理装置600は、各道76の地点ごとの幅に基づいて、その道76を作業車両100が通行できるか否かを判断することができる。地図は、各道76が農道以外の一般道であるか否かを示す属性情報を含んでいてもよい。そのような属性情報に基づき、一般道を避けた経路を生成することができる。
図14には、作業車両100の自動走行の出発地点Sおよび目的地点Gの一例が★印で示されている。出発地点Sおよび目的地点Gは、例えばユーザによって設定され得る。あるいは、管理装置600が各作業日における作業スケジュールに従って出発地点Sおよび目的地点Gを設定してもよい。各作業日における作業スケジュールは、図12を参照して説明したように、管理装置600によって予め生成され、記憶装置650に格納される。出発地点Sおよび目的地点Gに加えて、1つ以上の経由地点が設定されてもよい。出発地点S、目的地点G、および経由地点のそれぞれについて、予定到着時刻および予定出発時刻の一方または両方が記録され得る。
本実施形態による経路生成システムは、複数の経路生成のためのモードを有してもよい。例えば、処理装置660は、作業車両100のスリップ率が第1閾値よりも小さい道を優先的に組み合わせて作業車両100が自動運転を行う経路を生成する第1モードと、作業車両100の移動時間(走行時間)または移動距離(走行距離)が最も短くなるように作業車両100が自動運転を行う経路を生成する第2モードとで、経路を生成することができる。第1閾値は、予め定められていてもよいし、ユーザが都度設定してもよい。ユーザが複数のモードの中から選択してもよい。処理装置660は、第1モードおよび第2モードを含む複数のモードの中からユーザによって選択されたいずれかのモードで作業車両100が自動運転を行う経路を生成してもよい。
図15Aは、表示装置430に表示されるGUIの一例を示す図である。この例では、「スリップ率優先」、「時間優先」および「走行距離優先」の3つのモードのうちの1つをユーザが選択可能なGUIが表示される。図15Aの例において、「スリップ率優先」は第1モードに相当し、「時間優先」および「走行距離優先」は第2モードに相当する。「時間優先」または「走行距離優先」のいずれか一方を省略してもよい。また、これらの他のモードをさらに有してもよい。図15Aは、一例として、「スリップ率優先」が選択された状態を示している。処理装置660は、作業車両100の自動走行の出発地点から目的地点までの経路を自動で生成する。出発地点および目的地点は、予めユーザによって設定されるか、予め作成された作業計画に従って管理装置600によって設定され得る。管理装置600は、出発地点および目的地点が設定された後、自動走行を開始する前の所定のタイミングで、出発地点から目的地点までの経路を生成する。
図15Bは、図14の地図の例において、「スリップ率優先」モードが選択された場合に生成される経路の一例を示す図である。「スリップ率優先」モード(第1モード)において、処理装置660は、作業車両100が自動運転を行い出発地点Sから目的地点Gに到達する経路として、スリップ率が第1閾値よりも小さい道を優先的に組み合わせた経路75Aを生成する。例えば、処理装置660は、出発地点Sから目的地点Gの間にある道のうち、スリップ率が第1閾値よりも小さい道を組み合わせて生成される経路のうち、走行距離または走行時間が最も短い経路(あるいは比較的短い経路)を、作業車両100の経路として選択してもよい。処理装置660は、経路の選択において、作業車両100の作業計画をさらに参照することができる。すなわち、その作業日における農作業のスケジュールに沿う経路を作業車両100の経路として選択して決定してもよい。処理装置660は、スリップ率が第1閾値よりも小さい道のみを組み合わせることによっては出発地点Sから目的地点Gに到達する経路が生成されない場合、スリップ率が第1閾値以上であるができるだけ小さいスリップ率の道をさらに組み合わせて、作業車両100の経路を生成してもよい。
この例では、水路78に沿った道はスリップ率が比較的高いので、生成された経路75Aのうち水路78に沿った道の割合は低い。このように、処理装置660は、「スリップ率優先」モード(第1モード)において、スリップ率が比較的大きい道(例えば、水路に沿った道や崖のふちを通る道など)をできるだけ避けて経路を生成することができる。
図15Cは、図14の地図の例において、「走行距離優先」モードが選択された場合に生成される経路の一例を示す図である。「走行距離優先」モード(第2モード)において、処理装置660は、作業車両100が自動運転を行い出発地点Sから目的地点Gに到達する経路として、走行距離が最も短くなるように経路75Bを生成する。
この例では、「走行距離優先」モード(第2モード)で生成された経路75Bのうちの水路78に沿った道の割合は、「スリップ率優先」モード(第1モード)で生成された経路75Aのうちの水路78に沿った道の割合よりも高い。ユーザは、作業車両100が自動運転を行うときの天候や作業計画等に応じて、処理装置660が有する複数のモード(経路生成のためのモード)から選択して、経路を生成させることができる。なお、ユーザによるモード選択機能を設けず、処理装置660が所定のアルゴリズムに従って、複数の経路生成のためのモードのうちのいずれかのモードで作業車両100の経路を生成してもよい。また、処理装置660が有する複数のモードは、ユーザが手動で経路を設定するモードをさらに備えてもよい。「手動設定」モードが選択された場合、処理装置660は、例えば、作業車両100が走行する領域の地図を表示装置430に表示させ、ユーザに経路を選択させる。
処理装置660は、第1モードまたは第2モードで作業車両100が自動運転を行う経路を生成するとき、生成された経路に、第2閾値よりも大きいスリップ率の道が含まれる場合、ユーザにスリップ率が大きい道が含まれることを通知してもよい。ユーザは、生成された経路にスリップ率が大きい道が含まれることの通知に対して、例えば、生成された経路を承認するか否かを選択できる。ユーザは、生成された経路にスリップ率が大きい道が含まれることの通知に対して、生成された経路の一部または全部を手動運転で走行することを選択してもよい。第2閾値は、予め定められていてもよいし、ユーザが都度設定してもよい。第2閾値は、例えば、上述した第1閾値とは独立に設定され、第1閾値よりも大きくてもよいし、第1閾値よりも小さくてもよい。
第1閾値の設定方法の例を説明する。処理装置660は、天気や降水量によって第1閾値を変更してもよい。例えば、処理装置660は、作業車両100が経路を走行するときに予想される天気の情報を、作業車両100の周辺の環境をセンシングしたセンサデータまたは外部のコンピュータと通信して得たデータによって取得し、天気に応じて第1閾値を変更する。例えば、作業車両100が経路を走行するときの天気が雨の場合は晴れの場合に比べて、第1閾値を小さく設定する。あるいは、処理装置660は、作業車両100が経路を走行するときに予想される降水量の情報を外部のコンピュータから取得し、降水量が多いほど、第1閾値を小さく設定してもよい。
第2閾値についても、第1閾値と同様に、天気や降水量に応じて設定されてもよい。例えば、処理装置660は、作業車両100が経路を走行するときに予想される天気の情報を、作業車両100の周辺の環境をセンシングしたセンサデータまたは外部のコンピュータと通信して得たデータによって取得し、天気に応じて第2閾値を変更する。例えば、作業車両100が経路を走行するときの天気が雨の場合は晴れの場合に比べて、第2閾値を小さく設定する。あるいは、処理装置660は、作業車両100が経路を走行するときに予想される降水量の情報を外部のコンピュータから取得し、降水量が多いほど、第2閾値を小さく設定してもよい。
図16Aは、図15A~図15Cの例における処理装置660が経路を生成する手順の例を示すフローチャートである。
ステップS202において、処理装置660は選択されたモードを判別する。例えばユーザが図15Aに示す「スリップ率優先」、「時間優先」、および「走行距離優先」のいずれかを選択して「決定」を押すことによってモードが選択される。「スリップ率優先」が選択された場合、ステップS203に進む。「時間優先」が選択された場合、ステップS204に進む。「走行距離優先」が選択された場合、ステップS205に進む。
ステップS203において、処理装置660は、作業車両100のスリップ率が第1閾値よりも小さい道を優先的に組み合わせて、作業車両100が自動運転を行う経路を生成する。ステップS204において、処理装置660は、作業車両100の移動時間が最も短くなるように、作業車両100が自動運転を行う経路を生成する。ステップS205において、処理装置660は、作業車両100の移動距離が最も短くなるように、作業車両100が自動運転を行う経路を生成する。ステップS203、S204またはS205の後、ステップS206に進む。
ステップS206において、処理装置660は、ステップS203、S204またはS205で生成された経路に、第2閾値よりも大きいスリップ率の道が含まれるか否かを判定する。生成された経路に、第2閾値よりも大きいスリップ率の道が含まれると判定された場合、ステップS207に進む。生成された経路に、第2閾値よりも大きいスリップ率の道が含まれないと判定された場合、ステップS209に進む。
処理装置660は、ステップS207において、ユーザに、生成された経路にスリップ率が大きい道が含まれることを通知する。例えば、表示装置430に表示することでユーザに通知する。
処理装置660は、ステップS208において、生成した経路が承認されたか否かを判定する。ユーザが、例えば、表示装置430を用いて、生成された経路を承認するか否かを選択することができる。生成した経路がユーザに承認されなかった場合、ステップS202に戻る。
生成した経路がユーザに承認された場合、ステップS209において、処理装置660は、生成した経路を、所定のタイミングで作業車両100に送信する。作業車両100は、生成された経路および予め取得した作業スケジュールに従って自動走行を行う。
図16Bは、経路生成システムの処理装置660が実行する手順の一例を示すフローチャートであり、処理装置660が、地図データに含まれるスリップ率のデータを更新するときの手順の一例を示す。処理装置660は、図16Bのフローチャートの手順を、図16Aに例示するような経路を生成するときの手順と並行して実行してもよい。
ステップS181において、処理装置660は、作業車両100が自動運転または手動運転で走行している間、作業車両100の位置情報と作業車両100のスリップ率のデータとを取得する。
ステップS182において、処理装置660は、ステップS181で取得した作業車両100のスリップ率のデータを、作業車両100の位置情報と関連付けて、地図データに追加する。
ステップS183において、処理装置660は、スリップ率のデータを取得したときの周辺の環境の情報も取得したか否かを判定する。スリップ率のデータを取得したときの周辺の環境の情報も取得した場合は、ステップS184に進み、処理装置660は、取得した周辺の環境の情報を、作業車両100のスリップ率と関連付けて、地図データに追加する。
処理装置660は、動作終了の指令が出されるまで(ステップS185)、ステップS181からS184の工程を繰り返す。
ここでは、管理装置600の処理装置660が経路生成システムの処理装置として機能する例を説明したが、経路生成システムにおいて管理装置600の処理装置660が実行する処理の一部または全部は、他の装置によって実行されてもよい。そのような他の装置は、端末装置400(プロセッサ460)、作業車両100の制御装置180および操作端末200のいずれかであってもよい。例えば、管理装置600の処理装置660が実行する処理の一部が制御装置180によって実行される場合、管理装置600と制御装置180との組み合わせが経路生成システムの処理装置として機能する。また、説明する例では、管理装置600の記憶装置650が、作業車両100の走行履歴を記憶する記憶装置として機能するが、端末装置400の記憶装置450および/または作業車両100の記憶装置170が、経路生成システムの記憶装置として機能してもよい。作業車両100が経路生成システムを備えていてもよく、その場合は、作業車両100の制御装置180および記憶装置170が、経路生成システムの処理装置および記憶装置として機能する。作業車両100の制御装置180は、例示したECU181~186に加えて、走行を制御するための処理の一部または全部を行うためのECUをさらに有してもよい。
[2-4.局所的経路計画]
作業車両100が圃場外を走行しているとき、大域的経路上またはその付近に、歩行者または他の車両などの障害物が存在することがある。作業車両100が障害物に衝突することを回避するために、制御装置180におけるECU185は、作業車両100の走行中、障害物を回避可能な局所的経路を逐次生成する。ECU185は、作業車両100が走行しているとき、作業車両100が備えるセンシング装置(障害物センサ130、LiDARセンサ140、およびカメラ120等)によって取得されたセンシングデータに基づいて、局所的経路を生成する。局所的経路は、第2経路30Bの一部に沿った複数のウェイポイントによって規定される。ECU185は、センシングデータに基づいて、作業車両100の進路上またはその付近に障害物が存在するか否かを判断する。そのような障害物が存在する場合、ECU185は、障害物を避けるように複数のウェイポイントを設定して局所的経路を生成する。障害物が存在しない場合、ECU185は、第2経路30Bにほぼ平行に局所的経路を生成する。生成された局所的経路を示す情報は、自動運転制御用のECU184に送られる。ECU184は、局所的経路に沿って作業車両100が走行するように、ECU181およびECU182を制御する。これにより、作業車両100は、障害物を回避しながら走行することができる。なお、作業車両100が走行する道路に信号機が存在する場合、作業車両100は、例えばカメラ120が撮影した画像に基づいて信号機を認識し、赤信号で停止し、青信号で発進する、といった動作を行ってもよい。
図17は、障害物が存在する環境で生成される大域的経路および局所的経路の一例を示す図である。図17において、大域的経路30が点線矢印で例示され、走行中に逐次生成される局所的経路32が実線矢印で例示されている。大域的経路30は、複数のウェイポイント30pによって規定される。局所的経路32は、ウェイポイント30pよりも短い間隔で設定された複数のウェイポイント32pによって規定される。各ウェイポイントは、例えば、位置および向きの情報を有する。管理装置600は、複数のウェイポイント30pを、道76の交差点を含む複数の箇所に設定することによって大域的経路30を生成する。ウェイポイント30pの間隔は、比較的長く、例えば数メートルから数十メートル程度であってもよい。ECU185は、作業車両100の走行中、センシング装置から出力されたセンシングデータに基づいて、複数のウェイポイント32pを設定することにより、局所的経路32を生成する。局所的経路32におけるウェイポイント32pの間隔は、大域的経路30におけるウェイポイント30pの間隔よりも短い。ウェイポイント32pの間隔は、例えば、数十センチメートル(cm)から数メートル(m)程度であり得る。局所的経路32は、作業車両100の位置を起点とする比較的狭い範囲(例えば数メートル程度の範囲)内に生成される。図17には、作業車両100が圃場70の間の道76に沿って走行し、交差点で左折する間に生成される一連の局所的経路32が例示されている。ECU185は、作業車両100の移動中、ECU184によって推定された作業車両100の位置から、例えば数メートル先の地点までの局所的経路を生成する動作を繰り返す。作業車両100は、逐次生成される局所的経路に沿って走行する。
図17に示す例では、作業車両100の前方に障害物40(例えば人)が存在する。図17には、作業車両100に搭載されたカメラ120、障害物センサ130、またはLiDARセンサ140などのセンシング装置によってセンシングされる範囲の一例が扇形で例示されている。このような状況において、ECU185は、センシングデータに基づいて検出された障害物40を回避するように、局所的経路32を生成する。ECU185は、例えば、センシングデータと、作業車両100の幅(インプルメントが装着されている場合はインプルメントの幅も含む)とに基づいて、作業車両100が障害物40に衝突する可能性があるかを判断する。作業車両100が障害物40に衝突する可能性がある場合、ECU185は、その障害物40を避けるように複数のウェイポイント32pを設定して局所的経路32を生成する。なお、ECU185は、障害物40の有無だけでなく、路面の状態(例えば、ぬかるみ、陥没等)をセンシングデータに基づいて認識し、走行が困難な箇所が検出された場合、そのような箇所を回避するように局所的経路32を生成してもよい。作業車両100は、局所的経路32に沿って走行する。局所的経路32をどのように設定しても障害物40を回避できない場合、制御装置180は、作業車両100を停止させてもよい。このとき、制御装置180は、端末装置400に警告信号を送信して監視者に注意喚起を行ってもよい。停止後、障害物40が移動して衝突のおそれがなくなったことを認識した場合、制御装置180は、作業車両100の走行を再開してもよい。
図18は、本実施形態における経路計画および走行制御の動作を示すフローチャートである。図18に示すステップS141からS146の動作を実行することにより、経路計画を行い、作業車両100の自動走行を制御することができる。
図18に示す例において、管理装置600は、まず、記憶装置650から地図および作業計画を取得する(ステップS141)。次に、管理装置600は、地図および作業計画に基づいて、前述の方法により、作業車両100の大域的経路設計を行う(ステップS142)。大域的経路設計は、作業車両100の走行を開始する前の任意のタイミングで行われ得る。大域的経路設計は、作業車両100の走行開始の直前に行われてもよいし、走行開始の前日以前に行われてもよい。また、大域的経路は、ユーザが端末装置400を用いて入力した情報(例えば、出発地点、目的地点、経由地点等)に基づいて生成されてもよい。前述のように、管理装置600は、圃場に向かう経路、または圃場から他の場所(例えば作業車両100の保管場所または待機場所)に向かう経路を生成するとき、地図上の各道の属性情報に基づいて、農道を優先する経路、特定の地物に沿った道を優先する経路、および衛星信号を正常に受信できる道を優先する経路の少なくとも1つを作業車両100の経路として生成する。管理装置600は、生成した大域的経路を示すデータを作業車両100に送信する。その後、管理装置600は、所定のタイミングで、作業車両100に走行の指示を出す。これを受けて、作業車両100の制御装置180は、作業車両100の走行を開始するように駆動装置240を制御する(ステップS143)。これにより、作業車両100は走行を開始する。走行開始のタイミングは、例えば、作業計画が示す各作業日における最初の農作業の開始予定時刻までに作業車両100が圃場に到達できる適切なタイミングに設定され得る。制御装置180のECU185は、作業車両100の走行中、前述の方法により、障害物との衝突を回避するための局所的経路設計を行う(ステップS144)。障害物が検出されなかった場合、ECU185は、大域的経路にほぼ平行に局所的経路を生成する。障害物が検出された場合、ECU185は、障害物を回避可能な局所的経路を生成する。続いて、ECU184は、作業車両100の走行を終了させるか否かを判定する(ステップS145)。例えば、障害物を回避できる局所的経路を生成できなかった場合、または、作業車両100が目的地点に到着した場合、ECU184は、作業車両100を停止させる(ステップS146)。障害物が検出されなかった場合、または障害物を回避可能な局所的経路が生成できた場合は、ステップS143に戻り、ECU184は、生成された局所的経路に沿って作業車両100を走行させる。以後、ステップS145において走行を終了すると判断されるまで、ステップS143からS145の動作が繰り返される。
以上の動作により、作業車両100は、障害物に衝突することなく、生成された経路に沿って自動で走行することができる。
図18の例において、大域的経路は、一度生成された後、目的地に到達するまで変更されない。このような例に限らず、作業車両100の走行中に大域的経路が修正されてもよい。例えば、ECU185は、作業車両100の走行中に、カメラ120またはLiDARセンサ140などのセンシング装置によって取得されたセンシングデータに基づいて、作業車両100が走行している道の状態、作業車両100の周辺の草木の状態、および天候の状態の少なくとも1つを認識し、認識した状態が所定の条件を満たす場合に、大域的経路を変更してもよい。作業車両100が大域的経路に沿って走行しているとき、一部の道の通行が困難である場合がある。例えば、豪雨によって道がぬかるんでいたり、路面が陥没していたり、事故その他の原因で通行できなくなっていたりすることがある。あるいは、農道の周辺の草木が想定よりも伸びていたり、建造物が新たに建設されていたりして、GNSS衛星からの衛星信号が受信しにくくなっていることがある。そのような状況を考慮して、ECU185は、作業車両100の走行中に取得されたセンシングデータに基づいて、通行が困難な道を検出し、そのような道を回避するように経路を変更してもよい。また、ECU185は、経路を変更した場合、変更後の経路を記憶装置170に記憶させ、管理装置600に変更後の経路の情報を送信してもよい。その場合、管理装置600は、次回、同じ圃場への経路生成時に、変更後の経路を採用してもよい。これにより、走行環境の変化に応じた柔軟な経路計画が可能になる。
以上のように、本開示は、以下の項目に記載の経路生成システムおよび農業機械を含む。
[項目1]
農業機械が自動運転を行うための地図データであって、前記農業機械が走行した地点の位置情報と、前記位置情報に関連付けられた前記農業機械のスリップ率のデータとを含む地図データを記憶する記憶装置と、
前記地図データに含まれる前記スリップ率のデータに基づいて、前記農業機械が自動運転を行う経路を生成する処理装置と
を有する、経路生成システム。
[項目2]
前記処理装置は、
前記農業機械が走行している間、前記農業機械のスリップ率のデータを取得し、
取得した前記農業機械のスリップ率のデータを、前記農業機械の位置情報と関連付けて、前記地図データに追加する、項目1に記載の経路生成システム。
[項目3]
前記処理装置は、
前記農業機械が走行している間、前記農業機械の周辺の環境をセンシングするセンシング装置から出力されたセンサデータまたは外部のコンピュータと通信して得たデータによって、前記農業機械の前記周辺の環境の情報を取得し、
前記農業機械のスリップ率のデータを取得したときの前記農業機械の前記周辺の環境の情報を、前記農業機械のスリップ率と関連付けて、前記地図データに追加する、項目2に記載の経路生成システム。
[項目4]
前記周辺の環境の情報は、前記農業機械のスリップ率のデータを取得したときの、天気の情報、降水量の情報、または、路面のぬかるみの程度の情報を含む、項目3に記載の経路生成システム。
[項目5]
前記処理装置は、
前記農業機械が走行している間、前記農業機械の対地速度および前記農業機械の駆動輪の回転速度の情報を取得し、
前記農業機械の前記対地速度および前記回転速度に基づいて、前記農業機械のスリップ率を算出する、項目1から4のいずれか1項に記載の経路生成システム。
[項目6]
前記処理装置は、
前記農業機械が有するGNSS受信機から出力されたGNSSデータに基づいて、前記農業機械の前記対地速度を算出する、項目5に記載の経路生成システム。
[項目7]
前記処理装置は、
前記農業機械のスリップ率が第1閾値よりも小さい道を優先的に組み合わせて前記経路を生成する第1モードと、
前記農業機械の移動時間または移動距離が最も短くなるように前記経路を生成する第2モードと
で前記経路を生成することができる、項目1から6のいずれか1項に記載の経路生成システム。
[項目8]
前記処理装置は、
前記第1モードおよび前記第2モードを含む複数のモードの中からユーザによって選択されたいずれかのモードで前記経路を生成する、項目7に記載の経路生成システム。
[項目9]
前記処理装置は、
前記農業機械が前記経路を走行するときに予想される天気の情報を、前記農業機械の周辺の環境をセンシングしたセンサデータまたは外部のコンピュータと通信して得たデータによって取得し、
前記天気に応じて前記第1閾値を変更する、項目7または8に記載の経路生成システム。
[項目10]
前記処理装置は、
前記農業機械が前記経路を走行するときに予想される降水量の情報を外部のコンピュータから取得し、
前記降水量が多いほど、前記第1閾値を小さく設定する、項目9に記載の経路生成システム。
[項目11]
前記第1モードまたは前記第2モードで前記経路を生成するとき、生成された前記経路に、第2閾値よりも大きいスリップ率の道が含まれる場合、ユーザにスリップ率が大きい道が含まれることを通知する、項目7から10のいずれか1項に記載の経路生成システム。
[項目12]
前記処理装置は、
前記農業機械が前記経路を走行するときに予想される天気の情報を、前記農業機械の周辺の環境をセンシングしたセンサデータまたは外部のコンピュータと通信して得たデータによって取得し、
前記天気に応じて前記第2閾値を変更する、項目11に記載の経路生成システム。
[項目13]
前記処理装置は、
前記農業機械が前記経路を走行するときに予想される降水量の情報を外部のコンピュータから取得し、
前記降水量が多いほど、前記第2閾値を小さく設定する、項目12に記載の経路生成システム。
[項目14]
前記処理装置は、それぞれが位置および速度の情報を含む複数のウェイポイントによって規定される前記経路を生成し、
前記複数のウェイポイントの速度は、前記地図データに含まれる前記スリップ率のデータの値に応じて変更される、項目1から13のいずれか1項に記載の経路生成システム。
[項目15]
前記経路は、前記農業機械が圃場の外を走行する経路を含む、項目1から14のいずれか1項に記載の経路生成システム。
[項目16]
前記経路は、前記農業機械が農道を走行する経路を含む、項目1から15のいずれか1項に記載の経路生成システム。
[項目17]
項目1から16のいずれか1項に記載の経路生成システムを備える農業機械。
[項目18]
農業機械が自動運転を行うための地図データであって、前記農業機械が走行した地点の位置情報と、前記位置情報に関連付けられた前記農業機械のスリップ率のデータとを含む地図データを記憶することと、
前記地図データに含まれる前記スリップ率のデータに基づいて、前記農業機械が自動運転を行う経路を生成することと
を含む、経路生成方法。
本開示の技術は、例えばトラクタ、収穫機、田植機、乗用管理機、野菜移植機、草刈機、播種機、施肥機、または農業用ロボットなどの農業機械が自動運転を行うための経路を生成する経路生成システム、そのような経路生成システムを備える農業機械および経路生成方法に適用することができる。
40・・・障害物、50・・・GNSS衛星、60・・・基準局、70・・・圃場、71・・・出入口、72・・・作業領域、74・・・枕地、76・・・道路、80・・・ネットワーク、100・・・作業車両、101・・・車両本体、102・・・原動機(エンジン)、103・・・変速装置(トランスミッション)、104・・・車輪、105・・・キャビン、106・・・操舵装置、107・・・運転席、108・・・連結装置、110・・・測位装置、111・・・GNSS受信機、112・・・RTK受信機、115・・・慣性計測装置(IMU)、116・・・処理回路、120・・・カメラ、130・・・障害物センサ、140・・・LiDARセンサ、150・・・センサ群、152・・・ステアリングホイールセンサ、154・・・切れ角センサ、156・・・車軸センサ、160・・・制御システム、170・・・記憶装置、180・・・制御装置、181~186・・・ECU、190・・・通信装置、200・・・操作端末、210・・・操作スイッチ群、220・・・ブザー、240・・・駆動装置、300・・・作業機(インプルメント)、340・・・駆動装置、380・・・制御装置、390・・・通信装置、400・・・端末装置、420・・・入力装置、430・・・表示装置、450・・・記憶装置、460・・・プロセッサ、470・・・ROM、480・・・RAM、490・・・通信装置、600・・・管理装置、660・・・プロセッサ(処理装置)、670・・・記憶装置、670・・・ROM、680・・・RAM、690・・・通信装置

Claims (18)

  1. 農業機械が自動運転を行うための地図データであって、前記農業機械が走行した地点の位置情報と、前記位置情報に関連付けられた前記農業機械のスリップ率のデータとを含む地図データを記憶する記憶装置と、
    前記地図データに含まれる前記スリップ率のデータに基づいて、前記農業機械が自動運転を行う経路を生成する処理装置と
    を有する、経路生成システム。
  2. 前記処理装置は、
    前記農業機械が走行している間、前記農業機械のスリップ率のデータを取得し、
    取得した前記農業機械のスリップ率のデータを、前記農業機械の位置情報と関連付けて、前記地図データに追加する、請求項1に記載の経路生成システム。
  3. 前記処理装置は、
    前記農業機械が走行している間、前記農業機械の周辺の環境をセンシングするセンシング装置から出力されたセンサデータまたは外部のコンピュータと通信して得たデータによって、前記農業機械の前記周辺の環境の情報を取得し、
    前記農業機械のスリップ率のデータを取得したときの前記農業機械の前記周辺の環境の情報を、前記農業機械のスリップ率と関連付けて、前記地図データに追加する、請求項2に記載の経路生成システム。
  4. 前記周辺の環境の情報は、前記農業機械のスリップ率のデータを取得したときの、天気の情報、降水量の情報、または、路面のぬかるみの程度の情報を含む、請求項3に記載の経路生成システム。
  5. 前記処理装置は、
    前記農業機械が走行している間、前記農業機械の対地速度および前記農業機械の駆動輪の回転速度の情報を取得し、
    前記農業機械の前記対地速度および前記回転速度に基づいて、前記農業機械のスリップ率を算出する、請求項1から4のいずれか1項に記載の経路生成システム。
  6. 前記処理装置は、
    前記農業機械が有するGNSS受信機から出力されたGNSSデータに基づいて、前記農業機械の前記対地速度を算出する、請求項5に記載の経路生成システム。
  7. 前記処理装置は、
    前記農業機械のスリップ率が第1閾値よりも小さい道を優先的に組み合わせて前記経路を生成する第1モードと、
    前記農業機械の移動時間または移動距離が最も短くなるように前記経路を生成する第2モードと
    で前記経路を生成することができる、請求項1から4のいずれか1項に記載の経路生成システム。
  8. 前記処理装置は、
    前記第1モードおよび前記第2モードを含む複数のモードの中からユーザによって選択されたいずれかのモードで前記経路を生成する、請求項7に記載の経路生成システム。
  9. 前記処理装置は、
    前記農業機械が前記経路を走行するときに予想される天気の情報を、前記農業機械の周辺の環境をセンシングしたセンサデータまたは外部のコンピュータと通信して得たデータによって取得し、
    前記天気に応じて前記第1閾値を変更する、請求項7に記載の経路生成システム。
  10. 前記処理装置は、
    前記農業機械が前記経路を走行するときに予想される降水量の情報を外部のコンピュータから取得し、
    前記降水量が多いほど、前記第1閾値を小さく設定する、請求項9に記載の経路生成システム。
  11. 前記処理装置は、
    前記第1モードまたは前記第2モードで前記経路を生成するとき、生成された前記経路に、第2閾値よりも大きいスリップ率の道が含まれる場合、ユーザにスリップ率が大きい道が含まれることを通知する、請求項7に記載の経路生成システム。
  12. 前記処理装置は、
    前記農業機械が前記経路を走行するときに予想される天気の情報を、前記農業機械の周辺の環境をセンシングしたセンサデータまたは外部のコンピュータと通信して得たデータによって取得し、
    前記天気に応じて前記第2閾値を変更する、請求項11に記載の経路生成システム。
  13. 前記処理装置は、
    前記農業機械が前記経路を走行するときに予想される降水量の情報を外部のコンピュータから取得し、
    前記降水量が多いほど、前記第2閾値を小さく設定する、請求項12に記載の経路生成システム。
  14. 前記処理装置は、それぞれが位置および速度の情報を含む複数のウェイポイントによって規定される前記経路を生成し、
    前記複数のウェイポイントの速度は、前記地図データに含まれる前記スリップ率のデータの値に応じて変更される、請求項1から4のいずれか1項に記載の経路生成システム。
  15. 前記経路は、前記農業機械が圃場の外を走行する経路を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の経路生成システム。
  16. 前記経路は、前記農業機械が農道を走行する経路を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の経路生成システム。
  17. 請求項1から4のいずれか1項に記載の経路生成システムを備える農業機械。
  18. 農業機械が自動運転を行うための地図データであって、前記農業機械が走行した地点の位置情報と、前記位置情報に関連付けられた前記農業機械のスリップ率のデータとを含む地図データを記憶することと、
    前記地図データに含まれる前記スリップ率のデータに基づいて、前記農業機械が自動運転を行う経路を生成することと
    を含む、経路生成方法。
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