JP2024002681A - 燃料フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】濾材の交換がしやすい構成でありつつ、油と水の分離性能を高くすることができる燃料フィルタを提供する。【解決手段】燃料フィルタは、略筒形状のフィルタケース10と、開口部を覆うようにフィルタケースに設けられたヘッド20とを有するハウジング30と、ハウジング30に対して着脱可能なフィルタエレメント40とを備え、フィルタエレメント40は、シート状の濾材をプリーツ状に折り曲げて形成した筒状の第1フィルタ41と、第1フィルタ41の内側に設けられた第2フィルタ42と、第1フィルタ41及び第2フィルタ42が設けられた第1プレート43とを有し、第1プレート43は、ヘッド20に設けられ、中央に第1貫通孔が形成されており、第2フィルタ42の中空部と第1貫通孔とを連通する第2貫通孔が設けられており、第1プレート43と第1端部とは着脱可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料フィルタに関する。
特許文献1には、中心軸が鉛直方向に略沿って設けられた第1の濾材及び第1の内筒の内側に設けられた第2の濾材を備えた燃料フィルタが開示されている。この燃料フィルタの第1の内筒においては、上端近傍の帯状の領域である第1の領域に貫通孔が形成され、第1の領域以外の第2の領域には貫通孔が形成されていない。
特開2016-203091号公報
特許文献1に記載の発明では、第1の濾材及び第2の濾材に、板状の材料をひだ折りにした円筒形状のプリーツ濾材を用いているため、フィルタエレメントが高価になる。フィルタエレメントは消耗品であるため安価で交換しやすいことが望まれているが、交換のしやすさのみでは不十分であり、燃料フィルタであるため油と水の分離性能が高く保たれなければならない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、濾材の交換がしやすい構成でありつつ、油と水の分離性能を高くすることができる燃料フィルタを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料フィルタは、例えば、一端に開口部を有し、他端が覆われた略筒形状のフィルタケースと、前記開口部を覆うように前記フィルタケースに設けられたヘッドと、を有するハウジングと、前記ハウジングの内部空間に設けられており、前記ハウジングに対して着脱可能なフィルタエレメントと、を備えた燃料フィルタにおいて、前記フィルタエレメントは、シート状の濾材をプリーツ状に折り曲げて形成した筒状の第1濾過部を有する第1フィルタと、前記第1濾過部の内側に設けられた第2フィルタと、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタが設けられた第1プレートと、を有し、前記第2フィルタは、網目状の薄板の両端を連結して筒状に形成した第2濾過部と、前記第2濾過部の第1端を覆う第1端部と、前記第2濾過部の前記第1端と反対側の第2端を覆う第2端部と、を有し、前記第1プレートは、前記ヘッドに設けられ、中央に第1貫通孔が形成されており、前記第1端部は、前記第1プレートに設けられており、前記第2濾過部の中空部と前記第1貫通孔とを連通する第2貫通孔が設けられており、前記第1プレートと前記第1端部とは着脱可能であることを特徴とする。
本発明に係る燃料フィルタによれば、フィルタエレメントは、ヘッドに設けられた第1プレートと、第1プレートに設けられた第1フィルタ及び第2フィルタとを有し、第2フィルタは、第1濾過部の内側に設けられている。第1フィルタは、シート状の濾材をプリーツ状に折り曲げて形成した筒状の第1濾過部を有し、第2フィルタは、網目状の薄板の両端を連結して筒状に形成した第2濾過部を有する。第2フィルタの第1端部は、第1プレートに着脱可能に設けられている。これにより、燃料を第1濾過部を通過させて燃料に含まれる水分を大きな径の水滴にして下方に落下させるとともに、落下しなかった水滴を第2濾過部の表面で捉えることで、油と水の分離性能を高くすることができる。また、目詰まりしにくい第2フィルタの取り外しが容易であり、目詰まりしやすい第1濾過部を容易に交換することができる。
前記第1貫通孔は、前記第1端部が挿入される大径部と、前記大径部より直径が小さい小径部と、を有し、前記小径部は、前記ヘッドと前記大径部とに挟まれており、前記第2端部には、把持部が設けられていてもよい。これにより、ユーザが把持部を把持して用いて第1プレートから第2フィルタを引き抜くことができ、第2フィルタの取り外しが容易である。
前記第1フィルタと前記第2フィルタとの間に設けられた筒状の邪魔板を備え、前記邪魔板は、一端が前記第1プレートに設けられていてもよい。これにより、邪魔板により燃料の移動量が増えて水滴が落下しやすくなり、油と水の分離性能を高くすることができる。
本発明の別の態様に係る燃料フィルタは、例えば、一端に開口部を有し、他端が覆われた略筒形状のフィルタケースと、前記開口部を覆うように前記フィルタケースに設けられたヘッドと、を有するハウジングと、前記ハウジングの内部空間に設けられており、前記ハウジングに対して着脱可能なフィルタエレメントと、を備えた燃料フィルタにおいて、前記フィルタエレメントは、シート状の濾材をプリーツ状に折り曲げて形成した筒状の第1濾過部を有する第1フィルタと、前記第1フィルタの内側に設けられた筒状の邪魔板と、前記第1フィルタ及び前記邪魔板が設けられた第1プレートと、を有し、前記第1プレートは、前記ヘッドに設けられ、中央に第1貫通孔が形成されており、前記第1貫通孔は、前記邪魔板の中空部と前記ヘッドに設けられた流出部とを連通することを特徴とする。
本発明に係る燃料フィルタによれば、フィルタエレメントは、ヘッドに設けられた第1プレートと、第1プレートに設けられた第1フィルタ及び邪魔板とを有し、邪魔板は、第1濾過部の内側に設けられている。これにより、邪魔板により燃料の移動量が増えて水滴が落下しやすくなり、油と水の分離性能を高くすることができる。
前記邪魔板は、前記第1プレートから離れるにつれて直径が徐々に小さくなるテーパを有してもよい。これにより、燃料が邪魔板に沿って下方に流れやすい。
前記邪魔板の高さは、前記第1濾過部の高さ以上であってもよい。これにより、燃料の移動量が増え、水滴が落下しやすくなる。
前記邪魔板の外周面には、螺旋状の溝又はリブが形成されていてもよい。これにより、燃料の移動量がさらに増え、水滴がより落下しやすくなる。
本発明によれば、濾材の交換がしやすい構成でありつつ、油と水の分離性能を高くすることができる。
本発明の一実施形態である燃料フィルタ1の概略を示す断面図である。 フィルタエレメント40の概略を示す断面図である。 フィルタエレメント40の概略を示す分解図である。 フィルタエレメント40Aの概略を示す断面図である。 フィルタエレメント40Aの概略を示す分解図である。 燃料フィルタ2の概略を示す断面図である。 フィルタエレメント40Bの概略を示す断面図である。 邪魔板45の概略を示す図であり、(A)は側面図であり、(B)は断面図である。 邪魔板45Aの概略を示す図であり、(A)は側面図であり、(B)は断面図である。 邪魔板45Bの概略を示す図である。 燃料フィルタ3の概略を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、燃料に含まれる塵埃、水分等を除去する燃料フィルタである。燃料フィルタは、建設機械、自動車等に設けることができる。
燃料フィルタは、燃料タンクの下流側に設けられている。また、燃料フィルタの下流側には、ポンプが設けられている。ポンプが稼働すると、燃料は、燃料フィルタ1に供給され、燃料フィルタ1で濾過されて燃料フィルタ1から排出される。その後、燃料は、ポンプを通って内燃機関に供給される。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一実施形態である燃料フィルタ1の概略を示す断面図である。燃料フィルタ1は、主として、フィルタケース10及びヘッド20を有するハウジング30と、フィルタエレメント40と、を有する。
フィルタケース10は、樹脂又は金属で形成されており、有底略筒形状(ここでは、有底円筒形状)の第1ケース11と、略筒形状の第2ケース13とを有する。本実施の形態において、金属とは、例えばステンレスであり、耐腐食性の高い様々な種類の金属を含む。なお、第1ケース11と第2ケース13とは1部品であってもよい。
第1ケース11は第2ケース13の下側(-z側)に設けられている。第1ケース11は、上端に開口部を有し、下端が底面11aにより覆われている。フィルタケース10の底面11a近傍の空間は貯水部S4であり、底面11aにはドレンプラグ16が設けられている。また、貯水部S4には、水位を確認できるようにフロート51が設けられている。
フィルタケース10の上端は、開口端12である。開口端12を覆うようにヘッド20が設けられている。第2ケース13には、ヘッド20の筒状部22に設けられたねじ部22aが螺合されるねじ部13aが設けられている。
第2ケース13は、板状部14を有する。板状部14にフィルタエレメント40が載置され、ねじ部22aがねじ部13aに螺合されて、ヘッド20がフィルタケース10に取り付けられると、ヘッド20にフィルタエレメント40が挿入され、ハウジング30の内部でフィルタエレメント40が固定される。
板状部14とフィルタエレメント40との間には、Oリング等の弾性部材52が設けられており、ヘッド20とフィルタエレメント40との間には、Oリング等の弾性部材53が設けられている。これにより、フィルタエレメント40が板状部14及びヘッド20に固定されるとともに、フィルタエレメント40と板状部14との間及びフィルタエレメント40とヘッド20との間から燃料が漏れないようにシールされる。また、第2ケース13とヘッド20との間には、Oリング等の弾性部材54が設けられている。これにより、ハウジング30から燃料が漏れないようにシールされる。
ヘッド20は、金属で形成されており、フィルタエレメント40に燃料を供給し、フィルタエレメント40で濾過された燃料を排出する。ヘッド20は、フィルタエレメント40が設けられた筒状部21と、第2ケース13に設けられた筒状部22とを有する。
ハウジング30内の空間は、フィルタエレメント40によって2つの空間に分けられる。この2つの空間のうち、ハウジング30とフィルタエレメント40との間が空間S1であり、フィルタエレメント40の内部が空間S2、S3である。
図2は、フィルタエレメント40の概略を示す断面図である。図3は、フィルタエレメント40の概略を示す分解図である。フィルタエレメント40は、主として、第1フィルタ41と、第2フィルタ42と、プレート43、44とを有する。
第1フィルタ41は、主として、第1濾過部41aと、内筒41bと、外筒41cとを有する。第1濾過部41aは、板状の材料をひだ折りして(プリーツ状にして)筒状(ここでは、円筒形状)にすることにより形成される。第1濾過部41aは、燃料中の塵埃を取り除くとともに、燃料中の水分を凝集させる。具体的には、燃料が第1濾過部41aを通過することで、燃料に含まれる水分が凝集されてより大きな径の水滴になる。
第1濾過部41aの内周面に沿って内筒41bが設けられており、第1濾過部41aの外周面に沿って外筒41cが設けられている。内筒41b及び外筒41cには、燃料が通過可能な孔が多数設けられている。なお、内筒41b及び外筒41cは必須ではない。
第1フィルタ41には、上側(+z側)の端を覆うようにプレート43(本発明の第1プレートに相当)が設けられ、下側(-z側)の端を覆うようにプレート44が設けられている。プレート43は、中央に筒状部43aが設けられている。この筒状部43aが筒状部21の内部に挿入されることで、ヘッド20にフィルタエレメント40が設けられる。
プレート43は、筒状部43aに隣接して設けられた筒状部43bを有する。筒状部43bの中空部43dには、第2フィルタ42が設けられる。フィルタエレメント40の内部のうち、第2フィルタ42の外側が空間S2であり、第2フィルタ42の内側が空間S3である。
第2フィルタ42は、主として、第2濾過部42aと、フレーム42bと、筒状部42cと、プレート42dと、把持部42eとを有する。
第2濾過部42aは、網目状の薄板の両端を連結することにより、筒状に形成されている。また、第2濾過部42aは、撥水性を有する。フレーム42bは、第2濾過部42aに設けられており、第2濾過部42aを補強する。
フレーム42b、筒状部42c、プレート42d及び把持部42eは、例えば樹脂により形成されている。フレーム42b、筒状部42c、プレート42d及び把持部42eは、撥水性を有することが望ましい。
筒状部42c(本発明の第1端部に相当)は、第2濾過部42aの+z側の端を覆う。筒状部42cは、筒状であり、プレート43に着脱可能に設けられている。筒状部42cは、第2濾過部42aの中空部と、筒状部43a、43bの中空部43c、43d(本発明のの第1貫通孔に相当)とを連通する貫通孔42fが設けられている。なお、筒状部42cの形状は筒状に限られず、例えば板状でもよい。
プレート42d(本発明の第2端部に相当)は、第2濾過部42aの-z側の端を覆う。プレート42dは、板状であり、把持部42eが設けられている。
筒状部43aの中空部43c(本発明の小径部に相当)は、筒状部43bの中空部43d(本発明の大径部に相当)より直径が小さい。筒状部43a及び中空部43cは、ヘッド20(図1参照)と、筒状部43b及び中空部43dに挟まれている。
第2フィルタ42(筒状部42c)は、プレート43に対して着脱可能である。図3に示すように-z側からプレート43に向けて(+z方向に)第2フィルタ42を挿入し、筒状部42cの先端を中空部43dの底面に当接させることで、筒状部42cが中空部43dの内部に固定され、第2フィルタ42がプレート43に取り付けられる。中空部43dと筒状部42cとの間には、図示しない弾性部材が設けられており、第2フィルタ42がプレート43から落下しない。
ユーザが把持部42eを把持して第2フィルタ42を-z方向に引き抜く(図3の白抜き矢印参照)ことで、第2フィルタ42(筒状部42c)が中空部43dから取り外される。
図1の説明に戻る。図1において、燃料の流れを二点鎖線の矢印で示す。燃料タンク(図示せず)から燃料フィルタ1に導かれる燃料は、濾過される前の状態である。燃料は、ヘッド20に設けられた図示しない流入部(図示省略)を通って、空間S1に流入する。空間S1の内部に流入した燃料は、第1フィルタ41を通過することで、塵埃が取り除かれる。
また、燃料が第1フィルタ41(第1濾過部41a)を通過することで、燃料に含まれる水分が凝集されてより大きな径の水滴になる。水は油より比重が大きいため、基本的には、水滴は下方に落下して貯水部S4に溜まる。仮に水滴が落下しなかったとしても、水滴は第2フィルタ42の表面に留まり、第2フィルタ42を通過しない。また、第2フィルタ42の表面に留まった水滴は、燃料の第2フィルタ42の通過量が増加するとともに成長して大きな径となった段階で、下方に落下して貯水部S4に溜まる。これにより、燃料に含まれる水分を分離させて除去することができる。
第1フィルタ41を通過して空間S2に流入した燃料は、第2フィルタ42を通過して、空間S3に流入する。空間S3へ流出した燃料は、ヘッド20の流出部(図示省略)を介して燃料フィルタ1から流出し、エンジン(図示せず)に導かれる。
濾過を繰り返すと第1濾過部41aに目詰まりが生じるため、フィルタエレメント40の交換を行う。まず、フィルタケース10とヘッド20とを分解し、フィルタケース10及びヘッド20からフィルタエレメント40を取り外す。その後、図3に示すように、把持部42eを用いてプレート43から第2フィルタ42を取り外す。これにより、使用済みの第1フィルタ41及びプレート43、44が取り出される。第2濾過部42aは網目状(メッシュ)であり、目詰まりしにくいため、第2フィルタ42は再利用が可能である。
新しい第1フィルタ41及びプレート43、44に、再利用する第2フィルタ42を取付けて新しいフィルタエレメント40を生成し、この新しいフィルタエレメント40をハウジング30に取り付けることにより、フィルタエレメント40の交換が完了する。
本実施の形態によれば、燃料を第1濾過部41aを通過させて燃料に含まれる水分を大きな径の水滴にし、水滴を下方に落下させるとともに、落下しなかった水滴を第2濾過部42aの表面で捉えることで、油と水の分離性能を高くすることができる。
また、本実施の形態によれば、フィルタエレメント40から目詰まりしにくい第2フィルタ42の取り外しが容易であり、目詰まりしやすい第1濾過部41aを容易に交換することができる。
なお、本実施の形態では、第2フィルタ42を下方から引き抜いてフィルタエレメント40から取り外したが、第2フィルタを取り外す形態はこれに限られない。
図4は、変形例にかかるフィルタエレメント40Aの概略を示す断面図である。図5は、フィルタエレメント40Aの概略を示す分解図である。フィルタエレメント40Aは、主として、第1フィルタ41と、第2フィルタ42Aと、プレート43A、44とを有する。
プレート43A(本発明の第1プレートに相当)は、第1フィルタ41の上側(+z側)の端を覆うように設けられている。プレート43Aは、中央に筒状部43a、43eが設けられている。筒状部43aが筒状部21の内部に挿入されることで、ヘッド20にフィルタエレメント40Aが設けられる。
筒状部43eは、筒状部43aに隣接して設けられている。また、筒状部43eに隣接して、板状部43fが設けられている。筒状部43a、43eの中空部43g及び板状部43fの中空部43hには、第2フィルタ42Aが設けられる。中空部43hは、中空部43gより直径が小さい。
第2フィルタ42Aは、主として、第2濾過部42aと、フレーム42bと、筒状部42gと、プレート42hとを有する。フレーム42b、筒状部42g及びプレート42hは、例えば撥水性を有する樹脂により形成されている。
筒状部42g(本発明の第1端部に相当)は、第2濾過部42aの+z側の端を覆う。プレート42h(本発明の第2端部に相当)は、板状であり、第2濾過部42aの-z側の端を覆う。なお、筒状部42g、プレート42hの形状はこれに限られない。
筒状部42gは、筒状であり、第2濾過部42aの中空部と、中空部43g、43h(本発明のの第1貫通孔に相当)とを連通する貫通孔42iが設けられている。
第2フィルタ42Aは、プレート43Aに対して着脱可能である。図5に示すように+z側からプレート43Aに向けて(-z方向に)第2フィルタ42Aを挿入し、筒状部42gの底面を中空部43gの底面に当接させることで、筒状部42gが中空部43gの内部に固定され、かつ、第2濾過部42aが中空部43hに挿入される。これにより、第2フィルタ42Aがプレート43Aに取り付けられる。なお、中空部43dと筒状部42cとの間には、図示しない弾性部材が設けられていてもよい。
ユーザが筒状部42gを把持して第2フィルタ42Aを+z方向に引き抜くことで、第2フィルタ42Aがプレート43Aから取り外される。なお、筒状部42gに把持部を設けてもよい。
本変形例においても、燃料を第1濾過部41aを通過させて燃料に含まれる水分を大きな径の水滴にし、水滴を下方に落下させるとともに、落下しなかった水滴を第2濾過部42aの表面で捉えることで、油と水の分離性能を高くすることができる。また、フィルタエレメント40Aから目詰まりしにくい第2フィルタ42Aを取り外し、目詰まりしやすい第1濾過部41aを容易に交換することができる。また、本変形例では、第2フィルタ42Aを上方向から引き抜いて交換できるため、交換時にユーザの手やその周辺に燃料が垂れず、交換が容易である。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、フィルタエレメント40が第1フィルタ41と第2フィルタ42を有したが、フィルタエレメントの構成はこれに限られない。第2の実施の形態は、フィルタエレメントが邪魔板を有する形態である。以下、第2の実施の形態に係る燃料フィルタ2について説明する。なお、第1の実施の形態及び変形例と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図6は、燃料フィルタ2の概略を示す断面図である。燃料フィルタ2は、主として、フィルタケース10及びヘッド20を有するハウジング30と、フィルタエレメント40Bと、を有する。
ねじ部22aがねじ部13aに螺合されてヘッド20がフィルタケース10に取り付けられると、板状部14にフィルタエレメント40Bが載置され、筒状部21にフィルタエレメント40Bが挿入されることで、ハウジング30の内部でフィルタエレメント40Bが固定される。
図7は、フィルタエレメント40Bの概略を示す断面図である。フィルタエレメント40Bは、主として、第1フィルタ41と、第2フィルタ42Aと、プレート43B、44と、邪魔板45を有する。
プレート43B(本発明の第1プレートに相当)は、第1フィルタ41及び邪魔板45の上側(+z側)の端を覆うように設けられている。プレート43Bは、中央に筒状部43a、43iが設けられている。筒状部43aが筒状部21の内部に挿入されることで、ヘッド20にフィルタエレメント40Bが設けられる。
筒状部43iは、筒状部43aに隣接して設けられている。また、筒状部43eに隣接して、板状部43fが設けられている。筒状部43a、43iの中空部43g及び板状部43fの中空部43hには、第2フィルタ42Aが着脱可能に設けられる。中空部43hは、中空部43gより直径が小さい。
筒状部43iの外周面43jには、邪魔板45の一端が設けられている。また、邪魔板45は、第1フィルタ41と第2フィルタ42Aとの間に設けられている。
図8は、邪魔板45の概略を示す図であり、(A)は側面図であり、(B)は断面図である。邪魔板45は、板状部材の両端を連結して筒状に形成した部材であり、上端45a(+z側の端)及び下端45b(-z側の端)が開口している。側面45cは、上端45aの直径が最も大きく、下端45bの直径が最も小さい。側面45cに孔が設けられていないため、側面45cは燃料を通さない。
図7の説明に戻る。邪魔板45の上端45aは、プレート43Bに当接することにより開口が塞がれている。邪魔板45は、プレート43B(上端45a)から離れるにつれて直径が徐々に小さくなるテーパを有する。
また、邪魔板45の高さは、第1フィルタ41の高さ以上である。邪魔板45の上端45a及び第1フィルタ41の上端は同じであるため、邪魔板45の下端45bは第1フィルタ41の下端よりも下側(-z側)に位置する。
図6の説明に戻る。図6において、燃料の流れを二点鎖線の矢印で示す。燃料タンク(図示せず)から燃料フィルタ2に導かれた燃料は、ヘッド20に設けられた図示しない流入部(図示省略)を通って、空間S1に流入する。空間S1の内部に流入した燃料は、第1フィルタ41を通過することで塵埃が取り除かれ、邪魔板45と第1フィルタ41との間の空間(空間S5)に流入する。また、空間S5に流入した燃料に含まれる水分は、第1濾過部41aを通過することで、凝集されてより大きな径の水滴となっている。
邪魔板45は燃料を通さないため、空間S5に流入した燃料は、邪魔板45に沿って下方(-z方向)に流れ、邪魔板45の下端(-z側の端)の開口部から邪魔板45の内部空間(空間S6)に流入する。空間S6に流入した燃料は、第2フィルタ42Aを通過して空間S3に流入し、ヘッド20の流出部(図示省略)を介して燃料フィルタ1から流出する。
邪魔板45が設けられているため、第1フィルタ41を通過した燃料は、邪魔板45に沿って迂回して第2フィルタ42Aに向かう。したがって、邪魔板45により燃料の移動量が増え、水滴が貯水部S4に向けて自重落下しやすくなる。本実施の形態では、邪魔板45の下端45bが第1フィルタ41の下端よりも下側(-z側)に位置するため、第1フィルタ41を通過した燃料を全て邪魔板45に沿って下方に流すことができる。したがって、水滴が貯水部S4に向けて自重落下しやすくなる。
仮に水滴が落下しなかったとしても、水滴は第2フィルタ42の表面に留まり、第2フィルタ42を通過せず、大きな径となった段階で落下して貯水部S4に溜まる。
濾過を繰り返すと第1濾過部41aに目詰まりが生じるため、フィルタエレメント40Bの交換を行う。まず、フィルタケース10とヘッド20とを分解し、フィルタケース10及びヘッド20からフィルタエレメント40Bを取り外す。その後、プレート43Bから第2フィルタ42Aを取り外す。第2フィルタ42Aは再利用が可能である。
本実施の形態によれば、燃料を第1濾過部41aを通過させて燃料に含まれる水分を大きな径の水滴にし、邪魔板45により燃料を迂回させて移動量を増やすことで、水滴が落下しやすくなり、油と水の分離性能が高くなる。
また、本実施の形態によれば、目詰まりしにくい第2フィルタ42Aが取り外せるため、目詰まりしやすい第1濾過部41aを容易に交換することができる。
なお、本実施の形態では、上端45aの直径が最も大きく、下端45bにいくにつれて直径が小さくなるようなテーパを邪魔板45が有したが、邪魔板の形状はこれに限られない。例えば、邪魔板がテーパを有しない円筒形状であってもよい。ただし、燃料を下方に流れやすくするためには、邪魔板45がテーパを有することが望ましい。
また、本実施の形態では、邪魔板45の下端45bが第1フィルタ41の下端よりも下側に位置したが、邪魔板の高さはこれに限られない。例えば、邪魔板の下端が第2フィルタ42の下端と第1フィルタ41の下端との間に位置してもよい。これにより、第1フィルタ41を通過した燃料が直接第2フィルタ42に当たらないようにし、燃料を迂回させることができる。また、邪魔板の高さに関わらず、プレート43Bに隣接して邪魔板が設けられていれば、燃料を迂回させる効果を得ることができる。ただし、燃料の移動量をできるだけ増やすために、邪魔板45の高さをできるだけ高くすることが望ましい。
また、本実施の形態では、板状部材の両端を連結して邪魔板45を形成しており、側面は平坦であるが、邪魔板の側面にリブ、溝等が設けられていてもよい。
図9は、変形例に係る邪魔板45Aの概略を示す図であり、(A)は側面図であり、(B)は断面図である。邪魔板45Aは、側面45cに螺旋状のリブ45dが設けられている。図10は、変形例に係る邪魔板45Bの概略を示す図である。邪魔板45Bは、側面45cに螺旋状の溝45eが設けられている。側面45cにリブ45d又は溝45eを設けることで、燃料をリブ45d又は溝45eに沿って螺旋状に流すことができる。したがって、燃料の移動量がさらに増え、水滴がより落下しやすくなる。
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態では、フィルタエレメント40が第1フィルタ41と第2フィルタ42を有したが、フィルタエレメントの構成はこれに限られない。第3の実施の形態は、フィルタエレメントが第2フィルタ42を有しない形態である。以下、第3の実施の形態に係る燃料フィルタ3について説明する。なお、第1の実施の形態、第2の実施の形態及びこれらの変形例と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図11は、燃料フィルタ3の概略を示す断面図である。燃料フィルタ3は、主として、フィルタケース10及びヘッド20を有するハウジング30と、フィルタエレメント40Cとを有する。フィルタエレメント40Cは、主として、第1フィルタ41と、プレート43B、44と、邪魔板45Aとを有する。
ねじ部22aがねじ部13aに螺合されてヘッド20がフィルタケース10に取り付けられると、板状部14にフィルタエレメント40Cが載置され、筒状部21にフィルタエレメント40C(筒状部43a)が挿入されることで、ハウジング30の内部でフィルタエレメント40Cが固定される。
図11において、燃料の流れを二点鎖線の矢印で示す。燃料タンク(図示せず)から燃料フィルタ3に導かれた燃料は、ヘッド20に設けられた図示しない流入部(図示省略)を通って、空間S1に流入する。空間S1の内部に流入した燃料は、第1フィルタ41を通過することで塵埃が取り除かれ、邪魔板45と第1フィルタ41との間の空間(空間S5)に流入する。また、空間S5に流入した燃料に含まれる水分は、第1濾過部41aを通過することで、凝集されてより大きな径の水滴となっている。
邪魔板45は燃料を通さないため、空間S5に流入した燃料は、リブ45dに沿って螺旋状に回転しながら側面45cに沿って下方(-z方向)に流れ、邪魔板45の下端(-z側の端)の開口部から空間S6に流入する。空間S6に流入した燃料は、ヘッド20の流出部(図示省略)を介して燃料フィルタ3から流出する。
濾過を繰り返すと第1濾過部41aに目詰まりが生じるため、フィルタエレメント40Cの交換を行う。まず、フィルタケース10とヘッド20とを分解し、フィルタケース10及びヘッド20からフィルタエレメント40Cを取り外す。その後、新たなフィルタエレメント40Cをハウジング30に取り付けることにより、フィルタエレメント40Cの交換が完了する。
本実施の形態によれば、邪魔板45Aを設けることで、第1フィルタ41を通過した燃料の移動量が増え、水滴が貯水部S4に向けて自重落下しやすい。本実施の形態では、邪魔板45の下端45bが第1フィルタ41の下端よりも下側(-z側)に位置するため、燃料の移動量が多く、第2フィルタ42を用いることなく、油と水を分離することができる。
なお、本実施の形態では、フィルタエレメント40Cが邪魔板45Aを有したが、邪魔板45Aに限られず、邪魔板45や邪魔板45Bを用いることができる。また、フィルタエレメント40Cが有する邪魔板の形状や高さもこれに限られない。ただし、第2フィルタ42を用いないため、邪魔板45Aの高さをできるだけ高くすることが望ましい。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成の追加、削除、置換等をすることが可能である。
また、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、「円筒形状」とは、厳密に円筒形状の場合には限られず、例えば円筒形状と同一視できる場合を含む概念である。また、例えば、単に直交、平行、一致等と表現する場合において、厳密に直交、平行、一致等の場合のみでなく、略平行、略直交、略一致等の場合を含むものとする。
また、「近傍」とは、基準となる位置の近くのある範囲(任意に定めることができる)の領域を含むことを意味する。例えば、端近傍という場合に、端の近くのある範囲の領域であって、端を含んでもいても含んでいなくてもよいことを示す概念である。
1、2、3:燃料フィルタ
10 :フィルタケース
11 :第1ケース
11a :底面
12 :開口端
13 :第2ケース
13a :ねじ部
14 :板状部
16 :ドレンプラグ
20 :ヘッド
21、22:筒状部
22a :ねじ部
30 :ハウジング
40、40A、40B、40C:フィルタエレメント
41 :第1フィルタ
41a :第1濾過部
41b :内筒
41c :外筒
42、42A:第2フィルタ
42a :第2濾過部
42b :フレーム
42c、42g:筒状部
42d、42h:プレート
42e :把持部
42f、42i:貫通孔
43、43A、43B:プレート
43a、43b、43e、43i:筒状部
43c、43d、43g、43h:中空部
43f :板状部
43j :外周面
44 :プレート
45、45A、45B:邪魔板
45a :上端
45b :下端
45c :側面
45d :リブ
45e :溝
51 :フロート
52、53、54:弾性部材

Claims (7)

  1. 一端に開口部を有し、他端が覆われた略筒形状のフィルタケースと、前記開口部を覆うように前記フィルタケースに設けられたヘッドと、を有するハウジングと、
    前記ハウジングの内部空間に設けられており、前記ハウジングに対して着脱可能なフィルタエレメントと、
    を備えた燃料フィルタにおいて、
    前記フィルタエレメントは、シート状の濾材をプリーツ状に折り曲げて形成した筒状の第1濾過部を有する第1フィルタと、前記第1濾過部の内側に設けられた第2フィルタと、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタが設けられた第1プレートと、を有し、
    前記第2フィルタは、網目状の薄板の両端を連結して筒状に形成した第2濾過部と、前記第2濾過部の第1端を覆う第1端部と、前記第2濾過部の前記第1端と反対側の第2端を覆う第2端部と、を有し、
    前記第1プレートは、前記ヘッドに設けられ、中央に第1貫通孔が形成されており、
    前記第1端部は、前記第1プレートに設けられており、前記第2濾過部の中空部と前記第1貫通孔とを連通する第2貫通孔が設けられており、
    前記第1プレートと前記第1端部とは着脱可能である
    ことを特徴とする燃料フィルタ。
  2. 前記第1貫通孔は、前記第1端部が挿入される大径部と、前記大径部より直径が小さい小径部と、を有し、
    前記小径部は、前記ヘッドと前記大径部とに挟まれており、
    前記第2端部には、把持部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料フィルタ。
  3. 前記第1フィルタと前記第2フィルタとの間に設けられた筒状の邪魔板を備え、
    前記邪魔板は、一端が前記第1プレートに設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料フィルタ。
  4. 一端に開口部を有し、他端が覆われた略筒形状のフィルタケースと、前記開口部を覆うように前記フィルタケースに設けられたヘッドと、を有するハウジングと、
    前記ハウジングの内部空間に設けられており、前記ハウジングに対して着脱可能なフィルタエレメントと、
    を備えた燃料フィルタにおいて、
    前記フィルタエレメントは、シート状の濾材をプリーツ状に折り曲げて形成した筒状の第1濾過部を有する第1フィルタと、前記第1フィルタの内側に設けられた筒状の邪魔板と、前記第1フィルタ及び前記邪魔板が設けられた第1プレートと、を有し、
    前記第1プレートは、前記ヘッドに設けられ、中央に第1貫通孔が形成されており、
    前記第1貫通孔は、前記邪魔板の中空部と前記ヘッドに設けられた流出部とを連通する
    ことを特徴とする燃料フィルタ。
  5. 前記邪魔板は、前記第1プレートから離れるにつれて直径が徐々に小さくなるテーパを有する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料フィルタ。
  6. 前記邪魔板の高さは、前記第1濾過部の高さ以上である
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の燃料フィルタ。
  7. 前記邪魔板の外周面には、螺旋状の溝又はリブが形成されている
    ことを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の燃料フィルタ。
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