JP2024002588A - 遊技場用システム - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技価値を盗難するような不正を防止しつつも遊技に支障が生じ難いようにする。【解決手段】アウトと、計数値との何れの発生も所定期間検知されない場合に、遊技価値を盗難するような不正を防止するための発行処理を抑制するセーフモードを発動し、そのセーフモードを、アウトを検知したら解除する一方、計数値を検知しても解除しないといったように、セーフモードを解除する稼動情報と解除しない稼動情報とを、セーフモードへの移行を判定するための稼動情報の中から区別した。不正が行なわれるような場合にセーフモードを解除され難くしつつも、例えば持玉の所有者である遊技者による遊技が行われる場合には、必要以上にセーフモードが継続される虞だけでなく、必要以上にセーフモードに移行される虞も低減され、遊技に支障が生じ難くなる。【選択図】図1
Description
本発明は、遊技場用システムに関する。
遊技場では遊技者が獲得した遊技価値を対応付けた記録媒体を発行可能としているが、記録媒体の持ち主である遊技者が離席した際に、不正者が当該記録媒体を不正に発行することで、遊技者により獲得された遊技価値が盗難に遭うといったケースも少なくない。このようなケースを防止するために、例えば特許文献1の[図36]に示されるように、所定期間、遊技関連情報が検知されない場合に各処理に対応した禁止フラグを記憶し、その後に所定の操作や遊技関連情報を検知した場合にエラーダウンさせることで、上記した盗難のような不正を防止することが提案されている。
しかしながら、このような場合、遊技者が休憩のために離席すれば禁止フラグが記憶されるので、休憩を終えた遊技者が遊技を再開しようとしてもエラーダウンしてしまい、遊技に支障が生じてしまう。一方で、遊技関連情報の検知により禁止フラグを解除すれば上記した不正を防止することが難しくなる。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技価値を盗難するような不正を防止しつつも遊技に支障が生じ難い遊技場用システムを提供することにある。
請求項1に記載した発明は、遊技機における遊技を行うことに応じて更新される第1稼動情報(例えばアウト、セーフ、スタート、大当り数等)の発生を検知する第1検知手段(例えば遊技装置2)と、遊技機における遊技を行わなくとも更新される第2稼動情報(例えば計数処理に応じた計数値、貸出処理に応じた貸出数や入金額、再プレイ処理に応じた再プレイ数等)の発生を検知する第2検知手段(例えば遊技装置2)と、前記第1稼動情報と前記第2稼動情報との何れの発生も所定期間検知されない場合に、遊技者の遊技価値が不正者により使用されるのを抑制する抑制状態(例えば発行処理、貸出処理、再プレイ処理等を禁止した状態、セーフモード)を発動する抑制状態発動手段(例えば遊技装置2)と、前記抑制状態の発動状態において、前記第1稼動情報の発生が検知された場合に当該抑制状態を解除する一方、前記第2稼動情報の発生が検知された場合でも当該抑制状態を解除しない抑制状態解除手段(例えば遊技装置2)と、を備える。
このような構成によれば、第1稼動情報と第2稼動情報との何れの発生も所定期間検知されない場合に例えば発行処理等を抑制する抑制状態を発動し、その抑制状態を、第1稼動情報を検知したら解除する一方、第2稼動情報を検知しても解除しないといったように、抑制状態を解除する稼動情報と解除しない稼動情報とを、抑制状態への移行を判定するための稼動情報の中から区別したので、遊技価値を盗難するような不正を防止しつつも遊技に支障が生じ難くなる。
以下、一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、遊技場用システムの全体構成を示し、遊技場内において、遊技機1、遊技装置2(第1検知手段、第2検知手段、抑制状態発動手段、抑制状態解除手段、遅延手段に相当する)及び情報表示装置3は、2台ずつ中継装置4に接続され、中継装置4は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。管理装置6は、遊技機1における遊技状況を示す遊技情報を受信して遊技機1毎に遊技情報を管理する。遊技機1における遊技情報は、遊技機1側から遊技装置2、中継装置4を順次経由して管理装置6にて受信される。一方、管理装置6において管理される各種設定情報は、管理装置6側から中継装置4を経由して遊技装置2にて受信される。遊技場内には、景品交換端末(以下、POS)7や、精算機(図示せず)等も設置されており、POS7や精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。
POS7は、遊技装置2で発行された会員カードや一般カードといったICカード8により特定される持玉や貯玉等の遊技価値に基づいて景品交換処理を行う。POS7は、景品交換処理を行う場合、遊技者が獲得した持玉や持メダルをICカード8から読取ったり、景品交換を希望する会員を特定して当該会員としての遊技者が遊技場へ預入れた貯蓄価値(貯玉、貯メダル)を管理装置6からオンラインで取得したりすることで、景品交換可能な遊技価値を特定する。
精算機は、ICカード8がカード挿入口に挿入されると、挿入されたICカード8を受付けて当該ICカード8に記録されている入金残高(貨幣価値、以下「残高」と称する)をカードリーダ(図示せず)により読取り、その読取った入金残高に対応する紙幣や硬貨を返却口から返却する。又、精算機には、紙幣が投入される紙幣投入口が設けられており、紙幣が投入されると、その投入金額を、ICカード8に記録されている入金残高に加算可能となっている。ICカード8としての会員カードと一般カードは、遊技価値と貨幣価値とのうち少なくとも一方である有価価値を特定可能な記録媒体である。一般カードは、不特定多数の一般遊技者に対して発行される一般記録媒体であり、会員カードは、予め会員登録を行った会員に対して発行される会員記録媒体である。
管理装置6は、例えば遊技場内の事務室等に設置された管理手段であり、遊技場の管理者が操作するキーボード9、モニタ10、プリンタ(図示せず)等を備える。詳しい図示は省略するが、管理装置6の制御部は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。
管理装置6において、制御主体となる制御部には、上記したキーボード9、モニタ10、プリンタ等が接続されると共に、遊技機1側(遊技機1や遊技装置2)等との間で各種信号を送受信する送受信部等が接続される。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。管理装置6は、遊技場内に設置された遊技機1、遊技装置2、POS7、精算機等の稼動状況を管理する。
遊技機1は、予め機内に封入された循環遊技媒体(例えば循環パチンコ玉)を使用する封入式のパチンコ機である。遊技機1で用いられる遊技価値(遊技媒体)は仮想上のパチンコ玉であるが、機内の記憶部に記憶される遊技価値であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、盤面に打ち出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外に払出されず、遊技に応じて記憶部の遊技価値である遊技玉が増減される。
遊技機1は、遊技者が所有する残金や、持玉(獲得価値)、貯玉(獲得価値)を換算した遊技玉(獲得価値)を記憶及び管理し、その機内の記憶部に記憶している遊技玉(遊技価値)が残っていることを条件として内部の循環パチンコ玉(単に「玉」とも称する)を発射装置に供給して盤面に発射し、入賞して遊技者が遊技玉を獲得すると、遊技玉を払出すことなくデータ上の遊技玉として加算する(入賞付与処理)等して遊技状態を管理する。
図2に示すように、遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面11、発射装置を構成する操作ハンドル12、残高を遊技玉に換算するための貸出釦13、会員カードや一般カードを発行するための返却釦14、残高を表示する残高表示部15、遊技玉を持玉に換算するための計数釦16、遊技玉の玉数を表示する遊技玉表示部17を有する。盤面11には、普図表示部18、普図保留表示部19、特図表示部20、普図入賞口21、一般入賞口22,23、第1保留数表示部24、第2保留数表示部25、第1始動口26、第2始動口27、大入賞口28が設けられている。又、計数釦16及び遊技玉表示部17の下方には、装飾用パネル29が設けられている。
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口26は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口27は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口26,27への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部20にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
(1)第1始動口26は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口27は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口26,27への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部20にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(3)遊技機設定値(モード)が6段階で設けられている。このモードにより、大当り抽選の当選確率(大当り確率)を通常遊技状態(通常状態、通常)と確変状態(確変状態、確変)とを対象として調整可能となっている。大当りがその後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められている。又、通常状態と確変の大当り確率は、高設定ほど高い確率に設定されているが、当該大当り確率をモードにより不変とする一方、確変率を調整可能とするように、通常状態と確変の大当り確率や確変率、後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であれば良い。
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口28を開放する。入賞することで遊技玉が加算され(入賞付与処理)、1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放期間の何れか満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は、第1始動口26に入賞した場合は、2Rが10%、8Rが50%、15Rが40%であるが、第2始動口27に入賞した場合は、8Rが10%、15Rが90%であり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口26よりも第2始動口27の方が高く設定される。
(5)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口27の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。又、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
(6)第2始動口27は普図入賞口21への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に通常の状態よりも入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動期間は通常状態では30秒であり、時短状態では3秒である。又、開放期間は通常状態では0.3秒であり、時短では5秒である。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間が長くなることで開放状態になり易くなり、第2始動口27の入賞率が高くなる。
(7)大入賞口28や第2始動口27が盤面11の右側にあることから時短中や大当り中には盤面11の右側を狙って打つ所謂右打ちが行われる。以上は例えば機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。又、遊技機1の構成については、ICカード8の発行時に操作される返却釦14を遊技装置2側に設ける等、適宜変更し得るものである。
遊技機1は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口26,27への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示すデータ項目を出力する。
「アウト」=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示す信号。
「セーフ」=前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示す信号。
「S入賞(回数)」=前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示す信号。
「アウト」=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示す信号。
「セーフ」=前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示す信号。
「S入賞(回数)」=前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示す信号。
「スタート(回数)」=前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(特図表示部20)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示す信号。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数しても良い。
「作動中(状態)」=データ送信時に図柄変動中等の役物が作動中であればON、非作動中ならOFFを示す信号であり、ONとなってからOFFとなるまでの期間が役物作動中として特定される。
「大当り(回数)」=前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示す信号。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
「大当り(状態)」=データ送信時に大当り状態の発生中であればON、大当り状態の発生中でなければOFFを示す信号であり、ONとなってからOFFとなるまでの期間が大当り中として特定される。
「大当り(回数)」=前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示す信号。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
「大当り(状態)」=データ送信時に大当り状態の発生中であればON、大当り状態の発生中でなければOFFを示す信号であり、ONとなってからOFFとなるまでの期間が大当り中として特定される。
「甘中(状態)」=データ送信時に、特別状態中(甘中)或いは大当り状態の発生中であればON、それ以外であればOFFを示す信号であり、ONとなってからOFFとなるまでの期間が甘中或いは大当り中として特定される。例えば甘中(状態)がONの場合、大当り(状態)がONであれば大当り中、OFFなら甘中と特定される。又、大当り(状態)と甘中(状態)の何れもOFFであれば通常状態と特定される。尚、大当り中では、甘中が必ずしもONにならなくても良い。甘中は、上記した時短や確変といった特別状態に対応しており、甘中或いは大当り中は、特賞中に相当する。
「遊技玉数」=遊技機1の記憶部にて記憶している遊技玉数であって、当該遊技機1での遊技に使用可能な遊技玉の数を1玉単位で示す信号。
「遊技玉数」=遊技機1の記憶部にて記憶している遊技玉数であって、当該遊技機1での遊技に使用可能な遊技玉の数を1玉単位で示す信号。
上記したデータ項目たる遊技信号は、これを特定可能な電文のようなデータ信号として、前回送信時からの累計データ(更新データ)が遊技機1から遊技装置2に対して一定間隔(例えば200ミリ秒毎)で送信される。又、上記したデータ項目以外の不正情報等も遊技装置2に対して送信される。
遊技装置2は、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態(エラー状態等)を示す状態表示灯30、貨幣(例えば紙幣)が投入される貨幣投入口31、遊技者からの操作入力を受付けると共に後述する各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部32、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払出すための遊技釦33、会員カード或いは一般カードが挿入されるカード挿入口34、従業員が携帯して操作するリモコン35(図1参照)からの信号を受信するリモコン受光部36を有する。又、遊技装置2は、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ(図示せず)も有する。
遊技装置2は、以下のように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13の押下(貸出操作、付与操作)が行われると、貸出1単位(例えば125玉)分を貸出玉として遊技玉(対価付与価値)に変換し(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レートと称する)に応じた対価分を残高から引落とす。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13の押下(貸出操作、付与操作)が行われると、貸出1単位(例えば125玉)分を貸出玉として遊技玉(対価付与価値)に変換し(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レートと称する)に応じた対価分を残高から引落とす。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
(2)持玉を管理しており、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技釦33の押下(再プレイ操作、付与操作)に応じて払出1単位分の持玉を遊技玉に変換する変換処理(対価付与処理)を行う。この場合、変換率を別途設けても良いが、本実施形態では1:1としている(以下の計数処理についても同様)。
(3)遊技に応じて遊技機1の遊技玉が増加した場合、遊技機1の計数釦16の押下(計数操作)に応じて遊技玉を持玉へ変換する計数処理を行う。この場合、1回の押下に応じて1玉を換算対象とするが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に換算可能となる。このようにして遊技玉と持玉とを更新し、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14を押下する等の発行操作を行うと、その残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する(発行処理)。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。
(4)発行処理は遊技機1における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数「0」以下となることで発行条件が成立して発行処理が可能となる。よって、遊技機1と一定間隔(例えば300ms毎に)で通信(アウトやセーフ等の情報も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が「0」になると、その旨が遊技装置2へ通知され、発行条件が成立すると発行処理が許容される。遊技機1から遊技玉を特定可能な遊技玉信号を受信することで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すれば良いが、遊技玉が「0」になった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用しても良い。
(5)発行された一般カードにより特定可能な持玉はPOSにて景品との交換が許容され、残高は精算機にて貨幣に精算可能とする。尚、遊技装置2が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金を例示することできるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としても良い。又、持玉や残高を一般カードに対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カードや遊技者の携帯電話機等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論良い。
(6)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、換算(変換)玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券(カード8b)の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、遊技機1との通信は、中継装置4を介さずに遊技機1と直接通信しても良いし、中継装置4を介して遊技機1と通信しても良い。
管理装置6は、図3に示すセーフモード設定関連情報を設定可能であり、セーフモード設定関連情報を中継装置4を介して遊技装置2に設定可能である。セーフモード設定関連情報は、セーフモード(抑制状態)に関連する設定情報であり、以下の項目を含む。
「タイマ」=アウト(第1稼動情報)や計数値(第2稼動情報)といった稼動情報を更新した場合に作動するタイマの作動時間を示し、このタイマがタイムアップした(第1稼動情報と第2稼動情報とが何れも所定期間更新されない)場合にセーフモードを発動し、発行処理を抑制する。
「アウト」=アウトを検知したと特定するために必要なアウトを示し、図3に例示する「100」の場合、セーフモードの状態である場合は、100玉分のアウトを検知し、後述する遅延タイマの経過後にセーフモードを解除し(抑制状態の解除を所定時間遅延させる)、上記したタイマを作動させる。セーフモードの状態でない場合は、この設定値に依らず、アウト信号を入力すればアウトが更新されたとしてタイマを再作動させるが、この設定値分のアウトが更新されることにより再作動させても良いし、後述する遅延タイマを考慮してセーフモードの解除もアウト信号の入力又は更新に応じてアウトを検知したと判定しても良い。
「遅延タイマ」=アウトの検知によりセーフモードを解除する場合における当該解除までの遅延期間を示す。ここで、通常の遊技者は遊技再開後に直ぐには発行処理を行わないが、不正者はアウトの検知によりセーフモードが解除されて発行が許容される場合、少しでも早く立ち去りたいと考える。つまり、当該解除を遅延タイマの分だけ遅延させることで不正者を立ち去り難くして不正を抑制している。尚、図1ではアウトが設定値に達することで検知した場合、更に遅延タイマ分だけ遅延する構成を想定しているが、アウトと遅延タイマとの何れか一方だけを採用しても良いし、上記のように不正者を立ち去り難くすることを考慮しないならば何れも採用しなくとも良い。
「有価価値」=遊技玉を含めるか否かを設定する項目を示す。遊技玉を含める場合は、持玉に遊技玉を加えた保有玉(獲得価値)を対象として以下の発行可能の設定値との比較対象となり、遊技玉を含めない場合は、持玉が比較対象となる。
「発行可能」=上記した有価価値の設定内容に応じた保有玉と持玉との何れかを対象として当該設定値と比較することで発行処理可能な有価価値があるか否かを判定する。保有玉や持玉が当該設定値に達していれば有価価値有とするが、設定値に達していなくとも残高が残存すれば有価価値有とし、保有玉や持玉及び残高の何れもなければ有価価値無とする。尚、残高にはこのような設定値を設けないが、設定値を設けても良く、その場合、保有玉や持玉と同様に設定値に達しているか否かにより有価価値有か否かを判定しても良い。有価価値として遊技玉を含めた場合、セーフモードは保有玉に応じて発動するが、発行対象は持玉であるため、発行処理時に遊技玉の計数処理が行われていなければ計数処理を促す又は計数処理を行うような発行補助処理を行う。
セーフモードについて説明する。セーフモードは、[発明が解決しようとする課題]で説明した通り、遊技価値を獲得した遊技者が離席した際に不正者により発行処理が行われて遊技価値が対応付けられた記録媒体が盗難される虞を低減すべく、アウトのような稼動情報が所定期間(図3で説明したタイマ)更新されない場合に発動されることで発行処理を抑制する抑制状態である。この場合、抑制としては禁止を例示することができるが、例えば発行処理の対象となる遊技価値に上限を設けることや、発行操作を複雑にする(例えば複数回の釦操作とする)といった他の抑制も例示することができる。即ち、不正者が記録媒体を盗難し難くなる手法であれば、どのような手法でも良い。
セーフモードでは発行処理は抑制されるが、貸出処理や再プレイ処理或いは計数処理等の他の処理(抑制対象とならない処理)は抑制されない。又、アウトのような遊技機1における遊技を行うことに応じて更新される第1稼動情報が更新されれば図3のような設定情報に応じた条件はあるものの解除される。一方、計数処理に応じた計数値のような遊技機1における遊技を行わなくとも更新される第2稼動情報が更新されても解除されない。尚、他に従業員が携帯するリモコン35や管理装置6の操作のような従業員の解除操作に応じた解除信号の受信による解除も可能である。
上記した通り、セーフモードが発動していなければ第1稼動情報、第2稼動情報を問わず稼動情報であればタイマを再作動させるが、セーフモードを解除するための判定対象は第1稼動情報とし、第2稼動情報は除外している。これは、不正者が発行処理を行うために遊技機1における遊技を行わずに計数処理を行うことは想定できるが、遊技機に1おける遊技を行うことは想定し難いためである。
本実施形態では、第1稼動情報はアウト、第2稼動情報は計数値を例示しているが、第1稼動情報としては他に、セーフ、スタート、大当り数等の遊技情報を例示することができ、第2稼動情報としては貸出数、入金額、再プレイ数等の遊技情報を例示することができる。
又、セーフモードにおいて抑制対象となる処理は発行処理以外に貸出処理や再プレイ処理等も例示することができるが、第2稼動情報はセーフモード中にも更新可能でないと本実施形態のように第2稼動情報によりセーフモードを解除しない構成を採用する意味合いが薄れるため、セーフモードの抑制対象とならない処理により更新可能な遊技情報とすることが望ましい。例えばセーフモードで計数処理が抑制されれば第2稼動情報から計数値を除外した構成を想定することができる。
次に、上記した構成の作用について図4を参照して説明する。
遊技装置2は、セーフモード処理を開始すると、遊技機1にて遊技していない状態では、待機フローとして、発行可能フラグが「1」でないと判定し(S1:NO)、有価価値が生じていないと判定(持玉や遊技玉については図3の設定値に基づく判定)し(S2:NO)、リターンする。遊技装置2は、遊技機1にて遊技が開始され、残高や持玉等の有価価値が生じると、有価価値が生じたと判定し(S2:YES)、発行可能フラグを「1」に設定し(S3)、タイマを作動させ(S4)、リターンする。
遊技装置2は、セーフモード処理を開始すると、遊技機1にて遊技していない状態では、待機フローとして、発行可能フラグが「1」でないと判定し(S1:NO)、有価価値が生じていないと判定(持玉や遊技玉については図3の設定値に基づく判定)し(S2:NO)、リターンする。遊技装置2は、遊技機1にて遊技が開始され、残高や持玉等の有価価値が生じると、有価価値が生じたと判定し(S2:YES)、発行可能フラグを「1」に設定し(S3)、タイマを作動させ(S4)、リターンする。
遊技装置2は、発行可能フラグを「1」に設定すると、通常待機フローとして、発行可能フラグが「1」であると判定し(S1:YES)、有価価値が無くなっていないと判定し(S5:NO)、抑制フラグが「0」であると判定し(S6:YES)、アウトが更新されていないと判定し(S7:NO)、計数値が更新されていないと判定し(S8:NO)、タイムアップしていないと判定し(S9:NO)、発行操作が行われていないと判定し(S10:NO)、リターンする。遊技装置2は、アウトが更新されたと判定すると(S7:YES)、又は計数値が更新されたと判定すると(S8:YES)、タイマを再作動させる(S11)。この場合、本実施形態ではアウトや計数値の更新は、1玉でも更新された場合に更新されたと判定するようにしているが、図3に示すような設定値分の更新を条件とした検知としても良い。
遊技装置2は、この通常待機フローにおいて、発行処理は許容されているので、発行操作が行われたと判定すると(S10:YES)、発行処理を行い(S12)、発行処理により有価価値が無くなったか否かを判定する(S13)。遊技装置2は、例えば有価価値の一部を発行対象とする分割発行により有価価値が残れば、有価価値が無くなっていないと判定し(S13:NO)、通常待機フローを維持する一方、例えば有価価値の全てを発行対象とする全発行処理により有価価値が無くなれば、有価価値が無くなったと判定し(S13:YES)、発行可能フラグを「0」に設定し(S14)、タイマを停止した上で(S15)、待機フローにリターンする。
一方で、遊技装置2は、タイマがタイムアップしたと判定すると(S9:YES)、抑制フラグを「1」に設定し(抑制状態を発動し)(S16)、発行操作が行われたか否かを判定する(S17)。遊技装置2は、発行操作が行われたと判定すると(S17:YES)、発行操作の抑制中であることを示すエラー画面を表示し(S18)、発行処理を抑制する抑制フローとなる。
遊技装置2は、抑制フローでは、発行可能フラグが「1」であると判定し(S1:YES)、有価価値が無くなっていないと判定し(S5:NO)、抑制フラグが「0」でないと判定し(S6:NO)、発行操作が行われていないと判定し(S17:NO)、例えば従業員リモコン35の操作に応じた解除信号を受信していないと判定し(S19:NO)、アウトが検知されていないと判定し(S20:NO)、計数値が更新されていないと判定し(S21:NO)、リターンする。
遊技装置2は、この抑制フローにおいて、アウトが検知されたと判定すると(S20:YES)、図3に示す遅延タイマ分遅延させた上で抑制フラグを「0」に設定し(抑制状態の発動を解除し)(S22)、タイマを作動させ(S4)、通常待機フローにリターンする一方、計数値が更新されたと判定すると(S21:YES)、抑制フラグを「0」に設定することなく、抑制フローを維持する。尚、遊技装置2は、解除信号を受信したと判定すると(S19:YES)、この場合も、抑制フラグを「0」に設定し(S21)、タイマを作動させ(S4)、通常待機フローにリターンする。この場合、本実施形態では説明の都合上、検知は図3に示す設定値分の更新を条件とし、設定値に関わらず1玉でも対象となる更新と区別しているが、抑制状態を発動する、或いは解除するための稼動情報の発生の検知としては、本実施形態における検知だけでなく更新する場合も含む。これは第1稼動情報だけでなく第2稼動情報も同様である。
又、遊技装置2は、通常待機フローや抑制フローにおいて、例えば残高や持玉を使用し尽すことで有価価値が無くなったと判定すると(S5:YES)、抑制フラグが「1」であれば抑制フラグを「0」に設定し(S23)、発行可能フラグを「0」に設定し(S14)、タイマを停止した上で(S15)、待機フローにリターンする。
以上に説明した本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
アウトと、計数値とが何れも所定期間検知されない場合に、遊技価値を盗難するような不正を防止するための発行処理を抑制するセーフモードを発動し、そのセーフモードを、アウトを検知したら解除する一方、計数値を検知しても解除しないといったように、セーフモードを解除する稼動情報と解除しない稼動情報とを、セーフモードへの移行を判定するための稼動情報の中から区別したので、上記した不正が行なわれるような場合にセーフモードを解除され難くしつつも、例えば持玉の所有者である遊技者(所有者)による遊技が行われる場合には、必要以上にセーフモードが継続される虞だけでなく、必要以上にセーフモードに移行される虞も低減され、遊技に支障が生じ難くなる。
アウトと、計数値とが何れも所定期間検知されない場合に、遊技価値を盗難するような不正を防止するための発行処理を抑制するセーフモードを発動し、そのセーフモードを、アウトを検知したら解除する一方、計数値を検知しても解除しないといったように、セーフモードを解除する稼動情報と解除しない稼動情報とを、セーフモードへの移行を判定するための稼動情報の中から区別したので、上記した不正が行なわれるような場合にセーフモードを解除され難くしつつも、例えば持玉の所有者である遊技者(所有者)による遊技が行われる場合には、必要以上にセーフモードが継続される虞だけでなく、必要以上にセーフモードに移行される虞も低減され、遊技に支障が生じ難くなる。
セーフモードにてアウトを検知した場合、セーフモードの解除を所定期間遅延するので、所有者が離席後に戻ってきた場合には遊技の再開に応じてセーフモードが解除される一方、所有者でない不正者がセーフモードを解除すべく遊技しても直ぐには解除されないことからセーフモードが継続し、発行処理による不正が行い難くなる。
第1稼動情報として遊技機1における遊技を行うことに応じて更新されるアウトのような稼動情報を採用する一方、第2稼動情報として遊技機1における遊技を行わなくとも更新される計数値のような稼動情報を採用したので、遊技を継続する所有者にとってはセーフモードを解除し易くなり、遊技を行わずに発行処理を行いたい不正者にとってはセーフモードを解除し難くなる。
計数値のような第2稼動情報はセーフモードにより抑制対象とならない計数処理のような処理により更新可能な情報であるので、セーフモードへの移行を判定するための第2稼動情報が検知されてもセーフモード自体は解除されず、セーフモードが解除されないように必要以上の処理を抑制対象としなくとも良くなる。
セーフモードとなった場合でも計数処理を許容し、第2稼動情報として計数値が含まれ、セーフモードが解除されない計数値が更新されてもセーフモードでない状態を継続するので、例えば遊技終了後に多数の遊技玉を計数するためであるとか、閉店時に遊技はできないが多数の出玉を計数するために計数処理が長引いた場合であってもセーフモードに移行しないことで、セーフモードを解除するための処理を省略することができ、その後の運用を円滑に進められる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形又は拡張するようにしても良い。
セーフモードにおいて計数値を更新した場合に何ら処理を行わないことを例示したが、例えばエラー画面を表示するような何らかの処理を行っても良い。
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。又、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
セーフモードにおいて計数値を更新した場合に何ら処理を行わないことを例示したが、例えばエラー画面を表示するような何らかの処理を行っても良い。
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。尚、この場合もサーバにて操作入力により入力された設定値となる。又、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。又、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としても良い。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。又、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。又、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
以上と超過についてはどちらを採用しても良く「達した」等の表現は以上となった或いは超過したの何れにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外の例えばスロットマシンや、遊技媒体を払出すようなパチンコ遊技機等も採用することができる。尚、このような遊技媒体を払出す場合やデータで扱う場合を考慮して必要に応じて遊技価値を付与すると表現する。
遊技装置2が行う処理の一部を中継装置4、或いは管理装置6等にて行っても良く、どのように構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外の例えばスロットマシンや、遊技媒体を払出すようなパチンコ遊技機等も採用することができる。尚、このような遊技媒体を払出す場合やデータで扱う場合を考慮して必要に応じて遊技価値を付与すると表現する。
遊技装置2が行う処理の一部を中継装置4、或いは管理装置6等にて行っても良く、どのように構成しても良い。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
図面中、1は遊技機、2は遊技装置(第1検知手段、第2検知手段、抑制状態発動手段、抑制状態解除手段、遅延手段)、6は管理装置である。
Claims (4)
- 遊技機における遊技を行うことに応じて更新される第1稼動情報の発生を検知する第1検知手段と、
遊技機における遊技を行わなくとも更新される第2稼動情報の発生を検知する第2検知手段と、
前記第1稼動情報と前記第2稼動情報との何れの発生も所定期間検知されない場合に、遊技者の遊技価値が不正者により使用されるのを抑制する抑制状態を発動する抑制状態発動手段と、
前記抑制状態の発動状態において、前記第1稼動情報の発生が検知された場合に当該抑制状態を解除する一方、前記第2稼動情報の発生が検知された場合でも当該抑制状態を解除しない抑制状態解除手段と、を備えた遊技場用システム。 - 前記抑制状態の発動状態において、前記第1稼動情報の発生が検知された場合に当該抑制状態の解除を所定時間遅延させる遅延手段を備えた請求項1に記載した遊技場用システム。
- 前記第2稼動情報は、前記抑制状態の発動状態において、抑制対象とならない処理により更新可能な情報である請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
- 前記抑制対象とならない処理として、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である獲得価値を計数する計数処理が含まれ、
前記第2稼動情報として前記計数処理による計数値が含まれる請求項3に記載した遊技場用システム。
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